JP2016105058A - 原子炉隔離時冷却系 - Google Patents

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隆久 松崎
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Abstract

【課題】全交流電源喪失等により交流電源が使用できない場合であっても、簡易な構成で圧力抑制プール内における冷却水の温度成層化を抑制できる沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系の提供を目的とする。【解決手段】本発明の原子炉隔離時冷却系100は、原子炉圧力容器1と、冷却水c1を貯留する圧力制御プール3が形成されたウェットウェル5を有する原子炉格納容器2とを備えている沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系であって、ウェットウェル5内には、液相空間Aと気相空間Bとが形成され気相空間Bに向けて冷却水c1を噴射するスプレイノズル6と、スプレイノズル6と圧力抑制プール3とに接続された第1配管71と、原子炉圧力容器1と圧力抑制プール3とに接続された第2配管72と、第2配管72の中途に設けられたポンプ駆動用タービン8と、第1配管71の中途に設けられポンプ駆動用タービン8を動力源とするポンプ9とを備えていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系に関する。
改良型沸騰水型原子炉では、原子炉緊急停止後においても燃料の崩壊熱により原子炉圧力容器内で高温の蒸気が引き続き発生する。そのため、原子炉圧力容器内の過度な圧力上昇を防止する目的で上記蒸気を主蒸気逃し安全弁等を介して原子炉格納容器に設けられたウェットウェル内の圧力抑制プールに導き、当該プール内の冷却水により凝縮させている。
その際、原子炉圧力容器の冷却水が減少するため、冷却水を補充する必要がある。この冷却水を補充する手段を改良型沸騰水型原子炉は複数備えているが、そのうちの一つとして、原子炉圧力容器で発生した蒸気を圧力抑制プールに導く配管途中にポンプ駆動用タービンを設け、このタービンによりポンプを駆動して冷却水を原子炉圧力容器内に注水する原子炉隔離時冷却系がある。この原子炉隔離時冷却系は、全交流電源喪失時においても動作が可能であり、交流電源無しで冷却水を原子炉圧力容器に注水する。
一方、蒸気が導入された圧力抑制プール内の冷却水は、上記蒸気の凝縮熱により昇温するため、原子炉格納容器外の熱交換器を用いて冷却したり、ウェットウェル内にスプレイノズルを設けて冷却水を噴霧して冷却する。
しかしながら、上述した熱交換器による冷却や冷却水の噴霧はいずれも交流電源で駆動するものであり、全交流電源喪失などでこれらが起動できない場合、圧力抑制プール内の冷却水の温度が徐々に上昇し、原子炉格納容器内の圧力上昇を引き起こす恐れがある。その際、圧力抑制プール内で生じる自然対流が弱いと圧力抑制プール内の上部の冷却水だけが熱くなり、下部の冷却水は冷たいままとなって温度成層化が発生する可能性がある。
この温度成層化が発生した場合、ウェットウェル内の気相圧力は、高い液面温度に応じて高圧となるため、原子炉圧力容器内で発生した高温の蒸気を引き続き圧力抑制プールに導くことが困難になる。その結果、圧力抑制プール内の冷却水の温度が均一に上昇する場合に比べて吸収できる熱量が小さくなる。また、圧力抑制プールからの外部への放熱も、温度が高い液面付近の原子炉格納容器の外壁からのものに限られるため、上述の温度成層化により放熱面積が小さくなって外部への放熱が制限されてしまう。
このような冷却水の温度成層化を低減するものとして、圧力抑制プール内にバッフル板を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、動力を用いずに自然対流を促進させることができ、冷却水を撹拌して温度成層化を低減することができる。
特開平2−297097号公報
しかしながら、上述したようなバッフル板を設ける場合は、このバッフル板の体積分だけ圧力抑制プール内の体積が減少するため、同じ水量の圧力抑制プールを確保するときは圧力抑制プールを拡張しなければならず、これにより原子炉格納容器が大型化したり、既設のプラントでは大幅な改造が必要になるため、その適用が難しい。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、全交流電源喪失等により交流電源が使用できない場合であっても、簡易な構成で圧力抑制プール内における冷却水の温度成層化を抑制することができる沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を覆いかつ冷却水を貯留する圧力制御プールが内部に形成されたウェットウェルを有する原子炉格納容器とを備えている沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系であって、
前記ウェットウェル内には、前記圧力抑制プール内の冷却水貯留領域からなる液相空間と、前記液相空間の上方に位置する気相空間とが形成され、
前記気相空間に向けて冷却水を噴射するスプレイノズルと、
前記スプレイノズルと前記圧力抑制プールとに接続され、前記液相空間内の冷却水を受け入れて流通させる第1配管と、
前記原子炉圧力容器と前記圧力抑制プールとに接続され前記原子炉圧力容器から送出された蒸気を流通する第2配管と、
前記第2配管の中途に設けられ前記蒸気により駆動するポンプ駆動用タービンと、
前記第1配管の中途に設けられ前記ポンプ駆動用タービンを動力源として前記冷却水を前記スプレイノズルに送出するポンプとを備えていることを特徴とする原子炉隔離時冷却系である。
なお、本明細書において「熱伝導性材料」とは、コンクリートの熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料を言い、具体的には、20℃での熱伝導率が1.0W/mKより大きい材料を意味する。
本発明は、全交流電源喪失等により交流電源が使用できない場合であっても、簡易な構成で圧力抑制プール内における冷却水の温度成層化を抑制することができる沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系を提供することができる。
本発明の原子炉隔離時冷却系の第1の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の原子炉隔離時冷却系の第2の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の原子炉隔離時冷却系の第3の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の原子炉隔離時冷却系の第4の実施形態を示す概略断面図である。
本発明の沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系は、炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を覆いかつ冷却水を貯留する圧力制御プールが内部に形成されたウェットウェルを有する原子炉格納容器とを備えている沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系であって、前記ウェットウェル内には、前記圧力抑制プール内の冷却水貯留領域からなる液相空間と、前記液相空間の上方に位置する気相空間とが形成され、前記気相空間に向けて冷却水を噴射するスプレイノズルと、前記スプレイノズルと前記圧力抑制プールとに接続され、前記液相空間内の冷却水を受け入れて流通させる第1配管と、前記原子炉圧力容器と前記圧力抑制プールとに接続され前記原子炉圧力容器から送出された蒸気を流通する第2配管と、前記第2配管の中途に設けられ前記蒸気により駆動するポンプ駆動用タービンと、前記第1配管の中途に設けられ前記ポンプ駆動用タービンを動力源として前記冷却水を前記スプレイノズルに送出するポンプとを備えていることを特徴とする。
このように、本発明の沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系は、ウェットウェル内の気相空間に向けて冷却水を噴射するスプレイノズルと、原子炉圧力容器からの蒸気を用いたポンプ駆動用タービンを動力源とする冷却水送水用のポンプとを備えているので、全交流電源喪失等により交流電源が使用できない場合であっても、スプレイノズルや第1配管等の簡易な設備(構成)で液相空間内の冷却水を継続的に撹拌することができ、圧力抑制プール内における冷却水の温度成層化を抑制して液温の均一化により当該冷却水が吸収可能な熱量を増加することができると共に、上記液温の均一化により圧力抑制プールからの放熱面積を大きくすることができ、原子炉格納容器の外壁からの放熱を促進することができる。
以下、本発明の原子炉隔離時冷却系の第1〜第4の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、第1〜第4の実施形態および当該図面に記載の実施態様にのみ限定されるものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の原子炉隔離時冷却系の第1の実施形態を示す概略断面図である。第1の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系100は、図1に示すように、炉心を内蔵する原子炉圧力容器1と、原子炉圧力容器1を覆い、かつ冷却水c1を貯留する圧力制御プール3が内部に形成されたウェットウェル5を有する原子炉格納容器2とを備えている沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系であって、スプレイノズル6と、第1配管71と、第2配管72と、ポンプ駆動用タービン8と、ポンプ9とを備えている。ここで、図1は、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)を例示として示している。
なお、ウェットウェル5内には、圧力抑制プール3内の冷却水c1貯留領域からなる液相空間Aと、この液相空間Aの上方に位置する気相空間Bとが形成されている。
スプレイノズル6は、上述の圧力抑制プール3から汲み上げられた冷却水c1をウェットウェル5内の気相空間Bに向けて噴射するノズルである。
スプレイノズル6は特に限定されず、例えば、噴霧ノズルを採用することができる。
第1配管71は、スプレイノズル6と圧力抑制プール3とに接続され、液相空間A内の冷却水c1を受け入れて流通させる。第1配管71の圧力抑制プール3側の端部には、圧力抑制プール3内の冷却水c1を吸水する吸水口71aが形成されている。
なお、スプレイノズル6に相当するウェットウェル5内への冷却水噴射用ノズルおよびこの冷却水噴射用ノズルに送水する配管が既設の場合には、上記冷却水噴射用ノズルをスプレイノズル6として流用や共用したり、第1配管71を上記配管に接続し、この配管との接続部から上記ノズルまでの配管を第1配管71の一部として共用してもよい。
ここで、第1配管71の吸水口71aは、圧力抑制プール3の底部に設けられていることが好ましい。これにより、液相空間Aにおける上部の冷却水c1よりも低温の底部の冷却水c1を吸水することができ、スプレイノズル6から噴射される上記低温の冷却水c1により液相空間A上部の高温の冷却水c1を効果的に冷却することができると共に、温度差に起因する比重の違いにより液相空間A内の冷却水c1を効率よく撹拌することができる。なお、本明細書において、圧力抑制プールの「底部」とは、液相空間Aにおいて冷却水c1の水深が最大水深値の1/2よりも下方の領域を意味する。
第2配管72は、原子炉圧力容器1と圧力抑制プール3とに接続され、原子炉圧力容器1から送出された蒸気を流通する。この第2配管72の圧力抑制プール3側の端部には注水口72aが形成されている。
ポンプ駆動用タービン8は、第2配管72の中途に設けられ、当該第2配管72中を流通する蒸気により駆動する。ポンプ駆動用タービン8は特に限定されず、例えば、衝動式蒸気タービン、反動式蒸気タービン等を採用することができる。
ポンプ9は、第1配管71の中途に設けられ、ポンプ駆動用タービン8を動力源として駆動する。具体的には、図示していないポンプ駆動用タービン8の回転軸とポンプ9の回転軸とが接続されており,ポンプ駆動用タービン8の動力を機械的に伝達してポンプ9が駆動される。
ポンプ9は特に限定されず、例えば、遠心ポンプを採用することができる。
なお、ポンプ駆動用タービン8およびポンプ9は、それぞれ既設のものを流用したり共用してもよい。これにより、より簡易な構成の原子炉隔離時冷却系とすることができる。
次に、第1の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系100の動作(作用)について説明する。例えば原子炉のトラブル等でメインタービン(不図示)への蒸気供給が停止した場合、原子炉圧力容器1内の温度および圧力上昇を抑制する目的で圧力抑制プール3内に導かれた蒸気により液相空間Aにおいて冷却水c1の温度成層化が発生することがある。
このような場合、原子炉圧力容器1内で発生した蒸気を第2配管72を通して液相空間Aに導く過程で、第2配管72中を流通する蒸気によりポンプ駆動用タービン8を駆動させ、このポンプ駆動用タービン8を動力源としてポンプ9を駆動させて圧力抑制プール3内の冷却水c1をスプレイノズル6から噴射させる。
次いで、スプレイノズル6から噴射した冷却水c1は、ウェットウェル5内の下部に位置する圧力抑制プール3内の液相空間Aの液面に落下して環流される。その際、落下した冷却水c1の運動エネルギーや比重差による沈降により液相空間A内の冷却水c1が撹拌されるので、液相空間A内の冷却水c1の温度分布が均一化し、当該冷却水c1の温度成層化が抑制される。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の原子炉隔離時冷却系200の第2の実施形態を示す概略断面図である。第2の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系200は、図2に示すように、スプレイノズル6と、第1配管71と、第2配管72と、ポンプ駆動用タービン8と、ポンプ9と、第3配管73と、第1流量調整バルブ10とを備えている。第2の実施形態は、第3配管73および第1流量調整バルブ10を備えている点で、第1の実施形態とは異なっている。なお、スプレイノズル6、第1配管71、第2配管72、ポンプ駆動用タービン8およびポンプ9は、第1の実施形態のものと同様であるため、同一部分については同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
第3配管73は、第1配管71のポンプ9を挟んで圧力抑制プール3と反対側の部位から分岐すると共に端部が圧力抑制プール3に接続され、ポンプ9から送出された冷却水c1を圧力抑制プール3の液相空間A内に注水する配管である。第3配管73の圧力抑制プール3側の端部には注水口73aが形成されている。
なお、第1配管71の吸水口71aが圧力抑制プール3の底部に設けられ、かつ第3配管73の注水口73aが圧力抑制プール3の上部に設けられていることが好ましい。これにより、液相空間Aにおける上部の冷却水c1よりも低温の底部の冷却水c1を用いて上記上部の冷却水c1を効果的に冷却することができると共に、この冷却水c1の温度差に起因する比重の違いにより液相空間A内の冷却水c1を効率よく撹拌することができる。なお、本明細書において、圧力抑制プールの「上部」とは、液相空間Aにおいて冷却水c1の水深が最大水深値の1/2の領域および上記1/2よりも上方の領域を意味する。
第1流量調整バルブ10は、第1配管71と第3配管73との分岐部に設けられ、各配管(第1配管71および第3配管73)中の冷却水c1の流量をそれぞれ調整(分配)するバルブである。第1流量調整バルブ10は、上記各配管中の冷却水c1の流量を調整することができる限り特に限定されず、例えば、三方ボールバルブを採用することができる。なお、第1流量調整バルブ10は、冷却水c1の流通経路を選択的に切り替えるバルブであってもよい。
このように、原子炉隔離時冷却系200が第3配管73と第1流量調整バルブ10とを更に備えていることで、気相の冷却を実現すると共に、液相部分(液相空間A)にポンプにより注水を実施することで、この注水の勢いを利用して効果的に冷却水を撹拌することができる。
次に、第2の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系200の動作(作用)について説明する。この実施形態では、第1配管71および第3配管73と、第1流量調整バルブ10とを備えており、例えば上述した冷却水c1の温度成層化が発生した場合、第1流量調整バルブ10を用いてスプレイノズル6および注水口73aから放出される冷却水c1の流量をそれぞれ調整する。
具体的には、第1の実施形態と同様にしてポンプ駆動用タービン8およびポンプ9を作動させ、冷却水c1をスプレイノズル6のみから噴射する場合、第1流量調整バルブ10における冷却水c1の流れ方向を第1配管71側にし、その流量を調整する。また、冷却水c1を注水口73aのみから注水する場合、第1流量調整バルブ10における冷却水c1の流れ方向を第3配管73側にし、その流量を調整する。また、第1流量調整バルブ10を調整し、冷却水c1を第1配管71および第3配管73の両方に分配し、上記各配管の流量を調整するようにしてもよい。これにより、温度成層化の状態に応じて液相空間A内の冷却水c1を効率良く撹拌することができ、液相空間A内の冷却水c1の温度分布をより均一化することができる。
[第3の実施形態]
図3は、本発明の原子炉隔離時冷却系の第3の実施形態を示す概略断面図である。第3の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系300は、図3に示すように、スプレイノズル6と、第1配管71と、第2配管72と、ポンプ駆動用タービン8と、ポンプ9と、周壁20とを備えている。第3の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系300は、周壁20を更に備えている点で、第1の実施形態とは異なっている。なお、スプレイノズル6、第1配管71、第2配管72、ポンプ駆動用タービン8およびポンプ9は、第1の実施形態のものと同様であるため、同一部分については同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
周壁20は、原子炉格納容器2の外壁2aを囲う壁である。周壁20は、原子炉格納容器2の外壁2aに対して所定の間隔を隔てて当該原子炉格納容器2の全体を覆うように設けられている。この第3の実施形態では、周壁20と外壁2aとの間に原子炉格納容器2を冷却するための冷却液c2を貯留する外周プール21が形成されている。
このように、当該原子炉隔離時冷却系300は、周壁20を更に備え、周壁20と外壁2aとの間に外周プール21が形成されていることで、外周プール21の貯留されている冷却液c2により外壁2aを冷却することができ、外壁2aを介して原子炉格納容器2をより確実に冷却することができる。
周壁20は、図3に示すように、原子炉格納容器2の全体を覆うように設けられていてもよいが、上部が開放していることが好ましい。冷却液c2は炉心の核燃料(不図示)とは隔離されているので、周壁20の上部が開放していることで、放射性物質を含まない冷却液を効率良く蒸散させることができ、原子炉格納容器2から吸収した冷却液c2の熱を効果的に外部に逃がすことができる。
上記冷却液c2としては、原子炉格納容器2からの熱を吸収することができる限り特に限定されず、例えば、水が挙げられる。
なお、上述の外壁2aは、通常コンクリートで形成されているが、熱伝導性材料で形成されていることが好ましい。上記熱伝導性材料としては、例えば、アルミニウム合金、鋼、鉛等が挙げられる。これらの中で、熱伝導性材料としては、高い熱伝導性および優れた強度を両立させる観点から、鋼が好ましい。
このように、周壁20が熱伝導性材料で形成されていることで、原子炉格納容器2からの放熱をより効率良く行うことができる。
次に、第3の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系300の動作(作用)について説明する。この実施形態では、第1の実施形態と同様にしてポンプ駆動用タービン8およびポンプ9を作動させ、液相空間A内の冷却水c1を撹拌して温度分布を均一化させる。
その際、原子炉格納容器2の外壁2aの温度は、液相空間A内の冷却水c1の昇温に伴って上昇するが、外壁2aと周壁20との間に形成された外周プール21内の冷却液c2により外壁2aが冷却され、これに伴い原子炉格納容器2からの放熱を促進させて当該原子炉格納容器2内の温度を継続的に維持する。
[第4の実施形態]
図4は、本発明の原子炉隔離時冷却系の第4の実施形態を示す概略断面図である。第4の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系400は、図4に示すように、スプレイノズル6と、第1配管71と、第2配管72と、ポンプ駆動用タービン8と、ポンプ9と、第4配管74と、第2流量調整バルブ11とを備えている。第4の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系400は、第4配管74と第2流量調整バルブ11とを更に備えている点で、第1の実施形態とは異なっている。なお、スプレイノズル6、第1配管71、第2配管72、ポンプ駆動用タービン8およびポンプ9は、第1の実施形態のものと同様であるため、同一部分については同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
第4配管74は、第1配管71のポンプ9を挟んで圧力抑制プール3と反対側の部位から分岐すると共に端部が原子炉圧力容器1、または原子炉圧力容器1内へ給水するための給水配管22に接続され、ポンプ9から送出された冷却水c1を原子炉圧力容器1に給水する配管である。
第2流量調整バルブ11は、第1配管71と第4配管74との分岐部に設けられ、各配管(第1配管71および第4配管74)中の冷却水c1の流量を調整(分配)するバルブである。
第2流量調整バルブ11は、上記各配管中の冷却水c1の流量を調整(分配)することができる限り限定されず、例えば、上述した第2の実施形態において第1流量調整バルブ10として例示したものと同様のバルブ等を採用することができる。なお、第2流量調整バルブ11は、冷却水c1の流通経路を選択的に切り替えるバルブであってもよい。
このように、当該原子炉隔離時冷却系400が、第4配管74と第2流量調整バルブ11とを更に備えていることで、圧力抑制プール3内の冷却水c1を原子炉圧力容器1内へ補充する一次冷却水の供給源としても使用することができ、新たなポンプ等を設けることなく原子炉設備を簡素化することができる。
次に、第4の実施形態に係る原子炉隔離時冷却系400の動作(作用)について説明する。この実施形態では、例えば上述した冷却水c1の温度成層化が発生した場合、第1の実施形態と同様にしてポンプ駆動用タービン8およびポンプ9を作動させ、液相空間A内の冷却水c1を撹拌して温度分布を均一化させる。
一方、圧力抑制プール3内の冷却水c1を原子炉圧力容器1への給水に使用する場合、第2流量調整バルブ11を調整して第4配管74へ冷却水c1を分配することで原子炉圧力容器1に給水する。また、必要に応じ、第1配管71および第4配管74への送水を選択的に切り替えるようにしてもよい。
なお、本発明の原子炉隔離時冷却系は、上述した第1〜第4の実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、図3に示す第3の実施形態では、原子炉格納容器2の全体が周壁20で覆われている原子炉隔離時冷却系300について説明したが、周壁20の上部が開放している原子炉隔離時冷却系であってもよい。
1 原子炉圧力容器
2 原子炉格納容器
2a 外壁
3 圧力抑制プール
5 ウェットウェル
6 スプレイノズル
71 第1配管
72 第2配管
73 第3配管
74 第4配管
8 ポンプ駆動用タービン
9 ポンプ
10 第1流量調整バルブ
11 第2流量調整バルブ
20 周壁
21 外周プール
22 給水配管
A 液相空間
B 気相空間
c1 冷却水
c2 冷却液

Claims (5)

  1. 炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を覆いかつ冷却水を貯留する圧力制御プールが内部に形成されたウェットウェルを有する原子炉格納容器とを備えている沸騰水型原子炉の原子炉隔離時冷却系であって、
    前記ウェットウェル内には、前記圧力抑制プール内の冷却水貯留領域からなる液相空間と、前記液相空間の上方に位置する気相空間とが形成され、
    前記気相空間に向けて冷却水を噴射するスプレイノズルと、
    前記スプレイノズルと前記圧力抑制プールとに接続され、前記液相空間内の冷却水を受け入れて流通させる第1配管と、
    前記原子炉圧力容器と前記圧力抑制プールとに接続され前記原子炉圧力容器から送出された蒸気を流通する第2配管と、
    前記第2配管の中途に設けられ前記蒸気により駆動するポンプ駆動用タービンと、
    前記第1配管の中途に設けられ前記ポンプ駆動用タービンを動力源として前記冷却水を前記スプレイノズルに送出するポンプとを備えていることを特徴とする原子炉隔離時冷却系。
  2. 第1配管のポンプを挟んで圧力抑制プールと反対側の部位から分岐すると共に端部が圧力抑制プールに接続され、ポンプから送出された冷却水を前記圧力抑制プールの前記液相空間内に注水する第3配管と、
    前記第1配管と前記第3配管との分岐部に設けられ、前記各配管中の冷却水の流量をそれぞれ調整する第1流量調整バルブとを更に備えている請求項1に記載の原子炉隔離時冷却系。
  3. 原子炉格納容器の外壁を囲う周壁を更に備え、前記周壁と前記外壁との間に前記原子炉格納容器を冷却するための冷却液を貯留する外周プールが形成されている請求項1または請求項2に記載の原子炉隔離時冷却系。
  4. 外壁が熱伝導性材料で形成されている請求項3に記載の原子炉隔離時冷却系。
  5. 第1配管のポンプを挟んで圧力抑制プールと反対側の部位から分岐すると共に端部が原子炉圧力容器、または前記原子炉圧力容器内へ給水するための給水配管に接続され、前記ポンプから送出された冷却水を前記原子炉圧力容器に給水する第4配管と、
    前記第1配管と前記第4配管との分岐部に設けられ、前記各配管中の冷却水の流量を調整する第2流量調整バルブとを更に備えている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の原子炉隔離時冷却系。
JP2014243169A 2014-12-01 2014-12-01 原子炉隔離時冷却系 Pending JP2016105058A (ja)

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