JP2016116451A - 養液循環殺菌装置 - Google Patents

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康博 高木
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Abstract

【課題】 室内栽培に必要な二酸化炭素を供給してその減少を抑制し、別途二酸化炭素を購入供給する必要性を少なくし、ランニングコストの低減化を図ると共に、定温化タンク43を経由することで、ガス加熱器42による燃焼継続時間を長くして二酸化炭素を安定供給し、かつ養液の確実な循環殺菌が行え、しかも、装置全体が小型化され安価に製作できる養液循環殺菌装置2を提供する。【解決手段】 加熱殺菌装置4を、その内部にコイル式熱交換用の螺旋管体412と殺菌中養液を蓄積流動して定温化する定温化タンク43とが設けられた加熱殺菌装置4を備える本体タンク41と、該タンク内湯煎水を加熱するガス加熱器42とで構成し、栽培ベッド11から送られる使用済み未殺菌養液と、加熱殺菌装置4で加熱殺菌された殺菌済み養液とを、熱交換器3を介して熱交換を行なって栽培ベッド11へ送出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、室内栽培に用いられる加熱殺菌装置に関し、詳しくは、工場等の閉ざされた温室や室内栽培室において、植物成長に必要な二酸化炭素を供給することのできる養液循環殺菌装置に関する。
近年、工場等による室内栽培は、施設内でLED照明や空調、二酸化炭素、水分や肥料などを人工的に制御し、季節や外部環境、害虫などに影響されずに農作物を生産できると共に、1年中安定した品質のもの生産が可能な他、農地以外でも設置可能な点や、無農薬生産、育成環境の制御によりポリフェノールやビタミンCなどを多く含んだ機能性野菜を市場ニーズにあわせて生産することが可能であるなど、多くの利点があることから、半導体工場を転用し、植物工場として野菜等を栽培することが試みられている。
ところで、室内栽培においては、水分や肥料などの養液を殺菌しつつ循環して使用する方法が採用されており、その装置として特許文献1に開示された液肥加熱殺菌装置なるものが知られている。
このものは、貯液タンク(11)から送られた液肥(19)を、熱交換器(17)の熱交換パイプ(18)内に送られ、熱交換器(17)内で加熱殺菌された液肥(19)と熱交換することにより加温され、加熱槽(23)へ送られ、ここで液肥(19)をピークの熱によって加熱し、液肥中に含まれる菌を殺菌し、熱交換パイプ(18)を通る液肥(19)と熱交換することで温度を下げて、熱交換タンク(17a)の下方部から出て菌を含まない液肥として再生利用するようにしたものである(特許文献1の図1参照)。
一方、室内栽培・温室栽培にあっては、その室内環境において、野菜等の育成に必要な二酸化炭素を使い果たすと成長が止まってしまうという事態が生じ、また、大気中の二酸化炭素濃度以上の環境では、植物の生長が活発になり、収量の増大等の効果があることがよく知られている。つまり、室内における二酸化炭素量の増減が植物の成長に大きくかかわることから、二酸化炭素を供給する必要性があり、二酸化炭素を別途購入して供給しなければないという実情があって、コスト高の要因となっていた。
しかしながら、特許文献1のものは、殺菌処理の主体が加熱槽(23)内の電気ヒーター(24)により行うようにした分散設備型構造のものであり、ガス代よりも電気代の方がコスト高であるだけでなく、装置を室内栽培・温室栽培における室内に採用したとしても、上記の二酸化炭素の供給問題を解決することができないだけでなく、加熱槽(23)内の電気ヒーター(24)に短時間でスケールが付着し、加熱性能が著しく低下するという問題があり、しかも、その構造上、栽培ベッドが縦列横列に多段状に配列された栽培ブロック毎へ容易に採用することができないという問題がある。その他、殺菌方法としては、O3(オゾン)、UV(紫外線)などを用いる方法があり、何れもガスを用いるよりもコスト安ではあるが、O3は培養液にオゾンを溶解すると、Mnなどの微量要素が酸化沈殿して欠乏し、またUVはFeの沈殿と養液が濁っていると殺菌能力が落ちるというデメリットが有り、二酸化炭素の供給問題を解決することもできないという、特許文献1のものと同様の問題点を有している。
特公平05−037607号公報
本発明は、上記の如き問題点を一掃すべく創案されたものであって、室内栽培・温室栽培に必要な養液を循環殺菌する装置でありながら、加熱殺菌装置を室内に設置した際に、閉ざされた室内環境に二酸化炭素を供給することができ、その減少を抑制して、別途二酸化炭素を購入補充する必要性を少なくし或いは無くし得て、ランニングコストの低減化を図ることができると共に、ガス加熱器による燃焼継続時間をできるだけ長くして二酸化炭素を供給し続けることができ、しかも、定温化タンクにより充分な殺菌時間を確保して確実に殺菌処理を行い得て、安定した養液の循環殺菌が行えるだけでなく、湯煎水による熱交換設備を必要としないため給水等の供給設備や本体タンクなどの部材を設ける必要がなくなり、装置全体の構造が簡略化され、更なる小型化が図られより安価に製作でき、小規模のハウス栽培は勿論、大規模な植物工場への採用や、工場内の栽培ブロック毎への配置や設置をも容易なものとし、安価な導入コストをもって容易に採用することのできる養液循環殺菌装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明が採用した技術手段は、 流入から流出に至る流路を形成する管体内を通して、栽培ベッドから送られる使用済みとなった低温の未殺菌養液と、加熱殺菌装置により加熱殺菌されて送られる高温の殺菌済み養液とを、熱交換器を介して養液同士の熱交換を行うことにより、未殺菌養液を昇温化して加熱殺菌装置に流入し、該加熱殺菌装置で高温に殺菌された殺菌済み養液を降温化して栽培ベッドへ送出する養液循環殺菌装置であって、前記加熱殺菌装置は、前記熱交換器から流入管を介して送出される養液を加熱殺菌するガス加熱器と、該ガス加熱器から排出管を介して送出される殺菌中の養液を蓄積流動して定温化する定温化タンクとを備え、該加熱殺菌装置を室内栽培に用いた際に、前記ガス加熱器の燃焼により排出される二酸化炭素を室内に取り込み供給可能に構成したことを特徴とするものである。
本発明は、室内栽培・温室栽培に必要な養液を循環殺菌する装置でありながら、加熱殺菌装置を室内に設置した際に、閉ざされた室内環境に二酸化炭素を供給することができ、その減少を抑制して、別途二酸化炭素を購入補充する必要性を少なくし或いは無くし得て、ランニングコストの低減化を図ることができると共に、ガス加熱器による燃焼継続時間をできるだけ長くして二酸化炭素を供給し続けることができ、かつ安定した養液の循環殺菌が行えるので、ガス加熱器を用いたとしても二酸化炭素の購入コスト削減分を考慮するとトータルでランニングコストを抑えることができるだけでなく、直接加熱される養液の加熱温度は、熱交換用に供される湯煎水の加熱温度よりも低く設定することができ、燃焼コストを抑えることができる。しかも、定温化タンクにより殺菌処理時間を長くできるので、充分な殺菌時間を確保して確実に殺菌処理を行うことができると共に、定温化タンクに流入する管体内における殺菌中養液の温度範囲にバラツキが生じても、殺菌温度の上・下限値の温度許容差を縮小して定温化することができ、確実な殺菌が行われずに流出されてしまうことが防止され、湯煎水による熱交換機構を必要としないため、給水コックや給水管等の本体タンク内への供給設備や、本体タンク、螺旋管体などの部材を設ける必要がなくなり、装置全体が小型化され安価に製作でき、小規模のハウス栽培は勿論、大規模な植物工場への採用や、工場内の栽培ブロック毎への配置や設置をも容易なものとし、安価な導入コストをもって容易に採用することができる。
養液を循環殺菌する室内栽培の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる養液循環殺菌装置を示す全体構成図である。 加熱殺菌装置の他の実施形態を示す養液循環殺菌装置の全体構成図である。
以下、本発明の実施の形態を、好適な実施の形態として例示する養液循環殺菌装置を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は養液を循環殺菌する室内栽培の全体構成を示すブロック図であって、この図に示すように、1は温室栽培の室内施設であって、該温室栽培の室内施設1は、栽培ベッド11、廃液タンク12、養液循環殺菌装置2、殺菌済みタンク13、養液タンク14を備え、それぞれが金属製、樹脂製等の管体を介して連結接続され、管体内を通して送られた栽培ベッド11で使用済みとなった未殺菌養液(約20〜25度)を、加熱殺菌した後再び栽培ベッド11へ送り再利用する循環流路が形成され、所謂、室内栽培における養液殺菌循環システムが構築される。
詳述すると、栽培ベッド11で使用済みとなった未殺菌養液は、廃液タンク12に一旦貯溜され養液循環殺菌装置2の熱交換器3に送られる。養液循環殺菌装置2は、熱交換器3、ガス加熱器42を備える加熱殺菌装置4から構成される。加熱殺菌装置4は熱交換器3から送られた未殺菌養液を加熱殺菌し、約75〜78度の高温となった殺菌済み養液を再び熱交換器3に送り、廃液タンク12から送られる低温の未殺菌養液と熱交換して降温化させ、殺菌済みタンク13に送出する。この熱交換により未殺菌養液は昇温化されて加熱殺菌装置4に送られ、昇温化された殺菌済み養液は、一旦殺菌済みタンク13に貯留して放熱(自然)または冷却(チラー)させた後、養液タンク14に貯留し栽培ベッド11へ送られて再利用されるようになっている。
図2は一の実施形態にかかる養液循環殺菌装置2を示す全体構成図であって、この図に示すように、養液循環殺菌装置2は、熱交換器3と、ガス加熱器42を備える加熱殺菌装置4とから構成される。熱交換器3は、小型のプレート式熱交換器が1個から複数個用いられ、廃液タンク12の管体を接続する送入口21aと、殺菌済みタンク13の管体を接続する送出口21bが設けられたケーシング21内に設けられる。熱交換器3には、入口と出口が一対として2組み設けられ、一方がそれぞれ送入口21aと送出口21bに管体接続され、他方が後述する加熱殺菌装置4の本体タンク41と管体接続されている。また、送入口21aと熱交換器3との間には、使用済み養液を熱交換器3へ送るポンプ31が設けられており、ケーシング21の底部に養液循環殺菌装置2を走行移動可能とするキャスター22が設けられている。
つまり、廃液タンク12から送られる使用済み養液は、ポンプ31によって熱交換器3の熱交換能力に最適な流量(吐出量)を調整しながら、熱交換器3内へ送られ、熱交換器3は、送られた低温の未殺菌養液(約20〜25度)と、加熱殺菌装置4により加熱殺菌されて送られる高温の殺菌済み養液(約75〜78度)との温度差の異なる養液同士により熱交換させて、未殺菌養液を69〜72度位に昇温化して流入口41aに送出し、本体タンク41から送られる殺菌済み養液を約30度位に降温化して送出口21bに送出するようになっている。この養液INから養液OUTに至る循環時間は約2分程度で行うことができる。なお、ケーシング21の上部は開閉可能(図示省略)に構成される。
加熱殺菌装置4は、熱交換器3からの流入管411が接続される流入口41aと、熱交換器3へ流出する流出口41bとが設けられた本体タンク41と、本体タンク41内に貯溜された水などの湯煎水を加熱し、所定の温度範囲に保つためのガス加熱器42(給湯器やボイラー等であっても良い)とを備え、ガス加熱器42の燃焼により排出される二酸化炭素を室内に取り込み供給可能に構成されている。また、熱交換器3の流入管411と流出管413の近傍(流入口41aと流出口41bの近傍)には、それぞれ未殺菌養液と殺菌済み養液の上・下限値範囲を監視する温度センサS1、S2と、上限または下限の許容範囲を超えると、それぞれに付き上限と下限を赤色表示する表示部23とが設けられている。
本体タンク41は、上部が開閉可能(図示省略)な密封状のタンクに形成され、ケーシング21の外部に、給水管が接続され、本体タンク41内へ水を供給する給水コック(図示しない)が設けられており、本体タンク41内に貯溜された水位が所定値以下になると自動的に補充されるようになっている。
本体タンク41内には、その一端側が流入口41aに接続されて上下方向にコイル状に螺旋形成されるコイル式熱交換用の螺旋管体412と、螺旋管体412の他端側が接続され、その螺旋内空域の中心部に配設され流入する殺菌中の養液を蓄積旋回流動して定温化する定温化タンク43と、この定温化タンク43に、一端側が接続され他端側が流出口41bを介して接続された流出管413とが配設されている。なお、螺旋管体412はコイル式のものであればその螺旋形状は任意であり、定温化タンク43も本体タンク41内に設けられていれば良い。
本体タンク41内に貯溜された湯煎水は、定温化タンク43を有することによって、ガス加熱器42により本来約77〜80度の上・下限値の範囲で加熱すべきところを、例えば約75〜82度と許容範囲を拡大して設定されると共に、螺旋管体412は約20mの長さを有しており、螺旋管体412内を流動する未殺菌養液を、湯煎水により熱交換を行うことにより昇温化して定温化タンク43内に流出する。
定温化タンク43は、その体積が約1.5〜2Lの大きさを有しており、螺旋管体412内の流速よりも遅くなるように、流入する殺菌中の養液を、定温化タンク43内に約18〜24秒間ほど留めて遅延させることで、蓄積旋回流動させて湯煎水による熱交換を伴いつつ約75〜78度の温度範囲に定温化して、流出管413に流出するようになっている。なお、定温化タンク43の大きさは管体内の流速や加熱温度等を勘案して任意に決めれば良い。
この様に構成すると、螺旋管体412と流出管413とが一体となった管体内だけで流動させたものに比し、螺旋管体412長さを短く設定してもその殺菌処理時間を長くできると共に、養液中に含まれる殆どの菌は、75度/15秒で殺菌することができるとされており、充分な殺菌時間を確保して確実に殺菌処理を行うことができるので、湯煎水により昇温化された螺旋管体412内の殺菌中養液は、螺旋管体412を短くすることでその温度範囲にバラツキが生じても、殺菌温度の上・下限値の温度許容差を縮小して定温化することができ、確実な殺菌が行われずに流出されてしまうことを防止することができる。
ガス加熱器42には、その吸入管42aの入口付近に温度センサS3とポンプ421が設けられており、本体タンク41内の湯煎水をポンプ421により吸引し、再加熱して排出管42bより吐出する。温度センサS3は、吸引された湯煎水の加熱温度許容差の上・下限値範囲を監視して、下限値を超えた場合に点火し上限値を超えた場合に消火するようになっており、その状態を赤色表示する表示部23により表示する。
つまり、この定温化タンク43により、殺菌中養液の螺旋管体412内で殺菌できなかったものが存在しても確実な殺菌が行えるので、本体タンク41内の湯煎水の加熱温度許容差の上・下限値の範囲を拡大させて、温度センサS3によるガス加熱器42の点火と消火のON/OFF切り替え回数を減少させる構成とすることが可能となる。また、ガス加熱器42には、その燃焼による炭酸ガス(CO2)を40度以下に冷却して排出するラジエーター422、および、排出ガスを室内に取り込み供給する排気ファン423が設けられている。
次に、加熱殺菌装置4の他の実施例を図3に基づいて説明する。ただし、前記実施形態と共通する構成および機能については、詳細な説明を省略する。
図3は加熱殺菌装置4の他の実施形態を示す養液循環殺菌装置の全体構成図であって、この図に示すように、加熱殺菌装置4は、図2に示す実施例の構成のうち、本体タンク41内の湯煎水をガス加熱器42によって加熱し、コイル式熱交換用の螺旋管体412内の養液を熱交換により昇温化して殺菌する構成を用いずに、加熱殺菌装置4をガス加熱器42と定温化タンク43とで構成して、ガス加熱器42によって養液を直接的に加熱して殺菌するようにしたものである。従って、ガス加熱器42による養液の加熱温度は、熱交換用に供される湯煎水の加熱温度よりも低く設定することができ、燃焼コストを抑えることができる。
すなわち、本実施形態における加熱殺菌装置4は、熱交換器3とガス加熱器42とを流入管411を介して接続し、ガス加熱器42と定温化タンク43とを排出管42bを介して接続し、定温化タンク43と熱交換器3とを流出管413を介して接続することで、熱交換器3で約69〜72度位に昇温化されて送出される未殺菌養液を、ガス加熱器42により約74〜80度位の範囲で直接的に加熱処理し、この加熱された養液を定温化タンク43内に吐出させ、定温化タンク43内で蓄積流動することによって、約75〜78度の温度範囲に定温化された殺菌済み養液を熱交換器3に流出するように構成される。養液INから養液OUTに至る循環流路は、全て管体内を流動して外気に触れることなく密封状態で行われるようになっており、特許文献1のもののように加熱槽(23)内の電気ヒーター(24)に短時間でスケールが付着してしまうこともない。
また、定温化タンク43は、ガス加熱器42により直接加熱された養液を実施例1のものと同じ温度範囲で定温化処理を行うに際し、定温化タンク43内の滞留時間を長めにし、温度の異なる養液を撹拌流動して定温化するよう、実施例1のものよりもその体積が大きめのもの(体積は任意で良い)が用いられ、ポンプ421と温度センサS3は排出管42bに設けられる。
つまり、養液中に含まれる殆どの菌は、75度/15秒で殺菌することができるとされており、ガス加熱器42から吐出された殺菌中の養液は、管体内の流速を勘案し、定温化タンク43内を蓄積旋回流動させて約15秒以上留めて遅延させることで、約75〜78度の温度範囲に定温化して流出管413により流出するようになっている。この様に定温化タンク43を用いることにより、充分な殺菌時間を確保して確実に殺菌処理を行うことができると共に、ガス加熱器42は、養液の加熱温度を本来約76〜79度の上・下限値の範囲で処理すべきところを、例えば約74〜80度と許容範囲を拡大して設定することができ、その燃焼継続時間をできるだけ長くして二酸化炭素を供給し続けることができる。しかも、給水コックや給水管等の本体タンク41内への供給設備や、本体タンク41、螺旋管体412などの部材を設ける必要がなくなり、実施例1のものに比し装置全体をより小型化して更に安価に製作できると共に、ガス加熱器42の燃焼により排出される二酸化炭素を室内に取り込み供給することが可能となる。なお、降温手段として熱交換器3に換えて冷却装置を用い、高温の殺菌済み養液を降温化するようにしても良い。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、いま、室内栽培・温室栽培に必要な養液を循環殺菌するのであるが、本発明における養液循環殺菌装置2は、流入から流出に至る流路を形成する管体内を通して、栽培ベッド11(廃液タンク12)から送られる使用済みとなった低温の未殺菌養液と、加熱殺菌装置4により加熱殺菌されて送られる高温の殺菌済み養液とを、熱交換器3を介して養液同士の熱交換を行うことにより、未殺菌養液を昇温化して加熱殺菌装置4に流入し、該加熱殺菌装置4で高温に殺菌された殺菌済み養液を降温化して栽培ベッド11(殺菌済みタンク13)へ送出するように構成される。
そして、図2に示す加熱殺菌装置4にあっては、熱交換器3からの流入管411が接続される流入口41aと、熱交換器3へ流出する流出口41bとが設けられた本体タンク41と、該本体タンク内41に、その一端側が流入口41aに接続されて螺旋形成されるコイル式熱交換用の螺旋管体412と、該螺旋管体412の他端側が接続され、流入する殺菌中の養液を蓄積流動して定温化する定温化タンク43と、該定温化タンク43に、一端側が接続され他端側が流出口41bに接続された流出管413と、本体タンク41内に貯溜された液体(水)を加熱し、該湯煎水を所定の温度範囲に保つためのガス加熱器42とを備え、加熱殺菌装置4を室内栽培に用いた際に、ガス加熱器42の燃焼により排出される二酸化炭素を室内に取り込み供給可能に構成されている。
また、図3に示す加熱殺菌装置4にあっては、熱交換器3から流入管411を介して送出される養液を加熱殺菌するガス加熱器42と、該ガス加熱器42から排出管を介して送出される殺菌中の養液を蓄積流動して定温化する定温化タンク43とを備え、加熱殺菌装置4を室内栽培に用いた際に、ガス加熱器42の燃焼により排出される二酸化炭素を室内に取り込み供給可能に構成されている。
この様に構成すると、室内栽培・温室栽培に必要な養液を循環殺菌する装置でありながら、加熱殺菌装置4を室内に設置した際に、閉ざされた室内環境に二酸化炭素を供給することができ、その減少を抑制して、別途二酸化炭素を購入補充する必要性を少なくし或いは無くし得て、ランニングコストの低減化を図ることができると共に、定温化タンク43を経由することで、ガス加熱器42による燃焼継続時間をできるだけ長くして二酸化炭素を供給し続けることができ、かつ安定した養液の循環殺菌が行えるので、ガス加熱器42を用いたとしても二酸化炭素の購入コスト削減分を考慮するとトータルでランニングコストを抑えることができる。
例えば、二酸化炭素を200kgボンベで購入したとすると、その購入費用は1kgあたり150円程度のコストを要し、また、例えば、広く供給されている都市ガス13Aは1m3 あたり150円程度で1m3 あたり2kgの二酸化炭素が発生する。したがって、ガス加熱器42を導入しても二酸化炭素の購入コスト削減分を勘案するとトータルでコストを抑えることができる。
しかも、送入口21aでの養液INから送出口21bより養液OUTに至る循環時間を僅か2分程度と短時間で行っても、定温化タンク43により殺菌処理時間を長くできるので、充分な殺菌時間を確保して確実に殺菌処理を行うことができると共に、定温化タンク43に流入する流入管411や排出管42b、螺旋管体412などの管体内における殺菌中養液の温度範囲にバラツキが生じても、殺菌温度の上・下限値の温度許容差を縮小して定温化することができ、確実な殺菌が行われずに流出されてしまうことが防止され、本体タンク41の小型化およびガス加熱器42の小型化が図られ、特に、実施例2にかかる加熱殺菌装置4にあっては、実施例1のものに比し、湯煎水による熱交換機構を必要としないため、給水コックや給水管等の本体タンク41内への供給設備や、本体タンク41、螺旋管体412などの部材を設ける必要がなくなり、装置全体をより小型化して更に安価に製作して提供することができ、小規模のハウス栽培は勿論、大規模な植物工場への採用や、工場内の栽培ブロック毎への配置や設置をも容易なものとし、安価な導入コストをもって容易に採用することができる。
また、ガス加熱器42は、加熱送出される養液の加熱温度許容差の上・下限値範囲を監視して、下限値を超えた場合に点火し上限値を超えた場合に消火するON/OFF温度センサS3を備え、定温化タンク43は、ガス加熱器42から所定の殺菌温度許容差をもって、排出管42bより送出される養液の殺菌温度のバラツキ範囲を縮小して定温化せしめることで、ガス加熱器42における養液の加熱殺菌温度の上・下限値範囲を拡大せしめ、温度センサS3によるガス加熱器42のON/OFF切り替え回数を減少せしめるよう構成されている。
この様に構成すると、排出管42bより送出される殺菌中養液の殺菌温度範囲にバラツキが生じ、ガス加熱器42により確実に殺菌できなかったものが存在しても、定温化タンク43によって充分な殺菌時間を確保して確実に殺菌処理を行うことができるので、ガス加熱器42による燃焼継続時間をできるだけ長くして二酸化炭素を供給することができるだけでなく、養液のINからOUTに要する循環時間を短縮して殺菌処理することができる。なお、ガス加熱器42は、都市ガス(13A・12A・6A・5C・L1・L2・L3)やLPガス等、使用する任意のガスに合わせて設計されている。
また、螺旋管体412は、上下方向にコイル状に螺旋形成されると共に、定温化タンク43は、螺旋管体412の螺旋内空域の中心部に配設されているので、定温化タンク43自体も湯煎水により加熱されるので定温化効率を高めることができると共に、本体タンク41の小型化にも寄与することができる。
また、熱交換器3と加熱殺菌装置4とを一体化することで、熱交換器3と定温化タンク43とガス加熱器42とが並設されたユニットに構成してあるので、装置全体の小型化が図られ安価に製作でき、循環殺菌路への設置や栽培室に広い設置スペースを要せずに導入し得て、栽培作業の邪魔となることもない。
また、熱交換器3と定温化タンク43とをケーシング21内に収容し、ガス加熱器42をケーシング21の外部に設けると共に、ケーシング21にキャスター22を設けて移動可能に構成したので、パッケージ化された小型の装置として提供することができ、かつ、栽培室内を自由に移動させて所望の個所に設置することができるだけでなく、給水管やガス管、廃液タンク12などとの各部の管体接続を行うだけで使用可能な状態とすることができ、設置の簡易性が図られ、メンテナンス作業も容易に行うことができる。
1 室内施設
11 栽培ベッド
12 廃液タンク
13 殺菌済みタンク
14 養液タンク
2 養液循環殺菌装置
21 ケーシング
21a 送入口
21b 送出口
22 キャスター
23 表示部
3 熱交換器
31 ポンプ
4 加熱殺菌装置
41 本体タンク
41a 流入口
41b 流出口
411 流入管
412 螺旋管体
413 流出管
42 ガス加熱器
42a 吸入管
42b 排出管
421 ポンプ
422 ラジエーター
423 排気ファン
43 定温化タンク
S1、S2、S3 温度センサ

Claims (4)

  1. 流入から流出に至る流路を形成する管体内を通して、栽培ベッドから送られる使用済みとなった低温の未殺菌養液と、加熱殺菌装置により加熱殺菌されて送られる高温の殺菌済み養液とを、熱交換器を介して養液同士の熱交換を行うことにより、未殺菌養液を昇温化して加熱殺菌装置に流入し、該加熱殺菌装置で高温に殺菌された殺菌済み養液を降温化して栽培ベッドへ送出する養液循環殺菌装置であって、
    前記加熱殺菌装置は、前記熱交換器から流入管を介して送出される養液を加熱殺菌するガス加熱器と、該ガス加熱器から排出管を介して送出される殺菌中の養液を蓄積流動して定温化する定温化タンクとを備え、
    該加熱殺菌装置を室内栽培に用いた際に、前記ガス加熱器の燃焼により排出される二酸化炭素を室内に取り込み供給可能に構成したことを特徴とする養液循環殺菌装置。
  2. 請求項1において、前記ガス加熱器は、加熱送出される養液の加熱温度許容差の上・下限値を監視して、下限値を超えた場合に点火し上限値を超えた場合に消火するON/OFF温度センサを備え、前記定温化タンクは、前記ガス加熱器から所定の殺菌温度許容差をもって、前記排出管より送出される養液の殺菌温度のバラツキ範囲を縮小して定温化せしめることで、前記ガス加熱器における養液の加熱殺菌温度の上・下限値範囲を拡大せしめ、前記温度センサによるガス加熱器のON/OFF切り替え回数を減少せしめるよう構成されていることを特徴とする養液循環殺菌装置。
  3. 請求項1または2において、前記熱交換器と前記加熱殺菌装置とを一体化することで、前記熱交換器と定温化タンクとガス加熱器とが並設されたユニットに構成してあることを特徴とする養液循環殺菌装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記熱交換器と定温化タンクとをケーシング内に収容し、前記ガス加熱器を前記ケーシングの外部に設けると共に、該ケーシングにキャスターを設けて移動可能に構成したことを特徴とする養液循環殺菌装置。
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