JP2016099280A - 水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置 - Google Patents

水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016099280A
JP2016099280A JP2014237815A JP2014237815A JP2016099280A JP 2016099280 A JP2016099280 A JP 2016099280A JP 2014237815 A JP2014237815 A JP 2014237815A JP 2014237815 A JP2014237815 A JP 2014237815A JP 2016099280 A JP2016099280 A JP 2016099280A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cable
abnormality
bottom cable
detected
occurred
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014237815A
Other languages
English (en)
Inventor
友章 今井
Tomoaki Imai
友章 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2014237815A priority Critical patent/JP2016099280A/ja
Publication of JP2016099280A publication Critical patent/JP2016099280A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Locating Faults (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】水底ケーブルの異常を容易かつ安定的に検出することができる水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置を提供する。【解決手段】水底ケーブルおよび水底ケーブルの周辺に対して超音波を送信し、水底ケーブルおよび水底ケーブルの周辺から反射した反射波を受信する音波送受信工程と、音波送受信工程で受信した反射波に基づいて、水底ケーブルおよび水底ケーブルの周辺の超音波画像を生成する画像生成工程と、画像生成工程で生成した超音波画像に基づいて、水底ケーブルの異常を検出する異常検出工程と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置に関する。
海洋等を隔てた陸地間の電力伝送や、洋上風力発電設備等からの電力伝送のため、水底に対してケーブルが布設されることがある。このような水底に布設されるケーブル(以下、水底ケーブル)では、水底との摩擦、船のアンカーとの接触、工事掘削などによって、水底ケーブルが損傷を受ける異常や、水底ケーブルが短絡(地絡)する異常が生じる可能性がある。また、水底ケーブルの絶縁体の劣化によっても、水底ケーブルが短絡する異常が生じる可能性がある。このような水底ケーブルの異常が生じた場合、電力伝送が不安定となったり、または停止したりする可能性があるため、早期に水底ケーブルの異常が生じた箇所を発見し、修復する必要がある。
そこで、このような水底ケーブルの異常を検出するため、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1)。例えば、特許文献1に記載の方法では、水底ケーブルに対して、直流と交流とが互いに重畳された電流を流して、潜水士が目視で水底ケーブルからの気泡の発生を探索したり、電磁ピックアップの出力計を見ながら磁束変化を探索したりすることにより、水底ケーブルの異常を検出していた。
特開昭58−42980号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、潜水士が目視で水底ケーブルの異常を探索するため、潜水士や機械が水底に近づくことによって水底の砂や汚泥を巻き上げてしまう場合や、水底ケーブルが深い水底に布設され地上光が届き難い状態となっている場合などでは、水中での視界が狭くなることによって水底ケーブルの異常を検出することが困難となる可能性があった。また、潜水士が、長距離に亘って布設されている水底ケーブルの点検を行う場合には、1日の潜水業務時間の制約により、多くの潜水士が必要となったり、多くの潜水業務日数が必要となったりする可能性がある。このため、潜水士同士の引き継ぎ時に異常調査範囲の空白が生じたり、潜水士の調査熟練度の差によって水底ケーブルの異常を見落とすことが生じたりする可能性がある。
本発明は、水底ケーブルの異常を容易かつ安定的に検出することができる水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、
水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺に対して超音波を送信し、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺から反射した反射波を受信する音波送受信工程と、
前記音波送受信工程で受信した前記反射波に基づいて、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺の超音波画像を生成する画像生成工程と、
前記画像生成工程で生成した前記超音波画像に基づいて、前記水底ケーブルの異常を検出する異常検出工程と、
を有する水底ケーブルの異常検出方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
上記態様に記載の水底ケーブルの異常検出方法によって異常を検出可能に構成された水底ケーブルであって、
表面に設けられ磁性を有するケーブル磁性体を有し、
前記ケーブル磁性体の磁界が検出されたときに、前記ケーブル磁性体の磁界が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断可能に構成されている水底ケーブルが提供される。
本発明の更に他の態様によれば、
上記態様に記載の水底ケーブルの異常検出方法によって異常を検出可能に構成された水底ケーブルであって、
異常を起因として気泡を発生させる気泡発生部を有し、
前記気泡発生部から発生した気泡が検出されたときに、前記気泡が検出された位置に異常が発生したと判断可能に構成されている水底ケーブルが提供される。
本発明の更に他の態様によれば、
水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺に対して超音波を送信し、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺から反射した反射波を受信する音波送受信手段と、
前記音波送受信手段が受信した前記反射波に基づいて、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺の超音波画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段が生成した前記超音波画像に基づいて、前記水底ケーブルの異常を検出する異常検出手段と、
を有する水底ケーブルの異常検出装置が提供される。
本発明によれば、水底ケーブルの異常を容易かつ安定的に検出することができる水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置が提供される。
本発明の第1実施形態に用いられる水底ケーブルの軸方向と直交する断面図である。 本発明の第1実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置の構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置の概略ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置の構成を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。 本発明の第3実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置の構成を示す概略図である。 本発明の第3実施形態に用いられる水底ケーブルの軸方向と直交する断面図である。 本発明の第3実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。 本発明の第4実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。 本発明の第4実施形態の変形例における電圧印加工程を示す概略断面図である。 本発明の第5実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。 本発明の第6実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。 本発明の第7実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。 本発明の他の実施形態に用いられる水底ケーブルの軸方向と直交する断面図である。
<本発明の第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)水底ケーブルの異常検出装置
まず、図1〜図3を用い、本発明の第1実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置について説明する。図1は、本実施形態に用いられる水底ケーブルの軸方向と直交する断面図である。図2は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置の構成を示す概略図である。図3は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置の概略ブロック図である。
(水底ケーブル)
図2に示されているように、水底90には、水底ケーブル100が布設されている。本実施形態でいう「水底ケーブル100」とは、海底、湖底または河底等のいずれかの水底90に布設される、電力ケーブル、光ファイバケーブル、または光ファイバ複合電力ケーブル等のことである。水底ケーブル100は、直流用または交流用のいずれであってもよい。
図1に示されているように、本実施形態の水底ケーブル100は、例えば、同軸直流ケーブルとして構成されている。例えば、水底ケーブル100は、中心から外側に向けて、中心導体110、絶縁体120、帰路導体130、帰路絶縁体140、鉛被150、防食層160、座床層170、鉄線(鎧装)180、および外装(サービング)190を有している。
水底ケーブル100が直流用として構成されている場合では、通常、2本の本線(+極、−極)と、1本の帰線と、が布設される。なお、水底ケーブル100が同軸直流ケーブルとして構成されている場合では、帰線が省略される。
このような水底ケーブル100では、例えば、水底との摩擦、船のアンカーとの接触、工事掘削などによって、水底ケーブルが損傷を受ける異常や、水底ケーブルが短絡(地絡)する異常が生じる可能性がある。また、水底ケーブルの絶縁体120の劣化によっても、水底ケーブルが短絡する異常が生じる可能性がある。水底ケーブル100が同軸直流ケーブルとして構成されている場合に水底ケーブル100が短絡した際には、例えば、中心導体110と帰路導体130とが短絡する可能性がある。なお、上記した水底ケーブル100の外的損傷や、短絡(地絡)時の衝撃などによって、帰路導体110よりも外側が損傷を受ければ、中心導体110と鉄線180との短絡、中心導体110と水底90(地面)との短絡、または異常が生じた相の中心導体110と健全相の水底ケーブル100との短絡が生じる可能性もある。
そこで、本実施形態の水底ケーブルの異常検出装置10は、超音波によって水底ケーブル100およびその周辺の超音波画像を生成し、当該超音波画像に基づいて、上記した水底ケーブル100の異常を検出するように構成されている。以下、詳細を後述する。
(異常検出装置)
図2に示されているように、異常検出装置10は、例えば、異常調査船20と、潜水艇510と、音波送受信部(音波送受信手段、以下、ソナー)520と、GPS受信部(Global Positioning System受信部、GPS受信手段)540と、制御部(コンピュータ部)400とを有している。
異常検出装置10は、水中を移動可能な無人の潜水艇510を備えている。潜水艇510には、ソナー520が搭載されている。ソナー520は、例えば、3MHzまたは1.8MHzの超音波のパルスを水底ケーブル100およびその周辺に対して送信し、水底ケーブル100およびその周辺から反射した反射波(散乱波を含む)を受信するよう構成されている。超音波の周波数が3MHzのとき、ソナー520からは、水平方向0.2°×鉛直方向14°×128本の超音波の音響ビームが送信され、超音波の周波数が1.8MHzのとき、ソナー520からは、水平方向0.3°×鉛直方向14°×64本の超音波の音響ビームが送信される。ソナー520は、反射波を受信した際に、反射波に係る信号を制御部400に送信するようになっている。
異常調査船20上には、GPS受信部540が設けられている。GPS受信部540は、GPS衛星からGPS信号を受信し、GPS信号に基づいて異常調査船20およびソナー520の位置情報(緯度および経度)を取得するよう構成されている。
(制御部)
図2に示されているように、異常調査船20上には、制御部400が設けられている。制御部400は、上記した異常調査船20、潜水艇510、ソナー520およびGPS受信部540に対して、有線または無線により通信可能に接続されている。制御部400は、水底ケーブル100の異常検出に必要な動作制御を行うためのものであり、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard disk drive)、各種インタフェース等の組み合わせからなるものである。
図3に示されているように、制御部400は、CPUがROMまたはHDDに格納された所定プログラムを実行することにより、各種手段として機能するように構成されている。
画像生成手段420は、ソナー520が受信した反射波に基づいて、水底ケーブル100およびその周辺の超音波画像を生成するための機能である。
異常検出手段440は、画像生成手段420が生成した超音波画像に基づいて、水底ケーブル100の異常を検出するための機能である。
移動制御手段460は、ソナー520を水底ケーブル100の軸方向に沿って移動するよう制御するための機能である。
これらの各機能を実現するための所定プログラムは、制御部400にインストールして用いられるが、そのインストールに先立ち、制御部400で読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよいし、あるいは制御部400と接続する通信回線を通じて当該制御部400へ提供されるものであってもよい。
また、所定プログラムがインストールされる制御部400は、異常検出装置10の各部に対して動作制御指示を与え得るものであれば、必ずしも当該異常検出装置10に搭載されていなくてもよく、当該異常検出装置10に通信回線を介して接続されたものであってもよい。
また、ユーザインタフェース部480は、異常検出装置10のオペレータに対して、必要に応じて情報出力を行ったり、情報入力を行わせたりするものである。例えば、ユーザインタフェース部480には、画像生成手段420が生成した超音波画像等が表示される。ユーザインタフェース部480は、例えば、液晶パネル等のディスプレイ装置や操作パネルを有して構成されている。
(2)水底ケーブルの異常検出方法
次に、図4を用い、本実施形態の水底ケーブルの異常検出方法の処理手順の一例について説明する。図4は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。なお、以下において、ステップを「S」と略す。
(S110:音波送受信工程)
まず、ソナー520を搭載した潜水艇510を、異常調査船20から水底に向けて投入する。次に、異常調査船20を、水底ケーブル100の軸方向(布設方向)に沿って所定の速度で進行させる。このとき、ソナー520によって、水底ケーブル100およびその周辺に対して超音波を送信し、水底ケーブル100およびその周辺から反射した反射波を受信し始める(S110)。なお、以降の工程でも、ソナー520による超音波の送受信を継続する。
(S120:画像生成工程)
音波送受信工程S110の後または同時に、画像生成手段420は、ソナー520が受信した反射波に基づいて、水底ケーブル100およびその周辺の超音波画像を生成し始める(S120)。このとき得られる超音波画像では、物体からの反射波の到達時間は、ソナー520からの距離に対応し、音波の強さは、超音波画像の濃淡に対応している。つまり、超音波画像では、ソナー520に近い物体が手前に表示され、遠い物体ほど遠方に表示される。また、超音波画像では、物体からの反射波が強い部分は明るく表示され、物体からの反射波が弱い部分および物体の影になって音波の当たらない部分(シャドウーゾーン)は暗く表示される。なお、以降の工程でも、画像生成手段420による画像生成を継続する。
このとき、移動制御手段460は、ソナー520を水底ケーブル100の軸方向に沿って移動するように制御する。例えば、移動制御手段460は、画像生成手段420で生成される超音波画像に基づいて、水底ケーブル100を当該超音波画像内(例えば中心)に位置させながら、ソナー520を水底ケーブル100の軸方向に移動させるように、潜水艇510または異常調査船20を制御する。このとき、ソナー520を水底ケーブル100の軸方向に移動させる駆動力は、潜水艇510によって得てもよいし、異常調査船20によって得てもよい。一方で、ソナー520を水底ケーブル100の軸方向に垂直な方向に移動させる駆動力は、水中内での微動となるため、潜水艇510によって得ることが好ましい。このように、ソナー520を水底ケーブル100に追従させながら、後述する水底ケーブル100の異常検出が行われる。
(S200:異常検出工程)
次に、異常検出手段440は、例えば、画像生成手段420が生成した超音波画像に基づいて、以下のようにして水底ケーブル100の異常を検出する。
(S220:形状変化判定工程)
ところで、図2に示されているように、水底ケーブル100が短絡する異常が生じた場合、例えば、水底ケーブル100の外装の変形などの、水底ケーブル100の表面の形状変化102が生じることがある。また、水底ケーブル100が短絡する異常が生じた場合、例えば、水底ケーブル100が短絡した際の大きな電磁力によって、水底ケーブル100の短絡した箇所が局所的に屈曲するなどの、水底ケーブル100の布設状態の形状変化104が生じることがある。また、水底ケーブル100が短絡する異常が生じた場合、例えば、水底ケーブル100が短絡した際の大きな電磁力により水底ケーブル100自身が水底90を掘り下げることによって、水底ケーブル100が布設された水底90がクレータ状に凹むなどの、水底90の形状変化92が生じることがある。または、水底ケーブル100が短絡する異常が生じた場合、例えば、水底ケーブル100の短絡した箇所の絶縁体が高温となることで、絶縁体自体が気化したガス、または水底ケーブル100周辺の水が蒸発したガスが噴出することがあり、これによっても、水底の形状変化92が生じることがある。
そこで、水底ケーブル100の表面の形状変化102、水底ケーブル100の布設状態の形状変化104、および水底ケーブル100が布設された水底90の形状変化92の少なくともいずれかが、画像生成手段420が生成した超音波画像内において検出されたか否かを判定する(S220)。例えば、画像生成手段420が生成した超音波画像内において、正常部における水底ケーブル100の直線形状および水底90の平面形状を基準形状とし、当該基準形状と比較して、現在の超音波画像内の水底ケーブル100の形状および水底90の形状との差分が所定値(所定比率、所定領域)以上であるか否かを判定する。または、過去(水底ケーブル100の布設時など)において取得した水底90および水底ケーブル100の超音波画像を基準画像として記憶しておき、当該基準画像と比較して、現在の超音波画像との差分が所定値(所定ドット数等)以上であるか否かを判定する。後者の判定手法を「トレンド管理法」と呼ぶ。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、水底ケーブル100の表面の形状変化102、水底ケーブル100の布設状態の形状変化104、および水底ケーブル100が布設された水底90の形状変化92の少なくともいずれかを超音波画像内において検出したとき(S220でYes)、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が短絡する異常が発生したと判断する(S230)。このとき、例えば、異常検出手段440は、ユーザインタフェース部480に水底ケーブル100の異常を示すアラームを表示させる。
(S240:GPS受信工程)
また、GPS受信部540は、異常検出手段440が水底ケーブル100の異常を検出したとき、GPS衛星からGPS信号を受信し、GPS信号に基づいて位置情報を取得することにより、現在のソナー520(若しくは異常調査船20)の位置を水底ケーブル100の異常発生箇所として特定する(S240)。これにより、水底ケーブル100の異常検出結果と、水底ケーブル100の異常検出位置情報とをリンクさせることができる。このとき、例えば、ユーザインタフェース部480において、水底ケーブル100が布設された環境の地図とともに、水底ケーブル100の異常発生箇所を×印で表示させ、水底ケーブル100の異常発生箇所の緯度および経度を表示させる。
なお、水底ケーブル100の表面の形状変化102、水底ケーブル100の布設状態の形状変化104、および水底ケーブル100が布設された水底90の形状変化92の少なくともいずれかを超音波画像内に検出しないとき(S220でNo)、上記した異常判断工程S230およびGPS受信工程S240を行わない。
(S180:検査終了判定工程)
その後、制御部400は、異常検出工程S200を終了するか否かを判定する(S180)。異常検出工程S200を終了せず継続させるとき(S180でNo)、ソナー520を水底ケーブル100の軸方向に移動させながら、再び形状変化判定工程S220からGPS受信工程S240までの工程を繰り返す。一方で、異常検出工程S200を終了するとき(S150でYes)、ソナー520による超音波の送受信を停止し、画像生成手段420による画像生成を停止して、一連の工程を終了する。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、画像生成手段420は、ソナー520が受信した超音波の反射波に基づいて水底ケーブル100およびその周辺の超音波画像を生成する。異常検出手段440は、当該超音波画像に基づいて、水底ケーブル100の異常を検出する。これにより、水中の透明度や光量の影響を受けることなく、水底ケーブル100の異常を容易かつ安定的に検出することができる。
ここで、参考までに、潜水士が目視で水底ケーブルの異常を探索する場合について説明する。例えば、潜水士や機械が水底に近づいたとき、水底の砂や汚泥が巻き上がり、水中の透明度が低下してしまうことがある。また、水底ケーブル100が布設される最深部は、約100mであり、高圧力(水圧)環境となっている。また、このような最深部には、地上光が届きにくい。このような場合では、潜水士が水底まで潜って、目視で水底ケーブル100の異常を検出することは困難となる可能性がある。これに対して、超音波は、光に比べて減衰が小さく、巻きあげられた砂や汚泥の影響を受けることがない。これにより、本実施形態によれば、水中の透明度や光量の影響を受けることなく、水底ケーブル100およびその周辺の超音波画像を得ることができる。また、潜水士を潜らせる必要がなく、ソナー520一台で水底ケーブル100の異常を検出することができる。つまり、防水性および耐水性を有する潜水部材(潜水艇510およびソナー520)が少数で済むため、異常検出費用を低減することができる。また、潜水部材の故障確率を低減することができ、信頼性の高い異常検出を実施することができる。このように、本実施形態によれば、水底ケーブル100の異常を容易かつ安定的に検出することができる。
(b)本実施形態によれば、異常検出工程S200では、異常検出手段440は、水底ケーブル100の表面の形状変化102、水底ケーブル100の布設状態の形状変化104、および水底ケーブル100が布設された水底90の形状変化92の少なくともいずれかを超音波画像内に検出したとき(S220でYes)、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に異常が発生したと判断する。超音波を用いることによって、水中の透明度や光量の影響を受けることなく、上記のような水底ケーブル100の異常に起因した形状変化を容易に検出することができる。また、このような形状変化のあった位置に水底ケーブル100の異常が発生したと、容易に判断することができる。したがって、本実施形態では、水底ケーブル100の異常を判断する精度を、潜水士が目視で水底ケーブルの異常を探索する場合よりも向上させることができる。
(c)本実施形態によれば、GPS受信部540は、異常検出手段440が水底ケーブル100の異常を検出したとき、GPS衛星からGPS信号を受信し、GPS信号に基づいて位置情報を取得することにより、現在のソナー520の位置を水底ケーブル100の異常発生箇所として特定する(S240)。これにより、水底ケーブル100の異常検出結果と、水底ケーブル100の異常検出位置情報とをリンクさせることができる。このようにして得られた水底ケーブル100の異常検出結果と水底ケーブル100の異常検出位置情報とに基づいて、異常検出工程S200の終了後に、水底ケーブル100の異常発生箇所に対して、当該水底ケーブル100の異常発生原因に対応した水底ケーブル100の修復を行うことができる。
<本発明の第2実施形態>
図5を用い、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置の構成を示す概略図である。
本実施形態では、磁界検知部が用いられる点が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる要素についてのみ説明し、第1実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)水底ケーブルの異常検出装置
図5に示されているように、例えば、水底ケーブル100の表面には、磁性を有するケーブル磁性体192が設けられている。例えば、ケーブル磁性体192は複数設けられ、水底ケーブル100の軸方向に等間隔で設けられている。ケーブル磁性体192は、水底ケーブル100に短絡電流が流れると、アンペールの法則にしたがって発生した磁界によって着磁するように構成されている。ケーブル磁性体192は、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含み、フェライトまたはアモルファス磁性体として構成されている。
一方、異常検出装置10のソナー520の超音波受信面側には、連結棒またはワイヤ(符号不図示)を介して、磁界検知部(磁界検知手段)560が設けられている。磁界検知部560は、磁界を検知するよう構成され、ソナー520からの超音波が照射される範囲、すなわち画像生成手段420が生成する超音波画像内の範囲で、水底ケーブル100から所定の距離に配置されている。
本実施形態では、磁界検知部560は、例えば、磁性を有する検知用磁性体562として構成されている。検知用磁性体562は、例えば、Fe、Co、Ni、およびこれらの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含み、フェライトまたはアモルファス磁性体として構成されている。なお、検知用磁性体562は、水底ケーブル100の異常検出の際に、着磁していてもよいし、着磁していなくてもよい。
(2)水底ケーブルの異常検出方法
次に、図6を用い、本実施形態の水底ケーブルの異常検出方法の処理手順の一例について説明する。図6は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。
(S130:磁界検知工程)
画像生成工程S120の後、磁界検知部560としての検知用磁性体562を、画像生成手段420が生成する超音波画像内の範囲で、水底ケーブル100から所定の距離に配置する(S130)。このとき、移動制御手段460は、画像生成手段420が生成する超音波画像に基づいて、検知用磁性体562が水底ケーブル100とともに当該超音波画像内の範囲に入るように、潜水艇510または異常調査船20を制御する。
(S222:引力斥力判定工程)
ところで、水底ケーブル100が短絡する異常が生じた場合、例えば、水底ケーブル100の短絡箇所(の帰路導体)には、瞬時に、通常の電流よりも大きな短絡電流が流れる。このとき、水底ケーブル100の短絡箇所の周辺には、アンペールの法則にしたがって、強い磁界が発生する。水底ケーブル100の表面に設けられたケーブル磁性体192は、水底ケーブル100の短絡箇所の周辺に生じた磁界によって着磁する。なお、水底ケーブル100に通常の電流が流れている場合でのケーブル磁性体192の着磁量は小さいが、水底ケーブル100が短絡する異常が生じた場合での水底ケーブル100の短絡箇所に流れる電流は大きいため、水底ケーブル100が短絡する異常が生じた場合でのケーブル磁性体192の着磁量は大きくなる。
また、水底ケーブル100に短絡電流が流れなくなった後であっても、ケーブル磁性体192は着磁した状態で維持される。つまり、水底ケーブル100に短絡電流が生じたことが、ケーブル磁性体192に磁気的に記録される。なお、水底ケーブル100が交流の場合においても、水底ケーブル100が短絡する異常が発生した場合には、一方向に大きな短絡電流が流れた後に短絡電流が停止するため、ケーブル磁性体192が着磁した状態は維持される。
そこで、本実施形態では、水底ケーブル100に近づけた磁界検知部560がケーブル磁性体192の磁界を検出したか否かを判定する。
具体的には、図5に示されているように、例えば、検知用磁性体562を水底ケーブル100のケーブル磁性体192から所定の距離に配置し、画像生成手段420が生成した超音波画像内において検知用磁性体562の動きを監視することにより、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間に引力または斥力が生じたか否かを判定する。これにより、ケーブル磁性体192が着磁したか否かを判定する(S222)。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、水底ケーブル100の表面に設けられたケーブル磁性体192が着磁したことにより、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間に引力または斥力が生じたことを超音波画像内において検出したとき(S222でYes)、ケーブル磁性体192が着磁していると判断し、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、短絡電流が流れる異常が発生したと判断する(S230)。このとき、検知用磁性体562が振れた方向に基づいて、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間における引力または斥力の方向を検出することにより、水底ケーブル100に流れた短絡電流の方向(の履歴)を把握することができる。また、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間における引力または斥力の方向が変化している部分を、水底ケーブル100の短絡箇所(異常発生箇所)として判断することもできる。
また、ケーブル磁性体192の位置が短絡箇所に近いほど、ケーブル磁性体192の着磁量は大きくなる。一方で、ケーブル磁性体192の位置が短絡箇所から遠くなるほど、海水や地面などへの電流帰路が増えるため、ケーブル磁性体192の着磁量は小さくなる。そこで、検知用磁性体562の振れ幅等に基づいて、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間における引力または斥力の強さを計測する。そして、引力または斥力の強さに基づいて、ケーブル磁性体192の着磁量を(相対的に)計測する。これにより、水底ケーブル100の短絡箇所と現在の検知用磁性体562の位置との距離関係を相対的に把握することができる。例えば、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間における引力または斥力の強さが大きくなったとき、検知用磁性体562が水底ケーブル100の短絡箇所に近づいていることが分かる。このとき、例えば、移動検出手段460は、水底ケーブル100の軸方向へのソナー520(検知用磁性体562)の移動速度を遅くするよう制御する。これにより、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間における引力または斥力の強さの変化点を細かく計測し、水底ケーブル100の短絡箇所の検出精度を向上させることができる。
また、異常判断工程S230では、例えば、異常検出手段440は、ユーザインタフェース部480において、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間に引力または斥力が生じた位置を、水底ケーブル100の短絡発生箇所として表示させる。なお、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間における引力または斥力の方向が変化している部分を、水底ケーブル100の短絡箇所として表示させても良い。また、異常検出手段440は、ユーザインタフェース部480において、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間における引力または斥力の方向に基づいて、水底ケーブル100に流れた短絡電流の方向(の履歴)を表示させる。また、異常検出手段440は、ユーザインタフェース部480において、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間における引力または斥力の強さに基づいて、ケーブル磁性体192の着磁量(の大小)を例えば色の濃淡によって相対的に表示する。
以降の工程は、第1実施形態と同様である。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間に引力または斥力が生じたことを超音波画像内において検出することにより、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、短絡電流が流れる異常が発生したと判断することができる。超音波を用いることにより、水中の透明度や光量の影響を受けることなく、水底ケーブル100に短絡電流が流れる異常を容易かつ安定的に検出することができる。
(b)本実施形態によれば、ケーブル磁性体192の磁界を検出することにより、水底ケーブル100またはその周辺の形状変化が生じたか否かによらず、水底ケーブル100に短絡電流が流れる異常が発生したと判断することができる。
ここで、参考までに、第1実施形態と比較する。水底ケーブルの短絡箇所またはその周辺における形状変化が小さい、または形状変化が生じていないとき、第1実施形態の方法では、水底ケーブル100の異常を検出することは困難となる可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、水底ケーブル100に短絡電流が流れる異常が発生したとき、形状変化は生じないとしても、ケーブル磁性体192は着磁することがある。したがって、ケーブル磁性体192の磁界を検出することにより、水底ケーブル100またはその周辺の形状変化が生じたか否かによらず、水底ケーブル100に短絡電流が流れる異常が発生したと判断することができる。
<本発明の第3実施形態>
図7および図8を用い、本発明の第3実施形態について説明する。図7は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出装置の構成を示す概略図である。図8は、本実施形態に用いられる水底ケーブルの軸方向と直交する断面図である。
本実施形態では、水底ケーブル100の異常発生箇所からの気泡を検知する点が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる要素についてのみ説明し、第1実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)水底ケーブル
図8に示されているように、本実施形態の水底ケーブル102は、水底ケーブル102の異常を起因として気泡(80)を発生させる気泡発生部200を有している。具体的には、本実施形態の水底ケーブル102は、中心から外側に向けて、中心導体110、絶縁体120、帰路導体130、帰路絶縁体140、鉛被150、防食層160、座床層170、鉄線(鎧装)180、および外装190を有している。例えば、帰路導体130の位置に、気泡発生部200として、水底ケーブル102の軸方向に沿って気体が導通するガス導通部(ガス管)202が設けられている。水底ケーブル102の一端側(すなわち、ガス導通部202の一端側)には、ガス供給源が設けられており、ガス導通部202内には、常に一定圧力で気体が供給(充填)されている。ガス導通部202内に導通する気体としては、例えば、空気、窒素(N)などである。
(2)水底ケーブルの異常検出方法
次に、図9を用い、本実施形態の水底ケーブルの異常検出方法の処理手順の一例について説明する。図9は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。
(S224:気泡判定工程)
ここで、図7に示されているように、本実施形態の水底ケーブル102が損傷を受ける異常が生じた場合、例えば、帰路導体130の位置に設けられたガス導通部202が破裂する。ガス導通部202が破裂したとき、ガス導通部202から気泡80が発生する。例えば、ガス供給源からガス導通部202に対して気体が供給され続けることにより、水底ケーブル102が損傷を受けてから、気泡80は放出し続ける。
そこで、図9に示されているように、本実施形態では、気泡発生部200としてのガス導通部202から発生した気泡80を、画像生成手段420が生成した超音波画像内において検出したか否かを判定する(S224)。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、気泡発生部200としてのガス導通部202から発生した気泡80を超音波画像内において検出したとき(S224でYes)、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が損傷を受ける異常が発生したと判断する(S230)。
以降の工程は、第1実施形態と同様である。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、気泡80を超音波画像内において検出することにより、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が損傷を受ける異常が発生したと判断することができる。超音波を用いることにより、水中の透明度や光量の影響を受けることなく、水底ケーブル100が損傷を受ける異常を容易かつ安定的に検出することができる。
(b)本実施形態によれば、気泡80(例えば空気)の音響インピーダンスと、水の音響インピーダンスとは大きく異なることから、ソナー520から照射されて気泡80で反射された超音波の反射波は大きくなる。したがって、超音波を用いることにより、水底ケーブル102の異常発生箇所からの気泡80を容易かつ安定的に検出することができる。また、上述のように、気泡80からの超音波の反射波が大きくなるため、気泡80の最小検知サイズが小さくなる。これにより、微小な気泡80であっても気泡80を検知することが可能となる。その結果、水底ケーブル100の異常を検出する効率を向上させることができるとともに、気泡80の検出精度、すなわち、水底ケーブル102の異常検出精度を向上させることができる。
(c)本実施形態によれば、ガス導通部202から発生した気泡80を超音波画像内において検出することにより、水底ケーブル102に短絡は生じていないものの、水底ケーブル102が物理的な損傷を受けている場合などを把握することができる。
(d)本実施形態によれば、例えば、水底ケーブル102は、水底ケーブル102の異常を起因として気泡80を発生させる気泡発生部200を有している。これにより、水底ケーブル102が損傷を受けた際に、気泡80を確実に発生させることができる。したがって、気泡80を検出することによって、水底ケーブル100が損傷を受けたことを確実に把握することができる。
(e)本実施形態によれば、気泡発生部200は、水底ケーブル102の軸方向に沿って気体が導通するガス導通部202を有している。例えば、ガス供給源からガス導通部202に気体が供給され続けることにより、水底ケーブル102が損傷を受けてから、気泡80は放出し続ける。したがって、ガス導通部202からの気泡80を検出することによって、水底ケーブル102が損傷を受けてから時間が経過した後であっても、水底ケーブル100が損傷を受けたことを確実に把握することができる。
<第3実施形態の変形例>
上述の第3実施形態では、気泡発生部200がガス導通部202を有している場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。以下の第3実施形態の変形例では、気泡発生部200の態様が上述の第3実施形態と異なる。以下、第3実施形態と同様に、図7〜図9を用いて説明する。
(1)水底ケーブル
図8に示されているように、例えば、本実施形態の水底ケーブル104の帰路導体130の位置には、気泡発生部200として、水と反応して気体を発生させるガス発生剤を含む配管204が設けられている。ガス発生剤としては、例えば、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウム等のうち少なくともいずれかの炭酸塩と、コハク酸、フマル酸、およびリンゴ酸等の少なくともいずれかの有機酸との混合物である。これらのガス発生剤は、水に触れると二酸化炭素を発生させる。
(2)水底ケーブルの異常検出方法
(S224:気泡判定工程)
ここで、図7に示されているように、本実施形態の水底ケーブル104が損傷を受ける異常が発生した場合、例えば、帰路導体130の位置に設けられた配管204が破裂する。配管204が破裂したとき、配管204内に水が侵入し、ガス発生剤と反応し、例えば二酸化炭素などのガスを発生させる。これにより、配管204から気泡80が発生する。
そこで、図9に示されているように、本実施形態では、ガス発生剤が水と反応したことによって発生した気泡80を超音波画像内において検出したか否かを判定する(S224)。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、ガス発生剤が水と反応したことによって発生した気泡80を超音波画像内において検出したとき(S224でYes)、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が損傷を受ける異常が発生したと判断する(S230)。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、気泡発生部200は、水と反応して気体を発生させるガス発生剤を有している。このように、簡単な構成の気泡発生部200により、水底ケーブル104が損傷を受けた際に、水底ケーブル104から気泡80を発生させることができる。
ここで、参考までに、上述の第3実施形態と本実施形態とを比較する。第3実施形態では、ガス導通部202に気体を供給するために、ガス供給源が必要となることがある。これに対して、本実施形態では、ガス供給源が不要となり、水底ケーブル104に付帯する設備を簡略化することができる。
<本発明の第4実施形態>
図10を用い、本発明の第4実施形態について説明する。図10は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。
本実施形態では、電圧印加工程によって気泡を発生させる点が第3実施形態と異なる。以下、第3実施形態と異なる要素についてのみ説明し、第3実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)水底ケーブル
本実施形態の水底ケーブル100は、従来の水底90に布設される電力ケーブルと同様である。つまり、水底ケーブル100は、第3実施形態の気泡発生部200を有していない。
(2)水底ケーブルの異常検出方法
次に、本実施形態の水底ケーブルの異常検出方法の処理手順の一例について説明する。
(S140:電圧印加工程)
画像生成工程S120の後、例えば、短絡する異常が生じた相の水底ケーブル100に、再度、電圧を印加する(S140)。具体的には、異常が生じた相の水底ケーブル100の中心導体110と帰路導体130との間に電圧を印加する。これにより、水底ケーブル100の短絡箇所が再度通電または放電することによって、水底ケーブル100の短絡箇所が加熱される。そして、水底ケーブル100の損傷した穴から侵入した水が、水底ケーブル100の短絡箇所付近において加熱され、気化する(水蒸気となる)。このように気化した水が気泡80となって現れる。
なお、本実施形態のようにCVケーブルなどの固体絶縁体を有する水底ケーブル100では、電圧印加により大きな短絡電流が流れる可能性がある。このため、CVケーブルなどの場合では、電圧印加工程S140において印加可能な電圧の上限値は、通常印加する電圧以下(例えばその半分以下)となることが予想されるため、電圧印加工程S140において印加する電圧は、例えば、気泡発生に必要な電圧以上、通常印加する電圧以下となる。なお、OFケーブルのような流体絶縁体を有する水底ケーブルでは、短絡部に絶縁油が流入してしまい、一次的に絶縁復帰する可能性がある。このため、OFケーブルの場合では、電圧印加工程S140において、通常印加する電圧と同等の電圧を印加することができることがある。
(S224:気泡判定工程)
ここで、本実施形態では、電圧印加工程S140に起因して、水底ケーブル100内に侵入した水が気化することによって発生した気泡80を、超音波画像内において検出したか否かを判定する(S224)。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、電圧印加工程S140に起因して、水底ケーブル内に侵入した水が気化することによって発生した気泡80を、超音波画像内において検出したとき(S224でYes)、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が短絡する異常が発生したと判断する(S230)。このとき、例えば、水底ケーブル100に印加する電圧をON/OFFすることを交互に繰り返すことにより、電圧のON/OFFに対して気泡80の発生が対応しているかを確認する。これにより、気泡80が水中に自然発生したものではなく、電圧印加工程S140に起因したものであることを確認することができる。
以降の工程は、第1実施形態と同様である。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、電圧印加工程S140に起因して発生した気泡80を超音波画像内において検出することにより、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が短絡する異常が発生したと判断することができる。本実施形態においても、超音波を用いることにより、水底ケーブル100の短絡箇所からの気泡80を容易かつ安定的に検出することができる。
(b)本実施形態によれば、既存の水底ケーブル100に電圧を印加するだけで、気泡80を発生させることができ、水底ケーブル100が短絡する異常を検出することができる。つまり、本実施形態の水底ケーブル100に、第2実施形態のケーブル磁性体192や、第3実施形態の気泡発生部200などを設ける必要が無く、既存の状態のままの水底ケーブル100に対して電圧印加工程S140を適用し、水底ケーブル100の異常を検出することができる。したがって、水底ケーブル100の異常検出に係るコストを削減することができる。
<第4実施形態の変形例>
上述の第4実施形態では、電圧印加工程S140では短絡する異常が生じた相の水底ケーブル100だけに電圧を印加する場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。以下の第4実施形態の変形例では、電圧印加工程S140の態様が上述の第4実施形態と異なる。
(1)水底ケーブルの異常検出方法
図10および図11を用い、本実施形態の水底ケーブルの異常検出方法の処理手順の一例について説明する。図11は、本変形例における電圧印加工程を示す概略断面図である。
(S140:電圧印加工程)
ここで、例えば、短絡する異常が生じた相の水底ケーブル100において、中心導体と帰路導体とが強固に短絡している場合がある。このような場合、第4実施形態のように、短絡する異常が生じた相の水底ケーブル100に、再度、電圧を印加することが出来ない可能性がある。そこで、以下のようにして、電圧印加工程S140を行う。
図11に示されているように、画像生成工程S120の後、異常が生じた相の水底ケーブル100aにおける中心導体110aと、(帰線等の)健全相の水底ケーブル100bにおける中心導体110b若しくは帰路導体130bとの間に電圧を印加する(S140)。これにより、異常が生じた相の水底ケーブル100aにおける中心導体110aと、健全相の水底ケーブル100bにおける中心導体110b若しくは帰路導体130bとの間の水中において、短絡時に生じた外装190aの破壊穴を通じて、電流が流れる。そして、この部分の水が電気分解されることにより、電気分解によるガス(水素および酸素等)が発生し、気泡80となって現れる。このとき印加可能な電圧は、例えば、気泡発生に必要な電圧以上、通常印加する電圧以下となる。
(S224:気泡判定工程)
そこで、図10に示されているように、本実施形態では、電圧印加工程S140に起因して、異常が生じた相の水底ケーブル100aと健全相の水底ケーブル100bとの間の水が電気分解されることによって発生した気泡80を、超音波画像内において検出したか否かを判定する(S224)。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、電圧印加工程S140に起因して、異常が生じた相の水底ケーブル100aと健全相の水底ケーブル100bとの間の水が電気分解されることによって発生した気泡80を、超音波画像内において検出したとき(S224でYes)、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が短絡する異常が発生したと判断する(S230)。
以降の工程は、第4実施形態と同様である。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、電圧印加工程S140において、異常が生じた相の水底ケーブル100aにおける中心導体110aと、健全相の水底ケーブル100bにおける中心導体110b若しくは帰路導体130bとの間に電圧を印加する。短絡する異常が生じた相の水底ケーブル100だけに、再度、電圧を印加することが出来ない場合であっても、気泡80を確実に発生させることができる。このような電圧印加工程S140を行うことにより、水底ケーブル100の異常を確実に検出することができる。
<第5実施形態>
図12を用い、本発明の第5実施形態について説明する。図12は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。
本実施形態では、電圧印加工程S140によって生じる検知対象が第4実施形態と異なる。以下、第4実施形態と異なる要素についてのみ説明し、第4実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)水底ケーブルの異常検出方法
本実施形態の水底ケーブルの異常検出方法の処理手順の一例について説明する。
(S140:電圧印加工程)
上述の第4実施形態と同様に、短絡する異常が生じた相の水底ケーブル100だけに、再度、電圧を印加する(S140)。具体的には、異常が生じた相の水底ケーブル100の中心導体110と帰路導体130との間に電圧を印加する。これにより、水底ケーブル100の短絡箇所が再度通電または放電することによって、短絡電流が水中を流れるときに、短絡部分の電極と水との間で正負のイオンや電子の授受が起こる。その結果、短絡部分の電極に、水内に溶けていた、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のミネラル成分が水底ケーブル100の短絡箇所付近において析出することがある。または、水底ケーブル100の短絡箇所が再度通電または放電することによって、水底ケーブル100の短絡箇所が加熱される。そして、水底ケーブル100の損傷した穴から侵入した水が、水底ケーブル100の短絡箇所付近において加熱される。その結果、水内に溶けていた上記ミネラル成分が水底ケーブル100の短絡箇所付近において析出することもある。
なお、電圧印加工程S140では、上述の第4実施形態の変形例と同様に、異常が生じた相の水底ケーブル100aにおける中心導体110aと、健全相の水底ケーブル100bにおける中心導体110b若しくは帰路導体130bとの間に電圧を印加してもよい。この場合、異常が生じた相の水底ケーブル100aにおける中心導体110aと、健全相の水底ケーブル100bにおける中心導体110b若しくは帰路導体130bとの間の水中において、短絡時に生じた外装190aの破壊穴を通じて、電流が流れる。そして、この部分の水が電気分解されることにより、水内に溶けていた、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のミネラル成分が水底ケーブル100の短絡箇所付近において析出することがある。
(S226:析出物判定工程)
そこで、本実施形態では、電圧印加工程S140に起因して生じた析出物を、超音波画像内において検出したか否かを判定する(S226)。例えば、画像生成手段420が生成した超音波画像内において、正常部における水底ケーブル100の直線形状を基準形状とし、当該基準形状と比較して、現在の超音波画像内の水底ケーブル100の形状との差分が所定値(所定比率、所定領域)以上であるか否かを判定する。または、上記した「トレンド管理法」を用いても良い。すなわち、過去(水底ケーブル100の布設時など)において取得した水底ケーブル100の超音波画像を基準画像として記憶しておき、当該基準画像と比較して、現在の水底ケーブル100の超音波画像との差分が所定値(所定ドット数等)以上であるか否かを判定する。これらにより、超音波画像内に析出物を検出したか否かを判定する。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、電圧印加工程S140に起因して生じた析出物を、超音波画像内において検出したとき(S226でYes)、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が短絡する異常が発生したと判断する(S230)。
以降の工程は、第4実施形態と同様である。
(2)本実施形態に係る効果
電圧印加工程S140に起因して生じた析出物を超音波画像内において検出することにより、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が短絡する異常が発生したと判断することができる。例えば、電圧印加工程S140において気泡80の放出が止まってしまった場合であっても、水底ケーブル100の異常を確実に検出することができる。
<第6実施形態>
図13を用い、本発明の第5実施形態について説明する。図13は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。
本実施形態では、電圧印加工程S140によって生じる検知対象が第4実施形態と異なる。以下、第4実施形態と異なる要素についてのみ説明し、第4実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)水底ケーブルの異常検出方法
本実施形態の水底ケーブルの異常検出方法の処理手順の一例について説明する。
(S140:電圧印加工程)
上述の第4実施形態と同様に、短絡する異常が生じた相の水底ケーブル100に、再度、電圧を印加する(S140)。具体的には、異常が生じた相の水底ケーブル100の中心導体110と帰路導体130との間に電圧を印加する。なお、上述の第4実施形態の変形例と同様に、異常が生じた相の水底ケーブル100aにおける中心導体110aと、健全相の水底ケーブル100bにおける中心導体110b若しくは帰路導体130bとの間に電圧を印加してもよい。これにより、水底ケーブル100の短絡箇所が再度放電することによって、水底ケーブル100において放電パルス音が発生する。なお、放電パルス音は、フーリエ変換すれば明らかなように、ソナー520が放出する超音波帯域を含む広範囲の周波数成分を有している。このため、放電パルス音は、ソナー520によって受信されうる。このとき、超音波画像には、単発ノイズとして表示される。
(S228:ノイズ判定工程)
そこで、本実施形態では、電圧印加工程S140に起因して、水底ケーブル100から発せられた放電パルス音を、超音波画像内のノイズとして検出したか否かを判定する(S226)。例えば、画像生成手段420が生成した超音波画像内において、SN比が所定値以上であるか否かを判定する。これにより、超音波画像内において放電パルス音を検出したか否かを判定する。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、電圧印加工程S140に起因して、水底ケーブル100から発せられた放電パルス音を、超音波画像内のノイズとして検出したとき(S228でYes)、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が短絡する異常が発生したと判断する(S230)。
以降の工程は、第4実施形態と同様である。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、電圧印加工程S140に起因して発せられた放電パルス音を超音波画像内のノイズとして検出することにより、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、水底ケーブル100が短絡する異常が発生したと判断することができる。例えば、電圧印加工程S140において気泡80または析出物が生じない場合であっても、水底ケーブル100の異常を確実に検出することができる。
<第7実施形態>
図14を用い、本発明の第6実施形態について説明する。図14は、本実施形態に係る水底ケーブルの異常検出方法のフローを示す図である。
本実施形態では、第1、第2、第4、第6実施形態を組み合わせた点が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる要素についてのみ説明し、第1実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)水底ケーブルの異常検出方法
本実施形態の水底ケーブルの異常検出方法の処理手順の一例について説明する。
(S230:異常判断工程)
異常検出手段440は、水底ケーブル100の表面の形状変化102等の少なくともいずれかを超音波画像内において検出したとき(S220でYes)、検知用磁性体562とケーブル磁性体192との間に引力または斥力が生じたことを超音波画像内において検出したとき(S222でYes)、電圧印加工程S140に起因して、水底ケーブル内に侵入した水が気化することによって発生した気泡80を、超音波画像内において検出したとき(S224でYes)、および、電圧印加工程S140に起因して、水底ケーブル100から発せられた放電パルス音を、超音波画像内のノイズとして検出したとき(S228でYes)の少なくともいずれかに該当するとき、超音波画像内に示された水底ケーブル100の位置に、検出した対象の種類に応じた異常が発生したと判断する(S230)。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、各判定工程S220〜S228の少なくともいずれか一つが該当すれば、水底ケーブル100に異常が発生したと判断することができる。このように異常を検出するための複数の対象を判定することにより、水底ケーブル100の異常検出精度を向上させることができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、画像生成手段420は、異常調査船20上の制御部400の機能として設けられている場合について説明したが、画像生成手段は、ソナーの機能としてソナー内に設けられていても良い。
上述の第2実施形態では、水底ケーブル100の表面に、水底ケーブル100とは別体として、ケーブル磁性体192が設けられている場合について説明したが、水底ケーブルの内部に設けられている鉄線等がケーブル磁性体を兼ねていても良い。ただし、ケーブル磁性体としての鉄線の着磁量が小さいと、水底ケーブルの外装(サービング)の外側から鉄線の着磁を検知することが困難となることから、第2実施形態のように水底ケーブルの表面にケーブル磁性体を設けた方が確実にケーブル磁性体の着磁を検知することができる。
上述の第2実施形態では、磁界検知部560が検知用磁性体562である場合について説明したが、磁界検知部は、磁界の大きさおよび方向を電気的に計測する検出コイル(磁気センサ)であってもよい。この場合、検出コイルは、潜水艇またはソナーに固定して水底に沈められる。また、検出コイルは、ケーブルを介して、異常調査船20上の制御部に含まれる検流計に接続される。また、この場合、第2実施形態の引力斥力判定工程が磁界判定工程に置き替えられる。水底ケーブルに近づけた検出コイルがケーブル磁性体から発生する磁力線を横切ると、ファラデーの法則に従って検出コイルに電流が流れる。そこで、磁界判定工程では、検流計が検出コイルに流れた電流を検出したか否かを判定する。このとき、検出コイルの方向によってケーブル磁性体の磁界の方向を検知することができ、検知される電流の大きさによってケーブル磁性体の着磁量を計測することができる。
上述の第3実施形態では、水底ケーブル102が同軸直流ケーブルとして構成され、帰路導体の位置にガス導通部が設けられている場合について説明したが、鉄線の位置にガス導通部が設けられていても良い。この場合、外装が破られた時点で気泡を発生させることができ、水底ケーブルが損傷を受ける異常が生じたことを早期に発見することができる。その結果、導体と帰路導体との短絡を未然に防ぐことができる。また、水底ケーブルがOFケーブル(Oil Filledケーブル)と同様の構成を有していてもよく、油通路にガス導通部が設けられていても良い。また、水底ケーブルに特別なガス管を設けず、帰路導体と鉛被との間の空間をガス導通部として、当該空間に直接気体を充填してもよい。
上述の第7実施形態では、第1、第2、第4、第6実施形態が組み合わせている場合について説明したが、第1〜第6実施形態の少なくともいずれか2以上を組み合わせても良い。
上述の実施形態では、水底ケーブル100が、例えば、同軸直流ケーブルとして構成されている場合について説明したが、水底ケーブルは交流ケーブルとして構成されていてもよい。
ここで、図15は、本発明の他の実施形態に用いられる水底ケーブルの軸方向と直交する断面図である。図15に示されているように、水底ケーブル106は、交流ケーブルとして構成されている。水底ケーブル106は、中心から外側に向けて、導体610、内部半導電層632、絶縁体634、および外部半導電層636を有する電線620と、介在640と、布テープ660と、座床層670と、鉄線680と、外装(防食層)690と、を有している。この場合、水底ケーブル106は帰路導体を有しないため、上述の第3実施形態、および第3実施形態の変形例を適用する際、気泡発生部200は例えば鉄線680に設けることが好ましい。また、この場合、水底ケーブル106は帰路導体を有しておらず、上述の第4実施形態のように異常相のケーブルだけに電圧を印加することができないため、上述の第4実施形態を適用することができない。一方で、電圧印加工程S140において、異常が生じた相の水底ケーブル106における中心導体610と、健全相の水底ケーブル106における中心導体610との間に電圧を印加すれば、第4実施形態の変形例、第5実施形態、第6実施形態を適用することができる。このように水底ケーブルの種類に応じて、適用する異常検出方法を選択し、適用形態を変更することが可能である。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺に対して超音波を送信し、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺から反射した反射波を受信する音波送受信工程と、
前記音波送受信工程で受信した前記反射波に基づいて、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺の超音波画像を生成する画像生成工程と、
前記画像生成工程で生成した前記超音波画像に基づいて、前記水底ケーブルの異常を検出する異常検出工程と、
を有する水底ケーブルの異常検出方法が提供される。
(付記2)
好ましくは、付記1に記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
前記音波送受信工程では、
超音波を送受信する音波送受信部を前記水底ケーブルの軸方向に沿って移動させる。
(付記3)
好ましくは、付記1又は2に記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
前記異常検出工程では、
前記水底ケーブルの表面の形状変化、前記水底ケーブルの布設状態の形状変化、および前記水底ケーブルが布設された水底の形状変化の少なくともいずれかを前記超音波画像内において検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記4)
好ましくは、付記1〜3のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
磁界を検知する磁界検知部を、前記超音波画像内の範囲で前記水底ケーブルから所定の距離に配置する磁界検知工程を有し、
前記異常検出工程では、
前記水底ケーブルの表面に設けられ磁性を有するケーブル磁性体が着磁したことにより、前記磁界検知部が前記ケーブル磁性体の磁界を検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記5)
好ましくは、付記4に記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
前記磁気検知部は、磁性を有する検知用磁性体であり、
前記異常検出工程では、
前記検知用磁性体と前記ケーブル磁性体との間に引力または斥力が生じたことを前記超音波画像内において検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記6)
好ましくは、付記1〜5のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
前記水底ケーブルは、前記水底ケーブルの異常を起因として気泡を発生させる気泡発生部を有し、
前記異常検出工程では、
前記気泡発生部から発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記7)
好ましくは、付記6に記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
前記気泡発生部は、軸方向に沿って気体が導通するガス導通部を有し、
前記異常検出工程では、
前記ガス導通部から発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記8)
好ましくは、付記6に記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
前記気泡発生部は、水と反応して気体を発生させるガス発生剤を有し、
前記異常検出工程では、
前記ガス発生剤が水と反応したことによって発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記9)
好ましくは、付記1〜5のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加する電圧印加工程を有し、
前記異常検出工程では、
前記電圧印加工程に起因して、前記水底ケーブル内に侵入した水が気化することによって発生した気泡を、前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記10)
好ましくは、付記1〜5のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
異常が生じた相の前記水底ケーブルにおける中心導体と、健全相の前記水底ケーブルとの間に電圧を印加する電圧印加工程を有し、
前記異常検出工程では、
前記電圧印加工程に起因して、前記異常が生じた相の水底ケーブルと前記健全相の水底ケーブルとの間の水が電気分解されることによって発生した気泡を、前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記11)
好ましくは、付記1〜10のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
前記異常検出工程は、
異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加するか、或いは、異常が生じた相の前記水底ケーブルにおける中心導体と、健全相の前記水底ケーブルとの間に電圧を印加する電圧印加工程を有し、
前記異常検出工程では、
前記電圧印加工程に起因して生じた析出物を、前記超音波画像内において検出したときに、前記析出物が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記12)
好ましくは、付記1〜11のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加する電圧印加工程を有し、
前記異常検出工程では、
前記電圧印加工程に起因して、前記水底ケーブルから発せられた放電パルス音を、前記超音波画像内のノイズとして検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記13)
好ましくは、付記1〜12のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出方法であって、
GPS衛星からGPS信号を受信し、前記GPS信号に基づいて位置情報を取得するGPS受信工程を有し、
前記GPS受信工程では、
前記水底ケーブルの異常を検出したときに、前記位置情報を取得することにより、前記水底ケーブルの異常発生箇所として特定する。
(付記14)
好ましくは、付記4に記載の水底ケーブルの異常検出方法によって異常を検出可能に構成された水底ケーブルであって、
表面に設けられ磁性を有するケーブル磁性体を有し、
前記ケーブル磁性体の磁界が検出されたときに、前記ケーブル磁性体の磁界が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断可能に構成されている。
(付記15)
好ましくは、付記6に記載の水底ケーブルの異常検出方法によって異常を検出可能に構成された水底ケーブルであって、
異常を起因として気泡を発生させる気泡発生部を有し、
前記気泡発生部から発生した気泡が検出されたときに、前記気泡が検出された位置に異常が発生したと判断可能に構成されている。
(付記16)
好ましくは、付記15に記載の水底ケーブルであって、
前記気泡発生部は、軸方向に沿って気体が導通するガス導通部を有し、
前記ガス導通部から発生した気泡が検出されたときに、前記気泡が検出された位置に異常が発生したと判断可能に構成されている。
(付記17)
好ましくは、付記15に記載の水底ケーブルであって、
前記気泡発生部は、水と反応して気体を発生させるガス発生剤を有し、
前記ガス発生剤が水と反応したことによって発生した気泡が検出されたときに、前記気泡が検出された位置に異常が発生したと判断可能に構成されている。
(付記18)
本発明の他の態様によれば、
水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺に対して超音波を送信し、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺から反射した反射波を受信する音波送受信手段と、
前記音波送受信手段が受信した前記反射波に基づいて、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺の超音波画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段が生成した前記超音波画像に基づいて、前記水底ケーブルの異常を検出する異常検出手段と、
を有する水底ケーブルの異常検出装置が提供される。
(付記19)
好ましくは、付記18に記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記音波送受信手段を前記水底ケーブルの軸方向に沿って移動するよう制御する移動制御手段を有する。
(付記20)
好ましくは、付記18又は19に記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記異常検出手段は、
前記水底ケーブルの表面の形状変化、前記水底ケーブルの布設状態の形状変化、および前記水底ケーブルが布設された水底の形状変化の少なくともいずれかを前記超音波画像内において検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記21)
好ましくは、付記18〜20のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
磁界を検知するよう構成され、前記超音波画像内の範囲で前記水底ケーブルから所定の距離に配置される磁界検知手段を有し、
前記水底ケーブルの表面に設けられ磁性を有するケーブル磁性体が着磁したことにより、前記磁界検知部が前記ケーブル磁性体の磁界を検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記22)
好ましくは、付記21に記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記磁気検知部は、磁性を有する検知用磁性体であり、
前記異常検出手段は、
前記検知用磁性体と前記ケーブル磁性体との間に引力または斥力が生じたことを前記超音波画像内において検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記23)
好ましくは、付記18〜22のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記水底ケーブルは、前記水底ケーブルの異常を起因として気泡を発生させる気泡発生部を有し、
前記異常検出手段は、
前記気泡発生部から発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記24)
好ましくは、付記23に記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記気泡発生部は、軸方向に沿って気体が導通するガス導通部を有し、
前記異常検出手段は、
前記ガス導通部から発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記25)
好ましくは、付記23に記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記気泡発生部は、水と反応して気体を発生させるガス発生剤を有し、
前記異常検出手段は、
前記ガス発生剤が水と反応したことによって発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記26)
好ましくは、付記18〜22のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記異常検出手段は、
異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加した際に、前記水底ケーブル内に侵入した水が電気分解されることによって発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記27)
好ましくは、付記18〜22のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記異常検出手段は、
異常が生じた相の前記水底ケーブルにおける中心導体と、健全相の前記水底ケーブルとの間に電圧を印加した際に、前記水底ケーブル内に侵入した水が電気分解されることによって発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記28)
好ましくは、付記18〜27のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記異常検出手段は、
異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加した際、或いは、異常が生じた相の前記水底ケーブルにおける中心導体と、健全相の前記水底ケーブルとの間に電圧を印加した際に、前記水底ケーブル内に侵入した水が電気分解されることによって生じた析出物を前記超音波画像内において検出したときに、前記析出物が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記29)
好ましくは、付記18〜28のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
前記異常検出手段は、
異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加した際に、前記水底ケーブルから発せられた放電パルス音を前記超音波画像内のノイズとして検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する。
(付記30)
好ましくは、付記18〜29のいずれかに記載の水底ケーブルの異常検出装置であって、
GPS衛星からGPS信号を受信し、前記GPS信号に基づいて位置情報を取得するGPS受信手段を有し、
前記GPS受信手段は、
前記異常検出手段が前記水底ケーブルの異常を検出したときに、前記位置情報を取得し、前記水底ケーブルの異常発生箇所として特定する。
10 異常検出装置
20 異常調査船
80 気泡
90 水底
100,100a,100b,102,104,106 水底ケーブル
110,110a,110b 中心導体
120 絶縁体
130 帰路導体
140 帰路絶縁体
150 鉛被
160 防食層
170 座床層
180,180a,180b 鉄線
190,190a,190b 外装
192 ケーブル磁性体
200 気泡発生部
202 ガス導通部
204 配管
400 制御部(コンピュータ部)
420 画像生成手段
440 異常検出手段
460 移動制御手段
480 ユーザインタフェース部
510 潜水艇
520 音波送受信部(音波送受信手段、ソナー)
540 GPS受信部(GPS受信手段)
560 磁界検知部(磁界検知手段)
562 検知用磁性体

Claims (18)

  1. 水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺に対して超音波を送信し、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺から反射した反射波を受信する音波送受信工程と、
    前記音波送受信工程で受信した前記反射波に基づいて、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺の超音波画像を生成する画像生成工程と、
    前記画像生成工程で生成した前記超音波画像に基づいて、前記水底ケーブルの異常を検出する異常検出工程と、
    を有する水底ケーブルの異常検出方法。
  2. 前記音波送受信工程では、
    超音波を送受信する音波送受信部を前記水底ケーブルの軸方向に沿って移動させる請求項1に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  3. 前記異常検出工程では、
    前記水底ケーブルの表面の形状変化、前記水底ケーブルの布設状態の形状変化、および前記水底ケーブルが布設された水底の形状変化の少なくともいずれかを前記超音波画像内において検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項1又は2に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  4. 磁界を検知する磁界検知部を、前記超音波画像内の範囲で前記水底ケーブルから所定の距離に配置する磁界検知工程を有し、
    前記異常検出工程では、
    前記水底ケーブルの表面に設けられ磁性を有するケーブル磁性体が着磁したことにより、前記磁界検知部が前記ケーブル磁性体の磁界を検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  5. 前記磁気検知部は、磁性を有する検知用磁性体であり、
    前記異常検出工程では、
    前記検知用磁性体と前記ケーブル磁性体との間に引力または斥力が生じたことを前記超音波画像内において検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項4に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  6. 前記水底ケーブルは、前記水底ケーブルの異常を起因として気泡を発生させる気泡発生部を有し、
    前記異常検出工程では、
    前記気泡発生部から発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項1〜5のいずれか1項に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  7. 前記気泡発生部は、軸方向に沿って気体が導通するガス導通部を有し、
    前記異常検出工程では、
    前記ガス導通部から発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項6に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  8. 前記気泡発生部は、水と反応して気体を発生させるガス発生剤を有し、
    前記異常検出工程では、
    前記ガス発生剤が水と反応したことによって発生した気泡を前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項6に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  9. 異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加する電圧印加工程を有し、
    前記異常検出工程では、
    前記電圧印加工程に起因して、前記水底ケーブル内に侵入した水が気化することによって発生した気泡を、前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項1〜5のいずれか1項に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  10. 異常が生じた相の前記水底ケーブルにおける中心導体と、健全相の前記水底ケーブルとの間に電圧を印加する電圧印加工程を有し、
    前記異常検出工程では、
    前記電圧印加工程に起因して、前記異常が生じた相の水底ケーブルと前記健全相の水底ケーブルとの間の水が電気分解されることによって発生した気泡を、前記超音波画像内において検出したときに、前記気泡が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項1〜5のいずれか1項に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  11. 前記異常検出工程は、
    異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加するか、或いは、異常が生じた相の前記水底ケーブルにおける中心導体と、健全相の前記水底ケーブルとの間に電圧を印加する電圧印加工程を有し、
    前記異常検出工程では、
    前記電圧印加工程に起因して生じた析出物を、前記超音波画像内において検出したときに、前記析出物が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項1〜10のいずれか1項に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  12. 異常が生じた相の前記水底ケーブルに電圧を印加する電圧印加工程を有し、
    前記異常検出工程では、
    前記電圧印加工程に起因して、前記水底ケーブルから発せられた放電パルス音を、前記超音波画像内のノイズとして検出したときに、前記超音波画像内に示された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断する請求項1〜11のいずれか1項に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  13. GPS衛星からGPS信号を受信し、前記GPS信号に基づいて位置情報を取得するGPS受信工程を有し、
    前記GPS受信工程では、
    前記水底ケーブルの異常を検出したときに、前記位置情報を取得することにより、前記水底ケーブルの異常発生箇所として特定する請求項1〜12のいずれか1項に記載の水底ケーブルの異常検出方法。
  14. 請求項4に記載の水底ケーブルの異常検出方法によって異常を検出可能に構成された水底ケーブルであって、
    表面に設けられ磁性を有するケーブル磁性体を有し、
    前記ケーブル磁性体の磁界が検出されたときに、前記ケーブル磁性体の磁界が検出された前記水底ケーブルの位置に異常が発生したと判断可能に構成されている水底ケーブル。
  15. 請求項6に記載の水底ケーブルの異常検出方法によって異常を検出可能に構成された水底ケーブルであって、
    異常を起因として気泡を発生させる気泡発生部を有し、
    前記気泡発生部から発生した気泡が検出されたときに、前記気泡が検出された位置に異常が発生したと判断可能に構成されている水底ケーブル。
  16. 前記気泡発生部は、軸方向に沿って気体が導通するガス導通部を有し、
    前記ガス導通部から発生した気泡が検出されたときに、前記気泡が検出された位置に異常が発生したと判断可能に構成されている請求項15に記載の水底ケーブル。
  17. 前記気泡発生部は、水と反応して気体を発生させるガス発生剤を有し、
    前記ガス発生剤が水と反応したことによって発生した気泡が検出されたときに、前記気泡が検出された位置に異常が発生したと判断可能に構成されている請求項15に記載の水底ケーブル。
  18. 水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺に対して超音波を送信し、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺から反射した反射波を受信する音波送受信手段と、
    前記音波送受信手段が受信した前記反射波に基づいて、前記水底ケーブルおよび前記水底ケーブルの周辺の超音波画像を生成する画像生成手段と、
    前記画像生成手段が生成した前記超音波画像に基づいて、前記水底ケーブルの異常を検出する異常検出手段と、
    を有する水底ケーブルの異常検出装置。
JP2014237815A 2014-11-25 2014-11-25 水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置 Pending JP2016099280A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237815A JP2016099280A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237815A JP2016099280A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016099280A true JP2016099280A (ja) 2016-05-30

Family

ID=56076818

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014237815A Pending JP2016099280A (ja) 2014-11-25 2014-11-25 水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016099280A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107748319A (zh) * 2017-11-08 2018-03-02 国家深海基地管理中心 载人潜水器的绝缘检测装置及载人潜水器
CN110376590A (zh) * 2019-06-24 2019-10-25 广西电网有限责任公司电力科学研究院 一种基于声呐探测的海底电缆锚损监测系统及其监测方法
CN110455807A (zh) * 2019-04-02 2019-11-15 洛阳理工学院 针对防腐管道外防腐层的dsc气泡无损检测方法以及装置
CN110608720A (zh) * 2019-10-16 2019-12-24 北京交通大学 基于超声波反射波形的河床高程探测方法和系统
CN115184180A (zh) * 2022-09-09 2022-10-14 安格诺尔(江苏)智能电气有限公司 220kV电缆中间接头的浸水热循环试验装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107748319A (zh) * 2017-11-08 2018-03-02 国家深海基地管理中心 载人潜水器的绝缘检测装置及载人潜水器
CN110455807A (zh) * 2019-04-02 2019-11-15 洛阳理工学院 针对防腐管道外防腐层的dsc气泡无损检测方法以及装置
CN110376590A (zh) * 2019-06-24 2019-10-25 广西电网有限责任公司电力科学研究院 一种基于声呐探测的海底电缆锚损监测系统及其监测方法
CN110608720A (zh) * 2019-10-16 2019-12-24 北京交通大学 基于超声波反射波形的河床高程探测方法和系统
CN115184180A (zh) * 2022-09-09 2022-10-14 安格诺尔(江苏)智能电气有限公司 220kV电缆中间接头的浸水热循环试验装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016099280A (ja) 水底ケーブルの異常検出方法、水底ケーブルおよび水底ケーブルの異常検出装置
US7285203B2 (en) Method and apparatus for instrumental analysis in remote locations
AU2008326875B2 (en) Underwater measurement system
US4228399A (en) Offshore pipeline electrical survey method and apparatus
CN104962925B (zh) 无尾线海底管道密间距阴保电位及阳极输出电流测量方法
CN102809713B (zh) 一种海底电缆断点探测方法
CN107544003B (zh) 用于确定海底供电线的电导体上的绝缘故障位置的方法及定位系统
WO2007003203A1 (en) Method of marine electric logging of oil and gas fields and arrangement of apparatuses 've-so-tem' therefor
US4090170A (en) Process and apparatus for investigating the activity of a cathodic protection unit
JP5263829B2 (ja) 海底下地層貯留における漏洩二酸化炭素のモニタリング方法及びそのモニタリングシステム
Ledezma et al. A market survey of offshore underwater robotic inspection technologies for the oil and gas industry
RU2639728C1 (ru) Системы сбора данных для морской модификации с косой и приемным модулем
JP2008191111A (ja) 海中の二酸化炭素拡散検出装置及び海中の流体検出装置
RU2612726C2 (ru) Устройство для морской электроразведки нефтегазовых месторождений и способ ее осуществления
US20230313910A1 (en) A Method of Laying a Pipeline on a Seafloor, Monitoring Surrounding Zones of the Installed Pipeline for Approaching Vessels and Warning Vessels Considered to be Able to Cause Harm to the Pipeline
WO2017126975A1 (en) Method for detection of electric fields surrounding a structure in an electrically conducting medium
KR20180043890A (ko) 해저기준점 설정을 통한 해저지각변이 모니터링 시스템
US20230129831A1 (en) Method and system for subsea cable localization
JP2017058334A (ja) 海底探査装置
Katsuta et al. Development of New Cable Probe for Localizing Deep Buried Submarine Telecommunication and Power Cables
CN216160856U (zh) 一种海床沉埋典型目标模拟装置
JP6084821B2 (ja) 曳航式電界検出装置
Qi et al. Detection technology and engineering application of pipeline crossing river
CN113529092B (zh) 一种海底管道阴极保护电位检测自主巡检方法及系统
KR20150021669A (ko) 해저케이블 감지시스템 및 감지방법

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160308