JP2016120043A - 箸 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の箸を親子間、介護者と非介護者とで共有しても病原体が感染することなく、かつ、手も汚れず衛生的に使用することができる箸を提供する。【解決手段】箸の一方の端部に先細りの第1先端部を有し、箸の他方の端部に先細りの第2先端部を有する箸であって、前記第1先端部と持ち手部との間に、前記第1先端部から持ち手部への液垂れを防止する第1液垂れ防止手段、及び/又は、前記第2先端部と持ち手部との間に、前記第2先端部から持ち手部への液垂れを防止する第2液垂れ防止手段を設けている箸。【選択図】図1

Description

本発明は、箸の両端にそれぞれ先細り形状の先端部を有する箸に関する。
従来より、一端のみに先細り形状の先端部を有する箸が知られている(例えば、特許文献1)。このような箸を親子が共有して使用した場合、親の虫歯菌が子供に移ってしまうという問題があった。また、親子間の共有だけでなく、介護者と被介護者が上述のような箸を共有した場合、病原体が感染する恐れがある。
また、箸の両端にそれぞれ先細り形状の先端部を有する箸として、いわゆる「祝箸」が知られている(例えば、非特許文献1)。このような箸であれば、一端の先端部は食べさせる側の人が使用し、他端の先端部は食べさせられる側の人が使用するという風に区別して使用すれば、上記問題は解決されるとも思える。
特開平6−121727号公報 Japancraft.jp 伝統工芸ギャラリー 迎春1月「祝い箸」 http://japancraft.jp/dictionary/ja/syunnomono/geisyunjanuary/iwaibashi/
しかしながら、一方の先端部を使用した後、持ち手部分を持ち替えて他方の先端部を使用した場合、一方の先端部に付着した、味噌汁、スープ、ドレッシング等の液体が持ち手部分に垂れてくるので、手が汚れるうえに、衛生的にも問題があった。
前記した目的を達成するために、本発明に係る箸は、箸の一方の端部に先細り形状の第1先端部を有し、箸の他方の端部に先細り形状の第2先端部を有する箸であって、前記第1先端部と持ち手部との間に、前記第1先端部から持ち手部への液垂れを防止する第1液垂れ防止手段、及び/又は、前記第2先端部と持ち手部との間に、前記第2先端部から持ち手部への液垂れを防止する第2液垂れ防止手段を設けている。
前記第1先端部と前記第2先端部とが視覚的に識別可能であることが好ましい。
前記持ち手部の短手方向断面形状における断面重心から前記短手方向断面形状の外郭線の一点までの距離と、前記断面重心から前記外郭線の他の一点までの距離とが相違することが好ましい。
このように、本発明に係る箸によれば、一対の箸を親子間、介護者と非介護者とで共有しても病原体が感染することなく、かつ、手も汚れず衛生的に使用することができる。
本発明の一実施形態に係る箸の正面図である。 図2(a)は、図1の箸の右側面図であり、図2(b)は、図1の箸の左側面図である。 図3(a)は、図1のA−A断面図であり、図3(b)は、図1のB−B断面図であり、図3(c)は、図1のC−C断面図である。 持ち手部の形状が異なる箸の一例を示す正面図である。 図5(a)は、図4のD−D断面図であり、図5(b)は、図4のE−E断面図であり、図5(c)は、図4のF−F断面図である。 種々の液垂れ防止手段の構成を示す図である。 第1先端部と第2先端部とが視覚的に識別可能である箸の一例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る一対の箸のうち代表として一方のみを示した正面図である。他方の箸も図1と同一形態を有している。図1にあらわされた細線は立体表面の形状を表す稜線である。図示しないが、図1の箸は、背面図は正面図と対称であり、平面図と底面図は、正面図と同一である。
図1に示す箸は、持ち手部3の一方端側に先細り形状の第1先端部1を有し、持ち手部3の他方端側にも先細り形状の第2先端部2を有する箸である。本明細書において、「先端部P(1,2)」とは、食べ物を摘まむ等して口に運ぶ部分のことをいう。
本実施形態に係る箸の第1先端部1及び第2先端部2は、共に先端側に向けて先細りのテーパー形状であり、かつ、各先端にそれぞれ丸みを設けている。先端部P(1,2)の形状は、食べ物を摘まむことができれば特に限定されるものではなく、例えば、先端側に向けて先細りの略四角錐台形状等にしてもよい。
第1先端部1と第2先端部2の長さを異ならせることが好ましい。具体的には、図1に示すように、第1先端部1の長さを、第2先端部2の長さと比べて長くしている。長さの短い先端部P(1,2)側を、食べさせられる側の人に使用すればより安全に食べさせることができる。また、先端部P(1,2)の長さを異ならせることにより、第1先端部1と第2先端部2とが視覚的に識別可能となり、食べさせる側の人が使用する先端部P(1,2)と、食べさせられる側の人が使用する先端部P(1,2)とを容易に区別することができる。
図2(a)は、図1の箸の右側面図であり、図2(b)は、図1の箸の左側面図である。図2(a)(b)に示すように、第1先端部1と第2先端部2における先端部P(1,2)分の径方向長さを異ならせることが好ましい。具体的には、第2先端部2分における先端部分の径方向長さを、第1先端部1における径方向長さよりも長く形成することにより、第2先端部2における先端部分が、第1先端部1における先端部分に比べて、太く、かつ、丸みを帯びている。したがって、第2先端部2を食べさせられる側の人に使用すれば、より安全に食べさせることができる。
本実施形態に係る箸は、図1及び図2(a)(b)に示すように、第1先端部1と第2先端部2の長さを異ならせると共に、第1先端部1と第2先端部2とのテーパー角度を異ならせている。具体的には、第1先端部1の長さは、第2先端部2の長さよりも長く形成されていると共に、第1先端部1のテーパー角度は第2先端部2のテーパー角度よりもきつく形成されている。
したがって、第1先端部1の方が、第2先端部2に比べて、長く、かつ、尖っている。つまり、第2先端部2の方が、第1先端部1に比べて、短く、かつ、丸みを帯びている。このように形成された箸を使用する場合、食べさせる側の人が第1先端部1を使用し、食べさせられる側の人は第2先端部2を使用すれば、衛生的かつ安全に食することができる。
図3(a)は、図1のA−A断面図であり、図3(b)は、図1のB−B断面図であり、図3(c)は、図1のC−C断面図である。なお、図1に示す箸の持ち手部3は、持ち手部3を2等分する仮想面に対して略対称の形状をしているため、持ち手部3の第2先端部2寄りの断面図は省略する。
本実施形態に係る箸の持ち手部3は、図3(a)に示すように、持ち手部3の中央と中央近傍の断面は、略角丸矩形形状であり、先端部P(1,2)側に向かうに従って漸次角部が丸みを帯び(図3(b)参照)、図3(c)に示すように先端部P(1,2)の近傍の断面が円形状になるように形成されている。また、先端部P(1,2)に向かうに従って、断面における最長部分の寸法が小さくなるように形成されている。つまり、先端部P(1,2)に向かうに従って先細り形状になっている。このような構成であれば、箸を食卓等に載置した場合、箸が転がるのを防止できると共に、第1先端部1と第2先端部2とがそれぞれ載置面に接触することなく載置できるので衛生的に使用することができる。また、一対の箸のそれぞれの持ち手部3の中央を当接させることにより、体裁よく並べることができる。さらに、持ち手部3の各先端部P(1,2)側の断面を略円形状にすることにより、食べ物を箸で摘まむときに、一対の箸の持ち手部3同士が当接することなく、使い勝手の良いものとなる。
図4は、図1の箸の持ち手部3と異なる形状の持ち手部3を有する箸の一例であり、持ち手部3以外は図1に示す箸と同様である。図5(a)は、図4のD−D断面図であり、図5(b)は、図4のE−E断面図であり、図5(c)は、図4のF−F断面図である。なお、図4に示す箸の持ち手部3は、持ち手部3を2等分する仮想面に対して略対称の形状をしているため、持ち手部3の第2先端部2寄りの断面図は省略する。
図4に示す箸の持ち手部3は、図5(a)に示すように、持ち手部3の中央と中央近傍の断面を円形状とし、先端部P(1,2)側に向かうに従って漸次角部を形成させ(図5(b)参照)、先端部P(1,2)の近傍の断面を略角丸矩形状にしている。
このような箸であれば、箸が転がるのを防止できると共に、第1先端部1と第2先端部2とがそれぞれ載置面に接触することなく載置できる。
持ち手部3は、箸を食卓等に載置した状態にて、転がりにくい形状であることが好ましく、持ち手部3の少なくとも一部の断面を、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形にしたり、持ち手部3に凸部を形成する等、持ち手部3の短手方向断面形状における断面重心から短手方向断面形状の外郭線の一点までの距離と、前記断面重心から前記外郭線の他の一点までの距離とが相違している形状を、持ち手部3の少なくとも一部に有していることが好ましい。また、食卓等に箸を載置した場合に、第1先端部1と第2先端部2とが共に載置面に接触しない構成のものが好ましい。
本実施形態に係る箸には、図1に示すように、第1先端部1から持ち手部3への液垂れを防止する第1液垂れ防止手段4(DP)が、第1先端部1と持ち手部3との間に設けられており、第2先端部2から持ち手部3への液垂れを防止する第2液垂れ防止手段5(DP)が、第2先端部2と持ち手部3の間に設けられている。
図6(a)は、図1に示す、第1液垂れ防止手段4の拡大斜視図である。なお、図1に示す箸の第2液垂れ防止手段5は、第1液垂れ防止手段4の構成と同様である。
図1及び図6(a)に示すように、第1先端部1における持ち手部3側の端部(以下、「第1先端部持ち手側端部11」という。)と、持ち手部3における第1先端部1側の端部(以下、「第1持ち手端部31」という。)と間に、周状の溝6(以下、「第1溝61」という場合がある。)連続して設けられており、第1溝61と第1溝61の間には、周状の凸状部7(以下、「第1凸状部71」という。)が形成され、第1持ち手端部31から内側に向けて環状壁8(以下、「第1環状壁81」という。)が形成される。同様に、第2先端部2における持ち手部3側の端部(以下、「第2先端部持ち手側端部21」という。)と、持ち手部3における第2先端部2側の端部(以下、「第2持ち手端部32」という。)との間に、周状の溝6(以下、「第2溝62」という場合がある。)が連続して設けられている。第2溝62と第2溝62との間に、周状の凸状部7(以下、「第2凸状部72」という。)が形成され、第2持ち手端部32から内側に向けて環状の壁(以下、「第2環状壁82」という。)が形成される。本実施形態において、溝6は連続して二つ設ける構成としている。溝6を複数設ける構成とすれば、先端部P(1,2)から持ち手部3への液垂れをより確実に防止できるので好ましが、図5(b)に示すように、溝6を一つ設ける構成とすることもできる。
第1凸状部71の最も突出した部分は、第1先端部持ち手側端部11と第1持ち手端部31とを結ぶ仮想線(図1中の二点鎖線参照)と同一、又は、内側に位置していることが好ましい。同様に、第2凸状部72の最も突出した部分は、第2先端部持ち手側端部21と第2持ち手端部32とを結ぶ仮想線(図1中の二点鎖線参照)と同一、又は、内側に位置していることが好ましい。また、第1凸状部71と第2凸状部72は、正面視、山形状に形成されているが、例えば、略三角形状、略矩形形状等種々の形状にすることができる。
このような構成にすれば、第1先端部1から持ち手部3に垂れてくる液体が、連続する第1溝61のうち少なくとも一つの第1溝61に溜まったり、第1凸状部71や第1環状壁81によって持ち手部3側に液体が垂れるのを阻止されて、液体が重力方向に落ちることにより、第1先端部1から持ち手部3に液体が垂れることを防止することができる。同様に、第2先端部2から持ち手部3に垂れてくる液体が、連続する第2溝62のうち少なくとも一つの第2溝62に溜まったり、第2凸状部72や第2環状壁82によって持ち手側に液体が垂れるのを阻止されて、液体が重力方向に落ちることにより、第2先端部2から持ち手部3に垂れることを防止することができる。
図6の(c)〜(d)は、上述した液垂れ防止手段DP(4,5)とは異なる構成の液垂れ防止手段DP(4,5)の一例である。なお、図6(d´)は、図6(d)のG−G断面図である。
液垂れ防止手段DP(4,5)は、例えば、図6(c)に示すように、持ち手部3の端面の略中央から先端部P(1,2)を突設させることにより、先端部P(1,2)と持ち手部3との間に環状壁8を設ける構成とすることもできるし、図6(d)及び図(d´)に示すように、持ち手部3の端面を持ち手側に向けて凹ませ、この端面の略中央から先端部P(1,2)を突設させることにより、先端部P(1,2)と持ち手部3の間に、持ち手側に凹む環状溝83を形成する構成とすることもできる。つまり、液垂れ防止手段DP(4,5)は、先端部P(1,2)から持ち手部3への液垂れを防止することが出来れば良く、液垂れ防止手段DP(4,5)の構成は特に限定されるものではない。
また、先端部P(1,2)と持ち手部3との間に液垂れ防止手段DP(4,5)を設けることにより、先端部P(1,2)と持ち手部3との境界が明確となり、箸を衛生的に使用することができる。
本実施形態に係る箸は、第1先端部1側及び第2先端部2側のいずれにも液垂れ防止手段DP(4,5)を設けているが、何れか一方のみに液垂れ防止手段DP(4,5)を設ける構成としてもよい。その場合、食べさせる側の人は先端部P(1,2)に液体が残らないように気を付けながら使用することができるので、食べさせられる側の人が使用する先端部P(1,2)側に液垂れ防止手段DP(4,5)を設けることが好ましい。
また、上述した箸のように、第1先端部1と第2先端部2の長さや外径寸法を異ならせることによって、第1先端部1と第2先端部2とを識別することは可能であるが、その差異が僅かな場合、瞬時に識別することが難しい場合がある。
そのため、例えば、図7に示すように、第1先端部1と第2先端部2とにそれぞれ異なる形状の滑り止め手段9を設けて、瞬時に第1先端部1と第2先端部2とを視覚的に識別可能な構成にすることもできる。具体的には、第1先端部1には複数の微小突起を形成し、第2先端部2には複数の連続する凹環溝を形成する。このようにすれば、第1先端部1と第2先端部2の識別が容易になる。また、食べさせる側の人が使用する第2先端部2に凹環溝を形成することにより、この凹環溝によっても、液が垂れるのを防止することもでき、第2先端部2から持ち手部3への液垂れをさらに効果的に防止することができる。
また、例えば、持ち手部3及び第1先端部と、第2先端部とをそれぞれ異なる色彩にすることで、食べさせる側の人が使用する部分と食べさせられる側の人が使用する部分とを区別することもできる。
第1先端部1と第2先端部2とを容易に識別する構成は、上記構成に限られず、第1液垂れ防止手段4と第2液垂れ防止手段5を異なる構成にしたり、第1先端部1と前記第2先端部2との、寸法、形状、模様及び色彩の少なくとも一つを異ならせるか、及び/又は、持ち手部3分における前記第1先端部1寄りと前記第2先端部2寄りとの、寸法、形状、模様及び色彩の少なくとも一つを異ならせることによって、第1先端部1と第2先端部2とが視覚的に識別可能にすることもできる。なお、本明細書においては「色彩」には、透明、透光性を有するものも含む。
本実施形態に係る箸の材質は、合成樹脂であるが、木、竹、金属等種々の材料を用いることができる。
本実施形態に係る箸によれば、一対の箸を親子間、介護者と非介護者とで共有しても病原体が感染することなく、かつ、手も汚れず衛生的に使用することができる。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更又は削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
P 先端部
1 第1先端部
11 第1先端部持ち手側端部
2 第2先端部
21 第2先端部持ち手側端部
3 持ち手部
31 第1持ち手端部
32 第2持ち手端部
DP 液垂れ防止手段
4 第1液垂れ防止手段
5 第2液垂れ防止手段
6 溝
61 第1溝
62 第2溝
7 凸状部
71 第1凸状部
72 第2凸状部
8 環状壁
81 第1環状壁
82 第2環状壁
83 環状溝
9 滑り止め手段

Claims (3)

  1. 箸の一方の端部に先細り形状の第1先端部を有し、箸の他方の端部に先細り形状の第2先端部を有する箸であって、
    前記第1先端部と持ち手部との間に、前記第1先端部から持ち手部への液垂れを防止する第1液垂れ防止手段、及び/又は、前記第2先端部と持ち手部との間に、前記第2先端部から持ち手部への液垂れを防止する第2液垂れ防止手段を設けている箸。
  2. 前記第1先端部と前記第2先端部とが視覚的に識別可能である請求項1に記載の箸。
  3. 前記持ち手部の短手方向断面形状における断面重心から前記短手方向断面形状の外郭線の一点までの距離と、前記断面重心から前記外郭線の他の一点までの距離とが相違する請求項1または請求項2に記載の箸。
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