JP2016104470A - 粒子分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の粒度分布を有する分離対象粒子を含む粒子混合物から、当該分離対象粒子を簡便に、かつ低コストで分離する方法を提供する。【解決手段】粒子混合物から所定の粒度分布の分離対象粒子11を分離する方法は、微細凹凸パターン3を有する粒子分離用基板1における微細凹凸パターン3に、粒子混合物と分散媒とを含む分散液10を少なくとも接触させる工程と、粒子分離用基板1上の分散液10から分散媒を除去する工程と、粒子分離用基板1上の分離対象粒子11を回収する工程とを含み、微細凹凸パターン3の寸法は、分離対象粒子11の最大粒子径DMAXと実質的に同一である又は分離対象粒子11の最小粒子径DMINよりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、所定の粒子径を有する粒子を含む粒子混合物から当該粒子を分離する方法に関する。
粒子径がナノサイズのナノ粒子(例えば、粒子径が数nm〜数十nm程度)は、粒子径がサブミクロンサイズやミクロンサイズの粒子(サブミクロン粒子、ミクロン粒子)とは全く異なる物理的・化学的性質や機能を示すため、産業界において広く注目されている。例えば、当該ナノ粒子は、他の媒体に含有させることで、ナノ粒子に特有の機能を製品に付加する等の目的で利用される。そして、ナノ粒子の粒度分布が、当該ナノ粒子を含む製品における機能等に大きく影響することから、ナノ粒子に特徴的な機能が当該製品において効果的に奏されるために、粒度分布が極めて狭小であって、実質的に均一な粒子径を有するナノ粒子を得ることが求められている。
広範な粒度分布(例えば、粒子径が数nm〜数μm程度の粒度分布)を有する、ナノ粒子を含む粒子混合物から、目的とする粒子径であって、実質的に均一な粒子径を有するナノ粒子を分離する方法として、従来、重力分離機、慣性分離機、遠心分離機等の分離機を用いた分離法が知られている。しかしながら、市販されている多くの分離機は、粒子径がミクロンサイズの粒子を分離することができるものの、ナノ粒子を分離することはできない。
そこで、粒度分布が極めて狭小であって、実質的に均一な粒子径を有するナノ粒子を得る方法として、従来、膜濾過法が提案されている(特許文献1参照)。かかる膜濾過法は、目的とする粒子径のナノ粒子に適した限外濾過膜を用い、ナノ粒子溶液をクロスフロー濾過することにより、当該ナノ粒子を分離する方法である。
特開2010−046621号公報
上記特許文献1に記載の方法によれば、限外濾過膜を用いたクロスフロー濾過を行うことで、粒子径1〜500nm程度のナノ粒子を効率的に分離することができる。かかる方法において、限外濾過膜としては、分画粒子径が分離目的ナノ粒子及び不純物ナノ粒子の粒子径の0.5〜2倍のものが用いられる。
このような微細な分画粒子径を有する限外濾過膜を用いてクロスフロー濾過を行う場合、相応に高い膜面流速でナノ粒子溶液を流さなければ、膜面が汚染されてしまい、濾過効率が低下してしまうおそれがある。そのため、上記特許文献1に記載の方法においては、ナノ粒子分離のためのランニングコストが増大してしまうという問題がある。
このような課題に鑑みて、本発明は、広範な粒度分布を有する粒子混合物から、極めて狭小な粒度分布を有し、かつ実質的に均一な粒子径の分離対象粒子を簡便に、かつ低コストで分離する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、粒子混合物に含まれる分離対象粒子を分離する方法であって、前記分離対象粒子は、所定の粒度分布を有し、前記方法は、微細凹凸パターンを有する粒子分離用基板における前記微細凹凸パターンに、前記粒子混合物と分散媒とを含む分散液を少なくとも接触させる工程と、前記粒子分離用基板上の前記分散液から前記分散媒を除去する工程と、前記粒子分離用基板上の前記分離対象粒子を回収する工程とを含み、前記微細凹凸パターンの寸法は、前記分離対象粒子の最大粒子径と実質的に同一である又は前記分離対象粒子の最小粒子径よりも小さいことを特徴とする粒子分離方法を提供する(発明1)。
また、本発明は、粒子混合物に含まれる分離対象粒子を分離する方法であって、前記分離対象粒子は、所定の粒度分布を有し、前記方法は、前記粒子混合物と分散媒とを含む第1分散液を、第1微細凹凸パターンを有する第1粒子分離用基板における前記第1微細凹凸パターンに少なくとも接触させる工程と、前記第1粒子分離用基板上の前記第1分散液から前記分散媒を除去する工程と、前記第1粒子分離用基板上の前記分離対象粒子の最大粒子径以下又は最小粒子径以上の粒子を回収する工程と、前記回収した粒子と分散媒とを含む第2分散液を、第2微細凹凸パターンを有する第2粒子分離用基板における前記第2微細凹凸パターンに少なくとも接触させる工程と、前記第2粒子分離用基板上の前記第2分散液から前記分散媒を除去する工程と、前記第2粒子分離用基板上の前記分離対象粒子を回収する工程とを含み、前記第1微細凹凸パターンの寸法は、前記分離対象粒子の前記最大粒子径と実質的に同一である又は前記分離対象粒子の前記最小粒子径よりも小さく、前記第2微細凹凸パターンの寸法は、前記分離対象粒子の前記最小粒子径よりも小さく又は前記分離対象粒子の前記最大粒子径と実質的に同一であることを特徴とする粒子分離方法を提供する(発明2)。
本発明者らが鋭意研究した結果、粒子混合物を分散させた分散液を粒子分離用基板の微細凹凸パターンに接触させた後に、分散媒を除去することで、当該微細凹凸パターンの寸法と実質的に同一の粒子径を有する粒子及び微細凹凸パターンの寸法よりも小さい粒子径を有する粒子が微細凹凸パターン上に付着することが判明した。
そのため、上記発明(発明1)において、粒子混合物に含まれる粒子のうち、所定の粒子径以下の粒子を分離対象粒子とする場合、当該分離対象粒子の最大粒子径と実質的に同一の寸法を有する微細凹凸パターンに上記分散液を接触させると、当該分離対象粒子が微細凹凸パターンに付着する。一方、上記発明(発明1)において、粒子混合物に含まれる粒子のうち、所定の粒子径を超える粒子径の粒子を分離対象粒子とする場合、当該分離対象粒子の最小粒子径よりも小さい寸法を有する微細凹凸パターンに上記分散液を接触させると、当該分離対象粒子が微細凹凸パターンに付着しない。したがって、上記発明(発明1)によれば、分離対象粒子の最大粒子径又は最小粒子径に応じた寸法を有する微細凹凸パターンに分散液を接触させ、分散媒を除去することで、当該微細凹凸パターンに付着する又は付着しない分離対象粒子を簡便に、かつ低コストで分離し、回収することができる。
また、上記発明(発明2)によれば、分離対象粒子の最大粒子径又は最小粒子径に応じた寸法を有する第1微細凹凸パターンを有する第1粒子分離用基板と、分離対象粒子の最小粒子径又は最大粒子径に応じた寸法を有する第2微細凹凸パターンを有する第2粒子分離用基板とを用いることで、分離対象粒子を簡便に、かつ低コストで分離し、回収することができる。
上記発明(発明1,2)においては、前記分散媒を除去する工程において、前記分散媒を蒸発させることにより、前記分散液から前記分散媒を除去するのが好ましい(発明3)。上記発明(発明1〜3)においては、前記分離対象粒子の最大粒子径と最小粒子径との差分が、400nm以下であるのが好ましい(発明4)。上記発明(発明1〜5)においては、前記分離対象粒子が、金属酸化物粒子であるのが好ましい(発明5)。上記発明(発明1〜5)においては、前記微細凹凸パターンの表面が、前記分散媒に対して親和性を有する表面であるのが好ましい(発明6)。上記発明(発明1〜6)においては、前記粒子分離用基板における前記微細凹凸パターンの形成されていない表面が、前記分散媒に対する撥液性を有する表面であるのが好ましい(発明7)。
本発明によれば、広範な粒度分布を有する粒子混合物から、極めて狭小な粒度分布を有し、かつ実質的に均一な粒子径の分離対象粒子を簡便に、かつ低コストで分離する方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る粒子分離方法の各工程を切断端面図にて概略的に示す工程フロー図である。 図2は、図1に示す各工程のうちの分散媒を除去する工程(図1(B))における粒子の挙動を説明するための部分拡大切断端面図である。 図3は、本発明の一実施形態における第1粒子分離用基板及び第2粒子分離用基板の概略構成を示す切断端面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る粒子分離方法の各工程のうち、図1に示す工程に続く工程を切断端面図にて概略的に示す工程フロー図である。 図5は、図4に示す各工程のうちの分散媒を除去する工程(図4(B))における粒子の挙動を説明するための部分拡大切断端面図である。 図6は、本発明の一実施形態における第1粒子分離用基板及び第2粒子分離用基板の作製方法を切断端面図にて概略的に示す工程フロー図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る粒子分離方法においては、まず、分離対象粒子11を含む粒子混合物と分散媒とを含む分散液10を調製する。
本実施形態において分離の対象となる分離対象粒子11としては、例えば、Al23、TiO2、ZnO、ITO等の金属酸化物粒子であって、粒子径50〜500nm程度のものが挙げられる。また、上記分離対象粒子11は、上記粒子径(算術平均粒子径)を含む範囲内の所定の粒度分布(粒度分布内の最大粒子径DMAXと最小粒子径DMINとの差分が400nm以下程度、好適には200nm以下程度、特に好適には100nm以下程度)を有するものである。なお、本実施形態において「粒子の粒子径」とは、当該粒子の算術平均粒子径を意味し、当該算術平均粒子径は、光学顕微鏡(ニコン社製,製品名:Eclipse L200)、走査型電子顕微鏡(例えば、Vistec社製,製品名:LWM9000等)等を用いて測定され得る。また、上記粒度分布は、粒度分布測定装置(例えば、日機装社製,製品名:ナノトラックWave等)を用いて測定され得る。
上述したような金属酸化物粒子を製造する方法としては、例えば、ジェットミル法等の粉砕法等が挙げられる。このような方法で製造された金属酸化物粒子は、上記分離対象粒子11の最小粒子径DMINよりも小さい粒子径(1nm以上50nm未満程度)を有する粒子、並びに上記分離対象粒子11の最大粒子径DMAXよりも大きい粒子径(500nm超2μm以下程度)を有する粒子及び/又は粒子の凝集体をも含む粒子混合物として得られる。すなわち、当該粒子混合物は、1nm〜2μm程度の広範な粒度分布を有するものである。本実施形態に係る粒子分離方法によれば、上記のような広範な粒度分布を有する粒子混合物から、極めて狭小な粒度分布を有し、かつ極めて微小な分離対象粒子11(金属酸化物粒子)を分離することができる。
分散媒としては、上記粒子混合物に含まれる分離対象粒子11の凝集、変性、溶解等を起こすことなく、当該粒子混合物を好適に分散させ得る溶媒であって、後述する第1粒子分離用基板1(図3参照)における第1微細凹凸パターン3に対して親和性を有する溶媒であればよく、例えば、純水、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類等が挙げられる。
分散液10における粒子混合物の濃度は、特に限定されるものではないが、0.3〜3.0g/L程度であるのが好ましく、0.5〜1.0g/L程度であるのが特に好ましい。当該濃度が0.3g/L未満であると、分散液10における分散媒の量が相対的に多くなることで、本実施形態に係る粒子分離方法の1回の実施によって得られる分離対象粒子11の量が少なくなり、処理効率が低下するおそれがある。一方、当該濃度が3.0g/Lを超えると、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3上に分離対象粒子11を集中させ難くなり、分離対象粒子11の分離効率が低下するおそれがある。
分散液10を調製する方法としては、粒子混合物に含まれる粒子(特に分離対象粒子11)を可能な限り凝集させない方法であればよく、例えば、ボールミル等を用いた調製方法等が挙げられる。
次に、粒子混合物と分散媒とを含む分散液10を、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に接触させる(図1(A)参照)。かかる分散液10は、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に少なくとも接触していればよいが、第1微細凹凸パターン3とその周囲の第1微細凹凸パターン3が形成されていない面とに接触していてもよい。本実施形態において、粒子混合物に含まれる分離対象粒子11の最大粒子径DMAXと、第1微細凹凸パターン3のパターン寸法とが実質的に同一であるため、上記最大粒子径DMAX以下の粒子径を有する粒子11,13は、第1微細凹凸パターン3に付着する。一方、粒子混合物中に含まれる粒子のうち、上記最大粒子径DMAXよりも大きい粒子径を有する粒子12は、第1微細凹凸パターン3に付着しない。したがって、上記分散液10を第1微細凹凸パターン3に接触させ、後述する工程(図1(C)参照)にて分散媒を除去することで、分離対象粒子11を含む、最大粒子径DMAX以下の粒子径を有する粒子11,13のみを第1微細凹凸パターン3上に残存させることができる。
分散液10を第1微細凹凸パターン3に接触させる方法としては、例えば、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3上に、分散液10を滴下する方法等挙げられる。分散液10の滴下量は、第1粒子分離用基板1における第1微細凹凸パターン3の形成されている領域の大きさ等に応じて適宜設定され得る。
第1粒子分離用基板1は、図3に示すように、第1面21及び第1面21に対向する第2面22を有する基材2と、基材2の第1面21に形成された第1微細凹凸パターン3とを有する。
基材2としては、石英ガラス、合成石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料や、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、その他ポリオレフィン等の樹脂材料等により構成される透明基板;金属基板等を用いることができる。基材2として透明基板を用いると、粒子混合物に含まれる各粒子11〜13の挙動を観察しながら分離対象粒子11の分離操作を行うことができる。
なお、本実施形態において「透明」とは、波長380〜780nmの光を対象物(本実施形態においては基材2)の片側(第1面21側)から照射した際、照射された側とは反対側(第2面22側)へ光が到達することを意味する。好適な基準を透過率で示すならば70%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
基材2の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、第1面21又は第2面22側からの平面視において略矩形状、略円形状等であればよい。また、平面視における基材2の大きさや、基材2の厚さも特に限定されるものではい。
第1微細凹凸パターン3は、基材2と一体的な構造物として、基材2の第1面21に形成されている。第1微細凹凸パターン3の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、平面視略円形又は略矩形のピラー状やホール状、ラインアンドスペース状等を挙げることができる。
第1微細凹凸パターン3の寸法は、粒子混合物に含まれる分離対象粒子11の最大粒子径DMAXと実質的に同一である。例えば、分離対象粒子11の最大粒子径DMAXが、300nm程度である場合、第1微細凹凸パターン3の寸法は、300nm超400nm以下、好ましくは300nm超350nm以下程度、特に好ましくは300nm超320nm以下程度に設定され得る。微細凹凸パターン3の寸法が上記範囲であることで、最大粒子径DMAX以下の分離対象粒子11を第1微細凹凸パターン3に付着させ得る一方、最大粒子径DMAXよりも大きい粒子径を有する粒子12を第1微細凹凸パターン3に付着させ難くなる。
なお、第1微細凹凸パターン3の寸法とは、例えば、第1微細凹凸パターン3が平面視略円形又は略矩形のホールパターンである場合、当該ホールパターンの開口の直径又は短辺長さを意味し、第1微細凹凸パターン3がラインアンドスペースパターンである場合、スペースパターンの短手方向の幅を意味する。また、第1微細凹凸パターン3がピラーパターンである場合、第1微細凹凸パターン3の寸法とは、一のピラーパターンとそれに隣接するピラーパターンのうちの最遠位に位置するピラーパターンとの間の長さを意味するものとする。
第1微細凹凸パターン3の高さ(アスペクト比)は、特に限定されるものではなく、第1微細凹凸パターン3の寸法に応じて、適宜設定され得る。通常、第1微細凹凸パターン3のアスペクト比が0.5〜3.0程度になるように、第1微細凹凸パターン3の高さが設定され得る。
第1微細凹凸パターン3の表面は、基材2を構成する材料や分散液10を構成する分散媒の種類等に応じ、分散媒に対して親和性を有する表面を構成するように適宜表面処理(例えば、親溶媒性コーティング剤の塗布処理等)がなされていてもよい。本実施形態に係る粒子分離方法においては、後述するように、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に分散液10を接触させた後、分散媒を除去する。この分散媒を除去する過程において分散液10の体積が徐々に減少するとき、第1微細凹凸パターン3が分散媒に対して親和性を有する表面を構成していることで、分散液10の体積を減少させながら、第1微細凹凸パターン3上に分散液10を集中させることができる。
なお、基材2として石英ガラス基板を用い、分散媒として純水を用いる場合には、第1微細凹凸パターン3の表面が、第1微細凹凸パターン3の形成されていない面よりも親水性の高い表面であるため、上記表面処理をしなくてもよい。
また、第1微細凹凸パターン3の表面が分散媒に対して親和性を有する表面(親溶媒性表面)である場合、基材2の第1面21のうち、第1微細凹凸パターン3の表面以外の表面(第1微細凹凸パターン3の形成されていない面)を、分散媒に対して親和性の低い表面(疎溶媒性表面)とする処理を施してもよい。これにより、分散液10をより第1微細凹凸パターン3上に集中させ易くなる。
第1微細凹凸パターン3の表面が分散媒に対して親和性を有する表面であるとは、例えば、分散媒として純水を用いた場合、純水に対する接触角が30°以下程度であることが好ましい。
続いて、第1粒子分離用基板1上の分散液10から分散媒を除去する(図1(B)参照)。このとき、分散媒を徐々に除去するのが好ましい。分散液10から分散媒を徐々に除去すると、分散液10の体積の漸減に伴い、第1微細凹凸パターン3上に分散液10を集中させやすくなる(図2(A)参照)。このとき、分散液10に含まれる粒子混合物のうち、分離対象粒子11の最大粒子径DMAX以下の粒子径を有する粒子(分離対象粒子11や、分離対象粒子11よりも粒子径の小さい粒子13)は、分散液10の体積減少に追随するようにして第1微細凹凸パターン3上に集中する(図2(B)参照)。一方、分散液10に含まれる粒子混合物のうち、分離対象粒子11の最大粒子径DMAXよりも粒子径の大きい粒子12は、分散液10の体積減少に追随し難く、第1微細凹凸パターン3上にまで移動し難い(図2(B)参照)。そのため、第1微細凹凸パターン3上には、分離対象粒子11の最大粒子径DMAX以下の粒子径を有する粒子11,13が分散液10とともに集中することになる。そして、分離対象粒子11の最大粒子径DMAX以下の粒子径を有する粒子11,13は、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に付着する。一方、分離対象粒子11の最大粒子径DMAXよりも粒子径の大きい粒子12は、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に付着しない。
分散媒を除去する方法としては、例えば、分散媒を蒸発させる方法等が挙げられる。分散媒を蒸発させる場合、分散媒の蒸発速度を好ましくは300μL/min以下、より好ましくは100μL/min以下に設定する。分散媒の蒸発速度が300μL/minを超えると、分離対象粒子11の最大粒子径DMAX以下の粒子11,13が分散液10に追随し難くなるおそれがある。分散媒の蒸発速度は、分散媒を蒸発させて除去するまで一定であってもよいし、当該蒸発速度を適宜変動させてもよい。なお、分散媒の蒸発速度は、例えば、分散媒の種類等に応じ、本実施形態に係る粒子分離方法の実施環境(分散媒を蒸発させる雰囲気の圧力、温度等)を適宜調整することにより設定され得る。
次に、第1粒子分離用基板1上の粒子12(最大粒子径DMAXよりも大きい粒子径を有する粒子)を除去する(図1(C)参照)。これにより、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に付着する、分離対象粒子11の最大粒子径DMAX以下の粒子径を有する粒子11,13のみを当該第1粒子分離用基板1上に残存させることができる。
第1粒子分離用基板1上の粒子12を除去する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スクレーパー等を用いて粒子12を物理的に除去する方法、第1粒子分離用基板1上に溶媒等を流すことで粒子12を物理的に除去する方法等が挙げられる。
続いて、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に付着する粒子11,13を回収する。当該粒子11,13を回収する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、第1粒子分離用基板1上に溶媒等を流すことで当該溶媒とともに回収する方法等が挙げられる。後述するように、本実施形態においては、粒子11,13を含む粒子混合物を分散媒に分散させてなる分散液10’を第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’に接触させることで、分離対象粒子11を分離・回収する。そのため、上記溶媒として分散媒を用いて粒子11,13を回収すれば、第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’に接触させる分散液10’を調製する工程を省略することができる。
上記分散媒としては、分離対象粒子11の凝集、変性、溶解等を起こすことなく、当該粒子混合物を好適に分散させ得る溶媒であって、後述する第2粒子分離用基板1’(図3参照)における第2微細凹凸パターン3’に対して親和性を有する溶媒であればよく、例えば、純水、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類等が挙げられる。
分散液10’における粒子混合物の濃度は、特に限定されるものではないが、0.3〜3.0g/L程度であるのが好ましく、0.5〜1.0g/L程度であるのが特に好ましい。当該濃度が0.3g/L未満であると、分散液10’における分散媒の量が相対的に多くなることで、本実施形態に係る粒子分離方法の1回の実施によって得られる分離対象粒子11の量が少なくなり、処理効率が低下するおそれがある。一方、当該濃度が3.0g/Lを超えると、第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’上に粒子13を集中させ難くなり、所望とする粒度分布の分離対象粒子11が得られなくなるおそれがある。
分散液10’を調製する方法としては、粒子混合物に含まれる粒子(特に分離対象粒子11)を可能な限り凝集させない方法であればよく、例えば、ボールミル等を用いた調製方法等が挙げられる。
次に、回収した粒子11,13と分散媒とを含む分散液10’を第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’に接触させる(図4(A))。かかる分散液10’は、第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’に少なくとも接触していればよいが、第2微細凹凸パターン3’とその周囲の第2微細凹凸パターン3’が形成されていない面とに接触していてもよい。本実施形態において、第2微細凹凸パターン3’のパターン寸法が、粒子混合物中に含まれる分離対象粒子11の最小粒子径DMIN未満であるため、上記最小粒子径DMIN未満の粒子径を有する粒子13は、第2微細凹凸パターン3’に付着する。一方、粒子混合物中に含まれる分離対象粒子11は、第2微細凹凸パターン3’に付着しない。したがって、上記分散液10’を第2微細凹凸パターン3’に接触させ、後述する工程(図4(B)参照)にて分散媒を除去することで、第2微細凹凸パターン3’上に最小粒子径DMIN以下の粒子径を有する粒子13のみを残存させることができる。
分散液10’を第2微細凹凸パターン3’に接触させる方法としては、例えば、第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’上に、分散液10’を滴下する方法等挙げられる。分散液10’の滴下量は、第2粒子分離用基板1’における第2微細凹凸パターン3’の形成されている領域の大きさ等に応じて適宜設定され得る。
第2粒子分離用基板1’は、図3に示すように、第2微細凹凸パターン3’の寸法が、粒子混合物に含まれる分離対象粒子11の最小粒子径DMIN未満であって、当該最小粒子径DMINの粒子が当該第2微細凹凸パターン3’に付着しない程度に設定されている以外は、第1粒子分離用基板1とほぼ同様の構成を有する。そのため、第2粒子分離用基板1’の構成に関する詳細な説明を省略する。
第2微細凹凸パターン3’の寸法は、分離対象粒子11の最小粒子径DMINよりも小さく設定される。例えば、分離対象粒子11の最小粒子径DMINが、300nm程度である場合、第2微細凹凸パターン3’の寸法は、200nm以上300nm未満程度、より好ましくは250nm以上300nm未満程度、特に好ましくは280nm以上300nm未満程度に設定され得る。
なお、第2微細凹凸パターン3’の寸法とは、例えば、第2微細凹凸パターン3’が平面視略円形又は略矩形のホールパターンである場合、当該ホールパターンの開口の直径又は短辺長さを意味し、第2微細凹凸パターン3’がラインアンドスペースパターンである場合、スペースパターンの短手方向の幅を意味する。また、第2微細凹凸パターン3’がピラーパターンである場合、第2微細凹凸パターン3’の寸法とは、一のピラーパターンとそれに隣接するピラーパターンのうちの最遠位に位置するピラーパターンとの間の長さを意味するものとする。
続いて、第2粒子分離用基板1’上の分散液10’から分散媒を除去する(図4(B)参照)。このとき、分散媒を徐々に除去するのが好ましい。分散液10’から分散媒を徐々に除去すると、分散液10’の体積の漸減に伴い、第2微細凹凸パターン3’上に分散液10’を集中させやすくなる(図5(A)参照)。このとき、分散液10’に含まれる粒子混合物のうち、分離対象粒子11の最小粒子径DMIN未満の粒子径を有する粒子13は、分散液10’の体積減少に追随するようにして第2微細凹凸パターン3’上に集中する(図5(B)参照)。一方、分散液10’に含まれる分離対象粒子11は、分散液10’の体積減少に追随し難く、第2微細凹凸パターン3’上にまで移動し難い(図5(B)参照)。そのため、第2微細凹凸パターン3’上には、分離対象粒子11の最小粒子径DMIN未満の粒子径を有する粒子13が分散液10’とともに集中することになる。そして、粒子13は、第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’に付着する。一方、分離対象粒子11は、第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’に付着しない。
分散媒を除去する方法としては、例えば、分散媒を蒸発させる方法等が挙げられる。分散媒を蒸発させる場合、分散媒の蒸発速度を好ましくは300μL/min以下、より好ましくは100μL/min以下に設定する。分散媒の蒸発速度が300μL/minを超えると、分離対象粒子11の最小粒子径DMIN未満の粒子13が分散液10’に追随し難くなるおそれがある。分散媒の蒸発速度は、分散媒を蒸発させて除去するまで一定であってもよいし、当該蒸発速度を適宜変動させてもよい。なお、分散媒の蒸発速度は、例えば、分散媒の種類等に応じ、本実施形態に係る粒子分離方法の実施環境(分散媒を蒸発させる雰囲気の圧力、温度等)を適宜調整することにより設定され得る。
次に、例えば、スクレーパー等を用いた物理的方法、第2粒子分離用基板1’上に溶媒等を流す等の物理的方法等により、第2粒子分離用基板1’上の分離対象粒子11を回収する。これにより、広範な粒度分布を有する粒子混合物から、狭小な粒度分布を有する分離対象粒子11を簡便に、かつ低コストで分離することができる。
上述したように、本実施形態に係る粒子分離方法によれば、分離対象粒子11を含む粒子混合物の分散液10を第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に接触させ、分散媒を除去し、第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に付着した粒子(分離対象粒子11、粒子13)を含む分散液を第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’に接触させ、分散媒を除去するだけで、分離対象粒子11を選択的に分離することができる。そのため、従来の限外濾過膜を利用した分離方法のようにランニングコストがかからず、簡便に分離対象粒子11を分離することができるという効果を奏する。
なお、上述したような構成を有する第1(第2)粒子分離用基板1(1’)は、例えば、下記のようにして作製することができる。図6は、本実施形態における第1(第2)粒子分離用基板1(1’)の作製工程を切断端面図にて示す工程フロー図である。
図6(A)に示すように、まず、第1面21(21’)及び第2面22(22’)を有し、第1面21(21’)側にハードマスク層4(4’)を備える基材2(2’)を準備し、当該基材2(2’)のハードマスク層4(4’)上にレジスト膜5(5’)を形成する。
基材2(2’)としては、本実施形態における第1(第2)粒子分離用基板1(1’)の構成材料(例えば、石英ガラス、合成石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料;ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、その他ポリオレフィン等の樹脂材料等の透明材料や、金属材料等)からなる基板等を用いることができる。
ハードマスク層4(4’)は、後述する工程(図6(D)参照)により基材2(2’)をエッチングするために用いられるハードマスクパターン4a(4a’)を形成するための層である。そのため、基材2(2’)を構成する材料とのエッチング選択比を考慮した材料により構成される。例えば、基材2(2’)が石英ガラスにより構成される場合、ハードマスク層4(4’)は金属クロム等により構成されるのが望ましい。
レジスト膜5(5’)を構成するレジスト材料としては、特に限定されるものではなく、従来公知のエネルギー線感応型レジスト材料(例えば、電子線感応型レジスト材料、紫外線感応型レジスト材料等)等を用いることができる。
次に、図6(B)に示すように、電子線描画装置等を用いてレジスト膜5(5’)にパターン潜像を形成し、現像処理を施すことで、レジストパターン5a(5a’)を形成し、図6(C)に示すように、レジストパターン5a(5a’)をマスクとしてハードマスク層4(4’)をエッチングし、ハードマスクパターン4a(4a’)を形成する。
レジスト膜5(5’)に形成されるパターン潜像、レジストパターン5a(5a’)及びハードマスクパターン4a(4a’)は、第1(第2)粒子分離用基板1(1’)における第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)の寸法と実質的に同一の寸法にて形成される。
その後、図6(D)に示すように、ハードマスクパターン4a(4a’)をマスクとして基材2(2’)をエッチングして、基材2(2’)の第1面21(21’)に第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)を形成し、最後にハードマスクパターン4a(4a’)を剥離することで、基材2(2’)と、基材2(2’)の第1面21(21’)に形成された第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)とを有する第1(第2)粒子分離用基板1(1’)を作製することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、最初に、分離対象粒子11の最大粒子径DMAXと実質的に同一な寸法の第1微細凹凸パターン3を有する第1粒子分離用基板1を用いて、最大粒子径DMAXよりも大きい粒子径を有する粒子12を除去し、次に、分離対象粒子11の最小粒子径DMIN未満の寸法の第2微細凹凸パターン3’を有する第2粒子分離用基板1’を用いて分離対象粒子11を分離・回収しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、第2粒子分離用基板1’を用いて最小粒子径DMIN未満の粒子径を有する粒子13を分離・除去した後、第1粒子分離用基板1を用いて最大粒子径DMAXよりも大きい粒子径を有する粒子12を除去することで、分離対象粒子11を分離・回収してもよい。
また、本発明の粒子分離方法は、広範な粒度分布を有する粒子混合物中の所定の粒子径(例えば上記最大粒子径DMAX)以下の粒子径を有する粒子を分離対象粒子11として分離・回収する方法であってもよい。この場合においては、第1粒子分離用基板1のみを用い、粒子混合物を含む分散液10を第1微細凹凸パターン3に接触させた後、分散媒を除去し、所定の粒子径(最大粒子径DMAX)よりも大きい粒子径を有する粒子12を除去することで、最大粒子径DMAX以下の分離対象粒子11を分離・回収することができる。
同様に、本発明の粒子分離方法は、所定の粒子径(例えば上記最小粒子径DMIN)以上の粒子径を有する粒子を分離対象粒子11として分離・回収する方法であってもよい。この場合においては、第2粒子分離用基板1’のみを用い、粒子混合物を含む分散液10を第2微細凹凸パターン3’に接触させた後、分散媒を除去することで、最小粒子径DMIN以上の分離対象粒子11を分離・回収することができる。
上記実施形態においては、基材2(2’)の第1面21(21’)に一体的な凹凸構造として形成された第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)を有する第1(第2)粒子分離用基板1(1’)を用いる態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、第1(第2)粒子分離用基板1(1’)は、基材2(2’)の第1面21(21’)に、基材2(2’)とは別個の部材として構成される第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)を有する凹凸構造体(例えば、第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)を有するシート状部材等)を取り付けてなるものであってもよい。
上記実施形態においては、エッチングにより第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)を形成し、その後ハードマスクパターン4a(4a’)を剥離することで第1(第2)粒子分離用基板1(1’)を作製しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)が形成された基材2(2’)を、当該第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)の寸法及び高さを変動させることなく薄板化してもよい。また、基材2(2’)上の複数の領域に第1(第2)微細凹凸パターン3(3’)を形成し、領域ごとに切断(個片化)することで、第1(第2)粒子分離用基板1(1’)を作製してもよい。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等により何ら限定されるものではない。
〔第1粒子分離用基板の作製例〕
厚さ6nmのCrからなるハードマスク層4が第1面21に設けられている基材2としての石英ガラス基板を用意し、電子線感応型レジスト(製品名:SEBP−9012,信越化学工業社製)をハードマスク層4上に塗布してレジスト膜5を形成した。当該レジスト膜5上に電子線描画装置を用いてピラー状のレジストパターン5a(寸法:200nm)を形成した。
次に、レジストパターン5aをマスクとして用いてハードマスク層4をドライエッチング(エッチングガス:Cl2+O2)し、残存するレジストパターン5aを除去して、ハードマスクパターン4aを形成した。
上述のようにして形成されたハードマスクパターン4aをマスクとして用いて基材2(石英ガラス基板)をエッチングし、基材2(石英ガラス基板)の第1面21に、寸法200nmのピラー状の第1微細凹凸パターン3を形成した。最後に、ハードマスクパターン4aを剥離して、第1粒子分離用基板1を作製した。
〔第2粒子分離用基板の作製例〕
寸法100nmのピラー状のレジストパターン5a’を形成し、寸法100nmのピラー状の第2微細凹凸パターン3’を形成した以外は、上記第1粒子分離用基板1の作製例と同様にして第2粒子分離用基板1’を作製した。
〔実施例1〕
50nm〜1μmの粒度分布を有する粒子混合物(Al23粒子)を、ボールミル(伊藤製作所社製)を用いて分散媒(IPA)に分散させて、粒子混合物を含む分散液10(粒子混合物濃度:0.5g/L)を調製した。
次に、上記作製例にて作製した第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3上に上記分散液10を1500μL滴下し、当該第1粒子分離用基板1を常温環境下に載置することで分散媒を蒸発させた。分散液10の滴下後、15分で分散媒が蒸発した(蒸発速度:100μL/min)。
分散媒が蒸発した後、第1粒子分離用基板1の第1面21上を、光学顕微鏡(ニコン社製,製品名:Eclipse L200)を用いて観察した。その結果、粒子径50〜200nmのAl23粒子が、第1微細凹凸パターン3に付着していることが確認された。
〔実施例2〕
実施例1において第1粒子分離用基板1の第1微細凹凸パターン3に付着しているAl23粒子を回収し、実施例1と同様にして分散液を調製した。そして、当該分散液10を第2粒子分離用基板1’の第2微細凹凸パターン3’上に滴下し、当該第2粒子分離用基板1’を常温環境下に載置することで分散媒を蒸発させた。分散液10の滴下後、15分で分散媒が蒸発した(蒸発速度:100μL/min)。
分散媒が蒸発した後、第2粒子分離用基板1’の第1面21’上を、光学顕微鏡(ニコン社製,製品名:Eclipse L200)を用いて観察した。その結果、粒子径50〜100nmのAl23粒子が、第2微細凹凸パターン3’に付着していることが確認された。
実施例1及び実施例2の結果から、例えば、50nm〜1μmの粒度分布を有する粒子混合物から、粒子径200nm以下又は粒子径100nm以下のAl23粒子を分離対象粒子11として分離する場合、実施例1又は実施例2のように分離対象粒子11の最大粒子径DMAXと同一(実質的に同一)寸法の微細凹凸パターンを有する粒子分離用基板を用いることで、当該分離対象粒子11を分離可能であると理解することができる。また、粒子径100〜200nmのAl23粒子を分離対象粒子11として分離する場合、実施例1及び実施例2のように、分離対象粒子11の最大粒子径DMAXと同一(実質的に同一)寸法の微細凹凸パターンを有する粒子分離用基板と、分離対象粒子11の最小粒子径DMINと同一(実質的に同一)寸法の微細凹凸パターンを有する粒子分離用基板とを用いることで、当該分離対象粒子11を分離可能であると理解することができる。
すなわち、上記実施例1及び実施例2の結果から、第1微細凹凸パターン3を有する第1粒子分離用基板1及び第2微細凹凸パターン3’を有する第2粒子分離用基板1'を用い、分離対象粒子11を含む粒子混合物の分散液10,10’を第1微細凹凸パターン3及び第2微細凹凸パターン3’に接触させ、分散媒を除去することで、分離対象粒子11を含む粒子混合物から、当該分離対象粒子11を選択的に、かつ簡便に分離可能であることが明らかとなった。
本発明は、ナノ粒子である分離対象粒子の選択的分離を必要とする技術分野において有用である。
1…第1粒子分離用基板(粒子分離用基板)
1’…第2粒子分離用基板(粒子分離用基板)
2,2’…基材
21,21’…第1面
3…第1微細凹凸パターン(微細凹凸パターン)
3’…第2微細凹凸パターン(微細凹凸パターン)
11…分離対象粒子

Claims (7)

  1. 粒子混合物に含まれる分離対象粒子を分離する方法であって、
    前記分離対象粒子は、所定の粒度分布を有し、
    前記方法は、
    微細凹凸パターンを有する粒子分離用基板における前記微細凹凸パターンに、前記粒子混合物と分散媒とを含む分散液を少なくとも接触させる工程と、
    前記粒子分離用基板上の前記分散液から前記分散媒を除去する工程と、
    前記粒子分離用基板上の前記分離対象粒子を回収する工程と
    を含み、
    前記微細凹凸パターンの寸法は、前記分離対象粒子の最大粒子径と実質的に同一である又は前記分離対象粒子の最小粒子径よりも小さいことを特徴とする粒子分離方法。
  2. 粒子混合物に含まれる分離対象粒子を分離する方法であって、
    前記分離対象粒子は、所定の粒度分布を有し、
    前記方法は、
    前記粒子混合物と分散媒とを含む第1分散液を、第1微細凹凸パターンを有する第1粒子分離用基板における前記第1微細凹凸パターンに少なくとも接触させる工程と、
    前記第1粒子分離用基板上の前記第1分散液から前記分散媒を除去する工程と、
    前記第1粒子分離用基板上の前記分離対象粒子の最大粒子径以下又は最小粒子径以上の粒子を回収する工程と、
    前記回収した粒子と分散媒とを含む第2分散液を、第2微細凹凸パターンを有する第2粒子分離用基板における前記第2微細凹凸パターンに少なくとも接触させる工程と、
    前記第2粒子分離用基板上の前記第2分散液から前記分散媒を除去する工程と、
    前記第2粒子分離用基板上の前記分離対象粒子を回収する工程と
    を含み、
    前記第1微細凹凸パターンの寸法は、前記分離対象粒子の前記最大粒子径と実質的に同一である又は前記分離対象粒子の前記最小粒子径よりも小さく、
    前記第2微細凹凸パターンの寸法は、前記分離対象粒子の前記最小粒子径よりも小さく又は前記分離対象粒子の前記最大粒子径と実質的に同一であることを特徴とする粒子分離方法。
  3. 前記分散媒を除去する工程において、前記分散媒を蒸発させることにより、前記分散液から前記分散媒を除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子分離方法。
  4. 前記分離対象粒子の最大粒子径と最小粒子径との差分が、400nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粒子分離方法。
  5. 前記分離対象粒子が、金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粒子分離方法。
  6. 前記微細凹凸パターンの表面が、前記分散媒に対して親和性を有する表面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粒子分離方法。
  7. 前記粒子分離用基板における前記微細凹凸パターンの形成されていない表面が、前記分散媒に対する撥液性を有する表面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の粒子分離方法。
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