JP2016107654A - 船舶用エンジン及び制御マップ配信サーバ - Google Patents

船舶用エンジン及び制御マップ配信サーバ Download PDF

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Abstract

【課題】国や地域ごとに複雑に異なる環境規制等の事情に応じて適切に稼動させることが可能な船舶用エンジンを提供する。【解決手段】船舶用のエンジン1は、エンジンの回転数と、燃料噴射と、吸気と、排気と、のうち少なくとも1つを規定する制御マップに従って制御を行う。エンジン1は、記憶部22と、稼動位置取得部23と、を備える。記憶部22は、制御マップを記憶する。稼動位置取得部23は、エンジン1の稼動位置を検出する。エンジン1は、稼動位置取得部23によって検出された稼動位置に応じた制御マップを、複数の前記制御マップを記憶している制御マップ配信サーバ100からデータ通信で取得し、取得した制御マップを記憶部22に記憶させることが可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、主として、制御マップに従って制御を行う船舶用エンジンに関する。
従来から、燃料の噴射量や、噴射タイミング等を、予め設定された制御マップに従って制御する構成のエンジンが知られている。特許文献1は、この種のエンジンを開示する。
特許文献1においては、2つの制御マップ(通常マップ及び短時間マップ)を有するエンジンが開示されている。特許文献1のエンジンは、排気ガスの浄化性能を向上させるために、排気ガスの温度に応じて、上記2つの制御マップのうち1つを選択して、選択されたマップに従ってエンジンのインジェクタの通電時間を制御する。
特開2011−12574号公報
ところで、近年、環境保全意識が世界規模で高まっているのに伴い、エンジンの分野でも、一酸化炭素、窒素酸化物、黒煙等の大気汚染物質に関する規制や、騒音に関する規制等が厳格になってきている。
世界各国(各地域)の環境規制は、環境に対する各国政府の理念及び政策や、先進国であるか新興国であるか等の事情に応じて、複雑に異なっている。従って、エンジンを船舶に搭載して世界各地へ出荷する場合、世界各地の環境規制のすべてに適合させようとすると、エンジン本来の性能が大幅に制限されてしまうおそれがある。
また、高地においては、大気圧が平地より低いため、単位体積あたりの空気中の酸素濃度が平地より低い。従って、船舶が高地の湖等で航行するとき、平地と同様の吸気量をエンジンに供給したのでは、酸素が不足し、エンジンの出力や排気エミッション等に影響を及ぼす。
更に、市場に流通している燃料は、産出地や、精製メーカ等の事情により、その成分が地域により異なっている。従って、当該地域で主に流通している燃料成分の地域ごとの特性を考慮してエンジンを制御すると、燃費の向上等の点で有利になると考えられる。
特に、船舶は長距離航行が容易であり、規制や稼動環境の異なる国や地域に移動することも困難ではないため、船舶用エンジンにはきめ細かい対応が求められる。
この点、特許文献1のエンジンにおいて、燃料噴射に関するインジェクタの通電時間の制御のために、排気ガスの温度に応じて2つの制御マップから1つが選択される。しかし、地理的条件に応じた制御を行う点については、特許文献1に何ら開示されていない。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、地理的条件に応じて適切な制御を行うことができる船舶用エンジンを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の船舶用エンジンが提供される。即ち、この船舶用エンジンは、エンジンの回転数と、燃料噴射と、吸気と、排気と、のうち少なくとも1つを規定する制御マップに従って制御を行う。この船舶用エンジンは、記憶部と、稼動位置取得部と、を備える。前記記憶部は、前記制御マップを記憶する。前記稼動位置取得部は、前記船舶用エンジンの稼動位置を検出する。前記船舶用エンジンは、前記稼動位置取得部によって検出された前記稼動位置に応じた前記制御マップを、複数の前記制御マップを記憶している制御マップ配信サーバからデータ通信で取得し、取得した前記制御マップを前記記憶部に記憶させることが可能である。
これにより、地域によって様々に異なる、排気エミッションや騒音に関する環境規制、環境条件、及び流通している燃料等に適合した制御マップを用いてエンジンを制御することができる。
前記の船舶用エンジンにおいては、前記制御マップは、少なくとも前記船舶用エンジンの燃料噴射量及び燃料噴射タイミングを規定していることが好ましい。
これにより、エンジンの稼動位置に応じて異なる制御マップによって燃料の噴射量や噴射タイミングを制御することで、国や地域によって異なる排気エミッション及び騒音の規制に容易に適合させることができる。
前記の船舶用エンジンにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この船舶用エンジンは、前記記憶部に記憶された前記制御マップをカスタマイズ設定することができるカスタマイズ設定部を備える。前記制御マップ配信サーバは、前記制御マップのカスタマイズの制限に関するカスタマイズ制限情報を複数記憶する。前記船舶用エンジンは、前記稼動位置取得部によって検出された前記稼動位置に応じた前記カスタマイズ制限情報を、複数のカスタマイズ制限情報を記憶している前記制御マップ配信サーバから取得し、取得した前記カスタマイズ制限情報を前記記憶部に記憶させることが可能である。前記カスタマイズ設定部は、前記記憶部に記憶されたカスタマイズ制限情報に従って前記制御マップのカスタマイズ設定を許可する。
これにより、制御マップ配信サーバから受信した制御マップを必要に応じてカスタマイズ設定することができる。また、当該制御マップのカスタマイズ設定制限を有することで、エンジンの稼動地域における排気ミッションや騒音等の環境規制に適合しないようなカスタマイズが行われるのを回避することができる。
前記の船舶用エンジンにおいては、前記記憶部には、予め定められた操作を操船者が行った場合、及び、前記船舶用エンジンに所定の異常が発生した場合のうち少なくとも何れかにおいて、前記稼動位置取得部で検出した稼動位置を記憶できることが好ましい。
これにより、過去に特定の操作が行われた場所、又は、エンジンの異常が発生した場所に船が再び近づいたとき、注意すべき場所であることをメッセージ等の形で操船者に知らせることにより、操船者の注意を喚起することができる。
前記の船舶用エンジンにおいては、前記稼動位置取得部は、衛星から発信された電波に基づいて測位を行う測位装置からエンジンの稼動位置を取得することが好ましい。
これにより、海上でも衛星からの電波を良好に受信して測位することができるため、エンジンの稼動位置を正確に把握することができる。
本発明の第2の観点によれば、前記の船舶用エンジンに対して前記制御マップをデータ通信で配信することを特徴とする制御マップ配信サーバが提供される。
これにより、エンジンの制御マップを記憶する制御マップ配信サーバがエンジンと別途に設けられているので、エンジン側の記憶部の容量に制限されず、制御マップ配信サーバの記憶媒体に多数の制御マップを記憶して、エンジンの稼動位置に応じて切り替えて使用することができる。また、複数のエンジンの制御マップを制御マップ配信サーバで集中的に管理することができる。
本発明の一実施形態に係る船舶用エンジンの構成を示す模式図。 エンジンの制御に関する構成を示すブロック図。 本実施形態のエンジンにおいて制御マップを更新する処理を示すフローチャート。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る船舶用のエンジン1の構成を示す模式図である。
最初に、エンジン1の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態のエンジン1は、船舶用のエンジン(インボードエンジン)であり、コモンレール式の燃料噴射装置を有するディーゼルエンジンとして構成されている。このエンジン1は、回転数、燃料の噴射、排気、及び吸気を、予め規定された制御マップに従って制御するように構成されている。
エンジン1は、エンジン本体50と、ECU(エンジンコントロールユニット、エンジン制御装置)20と、を備える。
エンジン本体50において、外部から空気を吸入する吸入部は、エアクリーナ51と、過給機52と、吸気管53と、インタークーラ54と、吸気弁32と、吸気マニホールド56と、を備えている。
エアクリーナ51は、外部から吸入した空気に含まれる粉塵等を取り除いて、過給機52に供給する。
過給機52は、図1に示すように、タービンホイール52a及びコンプレッサホイール52bを備える。タービンホイール52aは、排気ガスを利用して回転するように構成されている。コンプレッサホイール52bは、タービンホイール52aと同じシャフト52cに接続されており、タービンホイール52aの回転に伴って回転する。このようにコンプレッサホイール52bが回転することにより、空気を圧縮して強制的に吸気を行うことができる。
吸気管53は、過給機52と、インタークーラ54と、を接続している。吸気管53に流れた吸気は、インタークーラ54により冷却される。インタークーラ54は、過給機52によって吸入され、圧縮された空気を、船外から取り入れた水(本実施形態では、海水)との熱交換によって冷却する。
インタークーラ54によって冷却された空気は、吸気弁32を介して吸気マニホールド56へ供給される。吸気弁32は、ECU20からの制御指令に従って開度を調節することにより、吸気通路の通路断面積を変化させる。このように、吸気弁32は、エンジン本体50の燃焼室へ供給する空気量を調整することができる。
吸気マニホールド56は、吸気管53から供給された空気をエンジン本体50のシリンダ数に応じて分配して、燃焼室へ供給する。燃焼室では、吸気マニホールド56から供給された空気が圧縮された後に、燃料が噴射される。これにより、燃焼室で燃焼が発生し、ピストンを上下運動させることができる。このようにして発生した動力は、クランク軸等を介して所定の機器(推進用のスクリュー等)へ伝達される。
続いて、エンジン1において燃料の供給及び噴射を行う構成について説明する。エンジン1は、図1に示すように、燃料タンク70と、燃料フィルタ71と、燃料ポンプ72と、コモンレール73と、インジェクタ74と、を備える。
燃料ポンプ72は、燃料タンク70に貯留された燃料を吸入する。燃料ポンプ72によって吸い込まれた燃料は、燃料フィルタ71を通過することでゴミ及び汚れが取り除かれる。また、燃料ポンプ72は、吸入した燃料をコモンレール73へ供給する。コモンレール73は、燃料ポンプ72から供給された燃料を高圧で蓄え、複数のインジェクタ74に分配して供給する。
インジェクタ74は、エンジン1が備えるそれぞれのシリンダの上部に取り付けられている。インジェクタ74は、燃焼室に燃料を噴射するための燃料噴射バルブ(後述のインジェクタ電磁弁31)を備える。インジェクタ電磁弁31は、ECU20の指示に応じたタイミングで開閉することにより、燃焼室に燃料を噴射する。この構成により、出力の調整、排気ガスのクリーン化、及び騒音の抑制等を実現することができる。
燃焼室における燃料の燃焼により発生した排気ガスは、図1に示す排気マニホールド61によってまとめられた後、一部分が過給機52のタービンホイール52aを通過して、排気浄化装置63により浄化された後に排出される。なお、本実施形態のエンジン1には、排気ガス中の窒素酸化物NOxの低減や燃費の向上等を目的として、EGR(排気ガス再循環)システムが備えられている。従って、排気ガスの一部分は、EGR装置57を介して吸気とともに燃焼室に供給される。
排気浄化装置63は、排気管62の出口に設けられている。排気浄化装置63は、DOC(ディーゼル用酸化触媒)64と、当該DOC64の下流側に配置されたDPF(ディーゼル粒子捕集フィルタ)65と、を備える。DOC64は、排気ガスに含まれる未燃燃料、一酸化炭素、一酸化窒素などを酸化(燃焼)するための触媒である。DPF65は、例えばフォールフロー型のフィルタとして構成されており、DOC64で処理された排気ガスに含まれるPM(ディーゼル微粒子)を捕集する。
EGR装置57は、EGR管58と、EGRクーラ59と、EGR弁60と、を備えている。EGR管58は、吸気管53と排気管62とを接続しており、当該EGR管58を介して排気が吸気に再循環される。EGRクーラ59は、EGR管58に流れる排気を冷却する。EGR弁60は、EGR管58に設けられ、その開度をECU20が制御することにより排気の再循環量を調整するように構成されている。
次に、図2を参照して、エンジン1の制御のための構成を説明する。図2は、エンジン1の制御に関する構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態のエンジン1は、エンジン本体50(図1)の稼動に関する情報を検出する様々なセンサを有するセンサ群10と、エンジン本体50の各部を動作させるアクチュエータ群30と、を備える。そして、前記ECU20は、センサ群10のそれぞれのセンサからの情報に基づいて、アクチュエータ群30の様々なアクチュエータの制御を行うように構成されている。
エンジン1は、船舶の操作部(例えば、船橋)に設けられた操作制御部110と電気的に接続されるとともに、船舶の適宜の位置に設置されたGPS受信機(測位装置)120とも電気的に接続される。また、エンジン1は、例えばインターネット等のWAN(広域通信網)に接続可能な適宜の通信インタフェースを備えている。これにより、エンジン1は、船舶と離れた場所に設置された制御マップ配信サーバ100との間で、有線又は無線によりデータ通信を行うことができるように構成されている。
センサ群10は、回転数センサ11や、吸気圧センサ12や、燃料噴射圧センサ13等を含んでいる。回転数センサ11は、エンジン1の回転数を検出する。吸気圧センサ12は、エンジン本体50内部のシリンダ(燃焼室)に供給するために外部から吸入した空気の圧力を検出する。燃料噴射圧センサ13は、高圧化した燃料をインジェクタ74(図1)へ分配して供給するためのコモンレール73内の燃料の圧力を検出する。
ECU20は、制御部21と、記憶部22と、稼動位置取得部23と、カスタマイズ設定部24と、通信部25と、を備えている。
制御部21は、図示しないCPU等から構成される。制御部21は、センサ群10からの情報、及び、記憶部22に記憶されたエンジン1の作動に関する情報(制御マップ)に基づいて、適切な制御指令をアクチュエータ群30に送り、エンジン本体50を制御する。
記憶部22は、図示しないROM及びRAM等から構成される。記憶部22は、各種プログラムを記憶するとともに、エンジン1の制御に関して予め設定された複数の制御情報を記憶している。当該制御情報には、各種の制御マップが含まれている。この制御マップとしては、例えば、エンジン回転数や、燃料噴射量や、燃料噴射タイミングや、空気吸入量や、排気ガス還元量等を制御するものを挙げることができる。
稼動位置取得部23は、船舶に設けられたGPS受信機120から検出した自船の航行位置を、エンジン1の稼動位置として取得する。
カスタマイズ設定部24は、制御マップに関するサービスマンのカスタマイズの指示に従い、記憶部22に記憶されている制御マップのパラメータを変更する。ただし、カスタマイズ設定部24は、後述のカスタマイズ制限情報に基づいてパラメータの適否を判断し、制限に適合しないパラメータに基づくカスタマイズを拒否することができる。
通信部25は、適宜のインターネット通信手段(本実施形態においては、例えばインマルサットなどの舶用衛星通信装置)を用いて、インターネット等の前記WANに接続できるように構成されている。通信部25は、陸上に設置された制御マップ配信サーバ100との間で通信を行い、制御マップやカスタマイズ制限情報等の各種データをやり取りできるように構成されている。
アクチュエータ群30は、エンジン1の各部を動作させる様々なアクチュエータを含んでいる。アクチュエータの例としては、燃料を噴射させるためのインジェクタ74が備えるインジェクタ電磁弁31や、吸気量を調整する吸気弁32や、排気の再循環量を調整するEGR弁60等を挙げることができる。
制御マップ配信サーバ100は、エンジン1を備える船舶とは異なる場所(陸上の適宜の場所)に設置されている。制御マップ配信サーバ100は前記WANに接続されており、世界各地で稼動している船舶のエンジン1に対して制御マップのデータを配信できるように構成されている。この制御マップ配信サーバ100は、マップ記憶部101と、カスタマイズ制限記憶部102と、を備える。
マップ記憶部101は、エンジン回転数や、燃料噴射量や、燃料噴射タイミングや、空気吸入量や、排気ガス還元量等に関して予め設定された制御マップを複数記憶することができる。これらの制御マップは、国や地域において異なる環境規制、環境条件、及び燃料成分等に基づいて、国や地域ごとに個別に定められている。
カスタマイズ制限記憶部102は、制御マップを構成するパラメータに対してどのようなカスタマイズが許されるのかを定めたカスタマイズ制限情報を複数記憶することができる。このカスタマイズ制限情報も上記の制御マップと同様に、国や地域ごとに個別に定められる。
次に、制御マップを定める場合に考慮すべき要因について説明する。この要因としては、主として、排気ガス規制、騒音規制、稼動環境、及び燃料成分等を挙げることができる。
エンジン1の稼動に伴って排出される排気ガスには、一酸化炭素(CO)や、炭化水素(HC)や、窒素酸化物(NOx)や、粒子状物質(PM)等が含まれる。これらの物質は環境に悪影響を与えるため、それぞれの国及び地域において排気ガス規制が制定されており、これを順守する必要がある。
また、エンジン1の稼動に伴って発生する騒音についても、市民の日常生活を損なわないようにする観点から、それぞれの国及び地域において騒音規制が定められており、これを順守する必要がある。
稼動環境がエンジン1に影響を与える例としては、大気圧の変化を挙げることができる。即ち、船舶が例えば高地の湖や川等で航行する場合、海面に近い高度で航行するよりも大気圧が平地より低くなるので、通常の制御では空燃比が低くなって不完全燃焼を引き起こす。この結果、排気ガスの有害物質が増加し、燃費も低下してしまう。
また、エンジン1の燃料の成分は、その産出地等に応じて異なってくる場合がある。従って、当該地域で主に流通している燃料成分の地域ごとの特性を考慮してエンジン1を制御することが、燃費の向上等の観点から好ましい。
この点、本実施形態の制御マップ配信サーバ100が備えるマップ記憶部101には、エンジン回転数や、燃料噴射量や、燃料噴射タイミングや、空気吸入量や、排気ガス還元量等に関する制御マップが予め複数記憶されている。この制御マップは、それぞれの国や地域ごとに、環境規制(排気エミッションや騒音規制等)、稼動環境、及び燃料成分等を考慮して定めたものとなっている。
そして、本実施形態のエンジン1は、操作制御部110に設けられた設定部111に対してサービスマンが所定の操作を行った場合、GPS受信機120を介して得られた当該エンジン1の稼動位置を制御マップ配信サーバ100に送信して問い合わせることで、当該稼動位置に適した制御マップを制御マップ配信サーバ100から取得して更新することができる。
続いて、本実施形態のエンジン1における制御マップの切換(更新)に関する制御について、図3を参照して説明する。
図3に示すフローがスタートすると、ECU20は、記憶部22に記憶されている制御マップに従ってエンジン1を制御する(ステップS101)。次に、ECU20は、制御マップを更新する指示がされたか否かを調べる(ステップS102)。制御マップの更新指示がされていない場合は、ステップS101に戻る。
ステップS102の判断で、制御マップの更新が指示された場合、ECU20(稼動位置取得部23)は、GPS受信機120から受信した船舶の現在位置に関する情報(具体的には、緯度及び経度の情報)を、エンジン1の稼動位置として取得する(ステップS103)。次に、ECU20は、通信部25を介して当該稼動位置を制御マップ配信サーバ100に送信し、当該稼動位置に対応する制御マップを問い合わせる(ステップS104)。
制御マップ配信サーバ100は、エンジン1の稼動位置の情報をエンジン1から取得すると、当該稼動位置を含む国や地域に対応付けられた制御マップがマップ記憶部101に記憶されているか否かを調べる。対応する制御マップが存在する場合は、制御マップ配信サーバ100は、上記の問合せに対するレスポンスとして、当該制御マップをエンジン1に送信する。対応する制御マップが存在しない場合は、制御マップ配信サーバ100は、問合せへのレスポンスとして、制御マップが存在しない旨をエンジン1に送信する。
問合せを行ったエンジン1は、制御マップ配信サーバ100から制御マップを受信できたか否かを調べる(ステップS105)。制御マップを受信できた場合は、記憶部22に記憶された制御マップを上書きして更新し(ステップS106)、ステップS101に戻る。制御マップが存在しない旨のレスポンスを受信した場合は、何もせずにステップS101に戻る。
以上のフローにより、ECU20は、記憶部22に記憶された制御マップの内容を、必要に応じて、エンジン1が稼動する国や地域に対応させるように適宜更新することができる。この結果、国や地域ごとに複雑に異なる環境規制等の事情に応じてエンジン1を適切に稼動させることができる。特に、本実施形態では、少なくとも燃料噴射量及び燃料噴射タイミングを規定する制御マップを国や地域ごとに書き換えて用いることができるので、国や地域によって異なる排気エミッション及び騒音の規制に容易に適合させることができる。
次に、エンジン1の記憶部22に記憶された制御マップのカスタマイズ設定について説明する。
エンジン1の用途や負荷特性によって、また、操船者の好みに応じて、操船者の要望を受けたサービスマンがエンジン1の制御マップを調整したい場合がある。しかし、カスタマイズ設定の際に、ミス等の何らかの事情で、エンジン1が稼動する国や地域の環境規制に適しない設定を行ってしまう可能性がある。
この事情を考慮して、本実施形態のエンジン1はカスタマイズ設定部24を備えている。そして、操作制御部110に設けられた設定部111に対してサービスマンが所定の操作をすることにより、カスタマイズ設定部24は、制御マップ配信サーバ100から受信した制御マップをカスタマイズ設定することができるように構成されている。
また、本実施形態では、制御マップに関するどのようなカスタマイズが許されるのかを定めたカスタマイズ制限情報が、制御マップ配信サーバ100のカスタマイズ制限記憶部102に、国や地域ごとに記憶されている。カスタマイズ設定部24は、エンジン1の稼動位置を制御マップ配信サーバ100に送信して問い合わせることで、上記のカスタマイズ制限情報を制御マップ配信サーバ100から取得する。そして、カスタマイズ設定部24は、サービスマンから入力されたパラメータを検査し、当該カスタマイズ制限情報に従った範囲であれば制御マップの変更を許可し、そうでなければ制御マップの変更を禁止する。これにより、エンジン1が稼動する国や地域の環境規制等に適合しないようなカスタマイズ設定を回避することができる。
なお、制御マップ及びカスタマイズ制限情報のデータ構造は任意であり、制御マップとカスタマイズ制限情報とが一体のデータとして構成されていても良いし、制御マップとカスタマイズ制限情報とが別々のデータとして構成されても良い。
また、本実施形態のエンジン1は、当該エンジン1に対して特定の操作がされた場所や、所定の異常が発生した場所を、記憶部22に記憶させることができる。記憶すべき場所としては、例えば、操船者の判断によりクラッシュアスターン操作をした場所や、エンジン1が意図せずに停止(エンスト)した場所等を挙げることができるが、これらに限定されない。エンジン1に対する特定の操作や、異常の発生は、操作制御部110の操作やセンサ群10の検出値をECU20の制御部21が監視することにより検知することができる。
過去に上記のような現象が起きた場所を記憶しておくことにより、船舶が再びその場所に接近した場合に、当該場所において過去に何が発生したかを操船者に知らせることができるので、操船者の注意を喚起することができる。船舶が当該場所に接近しているか否かの判断は、GPS受信機120から得られた測位情報を監視することにより行うことができる。また、操船者に知らせる方法としては、操作制御部110が備える表示部としてのディスプレイ112にメッセージを表示することが考えられるが、これに限定されず、例えばブザー等の警報音により操船者に知らせても良い。
以上に説明したように、本実施形態のエンジン1は、エンジンの回転数と、燃料噴射と、吸気と、排気と、を規定する制御マップに従って制御を行う。エンジン1は、記憶部22と、稼動位置取得部23と、を備える。記憶部22は、制御マップを記憶する。稼動位置取得部23は、エンジン1の稼動位置を検出する。エンジン1は、稼動位置取得部23によって検出された稼動位置に応じた制御マップを、複数の制御マップを記憶している制御マップ配信サーバ100からデータ通信で取得し、取得した制御マップを記憶部22に記憶させることが可能である。
これにより、国や地域によって様々に異なる、排気エミッションや騒音に関する環境規制や、環境条件や、流通している燃料等に適合した制御マップを用いて、エンジン1を制御することができる。
また、本実施形態のエンジン1において、制御マップは、エンジン1の燃料噴射量及び燃料噴射タイミングを規定している。
これにより、エンジン1の稼動位置に応じて異なる制御マップによって燃料の噴射量と噴射タイミングを制御することで、国や地域によって異なる排気エミッション及び騒音の規制に容易に適合させることができる。
また、本実施形態のエンジン1は、記憶部22に記憶された制御マップをカスタマイズ設定することができるカスタマイズ設定部24を備える。制御マップ配信サーバ100は、前記制御マップのカスタマイズの制限に関するカスタマイズ制限情報を複数記憶する。エンジン1は、稼動位置取得部23によって検出された稼動位置に応じてカスタマイズ制限情報を制御マップ配信サーバ100から取得し、取得したカスタマイズ制限情報を記憶部22に記憶させることが可能である。カスタマイズ設定部24は、記憶部22に記憶されたカスタマイズ制限情報に従って、制御マップのカスタマイズ設定を許可する。
これにより、制御マップ配信サーバ100から受信した制御マップを、必要に応じて、例えばサービスマン等がカスタマイズ設定することができる。また、カスタマイズ設定は、国や地域ごとのカスタマイズ制限情報に従う範囲でのみ許可されるので、エンジン1の稼動地域においての排気ミッションや騒音等の環境規制に適合しないようなカスタマイズが行われるのを回避することができる。
また、本実施形態のエンジン1においては、記憶部22には、予め定められた操作を操船者が行った場合、及び、エンジン1に所定の異常が発生した場合において、稼動位置取得部23で検出した稼動位置を記憶することができる。
これにより、過去に特定の操作が行われた場所、又は、エンジン1に異常が発生した場所に船が再び近づいたとき、注意すべき場所であることをメッセージ等の形で操船者に知らせることにより、操船者の注意を喚起することができる。
また、本実施形態のエンジン1において、稼動位置取得部23は、衛星から発信された電波に基づいて測位を行うGPS受信機120からエンジン1の稼動位置を取得する。
これにより、衛星からの電波を海上で良好に受信して測位することができるため、エンジン1の稼動位置を正確に把握することができる。
また、本実施形態において、制御マップ配信サーバ100は、エンジン1に対して制御マップをデータ通信で配信する。
これにより、エンジン1の制御マップを記憶する制御マップ配信サーバ100がエンジン1と別途に設けられているので、エンジン1側の記憶部22の容量に制限されず、制御マップ配信サーバ100の記憶媒体に多数の制御マップを記憶して、エンジン1の稼動位置に応じて切り換えて使用することができる。また、複数のエンジン1の制御マップを制御マップ配信サーバ100で集中的に管理することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
制御マップは、エンジンの回転数と、燃料噴射と、吸気と、排気と、のうち少なくとも1つを規定するように定められていれば良く、その形式は問わない。
上記実施形態では、制御マップを新しく制御マップ配信サーバ100から取得するとき、又は、制御マップのカスタマイズ設定を行うとき、サービスマンは船舶の操作制御部110から操作を行うこととしている。しかしながらこれに代えて、いわゆるスキャンツールのような専用の機器をエンジン1の例えばECU20に接続して、当該スキャンツールを介してサービスマンが操作することで、制御マップの取得やカスタマイズを行うように構成することができる。
環境規制や騒音規制は、同一の国や地域においても、政策的な事情等により改正されることがある。この点を考慮して、上記の制御マップ配信サーバ100は、エンジン1が稼動する国や地域に変更がなくても、改正後の規制に適合する最新の制御マップを配信する手段として活用することができる。
上記実施形態の構成に代えて、ECU20に予め複数の制御マップを記憶させるとともに、配信サーバにおいては、GPSで得られる緯度経度と国との関係を示す所在国マップを記憶するように構成しても良い。この場合、例えば、GPS受信機120から受信した船舶の現在位置に関する情報をECU20が配信サーバに送信し、配信サーバは、受信した船舶の位置情報から、上記の所在国マップに基づいて、当該船舶の所在国の情報をECU20へ送信する。その後、ECU20は、所在国の情報に基づいて、当該所在国に適した制御マップに切り換えながらエンジンを制御する。この構成は、ECU20が制御マップをデータ通信で取得する場合に比べて、データ通信量を削減することができる。
1 エンジン(船舶用エンジン)
22 記憶部
23 稼動位置取得部
24 カスタマイズ設定入力部
100 制御マップ配信サーバ

Claims (6)

  1. エンジンの回転数と、燃料噴射と、吸気と、排気と、のうち少なくとも1つを規定する制御マップに従って制御を行う船舶用エンジンであって、
    前記制御マップを記憶する記憶部と、
    前記船舶用エンジンの稼動位置を検出する稼動位置取得部と、
    を備え、
    前記稼動位置取得部によって検出された前記稼動位置に応じた前記制御マップを、複数の前記制御マップを記憶している制御マップ配信サーバからデータ通信で取得し、取得した前記制御マップを前記記憶部に記憶させることが可能であることを特徴とする船舶用エンジン。
  2. 請求項1に記載の船舶用エンジンであって、
    前記制御マップは、少なくとも前記船舶用エンジンの燃料噴射量及び燃料噴射タイミングを規定していることを特徴とする船舶用エンジン。
  3. 請求項1又は2に記載の船舶用エンジンであって、
    前記記憶部に記憶された前記制御マップをカスタマイズ設定することができるカスタマイズ設定部を備え、
    前記制御マップ配信サーバは、前記制御マップのカスタマイズの制限に関するカスタマイズ制限情報を複数記憶し、
    前記稼動位置取得部によって検出された前記稼動位置に応じた前記カスタマイズ制限情報を、複数のカスタマイズ制限情報を記憶している前記制御マップ配信サーバから取得し、取得した前記カスタマイズ制限情報を前記記憶部に記憶させることが可能であり、
    前記カスタマイズ設定部は、前記記憶部に記憶されたカスタマイズ制限情報に従って前記制御マップのカスタマイズ設定を許可することを特徴とする船舶用エンジン。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の船舶用エンジンであって、
    前記記憶部には、予め定められた操作を操船者が行った場合、及び、前記船舶用エンジンに所定の異常が発生した場合のうち少なくとも何れかにおいて、前記稼動位置取得部で検出した稼動位置を記憶できることを特徴とする船舶用エンジン。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の船舶用エンジンであって、
    前記稼動位置取得部は、衛星から発信された電波に基づいて測位を行う測位装置からエンジンの稼動位置を取得することを特徴とする船舶用エンジン。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載の船舶用エンジンに対して前記制御マップをデータ通信で配信することを特徴とする制御マップ配信サーバ。
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