JP2016111986A - 培養装置及び方法 - Google Patents

培養装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016111986A
JP2016111986A JP2014255031A JP2014255031A JP2016111986A JP 2016111986 A JP2016111986 A JP 2016111986A JP 2014255031 A JP2014255031 A JP 2014255031A JP 2014255031 A JP2014255031 A JP 2014255031A JP 2016111986 A JP2016111986 A JP 2016111986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
culture
filter
tank
liquid
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014255031A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6523674B2 (ja
Inventor
石井 徹哉
Tetsuya Ishii
徹哉 石井
洋治 藤森
Yoji Fujimori
洋治 藤森
和己 岡田
Kazumi Okada
和己 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2014255031A priority Critical patent/JP6523674B2/ja
Publication of JP2016111986A publication Critical patent/JP2016111986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6523674B2 publication Critical patent/JP6523674B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】有価物を発酵生成する微生物を培養する装置において、有価物の利用効率を確保しながら、濾過手段の透過率を回復可能とし、かつ濾過手段に要するコストを低減する。【解決手段】培養槽10の培養液91中で微生物9を培養する。培養後の培養液92を濾過手段20によって濾過する。濾液93を後処理部30の抽出部31に送り、有価物を抽出する。逆流洗浄路58から逆流洗浄液98を濾過手段20に濾過時とは逆方向に流して、濾過手段20を逆流洗浄する。逆流洗浄後の逆流洗浄液98を培養液91として培養槽10へ導入する。【選択図】図1

Description

本発明は、有価物を生成する微生物を培養する培養装置及び培養方法に関する。
例えば、特許文献1では、培養槽内の培養液中で嫌気性の微生物を培養している。この微生物の発酵によってアセテート等の有価物が生成される。この培養液の一部を培養槽から流出させて、濾過手段のフィルターで濾過する。フィルターを透過した濾液は、微生物等の固体成分(浮遊物質:suspended solids)を殆ど含まない。この濾液が、次工程(次段の培養槽)へ送られる。一方、フィルターを透過しなかった浮遊物質を含む非透過液は、培養槽に戻される。
米国公開公報US2013/0065282 特開2007−245049([0002])
上掲特許文献1では、浮遊物質を含む培養液を濾過手段のフィルターによって連続的に濾過しているために、運転を続けるにしたがってフィルターが目詰まりしていき、透過率(フィルターに単位圧力差を与えた場合の単位時間、単位面積当たりの水の透過量)が低下する。そのため、定期的あるいは透過状況に応じて、フィルターを洗浄したり交換したりする必要がある。洗浄方法として、下水処理のように、濾液の一部(たとえば10%程度)を逆流させることによって、フィルターを逆流洗浄することが考えられる(特許文献2参照)。しかし、逆流量が小さいと、洗浄効果が不十分である。一方、特許文献2に記載の通り、逆流量を大きくすると、濾液の回収率ないしは実質透過総量が低下し、ひいては有価物の利用効率が低下するおそれがある。そこで、逆流洗浄の実施周期を長くすると、次の逆流洗浄までの間、透過率が低下し過ぎる。そのため、フィルターの面積を大きくする(たとえば透過液1m当たり2〜4m)ことで対応せざるを得なかった。このために、フィルターに要するコストが上昇していた。
本発明は、上記事情に鑑み、有価物の利用効率を確保しながら濾過手段の透過率を回復可能とし、かつ濾過手段に要するコストを低減することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明装置は、有価物を発酵生成する微生物を培養する培養装置であって、
前記微生物を培養液中で培養する培養槽と、
前記培養後の培養液を濾過する濾過手段と、
前記培養液の濾液又は前記培養後の培養液を後処理(有価物の抽出、利用等)する後処理部と、
逆流洗浄液を前記濾過手段に濾過時とは逆方向に流して、前記濾過手段を逆流洗浄する逆流洗浄手段と、
前記逆流洗浄後の前記逆流洗浄液を前記培養液として前記培養槽へ導入する導入手段と、
を備えたことを特徴とする。
この培養装置によれば、培養槽に導入されるべき培養液が、培養槽への導入前に、濾過手段の逆流洗浄液として用いられる。したがって、逆流洗浄液の流量を、培養液の培養槽への導入流量と同等にできる。よって、濾過手段を十分に逆流洗浄することができる。また、実質透過総量ひいては有価物の利用効率を確保しながら、逆流洗浄の周期を短くでき、濾過手段の透過率が少し下がった段階で、逆流洗浄を行うことができる。これによって、濾過手段の透過率を充分に回復させることができる。したがって、濾過手段を大型化する必要がない。また、培養液を逆流洗浄液として用いることで、逆流洗浄専用の液を別途用意する必要がない。よって、濾過手段に要するコストを低減できる。
前記逆流洗浄液が、前記培養前の新規の培養液、前記後処理後の培養液、及び前記濾液のうち何れか1つ又は2以上の混合液であることが好ましい。
これによって、微生物等の浮遊物質を殆ど含まない液を、逆流洗浄液として用いることができる。
前記培養装置が、第1流通モードと第2流通モードとを選択的に切り替えるモード切替手段を、更に備えていることが好ましい。
前記濾過手段が、
前記第1流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第1濾過器と、
前記第2流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第2濾過器と、
を含むことが好ましい。
前記逆流洗浄手段が、前記第1流通モードのときは前記第2濾過器を逆流洗浄し、前記第2流通モードのときは前記第1濾過器を逆流洗浄することが好ましい。
これによって、第1、第2濾過器の一方で濾過中に他方を逆流洗浄できる。したがって、培養後の培養液の濾過、及び濾液の後処理(有価物の抽出、利用等)を連続的に実施しながら、これと併行して、濾過手段の逆流洗浄を行なうことができ、濾過手段の濾過能力を維持できる。
前記培養装置が、第1流通モードと第2流通モードと第3流通モードとを選択的に切り替えるモード切替手段と、薬液洗浄手段とを更に備えていることが好ましい。
前記濾過手段が、
前記第1流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第1濾過器と、
前記第2流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第2濾過器と、
前記第3流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第3濾過器と、
を含むことが好ましい。
前記逆流洗浄手段が、前記第1流通モードのときは前記第2、第3濾過器の一方を逆流洗浄し、前記第2流通モードのときは前記第1、第3濾過器の一方を逆流洗浄し、前記第3流通モードのときは前記第1、第2濾過器の一方を逆流洗浄し、
前記薬液洗浄手段が、前記第1流通モードのときは前記第2、第3濾過器の他方を薬液によって洗浄し、前記第2流通モードのときは前記第1、第3濾過器の他方を薬液によって洗浄し、前記第3流通モードのときは前記第1、第2濾過器のうち他方を薬液によって洗浄することが好ましい。
これによって、第1〜第3濾過器の1つで濾過中に別の1つを逆流洗浄でき、更に残る1つを薬液洗浄できる。したがって、培養後の培養液の濾過、及び濾液の後処理(有価物の抽出、利用等)を連続的に実施しながら、これと併行して、濾過手段の逆流洗浄及び薬液洗浄を行なうことができ、濾過手段の濾過能力を十分に維持できる。
前記モード切替手段が、前記微生物の活性維持時間より短い間隔でモード切替を行なうことが好ましい。これによって、濾過器に捕捉された微生物の活性が落ちる前に、該微生物を逆流洗浄液と共に培養槽に戻すことができる。したがって、微生物の利用効率を高めることができる。
前記濾過手段が、前記培養後の培養液を透過させ、かつ前記微生物の透過を阻止する濾過膜(フィルター)を有していることが好ましい。
これによって、培養液を確実に濾過できる。前記濾過膜としては、中空糸や平膜等を用いることができる。
前記濾過手段が、前記培養後の培養液を透過させ、かつ前記微生物を捕捉する濾過用砂状物質を有していてもよい。この場合、前記モード切替手段が、前記捕捉された前記微生物の活性維持時間より短い間隔でモード切替を行なうことが好ましい。
これによって、濾過用砂状物質に捕捉された微生物の活性が落ちる前に、該微生物を逆流洗浄液と共に培養槽に戻すことができる。したがって、微生物の利用効率を高めることができる。
前記培養槽と前記後処理部との間に配置された後段培養槽と、
前記後段培養槽で前記微生物を培養した後の培養液を濾過する後段濾過手段と、
を更に備えていてもよい。この場合、前記濾過手段からの前記濾液が、前記後段濾過手段の逆流洗浄液となったうえで前記後段培養槽に導入され、
前記後段培養槽からの培養液、及び前記後段濾過手段からの濾液の何れか1つ又はこれらの混合液が、前記後処理部へ送られて後処理されることが好ましい。
これによって、微生物を前段の培養槽から後段の培養槽に順送りすることで、活性状態の微生物が培養装置の系内に留まって有価物の発酵生成を行なうようにでき、微生物の活性期間と、微生物の培養装置内における滞留期間とをできるだけ一致させることができる。これによって、微生物の利用効率を高めることができる。
本発明方法は、有価物を発酵生成する微生物を培養する培養方法であって、
培養槽の培養液中で前記微生物を培養する培養工程と、
前記培養後の培養液を濾過手段によって濾過する濾過工程と、
前記培養液の濾液又は前記培養後の培養液を後処理(有価物の抽出、利用等)する後処理工程と、
逆流洗浄液を前記濾過手段に前記濾過工程とは逆方向に流して、前記濾過手段を逆流洗浄する逆流洗浄工程と、
前記逆流洗浄後の前記逆流洗浄液を前記培養液として前記培養槽へ導入する導入工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明方法によれば、培養槽へ導入されるべき培養液を、培養槽への導入前に濾過手段の逆流洗浄に用いることで、実質透過総量ひいては有価物の利用効率を確保しながら、逆流洗浄液の流量を大きくでき、逆流洗浄の実施周期を短くできる。これによって、濾過手段の透過率が少し下がった段階で逆流洗浄を行うことで、透過率を十分に回復できる。よって、濾過手段を大型にしなくても済む。また、逆流洗浄専用の液を別途用意する必要がない。この結果、濾過手段に要するコストを低減できる。
前記逆流洗浄液として、前記培養前の新規の培養液、前記後処理後の培養液、及び前記濾液のうち何れか1つ又は2以上の混合液を用いることが好ましい。
これによって、微生物等の浮遊物質を殆ど含まない液を、逆流洗浄液として用いることができる。
複数の流通モードを選択的に切り替え、
流通モードに応じて、前記濾過手段に含まれる複数の濾過器のうち、前記濾過工程を行う濾過器と、前記逆流洗浄工程を行う濾過器とを選択することが好ましい。
これによって、複数の濾過器の一部で濾過中に他の濾過器を逆流洗浄できる。したがって、培養後の培養液の濾過、及び濾液の後処理(有価物の抽出、利用等)を連続的に実施しながら、これと併行して、濾過手段の逆流洗浄を行なうことができ、濾過手段の濾過能力を維持できる。
3つ以上の流通モードを選択的に切り替え、
流通モードに応じて、前記濾過手段に含まれる3つ以上の濾過器のうち、前記濾過工程を行う濾過器と、前記逆流洗浄工程を行う濾過器と、薬液によって洗浄する濾過器とを選択することが好ましい。
これによって、3つ以上の濾過器の一部で濾過中に別の濾過器を逆流洗浄でき、更に別の濾過器を薬液洗浄できる。したがって、培養後の培養液の濾過、及び濾液の後処理(有価物の抽出、利用等)を連続的に実施しながら、これと併行して、濾過手段の逆流洗浄及び薬液洗浄を行なうことができ、濾過手段の濾過能力を十分に維持できる。
前記モード切替を、前記微生物の活性維持時間より短い間隔で行なうことが好ましい。これによって、濾過器に捕捉された微生物の活性が落ちる前に、該微生物を逆流洗浄液と共に培養槽に戻すことができる。したがって、微生物の利用効率を高めることができる。
直列に連なる複数段の培養槽の培養液中で前記微生物を培養し、
各段の培養槽に対応する濾過手段によって、前記対応する培養槽からの培養液を濾過し、
最終段を除く各段の濾過手段からの濾液を、次段の濾過手段の逆流洗浄液としたうえで次段の培養槽へ導入し、
最終段の培養槽からの培養液、及び最終段の濾過手段からの濾液の何れか1つ又はこれらの混合液を、前記後処理部に送って後処理してもよい。
これによって、微生物を複数段の培養槽にわたって順送りすることで、活性状態の微生物が培養装置の系内に留まって有価物の発酵生成を行なうようにでき、微生物の活性期間と、微生物の培養装置内における滞留期間とをできるだけ一致させることができる。これによって、微生物の利用効率を高めることができる。
本発明によれば、有価物の利用効率を確保しながら濾過手段の透過率を回復させることができ、かつ濾過手段を大型にしなくても済み、濾過手段に要するコストを低減することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る培養装置を、第1流通モードで示す回路構成図である。 図2は、上記第1実施形態に係る培養装置を、第2流通モードで示す回路構成図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る培養装置を、第1流通モードで示す回路構成図である。 図4は、上記第2実施形態に係る培養装置を、第2流通モードで示す回路構成図である。 図5は、本発明の第3実施形態に係る培養装置を、第1流通モードで示す回路構成図である。 図6は、上記第3実施形態に係る培養装置を、第2流通モードで示す回路構成図である。 図7は、上記第3実施形態に係る培養装置を、第3流通モードで示す回路構成図である。 図8は、本発明の第4実施形態に係る培養装置を、第1流通モードで示す回路構成図である。 図9は、上記第4実施形態に係る培養装置を、第2流通モードで示す回路構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示したものである。
本発明では、培養装置1によって嫌気性の微生物9を培養している。嫌気性微生物9としては、例えば特許文献1(米国公開公報US2013/0065282)の他、特開2014−050406号公報、特開2004−504058号公報等に開示された嫌気性細菌を用いることができる。嫌気性微生物9は、その発酵作用によってエタノール等の有価物を生成する。この有価物を抽出したり反応させたりして種々の利用に供する。
図1及び図2に示すように、培養装置1は、新規培養液供給源2と、培養槽10と、濾過手段20と、後処理部30と、流通ライン50と、コントローラ5を備えている。新規培養液供給源2には、新規培養液90が蓄えられている。新規培養液90の大部分は水(HO)であり、これにビタミンやリン酸等の栄養分が溶解されている。新規培養液90には嫌気性微生物9が含まれていない。この新規培養液90が培養槽10に導入されるとともに嫌気性微生物9の混入により槽内培養液91となる。この槽内培養液91の一部(培養後培養液92)が濾過手段20で濾過される。濾液93が、蒸留等の後処理を行う後処理部30に送られ、エタノール(有価物)が抽出される。培養槽10と濾過手段20と後処理部30とが、流通ライン50によって接続されている。
コントローラ5は、培養装置1全体の動作を統括する。このコントローラ5によって、培養装置1のモードが切り替えられる。コントローラ5は、モード切替手段を構成している。モードとして、図1に示す第1流通モードと、図2に示す第2流通モードとがある。モードに応じて、流通ライン50による接続態様が異なる。
なお、実際の流通ライン50においては、2つのモードの互いに対応するライン(例えば図1の送出路51と図2の送出路51どうし)等は、共通の配管から分岐したり、合流して共通の配管となったりしており、バルブによって開通ラインが切り替えられる。図面では、理解の容易化のために、モードごとの開通ラインのみを模式的に図示してある。
培養装置1の各要素10,20,30を詳述する。
培養槽10には、槽内培養液91が蓄えられている。槽内培養液91中で嫌気性微生物9が培養されている。
培養槽10の中間部には、含固形分液後処理部4が接続されている。
基質ガス源60からの基質ガス供給路61が、培養槽10の底部に接続されている。培養槽10の頂部からガス排出路62が引き出されている。基質ガスは、嫌気性であり、その成分としては、例えば一酸化炭素(CO)、水素(H)、二酸化炭素(CO)等が挙げられる。詳細な図示は省略するが、基質ガス源60は、産業廃棄物等を処理する廃棄物処理施設にて構成されている。言い換えると、培養装置1は、廃棄物処理システムに組み込まれている。基質ガス源60には溶融炉があり、この溶融炉において、廃棄物が高濃度の酸素ガスによって燃焼されて低分子レベルまで分解される。最終的に、CO、H、CO等を含む嫌気性の基質ガスが生成される。
濾過手段20は、第1、第2の2つ(複数)の濾過器21,22を含む。第1濾過器21は、1又は複数の濾過膜29(フィルター)を有している。濾過膜29は、培養後培養液92の液成分(上記栄養成分や発酵生成成分を含む)を透過させる一方、培養後培養液92中の嫌気性微生物9等の固体成分の透過を阻止する。濾過膜29は、中空糸にて構成されているが、これに限られず、平面状膜にて構成されていてもよい。濾過膜29によって、第1濾過器21の内部が、透過室27と、非透過室28とに仕切られている。非透過室28の上流端に導入ポート24が設けられている。非透過室28の下流端に非透過液送出ポート26が設けられている。透過室27には濾液送出ポート25が接続されている。
第2濾過器22は、第1濾過器21と同様の構造になっている。
後処理部30は、抽出部31と、水処理部32(WWT;Waste Water Treatment Plant)を含む。抽出部31は、蒸留塔にて構成されている。抽出部31の中間高さに導入ポート31cが配置されている。抽出部31の頂部ポート31dから有価物送出路33が延びている。抽出部31の底部ポート31eと、水処理部32の導入ポート32cとが、接続路35によって接続されている。水処理部32は、有機物除去部等を含む。水処理部32の排出ポート32dから排出路36が引き出されている。図示は省略するが、排出路36上には、リボイラー、コンデンサー等の設備が設けられている。更に、排出路36上に脱水部等を設けてもよい。
図1及び図2に示すように、流通ライン50は、槽送出路51と、槽還流路52と、濾液送出路53と、逆流洗浄路58と、槽導入路59を含む。
図1に示すように、第1流通モードにおいては、槽送出路51によって、培養槽10の流出ポート14と、第1濾過器21の導入ポート24とが接続されている。かつ、槽還流路52によって、第1濾過器21の非透過液送出ポート26と、培養槽10の還流ポート12とが接続されている。更に、濾液送出路53によって、第1濾過器21の濾液送出ポート25と、抽出部31の導入ポート31cとが接続されている。
なお、槽送出路51の上流端は、培養槽10の槽内培養液91の内部に位置しており、そこから流出ポート14を経由して培養槽10の外部へ引き出されている。
また、新規培養液供給源2からの原液供給路55と、抽出部31の底部ポート31eからの残液流出路56と、水処理部32の流出ポート32eからの処理済残液流出路57とが、互いに合流して、逆流洗浄路58(逆流洗浄手段)となっている。第1流通モードにおいては、逆流洗浄路58が、第2濾過器22の濾液送出ポート25に接続されている。かつ、槽導入路59(導入手段)によって、第2濾過器22の導入ポート24と、培養槽10の導入ポート13とが接続されている。
なお、槽導入路59の下流端は、導入ポート13よりも延び、培養槽10の槽内培養液91の内部に挿し入れられている。
なお、排出ポート32dと流出ポート32eは、共通のポートになっていてもよい。この共通ポートから共通送出路が延び、この共通送出路から排出路36と処理済残液流出路57とが分岐されていてもよい。
図2に示すように、第2流通モードにおいては、槽送出路51によって、培養槽10の流出ポート14と、第2濾過器22の導入ポート24とが接続されている。かつ、槽還流路52によって、第2濾過器22の非透過液送出ポート26と、培養槽10の還流ポート12とが接続されている。また、濾液送出路53によって、第2濾過器22の濾液送出ポート25と、抽出部31の導入ポート31cとが接続されている。さらに、逆流洗浄路58が、第1濾過器21の濾液送出ポート25に接続されている。かつ、槽導入路59によって、第1濾過器21の導入ポート24と、培養槽10の導入ポート13とが接続されている。
なお、培養槽10の還流ポート12と導入ポート13とは、共通のポートになっていてもよい。槽還流路52と槽導入路59とが、互いに合流して上記共通のポートに接続されていてもよい。
上記の培養装置1による微生物の培養方法を説明する。
<モード切替>
コントローラ5は、培養装置1のモードを所定の間隔置きに第1流通モードと第2流通モードとの間で切り替える。
<第1流通モード>
ここで、第1流通モードに切り替えられたものとする。これによって、図1に示すように、培養槽10と、第1濾過器21とが、槽送出路51及び槽還流路52によって接続され、かつ、第1濾過器21と、抽出部31とが、濾液送出路53によって接続される。また、逆流洗浄路58が、第2濾過器22の濾液送出ポート25に接続され、かつ第2濾過器22の導入ポート24と、培養槽10とが、槽導入路59によって接続される。
<培養工程>
培養槽10においては、槽内培養液91中で嫌気性微生物9を培養する。
また、基質ガス源60からの基質ガス(CO,H,CO)を槽内培養液91に供給する。
槽内培養液91中の嫌気性微生物9は、基質ガスからエタノール(COH)等の有価物を発酵生成する。このとき、エタノールの他、酢酸、ブタンジオール等も合成される。これら生成物質は、槽内培養液91中に混合される。
培養槽10を通過したガスは、ガス排出路62から排出される。この排出ガスには、未使用の基質ガス成分(CO,H,CO)の他、発酵により生成されたCO等も含まれる。
<濾過工程>
槽内培養液91の一部が、培養後培養液92として、培養槽10の流出ポート14から一定流量で流出される。培養後培養液92は、エタノール、酢酸、ブタンジオール等の発酵生成成分や、ビタミンやリン酸等の栄養分を含有し、かつ嫌気性微生物9等の固体成分(浮遊物質SS)が分散されている。この培養後培養液92が、槽送出路51を経て、第1濾過器21の非透過室28に導入される。培養後培養液92の液成分は、第1濾過器21の濾過膜29を透過して透過室27へ移ることができる。一方、培養後培養液92中の嫌気性微生物9等の浮遊物質SSは、濾過膜29を透過するのが阻止される。これによって、第1濾過器21において、培養後培養液92を、濾液93と非透過液94とに分離できる。濾液93は、上記栄養分や発酵生成成分を含み、かつ嫌気性微生物9等の浮遊物質SSを殆ど又はまったく含まない。非透過液94は、嫌気性微生物9等の浮遊物質SSが濃縮されている。この非透過液94が、槽還流路52を経て、培養槽10に戻される。
<固形分処理工程>
培養槽10の槽内培養液91の一部(含固形分液99)は、含固形分液後処理部4へ排出される。この含固形分液99中の固形分が後処理されて一定レートで排出される。含固形分液99の流量は、培養槽10に戻される非透過液94の流量よりも小さい。含固形分液99における固形分を除去後の液成分は、培養槽10に戻してもよく、固形分と共に系外へ排出してもよい。
上記の濾過工程に伴って、第1濾過器21の濾過膜29に浮遊物質が付着する。そのため、濾過膜29が次第に目詰まりし、透過性能が漸次低下していく。
<後処理工程>
濾液93は、濾液送出路53を経て、抽出部31に導入される。そして、抽出部31において、濾液93からエタノールが抽出される。エタノールは、有価物送出路33へ送出され、精製工程等を経て種々の利用に供される。
抽出部31における抽出残液96の一部は、残液流出路56へ送出される。
また、抽出残液96の残部は、接続路35を経て、水処理部32に導入される。この水処理部32において、抽出残液96中の酢酸やブタンジオール等が除去される。また、抽出残液96に微生物9の屍骸、その他の浮遊物質SSが含まれていた場合には、これも水処理部32において分解等されて除去される。除去処理後の抽出残液96すなわち処理済抽出残液97の一部は、処理済残液流出路57へ送出される。また、処理済抽出残液97の残部は、排出路36から系外に排出される。
なお、有価物送出路33からの抽出流量、及び排出路36からの排出流量、並びに含固形分液後処理部4からの排液流量の和と、新規培養液供給源2からの新規培養液90の供給流量とは、互いにバランスするように調節される。これによって、培養装置1の各部における流量を常時一定に維持できる。
<逆流洗浄工程>
残液流出路56からの抽出残液96と、処理済残液流出路57からの処理済抽出残液97と、新規培養液供給源2からの新規培養液90とが互いに合流して、逆流洗浄液98となる。したがって、逆流洗浄液98は、新規培養液90と、抽出残液96と、処理済抽出残液97の混合液である。逆流洗浄液98には、嫌気性微生物9等の浮遊物質SSが殆ど又はまったく含まれていない。この逆流洗浄液98が、逆流洗浄路58から第2濾過器22の濾液送出ポート25に導入され、第2濾過器22を逆流する。つまり、逆流洗浄液98は、培養後培養液92の濾過時とは逆方向に流れる。詳しくは、逆流洗浄液98は、第2濾過器22の透過室27から濾過膜29を透過して非透過室28に流入し、導入ポート24から出される。この逆流洗浄液98の流れによって、第2濾過器22の濾過膜29を洗浄できる。すなわち、濾過膜29に嫌気性微生物9等の固体成分が付着していたときは、これを濾過膜29から解離させて逆流洗浄液98の流れに乗せて第2濾過器22から送出することができる。これによって、第2濾過器22の透過率を回復させることができる。
<導入工程>
逆流洗浄後の逆流洗浄液98には、第2濾過器22の濾過膜29から解離した嫌気性微生物9が含まれている。この逆流洗浄液98が、槽導入路59を経て、培養槽10へ導入される。この逆流洗浄液98が、培養槽10の槽内培養液91となる。言い換えると、培養槽10へ導入されるべき槽内培養液91が、培養槽10への導入前に第2濾過器22の逆流洗浄に用いられる。
槽内培養液91の導入流量(ひいては逆流洗浄液98の流量)は、上記濾過工程における濾液93の送出流量とほぼ等しい。これによって、培養槽10の槽内培養液91の量を一定に維持できる。
<第2流通モード>
コントローラ5は、第1流通モードの実行期間が満了したときは、第2流通モードに切り替える。つまり、図2に示すように、培養槽10と、第2濾過器22とを、槽送出路51及び槽還流路52を介して接続する。また、第2濾過器22と、抽出部31とを、濾液送出路53を介して接続する。さらに、逆流洗浄路58を、第1濾過器21の濾液送出ポート25に接続し、かつ第1濾過器21の導入ポート24と、培養槽10とを、槽導入路59にて接続する。
第2流通モードでは、培養槽10からの培養後培養液92が、槽送出路51を経て、第2濾過器22に導入される。そして、第2濾過器22において、培養後培養液92が、濾液93と、非透過液94とに分離される。これに伴って、第2濾過器22の濾過膜29に浮遊物質が付着し、該濾過膜29の透過性能が漸次低下していく。濾液93は、後処理部30に送られて、エタノール抽出等の後処理に付され、かつ非透過液94は、槽還流路52を経て、培養槽10に戻される点は、第1流通モードと同様である。
また、抽出残液96,97(後処理後の培養液)と新規培養液90の混合液からなる逆流洗浄液98が、逆流洗浄路58を経て、第1濾過器21の濾液送出ポート25に導入され、第1濾過器21内を逆流する。すなわち、逆流洗浄液98は、第1流通モードにおける濾過時とは逆方向に第1濾過器21内を流れる。この逆流洗浄液98によって、第1濾過器21の濾過膜29を洗浄して透過率を回復させることができる。
その後、逆流洗浄液98は、第1濾過器21の導入ポート24から出て、槽導入路59を経て、培養槽10へ送られる。この逆流洗浄液98が、培養槽10の槽内培養液91となる。
コントローラ5は、第2流通モードの実行期間が満了したときは、第1流通モードに切り替える。
培養装置1によれば、培養槽10に導入されるべき培養液91が、培養槽10への導入前に、濾過手段20の逆流洗浄液98として用いられる。したがって、逆流洗浄液98の流量を、培養液91の培養槽10への導入流量と同程度の大きさにでき、更には濾液93の透過流量と同程度の大きさにできる。よって、濾過手段20を十分に逆流洗浄することができる。濾液93を抽出部31への導入前に逆流させるわけではないから、逆流洗浄液98の流量を大きくしたり、逆流洗浄の周期を短くしたりしても、濾過手段20での実質透過総量が低下することはなく、抽出部31でのエタノール(有価物)の抽出効率(利用効率)が低下することはない。
言い換えると、実質透過総量ひいてはエタノール(有価物)の抽出効率を確保しながら、逆流洗浄液98の流量を大きくでき、かつ逆流洗浄の周期を短くできる。これによって、濾過手段20の透過率が少し下がったら、すぐに逆流洗浄を行うことができる。つまり、第1流通モードにおいて、第1濾過器21の透過率が少し下がった時点で、第2流通モードに切り替えて、第1濾過器21を逆流洗浄することで、第1濾過器21の透過率を回復できる。また、第2流通モードにおいて、第2濾過器22の透過率が少し下がった時点で、第1流通モードに切り替えて、第2濾過器22を逆流洗浄することで、第2濾過器22の透過率を回復できる。したがって、各濾過器21,22の濾過膜29を大面積にする必要がない。また、培養液91を逆流洗浄液98として用いることで、逆流洗浄専用の液を別途用意する必要がない。よって、濾過手段20に要するコストを低減できる。
複数の濾過器21,22を備えることで、一方の濾過器21又は22で濾過中に他方の濾過器22又は21を逆流洗浄できる。したがって、培養後培養液92の濾過、及び濾液93からのエタノール抽出を連続的に実施しながら、これと併行して、濾過器21,22の逆流洗浄を行なうことができる。
第1流通モードと第2流通モードとの間のモード切替は、嫌気性微生物9の活性維持時間より短い間隔で行なうことが好ましい。これによって、第1流通モードにおいて、第1濾過器21の濾過膜29に捕捉された嫌気性微生物9の活性が落ちる前(死滅する前)に、第2流通モードに切り替えて、上記嫌気性微生物9を活きているうちに逆流洗浄液98と共に培養槽10に戻すことができる。また、第2流通モードにおいて、第2濾過器22の濾過膜29に捕捉された嫌気性微生物9の活性が落ちる前に、第1流通モードに切り替えて、上記嫌気性微生物9を活きているうちに逆流洗浄液98と共に培養槽10に戻すことができる。これによって、嫌気性微生物9の利用効率を高めることができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の実施形態と重複する内容に関しては、図面に同一符号を付して説明を簡略化する。
[第2実施形態]
図3及び図4は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の培養装置1Bでは、濾過手段として、砂濾過手段40が用いられている。砂濾過手段40は、第1濾過器41と、第2濾過器42を含む。第1濾過器41は、容器状になっており、その内部に濾過用砂状物質49が収容されている。濾過用砂状物質49は、培養後培養液92の液成分を透過させ、かつ培養後培養液92中の嫌気性微生物9等の浮遊物質(固体成分)を捕捉する。第1濾過器41の上端部には導入ポート44が設けられている。第1濾過器41の底部には濾液送出ポート45が設けられている。第1濾過器41には、非透過液送出ポート26が設けられておらず、培養装置1Bには、槽還流路52が設けられていない。
第2濾過器42は、第1濾過器41と同様の構造になっている。
図3に示すように、第1流通モードにおいては、槽送出路51によって、培養槽10の流出ポート14と、第1濾過器41の導入ポート44とが接続されている。かつ濾液送出路53によって、第1濾過器41の濾液送出ポート45と、抽出部31の導入ポート31cとが接続されている。また、逆流洗浄路58が、第2濾過器42の濾液送出ポート45に接続されている。さらに、槽導入路59によって、第2濾過器42の導入ポート44と、培養槽10の導入ポート13とが接続されている。
図4に示すように、第2流通モードにおいては、槽送出路51によって、培養槽10の流出ポート14と、第2濾過器42の導入ポート44とが接続されている。かつ濾液送出路53によって、第2濾過器42の濾液送出ポート45と、抽出部31の導入ポート31cとが接続されている。また、逆流洗浄路58が、第1濾過器41の濾液送出ポート45に接続されている。さらに、槽導入路59によって、第1濾過器41の導入ポート44と、培養槽10の導入ポート13とが接続されている。
第2実施形態の培養装置1Bは、次のように動作する。
<第1流通モード>
図3に示すように、第1流通モードでは、培養槽10からの培養後培養液92は、第1濾過器41の上端の導入ポート44から第1濾過器41内に導入され、第1濾過器41の濾過用砂状物質49内を下降する。この培養後培養液92の嫌気性微生物9等の浮遊物質が、第1濾過器41の濾過用砂状物質49によって捕捉(トラップ)される。これによって、培養後培養液92の液成分が、濾液93となって、第1濾過器41の底部の送出ポート45から抽出部31に送られ、抽出部31においてエタノールが抽出される。そして、抽出残液96,97と、新規培養液供給源2からの新規培養液90とが、逆流洗浄液98となる。この逆流洗浄液98が、第2濾過器42の底部の送出ポート45から第2濾過器42に導入されて、第2濾過器42の濾過用砂状物質4内を逆流(上昇)する。これによって、第2濾過器42の濾過用砂状物質49を逆流洗浄でき、第2濾過器42の濾過性能を回復させることができる。第2濾過器42を通過後の逆流洗浄液98は、第2濾過器42の上端の導入ポート44から出され、槽導入路59を経て培養槽10に導入されて槽内培養液91となる。
<第2流通モード>
図4に示すように、第2流通モードでは、培養槽10からの培養後培養液92は、第2濾過器42の上端の導入ポート44から第2濾過器42内に導入され、第2濾過器42の濾過用砂状物質49内を下降する。この培養後培養液92の嫌気性微生物9等の浮遊物質が、第2濾過器42の濾過用砂状物質49によって捕捉(トラップ)される。これによって、培養後培養液92の液成分が、濾液93となって、第2濾過器42の底部の送出ポート45から抽出部31に送られ、エタノール抽出が行われる。そして、抽出残液96,97と、新規培養液供給源2からの新規培養液90とが、逆流洗浄液98となり、第1濾過器41の濾過用砂状物質4内を逆流(上昇)する。これによって、第1濾過器41の濾過用砂状物質49を逆流洗浄でき、第1濾過器41の濾過性能を回復させることができる。第1濾過器41を通過後の逆流洗浄液98は、第1濾過器41の上端の導入ポート44から出され、槽導入路59を経て培養槽10に導入されて槽内培養液91となる。
<モード切替>
コントローラ5は、各第1濾過器41,42の濾過用砂状物質49に捕捉された嫌気性微生物9の活性維持時間より短い間隔(周期)でモード切替を行なう。
つまり、上述したように、第1流通モードにおいては、培養後培養液92中の嫌気性微生物9が第1濾過器41の濾過用砂状物質49に捕捉される。この嫌気性微生物9の活性が落ちる前(死滅する前)に、第1流通モードから第2流通モードに切り替える。これによって、第1濾過器41内に逆流洗浄液98を逆流させて、この逆流洗浄液98の流れに第1濾過器41の嫌気性微生物9を乗せることにより、嫌気性微生物9を活きているうちに培養槽10に戻すことができる。
第2流通モードにおいては、培養後培養液92中の嫌気性微生物9が第2濾過器42の濾過用砂状物質49に捕捉される。この嫌気性微生物9の活性が落ちる前(死滅する前)に、第2流通モードから第1流通モードに切り替える。これによって、第2濾過器42内に逆流洗浄液98を逆流させて、この逆流洗浄液98の流れに第2濾過器42の嫌気性微生物9を乗せることにより、嫌気性微生物9を活きているうちに培養槽10に戻すことができる。
これによって、嫌気性微生物9の利用効率を高めることができる。
[第3実施形態]
図5〜図7は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態の培養装置1Cは、3つの流通モードを有している。また、濾過手段20は、第1〜第3の3つの濾過器21,22,23を含む。
図5に示すように、第1流通モードにおいては、槽送出路51によって、培養槽10の流出ポート14と、第1濾過器21の導入ポート24とが接続されている。かつ、槽還流路52によって、第1濾過器21の非透過液送出ポート26と、培養槽10の還流ポート12とが接続されている。また、濾液送出路53によって、第1濾過器21の濾液送出ポート25と、抽出部31の導入ポート31cとが接続されている。さらに、逆流洗浄路58が、第2濾過器22の濾液送出ポート25に接続されている。かつ、槽導入路59によって、第2濾過器22の導入ポート24と、培養槽10の導入ポート13とが接続されている。
さらに、培養装置1Cは、薬液洗浄手段70を備えている。薬液洗浄手段70の薬液供給源71から薬液供給路72が延びている。第1流通モードにおいては、薬液供給路72が、第3濾過器23の濾液送出ポート25に接続されている。また、薬液排出路73が、第3濾過器23の導入ポート24から引き出されている。なお、薬液供給路72が導入ポート24に接続され、かつ濾液送出ポート25から薬液排出路73が延びていてもよい。
薬液供給源71には薬液79が蓄えられている。薬液79としては、苛性ソーダ、硫酸、酸素液等が挙げられる。
図6に示すように、第2流通モードにおいては、槽送出路51によって、培養槽10の流出ポート14と、第2濾過器22の導入ポート24とが接続されている。かつ、槽還流路52によって、第2濾過器22の非透過液送出ポート26と、培養槽10の還流ポート12とが接続されている。また、濾液送出路53によって、第2濾過器22の濾液送出ポート25と、抽出部31の導入ポート31cとが接続されている。さらに、逆流洗浄路58が、第3濾過器23の濾液送出ポート25に接続されている。かつ、槽導入路59によって、第3濾過器23の導入ポート24と、培養槽10の導入ポート13とが接続されている。さらに、薬液供給路72が、第1濾過器21の濾液送出ポート25に接続され、第1濾過器21の導入ポート24に薬液排出路73が接続されている。
図7に示すように、第3流通モードにおいては、槽送出路51によって、培養槽10の流出ポート14と、第3濾過器23の導入ポート24とが接続されている。かつ、槽還流路52によって、第3濾過器23の非透過液送出ポート26と、培養槽10の還流ポート12とが接続されている。また、濾液送出路53によって、第3濾過器23の濾液送出ポート25と、抽出部31の導入ポート31cとが接続されている。また、逆流洗浄路58が、第1濾過器21の濾液送出ポート25に接続されている。かつ、槽導入路59によって、第1濾過器21の導入ポート24と、培養槽10の導入ポート13とが接続されている。さらに、薬液供給路72が、第2濾過器22の濾液送出ポート25に接続され、第2濾過器22の導入ポート24に薬液排出路73が接続されている。
第3実施形態の培養装置1Cは、次のように動作する。
コントローラ5は、第1〜第3流通モードを所定の時間間隔(周期)で切り替える。
<第1流通モード>
図5に示すように、第1流通モードでは、第1実施形態の第1流通モード(図1)と同様に、培養槽10からの培養後培養液92が第1濾過器21に導入されて、第1濾過器21において濾過されることで、濾液93と非透過液94とに分離される。濾液93は、抽出部31に送られてエタノールが抽出され、非透過液94は、培養槽10に戻される。また、抽出残液96,97と新規培養液90とを混合した逆流洗浄液98が、第2濾過器22に導入されて、第2濾過器22内を逆流する。これによって、第2濾過器22を逆流洗浄でき、第2濾過器22の濾過膜29の透過率を回復させることができる。この逆流洗浄液98が、その後、培養槽10に導入されることによって、槽内培養液91となる。
加えて、培養装置1Cの第1流通モードでは、薬液供給源71からの薬液79が、薬液供給路72を経て、第3濾過器23に導入される。これによって、第3濾過器23を薬液洗浄でき、第3濾過器23の濾過膜29の透過率を回復させることができる。洗浄後の薬液79は、薬液排出路73から排出される。
<第2流通モード>
図6に示すように、第2流通モードでは、培養槽10からの培養後培養液92が第2濾過器22に導入されて、第2濾過器22において濾過される。濾液93は、抽出部31に送られてエタノールが抽出され、非透過液94は、培養槽10に戻される点は、第1流通モードと同様である。また、抽出残液96,97と新規培養液90とを混合した逆流洗浄液98が、第3濾過器23に導入されて、第3濾過器23内を逆流する。これによって、第3濾過器23を逆流洗浄でき、第3濾過器23の濾過膜29の透過率を回復させることができる。その後、逆流洗浄液98が、培養槽10に導入されて槽内培養液91となる点は、第1流通モードと同様である。
加えて、培養装置1Cの第2流通モードでは、薬液供給源71からの薬液79が、薬液供給路72を経て、第1濾過器21に導入される。これによって、第1濾過器21を薬液洗浄でき、第1濾過器21の濾過膜29の透過率を回復させることができる。
<第3流通モード>
図7に示すように、第3流通モードでは、培養槽10からの培養後培養液92が第3濾過器23に導入されて、第3濾過器23において濾過される。濾液93は、抽出部31に送られてエタノールが抽出され、非透過液94は、培養槽10に戻される点は、第1、第2流通モードと同様である。また、抽出残液96,97と新規培養液90とを混合した逆流洗浄液98が、第1濾過器21に導入されて、第1濾過器21内を逆流する。これによって、第1濾過器21を逆流洗浄でき、第1濾過器21の濾過膜29の透過率を回復させることができる。その後、逆流洗浄液98が、培養槽10に導入されて槽内培養液91となる点は、第1、第2流通モードと同様である。
加えて、培養装置1Cの第3流通モードでは、薬液供給源71からの薬液79が、薬液供給路72を経て、第2濾過器22に導入される。これによって、第2濾過器22を薬液洗浄でき、第2濾過器22の濾過膜29の透過率を回復させることができる。
このように、第3実施形態の培養装置1Cによれば、3つの濾過器21,22,23の何れか1つにおいて培養後培養液92を濾過しながら、残り2つの濾過器の一方を逆流洗浄液98で逆流洗浄するとともに、他方を薬液79にて洗浄することができる。これによって、濾過器21〜23の濾過性能を十分に回復させたうえで濾過工程を実行することができ、培養後培養液92の濾過効率を十分に高めることができる。
[第4実施形態]
図8及び図9は、本発明の第4実施形態を示したものである。第4実施形態の培養装置1Dは、2段(複数段)の培養槽10,10を備えている。各段の培養槽10に対応する濾過手段20が接続されている。各段の濾過手段20は、第1濾過器21と、第2濾過器22を含む。以下、前後の段の構成要素を互いに区別するときは、前段(図8及び図9において下側)の構成要素には符号に「X」を付し、後段(図8及び図9において上側)の構成要素には符号に「Y」を付す。
前段の培養槽10Xと後段の培養槽10Yとは、槽接続路82によって直列に、かつモードに依らず常時接続されている。また、前段(第1段)の培養槽10Xは、濾過手段20Xを介して新規培養液供給源2と接続されている。後段(最終段)の培養槽10Yは、後処理送出路83によって後処理部30と直接的に、かつモードに依らず常時接続されている。したがって、後段の培養槽10Yは、前段の培養槽10Xと後処理部30との間に介在するように配置されている。さらに、前段の濾過手段20Xと後段の濾過手段20Yとが、濾過器接続路88によって接続されている。
詳しくは、図8に示すように、第1流通モードにおいては、原液供給路55によって、新規培養液供給源2と、前段の第2濾過器22Xの濾液送出ポート25とが接続され、槽導入路59Xによって、第2濾過器22Xの導入ポート24と、前段の培養槽10Xとが接続されている。また、槽送出路51Xによって、培養槽10Xと、第1濾過器21Xの導入ポート24とが接続され、槽還流路52Xによって、第1濾過器21Xの非透過液送出ポート26と培養槽10Xとが接続されている。
また、図8に示すように、濾過器接続路88によって、前段の第1濾過器21Xの濾液送出ポート25と、後段の第2濾過器22Yの濾液送出ポート25とが接続されている。かつ、槽導入路59Yによって、第2濾過器22Yの導入ポート24と、培養槽10Yとが接続されている。さらに、槽送出路51Yによって、培養槽10Yと、第1濾過器21Yの導入ポート24とが接続され、槽還流路52Yによって、第1濾過器21Yの非透過液送出ポート26と、培養槽10Yとが接続されている。さらに、濾液送出路53Yによって、第1濾過器21Yの濾液送出ポート25と、抽出部31とが接続されている。
図9に示すように、第2流通モードにおいては、原液供給路55によって、新規培養液供給源2と、前段の第1濾過器21Xの濾液送出ポート25とが接続され、槽導入路59Xによって、第1濾過器21Xの導入ポート24と、前段の培養槽10Xとが接続されている。また、槽送出路51Xによって、培養槽10Xと、第2濾過器22Xの導入ポート24とが接続され、槽還流路52Xによって、第2濾過器22Xの非透過液送出ポート26と培養槽10Xとが接続されている。
また、図9に示すように、濾過器接続路88によって、前段の第2濾過器22Xの濾液送出ポート25と、後段の第1濾過器21Yの濾液送出ポート25とが接続されている。かつ、槽導入路59Yによって、第1濾過器21Yの導入ポート24と、培養槽10Yとが接続されている。さらに、槽送出路51Yによって、培養槽10Yと、第2濾過器22Yの導入ポート24とが接続され、槽還流路52Yによって、第2濾過器22Yの非透過液送出ポート26と、培養槽10Yとが接続されている。さらに、濾液送出路53Yによって、第2濾過器22Yの濾液送出ポート25と、抽出部31とが接続されている。
図8及び図9に示すように、基質ガス源60からの基質ガス供給路61は、培養槽10,10のうち、前段の培養槽10Xだけに接続されている。また、含固形分液後処理部4は、培養槽10,10のうち、後段の培養槽10Yだけに接続されている。
第4実施形態の培養装置1Dは、次のように動作する。
コントローラ5は、所定の時間間隔でモードを切り替える。
<第1流通モード>
図8に示すように、第1流通モードでは、新規培養液供給源2からの新規培養液90が、原液供給路55から第2濾過器22Xの濾液送出ポート25に導入され、第2濾過器22X内を逆流する。これによって、第2濾過器22Xを逆流洗浄でき、第2濾過器22Xのフィルター機能を回復させることができる。第2濾過器22Xの逆流洗浄液98Xは、新規培養液90だけで構成されている。原液供給路55が、逆流洗浄路58(逆流洗浄手段)となっている。第2濾過器22Xから出た逆流洗浄液98Xは、培養槽10Xに導入され、槽内培養液91Xとなる。この槽内培養液91X中で嫌気性微生物9が発酵することで、エタノール等の有価物が生成される。
槽内培養液91Xのうち一定流量が、培養後培養液92Xとして培養槽10Xから流出される。この培養後培養液92Xの一部は、槽接続路82によって後段(次段)の培養槽10Yへ直送され、培養槽10Yの槽内培養液91Yとなる。培養後培養液92Xの残部は、第1濾過器21Xに送られ、第1濾過器21Xにおいて濾過される。第1濾過器21Xからの非透過液94Xは、培養槽10Xに戻される。第1濾過器21Xからの濾液93Xは、濾過器接続路88(逆流洗浄手段)を経て、後段の第2濾過器22Yに送られ、この第2濾過器22Yを逆流する。これによって、第2濾過器22Yを逆流洗浄でき、第2濾過器22Yのフィルター機能を回復させることができる。第2濾過器22Yの逆流洗浄液98Yは、濾液93Xだけで構成されている。第2濾過器22Yから出た逆流洗浄液98Y(濾液93X)は、培養槽10Yに導入され、槽内培養液91Yとなる。この培養槽10Yの槽内培養液91Y中で嫌気性微生物9が発酵することで、エタノール等の有価物が生成される。
槽内培養液91Yのうち一定流量が、培養後培養液92Yとして流出される。この培養後培養液92Yの一部は、後処理送出路83によって抽出部31へ直送される。培養後培養液92Yの残部は、第1濾過器21Yに送られ、第1濾過器21Yにおいて濾過される。第1濾過器21Yからの非透過液94Yは、培養槽10Yに戻される。第1濾過器21Yからの濾液93Yは、抽出部31へ送られる。
したがって、抽出部31には、濾液93Yと培養後培養液92Yとが導入され、エタノールが抽出される。つまり、濾過手段20を経ていない培養液92Yからもエタノールを抽出できる。抽出残液96は、すべて水処理部32へ送られて排水処理され、その後、排出される。
培養装置1Dにおいては、抽出残液96が、濾過手段20へ戻されることはない。したがって、残液流出路56,57(図1参照)は設けられていない。
<第2流通モード>
図9に示すように、第2流通モードでは、新規培養液供給源2からの新規培養液90が、原液供給路55(逆流洗浄手段)から第1濾過器21Xの濾液送出ポート25に導入され、第1濾過器21Xを逆流する。これによって、第1濾過器21Xを逆流洗浄でき、第1濾過器21Xのフィルター機能を回復させることができる。第1濾過器21Xの逆流洗浄液98Xは、新規培養液90だけで構成されている。その後、逆流洗浄液98X(新規培養液90)は、培養槽10Xに導入され、槽内培養液91Xとなる。この槽内培養液91X中で嫌気性微生物9が発酵することで、エタノール等の有価物が生成される。
第1流通モードと同様に、槽内培養液91Xのうち一定流量が、培養後培養液92Xとして培養槽10Xから流出される。この培養後培養液92Xの一部は、槽接続路82によって後段(次段)の培養槽10Yへ直送され、培養槽10Yの槽内培養液91Yとなる。培養後培養液92Xの残部は、第2濾過器22Xに送られ、第2濾過器22Xにおいて濾過される。第2濾過器22Xからの非透過液94Xは、培養槽10Xに戻される。第2濾過器22Xからの濾液93Xは、濾過器接続路88(逆流洗浄手段)を経て、後段の第1濾過器21Yに送られ、第1濾過器21Yを逆流する。これによって、第1濾過器21Yを逆流洗浄でき、第1濾過器21Yのフィルター機能を回復させることができる。第1濾過器21Yの逆流洗浄液98Yは、濾液93Xだけで構成されている。第1濾過器21Yから出た逆流洗浄液98Y(濾液93X)は、培養槽10Yに導入され、槽内培養液91Yとなる。この培養槽10Yの槽内培養液91中で嫌気性微生物9が発酵することで、エタノール等の有価物が生成される。
さらに、槽内培養液91Yのうち一定流量が、培養後培養液92Yとして流出される。この培養後培養液92Yの一部は、後処理送出路83によって抽出部31へ直送される。培養後培養液92Yの残部は、第2濾過器22Yに送られ、第2濾過器22Yにおいて濾過される。第2濾過器22Yからの非透過液94Yは、培養槽10Yに戻される。第2濾過器22Yからの濾液93Yは、抽出部31へ送られる。これによって、抽出部31に濾液93Yと培養後培養液92Yとが導入されてエタノールが抽出される点、抽出残液96の全部が水処理部32へ送られて排水処理される点等は、第1流通モードと同様である。
培養装置1Dによれば、嫌気性微生物9を各段の培養槽10と濾過手段20との間で循環させるだけでなく、複数段の培養槽10,10にわたって嫌気性微生物9を順送りすることができる。これによって、嫌気性微生物9が、活性である期間中、培養装置1Dの系外に排出されることなく、培養装置1Dの系内に留まってエタノール(有価物)の発酵生成を行なうようにできる。要するに、嫌気性微生物9の活性期間(寿命)と、嫌気性微生物9が培養装置1D内に滞留している期間とをできるだけ一致させることができる。これによって、嫌気性微生物9の利用効率を高めることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、濾過手段20,40が、1つの濾過器だけで構成されていてもよい。培養後培養液92を上記1つの濾過器で濾過する濾過モードと、上記1つの濾過器を逆流洗浄液98で逆流洗浄する逆流洗浄モードとを、ある時間周期で切り替えて実行してもよい。
逆流洗浄液98が、新規培養液90だけで構成されていてもよく、抽出残液96,97だけで構成されていてもよく、培養後培養液92だけで構成されていてもよい。また、逆流洗浄液98が、濾液93を含んでいてもよい。培養後培養液92を後処理部30へ供給してもよい。
複数の実施形態の独自構成を互いに組み合わせてもよい。例えば、第3実施形態(図5〜図7)の濾過手段として、第2実施形態(図3、図4)の砂濾過手段40を適用してもよい。第4実施形態(図8、図9)の濾過手段として、第2実施形態(図3、図4)の砂濾過手段40を適用してもよい。
第1実施形態(図1、図2)の変形例として、濾過手段20が、3つ以上の濾過器を含んでいてもよい。3つ以上の流通モードを選択的に切り替えるようにしてもよい。流通モードに応じて、3つ以上の濾過器のうち、濾過工程を行う濾過器と、逆流洗浄工程を行う濾過器とを選択してもよい。
第3実施形態(図5〜図7)において、第1流通モードでは、第1濾過器21で培養後培養液92を濾過しながら、第3濾過器23を逆流洗浄液98で逆流洗浄するとともに、第2濾過器22を薬液79にて洗浄してもよい。また、第2流通モードでは、第2濾過器22で培養後培養液92を濾過しながら、第1濾過器21を逆流洗浄液98で逆流洗浄するとともに、第3濾過器23を薬液79にて洗浄してもよい。第3流通モードでは、第3濾過器23で培養後培養液92を濾過しながら、第2濾過器22を逆流洗浄液98で逆流洗浄するとともに、第1濾過器21を薬液79にて洗浄してもよい。
第3実施形態(図5〜図7)の変形例として、濾過手段20が、4つ以上の濾過器を含んでいてもよい。4つ以上の流通モードを選択的に切り替えるようにしてもよい。流通モードに応じて、4つ以上の濾過器のうち、濾過工程を行う濾過器と、逆流洗浄工程を行う濾過器と、薬液洗浄工程を行なう濾過器とを選択してもよい。
第4実施形態(図8、図9)の各段の濾過手段20X,20Yが、第3実施形態(図5〜図7)と同様に、3つの濾過器21〜23又は4つ以上の濾過器を含んでいてもよく、流通モードに応じて、濾過工程を行う濾過器と、逆流洗浄工程を行う濾過器と、薬液洗浄工程を行なう濾過器とを選択してもよい。
第4実施形態(図8、図9)の変形例として、三段以上の培養槽10を直列に連ねてもよい。そして、各段の培養槽10に対応する濾過手段20によって、対応する培養槽10からの培養後培養液92を濾過し、最終段を除く各段の濾過手段20からの濾液93を、次段の濾過手段20の逆流洗浄液98としたうえで次段の培養槽10へ導入してもよい。また、最終段の培養槽10からの培養後培養液92、及び最終段の濾過手段20からの濾液93の何れか1つ又はこれらの混合液を、後処理部30に送って後処理(エタノールの抽出等)してもよい。
後処理部30が、有価物と他の成分とを反応させる反応部を含んでいてもよい。
本発明は、例えば産業廃棄物の焼却処理で生じる一酸化炭素からエタノールを合成するエタノール生成システムに適用できる。
1,1B,1C,1D 培養装置
5 コントローラ(モード切替手段)
9 嫌気性微生物(微生物)
10 培養槽
10Y 後段培養槽(最終段の培養槽)
20 濾過手段
20Y 後段濾過手段
21 第1濾過器
22 第2濾過器
23 第3濾過器
29 濾過膜
30 後処理部
31 抽出部
32 水処理部
40 砂濾過手段(濾過手段)
41 第1濾過器
42 第2濾過器
49 濾過用砂状物質
50 流通ライン
58 逆流洗浄路(逆流洗浄手段)
59 槽導入路(導入手段)
60 基質ガス源
70 薬液洗浄手段
79 薬液
88 濾過器接続路(逆流洗浄手段)
90 新規培養液
91 槽内培養液
92 培養後培養液
93 濾液
96 抽出残液(後処理後の培養液)
97 処理済抽出残液(後処理後の培養液)
98 逆流洗浄液

Claims (14)

  1. 有価物を発酵生成する微生物を培養する培養装置であって、
    前記微生物を培養液中で培養する培養槽と、
    前記培養後の培養液を濾過する濾過手段と、
    前記培養液の濾液又は前記培養後の培養液を後処理する後処理部と、
    逆流洗浄液を前記濾過手段に濾過時とは逆方向に流して、前記濾過手段を逆流洗浄する逆流洗浄手段と、
    前記逆流洗浄後の前記逆流洗浄液を前記培養液として前記培養槽へ導入する導入手段と、
    を備えたことを特徴とする培養装置。
  2. 前記逆流洗浄液が、前記培養前の新規の培養液、前記後処理後の培養液、及び前記濾液のうち何れか1つ又は2以上の混合液であることを特徴とする請求項1に記載の培養装置。
  3. 第1流通モードと第2流通モードとを選択的に切り替えるモード切替手段を、更に備え、
    前記濾過手段が、
    前記第1流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第1濾過器と、
    前記第2流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第2濾過器と、
    を含み、
    前記逆流洗浄手段が、前記第1流通モードのときは前記第2濾過器を逆流洗浄し、前記第2流通モードのときは前記第1濾過器を逆流洗浄することを特徴とする請求項1又は2に記載の培養装置。
  4. 第1流通モードと第2流通モードと第3流通モードとを選択的に切り替えるモード切替手段と、薬液洗浄手段とを更に備え、
    前記濾過手段が、
    前記第1流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第1濾過器と、
    前記第2流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第2濾過器と、
    前記第3流通モードのとき、前記培養後の培養液を濾過する第3濾過器と、
    を含み、
    前記逆流洗浄手段が、前記第1流通モードのときは前記第2、第3濾過器の一方を逆流洗浄し、前記第2流通モードのときは前記第1、第3濾過器の一方を逆流洗浄し、前記第3流通モードのときは前記第1、第2濾過器の一方を逆流洗浄し、
    前記薬液洗浄手段が、前記第1流通モードのときは前記第2、第3濾過器の他方を薬液によって洗浄し、前記第2流通モードのときは前記第1、第3濾過器の他方を薬液によって洗浄し、前記第3流通モードのときは前記第1、第2濾過器のうち他方を薬液によって洗浄することを特徴とする請求項1又は2に記載の培養装置。
  5. 前記モード切替手段が、前記微生物の活性維持時間より短い間隔でモード切替を行なうことを特徴とする請求項3又は4に記載の培養装置。
  6. 前記濾過手段が、前記培養後の培養液を透過させ、かつ前記微生物の透過を阻止する濾過膜を有していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の培養装置。
  7. 前記濾過手段が、前記培養後の培養液を透過させ、かつ前記微生物を捕捉する濾過用砂状物質を有し、前記モード切替手段が、前記捕捉された前記微生物の活性維持時間より短い間隔でモード切替を行なうことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の培養装置。
  8. 前記培養槽と前記後処理部との間に配置された後段培養槽と、
    前記後段培養槽で前記微生物を培養した後の培養液を濾過する後段濾過手段と、
    を更に備え、前記濾過手段からの前記濾液が、前記後段濾過手段の逆流洗浄液となったうえで前記後段培養槽に導入され、
    前記後段培養槽からの培養液、及び前記後段濾過手段からの濾液の何れか1つ又はこれらの混合液が、前記後処理部へ送られて後処理されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の培養装置。
  9. 有価物を発酵生成する微生物を培養する培養方法であって、
    培養槽の培養液中で前記微生物を培養する培養工程と、
    前記培養後の培養液を濾過手段によって濾過する濾過工程と、
    前記培養液の濾液又は前記培養後の培養液を後処理する後処理工程と、
    逆流洗浄液を前記濾過手段に前記濾過工程とは逆方向に流して、前記濾過手段を逆流洗浄する逆流洗浄工程と、
    前記逆流洗浄後の前記逆流洗浄液を前記培養液として前記培養槽へ導入する導入工程と、
    を備えたことを特徴とする培養方法。
  10. 前記逆流洗浄液として、前記培養前の新規の培養液、前記後処理後の培養液、及び前記濾液のうち何れか1つ又は2以上の混合液を用いることを特徴とする請求項9に記載の培養方法。
  11. 複数の流通モードを選択的に切り替え、
    流通モードに応じて、前記濾過手段に含まれる複数の濾過器のうち、前記濾過工程を行う濾過器と、前記逆流洗浄工程を行う濾過器とを選択することを特徴とする請求項9又は10に記載の培養方法。
  12. 3つ以上の流通モードを選択的に切り替え、
    流通モードに応じて、前記濾過手段に含まれる3つ以上の濾過器のうち、前記濾過工程を行う濾過器と、前記逆流洗浄工程を行う濾過器と、薬液によって洗浄する濾過器とを選択することを特徴とする請求項9又は10に記載の培養方法。
  13. 前記モード切替を、前記微生物の活性維持時間より短い間隔で行なうことを特徴とする請求項11又は12に記載の培養方法。
  14. 直列に連なる複数段の培養槽の培養液中で前記微生物を培養し、
    各段の培養槽に対応する濾過手段によって、前記対応する培養槽からの培養液を濾過し、
    最終段を除く各段の濾過手段からの濾液を、次段の濾過手段の逆流洗浄液としたうえで次段の培養槽へ導入し、
    最終段の培養槽からの培養液、及び最終段の濾過手段からの濾液の何れか1つ又はこれらの混合液を、前記後処理部に送って後処理することを特徴とする請求項8〜13の何れか1項に記載の培養方法。
JP2014255031A 2014-12-17 2014-12-17 培養装置及び方法 Expired - Fee Related JP6523674B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014255031A JP6523674B2 (ja) 2014-12-17 2014-12-17 培養装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014255031A JP6523674B2 (ja) 2014-12-17 2014-12-17 培養装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016111986A true JP2016111986A (ja) 2016-06-23
JP6523674B2 JP6523674B2 (ja) 2019-06-05

Family

ID=56139340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014255031A Expired - Fee Related JP6523674B2 (ja) 2014-12-17 2014-12-17 培養装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6523674B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020129342A1 (ja) * 2018-12-18 2020-06-25 積水化学工業株式会社 有機物質生成システム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01281072A (ja) * 1988-05-06 1989-11-13 Hitachi Ltd 細胞培養方法及び装置
WO2012090556A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 東レ株式会社 連続発酵による化学品の製造方法
WO2013146920A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 東レ株式会社 連続発酵による化学品の製造方法および連続発酵装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01281072A (ja) * 1988-05-06 1989-11-13 Hitachi Ltd 細胞培養方法及び装置
WO2012090556A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 東レ株式会社 連続発酵による化学品の製造方法
WO2013146920A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 東レ株式会社 連続発酵による化学品の製造方法および連続発酵装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020129342A1 (ja) * 2018-12-18 2020-06-25 積水化学工業株式会社 有機物質生成システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6523674B2 (ja) 2019-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3458182B1 (en) Algae harvesting systems
CN102153251B (zh) 外置式厌氧膜生物反应器及其废水净化工艺
BRPI0709693A2 (pt) aparelhos de filtração de fluxo tangencial, sistemas, e processos para a separação de compostos
WO2012139260A1 (zh) 气提式外置管式膜生物反应器净化装置
KR100969501B1 (ko) 막결합형 혐기성 소화조의 여과시스템 및 운전방법
CN103865792A (zh) 一种循环式微生物发酵反应与料液分离一体化设备
WO2011100320A2 (en) Advanced filtration device for water and wastewater treatment
CN110832081B (zh) 基于连续发酵的化学品的制造方法及制造装置
US20110263009A1 (en) Method for the filtration of a bioreactor liquid from a bioreactor; cross-flow membrane module, and bioreactor membrane system
CN114262052A (zh) 一种厌氧膜生物反应器和有机污水处理的方法
KR102100991B1 (ko) 다공성 세라믹 분리막을 이용한 액비정제장치
EP2835355B1 (en) System and method for treating anaerobic treatment solution
JP6523674B2 (ja) 培養装置及び方法
WO2006029635A2 (en) Process for intensified, biological (waste-)water treatment in an mbr
CN208648833U (zh) 一种双膜联用污水处理装置
CN203269626U (zh) 一种工业废水处理用膜处理装置
CN106045816B (zh) 一种1,3-丙二醇发酵液膜过滤分离方法
CN102701553B (zh) 剩余污泥有机碳源固液分离装置
CN201169556Y (zh) 移动式污水处理装置
KR101973736B1 (ko) 침지막과 가압막을 이용한 세라믹 막여과 공정에서의 슬러지 탈수케익 생성 방법
CN208414394U (zh) 一种微生物污水处理菌种的浓缩装置
KR20200101663A (ko) 축산폐수의 여과와 여과막의 세정이 가능한 장치
NL1043630B1 (nl) Verbeterde autogeneratief druk opbouwende anaerobe membraanbioreactor en verbeterde werkwijze voor het produceren van groen gas.
JPS6362599A (ja) メンブレンバイオリアクタ−
CN208829370U (zh) 一种膜生物反应污水处理设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6523674

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees