以下、本発明の組立支援システム、及び、組立支援方法を適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1の組立支援システム100と仮想空間の様子を示す図である。図1(A)には、現実空間に配置される組立支援システム100を示す。また、図1(B)には、組立支援システム100のディスプレイ112に表示される仮想空間の構成を示す。
組立支援システム100は、ヘッドマウントユニット110、制御装置120、操作装置130、及び対象部品140を含む。
ヘッドマウントユニット110は、フレーム111、ディスプレイ112、ステレオカメラ113、及びケーブル114を有する。
フレーム111は、眼鏡型であり、利用者が頭部に装着する。フレーム111には、ディスプレイ112とステレオカメラ113が配設される。
ディスプレイ112は、通常の眼鏡のレンズが装着される部位に配設されており、ヘッドマウントユニット110を装着する利用者の眼の前に、三次元モデルによる映像を表示する。ディスプレイ112としては、例えば、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)等を用いることができる。ここでは、ディスプレイ112に表示される空間を仮想空間と称す。ディスプレイ112は、表示部の一例である。
ステレオカメラ113は、ディスプレイ112の上でフレーム111に取り付けられており、ヘッドマウントユニット110を装着する利用者の視線の方向を含む被写体の画像を撮影する。ステレオカメラ113は、ヘッドマウントユニット110が利用者に装着された状態で、左右に並べられるように配設される2つのカメラ113A及び113Bを有する。
なお、ここでは、操作装置130に貼り付けられるQRコード(登録商標)130Aと、対象部品140に貼り付けられるQRコード140Aとの位置を測定(検出)するために、ステレオカメラ113を用いる。
ケーブル114は、ヘッドマウントユニット110と制御装置120を接続しており、ヘッドマウントユニット110への電力供給、ヘッドマウントユニット110への信号の送信、ヘッドマウントユニット110から制御装置120への信号の送信を行うために設けられている。
なお、ここでは、ヘッドマウントユニット110を用いる形態について説明するが、立体視表示に対応したモニターと、立体視眼鏡とを代わりに用いてもよい。
制御装置120は、ヘッドマウントユニット110の制御を行うコンピュータであり、ケーブル114を介してヘッドマウントユニット110に装着されている。制御装置120としては、PC(Personal Computer)を用いてもよい。
制御装置120は、ヘッドマウントユニット110のステレオカメラ113で撮影される画像を用いて画像処理を行い、三角測量の原理で、カメラ113Aと113Bの視差を利用して被写体の位置を測定する。なお、被写体の位置は、現実空間では、ステレオカメラ113のカメラ113A又は113Bのレンズの表面の中心軸上の点を基準とする三次元座標系で表される。
図1の現実空間には、XYZ座標系を示す。XYZ座標系の原点は、カメラ113A又は113Bのレンズの表面の中心軸上の点である。
また、制御装置120は、ステレオカメラ113の画像から検出される操作装置130のQRコード130Aと、対象部品140のQRコード140Aとの現実空間での位置に対応する仮想空間の位置に、操作装置130に対応する第1部品1と、対象部品140に対応する第2部品2との画像を表示させる。
そして、制御装置120は、仮想空間において操作装置130に対応する第1部品1が、対象部品140に対応する第2部品2に接触すると(操作装置130に対応する第1部品1の画像が、対象部品140に対応する第2部品2の画像に接触すると)、操作装置130の振動素子を駆動し、操作装置130を手で操作する利用者の手に触感を提供する。
操作装置130は、仮想空間で利用者が第2部品に取り付ける第1部品1の位置を動かす際に操作する装置であり、QRコード130Aを表すシール状のタグが貼り付けられている。現実空間におけるQRコード130Aの位置は、ステレオカメラ113で撮影される画像に基づいて制御装置120によって検出され、検出された現実空間での位置に対応する仮想空間の位置に、第1部品1の画像が表示される。
このため、利用者は、現実空間で操作装置130を移動させることにより、ディスプレイ112に表示される仮想空間にある第1部品1を移動させることができる。なお、QRコード130Aは、識別マーカの一例である。また、QRコード130Aの代わりに、IDが表示されたQRコード以外のタグを用いてもよい。このようなタグとしては、例えば、一次元バーコードが印刷されたタグ、数字、又はドットパターンのような模様が印刷されたタグ等を用いることができる。
なお、ステレオカメラ113でQRコード130Aの位置を検出する代わりに、操作装置130の形状及び/又は色に基づいて操作装置130の位置を検出してもよい。この場合には、QRコード130Aは必要ない。
対象部品140は、QRコード140Aを取り付けるために設けられている。QRコード140Aは、仮想空間で利用者が第1部品1を取り付ける第2部品2の位置に対応する現実空間での位置を規定するために設けられている。対象部品140は、対応部品の一例であり、QRコード140Aは、位置マーカの一例である。
このため、対象部品140を用いなくてもQRコード140Aを所定の位置に設置できる場合は、組立支援システム100は対象部品140を含まなくてもよい。また、QRコード140Aの代わりに、IDが表示されたQRコード以外のタグを用いてもよい。このようなタグとしては、例えば、一次元バーコードが印刷されたタグ、数字が印刷されたタグ等を用いることができる。
なお、ステレオカメラ113でQRコード140Aの位置を検出する代わりに、対象部品140の形状及び/又は色に基づいて対象部品140の位置を検出してもよい。この場合には、QRコード140Aは必要ない。
図1(B)に示す仮想空間は、ヘッドマウントユニット110のディスプレイ112に表示される画像によって構築される空間であり、第1部品1と第2部品2とが存在する。
仮想空間における位置は、現実空間における位置と対応付けられており、ここでは、一例として、現実空間のXYZ座標系の原点と、仮想空間のXYZ座標系の原点とが対応付けられていることとする。
図1には、Y軸負方向側から見た仮想空間を示すが、ディスプレイ112には、X軸負方向側から見た仮想空間が表示される。
第1部品1は、PCI(Peripheral Component Interconnect)コネクタ1Aを有する電子部品であり、例えば、メモリモジュール又は通信モジュール等である。
第2部品2は、第1部品1のPCIコネクタ1Aに対応するPCIコネクタ2Aを有し、PCIコネクタ2Aには、PCIコネクタ1Aが差し込まれる。第2部品2は、例えば、メモリ及びCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)が実装されたマザーボードであり、例えば、サーバに含まれる。
図2は、実施の形態の組立支援システムが適用されるコンピュータシステムの斜視図である。図2に示すコンピュータシステム10は、本体部11、ディスプレイ12、キーボード13、マウス14、及びモデム15を含む。
本体部11は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)、及びディスクドライブ等を内蔵する。ディスプレイ12は、本体部11からの指示により表示画面12A上に解析結果等を表示する表示部であり、例えば、液晶モニタであればよい。キーボード13は、コンピュータシステム10に種々の情報を入力するための入力部である。マウス14は、ディスプレイ12の表示画面12A上の任意の位置を指定する入力部である。モデム15は、外部のデータベース等にアクセスして他のコンピュータシステムに記憶されているプログラム等をダウンロードする。
コンピュータシステム10に組立支援システムとしての機能を持たせるプログラムは、ディスク17等の可搬型記録媒体に格納されるか、モデム15等の通信装置を使って他のコンピュータシステムの記録媒体16からダウンロードされ、コンピュータシステム10に入力されてコンパイルされる。
コンピュータシステム10に組立支援システムとしての機能を持たせるプログラムは、コンピュータシステム10を組立支援システムとして動作させる。このプログラムは、例えばディスク17等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ディスク17、ICカードメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体に限定されるものではない。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、モデム15又はLAN等の通信装置を介して接続されるコンピュータシステムでアクセス可能な各種記録媒体を含む。
図3は、コンピュータシステム10の本体部11内の要部の構成を説明するブロック図である。本体部11は、バス20によって接続されたCPU21、RAM又はROM等を含むメモリ部22、ディスク17用のディスクドライブ23、及びハードディスクドライブ(HDD)24を含む。実施の形態では、ディスプレイ12、キーボード13、及びマウス14は、バス20を介してCPU21に接続されているが、これらはCPU21に直接的に接続されていてもよい。また、ディスプレイ12は、入出力画像データの処理を行う周知のグラフィックインタフェース(図示せず)を介してCPU21に接続されていてもよい。
コンピュータシステム10において、キーボード13及びマウス14は、組立支援システムの入力部である。ディスプレイ12は、組立支援システムによる操作結果等を画面12A上に表示する表示部である。
なお、コンピュータシステム10は、図2及び図3に示す構成のものに限定されず、各種周知の要素を付加してもよく、又は代替的に用いてもよい。
図4は、ヘッドマウントユニット110と制御装置120の構成を示す図である。
制御装置120は、位置検出部121、画像制御部122、駆動制御部123、及びデータ格納部124を含む。制御装置120は、ケーブル114を介して、ディスプレイ112及びステレオカメラ113と接続されている。
位置検出部121は、ステレオカメラ113で撮影された画像に基づき、三角測量の原理で、QRコード130AとQRコード140Aの位置を検出する。位置検出部121が検出するQRコード130AとQRコード140Aの位置は、図1に示すカメラ113A又は113Bのレンズの表面の中心軸上の点を原点とするXYZ座標系における座標で表される。
また、位置検出部121は、QRコード130AとQRコード140Aの向きを検出する。このため、操作装置130と対象部品140の位置及び向きが位置検出部121によって検出される。
なお、ここでは、位置検出部121がステレオカメラ113で撮影された画像に基づいてQRコード130AとQRコード140Aの位置を検出する形態について説明するが、ステレオカメラ113が位置の検出を行い、検出した位置を表すデータを位置検出部121に送信してもよい。
画像制御部122は、位置検出部121によって検出されるQRコード130AとQRコード140Aの位置に対応する仮想空間における位置に、QRコード130AとQRコード140Aに対応する第1部品1及び第2部品2の画像をディスプレイ112に表示させる。QRコード130AとQRコード140Aは、それぞれ第1部品1と第2部品2の画像データと関連付けられて、データ格納部124に格納されている。データ構造については後述する。
駆動制御部123は、画像制御部122によって決定される仮想空間における第1部品1と第2部品2の位置を画像処理によって検出し、仮想空間で第1部品1が第2部品2に接触すると、操作装置130の振動素子135を駆動させる。
駆動制御部123が行う画像処理は、仮想空間における第1部品1と第2部品2の画像を表す画像データに対してパターンマッチング又はパターン認識等を行ってPCIコネクタ1AとPCIコネクタ2Aを検出し、PCIコネクタ1AとPCIコネクタ2Aの接触の有無を判定する処理である。
なお、駆動制御部123が行う画像処理は、仮想空間における第1部品1と第2部品2の画像を表す画像データを用いて、PCIコネクタ1AとPCIコネクタ2Aの接触の有無を判定できる処理であればよく、上述以外の処理を行ってもよい。
データ格納部124は、QRコード130A及び130Bの識別子であるコードIDと、第1部品1及び第2部品2画像を表す画像データとを関連付けたデータを格納する。データ格納部124が格納するデータについては、図7を用いて後述する。
図5は、操作装置130を示す図である。
操作装置130は、QRコード130A、筐体131、マイコン132、DAC(Digital to Analog Converter)133、アンプ134、振動素子135、及び通信部136を有する。
QRコード130Aは、筐体131の上面に貼り付けられている。QRコード130Aは、操作装置130の固有の識別子を表しており、ステレオカメラ113で撮影され、制御装置120によって現実空間における位置が検出される。このように、QRコード130Aは、操作装置130の位置を検出するために用いられるため、利用者が手で操作装置130を持つときは、QRコード130Aを覆わないようにすればよい。
筐体131は、QRコード130Aが上面に貼り付けられ、マイコン132、DAC133、アンプ134、振動素子135、及び通信部136を内部に収納する。筐体131は、利用者が仮想空間における第1部品1を移動させるために、現実空間で移動させるので、握りやすい形状であってもよい。
マイコン132は、DAC133及びアンプ134を介して振動素子135に接続されるとともに、通信部136に接続されている。マイコン132は、通信部136を介して制御装置120から受信する駆動制御信号を用いて、操作装置130の振動素子135を駆動する。マイコン132としては、例えば、CPUチップを用いることができる。
DAC133は、マイコン132から入力されるデジタル形式の駆動制御信号をアナログ形式に変換して出力する。
アンプ134は、DAC133から入力されるアナログ形式の駆動制御信号を増幅して振動素子135に出力する。
振動素子135は、筐体131の内部に固定されており、DAC133及びアンプ134を介してマイコン132から入力される駆動制御信号によって駆動され、振動を発生する。振動素子135が振動すると、筐体131に振動が発生する。
実施の形態1では、振動素子135として、超音波帯の振動を発生できる素子を用いる。このような振動素子135は、例えば、ピエゾ素子又はLRA(Linear Resonant Actuator)のような圧電素子を含むものであればよい。ここでは、振動素子135はピエゾ素子である場合について説明する。超音波帯の固有振動を発生させる駆動制御信号を用いて、振動素子135を駆動すると、筐体131の外表面に超音波帯の固有振動が発生する。
超音波帯とは、例えば、約20kHz以上の周波数帯であり、人間が聴き取ることのできる可聴域よりも高い周波数をいう。
なお、筐体131の外表面のうち、利用者が触れる場所を筐体131とは別の独立したパネルにして、このパネルに超音波帯の固有振動が発生するようにしてもよい。
通信部136は、制御装置120と無線通信を行う通信部である。通信部136としては、例えば、Bluetooth(登録商標)用、WiFi用、又はZigBee用等の通信部を用いることができる。通信部136は、制御装置120から駆動制御信号を受信し、マイコン132に出力する。
なお、通信部136は、Bluetooth用の通信部に限られず、例えば、無線LAN(Local Area Network)用の通信部であってもよい。また、操作装置130と制御装置120との間の通信は、無線通信に限られず、ケーブル等を用いて有線通信であってもよい。この場合は、通信部136は、有線通信用のインターフェイスであってもよい。
次に、筐体131のパネル131Aに発生させる超音波帯の固有振動について説明する。パネル131Aは、筐体131の外表面の一部を別の独立したパネルにしたものである。
図6は、筐体131のパネル131Aに生じさせる超音波帯の固有振動により、操作入力を行う指先に掛かる動摩擦力が変化する様子を説明する図である。図6の(A)、(B)では、利用者が指先でパネル131Aに触れながら、指をパネル131Aの奥側から手前側に矢印に沿って移動する操作入力を行っている。なお、振動のオン/オフは、振動素子135をオン/オフすることによって行われる。
また、図6の(A)、(B)では、パネル131Aの奥行き方向において、振動がオフの間に指が触れる範囲をグレーで示し、振動がオンの間に指が触れる範囲を白く示す。
超音波帯の固有振動は、パネル131Aの全体に生じるが、図6の(A)、(B)には、利用者の指がパネル131Aの奥側から手前側に移動する間に振動のオン/オフを切り替える動作パターンを示す。
このため、図6の(A)、(B)では、パネル131Aの奥行き方向において、振動がオフの間に指が触れる範囲をグレーで示し、振動がオンの間に指が触れる範囲を白く示す。
図6の(A)に示す動作パターンでは、利用者の指がパネル131Aの奥側にあるときに振動がオフであり、指を手前側に移動させる途中で振動がオンになっている。
一方、図6の(B)に示す動作パターンでは、利用者の指がパネル131Aの奥側にあるときに振動がオンであり、指を手前側に移動させる途中で振動がオフになっている。
ここで、パネル131Aに超音波帯の固有振動を生じさせると、パネル131Aの表面と指との間にスクイーズ効果による空気層が介在し、指でパネル131Aの表面をなぞったときの動摩擦係数が低下する。
従って、図6の(A)では、パネル131Aの奥側にグレーで示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は大きく、パネル131Aの手前側に白く示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は小さくなる。
このため、図6の(A)に示すようにパネル131Aに操作入力を行う利用者は、振動がオンになると、指先に掛かる動摩擦力の低下を感知し、指先の滑り易さを知覚することになる。このとき、利用者はパネル131Aの表面がより滑らかになることにより、動摩擦力が低下するときに、パネル131Aの表面に凹部が存在するように感じる。
一方、図6の(B)では、パネル131Aの奥前側に白く示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は小さく、パネル131Aの手前側にグレーで示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は大きくなる。
このため、図6の(B)に示すようにパネル131Aに操作入力を行う利用者は、振動がオフになると、指先に掛かる動摩擦力の増大を感知し、指先の滑り難さ、あるいは、引っ掛かる感じを知覚することになる。そして、指先が滑りにくくなることにより、動摩擦力が高くなるときに、パネル131Aの表面に凸部が存在するように感じる。
以上より、図6の(A)と(B)の場合は、利用者は指先で凹凸を感じ取ることができる。このように人間が凹凸の知覚することは、例えば、"触感デザインのための印刷物転写法とSticky-band Illusion"(第11回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集 (SI2010, 仙台)____174-177, 2010-12)に記載されている。また、"Fishbone Tactile Illusion"(日本バーチャルリアリティ学会第10 回大会論文集(2005 年9 月))にも記載されている。
なお、ここでは、振動のオン/オフを切り替える場合の動摩擦力の変化について説明したが、これは、振動素子135の振幅(強度)を変化させた場合も同様である。
また、パネル131Aのヤング率E、密度ρ、ポアソン比δ、長辺寸法l、厚さtと、長辺方向に存在する定在波の周期数kとを用いると、パネル131Aの固有振動数(共振周波数)fは次式(1)、(2)で表される。定在波は1/2周期単位で同じ波形を有するため、周期数kは、0.5刻みの値を取り、0.5、1、1.5、2・・・となる。
なお、式(2)の係数αは、式(1)におけるk2以外の係数をまとめて表したものである。
以上のように、筐体131のパネル131Aに超音波帯の固有振動を発生させることができる。ここでは、筐体131の外表面の一部を別の独立したパネルにしたパネル131Aに超音波帯の固有振動を発生させる場合について説明したが、外表面がすべて一体的に形成された筐体131においても、固有振動数を設定することにより、筐体131の外表面に超音波帯の固有振動を発生させることができる。
次に、図7を用いて、第1部品1及び第2部品2(図1参照)の画像データと、駆動制御信号について説明する。
図7は、第1部品に取り付けられるQRコードのコードID、第1部品の画像データ、駆動制御信号、及び所定時間を表すデータを含むデータ構造と、第2部品に取り付けられるコードID及び第2部品の画像データを含むデータ構造とを示す図である。これらのデータは、データ格納部124(図4参照)に格納されている。
図7(A)に示すデータ構造は、第1部品に取り付けられるQRコードのコードID、第1部品の画像データ、第1駆動信号、第2駆動信号、及び所定時間を表すデータを関連付けたものである。
第1部品の画像データは、例えば、図1に示すPCIコネクタ1Aを有する第1部品1の三次元での画像を表すデータであり、中心点に対する大きさ及び形状のデータを含む。このため、仮想空間における中心点の座標が決まれば、仮想空間における所定の座標に第1部品1の画像を表示することができる。図7(A)に示す画像データは、第1画像データの一例である。
図7(A)に示すように、第1部品の画像データは、第1部品に取り付けられるQRコードのコードIDと関連付けられているため、例えば、QRコード130Aの実空間における座標が決まれば、実空間における座標に対応する仮想空間における座標に、第1部品1の画像を表示することができる。
第1駆動信号は、第1部品が第2部品に接触し始めたときに振動素子を駆動するために用いられる振動である。具体的には、例えば、第1駆動信号は、第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに接触し始めたときに振動素子135を駆動するために用いられる振動である。
第2駆動信号は、第1部品が第2部品2に完全に取り付けられたときに振動素子を駆動するために用いられる振動であり、第1駆動制御信号とは異なる振動パターンを表す信号である。具体的には、例えば、第2駆動信号は、第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられたときに振動素子135を駆動するために用いられる振動である。
所定時間は、第1部品が第2部品に接触し始めてから、第1部品が第2部品に完全に取り付けられるまでの所用時間である。具体的には、例えば、所定時間は、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めてから、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられるまでの所要時間である。所定時間は、第1部品と第2部品の組み合わせに応じて、平均的な時間を実験等で求めて設定すればよく、例えば、1秒〜2秒程度である。
また、図7(B)に示すデータ構造は、第2部品に取り付けられるQRコードの識別子であるコードIDと、第2部品の画像を表す画像データとを関連付けたものである。第2部品の画像データは、例えば、図1に示すメモリ及びCPUが実装されたマザーボードである第2部品2の三次元での画像であり、この画像には、PCIコネクタ2Aの画像も含まれる。図7(B)に示す画像データは、第2画像データの一例である。
図7(B)に示す第2部品の画像データは、図7(A)に示す第1部品の画像データと同様であるため、例えば、第2部品2に取り付けられるQRコード140Aの実空間における座標が決まれば、実空間における座標に対応する仮想空間における座標に、マザーボードである第2部品2の画像を表示することができる。
なお、ここでは、第1部品1のPCIコネクタ1Aを第2部品2のPCIコネクタ2Aに取り付ける場合のコードID、画像データ、第1駆動信号、第2駆動信号、及び所定時間を含むデータ構造を用いて説明した。
しかしながら、様々な第1部品について、コードID、画像データ、第1駆動信号、第2駆動信号、及び所定時間を含むデータを作成するとともに、様々な第2部品について、コードID及び画像データを含むデータを作成しておけば、様々な第1部品及び第2部品を用いて振動による触感を利用者に提供することができる。
なお、このように画像を表示する処理は、画像制御部122(図4参照)が、図7に示す画像データを用いて実行する。
図8は、操作装置130の動作を説明する図である。
利用者が図8(A)に示すように、操作装置130を手で持って対象部品140に近づけると、図8(B)に示すように、仮想空間で第1部品1に第2部品2が近づく画像がディスプレイ112に表示される。
そして、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触すると、制御装置120が画像に基づいて接触を検出し、図8(C)に示すように、操作装置130の振動素子135を振動させる。
この結果、操作装置130の筐体131に超音波帯の固有振動が発生し、利用者は指先の触感の変化によって、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触したことを認識することができる。
図8(C)に示すように、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触したときに振動素子135を振動させて提供する振動は、例えば、超音波帯の固有振動の振幅が最大になり、振動素子135の駆動時間が最短になるような振動パターンで行うことにより、強い凸感のある触感を提供できる。
なお、ここでは、一例として、現実空間で操作装置130と対象部品140が接触したときに、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触したと判定されることとする。
筐体131に超音波帯の固有振動が発生すると、スクイーズ効果によって筐体131の表面の摩擦力が低下するため、利用者の指先は滑りやすくなる。このような摩擦力の変化は、触感の変化として利用者に感じ取られる。このようにして、第1部品1が第2部品2に取り付けられるときの触感が利用者に提供される。
また、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触し始めたときに、振動素子135の振動を開始し、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に差し込まれた状態になったときに、振動素子135の振動を終了させるようにしてもよい。
振動素子135の振動を終了させると、筐体131の表面の摩擦力が増大するため、利用者の指先が筐体131に対して移動している場合には、摩擦力の増大によって突起に触れたような触感を提供することができる。
また、このような摩擦力の増大による触感の提供は、PCIコネクタ1A及び2A又はUSB(Universal Serial Bus)用のコネクタのようにロックを有しない機構の場合には、比較的滑らかな触感を提供できるように、第1駆動制御信号及び第2駆動制御信号の信号レベルを設定し、超音波帯の固有振動の振幅を調整すればよい。
また、LAN(Local Area Network)用のコネクタのようにロックを有する機構の場合には、比較的はっきりとした突起の触感を提供できるように、第1駆動制御信号及び第2駆動制御信号の信号レベルを設定し、超音波帯の固有振動の振幅を調整すればよい。
なお、図8(C)では現実空間で操作装置130と対象部品140が接触したときに、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触する形態について説明したが、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触する際に、現実空間では操作装置130と対象部品140とは接触していなくてもよい。
また、ここでは、操作装置130の筐体131に超音波帯の固有振動を発生させる形態について説明したが、超音波帯の固有振動の代わりに、可聴域の振動を筐体131に発生させてもよい。
図9は、実施の形態1の組立支援システム100の制御装置120が実行する処理を示すフローチャートである。
制御装置120は、組立支援システム100の電源が投入されると、処理を開始する。
まず、制御装置120の位置検出部121は、ステレオカメラ113に画像を撮影させる(ステップS1)。これにより、制御装置120は、ステレオカメラ113が撮影した画像を表すデータを取得する。
次に、位置検出部121は、ステップS1で取得した画像を表すデータに対してパターンマッチング又はパターン認識等の画像処理を行い、QRコード130A及び140Aを検出したかどうかを判定する(ステップS2)。
位置検出部121は、ステップS2でQRコード130A及び140Aを検出した(S2:YES)と判定した場合は、QRコード130A及び140Aが表すコードIDを読み取る(ステップS3)。
画像制御部122は、ステップS3で読み取られたコードIDを用いて、データ格納部124に格納されたデータから、コードIDに対応する部品を決定する(ステップS4)。これにより、QRコード130A及び140Aが表すコードIDに対応する第1部品1と第2部品2との画像データが抽出される。
位置検出部121は、ステップS3で読み取ったQRコード130A及び140Aの画像に基づき、三角測量の原理で、QRコード130AとQRコード140Aの位置と向きを検出する(ステップS5)。なお、ステップS5の処理は、ステップS3でまとめて行ってもよい。
画像制御部122は、ステップS4で決定したコードIDに対応する部品を、ステップS5で検出された位置と向きに合わせてディスプレイ112に表示する(ステップS6)。これにより、ディスプレイ112に表示される仮想空間に第1部品1と第2部品2が立体的に表示される。仮想空間における第1部品1と第2部品2の位置と向きは、ステップS5において現実空間で検出されたQRコード130AとQRコード140Aの位置に対応する仮想空間での位置と向きである。
次に、駆動制御部123は、仮想空間において部品同士が接触したかどうかを判定する(ステップS7)。より具体的には、駆動制御部123は、仮想空間における第1部品1と第2部品2の位置を画像処理によって検出し、仮想空間で第1部品1が第2部品2に接触したかどうかを判定する。
駆動制御部123は、接触した(S7:YES)と判定すると、第1の駆動制御信号を操作装置130に送信する(ステップS8)。これにより、振動素子135は、第1の駆動制御信号で駆動される。第1の駆動制御信号は、第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに接触し始めたときに振動素子135を駆動するために用いられる振動である。
画像制御部122は、部品同士が接触し始めた画像をディスプレイ112に表示する(ステップS9)。これにより、操作装置130を手に持っている利用者は、第1の駆動制御信号による振動素子135の触感と、ディスプレイ112に表示されるPCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めたことを表す画像とにより、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めたことを認識することができる。
駆動制御部123は、接触後に所定の時間が経過したかどうかを判定する(ステップS10)。所定の時間は、部品同士が接触し始めてから、部品同士が完全に取り付けられるまでの平均的な時間を実験等で求めて設定しておけばよい。より具体的には、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めてから、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられるまでの平均的な時間を実験等で求めて、所定時間として設定しておけばよい。
駆動制御部123は、所定時間が経過した(S10:YES)と判定すると、第2の駆動制御信号を操作装置130に送信する(ステップS11)。これにより、振動素子135は、第2の駆動制御信号で駆動される。第2の駆動制御信号は、第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられたときに振動素子135を駆動するために用いられる振動であり、第1駆動制御信号とは異なる振動パターンを表す信号である。
画像制御部122は、部品同士が接合された状態の画像をディスプレイ112に表示する(ステップS12)。これにより、操作装置130を手に持っている利用者は、第2の駆動制御信号による振動素子135の触感と、ディスプレイ112に表示されるPCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられたことを表す画像とにより、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられたことを認識することができる。
以上により、制御装置120による処理が終了する。
なお、位置検出部121は、ステップS2でQRコード130A及び140Aを検出していない(S2:NO)と判定した場合は、フローをステップS1にリターンする。ステレオカメラ113で撮影される新たな画像に基づいて、QRコード130A及び140Aを検出するためである。
また、駆動制御部123は、仮想空間において部品同士が接触していない判定すると(S7:NO)、フローをステップS2にリターンする。QRコード130A及び140AのコードIDの読み取りと部品の位置及び向きの検出をやり直すためである。
また、駆動制御部123は、所定時間が経過していない(S10:NO)と判定すると、フローをステップS8にリターンする。PCIコネクタ1AはPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられていないため、振動素子135を第1の駆動制御信号で駆動するためである。
以上、実施の形態1によれば、ヘッドマウントユニット110を装着した利用者が現実空間で操作装置130を手に持って、対象部品140に対して取り付ける動作を行うときに、ディスプレイ112に表示される仮想空間で第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに接触し始めると、操作装置130の振動素子135が第1駆動制御信号で駆動される。
これにより、利用者は、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めたことと、接触状態が続いていることを手に伝わる触感で検知することができる。
また、仮想空間でPCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられると、振動素子135が第1駆動制御信号とは異なる第2駆動制御信号で駆動されるため、利用者は、取付が完了したことを手に伝わる触感で検知することができる。
このため、実施の形態1によれば、組み立て作業性を容易に把握できる組立支援システム100、及び、組立支援方法を提供することができる。
また、実施の形態1の組立支援システム100は、操作装置130、QRコード130A、対象部品140、及びQRコード140Aを用いて、画像処理によって位置を特定して、仮想空間での操作における触感を提供するので、システム構成が簡易であり、大がかりな装置が不要であり、低コストで提供することができる。
なお、以上では、第1部品1のPCIコネクタ1Aを第2部品2のPCIコネクタ2Aに取り付ける場合について例示的に説明したが、第1部品1に相当する様々な部品を用いた場合について、組み立て作業性を容易に把握できる組立支援システム100、及び、組立支援方法を提供することができる。
<実施の形態2>
図10は、実施の形態2の組立支援システムの一部と仮想空間の様子を示す図である。図10(A)には、現実空間に配置される組立支援システムのうちの操作装置230と対象部品240を示す。実施の形態2の組立支援システムは、実施の形態1の組立支援システム100のヘッドマウントユニット110及び制御装置120を含むが、図10では省略する。
また、図10(B)には、実施の形態2の組立支援システムのディスプレイ112に表示される仮想空間の構成を示す。
実施の形態2の組立支援システムは、ヘッドマウントユニット110(図1参照)、制御装置120(図1参照)、操作装置230、及び対象部品240を含む。以下、ヘッドマウントユニット110及び制御装置120については、図1を援用して説明を行う。
また、実施の形態1の組立支援システム100の構成要素と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
なお、制御装置120については、実施の形態1の制御装置120に対して、第2駆動制御信号で振動素子135を駆動した後に、操作装置230の電磁石をオンにする機能が追加されている。
操作装置230は、仮想空間で利用者が第2部品に取り付ける第1部品201の位置を動かす際に操作する装置であり、QRコード130Aが貼り付けられている。操作装置230は、実施の形態1の操作装置130に電磁石237を追加した構成を有する。
対象部品240は、QRコード140Aを取り付けて、仮想空間で利用者が第1部品201を取り付ける第2部品202の位置に対応する現実空間での位置を規定するために設けられている。
対象部品240は、実施の形態1の対象部品140をL字型の形状にし、操作装置230を近接させる面に、フィルム状の強磁性体241A及び241Bを貼り付けた構成を有する。強磁性体241Aの表面は水平であり、強磁性体241Bの表面は強磁性体241Aの表面に対して垂直な方向に起立している。強磁性体241A及び241Bとしては、例えば、フェライト製のシートを用いることができる。
対象部品240は、XY平面に平行な部分と、Z軸正方向に起立する部分とを有し、XZ平面に平行な側面がL字型の筐体である。XY平面に平行な上面には、強磁性体241Aが貼り付けられており、YZ平面に平行なX軸正方向側に位置する面には、強磁性体241Bが貼り付けられている。
また、QRコード140Aは、強磁性体241Bに重ねて貼り付けられている。
対象部品240は、上述以外は実施の形態1の対象部品140と同様である。
図10(B)に示す仮想空間は、ヘッドマウントユニット110のディスプレイ112に表示される画像によって構築される空間であり、第1部品201と第2部品202とが存在する。
仮想空間における位置は、現実空間における位置と対応付けられており、ここでは、一例として、現実空間のXYZ座標系の原点と、仮想空間のXYZ座標系の原点とが対応付けられていることとする。
図10(B)には、Y軸負方向側から見た仮想空間を示すが、ディスプレイ112には、X軸負方向側から見た仮想空間が表示される。
第1部品201は、PCIコネクタ201Aを有する電子部品であり、例えば、メモリモジュール又は通信モジュール等である。
第2部品202は、第1部品201のPCIコネクタ201Aに対応するPCIコネクタ202Aを有し、PCIコネクタ202Aには、PCIコネクタ201Aが差し込まれる。第2部品202は、例えば、メモリ及びCPUが実装されたマザーボードであり、例えば、サーバに含まれる。
また、図10(B)には、PCIコネクタ203Aを有する第1部品203と、PCIコネクタ204Aを示す。PCIコネクタ204Aは、第2部品202の一部である。第1部品203及びPCIコネクタ204Aは、第1部品201及びPCIコネクタ202Aとはそれぞれ位置が異なるだけで、ペアとして用いられる部品である。
図11は、操作装置230を示す図である。
操作装置230は、QRコード130A、筐体131、マイコン132、DAC(Digital to Analog Converter)133、アンプ134、振動素子135、通信部136、及び電磁石237を有する。
操作装置230は、実施の形態1の操作装置130に電磁石237を追加した構成を有する。電磁石237は、振動素子135が第2駆動制御信号によって駆動された後に、制御装置120から送信される駆動制御信号によって所定の時間だけオンにされる。駆動制御信号は、マイコン132からDAC133及びアンプ134を経由して、電磁石237に入力される。電磁石237は、このようなタイミングでオンにされるとき以外は、オフにされる。
図12は、実施の形態2の組立支援システムの制御装置120が実行する処理を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、図9に示す実施の形態1のフローチャートのステップS12の後に、ステップS213を追加したものである。このため、ステップS1〜S12については説明を省略する。
駆動制御部123がステップS11で第2の駆動制御信号を操作装置230に送信し、画像制御部122がステップS12で部品同士が接合された状態の画像をディスプレイ112に表示すると、駆動制御部123は、電磁石237をオンにするための駆動制御信号を操作装置230に送信する(ステップS213)。
これにより、操作装置230を手に持っている利用者には、第2の駆動制御信号による振動素子135の触感に加えて、電磁石237が強磁性体241Bに吸着することによる触感が提供される。
また、このとき、ディスプレイ112に表示されるPCIコネクタ201Aは、図10(B)に示すように、PCIコネクタ202Aに完全に取り付けられたことを表す画像になる。
従って、利用者は、振動素子135による触感と、ディスプレイ112に表示される画像に加えて、電磁石237が強磁性体241Bに吸着することによる触感により、PCIコネクタ201AがPCIコネクタ202Aに完全に取り付けられたことを認識することができる。
以上、実施の形態2によれば、ヘッドマウントユニット110を装着した利用者が現実空間で操作装置230を手に持って、対象部品140に対して取り付ける動作を行うときに、ディスプレイ112に表示される仮想空間で第1部品201のPCIコネクタ201Aが第2部品202のPCIコネクタ202Aに接触し始めると、操作装置230の振動素子135が第1駆動制御信号で駆動される。
これにより、利用者は、PCIコネクタ201AがPCIコネクタ202Aに接触し始めたことと、接触状態が続いていることを手に伝わる触感で検知することができる。
また、仮想空間でPCIコネクタ201AがPCIコネクタ202Aに完全に取り付けられると、振動素子135が第1駆動制御信号とは異なる第2駆動制御信号で駆動されるとともに、電磁石237が強磁性体241Bに吸着するため、利用者は、取付が完了したことを手に伝わる触感で検知することができる。
このため、実施の形態2によれば、組み立て作業性を容易に把握できる組立支援システム、及び、組立支援方法を提供することができる。
また、実施の形態2の操作装置230は、電磁石237を含み、対象部品240は、垂直な方向に起立する表面を有する強磁性体241Bを含むため、第2部品202の水平面に加えて垂直面に第1部品201を取り付ける際にも、触感を提供することができる。
また、実施の形態2の組立支援システムは、操作装置230、QRコード130A、対象部品240、及びQRコード140Aを用いて、画像処理によって位置を特定して、仮想空間での操作における触感を提供するので、システム構成が簡易であり、大がかりな装置が不要であり、低コストで提供することができる。
なお、以上では、第1部品201のPCIコネクタ201Aを第2部品202のPCIコネクタ202Aに取り付ける場合について例示的に説明したが、図10(B)に示す第1部品203のPCIコネクタ203AをPCIコネクタ204Aに取り付ける場合も同様の触感を利用者に提供することができる。
また、第1部品201及び203に相当する様々な部品を用いた場合について、組み立て作業性を容易に把握できる組立支援システム、及び、組立支援方法を提供することができる。
<実施の形態3>
図13は、実施の形態3の組立支援システムの一部と仮想空間の様子を示す図である。図13(A)には、現実空間に配置される組立支援システムのうちの操作装置330と対象部品340を示す。実施の形態3の組立支援システムは、実施の形態1の組立支援システム100のヘッドマウントユニット110及び制御装置120を含むが、図13では省略する。
また、図13(B)には、実施の形態3の組立支援システムのディスプレイ112に表示される仮想空間の構成を示す。
実施の形態3の組立支援システムは、ヘッドマウントユニット110(図1参照)、制御装置120(図1参照)、操作装置330、及び対象部品340を含む。以下、ヘッドマウントユニット110及び制御装置120については、図1を援用して説明を行う。
また、実施の形態1の組立支援システム100の構成要素と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
操作装置330は、仮想空間で利用者が第2部品に取り付ける第1部品301の位置を動かす際に操作する装置であり、QRコード130Aが貼り付けられている。操作装置330は、実施の形態1の操作装置130にコネクタピン338を追加した構成を有する。
コネクタピン338は、直方体状の操作装置330のQRコード130Aが貼り付けられる面とは判定側の面から突出するように形成されている円柱状の部材である。コネクタピン338は、凸部の一例である。
対象部品340は、QRコード140Aを取り付けて、仮想空間で利用者が第1部品301を取り付ける第2部品302の位置に対応する現実空間での位置を規定するために設けられている。
対象部品340は、実施の形態2の対象部品240と同様にL字型の形状を有し、操作装置330を近接させる面に、ピンホール341A、341Bを形成した構成を有する。ピンホール341Aは、対象部品340の水平面に形成されており、ピンホール341Bは、対象部品340の垂直面に形成されている。ピンホール341A、341Bは、操作装置330のコネクタピン338に対応した大きさ及び形状を有し、コネクタピン338が嵌着される。
ピンホール341A、341Bの位置は、それぞれ、仮想空間におけるPCIコネクタ302A、304Aの位置と対応付けられている。ピンホール341A、341Bは、凹部の一例である。
ピンホール341Aと341Bは、それぞれ、対象部品340のXY平面に平行なZ軸正方向側の面と、YZ平面に平行なX軸正方向側の面に形成されている。
また、QRコード140Aは、YZ平面に平行なX軸正方向側の面に貼り付けられている。
対象部品340は、上述以外は実施の形態1の対象部品140と同様である。
図13(B)に示す仮想空間は、ヘッドマウントユニット110のディスプレイ112に表示される画像によって構築される空間であり、第1部品301と第2部品302とが存在する。
仮想空間における位置は、現実空間における位置と対応付けられており、ここでは、一例として、現実空間のXYZ座標系の原点と、仮想空間のXYZ座標系の原点とが対応付けられていることとする。
図13(B)には、Y軸負方向側から見た仮想空間を示すが、ディスプレイ112には、X軸負方向側から見た仮想空間が表示される。
第1部品301は、PCIコネクタ301Aを有する電子部品であり、例えば、メモリモジュール又は通信モジュール等である。
第2部品302は、第1部品301のPCIコネクタ301Aに対応するPCIコネクタ302Aを有し、PCIコネクタ302Aには、PCIコネクタ301Aが差し込まれる。第2部品302は、例えば、メモリ及びCPUが実装されたマザーボードであり、例えば、サーバに含まれる。
また、図13(B)には、PCIコネクタ303Aを有する第1部品303と、PCIコネクタ304Aを示す。PCIコネクタ304Aは、第2部品302の一部である。第1部品303及びPCIコネクタ304Aは、第1部品301及びPCIコネクタ302Aとはそれぞれ位置が異なるだけで、ペアとして用いられる部品である。
図14は、操作装置330を示す図である。
操作装置330は、QRコード130A、筐体131、マイコン132、DAC(Digital to Analog Converter)133、アンプ134、振動素子135、通信部136、及びコネクタピン338を有する。
操作装置330は、実施の形態1の操作装置130にコネクタピン338を追加した構成を有する。コネクタピン338は、現実空間における操作装置330の対象部品340に対する位置決めを行うために設けられている。
なお、対象部品340のピンホール341A、341Bの位置は、それぞれ、仮想空間におけるPCIコネクタ302A、304Aの位置と対応付けておけばよい。
以上、実施の形態3によれば、ヘッドマウントユニット110を装着した利用者が現実空間で操作装置330を手に持って、対象部品340に対して取り付ける動作を行うときに、ディスプレイ112に表示される仮想空間で第1部品301のPCIコネクタ301Aが第2部品302のPCIコネクタ302Aに接触し始めると、操作装置330の振動素子135が第1駆動制御信号で駆動される。
これにより、利用者は、PCIコネクタ301AがPCIコネクタ302Aに接触し始めたことと、接触状態が続いていることを手に伝わる触感で検知することができる。
また、このとき、操作装置330のコネクタピン338が、対象部品340のピンホール341Bに差し込まれ始めるので、現実空間においてコネクタピン338がピンホール341Bに当接することによる触感を利用者に提供できる。
また、仮想空間でPCIコネクタ301AがPCIコネクタ302Aに完全に取り付けられると、振動素子135が第1駆動制御信号とは異なる第2駆動制御信号で駆動されるとともに、コネクタピン338がピンホール341Bに完全に差し込まれるため、利用者は、取付が完了したことを手に伝わる触感で検知することができる。
このため、実施の形態3によれば、組み立て作業性を容易に把握できる組立支援システム、及び、組立支援方法を提供することができる。
また、実施の形態3の操作装置330は、コネクタピン338を含み、対象部品340は、水平面に形成されるピンホール341Aと、垂直面に形成されるピンホール341Bとを含むため、第2部品302の水平面に加えて垂直面に第1部品301を取り付ける際にも、触感を提供することができる。
また、実施の形態3の組立支援システムは、操作装置330、QRコード130A、対象部品340、及びQRコード140Aを用いて、画像処理によって位置を特定して、仮想空間での操作における触感を提供するので、システム構成が簡易であり、大がかりな装置が不要であり、低コストで提供することができる。
なお、以上では、第1部品301のPCIコネクタ301Aを第2部品302のPCIコネクタ302Aに取り付ける場合について例示的に説明したが、図13(B)に示す第1部品303のPCIコネクタ303Aを第2部品204のPCIコネクタ304Aに取り付ける場合も同様の触感を利用者に提供することができる。
また、第1部品301及び203に相当する様々な部品を用いた場合について、組み立て作業性を容易に把握できる組立支援システム、及び、組立支援方法を提供することができる。
<実施の形態4>
図15は、実施の形態4の操作装置430を示す図である。
操作装置430は、QRコード130A、筐体131、マイコン132、DAC(Digital to Analog Converter)133、アンプ134、アクチュエータ435、通信部136、固定部437、可動部438、及びバネ439を有する。
操作装置430は、実施の形態1の操作装置130の振動素子135の代わりに、アクチュエータ435、固定部437、可動部438、及びバネ439を有する。その他の構成は、実施の形態1の操作装置130と同様である。
アクチュエータ435は、図中に矢印で示すように左右方向に移動可能なアクチュエータであり、例えば、モータによって左右方向に移動可能にされる板状の部材を用いることができる。アクチュエータ435は、可動部438の側面に当接している。
アクチュエータ435は、マイコン132によって駆動され、可動部438を図中右方向に押圧する度合を変化させる。なお、アクチュエータ435が円柱状の可動部438と当接する面は、可動部438の円柱形状に合わせて凹状に湾曲していてもよい。
固定部437は、筐体131に固定されており、可動部438との間にバネ439を保持する。固定部437は、L字型の部材であり、可動部438が筐体131の内部に完全に収納された状態において、可動部438及びバネ439を保持できるように寸法が設定されている。
可動部438は、円柱状の部材であり、固定部437との間にバネ439を介して保持されている。可動部438は、アクチュエータ435がオフで、可動部438に応力がかかっていない状態では、バネ439の復元力によって、図15に示すように下端が筐体131から突出している。筐体131には、可動部438の円柱形状に対応した円形の孔部が形成されており、可動部438は、孔部から入れ子式に筐体131に対して入れ子式に移動することができる。
可動部438は、利用者が操作装置430を手に持って、可動部438の下端を対象部品140に当接させて操作装置430を対象部品140に押し付けると、筐体131に対して入れ子式に移動し、筐体131の内部に収納される。
バネ439は、固定部437と可動部438との間に設けられており、自然長の状態では、図15に示すように可動部438の下端が筐体131から下方に突出した状態になっている。
以上のような操作装置430において、アクチュエータ435は、マイコン132が出力する第1アクチュエータ駆動信号と第2アクチュエータ駆動信号とによって駆動される。アクチュエータ435は、第1アクチュエータ駆動信号よりも第2アクチュエータ駆動信号で駆動されるときの方が、可動部438を図中右方向に押圧する力が強くなる。
第1アクチュエータ駆動信号は、第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに接触し始めたときにアクチュエータ435を駆動するために用いられる。
また、第2アクチュエータ駆動信号は、第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられたときにアクチュエータ435を駆動するために用いられ、第1アクチュエータ駆動信号とは異なる強度でアクチュエータ435を駆動する。
このため、第1アクチュエータ駆動信号と第2アクチュエータ駆動信号は、それぞれ、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めたときと、完全に取り付けられたときの触感を提供できるように、信号レベルを設定しておけばよい。
アクチュエータ435が可動部438に当接し、アクチュエータ435と可動部438との間に生じる摩擦力が増大すると、操作装置430を通じて利用者の手に伝わる反力が大きくなるため、第1アクチュエータ駆動信号と第2アクチュエータ駆動信号でこのような摩擦力による反力を表現できるように、信号レベルを設定しておけばよい。
摩擦力による反力の大きさは、例えば、1N程度であり、PCIコネクタ1AとPCIコネクタ2Aの種類及び/又は材質に応じて設定すればよい。
なお、アクチュエータ435は、第1アクチュエータ駆動信号と第2アクチュエータ駆動信号とによって駆動されていないときは、可動部438を図中右方向に押圧しない。
このような第1アクチュエータ駆動信号と第2アクチュエータ駆動信号は、実施の形態1の第1駆動制御信号と第2駆動制御信号と同様に、コードID、画像データ、及び所定時間を表すデータ(図7(A)参照)と関連付けられている。
図16は、実施の形態4の組立支援システムの一部と仮想空間の様子を示す図である。図16(A)には、現実空間に配置される組立支援システムの一部を示す。実施の形態4の組立支援システムは、実施の形態1の組立支援システム100のヘッドマウントユニット110及び制御装置120を含むが、図16では省略する。
また、図16(B)には、組立支援システムのディスプレイ112に表示される仮想空間の構成を示す。
以下、実施の形態1の組立支援システム100の構成要素と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態4の組立支援システムは、ヘッドマウントユニット110(図1参照)、制御装置120(図1参照)、操作装置430、及び対象部品140を含む。図16(A)には、操作装置430及び対象部品140を示す。ヘッドマウントユニット110と制御装置120については図1を援用する。
なお、制御装置120は、実施の形態1の制御装置120の第1駆動制御信号及び第2駆動制御信号の代わりに第1アクチュエータ駆動信号及び第2アクチュエータ駆動信号を用いて、アクチュエータ435を駆動する。
図16(B)に示す仮想空間は、ヘッドマウントユニット110のディスプレイ112に表示される画像によって構築される空間であり、第1部品1と第2部品2とが存在する。これは、図1(B)に示す実施の形態1の組立支援システム100においてディスプレイ112に表示される仮想空間と同様である。
図17は、操作装置430の動作を説明する図である。実施の形態4では、現実空間において可動部438の下端が対象部品140に当接するときの操作装置430の位置と、仮想空間において第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触する位置とが一致するように、現実空間の座標系と仮想空間の座標系との位置が合わせられている。
利用者が図17(A)に示すように、操作装置430を手で持って対象部品140に近づけると、図17(B)に示すように、仮想空間で第1部品1に第2部品2が近づく画像がディスプレイ112に表示される。
そして、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触すると、制御装置120が画像に基づいて接触を検出し、操作装置430のアクチュエータ435を第1アクチュエータ駆動信号で駆動させる。
仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触するときは、現実空間では可動部438の下端が対象部品140に当接している。
この結果、操作装置430のアクチュエータ435が可動部438に当接し、アクチュエータ435と可動部438との間に生じる摩擦力が増大し、操作装置430を通じて利用者の手に伝わる反力が大きくなる。
このため、利用者は操作装置430を対象部品140に対して押し付ける際の触感の変化によって、仮想空間で第2部品2のPCIコネクタ2Aに第1部品1のPCIコネクタ1Aが接触したことを認識することができる。
また、利用者が操作装置430をさらに対象部品140に対して押し付けて、第1アクチュエータ駆動信号によってアクチュエータ435を駆動してから所定時間が経過すると、アクチュエータ435は第2アクチュエータ駆動信号で駆動される。
アクチュエータ435は、第1アクチュエータ駆動信号よりも第2アクチュエータ駆動信号で駆動されるときの方が、可動部438を図中右方向に押圧する力が強くなる。このため、第2アクチュエータ駆動信号による駆動に切り替わると、アクチュエータ435と可動部438との間の摩擦力が大きくなり、操作装置430を通じて利用者の手に伝わる反力がさらに大きくなる。
このため、利用者は、操作の完了を触感で検知することができる。なお、実験等で所定時間を適切な時間に設定しておけば、可動部438が図17(C)に示すように最も押し込まれた状態で、第2アクチュエータ駆動信号による駆動に切り替えることができる。
図18は、実施の形態4の組立支援システムの制御装置120が実行する処理を示すフローチャートである。
制御装置120は、組立支援システムの電源が投入されると、処理を開始する。
まず、制御装置120の位置検出部121は、ステレオカメラ113に画像を撮影させる(ステップS401)。これにより、制御装置120は、ステレオカメラ113が撮影した画像を表すデータを取得する。
次に、位置検出部121は、ステップS401で取得した画像を表すデータに対してパターンマッチング又はパターン認識等の画像処理を行い、QRコード130A及び140Aを検出したかどうかを判定する(ステップS402)。
位置検出部121は、ステップS402でQRコード130A及び140Aを検出した(S402:YES)と判定した場合は、QRコード130A及び140Aが表すコードIDを読み取る(ステップS403)。
画像制御部122は、ステップS403で読み取られたコードIDを用いて、データ格納部124に格納されたデータから、コードIDに対応する部品を決定する(ステップS404)。これにより、QRコード130A及び140Aが表すコードIDに対応する第1部品1と第2部品2との画像データが抽出される。
位置検出部121は、ステップS403で読み取ったQRコード130A及び140Aの画像に基づき、三角測量の原理で、QRコード130AとQRコード140Aの位置と向きを検出する(ステップS405)。なお、ステップS405の処理は、ステップS403でまとめて行ってもよい。
画像制御部122は、ステップS404で決定したコードIDに対応する部品を、ステップS405で検出された位置と向きに合わせてディスプレイ112に表示する(ステップS406)。これにより、ディスプレイ112に表示される仮想空間に第1部品1と第2部品2が立体的に表示される。仮想空間における第1部品1と第2部品2の位置と向きは、ステップS405において現実空間で検出されたQRコード130AとQRコード140Aの位置に対応する仮想空間での位置と向きである。
次に、駆動制御部123は、仮想空間において部品同士が接触したかどうかを判定する(ステップS407)。より具体的には、駆動制御部123は、仮想空間における第1部品1と第2部品2の位置を画像処理によって検出し、仮想空間で第1部品1が第2部品2に接触したかどうかを判定する。
駆動制御部123は、接触した(S407:YES)と判定すると、第1アクチュエータ駆動信号を操作装置430に送信する(ステップS408)。これにより、アクチュエータ435は、第1アクチュエータ駆動信号で駆動される。第1アクチュエータ駆動信号は、第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに接触し始めたときにアクチュエータ435を駆動するために用いられる。
画像制御部122は、部品同士が接触し始めた画像をディスプレイ112に表示する(ステップS409)。これにより、操作装置430を手に持っている利用者は、第1アクチュエータ駆動信号でアクチュエータ435が駆動されることによる触感と、ディスプレイ112に表示されるPCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めたことを表す画像とにより、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めたことを認識することができる。
駆動制御部123は、接触後に所定の時間が経過したかどうかを判定する(ステップS410)。所定の時間は、部品同士が接触し始めてから、部品同士が完全に取り付けられるまでの平均的な時間を実験等で求めて設定しておけばよい。より具体的には、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めてから、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられるまでの平均的な時間を実験等で求めて、所定時間として設定しておけばよい。
駆動制御部123は、所定時間が経過した(S410:YES)と判定すると、第2アクチュエータ駆動信号を操作装置430に送信する(ステップS411)。これにより、アクチュエータ435は、第2アクチュエータ駆動信号で駆動される。第2アクチュエータ駆動信号は、第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられたときにアクチュエータ435を駆動するために用いられ、第1アクチュエータ駆動信号とは異なる強度でアクチュエータ435を駆動する。
画像制御部122は、部品同士が接合された状態の画像をディスプレイ112に表示する(ステップS412)。これにより、操作装置430を手に持っている利用者は、第2アクチュエータ駆動信号でアクチュエータ435が駆動されることによる触感と、ディスプレイ112に表示されるPCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられたことを表す画像とにより、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられたことを認識することができる。
以上により、制御装置120による処理が終了する。
なお、位置検出部121は、ステップS402でQRコード130A及び140Aを検出していない(S402:NO)と判定した場合は、フローをステップS401にリターンする。ステレオカメラ113で撮影される新たな画像に基づいて、QRコード130A及び140Aを検出するためである。
また、駆動制御部123は、仮想空間において部品同士が接触していない判定すると(S407:NO)、フローをステップS402にリターンする。QRコード130A及び140AのコードIDの読み取りと部品の位置及び向きの検出をやり直すためである。
また、駆動制御部123は、所定時間が経過していない(S410:NO)と判定すると、フローをステップS408にリターンする。PCIコネクタ1AはPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられていないため、アクチュエータ435を第1アクチュエータ駆動信号で駆動するためである。
以上、実施の形態4によれば、ヘッドマウントユニット110を装着した利用者が現実空間で操作装置430を手に持って、対象部品140に対して取り付ける動作を行うときに、ディスプレイ112に表示される仮想空間で第1部品1のPCIコネクタ1Aが第2部品2のPCIコネクタ2Aに接触し始めると、操作装置430のアクチュエータ435が第1アクチュエータ駆動信号で駆動される。
これにより、利用者は、PCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに接触し始めたことと、接触状態が続いていることを手に伝わる触感で検知することができる。
また、仮想空間でPCIコネクタ1AがPCIコネクタ2Aに完全に取り付けられると、アクチュエータ435が第1アクチュエータ駆動信号とは異なる第2アクチュエータ駆動信号で駆動されるため、利用者は、取付が完了したことを手に伝わる触感で検知することができる。
このため、実施の形態4によれば、組み立て作業性を容易に把握できる組立支援システム、及び、組立支援方法を提供することができる。
また、実施の形態4の組立支援システムは、操作装置430、QRコード130A、対象部品140、及びQRコード140Aを用いて、画像処理によって位置を特定して、仮想空間での操作における触感を提供するので、システム構成が簡易であり、大がかりな装置が不要であり、低コストで提供することができる。
なお、以上では、第1部品1のPCIコネクタ1Aを第2部品2のPCIコネクタ2Aに取り付ける場合について例示的に説明したが、第1部品1に相当する様々な部品を用いた場合について、組み立て作業性を容易に把握できる組立支援システム、及び、組立支援方法を提供することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の組立支援システム、及び、組立支援方法について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
仮想空間で第1部品を第2部品に取り付ける際に触感を提供する組立支援システムであって、
前記第1部品の画像を表す第1画像データと、前記第2部品の画像を表す第2画像データとを格納するデータ格納部と、
前記第1部品及び前記第2部品の画像を前記仮想空間に表示する表示部と、
可動素子を有し、前記仮想空間にある前記第1部品を操作する利用者が、現実空間において手で操作する操作装置と、
前記現実空間に配設され、前記仮想空間における前記第2部品の位置を規定する、位置マーカと、
前記操作装置及び前記位置マーカの前記現実空間における位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部によって検出される前記操作装置及び前記位置マーカの前記現実空間における位置に対応する前記仮想空間における位置に、前記第1画像データ及び前記第2画像データによって得られる前記第1部品及び前記第2部品の画像を前記表示部に表示させる画像制御部と、
前記仮想空間における前記第1部品と前記第2部品の位置を検出し、前記仮想空間で前記第1部品が前記第2部品に接触すると、前記操作装置の前記可動素子を駆動させる、駆動制御部と
を含む、組立支援システム。
(付記2)
前記操作装置には、前記操作装置を識別する識別子を表す識別マーカが付されており、前記位置検出部は、前記識別マーカの位置を検出することにより、前記操作装置の位置を検出する、付記1記載の組立支援システム。
(付記3)
前記操作装置は、利用者が手で保持する筐体を有し、前記可動素子は、前記筐体の内部又は外部に取り付けられており、
前記可動素子は振動素子であり、前記駆動制御部から無線通信又は有線通信によって送信される駆動制御信号によって前記振動素子が駆動されることにより、前記筐体を振動させる、付記1又は2記載の組立支援システム。
(付記4)
前記駆動制御信号は、前記筐体に超音波帯の固有振動を発生させる駆動制御信号である、付記3記載の組立支援システム。
(付記5)
前記位置マーカ側に配設される磁石又は強磁性体をさらに含み、
前記操作装置は、前記仮想空間で前記第1部品を前記第2部品に取り付ける際に前記磁石又は前記強磁性体に当接する電磁石を有し、
前記電磁石は、前記仮想空間で前記第1部品が前記第2部品に接触すると、前記駆動制御部から無線通信又は有線通信で送信される制御信号によってオンにされる、付記3又は4記載の組立支援システム。
(付記6)
前記位置マーカは、前記第2部品に前記現実空間で対応する対応部品に取り付けられており、
前記操作装置は、前記仮想空間で前記第1部品を前記第2部品に取り付ける際に、前記対応部品を向く側に凸部又は凹部を有しており、
前記対応部品は、凹部又は凸部を有しており、
前記操作装置は、前記仮想空間で前記第1部品を前記第2部品に取り付ける際に、前記現実空間で前記操作装置の前記凸部又は前記凹部を前記対応部品の前記凹部又は前記凸部に嵌合することにより、前記対応部品に取り付けられる、付記3乃至5のいずれか一項記載の組立支援システム。
(付記7)
前記操作装置は、利用者が手で保持する筐体を有し、
前記可動素子は、
前記仮想空間で前記第1部品を前記第2部品に取り付ける際に前記操作装置を操作する方向において、前記筐体に対して入れ子式に移動する可動部と、
前記可動部が前記筐体に対して入れ子式に移動する際に、前記駆動制御部から無線通信又は有線通信で送信される制御信号によって制御されることによって前記可動部の移動に伴う摩擦力を変化させる摩擦制御部と
を有し、
前記摩擦制御部は、前記仮想空間で前記第1部品が前記第2部品に接触すると、前記可動部の移動に伴う摩擦力を変化させる、付記1又は2記載の組立支援システム。
(付記8)
前記位置マーカは、前記第2部品に前記現実空間で対応する対応部品に取り付けられる、付記1乃至5及び7のいずれか一項記載の組立支援システム。
(付記9)
前記位置マーカは、前記第2部品に前記現実空間で対応する対応部品の外観であり、前記位置検出部は、前記現実空間における前記対応部品の外観を検出することにより、前記位置マーカの位置を検出する、付記1乃至8のいずれか一項記載の組立支援システム。
(付記10)
前記表示部は、利用者が頭部に装着するヘッドマウントユニットに取り付けられるヘッドマウントディスプレイである、付記1乃至9のいずれか一項記載の組立支援システム。
(付記11)
前記位置検出部は、前記ヘッドマウントユニットに取り付けられ、利用者の視線を含む方向において、前記操作装置及び前記位置マーカの前記現実空間における位置を検出する、付記10記載の組立支援システム。
(付記12)
仮想空間で第1部品を第2部品に取り付ける際に触感を提供する組立支援システムであって、
前記第1部品の画像を表す第1画像データと、前記第2部品の画像を表す第2画像データとを格納するデータ格納部と、
前記第1部品及び前記第2部品の画像を前記仮想空間に表示する表示部と、
可動素子を有し、前記仮想空間にある前記第1部品を操作する利用者が、現実空間において手で操作する操作装置と、
前記現実空間に配設され、前記仮想空間における前記第2部品の位置を規定する、位置マーカと、
前記操作装置及び前記位置マーカの前記現実空間における位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部によって検出される前記操作装置及び前記位置マーカの前記現実空間における位置に対応する前記仮想空間における位置に、前記第1画像データ及び前記第2画像データによって得られる前記第1部品及び前記第2部品の画像を前記表示部に表示させる画像制御部と
を含む組立支援システムにおいて、触感を提供する組立支援方法であって、
コンピュータが、
前記仮想空間における前記第1部品と前記第2部品の位置を検出し、前記仮想空間で前記第1部品が前記第2部品に接触すると、前記操作装置の前記可動素子を駆動させる、組立支援方法。