JP2016108856A - 結露防止材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、発生した結露を吸水するための結露吸水テープが種々提案されている。
本発明の主たる目的は、結露や湿気により発生するカビを抑制することができる、人や環境に優しい結露防止材及びその製造方法を提供することである。
この発明の請求項2にかかる結露防止材においては、シート状基材は、強酸性又はアルカリ性でない不織布であって、微生物を微生物の栄養源となる有機物とともに生存させるに適する微細な孔を備える、請求項1に記載の結露防止材である。
この発明の請求項3にかかる結露防止材においては、微生物は、バチルススパリカス(Bacillus sphaericus)微生物菌、バチルスサブチルス(Bacillus subtilis)微生物菌、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)微生物菌等のカビ予防効果を有するバチルス菌であって、水分が20%以上、酸素の存在、温度10〜65℃の範囲の活動環境条件から外れると、殻の固い胞子を形成して休眠状態となって、シート状基材において生存し、結露水を吸収したときにシート状基材において活動する、請求項1又は請求項2に記載の結露防止材である。
この発明の請求項4にかかる結露防止材の製造方法は、微生物を担持したシート状基材と、該シート状基材を結露を防ぐ必要のあるものに添設するための貼付手段とを備える結露防止材の製造方法であって、(一)微生物を生存させるに適する孔を有し、1〜6mmの厚さを備える帯状であり、且つ、微生物を含侵又は塗布するときに水分を含み、結露を防ぐ必要のあるものに添設される前に乾燥して微生物を休眠させ、結露を防ぐ必要のあるものに添設したときに結露水を吸収して微生物を活性化させてカビ及び/又は臭いの元になる物質を分解してその発生を防ぐように形成されたシート状基材に、微生物を含侵して又は塗布して若しくは噴霧して、微生物を担持させるステップと、(二)シート状基材を結露を防ぐ必要のあるものに添設するための貼付手段を、前記微生物を担持したシート状基材に形成するステップとを有する、結露防止材の製造方法である。
請求項2の発明によれば、シート状基材は、強酸性又はアルカリ性でない不織布であって、微生物を微生物の栄養源となる有機物とともに生存させるに適する微細な孔を備えるので、結露や湿気により発生するカビを抑制することができる、人や環境に優しい結露防止材を提供することをできる。
請求項3の発明によれば、微生物は、バチルススパリカス(Bacillus sphaericus)微生物菌、バチルスサブチルス(Bacillus subtilis)微生物菌、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)微生物菌等のカビ予防効果を有するバチルス菌であって、水分が20%以上、酸素の存在、温度10〜65℃の範囲の活動環境条件から外れると、殻の固い胞子を形成して休眠状態となって、シート状基材において生存し、結露水を吸収したときにシート状基材において活動するので、結露防止のために使用しないときは、微生物が休眠状態で生存し、結露防止のために使用したときは、抗カビ予防効果を奏する。
請求項4の発明によれば、微生物を担持したシート状基材と、該シート状基材を結露を防ぐ必要のあるものに添設するための貼付手段とを備える結露防止材の製造方法であって、(一)微生物を生存させるに適する孔を有し、1〜6mmの厚さを備える帯状であり、且つ、微生物を含侵又は塗布するときに水分を含み、結露を防ぐ必要のあるものに添設される前に乾燥して微生物を休眠させ、結露を防ぐ必要のあるものに添設したときに結露水を吸収して微生物を活性化させてカビ及び/又は臭いの元になる物質を分解してその発生を防ぐように形成されたシート状基材に、微生物を含侵して又は塗布して若しくは噴霧して、微生物を担持させるステップと、(二)シート状基材を結露を防ぐ必要のあるものに添設するための貼付手段を、前記微生物を担持したシート状基材に形成するステップとを有しているので、結露や湿気により発生するカビを抑制することができる、人や環境に優しい結露防止材を提供することをできる。
シート状基材12は、微生物を生存させるに適する孔を有し、2〜6mmの厚さを備える帯状であり、且つ、微生物を含侵又は塗布するときに水分を含み、結露を防ぐ必要のあるものに添設される前に乾燥して微生物を休眠させ、結露を防ぐ必要のあるものに添設したときに結露水を吸収して微生物を活性化させてカビ及び/又は臭いの元になる物質を分解してその発生を防ぐように形成されている。
微生物は、シート状基材12に含侵するか、塗布するか又は噴霧することによって、シート状基材12に担持されている。
シート状基材12は、例えば、レーヨン・ポリエステル、アクリル・ポリエチレン等の不織布を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
貼付手段14は、シート状基材12において微生物を微生物の栄養源となる有機物とともに生存させるに適するものである。貼付手段14の表面には、両面テープ等からなる貼付手段14の保護をする剥離紙18が仮着されている。結露防止材10を使用するときは、剥離紙18を剥がして窓ガラス等の被貼着体100に、結露防止材10を貼着する。
また、必要に応じて水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク等の無機質添加剤を添加し毛細管現象による透湿性を付与してもよい。
吸湿時の耐水性を考慮すると、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂やゴム系樹脂に代表されるホットメルト型接着剤、あるいは、エポキシ系樹脂やウレタン系樹脂の代表される反応型接着剤を用いるとよい。
貼付手段14は、シート状基材12の裏面に全面に亘って粘着剤(感圧型接着剤)層が形成されるが、散点状ないし格子状や碁盤目状、ストライプ状等のパターン状に形成してもよい。
つくり方は、大きく分けると乾式法と湿式法、又は長繊維タイプと単繊維タイプがある。
吸水性を有するレーヨン・ポリエステル、アクリル・ポリエステルが、シート状基材12として選択される。
シート状基材12の厚さは、1〜4mmである。
シート状基材12の孔の大きさは、微生物が1μm〜3μmなので、その大きさに近い大きさが適している。
シート状基材12の吸水率は、9〜33g/cm2である。
この装飾層16の構成要素としては、まず第1に印刷絵柄層、第2にエンボス版等を用いて形成される凹凸模様などを挙げることができ、これらの構成要素は単独あるいは組み合わせて用いることができる。
装飾層16は、シート状基材12において、微生物を微生物の栄養源となる有機物とともに生存させるに適するものである。
特に前記印刷絵柄層が全面ベタ柄からなる場合には、インキのビヒクルとしては、たとえば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂の1種ないし2種以上からなるものを用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものが好適である。なお、前記印刷絵柄層が部分的な場合には、透湿性については考慮する必要がなく、自然環境に優しい点のみに考慮したビヒクルを用いればよい。
これらの微生物菌は、公知の物であり、土壌、海水、淡水性堆積物中、食物などから容易に培養することができる。しかも、これらの微生物菌は、環境や人体に安全なものであり、これらを使用する抗カビ材も、極めて安全性の高い材料として提供することが可能となる。
抗カビ材であるBB菌は、保存中の菌数の変化を測定すると、常温のまま保存した場合、5ヶ月間経過しても菌数に変化はなく、5ヶ月間の長期保存が可能である。
抗カビ処理液を溜めた容器の中に、シート状基材12を構成する不織布を浸漬し、その後乾燥させて、結露防止材10を製造した。
バチルス菌をシート状基材12に担持させる方法としては、抗カビ処理液を塗布するか噴霧して、バチルス菌をシート状基材12を構成する不織布に担持させる方法もある。
試料から縦1cm×横1cmの1cm2正方形を採取し試験片とした。試験片は、レーヨン・ポリエステルの不織布であって、厚型(厚さ4mm)と、薄型(厚さ1mm)の2種とした。
尚、試験片は滅菌換作を行わず無菌的に取り扱った。試験菌をPDA培地上で培養した後、約1×106個/mlに調製したものを試験菌液とした。PDA培地(薬剤無添加)10mlあたり試験菌液0.1mlの割合で混釈し、その中央に試験片を乗せ、試験片の上から試験片1cm2あたり滅菌水を厚型0.3ml、薄型0.1ml滴下した。室温で乾燥させた後、25℃で10日間培養し、試験片の周囲にできた発育阻止帯の有無を確認した。
また、バイオ不織布薄型は白色面を上にして試験に供した。
供試カビ菌:Cladosporium cladosporioides NBRC 6348
試験結果を以下に示す。
試験結果より、本発明である結露防止材はカビの繁殖抑制効果があることが理解される。
(I)厚み :薄型1mm 厚型4mm
(II)吸水量:薄型9〜10g/cm2 厚型30〜31g/cm2 (実測値)
(III)規格(重さ):90〜110g/m2 厚型320〜380g/m2
薄型のシート状基材12の規格(重さ)は、不織布の重さが、90g/m2未満のときは、結露水を吸収しきれず、水が垂れることがある。110g/m2を超えるときは、不織布の目が詰まってくるので、結露水を蓄える量が少なくなる。
厚型のシート状基材12の規格(重さ)は、不織布の重さが、320g/m2未満のときは、結露水を吸収しきれず、水が垂れることがある。380g/m2を超えるときは、不織布の目が詰まってくるので、結露水を蓄える量が少なくなる。
そして、結露防止材10を貼付手段14によって窓ガラス等に張着し、シート状基材12が結露した水を吸収したときに、シート状基材12に存在するバチルス菌は活動を開始する。
まず、シート状基材12を構成する不織布に、微生物を付着させる。不織布の表面には、予め、装飾層16が形成されている。
不織布に微生物と養分とを含侵させる方法としては、例えば、次のような方法がある。
精製水と微生物を混在した抗カビ処理液とを溜めた槽を準備する。
シート状基材12を構成する帯状の不織布を、槽に溜められた抗カビ処理液内に漬けて、次に乾燥ゾーンに送る。
乾燥ゾーンでは、バチルス菌の生存率を最適にするために145〜155℃の温度で加熱して、シート状基材12を構成する不織布にある水分を蒸発させる。
乾燥した状態になったシート状基材12を構成する不織布は、微生物が養分とともに、その孔内に付着し担持されている。
バチルス菌をシート状基材12に担持させる方法としては、抗カビ処理液を塗布するか噴霧して、バチルス菌をシート状基材12を構成する不織布に担持させる方法もある。
粘着剤層は、シート状基材12を構成する不織布の離面に貼着され、剥離紙18は、不織布に仮着された状態となる。
シート状基材12を構成する不織布は、剥離紙18を内側にして、適宜ロール状に巻かれる。
更に、ロール状に巻かれたシート状基材12は、使用前に微生物が水分等に接触して活性化しないように、包装フィルム等で、包む。
12 シート状基材
14 貼付手段
16 装飾層
18 剥離紙
100 被貼着体
Claims (4)
- 微生物を担持したシート状基材と、該シート状基材を結露を防ぐ必要のあるものに添設するための貼付手段とを備え、
シート状基材は、
微生物を生存させるに適する孔を有し、1〜6mmの厚さを備える帯状であり、且つ、微生物を含侵又は塗布するときに水分を含み、結露を防ぐ必要のあるものに添設される前に乾燥して微生物を休眠させ、結露を防ぐ必要のあるものに添設したときに結露水を吸収して微生物を活性化させてカビ及び/又は臭いの元になる物質を分解してその発生を防ぐように形成された、結露防止材。 - シート状基材は、強酸性又はアルカリ性でない不織布であって、微生物を微生物の栄養源となる有機物とともに生存させるに適する微細な孔を備える、請求項1に記載の結露防止材。
- 微生物は、バチルススパリカス(Bacillus sphaericus)微生物菌、バチルスサブチルス(Bacillus subtilis)微生物菌、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)微生物菌等のカビ予防効果を有するバチルス菌であって、水分が20%以上、酸素の存在、温度10〜65℃の範囲の活動環境条件から外れると、殻の固い胞子を形成して休眠状態となって、シート状基材において生存し、結露水を吸収したときにシート状基材において活動する、請求項1又は請求項2に記載の結露防止材。
- 微生物を担持したシート状基材と、該シート状基材を結露を防ぐ必要のあるものに添設するための貼付手段とを備える結露防止材の製造方法であって、
(一)微生物を生存させるに適する孔を有し、1〜6mmの厚さを備える帯状であり、且つ、微生物を含侵又は塗布するときに水分を含み、結露を防ぐ必要のあるものに添設される前に乾燥して微生物を休眠させ、結露を防ぐ必要のあるものに添設したときに結露水を吸収して微生物を活性化させてカビ及び/又は臭いの元になる物質を分解してその発生を防ぐように形成されたシート状基材に、
微生物を含侵して又は塗布して若しくは噴霧して、微生物を担持させるステップと、
(二)シート状基材を結露を防ぐ必要のあるものに添設するための貼付手段を、前記微生物を担持したシート状基材に形成するステップとを有する、結露防止材の製造方法。
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