JP2016099674A - 薬剤探索装置、薬剤探索方法およびプログラム - Google Patents

薬剤探索装置、薬剤探索方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2016099674A
JP2016099674A JP2014233925A JP2014233925A JP2016099674A JP 2016099674 A JP2016099674 A JP 2016099674A JP 2014233925 A JP2014233925 A JP 2014233925A JP 2014233925 A JP2014233925 A JP 2014233925A JP 2016099674 A JP2016099674 A JP 2016099674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
disease
data
expression level
network
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014233925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6550571B2 (ja
Inventor
勝久 堀本
Katsuhisa Horimoto
勝久 堀本
福井 一彦
Kazuhiko Fukui
一彦 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2014233925A priority Critical patent/JP6550571B2/ja
Publication of JP2016099674A publication Critical patent/JP2016099674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6550571B2 publication Critical patent/JP6550571B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Abstract

【課題】既存の薬剤の中から、疾患に効果のある薬剤の候補を迅速かつ適切に選び出す方法を提供する。【解決手段】薬剤探索装置1は、既知の複数の薬剤について遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答DB13を備える。サンプルとコントロールの発現量データを入力し、サンプルとコントロールとの間での発現量の違いを表す変動データを算出する。薬剤応答DB13から読み出した既知の複数の薬剤についての発現量データと疾患の変動データをパラメータとして、既知の複数の薬剤と疾患とをノードとするネットワーク構造を推定する。ネットワーク構造に基づいて既知の複数の薬剤と疾患をネットワーククラスタリングする。疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、疾患と逆の相関を有する薬剤を選択し、選択された薬剤のデータを出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、疾患を有するサンプルの遺伝子の発現量データを用いて、疾患に対する薬剤を探索する装置に関する。
昨今見られる新薬開発研究の行き詰まりを打開する方法として、ドラッグ・リポジショニング(DR)なる新しい研究概念が議論の対象となっている。これは、ヒトでの安全性と体内動態が実績によって既に確認されている既存薬から、新たな薬効を見つけ出し,実用化につなげていこうというものである。
沼田 稔「DR研究(既存薬再開発)への期待と課題」 医薬ジャーナルVol. 46, No. 5, 2010/p.1337
本発明は、上記背景に鑑み、既存の薬剤の中から、疾患に効果のある薬剤を迅速かつ適切に選び出す方法を提供する。
本発明の薬剤探索装置は、既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースと、所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの遺伝子の発現量データを入力する入力部と、前記サンプルと前記コントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出する変動データ算出部と、前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記疾患の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするネットワーククラスタリング部と、前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択する薬剤選択部と、選択された薬剤のデータを出力する出力部とを備える。
このように薬剤に対する遺伝子の発現量データと疾患の変動データとをパラメータとしてネットワーク推定し、そのネットワーク構造に基づいてネットワーククラスタリングを行い、同じクラスタに分類された薬剤の中から逆の相関を有する薬剤を選択する構成により、コントロールとは逆相関する発現をする遺伝子の働きを抑える薬剤を見つけることができる。
本発明の薬剤探索装置において、前記薬剤応答データベースは、前記薬剤に対する発現量データに応じて遺伝子に付与した順位のデータであり、前記変動データ算出部は、前記発現量の変動データに応じて遺伝子に順位を付与し、前記ネットワーク推定部は、順位相関係数を用いてネットワーク構造の推定を行ってもよい。
このように順位に基づく相関係数を用いることにより、薬剤及び疾患の相関関係を実験計測の揺らぎを排除して求めることができる。なお、ネットワーク構造を推定する際に、他の変数の影響を除去して2変数間の相関を求める偏相関を用いてもよい。
本発明の薬剤探索装置において、前記ネットワーク推定部は、順位の高い方又は順位の低い方から所定の個数の遺伝子を用いてネットワーク構造の推定を行ってもよい。
このように所定の個数の遺伝子を用いることにより、相関関係を求める計算負荷を軽減できる。
本発明の別の態様の薬剤探索装置は、既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースと、所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを入力する入力部と、前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記疾患の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするネットワーククラスタリング部と、前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択する薬剤選択部と、選択された薬剤のデータを出力する出力部とを備える。
このように所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを入力する構成とすることにより、薬剤探索装置においてすべての遺伝子の変動データを求めなくてもよいので、計算処理を軽減できる。
本発明の別の態様の薬剤探索装置は、既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースと、所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの間での遺伝子の発現量の違いが大きいシグネチャ遺伝子について、当該発現量の違いを表す変動データを入力する入力部と、前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記シグネチャ遺伝子の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするネットワーククラスタリング部と、前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択する薬剤選択部と、選択された薬剤のデータを出力する出力部とを備える。
このようにシグネチャ遺伝子について変動データを入力することにより、薬剤探索装置において変動データを求めなくてもよいので計算処理を軽減できる。また、入力する遺伝子を疾患特異的なシグネチャ遺伝子に絞っているので、少ないパラメータによって適切に薬剤の探索を行うことができる。
本発明の別の態様の薬剤探索装置は、既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースと、コントロールの遺伝子の発現量のデータを記憶したコントロール発現量データベースと、サンプルの遺伝子の発現量データを入力する入力部と、入力されたサンプルの遺伝子の発現量データと前記コントロール発現量データベースから読み出した前記コントロールの遺伝子の発現量データに基づいて、前記サンプルと前記コントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出する変動データ算出部と、前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記サンプルの変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記サンプルをネットワーククラスタリングするネットワーククラスタリング部と、前記サンプルと同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記サンプルと逆の相関を有する薬剤を選択する薬剤選択部と、選択された薬剤のデータを出力する出力部とを備える。
このようにサンプルとコントロールとの遺伝子の発現量の相違を表す変動データと、薬剤に反応する遺伝子の発現量データとをパラメータとしてネットワーク推定し、ネットワーク構造のネットワーククラスタリングを行い、同じクラスタに分類された薬剤の中から逆の相関を有する薬剤を選択する構成により、サンプルがコントロールとは異なる発現をする遺伝子の働きを抑える薬剤を見つけることができる。
本発明の薬剤探索装置は、前記薬剤の化学構造を記憶した化学構造データベースを備え、前記出力部は、選択された薬剤と化学構造が類似した薬剤を前記化学構造データベースから抽出して出力してもよい。
この構成により、選択された薬剤のみならず、選択された薬剤と化学構造が類似した薬剤を探索することができる。これにより、化学構造が類似した薬剤についても疾患に対する薬効があるかどうかを調べ、薬効リポジショニングの研究に役立てることができる。
本発明の薬剤探索装置は、前記薬剤が作用しているタンパク質のデータを記憶した標的タンパク質データベースを有し、前記出力部は、選択された薬剤が作用しているタンパク質のデータを前記標的タンパク質データベースから抽出して出力してもよい。
この構成により、選択された薬剤のみならず、標的タンパク質のデータを探索することができる。これにより、疾患がどのタンパク質に関係しているかの研究に役立てることができる。
本発明の薬剤探索装置は、複数の化合物のディスクリプターのデータを記憶した化合物データベースを備え、前記ネットワーク推定部は、前記化合物データベースから読み出した化合物と、前記薬剤選択部にて選択された薬剤とをノードとするネットワーク構造を、前記化合物及び前記薬剤のディスクリプターをパラメータとして推定し、前記ネットワーククラスタリング部は、前記ネットワーク構造に基づいて前記化合物及び前記薬剤をネットワーククラスタリングし、前記薬剤選択部は、前記薬剤と同じクラスタに分類された化合物の中から、前記薬剤と正の相関を有する化合物を選択し、前記出力部は、選択された薬剤と化合物を出力してもよい。
このように化合物と薬剤のディスクリプターをパラメータとしてネットワーク推定し、そのネットワーク構造に基づいてネットワーククラスタリングを行い、同じクラスタに分類された薬剤の中から正の相関を有する薬剤を選択する構成により、選択された薬剤と類似する化合物の候補を提示することができる。
本発明の薬剤探索方法は、薬剤探索装置によって、既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースから疾患に効く可能性のある薬剤を探索する方法であって、前記薬剤探索装置が、所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの遺伝子の発現量データを入力するステップと、前記薬剤探索装置が、前記サンプルと前記コントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出するステップと、前記薬剤探索装置が、前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記疾患の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、前記薬剤探索装置が、前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするステップと、前記薬剤探索装置が、前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択するステップと、前記薬剤探索装置が、選択された薬剤のデータを出力するステップとを備える。
本発明のプログラムは、既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースから疾患に効く可能性のある薬剤を探索するためのプログラムであって、コンピュータに、所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの発現量データを入力するステップと、入力された前記サンプルと前記コントロールの遺伝子の発現量データに基づいて、前記サンプルと前記コントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出するステップと、前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記疾患の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するステップと、前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするステップと、前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択するステップと、選択された薬剤のデータを出力するステップとを実行させる。
本発明によれば、薬剤に反応する遺伝子の発現量データと疾患の変動データとをパラメータとしてネットワーククラスタリングを行い、同じクラスタに分類された薬剤の中から逆の相関を有する薬剤を選択する構成により、コントロールとは異なる発現をする遺伝子の働きを抑える薬剤を見つけることができる。
第1の実施の形態の薬剤探索装置の構成を示す図である。 薬剤応答DBに記憶されたデータの例を示す図である。 (a)変動データ算出部にて算出した各遺伝子の変動データの例を示す図である。(b)変動データを順位形式に変換した例を示す図である。 薬剤応答DBに記憶された発現量データを順位形式に変換したデータの例を示す図である。 疾患−薬剤ネットワーク推定によって求めたネットワーク構造の例を示す図である。 ネットワーククラスタリングの結果の例を示す図である。 第1の実施の形態の薬剤探索装置の動作を示す図である。 シグネチャ遺伝子の変動データを順位形式で示す図である。 第2の実施の形態の薬剤探索装置の構成を示す図である。 第3の実施の形態の薬剤探索装置の構成を示す図である。 第3の実施の形態の薬剤探索装置の動作を示す図である。 第4の実施の形態の薬剤探索装置の構成を示す図である。 化合物データベースに記憶されたデータの例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態の薬剤探索装置の構成について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の薬剤探索装置1の構成を示す図である。第1の実施の形態の薬剤探索装置1は、入力部10と、制御部11と、出力部12と、薬剤応答データベース(以下、「薬剤応答DB」という。)13を有している。
入力部10は、所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの遺伝子の発現量データの入力を受け付ける。制御部11は、入力部10より入力されたデータに基づいて、薬剤応答DB13の中から、疾患に薬効のある薬剤の候補を選択する機能を有する。出力部12は、制御部11にて選択された薬剤を示すデータを出力する機能を有している。
また、薬剤探索装置1は、化学構造データベース(以下、「化学構造DB」という。)14および標的タンパク質データベース(以下、「標的タンパク質DB」という。)15を有している。化学構造DB14は、薬剤の化学構造を示すデータを記憶している。標的タンパク質DB15は、薬剤が作用しているタンパク質を示すデータを記憶している。これらのデータベースを有することにより、制御部11は、選択された薬剤と化学構造が類似する薬剤、および選択された薬剤と作用する標的タンパク質が同じ薬剤を見つけ、出力部12より出力する。
薬剤探索装置1は、CPU、RAM、ROM、ディスプレイ、キーボード、マウス、通信インターフェース等を備えるコンピュータによって構成される。薬剤探索のためのプログラムをROMに記憶しておき、CPUがROMからプログラムを読み出して実行することにより、コンピュータが薬剤探索を行う。
続いて、薬剤探索装置1の詳しい構成について説明する。図2は、薬剤応答DB13に記憶されたデータの例を示す図である。薬剤応答DB13には、既知の複数の薬剤のそれぞれについて、当該薬剤を投与したときに応答して発現する遺伝子の発現量データを記憶している。例えば、図2に示す例では、薬剤Aを投与したときに、遺伝子g00001の発現量は100、遺伝子g00002の発現量は20というデータが記憶されている。薬剤応答DB13としては、例えば、BROAD INSTITUTEが提供するConnectivity Map等を利用することができる。
制御部11は、入力されたデータに基づいて薬剤を選択するための構成として、変動データ算出部16と、ネットワーク推定部17と、ネットワーククラスタリング部18と、薬剤選択部19とを有している。
変動データ算出部16は、入力されたサンプルとコントロールの遺伝子の発現量データに基づいて、サンプルとコントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出する機能を有する。具体的には、各遺伝子について、複数のサンプルの遺伝子の発現量データの平均値と、複数のコントロールの遺伝子の発現量データの平均値とを求め、サンプルの発現量データの平均値とコントロールの発現量データの平均値との差分を求めることにより、変動データを算出する。変動データによって、所定の疾患において、どの遺伝子に発現量の異常が生じているかを見ることができる。
図3(a)は、変動データ算出部16にて算出した各遺伝子の変動データの例を示す図である。図3(a)に示す例では、例えば、遺伝子g00001については、サンプルとコントロールとの発現量の差が100であり、遺伝子g00002については、サンプルとコントロールとの発現量の差が20であるということが分かる。
ネットワーク推定部17は、遺伝子の発現量データをパラメータとして、既知の複数の薬剤と疾患をネットワーク推定する機能を有する。ネットワーク推定部17は、遺伝子の発現量データを順位データとして扱うため、まず、変動データ算出部16にて算出した変動データの変動の大きい方から順に遺伝子に順位を付ける。例えば、図3(a)に示す変動データを図3(b)に示すように変換する。図3(b)に示す例では、遺伝子g03678がサンプルとコントロールとの間で発現量の違いが最も大きく、遺伝子g01873、g05725が続いていることが分かる。
ネットワーク推定部17は、図2に示す薬剤応答DB13に記憶された発現量データも、順位データに変換する。図4は、薬剤応答DB13に記憶された発現量データを、発現量に基づく順位に変換したデータを示す図である。すなわち、図4に示すデータは、各薬剤を投与したときに発現量の大きかった方から順に遺伝子に順位を付ける。図4に示す例では、薬剤Aに対しては、遺伝子g00825が最も高い反応を示し、次に、遺伝子g00235、g04525が続いていることが分かる。なお、いったん、図4に示す順位データの形式に変換した後は、順位データの形式で薬剤応答データを記憶することが好ましく、本実施の形態では、薬剤応答DB13には、図4に示す順位形式のデータも記憶するものとする。
ネットワーク推定部17は、以上のようにして求めた順位のデータに基づいて、複数の薬剤どうし、及び複数の薬剤と疾患との偏相関係数を求め、偏相関係数に基づいて複数の薬剤と疾患のネットワーク構造を推定する。ネットワーク推定部17は、偏相関係数が所定の閾値以上のノード(複数の薬剤又は疾患)間には相関があるとしてノードどうしを連結し、偏相関係数が所定の閾値未満のノード間には相関がないとしてノードどうしを連結しない。
図5は、ネットワーク推定部17によって推定されたネットワーク構造の例を示す図である。図5では、薬剤および疾患(図5で網掛けをして示す)をノードとし、薬剤どうしの偏相関、薬剤と疾患との偏相関に基づいて、偏相関係数が所定の閾値以上のノードどうしを連結してネットワーク構造を記述している。なお、このネットワーク推定に際しては、偏相関係数を用いているので、他のノードの影響を除去して2変数の相関を求めることができる。
ネットワーククラスタリング部18は、ネットワーク推定部17にて推定されたネットワーク構造に基づいて、複数の薬剤及び疾患をネットワーククラスタリングする機能を有する。ネットワーククラスタリング部18は、ネットワーク構造においてノード間の連結の度合いに基づいてクラスタリングを行う。ネットワーククラスタリングの方法については、例えば、Fortunato, S. Physics Reports, 486: 75?174, 2010.に記載された方法を用いることができる
図6は、ネットワーククラスタリング部18によってネットワーククラスタリングした結果の一例を示す図である。図6で示す例では、クラスタ1とクラスタ2が形成されている。
薬剤選択部19は、疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、疾患に対する薬効を期待できる薬剤候補を選択する機能を有する。図6に示す例では、疾患のノードがクラスタ1に含まれているので、クラスタ1に含まれる薬剤の中から、疾患と逆相関の高い発現量データを有する薬剤を選択する。ネットワーククラスタリング処理によって、疾患の変動データと正の相関が高い薬剤と負の相関が高い薬剤とが同じクラスタに分類されるが、薬剤選択部19は、同じクラスタに分類された薬剤の中から、疾患と負の相関(逆相関)の高い薬剤を選択する。
図7は、第1の実施の形態の薬剤探索装置1の動作を示す図である。薬剤探索装置1は、まず、所定の疾患を有する複数のサンプルの遺伝子発現量データと、当該疾患を有しない複数のコントロールの遺伝子発現量データの入力を受け付ける(S10)。薬剤探索装置1は、入力されたサンプルとコントロールの遺伝子発現量データに基づいて、発現量の変動データを算出し(S11)、続いて、薬剤探索装置1は、当該変動データに基づいて、疾患の遺伝子発現量の順位データを生成する(S12)。
薬剤探索装置1は、薬剤応答DB13から、既知の複数の薬剤の発現量データを読み出す。上述したとおり、本実施の形態においては、薬剤応答DB13には、発現量の大きさに基づく順位形式のデータが記憶されている。薬剤探索装置1は、既知の複数の薬剤の遺伝子発現量の順位データと、疾患の変動データの順位データとの偏相関係数に基づいて、複数の薬剤と疾患のネットワーク推定を行い、複数の薬剤と疾患をノードとするネットワーク構造を生成する(S13)。
次に、薬剤探索装置1は、生成されたネットワーク構造に基づいて、複数の薬剤と疾患のネットワーククラスタリングを行う(S14)。続いて、薬剤探索装置1は、疾患と同一のクラスタに分類された薬剤の中から、逆相関の高い薬剤を選択し(S15)、選択した薬剤を示すデータを出力する(S16)。
この際、薬剤探索装置1は、化学構造DB14から、選択した薬剤と類似の化学構造を有する薬剤を検索し、類似の化学構造を有する薬剤が見つかった場合には、その薬剤を示すデータを合わせて出力する。また、薬剤探索装置1は、標的タンパク質DB15から、選択した薬剤が作用しているタンパク質のデータを読み出し、標的タンパク質のデータを合わせて出力する。以上、第1の実施の形態の薬剤探索装置1の構成および動作について説明した。
第1の実施の形態の薬剤探索装置1は、薬剤に反応する遺伝子の発現量データと疾患の変動データとをパラメータとして、薬剤と疾患をノードとするネットワーク構造を推定し、生成されたネットワーク構造のネットワーククラスタリングを行い、同じクラスタに分類された薬剤の中から逆の相関を有する薬剤を選択するので、コントロールとは異なる発現をする遺伝子の働きを抑える薬剤を適切に見つけることができる。ネットワーク構造の推定およびネットワーククラスタリングを行わずに疾患と逆相関の高い薬剤を探索すると、データに含まれているノイズによって、適切な探索を行えないおそれがある。すなわち、データに含まれているノイズによってたまたま偏相関が大きい遺伝子があると、その遺伝子の影響を受ける可能性がある。本実施の形態では、偏相関係数でネットワーク構造を推定した後、ネットワーククラスタリングによってネットワーク構造の連結度合という基準を導入し、連結しているクラスタの中から偏相関係数が大きい薬剤を探索するので、単に偏相関係数の大小に基づく探索とは異なる観点を踏まえて、適切な探索を行える。
従来は、どの既存薬が有効かを調べる時、既存薬と疾患の組み合わせは膨大であるため、手当たり次第に薬効の検証を行うことはできず、疾患に関する経験的な知識に基づいて既存薬を絞り込み、「セレンディピティ」に頼っているのが実情であった。本実施の形態の薬剤探索装置1によれば、疾患による遺伝子発現の変動をキャンセルする方向に働く薬剤を探索することで、疾患に対して薬効のある既存薬を効率良く探索することができる。
なお、上記した第1の実施の形態の説明においては、サンプルとコントロールとの発現量の違いを示す変動データとして、全ての遺伝子のデータを用いる例を説明したが、本発明においては、必ずしも、すべての遺伝子の変動データを用いる必要はない。サンプルとコントロールとの間で発現量の違いが大きい遺伝子は、当該疾患に特異的な遺伝子であり、「シグネチャ遺伝子」と呼ばれるが、このシグネチャ遺伝子を用いてもよい。
図8は、図3(b)に示す変動データのうち、変動が大きかった上位30位までのシグネチャ遺伝子のデータを示す図である。このシグネチャ遺伝子の変動データを用いて、薬剤と疾患のネットワーククラスタリングを行って、疾患と同一クラスタに分類された薬剤の中から、薬剤を選択することとしてもよい。このように疾患特異的なシグネチャ遺伝子を用いることにより、ネットワーククラスタリングの精度を維持しつつ、ネットワーククラスタリングに用いるパラメータ数を大幅に少なくすることにより、ネットワーククラスタリングの計算負荷を軽減できる。なお、図8に示す例においては、上位30位までの遺伝子をシグネチャ遺伝子としているが、シグネチャ遺伝子か否かを決める基準は、個数ではなく、変動データの大きさの程度(例えば、10倍以上の違い等)を基準として用いてもよい。
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施の形態の薬剤探索装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態の薬剤探索装置2の基本的な構成は、第1の実施の形態の薬剤探索装置1と同じである。第2の実施の形態の薬剤探索装置2では、入力部10は、所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データの入力を受け付ける。このため、第2の実施の形態の薬剤探索装置2は、第1の実施の形態の薬剤探索装置1が備えていた変動データ算出部16を省略した構成となっている。
第2の実施の形態の薬剤探索装置2の動作は、基本的に第1の実施の形態の薬剤探索装置1と同じである。第2の実施の形態の薬剤探索装置1は、第1の実施の形態において、サンプルとコントロールの発現量データを入力するステップ(S10)、及び、入力されたデータから発現量の変動データを算出するステップ(S11)に代えて、疾患の変動データの入力を受け、その変動データを用いて、薬剤の探索を行う(S12〜S16)。以上、第2の実施の形態の薬剤探索装置2の構成および動作について説明した。
第2の実施の形態の薬剤探索装置2は、第1の実施の形態と同様に、コントロールとは異なる発現をする遺伝子の働きを抑える薬剤を見つけることができる。
なお、上記した第2の実施の形態において、入力するデータとしては、シグネチャ遺伝子の変動データを用いることとしてもよい。これにより、ネットワーククラスタリングの精度を維持しつつ、ネットワーククラスタリングに用いるパラメータ数を大幅に少なくすることにより、ネットワーククラスタリングの計算負荷を軽減できる。
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態の薬剤探索装置3の構成を示す図である。第3の実施の形態の薬剤探索装置3の基本的な構成は第1の実施の形態の薬剤探索装置1と同じであるが、疾患のない健康な人をコントロールとして、コントロールの遺伝子の発現量データを記憶したコントロール発現量データベース(以下、「コントロール発現量DB」という。)20をさらに備えている。
第3の実施の形態の薬剤探索装置3は、入力としてサンプル(患者)の遺伝子の発現量データを受け付ける。上述した第1の実施の形態においては、入力部10より入力するデータは、所定の疾患を有するサンプルと所定の疾患を有しないコントロールのデータであったが、第3の実施の形態では、サンプルのデータのみを入力すればよく、しかも、サンプルが何の疾患に罹っているかを特定する必要はない。
第3の実施の形態の変動データ算出部16は、入力されたサンプルの遺伝子発現量データとコントロール発現量DB20から読み出したコントロールの遺伝子発現量データとの差分を求めることで、変動データを算出する。変動データを用いてネットワーククラスタリングを行うネットワーククラスタリング部18、およびネットワーククラスタリングの結果に基づいて薬剤を選択する薬剤選択部19の構成は、第1の実施の形態と同じである。
図11は、第3の実施の形態の薬剤探索装置3の動作を示す図である。第3の実施の形態の薬剤探索装置3は、まず、サンプルの遺伝子発現量データの入力を受け付ける(S20)。
薬剤探索装置3は、コントロール発現量DB20からコントロールの遺伝子発現量データを読み出し、読み出した遺伝子発現量データと入力されたサンプルの遺伝子発現量データとに基づいて、発現量の変動データを算出する(S21)。続いて、薬剤探索装置3は、当該変動データに基づいて、順位データを生成する(S22)。
次に、薬剤探索装置3は、薬剤応答DB13から、既知の複数の薬剤の発現量データを読み出す。上述したとおり、本実施の形態においては、薬剤応答DB13には、発現量の大きさに基づく順位形式のデータが記憶されている。薬剤探索装置3は、既知の複数の薬剤の遺伝子発現量の順位データと、サンプルの変動データの順位データとの偏相関に基づいて、複数の薬剤とサンプルをノードとするネットワーク構造を推定し(S23)、生成されたネットワーク構造のネットワーククラスタリングを行う(S24)。
続いて、薬剤探索装置3は、サンプルと同一のクラスタに分類された薬剤の中から、逆相関の高い薬剤を選択し(S25)、選択した薬剤を示すデータを出力する(S26)。この際、薬剤探索装置3は、化学構造DB14から、選択した薬剤と類似の化学構造を有する薬剤を検索し、類似の化学構造を有する薬剤が見つかった場合には、その薬剤を示すデータを合わせて出力する。また、薬剤探索装置3は、標的タンパク質DB15から、選択した薬剤が作用しているタンパク質のデータを読み出し、標的タンパク質のデータを合わせて出力する。以上、第3の実施の形態の薬剤探索装置3の構成および動作について説明した。
第3の実施の形態の薬剤探索装置3は、サンプルの遺伝子発現量データを入力すれば、当該サンプルがコントロールに対して変動している遺伝子発現量に基づいて、サンプルに薬効のある既存薬を探索することができる。
(第4の実施の形態)
図12は、第4の実施の形態の薬剤探索装置4の構成を示す図である。第4の実施の形態の薬剤探索装置4の基本的な構成は第1の実施の形態の薬剤探索装置1と同じであるが、まだ承認された薬剤ではない化合物のデータを記憶した化合物データベース(以下、「化合物DB」という)21をさらに備えている。
図13は、化合物DB21に記憶されたデータの例を示す図である。化合物DB21には、未承認薬の化合物のディスクリプターのデータが記憶されている。図13では、A,B,C・・・と記載しているが、ディスクリプターとは、化合物の構造や特性などを記述したもので、例えば、「分子数」「結合の総数」「環の数」「芳香環の有無」「脂肪環の有無」「極性表面の有無」「平均電荷」「分極率」「双極子モーメント」等であり、その数は1000を超える。本実施の形態では、これらのディスクリプターの中から、対象化合物に最適なディスクリプターを選択して用いる。
第4の実施の形態の薬剤探索装置4が疾患に対して逆相関の高い薬剤を選択する方法は、第1の実施の形態の薬剤探索装置1と同じである。第4の実施の形態の薬剤探索装置4は、薬剤及び化合物のディスクリプターに基づいて、選択された薬剤と構造や特性の類似した化合物を探索し、選択された薬剤とともに出力する。
第4の実施の形態の薬剤探索装置4は、単にディスクリプターの相関が高い化合物を探索するのではなく、薬剤を探索したのと同様に、ネットワーククラスタリングを用いて選択された薬剤と類似する化合物を探索する。具体的には、薬剤探索装置4は、選択された薬剤と、化合物DB21から読み出した複数の化合物のディスクリプターのPeason相関係数を求め、その値に基づいて偏相関係数を計算する。Peason相関係数は、例えば、Edwards D. Introduction to Graphical Modelling 2nd edition, Springer, 2000.に記載された方法を用いて求めることができる。
薬剤探索装置4は、偏相関係数に基づいてネットワーク推定を行い、薬剤及び複数の化合物をノードとするネットワーク構造を生成し、生成されたネットワーク構造に基づいて、薬剤と複数の化合物のネットワーククラスタリングを行う。そして、薬剤探索装置4は、薬剤と同一のクラスタに分類された化合物の中から、正の相関の高い化合物を選択する。
第4の実施の形態の薬剤探索装置4は、疾患に対して薬効が期待される既承認薬を提示すると共に、当該既承認薬と構造または特性が類似する化合物を出力するので、疾患に対する新しい薬剤の開発に利用することができる。なお、第4の実施の形態では、第1の実施の形態の薬剤探索装置1の構成に対して化合物DB21を備えた例を挙げて説明したが、第4の実施の形態の構成は、第2の実施の形態の薬剤探索装置2及び第3の実施の形態の薬剤探索装置3に適用することもできる。
本発明は、既存の薬剤の中から、疾患に効果のある薬剤を迅速かつ適切に選び出すことができる効果を有し、ドラッグ・リポジショニングの手法として有用である。
1〜4 薬剤探索装置
10 入力部
11 制御部
12 出力部
13 薬剤応答データベース
14 化学構造データベース
15 標的タンパク質データベース
16 変動データ算出部
17 ネットワーク推定部
18 ネットワーククラスタリング部
19 薬剤選択部
20 コントロール発現量データベース
21 化合物データベース

Claims (11)

  1. 既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースと、
    所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの遺伝子の発現量データを入力する入力部と、
    前記サンプルと前記コントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出する変動データ算出部と、
    前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記疾患の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患をノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、
    前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするネットワーククラスタリング部と、
    前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択する薬剤選択部と、
    選択された薬剤のデータを出力する出力部と、
    を備える薬剤探索装置。
  2. 前記薬剤応答データベースは、前記薬剤に対する発現量データに応じて遺伝子に付与した順位のデータであり、
    前記変動データ算出部は、前記発現量の変動データに応じて遺伝子に順位を付与し、
    前記ネットワーク推定部は、順位相関係数を用いてネットワーク構造の推定を行う請求項1に記載の薬剤探索装置。
  3. 前記ネットワーク推定部は、順位の高い方又は順位の低い方から所定の個数の遺伝子を用いてネットワーク構造の推定を行う請求項2に記載の薬剤探索装置。
  4. 既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースと、
    所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを入力する入力部と、
    前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記疾患の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、
    前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするネットワーククラスタリング部と、
    前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択する薬剤選択部と、
    選択された薬剤のデータを出力する出力部と、
    を備える薬剤探索装置。
  5. 既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースと、
    所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの間での遺伝子の発現量の違いが大きいシグネチャ遺伝子について、当該発現量の違いを表す変動データを入力する入力部と、
    前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記シグネチャ遺伝子の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、
    前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするネットワーククラスタリング部と、
    前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択する薬剤選択部と、
    選択された薬剤のデータを出力する出力部と、
    を備える薬剤探索装置。
  6. 既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースと、
    コントロールの遺伝子の発現量のデータを記憶したコントロール発現量データベースと、
    サンプルの遺伝子の発現量データを入力する入力部と、
    入力されたサンプルの遺伝子の発現量データと前記コントロール発現量データベースから読み出した前記コントロールの遺伝子の発現量データに基づいて、前記サンプルと前記コントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出する変動データ算出部と、
    前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記サンプルの変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記サンプルとをノードとするネットワーク構造を推定するネットワーク推定部と、
    前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記サンプルをネットワーククラスタリングするネットワーククラスタリング部と、
    前記サンプルと同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記サンプルと逆の相関を有する薬剤を選択する薬剤選択部と、
    選択された薬剤のデータを出力する出力部と、
    を備える薬剤探索装置。
  7. 薬剤の化学構造を記憶した化学構造データベースを備え、
    前記出力部は、選択された薬剤と化学構造が類似した薬剤を前記化学構造データベースから抽出して出力する請求項1乃至6のいずれかに記載の薬剤探索装置。
  8. 前記薬剤が作用しているタンパク質のデータを記憶した標的タンパク質データベースを有し、
    前記出力部は、選択された薬剤が作用しているタンパク質のデータを前記標的タンパク質データベースから抽出して出力する請求項1乃至7のいずれかに記載の薬剤探索装置。
  9. 複数の化合物のディスクリプターのデータを記憶した化合物データベースを備え、
    前記ネットワーク推定部は、前記化合物データベースから読み出した化合物と、前記薬剤選択部にて選択された薬剤とをノードとするネットワーク構造を、前記化合物及び前記薬剤のディスクリプターをパラメータとして推定し、
    前記ネットワーククラスタリング部は、前記ネットワーク構造に基づいて前記化合物及び前記薬剤をネットワーククラスタリングし、
    前記薬剤選択部は、前記薬剤と同じクラスタに分類された化合物の中から、前記薬剤と正の相関を有する化合物を選択し、
    前記出力部は、選択された薬剤と化合物を出力する請求項1乃至6のいずれかに記載の薬剤探索装置。
  10. 薬剤探索装置によって、既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースから疾患に効く可能性のある薬剤を探索する方法であって、
    前記薬剤探索装置が、所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの遺伝子の発現量データを入力するステップと、
    前記薬剤探索装置が、前記サンプルと前記コントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出するステップと、
    前記薬剤探索装置が、前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記疾患の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するステップと、
    前記薬剤探索装置が、前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするステップと、
    前記薬剤探索装置が、前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択するステップと、
    前記薬剤探索装置が、選択された薬剤のデータを出力するステップと、
    を備える薬剤探索方法。
  11. 既知の複数の薬剤について当該薬剤を投与したときの遺伝子の発現量データを記憶した薬剤応答データベースから疾患に効く可能性のある薬剤を探索するためのプログラムであって、コンピュータに、
    所定の疾患のある複数のサンプルと当該疾患のない複数のコントロールの発現量データを入力するステップと、
    入力された前記サンプルと前記コントロールの遺伝子の発現量データに基づいて、前記サンプルと前記コントロールとの間での遺伝子の発現量の違いを表す変動データを算出するステップと、
    前記薬剤応答データベースから読み出した前記既知の複数の薬剤についての遺伝子の発現量データと前記疾患の変動データをパラメータとして、前記既知の複数の薬剤と前記疾患とをノードとするネットワーク構造を推定するステップと、
    前記ネットワーク構造に基づいて前記既知の複数の薬剤と前記疾患をネットワーククラスタリングするステップと、
    前記疾患と同じクラスタに分類された薬剤の中から、前記疾患と逆の相関を有する薬剤を選択するステップと、
    選択された薬剤のデータを出力するステップと、
    を実行させるプログラム。
JP2014233925A 2014-11-18 2014-11-18 薬剤探索装置、薬剤探索方法およびプログラム Active JP6550571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014233925A JP6550571B2 (ja) 2014-11-18 2014-11-18 薬剤探索装置、薬剤探索方法およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014233925A JP6550571B2 (ja) 2014-11-18 2014-11-18 薬剤探索装置、薬剤探索方法およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016099674A true JP2016099674A (ja) 2016-05-30
JP6550571B2 JP6550571B2 (ja) 2019-07-31

Family

ID=56077882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014233925A Active JP6550571B2 (ja) 2014-11-18 2014-11-18 薬剤探索装置、薬剤探索方法およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6550571B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020025471A (ja) * 2018-08-09 2020-02-20 国立研究開発法人産業技術総合研究所 毒性学習装置、毒性学習方法、学習済みモデル、毒性予測装置およびプログラム
CN111295711A (zh) * 2017-11-07 2020-06-16 国立研究开发法人产业技术综合研究所 解析装置、解析方法程序以及非易失性存储介质
WO2020184816A1 (ko) * 2019-03-13 2020-09-17 주식회사 메디리타 신약 후보 물질 도출을 위한 데이터 처리 방법
KR20200110141A (ko) * 2019-03-13 2020-09-23 주식회사 메디리타 신약 후보 물질 도출을 위한 데이터 처리 방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102110176B1 (ko) * 2019-10-11 2020-05-13 주식회사 메디리타 신약 후보 물질 도출 방법 및 장치

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003077159A1 (fr) * 2002-03-11 2003-09-18 Institute Of Medicinal Molecular Design. Inc. Procede servant a constituer un reseau fonctionnel de molecules
JP2005267282A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science & Technology 研究遺伝子産物関連度予測システム
JP2006501531A (ja) * 2002-02-04 2006-01-12 インジェヌイティ システムズ インコーポレイテッド 薬発見法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006501531A (ja) * 2002-02-04 2006-01-12 インジェヌイティ システムズ インコーポレイテッド 薬発見法
WO2003077159A1 (fr) * 2002-03-11 2003-09-18 Institute Of Medicinal Molecular Design. Inc. Procede servant a constituer un reseau fonctionnel de molecules
JP2005267282A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science & Technology 研究遺伝子産物関連度予測システム

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111295711A (zh) * 2017-11-07 2020-06-16 国立研究开发法人产业技术综合研究所 解析装置、解析方法程序以及非易失性存储介质
JP2020025471A (ja) * 2018-08-09 2020-02-20 国立研究開発法人産業技術総合研究所 毒性学習装置、毒性学習方法、学習済みモデル、毒性予測装置およびプログラム
WO2020184816A1 (ko) * 2019-03-13 2020-09-17 주식회사 메디리타 신약 후보 물질 도출을 위한 데이터 처리 방법
KR20200110141A (ko) * 2019-03-13 2020-09-23 주식회사 메디리타 신약 후보 물질 도출을 위한 데이터 처리 방법
KR20200123771A (ko) * 2019-03-13 2020-10-30 주식회사 메디리타 멀티오믹스 네트워크 기반 신약 후보 물질 탐색 방법
KR102181058B1 (ko) 2019-03-13 2020-11-19 주식회사 메디리타 신약 후보 물질 도출을 위한 데이터 처리 방법
KR102379214B1 (ko) 2019-03-13 2022-03-25 주식회사 메디리타 멀티오믹스 네트워크 기반 신약 후보 물질 탐색 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6550571B2 (ja) 2019-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Erten et al. DADA: degree-aware algorithms for network-based disease gene prioritization
JP6550571B2 (ja) 薬剤探索装置、薬剤探索方法およびプログラム
JP6382459B1 (ja) 細胞系ゲノミクスからの薬物応答の患者特異的予測のためのシステムおよび方法
CN108351862B (zh) 利用人工智能和用户输入来确定发育进展的方法和装置
Kandhasamy et al. Performance analysis of classifier models to predict diabetes mellitus
Schmid et al. A survival tree method for the analysis of discrete event times in clinical and epidemiological studies
Mukherjee et al. Identifying digenic disease genes via machine learning in the Undiagnosed Diseases Network
US11238959B2 (en) Biomarker search method, biomarker search device, and program
JP7026653B2 (ja) クラスタリング装置、クラスタリング方法及びクラスタリングプログラム
Hernández-Torruco et al. Feature Selection for Better Identification of Subtypes of Guillain‐Barré Syndrome
Allehaibi et al. iTAGPred: A Two‐Level Prediction Model for Identification of Angiogenesis and Tumor Angiogenesis Biomarkers
JP6372892B2 (ja) 機構的ネットワークモデルを使用した生物学的影響の定量評価
Srivastava et al. Analysis of diabetic dataset and developing prediction model by using HIVE and R
Erten et al. Role of centrality in network-based prioritization of disease genes
Bin-Hezam et al. A machine learning approach towards detecting dementia based on its modifiable risk factors
JP6356015B2 (ja) 遺伝子発現情報解析装置、遺伝子発現情報解析方法、及びプログラム
Sumitha et al. Breast Cancer Diagonosis in Analysis of BRCA Gene Using Machine Learning Algorithms
Wang et al. iPINBPA: an integrative network-based functional module discovery tool for genome-wide association studies
CN112071439B (zh) 药物副作用关系预测方法、系统、计算机设备和存储介质
Peng et al. Measuring phenotype semantic similarity using human phenotype ontology
Barla et al. A machine learning pipeline for discriminant pathways identification
Lei et al. A random walk based approach for improving protein-protein interaction network and protein complex prediction
Hu et al. An integrative measure of graph-and vector-based semantic similarity using information content distance
JP7501862B2 (ja) 健康改善経路探索装置及び健康改善経路探索方法
Nguyen et al. Drug repositioning by bipartite local models

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180830

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6550571

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250