JP2016108684A - 炭素繊維スライバの製造方法及び製造装置、並びに炭素繊維紡績糸の製造方法 - Google Patents

炭素繊維スライバの製造方法及び製造装置、並びに炭素繊維紡績糸の製造方法 Download PDF

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芳輝 金田
Yoshiteru Kaneda
芳輝 金田
及川 和彦
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Abstract

【課題】炭素繊維高混率のスライバひいては紡績糸を歩留りよく得ることができる炭素繊維スライバの製造方法を提供する。【解決手段】本方法は、炭素繊維を含むスライバを製造する方法であって、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿Mをカード機3に投入して帯状のフリースFを形成するフリース形成工程と、束状の炭素繊維C1を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、フリースFの表面に開繊された炭素繊維C2を供給する炭素繊維供給工程と、炭素繊維C2が供給されたフリースFをカード機7に投入してスライバSを形成するスライバ形成工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維スライバの製造方法及び製造装置、並びに炭素繊維紡績糸の製造方法に関し、さらに詳しくは、炭素繊維高混率のスライバひいては紡績糸を歩留りよく得ることができる炭素繊維スライバの製造方法及び製造装置、並びに炭素繊維紡績糸の製造方法に関する。
従来の炭素繊維スライバの製造方法として、炭素繊維と合成繊維及び/又は天然繊維とを混綿し開繊することにより原料綿とし、この原料綿をカード機に投入してフリース状とした直後にスライバを形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、混打綿機のスパイクで繊維塊をたたいて開繊して原料綿を得ることが開示されている。さらに、特許文献1には、得られたスライバからオープンエンド精紡機を用いて紡績糸を紡出することが開示されている。
特開平08−158170号公報
ここで、炭素繊維は、通常、クリンプ(捲縮)が無い。しかしながら、上記従来の炭素繊維スライバの製造方法では、混打綿機のスパイクで炭素繊維をたたいて開繊しているので、炭素繊維の多くが混打綿機のスパイクに掛かり難く、開繊不足となる。また、原料綿をカード機に投入しても、炭素繊維の多くがテーカインローラのワイヤー針に引っ掛かり難く、下に落ちてしまう。よって、現状では、炭素繊維高混率のスライバひいては紡績糸を歩留りよく得ることができていない。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、炭素繊維高混率のスライバひいては紡績糸を歩留りよく得ることができる炭素繊維スライバの製造方法及び製造装置、並びに炭素繊維紡績糸の製造方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、炭素繊維を含むスライバを製造する方法であって、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿をカード機に投入して帯状のフリースを形成するフリース形成工程と、束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、前記フリースの表面に開繊された前記炭素繊維を供給する炭素繊維供給工程と、前記炭素繊維が供給された前記フリースをカード機に投入してスライバを形成するスライバ形成工程と、を備えることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記炭素繊維が供給された前記フリースを該炭素繊維を包むように折り重ねるフリース折重ね工程を備え、前記スライバ形成工程では、折り重ねられた前記フリースを前記カード機に投入することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記炭素繊維が供給された前記フリースに該炭素繊維を包むように他のフリースを積層するフリース積層工程を備え、前記スライバ形成工程では、前記他のフリースが積層された前記フリースを前記カード機に投入することを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項4に記載の発明は、炭素繊維を含むスライバを製造する装置であって、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿が投入されて帯状のフリースを形成する第1カード機と、束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊手段と、前記フリースの表面に開繊された前記炭素繊維を供給する炭素繊維供給手段と、前記炭素繊維が供給された前記フリースが投入されてスライバを形成する第2カード機と、を備えることを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項5に記載の発明は、炭素繊維を含む紡績糸を製造する方法であって、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿をカード機に投入して帯状のフリースを形成するフリース形成工程と、束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、前記フリースの表面に開繊された前記炭素繊維を供給する炭素繊維供給工程と、前記炭素繊維が供給された前記フリースをカード機に投入してスライバを形成するスライバ形成工程と、前記スライバを用いて紡績糸を形成する紡績糸形成工程と、を備えることを要旨とする。
本発明の炭素繊維スライバの製造方法によると、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿をカード機に投入して帯状のフリースを形成するフリース形成工程と、束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、フリースの表面に開繊された炭素繊維を供給する炭素繊維供給工程と、炭素繊維が供給されたフリースをカード機に投入してスライバを形成するスライバ形成工程と、を備える。このように、開繊された炭素繊維が表面に供給されたフリースをカード機に投入することで、十分に予備開繊された炭素繊維がカード機のワイヤー針に引っ掛かり易くなる。よって、炭素繊維高混率のスライバひいては紡績糸を歩留りよく得ることができる。
また、前記炭素繊維が供給された前記フリースを該炭素繊維を包むように折り重ねるフリース折重ね工程を備え、前記スライバ形成工程では、折り重ねられた前記フリースを前記カード機に投入する場合は、フリースで炭素繊維が包まれているので、フリースから炭素繊維が落ちに難く、炭素繊維がカード機のワイヤー針に更に引っ掛かり易くなる。
さらに、前記炭素繊維が供給された前記フリースに該炭素繊維を包むように他のフリースを積層するフリース積層工程を備え、前記スライバ形成工程では、前記他のフリースが積層された前記フリースを前記カード機に投入する場合は、フリースで炭素繊維が包まれているので、フリースから炭素繊維が落ちに難く、炭素繊維がカード機のワイヤー針に更に引っ掛かり易くなる。
本発明の炭素繊維スライバの製造装置によると、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿が投入されて帯状のフリースを形成する第1カード機と、束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊手段と、フリースの表面に開繊された炭素繊維を供給する炭素繊維供給手段と、炭素繊維が供給されたフリースが投入されてスライバを形成する第2カード機と、を備える。このように、開繊された炭素繊維が表面に供給されたフリースをカード機に投入することで、十分に予備開繊された炭素繊維がカード機のワイヤー針に引っ掛かり易くなる。よって、炭素繊維高混率のスライバひいては紡績糸を歩留りよく得ることができる。
本発明の炭素繊維紡績糸の製造方法によると、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿をカード機に投入して帯状のフリースを形成するフリース形成工程と、束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、フリースの表面に開繊された炭素繊維を供給する炭素繊維供給工程と、炭素繊維が供給されたフリースをカード機に投入してスライバを形成するスライバ形成工程と、スライバを用いて紡績糸を形成する紡績糸形成工程と、を備える。このように、開繊された炭素繊維が表面に供給されたフリースをカード機に投入することで、十分に予備開繊された炭素繊維がカード機のワイヤー針に引っ掛かり易くなる。よって、炭素繊維高混率のスライバひいては紡績糸を歩留りよく得ることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係る炭素繊維スライバの製造装置の全体模式図である。 図1のII矢視部の拡大図である。 図2のIII矢視部の拡大図である。 図2の要部断面拡大図であり、(a)はa−a線断面を示し、(b)b−b線断面を示す。 実施例に係る炭素繊維スライバの製造方法を説明するための説明図であり、(a)は開繊前の束状の炭素繊維を示し、(b)は開繊済みの炭素繊維を示す。 上記炭素繊維スライバの製造方法を説明するための説明図であり、(a)はフリース上に炭素繊維が供給された状態を示し、(b)はフリースを折り畳んだ状態を示し、(c)得られたスライバを示す。 比較例及び実験例に係る炭素繊維スライバの製造方法を説明するための説明図であり、(a)は比較例2の形態を示し、(b)は実験例1の形態を示し、(c)は実験例2、3の形態を示す。 比較例及び実験例に係る炭素繊維スライバの製造方法による結果を示す表である。 その他の形態に係る炭素繊維スライバの製造装置の要部模式図である。 図9のX−X線断面拡大図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
<炭素繊維スライバの製造方法>
本実施形態に係る炭素繊維スライバの製造方法は、炭素繊維を含むスライバを製造する方法であって、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿(M)をカード機(3)に投入して帯状のフリース(F)を形成するフリース形成工程と、束状の炭素繊維(C1)を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、フリース(F)の表面に開繊された炭素繊維(C2)を供給する炭素繊維供給工程と、炭素繊維(C2)が供給されたフリース(F)をカード機(7)に投入してスライバ(S)を形成するスライバ形成工程と、を備える(例えば、図1等参照)。
上記炭素繊維開繊工程では、例えば、ベルト、ローラ、ブラシ等の開繊部材(4)を束状の炭素繊維(C1)に接触させることで束状の炭素繊維を開繊してもよいし(例えば、図2及び図3等参照)、エア等の流体を束状の炭素繊維に吹き付けることで束状の炭素繊維を開繊してもよいし、マニピュレータや人手により束状の炭素繊維を開繊してもよい。また、上記炭素繊維供給工程では、例えば、供給コンベア(5)により炭素繊維(C2)をフリース(F)の表面に供給してもよいし(例えば、図1等参照)、炭素繊維を自重やエア供給により搬送通路を通過させてフリースの表面に供給してもよいし、マニピュレータや人手により炭素繊維をフリースの表面に供給してもよい。
本実施形態に係る炭素繊維スライバの製造方法としては、例えば、上記炭素繊維(C2)が供給されたフリース(F)を炭素繊維(C2)を包むように折り重ねるフリース折重ね工程を備え、スライバ形成工程では、折り重ねられたフリース(F)をカード機(7)に投入する形態(例えば、図1等参照)を挙げることができる。上記フリース折重ね工程では、例えば、フリース(F)の送り経路に配される折重ねガイド(6)によりフリースを折り重ねてもよいし(例えば、図2等参照)、マニピュレータや人手によりフリースを折り重ねてもよい。
本実施形態に係る炭素繊維スライバの製造方法としては、例えば、上記炭素繊維(C2)が供給されたフリース(F)に炭素繊維(C2)を包むように他のフリース(F’)を積層するフリース積層工程を備え、スライバ形成工程では、他のフリース(F’)が積層されたフリース(F)をカード機(7)に投入する形態(例えば、図9等参照)を挙げることができる。上記フリース積層工程では、例えば、コイル状に巻き取られた他のフリース(F’)をローラ、ガイド等の案内部材(29)の案内でフリース上に積層してもよいし、カード機で形成された他のフリースをローラ、ガイド等の案内部材の案内でフリース上に直接積層してもよい。
本実施形態に係る炭素繊維スライバの製造方法としては、例えば、上記スライバ中の炭素繊維の重量(w1)とフリースに供給される炭素繊維の重量(w2)との比(w1/w2)は0.5〜1.0(好ましくは0.7〜0.95、特に0.8〜0.95)である形態(例えば、図8等参照)を挙げることができる。これにより、炭素繊維高混率のスライバひいては紡績糸を更に歩留りよく得ることができる。なお、この点は、以下の他の実施形態においても同様に適用される。
本実施形態に係る炭素繊維スライバの製造方法としては、例えば、上記スライバ中の炭素繊維の重量(w1)とスライバの重量(w3)との比(w1/w3)は0.4〜0.7(好ましくは0.45〜0.60、特に0.45〜0.55)である形態(例えば、図8等参照)を挙げることができる。これにより、高強度で且つ加工性に優れたスライバひいては紡績糸を得ることができる。なお、この点は、以下の他の実施形態においても同様に適用される。
なお、上記合成繊維としては、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、レーヨン等を用いることができる。また、上記天然繊維としては、例えば、綿、麻、ケナフ、羊毛、絹等を用いることができる。この合成繊維又は天然繊維は、単独で又は混合して混綿することができる。また、上記炭素繊維としては、例えば、パン系、ピッチ系等を用いることができる。また、上記束状の炭素繊維は、例えば、多数の短繊維(例えば、長さ;5〜15cm等)を束ねてなることができる。また、上記カード機としては、例えば、フラットカード機、ローラカード機を用いることができる。これらの点は、以下の他の実施形態においても同様に適用される。
<炭素繊維スライバの製造装置>
本実施形態に係る炭素繊維スライバの製造装置は、炭素繊維を含むスライバを製造する装置(1)であって、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿(M)が投入されて帯状のフリース(F)を形成する第1カード機(3)と、束状の炭素繊維(C1)を揉み解して開繊する炭素繊維開繊手段(4)と、フリース(F)の表面に開繊された炭素繊維(C2)を供給する炭素繊維供給手段(5)と、炭素繊維(C2)が供給されたフリース(F)が投入されてスライバ(S)を形成する第2カード機(7)と、を備える(例えば、図1等参照)。
上記炭素繊維開繊手段は、例えば、束状の炭素繊維(C1)に接触することで束状の炭素繊維を開繊するベルト、ローラ、ブラシ等の開繊部材(4)であってもよいし(例えば、図2及び図3等参照)、エア等の流体を束状の炭素繊維に吹き付けることで束状の炭素繊維を開繊する流体吹付機構であってもよいし、束状の炭素繊維を開繊するマニピュレータであってもよい。また、上記炭素繊維供給手段は、例えば、炭素繊維(C2)をフリース(F)の表面に供給する供給コンベア(5)であってもよいし(例えば、図1等参照)、炭素繊維を自重やエア供給により通過させてフリースの表面に供給する搬送通路であってもよいし、炭素繊維をフリースの表面に供給するマニピュレータであってもよい。
本実施形態に係る炭素繊維スライバの製造装置としては、例えば、上記炭素繊維(C2)が供給されたフリース(F)を炭素繊維(C2)を包むように折り重ねるフリース折重ね手段(6)を備え、第2カード機(7)には、折り重ねられたフリース(F)が投入される形態(例えば、図1等参照)を挙げることができる。上記フリース折重ね手段は、例えば、フリース(F)の送り経路に配される折重ねガイド(6)であってもよいし(例えば、図2等参照)、フリースを折り重ねるマニピュレータであってもよい。
本実施形態に係る炭素繊維スライバの製造装置としては、例えば、上記炭素繊維(C2)が供給されたフリース(F)に炭素繊維(C2)を包むように他のフリース(F’)を積層するフリース積層手段(29)を備え、第2カード機(7)には、他のフリース(F’)が積層されたフリース(F)が投入される形態(例えば、図9等参照)を挙げることができる。上記フリース積層手段は、例えば、コイル状に巻き取られた他のフリース(F’)をフリース(F)上に積層するように案内するローラ、ガイド等の案内部材(29)であってもよいし、カード機で形成された他のフリースをフリース上に直接的に積層するように案内するローラ、ガイド等の案内部材であってもよい。
<炭素繊維紡績糸の製造方法>
本実施形態に係る炭素繊維紡績糸の製造方法は、炭素繊維を含む紡績糸を製造する方法であって、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿(M)をカード機(3)に投入して帯状のフリース(F)を形成するフリース形成工程と、束状の炭素繊維(C1)を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、フリース(F)の表面に開繊された炭素繊維(C2)を供給する炭素繊維供給工程と、炭素繊維(C2)が供給されたフリース(F)をカード機(7)に投入してスライバ(S)を形成するスライバ形成工程と、スライバ(S)を用いて紡績糸を形成する紡績糸形成工程と、を備える(例えば、図1等参照)。なお、本実施形態に係る炭素繊維紡績糸の製造方法としては、例えば、上記実施形態に係る炭素繊維スライバの製造方法で説明した構成を適用できる。
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)炭素繊維スライバの製造装置の構成
本実施例に係る炭素繊維スライバの製造装置1は、図1に示すように、混綿機2、第1カード機3、開繊ベルト4(本発明に係る「炭素繊維開繊手段」として例示する。)、供給コンベア5(本発明に係る「炭素繊維供給手段」として例示する。)、折重ねガイド6(本発明に係る「フリース折重ね手段」として例示する。)、及び第2カード機7を備えている。
上記混綿機2は、ホッパーフィーダ10及び秤量器11を備えている。このホッパーフィーダ10は、合成繊維及び/又は天然繊維からなる原料綿Mを掻き上げるスパイクドラチス10aを備えている。このスパイクドラチス10aで掻き上げられた原料綿Mが秤量器11に投入され、一定量に達すると第1カード機3を構成する後述のフィードラチスに送られる。
上記第1カード機3は、混綿機2の下流側に配されている。この第1カード機3は、原料綿Mが投入されて帯状のフリースF(すなわち、薄いシート状の繊維群)を形成する。具体的に、第1カード機3は、フィードラチス13と、フィードラチス13上の原料綿Mを上流側へ送るフィードローラ14と、フィードローラ14からの原料綿Mを表面に植設されたワイヤー針で掻き取るテーカイン15と、テーカイン15との表面速度の差により表面に植設されたワイヤー針でテーカイン15の繊維を受け取ると共にウオーカローラ16との間で繊維を梳ずるシリンダ17と、シリンダ17で梳ずられた繊維を受け取ってフリースFとして取り出すドッファ18と、を備えている。
上記開繊ベルト4及び供給コンベア5は、第1カード機3の下流側に配されている。この開繊ベルト4は、図2及び図3に示すように、所定の送り方向Dに送られるフリースFの上方で送り方向Dと交差(略直交)する方向に周回可能に設けられている。また、供給コンベア5は、開繊ベルト4の下方で且つフリースFの上方の位置で送り方向Dに周回可能に設けられている。また、供給コンベア5の上流側上面には、束状の炭素繊維C1(例えば、約7cmの短繊維が多数束ねられたもの:図5(a)参照)が供給される。そして、開繊ベルト4の正逆周回により、開繊ベルト4の下面が供給コンベア5上の束状の炭素繊維C1に接触することで、束状の炭素繊維C1が揉み解されてバラバラに開繊されて開繊済み炭素繊維C2(図5(b)参照)とされる。さらに、供給コンベア5の周回により、その下流側上面からフリースFの表面に開繊された炭素繊維C2が供給される。なお、供給コンベア5の下方には、フリースFを送るための送りコンベア19が周回可能に設けられている(図3参照)。
上記折重ねガイド6は、供給コンベア5の下流側でフリースFの送り経路に配されている(図1参照)。この折重ねガイド6は、図2及び図4に示すように、送り方向Dに送られるフリースFの両サイド側を案内するガイド部6aを備えている。このガイド部6aの案内によって、フリースFは、その両サイド側が炭素繊維C2を包むように折り重ねられる。
上記第2カード機7は、図1に示すように、折重ねガイド6の下流側に配されている。この第2カード機7は、フリースFが投入されてロープ状のスライバSを形成する。具体的に、第2カード機7は、フリースFを送るフィードローラ21と、フィードローラ21からのフリースFを表面に植設されたワイヤー針で掻き取るテーカイン22と、テーカイン22との表面速度の差により表面に植設されたワイヤー針でテーカイン22の繊維を受け取ると共にウオーカローラ23との間で繊維を梳ずるシリンダ24と、シリンダ24で梳ずられた繊維を受け取ってフリースFとして取り出すドッファ25と、ドッファ25から取り出されたフリースFを収束してスライバSを形成するカレンダーローラ26と、を備えている。なお、上記スライバSは、ケンス27内にループ状に堆積される。
(2)炭素繊維スライバの製造方法
次に、上記構成の炭素繊維スライバの製造装置1を用いた炭素繊維スライバの製造方法について説明する。この炭素繊維スライバの製造方法は、以下に述べるフリース形成工程、炭素繊維開繊工程、炭素繊維供給工程、フリース折重ね工程及びスライバ形成工程を備えている。
上記フリース成形工程では、図1に示すように、混綿機2で混綿され開繊された原料綿Mが第1カード機3に投入されて帯状のフリースFが形成される。また、炭素繊維開繊工程では、供給コンベア5の上流側上面に供給された束状の炭素繊維C1が、正逆方向に周回する開繊ベルト4との接触により揉み解されて開繊される。また、炭素繊維供給工程では、開繊された炭素繊維C2が、供給コンベア5の下流端側からフリースF上の中央部に供給される(図6(a)参照)。また、フリース折重ね工程では、折重ねガイド6によりフリースFの両サイド側が案内されて炭素繊維C2を包むように折り重ねられる(図6(b)参照)。さらに、スライバ形成工程では、折り重ねられたフリースFが、第2カード機7に投入されて炭素繊維を含むスライバSが形成される(図6(c)参照)。
なお、第2カード機7で形成された複数本のスライバSを公知の練条機で数倍に延伸して一本のスライバとし、その延伸されたスライバを公知の粗紡機で延伸加撚して紐状の篠とし、その篠を公知の精紡機で延伸加撚することで、炭素繊維を含む紡績糸が得られる。
(3)実施例の効果
本実施例の炭素繊維スライバの製造方法によると、合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿Mをカード機3に投入して帯状のフリースFを形成するフリース形成工程と、束状の炭素繊維C1を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、フリースFの表面に開繊された炭素繊維C2を供給する炭素繊維供給工程と、炭素繊維C2が供給されたフリースFをカード機7に投入してスライバSを形成するスライバ形成工程と、を備える。このように、開繊された炭素繊維C2が表面に供給されたフリースFをカード機7に投入することで、十分に予備開繊された炭素繊維C2がカード機7のワイヤー針に引っ掛かり易くなる。よって、炭素繊維高混率のスライバSひいては紡績糸を歩留りよく得ることができる。
さらに、本実施例では、炭素繊維C2が供給されたフリースFを炭素繊維C2を包むように折り重ねるフリース折重ね工程を備え、スライバ形成工程では、折り重ねられたフリースFをカード機7に投入する。これにより、フリースFで炭素繊維C2が包まれているので、フリースFから炭素繊維C2が落ちに難く、炭素繊維C2がカード機7のワイヤー針に更に引っ掛かり易くなる。
(4)比較例及び実験例について
次に、比較例1、2及び実験例1〜3について説明する。比較例1では、ナイロン(合成繊維)と未開繊の束状の炭素繊維C1(図5(b)参照)との混合綿を混綿機に投入して開繊し、その混合綿をカード機に投入してスライバを得た。また、比較例2では、図7(a)に示すように、ナイロンからなるフリースF上に未開繊の束状の炭素繊維C1を広げて載せ、これをカード機に投入してスライバを得た。また、実験例1では、図7(b)に示すように、ナイロンからなるフリースF上に開繊済みの炭素繊維C2(図5(b)参照)を広げて載せ、これをカード機に投入してスライバを得た。さらに、実験例2、3では、図7(c)に示すように、ナイロンからなるフリースF上に開繊済みの炭素繊維C2を広げて載せ、このフリースFの両サイド側を炭素繊維C2を包むように折り重ね、これをカード機に投入してスライバを得た。なお、実験例1〜3では、人手により炭素繊維C1を開繊してフリースF上に載せた。また、実験例2、3では、人手によりフリースFを折り重ねた。
その結果、図8に示すように、比較例1では、得られたスライバで炭素繊維が殆ど残っていなかった。また、比較例2では、原料投入量とスライバ量とを比べると、炭素繊維の重量比が23%と低く、また炭素繊維の歩留りが11%と低いものであった。これに対して、実験例1では、炭素繊維の重量比が57%と高く、また炭素繊維の歩留りが50%と高いものであった。また、実験例2では、炭素繊維の重量比が66%と高く、また炭素繊維の歩留りが76%と高いものであった。さらに、実験例3では、炭素繊維の重量比が52%と高く、また炭素繊維の歩留りが82%と高いものであった。特に、実験例2、3では、繊維配向が極めて良好で且つ太さムラの極めて少ないスライバが確認された。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、フリースFを炭素繊維C2を包むように折り重ねてカード機7に投入する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、図9及び図10に示すように、フリースF上に炭素繊維C2を包むように他のフリースF’を積層し、この他のフリースF’が積層されたフリースFをカード機7に投入するようにしてもよい。この場合、例えば、コイル状に巻き取られた他のフリースF’を、ローラ、ガイド等の案内部材29の案内でフリースF上に積層できる。なお、他のフリースF’の積層数等は特に問わない。さらに、フリースFの折り重ねと他のフリースF’の積層とを併用してもよい。
また、上記実施例では、フリースFの両方のサイド側を折り重ねて炭素繊維C2を包むようにしたが、これに限定されず、例えば、フリースの片方のサイド側を折り重ねて炭素繊維を包むようにしてもよいし、フリースを送り方向(長手方向)に折り重ねて炭素繊維を包むようにしてもよい。なお、フリースの折重ね回数等は特に問わない。
さらに、上記実施例では、フリース形成工程、炭素繊維開繊工程、フリース折重ね工程(フリース積層工程)、炭素繊維供給工程、及びスライバ形成工程を連続的に行う形態を例示したが、これに限定されず、例えば、各工程のうちの少なくとも1つの工程を他の工程とは独立して行うようにしてもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
炭素繊維を含むスライバを形成する技術として広く利用される。
1;炭素繊維スライバの製造装置、3;第1カード機、4;開繊ベルト、5;供給コンベア、6;折重ねガイド、7;第2カード機、C1;束状の炭素繊維、C2;開繊済みの炭素繊維、F;フリース、F’;他のフリース、M;原料、S;スライバ。

Claims (5)

  1. 炭素繊維を含むスライバを製造する方法であって、
    合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿をカード機に投入して帯状のフリースを形成するフリース形成工程と、
    束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、
    前記フリースの表面に開繊された前記炭素繊維を供給する炭素繊維供給工程と、
    前記炭素繊維が供給された前記フリースをカード機に投入してスライバを形成するスライバ形成工程と、を備えることを特徴とする炭素繊維スライバの製造方法。
  2. 前記炭素繊維が供給された前記フリースを該炭素繊維を包むように折り重ねるフリース折重ね工程を備え、前記スライバ形成工程では、折り重ねられた前記フリースを前記カード機に投入する請求項1記載の炭素繊維スライバの製造方法。
  3. 前記炭素繊維が供給された前記フリースに該炭素繊維を包むように他のフリースを積層するフリース積層工程を備え、前記スライバ形成工程では、前記他のフリースが積層された前記フリースを前記カード機に投入する請求項1又は2に記載の炭素繊維スライバの製造方法。
  4. 炭素繊維を含むスライバを製造する装置であって、
    合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿が投入されて帯状のフリースを形成する第1カード機と、
    束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊手段と、
    前記フリースの表面に開繊された前記炭素繊維を供給する炭素繊維供給手段と、
    前記炭素繊維が供給された前記フリースが投入されてスライバを形成する第2カード機と、を備えることを特徴とする炭素繊維スライバの製造装置。
  5. 炭素繊維を含む紡績糸を製造する方法であって、
    合成繊維及び/又は天然繊維を含む原料綿をカード機に投入して帯状のフリースを形成するフリース形成工程と、
    束状の炭素繊維を揉み解して開繊する炭素繊維開繊工程と、
    前記フリースの表面に開繊された前記炭素繊維を供給する炭素繊維供給工程と、
    前記炭素繊維が供給された前記フリースをカード機に投入してスライバを形成するスライバ形成工程と、
    前記スライバを用いて紡績糸を形成する紡績糸形成工程と、を備えることを特徴とする炭素繊維紡績糸の製造方法。
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