以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の変移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。また、スロットマシン100は、ホールコンピュータ112と外部表示器(データカウンタ)114とを含む別体の外部装置110に接続され、外部表示器114は、遊技者が視認可能となるようにスロットマシン100の上方に配置されている。
スロットマシン100における前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130、演出スイッチ132等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入数である規定投入数を超えてメダルが投入されると、その規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定投入数は「3」または「2」に設定されている。なお、1遊技を実行するために必要なメダル数を、複数の規定投入数から任意に選択できる場合、その複数の規定投入数の中の最大のものを最大規定投入数といい、最小のものを最小規定投入数という。仮に、規定投入数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「1」となる。ここでは、規定投入数が「3」または「2」に設定されているので、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「2」となる。
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち規定投入数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。規定投入数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、1遊技が開始可能となるとともに、クレジットされているメダルが規定投入数分だけ減枚される。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つの回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを特にストップボタンスイッチとよび、その位置に応じて左から順にストップボタンスイッチ130a、ストップボタンスイッチ130b、ストップボタンスイッチ130cとする。
演出スイッチ132は、押圧式のボタンスイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。かかる演出スイッチ132は、主として演出中に用いられ、遊技者の操作によって演出態様を異ならせることができる。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bの本体外装に回転可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
また、図1や図2では図示していないが、各回転リール134a、134b、134cの内側には、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも左リール134a、中リール134b、右リール134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
また、筐体102内の電源スイッチ148の近傍には、設定キー150aおよび設定変更スイッチ150bが設けられている。設定キー150aは、所定の鍵(操作キー)が挿入されてOFFの位置からONの位置へ回転されると設定値(遊技利益を獲得する容易性を段階的に示したもの)の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチ150bが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、設定キー150aを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定値が確定する。なお、設定変更は、電源スイッチ148が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、回転リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。また、このような、当選種別抽選が実行され1度の払い出しを受け得る1遊技を、後述する擬似遊技と区別するため、基本遊技という場合もある。ここで、基本遊技が単独で行われる場合であっても、基本遊技が擬似遊技と組合せて(後述する擬似付加遊技として)行われる場合であっても、基本遊技の消化をもって1遊技消化とする。なお、擬似遊技の消化は、スロットマシン100内の遊技数(後述するAT遊技状態の遊技数等)、および、ホールコンピュータ112が管理する遊技数について、仕様により、擬似遊技を遊技数として計数してもよいし、計数しないとしてもよい。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、主制御基板200と、副制御基板202とによって制御されている。ここでは、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、主遊技状態遷移手段312、コマンド決定手段314、コマンド送信手段316、外部出力手段318等の機能部を有する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選種別抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役から選択された1からなるまたは複数重複してなる複数種類の当選種別、ならびに、ハズレのうちいずれかを当選種別抽選により決定する。
リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ128が操作されてから、スタートスイッチ128の操作に応じて行われる当選種別抽選の抽選結果を表示するために回転リールの回転が開始されるまでの時間を延長し、その間、回転リール134a、134b、134cを多彩な態様で回転させるリール演出(所謂フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出の他の実現方法として、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることも可能である。また、本実施形態においては、リール演出として、回転リール134a、134b、134cの回転、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じた回転リール134a、134b、134cの停止といった、擬似遊技を行う場合がある。かかる擬似遊技では、基本遊技と類似の回転および停止態様あるいは異なる回転および停止態様で演出を実行することができるので、遊技の興趣を高めることができる。また、本実施形態では、基本遊技に代えて、スタートスイッチ128の操作に応じ、リール演出として、1の擬似遊技が実行され、または、擬似遊技が複数回実行され、その後、1の基本遊技が実行される擬似付加遊技が行われる。かかる擬似付加遊技については後程詳述する。
判定手段308は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否かを判定する。ここで、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。主遊技状態遷移手段312は、ボーナス役の当選や入賞に基づいて、主制御基板200で管理する遊技状態を遷移させる。
コマンド決定手段314は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、主遊技状態遷移手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段316は、コマンド決定手段314が決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。外部出力手段318は、スロットマシン100の内部の状態を、信号(外部信号)により、ホールコンピュータ112を介して外部表示器114に出力する。
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段310が両表示部152、154に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される各回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段310は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、主制御基板200や副制御基板202において複数の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が遷移する。そして、主制御基板200では、主制御基板200で管理する遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値と現在の遊技状態(後述するボーナス役の成立有無に基づく遊技状態)に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別またはハズレに対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、小役、リプレイ役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示(入賞)といい、当選役を含む当選種別に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、当選役のうちの図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役であり、リプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、主制御基板200で管理する遊技状態をボーナス遊技状態に遷移させることができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
図5は、有効ラインおよび仮想ラインを説明するための説明図であり、図6および図7は、当選役を説明するための説明図であり、図8は、主制御基板200における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
図5(a)は、本実施形態における有効ラインを示している。本実施形態において、有効ラインは1本であり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール134a、中リール134b、右リール134cのそれぞれ中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインAとして設定している。また、図5(b)は、仮想ラインを示している。仮想ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示するラインであり、本実施形態では、4つの仮想ラインを想定している。具体的に、左リール134aの上段、中リール134bの上段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB1、左リール134aの下段、中リール134bの下段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB2、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC1、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC2として設定している。ただし、仮想ラインB1、B2、C1、C2は、見かけ上、図柄が直線的に表示されるというだけで、あくまで当選役の入賞を判定するのは有効ラインAのみである。
また、本実施形態においては、当選役として、図6に示すように、当選役「通常リプレイ」、「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「弱スイカリプレイ」、「強スイカリプレイ」、「チャンスリプレイ」(以下、かかる6つのリプレイを単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)、「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」、「特殊ベル9」、「特殊ベル10」、「特殊ベル11」、「特殊ベル12」、「特殊ベル13」(以下、当選役「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」、「特殊ベル9」、「特殊ベル10」、「特殊ベル11」、「特殊ベル12」、「特殊ベル13」の15個のベルを単に当選役「ベル」と略す場合がある)、「ビッグボーナス(以下、BBという)」が設けられている。このうち、当選役「通常リプレイ」、「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「弱スイカリプレイ」、「強スイカリプレイ」、「チャンスリプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」、「特殊ベル9」、「特殊ベル10」、「特殊ベル11」、「特殊ベル12」、「特殊ベル13」が上記小役に相当し、当選役「BB」が上記ボーナス役に相当する。
(リプレイ役)
当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ」(当選役「通常リプレイ」、「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「弱スイカリプレイ」、「強スイカリプレイ」、「チャンスリプレイ」のいずれか)が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様(ここでは操作順)で操作した場合には、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となり、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技を実行できる。
例えば、当選種別抽選の結果、当選役「通常リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「通常リプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「リプレイA」図柄が、図7(a)のように有効ラインA上に表示可能となる。
また、当選役「弱チェリーリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示すように、当選役「弱チェリーリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせである、左リール134aに記される「スイカA」または「スイカB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイA」または「リプレイB」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(b)に示すように、有効ラインA上に、「スイカB」、「チェリー」、「リプレイA」の図柄組合せが表示されることとなる。このとき、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「チェリー」、「チェリー」、「ベル」となっており、遊技者は、当選役「弱チェリーリプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
また、当選役「強チェリーリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示すように、当選役「強チェリーリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせである、左リール134aに記される「スイカA」または「スイカB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「白7」、「BAR」、「ベル」または「ハズレ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(c)に示すように、有効ラインA上に、「スイカB」、「チェリー」、「ハズレ」の図柄組合せが表示されることとなる。このとき、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「チェリー」、「チェリー」、「チェリー」となっており、遊技者は、当選役「強チェリーリプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
また、当選役「弱スイカリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示すように、当選役「弱スイカリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせである、左リール134aに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「スイカB」、「リプレイA」または「リプレイB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(d)に示すように、有効ラインA上に、「ベル」、「スイカB」、「ベル」の図柄組合せが表示されることとなる。このとき、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「スイカA」、「スイカB」、「スイカA」となっており、遊技者は、当選役「弱スイカリプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
また、当選役「強スイカリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示すように、当選役「強スイカリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせである、左リール134aに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「白7」、「BAR」または「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイA」または「リプレイB」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(e)に示すように、有効ラインA上に、「ベル」、「BAR」、「リプレイA」の図柄組合せが表示されることとなる。このとき、仮想ラインB1上に表示された図柄組み合わせは「スイカA」、「スイカB」、「スイカA」となっており、遊技者は、当選役「強スイカリプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
また、当選役「チャンスリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示すように、当選役「チャンスリプレイ」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「リプレイA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(f)に示すように、有効ラインA上に、「リプレイA」、「ベル」、「ベル」の図柄組合せが表示されることとなり、遊技者は、当選役「チャンスリプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4つ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各回転リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各回転リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。このように、単に「停止制御」や「表示可能」と言った場合、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を停止させるのみならず、引込範囲内で当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を引き込んで停止するといった処理を含む。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別を構成する当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様にも応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ」に対応する1または複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。例えば、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、これら当選役「リプレイ」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。なお、無作為な操作タイミングでストップスイッチ130を操作したとき、該当する当選役の所定の回転リール134a、134b、134cに対応する1または複数の図柄が有効ラインA上に表示される確率を「PB」と言い、0(0%)〜1(100%)の数値で表す。例えば、上記のように当選役「リプレイ」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので、回転リール134a、134b、134cのいずれにおいてもPB=1となる。このようにして、当選役「リプレイ」に対応する1または複数の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、メダルを投入することなく次回の1遊技を開始することが可能となる。
なお、上述したように、当選役「弱チェリーリプレイ」、当選役「強チェリーリプレイ」、当選役「弱スイカリプレイ」、当選役「強スイカリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合には、これら当選役に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。ただし、図3を参照して理解できるように、例えば、「チェリー」図柄は、左リール134a、右リール134cに1つずつしか配列されていないので、当選役「強チェリーリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち1の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、有効ラインAまたは仮想ラインB1、B2、C1、C2上に「チェリー」図柄が停止するとは限らない。すなわち、当選役「弱チェリーリプレイ」、当選役「強チェリーリプレイ」、当選役「弱スイカリプレイ」、当選役「強スイカリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合に、入賞条件となる操作順で操作したとしても、ストップスイッチ130を無作為な位置で停止操作すると、「チェリー」図柄や「スイカ」図柄が有効ラインAまたは仮想ラインB1、B2、C1、C2上に表示されない場合があり、入賞した当選役が、当選役「弱チェリーリプレイ」、当選役「強チェリーリプレイ」、当選役「弱スイカリプレイ」、当選役「強スイカリプレイ」であることを容易に把握できない場合がある。
(小役)
当選種別抽選の結果、当選役「ベル」(当選役「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」、「特殊ベル9」、「特殊ベル10」、「特殊ベル11」、「特殊ベル12」、「特殊ベル13」のいずれか)が含まれる当選種別に当選した場合には、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される1または複数の図柄が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、各当選役に対応した枚数のメダルが遊技者に払い出される。例えば、当選種別抽選の結果、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件(後述する当選役「通常ベル」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせのうち、図6に示した、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「ベル」図柄が、図7(g)のように有効ラインA上に表示可能となる。また、当選種別抽選の結果、当選役「共通ベル」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、当選役「共通ベル」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、図7(h)のように、左リール134aに記される「リプレイA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図7(h)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「リプレイA」、「ベル」、「チェリー」となっているが、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「ベル」、「ベル」、「ベル」となっており、遊技者は、当選役「共通ベル」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。ここで、当選役「通常ベル」および当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。ただし、当選役「通常ベル」は、当選役「共通ベル」より、払出枚数が多くなるように設定されている(例えば、当選役「通常ベル」=9枚、当選役「共通ベル」=1枚)。
また、当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル13」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル13」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、図6に示した、当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル13」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、図7(i)のように、左リール134aに記される「スイカA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「特殊ベル1」に対応する複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。したがって、当選役「特殊ベル1」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「特殊ベル1」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、当選役「特殊ベル1」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。
また、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル13」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、当選役「特殊ベル2」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、図6に示すように、かかる図柄組み合わせを構成する左リール134aの図柄は「赤7」または「スイカB」であり、中リール134bの図柄は、「赤7」または「リプレイA」であり、右リール134cの図柄は「ベル」である。したがって、左リール134aについては、図3における21図柄のうち図柄番号3〜11までの間といった図柄9つ分に相当する範囲で停止制御が実行されれば「赤7」または「スイカB」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。また、中リール134bについては、図3における21図柄のうち図柄番号1〜11までの間または図柄番号21といった図柄12個分に相当する範囲で停止制御が実行されれば「赤7」または「リプレイA」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。また、右リール134cについては、上記の停止制御により、「ベル」図柄が必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。したがって、例えば、上記の当選役「特殊ベル2」が含まれる当選種別に当選した場合において、遊技者が無作為に操作した場合に当選役「特殊ベル2」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、12/49(9/21×12/21×21/21)となる。同様の計算により、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、それぞれ、9/49、16/49、12/49となる。ここで、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル5」の当選確率(当選範囲値の数)は等しく、また、遊技者は当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル5」のいずれの当選役が当選しているか把握できないので、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル5」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、平均して1/4((12/49+9/49+16/49+12/49)/4)となる。以下の説明では、当選役によって正確には異なるものの、説明の便宜上、確率PBについて平均値を用い「約」を付けて説明する。よって、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル5」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、約1/4であり、当選役「特殊ベル6」〜「特殊ベル13」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、約1/8となる。したがって、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル13」に当選したとしても、遊技者は、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル13」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態においては、当選役「通常ベル」が単独で当選することがなく、必ず他の当選役(例えば、当選役「特殊ベル1」および当選役「特殊ベル6」)と重複当選するので、その重複当選の当選態様によって停止制御が異なるように設定されている。したがって、各回転リール134a、134b、134cにおいては、「ベル」図柄が、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)ものの、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選しても、その操作態様によっては、取りこぼすことがあり、遊技者は、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
(ボーナス役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、図6に示すように、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(j)に示すように、有効ラインA上に、「BAR」、「BAR」、「チェリー」の図柄組合せが表示されることとなる。そして、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、ボーナス遊技フラグがONすることで、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば26枚)払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、各回転リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ「BAR」、「BAR」、「チェリー」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図6参照)。そのため、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選したとしても、遊技者は、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
なお、いずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。また、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。これらに対して、当選役「BB」(ボーナス役)が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。このようなボーナス役の成立有無、すなわち、BB内部当選フラグの成立有無に基づいて遊技性の異なる複数の遊技状態を設定することができる。
ここでは、図8を用い、BB内部当選フラグの成立有無に基づく遊技状態の遷移について説明する。BB内部当選フラグが成立すると、BB内部当選フラグの成立状況に応じて、図8の(1)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス役が含まれる当選種別「BB」に当選していないボーナス非成立遊技状態から、ボーナス遊技状態の準備状態に相当するボーナス成立遊技状態となり、ボーナス成立遊技状態に基づいて左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(ボーナス成立遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。そして、遊技者が、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、図8の(2)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移する。また、ボーナス遊技状態において、メダルが所定枚数払い出されると、図8の(3)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態に遷移する。ただし、図8の(4)に破線の矢印で示すように、ボーナス非成立遊技状態における当選役「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、ボーナス成立遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に遷移する。そして、上述した当選種別抽選テーブルは、このようなボーナス役の成立有無に基づく遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)毎に設けられる。
(当選種別抽選テーブル)
図9および図10は、当選種別抽選乱数を判定する場合に用いられる当選種別抽選テーブルを示す図であり、図9は、上述したボーナス成立遊技状態において用いられるボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示し、図10は、ボーナス非成立遊技状態において用いられるボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示している。当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。区画化された各当選領域にはそれぞれ所定の当選範囲値(置数)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の当選範囲値を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた当選範囲値を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、当選範囲値を取得し、その当選範囲値を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果としている。当該抽選の手順は、他の抽選においても適用できる。
図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルによれば、1の当選役が対応付けられた当選種別、および、複数の当選役が重複した当選種別に当選することがある。複数の当選役が重複して当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール134a、中リール134b、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順1」とし、左リール134a、右リール134c、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順2」とし、中リール134b、左リール134a、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順3」とし、中リール134b、右リール134c、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順4」とし、右リール134c、左リール134a、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順5」とし、右リール134c、中リール134b、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順6」とする。
そして、複数の当選役が重複した当選種別には、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じ、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて、または、当選役が小役であった場合、その小役に対応するメダルの払出枚数に基づいて、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示するかが設定されており、リール制御手段306は、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順と操作タイミングに応じて停止制御する図柄を決定する。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に、遊技者によって、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されると、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cにおける、その操作タイミングで引込範囲内に存在している図柄のうち、まだ、入賞の可能性が残っている全ての当選役に対応する図柄組み合わせの当該回転リール134a、134b、134cの図柄が停止制御の対象となり、さらに、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて設定された優先度に基づき、リール制御手段306は、いずれか1の図柄を有効ラインA上に停止制御する。本実施形態では、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組み合わせの種類が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定され、当選役(小役)に対応するメダルの払出枚数に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示されている図柄組み合わせに対応する小役の払出枚数が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定される。
当選領域1には、当選種別「通常リプレイA」が対応付けられており、当該当選種別「通常リプレイA」の当選に応じて当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。また、当選領域2には、当選役「通常リプレイ」、「弱チェリーリプレイ」が重複した当選種別「通常リプレイB」が対応付けられており、いずれの打順によりストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作されても、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、当選領域3には、当選役「通常リプレイ」、「強チェリーリプレイ」が重複した当選種別「通常リプレイC」が対応付けられており、いずれの打順によりストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作されても、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、当選領域4には、当選役「通常リプレイ」、「弱スイカリプレイ」が重複した当選種別「通常リプレイD」が対応付けられており、いずれの打順によりストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作されても、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。なお、当選種別「通常リプレイA」、「通常リプレイB」、「通常リプレイC」、「通常リプレイD」を単に当選種別「通常リプレイ」とも呼ぶことがある。
また、当選領域5には、当選種別「弱チェリーリプレイ」が対応付けられており、当該当選種別「弱チェリーリプレイ」の当選に応じて当選役「弱チェリーリプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。また、当選領域6には、当選種別「強チェリーリプレイ」が対応付けられており、当該当選種別「強チェリーリプレイ」の当選に応じて当選役「強チェリーリプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。また、当選領域7には、当選種別「弱スイカリプレイ」が対応付けられており、当該当選種別「弱スイカリプレイ」の当選に応じて当選役「弱スイカリプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。また、当選領域8には、当選種別「強スイカリプレイ」が対応付けられており、当該当選種別「強スイカリプレイ」の当選に応じて当選役「強スイカリプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。また、当選領域9には、当選種別「チャンスリプレイ」が対応付けられており、当該当選種別「チャンスリプレイ」の当選に応じて当選役「チャンスリプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、ボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルによれば、当選領域10には、当選種別「共通ベル」が対応付けられており、当選種別「共通ベル」の当選に応じて当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選領域11には、当選役「通常ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル6」が重複した当選種別「打順ベル中1」が対応付けられている。当選領域11に対応する当選種別「打順ベル中1」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが最初に停止(第1停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、中リール134bが第1停止、左リール134aが2番目に停止(第2停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3)、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bが第1停止、右リール134cが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順4)、または、右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順5または打順6)、当選役「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
このように、当選領域11に当選した場合、遊技者が、正解操作態様となる打順3によって操作すると、払出枚数9枚の当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=9枚)、打順4〜6によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=1枚)、打順1、2によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせを約1/8の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約1/8枚)。したがって、期待獲得枚数は、打順3による操作、打順4〜6による操作、打順1、2による操作の順に少なくなっていく。
また、当選種別抽選テーブルの当選領域12〜18には、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル1」と、当選役「特殊ベル6」に相当する当選役「特殊ベル7」〜当選役「特殊ベル13」のいずれか1の当選役が重複した当選種別「打順ベル中2」〜当選種別「打順ベル中8」が対応付けられている。そして、当選領域12〜14は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域15〜18は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順4に設定されている。かかる当選領域12〜18における操作態様と期待獲得枚数との関係は、上述した当選領域11における操作態様と期待獲得枚数との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。
また、当選領域19には、当選役「通常ベル」、「特殊ベル2」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」が重複した当選種別「打順ベル右1」が対応付けられている。かかる重複当選においても、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件が設定されている。
例えば、ボーナス成立遊技状態において、当選領域19に対応する当選種別「打順ベル右1」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3または打順4)、または、右リール134cが第1停止、中リール134bが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順6)、当選役「特殊ベル2」に対応する図柄組み合わせまたは当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。この場合、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル2」に対応する図柄組み合わせまたは当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせのいずれかを約1/2(約1/4(当選役「特殊ベル2」)+約1/4(当選役「特殊ベル5」))の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約1/2枚)。ただし、中リール134bが第1停止、左リール134aが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3)、中リール134bの停止態様に応じて、有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる当選役を変化させる場合がある。具体的に、中リール134bの図柄番号1〜11までの間または図柄番号21のいずれかの図柄(図3参照)が有効ラインA上に位置しているときにストップボタンスイッチ130bが操作されると、リール制御手段306は、当選役「特殊ベル2」に対応する図柄組み合わせのうち中リール134bに対応する「赤7」図柄または「リプレイA」図柄(当選役「特殊ベル6」と共通の図柄)が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。その後、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、攻略性抑制の観点から、当選役「特殊ベル2」ではなく、当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせのうち左リール134aに対応する「リプレイA」図柄が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。一方、中リール134bの図柄番号12〜21までのいずれかの図柄(図3参照)が有効ラインA上に位置しているときにストップボタンスイッチ130bが操作されると、リール制御手段306は、当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせのうち中リール134bに対応する「リプレイB」図柄または「ハズレ」図柄が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。その後、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせのうち左リール134aに対応する「ハズレ」図柄または「スイカA」図柄が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。したがって、この場合、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせまたは当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせのいずれかを約3/8(約1/8(当選役「特殊ベル6」)+約1/4(当選役「特殊ベル5」))の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約3/8枚)。また、右リール134cが第1停止、左リール134aが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順5)、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
このように、当選領域19に当選した場合、遊技者が、正解操作態様となる打順5によって操作すると、払出枚数9枚の当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=9枚)、打順4、6によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル2」または当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせを約1/2の確率で有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=約1/2枚)、打順3によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせを約3/8の確率で有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=約3/8枚)、打順1、2によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせを約1/8の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約1/8枚)。したがって、期待獲得枚数は、当選領域11に当選した場合同様、打順5による操作、打順4、6による操作、打順3による操作、打順1、2による操作の順に少なくなっていく。
また、当選種別抽選テーブルの当選領域20〜26には、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル2」〜当選役「特殊ベル5」のいずれか2の当選役と、当選役「特殊ベル6」に相当する当選役「特殊ベル7」〜当選役「特殊ベル13」のいずれか1の当選役が重複した当選種別「打順ベル右2」〜当選種別「打順ベル右8」が対応付けられている。そして、当選領域20〜22は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域23〜26は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。かかる当選領域20〜26における操作態様と期待獲得枚数との関係は、上記、当選領域19における操作態様と期待獲得枚数との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。
そして、当選種別抽選テーブルの当選領域11〜26全てにおいて、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル1」〜当選役「特殊ベル5」のいずれか1または2の当選役と、当選役「特殊ベル6」〜当選役「特殊ベル13」のいずれか1の当選役が重複当選するようになっており(以下、当選領域11〜26における当選種別「打順ベル中1」、「打順ベル中2」、「打順ベル中3」、「打順ベル中4」、「打順ベル中5」、「打順ベル中6」、「打順ベル中7」、「打順ベル中8」、「打順ベル右1」、「打順ベル右2」、「打順ベル右3」、「打順ベル右4」、「打順ベル右5」、「打順ベル右6」、「打順ベル右7」、「打順ベル右8」を合わせて当選種別「打順ベル」と略す場合がある)、期待獲得枚数が当選役「特殊ベル1」〜当選役「特殊ベル13」より多い当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が当選領域によって異なるように設定されている。なお、当選領域11〜26の当選確率(当選範囲値の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域11〜26を設けることにより、選択当選役としての当選役「通常ベル」を入賞させることが極めて難しくなっている。ただし、このようなストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて遊技者の遊技利益が異なる当選種別に当選した場合においても、遊技者は、副制御基板202による補助演出を通じて当選役「通常ベル」を入賞し得る正解操作態様を把握することで、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、通常遊技状態より多くのメダルを獲得することが可能となる。
このように、補助演出を実行することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易いAT遊技状態と、補助演出を行わないことで、遊技の進行に応じてメダルが減り易い遊技状態(通常遊技状態)とを実現することができる。また、後述するように、通常遊技状態では、補助演出が実行されないのに加え、期待獲得枚数をさらに低減するため、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が、打順1または打順2に遊技上制限されている(通常遊技状態では打順1および打順2以外の打順3〜6で操作を行うと後述するペナルティを科すようにすることで、遊技者の操作を打順1または打順2に制限している)。具体的に、通常遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した場合においても、打順1または打順2によって、当選役「特殊ベル6」〜「特殊ベル13」にしか入賞させることができない(当選役「通常ベル」および当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル5」を入賞させることができない)。そうすると、通常遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した遊技において、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は約1/8枚となり、遊技の進行に応じてメダルが減り易くなる。一方で、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が制限されることなく、かつ、補助演出が実行されるAT遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した遊技において、当選役「通常ベル」を入賞させることができるので、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は9枚となり、当選種別「打順ベル」の当選確率を調整することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易くなる遊技を実現することができる。
また、当選領域27には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかるハズレはメダルの払い出し等が行われることはないが、BB内部当選フラグが持ち越された当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させたり、特定の図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることで遊技の開始、終了条件や遊技利益の抽選契機に利用することができる。
次に、図10のボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルと、図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルとを比較すると、前者は当選種別「BB」の抽選を行っているのに対し、後者では当選種別「BB」の抽選をしておらず、一方、後者は、当選種別「ハズレ」を抽選しているのに対し、前者では抽選していない。これは、後者では、既に当選種別「BB」に当選しているので重ねて当選種別「BB」を当選させることができず、また、後者では、後述するようにリプレイ役や小役が優先される状況下において、当選種別「ハズレ」が抽選された遊技で、当選している当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能とするためである。また、図示はしていないが、後者は、前者に対して当選種別「通常リプレイ」の当選確率が高く設定されている。
主制御基板200で管理している遊技状態としては、上記ボーナス非成立遊技状態およびボーナス成立遊技状態以外にボーナス遊技状態が存在するが、かかるボーナス遊技状態では、後述するように、当選種別抽選の結果に拘わらず、全ての抽選結果において、対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能な小役に強制的に設定されるので、当選種別抽選テーブルは設定されていない。
(遊技状態の遷移)
以下、主制御基板200における遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)の遷移について詳述する。なお、本実施形態では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、ボーナス非成立遊技状態、および、ボーナス成立遊技状態では、規定投入数が3枚に設定されているのに対し、ボーナス遊技状態では、規定投入数が2枚に設定されている。
(ボーナス非成立遊技状態)
ボーナス非成立遊技状態は、主制御基板200で管理される、ボーナス役の成立有無に基づく複数の遊技状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。また、ボーナス非成立遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率が約1/7.3に設定される。そして、図8を用いて説明したように、ボーナス非成立遊技状態において、当選種別「BB」に当選すると、ボーナス成立遊技状態に移行する。本実施形態では、当選種別「BB」の当選確率が例えば約1/3に設定され、比較的少ない遊技で当選種別「BB」に当選するので、ボーナス非成立遊技状態の滞在期間は短くなる。
(ボーナス成立遊技状態)
ボーナス成立遊技状態は、ボーナス非成立遊技状態のみから移行し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで継続する遊技状態である。この間、BB内部当選フラグが成立した状態に維持される。また、ボーナス成立遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率がボーナス非成立遊技状態より高く、例えば約1/3.8に設定される。
本実施形態では、後述するように、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態を維持しつつ、副制御基板202によるAT遊技状態を実現する。したがって、ボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に容易に遷移しないように、ボーナス成立遊技状態における当選種別抽選の当選確率を調整している。
ボーナス成立遊技状態において、図9に示したボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを参照して理解できるように、当選種別抽選手段304は、BB内部当選フラグが持ち越されている遊技においても、リプレイ役や小役を抽選している。したがって、リプレイ役や小役が当選種別抽選により決定されると、リプレイ役や小役の当選フラグと、BB内部当選フラグとがいずれも成立していることとなる。ここで、本実施形態では、リプレイ役>小役>ボーナス役の順に優先順位が定められている。すなわち、リプレイ役や小役が含まれる当選種別に当選した遊技において、リール制御手段306は、リプレイ役や小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせは、遊技者が狙ったとしても、有効ラインA上に表示されることはない。
ここで、図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを参照すると、ボーナス成立遊技状態では、リプレイ役、小役、ハズレのいずれかに当選するようになっている。本実施形態では、ハズレの当選確率を、例えば、1/65536とすることで、ほぼ、リプレイ役または小役のいずれかに当選することになる。そうすると、上記の如く、リプレイ役または小役に対応する図柄組み合わせが優先され、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができない。また、リプレイ役や小役が含まれる当選種別に当選していないハズレの遊技でのみ当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能であるが、当選種別抽選においてハズレであったことを把握することができないようにすることで、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されないようにしている。また、当選種別抽選がハズレであったとしても、遊技者が無作為に操作した場合に、各回転リール134a、134b、134cに1図柄または連続2図柄しか記されていない当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが表示される可能性は少ない。こうして、遊技者が当選役「BB」の入賞を意図的に回避しなければならない状況を減らし、遊技者の煩わしい操作負担を軽減しつつ、ボーナス成立遊技状態を容易に維持させることが可能となる。
また、ボーナス成立遊技状態では、上述したように、ほぼ、リプレイ役または小役のいずれかに当選することになっており、リプレイ役が約1/3.8の高確率で当選することで、遊技者のメダルの消費を抑え、また、AT遊技状態が実現されると、補助演出によって正解操作態様が報知されるので、遊技者は、メダルを獲得することが可能となる。ここでは、リプレイ役が、既に、約1/3.8といった高確率で当選するので、リプレイ役の当選確率が高くなるRT(リプレイタイム)等を実行することなく、AT遊技状態のみを速やかに開始することが可能となる。
(ボーナス遊技状態)
ボーナス遊技状態は、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことを契機に移行し、メダルが所定枚数(例えば、26枚)払い出されるまで継続する遊技状態である。かかるボーナス遊技状態では、上述したように、当選種別抽選テーブルが設定されておらず、当選種別抽選手段304による当選種別抽選の結果が全てハズレとなるようになっている。ただし、かかる当選種別抽選の結果に拘わらず、全ての抽選結果において、対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能な小役に強制的に設定される。したがって、ボーナス遊技において、遊技者は、必ず、メダルの所定枚数の払出を受けることができる。ただし、本実施形態では、払出枚数を規定投入数(ここでは2枚)と等しくしているため、ボーナス遊技によって得られるメダル数は±0枚である。また、本実施形態では、ボーナス遊技終了後のボーナス非成立遊技状態において補助演出が実行されないので、遊技者のメダルは減ることが多くなる。
一方、ボーナス成立遊技状態では、AT遊技状態を実現し、AT遊技状態において補助演出が実行されるため、メダルの増加が期待できる。したがって、遊技者は、遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に移行するのを回避し、長期に亘ってボーナス成立遊技状態を維持しようとする。こうして、主制御基板200が管理する遊技状態をボーナス成立遊技状態に維持しつつ、ボーナス成立遊技状態中において、副制御基板202によるAT遊技状態を実現することができる。
(擬似付加遊技)
図11は、擬似付加遊技の擬似遊技における擬似当選種別抽選テーブルを示す図である。上述したように、擬似付加遊技は、1または複数の擬似遊技と、1の基本遊技とから構成される。当選種別抽選手段304は、擬似付加遊技が開始されると、1または複数の擬似遊技それぞれの開始段階、例えば、スタートスイッチ128の操作に応じて、図11に示す擬似当選種別抽選テーブルを参照して、複数の擬似当選役から1の擬似当選役を決定する。なお、擬似付加遊技においては、擬似付加遊技の実行の決定時に擬似遊技の回数が決定されてもよく、また、擬似遊技が実行される度に、次に再び擬似遊技が実行されるか否かを抽選で決定してもよい。
図11の擬似当選種別抽選テーブルによれば、当選領域1には、擬似当選種別「弱チェリーリプレイ」が対応付けられ、当選領域2には、擬似当選種別「強チェリーリプレイ」が対応付けられ、当選領域3には、擬似当選種別「弱スイカリプレイ」が対応付けられ、当選領域4には、擬似当選種別「強スイカリプレイ」が対応付けられ、当選領域5には、擬似当選種別「チャンスリプレイ」が対応付けられている。図11を参照して理解できるように、当該擬似当選種別抽選テーブルには、「ハズレ」が設定されておらず、擬似当選種別「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「弱スイカリプレイ」、「強スイカリプレイ」、「チャンスリプレイ」のいずれかが必ず当選することになる。ここで、擬似当選役「弱チェリーリプレイ」は、当選役「弱チェリーリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうちのいずれかが有効ラインA上に表示可能となる。また、擬似当選役「強チェリーリプレイ」は、当選役「強チェリーリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうちのいずれかが有効ラインA上に表示可能となる。また、擬似当選役「弱スイカリプレイ」は、当選役「弱スイカリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうちのいずれかが有効ラインA上に表示可能となる。また、擬似当選役「強スイカリプレイ」は、当選役「強スイカリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうちのいずれかが有効ラインA上に表示可能となる。また、擬似当選役「チャンスリプレイ」は、当選役「チャンスリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうちのいずれかが有効ラインA上に表示可能となる。つまり、図9と図11を比較して理解できるように、擬似当選種別は、当選種別に含まれ、また、リプレイ役のみで構成されている。
ところで、擬似付加遊技の実行の決定(所定の契機)は、遊技状態が非AT遊技状態である場合と、AT遊技状態である場合とで異なる条件となっている。主制御基板200の当選種別抽選手段304は、遊技状態が非AT遊技状態(通常遊技状態、チャンス遊技状態)に設定されている間、上記当選種別抽選と並行して、所定の決定確率(例えば、1/40)の抽選により、次の遊技での擬似付加遊技の実行を決定する。つまり、非AT遊技状態においては当選種別に拘わらず、所定の決定確率で擬似付加遊技の実行可否が決定される。
一方、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334は、詳しくは後述するように、遊技状態がAT遊技状態に設定されている間、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ(「通常リプレイA」〜「通常リプレイD」)」が当選した場合に、設定されている上乗せ仕様数に基づいた決定確率で抽選により次の遊技での擬似付加遊技の実行を決定する。以下に、基本遊技および擬似付加遊技の回転態様(回転の様子)について説明する。
図12は、基本遊技を説明するための説明図であり、図13は、擬似付加遊技を説明するための説明図である。まず、図12を用いて基本遊技を説明する。ここでは、例えば、当選種別抽選手段304による当選種別抽選により当選種別「強チェリーリプレイ」に当選し、擬似付加遊技の実行は決定されていないとする。
図12に示す基本遊技では、まず、図12(a)に示すように、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。そして、図12(b)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、当選種別抽選手段304が当選種別抽選により当選種別「強チェリーリプレイ」を決定し、リール制御手段306が、図12(c)に示すように、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。そして、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130a)の操作に応じて、リール制御手段306が、図12(d)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは左リール134a)を停止制御する。同様に、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの他の任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130b)の操作に応じて、リール制御手段306が、図12(e)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは中リール134b)を停止制御し、残りのストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130c)の操作に応じて、リール制御手段306が、図12(f)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは右リール134c)を停止制御する。そして、判定手段308が次の基本遊技のためのベットスイッチ126を有効化する。図12の例では、有効ラインA上に「スイカB」、「チェリー」、「ハズレ」の図柄組合せが表示され、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「チェリー」、「チェリー」、「チェリー」となっており、遊技者は、当選役「強チェリーリプレイ」に当選したことを容易に把握できる。
次に、例えば、当選種別抽選手段304による当選種別抽選により当選種別「強チェリーリプレイ」が当選し、また、前回の遊技において擬似付加遊技の実行が決定されていたとする。まず、図12(a)に示すように、ベット手段302が自動投入によりメダルをベットする。そして、図12(b)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、リール制御手段306は、スタートスイッチ128が操作されてから、スタートスイッチ128の操作に応じて行われる当選種別抽選の抽選結果である当選種別「強チェリーリプレイ」を表示するために回転リール134a、134b、134cの回転が開始されるまでの時間を擬似遊技1回分に相当する時間だけ延長し、リール演出(フリーズ演出)として擬似遊技を開始する。なお、ここでは、当選種別抽選手段304により例えば擬似当選種別「弱チェリーリプレイ」が決定されたとする。このように擬似遊技が開始される際のスタートスイッチ128の操作に限り、基本遊技のスタートスイッチ128の操作と兼用される。そして、リール制御手段306は、図13(a)に示すように、擬似遊技による回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130a)の操作に応じて、リール制御手段306が、図13(b)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは左リール134a)を停止制御する。同様に、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの他の任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130b)の操作に応じて、リール制御手段306が、図13(c)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは中リール134b)を停止制御し、残りのストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130c)の操作に応じて、リール制御手段306が、図13(d)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは右リール134c)を停止制御する。ただし、ここでの停止制御は、基本遊技と同じ停止制御を用いてはいるものの、基本遊技の本来の停止と異なる仮停止に相当し、基本遊技の遊技結果を示す停止と役割が異なる。図13の例では、有効ラインA上に「スイカB」、「チェリー」、「リプレイA」の図柄組合せが表示され、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「チェリー」、「チェリー」、「ベル」となっているが、遊技者が、当選役「弱チェリーリプレイ」が入賞したか、擬似当選役「弱チェリーリプレイ」が入賞したかを把握することはできない。しかしながら、擬似当選役「弱チェリーリプレイ」では、基本遊技における当選役「弱チェリーリプレイ」と同じ図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるため、擬似当選役「弱チェリーリプレイ」の入賞時に擬似当選役「弱チェリーリプレイ」であると遊技者が認識していなかったとしても、当選役「弱チェリーリプレイ」であると認識する場合があり、リプレイ役であると判断して遊技者はそのままスタートスイッチ128を操作することとなる。その結果、擬似遊技が終了して基本遊技に移行する前、換言すれば、1遊技の途中に、遊技者が遊技をやめてしまうことを防止することができる。
続いて、図13(e)に示すように、遊技者によるベットスイッチ126の操作を通じ、スタートスイッチ128の操作が有効になる。そして、図13(f)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、リール制御手段306が、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。そして、基本遊技が再開され、図12(c)〜図12(f)に示した基本遊技が行われる。こうして、最終的に、有効ラインA上に当選役「強チェリーリプレイ」に対応する図柄組み合わせが表示され、当選役「強チェリーリプレイ」に基づくメダルの自動投入が行われる。
ここで、当選種別「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「弱スイカリプレイ」、「強スイカリプレイ」、「チャンスリプレイ」は、当選種別「通常リプレイ」や「打順ベル」等と比べて、チャンス遊技状態やAT遊技状態に移行する可能性が高く、また、詳しくは後述する上乗せ獲得枚数が得られる可能性が高い役、つまり、遊技利益を得られる可能性が高い役(レア役)である。
そして、擬似付加遊技が実行された場合、擬似当選種別「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「弱スイカリプレイ」、「強スイカリプレイ」、「チャンスリプレイ」の当選時に、当該擬似当選種別に基づいて、当選種別「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「弱チェリーリプレイ」、「強スイカリプレイ」、「チャンスリプレイ」の当選時と同様に、上記の遊技利益の抽選を受けることができる。
また、当選種別「弱チェリーリプレイ」および擬似当選種別「弱チェリーリプレイ」では、同一の確率で遊技利益の抽選が行われるようになっており、当選種別「強チェリーリプレイ」および擬似当選種別「強チェリーリプレイ」、当選種別「弱スイカリプレイ」および擬似当選種別「弱スイカリプレイ」、当選種別「強スイカリプレイ」および擬似当選種別「強スイカリプレイ」でも、それぞれ同一の確率で遊技利益の抽選が行われるようになっている。
したがって、擬似付加遊技が実行された場合、擬似当選種別としてレア役が抽選されるので、遊技者は、一旦、擬似付加遊技が開始されると、何らかの遊技利益を獲得する期待度が高められることになる。
(副制御基板202)
図4に戻って説明すると、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、副遊技状態遷移手段(遊技状態遷移手段)334、演出決定手段336、演出実行手段338等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに基づいて、複数の遊技状態から1の遊技状態を遊技状態抽選により決定し、遊技状態を遷移させる。ここで、AT遊技は、補助演出を実行する遊技者に有利な遊技であり、所定の契機に開始される。また、チャンス遊技は、このようなAT遊技に当選しやすい遊技を言う。かかるチャンス遊技やAT遊技については後程詳述する。
演出決定手段336は、演出スイッチ132から検出信号を受信するとともに、当選種別コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出決定手段336は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。演出実行手段338は、決定した遊技の演出を実行する。かかる各機能部については、後程詳述する。
演出は、上述したリール演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選種別の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、AT遊技の当選を示唆し、最終的にAT遊技状態への移行を報知する演出(報知演出)を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。報知演出には、遊技状態の移行を文言等により明示的に示すのみならず、レインボー色の背景を提示する等、実質的に遊技状態の移行を示すものも含む。また、たとえ、いずれの当選種別にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。また、演出には、上述したように、図9に示すボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルの当選領域11〜26の当選種別「打順ベル」に当選した場合に、期待獲得枚数が最大となる(当選役「通常ベル」を入賞し得る)正解操作態様を報知する補助演出も含まれる。
本実施形態では、副制御基板202内で演出動画を処理しているが、液晶表示部138に表示される静止画や動画を含む画像は、データ容量やその表示に伴う処理負荷が膨大となるため、別途、液晶制御基板を介在させて演出動画を処理する場合もある。
(遊技状態の遷移)
図14は、副制御基板202における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。以下、副制御基板202において副遊技状態遷移手段334により遷移される遊技状態(非AT遊技状態、AT遊技状態)について詳述する。
(非AT遊技状態)
非AT遊技状態は、副制御基板202で管理される複数の遊技状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。非AT遊技状態が実行される際、主制御基板200では、ボーナス成立遊技状態となっているので、小役やリプレイ役の当選確率が高く設定されていることになるが、補助演出の実行頻度がAT遊技状態より低く、ほぼ補助演出が行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。
また、非AT遊技状態では、遊技上、期待獲得枚数を低減すべく、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が正当な操作態様(打順1または打順2)に制限され、遊技者は、そのような正当な操作態様以外の変則操作態様(打順3〜打順6)で操作を行うと、例えば、所定の遊技数を消化するまで、AT遊技の移行確率が低く設定されたり、所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達等)遊技上の特典が与えられる条件下で遊技数の消化計数が一時的に停止する等、遊技が不利に進行するペナルティが科されることとなる。
また、非AT遊技状態では、以下で順に説明する、通常遊技状態およびチャンス遊技状態が設けられている。副遊技状態遷移手段334は、通常遊技状態における所定の契機で遊技状態をチャンス遊技状態に移行させる(1)。
チャンス遊技状態において、AT遊技状態への移行を決定すると、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態をノーマルAT遊技状態に移行させ(2)、AT遊技状態への移行が決定されることなく、チャンス遊技状態が維持されたまま所定の条件が満たされると、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を通常遊技状態に戻す(3)。
また、副遊技状態遷移手段334は、通常遊技状態において、遊技状態をAT遊技状態(ノーマルAT遊技状態)に移行させることができる(4)。
なお、チャンス遊技状態の方が通常遊技状態よりAT遊技状態に移行し易いように設定されている。例えば、チャンス遊技状態および通常遊技状態のいずれの遊技状態においても、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいてAT遊技状態へ移行するか否かが抽選(遊技状態抽選)により決定される場合に、当選種別毎に対応付けられたAT遊技状態へ移行する確率が通常遊技状態よりチャンス遊技状態の方が高くなっている。したがって、遊技者は、通常遊技状態より、チャンス遊技状態に滞在することを望むこととなる。また、AT遊技状態に移行することなく通常遊技状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達)、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態をAT遊技状態へ移行させる(4)。
(AT遊技状態)
AT遊技状態(特定遊技状態)は、補助演出を介して例えば当選役「通常ベル」を有効ラインA上に2回表示させ、非AT遊技状態から移行する遊技状態であり、副制御基板202による補助演出が行われる。AT遊技状態では、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態となっているので、小役やリプレイ役の当選確率が高く設定されており、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、通常遊技状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。
また、AT遊技状態では、通常遊技状態のようなペナルティを科していない。当該AT遊技状態では、選択当選役が重複当選している場合に、正解操作態様を報知することで、正解操作態様の操作により選択当選役を入賞させ、遊技者にメダルを獲得させることを目的としている。したがって、正解操作態様に対応している変則操作態様をペナルティにすることができないからである。
また、AT遊技状態では、ノーマルAT遊技状態および特殊AT遊技状態が設けられている。副遊技状態遷移手段334は、上述した通常遊技状態からノーマルAT遊技状態へ移行させると、ノーマルAT遊技状態の継続獲得枚数(払出枚数−投入枚数)を決定する。ここで、継続獲得枚数は、ノーマルAT遊技状態で獲得可能なメダルの最低保証枚数である。
そして、ノーマルAT遊技で獲得された獲得枚数が継続獲得枚数に到達すると、ノーマルAT遊技状態が終了し、副遊技状態遷移手段334は、ノーマルAT遊技状態の継続抽選を行う。そして、ノーマルAT遊技状態の継続抽選に当選すると、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を、再度、ノーマルAT遊技状態へ移行させ、ノーマルAT遊技状態の継続遊技数を決定する(5)。また、ノーマルAT遊技状態の継続抽選に当選しなかった場合は、遊技状態を、通常遊技状態へ移行させる(6)。
ノーマルAT遊技状態において、副遊技状態遷移手段334は、詳しくは後述するように、ノーマルAT遊技状態の継続獲得枚数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると、遊技者にその旨報知するとともに、当選した上乗せにかかる獲得枚数(上乗せ獲得枚数)を加えて継続獲得枚数を更新する。つまり、ノーマルAT遊技状態において獲得した獲得枚数(遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間に行われるカウントのカウンタ値)と継続獲得枚数(終了条件値)との差分値が増加するよう上乗せ獲得枚数(上乗せ値)が決定され、差分値が増加するように、継続獲得枚数に上乗せ獲得枚数を加えて継続獲得枚数を更新する。
また、副遊技状態遷移手段334は、ノーマルAT遊技状態における所定の契機で遊技状態を特殊AT遊技状態に移行させ(7)、特殊AT遊技状態において所定の終了条件を満たすと、遊技状態をノーマルAT遊技状態に戻す(8)。かかる特殊AT遊技状態は、ノーマルAT遊技状態より、継続獲得枚数が上乗せされ易いように設定されている。したがって、遊技者は、ノーマルAT遊技状態より、特殊AT遊技状態に滞在することを望むこととなる。
上述したように、主制御基板200が管理する遊技状態は、ほぼ、ボーナス成立遊技状態に滞在しており、ボーナス成立遊技状態であることを条件に、副制御基板202では、遊技状態を、通常遊技状態、チャンス遊技状態、ノーマルAT遊技状態、特殊AT遊技状態の間で遷移させる。しかし、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される可能性があり、主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移する場合もある。副制御基板202では、主制御基板200における遊技状態を把握することが可能なので、ボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移した場合、副制御基板202の遊技状態を一旦停止し、かつ、補助演出を行わないようにする。そして、主制御基板200においてボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態に遷移すると、副制御基板202の遊技状態を再開する。
以下、ノーマルAT遊技状態、および、特殊AT遊技状態について詳述する。
(ノーマルAT遊技状態)
図15は、上乗せ仕様の一例を示す図である。副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、最大で4つの上乗せ仕様を重複して設定(セット)し、設定されている上乗せ仕様に基づいて上乗せ獲得枚数を決定し、決定した上乗せ獲得枚数を継続獲得枚数に加算する。
ここで、上乗せ仕様とは、上乗せにかかる条件である上乗せ条件が規定されたものであり、本実施の形態においては、上乗せ条件が異なる複数の上乗せ仕様が設けられている。図15に示すように、上乗せ仕様は、継続遊技数、当該上乗せ仕様が属するランク、および、当該上乗せ仕様が設定されている場合の効果(例えば、特定の当選種別(擬似当選種別も含むが、以下では説明の便宜上、当選種別のみを用いて説明する)の当選時に参照される上乗せ獲得枚数決定確率(例えば図17))が規定されている。継続遊技数とは、当該上乗せ仕様を設定可能な遊技数を示すものである。ランクとは、上乗せ仕様を複数に区分するものであり、上乗せ仕様は、ランクC、ランクB、ランクAおよびランクSのいずれかに属する。また、ランクC→ランクB→ランクA→ランクSの順にランクが高くなり、ランクが高いほど、当該上乗せ仕様によって上乗せ獲得枚数が多く得られる可能性が高く、また、当該ランクに属する上乗せ仕様が抽選により決定される確率が低くなるように規定されている。
上乗せ仕様「チェリー性能UP」は、継続遊技数が5(5回の遊技(基本遊技および擬似遊技を含む)が終了するまで設定される)であり、ランクCに属し、当選種別抽選により当選種別「弱チェリーリプレイ」および「強チェリーリプレイ」が当選した場合に、上乗せ獲得枚数が得られる確率(期待値)、および、上乗せ獲得枚数が多く得られる確率(期待値)が当該上乗せ仕様「チェリー性能UP」が設定されていない場合より高い。上乗せ仕様「スイカ性能UP」は、継続遊技数が5であり、ランクCに属し、当選種別抽選により当選種別「弱スイカリプレイ」および「強スイカリプレイ」が当選した場合に、上乗せ獲得枚数が得られる確率、および、上乗せ獲得枚数が多く得られる確率が当該上乗せ仕様「スイカ性能UP」が設定されていない場合より高い。上乗せ仕様「チャンス性能UP」は、継続遊技数が5であり、ランクCに属し、当選種別抽選により当選種別「チャンスリプレイ」が当選した場合に、上乗せ獲得枚数が得られる確率、および、上乗せ獲得枚数が多く得られる確率が当該上乗せ仕様「チャンス性能UP」が設定されていない場合より高い。
上乗せ仕様「ベル上乗せ」は、継続遊技数が5であり、ランクBに属し、当選種別抽選により当選種別「ベル」が当選した場合に、必ず上乗せ獲得枚数が得られ、また、上乗せ獲得枚数が多く得られる確率が当該上乗せ仕様「ベル上乗せ」が設定されていない場合より高い。上乗せ仕様「リプレイ上乗せ」は、継続遊技数が5であり、ランクBに属し、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ」が当選した場合に、必ず上乗せ獲得枚数が得られ、また、上乗せ獲得枚数が多く得られる確率が当該上乗せ仕様「リプレイ上乗せ」が設定されていない場合より高い。上乗せ仕様「全レア役性能UP」は、継続遊技数が5であり、ランクBに属し、当選種別抽選によりレア役である当選種別「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「弱スイカリプレイ」、「強スイカリプレイ」、「チャンスリプレイ」が当選した場合に、上乗せ獲得枚数が得られる確率、および、上乗せ獲得枚数が多く得られる確率が当該上乗せ仕様「全レア役性能UP」が設定されていない場合より高い。
上乗せ仕様「全役上乗せ」は、継続遊技数が5であり、ランクAに属し、当選種別抽選によりいずれの当選種別が当選した場合にも、必ず上乗せ獲得枚数が得られ、また、上乗せ獲得枚数が多く得られる確率が当該上乗せ仕様「全役上乗せ」が設定されていない場合より高い。
上乗せ仕様「全役強上乗せ」は、継続遊技数が10であり、ランクSに属し、当選種別抽選によりいずれの当選種別が当選した場合にも、上乗せ仕様「全役上乗せ」よりも上乗せ獲得枚数が多く得られる。上乗せ仕様「上乗せ×2」は、継続遊技数が10であり、ランクSに属し、上乗せ獲得枚数が得られた場合に、上乗せ獲得枚数が2倍になる。上乗せ仕様「状態維持」は、継続遊技数が10であり、ランクSに属し、設定されている他の上乗せ仕様がある場合には当該他の上乗せ仕様の設定が解除されるまでの遊技数(以下、残遊技数とも呼ぶ)を維持させる(減算させない)。つまり、10回の遊技が終了するまで、設定されている他の上乗せ仕様の残遊技数がそのまま維持される。
図16は、上乗せ仕様決定確率を示す図である。副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、図15に示した複数の上乗せ仕様の中から、上乗せ条件が同一または異なる上乗せ仕様を最大で4つ設定(セット)する。具体的には、副遊技状態遷移手段334は、ノーマルAT遊技状態に移行させた後の最初の1遊技において、スタートスイッチ128が操作されて遊技が開始されると、1の上乗せ仕様を抽選により決定し、決定した上乗せ仕様を設定する。ここで設定された上乗せ仕様は、次の遊技から有効となり、また、次の遊技から残遊技数が減算されていく。
また、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、スタートスイッチ128が操作されて遊技が開始されると、図16に示す上乗せ仕様決定確率に基づいて、設定されている上乗せ仕様に追加して、新たな上乗せ仕様を設定するか否かの抽選を行う。図16に示すように、設定されている上乗せ仕様の数(上乗せ仕様数)が0および1の場合には、1/3の確率で、新たな上乗せ仕様の設定を決定し、設定されている上乗せ仕様数が2および3の場合には、1/12の確率で、新たな上乗せ仕様の設定を決定し、設定されている上乗せ仕様数が4の場合には、1/20の確率で、新たな上乗せ仕様の設定を決定する。なお、ここでは、設定されている上乗せ仕様数に基づいて、図16に示す上乗せ仕様決定確率で新たな上乗せ仕様の設定を抽選するようにしたが、例えば、設定されている上乗せ仕様数、および、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて新たな上乗せ仕様の設定を抽選するようにしてもよい。
そして、副遊技状態遷移手段334は、新たな上乗せ仕様の設定を決定した場合、複数の上乗せ仕様の中から、1の上乗せ仕様を抽選により決定する。このように、上乗せ仕様数が少ない場合のほうが、上乗せ仕様数が多い場合よりも新たに上乗せ仕様が設定される決定確率が高くなり、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間は、平均して2〜3の上乗せ仕様が設定されるようになっている。なお、上記したように、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間に設定可能な上乗せ仕様数の上限である最大数は4であるため、副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様数が4のときに新たな上乗せ仕様の設定を決定した場合には、新たな上乗せ仕様をストック(蓄積)として一時的に保留しておき、設定されている上乗せ仕様のいずれかの残遊技数が0となった場合に、ストックされていた上乗せ仕様を新たに設定するようになっている。
図17は、当選種別「弱チェリーリプレイ」当選時上乗せ獲得枚数決定確率を示す図である。遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されており、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が設定されておらず、当選種別抽選により当選種別「弱チェリーリプレイ」が当選した場合、副遊技状態遷移手段334は、図17(a)に示す「弱チェリーリプレイ」当選時上乗せ獲得枚数決定確率(「チェリー性能UP」非設定時用)にしたがって、抽選により上乗せ獲得枚数を決定する。
また、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されており、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が1つ設定されており、当選種別抽選により当選種別「弱チェリーリプレイ」が当選した場合、副遊技状態遷移手段334は、図17(b)に示す「弱チェリーリプレイ」当選時上乗せ獲得枚数決定確率(「チェリー性能UP」1つ設定時用)にしたがって、抽選により上乗せ獲得枚数を決定する。
また、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されており、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が2つ設定されており、当選種別抽選により当選種別「弱チェリーリプレイ」が当選した場合、副遊技状態遷移手段334は、図17(c)に示す「弱チェリーリプレイ」当選時上乗せ獲得枚数決定確率(「チェリー性能UP」2つ設定時用)にしたがって、抽選により上乗せ獲得枚数を決定する。
図17からも理解できるように、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されており、当選種別抽選により当選種別「弱チェリーリプレイ」が当選したとき、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が設定されている場合の方が、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が設定されていない場合より、上乗せ獲得枚数が得られる決定確率が高く、また、上乗せ獲得枚数が得られる場合には得られる上乗せ獲得枚数が多くなる決定確率が高い。また、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されており、当選種別抽選により当選種別「弱チェリーリプレイ」が当選したとき、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が2つ設定されている場合の方が、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が1つ設定されている場合より、上乗せ獲得枚数が得られる決定確率が高く、また、上乗せ獲得枚数が得られる場合には得られる上乗せ獲得枚数が多くなる決定確率が高い。
なお、図17においては、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が設定されていない場合、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が1つ設定されている場合、および、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が2つ設定されている場合の「弱チェリーリプレイ」当選時上乗せ獲得枚数決定確率について説明したが、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が3つ設定されている場合、および、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が4つ設定されている場合についても「弱チェリーリプレイ」当選時上乗せ獲得枚数決定確率が設定されている。詳しい説明は省略するが、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されており、当選種別抽選により当選種別「弱チェリーリプレイ」が当選したとき、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が3つ設定されている場合の方が、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が2つ設定されている場合より、上乗せ獲得枚数が得られる決定確率が高く、また、上乗せ獲得枚数が得られる場合には得られる上乗せ獲得枚数が多くなる決定確率が高い。また、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されており、当選種別抽選により当選種別「弱チェリーリプレイ」が当選したとき、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が4つ設定されている場合の方が、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が3つ設定されている場合より、上乗せ獲得枚数が得られる決定確率が高く、また、上乗せ獲得枚数が得られる場合には得られる上乗せ獲得枚数が多くなる決定確率が高い。
また、図17においては、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が設定されていない場合、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が1つ設定されている場合、および、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が2つ設定されている場合の「弱チェリーリプレイ」当選時上乗せ獲得枚数決定確率について説明したが、他の上乗せ仕様についても、上乗せ仕様が設定されていない場合、1〜4つ設定されている場合それぞれについて、対応する当選種別の当選時上乗せ獲得枚数決定確率が設定されている。また、異なる上乗せ仕様が設定される場合についても、設定される上乗せ仕様の組み合わせそれぞれについて、当選種別抽選により決定される当選種別の当選時上乗せ獲得枚数決定確率が設定されている。つまり、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、設定されている上乗せ仕様の組み合わせそれぞれについて、当選時上乗せ獲得枚数決定確率が設定されている。
副遊技状態遷移手段334は、スタートスイッチ128が操作されて1遊技が開始され、当選種別抽選により当選種別が決定されると、決定された当選種別、および、設定されている上乗せ仕様に基づいた上乗せ獲得枚数決定確率にしたがって上乗せ抽選を行い、決定された上乗せ獲得枚数を継続獲得枚数に加算する。
そして、副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様それぞれについて、残遊技数を1減算していき、上乗せ仕様の解除条件である残遊技数が0になると、当該遊技が終了するときに残遊技数が0になった上乗せ仕様の設定を解除する。また、副遊技状態遷移手段334は、上乗せ仕様の設定が解除された場合、ストックされている上乗せ仕様の有無を確認し、ストックされている上乗せ仕様がある場合には、ストックされている上乗せ仕様のうち、最も先にストックされた上乗せ仕様を設定する。
このように、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、1遊技ごとに、設定されている上乗せ仕様数に基づいた上乗せ仕様決定確率(図16)にしたがって、新たな上乗せ仕様を設定するか否かの抽選を行うとともに、当選種別抽選により決定された当選種別、および、設定されている上乗せ仕様に基づいた上乗せ獲得枚数決定確率(例えば図17)にしたがって上乗せ抽選を行い、決定された上乗せ獲得枚数を継続獲得枚数に加算する。これにより、設定される上乗せ仕様が、遊技の進行とともに変わっていき、上乗せ獲得枚数が得られる期待感も遊技の進行とともに変化していくといった新たな遊技性を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。
ただし、副遊技状態遷移手段334は、上乗せ仕様が3つ設定されている状態で、図16に示す上乗せ仕様決定確率で新たな上乗せ仕様の設定を抽選し、新たな上乗せ仕様の設定が決定された場合には、次の遊技から所定の保障遊技数(所定期間、例えば5回)に亘って残遊技数の減算を停止するとともに、残遊技数が0となり(解除条件が成立し)本来ならば当該遊技の終了後に設定が解除される上乗せ仕様がある場合には当該上乗せ仕様の設定の解除を保障遊技数に亘って遅延させる。つまり、新たな上乗せ仕様の設定の抽選により、上乗せ仕様数が設定可能な最大数(規定数)である4となった場合には、少なくとも保障遊技数に亘って、4の上乗せ仕様が設定され続け、上乗せ仕様の設定が解除されない。これにより、上乗せ仕様が設定可能な最大数である4つ設定されたことによる、上乗せ獲得枚数が高い確率で獲得され、また、上乗せ獲得枚数が多く得られるといった高い期待感を維持させることができる。また、詳しくは後述するように、AT遊技状態での擬似付加遊技抽選においては上乗せ仕様数に基づく擬似付加遊技決定確率で擬似付加遊技の実行可否が決定されるため、擬似付加遊技決定確率を高い状態で維持することができるので、上乗せ仕様が4つ設定されても、直ぐに4の上乗せ仕様のいずれかの設定が解除され、擬似付加遊技決定確率が下がってしまうといったことを防止し、擬似付加遊技決定確率の高い状態を少なくとも保障遊技数の遊技において安心して行わせることができる。
一方で、副遊技状態遷移手段334は、上乗せ仕様が設定可能な最大数である4つ設定されており、かつ、ストック(蓄積)されている上乗せ仕様がある状態で、遊技の進行により4の上乗せ仕様のうちのいずれかの上乗せ仕様の設定が解除され(設定されている上乗せ仕様数が、設定可能な最大数である4でなくなり)、ストックされている上乗せ仕様が設定されて、再び、設定可能な最大数である4の上乗せ仕様が設定されている状態になった場合には、上記のように保障遊技数に亘って残遊技数を減算させないといったことはなく、次の遊技から残遊技数が減算されていく。つまり、ストック(蓄積)されている上乗せ仕様が設定されて、設定可能な最大数である4の上乗せ仕様が設定されている状態になった場合、保障遊技数と同じ5回の遊技内であっても残遊技数が0になると、残遊技数が0となった上乗せ仕様の設定が解除される。ここで、ストックされていた上乗せ仕様が設定されて設定可能な最大数である4の上乗せ仕様が設定されることで、設定されている上乗せ仕様の解除を延長するとなると、複数の上乗せ仕様がストックされているような場合には、次から次へと設定可能な最大数である4の上乗せ仕様が設定されることになるので、設定されている上乗せ仕様の解除が次から次へと延長されることになる。上記のように、上乗せ仕様が設定可能な最大数である4つ設定されている場合、上乗せ獲得枚数が高い確率で獲得され、また、上乗せ獲得枚数が多く得られるので、設定可能な最大数である4の上乗せ仕様が設定される遊技数が長くなると、上乗せ獲得枚数、および、上乗せ獲得枚数が得られる確率を全体的に下げざるを得ず、遊技意欲を減退させることにもなりかねない。そこで、上乗せ仕様が設定されていき、初めて設定可能な最大数である4の上乗せ仕様が設定されたときにだけ、設定されている上乗せ仕様の解除が延長されることで、上乗せ獲得枚数、および、上乗せ獲得枚数が得られる確率を全体的に下げることなく、遊技意欲を向上させることができる。
次に、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間に、液晶表示部138に表示される画像および演出について説明する。
図18は、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間に液晶表示部138に表示される画像の一例を示す図である。図18に示すように、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、液晶表示部138の下方には、4つの上乗せ仕様表示領域138a〜138dが設けられ、上乗せ仕様表示領域138a〜138dの上方には、演出にかかる演出画像を表示する演出表示領域138eが設けられる。上乗せ仕様表示領域138a〜138dそれぞれには、設定されている上乗せ仕様のランク、上乗せ仕様の名称、残遊技数が記載された上乗せ仕様カードが表示される。
副遊技状態遷移手段334により上乗せ仕様が設定されると、演出決定手段336は、設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを、上乗せ仕様表示領域138a〜138dのいずれかに表示する。
より具体的には、図18(b)に示すように、演出実行手段338は、1の上乗せ仕様が設定されている場合には、当該設定されている上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138aに表示する。また、図18(c)に示すように、演出実行手段338は、2の上乗せ仕様が設定されている場合には、当該設定されている2の上乗せ仕様のうち、先に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138aに表示し、後に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138bに表示する。また、演出実行手段338は、3の上乗せ仕様が設定されている場合には、当該設定されている3の上乗せ仕様のうち、最初に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138aに表示し、2番目に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138bに表示し、3番目に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138cに表示する。また、演出実行手段338は、4の上乗せ仕様が設定されている場合には、当該設定されている4の上乗せ仕様のうち、最初に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138aに表示し、2番目に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138bに表示し、3番目に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138cに表示し、4番目に設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138dに表示する。
図19は、新たに上乗せ仕様が設定された場合に液晶表示部138に表示される画像の一例を示す図である。図19(a)に示すように、例えば、上乗せ仕様「チェリー性能UP」が設定されており、当該上乗せ仕様「チェリー性能UP」に対応する上乗せ仕様カードが上乗せ仕様表示領域138aに表示されているとする。そして、スタートスイッチ128が操作されて次の遊技が開始され、副遊技状態遷移手段334により上乗せ仕様「全役上乗せ」の設定が決定されたとすると、演出実行手段338は、図19(b)に示すように、新たな上乗せ仕様の設定が決定されたことを報知する「獲得」と記された画像とともに、上乗せ仕様「全役上乗せ」の設定が決定されたことを報知する「全役上乗せ」と記された画像を演出表示領域138eに表示する。また、演出実行手段338は、上乗せ仕様表示領域138aに表示された上乗せ仕様カードの残遊技数を1減算して表示する。その後、演出実行手段338は、図19(c)に示すように、上乗せ仕様「全役上乗せ」に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138bに表示する。このように、副遊技状態遷移手段334により新たな上乗せ仕様の設定が決定されると、演出実行手段338は、設定が決定された上乗せ仕様を報知する画像を演出表示領域138eに表示した後、上乗せ仕様表示領域138a〜138dの全てに上乗せ仕様カードが表示されていない場合には、上乗せ仕様表示領域138a〜138dのいずれかに(図中、左詰めで)、新たに設定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを表示する。なお、副遊技状態遷移手段334により新たな上乗せ仕様の設定が決定され、その上乗せ仕様がストックされる決定がなされた場合には、その上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードは上乗せ仕様表示領域138a〜138dのいずれにも表示されない。
図20は、上乗せ仕様数が4つ設定された場合の液晶表示部138に表示される画像の一例を示す図である。図20(a)に示すように、例えば、残遊技数が3である上乗せ仕様「チェリー性能UP」、残遊技数が4である上乗せ仕様「スイカ性能UP」、および、残遊技数が5である上乗せ仕様「チャンス性能UP」が設定されており、上乗せ仕様「チェリー性能UP」に対応する上乗せ仕様カードが上乗せ仕様表示領域138aに表示され、上乗せ仕様「スイカ性能UP」に対応する上乗せ仕様カードが上乗せ仕様表示領域138bに表示され、上乗せ仕様「チャンス性能UP」に対応する上乗せ仕様カードが上乗せ仕様表示領域138cに表示されているとする。そして、スタートスイッチ128が操作されて次の遊技が開始され、副遊技状態遷移手段334により上乗せ仕様「ベル上乗せ」の設定が決定されたとすると、演出実行手段338は、図20(b)に示すように、新たな上乗せ仕様の設定が決定されたことを報知する「獲得」と記された画像とともに、上乗せ仕様「ベル上乗せ」の設定が決定されたことを報知する「ベル上乗せ」と記された画像を演出表示領域138eに表示する。また、演出実行手段338は、上乗せ仕様表示領域138a〜138cに表示された上乗せ仕様カードの残遊技数を1減算して表示する。その後、演出実行手段338は、図20(c)に示すように、上乗せ仕様「ベル上乗せ」に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138dに表示するとともに、図20(d)に示すように、上乗せ仕様表示領域138a〜138dに表示されている上乗せ仕様カードに「HOLD」と記された画像を表示し、残遊技数の減算が停止していることを遊技者に報知する。その後、演出実行手段338は、保障遊技数の遊技が経過すると「HOLD」と記された画像を非表示にし、次の遊技が開始されると、図20(e)に示すように、上乗せ仕様表示領域138a〜138dに表示された上乗せ仕様カードの残遊技数を1減算して表示する。
図21は、上乗せ仕様の設定が解除された場合に液晶表示部138に表示される画像の一例を示す図である。図21(a)に示すように、例えば、残遊技数が1である上乗せ仕様「チェリー性能UP」、および、残遊技数が5である上乗せ仕様「スイカ性能UP」が設定されており、上乗せ仕様「チェリー性能UP」に対応する上乗せ仕様カードが上乗せ仕様表示領域138aに表示され、上乗せ仕様「スイカ性能UP」に対応する上乗せ仕様カードが上乗せ仕様表示領域138bに表示されているとする。そして、スタートスイッチ128が操作されて次の遊技が開始され、副遊技状態遷移手段334により上乗せ仕様「チェリー性能UP」および上乗せ仕様「スイカ性能UP」の残遊技数が1減算されると、演出実行手段338は、残遊技数が0である上乗せ仕様「チェリー性能UP」に対応する上乗せ仕様カード、残遊技数が4である上乗せ仕様「スイカ性能UP」に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138a、138bに表示する。その後、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが全て操作されて1遊技が終了し、副遊技状態遷移手段334により上乗せ仕様「チェリー性能UP」の設定が解除されると、演出実行手段338は、設定が解除された上乗せ仕様「チェリー性能UP」に対応する上乗せ仕様カードを非表示にし、まだ設定が継続されている上乗せ仕様「スイカ性能UP」に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138aに表示する。このように、副遊技状態遷移手段334により上乗せ仕様の設定の解除が決定されると、演出実行手段338は、設定の解除が決定された上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを非表示とするとともに、まだ設定が継続されている上乗せ仕様に対応する上乗せカードを左詰めに移動させて上乗せ仕様表示領域138a〜138dに表示する。なお、副遊技状態遷移手段334により上乗せ仕様の設定の解除が決定され、ストックされた上乗せ仕様がある場合には、ストックされていた上乗せ仕様に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138a〜138dのいずれかに左詰めで表示する。
ところで、副遊技状態遷移手段334は、上記したように、遊技の開始とともに、新たに上乗せ仕様を設定するための抽選を行うとともに、設定されている上乗せ仕様のランクアップ抽選を行う。ランクアップ抽選は、設定されている上乗せ仕様を、当該上乗せ仕様が属するランクよりも高いランクに属する他の上乗せ仕様に変更(ランクアップ)するための抽選である。具体的には、副遊技状態遷移手段334は、1または複数の上乗せ仕様が設定されている場合、上乗せ仕様のランクアップを行うか否かを所定の確率で抽選する。そして、副遊技状態遷移手段334は、ランクアップを行う抽選結果が導出され、1の上乗せ仕様が設定されている場合には、当該上乗せ仕様のランクアップを決定し、複数の上乗せ仕様が設定されている場合には、いずれの上乗せ仕様についてランクアップするかを抽選により決定する。そして、副遊技状態遷移手段334は、ランクアップする決定がなされた上乗せ仕様について、当該上乗せ仕様のランクよりも高いランクに属する他の上乗せ仕様の中から、1の上乗せ仕様を抽選で決定する。例えば、ランクアップする決定がなされた上乗せ仕様がランクCであった場合、ランクB、ランクAおよびランクSに属する上乗せ仕様の中から1の上乗せ仕様が決定され、ランクアップする決定がなされた上乗せ仕様がランクBであった場合、ランクAおよびランクSに属する上乗せ仕様の中から1の上乗せ仕様が決定され、ランクアップする決定がなされた上乗せ仕様がランクAであった場合、ランクSに属する上乗せ仕様の中から1の上乗せ仕様が決定される。このようにして、ランクアップ抽選を行うと、副遊技状態遷移手段334は、ランクアップ抽選でランクアップされた元の上乗せ仕様の設定を解除するとともに、ランクアップ抽選により決定された新たな上乗せ仕様を、残遊技数を継続遊技数に合わせて設定する。つまり、ランクアップ抽選でランクアップされた元の上乗せ仕様の残遊技数がいくつであっても、ランクアップ抽選により決定された新たな上乗せ仕様については、改めて図15に示す継続遊技数が初期の残遊技数として設定されることになる。なお、設定されている上乗せ仕様がランクSに属する上乗せ仕様のみである場合にはランクアップ抽選は行われない。
図22は、上乗せ仕様のランクアップ時に液晶表示部138に表示される画像の一例を示す図である。図22(a)に示すように、例えば、残遊技数が3である上乗せ仕様「チェリー性能UP」、および、残遊技数が5である上乗せ仕様「スイカ性能UP」が設定されており、上乗せ仕様「チェリー性能UP」に対応する上乗せ仕様カードが上乗せ仕様表示領域138aに表示され、上乗せ仕様「スイカ性能UP」に対応する上乗せ仕様カードが上乗せ仕様表示領域138bに表示されているとする。そして、スタートスイッチ128が操作されて次の遊技が開始され、副遊技状態遷移手段334によるランクアップ抽選により上乗せ仕様「チェリー性能UP」を上乗せ仕様「全役上乗せ」に変更(ランクアップ)する決定がなされたとする。このような場合、演出実行手段338は、まず、図22(b)に示すように、上記した新たな上乗せ仕様が決定された場合と同様に、ランクアップ抽選により決定された新たな上乗せ仕様「全役上乗せ」が属するランクAよりも低い例えばランクBの上乗せ仕様「ベル上乗せ」が抽選により恰も獲得されたかのように、新たな上乗せ仕様の設定が決定されたことを報知する「獲得」と記された画像とともに、「ベル上乗せ」と記された画像を演出表示領域138eに表示する。ここで、表示される画像に対応する上乗せ仕様は、ランクアップ抽選により決定された新たな上乗せ仕様のランクよりも低いランクの上乗せ仕様に対応するものであれば、いずれの上乗せ仕様に対応するものであってもよい。
その後、演出実行手段338は、図22(c)に示すように、ランクアップ抽選によりランクアップが決定された上乗せ仕様「チェリー性能UP」に対応する「チェリー性能UP」と記された画像、および、恰も獲得されたかのように表示された上乗せ仕様「ベル上乗せ」に対応する「ベル上乗せ」と記された画像を演出表示領域138eに並べて表示した後、図22(d)に示すように、これらの画像が重なってランクアップ抽選により決定された新たな上乗せ性能「全役上乗せ」に対応する「全役上乗せ」と記された画像を表示するとともに、「チェリー性能UP」と記された画像と、「ベル上乗せ」と記された画像とが合体してランクアップすることを報知する「合体」と記された画像を演出表示領域138eに表示する。その後、演出実行手段338は、図22(e)に示すように、上乗せ仕様「全役上乗せ」に対応する上乗せ仕様カードを上乗せ仕様表示領域138aに表示する。
このように、副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様のランクアップ抽選を行い、ランクアップする決定がなされた場合には、設定されている上乗せ仕様を、よりランクが高い上乗せ仕様に変更(ランクアップ)することで、上乗せ獲得枚数を得られる可能性が遊技の進行とともに変化していき、かつ、より多くの上乗せ獲得枚数を得られる可能性が高くなり、興趣の向上を図ることができる。
図23は、AT遊技状態におけるラウンドを説明する図である。図24は、特殊AT遊技状態決定確率を説明する図である。図23に示すように、AT遊技状態は、所定の契機(詳しくは後述する、特殊AT遊技状態への移行)によりラウンド回数が増加していく、1または複数のラウンドにより構成されている。なお、演出実行手段338は、設定されているラウンドが認識し得るように、例えば、ラウンド回数を演出表示領域138eに表示したり、ラウンド回数に応じた背景画像を演出表示領域138eに表示する。副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を非AT遊技状態からノーマルAT遊技状態に移行させると、ラウンド回数を1に設定する。そして、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、1遊技ごとに、設定されているラウンド回数と、設定されている上乗せ仕様数とに基づいて、特殊AT遊技状態への移行可否を抽選により決定する。具体的には、設定されているラウンド回数が奇数である場合には、図24(a)に示す特殊AT遊技状態決定確率で特殊AT遊技状態への移行を決定し、設定されているラウンド回数が偶数である場合には、図24(b)に示す特殊AT遊技状態決定確率で特殊AT遊技状態への移行を決定する。つまり、設定されているラウンド回数が奇数であり、設定されている上乗せ仕様数が0の場合には、1/500の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定され、設定されている上乗せ仕様数が1の場合には、1/250の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定され、設定されている上乗せ仕様数が2の場合には、1/125の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定され、設定されている上乗せ仕様数が3の場合には、1/62.5の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定され、設定されている上乗せ仕様数が4の場合には、1/25の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定される。また、設定されているラウンド回数が偶数であり、設定されている上乗せ仕様数が0の場合には、1/1000の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定され、設定されている上乗せ仕様数が1の場合には、1/500の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定され、設定されている上乗せ仕様数が2の場合には、1/250の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定され、設定されている上乗せ仕様数が3の場合には、1/125の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定され、設定されている上乗せ仕様数が4の場合には、1/50の確率で特殊AT遊技状態への移行が決定される。このように、設定されているラウンド回数が奇数である場合には、ラウンド回数が偶数である場合と比べ2倍の決定確率で特殊AT遊技状態への移行が決定される。また、設定されている上乗せ仕様の上乗せ仕様数が多くなるに連れて、特殊AT遊技状態への移行が決定される決定確率が高くなり、上乗せ仕様の獲得とともに特殊AT遊技状態への移行の期待感を高めることができる。
そして、演出実行手段338は、特殊AT遊技状態への移行が決定されると、数回(例えば3回)の遊技を経て、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利するバトル演出(勝利バトル演出)を複数の遊技に跨って実行する。ここで、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利するバトル演出のみしか実行されないとすると、バトル演出が実行された時点で特殊AT遊技状態への移行が遊技者に把握されてしまうため、演出決定手段336は、設定されているラウンド回数と、設定されている上乗せ仕様数とに基づいて、味方キャラクターが敵キャラクターに敗北するバトル演出(敗北バトル演出)を、例えば、特殊AT遊技状態移行決定確率と同一の決定確率で決定する。これにより、バトル演出が実行されたとしても、1/2の確率で味方キャラクターが敵キャラクターに勝利して遊技状態が特殊AT遊技状態に移行されることになり、演出効果を向上することができる。なお、演出決定手段336は、バトル演出(勝利バトル演出、敗北バトル演出)の実行開始時に、遊技数(バトル演出遊技数)を決定する。
図23(a)に示すように、勝利バトル演出の実行が決定された場合、副遊技状態遷移手段334は、バトル演出遊技数の遊技が終了すると、遊技状態を特殊AT遊技状態に移行させるとともに、ラウンド回数を1加算する。演出実行手段338は、勝利バトル演出が実行されている間、上乗せ仕様表示領域138a〜138dに表示されている上乗せ仕様カードを非表示にし、液晶表示部138全体に勝利バトル演出にかかる画像を表示する。
一方、味方キャラクターが敵キャラクターに敗北するバトル演出の実行が決定された場合、図23(b)に示すように、副遊技状態遷移手段334は、バトル演出遊技数の遊技が終了しても、ノーマルAT遊技状態を維持させるとともに、ラウンド回数を1に維持する。
(特殊AT遊技状態)
図25は、特殊上乗せ仕様決定確率を説明する図である。上記したように、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、設定されているラウンド回数、および、設定されている上乗せ仕様数に基づいて、特殊AT遊技状態への移行を抽選により決定する。そして、副遊技状態遷移手段334は、特殊AT遊技状態への移行を決定し、バトル演出遊技数の遊技が終了すると、遊技状態を特殊AT遊技状態に移行させる。特殊AT遊技状態では、ノーマルAT遊技状態において設定されていた上乗せ仕様を一時的に保留し(遊技が実行されても残遊技数が減少されず、また、上乗せ仕様にかかる上乗せ抽選も行われない)、図15に示した上乗せ仕様のうち、ランクAおよびランクSに属する上乗せ仕様を1〜4の範囲で新たに決定する(特殊期間)。なお、以下では、特殊AT遊技状態において決定、設定される上乗せ仕様を特殊上乗せ仕様とも呼ぶ。
具体的には、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された最初の遊技において、図25に示すように、1/1の特殊上乗せ仕様決定確率、つまり、必ず特殊上乗せ仕様の設定を決定するとともに、特殊上乗せ仕様として上乗せ仕様「全役強上乗せ」を決定する。なお、特殊上乗せ仕様を所定の決定確率で抽選により決定するようにしてもよい。そして、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の2回目の遊技において、1/1.5の特殊上乗せ仕様決定確率で特殊上乗せ仕様の設定を決定するとともに、特殊上乗せ仕様の設定を決定した場合には、ランクAおよびランクSに属する上乗せ仕様の中から特殊上乗せ仕様を抽選により決定する。その後、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の2回目の遊技において特殊上乗せ仕様の設定が決定された場合には、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の5回目の遊技において、1/1.5の特殊上乗せ仕様決定確率で特殊上乗せ仕様の設定を決定するとともに、特殊上乗せ仕様の設定を決定した場合には、ランクAおよびランクSに属する上乗せ仕様の中から特殊上乗せ仕様を抽選により決定する。また、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の2回目および5回目の遊技において特殊上乗せ仕様の設定が決定された場合には、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の8回目の遊技において、1/1.5の特殊上乗せ仕様決定確率で特殊上乗せ仕様の設定を決定するとともに、特殊上乗せ仕様の設定を決定した場合には、ランクAおよびランクSに属する上乗せ仕様の中から特殊上乗せ仕様を抽選により決定する。
一方、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の2回目の遊技において特殊上乗せ仕様の設定が決定されなかった場合には、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の5回目の遊技において、新たな特殊上乗せ仕様の設定の抽選を行うことはない。同様に、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の5回目の遊技において特殊上乗せ仕様の設定が決定されなかった場合には、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の8回目の遊技において、新たな特殊上乗せ仕様の設定の抽選を行うことはない。
このように、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の最初の遊技において、必ず、特殊上乗せ仕様の設定を決定し、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の2回目、5回目および8回目の遊技においては、特殊上乗せ仕様の設定の抽選に落選するまで、1/1.5の特殊上乗せ仕様決定確率で特殊上乗せ仕様の設定を決定する。したがって、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態において、ノーマルAT遊技状態(他の期間)よりも高確率で、かつ、上乗せ獲得枚数が多く得られる可能性の高い1〜4の上乗せ仕様を決定することになる。
なお、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の2回目、5回目および8回目の遊技において副遊技状態遷移手段334により特殊上乗せ仕様の設定の当否が決定されると、演出実行手段338は、当該遊技を含めて3回の遊技に跨って、特殊上乗せ仕様の設定の当否を示唆する特殊バトル演出を実行する。特殊バトル演出は、上記のバトル演出と同様に、味方キャラクターと敵キャラクターが対戦する演出であり、特殊上乗せ仕様の設定が決定された場合には味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する特殊バトル演出が実行され、特殊上乗せ仕様の設定が決定されなかった場合には味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する特殊バトル演出が実行される。
副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の2回目の遊技において特殊上乗せ仕様の設定を決定しなかった場合、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の4回目の遊技の終了後、これまでに決定した特殊上乗せ仕様を設定する。また、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の5回目の遊技において特殊上乗せ仕様の設定を決定しなかった場合、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の7回目の遊技の終了後、これまでに決定した特殊上乗せ仕様を設定する。また、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の2回目および5回目の遊技において特殊上乗せ仕様の設定を決定した場合、遊技状態が特殊AT遊技状態に移行された後の10回目の遊技の終了後、これまでに決定した特殊上乗せ仕様を設定する。そして、副遊技状態遷移手段334は、図23(a)に示すように、特殊上乗せ仕様が設定された後の遊技から、当該特殊上乗せ仕様の残遊技数を減算していくとともに、当該特殊上乗せ仕様に基づいて、上乗せ獲得枚数を決定する(消化期間)。その後、設定されている全ての特殊上乗せ仕様の残遊技数が0になると、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態をノーマルAT遊技状態に移行させるとともに、特殊AT遊技状態に移行するときに保留しておいた上乗せ仕様を再設定する。
このように、副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様数およびラウンド回数に基づいて、特殊AT遊技状態への移行可否を決定し、特殊AT遊技状態では、ノーマルAT遊技状態よりも高い決定確率で特殊上乗せ仕様の設定を決定する。これにより、上乗せ仕様を獲得(設定)することによる特殊AT遊技状態への移行決定確率も変化するといった新たな遊技性を実現することができるとともに、上乗せ仕様が獲得されることによる特殊AT遊技状態への移行の可能性の変化により興趣の向上を図ることができる。
(AT遊技状態における擬似付加遊技)
図26(a)は、AT遊技状態における擬似付加遊技決定確率を示す図であり、図26(b)は、AT遊技状態における擬似付加遊技決定時の打順を示す図である。上記したように、遊技状態が非AT遊技状態である場合には、当選種別抽選による当選種別に拘わらず所定の決定確率で擬似付加遊技の実行が決定される。一方、遊技状態がAT遊技状態に設定されている場合、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334は、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ」が当選されると、図26(a)に示すように、設定されている上乗せ仕様数に基づいた擬似付加遊技決定確率の抽選により擬似付加遊技の実行可否を決定する。具体的には、図26(a)に示すように、設定されている上乗せ仕様数が0〜1の場合、1/10の擬似付加遊技決定確率で擬似付加遊技の実行を決定し、設定されている上乗せ仕様数が2の場合、1/8の擬似付加遊技決定確率で擬似付加遊技の実行を決定し、設定されている上乗せ仕様数が3の場合、1/5の擬似付加遊技決定確率で擬似付加遊技の実行を決定し、設定されている上乗せ仕様数が4の場合、1/2の擬似付加遊技決定確率で擬似付加遊技の実行を決定する。したがって、上記したように、主遊技状態遷移手段312により管理される遊技状態がボーナス成立遊技状態である場合、当選種別「通常リプレイ」の当選確率は約1/3.8であるため、擬似付加遊技は、設定されている上乗せ仕様数が0〜1の場合に約1/38で決定され、設定されている上乗せ仕様数が2の場合に約1/30.4で決定され、設定されている上乗せ仕様数が3の場合に約1/19で決定され、設定されている上乗せ仕様数が4の場合に約1/7.6で決定されることになる。
ここで、擬似付加遊技は、主制御基板200のリール制御手段306がフリーズ演出を行っている間に実行されるので、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334が決定した擬似付加遊技の実行の決定可否を主制御基板200(当選種別抽選手段304およびリール制御手段306)が、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対する打順により間接的に把握する。そして、主制御基板200では、擬似付加遊技の実行の決定を間接的に把握すると、次の遊技の開始時に擬似付加遊技を実行する。
具体的には、図26(b)に示すように、当選種別抽選により「通常リプレイA」が決定され、かつ、擬似付加遊技の実行が決定された場合には、演出実行手段338は、「擬似オン」の打順3でストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作させる補助演出を実行する。そして、当選種別抽選手段304およびリール制御手段306は、当選種別抽選により「通常リプレイA」が決定され、かつ、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが打順3で操作されると、擬似付加遊技の実行が決定されたことを把握する。
また、当選種別抽選により「通常リプレイB」が決定され、かつ、擬似付加遊技の実行が決定された場合には、演出実行手段338は、「擬似オン」の打順4でストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作させる補助演出を実行する。そして、当選種別抽選手段304およびリール制御手段306は、当選種別抽選により「通常リプレイB」が決定され、かつ、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが打順4で操作されると、擬似付加遊技の実行が決定されたことを把握する。
また、当選種別抽選により「通常リプレイC」が決定され、かつ、擬似付加遊技の実行が決定された場合には、演出実行手段338は、「擬似オン」の打順5でストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作させる補助演出を実行する。そして、当選種別抽選手段304およびリール制御手段306は、当選種別抽選により「通常リプレイC」が決定され、かつ、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが打順5で操作されると、擬似付加遊技の実行が決定されたことを把握する。
また、当選種別抽選により「通常リプレイD」が決定され、かつ、擬似付加遊技の実行が決定された場合には、演出実行手段338は、「擬似オン」の打順6でストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作させる補助演出を実行する。そして、当選種別抽選手段304およびリール制御手段306は、当選種別抽選により「通常リプレイD」が決定され、かつ、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが打順6で操作されると、擬似付加遊技の実行が決定されたことを把握する。
なお、演出実行手段338は、遊技状態がAT遊技状態に設定されている間に、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ」のいずれかが決定され、かつ、擬似付加遊技の実行が決定されなかった場合には、決定された当選種別「通常リプレイ」に対する「擬似オン」の打順以外の打順でストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作させる補助演出を実行する。
このように、遊技状態がAT遊技状態に設定されている間では、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334は、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ」が決定されると、設定されている上乗せ仕様数に基づく擬似付加遊技決定確率で、擬似付加遊技の実行の決定可否を決定する。したがって、上乗せ仕様が設定されるに連れて擬似付加遊技の実行の可能性が高まっていくので、擬似付加遊技が実行されることによる擬似当選種別(レア役)に基づく上乗せ獲得枚数を得られる可能性も高まっていくとともに、得られる上乗せ獲得枚数も多くなっていく。かくして、上乗せ仕様が設定(獲得)されることにより、より多くの遊技利益を得られる可能性が高まり、遊技者に高い期待感を与えることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、演出実行手段338は、擬似付加遊技の実行が決定された場合、「擬似オン」の打順の補助演出を行い、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を介して、主制御基板200の当選種別抽選手段304およびリール制御手段306に擬似付加遊技の実行が決定されたことを通知する。当選種別抽選手段304およびリール制御手段306は、遊技状態がAT遊技状態に設定されている間に、当選種別抽選により当選種別「通常リプレイ」が決定され、かつ、「擬似オン」の打順でストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作されると、擬似付加遊技の実行が決定されたことを把握し、次の遊技において擬似付加遊技を実行する。
このとき、当選種別「通常リプレイA」〜「通常リプレイD」は、いずれも有効ラインA上に、「リプレイ(リプレイA、B)」、「リプレイ(リプレイA、B)」、「リプレイ(リプレイA、B)」の図柄組合せが表示されることとなるため、遊技者は、当選役「通常リプレイ」に入賞したことは把握できるものの、当選種別「通常リプレイA」〜「通常リプレイD」のいずれに当選したかを把握することはできない。そして、補助演出において打順を指示する際、打順1〜6のいずれかを指示することになるが、当選種別「通常リプレイA」〜「通常リプレイD」それぞれにおいて、「擬似オン」の打順が異なる打順に設定されているので、遊技者は、「擬似オン」の打順が指示されているかを把握することができないようになっている。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的な処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図27は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各回転リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、ベット手段302は、遊技者によるベットスイッチ126の操作を受け付け、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。そして、スタートスイッチ128の操作が検知されると、次のステップS300に処理が移される。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128の操作に応じて、当選種別抽選を実行する。また、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128の操作に応じて、擬似付加遊技の実行を決定し、擬似付加遊技の実行が決定されると、その擬似遊技において擬似当選役抽選を行う。
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ262を駆動して左リール134a、中リール134b、右リール134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技(基本遊技または擬似遊技)における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始し、左リール134a、中リール134b、右リール134cの全てが定速回転となったところで、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効化する。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが有効化されている状態で、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、設定された停止制御則による図柄引き込みロジックを用い、その操作に対応する回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)を停止制御する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、基本遊技において、図5(a)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド決定手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、主遊技状態遷移手段312は、ボーナス成立遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき遊技状態をボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態へ遷移させる。また、外部出力手段318は、判定手段308によって判定された結果に基づき、スロットマシン100の外部信号を出力する。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における基本遊技の判定結果に基づき、例えば、基本遊技の遊技結果として有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、主遊技状態遷移手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態へ遷移させる。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、基本遊技の1遊技を終了する。
ステップS200からステップS700に示したように、メダルの投入を通じて遊技を開始可能な状態となり、スタートスイッチ128の操作から入賞による払い出しまでの一連の処理を通じて基本遊技の1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(ベット処理S200)
図28は、上記ステップS200のベット処理を示したフローチャートである。
(ステップS201)
まず、ベット手段302は、遊技種別フラグが基本遊技を示す0であるか否かを判定する。その結果、遊技種別フラグが0であれば、基本遊技中の処理としてステップS202に処理を移し、遊技種別フラグが1であれば、基本遊技ではない、すなわち、擬似遊技としてステップS205に処理を移す。ここで、遊技種別フラグは、その時点の遊技が基本遊技か擬似遊技かを示すフラグであり、基本遊技は0、擬似遊技は1で示される。
(ステップS202)
上記ステップS201において遊技種別フラグが0であると判定されれば、ベット手段302は、メダル投入部124から投入されたメダルの投入数が規定投入数以上であるか、すなわち、規定投入数に達しているか否かを判定する。その結果、投入数が規定投入数以上であれば、基本遊技を進行するためのメダルのベットが完了したとしてステップS204に処理を移し、投入数が規定投入数未満であれば、ステップS203に処理を移す。
(ステップS203)
上記ステップS202において投入数が規定投入数未満であると判定されれば、ベット手段302は、規定投入数以上のクレジットが貯留されている状況でベットスイッチ126が操作されたか否かを判定する。その結果、ベットスイッチ126が操作されれば、基本遊技を進行するためのメダルのベットが完了したとしてステップS204に処理を移し、ベットスイッチ126が操作されなければ、ステップS202からの処理を繰り返す。
(ステップS204)
基本遊技においてメダルのベットが完了すると、または、後述するように、擬似遊技においてベットスイッチ126が操作されると、コマンド決定手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信し、当該ベット処理S200を終了する。
(ステップS205)
上記ステップS201において遊技種別フラグが0ではない、すなわち、1であると判定されれば、ベット手段302は、ベットスイッチ126に対するタイムアウト時間が経過したか否かを判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、ステップS204に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS206に処理を移す。ここでベットスイッチ126に対するタイムアウト時間は、例えば、15秒である。具体的には、当該ベット処理S200の開始時におけるベットスイッチ126の有効化時に、初期値として、15秒をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS205においてタイマ割込に応じ1ずつ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。
(ステップS206)
上記ステップS205においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、ベット手段302は、ベットスイッチ126が操作されたか否かを判定する。その結果、ベットスイッチ126が操作されれば、ステップS204に処理を移し、ベットスイッチ126が操作されなければ、ステップS205からの処理を繰り返す。
(抽選処理S300)
図29は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。
(ステップS301)
まず、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128が操作されたか否かを判定する。その結果、スタートスイッチ128が操作されれば、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された種々の乱数、例えば、1の当選種別抽選乱数を取得してステップS302に処理を移し、スタートスイッチ128が操作されなければ、ステップS301の処理を繰り返す。また、当選種別抽選手段304が擬似付加遊技の実行を決定した場合、当該スタートスイッチ128の操作は、基本遊技の開始契機に加え、擬似付加遊技における擬似遊技の開始契機ともなる。
(ステップS302)
上記ステップS301においてスタートスイッチ128が操作されたと判定されれば、当選種別抽選手段304は、図9および図10に示した複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、ステップS301で取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する(当選種別抽選)。
(ステップS303)
次に、主遊技状態遷移手段312は、現在の遊技状態がボーナス非成立遊技状態であり、かつ、上記ステップS302の当選種別抽選において当選種別「BB」に当選したか否かを判定する。その結果、ボーナス非成立遊技状態であり、かつ、当選種別「BB」に当選していれば、ステップS304に処理を移し、ボーナス非成立遊技状態でない、または、当選種別「BB」に当選していなければ、ステップS305に処理を移す。
(ステップS304)
上記ステップS303において、ボーナス非成立遊技状態であり、かつ、当選種別「BB」に当選していると判定されれば、主遊技状態遷移手段312は、遊技状態をボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態へ遷移させる。
(ステップS305)
当選種別抽選手段304は、擬似付加遊技開始フラグがオンであるか否かを判定する。その結果、擬似付加遊技開始フラグがオンであれば、ステップS306に処理を移し、擬似付加遊技開始フラグがオフであれば、ステップS308に処理を移す。なお、擬似付加遊技開始フラグは、擬似付加遊技を開始させるためのフラグである。
(ステップS306)
当選種別抽選手段304は、遊技種別フラグを1にする。
(ステップS307)
当選種別抽選手段304は、擬似付加遊技を行う擬似付加遊技処理を実行し、当該抽選処理S300を終了する。なお、擬似付加遊技処理について、詳しくは後述する。
(ステップS308)
当選種別抽選手段304は、副制御基板202で管理されている遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。その結果、通常遊技状態であれば、ステップS309に処理を移し、通常遊技状態でなければ、当該抽選処理S300を終了する。
(ステップS309)
当選種別抽選手段304は、上記ステップS302において決定された当選種別に基づいて、次の遊技において擬似付加遊技を実行するか否かの擬似付加遊技抽選を行う。
(ステップS310)
当選種別抽選手段304は、上記ステップS309において次の遊技で擬似付加遊技の実行が決定されたか否かを判定する。その結果、擬似付加遊技の実行が決定されていれば、ステップS311に処理を移し、擬似付加遊技の実行が決定されていなければ、当該抽選処理S300を終了する。
(ステップS311)
当選種別抽選手段304は、擬似付加遊技開始フラグをオンにし、当該抽選処理S300を終了する。
(擬似付加遊技処理S307)
図30は、上記ステップS307の擬似付加遊技処理を示したフローチャートである。
(ステップS307−1)
まず、当選種別抽選手段304は、上記ステップS302で決定された当選種別に応じた擬似当選種別抽選テーブル(図11)を決定する。
(ステップS307−2)
当選種別抽選手段304は、擬似遊技を継続させるか否かを抽選により決定する(擬似遊技継続抽選)。
(ステップS307−3)
コマンド決定手段314は、ステップS307−1における擬似当選種別抽選の抽選結果(擬似当選種別)やステップS307−2における擬似遊技継続抽選の抽選結果等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
そして、共通化されたステップS400のリール回転処理とステップS500のリール停止処理とステップS200のベット処理とを実行してステップS307−4に処理を移す。ただし、かかるベット処理は、遊技者によるベットスイッチ126の操作のみを受け付ける。ここでは、ステップS500のリール停止処理によって回転リール134a、134b、134cが一時的に停止することになるが、あくまで基本遊技の本来の停止と異なる仮停止であるので、払出制御手段310によるメダルの払出は実行されない。
また、本実施形態においては、基本遊技を実行するためのプログラム、例えば、所定の図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるための停止制御設定ロジックや、遊技者によるストップスイッチ130の操作態様に基づいて有効ラインA上に回転リール134a、134b、134cの所定の図柄を引き込む図柄引き込みロジック等を擬似遊技にも適宜流用する。このように、一連の遊技を実行するプログラムを、基本遊技と擬似遊技との間で共通化することで、擬似遊技の採否に拘わらず、プログラムの容量の増大を抑制することが可能となり、設計コストや処理負荷を低減することができる。
(ステップS307−4)
続いて、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128に対するタイムアウト時間が経過したか否かを判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、ステップS307−6に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS307−5に処理を移す。ここでスタートスイッチ128に対するタイムアウト時間は、例えば、15秒である。具体的には、当該抽選処理S300の開始時におけるスタートスイッチ128の有効化時に、初期値として、15秒をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS307−5においてタイマ割込に応じ1ずつ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。
(ステップS307−5)
上記ステップS307−4においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128が操作されたか否かを判定する。その結果、スタートスイッチ128が操作されれば、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべくステップS307−6に処理を移し、スタートスイッチ128が操作されなければ、ステップS307−4からの処理を繰り返す。
(ステップS307−6)
続いて、当選種別抽選手段304は、上記ステップS307−2における擬似遊技継続抽選の抽選結果に基づいて、擬似遊技を継続させるか否かを判定する。その結果、擬似遊技を継続させるのであれば、ステップS307−1の処理に戻り、擬似遊技を継続させないのであれば、ステップS307−7に処理を移す。
(ステップS307−7)
当選種別抽選手段304は、擬似遊技を終了すべく、遊技種別フラグを0に設定し、ランダム遅延処理フラグをオンにして当該擬似付加遊技処理S307を終了する。ここで、ランダム遅延処理フラグは、擬似付加遊技における基本遊技の回転リール134a、134b、134cの回転態様としてランダム遅延処理を行うためのフラグである。
(リール回転処理S400)
図31は、上記ステップS400のリール回転処理を示したフローチャートである。
(ステップS401)
まず、リール制御手段306は、前回の1遊技(基本遊技または擬似遊技)における左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれかの回転開始時点から所定のウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過していれば、ステップS402に処理を移し、ウェイト時間が経過していなければ、ステップS401の処理を繰り返す。ここでは、基本遊技および擬似遊技のいずれにおいても通常のウェイト時間の経過を待つとしたが、擬似遊技についてはウェイト時間を異ならせてもよい。
(ステップS402)
上記ステップS401においてウェイト時間が経過していると判定されれば、リール制御手段306は、ランダム遅延処理フラグがONであるか否かを判定する。その結果、ランダム遅延処理フラグがONであれば、すなわち、擬似遊技直後の基本遊技であれば、ステップS403に処理を移し、ランダム遅延処理フラグがOFFであれば、ステップS404に処理を移す。
(ステップS403)
上記ステップS402においてランダム遅延処理フラグがONであると判定されれば、リール制御手段306は、ランダム遅延処理によって回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、当該リール回転処理S400を終了する。また、リール制御手段306は、ランダム遅延処理フラグがONであれば、ランダム遅延処理フラグをOFFに変更する。
(ステップS404)
上記ステップS402においてランダム遅延処理フラグがOFFであると判定されれば、リール制御手段306は、ランダム遅延処理ではない、予め定められた順およびタイミングによって回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、当該リール回転処理S400を終了する。
(リール停止処理S500)
図32は、上記ステップS500のリール停止処理を示したフローチャートである。
(ステップS501)
まず、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウト時間が経過したか否かを判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、再度の擬似遊技を進行すべく(下記のように基本遊技ではタイムアウトが生じない)、ステップS503に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS502に処理を移す。ここでストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウト時間は、各ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが何番目に停止されたかに応じて複数段階設けられ、例えば、第1停止であれば30秒、第2または第3停止であれば0.05秒である。また、当該リール停止処理S500の開始時におけるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの有効化時に、初期値として、上記タイムアウト時間をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS501においてタイマ割込に応じ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。ここで、減算する値として遊技種別フラグの値を利用する。すなわち、擬似遊技であれば遊技種別フラグの1が減算する値となり、基本遊技であれば遊技種別フラグの0が減算する値となる。したがって、基本遊技であれば、実質的に減算が生じないので、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウトも生じないこととなる。
(ステップS502)
上記ステップS501においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されたか否かを判定する。その結果、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されれば、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべく、ステップS503に処理を移し、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれも操作されなければ、ステップS501からの処理を繰り返す。
(ステップS503)
コマンド決定手段314は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、または、タイムアウトにより操作がなされたとみなされると、操作がなされたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、コマンド送信手段316は、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS504)
続いて、リール制御手段306は、操作したストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する1の回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)が完全に停止したか否かを判定する。その結果、1の回転リール134a、134b、134cが停止していれば、ステップS505に処理を移し、まだ停止していなければ、ステップS504の処理を繰り返す。
(ステップS505)
上記ステップS504において操作したストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cが停止していると判定されれば、リール制御手段306は、全ての回転リール134a、134b、134cが停止しているか否かを判定する。その結果、全ての回転リール134a、134b、134cが停止していれば、ステップS506に処理を移し、まだ停止していない回転リール134a、134b、134cが存在すれば、ステップS501からの処理を繰り返す。
(ステップS506)
当選種別抽選手段304は、副制御基板202で管理されている遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定する。その結果、AT遊技状態であれば、ステップS507に処理を移し、AT遊技状態でなければ、ステップS510に処理を移す。
(ステップS507)
当選種別抽選手段304は、上記ステップS302において決定された当選種別が当選種別「通常リプレイ」であるか否かを判定する。その結果、当選種別「通常リプレイ」が決定されていれば、ステップS508に処理を移し、当選種別「通常リプレイ」が決定されていなければ、ステップS510に処理を移す。
(ステップS508)
当選種別抽選手段304は、上記ステップS302において決定された当選種別「通常リプレイA」〜「通常リプレイD」それぞれに対応する擬似オンの打順でストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作されたか否かを判定する。その結果、擬似オンの打順でストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作されていれば、ステップS509に処理を移し、擬似オンの打順でストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作されていなければ、ステップS510に処理を移す。
(ステップS509)
当選種別抽選手段304は、擬似付加遊技開始フラグをオンにする。
(ステップS510)
続いて、リール制御手段306は、当該リール停止処理S500におけるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作態様(ここでは操作順)に応じて、副制御基板202における遊技状態が、通常遊技状態、チャンス遊技状態、ノーマルAT遊技状態、特殊遊技状態のいずれとなっているか判定し、当該リール停止処理S500を終了する。例えば、リール制御手段306は、当選種別「打順ベル」の当選時に正解操作態様による操作が2回連続で行われたことによって遊技状態がAT遊技状態に遷移したことを把握する。
(副制御基板202のサブ処理)
図33は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS1100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されるまで待機する。
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。
(コマンド受信処理S1300)
図34は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否かを判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否かを判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1400に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1304に処理を移す。
(ステップS1400)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに対する処理を実行する。なお、当選種別コマンドに対する処理について、詳しくは後述する。
(ステップS1304)
コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否かを判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1305に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1306に処理を移す。
(ステップS1305)
上記ステップS1304において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、演出態様を変動させる。
(ステップS1306)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否かを判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1307に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1314に処理を移す。
(ステップS1307)
上記ステップS1306において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、当該入賞コマンドに基づく演出を実行する。
(ステップS1308)
副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定する。その結果、遊技状態がAT遊技状態であれば、ステップS1309に処理を移し、遊技状態がAT遊技状態でなければ、ステップS1312に処理を移す。
(ステップS1309)
副遊技状態遷移手段334は、保障フラグがオンであるか否かを判定する。その結果、保障フラグがオンであれば、ステップS1312に処理を移し、保障フラグがオンでなければ、ステップS1310に処理を移す。なお、保障フラグは、設定されている上乗せ仕様数が3から4になった場合に、設定されている上乗せ仕様数の残遊技数を保障遊技数に亘って減算させないようにするフラグであり、また、残遊技数が0の上乗せ仕様の設定を解除しないようにするフラグでもある。
(ステップS1310)
副遊技状態遷移手段334は、残遊技数が0の上乗せ仕様、または残遊技数が0の特殊上乗せ仕様があるか否かを判定する。その結果、残遊技数が0の上乗せ仕様、または残遊技数が0の特殊上乗せ仕様があれば、ステップS1311に処理を移し、残遊技数が0の上乗せ仕様、または残遊技数が0の特殊上乗せ仕様がなければ、ステップS1312に処理を移す。
(ステップS1311)
副遊技状態遷移手段334は、残遊技数が0の上乗せ仕様、または残遊技数が0の特殊上乗せ仕様の設定を解除する。また、ストックされている上乗せ仕様があれば、当該ストックされている上乗せ仕様を設定し、全ての特殊上乗せ仕様の設定が解除された場合には、保留されていた上乗せ仕様を再設定する。
(ステップS1312)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、副制御基板202で管理される遊技状態の進行状態を把握し、遊技状態の終了判定を行う(遊技状態終了判定処理)。例えば、現在の遊技状態がノーマルAT遊技状態であれば、上記ステップS1306において受信した入賞コマンドに基づいて入賞した当選役に対応する払出枚数分だけ獲得枚数カウンタ値を加算し、獲得枚数カウンタ値がAT遊技条件値に到達すると当該ノーマルAT遊技を終了し、遊技状態を通常状態に移行させる。また、副遊技状態遷移手段334は、全ての特殊上乗せ仕様の設定が解除された場合には、特殊AT遊技状態を終了し、ノーマルAT遊技状態に移行させる。
(ステップS1313)
次に、副遊技状態遷移手段334は、副制御基板202で管理される遊技状態の開始判定を行う(遊技状態開始判定処理)。例えば、副遊技状態遷移手段334は、チャンス遊技当選フラグがオンしていれば、チャンス遊技状態を開始するとともに、チャンス遊技当選フラグをオフし、AT遊技当選フラグがオンしていれば、ノーマルAT遊技状態を開始するとともに、AT遊技当選フラグをオフする。また、副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1400において特殊AT遊技状態への移行が決定され、バトル遊技数の遊技が終了した場合に、特殊AT遊技状態を開始するとともに、ラウンド回数を示すラウンドカウンタを1加算する。
(ステップS1314)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否かを判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1315に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
(ステップS1315)
上記ステップS1314において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、当該払出コマンドに基づく演出を実行し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。すると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158の数値が更新される。
(当選種別コマンドに対する処理S1400)
図35は、上記ステップS1400の当選種別コマンドに対する処理を示したフローチャートである。
(ステップS1401)
まず、副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに示される主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態であることを条件に、当選種別コマンドに示される当選種別および副制御基板202で管理している遊技状態と演出抽選乱数に基づき、チャンス遊技状態、AT遊技状態のいずれかへの移行可否を決定する。また、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態である場合、設定されている上乗せ仕様数に基づいて、特殊AT遊技状態への移行可否を抽選により決定する(遊技状態抽選処理)。なお、遊技状態抽選処理について、詳しくは後述する。
(ステップS1402)
副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定する。その結果、遊技状態がAT遊技状態であれば、ステップS1403に処理を移し、遊技状態がAT遊技状態でなければ、ステップS1415に処理を移す。
(ステップS1403)
副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様、特殊上乗せ仕様の残遊技数を減算する遊技数減算処理を行う。なお、遊技数減算処理について、詳しくは後述する。
(ステップS1404)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1303において受信したコマンドに示される当選種別または擬似当選種別、および、設定されている上乗せ仕様、特殊上乗せ仕様に基づいて、上乗せ獲得枚数を抽選により決定し、決定した上乗せ獲得枚数を継続獲得枚数に加算し、AT遊技終了条件値を更新する。なお、終了条件値は、継続獲得枚数を示す値である。
(ステップS1405)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1303において受信したコマンドに示される当選種別が当選種別「通常リプレイ」であるか否かを判定する。その結果、当選種別「通常リプレイ」であれば、ステップS1406に処理を移し、当選種別「通常リプレイ」でなければ、ステップS1410に処理を移す。
(ステップS1406)
副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様数を読み出す。
(ステップS1407)
副遊技状態遷移手段334は、ステップS1406において読み出した上乗せ仕様数に基づく擬似付加遊技決定確率で擬似付加遊技を実行するか否かの擬似付加遊技抽選を行う。
(ステップS1408)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1407において擬似付加遊技の実行が決定されたか否かを判定する。その結果、擬似付加遊技の実行が決定されていれば、ステップS1409に処理を移し、擬似付加遊技の実行が決定されていなければ、ステップS1410の処理に移る。
(ステップS1409)
副遊技状態遷移手段334は、擬似付加遊技指示フラグをオンする。なお、擬似付加遊技指示フラグは、主制御基板200に、次の遊技において擬似付加遊技を開始させるための「擬似オン」の打順を補助演出により遊技者に報知させるために用いるフラグである。
(ステップS1410)
副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態であるか否かを判定する。その結果、遊技状態がノーマルAT遊技状態であれば、ステップS1411に処理を移し、遊技状態がノーマルAT遊技状態でなければ、ステップS1413に処理を移す。
(ステップS1411)
副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様数に基づいて、新たな上乗せ仕様を抽選により決定する(上乗せ仕様抽選処理)。なお、上乗せ仕様抽選処理について、詳しくは後述する。
(ステップS1412)
副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様をランクアップさせるか否かの抽選を行い、ランクアップさせる場合には、ランクアップさせる上乗せ仕様を決定する(ランクアップ抽選処理)。なお、ランクアップ抽選処理について、詳しくは後述する。
(ステップS1413)
副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が特殊AT遊技状態であるか否かを判定する。その結果、遊技状態が特殊AT遊技状態であれば、ステップS1414に処理を移し、遊技状態が特殊AT遊技状態でなければ、ステップS1415に処理を移す。
(ステップS1414)
副遊技状態遷移手段334は、特殊上乗せ仕様を抽選により決定する(特殊上乗せ仕様抽選処理)。なお、特殊上乗せ仕様抽選処理について、詳しくは後述する。
(ステップS1415)
演出決定手段336は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。ここで、遊技状態がAT遊技状態であり、かつ、当選種別コマンドに示される当選種別が当選種別「打順ベル」である場合、正解操作態様を報知する補助演出が決定される。また、遊技状態がノーマルAT遊技状態であり、特殊AT遊技状態への移行が決定されていない場合には、敗北バトル演出の実行可否を抽選により決定する。さらに、上記ステップS1401において特殊AT遊技状態への移行が決定された場合、勝利バトル演出の実行を決定する。さらに、上記ステップS1407において次の遊技での擬似付加遊技の実行が決定された場合には、「擬似オン」の打順を報知する補助演出が決定される。なお、「擬似オン」の打順を報知する補助演出に関する演出決定処理について、詳しくは後述する。
(ステップS1416)
次に、演出実行手段338は、演出決定手段336によって決定された演出を実行開始し、当該当選種別コマンドに対する処理S1400を終了する。例えば、決定された演出が補助演出であれば、演出実行手段338は、当該補助演出を実行する。また、決定された演出がバトル演出、特殊バトル演出であれば、演出実行手段338は、当該バトル演出、特殊バトル演出を実行する。
(遊技状態抽選処理S1401)
図36は、上記ステップS1401の遊技状態抽選処理を示したフローチャートである。
(ステップS1401−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。その結果、遊技状態が通常遊技状態であれば、ステップS1401−2に処理を移し、遊技状態が通常遊技状態でなければ、ステップS1401−3に処理を移す。
(ステップS1401−2)
副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに示される当選種別と演出抽選乱数に基づき、チャンス遊技状態、AT遊技状態のいずれかへの移行可否を抽選により決定する。なお、チャンス遊技状態への移行が決定された場合には、チャンス遊技当選フラグをオンにし、AT遊技状態への移行が決定された場合には、AT遊技当選フラグをオンにする。
(ステップS1401−3)
まず、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がチャンス遊技状態であるか否かを判定する。その結果、遊技状態がチャンス遊技状態であれば、ステップS1401−4に処理を移し、遊技状態がチャンス遊技状態でなければ、ステップS1401−5に処理を移す。
(ステップS1401−4)
副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに示される当選種別と演出抽選乱数に基づき、AT遊技状態への移行可否を抽選により決定する。なお、AT遊技状態への移行が決定された場合には、AT遊技当選フラグをオンにする。
(ステップS1401−5)
副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がノーマルAT遊技状態であるか否かを判定する。その結果、遊技状態がノーマルAT遊技状態であれば、ステップS1401−6に処理を移し、遊技状態がノーマルAT遊技状態でなければ、当該遊技状態抽選処理S1401を終了する。
(ステップS1401−6)
副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様数を読み出す。
(ステップS1401−7)
副遊技状態遷移手段334は、設定されているラウンド回数を示すラウンドカウンタを読み出す。なお、ラウンドカウンタは、遊技状態が非AT遊技状態からノーマルAT遊技状態に移行された際に1に設定され、遊技状態がノーマルAT遊技状態から非AT遊技状態に移行された際にリセットされる。
(ステップS1401−8)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1401−6において読み出した上乗せ仕様数、および、上記ステップS1401−7において読み出したラウンドカウンタが示すラウンド回数に基づいて、特殊AT遊技状態への移行可否を抽選により決定し、当該遊技状態抽選処理S1401を終了する。
(残遊技数減算処理S1403)
図37は、上記ステップS1403の残遊技数減算処理を示したフローチャートである。
(ステップS1403−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、保障フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、保障フラグがオンしていれば、ステップS1403−2に処理を移し、保障フラグがオンしていなければ、ステップS1403−5に処理を移す。
(ステップS1403−2)
副遊技状態遷移手段334は、保障遊技数を1減算する。
(ステップS1403−3)
副遊技状態遷移手段334は、保障遊技数が0か否かを判定する。その結果、保障遊技数が0であれば、ステップS1403−4に処理を移し、保障遊技数が0でなければ、当該残遊技数減算処理S1403を終了する。
(ステップS1403−4)
副遊技状態遷移手段334は、保障フラグをオフにし、当該残遊技数減算処理S1403を終了する。
(ステップS1403−5)
上記ステップS1403−1において保障フラグがオンしていなければ、副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様、特殊上乗せ仕様の残遊技数を1減算し、当該残遊技数減算処理S1403を終了する。
(上乗せ仕様抽選処理S1411)
図38は、上記ステップS1411の上乗せ仕様抽選処理を示したフローチャートである。
(ステップS1411−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態が非AT遊技状態からノーマルAT遊技状態へ移行された最初の遊技であるか否かを判定する。その結果、非AT遊技状態からノーマルAT遊技状態へ移行された最初の遊技であれば、ステップS1411−5に処理を移し、非AT遊技状態からノーマルAT遊技状態へ移行された最初の遊技でなければ、ステップS1411−2に処理を移す。
(ステップS1411−2)
副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様数を読み出す。
(ステップS1411−3)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1411−2で読み出した上乗せ仕様数に基づいて、新たな上乗せ仕様の設定可否を抽選により決定する。
(ステップS1411−4)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1411−3において新たな上乗せ仕様の設定を決定したか否かを判定する。その結果、新たな上乗せ仕様の設定を決定していれば、ステップS1411−5に処理を移し、新たな上乗せ仕様の設定を決定していなければ、当該上乗せ仕様抽選処理S1411を終了する。
(ステップS1411−5)
副遊技状態遷移手段334は、全ての上乗せ仕様の中から、1の上乗せ仕様を抽選により決定する。
(ステップS1411−6)
副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様数が4であるか否かを判定する。その結果、設定されている上乗せ仕様数が4であれば、ステップS1411−8に処理を移し、設定されている上乗せ仕様数が4でなければ、ステップS1411−7に処理を移す。
(ステップS1411−7)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1411−5で決定された上乗せ仕様を設定し、ステップS1411−9の処理に移る。
(ステップS1411−8)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1411−5で決定された上乗せ仕様をストックし、ステップS1411−9の処理に移る。
(ステップS1411−9)
副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様数が3から4になったか否かを判定する。その結果、設定されている上乗せ仕様数が3から4になっていれば、ステップS1411−10に処理を移し、設定されている上乗せ仕様数が3から4になっていなければ、当該上乗せ仕様抽選処理S1411を終了する。
(ステップS1411−10)
副遊技状態遷移手段334は、保障遊技数として5を設定する。
(ステップS1411−11)
副遊技状態遷移手段334は、保障フラグをオンにし、当該上乗せ仕様抽選処理S1411を終了する。
(ランクアップ抽選処理S1412)
図39は、上記ステップS1412のランクアップ抽選処理を示したフローチャートである。
(ステップS1412−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、設定されている上乗せ仕様を読み出す。
(ステップS1412−2)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1412−1で読み出した上乗せ仕様の中に、ランクアップが可能な上乗せ仕様があった場合、ランクアップを行うか否かを抽選により決定する。
(ステップS1412−3)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1412−2において上乗せ仕様のランクアップを行う決定がなされたか否かを判定する。その結果、ランクアップを行う決定がなされていれば、ステップS1412−4に処理を移し、ランクアップを行う決定がなされていなければ、当該ランクアップ抽選処理S1412を終了する。
(ステップS1412−4)
副遊技状態遷移手段334は、ランクアップを行う決定がなされた上乗せ仕様が属するランクを読み出し、当該ランクよりもランクが高い上乗せ仕様の中から、1の上乗せ仕様を抽選により決定する。また、副遊技状態遷移手段334は、決定した上乗せ仕様が属するランクよりも低いランクに属する1の上乗せ仕様を、ランクアップを行う決定がなされた上乗せ仕様の合体相手として抽選により決定する。
(ステップS1412−5)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1412−4で決定された上乗せ仕様を、ランクアップされる決定がなされた上乗せ仕様に代えて設定し、当該ランクアップ抽選処理S1412を終了する。
(特殊上乗せ仕様抽選処理S1414)
図40は、上記ステップS1414の特殊上乗せ仕様抽選処理を示したフローチャートである。
(ステップS1414−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、特殊AT遊技状態における遊技数をカウントするための特殊AT遊技数カウンタを1加算する。なお、特殊AT遊技数カウンタは、遊技状態が特殊AT遊技状態であるときの遊技数を計数するものであり、遊技状態が特殊AT遊技状態に設定されてから、遊技が開始される毎に1加算される。
(ステップS1414−2)
副遊技状態遷移手段334は、特殊AT遊技数カウンタが1であるか否かを判定する。その結果、特殊AT遊技数カウンタが1であれば、ステップS1414−3に処理を移し、特殊AT遊技数カウンタが1でなければ、ステップS1414−4に処理を移す。
(ステップS1414−3)
副遊技状態遷移手段334は、特殊上乗せ仕様として上乗せ仕様「全役強上乗せ」を決定する。
(ステップS1414−4)
副遊技状態遷移手段334は、特殊AT遊技数カウンタが2、5または8のいずれかであるか否かを判定する。その結果、特殊AT遊技数カウンタが2、5または8のいずれかであれば、ステップS1414−5に処理を移し、特殊AT遊技数カウンタが2、5および8のいずれでもなければ、ステップS1414−10に処理を移す。
(ステップS1414−5)
副遊技状態遷移手段334は、終了フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、終了フラグがオンしていれば、ステップS1414−10に処理を移し、終了フラグがオンしていなければ、ステップS1414−6に処理を移す。なお、終了フラグは、下記の特殊上乗せ仕様設定抽選S1414−6において特殊上乗せ仕様の設定が決定されずに、その後の遊技において、新たな特殊上乗せ仕様の設定の抽選を行わないことを示すフラグである。
(ステップS1414−6)
副遊技状態遷移手段334は、新たな特殊上乗せ仕様の設定を1/1.5の特殊上乗せ仕様決定確率で抽選する。
(ステップS1414−7)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1414−6において新たな特殊上乗せ仕様の設定の決定がなされたか否かを判定する。その結果、新たな特殊上乗せ仕様の設定の決定がなされていれば、ステップS1414−8に処理を移し、新たな特殊上乗せ仕様の設定の決定がなされていなければ、ステップS1414−9に処理を移す。
(ステップS1414−8)
副遊技状態遷移手段334は、ランクAおよびランクSに属する上乗せ仕様の中から、抽選で1の上乗せ仕様を特殊上乗せ仕様として決定する。
(ステップS1414−9)
副遊技状態遷移手段334は、終了フラグをオンにする。
(ステップS1414−10)
副遊技状態遷移手段334は、終了フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、終了フラグがオンしていれば、ステップS1414−12に処理を移し、終了フラグがオンしていなければ、ステップS1414−11に処理を移す。
(ステップS1414−11)
副遊技状態遷移手段334は、特殊AT遊技数カウンタが10であるか否かを判定する。その結果、特殊AT遊技数カウンタが10であれば、ステップS1414−13に処理を移し、特殊AT遊技数カウンタが10でなければ、当該特殊上乗せ仕様抽選処理S1414を終了する。
(ステップS1414−12)
副遊技状態遷移手段334は、特殊AT遊技数カウンタが4または7であるか否かを判定する。その結果、特殊AT遊技数カウンタが4または7であれば、ステップS1414−13に処理を移し、特殊AT遊技数カウンタが4および7でなければ、当該特殊上乗せ仕様抽選処理S1414を終了する。
(ステップS1414−13)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1414−3およびステップS1414−8で決定した特殊上乗せ仕様を設定し、当該特殊上乗せ仕様抽選処理S1414を終了する。
(演出決定処理S1415)
図41は、上記ステップS1415の演出決定処理を示したフローチャートである。
(ステップS1415−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定する。その結果、AT遊技状態であれば、ステップS1415−2に処理を移し、AT遊技状態でなければ、当該演出決定処理S1415を終了する。
(ステップS1415−2)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1303において受信した当選種別コマンドに示された当選種別が「通常リプレイ」であるか否かを判定する。その結果、当選種別が「通常リプレイ」であれば、ステップS1415−3に処理を移し、当選種別が「通常リプレイ」でなければ、当該演出決定処理S1415を終了する。
(ステップS1415−3)
副遊技状態遷移手段334は、擬似付加遊技指示フラグがオンであるか否かを判定する。その結果、擬似付加遊技指示フラグがオンであれば、ステップS1415−4に処理を移し、擬似付加遊技指示フラグがオンでなければ、当該演出決定処理S1415を終了する。
(ステップS1415−4)
副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1303において受信した当選種別コマンドに示された当選種別「通常リプレイA」〜「通常リプレイD」それぞれに対応する「擬似オン」の打順を報知する補助演出の実行を決定する。
(ステップS1415−5)
副遊技状態遷移手段334は、擬似付加遊技指示フラグをオフにし、当該演出決定処理S1415を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記の実施形態においては、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、設定されている上乗せ仕様数に基づいて、新たな上乗せ仕様の設定可否を決定し、新たな上乗せ仕様の設定が決定された場合、全ての上乗せ仕様の中から、1の上乗せ仕様を抽選により決定するようにした。しかしながら、新たな上乗せ仕様の設定が決定された場合、設定されている上乗せ仕様に応じて、1の上乗せ仕様を抽選により決定する。例えば、上乗せ仕様「全役上乗せ」が設定されている場合には、上乗せ仕様「全役上乗せ」を除く上乗せ仕様の中から、1の上乗せ仕様を抽選により決定するようにしてもよく、また、設定されている上乗せ仕様数が3または4である場合には、ランクAおよびランクSに属する上乗せ仕様を除く上乗せ仕様の中から、1の上乗せ仕様を抽選により決定するようにしてもよい。
また、上記の実施形態においては、遊技状態がノーマルAT遊技状態に設定されている間、設定されている上乗せ仕様の組み合わせに基づいて、1回の上乗せにかかる抽選を行うようにした。しかしながら、設定されている上乗せ仕様それぞれについて、1回ずつ抽選を行うようにしてもよい。さらに、設定されている上乗せ仕様それぞれについて、1回ずつ抽選を行い、全ての抽選において上乗せ獲得枚数が0であった場合には、最低保障として、もう1回上乗せにかかる抽選を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態においては、副制御基板202により非AT遊技状態およびAT遊技状態を遷移させるようにしたが、主制御基板200により非AT遊技状態およびAT遊技状態を遷移させるようにしてもよい。また、副制御基板202の演出実行手段338が補助演出を行うようにしたが、主制御基板200が補助演出を行うようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、ノーマルAT遊技状態は、獲得した獲得枚数(ノーマルAT遊技状態が行われている間にカウントされるカウンタ値)が継続獲得枚数(終了条件値)に到達することで終了する旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得る各遊技状態(AT遊技状態)は、設定された継続回数(終了条件値)に到達したこと、設定されたナビ回数(終了条件値)に到達したこと等、補助演出を受け得る様々な遊技機会の消化により終了するとしてもよい。また、上述した実施形態においては、補助演出を受け得る各遊技状態において、継続獲得枚数の上乗せ抽選が行われ、当選することで継続獲得枚数が加算(遊技利益が付与)される旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得る様々な遊技機会の数を付与することができる。
また、上記の実施形態において、擬似当選種別として、リプレイ役の当選種別に対応する擬似当選種別のみが設けられるようにしたが、これに限らず、リプレイ役以外の当選種別に対応する擬似当選種別、当選種別とは対応しない擬似当選種別(例えば、仮想ラインB1上に「リプレイA」、「リプレイA」、「リプレイA」が表示される擬似当選役を含む擬似当選種別)が設けられるようにしてもよい。
また、擬似遊技中、液晶表示部138に「FREE PLAY」等を表示したり、演出用ランプ142やスピーカ140を介して、擬似遊技が行われていることを報知するようにしてもよい。
また、擬似遊技では、停止制御を行った回転リール134a、134b、134c全て、または、停止制御を行った回転リール134a、134b、134cのみを上下方向(または左右方向)に振動(認識できる程度の微振動)させるようにしてもよい。例えば、最初に停止制御した回転リール134a、134b、134cのいずれかを振動させ、次に停止制御した回転リール134a、134b、134cのいずれかも振動させ、最後に停止制御した回転リール134a、134b、134cのいずれも振動させるようにしてもよい。また、最初に停止制御した回転リール134a、134b、134cのいずれかを振動させずに、次に停止制御した回転リール134a、134b、134cのいずれかを振動させ、最後に停止制御した回転リール134a、134b、134cのいずれも振動させるようにしてもよい。また、最初および2番目に停止制御した回転リール134a、134b、134cのいずれか2つを振動させずに、最後に停止制御した回転リール134a、134b、134cのいずれかを振動させるようにしてもよい。また、いずれかの回転リール134a、134b、134cを振動させたときに、停止制御されている回転リール134a、134b、134cを振動させるようにしてもよい。また、回転リール134a、134b、134cのいずれかを振動させる際に、停止制御されている回転リール134a、134b、134cのいずれかを振動させるようにしてもよい。また、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作され、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかに対応する回転リール134a、134b、134cが停止制御されたときに振動を開始させてもよく、また、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が終了したとき(遊技者がストップボタンスイッチ130a、130b、130cから指を離したとき)に、振動を開始させてもよい。また、回転リール134a、134b、134cの振動が開始されてから、所定時間経過後に静止状態にしてもよい。
また、回転リール134a、134b、134cの振動では、1−2相励磁のステッピングモータを用いた場合に、基本遊技では、励磁開放することで回転リール134a、134b、134cの停止状態を維持するが、擬似遊技においては、励磁状態と励磁開放状態とを例えば0.5秒以内の所定時間毎に繰り返すことで停止状態を維持する。具体的に、回転リール134a、134b、134cが停止したときのステッピングモータの回転位置が、1−2相励磁における固定子側の特定の1相に対応する(1相を励磁している)位置である場合、その特定の1相、特定の1相と回転方向の両近傍に位置する2相とを合わせた3相、または、全相(4相)から選択された1の組み合わせの励磁状態と、それら全てを開放した開放状態とを繰り返す。また、回転リール134a、134b、134cが停止したときのステッピングモータの回転位置が、1−2相励磁における特定の2相に対応する(2相を励磁している)位置である場合、その特定の2相、または、全相(4相)から選択された1の組み合わせの励磁状態と、それら全てを開放した開放状態とを繰り返す。こうして、擬似遊技および基本遊技のいずれの遊技であっても、外見上、回転リール134a、134b、134cが停止しているように見せかけることができ、内部的にのみ励磁状態を変化させることができる。かかる構成によると、例えば、当該スロットマシン100のデバッグや試験において、回転リール134a、134b、134cの停止制御に問題が生じた場合に、ステッピングモータの励磁状態を電流測定器等で確認することで、その停止制御が擬似遊技と基本遊技のいずれの停止制御であるか特定することが可能となる。ただし、後述するように回転リール134a、134b、134cの停止時に回転リール134a、134b、134cを振動させる場合、その振動している間のステッピングモータの励磁状態はこの限りではない。
また、上記の擬似遊技の報知や、回転リール134a、134b、134cの振動等は組み合わせて用いてもよい。
また、上記の実施形態において、擬似遊技では、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、対応する回転リール134a、134b、134cを停止するようにしたが、例えば、ベットスイッチ126等の操作に応じて、回転リール134a、134b、134cを停止するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、複数回の擬似遊技が連続して行われる擬似連続遊技では、各擬似遊技において擬似当選種別を抽選するようにしたが、複数の擬似遊技における擬似当選種別を予め設定された順(シナリオ)で決定するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、上乗せ仕様の解除条件として、各上乗せ仕様において設定された継続遊技数の遊技が消化された(残遊技数が0になる)こととしたが、転落抽選(例えば1/5の決定確率)で解除が決定されたこととしてもよく、また、設定された上乗せ仕様に基づいて所定枚数(例えば20枚)のメダルを獲得したこととしてもよく、また、上乗せ仕様が設定されてから全体を通じて所定枚数(例えば20枚)のメダルを獲得したこととしてもよい。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。