JP2016100981A - 風力発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ガバナでは応答できない周波数領域のゲインにより周波数偏差Δfの抑制を行うことで、電力系統の周波数変動に素早く対応することができる風力発電システムを提供する風力発電システムを提供する。
【解決手段】風力発電システム1は、風力発電装置100を備える。周波数偏差算出部302は、電力系統における周波数偏差の検出を行う。周波数変動抑制部304は電力系統内の既存発電機が具備するガバナとは逆の特性のゲイン{1−Gov(s)}を備え、ゲイン{1−Gov(s)}により有効電力指令値の増減量の算出を行い、算出した有効電力指令値の増減量と有効電力指令値とを加算し、補正有効電力の指令値を算出する。
【選択図】図1
【解決手段】風力発電システム1は、風力発電装置100を備える。周波数偏差算出部302は、電力系統における周波数偏差の検出を行う。周波数変動抑制部304は電力系統内の既存発電機が具備するガバナとは逆の特性のゲイン{1−Gov(s)}を備え、ゲイン{1−Gov(s)}により有効電力指令値の増減量の算出を行い、算出した有効電力指令値の増減量と有効電力指令値とを加算し、補正有効電力の指令値を算出する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、単数または複数の風力発電装置を連結し、電力系統に連結して運転を行う風力発電システムに関する。
従来、風力発電装置は、電力系統の運用状態によらず、設置場所の気候(風速)で、最大出力を発電出力するよう運転している。近年、発電出力を制御できる火力発電機のような既存発電機に対し、発電出力が気候に依存して発電出力を制御できない前述の風力発電装置の比率が増加している。そのために、電力系統において需給(発電出力/負荷)バランスが崩れ、系統周波数の変動が拡大して不安定化する可能性がある。
特に、夜間、休日等系統負荷の低い場合に、風力の変動等に起因する発電出力の急変するケースや、相対的に風力発電容量の比率が高くなる島嶼地域等の小規模系統では、周波数不安定化現象が発生している。
以上のことから、周波数不安定化現象の問題となる風力発電装置には、系統周波数の安定化に寄与するような出力調整制御が必要とされている。この出力調整制御として、電力系統への適用性を考慮した上で、既存発電機同等の特性を持たせるように、同期発電機の慣性応答モデルを設け、これを規範として前述の発電機に対する有効電力指令値Prefを制御する方法が提案されている。
電力系統内のすべての既存発電機(例えば火力発電機など)は、ガバナを有している。ガバナは、周波数安定化機能を有している。電力系統の周波数Fsに変動が生じた場合は、このガバナの周波数安定化機能により周波数Fsと商用周波数F0との周波数偏差Δfは抑制される。しかしながら、ガバナの周波数安定化機能は、低い周波数領域にゲインがある周波数特性のため応答が遅くなる。
本発明の実施形態は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ガバナでは応答できない周波数領域のゲインにより周波数偏差Δfの抑制を行うことで、電力系統の周波数変動に素早く対応することができる風力発電システムを提供することを目的とする。
本実施の形態の風力発電システムは、有効電力指令値に基づいて電力系統に対して有効電力の出力を行う風力発電装置を備え、前記電力系統における周波数偏差の検出を行う周波数偏差検出部と、前記周波数偏差に基づいて前記有効電力指令値の増減量を算出し、当該有効電力指令値の増減量を前記有効電力指令値に反映させる周波数変動抑制部と、を備え、前記周波数変動抑制部は、前記電力系統の発電機が備えるガバナとは逆の特性のゲインを備え、当該ゲインにより前記有効電力指令値の増減量の算出を行う短期変動抑制部を備えることを特徴とする。
[1.第1実施形態]
以下に本発明の第1の実施形態である風力発電システムを図1〜4を用いて説明する。本実施形態の風力発電システムは、系統周波数Fsと系統基準周波数F0との周波数偏差Δf=Fs−F0を算出する。そして、その周波数偏差Δfから電力系統内のガバナが反応できない周波数領域を抽出する。その抽出成分に基づいて、有効電力指令値の増減量の算出を行い、その有効電力指令値の増減量を有効電力指令値に反映させて、補正有効電力指令値の算出を行う。
以下に本発明の第1の実施形態である風力発電システムを図1〜4を用いて説明する。本実施形態の風力発電システムは、系統周波数Fsと系統基準周波数F0との周波数偏差Δf=Fs−F0を算出する。そして、その周波数偏差Δfから電力系統内のガバナが反応できない周波数領域を抽出する。その抽出成分に基づいて、有効電力指令値の増減量の算出を行い、その有効電力指令値の増減量を有効電力指令値に反映させて、補正有効電力指令値の算出を行う。
[1−1.構成]
図1に示すように風力発電システム1は、風力発電装置100、中央制御装置300を備える。風力発電装置100は、風のエネルギーを機械エネルギーPmechに変換した後、機械エネルギーPmechを電力に変換することで発電を行う発電機である。中央制御装置300は、風力発電装置100の制御装置である。中央制御装置300は、風力発電装置100のブレードのピッチ角や、風力発電装置100から出力する有効電力出力の調整を行う。中央制御装置300は、ピッチ角の調整に必要なピッチ角指令値βrefの算出や、有効電力出力の調整に必要な有効電力指令値Prefの算出を行う。
図1に示すように風力発電システム1は、風力発電装置100、中央制御装置300を備える。風力発電装置100は、風のエネルギーを機械エネルギーPmechに変換した後、機械エネルギーPmechを電力に変換することで発電を行う発電機である。中央制御装置300は、風力発電装置100の制御装置である。中央制御装置300は、風力発電装置100のブレードのピッチ角や、風力発電装置100から出力する有効電力出力の調整を行う。中央制御装置300は、ピッチ角の調整に必要なピッチ角指令値βrefの算出や、有効電力出力の調整に必要な有効電力指令値Prefの算出を行う。
(1)風力発電装置の構成
風力発電装置100は、以下の構成を備える。
(a)ピッチ角が可変であるブレード部101
(b)ブレード部101が受けた風により回転する回転軸を交流電力に変換する発電部102
(c)発電部102で変換した交流電力の周波数の変換を行う周波数変換部103
(d)周波数変換部103から出力される交流電力の有効電力出力PGの検出を行う検出部104
(e)風力発電装置100と電力配線との連系点に設けられた変圧器105
風力発電装置100は、以下の構成を備える。
(a)ピッチ角が可変であるブレード部101
(b)ブレード部101が受けた風により回転する回転軸を交流電力に変換する発電部102
(c)発電部102で変換した交流電力の周波数の変換を行う周波数変換部103
(d)周波数変換部103から出力される交流電力の有効電力出力PGの検出を行う検出部104
(e)風力発電装置100と電力配線との連系点に設けられた変圧器105
ブレード部101は、風のエネルギーを受けるブレードと、ブレードの中心部に設けられたハブからなる。ブレードは、風の運動エネルギーを機械エネルギーに変換するために、所謂テーパー型の形状をしている。ブレードの根本部分は、ハブに取り付けられる。ハブは、ブレードの取り付け角度であるピッチ角βを変調可能な構造とする。
ハブは回転軸と接続される。ハブは、ブレード部101で変換した機械エネルギーPmechにより回転軸を回転させる。回転軸の機械エネルギーPmechは、発電部102に対して伝達される。発電部102は、伝達された機械エネルギーPmechにより交流電力を発電する。
発電された交流電力は、コンバータとインバータを備える周波数変換部103に入力する。周波数変換部103に入力した交流電力は、コンバータで直流電力に変換される。さらに、変換された直流電力はインバータにより、商用系統と同じ周波数の交流電力に変換される。
周波数変換部103の出力側には、風力発電装置100の有効電力出力PGの計測を行う検出部104が接続される。検出部104で検出された有効電力出力PGは、風力発電装置100の中央制御装置300に対して出力される。検出部104の出力側には、変圧器105が設けられる。変圧器105は、風力発電装置100と電力系統との連系点に設けられ、風力発電装置100の出力の電圧と電力系統の電圧が同じになるように、風力発電装置100の出力の電圧を昇圧する。
電力系統には、電力系統の周波数を検出する検出部106が設置される。検出部106で検出した電力系統の周波数は、中央制御装置300に対して出力される。また、変圧器105の電力系統側には図示しない開閉器が設けられ、開閉器の開閉動作により風力発電装置100を電力系統から電気的に離接可能とする。
(3)中央制御部の構成
中央制御装置300は、以下の構成を備える。
(a)風力発電装置100のピッチ角を調整するピッチ角調整部201
(b)系統基準周波数の設定を行う系統基準周波数設定部301
(c)系統周波数Fsと系統基準周波数F0との周波数偏差Δfの算出を行う周波数偏差算出部302
(d)有効電力指令値Prefの算出を行う有効電力指令値算出部303
(e)周波数偏差Δfを抑制する補正有効電力指令値Pref’の算出を行う周波数変動抑制部304
(f)回転速度指令値ωrefの算出を行う回転速度指令値算出部305
(g)ピッチ角調整部201で調整するピッチ角の制御量の算出を行うピッチ角算出部306
中央制御装置300は、以下の構成を備える。
(a)風力発電装置100のピッチ角を調整するピッチ角調整部201
(b)系統基準周波数の設定を行う系統基準周波数設定部301
(c)系統周波数Fsと系統基準周波数F0との周波数偏差Δfの算出を行う周波数偏差算出部302
(d)有効電力指令値Prefの算出を行う有効電力指令値算出部303
(e)周波数偏差Δfを抑制する補正有効電力指令値Pref’の算出を行う周波数変動抑制部304
(f)回転速度指令値ωrefの算出を行う回転速度指令値算出部305
(g)ピッチ角調整部201で調整するピッチ角の制御量の算出を行うピッチ角算出部306
ピッチ角調整部201は、ブレード部101のピッチ角の調整を行う。ピッチ角の調整は、後述するピッチ角算出部306から出力されるピッチ角指令値βrefに基づいて行う。
系統基準周波数設定部301は、系統基準周波数を設定する。系統基準周波数は、検出部106で検出した系統周波数Fsの変動を算出するための基準となる。系統基準周波数としては、所謂、商用周波数を用い、例えば50Hzや60Hzである。系統基準周波数の設定は、ユーザが図示しないキーボードなどのインターフェースからなる入力部を使用して設定することができる。
周波数偏差算出部302は、検出部106で検出した電気系統の系統周波数Fsと系統基準周波数F0との周波数偏差Δfを算出する。周波数偏差Δfは、電力系統の系統周波数Fsと系統基準周波数F0との差分により算出する。周波数偏差算出部302は、周波数偏差Δfを算出することで電力系統における周波数偏差の検出を行う。
有効電力指令値算出部303は、風力発電装置100の有効電力出力PGを出力するための有効電力指令値Prefの算出を行う。有効電力指令値Prefの算出は種々の条件に基づいて算出することができる。例えば、有効電力指令値算出部303に、風力発電装置100における有効電力出力PG、無効電力出力QG、ピッチ角β,回転速度Δωtを入力させ、また、風力発電装置100と電力系統との連系点の電圧V、周波数fとを入力させ、これらの条件を適宜組み合わせることで算出する。また、有効電力指令値Prefは、算出するのではなく、予め設定した値としても良い。
周波数変動抑制部304は、周波数偏差Δfに対応する有効電力指令値Prefの増減量ΔPrefを算出し、当該有効電力指令値の増減量ΔPrefを有効電力指令値Prefに反映させる。周波数偏差Δfに対応する有効電力指令値の増減量ΔPrefの算出は、電力系統内の既存の発電機(例えば火力発電機)が備えるガバナでは応答できない周波数領域を対象としたゲインにより行う。
回転速度指令値算出部305は、風力発電装置100の有効電力出力PGを出力するための回転速度指令値ωrefの算出を行う。回転速度指令値ωrefの算出は種々の条件に基づいて算出することができる。例えば、算出した有効電力指令値Prefを出力するために必要な回転速度を回転速度指令値ωrefとすることができる。
ピッチ角算出部306は、回転速度指令値ωref、と回転軸の回転速度ωtとを比較し、有効電力指令値Prefを出力するために必要なピッチ角を算出する。ピッチ角算出部306は、算出したピッチ角に基づいたピッチ角指令値βrefをピッチ角調整部201に対して出力する。
(周波数変動抑制部304の構成)
周波数変動抑制部304は、図2に示すように、偏差値判定部307、短期変動抑制部308、及びフィルタ309を備える。
周波数変動抑制部304は、図2に示すように、偏差値判定部307、短期変動抑制部308、及びフィルタ309を備える。
偏差値判定部307は、周波数偏差Δfの大きさを判定する。偏差値判定部307は、判定した周波数偏差Δfの大きさに応じて、周波数偏差Δfを増幅させた周波数偏差Δf1’を算出する。偏差値判定部307は、それぞれ閾値が異なる2つの不感帯310,311と、不感帯の出力を増幅するフィルタ312と、2つの不感帯の出力を加算する第1の加算器313とを備える。
不感帯310は、THf1LとTHf1Hを閾値に有する不感帯である。また、不感帯311は、THf2LとTHf2Hを閾値に有する不感帯である。ここで、THf1H、THf1L、THf2H、THf2Lは定数であり、各閾値の大小関係は、THf2H>THf1H>THf1L>THf2Lである。
不感帯310は、周波数偏差ΔfがTHf1Lを下回る場合には、Δf−THf1Lを出力する。また、不感帯310は、周波数偏差ΔfがTHf1Hを上回る場合には、Δf−THf1Hを出力する。
不感帯311は、周波数偏差ΔfがTHf2Lを下回る場合には、Δf−THf2Lを出力する。また、不感帯311は、周波数偏差ΔfがTHf2Hを上回る場合には、Δf−THf2Hを出力する。不感帯311の出力側には、係数gain1とするフィルタ312が配置され、係数gain1により不感帯311の出力は増加される。
不感帯310及び不感帯311の出力側には、第1の加算器313が設けられる。第1の加算器313により、不感帯310及び不感帯311の出力は加算される。加算された各不感帯の出力を周波数偏差Δf1’とする。周波数偏差Δf1’は、短期変動抑制部308に対して出力される。
短期変動抑制部308は、電力系統内の既存の発電機が備えるガバナでは応答できない周波数領域にゲインを有するフィルタ314を備える。周波数偏差Δf1’をフィルタ314に入力することで、有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortを算出する。フィルタ314のゲインは、F1(s){1−Gov(s)}である。ここで、F1(s)は位相やゲインの補償フィルタである。また、Gov(s)は、電力系統内で、同期を行う発電機に具備されているガバナのガバナ特性を近似的に表した定常ゲインが1の伝達関数とする。
このGov(s)の周波数特性を図3に示す。図3に示すように、Gov(s)は低い周波数にゲインがある。そのため、遅い応答では動作できるが、早い応答はできない特性を持つ。逆に、1−Gov(s)は、高い周波数にゲインがある。そのため、電力系統内の発電機が具備するガバナでは応答できない領域を対象とした特性を持つ。
短期変動抑制部308の出力側には、短期変動抑制部で算出した有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortの正負を逆転させるフィルタ309が配置される。フィルタ309は、有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortに対して−1を掛ける。この正負を逆転させた有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortを、有効電力指令値の増減量ΔPrefとする。
フィルタ309の出力側には、有効電力指令値の増減量ΔPrefと有効電力指令値Prefとを加算する第2の加算器315が配置される。第2の加算器315では、有効電力指令値の増減量ΔPrefと有効電力指令値Prefを加算し、補正有効電力指令値Pref’を算出する。
第2の加算器315で出力した補正有効電力指令値Pref’は、周波数変換部103に対して出力される。周波数変換部103は、風力発電装置100の有効電力出力PGを、補正有効電力指令値Pref’で変化させることで電力系統の周波数変動を抑制する。
[1−2.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の風力発電システムでは、系統周波数の変化に基づき周波数偏差Δfを算出する。そして、その周波数偏差Δfから電力系統内の既存発電機が具備するガバナでは反応できない周波数領域を抽出し、有効電力指令値の増減量ΔPrefの算出を行う。そして、有効電力指令値に有効電力指令値の増減量ΔPrefを反映させて、補正有効電力指令値Pref’とする。図4は、補正有効電力指令値Pref’の演算手順を示すフローチャートである。
以上のような構成を有する本実施形態の風力発電システムでは、系統周波数の変化に基づき周波数偏差Δfを算出する。そして、その周波数偏差Δfから電力系統内の既存発電機が具備するガバナでは反応できない周波数領域を抽出し、有効電力指令値の増減量ΔPrefの算出を行う。そして、有効電力指令値に有効電力指令値の増減量ΔPrefを反映させて、補正有効電力指令値Pref’とする。図4は、補正有効電力指令値Pref’の演算手順を示すフローチャートである。
(補正有効電力指令値Pref’の演算について)
図4に示すように、周波数変動抑制部304では、周波数偏差Δfが発生した場合に、その周波数偏差Δfに基づいて有効電力補正を行う。
図4に示すように、周波数変動抑制部304では、周波数偏差Δfが発生した場合に、その周波数偏差Δfに基づいて有効電力補正を行う。
電力系統で電力の需要と供給バランスが崩れた場合、電力不足時には系統周波数Fsが低下し、電力余剰時には系統周波数Fsが上昇する。すなわち、系統周波数Fsの変動が発生する(STEP11)。この需給のアンバランスにより発生する周波数偏差Δfが周波数変動抑制部304に入力する。
偏差値判定部307では、周波数偏差Δfを不感帯310と不感帯311とに入力する(STEP12,STEP13)。
不感帯310では、周波数偏差Δfが閾値THf1Hを上回る場合には、Δf−THf1Hを出力する。また、周波数偏差ΔfがTHf1Lを下回る場合には、Δf−THf1Lを出力する(STEP12のYES,STEP13のNO)。不感帯310の出力を周波数偏差Δf1’とする(STEP14)。一方、周波数偏差Δfが閾値THf1Hより小さく、周波数偏差ΔfがTHf1Lを上回る場合には0を出力する(STEP12のNO)。
すなわち、不感帯310は次の様に動作する。
THf1L <Δf< THf1Hの時:不感帯1の出力 = 0
Δf > THf1Hの時:不感帯1の出力 = Δf− THf1H
Δf < THf1Lの時:不感帯1の出力 = Δf− THf1L
THf1L <Δf< THf1Hの時:不感帯1の出力 = 0
Δf > THf1Hの時:不感帯1の出力 = Δf− THf1H
Δf < THf1Lの時:不感帯1の出力 = Δf− THf1L
一方、不感帯311では、周波数偏差Δfが閾値THf2Hを上回る場合には、Δf−THf2Hを出力する。また、周波数偏差ΔfがTHf2Lを下回る場合には、Δf−THf2Lを出力する。そして、出力したΔf−THf2HまたはΔf−THf2Lをgain1で増幅する。不感帯311が動作する場合には、不感帯310も動作している。増幅した不感帯311の出力は、不感帯310の出力と加算される。加算された各不感帯の出力をΔf1’とする(STEP15)。つまり、周波数偏差Δf1’は、Δf−THf1H+gain1(Δf−THf2H)、または(Δf−THf1L)+gain1(Δf−THf2L)である。
不感帯311では、周波数偏差Δfが閾値THf2Hを下回ると共に、THf2Lを上回る場合には0を出力する。
すなわち、不感帯311は次の様に動作する。
THf2L <Δf< THf2Hの時:不感帯2の出力 = 0
Δf > THf2Hの時:不感帯2の出力 = Δf− THf2H
Δf < THf2Lの時:不感帯2の出力 = Δf− THf2L
THf2L <Δf< THf2Hの時:不感帯2の出力 = 0
Δf > THf2Hの時:不感帯2の出力 = Δf− THf2H
Δf < THf2Lの時:不感帯2の出力 = Δf− THf2L
偏差値判定部307から出力された周波数偏差Δf1’は、短期変動抑制部308に対して出力される。短期変動抑制部308では、フィルタ314に周波数偏差Δf1’を入力することで、有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortを算出する(STEP16)。有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortは、Δf1’に対してF1(s){1−Gov(s)}を掛けることで算出する。
次に、短期変動抑制部308で算出した有効電力指令値の増減量増減量ΔPref_Shortの正負を逆転させて−ΔPref_Shortとし、−ΔPref_Shortを有効電力指令値の増減量ΔPrefとする(STEP17)。
そして、有効電力指令値Prefに対して、有効電力指令値の増減量ΔPrefを加算し、補正有効電力指令値Pref’とする(STEP18)。この補正有効電力指令値Pref’に基づいて、風力発電装置100の出力PGを変化させることで電力系統の周波数変動を抑制する。
[1−3.効果]
以上のような構成及び作用を有する本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
以上のような構成及び作用を有する本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態の風力発電システムでは、電力系統内の既存の発電機が具備するガバナでは応答できない周波数のゲインを利用し、周波数偏差Δfに基づいて有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortの算出を行うことで、電力系統の周波数変動Δfに素早く対応することができる。
(2)本実施形態の偏差値判定部307は、周波数偏差Δfの大きさを判定し、周波数偏差Δfの大きさに応じて周波数偏差量を増加させ周波数偏差Δf1’とする。この周波数偏差Δf1’に基づいて有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortの算出を行うことで、周波数偏差Δfの大きさに応じた有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortの算出が可能になる。つまり、系統周波数偏差Δfを、偏差値判定部307により閾値判別することで、周波数不安定化の緊急度に応じて、制御のゲインを高くすることができる。そのため、電力系統で大きな周波数変動が起きた場合にでも、短時間で周波数変動の抑制を行うことが可能となる。
(3)本実施形態の偏差値判定部307は、周波数偏差Δfに対する閾値が異なる2つの不感帯310,311とを備える。周波数偏差Δfの大きさの判定に不感帯310,311を利用することで微小な周波数偏差Δfが発生した場合の制御を不実施とする。これにより、制御動作の発生回数の抑制をすることができ、頻繁に制御を行うことによる不具合を低減することができる。また、閾値が異なる2つの不感帯を有し、2つの不感帯の出力を加算する。これにより、簡便な構成で、周波数偏差Δfの大きさに応じて周波数偏差を増減させることができる。
(4)また、閾値の絶対値が大きい不感帯311の出力側には、不感帯311の出力を増加させるフィルタ312を設置している。これにより、より効果的に、周波数偏差Δfの大きさに応じて周波数偏差を増加させることができる。そのため、大きな周波数変動が起きた場合にでも、更に短時間で周波数変動の抑制を行うことが可能となる。
(5)本実施形態の短期変動抑制部308の出力は、正負を反転させるフィルタ309に入力する。有効電力指令値Prefと有効電力指令値の増減量ΔPrefとを加算するだけで、補正有効電力指令値Pref’の算出を可能とする。
(6)また、本実施形態の偏差値判定部307では、2つの不感帯310,311により周波数偏差Δfの大きさを判定したが、偏差値判定部307の構成はこれに限らない。例えば、閾値を4以上有する不感帯を1つ配置し、その不感帯により、周波数偏差Δfの大きさに応じた周波数偏差Δf’の出力を行っても良い。また、不感帯を使用せずに、周波数偏差Δfの大きさに応じたゲインを掛けることで、周波数偏差Δf’の算出を行うこともできる。
[2.第2の実施形態]
以下には、本発明の第2の実施形態である風力発電システムを図5〜7を用いて説明する。本実施形態の風力発電システムは、第1の実施形態の構成に加えて、周波数偏差Δfに基づいてピッチ角指令値βの補正を行うピッチ角フィードフォワード制御部(以下、ピッチ角FF制御部316とする)を加えたものである。本実施形態の風力発電システムでは、周波数不安定化の緊急度に応じて、ピッチ角を変化させることで、周波数の安定化性能を向上することができる。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
以下には、本発明の第2の実施形態である風力発電システムを図5〜7を用いて説明する。本実施形態の風力発電システムは、第1の実施形態の構成に加えて、周波数偏差Δfに基づいてピッチ角指令値βの補正を行うピッチ角フィードフォワード制御部(以下、ピッチ角FF制御部316とする)を加えたものである。本実施形態の風力発電システムでは、周波数不安定化の緊急度に応じて、ピッチ角を変化させることで、周波数の安定化性能を向上することができる。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[2−1.構成]
第2の実施形態における風力発電システムの構成について説明する。図5は、本実施形態における風力発電システムの構成を示すブロック図である。図5に示すように、第2の実施形態の風力発電システムは、周波数変動抑制部にピッチ角FF制御部316を新たに設ける。
第2の実施形態における風力発電システムの構成について説明する。図5は、本実施形態における風力発電システムの構成を示すブロック図である。図5に示すように、第2の実施形態の風力発電システムは、周波数変動抑制部にピッチ角FF制御部316を新たに設ける。
ピッチ角FF制御部316は、補正ピッチ角指令値βref’を算出する。補正ピッチ角指令値βref’は、有効電力指令値補正部304の不感帯311から出力される周波数偏差Δf2’に基づいて算出される。ピッチ角FF制御部316で算出した補正ピッチ角指令値βref’は、ピッチ角調整部201に対して出力される。
(ピッチ角FF制御部316の構成)
図6は、周波数変動抑制部の構成を示すブロック図である。図6に示すように不感帯311の出力側にピッチ角FF制御部316を設ける。ピッチ角FF制御部316には、不感帯311から出力されるΔf2’=Δf−THf2H、またはΔf2’=Δf−THf2Lが入力される。
図6は、周波数変動抑制部の構成を示すブロック図である。図6に示すように不感帯311の出力側にピッチ角FF制御部316を設ける。ピッチ角FF制御部316には、不感帯311から出力されるΔf2’=Δf−THf2H、またはΔf2’=Δf−THf2Lが入力される。
ピッチ角FF制御部316は、入力する周波数偏差Δf2’に基づいてピッチ角指令値の増減量Δβrefを算出する。ピッチ角FF制御部316は、フィルタ317を備える。フィルタ317は、ゲインや位相調整を目的としたF2(s)を備えたフィルタである。ピッチ角FF制御部316は、偏差Δf2’をフィルタ317に入力することで、ピッチ角指令値の増減量Δβrefの算出を行う。
フィルタ317の出力側には、第3の加算器318が設置される。第3の加算器318には、ピッチ角指令値βrefとピッチ角指令値の増減量Δβrefとが入力される。第3の加算器318は、それらを加算し補正ピッチ角指令値βref’として出力する。この補正ピッチ角指令値βref’は、ピッチ角調整部201に対して出力される。ピッチ角調整部201は、ブレードを補正ピッチ角指令値βref’の値により制御する。
[2−2.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の風力発電システムでは、第1の実施形態と同様に、周波数偏差Δfから電力系統内の既存の発電機が具備するガバナでは反応できない周波数領域を抽出し、有効電力指令値の増減量ΔPrefの算出を行う。そして、有効電力指令値に有効電力指令値の増減量ΔPrefを反映させて、補正有効電力指令値Pref’を算出する。これに加えて、周波数偏差Δfが所定の値を超えた場合には、ピッチ角指令値βrefに対してフィードフォワード制御を行う。ピッチ角βに対するフィードフォワード制御は、ピッチ角指令値βrefに対して、算出したピッチ角指令値の増減量Δβrefを加算することで行う。図7は、補正ピッチ角指令値βref’の演算手順を示すフローチャートである。
以上のような構成を有する本実施形態の風力発電システムでは、第1の実施形態と同様に、周波数偏差Δfから電力系統内の既存の発電機が具備するガバナでは反応できない周波数領域を抽出し、有効電力指令値の増減量ΔPrefの算出を行う。そして、有効電力指令値に有効電力指令値の増減量ΔPrefを反映させて、補正有効電力指令値Pref’を算出する。これに加えて、周波数偏差Δfが所定の値を超えた場合には、ピッチ角指令値βrefに対してフィードフォワード制御を行う。ピッチ角βに対するフィードフォワード制御は、ピッチ角指令値βrefに対して、算出したピッチ角指令値の増減量Δβrefを加算することで行う。図7は、補正ピッチ角指令値βref’の演算手順を示すフローチャートである。
(ピッチ角βに対するフィードフォワード制御について)
図7に示すように、電力系統で電力の需要と供給バランスが崩れた場合、電力不足時には系統周波数が低下し、電力余剰時には系統周波数Fsが上昇する。すなわち、系統周波数Fsの変動が発生する(STEP21)。
図7に示すように、電力系統で電力の需要と供給バランスが崩れた場合、電力不足時には系統周波数が低下し、電力余剰時には系統周波数Fsが上昇する。すなわち、系統周波数Fsの変動が発生する(STEP21)。
周波数偏差Δfは、不感帯311に対して入力する(STEP22)。不感帯311では、周波数偏差Δfが閾値THf2Lを上回る場合にはΔf−THf2Lを周波数偏差Δf2’として出力し、ΔfがTHf2Lを下回る場合にはΔf−THf2Lを周波数偏差Δf2’として出力する(STEP22のYES,STEP23)。
不感帯311が出力した周波数偏差Δf2’は、ピッチ角FF制御部316に入力する。ピッチ角FF制御部316では、入力した偏差Δf2’をゲインや位相調整を目的としたフィルタF2(s)に入力することで、ピッチ角指令値の増減量Δβrefの算出を行う(STEP24)。
そして、ピッチ角指令値の増減量Δβrefをピッチ角指令値βrefに加算し、補正ピッチ角指令値βref’とする(STEP25)。この補正ピッチ角指令値βref’に基づいて、風力発電装置100のピッチ角を変化させる。
[2−3.効果]
以上のような構成及び作用を有する本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
以上のような構成及び作用を有する本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)従来制御においては、Δfの変動を抑制するために有効電力指令値Prefを調整する。有効電力指令値Prefの調整により、風力発電装置100の有効電力出力PGは変化する。風力発電装置100の有効電力出力PGが変化すると回転速度ωtは変化し、その回転速度ωtの変化を受けてピッチ角βの制御を行う。このようにピッチ角βの制御を行うためには、複数の制御を経るため、ピッチ角の制御動作が遅くなり、回転速度ωtが変動しやすい。これに対して、本実施形態の風力発電システムでは、不感帯311を通過したΔf2’により、ピッチ角をフィードフォワード制御する。すなわち、周波数偏差Δfに基づいて直接ピッチ角βを制御できるため、ピッチ角制御の遅れによる回転速度ωtの変動を低減できる。
(2)本実施形態のピッチ角FF制御部316では、偏差値判定部307で大きさが変更された周波数Δf2’に基づいてピッチ角指令値の増減量Δβrefの算出を行う。そのため、電力系統で起きた周波数変動の大きさに応じたピッチ角指令値の増減量Δβrefの算出をすることができ、大きな周波数変動が起きた場合にでも、短時間でピッチ角の抑制を行うことが可能となる。
(3)本実施形態の周波数偏差値判定部は、周波数偏差Δfを不感帯311に入力させる。不感帯311を介すことで周波数偏差Δfが小さい場合には、ピッチ角の制御を行わない。これにより、ピッチ角の制御においても制御動作の抑制をすることができ、頻繁に制御を行うことによる不具合を低減することができる。
[3−1.構成]
第3の実施形態における風力発電システムの構成について説明する。図8は、本実施形態における風力発電システムの構成を示すブロック図である。図8に示すように、第3の実施形態の風力発電システムでは、周波数変動抑制部304において、偏差値判定部307の出力側に長期変動抑制部319を新たに設ける。
第3の実施形態における風力発電システムの構成について説明する。図8は、本実施形態における風力発電システムの構成を示すブロック図である。図8に示すように、第3の実施形態の風力発電システムでは、周波数変動抑制部304において、偏差値判定部307の出力側に長期変動抑制部319を新たに設ける。
長期変動抑制部319は、フィルタ320と、リミッタ321とを備える。周波数偏差Δf1’をフィルタ320に入力することで、有効電力指令値の増減量ΔPref_longを算出する。フィルタ320は、電力系統内の同期発電機が備えるガバナが応答可能な周波数領域にゲインを有するフィルタである。フィルタ320はゲインとしてF3(s)Gov(s)を有する。ゲインのF3(s)は位相やゲインの補償フィルタ、Gov(s)は、電力系統内のすべての発電機に具備されているガバナ特性を近似的に表した定常ゲインが1の伝達関数とする。長期変動抑制部319は、入力に対しGov(s)を適用していることから、入力の電力系統内のガバナで応答できる成分を抽出する。
リミッタ321は、上限値max1、下限値min1のリミッタである。リミッタの上限値max1は、風力発電装置100から得られる機械エネルギーPmechの上限値である。風力発電装置100は、風から得られる機械エネルギーPmech以上のエネルギーを有効電力出力PGとして長期的に電力系統に出力すると、風車が停止してしまう。そのため、風車から得られる機械エネルギーPmech値の上限値をリミッタの上限値max1をとして設定する。一方、下限値min1は、長期変動抑制部319における制御下限値である。
長期変動抑制部319及び短期変動抑制部308の出力側には、第4の加算器322が設けられる。第4の加算器322には、長期変動抑制部319で算出した有効電力増減量ΔPref_longと、短期変動抑制部308で算出した有効電力増減値ΔPref_Shortが入力され、それぞれが加算され出力される。
加算した有効電力指令値の増減量ΔPref_long+ΔPref_Shortは正負を逆転させるフィルタ309に入力し、−(ΔPref_long+ΔPref_Short)が有効電力指令値の増減量ΔPrefとなる。
フィルタ309の出力側には、有効電力指令値の増減量ΔPrefと有効電力指令値Prefとを加算する第2の加算器315が配置される。第1の加算器では、有効電力指令値の増減量ΔPrefと有効電力指令値Prefを加算し、補正有効電力指令値Pref’を算出する。
第2の加算器315で出力した補正有効電力指令値Pref’は、周波数変換部103に対して出力され、風力発電装置100の有効電力出力PGを、補正有効電力指令値Pref’で変化させることで電力系統の周波数変動を抑制する。
[3−2.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の風力発電システムでは、第1の実施形態と同様に、周波数偏差から電力系統内のガバナが反応できない周波数領域を抽出し、有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortの算出を行う。また、周波数偏差から電力系統内のガバナが反応することが可能な周波数領域を抽出し、有効電力指令値の増減量ΔPref_longの算出を行う。これらの有効電力指令値の増減量ΔPref_long+ΔPref_Shortを有効電力指令値Prefに反映させて、補正有効電力指令値Pref’の算出を行う。図9は、補正有効電力指令値Pref’の演算手順を示すフローチャートである。
以上のような構成を有する本実施形態の風力発電システムでは、第1の実施形態と同様に、周波数偏差から電力系統内のガバナが反応できない周波数領域を抽出し、有効電力指令値の増減量ΔPref_Shortの算出を行う。また、周波数偏差から電力系統内のガバナが反応することが可能な周波数領域を抽出し、有効電力指令値の増減量ΔPref_longの算出を行う。これらの有効電力指令値の増減量ΔPref_long+ΔPref_Shortを有効電力指令値Prefに反映させて、補正有効電力指令値Pref’の算出を行う。図9は、補正有効電力指令値Pref’の演算手順を示すフローチャートである。
(補正有効電力指令値Pref’の演算について)
図9に示すように、第1の実施形態と同様に、電力系統で電力の需要と供給バランスが崩れた場合には、発生する周波数偏差Δfの大きさに応じた周波数偏差Δf1’を算出する(STEP31〜35)。また、周波数偏差Δf1’に基づいて短期変動抑制部308において、ΔPref_Shortが算出される(STEP36)。
図9に示すように、第1の実施形態と同様に、電力系統で電力の需要と供給バランスが崩れた場合には、発生する周波数偏差Δfの大きさに応じた周波数偏差Δf1’を算出する(STEP31〜35)。また、周波数偏差Δf1’に基づいて短期変動抑制部308において、ΔPref_Shortが算出される(STEP36)。
周波数偏差Δf1’は、長期変動抑制部319に対して出力され、長期変動抑制部319において、有効電力指令値の増減量ΔPref_longが算出される(STEP37)。有効電力指令値の増減量ΔPref_longは、周波数偏差Δf1’に対してF3(s)Gov(s)を掛けることで算出する。
算出した有効電力指令値の増減量ΔPref_Short、及び有効電力指令値の増減量ΔPref_longは第4の加算器322において加算される(STEP38)。
次に、加算された有効電力指令値の増減量ΔPShort+ΔPlongの正負を反転させて−(ΔPShort+ΔPlong)を算出し、−(ΔPShort+ΔPlong)を有効電力指令値の増減量ΔPrefとする(STEP39)。
そして、有効電力指令値Prefに有効電力指令値の増減量ΔPrefを加算し、補正有効電力指令値Pref’とする(STEP40)。この補正有効電力指令値Pref’に基づいて、風力発電装置100の出力PGを変化させることで電力系統の周波数変動を抑制する。
[2−3.効果]
以上のような構成及び作用を有する本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を奏する。
以上のような構成及び作用を有する本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態では、有効電力指令値の増減量ΔPrefを有効電力指令値の増減量ΔPref_Short、及び有効電力指令値の増減量ΔPref_longに基づいて算出する。このため、有効電力指令値の増減量ΔPrefは、電力系統の既存の発電機の特性を踏まえた値となるため、より精度の高い制御を実施することができる。
(2)また、本実施形態は、第1の実施形態に対して長期変動抑制部319を付加したが、図10に示すように、第2の実施形態に対して長期変動抑制部319を付加しても良い。
[4.他の実施形態]
なお、本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。例えば、各実施形態では、風力発電システムが有する風力発電装置100が1台の場合について説明したが、風力発電装置100を複数台備えるウィンドファームにおいても適応することができる。この場合においても、Gov(s)は、電力系統内の既存発電機(例えば火力発電機)のガバナに応じて設定しても良い。
なお、本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。例えば、各実施形態では、風力発電システムが有する風力発電装置100が1台の場合について説明したが、風力発電装置100を複数台備えるウィンドファームにおいても適応することができる。この場合においても、Gov(s)は、電力系統内の既存発電機(例えば火力発電機)のガバナに応じて設定しても良い。
以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…風力発電システム、100…風力発電装置、101…ブレード部、102…発電部、103…周波数変換部、104…検出部、105…変圧器、106…検出部、201…ピッチ角調整部、300…中央制御装置、301…系統基準周波数設定部、302…周波数偏差算出部、303…有効電力指令値算出部、304…周波数変動抑制部、305…回転速度指令値算出部、306…ピッチ角算出部、307…偏差値判定部、308…短期変動抑制部、309…フィルタ、310…不感帯、311…不感帯、312…フィルタ、313…第1の加算器、314…フィルタ、315…第2の加算器、316…ピッチ角FF制御部、317…フィルタ、318…第3の加算器、319…長期変動抑制部、320…フィルタ、321…リミッタ、322…第4の加算器、Δf…周波数偏差、Δf1’…周波数偏差、Δf2’…周波数偏差、Pref…有効電力指令値、ΔPref…有効電力指令値の増減量、ΔPref_Short…短期抑制部で算出した有効電力指令値の増減量、ΔPref_long…長期抑制部で算出した有効電力指令値の増減量、Pref’…補正有効電力指令値、Pmech…機械エネルギー、PG…風力発電装置の有効電力出力、Fs…系統周波数、F0…系統基準周波数、βref…ピッチ角指令値、Δβref…ピッチ角指令値の増減量、βref’…補正ピッチ角指令値、ωref…回転速度指令値
Claims (9)
- 有効電力指令値に基づいて電力系統に対して有効電力の出力を行う風力発電装置を備える風力発電システムにおいて、
前記電力系統における周波数偏差の検出を行う周波数偏差検出部と、
前記周波数偏差に基づいて前記有効電力指令値の増減量を算出し、前記有効電力指令値に当該有効電力指令値の増減量を加算させる周波数変動抑制部と、
を備え、
前記周波数変動抑制部は、前記電力系統の発電機が備えるガバナとは逆の特性のゲインを備え、当該ゲインにより前記有効電力指令値の増減量の算出を行う短期変動抑制部を備えることを特徴とする風力発電システム。 - 前記周波数変動抑制部は、
前記周波数偏差の大きさを判定し、前記周波数偏差の大きさに応じて前記周波数偏差を増減させる偏差値判定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の風力発電システム。 - 前記偏差値判定部は、
それぞれ閾値が異なる2つの不感帯と、
前記2つの不感帯の出力を加算する第1の加算器と、
を備え、
前記2つの不感帯には前記周波数偏差が入力し、前記2つの不感帯の出力を加算することを特徴とする請求項2に記載の風力発電システム。 - 前記不感帯の一方の閾値をTHf1LとTHf1Hとし、
前記不感帯の他方の閾値をTHf2LとTHf2Hとし、
各閾値の大小関係がTHf2L<THf1L<THf1H<THf2Hであることを特徴する請求項3に記載の風力発電システム。 - 前記THf2LとTHf2Hの閾値を有する不感帯の出力側には、
当該不感帯の出力を増幅するゲインを有するフィルタを備えることを特徴する請求項4に記載の風力発電システム。 - 前記周波数変動抑制部は、前記短期変動抑制部で算出した前記有効電力指令値の増減量の正負を反転させるフィルタと、
前記有効電力指令値と、正負を反転させた前記有効電力指令値の増減量とを加算する第2の加算器と、
を備えることを特徴する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の風力発電システム。 - 前記風力発電装置は、
風を受けるブレードと、
前記ブレードのピッチ角を調整するピッチ角調整部と、
前記風力発電装置の回転軸の回転速度と前記回転速度指令値とにより、前記ピッチ角調整部で調整するピッチ角指令値を算出するピッチ角算出部と、
を備え、
前記周波数変動抑制部は、前記周波数偏差に基づいて前記ピッチ角指令値の補正を行うことを特徴する請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の風力発電システム。 - 前記周波数変動抑制部は、
前記偏差値判定部で増減された前記周波数偏差に基づき、前記ピッチ角指令値の増減量の算出を行うピッチ角フィードフォワード制御部と、
前記ピッチ角指令値の増減量と、前記ピッチ角指令値とを加算する第3の加算器と、
を備えることを特徴する請求項1乃至7の何れか1項に記載の風力発電システム。 - 前記周波数変動抑制部は、
前記電力系統のガバナの特性を近似したゲインを備え、当該ゲインにより前記有効電力指令値の増減量の算出を行う長期変動抑制部と、
前記短期変動抑制部が算出した前記有効電力の増減量と、前記長期変動抑制部が算出した前記有効電力指令値の増減量とを加算する第4の加算器を備え、
前記第4の加算器で算出した前記有効電力指令値の増減量を、前記有効電力の指令値に加算させることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の風力発電システム。
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