JP2016109745A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、転写手段に電圧を印加した際の電流を検知することで行う制御の精度を向上することのできる画像形成装置を提供する。【解決手段】像担持体1と、搬送体6と、転写手段5と、転写手段5に電圧を印加する電源50と、電源50から転写手段5に電圧を印加した際に流れる電流を検知する電流検知手段51と、電流検知手段51の検知結果に基づいて転写のために電源50から転写手段5に印加する電圧を制御する制御手段150と、を有する画像形成装置100は、制御手段150が、転写を行う前に、電源50から転写手段5に像担持体と搬送体6との間での放電を生じさせない値の第1の電圧を印加した際に流れる第1の電流と、電源50から転写手段5に上記放電を生じさせる値の第2の電圧を印加した際に流れる第2の電流と、を電流検知手段51により検知し、転写を行う際は、第1の電流と第2の電流に基づいて転写のために電源50から転写手段5に印加する電圧を制御する構成とする。【選択図】図6
Description
本発明は、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置では、像担持体としての電子写真感光体(感光体)に形成されたトナー像を、中間転写体に一次転写した後に記録材に二次転写したり、記録材担持体に担持された記録材に直接転写したりするものがある。このような中間転写体、記録材担持体といった搬送体としては、複数の支持ローラに支持された無端状のベルトである中間転写ベルト、記録材担持ベルトが広く用いられている。
中間転写ベルトを有する電子写真方式の画像形成装置を例に更に説明する。このような画像形成装置では、一般に、中間転写ベルトを介して感光体に対向して配置された一次転写部材が感光体に向けて押圧されて、感光体と中間転写ベルトとが接触する一次転写部が形成される。そして、一次転写部材に一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加されることで、感光体から中間転写ベルトにトナー像が一次転写される。このような画像形成装置では、中間転写ベルトの電気抵抗が相対的に低い場合に、一次転写電圧を印加した際に一次転写部で感光体に流れる電流(実効電流)とは別に、接地されている部材に流れる電流(漏れ電流)が発生してしまうという問題が知られている。例えば、中間転写ベルトの電気抵抗が相対的に低い場合に、一次転写部材から中間転写ベルトを介して、中間転写ベルトを張架している接地された支持ローラに電流が流れてしまう。
ここで、従来、画像形成時に印加する一次転写電圧を決めるために行う調整制御として、次のようなATVC(Auto Transfer Voltage Control)制御が知られている。簡単に説明すると、画像形成を開始する前に、一次転写部材に定電流制御された電圧を印加し、その時の出力電圧値を求める。この電圧値と電流値の情報から、一次転写部材から感光体までの電気抵抗を把握し、その結果に応じてその後の画像形成時に印加する一次転写電圧値を調整する。
ところが、上述のような漏れ電流が発生すると、ATVC制御時に、漏れ電流分の調整誤差が発生し、適切な一次転写電圧値を画像形成時に印加できなくなってしまうことがある。その結果、感光体に流れる実効電流値が適切でなくなり、所定の転写特性が得られないために、画像不良が生じることがある。
上記漏れ電流による画像不良を抑制するために、中間転写ベルトの電気抵抗を高くするという方法が考えられる。しかし、この場合、特に低温・低湿環境において、中間転写ベルトがチャージアップすることで、異常放電起因の画像不良が発生してしまうという弊害が生じることがある。
そこで、画像形成時の一次転写電流値を検知するための一次転写電流検知手段とは別に、接地箇所に流れる漏れ電流を検知するための新たな漏れ電流検知手段を設けることが提案されている(特許文献1)。この場合、漏れ電流検知手段によって感光体以外の部分に流れる分の電流である漏れ電流を検知し、その漏れ電流の検知結果に基づいて、画像形成時の一次転写電圧を調整する。
しかしながら、上記従来の方法では、一次転写電流検知手段とは別に新たに漏れ電流検知手段を設けるためのスペースを確保するために装置が大型化したり、新たに漏れ電流検知手段を設けることで装置のコストが上昇したりするという課題がある。
なお、以上では、一次転写電圧を印加した際に漏れ電流が発生する場合を例に従来の課題について説明した。しかし、二次転写電圧についても、上記同様のATVC制御を行うことがある。そのため、二次転写電圧を印加した際に漏れ電流が発生する場合にも、上記同様の課題は生じ得る。また、搬送体が記録材担持体である場合も、転写電圧について、上記同様のATVC制御を行うことがある。そのため、転写電圧を印加した際に漏れ電流が発生する場合にも、上記同様の課題は生じ得る。さらに、転写手段に電圧を印加した際に流れる電流に基づく制御であれば、転写電圧を調整する制御に限らず、適切な制御を行うために漏れ電流を差し引いた実効電流を把握することが重要になることがある。例えば、転写手段に電圧を印加した際に流れる電流を所定の閾値と比較することで、感光体を含むユニットなどの画像形成装置の装置本体に対する装着状態を判断することがある。この場合も、実効電流を適切に把握できなければ、装着状態を誤って判断することに繋がる。
したがって、本発明の目的は、簡易な構成で、転写手段に電圧を印加した際の電流を検知することで行う制御の精度を向上することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の主要な構成は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、転写部において前記像担持体に接触し、前記転写部において前記像担持体からトナー像が転写されるか又は前記転写部において前記像担持体からトナー像が転写される記録材を担持する搬送体と、前記像担持体から前記搬送体又は前記搬送体に担持された記録材にトナー像を静電的に転写させる転写手段と、前記転写手段に電圧を印加する電源と、前記電源から前記転写手段に電圧を印加した際に流れる電流を検知する電流検知手段と、前記電流検知手段の検知結果に基づいて前記転写のために前記電源から前記転写手段に印加する電圧を制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、前記制御手段は、前記転写を行う前に、前記電源から前記転写手段に前記像担持体と前記搬送体との間での放電を生じさせない値の第1の電圧を印加した際に流れる第1の電流と、前記電源から前記転写手段に前記放電を生じさせる値の第2の電圧を印加した際に流れる第2の電流と、を前記電流検知手段により検知し、前記転写を行う際は、前記第1の電流と前記第2の電流に基づいて前記転写のために前記電源から前記転写手段に印加する電圧を制御することを特徴とする画像形成装置である。
また、本発明の他の主要な構成は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、転写部において前記像担持体に接触し、前記転写部において前記像担持体からトナー像が転写されるか又は前記転写部において前記像担持体からトナー像が転写される記録材を担持する搬送体と、前記像担持体から前記搬送体又は前記搬送体に担持された記録材にトナー像を静電的に転写させる転写手段と、前記転写手段に電圧を印加する電源と、前記電源から前記転写手段に電圧を印加した際に流れる電流を検知する電流検知手段と、前記電流検知手段の検知結果に基づいて前記転写のために前記電源から前記転写手段に印加する電圧を制御する制御手段と、を有し、前記像担持体を有し前記搬送体を有していないユニット又は前記搬送体を有し前記像担持体を有していないユニットの少なくとも一方が装置本体に対して着脱可能である画像形成装置において、前記電源から前記転写手段に前記像担持体と前記搬送体との間での放電を生じさせない値の第1の電圧を印加した際に流れる第1の電流と、前記電源から前記転写手段に前記放電を生じさせる値の第2の電圧を印加した際に流れる第2の電流と、を前記電流検知手段により検知し、前記第1の電流と前記第2の電流に基づいて前記ユニットの前記装置本体に対する装着状態を検知する装着検知手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、簡易な構成で、転写手段に電圧を印加した際の電流を検知することで行う制御の精度を向上することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
まず、図1を参照して、本発明の一実施例に係る画像形成装置の全体的な構成及び動作について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の全体構成を示す模式的な断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式のフルカラーレーザービームプリンタであって、タンデム型の中間転写方式を採用している。
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
まず、図1を参照して、本発明の一実施例に係る画像形成装置の全体的な構成及び動作について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の全体構成を示す模式的な断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式のフルカラーレーザービームプリンタであって、タンデム型の中間転写方式を採用している。
画像形成装置100は、複数色成分に色分解された画像情報に従って形成した各色のトナー像を中間転写ベルト6上に順次重ね合わせて一次転写する。その後、このトナー像を記録用紙、プラスチックシートなどの記録材(シート材、転写材)Pに一括して二次転写することで、カラー画像を形成することができる。画像形成装置100は、複数の画像形成部(ステーション)として、第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdを有する。第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する。
なお、各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdの構成及び動作については共通する部分が多いため、以下、特に区別を要しない場合には、いずれかの画像形成部の要素であることを示す符号の末尾のa、b、c、dは省略して、当該要素について総括的に説明する。
画像形成部Sには、画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能に構成された画像形成ユニットUが装着されている。画像形成ユニットUは、例えばトナー残量が所定値以下になった際に、新品の画像形成ユニットUと交換できるようになっている。画像形成ユニットUは、トナー像を担持する回転可能な像担持体としてのドラム型(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1を有する。また、画像形成ユニットUは、感光ドラム1に作用するプロセス手段である、帯電手段としての帯電ローラ2、現像手段としての現像ローラ4、クリーニング手段としてのクリーニングブレード7、トナー容器12、及び廃トナー容器13を有する。これらの画像形成ユニットUの各要素は、一体的に画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能とされている。
画像形成装置100がプリント信号を受け取ると、感光ドラム1は駆動手段としての駆動モータM1(図3)によって図1中の矢印R1方向(反時計回り)に回転駆動される。そして、帯電電圧印加手段としての帯電電源(高圧電源)21(図3)から帯電ローラ2に帯電電圧(帯電バイアス)が印加されることで、感光ドラム1の表面が一様に所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に帯電させられる。次いで、露光手段としての露光装置(レーザースキャナー)3から、画像情報に従ったレーザー光Lが感光ドラム1の表面に照射され、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像ローラ4により、トナー容器12に収容された現像剤としてのトナーが供給されて、トナー像として可視化(現像)される。このとき、現像ローラ4には、現像電圧印加手段としての現像電源(高圧電源)41(図3)から、現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像ローラ4は、一様に帯電させられた後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部に、感光ドラム1の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性に帯電したトナーを付着させる(反転現像)。本実施例では、帯電ローラ2、露光装置3、現像ローラ4などによって、感光ドラム1にトナー像を形成するトナー像形成手段が構成される。
各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdの各感光ドラム1a、1b、1c、1dに対向して、中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト6が配置されている。中間転写ベルト6は、転写部において像担持体に接触し、転写部において像担持体からトナー像が転写される搬送体の一例である。中間転写ベルト6は、複数の支持ローラとしての駆動ローラ61、二次転写対向ローラ62及びテンションローラ63の3個の支持ローラに張架されている。これらの支持ローラ61、62、63は、中間転写ベルト6のチャージアップによる異常放電防止のために、電気的に接地(グランドに接続)されている。中間転写ベルト6は、駆動手段としての駆動モータM2(図3)により駆動ローラ61が図1中の矢印R2方向(時計回り)に回転駆動されることで、感光ドラム1の表面の移動速度と略同じ速度で図1中の矢印R3方向(時計回り)に回転(周回移動)する。本実施例では、中間転写ベルト6は、イオン導電性を有するPEN(ポリエチレンナフタレート)を用いて作製されている。
各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおいて、中間転写ベルト6を挟んで各感光ドラム1a、1b、1c、1dと対向する位置には、一次転写手段としてのブラシ状の一次転写部材である一次転写ブラシ5a、5b、5c、5dが配置されている。一次転写ブラシ5は、感光ドラム1に向けて押圧され、中間転写ベルト6を介して感光ドラム1に当接して、感光ドラム1と中間転写ベルト6とが接触する一次転写部(一次転写ニップ部)T1を形成する。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1の回転に伴い一次転写部T1に搬送される。このとき、一次転写ブラシ5には、一次転写電圧印加手段としての一次転写電源(高圧電源)50から、現像時のトナーの帯電極性(正規の帯電極性)とは逆極性の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。一次転写部T1に搬送された感光ドラム1上のトナー像は、この一次転写電圧の作用により、中間転写ベルト6の表面(外周面)に静電的に転写(一次転写)される。本実施例では、各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdに対してそれぞれ独立した一次転写電源50a、50b、50c、50dが設けられている。また、各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdには、各一次転写電源50a、50b、50c、50dによって供給される一次転写電流を独立して検知する、一次転写電流検知手段としての一次転写電流検知回路51a、51b、51c、51dが設けられている。
例えば、フルカラー画像の形成時には、以上のような帯電、露光、現像、一次転写の工程が、各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおいて行われる。これにより、中間転写ベルト6上に4色のトナー像が順次に重ね合わせるように一次転写された、フルカラー画像用の多重トナー像が形成される。
一次転写工程において中間転写ベルト6に転写されずに感光ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニングブレード7によって感光ドラム1上から除去されて、廃トナー容器13に収容される。
中間転写ベルト6を挟んで二次転写対向ローラ62と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ状の二次転写部材である二次転写ローラ8が配置されている。二次転写ローラ8は、二次転写対向ローラ62に向けて押圧され、中間転写ベルト6を介して二次転写対向ローラ62に当接して、中間転写ベルト6と二次転写ローラ8とが接触する二次転写部(二次転写ニップ部)T2を形成する。
中間転写ベルト6の上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト6の移動に伴い二次転写部T2に搬送される。このとき、二次転写ローラ8には、二次転写電圧印加手段としての二次転写電源(高圧電源)80から、現像時のトナーの帯電極性(正規の帯電極性)とは逆極性の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。二次転写部T2に搬送された中間転写ベルト6上のトナー像は、この二次転写電圧の作用により、記録材P上に静電的に転写(二次転写)される。例えば、フルカラー画像の形成時には、中間転写ベルト6上に4色のトナーで形成された多重トナー像は、二次転写部T2で記録材P上に一括して二次転写される。二次転写電源80によって供給される二次転写電流は、二次転写電流検知手段としての二次転写電流検知回路81により検知される。
記録材Pは、記録材給送装置30において、カセット31に収容されている。そして、記録材Pは、記録材給送装置30において、所定のタイミングで供給ローラ32により送り出された後、レジストローラ33により中間転写ベルト6上のトナー像とタイミングが合わされて二次転写部T2に供給される。
中間転写ベルト6を挟んで駆動ローラ61と対向する位置には、ベルトクリーニングブレード64が配置されている。二次転写工程において記録材P上に転写されずに中間転写ベルト6上に残留した二次写残トナーは、ベルトクリーニングブレード64によって中間転写ベルト6上から除去されて、廃トナー容器65に収容される。
トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着装置9へと搬送される。そして、記録材Pは、定着装置9が備える定着ローラ91と加圧ローラ92とで形成される定着ニップ部において熱と圧力が加えられることにより、その上にトナー像が定着される。その後、記録材Pは図示しない搬送ローラにより図1中の矢印R4に沿って機外に搬送される。
2.制御態様
図3は、画像形成装置100の要部の概略制御態様を示すブロック図である。本実施例では、画像形成装置100に設けられた制御部150が、画像形成装置100の各部を統括的に制御する。制御部150は、演算処理を行う中心的素子であるCPU151、記憶素子であるROM、RAMなどのメモリー152などを有して構成される。RAMには、センサの検知結果、演算結果などが格納され、ROMには制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されている。制御部150には、画像形成装置100における各制御対象が接続されている。例えば、制御部150には、帯電電源21、現像電源41、一次転写電源50、二次転写電源80、一次転写電流検知回路51、二次転写電流検知回路81などが接続されている。そして、制御部150は、特に、本実施例との関係で言えば、一次転写電流検知回路(以下、単に「電流検知回路」ともいう。)51の検知結果に基づいて、画像形成時の一次転写電圧を調整する調整制御(ATVC制御)を実行させる。
図3は、画像形成装置100の要部の概略制御態様を示すブロック図である。本実施例では、画像形成装置100に設けられた制御部150が、画像形成装置100の各部を統括的に制御する。制御部150は、演算処理を行う中心的素子であるCPU151、記憶素子であるROM、RAMなどのメモリー152などを有して構成される。RAMには、センサの検知結果、演算結果などが格納され、ROMには制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されている。制御部150には、画像形成装置100における各制御対象が接続されている。例えば、制御部150には、帯電電源21、現像電源41、一次転写電源50、二次転写電源80、一次転写電流検知回路51、二次転写電流検知回路81などが接続されている。そして、制御部150は、特に、本実施例との関係で言えば、一次転写電流検知回路(以下、単に「電流検知回路」ともいう。)51の検知結果に基づいて、画像形成時の一次転写電圧を調整する調整制御(ATVC制御)を実行させる。
電流検知回路51は、一次転写電源50が一次転写ブラシ5に直流電圧を印加した際に流れる直流電流値を検知することができる。本実施例では、一次転写電源50は、制御部150の制御により設定される電圧値の定電圧を出力できるように構成されている。そして、制御部150は、電流検知回路51により検知された電流値が所定の電流値となるように、一次転写電源50の出力の設定値を変化させることで、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に所定の電流を供給する電圧を印加することができる。また、制御部150は、このときの一次転写電源50の出力の設定値と電流検知回路51の検知結果とから、それぞれ電圧値と電流値の情報を取得することができる。
ここで、画像形成装置100は、一の開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の画像形成動作(ジョブ)を行う。ジョブは、一般に、画像形成工程(印字工程)、前回転工程、複数の記録材Pに画像を形成する場合の紙間(記録材間)工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Pに形成して出力する画像の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写や二次転写を行う期間であり、画像形成時とはこの期間のことをいう。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の記録材Pに対して画像形成工程を連続して行う際(連続画像形成)の記録材Pと記録材Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程時などが含まれる。
本実施例では、ジョブの前回転工程において実行されるATVC制御により、そのジョブの一次転写時に一次転写電源50から一次転写ブラシ5に印加する一次転写電圧の設定電圧値が決定される。ATVC制御では、所定の電流値(ターゲット電流値)で定電流制御された電圧が一次転写ブラシ5に印加され、一次転写部T1に所定の電流が流されて、そのときの発生電圧値が求められる。すなわち、電流検知回路51によって検知される電流値がターゲット電流値で一定となるように一次転写電源50の出力を増減させ、その時の一次転写電源50の出力設定値が発生電圧値として求められる。そして、その発生電圧値に基づいて一次転写電圧の設定電圧値が決定され、一次転写時にはその設定電圧値で一次転写電圧が定電圧制御される。ATVC制御で決定される設定電圧値は、ATVC制御における発生電圧値そのものであってもよいし、予め求められた演算式、ルックアップテーブルなどに基づいてその発生電圧値に応じて決定されるものであってもよい。本実施例では、一次転写電圧は、制御部150により、プロセス速度情報、環境情報などに基づき、プロセス速度、環境などの条件ごとに、電流検知回路51からの検知信号(電圧信号)に基づいて制御されるようになっている。すなわち、本実施例では、プロセス速度、環境などの条件に応じて、複数の上記ターゲット電流値が設定されている。なお、ATVC制御は、前回転工程時に限らず、非画像形成時であれば、任意のタイミングで実行することができる。
3.漏れ電流の説明
次に、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に一次転写電圧Vを印加した際に一次転写部T1で発生する漏れ電流について説明する。図2は、一次転写部T1付近の構成を示す模式的な断面図である。
次に、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に一次転写電圧Vを印加した際に一次転写部T1で発生する漏れ電流について説明する。図2は、一次転写部T1付近の構成を示す模式的な断面図である。
一次転写電源50から一次転写ブラシ5に一次転写電圧が印加されると、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面との間に放電閾値(放電開始電圧)を超える電位差が発生して放電が発生するため、感光ドラム1に電流が流れる。ここで、中間転写ベルト6の電気抵抗が十分に高い場合には、漏れ電流が生じないため、電流検知回路51により検知される電流値は、感光ドラム1に流れる電流値、すなわち、実効電流値と等しくなる。しかし、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に低い場合には、感光ドラム1に対し実効電流が流れるとともに、接地されている部材である、中間転写ベルト6を張架している支持ローラに漏れ電流Ilkが流れてしまうことがある。本実施例の画像形成装置100では、第1の画像形成部Saでは、中間転写ベルト6を介して、接地されている駆動ローラ61に漏れ電流Ilkが流れてしまうことがある。また、第4の画像形成部Sdでは、中間転写ベルト6を介して、接地されているテンションローラ63に漏れ電流Ilkが流れてしまうことがある。すなわち、第1、第4の画像形成部Sa、Sdでは、電流検知回路51により検知される電流値は実効電流値と漏れ電流値とを合算した値となる。
ここで、第2の画像形成部Sbは第1、第3の画像形成部Sa、Scと中間転写ベルトを介して接しているものの、各画像形成部S間には電位差が生じないため、電流も流れない。第3の画像形成部Scにおいても同様である。したがって、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に低い場合であっても、第2、第3の画像形成部Sb、Scでは、第1、第4の画像形成部Sa、Sdで生じる漏れ電流は発生しない。
4.実効電流値と画像不良との関係
表1は、感光ドラム1に流れる実効電流値と画像不良との関係を示す。画像パターンとしては、図4に示すように主走査方向における画像形成領域(トナー像が形成可能な領域)の全域にわたるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を副走査方向に所定の幅ずつ形成した横帯パターンを使用した。なお、主走査方向は、感光ドラム1、中間転写ベルト6の表面の移動方向と略直交する方向であり、副走査方向は、感光ドラム1、中間転写ベルト6の表面の移動方向である。表1中の○は画像不良が発生しない場合を示し、△は軽微な画像不良が発生する場合を示し、×は許容ができない画像不良が発生する場合を示している。
表1は、感光ドラム1に流れる実効電流値と画像不良との関係を示す。画像パターンとしては、図4に示すように主走査方向における画像形成領域(トナー像が形成可能な領域)の全域にわたるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を副走査方向に所定の幅ずつ形成した横帯パターンを使用した。なお、主走査方向は、感光ドラム1、中間転写ベルト6の表面の移動方向と略直交する方向であり、副走査方向は、感光ドラム1、中間転写ベルト6の表面の移動方向である。表1中の○は画像不良が発生しない場合を示し、△は軽微な画像不良が発生する場合を示し、×は許容ができない画像不良が発生する場合を示している。
表1に示すように、実効電流値が適切な電流値より小さい場合(4μA以下)、感光ドラム1上のトナーを中間転写ベルト6上に移動させる電界が小さくなる。そのため、感光ドラム1上のトナーの一部が中間転写ベルト6上に転写されずに感光ドラム1上に残ってしまう「転写抜け」という現象による画像不良が発生する。一方、実効電流値が適切な電流値より大きい場合(11μA以上)、感光ドラム1と中間転写ベルト6との間で形成される転写ニップ内の放電により、トナーの電荷が低下してしまったり、トナーの帯電極性が本来の極性とは反対の極性に反転してしまったりする。そのため、感光ドラム1上にトナーの一部が残り中間転写ベルト6上に転写されないトナーが発生し、上述の実効電流値が適切な電流値より小さい場合と同様に「転写抜け」による画像不良が発生する。
5.一次転写電圧Vと一次転写電流Iとの関係
図5は、本実施例における一次転写電圧Vと一次転写電流Iとの関係を示す。図5中の(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける、一次転写電圧Vと電流検知回路51によって検知される一次転写検知電流Iとの関係を示す。
図5は、本実施例における一次転写電圧Vと一次転写電流Iとの関係を示す。図5中の(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける、一次転写電圧Vと電流検知回路51によって検知される一次転写検知電流Iとの関係を示す。
ここで、感光ドラム1は、帯電ローラ2により画像形成時と同様に−500Vに帯電させた後に、露光装置3によって画像形成領域の全域にレーザー露光を行うことで、表面電位を約−100Vとした。また、中間転写ベルト6としては、表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□のものを使用した。また、環境は、30℃/80%の高温・高湿の環境とした。
図5に示すように、一次転写電圧Vと一次転写電流Iとの関係は、A、B、Cの3つの領域に分けて考えることができる。A領域は、一次転写電圧Vが+380Vより大きい領域であり、B領域は一次転写電圧Vが−580V以上、+380V以下の領域であり、C領域は一次転写電圧Vが−580Vより小さい領域である。
A領域では、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に一次転写電圧Vが印加されると、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面との間の電位差が放電閾値(本実施例では約480V)を超える。そのため、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面との間で放電が発生し、感光ドラム1に電流が流れる。ここで、中間転写ベルト6の表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□と相対的に低く、かつ、高温・高湿環境であるため、第1、第4の画像形成部Sa、Sdでは漏れ電流が発生する。そのため、第1、第4の画像形成部Sa、Sbにおける電流値I(図5中の(a)、(d))は、第2、第3の画像形成部Sb、Scにおける電流値I(図5中の(b)、(c))より大きくなる。
一方、B領域では、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に一次転写電圧Vが印加されても、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面との間の電位差は放電閾値以下であるため、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面との間で放電が発生しない。そのため、感光ドラム1には電流は流れない。ところが、第1、第4の画像形成部Sa、Sdでは、前述のように一次転写電圧Vに応じた漏れ電流が発生する。そのため、電流検知回路51により検知される電流値Iと一次転写電圧Vとの関係は原点(一次転写電圧V=0V)を通る比例関係となる。
また、C領域では、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に一次転写電圧Vが印加されると、A領域と同様に、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面と間での電位差が放電閾値を超える。そのため、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面と間で放電が発生し、感光ドラム1に電流が流れる。また、第1、第4の画像形成部Sa、Sdでは、漏れ電流が発生する。そのため、第1、第4の画像形成部Sa、Sbにおける電流値I(図5中の(a)、(d))は、第2、第3の画像形成部Sb、Scにおける電流値I(図5中の(a)、(b))より大きくなる。
6.漏れ電流の検知方法
次に、本実施例における漏れ電流の検知方法について説明する。図6は、本実施例における漏れ電流検知制御のフローチャート図である。ここで、第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける動作は共通であるため、符号の末尾のa、b、c、dは省略して、一の画像形成部Sにて代表して説明する。
次に、本実施例における漏れ電流の検知方法について説明する。図6は、本実施例における漏れ電流検知制御のフローチャート図である。ここで、第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける動作は共通であるため、符号の末尾のa、b、c、dは省略して、一の画像形成部Sにて代表して説明する。
まず、制御部150は、駆動モータM1、M2の駆動を開始させ、感光ドラム1、中間転写ベルト6の回転を開始させる(S101)。次に、制御部150は、帯電電源21から帯電ローラ2に−1000Vの帯電電圧を印加させて、感光ドラム1の表面を約−500Vに一様に帯電させる(S102)。次に、制御部150は、露光装置3により感光ドラム1の表面にレーザー露光を行わせて、感光ドラム1の表面電位を約−100Vにさせる(S103)。次に、制御部150は、感光ドラム1のレーザー露光された部分の移動方向の先端が一次転写部T1を通過した後に、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に漏れ電流検知用の一次転写電圧V0(本実施例では+380V)を印加させる(S104)。そして、制御部150は、上記一次転写電圧V0を印加している際に電流検知回路51により電流を検知し、検知した電流値を漏れ電流値Ilk0としてメモリー152に記憶させる(S105)。
ここで、上記一次転写電圧V0は、漏れ電流の検知精度の観点から、なるべく高いことが望ましい。なぜなら、電流検知回路51は全電流検知範囲において、例えば約±1μA程度の検知誤差を有することがあるため、一次転写電圧が高く、漏れ電流の絶対値が大きいほどSN比が高まるからである。したがって、本実施例では、漏れ電流検知制御において、実験で予め確認されている放電閾値を超えない範囲で最大の電圧値+380Vを使用する。
なお、漏れ電流検知制御時に、感光ドラム1を帯電処理することで、放電閾値に対する感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面との間の電位差をより正確に制御できる。また、感光ドラム1を帯電処理した後に露光して電位の絶対値を低下させる処理を行うことで、上記電位差をより正確に制御するとともに、印加する一次転写電圧の絶対値を、上記電位差が放電閾値を超えない範囲でなるべく大きくすることができる。したがって、本実施例では、漏れ電流検知制御時の感光ドラム1の露光後の表面電位は、電位を十分に正確に制御できる範囲で、可及的に0Vに近くしてよい。
7.任意の一次転写電圧Vにおける漏れ電流値Ilkの算出方法
前述のように、任意の一次転写電圧Vにおける漏れ電流値Ilkと一次転写電圧Vとの関係は原点を通る比例関係となる。したがって、原点以外のある特定の一次転写電圧値V0と漏れ電流値Ilk0の関係が分かれば、任意の一次転写電圧値Vにおける漏れ電流値Ilkを予測することができる。すなわち、下記式(1)を用いて、漏れ電流検知用の一次転写電圧V0を印加した際の漏れ電流値Ilk0より、任意の一次転写電圧Vにおける漏れ電流値Ilkを算出することができる。
Ilk=V/V0×Ilk0・・・(1)
前述のように、任意の一次転写電圧Vにおける漏れ電流値Ilkと一次転写電圧Vとの関係は原点を通る比例関係となる。したがって、原点以外のある特定の一次転写電圧値V0と漏れ電流値Ilk0の関係が分かれば、任意の一次転写電圧値Vにおける漏れ電流値Ilkを予測することができる。すなわち、下記式(1)を用いて、漏れ電流検知用の一次転写電圧V0を印加した際の漏れ電流値Ilk0より、任意の一次転写電圧Vにおける漏れ電流値Ilkを算出することができる。
Ilk=V/V0×Ilk0・・・(1)
なお、上述の方法で任意の一次転写電圧における漏れ電流値を求めることで、漏れ電流値を検知するために印加する電圧が一点でよいため、制御の簡易化を図ることができて好ましい。しかし、放電閾値を超えない範囲の複数点の電圧を印加し、各電圧を印加した際の電流値を検知することによって、任意の一次転写電圧と漏れ電流との関係を求めてもよい。
8.実効電流値の算出方法
前述のように、第1、第4の画像形成部Sa、Sdでは、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に低い場合には、電流検知回路51に実効電流の他に漏れ電流が生じる。したがって、第1、第4の画像形成部Sa、Sdにおける任意の一次転写電圧値Vにおける実効電流値Irは、電流検知回路51により検知される電流値Iからその一次転写電圧Vにおいての漏れ電流値Ilkを差し引いた値である。すなわち、実効電流値Irは、下記式(2)により算出することができる。
Ir=I−Ilk=I−V/V0×Ilk0・・・(2)
前述のように、第1、第4の画像形成部Sa、Sdでは、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に低い場合には、電流検知回路51に実効電流の他に漏れ電流が生じる。したがって、第1、第4の画像形成部Sa、Sdにおける任意の一次転写電圧値Vにおける実効電流値Irは、電流検知回路51により検知される電流値Iからその一次転写電圧Vにおいての漏れ電流値Ilkを差し引いた値である。すなわち、実効電流値Irは、下記式(2)により算出することができる。
Ir=I−Ilk=I−V/V0×Ilk0・・・(2)
このように、任意の一次転写電圧Vにおける実効電流値Irは、電流検知回路51により検知される電流値Iと、漏れ電流検知用の電圧V0と、漏れ電流検知用の電圧V0を印加した際に流れる漏れ電流値Ilk0と、に基づいて算出することができる。
なお、式(2)は、第1、第4の画像形成部Sa、Sbに対してだけでなく、第2、第3の画像形成部Sb、Scにおいても、Ilk0=0より、Ir=Iとなるため成立する。ただし、本実施例における第2、第3の画像形成部Sb、Scのように、漏れ電流が発生しないことが予めわかっている画像形成部Sでは、実効電流Ir=Iとして、漏れ電流検知制御は行わなくてよい。
9.本実施例のATVC制御
中間転写ベルト6は、製造過程で電気抵抗のばらつきを有していることがある。また、本実施例では、中間転写ベルト6の材質として、イオン導電性を有するPEN(ポリエチレンナフタレート)を用いているため、環境変動による電気抵抗のばらつきが生じやすい。このような中間転写ベルト6の電気抵抗の変動がある場合でも、画像形成時に最適な一次転写電圧値Vgを決定できるように、画像形成前に中間転写ベルト6の電気抵抗値に応じて画像形成時に印加する一次転写電圧Vgを決定するATVC制御を行う。しかし、第1、第4の画像形成部Sdでは、中間転写ベルト6の電気抵抗値が相対的に低い場合には、漏れ電流が発生する。そのため、電流検知回路51によって検知される電流値に比べ、感光ドラム1に流れる実効電流値は小さくなる。その結果、電流検知回路51によって検知される一次転写検知電流値Iを所定の目標電流値Itに収束するようにATVC制御を行うと、決定される画像形成時の一次転写電圧値Vgが最適な一次転写電圧値に対し低くなってしまうことがある。これにより、転写抜けによる画像不良が発生することがある。
中間転写ベルト6は、製造過程で電気抵抗のばらつきを有していることがある。また、本実施例では、中間転写ベルト6の材質として、イオン導電性を有するPEN(ポリエチレンナフタレート)を用いているため、環境変動による電気抵抗のばらつきが生じやすい。このような中間転写ベルト6の電気抵抗の変動がある場合でも、画像形成時に最適な一次転写電圧値Vgを決定できるように、画像形成前に中間転写ベルト6の電気抵抗値に応じて画像形成時に印加する一次転写電圧Vgを決定するATVC制御を行う。しかし、第1、第4の画像形成部Sdでは、中間転写ベルト6の電気抵抗値が相対的に低い場合には、漏れ電流が発生する。そのため、電流検知回路51によって検知される電流値に比べ、感光ドラム1に流れる実効電流値は小さくなる。その結果、電流検知回路51によって検知される一次転写検知電流値Iを所定の目標電流値Itに収束するようにATVC制御を行うと、決定される画像形成時の一次転写電圧値Vgが最適な一次転写電圧値に対し低くなってしまうことがある。これにより、転写抜けによる画像不良が発生することがある。
そこで、本実施例では、ATVC制御を行う際に、漏れ電流値Ilk0に基づいて感光ドラム1に流れる実効電流値Irを算出し、その実効電流値Irが目標電流値Itに収束するようにATVC制御を行い、画像形成時に最適な一次転写電圧値Vgを決定する。このようなATVC制御を行うことで、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に低い場合であっても、漏れ電流によらず、常に最適な実効電流値Irを流すことが可能となる。
なお、本実施例では、ジョブの前回転工程において、上述の漏れ電流検知制御を実行し、引き続きATVC制御を実行して、そのジョブの一次転写時に一次転写電源50から一次転写ブラシ5に印加する一次転写電圧の設定電圧値を決定する。ただし、漏れ電流検知制御は、毎回のATVC制御と同期して行うことに限定されるものではなく、一次転写電圧の調整制御の精度において許容されるのであれば、複数回のATVC制御に対して1回だけ漏れ電流検知制御を行ってもよい。また、ATVC制御の実行タイミングと、漏れ電流検知制御の実行タイミングとを、異なる指標で別個に制御してもよい。例えば、ATVC制御は毎回のジョブの前回転工程で実行するように制御する一方で、漏れ電流検知制御は環境の温度又は湿度のいずれか一方が所定値以上変化した場合に実行するなどしてもよい。この場合、ATVC制御では、例えば当該ATVC制御を実行する前に行われた直近の漏れ電流検知制御での検知結果を用いることができる。
次に、本実施例におけるATVC制御を具体的に説明する。図7は、本実施例におけるATVC制御のフローチャート図である。なお、上述のように、本実施例では、画像形成装置100がプリント信号を受け取ると、ジョブの前回転工程において、図6に示す漏れ電流検知制御と、図7に示すATVC制御とが順次に連続して行われる。ここでは、AVC制御の動作の流れに注目して説明する。また、第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける動作は共通であるため、符号の末尾のa、b、c、dは省略して、一の画像形成部Sにて代表して説明する。
まず、制御部150は、駆動モータM1、M2の駆動を開始させ、感光ドラム1、中間転写ベルト6の回転を開始させる(S201)。次に、制御部150は、帯電電源21から帯電ローラ2に−1000Vの帯電電圧を印加させて、感光ドラム1の表面を約−500Vに一様に帯電させる(S202)。次に、制御部150は、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に高圧立ち上げ用の一次転写電圧V1を300msの間印加させる(S203)。次に、制御部150は、電流検知回路51により電流を検知しつつ(S204)、当該ATVC制御の前に行った漏れ電流検知制御の結果と、上述の式(2)とに基づいて、任意の一次転写電圧Vにおける実効電流値Irを算出する(S205)。次に、制御部150は、求められた実効電流値Irと、メモリー152に予め記憶されている目標電流値Itとの比較を行う(S206)。そして、その差分ΔI(=It−Ir)が0より大きい場合(すなわち、It>Ir)は、出力電圧Vに所定の電圧変化幅ΔVを加算した電圧値を設定する(S207)。また、差分ΔI(=It−Ir)が0より小さい場合(すなわち、It<Ir)は、出力電圧Vに所定の電圧変化幅ΔVを減算した電圧値を設定する(S208)。また、差分ΔI(=It−Ir)が0の場合(すなわち、It=Ir)は、そのときの出力電圧Vの設定を保持する(S209)。このような比較処理と、出力電圧Vの設定処理とを、S204の開始から200ms経過するまで繰り返し(S210)、その都度設定された電圧Vを一次転写電源50から一次転写ブラシ51に印加する(S211)。これにより、実行電流値Irが目標電流値Itに近づいていく。そして、制御部150は、S204の開始から200ms後に、一次転写電圧値V(出力電圧の設定)を100msの間測定し、その平均値を画像形成時の一次転写電圧値Vgとしてメモリー152に記憶させる(S212)。
このように、実効電流値Irを算出し、この実効電流値Irを目標電流値Itに収束するように画像形成時の一次転写電圧値Vgを決定することで、漏れ電流に影響されず、適切な一次転写電流値を流すことができる。
10.比較検討結果
次に、ATVC制御により決定された画像形成時の一次転写電圧値Vgと、その一次転写電圧値Vgにて形成された画像の評価とについて、本実施例と比較例1とで比較した結果について説明する。
次に、ATVC制御により決定された画像形成時の一次転写電圧値Vgと、その一次転写電圧値Vgにて形成された画像の評価とについて、本実施例と比較例1とで比較した結果について説明する。
本実施例では、上述のように、実効電流値Irを各環境に最適化した目標電流値Itに収束するようにATVC制御を行った。これに対し、比較例1では、電流検知回路51で検知した電流値Iを各環境に最適化した目標電流値Itに収束するようにATVC制御を行った。
10−1.画像形成時の一次転写電圧値Vg
表2は、本実施例と比較例1のATVC制御により決定された画像形成時の一次転写電圧値Vgを示す。一次転写電圧Vgは、各条件設定において10回ずつ行った試験の平均値を示している。本評価試験は、中間転写ベルト6として、表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□、1.0×1010.0Ω/□、1.0×1010.5Ω/□である中間転写ベルト6をそれぞれ用いて行った。また、本評価試験は、高温・高湿環境(30℃/80%)、標準環境(23℃/80%)、低温・低湿環境(15℃/10%)のそれぞれの環境で行った。
表2は、本実施例と比較例1のATVC制御により決定された画像形成時の一次転写電圧値Vgを示す。一次転写電圧Vgは、各条件設定において10回ずつ行った試験の平均値を示している。本評価試験は、中間転写ベルト6として、表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□、1.0×1010.0Ω/□、1.0×1010.5Ω/□である中間転写ベルト6をそれぞれ用いて行った。また、本評価試験は、高温・高湿環境(30℃/80%)、標準環境(23℃/80%)、低温・低湿環境(15℃/10%)のそれぞれの環境で行った。
表2に示すように、ATVC制御により決定された画像形成時の一次転写電圧値Vgは、第2、第3の画像形成部Sb、Scでは、中間転写ベルト6の電気抵抗、環境によらず、実施例1と比較例とでほぼ変わらなかった。一方、第1、第4の画像形成部Sa、Sbでは、実施例1よりも比較例1の方が、一次転写電圧値Vgが低くなった。特に、中間転写ベルト6の表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□と相対的に低く、高温・高湿度環境(30℃/80%)の場合に、この傾向は顕著であった。これは、漏れ電流値が、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に低く、環境がより高温・高湿環境であるほど大きいからである。
10−2.画像評価結果
表3は、実施例1と比較例1の画像の評価結果を示す。画像の評価には、画像パターンとして図4に示すような各色の横帯パターンを使用した。中間転写ベルト6の電気抵抗、環境の条件設定は、上記一次転写電圧Vgの評価実験と同じである。表3中の○は画像不良が発生しない場合を示し、△は軽微な画像不良が発生する場合を示し、×は許容ができない画像不良が発生する場合を示している。
表3は、実施例1と比較例1の画像の評価結果を示す。画像の評価には、画像パターンとして図4に示すような各色の横帯パターンを使用した。中間転写ベルト6の電気抵抗、環境の条件設定は、上記一次転写電圧Vgの評価実験と同じである。表3中の○は画像不良が発生しない場合を示し、△は軽微な画像不良が発生する場合を示し、×は許容ができない画像不良が発生する場合を示している。
まず、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に高い、表面抵抗ρs=1.0×1010.5Ω/□の場合について説明する。この場合、実施例1、比較例1ともに、放電に起因する画像不良が発生した。これは、次の理由によるものと考えられる。中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に高い場合、低温・低湿環境では、中間転写ベルト6の表面がチャージアップ(過帯電)する。そのため、各一次転写部T1で異常放電が発生し、トナーの電荷が低下したり、反転したりすることで転写不良が生じ、画像不良が発生する。したがって、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に高い場合には、高温・高湿環境における漏れ電流による画像不良を防止することはできるが、低温・低湿環境では異常放電による画像不良が発生してしまうことがある。したがって、中間転写ベルト6としては、電気抵抗が十分に低い中間転写ベルト6を採用することが好ましい。
次に、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に低い、表面抵抗がρs=1.0×109.5、1.0×1010.0Ω/□の場合について説明する。まず、比較例1では、第1、第4の画像形成部Sa、Sdにおいて、転写不良による画像不良が発生した。具体的には、第1の画像形成部Saで形成されるイエローの横帯パターンと第4の画像形成部Sdで形成されるブラックの横帯パターンにおける濃度が転写不良のため低下した。特に、中間転写ベルト6の表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□と相対的に低く、高温・高湿環境(30℃/80%)の場合に、この現象は顕著であった。一方、本実施例では、中間転写ベルト6の表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□、1.0×1010.0Ω/□のいずれの場合においても、全ての環境で画像不良は発生しなかった。
以上説明したように、本実施例では、一次転写電圧が印加された際に感光ドラム1に流れる実効電流以外に接地箇所へ漏れる漏れ電流が発生する場合であっても、その漏れ電流を検知することができる。そして、その漏れ電流の検知結果に基づいてATVC制御を行うことで、適切に画像形成時の一次転写電圧Vgを決定し、画像不良を抑制することができる。本実施例では、一次転写電流を検知するための電流検知回路によって、別途新しい電流検知回路を設けることなく、漏れ電流を検知することができるので、装置の大型化、装置のコストの上昇を招くことなく、上記の効果を得ることができる。これにより、簡易な構成で、安定した転写性を確保して、良好な画像品質を得ることができる。このように、本実施例によれば、簡易な構成で、転写手段に電圧を印加した際の電流を検知することで行う制御の精度を向上することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例は、漏れ電流検知制御時の感光ドラム1の表面電位と、漏れ電流検知制御時に使用する一次転写電圧値V0とが、実施例1とは異なる。
具体的には、実施例1では、漏れ電流検知制御時に、帯電ローラ2に−1000Vの帯電電圧を印加して感光ドラム1の表面電位を約−500Vとした後に、露光装置3によりレーザー露光を行って感光ドラム1の表面電位を約−100Vとした。これに対し、本実施例では、漏れ電流検知制御時に、帯電ローラ2に−1000Vの帯電電圧を印加して感光ドラム1の表面電位を約−500Vとした後に、露光装置3によるレーザー露光を行わず、感光ドラム1の表面電位を約−500Vとしたままとする。
また、実施例1では、漏れ電流検知制御時の一次転写電圧値V0は、感光ドラム1の表面電位とは逆極性で、かつ、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面との間で放電が発生しない範囲で最大の+380Vとした。これに対し、本実施例では、漏れ電流検知制御時の一次転写電圧値V0は、感光ドラム1の表面電位と同極性、かつ、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト6の表面との間で放電が発生しない範囲の最大値である−980Vとする。
図8は、本実施例における一次転写電圧Vと一次転写電流Iとの関係を示す。実施例1では漏れ電流検知制御時に感光ドラム1の表面電位を約−100Vとしていたのに対し、本実施例では漏れ電流検知制御時に感光ドラム1の表面電位を約−500Vとしている。そのため、図8のグラフは、図5のグラフに対して、負の電圧側にシフトした形となっている。
表4は、ATVC制御により決定された画像形成時の電圧値Vgを示す。また、表5は、実施例1で説明したのと同様にして画像の評価を行った結果を示す。参考のため、表4、表5には、本実施例の結果と共に、実施例1、比較例1の結果も掲載している。
表4に示すように、本実施例では、実施例1と同様に、中間転写ベルト6の表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□、1.0×1010.0Ω/□の場合に、漏れ電流が発生する。しかし、表5に示すように、本実施例では、実施例1と同様に、漏れ電流検知を行い、その検知結果に基づきATVC制御を行うことで、適切に画像形成時の一次転写電圧Vgを決定し、画像不良を抑制することができる。
なお、表4、表5に示すように、実施例1と実施例2とではほぼ同じ結果であるが、更に検討を重ねた結果、実施例1よりも本実施例の方が、漏れ電流の検知精度の観点から有利であることがわかった。これは、次の理由によるものと考えられる。本実施例では、漏れ電流検知制御時に使用する一次転写電圧値V0の絶対値を実施例1における値に比べて大きくすることが可能である。そのため、漏れ電流を検知する際の電流検知誤差と、漏れ電流値との比率、すなわち、SN比を大きくすることができる。具体的には、漏れ電流検知制御時の一次転写電圧値V0の絶対値は、実施例1では380Vであり、本実施例では980Vである。これにより、漏れ電流の検知値Ilk0が、実施例1では2μA、本実施例2では5.2μAとなる。その結果、SN比は、実施例1では2であるのに対して、本実施例では5.2と大きくすることができる。したがって、本実施例では、実施例1に比べて漏れ電流検知精度が向上する。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1、2では、漏れ電流の検知結果を画像形成時に印加する一次転写電圧の調整制御にフィードバックした。これに対し、本実施例では、漏れ電流の検知結果を、画像形成ユニットUの装着状態を判別する制御にフィードバックすることで、画像形成ユニットUの装着状態の判別の誤りを抑制する。これにより、漏れ電流が生ずる場合であっても、画像形成ユニットUの装着状態を正しく使用者に通知することが可能となる。
なお、本実施例においても、漏れ電流検知方法、実効電流値の算出方法の原理に関しては、実施例1、2と同じである。
1.画像形成ユニットの装着状態の検知方法
本実施例の理解を容易とするために、まず一次転写電圧の印加に基づく画像形成ユニットの装着状態検知の原理(比較例)について説明する。図9は、画像形成ユニットの装着状態を検知するための装着検知制御のフローチャート図である。ここで、第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける動作は共通であるため、符号の末尾のa、b、c、dは省略して、一の画像形成部Sにて代表して説明する。
本実施例の理解を容易とするために、まず一次転写電圧の印加に基づく画像形成ユニットの装着状態検知の原理(比較例)について説明する。図9は、画像形成ユニットの装着状態を検知するための装着検知制御のフローチャート図である。ここで、第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける動作は共通であるため、符号の末尾のa、b、c、dは省略して、一の画像形成部Sにて代表して説明する。
まず、制御部150は、駆動モータM1、M2の駆動を開始させ、感光ドラム1、中間転写ベルト6の回転を開始させる(S301)。次に、制御部150は、帯電電源21から帯電ローラ1に−1000Vの帯電電圧を印加させて、感光ドラム1の表面を約−500Vに一様に帯電させる(S302)。次に、制御部150は、一次転写電圧電源50から一次転写ブラシ5に画像形成ユニットUの装着状態を検知するための一次転写電圧V0を印加させ(S303)、その際に流れる電流値I0を電流検知回路51により検知する(S304)。この一次転写電圧V0は、画像形成ユニットUが画像形成部Sに装着された状態において、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト1の表面との間の電位差が放電閾値より大きくなるように設定される。例えば、この一次転写電圧V0は、画像形成時に一次転写電源50から一次転写ブラシ5に印加する一次転写電圧と同程度とすることができる。次に、制御部150は、検知した電流値I0を、予めメモリー152に記憶されている、画像形成ユニットUの装着状態を判別するための所定の閾値である判別電流値Ixと比較する(S305)。そして、制御部150は、検知した電流値I0が判別電流値Ix以上の場合には、画像形成ユニットUが画像形成部Sに装着されていると判断する(S306)。一方、制御部150は、検知した電流値I0が判別電流値Ixより小さい場合には、画像形成ユニットUが画像形成部Sに装着されていないと判断する(S307)。制御部150は、S307において、画像形成ユニットUが装着されていないと判断した場合、報知手段としての画像形成装置100の操作部160(図3)の表示画面などに、その旨を報知するための警告表示(エラー表示)を行わせる。
以上のようにして、原理的には、一次転写電圧の印加に基づいて画像形成ユニットUの装着状態を検知することができる。
しかしながら、中間転写ベルト6の電気抵抗が相対的に低く、漏れ電流が発生する場合には、画像形成部Sに画像形成ユニットUが装着されていなくても、電流検知回路51により0ではない電流が検知されることがある。そして、場合によってはその電流値が判別電流値Ixを超えることがある。
図10(a)は、第2、第3の画像形成部Sb、Scにおける、画像形成ユニットUが装着されている状態(装着状態)と、装着されていない状態(未装着状態)とでの、一次転写電圧Vと一次転写電流Iとの関係を示す。また、図10(b)は、第1、第4の画像形成部Sa、Sdにおける、同様の一次転写電圧Vと一次転写電流Iとの関係を示す。ここで、中間転写ベルト6としては、表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□のものを用いた。また、環境は、高温・高湿環境(30℃/80%)とした。
図10(a)に示すように、判別電流値Ixは、未装着状態での電流値I0と、装着状態での電流値I0との中間の位置に設定することが、判別の誤りを防止するためには望ましい。しかし、電流値I0は、中間転写ベルト6の電気抵抗値及び環境によっても変わる。そのため、環境温度、環境湿度を検知する環境センサ(図示せず)による環境検知結果、及び各種電気抵抗(中間転写ベルト6や一次転写ブラシ5などの電気抵抗)の予測などを通じて、判別電流値Ixを決めることが望ましい。
一方、図10(b)に示すように、第1、第4の画像形成部Sa、Sdにおける電流値は、漏れ電流が発生するため、図10(a)に示す第2、第3の画像形成部Sb、Scにおける電流値よりも装着状態、未装着状態ともに絶対値が大きくなる。
このように、漏れ電流が生じる場合と生じない場合とでは、画像形成ユニットUの装着状態を判別するための電圧値V0を印加した際に流れる電流値I0が大きく異なる。また、この漏れ電流値は、中間転写ベルト6の電気抵抗によっても変化する。そのため、判別電流値Ixの設定が困難となる。その結果、画像形成部Sに画像形成ユニットUが装着されていないにも拘わらず、判別電流値Ixより大きな電流値が検知されることで、画像形成部Sに画像形成ユニットUが装着されている状態であると誤った判断をしてしまう虞がある。逆に、画像形成部Sに画像形成ユニットUが装着されているにも拘わらず、判別電流値Ixより小さい電流値が検知されることで、画像形成ユニットUが画像形成部Sに装着されていない状態であると誤った判断をしてしまう虞がある。
そこで、本実施例では、漏れ電流を検知し、その漏れ電流の検知結果に基づき、実効電流値を算出し、その実効電流値に基づいて、画像形成ユニットUの装着状態を判別する。これにより、画像形成ユニットUの装着状態をより正確に判別することが可能となる。
2.本実施例の装着検知制御
図11は、本実施例における装着検知制御のフローチャート図である。ここで、第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける動作は共通であるため、符号の末尾のa、b、c、dは省略して、一の画像形成部Sにて代表して説明する。また、本実施例では、漏れ電流を検知するための感光ドラム1の表面電位の設定、一次転写電圧の設定は、実施例2と同様とするが、実施例1と同様であってもよい。
図11は、本実施例における装着検知制御のフローチャート図である。ここで、第1、第2、第3、第4の画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdにおける動作は共通であるため、符号の末尾のa、b、c、dは省略して、一の画像形成部Sにて代表して説明する。また、本実施例では、漏れ電流を検知するための感光ドラム1の表面電位の設定、一次転写電圧の設定は、実施例2と同様とするが、実施例1と同様であってもよい。
なお、装着検知制御は、画像形成ユニットUの着脱などのために画像形成装置100の装置本体に設けられている図示しない開閉部材(ドア)の開閉が行われたことが図示しない開閉検知手段によって検知された場合などに行うことができる。また、ジョブを開始する際に毎回行ってもよい。本実施例では、装着検知制御は、装着検知手段として機能する制御部150が必要時に適宜実行させる。
まず、制御部150は、駆動モータM1、M2の駆動を開始させ、感光ドラム1、中間転写ベルト6の回転を開始させる(S401)。次に、制御部150は、帯電電源21から帯電ローラ1に−1000Vの帯電電圧を印加させて、感光ドラム1の表面を約−500Vに一様に帯電させる(S402)。次に、制御部150は、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に漏れ電流検知用の1次転写電圧V0(本実施例では−980V)を印加させる(S403)。そして、制御部150は、上記一次転写電圧V0を印加している際に電流検知回路51により電流を検知し、検知した一次転写電流値Iを漏れ電流Ilk0としてメモリー152に記憶させる(S404)。次に、制御部150は、一次転写電源50から一次転写ブラシ5に画像形成ユニットUの装着状態を検知するための一次転写電圧V1を印加させ、その際に流れる電流値Iを電流検知回路51により検知する(S405)。この一次転写電圧V1は、画像形成ユニットUが画像形成部Sに装着された状態において、感光ドラム1の表面と中間転写ベルト1の表面との間の電位差が放電閾値より大きくなるように設定される。例えば、この一次転写電圧V1は、画像形成時に一次転写電源50から一次転写ブラシ5に印加する一次転写電圧と同程度とされる。そして、制御部150は、上記漏れ電流値Ilk0と電流値Iとに基づいて、上記装着状態検知用の一次転写電圧V1を印加している際に流れる漏れ電流値Ilk1を下記式により算出するとともに、実効電流Ir1を下記式により算出する(S406)。
漏れ電流値Ilk1=V1/V0×Ilk0
実効電流値Ir1=I−Ilk1
漏れ電流値Ilk1=V1/V0×Ilk0
実効電流値Ir1=I−Ilk1
すなわち、前述の式(2)と同様、実効電流値Ir1は、次式、
Ir1=I−Ilk1=I−V1/V0×Ilk0
で表すことができる。
Ir1=I−Ilk1=I−V1/V0×Ilk0
で表すことができる。
次に、制御部150は、求めた実効電流値Ir1を、予めメモリー152に記憶されている、画像形成ユニットUの装着状態を判別するための所定の閾値である判別電流値Ixと比較する(S407)。そして、制御部150は、実効電流値Ir1が判別電流値Ix以上の場合には、画像形成ユニットUが画像形成部Sに装着されていると判断する(S408)。一方、制御部150は、実効電流値Ir1が判別電流値Ixより小さい場合には、画像形成ユニットUが画像形成部Sに装着されていないと判断する(S409)。制御部150は、S409において、画像形成ユニットUが装着されていないと判断した場合、報知手段としての画像形成装置100の操作部160(図3)の表示画面などに、その旨を報知するための警告表示(エラー表示)を行わせる。
このように、実効電流値に基づいて画像形成ユニットUの装着状態を判断することで、漏れ電流が発生する場合であっても、漏れ電流のバラツキの影響を無視できるようになるため、装着状態を誤って判断することを抑制することができる。
なお、上記漏れ電流値Ilk1、実効電流値Ir1の式は、第1、第4の画像形成部Sa、Sbに対してだけでなく、第2、第3の画像形成部Sb、Scにおいても、Ilk0=0より、Ir1=Iとなるため成立する。ただし、本実施例における第2、第3の画像形成部Sb、Scのように、漏れ電流が発生しないことが予めわかっている画像形成部Sでは、実効電流Ir1=Iとして、漏れ電流を算出しなくてもよい。
3.比較検討結果
次に、画像形成ユニットUの装着状態の検知精度を本実施例と比較例2とで比較した結果について説明する。
次に、画像形成ユニットUの装着状態の検知精度を本実施例と比較例2とで比較した結果について説明する。
本実施例では、上述のように、漏れ電流Ilk0に基づいて求めた実効電流値Ir1と判別電流値Ixとの比較を行うことで、画像形成ユニットUの装着状態の判別を行った。これに対し、比較例2では、上述の装着状態検知用の一次転写電圧V1を印加している際に検知される一次転写電流値I0と判別電流値Ixとの比較を行うことで、画像形成ユニットUの装着状態の判別を行った。
表6は、本実施例と比較例2とでの画像形成ユニットUの画像形成部Sへの装着状態の判別試験の結果を示す。本判別試験は、高温・高湿環境(30℃/80%)、低温・低湿環境(15℃/10%)、標準環境(23℃/50%)のそれぞれの環境で行った。また、本判別試験は、中間転写ベルト6として、表面抵抗がρs=1.0×109.5Ω/□、1.0×1010.0Ω/□、1.0×1010.5Ω/□である中間転写ベルト6をそれぞれ用いて行った。そして、本判別試験は、画像形成ユニットUの装着状態で10回、画像形成ユニットUの未装着状態で10回行った。表6中の数値(%)は、その際の判別が正しく行えたかどうかの確率を示している。すなわち、全ての判別に成功した場合には100%であり、10回中2回判別に失敗した場合には数値は80%となる。
表6に示すように、本実施例では、中間転写ベルト6の表面抵抗が上記3水準のいずれの場合でも、全ての試験において画像形成ユニットUの装着状態を正しく判別することができた。
一方、比較例2では、中間転写ベルト6の表面抵抗が相対的に低い場合に、第1、第4の画像形成部Sa、Sdにおいて、装着未装着状態であるにも拘わらず装着状態であると誤って判別される場合があった。また、比較例2では、中間転写ベルト6の表面抵抗が相対的に高い場合に、第1、第4の画像形成部Sa、Sdにおいて、装着状態であるにも拘わらず未装着状態であると誤って判別される場合があった。
以上説明したように、本実施例では、漏れ電流を検知し、その結果を画像形成ユニットUの装着状態の判別に用いることで、中間転写ベルト6の電気抵抗や環境によらずに、装着状態をより正確に判別すことができる。本実施例では、一次転写電流を検知するための電流検知回路によって、別途新しい電流検知回路を設けることなく、漏れ電流を検知することができるので、装置の大型化、装置のコストの上昇を招くことなく、上記の効果を得ることができる。このように、本実施例によれば、簡易な構成で、転写手段に電圧を印加した際の電流を検知することで行う制御の精度を向上することができる。
なお、本実施例では、感光ドラムを有するユニット(画像形成ユニット、像担持体ユニット)が画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であり、そのユニットの装置本体に対する装着状態を判別したが、これに限定されるものではない。画像形成ユニットUに代えて又は加えて、中間転写ベルト6を有するユニット(中間転写ベルトユニット、搬送体ユニット)が画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であり、そのユニットの装置本体に対する装着状態を判別してもよい。像担持体ユニットと搬送体ユニットの両方が画像形成装置の装置本体に対して着脱可能である場合、両ユニットが装着されていることと、いずれか一方が装着されていないことを判別するようにすることができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例では、一次転写電圧を印加した際に中間転写ベルトを介して生じる漏れ電流を検知する場合について説明した。同様に、二次転写電圧を印加した際に中間転写ベルトを介して生じる漏れ電流を検知することができる。上述の実施例の画像形成装置100に即して説明すると、画像形成時に二次転写電源80から二次転写ローラ8に印加する二次転写電圧を決定するために、二次転写部T2においても非画像形成時にATVC制御を行うことがある。この場合、二次転写部T2のATVC制御において漏れ電流が発生すると、上述の実施例における一次転写部T1のATVC制御と同様に、画像形成時に印加する二次転写電圧を適正に調整できなくなることがある。そこで、上述の実施例における一次転写部のATVC制御と同様に、二次転写電流を検知する二次転写電流検知回路81を用いて漏れ電流を検知し、その検知結果に基づいてATVC制御を行うことができる。これにより、簡易な構成で、二次転写電圧の調整制御の精度を向上することができる。
なお、上述の実施例の画像形成装置100では、二次転写部T2において、中間転写ベルト6の内周面に接触する二次転写対向ローラ62を対向電極として、中間転写ベルト6の外周面に接触する接触部材としての二次転写ローラ8に二次転写電圧を印加した。別法として、二次転写部において、中間転写ベルトの外周面に接触する接触部材としての二次転写外ローラを対向電極として、中間転写ベルトの内周面に接触する二次転写内ローラに二次転写電圧を印加してもよい。この場合、二次転写内ローラにはトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加して、中間転写ベルトから記録材にトナー像を二次転写させることができる。この場合も、中間転写ベルトの表面と二次転写外ローラの表面との間の電位差が放電閾値を超える二次転写電圧を二次転写内ローラに印加することで、中間転写ベルトの表面と二次転写外ローラの表面との間に放電が生じる。また、二次転写電圧を二次転写内ローラに印加した場合に、中間転写ベルトを介して漏れ電流が発生することがある。そのため、この場合も、本発明を適用することで、上述と同様の効果を得ることができる。なお、中間転写体の外周面に接触する接触部材は、装置本体に着脱可能とされていてもよい。そして、二次転写電圧を印加した際の漏れ電流を検知することで、実施例3と同様に、中間転写ベルトユニット(搬送体ユニット)、接触部材を有するユニット、又はその両方の装着状態を検知することもできる。
また、上述の実施例では、中間転写方式の画像形成装置を例に説明したが、直接転写方式の画像形成装置にも本発明を適用することができる。図12は、直接転写方式の画像形成装置の要部の模式的な断面図である。図12において、図1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素には同一符号を付している。図12の画像形成装置100は、図1の画像形成装置100における中間転写ベルト6に代えて、記録材担持体としての無端状のベルトで構成された記録材担持ベルト170を有する。記録材担持ベルト170は、転写部において像担持体に接触し、転写部において像担持体からトナー像が転写される記録材を担持する搬送体の一例である。図12の画像形成装置100では、各画像形成部Sで感光ドラム1に形成されたトナー像は、各転写部Tにおいて、各転写ブラシ5に印加される転写電圧の作用によって、記録材担持ベルト170上に担持されて搬送される記録材Pに転写される。このような直接転写方式の画像形成装置100では、画像形成時に転写電源50から転写ブラシ5に印加する転写電圧を決定するために、転写部Tにおいて非画像形成時にATVC制御を行うことがある。この場合、ATVC制御において漏れ電流が発生すると、上述の実施例における一次転写部T1のATVC制御と同様に、画像形成時に印加する転写電圧を適正に調整できなくなることがある。そこで、上述の実施例における一次転写部T1のATVC制御と同様に、転写電流を検知する転写電流検知回路51を用いて漏れ電流を検知し、その検知結果に基づいてATVC制御を行うことができる。これにより、簡易な構成で、転写電圧の調整制御の精度を向上することができる。また、転写電圧を印加した際の漏れ電流を検知することで、実施例3と同様に、画像形成ユニット(像担持体ユニット)、記録材担持ベルトユニット(搬送体ユニット)、又はその両方の装着状態を検知することもできる。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光装置
5 一次転写ブラシ
6 中間転写ベルト
50 一次転写電圧電源
51 一次転写電流検知回路
100 画像形成装置
150 制御部
2 帯電ローラ
3 露光装置
5 一次転写ブラシ
6 中間転写ベルト
50 一次転写電圧電源
51 一次転写電流検知回路
100 画像形成装置
150 制御部
Claims (18)
- トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
転写部において前記像担持体に接触し、前記転写部において前記像担持体からトナー像が転写されるか又は前記転写部において前記像担持体からトナー像が転写される記録材を担持する搬送体と、
前記像担持体から前記搬送体又は前記搬送体に担持された記録材にトナー像を静電的に転写させる転写手段と、
前記転写手段に電圧を印加する電源と、
前記電源から前記転写手段に電圧を印加した際に流れる電流を検知する電流検知手段と、
前記電流検知手段の検知結果に基づいて前記転写のために前記電源から前記転写手段に印加する電圧を制御する制御手段と、
を有する画像形成装置において、
前記制御手段は、前記転写を行う前に、前記電源から前記転写手段に前記像担持体と前記搬送体との間での放電を生じさせない値の第1の電圧を印加した際に流れる第1の電流と、前記電源から前記転写手段に前記放電を生じさせる値の第2の電圧を印加した際に流れる第2の電流と、を前記電流検知手段により検知し、前記転写を行う際は、前記第1の電流と前記第2の電流に基づいて前記転写のために前記電源から前記転写手段に印加する電圧を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記第1の電流に基づいて、前記第2の電流のうち前記像担持体と前記搬送体との間に流れる実効電流を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記第1の電圧をV0、前記第1の電流をIlk0、前記第2の電圧をV、前記第2の電流をI、前記実効電流をIrとしたとき、次式、
Ir=I−V/V0×Ilk0
で表される前記実効電流Irが所定値に近づくように調整した際の前記第2の電圧Vに基づいて、前記転写のために前記電源から前記転写手段に印加する電圧を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
転写部において前記像担持体に接触し、前記転写部において前記像担持体からトナー像が転写されるか又は前記転写部において前記像担持体からトナー像が転写される記録材を担持する搬送体と、
前記像担持体から前記搬送体又は前記搬送体に担持された記録材にトナー像を静電的に転写させる転写手段と、
前記転写手段に電圧を印加する電源と、
前記電源から前記転写手段に電圧を印加した際に流れる電流を検知する電流検知手段と、
前記電流検知手段の検知結果に基づいて前記転写のために前記電源から前記転写手段に印加する電圧を制御する制御手段と、
を有し、
前記像担持体を有し前記搬送体を有していないユニット又は前記搬送体を有し前記像担持体を有していないユニットの少なくとも一方が装置本体に対して着脱可能である画像形成装置において、
前記電源から前記転写手段に前記像担持体と前記搬送体との間での放電を生じさせない値の第1の電圧を印加した際に流れる第1の電流と、前記電源から前記転写手段に前記放電を生じさせる値の第2の電圧を印加した際に流れる第2の電流と、を前記電流検知手段により検知し、前記第1の電流と前記第2の電流に基づいて前記ユニットの前記装置本体に対する装着状態を検知する装着検知手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記装着検知手段は、前記第1の電流に基づいて、前記第2の電流のうち前記像担持体と前記搬送体との間に流れる実効電流を求めることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記装着検知手段は、前記第1の電圧をV0、前記第1の電流をIlk0、前記第2の電圧をV1、前記第2の電流をI、前記実効電流をIr1としたとき、次式、
Ir1=I−V1/V0×Ilk0
で表される前記実効電流Irが所定の閾値より小さい場合に、前記ユニットが前記装置本体に装着されていないことを検知し、該検知結果を報知するための処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記トナー像形成手段は、前記像担持体を所定の極性に帯電させる帯電手段と、前記帯電手段によって帯電させられた前記像担持体を露光して前記像担持体の表面に静電像を形成する露光手段と、前記静電像における前記露光手段によって露光された部分に前記所定の極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、を有し、
前記第1の電流は、前記像担持体の表面における前記帯電手段によって帯電させられた後に前記露光手段によって露光された部分が前記転写部を通過している際に、前記電源から前記転写手段に前記所定の極性とは逆極性の前記第1の電圧を印加した際に検知されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記トナー像形成手段は、前記像担持体を所定の極性に帯電させる帯電手段と、前記帯電手段によって帯電させられた前記像担持体を露光して前記像担持体の表面に静電像を形成する露光手段と、前記静電像における前記露光手段によって露光された部分に前記所定の極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、を有し、
前記第1の電流は、前記像担持体の表面における前記帯電手段によって帯電させられた後に前記露光手段によって露光されていない部分が前記転写部を通過している際に、前記電源から前記転写手段に前記所定の極性と同極性の前記第1の電圧を印加した際に検知されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記搬送体は、複数の支持ローラに支持された無端状のベルトであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記複数の支持ローラの少なくとも一つは電気的に接地されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- トナー像を担持する像担持体と、
一次転写部において前記像担持体からトナー像が転写される中間転写体と、
二次転写部において前記中間転写体から記録材にトナー像を静電的に転写させる二次転写手段であって、前記二次転写部において前記中間転写体のトナー像を担持する側の面に接触する接触部材を備えた二次転写手段と、
前記二次転写手段に電圧を印加する電源と、
前記電源から前記二次転写手段に電圧を印加した際に流れる電流を検知する電流検知手段と、
前記電流検知手段の検知結果に基づいて前記二次転写のために前記電源から前記二次転写手段に印加する電圧を制御する制御手段と、
を有する画像形成装置において、
前記制御手段は、前記二次転写を行う前に、前記電源から前記二次転写手段に前記中間転写体と前記接触部材との間での放電を生じさせない値の第1の電圧を印加した際に流れる第1の電流と、前記電源から前記二次転写手段に前記放電を生じさせる値の第2の電圧を印加した際に流れる第2の電流と、を前記電流検知手段により検知し、前記二次転写を行う際は、前記第1の電流と前記第2の電流に基づいて前記二次転写のために前記電源から前記二次転写手段に印加する電圧を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記第1の電流に基づいて、前記第2の電流のうち前記中間転写体と前記接触部材との間に流れる実効電流を求めることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記第1の電圧をV0、前記第1の電流をIlk0、前記第2の電圧をV、前記第2の電流をI、前記実効電流をIrとしたとき、次式、
Ir=I−V/V0×Ilk0
で表される前記実効電流Irが所定値に近づくように調整した際の前記第2の電圧Vに基づいて、前記二次転写のために前記電源から前記二次転写手段に印加する電圧を制御することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。 - トナー像を担持する像担持体と、
一次転写部において前記像担持体からトナー像が転写される中間転写体と、
二次転写部において前記中間転写体から記録材にトナー像を静電的に転写させる二次転写手段であって、前記二次転写部において前記中間転写体のトナー像を担持する側の面に接触する接触部材を備えた二次転写手段と、
前記二次転写手段に電圧を印加する電源と、
前記電源から前記二次転写手段に電圧を印加した際に流れる電流を検知する電流検知手段と、
前記電流検知手段の検知結果に基づいて前記二次転写のために前記電源から前記二次転写手段に印加する電圧を制御する制御手段と、
を有し、
前記中間転写体を有し前記接触部材を有していないユニット又は前記接触部材を有し前記中間転写体を有していないユニットの少なくとも一方が装置本体に対して着脱可能である画像形成装置において、
前記電源から前記二次転写手段に前記中間転写体と前記接触部材との間での放電を生じさせない値の第1の電圧を印加した際に流れる第1の電流と、前記電源から前記二次転写手段に前記放電を生じさせる値の第2の電圧を印加した際に流れる第2の電流と、を前記電流検知手段により検知し、前記第1の電流と前記第2の電流に基づいて前記ユニットの前記装置本体に対する装着状態を検知する装着検知手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記装着検知手段は、前記第1の電流に基づいて、前記第2の電流のうち前記中間転写体と前記接触部材との間に流れる実効電流を求めることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
- 前記装着検知手段は、前記第1の電圧をV0、前記第1の電流をIlk0、前記第2の電圧をV1、前記第2の電流をI、前記実効電流をIr1としたとき、次式、
Ir1=I−V1/V0×Ilk0
で表される前記実効電流Irが所定の閾値より小さい場合に、前記ユニットが前記装置本体に装着されていないことを検知し、該検知結果を報知するための処理を実行することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。 - 前記中間転写体は、複数の支持ローラに支持された無端状のベルトであることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記複数の支持ローラの少なくとも一つは電気的に接地されていることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2014244531A JP2016109745A (ja) | 2014-12-02 | 2014-12-02 | 画像形成装置 |
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2014
- 2014-12-02 JP JP2014244531A patent/JP2016109745A/ja active Pending
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