JP2016116477A - 製茶方法 - Google Patents

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良樹 伊藤
靖人 飯田
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Abstract


【課題】より簡単な装置を使用し、より速やかに製茶することができ、かつ旨みとコクに優れ、苦味が抑制されたお茶を提供すること。
【解決手段】蒸熱工程、1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、製茶方法に関する。
従来から製茶方法は、つみ取ってきた茶葉を、蒸熱処理後、粗揉、揉捻、中揉、精揉の各工程による処理を順に行うことによって製茶する方法が一般的である。
また特許文献1に記載されているように、つみ取ってきた茶葉を蒸熱処理し、次いで5段のCTC処理を行い、次いで抽出を行うことにより、抽出液中のカテキン濃度を向上させると共に、苦味及び渋みを弱くする方法は公知である。
一方、特許文献2に記載されているように、粗揉工程と同時あるいはそれ以後であって、中揉工程と同時又はそれ以前のタイミングで、茶葉を細断する工程を設け、その後には精揉工程を設けない飲料用原料茶葉の製法も公知であり、この方法によれば、苦味や渋みを押さえながら旨みを十分に引き出す抽出が可能になるとされている。
さらに特許文献3に記載されているように、ブロークン緑茶の製造方法として、蒸熱工程、粗揉工程、再乾工程、回転刃と固定刃との間に作用する剪断力による切断工程、再乾工程、乾燥工程を順に行う、より苦渋味が少なく香味を重視した茶を得る方法が知られている。
なお、これらの従来の技術においては、粗揉、揉捻、中揉、精揉の各工程は、それぞれ専用の装置を用いて十分に時間をかけて行われる。
特開2007−89576号公報 特開2012−25号公報 特開平8−9883号公報
上記に記載した従来の方法によれば、製茶方法として粗揉工程を必要とするので、そのために専用の装置を必要とし、かつ粗揉には数十分程度の長時間を要する。またCTC処理のみにより製造した茶葉は、得られた茶飲料が十分な旨味とコクを有していない。
本発明はより簡単な装置を使用し、より速やかに製茶することができ、かつ旨みとコクに優れ、苦味が抑制されたお茶を得ることを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記の製茶方法に到達した。
1.蒸熱工程、カッターとプレートからなるミンサーによる1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法。
2.切断工程を1段又は2段、ほぐし工程を1段又は2段行う1に記載の製茶方法。
3.前記ほぐし工程は、CTC装置で行う1又は2に記載の製茶方法。
4.(a)テアニンの含有量に対する総カテキンの含有量の比は10以下、(b)茶葉100g当たりの20種アミノ酸の含有量とテアニンの含有量の合計は1450mg以上、(c)茶葉100g当たりのガレート型カテキン総量は3200mg以上、(d)茶葉100g当たりの20種アミノ酸とテアニンの含有量の合計量に対する総カテキンの含有量の比は5.40以下、の(a)〜(d)の1つ以上の要件を満たす緑茶葉。
5.蒸熱工程、カッターとプレートからなるミンサーによる1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法によって得られた4に記載の緑茶葉。
6.蒸熱工程、カッターとプレートからなるミンサーによる1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法によって得られた緑茶葉を用いてなる容器詰め緑茶飲料又はインスタントティー。
7.蒸熱工程、カッターとプレートからなるミンサーによる1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法によって得られた緑茶葉を用いる容器詰め緑茶飲料又はインスタントティーの製造方法。
本発明によれば、粗揉工程、揉捻工程、中揉工程、精揉工程のいずれの工程も必要としないので、多くの装置を必要とせず、また速やかに製茶することができ、かつ旨みとコクに優れ、苦味が抑制されたお茶を製造することができる。
茶葉の香り成分の定量結果を示すグラフ 茶葉の香り成分の定量結果を示すグラフ
(原料の茶葉)
本発明の方法により処理されるお茶の原料である茶葉としては、従来から使用されている緑茶用の茶葉であれば特に限定されない。また、茶期も特に限定されるものではなく、
一番茶でも良く、二番茶、三番茶、四番茶でも良い。
この茶葉を用いて以下の順で処理を行う。そのため、粗揉工程、揉捻工程、中揉工程、精揉工程のいずれの工程も必要としないが、これらの工程を適宜行っても良い。
(蒸熱工程)
本発明における蒸熱工程は、緑茶製造用の公知の蒸熱工程であれば良く、80〜120℃の温度で、10秒から3分間蒸す工程である。この工程は茶葉の色を緑色に保つと共に青臭みを除去し、かつ茶葉中の酵素を不活性化させる工程である。
蒸熱処理の後に、粗く乾燥する工程を入れることもできる。この乾燥工程によって茶葉中の水分量を60〜50%程度に調整することにより、その後の切断工程は茶葉が刃に絡まずに円滑に進めることができる。この乾燥工程にて使用される乾燥装置は茶葉用の公知の乾燥装置を採用することができる。例えば、ネット型乾燥機により80℃の熱風を吹きこみ、水平方向に移送するネット上の原料を乾燥すれば良い。
なお、この蒸熱工程の後には室温程度にまで冷却し、必要に応じて葉打ちを行う。
(切断工程)
本発明における切断工程では、切断装置として肉用のミンチ装置(ミンサー又はチョッパー)等を採用することができ、このような切断装置としては、蒸熱工程から連続して送られてくる茶葉を連続して切断処理できる装置で良い。切断工程は1段でも良く、2段以上行っても良い。2段以上行うときには、2機以上の切断装置を直列に配置して、茶葉を順に通すこともできる。切断装置としては、限定されるものではないが、日本キャリア社製のチョッパーが例示できる。
例えばプレート(円形スクリーン)の内側から茶葉を連続して押し出すようにしながら、プレートの内側に設けたカッター(回転刃)によって、茶葉を切断して細かくする装置や、該円形スクリーン状の固定刃とその固定刃に対向し回転軸によって回転する回転刃が設けられ、該円形スクリーンの内側から連続して茶葉が押し出され、その押し出された茶葉を、該スクリーン外側の回転刃でかき取るように切断して細かくする装置を採用することができる。
具体的には、ミンサーが有する例えばホッパ状の投入口から茶葉をミンサー内に投入する。ミンサー内に茶葉を連続的に投入するようにしておくことが製造効率上好ましい。投入された茶葉は、例えば横方向に設置された回転軸により回転する、スクリュー状の羽根によって、ミンサー出口のプレートに向けて移動される。このとき、上記回転する羽根だけではなく、ミンサー内の内壁面に固定された固定羽根も設けると該回転羽根と固定羽根との間に茶葉が挟まるようにもなり、結果的に、回転する羽根によって移動する茶葉に対して、固定羽根との間で剪断力を与えることもできる。
ミンサー内を移動した茶葉は、ミンサー出口の穴に設けられた固定刃であるプレートと、そのミンサーの内側又は外側に設けられた回転刃によって、茶葉がより細かく切断されると共に、固定刃と回転刃との間に挟まれることによる剪断力を受けて、すりつぶすように力が加えられることになる。
その結果、茶葉がより豊かな旨味を備え、渋みを抑制することができる。
(ほぐし工程)
本発明において上記切断工程の後に行うほぐし工程としては、公知のCTC工程を採用することができる。
公知のCTC工程とは、紅茶製造の当業者には周知の工程である(例えば、”Tea: Cultivation to Consumption”, K.C. Willson and M.N. Clifford (Eds), 1st Edn, 1992, Chapman & Hall (London), Chapter 14, pp. 483-485を参照)。
そして、上記特許文献3に記載されているように、従来、粗揉工程、乾燥工程の後にCTC工程を行う場合には、このCTC工程によって、結果的に茶葉を押し潰す、引き裂く、丸めるという3つの処理を1工程で行うことになる。CTC工程で使用される装置は、特に限定されるものではないが、Vikram India Limited社製の装置が例示される。
しかしながら、本発明のほぐし工程は、上記のミンサーによって切断された茶葉を処理する。そして、この切断工程により得られた茶葉は、細かく切断され、かつ押し潰された状態の塊のものであり、本発明中のほぐし工程は、茶葉を処理し、この塊をバラバラにほぐすために行う工程であって、決して上記3つの処理を1工程で行う工程ではない。したがって、本発明のほぐし工程に用いられる装置は、CTC装置に限定されるものではなく、CTC装置で処理された茶葉と同等な状態となるものであれば良い。
このように、本発明でほぐし工程に使用する装置自体は従来の装置と同じであっても、本発明におけるほぐし工程の処理内容は従来とは全く異なるものである。
このほぐし工程は1段でも良く、2段以上行っても良い。2段以上行うときには、2機以上のCTC装置を直列に配置して、茶葉を順に通すこともできる。
ほぐし工程は、表面に無数の突起が形成された回転可能な2本の金属製ローラの胴部間に一定の隙間を設けておき、この2本のローラの回転速度が異なるように回転させ、2本のローラを回転させながらその隙間に茶葉を投入し、回転数が異なる2本のローラの該突起に掛かりながら、これらのローラ間の回転速度の差によって発生する剪断力が茶葉に掛かるために引き裂かれ、ほぐれた状態にする工程である。
このとき、ローラの回転速度は特に限定されるものではなく、装置の規模によって適宜設定すればよいが、回転速度が速いローラの回転速度は100〜800rpm、好ましくは200〜700rpm、さらに好ましくは400〜650rpmであり、回転速度が遅いローラの回転速度は10〜200rpm、好ましくは20〜150rpm、より好ましくは30〜100rpmである。
そして、2本のローラのそれぞれの回転速度を上記の通りにすると、効率良く旨味に優れたお茶を得ることができるが、より好ましくは、2本のローラの回転速度の比が15:1〜7:1であることが好ましく、より好ましくは11:1〜9:1である。
(乾燥工程)
上記のほぐし工程を1段以上行った後、茶葉を乾燥することにより製茶工程を終了させる。この乾燥工程によって茶葉中の水分量を10重量%以下、好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下とする。保存性を考慮すると5重量%以下が最も好ましい。この乾燥工程にて使用される乾燥装置は茶葉用の公知の乾燥装置を採用することができる。例えば、ネット型乾燥機により70℃の熱風を吹きこみ、水平方向に移送するネット上の原料を乾燥すれば良い。
さらに、必要に応じて、得られた茶葉を公知の手段により粉末化して粉茶又は粉末茶とすることもできる。
〔得られた茶葉のテアニン、総カテキン、ガレート型カテキン総量、20種アミノ酸の含有量〕
本発明の茶葉は、その茶葉100g当たり20種のアミノ酸を670mg以上含有することが好ましく、より好ましくは690mg以上、さらに好ましくは700mg以上であり、このアミノ酸の含有量が多いほど、お茶にしたときの味が良好になる。
同様にテアニンの含有量は750mgが好ましく、より好ましくは780mg、さらに好ましくは800mgであり、テアニンが多いほどお茶の旨味が増す。
同様にテアニンの含有量に対する総カテキンの含有量の比が10.0以下であることが好ましく、より好ましくは9.8以下、さらに好ましくは9.5以下である。この比が10.0以下であると総カテキンに由来するお茶の渋みが緩和される。
同様に20種のアミノ酸の含有量とテアニンの含有量の合計量が1450mg以上であることが好ましく、より好ましくは1500mg以上である。この含有量が多いほど、お茶の旨味が増す。
さらにガレート型カテキン総量は3200mg以上が好ましく、より好ましくは3300mg以上、さらに好ましくは3350mg以上である。このガレート型カテキン総量が多いほど、お茶を飲用したときの、脂肪やコレステロールの体内への吸収を抑制する作用を期待できる。
20種アミノ酸とテアニンの含有量の合計量に対する総カテキンの含有量の比が5.40以下であることが好ましく、より好ましくは5.30以下、さらに好ましくは5.10以下である。この比が小さいほどお茶の旨味が増す。
本発明はなかでも、(a)テアニンの含有量に対する総カテキンの含有量の比は10以下、(b)茶葉100g当たりの20種アミノ酸の含有量とテアニンの含有量の合計は1450mg以上、(c)茶葉100g当たりのガレート型カテキン総量は3200mg以上、(d)茶葉100g当たりの20種アミノ酸とテアニンの含有量の合計量に対する総カテキンの含有量の比は5.40以下、の(a)〜(d)の1つ以上の要件を満たす緑茶とすることにより旨味が増して、苦味が抑制されたお茶とすることができる。
上記(a)〜(d)の4つの各要件を全て満たすことが好ましいが、そのうち3つ、あるいは2つを満たしていても良い。
〔得られた茶葉が有する香り成分〕
本発明の方法により得られた茶葉は緑茶であって、Nerolidol, Isobutyl isobutyrate, Butyl butyrate及び Linalolからなる香気成分のうちNerolidolとLinalolの割合が40%以上である。
そのため、茶葉としてはリラックス効果を与える香りや、やさしく心地よい香りを豊かにもつ茶葉が得られる。
下記のようにして、実施例1〜3及び比較例、参考例を行った。
実施例1:蒸熱工程の後、切断工程1段、ほぐし工程1段を順に行った。
実施例2:蒸熱工程の後、切断工程1段、ほぐし工程2段を順に行った。
実施例3:蒸熱工程の後、切断工程2段、ほぐし工程1段を順に行った。
比較例 :蒸熱工程の後、CTC工程3段(切断工程なし)を行った。
参考例 :蒸熱工程の後、粗揉、揉捻、中揉、精揉を順に行った。
実施例は、所要時間が長い粗揉工程から精揉工程等を有しないし、かつ切断工程とほぐし工程はそれぞれバッチ処理ではなく、連続して行うことができるので、茶葉の生産に要する時間をより短時間とすることができ、茶葉を生産性良く製造することができる。
使用した茶葉は、静岡産やぶきた種の秋冬番茶(葉量が約84.3%、茎量が約15.7%)であり、これを品温が約100℃となる条件で蒸気を供給し90秒間蒸熱処理した後、水分含量が55%程度になるよう乾燥し、得られた茶葉を上記の実施例1〜3及び比較例や参考例の工程によって処理を行った。その結果を下記表1〜4に示す。なお、ほぐし工程を行った後、水分含量が5%以下になるよう茶葉を乾燥させた。
切断工程にて使用したミンサーとしては、日本キャリア社製の型番#42GM−P3である。
ほぐし工程にて使用した装置は、Vikram India Limited社製のローラ径が8インチのCTC装置で、回転速度が速いローラは650rpm、遅いローラは65rpmであり、この2本のローラの回転速度の比は10:1であった。
なお、実施例及び比較例に記載のほぐし工程及びCTC工程は、いずれも公知のCTC装置を使用する工程である。実施例は切断工程の後にCTC装置により処理するので、茶葉をほぐすことになる工程であるが、比較例に記載のCTC工程はその前の切断工程を有しないために、本来のCTC装置による処理工程と同じ作用の工程となる。
<抽出率測定方法>
2L容量のステンレス製容器に茶葉100gを入れ、1000ccの湯(90℃)を投入した。投入後、スパーテルにて撹拌を10秒間実施し、その後10分間放置した。
10分放置後に茶葉と抽出液を固液分離して、得られた回収液の重量を記録した。回収した液は直ちに急冷し、液温が25〜30℃になるまで放置した。回収した液の可溶性固形分をBrix計(ATAGO RX-5000)にて測定した。下記の計算式により、測定したBrix値から回収液中に含まれる可溶性固形分量を算出して、その値を使用した茶葉量で割って、その値を抽出率とした。
抽出率計算式
回収液重量(g)×可溶性固形分量(Brix)×0.01÷使用茶葉量(g)
<色差測定方法>
上述の抽出率測定方法で作成した回収液を、Brix0.3となるよう純水にて希釈し、この希釈液15mlを色差計(NIPPON DENSHOKU Color Meter ZE2000)にて測定した。
表1によれば、実施例1〜3及び比較例は、参考例に比べ抽出液の水色は鮮やかな緑色を呈していたが、実施例1〜3及び比較例共に、水色はほとんど同じであった。
<アミノ酸測定方法>
茶葉1gに20mlの60%アセトニトリルを添加し、振盪機(TAITEC Strong Shaker SR-2D5)で30分間抽出した。抽出後、純水で10倍希釈(total×200)し、分析用試料とした。また、茶葉3gに対して湯200mlを添加し、2分間放置後、固液分離した回収液も分析用試料とした。
上記のように調整した試料をWaters AccQ・Tag試薬キットを用いて分析を行った。
N-hydroxysuccinimid活性化複素環状カルバメート(6-aminoquinolyl-N-hydroxysuccinimidyl carbamate, AQC)3mgの結晶をバイアルの底に落としておき、Reagent 2B (アセニト)を1ml加える。ボルテックスで10秒間撹拌する。インキュベーターで結晶が完全に溶解するまで55℃で加温した(10分以内)。
H型アミノ酸標準試料液(2.5μmol/ml)を蒸留水で100倍希釈した。この希釈したアミノ酸標準液10μl(もしくはサンプル)に付属のホウ酸バッファー(5%四ホウ酸ナトリウムbuffer)70μlを加え、ボルテックスで撹拌する。これに調製した試薬20μl(total volume100μl)を加え、直ちにボルテックスで撹拌する。1分間静置した後、55℃で10分間加温し、微量用バイアルに移す。これをHPLCにて測定した。
<HPLC分析条件>
カラム :ODS
検出器 :蛍光検出 EX250nm EM395nm(UV検出の場合 254nm)
流速 :1ml/min
カラムオーブン:37℃
<カテキン類・カフェイン測定方法>
茶葉1gに20mlの60%アセトニトリルを添加し、振盪機(TAITEC Strong Shaker SR-2D5)で30分間抽出した。抽出後、純水で10希釈(total×200)し、分析用試料とした。
この分析用試料をHPLCにて分析した。
<HPLC分析条件>
カラム :Inertsil ODS-3 4μm 4.6×150mm(GLサイエンス社製)
温度 :40℃
検出波長 :280nm、242nm
移動相 :A) 10mM NaH2PO4
:B) メタノール
流速 :1ml/min
分析時間 :35 分
GC :Galloctechin
EGC :Epigalloctechin
C :Catechin
EGCG:Epigalloctechin gallate
EC :Epicatechin
GCG :Galloctechin gallate
ECG :Epicatechin gallate
CG :Catechin gallate
20種アミノ酸
アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン
グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン
フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン
上記表2の結果を考慮すると、実施例1〜3は比較例や参考例よりも、総アミノ酸の含有量が多いので、より旨味に優れるものである。さらに参考例と比較して実施例1〜3の茶葉は総カテキン類の含有量が極めて少ないので、苦味は強くないものである。
また、表3の結果も同様に総アミノ酸の含有量が、比較例及び参考例よりも実施例1〜3に多いことから、抽出液も茶葉と同様の傾向を示すものと推察された。
そうすると、実施例1〜3の茶葉は比較例や参考例の茶葉に対して、旨味がより強く、かつ苦味が少ないという性質を兼ね備えるものである。さらには、抽出液中のアミノ酸含有量を高めるためには、実施例1〜3の茶葉の製茶方法を用いるとよいことが明らかとなった。言い換えると、実施例1〜3の製茶方法は、茶葉よりアミノ酸が抽出されやすくなる方法でもある。
<官能評価試験方法>
茶葉3gに対して湯200mlを添加し、2分間放置後、固液分離し回収液を試料溶液とした。
官能評価は社内資格を有したパネリスト男女11名にて実施した。香りの強弱、うま味、苦渋味、コク、青っぽさ、華やかな風味、味の持続性、総合評価について、比較例を4.0として実施例について評価した。
実施例1〜3は旨味、コク、華やかな風味、味の持続性、及び総合評価の点において、比較例よりも優れた茶葉であった。
<香気成分定量方法>
次のように固相マイクロ抽出法(SPME法) による前処理を行った後、GC−MS装置を用いて、香気成分の定量を行った。
・GC−MS条件
1)前処理:3gの茶葉をバイアルに入れ、65度恒温層にて5分予備加熱後、20分間SPMEに吸着させた。
・S P M E F i b e r : P D M S / D V B / C A R 5 0 / 3 0μ m(膜厚)
・抽出 : Headspace65℃、20min
・脱着 : 240℃,20min
2)GC−MS装置 : Agilent6890N-5973
・カラム : DB-WAX(60m×0.25mm×0.5μm)
・オーブン : 50℃(5min)−240℃(5min)
・キャリアガス : ヘリウム1ml/min
・注入 : splitless,240℃
・検出器 : ScanRange m/z=20−500
図1及び図2に示すグラフは、上記の香気成分定量方法による結果である、茶葉の香り成分(Nerolidol, Isobutyl isobutyrate, Butyl butyrate, Linalol)を示したグラフである。
本発明に沿った例である実施例1及び2により得られた茶葉はこれらの香り成分の総量が多く、総合して比較例及び参考例による茶葉よりも香りが豊かな茶葉であることがわかる。
また、実施例1〜3により得られた茶葉は、飲用者にリラックス効果を与える作用を有することが知られているLinalolの含有量が、比較例及び参考例による茶葉よりも多いものであった。また、実施例1〜3により得られた茶葉は、飲用者にやさしく心地よい香りを与えるNerolidolの含有量が比較例による茶葉よりも多いものであった。
特に図2によれば、実施例3により得られた茶葉は、この4種の香気成分に占めるLinalolとNerolidolの合計の含有比率が高いので、飲用者をより、リラックスでき、かつ心地よい気分とすることができる。
これらの結果によれば、本発明における製茶方法を採用することで、より短時間に効率よく茶葉を生産できることに加え、得られた茶葉は旨味に優れ、苦味を抑制でき、さらにリラックス等の効果に優れた香気を有するものとすることができる。
本発明によって得られた緑茶葉は、飲料用として使用し、容疑詰め緑茶飲料としたり、溶媒にて抽出して得られた抽出液を濃縮、乾燥により粉末状又は粒状にしてインスタントティーとして利用することができる。容器詰め緑茶飲料やインスタントティーも茶葉同様に優れ、苦味を抑制でき、さらにリラックス等の効果に優れた香気を有するものとすることができる。

Claims (7)

  1. 蒸熱工程、カッターとプレートからなるミンサーによる1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法。
  2. 切断工程を1段又は2段、ほぐし工程を1段又は2段行う請求項1に記載の製茶方法。
  3. 前記ほぐし工程は、CTC装置で行う請求項1又は2に記載の製茶方法。
  4. (a)テアニンの含有量に対する総カテキンの含有量の比は10以下、(b)茶葉100g当たりの20種アミノ酸の含有量とテアニンの含有量の合計は1450mg以上、(c)茶葉100g当たりのガレート型カテキン総量は3200mg以上、(d)茶葉100g当たりの20種アミノ酸とテアニンの含有量の合計量に対する総カテキンの含有量の比は5.40以下、の(a)〜(d)の1つ以上の要件を満たす緑茶葉。
  5. 蒸熱工程、カッターとプレートからなるミンサーによる1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法によって得られた請求項4に記載の緑茶葉。
  6. 蒸熱工程、カッターとプレートからなるミンサーによる1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法によって得られた緑茶葉を用いてなる容器詰め緑茶飲料又はインスタントティー。
  7. 蒸熱工程、カッターとプレートからなるミンサーによる1段以上の切断工程、1段以上のほぐし工程を順に行う製茶方法によって得られた緑茶葉を用いる容器詰め緑茶飲料又はインスタントティーの製造方法。
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