JP2016099318A - ステレオマッチング装置とステレオマッチングプログラムとステレオマッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基準画像と参照画像とを取得する画像入力部2と、基準画像に含まれる画素ごとに、基準ウィンドウと参照ウィンドウとの間の非類似性を示すウィンドウコストを算出するウィンドウコスト計算処理部4と、基準画像に含まれる画素ごとに、基準画像に含まれる所定の画素から隣接する画素の順に、参照画像に含まれる画素との視差ごとの評価値を算出する評価値計算処理部5と、基準画像に含まれる画素ごとに、評価値に基づいて、参照画像に含まれる画素のうち基準画像に含まれる画素に対応する対応点を判定する対応点判定部6と、を有してなり、評価値計算処理部5は、算出対象の画素の視差ごとの評価値を、算出対象の画素に隣接する直前の算出対象の画素の視差ごとの評価値のうち最小の評価値に対応する直前最適視差と同じ視差の評価値から順に算出する。
【選択図】図10
Description
図2は、ステレオ計測の原理を示す模式図である。同図に示されるように、3次元空間中の点Pは、ステレオ画像に投影され、点P0および点P1をもたらす。基準カメラCLと参照カメラCRの位置が異なるため、基準画像PLと参照画像PRに投影された点の2次元座標は一致することはなく、各カメラCL,CRから点Pまでの距離に応じて2次元座標の「ずれ」を生じる。この「ずれ」の大きさを視差という。なお、同図に示された対象物OBJには、建物の背景の図示が省略されている。
ステレオ相関法は、基準画像PL上の画素ごとに、対応する点を参照画像PRより探索する。平行ステレオカメラによって撮影すると、一方の画像上のある1点に対する、他方の画像上での対応点は、上下位置が同一の走査線上に存在することが知られている。走査線とは、画像上に水平に並んだ画素の列である。すなわち、基準画像PL上にある1点に対して対応点を求めるためには、参照画像PR上のただ1行の走査線を探索すればよい。
図4は、従来の走査線最適化法(scanline optimization)の概念を示す概念図である。同図に示されるように、従来の走査線最適化法は、走査線を単位として、各画素の対応点を決定する手法である(例えば「非特許文献1」参照)。図中の太線の枠は、1回の最適化により視差の組み合わせが求まる画素列である。破線の矢印は、解を求める画素の計算順序を表す。座標軸u,vは、それぞれ基準画像PLの水平座標と垂直座標に対応する。矢印の順に、各画素における対応点候補の評価値を計算する。評価値は、注目画素と対応点との非類似性および奥行きの不連続性を同時に表す。
図5は、1つの走査線を1次元画像と見なして、横に水平座標、縦に視差をとったウィンドウコスト配列である。説明を単純化するため、画像の幅は3画素、視差の探索範囲も3画素とする。マス目の中の数値は、対応点候補との非類似性を表すウィンドウコストの例である。
本装置1は、画像入力部2、ステレオ画像記憶手段3、ウィンドウコスト計算処理部4、評価値計算処理部5、対応点判定部6、視差記憶手段7、立体表示手段8を有してなる。
ウィンドウコストとその算出方法について説明する。
ウィンドウコストは、基準画像に含まれる各画素の、各対応点候補について求める。基準画像の注目画素の2次元座標を(u,v)とする。基準画像には、図3に示したように(u,v)を中心としてウィンドウ(基準ウィンドウ)を設ける。また、対応点候補となる視差の画素について、参照画像の座標(u−d,v)を中心に、基準ウィンドウに対応するウィンドウ(参照ウィンドウ)を設ける。
図11は、1組のステレオ画像から求まるウィンドウコストの概念図である。ウィンドウコストは、3次元の配列として表現することができる。図中のu,vは、それぞれ基準画像の水平座標と垂直座標に対応し、その解像度によって値のとり得る範囲が定まる。dは視差を表していて、dがとり得る値の範囲は視差の探索範囲としてあらかじめ設定されている。基準画像の注目画素に対して、視差に応じて、参照画像上に対応点候補が定義される。1つの対応点候補から1つのウィンドウコストが求まり、図中の格子1つに割り当てられる。ウィンドウコストの数値が大きいほど、注目画素と対応点候補が類似しないことを表す。
評価値とその算出方法について説明する。
評価値は、先に説明したウィンドウコストを用いて、基準画像に含まれる画素ごとに、所定の画素から隣接する画素の順に、参照画像に含まれる画素との視差ごとに算出される。
評価値は、基準画像に含まれる画素ごとに、すべての視差について算出されるが、評価値の計算は、3つに場合分けされる。第一に始点の視差の評価値を、各画素の最初に求める。始点は画像座標の走査で直前に走査した画素の、最小評価値の視差Op+rとする。第二に始点より1つ小さい視差から最小視差まで、始点との絶対差の昇順で評価値を計算する。第三に始点より1つ大きい視差から最大視差まで、始点との絶対差の昇順で評価値を計算する。この3つによって場合分けされる、画像座標がpで視差がdの点の評価値S(p,d)の計算は、下記の漸化式によって表される。
評価値を算出すると、対応点の判定が可能となる。すなわち、以上説明した計算方法により算出された評価値S(p,d)を、視差の探索範囲Dにおいて最小とする視差を、注目画素pの最適な視差dpとして採用する。つまり、最適な視差dpは、以下の式のように表すことができる。
以下、本方法について説明する。
図15は、本方法の実施の形態を示すフローチャートである。
先ず、ステレオカメラを用いて、対象物(被写体)を撮像してステレオ画像を撮影する(S1)。すなわち、基準カメラCLが基準画像PLを出力し、参照カメラCRが参照画像PRを出力する。
画像座標pと視差dについて、評価値S(p,d)の計算をくり返す(S31a,32a,32b,s31b)。ここで、視差dと直前最適視差Op+rの大小関係により、評価値S(p,d)の算出に用いる漸化式を、前述の数式2の3つの漸化式の中から選択する。すなわち、d=Op+r(S33のYes)のときは数式2の1番目の漸化式により評価値S(p,d)を算出し、d<Op+r(S33のNo,S34のYes)のときは数式2の2番目の漸化式により評価値S(p,d)を算出し、d>Op+r(S33のNo,S34のNo)のときは数式2の3番目の漸化式により評価値S(p,d)を算出する。
次いで、本装置1は、対応点判定部6を用いて、基準画像PLに含まれるすべての画素ごとに、参照画像PR上の対応点を判定し、その視差を、視差記憶手段7に記憶するなど出力する(S5)。視差記憶手段7に記憶された視差は、例えば、本装置1が対象物を立体的に立体表示手段8に表示する際に用いられる。
以上説明した実施の形態によれば、ステレオマッチングを用いた複数の奥行きを含む3次元空間の計測において、算出対象の画素に隣接する直前の算出対象の画素の直前最適視差と同じ視差、隣接画素の絶対差が1の視差、同じ画素の基準カメラCLから見て隠れになる点の視差、の組み合わせによる3通りの場合分けに基づいて最適化することにより、評価値を算出する計算が効率化され、局所的に大きな視差の変化を伴う誤対応が抑制され、なおかつ、奥行きエッジを保存する効果が維持されるため、ステレオマッチングの精度を向上することができる。
基準画像と参照画像とを取得する画像入力部と、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記基準画像に設定される基準ウィンドウと、前記基準ウィンドウに対応して前記参照画像に設定される参照ウィンドウと、の間の非類似性を示すウィンドウコストを算出するウィンドウコスト計算処理部と、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記基準画像に含まれる所定の画素から隣接する画素の順に、前記参照画像に含まれる画素との視差ごとの評価値を算出する評価値計算処理部と、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記評価値に基づいて、前記参照画像に含まれる画素のうち前記基準画像に含まれる画素に対応する対応点を判定する対応点判定部と、
を有してなり、
前記評価値計算処理部は、算出対象の画素の視差ごとの評価値を、前記算出対象の画素に隣接する直前の算出対象の画素の視差ごとの評価値のうち最小の評価値に対応する直前最適視差と同じ視差の評価値から順に算出する、
ことを特徴とするステレオマッチング装置。
前記算出対象の画素の視差ごとの評価値は、前記直前最適視差との絶対差が小さい視差の評価値から順に算出される、
特徴1記載のステレオマッチング装置。
前記対応点判定部は、前記参照画像に含まれる画素のうち、前記算出対象の画素の視差ごとの評価値のうち最小の評価値となる視差に対応する画素を、前記対応点として判定する、
特徴1または2記載のステレオマッチング装置。
前記評価値計算処理部は、前記算出対象の画素の視差ごとの評価値を、
前記直前最適視差と同じ視差の評価値の算出用の漸化式と、
前記直前最適視差と異なる視差の評価値の算出用の漸化式と、
を用いて、算出する、
特徴1乃至3のいずれかに記載のステレオマッチング装置。
前記直前最適視差と異なる視差の評価値の算出用の漸化式には、
前記直前最適視差より小さい視差の評価値の算出用の漸化式と、
前記直前最適視差より大きい視差の評価値の算出用の漸化式と、
が含まれる、
特徴4記載のステレオマッチング装置。
前記直前最適視差と同じ視差の評価値の算出用の漸化式には、視差の不連続に対するペナルティが含まれる、
特徴4または5記載のステレオマッチング装置。
前記直前最適視差と異なる視差の評価値の算出用の漸化式には、視差の不連続に対するペナルティと、隠れに対するペナルティと、が含まれる、
特徴4乃至6のいずれかに記載のステレオマッチング装置。
2 画像入力部
3 ステレオ画像記憶手段
4 ウィンドウコスト計算処理部
5 評価値計算処理部
6 対応点判定部
7 視差記憶手段
8 立体表示手段
CL 基準カメラ
CR 参照カメラ
Claims (9)
- 基準画像と参照画像とを取得する画像入力部と、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記基準画像に設定される基準ウィンドウと、前記基準ウィンドウに対応して前記参照画像に設定される参照ウィンドウと、の間の非類似性を示すウィンドウコストを算出するウィンドウコスト計算処理部と、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記基準画像に含まれる所定の画素から隣接する画素の順に、前記参照画像に含まれる画素との視差ごとの評価値を算出する評価値計算処理部と、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記評価値に基づいて、前記参照画像に含まれる画素のうち前記基準画像に含まれる画素に対応する対応点を判定する対応点判定部と、
を有してなり、
前記評価値計算処理部は、算出対象の画素の視差ごとの評価値を、前記算出対象の画素に隣接する直前の算出対象の画素の視差ごとの評価値のうち最小の評価値に対応する直前最適視差と同じ視差の評価値から順に算出する、
ことを特徴とするステレオマッチング装置。 - 前記算出対象の画素の視差ごとの評価値は、前記直前最適視差との絶対差が小さい視差の評価値から順に算出される、
請求項1記載のステレオマッチング装置。 - 前記対応点判定部は、前記参照画像に含まれる画素のうち、前記算出対象の画素の視差ごとの評価値のうち最小の評価値となる視差に対応する画素を、前記対応点として判定する、
請求項1または2記載のステレオマッチング装置。 - 前記評価値計算処理部は、前記算出対象の画素の視差ごとの評価値を、
前記直前最適視差と同じ視差の評価値の算出用の漸化式と、
前記直前最適視差と異なる視差の評価値の算出用の漸化式と、
を用いて、算出する、
請求項1乃至3のいずれかに記載のステレオマッチング装置。 - 前記直前最適視差と異なる視差の評価値の算出用の漸化式には、
前記直前最適視差より小さい視差の評価値の算出用の漸化式と、
前記直前最適視差より大きい視差の評価値の算出用の漸化式と、
が含まれる、
請求項4記載のステレオマッチング装置。 - 前記直前最適視差と同じ視差の評価値の算出用の漸化式には、視差の不連続に対するペナルティが含まれる、
請求項4または5記載のステレオマッチング装置。 - 前記直前最適視差と異なる視差の評価値の算出用の漸化式には、視差の不連続に対するペナルティと、隠れに対するペナルティと、が含まれる、
請求項4乃至6のいずれかに記載のステレオマッチング装置。 - コンピュータを、請求項1から7のいずれかに記載のステレオマッチング装置として機能させることを特徴とするステレオマッチングプログラム。
- 基準画像と参照画像とが記憶されるステレオ画像記憶手段を備えたステレオマッチング装置により実行されるステレオマッチング方法であって、
前記ステレオマッチング装置が、
前記基準画像と前記参照画像とを前記ステレオ画像記憶手段より取得するステップと、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記基準画像に設定される基準ウィンドウと、前記基準ウィンドウに対応して前記参照画像に設定される参照ウィンドウと、の間の非類似性を示すウィンドウコストを算出するステップと、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記基準画像に含まれる所定の画素から隣接する画素の順に、前記参照画像に含まれる画素との視差ごとの評価値を算出するステップと、
前記基準画像に含まれる画素ごとに、前記評価値に基づいて、前記参照画像に含まれる画素のうち前記基準画像に含まれる画素に対応する対応点を判定するステップと、
を有してなり、
算出対象の画素の視差ごとの評価値は、前記算出対象の画素に隣接する直前の算出対象の画素の視差ごとの評価値のうち最小の評価値に対応する直前最適視差と同じ視差の評価値から順に算出される、
ことを特徴とするステレオマッチング方法。
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