[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
[スロットマシンの構成例]
図1に示すように、本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
図2に示すように、本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
図3に示すように、リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止、その停止操作を第1停止操作(または第1停止)と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止、その停止操作を第2停止操作(または第2停止)と称する。また、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止、その停止操作を第3停止操作(または第3停止)と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネル1dが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
図2に示すように、筐体1a内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLNに予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLNに、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
なお、本実施形態では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLNに表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、乱数発生回路42、サンプリング回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えている。メイン制御部41は、ROM41bに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
乱数発生回路42は、所定数のパルスを発生するたびにカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数値として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
メイン制御部41のCPU41aは、ROMから読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。
このように、メイン制御部41では、CPU41aがROM41bに格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU41a)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU41aがプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるRAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。なお、本実施の形態では、RAM41cの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるROM41aには、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM41bには、CPU41aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM41bには、CPU41aが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM41cには、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。RAM41cとしては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU41aがROM41bから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU41aにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM91cの少なくとも一部の内容が保存される。なお、本実施の形態では、RAM91cの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM91cの全ての内容が保存される。なお、本実施の形態では、RAM91cの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM91cの全ての内容が保存される。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータに加え、後述するRTフラグおよびRT残りゲーム数が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグ等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、重要ワークおよび使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。
このように本実施の形態では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなるが、この際、重要ワークに割り当てられてられたRTフラグやRT残りゲーム数は初期化されることなく保持されるようになっている。一方で、一般ワークに割り当てられた遊技状態フラグについては、初期化1が実行されることに伴って初期化されることとなる。
[内部抽選について]
本実施の形態のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(通常、内部中、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインLN(以下では、有効化された入賞ラインLNを単に入賞ラインLNと呼ぶ)に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(以下、「リプレイ」と称することもある)と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役(以下、「ボーナス」と称することもある)と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。なお、以下、「再遊技役」や「リプレイ」というときは、図14や図18に示す各種リプレイを総称する。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。なお、特別役の持ち越しとは、内部抽選において特別役に当選したゲームで特別役が入賞しなかった場合に、特別役の当選状態を次ゲーム以降に持ち越し、特別役が入賞するまで特別役の当選状態を維持することである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役(以下、当選役ともいう)、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御について]
次に、図7のSd3におけるリール回転処理において実行するリール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号(以下、コマ番号ともいう)が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインLNに揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインLNに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ラインLNに揃わないようになっている。
なお、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ラインLNに揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ラインLNに揃える制御を行っても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役とリプレイが同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ラインLNに揃わないようになっている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を説明する。
[起動処理(メイン)]
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図5および図6のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行う。
図5および図6に示すように、メイン制御部41は、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa2)、IレジスタおよびIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。IレジスタおよびIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa4)、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。
Sa6のステップでは、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa6のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、重要ワークを除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa22)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa23)、設定キースイッチ37がonであれば、設定変更中であることを示す設定変更開始コマンドを生成し(Sa19)、生成した設定変更開始コマンドをコマンドバッファに格納し(Sa20)、図10および図11において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa21)、当選役の当選確率の変更などを行う設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図7に示すゲーム処理に移行する。
Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa24)、RAM異常を示すエラー開始コマンドを生成し(Sa25)、生成したエラー開始コマンドをコマンドバッファに格納し(Sa26)、図10および図11において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa27)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどして、RAM異常エラー状態が解除されると、図7に示すゲーム処理に移行する。
Sa6のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa7)。正常に電断処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、Sa22のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、前述したSa19〜Sa21の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。また、Sa27のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、前述したSa24〜Sa27の処理を行い、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、RAM異常エラー状態が解除されると、図7に示すゲーム処理に移行する。
Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa8)、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa9)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa10)、設定キースイッチ37がonであれば、初期化1を実行し(Sa15)、前述したSa19〜Sa21の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図7に示すゲーム処理に移行する。
Sa10のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa11)、電断復帰1コマンド(図10参照)を生成してコマンドバッファに格納する(Sa12)。次いで、電断復帰2コマンド(図10参照)を生成してコマンドバッファに格納する(Sa13)。次いで、電断復帰3コマンド(図10参照)を生成してコマンドバッファに格納する(Sa14)。次いで、電断復帰4コマンド(図10参照)を生成してコマンドバッファに格納する(Sa15)。次いで、ホットスタートコマンド(図10参照)を生成してコマンドバッファに格納する(Sa16)。そして、図10および図11において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa17)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。電断前に図7に示すゲーム処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、ゲーム処理のSd1〜Sd6の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。また、例えば、電断前に図10および図11に示すタイマ割込処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、タイマ割込処理のSk1〜Sk26の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。
[各種コマンドについて]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトのモードデータとコマンドの内容を示す1バイトのEXTデータとからなる。サブ制御部91は、モードデータからコマンドの種類を判別し、EXTデータからコマンドの内容を判別する。
各コマンドは、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに設けられたコマンド送信用バッファに一時的に格納され、図10および図11に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。
サブ制御部91は、メイン制御部41からコマンドを受信したときに、受信したコマンドの種類に応じて、液晶表示器51から表示されている画像、スピーカ53,54から出力される音声、前面扉1bに設けられたランプなどの制御を行う。
設定変更開始コマンドは、設定変更が開始されたことを示すコマンドである。設定変更開始コマンドは設定変更の開始時に送信される。EXTデータには、設定変更が開始されたことを示す値が設定される。
設定変更終了コマンドは、設定変更が終了したことおよび設定変更により選択された設定値を示すコマンドである。設定変更終了コマンドは設定変更の終了時に送信される。EXTデータには、設定変更により選択される6種類の設定値のいずれかが設定される。
エラー開始コマンドは、エラーが発生したことを示すコマンドである。EXTデータには、8種類のエラーのいずれかが設定される。エラー開始コマンドはエラー処理の開始時に送信される。8種類のエラーには、オーバーフロータンク35内のメダルが満タンになったことを示すオーバーフロータンク溢れエラー、ホッパータンク34a内のメダルがなくなったことを示す払出メダルなしエラー、払い出すメダルがホッパータンク34aなどで詰まったことを示す払出メダル詰まりエラー、メダルセレクタでのメダルの検出異常が発生したことを示す投入信号異常エラー、リールの回転が正常に行われていないことを示すリール回転異常エラー、内部抽選の結果から入賞が予想される入賞予想フラグと実際に入賞した入賞結果とが一致しなかったことを示す不正入賞エラー、RAM異常を示すRWM内容エラーが設定されている。
エラー解除コマンドは、エラーが解除されたことを示すコマンドである。エラー解除コマンドはエラー処理の解除時に送信される。EXTデータには、エラーが解除されたことを示す値が設定される。
精算開始時コマンドは、メダルの精算が開始されたことを示すコマンドである。精算開始時コマンドは精算処理の開始時に送信される。EXTデータには、投入されたメダルが精算されたことを示すデータとクレジットされたメダルが精算されたことを示すデータとのいずれかが設定される。
精算終了コマンドは、メダルの精算が終了したことを示すコマンドである。精算終了コマンドは精算処理の終了時に送信される。EXTデータには、精算が終了したことを示す値が設定される。
メダル投入コマンドは、メダルが投入されたことを示すコマンドである。メダル投入コマンドは、クレジットの加算を伴わないメダルの投入時に送信される。EXTデータには、投入したメダルの枚数(1〜3枚のいずれか)を示す値が設定される。
クレジット増加コマンドは、クレジットされたメダルの枚数が増加したことを示すコマンドである。クレジット増加コマンドは、クレジットの加算を伴うメダルの投入時に送信される。EXTデータには、クレジットが増加したことを示す値が設定される。
遊技カウンタ1コマンドは、ゲームが行われるたびにカウントされる0〜127のカウント値を示すコマンドである。遊技カウンタ1コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、0〜127のカウント値のうちのいずれかを示す値が設定される。
リール加速情報コマンドは、リールの回転が開始したことを示すコマンドである。リール加速情報コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、9種類のリールの回転開始パターンのうちのいずれかを示す値が設定される。
内部当選コマンドは、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示すコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示す値が設定される。
当選番号コマンドは、内部抽選の結果を示すコマンドである。当選番号コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、内部抽選の結果を示す値が設定される。
BB投入枚数1コマンドは、BBのゲームで投入したメダルの枚数を示すコマンドである。BB投入枚数1コマンドは、リールの回転開始時に送信される。EXTデータには、投入されたメダルの枚数を示す値が設定される。
リール停止受付1コマンドは、第1停止が行われたことを示すコマンドである。リール停止受付1コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、各ストップスイッチの受付状態(すなわち操作されたか否か)および各ストップスイッチに内蔵されたLEDの点灯状態(点灯中か否か)を示す値が設定される。
リール滑りコマ数1コマンドは、第1停止が行われたときにリールが停止するまでのコマ数を示すコマンドである。リール滑りコマ数1コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールが停止するまでのコマ数(0〜4コマ)を示す値が設定される。
リール停止位置1コマンドは、第1停止が行われたときにリールが停止する位置を示すコマンドである。リール停止位置1コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールの停止位置(コマ番号0〜20)を示す値が設定される。
リール停止受付2コマンドは、第2停止が行われたことを示すコマンドである。リール停止受付2コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、各ストップスイッチの受付状態(すなわち操作されたか否か)および各ストップスイッチに内蔵されたLEDの点灯状態(点灯中か否か)を示す値が設定される。
リール滑りコマ数2コマンドは、第2停止が行われたときにリールが停止するまでのコマ数を示すコマンドである。リール滑りコマ数2コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールが停止するまでのコマ数(0〜4コマ)を示す値が設定される。
リール停止位置2コマンドは、第2停止が行われたときにリールが停止する位置を示すコマンドである。リール停止位置2コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールの停止位置(コマ番号0〜20)を示す値が設定される。
リール停止受付3コマンドは、第3停止が行われたことを示すコマンドである。リール停止受付3コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、各ストップスイッチの受付状態(すなわち操作されたか否か)および各ストップスイッチに内蔵されたLEDの点灯状態(点灯中か否か)を示す値が設定される。
リール滑りコマ数3コマンドは、第3停止が行われたときにリールが停止するまでのコマ数を示すコマンドである。リール滑りコマ数3コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールが停止するまでのコマ数(0〜4コマ)を示す値が設定される。
リール停止位置3コマンドは、第3停止が行われたときにリールが停止する位置を示すコマンドである。リール停止位置3コマンドは、ストップスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、リールの停止位置(コマ番号0〜20)を示す値が設定される。
遊技カウンタ2コマンドは、ゲームが行われるたびにカウントされる0〜127のカウント値を示すコマンドである。遊技カウンタ2コマンドは、全リールの停止後に送信される。EXTデータには、0〜127のカウント値のうちのいずれかを示す値が設定される。
RT情報2コマンドは、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示すコマンドである。RT情報2コマンドは、スタートスイッチの操作の受付時に送信される。EXTデータには、BBに当選したか否かと、RTの状態とを示す値が設定される。
入賞番号1コマンドは、入賞の種類を示すコマンドである。入賞番号1コマンドは、メダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、BBの作動状態(BB中か否か)と入賞の種類を示す値が設定される。
入賞番号2コマンドは、入賞の種類を示すコマンドである。入賞番号1コマンドは、メダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、BBの作動状態(BB中か否か)と入賞の種類を示す値が設定される。
入賞枚数コマンドは、入賞により払い出されるメダルの枚数を示すコマンドである。入賞枚数コマンドは、メダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、メダルの払出枚数を示す値が設定される。
BB払出枚数1コマンドは、BB時のメダルの払出枚数を示すコマンドである。BB払出枚数1コマンドは、BB中におけるメダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、BB中におけるメダルの払出枚数を示す値(上位7ビット)が設定される。
BB払出枚数2コマンドは、BB時のメダルの払出枚数を示すコマンドである。BB払出枚数2コマンドは、BB中におけるメダルの払出処理開始時に送信される。EXTデータには、BB中におけるメダルの払出枚数を示す値(下位7ビット)が設定される。
BB終了待ちコマンドは、BBの終了待ちであることを示すコマンドである。BB終了待ちコマンドはBB終了時に送信される。EXTデータには、終了待ちのBBの種類(本実施形態では1種類)を示す値が設定される。
BB終了コマンドは、BBが終了することを示すコマンドである。BB終了コマンドはBB終了時、自動精算の開始時、打ち止め処理の開始時に送信される。EXTデータには、終了するBBの種類(本実施形態では1種類)を示す値が設定される。
RT情報1コマンドは、RTの状態を示すコマンドである。RT情報1コマンドは、ゲームの終了時に送信される。EXTデータには、RTの状態を示す値が設定される。
BB作動種別コマンドは、BB中か否かを示すコマンドである。BB作動種別コマンドは、ゲームの終了時に送信される。EXTデータには、BB中か否かを示す値が設定される。
遊技終了コマンドは、ゲームを終了したときの遊技状態(BB、RB、リプレイ入賞)を示すコマンドである。遊技終了コマンドは、ゲームの終了時に送信される。EXTデータには、ゲームを終了したときの遊技状態(BB、RB、リプレイ入賞)を示す値が設定される。
ドアコマンドは、前面扉1bが開放されているか否かを示すコマンドである。ドアコマンドは、電源投入時、設定変更開始時、RWM内容エラー開始時、ゲーム終了時、ドア開閉時に送信される。EXTデータには、ドアの開放状態(開放あるいは閉鎖のいずれであるか)を示す値が設定される。
電断復帰1コマンドは、ゲームが行われるたびにカウントされる0〜127のカウント値を示すコマンドである。電断復帰1コマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、0〜127のカウント値のうちのいずれかを示す値が設定される。
電断復帰2コマンドは、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示すコマンドである。電断復帰2コマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、BBに当選したか否かおよびRTの状態を示す値が設定される。
電断復帰3コマンドは、BB中か否かおよび投入済みのメダルの枚数を示すコマンドである。電断復帰3コマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、BB中か否かおよび投入済みのメダルの枚数を示す値が設定される。
電断復帰4コマンドは、ゲームを終了したときの遊技状態(BB、RB、リプレイ入賞)を示すコマンドである。電断復帰4コマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、ゲームを終了したときの遊技状態(BB、RB、リプレイ入賞)を示す値が設定される。
ホットスタートコマンドは、電源をオフにしないで再起動することを示すコマンドである。ホットスタートコマンドは、電源の投入後にバックアップが正常であった場合に送信される。EXTデータには、電源をオフにしないで再起動することを示す値が設定される。
フリーズ開始コマンドは、フリーズ状態が開始したことを示すコマンドであり、フリーズ状態の開始時(すなわち、スタートスイッチ7の操作時)に送信される。
フリーズ終了コマンドは、フリーズ状態が終了したことを示すコマンドであり、フリーズ状態が終了するときに送信される。
上乗せ抽選当選コマンドは上乗せ抽選に当選したことを示すコマンドであり、上乗せ抽選に当選したときに送信される。
仮停止コマンドは、図柄が仮停止していることを示すコマンドであり、図柄が仮停止したときに送信される。
[ゲーム処理]
図7は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
図7に示すように、ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、フリーズ関連処理(Sd3)、リール回転処理(Sd4)、入賞判定処理(Sd5)、払出処理(Sd6)、ゲーム終了時処理(Sd7)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。なお、内部抽選により特別役(BBまたはRB)に当選した場合は特別役持ち越しフラグセットされる。そして、上記したように特別役持ち越しフラグの有無を判定することによって特別役の持ち越しの有無を判定し、持ち越しの有無に応じた当選役(特別役持ち越し中は特別役は内部抽選の対象から除外される)について判定処理が行われる。
内部抽選処理が終了すると、遅延条件が成立したときに遊技の進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ状態に制御するフリーズ関連処理を行う(Sd3)。
本実施形態では、遅延条件は、後述するAT(アシストタイム)中にフリーズ対象役(本実施形態では、中段チェリー、下段チェリー)に当選することとなっている。メイン制御部41は、AT中にフリーズ対象役に当選した場合に、その次ゲームが開始されたとき(賭数の設定後にスタートスイッチ7が操作されたとき)にフリーズ状態に制御する。
フリーズ状態中においては、全リールを回転させた後にリールを自動的に停止させるリール演出を実行する。また、リール演出を実行したときに、ATのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を実行する。
上乗せ抽選に当選した場合には、ATのゲーム数が上乗せされることを示す特定図柄組み合わせが停止する。なお、本実施形態では、特定組み合わせは入賞ラインLN上に「黒7」が揃う組み合わせになっている。
一方、上乗せ抽選に当選しなかった場合には、特定図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせが停止する。本実施形態では、特定図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせは入賞ラインLN上に「黒7」がテンパイするが「黒7」が揃わない組み合わせになっている。
図柄が停止してリール演出が終了すると、遊技の進行に関与する操作としてスタートスイッチ7の操作を受け付ける。そして、スタートスイッチ7が操作されたときに再び全リールの回転を開始する。全リールの回転後に遊技の進行に関与する操作としてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を受け付けて通常遊技を開始する。
このように、フリーズ状態が開始されてから終了するまでは、通常遊技の開始タイミングを遅延させることで遊技の進行を遅延する。
フリーズ関連処理が終了した後は、通常遊技を実行するためのリール回転処理が行われる(Sd4)。
Sd4のステップにおけるリール回転処理では、Sd2のステップにおける内部抽選の結果および遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。なお、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果はRAM41cで記憶する。具体的には、入賞ラインLN上に停止しているコマ番号を記憶する。これにより、入賞ラインLN上に停止している図柄の種類を識別することが可能になる。
Sd5のステップにおける入賞判定処理では、Sd4のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。なお、特別役が入賞した場合には本処理において特別役持ち越しフラグがクリアされる。
入賞判定処理が終了すると、サブ制御部91がATを実行しているか否かを判定する演出状態制御判定処理を実行する(Sd6)。
演出状態制御判定処理では、メイン制御部41は、内部抽選結果がハズレの場合(いずれの役も当選していない場合)または通常リプレイが当選した場合に、停止順種別として0または1の一方をランダムに選択する停止順種別選択抽選を行い、選択した停止順種別をRAM41cに設定するとともに、選択した停止順種別を特定可能な停止順種別コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
そして、メイン制御部41は、ストップスイッチの実際の押し順と停止順種別選択抽選にて選択された押し順とを比較する。メイン制御部41は、押し順が一致した場合には、停止順種別選択抽選にて選択された押し順と実際の押し順とが一致した回数をカウントする押し順判定カウンタのカウント値に「1」加算する。そして、押し順判定カウンタのカウント値が「3」であれば、ATが開始されたことを特定し、RAM41cの所定領域にAT実行中フラグをセットする。
ここで、3回連続して押し順が一致したときに押し順判定カウンタのカウント値は「3」になるので、AT中のナビ演出に従ってストップスイッチを操作した結果、押し順が連続して一致した可能性が高い。よって、このとき、メイン制御部41は、AT中であることを特定する。また、メイン制御部41は、ストップスイッチの実際の押し順と停止順種別選択抽選にて選択された押し順とを比較した結果、押し順が一致しなかった場合には、押し順判定カウンタのカウント値をクリアする。
Sd7のステップにおける払出処理では、Sd5のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd8のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
また、ゲーム処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成してコマンドバッファに設定し、サブ制御部91に送信されるようになっている。
[フリーズ関連処理]
次に、ゲーム処理中で実行するフリーズ関連処理について説明する。
図8および図9に示すように、メイン制御部41は、図7のSd6の演出状態制御判定処理の判定結果にもとづいて、AT中か否かを判定する(Sc1)。AT中でない場合(Sc1でN)には処理を終了する。
AT中の場合(Sc1でY)には、フリーズ状態に制御することを示すフリーズ実行フラグがセットされているか否かを判定する(Sc2)。フリーズ実行フラグがセットされていない場合(Sc2でN)には、遅延条件の成立となるフリーズ対象役に当選したか否かを判定する(Sc15)。フリーズ対象役に当選していない場合(Sc15でN)には処理を終了する。フリーズ対象役に当選した場合(Sc15でY)にはフリーズ実行フラグをRAM41cにセットして処理を終了する(Sc16)。
一方、Sc2でフリーズ実行フラグがセットされていると判定した場合(Sc2でY)にはフリーズ状態に制御する(Sc3)。次いで、前回のゲーム(すなわち通常遊技)の終了時に入賞ラインLN上に停止した停止図柄の種類を識別する(Sc4)。換言すると、入賞ラインLN上に停止している停止図柄の種類を識別する。このとき、同一図柄であってもコマ番号が異なる場合には異なる停止図柄として識別する。すなわち、本処理では、入賞ラインLN上に停止している停止図柄のコマ番号を識別することになる。
次いで、入賞ラインLN上にいずれかのリールの「黒7」が停止しているか否かを判定する(Sc5)。入賞ラインLN上に「黒7」が停止している場合(Sc5でY)には、「黒7」以外の図柄が停止しているリールについて、入賞ラインLN上に「黒7」を仮停止させるために要する図柄の最小移動コマ数を算出する(Sc6)。具体的には、ROM41bに格納されている図柄テーブルを参照し、入賞ラインLN上に停止している図柄に割り当てられたコマ番号と「黒7」に割り当てられたコマ番号との差をリールの順回転方向(図3において上から下に向かう方向)および逆回転方向(図3において下から上に向かう方向)の各々について算出し、算出した差を比較する。そして、比較した差が小さいほうを最小移動コマ数とする。次いで、最小移動コマ数となる回転方向をリールの回転方向に決定し(Sc7)、決定した回転方向をRAM41cに記憶する。このとき、「黒7」以外の図柄が停止しているリールが複数あるときにはそれぞれのリールについて回転方向を決定する。よって、リールごとに回転方向が異なることがある。次いで、「黒7」が停止しているリール以外のリールをSc7で決定した回転方向に回転させることによって、リール演出を実行する(Sc8)。
また、入賞ラインLN上に「黒7」が停止していない場合(Sc5でN)には全リールについて、入賞ラインLN上に「黒7」を仮停止させるために要する図柄の最小移動コマ数を算出する(Sc17)。次いで、最小移動コマ数となる回転方向をリールの回転方向に決定し(Sc18)、決定した回転方向をRAM41cに記憶する。このとき、全リールのそれぞれについて回転方向を決定する。よって、リールごとに回転方向が異なることがある。次いで、決定した回転方向に全リールを回転させることによって、リール演出を実行する(Sc19)。
リール演出の実行に併せて上乗せ抽選を実行する(Sc9)。次いで、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する(Sc10)。上乗せ抽選に当選した場合(Sc10でY)には、上乗せ抽選当選コマンドをサブ制御部91に送信し、特定図柄組み合わせ(黒7揃い)が入賞ラインLN上に停止するようにリールを停止させる(Sc11)。図柄が仮停止した状態ではリールは完全に停止せず、図柄が入賞ラインLN上に停止していることを認識できる範囲でリールが微動する。
一方、上乗せ抽選に当選しなかった場合(Sc10でN)には、特定図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせを入賞ラインLN上に停止させる(Sc20)。
図柄を仮停止させたときには、メイン制御部41はサブ制御部91に仮停止コマンドを送信する。次いで、スタートスイッチ7が操作されたか否かを判定する(Sc12)。スタートスイッチ7が操作されていない場合(Sc12でN)には判定を繰り返す。スタートスイッチ7が操作された場合(Sc12でY)にはフリーズ状態の制御を終了し(Sc13)、フリーズ実行フラグをクリアして処理を終了する(Sc14)。このとき、メイン制御部41はサブ制御部91にフリーズ終了コマンドを送信する。
[タイマ割込処理(メイン)]
図10および図11は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
図10および図11に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(メイン)に移行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9〜Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12〜Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20〜Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23〜Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rなどのスイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る。
[入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせについて]
本実施の形態のスロットマシン1においては、入賞ラインLNに予め定められた図柄組み合わせが揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴うボーナスと、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
なお、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図12〜図15は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図16は、メイン制御部41により制御される遊技状態およびRTの遷移を説明するための図である。
図16に示すように、本実施の形態におけるスロットマシンは、通常遊技状態、内部中1、2、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態(以下、通常遊技状態を通常と称す)においては、RT0〜4のいずれかに制御される。
図12に示すように、入賞役のうちボーナスには、ビッグボーナス(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、各々のレギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。
BBは、入賞ラインLNに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。RBは、入賞ラインLNに「黒7−黒7−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
BBが入賞すると、BB中レギュラーボーナス(以下、BBRBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行される。ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBが入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
図16に示すように、BBに内部当選してから入賞するまでは、内部中1・RT0に制御され、RBに内部当選してから入賞するまでは、内部中2・RT0に制御される。また、図16に示すように、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、通常・RT4に制御される。
後述する内部抽選においてBBまたはRBのうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BBやRBを構成する図柄(「黒7」、「白7」、「網7」))は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
次に、図13を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベが含まれる。そして、図中に示す組み合わせが揃ったときに入賞となり、図に示す枚数のメダルが払い出される。
次に、図14を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ、SP(スペシャル)リプレイが含まれる。各再遊技役は、図に示す組み合揃ったときに入賞となる。
そして、図16に示すように、通常・RT0において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。
また、通常・RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、通常・RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選において特別役と昇格リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4から通常・RT0に制御されないように構成されており、通常・RT1であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該通常・RT1からのみ通常・RT0に制御されるように構成されている。
また、通常・RT1、通常・RT3において特殊リプレイに入賞した後は、通常・RT2に制御される。また、通常・RT2において特殊リプレイに入賞した後は、通常・RT1に制御される。後述するように、特殊リプレイは、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役と特殊リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT1、通常・RT4においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT2に制御されないように構成されており、通常・RT0、通常・RT3であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、当該通常・RT0、通常・RT3からのみ通常・RT2に制御されるように構成されている。
また、通常・RT2においてSPリプレイに入賞した後は、通常・RT3に制御される。後述するように、SPリプレイは、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役とSPリプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4においてはSPリプレイに入賞しない。その結果、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT3に制御されないように構成されており、通常・RT2であるときにのみSPリプレイ入賞し、当該通常・RT2からのみ通常・RT3に制御されるように構成されている。なお、通常・RT3において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT3が維持されることとなる。
次に、図15を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図15に示すように、「リプレイ−オレンジ−ベル」、「リプレイ−BAR−ベル」、「プラム−オレンジ−ベル」、「プラム−BAR−ベル」、「リプレイ−ベル−オレンジ」、「リプレイ−ベル−BAR」、「プラム−ベル−オレンジ」、「プラム−ベル−BAR」、「黒7−オレンジ−オレンジ」、「黒7−オレンジ−BAR」、「黒7−BAR−オレンジ」、「黒7−BAR−BAR」、「白7−オレンジ−オレンジ」、「白7−オレンジ−BAR」、「白7−BAR−オレンジ」、「白7−BAR−BAR」、「スイカ−オレンジ−オレンジ」、「スイカ−オレンジ−BAR」、「スイカ−BAR−オレンジ」、「スイカ−BAR−BAR」からなる20種類の組み合わせである。本実施の形態では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。
図16に示すように、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、通常・RT1に制御される。なお、通常・RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、通常・RT1が維持されることとなる。
次に、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施形態では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、内部中1(BBが当選している状態)であるか、内部中2(RBが当選している状態)であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態であれば、RT0〜4の種類によって、内部抽選の対象となる再遊技役及びその当選確率の少なくとも一方が異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
通常・RT0であるときには、BB、BB+弱スイカ、BB+強スイカ、BB+弱チェリー、BB+強チェリー、BB+中段チェリー、BB+1枚役、BB+通常リプレイ、BB+転落リプレイ、BB+昇格リプレイ、BB+特殊リプレイ、BB+SPリプレイ、RB、RB+強スイカ、RB+弱チェリー、RB+強チェリー、RB+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR14、リプレイGR15、リプレイGR16、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23、リプレイGR24、リプレイGR25が内部抽選の対象役となる。
なお、弱スイカとは、上段スイカ+右下がりスイカである。すなわち上段スイカが入賞した場合に、弱スイカであることを認識できる。強スイカとは中段スイカ+右下がりスイカである。すなわち中段スイカが入賞した場合に、強スイカであることを認識できる。弱チェリーとは、下段チェリー単独であり、強チェリーとは、3連チェリー単独である。弱チェリーは、無効ラインLM4上で左リール2Lの下段に単独でチェリーが停止し、入賞ラインLN上に「BAR−オレンジ−ANY(ANYはいずれの図柄でも可)」、「BAR−BAR−ANY」「BAR−ベル−ANY」の組み合わせのいずれかが揃う。このため、左リール2Lの下段のチェリーにより弱チェリーが入賞したことを認識できる。強チェリーは、無効ラインLM4上にチェリーが揃い、かつ入賞ラインLN上に「BAR−チェリー−プラム」の組み合わせが揃う。このため、無効ラインLM4上に揃ったチェリーにより強チェリーが入賞したことを認識できる。
また、昇格リプレイとは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ2である。ベルとは、中段ベル+右下がりベルである。左ベル1とは、右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8であり、左ベル2とは、右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7であり、左ベル3とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3であり、左ベル4とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4である。左ベル1〜4を単に左ベルとも呼ぶ。中ベル1とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル5であり、中ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル6であり、中ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル7であり、中ベル4とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル8である。中ベル1〜4を単に中ベルとも呼ぶ。右ベル1とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル5であり、右ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル7であり、右ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル6であり、右ベル4とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル8である。右ベル1〜4を単に右ベルとも呼ぶ。また、これら左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を単に押し順ベルとも呼ぶ。
リプレイGR11とは、転落リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR12とは、転落リプレイ+昇格リプレイ2+通常リプレイであり、リプレイGR13とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR14とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+通常リプレイであり、リプレイGR15とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR16とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+通常リプレイである。
リプレイGR21とは、転落リプレイ+特殊リプレイであり、リプレイGR22とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR23とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR24とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR25とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+昇格リプレイ1である。
通常・RT1であるときには、BB、BB+弱スイカ、BB+強スイカ、BB+弱チェリー、BB+強チェリー、BB+中段チェリー、BB+1枚役、BB+通常リプレイ、BB+転落リプレイ、BB+昇格リプレイ、BB+特殊リプレイ、BB+SPリプレイ、RB、RB+強スイカ、RB+弱チェリー、RB+強チェリー、RB+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。
リプレイGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR3とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイであり、リプレイGR4とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイであり、リプレイGR5とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR6とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイである。
通常・RT2であるときには、BB、BB+弱スイカ、BB+強スイカ、BB+弱チェリー、BB+強チェリー、BB+中段チェリー、BB+1枚役、BB+通常リプレイ、BB+転落リプレイ、BB+昇格リプレイ、BB+特殊リプレイ、BB+SPリプレイ、RB、RB+強スイカ、RB+弱チェリー、RB+強チェリー、RB+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR31、リプレイGR32、リプレイGR33、リプレイGR34、リプレイGR35、リプレイGR36が内部抽選の対象役となる。
リプレイGR31とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR32とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+転落リプレイであり、リプレイGR33とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR34とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+下段リプレイ+転落リプレイであり、リプレイGR35とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR36とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+下段リプレイ+転落リプレイである。
通常・RT3であるときには、BB、BB+弱スイカ、BB+強スイカ、BB+弱チェリー、BB+強チェリー、BB+中段チェリー、BB+1枚役、BB+通常リプレイ、BB+転落リプレイ、BB+昇格リプレイ、BB+特殊リプレイ、BB+SPリプレイ、RB、RB+強スイカ、RB+弱チェリー、RB+強チェリー、RB+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、リプレイGR31、リプレイGR32、リプレイGR33、リプレイGR34、リプレイGR35、リプレイGR36、SPリプレイが内部抽選の対象役となる。
通常・RT4であるときには、BB、BB+弱スイカ、BB+強スイカ、BB+弱チェリー、BB+強チェリー、BB+中段チェリー、BB+1枚役、BB+通常リプレイ、BB+転落リプレイ、BB+昇格リプレイ、BB+特殊リプレイ、BB+SPリプレイ、RB、RB+強スイカ、RB+弱チェリー、RB+強チェリー、RB+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
内部中1・RT0、内部中2・RT0であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、下段リプレイ、SPリプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイが内部抽選の対象役となる。
BB(RB)・RT0であるときには、弱チェリー、全役が内部抽選の対象役となり、RB・RT0であるときには、全役、RBベル1、RBベル2、RBベル3、弱チェリー、強チェリーが内部抽選の対象役となる。
全役とは、右上がりベベリ以外の全ての小役、すなわち中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりリベベである。
RBベル1とは、右上がりベル+右上がりリベベであり、RBベル2とは、右上がりベル+右上がりリベベ+右上がりベリリであり、RBベル3とは、全ての小役、すなわち中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりベベリ+右上がりリベベである。
また、通常・RT0〜4などにおいて、BBまたはRBのいずれかと同時当選し得る弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイの判定値数は、内部中1・RT0、内部中2・RT0においては、各々、特別役と別個に読み出される、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイに加算されているため、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイ各々の当選確率が一定となるように担保されている。
このように、遊技状態が通常遊技状態であるか、内部中1、2であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象役が異なるとともに、BB(RB)やRBでは、小役の当選確率が通常遊技状態および内部中よりも高く定められた抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が内部中1、2である場合には、内部中1であるか、内部中2であるか、によって内部抽選の対象役は変わらないが、内部中1であるか、内部中2であるか、によって対象となる再遊技役の当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が通常遊技状態である場合には、RT0〜4のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜4のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役およびその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
詳しくは後述するように、本実施の形態では、複数種類の小役(ベル)や複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、当選した小役や再遊技役の種類およびストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順に応じて定められた小役の図柄組み合わせや再遊技役の図柄組み合わせを入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。そこで、図17〜図19を用いて同時に当選する小役や再遊技役の種類について具体的に説明するが、図17は、同時に当選する小役や再遊技役の一覧を示す。また、図18は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を示し、図19は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を示す。
図18に示すように、例えば、リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。そして、図中に示すように、リプレイGR2〜6、リプレイGR11〜16、リプレイGR21〜25、リプレイGR31〜36についても同様に制御する。
図19に示すように、例えば、左ベル1(右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル5、上段ベル8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。そして、左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4についても同様の制御を行う。
また、特に図示しないが、ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順および操作のタイミングに関わらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うように制御される。
また、全役(中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりリベベ)が当選した場合には、リールの停止順および操作のタイミングに関わらず、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右上がりに揃うように制御される。
[ゲームの流れ]
図16に示すように、本実施の形態では、通常遊技状態、内部中1、内部中2、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態においては、RT0〜4のいずれかに制御される。
前述のように、メイン制御部41のRAM41cには、遊技状態を特定可能な遊技状態フラグが格納される領域と、RTの種類を特定可能なRTフラグが格納される領域と、が割り当てられている。
一方、本実施の形態では、対象役の判定値数が定められた抽選テーブルとして、内部中1用の抽選テーブル、内部中2用の抽選テーブル、RB用の抽選テーブル、BB(RB)用の抽選テーブル、通常遊技状態用の抽選テーブルをそれぞれ有しており、さらに通常遊技状態用の抽選テーブルとして、RT0用の抽選テーブル、RT1用の抽選テーブル、RT2用の抽選テーブル、RT3用の抽選テーブル、RT4用の抽選テーブルをそれぞれ有している。
そして、内部抽選処理においてメイン制御部41のRAM41cに格納されている遊技状態フラグの値およびRTフラグの値を参照して遊技状態およびRTの種類を特定し、それに応じて抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて抽選を行うことにより、遊技状態およびRTの種類に応じた抽選対象役について、遊技状態およびRTの種類に応じた当選確率にて抽選が行われるようになっている。
詳しくは、メイン制御部41のRAM41cに格納されている遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態がBB(RB)中か否か、RB中か否か、内部中1か否か、内部中2か否か、を判定し、現在の遊技状態がBB(RB)中であれば、BB(RB)中における内部抽選の対象役およびその判定値数が格納されたBB(RB)用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、RB中であれば、RB中における内部抽選の対象役およびその判定値数が格納されたRB用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、内部中1であれば、内部中1における内部抽選の対象役およびその判定値数が格納された内部中1用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、内部中2であれば、内部中2における内部抽選の対象役およびその判定値数が格納された内部中2用の抽選テーブルを選択して抽選を行う一方で、現在の遊技状態がBB(RB)中でもなく、RB中でもなく、内部中1、2でもない場合、すなわち通常遊技状態であれば、さらにRAM41cに格納されているRTフラグの値を参照し、その値から特定されるRTの種類に応じて内部抽選の対象役およびその判定値数が格納された通常用の抽選テーブルを選択して抽選を行うことで、各遊技状態およびRTの種類に応じた対象役の抽選が、各遊技状態およびRTの種類に応じた当選確率にて行われることとなる。
通常・RT0は、通常・RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)、通常・RT1、通常・RT2が規定ゲーム数の消化により終了したときに移行する。そして、通常・RT0は、通常・RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止により通常・RT1に移行するか、特殊リプレイの入賞により通常・RT2に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT1は、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4において移行出目が停止するか、通常・RT0において転落リプレイするか、通常・RT2において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、通常・RT1は、1ゲーム毎に、RT残りゲーム数が減算されるようになっており、規定ゲーム数(本実施の形態では1000G)消化してRT残りゲーム数が0となることで通常・RT0に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT2は、通常・RT0または通常・RT3において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、通常・RT2は、1ゲーム毎に、RT残りゲーム数が減算されるようになっており、規定ゲーム数(本実施の形態では30G)消化してRT残りゲーム数が0となることで通常・RT0に移行するか、SPリプレイが入賞して通常・RT3に移行するか、移行出目が停止して通常・RT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT3は、通常・RT2においてSPリプレイが入賞したときに移行する。そして、通常・RT3は、通常・RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、特殊リプレイが入賞して通常・RT2に移行するか、移行出目が停止して通常・RT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT4は、BB(RB)、RBの終了時に移行する。そして、通常・RT4は、通常・RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目が停止してRT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
内部中1は、通常遊技状態において特別役のうちBBが当選したときに移行する。そして、内部中1は、内部中に移行してからのゲーム数に関わらず、内部中1に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。
内部中2は、通常遊技状態において特別役のうちRBが当選したときに移行する。そして、内部中2は、内部中に移行してからのゲーム数に関わらず、内部中2に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。
RBは、内部中1、2においてRBが入賞したときに移行する。そして、RBは、12ゲーム消化するか、6回入賞することで終了する。
BB(RB)は、内部中においてBBが入賞したときに移行する。そして、BB(RB)は、BB(RB)に移行してからのゲーム数に関わらず、BB(RB)に払い出されたメダルの総数が規定数を超えることで終了する。
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、サブ制御部91により、ナビ対象役に当選したときに、ナビ対象役を入賞させるための押し順を特定可能な情報を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
ここで本実施の形態の遊技状態およびRTの移行状況について説明すると、図16に示すように、RBまたはBB(RB)が終了すると、通常・RT4に移行する。
通常・RT4では、移行出目が停止することで、RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT4において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、RBまたはBB(RB)の終了後に移行した通常・RT4において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、通常・RT1に移行することとなる。
通常・RT1では、特別役も当選せず、昇格リプレイも入賞せずに規定ゲーム数(1000G)消化するか、昇格リプレイが入賞することで通常・RT0に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、通常・RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することで通常・RT0へ移行することとなる。
通常・RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することで通常・RT1に移行し、特殊リプレイが入賞することで通常・RT2へ移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT0においてリプレイGR11〜16が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞し、不正解であると転落リプレイが入賞する。また、通常・RT0においてリプレイGR21〜25が当選し、停止順が正解することで特殊リプレイが入賞し、不正解であると転落リプレイが入賞する。また、通常・RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT0では、リプレイGR21〜25が当選し、停止順が正解することで通常・RT2へ移行し、リプレイGR11〜16が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
通常・RT2では、特別役も当選せず、SPリプレイも入賞せずに規定ゲーム数(30G)消化することで通常・RT0に移行し、SPリプレイが入賞することで通常・RT3に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT2においてリプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することでSPリプレイが入賞する。また、通常・RT2において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT2では、リプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することで通常・RT3へ移行し、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
通常・RT3では、特殊リプレイが入賞することでRT2に移行し、移行出目が停止することで通常・RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT3においてリプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することでSPリプレイまたは通常リプレイが入賞し、不正解であると特殊リプレイが入賞する。また、通常・RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT3では、リプレイGR31〜36が当選し、停止順が不正解となることで通常・RT2へ移行し、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
内部中1、2では、当該内部中へ移行する契機となった特別役が入賞することでRBまたはBB(RB)に移行する。
[サブ制御部の演出制御について]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、当選番号コマンドを受信した際に、当選番号コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、当選番号コマンドを受信した際に、当選番号コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても当選番号コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[起動処理(サブ)]
まず、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する起動処理(サブ)の制御内容を図18に基づいて説明する。
図18に示すように、サブ制御部91は、リセット回路95からシステムリセット信号が入力されると起動処理(サブ)を行う。
まず、サブ制御部91は、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sn1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sn2)。次いで、図5および図6の起動処理(メイン)のSa12〜Sa16で生成された電断復帰コマンド1、電断復帰コマンド2、電断復帰コマンド3、電断復帰コマンド4、ホットスタートコマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn3)。これらのコマンドを受信していない場合には、図5および図6の起動処理(メイン)のSa16で生成された設定変更開始コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn4)。設定変更開始コマンドを受信した場合には、設定変更開始コマンドを受信したことを示す設定変更開始コマンドフラグをRAM91cの所定領域に格納する(Sn5)。
電断復帰コマンド1、電断復帰コマンド2、電断復帰コマンド3、電断復帰コマンド4、ホットスタートコマンドを受信した場合および設定変更開始コマンドを受信した場合には、RAM91cにバックアップデータがあるか否かが判定される。RAM91cにバックアップデータがあるか否かは、例えば、後述する電断処理においてRAM91cに設定されるバックアップフラグがあるか否かによって確認される(Sn6)。Sn6のステップにおいてバックアップフラグが設定されていなければRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。他方、Sn6において、バックアップフラグが設定されていることが判定された場合には、RAMのデータは正常であるので、バックアップフラグがクリアされる(Sn7)。
Sn7のステップにおいてバックアップフラグがクリアされた場合には、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算する(Sn8)。Sn9のステップでは、Sn8のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。Sn9のステップにおいてRAMパリティが0でなければRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。
Sn9のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されているか否かが判定される(Sn10)。
設定変更開始コマンド受信フラグがRAM91cに格納されている場合には、RAM91cの初期化を実行する(Sn13)。設定変更開始コマンド受信フラグがRAM91cに格納されていない場合には、バックアップされたデータに基づいて復帰処理が実行される(Sn11)。そして、図35において説明するサブ制御部91が一定間隔(1.12msの間隔)で実行するタイマ割込処理(サブ)の割込を許可し、タイマ割込に応じてタイマ割込処理を実行する。また、ステップSn4において、設定変更開始コマンドを受信していないことが判定された場合には、図5の起動処理(メイン)のSa22で生成されたエラー開始コマンドをメイン制御部41から受信したか否かが判定される(Sn14)。エラー開始コマンドを受信していることが判定された場合には、Sn15のステップに移行してRAM91cの初期化を実行し、エラー処理が行われる(Sn16)。エラー処理では、エラー報知がなされ、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどしてエラー状態が解除されると、エラー報知が終了して元の状態に復帰する。エラー開始コマンドを受信していないことが判定された場合、すなわち、設定変更開始コマンドおよび復帰コマンドおよびエラー開始コマンドを受信していない場合にはRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。そして、図19において説明するサブ制御部91が一定間隔(1.12msの間隔)で実行するタイマ割込処理(サブ)の割込を許可し、タイマ割込に応じてタイマ割込処理を実行する。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部91(CPU91c)が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図19に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、図20で示す起動処理(サブ)のSn6の判定で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、図32で示す起動処理(サブ)のSn9の判定で用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sp4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
次いで、AT(アシストタイム)の制御など、ATに関連する処理を行うAT制御処理を実行する(Sp6)。具体的には、サブ制御部91は、AT抽選条件が成立(内部抽選の抽選対象役である弱チェリーまたは強チェリーに当選すること)したときにAT抽選を実行する。AT抽選ではATに制御するか否かが決定される。サブ制御部91は、AT抽選に当選した場合にATに制御する処理を実行する。ATは、後述するART(アシストリプレイタイム)で50ゲームが消化されたときに終了する。また、図8のフリーズ関連処理における上乗せ抽選(Sc9)に当選したときは、メイン制御部41からの上乗せ抽選当選コマンドを受けてゲーム数の上乗せ抽選を実行する。そして、上乗せ抽選で決定したゲーム数をATのゲーム数に上乗せする。AT制御処理では、具体的には以下のような処理を実行する。
サブ制御部91は、AT抽選に当選したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定する。そして、ATである旨を示すATフラグがセットされている状態であるときにATに制御可能となる。
サブ制御部91は、AT抽選に当選したときにATフラグをセットし、通常・RT1〜4であるときにAT制御処理(図示せず)を実行することにより、ATへ制御する。
具体的には、サブ制御部91は、通常・RT4や通常・RT1において、ATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。通常・RT4から通常・RT1に移行するまでの期間および通常・RT1から通常・RT0に移行するまでの期間においては、ATでのゲーム数をカウントすることなくATに制御し、ナビ演出を実行可能にする。
ATに制御されているときであって、通常・RT1から通常・RT0に制御されるときにはART(アシストリプレイタイム)への開始条件が成立する。そして、所定ゲーム数(本実施の形態では、50ゲーム)の間、再遊技役の当選確率が高い通常・RT0,RT2,RT3でのAT(すなわち、ART)に制御する。サブ制御部91は、ARTであるときに残りゲーム数が0となったときにはATフラグをクリアして非ATに制御する。
非ATに制御されたときにはナビ演出が実行されない。これにより、通常・RT0または通常・RT2または通常・RT3であるときには、移行出目が揃う可能性が高まり、通常・RT1に制御される可能性が高まる。
AT制御処理において、サブ制御部91は、ATフラグからATである旨が特定されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常・RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、通常・RT0であるときにはリプレイGR11〜16、リプレイGR21〜25であり、通常・RT2または通常・RT3であるときにはリプレイGR31〜36である。また、通常・RT0〜3では、押し順ベルが共通のナビ対象役である。
リプレイGR1〜6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順が報知される。例えば、リプレイGR1に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR2に当選したときのナビ演出としては、「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR3に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR4に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR5に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR6に当選したときのナビ演出としては、「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
リプレイGR11〜16に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順が報知される。例えば、リプレイGR11に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR12に当選したときのナビ演出としては、「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR13に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR14に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR15に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR16に当選したときのナビ演出としては、「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
リプレイGR21〜25に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための押し順が報知される。例えば、リプレイGR21に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR22に当選したときのナビ演出としては、「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR23に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR24に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR25に当選したときのナビ演出としては、「右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
リプレイGR31〜36に当選したときのナビ演出(ただしRT3は除く)としては、当選状況に応じてSPリプレイを入賞させるための押し順が報知される。例えば、リプレイGR31に当選したときのナビ演出としては、「左中右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR32に当選したときのナビ演出としては、「左右中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR33に当選したときのナビ演出としては、「中左右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR34に当選したときのナビ演出としては、「中右左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR35に当選したときのナビ演出としては、「右左中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプレイGR36に当選したときのナビ演出としては、「右中左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための押し順が報知される。例えば、左ベルに当選したときには、左リールを第1停止リールとして停止させることにより右下がりベルを確実に入賞させることができるため、左リールを第1停止リールとして停止させるための「左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベルに当選したときには、中リールを第1停止リールとして停止させることにより中段ベルを確実に入賞させることができるため、中リールを第1停止リールとして停止させるための「中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、右ベルに当選したときには、右リールを第1停止リールとして停止させることにより中段ベルを確実に入賞させることができるため、右リールを第1停止リールとして停止させるための「右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、SPリプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイ入賞回避させることができる。
[第1実施形態の具体例]
次に、第1実施形態の具体例について説明する。
図22(a)に示すように、フリーズ対象役に当選したゲームが終了したときに、左リール2Lでは図柄番号11〜13、中リール2Cでは図柄番号17〜19、右リール2Rでは図柄番号1〜3の図柄が停止しているとする。この状態で、賭数を設定してスタートスイッチ7を操作し、フリーズ状態に制御されるとする。フリーズ状態ではリール演出が実行される。
図22(b)に示すように、左リール2Lが順回転方向に回転すると6コマの移動で「黒7」が入賞ラインLN上に停止するのに対し、左リール2Lが逆回転方向に回転すると15コマの移動で「黒7」が入賞ラインLN上に停止する。よって、左リール2Lでは、リール演出が実行されたときに「黒7」が入賞ラインLN上に停止するまでの移動コマ数が最小となるようにリールが順回転方向に回転する(図8のSc8参照)。また、中リール2Cでは「黒7」が入賞ラインLN上に停止しているので、リール演出が実行されても中リール2Cは回転しない(図8のSc8参照)。また、右リール2Rが順回転方向に回転すると16コマの移動で「黒7」が入賞ラインLN上に停止するのに対し、右リール2Rが逆回転方向に回転すると5コマの移動で「黒7」が入賞ラインLN上に停止する。よって、右リール2Rでは、リール演出が実行されたときに「黒7」が入賞ラインLN上に停止するまでの移動コマ数が最小となるようにリールが逆回転方向に回転する(図8のSc8参照)。
図22(c)に示すように、上乗せ抽選に当選すると入賞ラインLN上に「黒7」が揃う(図8のSc11参照)。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態のフリーズ関連処理(図8、図9参照)と異なる態様のフリーズ関連処理を実行する。そして、フリーズ関連処理以外の部分については第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と同様の部分については詳しい説明を省略する。
[フリーズ関連処理]
以下に、第2実施形態におけるフリーズ関連処理について説明する。
図23および図24に示すように、メイン制御部41は、図7のSd6の演出状態制御判定処理の判定結果にもとづいて、AT中か否かを判定する(Se1)。AT中でない場合(Se1でN)には処理を終了する。
AT中の場合(Se1でY)には、フリーズ状態に制御することを示すフリーズ実行フラグがセットされているか否かを判定する(Se2)。フリーズ実行フラグがセットされていない場合(Se2でN)には、遅延条件の成立となるフリーズ対象役に当選したか否かを判定する(Se15)。フリーズ対象役に当選していない場合(Se15でN)には処理を終了する。フリーズ対象役に当選した場合(Se15でY)にはフリーズ実行フラグをRAM41cにセットして処理を終了する(Se16)。
一方、Se2でフリーズ実行フラグがセットされていると判定した場合(Se2でY)にはフリーズ状態に制御する(Se3)。次いで、前回のゲーム(すなわち通常遊技)の終了時に停止した図柄の種類を識別する(Se4)。このとき、同一図柄であってもコマ番号が異なる場合には異なる図柄として識別する。すなわち、入賞ラインLN上に停止している図柄のコマ番号を識別することになる。
次いで、入賞ラインLN上にいずれかのリールの「黒7」が停止しているか否かを判定する(Se5)。入賞ラインLN上に「黒7」が停止している場合(Se5でY)には、「黒7」以外の図柄が停止しているリールについて、入賞ラインLN上に「黒7」を仮停止させるために要する図柄の最大移動コマ数を算出する(Se6)。具体的には、ROM41bに格納されている図柄テーブルを参照し、入賞ラインLN上に停止している図柄に割り当てられたコマ番号と「黒7」に割り当てられたコマ番号との差をリールの順回転方向(図3において上から下に向かう方向)および逆回転方向(図3において下から上に向かう方向)の各々について算出し、算出した差を比較する。そして、比較した差が小さいほうを最大移動コマ数とする。次いで、最大移動コマ数となる回転方向をリールの回転方向に決定し(Se7)、決定した回転方向をRAM41cに記憶する。このとき、「黒7」以外の図柄が停止しているリールが複数あるときにはそれぞれのリールについて回転方向を決定する。よって、リールごとに回転方向が異なることがある。次いで、「黒7」が停止しているリール以外のリールをSe7で決定した回転方向に回転させることによって、リール演出を実行する(Se8)。
また、入賞ラインLN上に「黒7」が停止していない場合(Se5でN)には全リールについて、入賞ラインLN上に「黒7」を仮停止させるために要する図柄の最大移動コマ数を算出する(Se17)。次いで、最大移動コマ数となる回転方向をリールの回転方向に決定し(Se18)、決定した回転方向をRAM41cに記憶する。このとき、全リールのそれぞれについて回転方向を決定する。よって、リールごとに回転方向が異なることがある。次いで、決定した回転方向に全リールを回転させることによって、リール演出を実行する(Se19)。
リール演出の実行に併せて上乗せ抽選を実行する(Se9)。次いで、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する(Se10)。上乗せ抽選に当選した場合(Se10でY)には、上乗せ抽選当選コマンドをサブ制御部91に送信し、特定図柄組み合わせ(黒7揃い)が入賞ラインLN上に停止するようにリールを停止させる(Se11)。図柄が仮停止した状態ではリールは完全に停止せず、図柄が入賞ラインLN上に停止していることを認識できる範囲でリールが微動する。
一方、上乗せ抽選に当選しなかった場合(Se10でN)には、特定図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせを入賞ラインLN上に停止させる(Se20)。
図柄を仮停止させたときには、メイン制御部41はサブ制御部91に仮停止コマンドを送信する。次いで、スタートスイッチ7が操作されたか否かを判定する(Se12)。スタートスイッチ7が操作されていない場合(Se12でN)には判定を繰り返す。スタートスイッチ7が操作された場合(Se12でY)にはフリーズ状態の制御を終了し(Se13)、フリーズ実行フラグをクリアして処理を終了する(Se14)。このとき、メイン制御部41はサブ制御部91にフリーズ終了コマンドを送信する。
[第2実施形態の具体例]
次に、第2実施形態の具体例について説明する。
図25(a)に示すように、フリーズ対象役に当選したゲームが終了したときに、左リール2Lでは図柄番号11〜13、中リール2Cでは図柄番号17〜19、右リール2Rでは図柄番号1〜3の図柄が停止しているとする。この状態で、賭数を設定してスタートスイッチ7を操作し、フリーズ状態に制御される。フリーズ状態ではリール演出が実行される。
図25(b)に示すように、左リール2Lが順回転方向に回転すると6コマの移動で「黒7」が入賞ラインLN上に停止するのに対し、左リール2Lが逆回転方向に回転すると15コマの移動で「黒7」が入賞ラインLN上に停止する。よって、左リール2Lでは、リール演出が実行されたときに「黒7」が入賞ラインLN上に停止するまでの移動コマ数が最大となるようにリールが逆回転方向に回転する(図23のSe8参照)。また、中リール2Cでは「黒7」が入賞ラインLN上に停止しているので、リール演出が実行されても中リール2Cは回転しない(図23のSe8参照)。また、右リール2Rが順回転方向に回転すると16コマの移動で「黒7」が入賞ラインLN上に停止するのに対し、右リール2Rが逆回転方向に回転すると5コマの移動で「黒7」が入賞ラインLN上に停止する。よって、右リール2Rでは、リール演出が実行されたときに「黒7」が入賞ラインLN上に停止するまでの移動コマ数が最大となるようにリールが順回転方向に回転する(図23のSe8参照)。
図25(c)に示すように、上乗せ抽選に当選すると入賞ラインLN上に「黒7」が揃う(図23のSe11参照)。
[変形例1]
次に、図26〜図33を用いて上記実施形態の変形例1について説明する。変形例1は遊技制御基板40の構成が上記実施形態と異なる。そして、変形例1の遊技制御基板40を用いてリールの駆動制御及び停止制御を行い、リール演出において図柄の移動コマ数が最小なる方向にリールを回転させる、あるいは、リール演出において図柄の移動コマ数が最大となる方向にリールを回転させることによって、上記実施形態に変形例1を適用することができる。
また、本変形例では、メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに後述するフリーズ状態に制御する場合に、フリーズ状態中に擬似遊技を行うことが可能である。
以下では、表示結果に応じてメダルや再遊技の付与、遊技状態の移行を伴う通常の遊技を通常遊技と呼び、通常遊技においてフリーズ状態に制御され、遊技の進行が遅延している状態で行われる遊技であり、表示結果に応じてメダルや再遊技の付与、遊技状態の移行を伴わない特殊な遊技を擬似遊技と呼ぶ。
擬似遊技では、全リールを回転開始させた後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rなどの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となり、当該操作に応じてリールを停止させる制御を行う。スタートスイッチ7が操作されて擬似遊技を開始するときには、通常遊技と異なり、前のゲームにおけるリールの回転開始から規定時間が経過していない場合でも、リール回転制御を開始させるとともに、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作に応じてリール停止制御を行うことが可能となる。擬似遊技が行われるフリーズ状態は、擬似遊技が終了した後において、擬似遊技にて停止した結果が第1の結果(中段リプレイ、右上がりリプレイの入賞態様)であれば、フリーズ解除のための条件であるスタートスイッチ7の操作が受け付けられることにより解除される。また、擬似遊技にて停止した結果が第2の結果(ベルリプレイ、中段チェリー、強チェリー、弱チェリー、中段ベル、ハズレ)であれば、フリーズ解除のための第1条件であるBET操作(MAXBETスイッチ6の操作など)が受け付けられ、かつ、フリーズ解除のための第2条件であるスタートスイッチ7の操作が受け付けられることにより解除される。フリーズ状態が解除された後においては、通常遊技を開始するために、再び全リールを回転開始させた後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与する操作として受付可能となる。よって、フリーズ状態が開始されてから終了するまでは、通常遊技の開始タイミングや、ゲームを進行させるためのリールの停止操作が有効化されるタイミングを遅延させることで、ゲームの進行が遅延される。
また、擬似遊技においてリールを停止させる場合には、通常遊技においてリールを停止させる場合と異なり、完全にリールを停止させることなく、目標の停止位置を導出させた後、リールを上下に振動させる制御を行うようになっている。詳しくは、メイン制御部41が、通常遊技においてリールを停止させる場合には、所定時間(例えば、500ms)以上にわたりリールモータ32L、32C、32Rの励磁状態を変化させないことによりリールを完全に停止させるのに対して、擬似遊技に伴いリールを停止させる場合には、所定時間が経過する前にリールモータ32L、32C、32Rの励磁状態を変化させることによりリールを完全に停止させないようになっており、リール停止時に、擬似遊技に伴ってリールが停止したのか、通常遊技に伴ってリールが停止したのか、を区別できるようになっている。
以下に、変形例1においてリールの駆動制御を行う回路群の構成について図26〜図33に基づいて説明する。
図26に示すように、遊技制御基板40には、前述したメイン制御部41、制御用クロック生成回路42、制御ロジック回路45a、モータ駆動回路45b、及びリールモータの制御パターンが記憶されたROM45cが設けられている。また、遊技制御基板40には、前述のようにリールユニット2に設けられたリールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rが接続されている。
メイン制御部41は、制御ロジック回路45aと双方向に通信可能に接続されており、制御ロジック回路45aに対してコマンドを送信可能であるとともに、制御ロジック回路45aからのコマンドを受信可能となっている。また、メイン制御部41には、各リールセンサ33L、33C、33Rの出力ラインが発光ダイオード41d、41e、41fとスイッチ検出回路44とを介してそれぞれ接続されている。このように、各リールセンサ33L、33C、33Rの出力ラインが発光ダイオード41d、41e、41fを介してそれぞれ接続されることで、各リールセンサから入力信号がある場合に各発光ダイオードが点灯するので、各リールセンサからメイン制御部41への信号の入力状況を目視にて確認できるようになっている。
制御ロジック回路45aは、ROM45cが接続されており、このROM45cに記憶されているリールモータの制御パターンを読出可能となっている。また、制御ロジック回路45aには、メイン制御部41に接続されている各リールセンサ33L、33C、33Rの出力ラインが遊技制御基板40上で分岐され、発光ダイオード45d、45e、45fと検出回路(図示略)とを介してそれぞれ接続されている。このように、各リールセンサ33L、33C、33Rの出力ラインが発光ダイオード45d、45e、45fを介してそれぞれ接続されることで、各リールセンサから入力信号がある場合に各発光ダイオードが点灯するので、各リールセンサから制御ロジック回路45aへの信号の入力状況を目視にて確認できるようになっている。
また、制御ロジック回路45aには、モータ駆動回路45bが接続されており、リールモータ32L、32C、32Rの制御信号がモータ駆動回路45bに対して出力される。
また、メイン制御部41及び制御ロジック回路45aには、制御用クロック生成回路42が接続されており、制御用クロック生成回路42が生成する制御用クロックCCLKが供給されるようになっている。これにより、メイン制御部41及び制御ロジック回路45aは、共通の制御用クロックCCLKに基づいて同期して作動するようになっている。
モータ駆動回路45bは、左リールモータ32Lを駆動させる左モータ駆動回路45bL、中リールモータ32Cを駆動させる中モータ駆動回路45bC、右リールモータ32Rを駆動させる右モータ駆動回路45bRを含んで構成されている。制御ロジック回路45aから出力されたリールモータ32L、32C、32Rの制御信号は、各モータ駆動回路45bL、45bC、45bRにてリールモータを駆動するための位相信号に変換され、各リールモータ32L、32C、32Rに対して出力される。
ここで、リールモータの構成及びリールモータを駆動するための位相信号について図27〜図32に基づいて説明する。
図27は、本変形例のスロットマシン1が搭載するリールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。尚、ロータ32aは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。
制御ロジック回路45aは、後述するように、各リールモータ32L、32C、32Rについて各励磁相φ1〜φ4の励磁状態を更新する制御を行い、それに応じてモータ駆動回路45bL、45bC、45bRから位相信号が出力されるようになっており、リールモータ32L、32C、32Rは、この位相信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ=約1.07(360/336)度)ずつロータ32aを回転させる。
図28は、通常回転制御におけるリール加速時のタイミングチャートである。
1ステップは、一の励磁パターンが適用される単位であり、定速回転時においては、1ステップ毎に前述した所定の角度(約1.07(360/336)度)ずつロータ32aが回転することとなり、本変形例のステッピングモータでは、前述のように336ステップの周期でリールが1周するようになっており、リールには21の図柄が配置されていることから、16ステップ毎に1図柄移動することとなる。励磁パターンの更新は、制御ロジック回路45aにより行われるようになっており、カウント数は、次回励磁パターンの更新が行われるまでの制御ロジック回路45aの制御周期数であり、(カウント数)×0.56ms(制御ロジック回路45aの制御周期数)が、当該ステップの励磁パターンが継続する励磁時間(ステップレート)となる。また、ステップ数は、対応する励磁時間が連続して適用される回数を示す。また、図中のφ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を各々示す。
制御ロジック回路45aは、図28に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、各励磁相φ1〜φ4が消磁された状態から後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する。詳しくは、最初のステップにて(φ1、φ4)を励磁状態とし、1ステップ毎に、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)…の順番で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁パターンを更新する。
また、徐々に定速回転のステップレート(2.24ms)に近づくように、各ステップのステップレートを短縮していく。この際、一律にステップレートを短縮するのではなく、長いステップレートと短いステップレートを織り交ぜて、徐々に短いステップレートを多くしていくことにより、リールをスムーズに加速させるようになっている。
定速状態に移行後は、1−2相励磁方式の励磁パターンを2.24msのステップレートにて更新することによりリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。詳しくは、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ1、φ4)、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)、(φ1、φ4)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4の励磁パターンを更新して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
通常停止制御を行う場合には、図29に示すように、停止条件の成立後、停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持し、ブレーキ開始位置に到達した際に、定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aを減速させ、次のステップ(4ステップ手前のステップ)で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始する。これによりロータ32aに急制動がかけられることで、オーバーシュート(脱調)した結果、停止位置でロータ32aが停止することとなる。
本変形例では、停止制御において全相励磁を行った後、5ステップ分オーバーシュートして滑るため、図29に示すように、回転方向に対して停止位置よりも6ステップ手前のステップでブレーキを開始し、停止位置よりも5ステップ手前で全相励磁を開始することとなる。
このように本変形例1では、位相信号の出力状態を変化させることで、各励磁相φ1〜φ4の励磁状態が変化し、これによりリールモータ32L、32C、32Rが駆動させるようになっており、これによりリールを回転及び停止させることができるようになっている。すなわち位相信号の出力状態が変化することでリールが動作する状態となり、位相信号の出力状態を変化させないことによりリールが停止した状態となる。
また、本変形例1では、各リールモータ32L、32C、32Rの位相信号をパターンで変化させることで、上記の通常回転制御、通常停止制御とは異なる変動態様となるように各リールモータ32L、32C、32Rを駆動することが可能である。
本変形例1では、各リールモータ32L、32C、32Rの位相信号を変化させるパターンとして、各励磁相φ1〜φ4を励磁する順番、各励磁相φ1〜φ4の励磁パターン(励磁状態または消磁状態)、ステップレート(励磁パターンの継続カウント数)等からなる制御パターンがROM45cに記憶されている。制御パターンは、上述のように通常回転制御にてリールを始動させる場合、リールを加速して定速回転に近づける場合、定速状態を継続させる場合、通常停止制御にてリールを停止位置でスムーズに停止させる場合等、リールの変動態様毎に定められており、リールの一の変動態様とリールモータの一の制御パターンとが対応するようにROM45cに記憶されている。
また、本変形例1においてROM45cには、通常回転制御、通常停止制御に対応する制御パターンに加えて、特殊な変動態様、すなわち特殊回転制御におけるリール逆回転、リール低速回転、特殊停止制御における上下振動、停止後図柄変換、微振動、バウンド、4コマ超スベリといった変動態様に対応する制御パターンも記憶されている。
リール逆回転の制御パターンは、上述のリールモータ32L、32C、32Rの始動時において、各励磁相φ1〜φ4が消磁された状態から後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する制御パターンを逆方向の順番で行うパターンとなっている。詳しくは、最初のステップにて(φ1、φ4)を励磁状態とし、1ステップ毎に、(φ1)、(φ1、φ2)、(φ2)、(φ2、φ3)、(φ3)、(φ3、φ4)、(φ4)…の順番で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁パターンを更新するパターンである。
リール低速回転の制御パターンは、ステップの励磁パターンを継続させる励磁時間(ステップレート)の間隔が通常回転時よりも長く設定されたパターンである。本変形例では、通常速度(80rpm)よりも回転速度が遅い低速(40rpm)として、通常回転時よりもやや励磁時間間隔が長く設定された制御パターンと、低速よりもさらに回転速度が遅い超低速(22rpm)として、低速の制御パターンよりも励磁時間間隔がさらに長く設定された制御パターンがROM45cに記憶されている。
上下振動の制御パターンは、上述のようにリールを停止位置で停止させる制御パターンの後に、リールを正回転と逆回転とに所定回数交互に繰り返す励磁パターンが設定されているパターンである。リールが停止位置で停止された後に、逆回転と正回転が交互に繰り返されることで、リールが停止位置を中心として上下に振動するようになっている。
停止後図柄変換の制御パターンは、上述のようにリールを停止位置で停止させる制御パターンにより停止位置で一旦停止させた後に、さらに逆回転に再始動させ、さらに異なる停止位置で停止させる制御パターンにより停止位置でリールを停止させる励磁パターンが設定されたパターンである。
微振動の制御パターンは、上述のようにリールを停止位置で停止させた後に、(φ1、φ4)、(φ2、φ3)を一定間隔毎に繰り返し切り替える励磁パターンが設定されたパターンである。
バウンドの制御パターンでは、定速回転時のステップレート(2.24ms)で、ブレーキをかけてロータ32aを減速させることなく、目標停止位置で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始して、ロータ32aに急制動をかけて停止させる制御パターンである。
4コマ超スベリの制御パターンは、通常停止制御と同様のパターンであるが、通常停止制御では、停止条件が成立してから4コマ(190ms)の範囲でリールを停止させるのに対して、当該パターンでは、停止条件が成立してから4コマを超えてリールを停止させる制御パターンである。
次いで、メイン制御部41から制御ロジック回路45aに対して送信されるコマンドを図30〜32に基づき説明する。また、制御ロジック回路45aからメイン制御部41に対して送信されるコマンドを図33に基づき説明する。
図30に示すように、メイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転開始に関するコマンドとして、第1正転開始(通常)コマンド、第2正転開始(通常)コマンド、第3正転開始(通常)コマンド、第1正転開始(低速)コマンド、第2正転開始(低速)コマンド、第3正転開始(低速)コマンド、第1正転開始(超低速)コマンド、第2正転開始(超低速)コマンド、第3正転開始(超低速)コマンド、第1逆転開始(通常)コマンド、第2逆転開始(通常)コマンド、第3逆転開始(通常)コマンド、第1逆転開始(低速)コマンド、第2逆転開始(低速)コマンド、第3逆転開始(低速)コマンド、第1逆転開始(超低速)コマンド、第2逆転開始(超低速)コマンド、第3逆転開始(超低速)コマンドを、制御ロジック回路45aに対して送信可能である。
第1正転開始(通常)コマンドは、左リール2Lの回転開始を指示するコマンドであり、左リール2Lを正方向に回転を開始させて、回転速度を通常速度である80rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第2正転開始(通常)コマンドは、中リール2Cの回転開始を指示するコマンドであり、中リール2Cを正方向に回転を開始させて、回転速度を通常速度である80rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第3正転開始(通常)コマンドは、右リール2Rの回転開始を指示するコマンドであり、右リール2Rを正方向に回転を開始させて、回転速度を通常速度である80rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。
第1正転開始(低速)コマンドは、左リール2Lの回転開始を指示するコマンドであり、左リール2Lを正方向に回転を開始させて、回転速度を低速である40rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第2正転開始(低速)コマンドは、中リール2Cの回転開始を指示するコマンドであり、中リール2Cを正方向に回転を開始させて、回転速度を低速である40rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第3正転開始(低速)コマンドは、右リール2Rの回転開始を指示するコマンドであり、右リール2Rを正方向に回転を開始させて、回転速度を低速である40rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。
第1正転開始(超低速)コマンドは、左リール2Lの回転開始を指示するコマンドであり、左リール2Lを正方向に回転を開始させて、回転速度を超低速である22rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第2正転開始(超低速)コマンドは、中リール2Cの回転開始を指示するコマンドであり、中リール2Cを正方向に回転を開始させて、回転速度を超低速である22rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第3正転開始(超低速)コマンドは、右リール2Rの回転開始を指示するコマンドであり、右リール2Rを正方向に回転を開始させて、回転速度を超低速である22rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。
第1逆転開始(通常)コマンドは、左リール2Lの回転開始を指示するコマンドであり、左リール2Lを逆方向に回転を開始させて、回転速度を通常速度である80rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第2逆転開始(通常)コマンドは、中リール2Cの回転開始を指示するコマンドであり、中リール2Cを逆方向に回転を開始させて、回転速度を通常速度である80rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第3逆転開始(通常)コマンドは、右リール2Rの回転開始を指示するコマンドであり、右リール2Rを逆方向に回転を開始させて、回転速度を通常速度である80rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。
第1逆転開始(低速)コマンドは、左リール2Lの回転開始を指示するコマンドであり、左リール2Lを逆方向に回転を開始させて、回転速度を低速である40rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第2逆転開始(低速)コマンドは、中リール2Cの回転開始を指示するコマンドであり、中リール2Cを逆方向に回転を開始させて、回転速度を低速である40rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第3逆転開始(低速)コマンドは、右リール2Rの回転開始を指示するコマンドであり、右リール2Rを逆方向に回転を開始させて、回転速度を低速である40rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。
第1逆転開始(超低速)コマンドは、左リール2Lの回転開始を指示するコマンドであり、左リール2Lを逆方向に回転を開始させて、回転速度を超低速である22rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第2逆転開始(超低速)コマンドは、中リール2Cの回転開始を指示するコマンドであり、中リール2Cを逆方向に回転を開始させて、回転速度を超低速である22rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。第3逆転開始(超低速)コマンドは、右リール2Rの回転開始を指示するコマンドであり、右リール2Rを逆方向に回転を開始させて、回転速度を超低速である22rpmまで加速させる旨を特定可能なコマンドである。
また、図31に示すように、メイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの増減速に関するコマンドとして、第1増速1コマンド、第2増速1コマンド、第3増速1コマンド、第1増速2コマンド、第2増速2コマンド、第3増速2コマンド、第1減速1コマンド、第2減速1コマンド、第3減速1コマンド、第1減速2コマンド、第2減速2コマンド、第3減速2コマンドを、制御ロジック回路45aに対して送信可能である。
第1増速1コマンドは、左リール2Lの回転数の増速を指示するコマンドであり、左リール2Lの回転数を超低速22rpmから通常速度80rpmまで増速させる旨を特定可能なコマンドである。第2増速1コマンドは、中リール2Cの回転数の増速を指示するコマンドであり、中リール2Cの回転数を超低速22rpmから通常速度80rpmまで増速させる旨を特定可能なコマンドである。第3増速1コマンドは、右リール2Rの回転数の増速を指示するコマンドであり、右リール2Rの回転数を超低速22rpmから通常速度80rpmまで増速させる旨を特定可能なコマンドである。
第1増速2コマンドは、左リール2Lの回転数の増速を指示するコマンドであり、左リール2Lの回転数を低速40rpmから通常速度80rpmまで増速させる旨を特定可能なコマンドである。第2増速2コマンドは、中リール2Cの回転数の増速を指示するコマンドであり、中リール2Cの回転数を低速40rpmから通常速度80rpmまで増速させる旨を特定可能なコマンドである。第3増速2コマンドは、右リール2Rの回転数の増速を指示するコマンドであり、右リール2Rの回転数を低速40rpmから通常速度80
rpmまで増速させる旨を特定可能なコマンドである。
第1減速1コマンドは、左リール2Lの回転数の減速を指示するコマンドであり、左リール2Lの回転数を通常速度80rpmから超低速22rpmまで減速させる旨を特定可能なコマンドである。第2減速1コマンドは、中リール2Cの回転数の減速を指示するコマンドであり、中リール2Cの回転数を通常速度80rpmから超低速22rpmまで減速させる旨を特定可能なコマンドである。第3減速1コマンドは、右リール2Rの回転数の減速を指示するコマンドであり、右リール2Rの回転数を通常速度80rpmから超低速22rpmまで減速させる旨を特定可能なコマンドである。
第1減速2コマンドは、左リール2Lの回転数の減速を指示するコマンドであり、左リール2Lの回転数を通常速度80rpmから低速40rpmまで減速させる旨を特定可能なコマンドである。第2減速2コマンドは、中リール2Cの回転数の減速を指示するコマンドであり、中リール2Cの回転数を通常速度80rpmから低速40rpmまで減速させる旨を特定可能なコマンドである。第3減速2コマンドは、右リール2Rの回転数の減速を指示するコマンドであり、右リール2Rの回転数を通常速度80rpmから低速40rpmまで減速させる旨を特定可能なコマンドである。
また、図32に示すように、メイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの停止に関するコマンドとして、第1停止指示コマンド、第2停止指示コマンド、第3停止指示コマンド、第1上下振動コマンド、第2上下振動コマンド、第3上下振動コマンド、第1微振動コマンド、第2微振動コマンド、第3微振動コマンド、第1図柄変換コマンド、第2図柄変換コマンド、第3図柄変換コマンド、第1バウンドコマンド、第2バウンドコマンド、第3バウンドコマンド、第1滑り無制限コマンド、第2滑り無制限コマンド、第3滑り無制限コマンドを、制御ロジック回路45aに対して送信可能である。
第1〜第3停止指示コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作されたタイミング及び内部抽選の結果に対応して上述の停止制御テーブルにより特定され、ストップスイッチの操作されたリールに停止させる停止位置を特定可能なコマンドである。
また、第1停止指示コマンドは、左リール2Lの停止を指示するコマンドであり、左リール2Lの停止基準位置(下段)に停止させる図柄の番号(停止図柄番号)を特定可能であり、停止図柄を引込範囲内で引込みスムーズに停止させる旨を示すコマンドである。第2停止指示コマンドは、中リール2Cの停止を指示するコマンドであり、中リール2Cの停止基準位置(下段)に停止させる図柄の番号(停止図柄番号)を特定可能であり、停止図柄を引込範囲内で引込みスムーズに停止させる旨を示すコマンドである。第3停止指示コマンドは、右リール2Rの停止を指示するコマンドであり、右リール2Rの停止基準位置(下段)に停止させる図柄の番号(停止図柄番号)を特定可能であり、停止図柄を引込範囲内で引込みスムーズに停止させる旨を示すコマンドである。
第1上下振動コマンドは、左リール2Lの停止を指示するコマンドであり、左リール2Lの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄をスムーズに停止させた後、左リール2Lを上下に振動させる旨を示すコマンドである。第2上下振動コマンドは、中リール2Cの停止を指示するコマンドであり、中リール2Cの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄をスムーズに停止させた後、中リール2Cを上下に振動させる旨を示すコマンドである。第3上下振動コマンドは、右リール2Rの停止を指示するコマンドであり、右リール2Rの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄をスムーズに停止させた後、右リール2Rを上下に振動させる旨を示すコマンドである。
第1微振動コマンドは、左リール2Lの停止を指示するコマンドであり、左リール2Lの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄をスムーズに停止させた後、左リール2Lを微振動させる旨を示すコマンドである。第2微振動コマンドは、中リール2Cの停止を指示するコマンドであり、中リール2Cの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄をスムーズに停止させた後、中リール2Cを微振動させる旨を示すコマンドである。第3微振動コマンドは、右リール2Rの停止を指示するコマンドであり、右リール2Rの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄をスムーズに停止させた後、右リール2Rを微振動させる旨を示すコマンドである。
第1図柄変換コマンドは、左リール2Lの停止を指示するコマンドであり、左リール2Lの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、左リール2Lに停止図柄の一コマ先の図柄を一旦停止させた後、再変動させたうえで停止図柄を停止させる旨を示すコマンドである。第2図柄変換コマンドは、中リール2Cの停止を指示するコマンドであり、中リール2Cの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、中リール2Cに停止図柄の一コマ先の図柄を一旦停止させた後、再変動させたうえで停止図柄を停止させる旨を示すコマンドである。第3図柄変換コマンドは、右リール2Rの停止を指示するコマンドであり、右リール2Rの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、右リール2Rに停止図柄の一コマ先の図柄を一旦停止させた後、再変動させたうえで停止図柄を停止させる旨を示すコマンドである。
第1バウンドコマンドは、左リール2Lの停止を指示するコマンドであり、左リール2Lの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、左リール2Lに急制動をかけて停止図柄で停止させる旨を示すコマンドである。第2バウンドコマンドは、中リール2Cの停止を指示するコマンドであり、中リール2Cの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、中リール2Cに急制動をかけて停止図柄で停止させる旨を示すコマンドである。第3バウンドコマンドは、右リール2Rの停止を指示するコマンドであり、右リール2Rの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、右リール2Rに急制動をかけて停止図柄で停止させる旨を示すコマンドである。
第1滑り無制限コマンドは、左リール2Lの停止を指示するコマンドであり、左リール2Lの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄を滑りコマ数を制限することなく引込みスムーズに停止させる旨を示すコマンドである。第2滑り無制限コマンドは、中リール2Cの停止を指示するコマンドであり、中リール2Cの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄を滑りコマ数を制限することなく引込みスムーズに停止させる旨を示すコマンドである。第3滑り無制限コマンドは、右リール2Rの停止を指示するコマンドであり、右リール2Rの停止基準位置(下段)に停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定可能であり、停止図柄を滑りコマ数を制限することなく引込みスムーズに停止させる旨を示すコマンドである。
メイン制御部41は、通常遊技または擬似遊技の開始時において、第1正転開始(通常)コマンド、第2正転開始(通常)コマンド、第3正転開始(通常)コマンドを制御ロジック回路45aに対して送信することで、通常回転制御にてリールを回転させる。
また、通常遊技においてストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、停止制御テーブルから停止位置を特定し、第1停止指示コマンド、第2停止指示コマンド、第3停止指示コマンドのうち停止操作の行われたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するコマンドを制御ロジック回路45aに対して送信することで、通常停止制御にて停止図柄を停止させる。
また、メイン制御部41は、擬似遊技またはフリーズ状態において、第1〜3正転開始(低速)、第1〜3正転開始(超低速)、第1〜3逆転開始(通常)、第1〜3逆転開始(低速)、第1〜3逆転開始(超低速)コマンド、第1〜3増速1コマンド、第1〜3増速2コマンド、第1〜3減速1コマンド、第1〜3減速2コマンドを制御ロジック回路45aに対して送信することで、特殊回転制御にてリールを変動させる。
また、擬似遊技またはフリーズ状態において、第1〜3上下振動コマンド、第1〜3微振動コマンド、第1〜3図柄変換コマンド、第1〜3バウンドコマンド、第1〜3滑り無制限コマンドのいずれかを、制御ロジック回路45aに対して送信することで、特殊停止制御にてリールを停止させる。
次に、上述のメイン制御部41から制御ロジック回路45aに対して送信されるコマンドに基づいて制御ロジック回路45aがモータ駆動回路45bの制御信号を出力する制御の流れについて図34及び図35を用いて説明する。
図34は、リールの回転開始に関するコマンド及びリールの増減速に関するコマンドに基づいて制御ロジック回路45aがモータ駆動回路45bに対して制御信号を出力する制御の流れを説明するための図である。
制御ロジック回路45aは、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されており、各リール2L、2C、2Rが初期位置となったときに各リールセンサ33L、33C、33Rから初期位置の通過を示すインデックス信号が入力される。
制御ロジック回路45aにおいて入力されたインデックス信号は、ステップ数カウンタ回路部451に入力される。ステップ数カウンタ回路部451には、各リールモータ32L、32C、32Rについて初期位置からのステップ数を計数するステップ数カウンタが設けられている。各ステップ数カウンタでは、対応するリールモータを1ステップ回転させる毎に1加算する一方で、対応するリールセンサからインデックス信号が入力されることで0にリセットするようになっている。これにより、ステップ数カウンタ回路部451は、各リールモータ32L、32C、32Rについて初期位置からのステップ数を0〜335の範囲で計数して、その計数値をステップ数信号として励磁開始相特定回路部453に対して出力する。
また、制御ロジック回路45aは、メイン制御部41から遊技の進行状態に応じて種々のコマンドを受信する。
制御ロジック回路45aにおいて受信されたコマンドは、コマンド解析回路部452に入力される。コマンド解析回路部452は、コマンドの内容を解析してその種類と変動態様、制御の対象となるリールモータを特定する。当該コマンドの種類がリールの回転開始に関するコマンド及びリールの増減速に関するコマンドである場合には、リールを回転開始させる旨を示す回転指示信号を励磁開始相特定回路部453に対して出力するとともに、特定した変動態様、すなわち正回転、逆回転のいずれであるか及び回転速度を示す回転態様信号を制御パターン特定回路部454に対して出力する。また、制御の対象となるリールモータを示す対象モータ信号を励磁開始相特定回路部453及び制御信号生成回路部455に対して出力する。
励磁開始相特定回路部453は、回転指示信号、対象モータ信号が入力されると、対象モータ信号に基づき制御の対象となるリールモータを特定し、ステップ数カウンタ回路部451から入力されているリールモータのステップ数信号に基づいて、受信したコマンドに対応する制御パターンで励磁を開始する励磁開始相を特定する。そして、特定された励磁開始相を示す励磁開始相信号を制御信号生成回路部455に対して出力する。
一方で、制御パターン特定回路部454は、回転態様信号が入力されると、回転態様信号に基づいて、受信したコマンドに対応する回転態様でリールモータを回転させる制御パターンを特定する。そして、特定された制御パターンを示す制御パターン信号を制御信号生成回路部455に対して出力する。
そして、制御信号生成回路部455は、制御パターン信号が入力されると、制御パターンを特定するとともに、ROM45cにアクセスして当該制御パターンに対応する励磁パターンを読み出し、読み出した励磁パターンのパルス信号を生成する。また、励磁開始相信号及び対象モータ信号が入力されると、制御対象のリールモータについて励磁開始相から順番に励磁されるように内部回路を切り替え、生成したパルス信号を制御信号として、制御対象のリールモータに対応するモータ駆動回路45bに出力する。すなわち、制御信号生成回路部455では、励磁開始相信号、対象モータ信号及び制御パターン信号が入力されることで、制御対象のリールモータに対して制御パターンに応じた制御信号を生成して、モータ駆動回路45bに対して出力するようになっている。
モータ駆動回路45bは、制御信号が入力されると、当該制御信号を位相信号に変換してリールモータに対して出力することで、制御パターンに応じた変動態様となるようにリールモータを駆動させる。
このように、制御ロジック回路45aでは、リールセンサ33L、33C、33Rからのインデックス信号と、メイン制御部41からの回転開始に関するコマンドまたは増減速に関するコマンドと、を受信すると、受信したコマンドに従ってモータ駆動回路45bL、45bC、45bRの制御信号を生成し、モータ駆動回路45bL、45bC、45bRに対して出力する。モータ駆動回路45bL、45bC、45bRは、例えば、図28に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの回転を開始させる位相信号を制御信号に応じて出力することで、制御ロジック回路45aからのコマンドに応じた変動態様でリールが変動するようにリールモータ32L、32C、32Rを駆動させる。
次いで、図35は、リールの停止に関するコマンドに基づいて、制御ロジック回路45aがモータ駆動回路45bに対して制御信号を出力する制御の流れを説明するための図である。
制御ロジック回路45aは、メイン制御部41からのコマンドを受信すると、上述のリールの回転開始に関するコマンド及びリールの増減速に関するコマンドを受信した場合と同様に、当該コマンドの内容を解析してその種類と変動態様、制御の対象となるリールモータを特定する。
そして、受信されたコマンドの種類がリールの停止に関するコマンドである場合には、コマンド解析回路部452は、リールに停止させる図柄(停止図柄)の番号を特定し、当該停止図柄の番号を示す停止図柄信号を励磁切替タイミング特定回路部456に対して出力するとともに、リールを停止させる際の停止態様、すなわち上下振動、停止図柄変換、微振動、バウンド、滑り無制限、または通常停止のいずれであるかを特定し、特定した停止態様を示す停止態様信号を制御パターン特定回路部454に対して出力する。また、制御の対象となるリールモータを示す対象モータ信号を励磁切替タイミング特定回路部456及び制御信号生成回路部455に対して出力する。
励磁切替タイミング特定回路部456は、ステップ数カウンタ回路部451からステップ数信号が入力されるようになっており、ステップ数信号及び停止図柄信号、対象モータ信号が入力されると、対象モータ信号に基づき制御の対象となるリールモータを特定して、そのリールモータのステップ数信号に基づき現在の初期位置からのステップ数を特定するとともに、停止図柄信号に基づきリールの停止位置の領域番号、すなわちリールを停止させるステップ数を特定する。そして、特定した現在のステップ数とリールを停止させるステップ数とから、モータ駆動回路45bの制御信号をリールの停止制御のための信号に切り替える切替タイミング、すなわち停止制御のための信号に切り替えるステップ数を特定する。
その後、励磁切替タイミング特定回路部456は、現在の初期位置からのステップ数が切替タイミングとなったときに、停止制御のための信号に切り替えるタイミングである旨を示す切替タイミング信号を制御信号生成回路部455に対して出力する。
一方で、制御パターン特定回路部454は、停止態様信号が入力されると、停止態様信号に基づいて、受信したコマンドに対応する停止態様でリールモータを停止させる制御パターンを特定する。そして、特定された制御パターンを示す制御パターン信号を制御信号生成回路部455に対して出力する。
そして、制御信号生成回路部455は、制御パターン信号が入力されると、制御パターンを特定するとともに、ROM45cにアクセスして当該制御パターンに対応する励磁パターンを読み出し、読み出した励磁パターンのパルス信号を生成する。また、切替タイミング信号及び対象モータ信号が入力されたときに、制御対象のリールモータについて内部回路を切り替えて、生成したパルス信号を制御信号として、制御対象のリールモータに対応するモータ駆動回路45bに出力する。すなわち、制御信号生成回路部455では、制御パターン信号が入力されることで、制御対象のリールモータの制御信号を生成し、切替タイミング信号及び対象モータ信号が入力されることで、モータ駆動回路45bに対して出力するようになっている。
モータ駆動回路45bは、制御信号が入力されると、当該制御信号を位相信号に変換してリールモータに対して出力することで、制御パターンに応じた停止態様でリールが停止するようにリールモータを駆動させる。
このように、制御ロジック回路45aは、メイン制御部41から受信した第1〜第3停止指示コマンド等のリールの停止に関するコマンドにより特定される停止位置を対応するリールに停止させるようにリールモータ32L、32C、32Rを駆動するための位相信号を出力する。
詳しくは、制御ロジック回路45aでは、メイン制御部41からリールの停止に関するコマンドを受信すると、受信したコマンドに従ってモータ駆動回路45bL、45bC、45bRの制御信号を生成し、当該コマンドにより特定される停止位置をリールに停止させるタイミングで、制御信号をモータ駆動回路45bL、45bC、45bRに対して出力する。モータ駆動回路45bL、45bC、45bRは、例えば、図26に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの停止させる位相信号を制御信号に応じて出力することで、制御ロジック回路45aからのコマンドに応じた停止態様でリールが停止するようにリールモータ32L、32C、32Rの駆動を制御する。
また、励磁切替タイミング特定回路部456は、ステップ数信号及び停止図柄信号、対象モータ信号が入力されたときに切替タイミング信号を出力することなく、停止制御のための信号に切り替えるタイミングを計って、現在の初期位置からのステップ数が切替タイミングとなったときに、切替タイミング信号を出力するようになっており、これにより、励磁切替タイミング特定回路部456に停止図柄信号等が入力されたときから所定ステップ数分だけリールモータが回転した後に制御信号が切り替えられることとなるので、制御対象のリールでは、停止操作が行われたときから所定の滑りコマ数分の図柄が引き込まれて停止させることとなる。
本変形例の制御ロジック回路45aは、メイン制御部41に対してフィードバックコマンドを送信可能であり、当該コマンドを制御ロジック回路45aでの信号の処理状況に応じて送信する。
図33に示すように、制御ロジック回路45aは、フィードバックに関するコマンドとして、回路起動コマンド、受信正常コマンド、停止図柄コマンド、受信異常コマンド、回転中コマンド、停止中コマンド、回転数異常コマンド、停止異常コマンド、回転異常コマンドを、メイン制御部41に対して送信する。
回路起動コマンドは、制御ロジック回路45aが正常に起動した旨を示すコマンドであり、電断復帰の際に制御ロジック回路45aが正常に起動したときに送信される。
受信正常コマンドは、メイン制御部41から送信されたコマンドを正常に受信した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41からコマンドを受信する毎に送信される。
停止図柄コマンドは、停止制御の行われたリールにおいて停止した図柄の番号を特定可能なコマンドであり、ステップ数カウンタに基づいてリールの停止位置の領域番号、すなわち、停止図柄の番号をリールが停止する毎に特定して送信される。
受信異常コマンドは、メイン制御部41からのコマンドの受信に異常がある旨を示すコマンドであり、コマンドを正常に受信できなかったときに送信される。
回転中コマンドは、回転中のリールに対する回転開始コマンドを受信した旨を示すコマンドであり、リールが回転中または回転開始の制御を行っているにもかかわらず、当該リールの回転開始コマンドを受信したときに送信される。
停止中コマンドは、停止中のリールに対する停止指示コマンドを受信した旨を示すコマンドであり、リールが停止中または停止制御を行っているにもかかわらず、当該リールの停止指示コマンドを受信したときに送信される。
回転数異常コマンドは、回転数の指示値と現状値が一致しない旨を示すコマンドであり、増減速に関するコマンドを受信したときに、当該コマンドの示す回転数と現状の回転数とが一致しない場合に送信される。
停止異常コマンドは、指示された停止図柄以外で停止した旨、または、指示された停止図柄で停止させるためには4コマ超の滑りが必要な旨を示すコマンドであり、停止している図柄と停止を指示された停止図柄とが一致しないとき、または、滑り無制限コマンド以外のコマンドにより停止図柄が指示された場合において指示された停止図柄を停止させるためには4コマ超の滑りが必要なときに送信される。
回転異常コマンドは、リール回転に異常がある旨を示すコマンドであり、リールの回転が検出されないとき、すなわちリールの回転を開始させた後、所定時間が経過してもリールセンサからのインデックス信号が入力されないとき、リールの回転速度の異常が検出されたとき、すなわち回転速度の指示値に対して、リールセンサからのインデックス信号の入力間隔が一致しないときに送信される。
このように、制御ロジック回路45aから送信されるフィードバックコマンドをメイン制御部41が受信することにより、メイン制御部41は、制御ロジック回路45aの信号の制御状況を判定することが可能となる。
メイン制御部41は、フィードバックコマンドとして、回路起動コマンド、受信正常コマンドを受信したときには、制御ロジック回路45aが正常に作動していると判断して、遊技の制御を続行させる。
また、メイン制御部41は、フィードバックコマンドとして、停止図柄コマンドを受信したときには、メイン制御部41に接続されているリールセンサ33L、33C、33Rからのインデックス信号に基づいて特定される各リールモータ32L、32C、32Rの初期位置からのステップ数に基づいてメイン制御部41側でも停止位置を特定し、インデックス信号に基づいてメイン制御部41内で特定した停止位置と停止図柄コマンドに基づき特定される停止位置とが、一致しているか否かを判定して、一致していると判定した場合には、遊技の制御を続行させる一方で、一致していないと判定した場合には、エラー状態に制御し、遊技を不能動化させるとともに、停止位置の不一致によるエラーが発生した旨のエラーコードを遊技補助表示器12に表示する。
また、メイン制御部41は、フィードバックコマンドとして、受信異常コマンド、回転中コマンド、停止中コマンドを受信したときには、エラー状態に制御し、遊技を不能動化させるとともに、メイン制御部41と制御ロジック回路45aとのコマンドの送受信によるエラーが発生した旨のエラーコードを遊技補助表示器12に表示する。
また、メイン制御部41は、フィードバックコマンドとして、回転数異常コマンド、停止異常コマンド、回転異常コマンドを受信したときには、エラー状態に制御し、遊技を不能動化させるとともに、リールの回転異常によるエラーが発生した旨のエラーコードを遊技補助表示器12に表示する。
また、メイン制御部41は、フィードバックコマンドとして、リール回転に異常がある旨を示す回転異常コマンドを受信していない場合でも、リールの回転が検出されないとき、すなわちリールの回転を指示した後、リールセンサからのインデックス信号の入力状況を監視し、所定時間が経過してもリールセンサからのインデックス信号が入力されないとき、リールの回転速度の異常が検出されたとき、回転速度の指示値に対して、リールインデックスセンサからのインデックス信号の入力間隔が一致しないときに、リールの回転異常を判定し、回転異常コマンドを受信した場合と同様にエラー状態に制御し、遊技を不能動化させるとともに、リールの回転異常によるエラーが発生した旨のエラーコードを遊技補助表示器12に表示する。
このように、制御ロジック回路45aは、メイン制御部41に対してフィールバックコマンドを送信可能であり、メイン制御部41は、フィードバックコマンドを受信することにより、制御ロジック回路45a内部で生じた異常や、リールセンサ33L、33C、33Rに関する異常、リールモータ32L、32C、32Rの制御に関する異常を特定可能となる。
本変形例1では、可変表示部を構成するリール2L、2C、2Rは、夫々に対応するリールモータ32L、32C、32Rにより回転され、各リールモータ32L、32C、32Rは、複数の励磁相がそれぞれ励磁されることで駆動するように構成されている。このような、スロットマシン1においては、リール2L、2C、2Rの変動を制御するために、各励磁相を励磁するための位相信号をそれぞれ生成して複数の励磁相の全てについて励磁状態をそれぞれ更新する処理を行う必要があり、位相信号を生成及び更新する処理をメイン制御部41が行うようにすると、メイン制御部41にとってリールの変動制御が大きな負担となる。特に本変形例のように、通常遊技に伴う通常回転制御や通常停止制御だけでなく、擬似遊技等における特殊回転制御や特殊停止制御を行うため、これらの制御に伴って変動パターンも増加するため、さらにリールの変動制御が大きな負担となる。
これに対して、本変形例1では、メイン制御部41から送信されたコマンドの受信に基づいて、該コマンドに対応する変動態様にリールモータ32L、32C、32Rを駆動するためのモータ駆動回路45bの出力を制御するための制御信号を生成し、モータ駆動回路45bにリールモータ32L、32C、32Rの位相信号を出力させる論理回路からなる制御ロジック回路45aが設けられており、メイン制御部41がコマンドを送信することで、制御ロジック回路45aが該コマンドに対応する変動態様にてリールモータ32L、32C、32Rを駆動するための位相信号を出力し、リールモータ32L、32C、32Rが駆動制御されるようになっている。これにより、メイン制御部41は、リールモータ32L、32C、32Rを駆動するための位相信号の生成、更新等の制御が不要となるため、メイン制御部41によるリール2L、2C、2Rの変動制御の負担を軽減することができる。また、制御ロジック回路45aは、論理回路からなるため、メイン制御部41から送信されたコマンドに基づいて、位相信号が出力されるまでのタイムラグを最小限に抑えることができる。
[変形例2]
次に、図37〜図43を用いて上記実施形態の変形例2について説明する。変形例2は、リールの変動中に電断した場合には、電断時に実行されていた制御パターンに応じた制御パターンを新たに選択して、RAM41cに記憶されているデータを新たに選択された制御パターンに更新することで、新たに選択した制御パターンにおける最初の励磁状態から励磁相の励磁状態を変化させる制御を実行する。そして、変形例2において、図柄変換(7揃い)パターン(図38参照)を実行するリール演出2において図柄の移動コマ数が最小なる方向にリールを回転させる、あるいは、リール演出2において図柄の移動コマ数が最大となる方向にリールを回転させることによって、上記実施形態に変形例2を適用することができる。
なお、本変形例では、表示結果に応じてメダルや再遊技の付与、遊技状態の移行を伴う通常の遊技を通常遊技と呼び、通常遊技においてフリーズ状態のうちフリーズ状態1に制御され、遊技の進行が遅延している状態で行われる遊技であり、表示結果に応じてメダルや再遊技の付与、遊技状態の移行を伴わない特殊な遊技を擬似遊技と呼ぶ。また、通常遊技においてフリーズ状態のうちフリーズ状態2に制御され、遊技の進行が遅延している状態で行われ、遊技者による操作を伴わず通常遊技とは異なる変動態様でリールを変動させる演出をリール演出と呼ぶ。
擬似遊技では、全リールを回転開始させた後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rなどの操作がゲームの進行に関与しない操作として受付可能となり、当該操作に応じてリールを停止させる制御を行う。スタートスイッチ7が操作されて擬似遊技を開始するときには、通常遊技と異なり、前のゲームにおけるリールの回転開始から規定時間が経過していない場合でも、リール回転制御を開始させるとともに、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作に応じてリール停止制御を行うことが可能となる。擬似遊技が行われるフリーズ状態1が解除された後においては、通常遊技を開始するために、再び全リールを回転開始させた後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作がゲームの進行に関与する操作として受付可能となる。よって、フリーズ状態1が開始されてから終了するまでは、通常遊技の開始タイミングや、ゲームを進行させるためのリールの停止操作が有効化されるタイミングを遅延させることで、ゲームの進行が遅延される。
また、擬似遊技においてリールを停止させる場合には、通常遊技においてリールを停止させる場合と異なり、完全にリールを停止させることなく、目標の停止位置を導出させた後、リールを上下に振動させる制御を行うようになっている。詳しくは、メイン制御部41が、通常遊技においてリールを停止させる場合には、所定時間(例えば、500ms)以上にわたりリールモータ32L、32C、32Rの励磁状態を変化させないことによりリールを完全に停止させるのに対して、擬似遊技に伴いリールを停止させる場合には、所定時間が経過する前にリールモータ32L、32C、32Rの励磁状態を変化させることによりリールを完全に停止させないようになっており、リール停止時に、擬似遊技に伴ってリールが停止したのか、通常遊技に伴ってリールが停止したのか、を区別できるようになっている。
本変形例のメイン制御部41は、擬似遊技に伴い各リール2L、2C、2Rを停止させる場合には、通常遊技においてリールを停止させる場合と異なり、完全にリールを停止させることなく、目標の停止位置を導出させた後、リールを上下に微振動させる制御(以下、微振動制御と呼ぶ。)を実行する。詳しくは、メイン制御部41が、通常遊技においてリールを停止させる場合には、第1の期間(例えば、500ms)以上にわたりリールモータの励磁状態を変化させないことによりリールを完全に停止させるのに対して、擬似遊技に伴いリールを停止させる場合には、第1の期間よりも短い第2の期間(本変形例では500ms未満の一定期間)が経過したときにリールモータの励磁状態を変化させることによりリールを完全に停止させないようになっている。これにより、通常遊技においてリールが停止されたのか、擬似遊技に伴ってリールが停止されたのか、を区別できるようになっている。尚、本変形例では、メイン制御部41が、通常遊技においてリールを停止させる場合には、第1の期間(例えば、500ms)以上にわたりリールモータの励磁状態を変化させず、その後、全相励磁を解除する構成、すなわち第1の期間よりも長い所定の期間が経過したときに励磁状態を変化させる構成であるが、第1の期間が経過した後、ゲームの開始等によりリールの変動条件が成立するまで、励磁状態を変化させない構成としても良い。
図37に示すように、メイン制御部41は、微振動制御として、擬似遊技に伴い上述のリールモータの停止制御が行われて目標の停止位置が導出されると、励磁相φ1をON状態に維持するとともに励磁相φ3、φ4をOFF状態に維持しつつ、励磁相φ2を第1の期間(本変形例では、500ms)未満の第2の期間(本変形例では500ms未満の一定期間)毎にOFF状態からON状態に更新し、すぐにON状態からOFF状態に更新する制御を繰り返し行う。
詳しくは、励磁相φ1が励磁されている状態から、リールモータを順方向(図21の矢印方向)に回転させる際の次のステップで励磁される励磁相(φ1、φ2)が励磁されている状態に更新し、その後すぐに励磁相(φ1)が励磁されている状態に戻す制御を第2の期間毎に繰り返し行う。これにより、第1の期間よりも短い第2の期間毎に励磁相φ1を始点としてリールが上下に微振動することとなる。
上記では、加速制御、定速回転制御、停止制御、微振動制御を実現するための励磁状態の変化について説明しているが、リール逆回転や図柄変換(7揃い)等の変動制御に対応して励磁状態を変化させることにより、リール逆回転や図柄変換(7揃い)等の変動態様を実現できるようになっている。
本変形例においてメイン制御部41は、リールの変動態様に応じた位相信号の制御パターンに基づいてリールモータの励磁状態を変化させる。
位相信号の制御パターンは、各励磁相φ1〜φ4を励磁する順番、各励磁相φ1〜φ4の励磁パターン(励磁状態または消磁状態)、ステップレート(励磁パターンの継続カウント数)等からなり、順回転加速パターン、定速パターン、停止パターン、微振動パターン、ランダム加速パターン、逆回転加速パターン、図柄変換(7揃い)パターンを含む。これら制御パターンは、リールの変動態様毎に定められており、リールの一の変動態様とリールモータの一の制御パターンとが対応するようになっている。
順回転加速パターンは、上述のように全てのリールを通常遊技での通常の回転方向(以下、順方向という)に加速制御してリールを始動させて定速回転に近づける場合の制御パターンであり、定速パターンは、上述のように定速回転制御により定速状態を継続させる場合の制御パターンであり、停止パターンは、停止操作後、ブレーキ位置まで回転させた後、リールを停止位置でスムーズに停止させる場合の制御パターンであり、微振動パターンは、リールを上下に微振動させる場合の制御パターンである。また、ランダム加速パターンは、各リール2L、2C、2Rをランダムなタイミングで始動させて、各リールの相対的な位置関係をランダムな位置関係としつつ定速回転に近づける場合の制御パターンであり、逆回転加速パターンは、順方向とは逆方向にリールを始動させて加速させるとともに、減速させて停止させる場合の制御パターンであり、図柄変換(7揃い)パターンは、停止しているリールを再変動させて異なる停止位置(本変形例では、「黒7」が中段に停止する停止位置)に変換する制御パターンである。
メイン制御部41は、実行すべきリールの変動制御に応じて上述の制御パターンを選択して実行するようになっており、図38に示すように、通常遊技を行う場合、擬似遊技を行い、かつその後も擬似遊技が継続する場合(擬似遊技1)、擬似遊技を行い、かつその後擬似遊技が継続しない場合(擬似遊技2)、リール演出として逆回転演出を実行する場合(リール演出1)、リール演出として図柄変換演出を実行する場合(リール演出2)に応じて、各々所定の順序で制御パターンを選択する。
図38に示すように、メイン制御部41は、通常遊技を行う場合には、制御パターンを順回転加速パターン、定速パターン、停止パターンの順序で選択するようになっており、図40(a)に示すように、有効なスタートスイッチ7の操作が行われたことを条件として順回転加速パターンを選択し、加速パターンによりリールを始動させて所定の回転速度まで加速させた後、定速パターンを選択してリールを定速回転させる。そして、この状態で待機して、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを条件として操作されたストップスイッチに対応するリールについて滑りコマ数に応じた停止パターンを選択し、ストップスイッチの操作から最大停止遅延時間(本変形例では190ms)内にストップスイッチの操作に応じた停止位置でリールを停止させる。その後は、メイン制御部41は、次の遊技が開始されるまで制御パターンを選択せず、リールが停止状態で維持されることとなる。
また、図38に示すように、メイン制御部41は、擬似遊技1の制御を実行する場合には、制御パターンを順回転加速パターン、定速パターン、停止パターン、微振動パターンの順序で選択するようになっており、図41(a)に示すように、スタートスイッチ7が操作されて、フリーズ状態に制御して擬似遊技の制御を開始したこと条件として、通常遊技の場合と同様に、順回転加速パターンにより始動させた後、定速パターンにより定速回転させ、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを条件として滑りコマ数に応じた停止パターンにより、上述の図柄抽選と停止操作に応じた停止位置を導出させた後、微振動パターンを選択してリールを上下に微振動させる。
その後、スタートスイッチ7が操作されたことを条件として順回転加速パターン、定速パターン、停止パターン、微振動パターンを順次選択することを、継続抽選にて非継続が当選するまで繰り返し行う。
また、図38に示すように、メイン制御部41は、擬似遊技2の制御を実行する場合には、制御パターンを順回転加速パターン、定速パターン、停止パターン、微振動パターン、ランダム加速パターンの順序で選択するようになっており、順回転加速パターンを選択してから微振動パターンを選択するまでは、上述の擬似遊技1の場合と同様の制御を行う。
そして、微振動パターンによりリールを上下に微振動させた後には、スタートスイッチ7が操作されたことを条件としてランダム加速パターンを選択して、リールをランダムな
タイミングで始動させて各リールの相対的な位置関係をランダムな位置関係したうえで、定速パターンを選択してリールを定速回転させる。その後、フリーズ状態を終了させて、通常遊技に移行して、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで停止パターンを選択してリールを停止させることとなる。
また、図38に示すように、メイン制御部41は、リール演出1の制御を実行する場合には、制御パターンを逆回転加速パターン、順回転加速パターン、定速パターンの順序で選択するようになっており、図42(a)に示すように、スタートスイッチ7が操作されて、フリーズ状態に制御してリール演出の制御を開始したこと条件として、逆回転加速パターンによりリールを逆方向に始動させて回転させた後、順回転加速パターンを選択して順方向にリールの回転を切り替えて所定の回転速度まで加速させた後、定速パターンを選択してリールを定速回転させる。その後、フリーズ状態を終了させて、通常遊技に移行して、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで停止パターンを選択してリールを停止させることとなる。
また、図38に示すように、メイン制御部41は、リール演出2の制御を実行する場合には、制御パターンを図柄変換(7揃い)パターン、ランダム加速パターン、定速パターンの順序で選択するようになっており、図43(a)に示すように、スタートスイッチ7が操作されて、フリーズ状態に制御してリール演出の制御を開始したこと条件として、図柄変換(7揃い)パターンによりリールを逆方向に変動させて、入賞ラインLN上に「赤7」を停止させた後、ランダム加速パターンを選択してリールをランダムなタイミングで始動させて所定の回転速度まで加速させ、定速パターンを選択してリールを定速回転させる。その後、フリーズ状態を終了させて、通常遊技に移行して、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで停止パターンを選択してリールを停止させることとなる。
このように、メイン制御部41は、実行すべきリールの変動制御に応じて制御パターンを選択することで、制御パターンの組合せにより通常遊技、擬似遊技、リール演出におけるリール変動制御を実行するようになっている。
本変形例のメイン制御部41は、スロットマシン1が電断されて上述の電断検出回路48により電圧低下を検出したときに、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。そして、次回スロットマシン1に電力が供給されて起動する際においては、RAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、リールの変動中に電断した場合には、電断時に実行されていた制御パターンに応じた制御パターンを新たに選択して、RAM41cに記憶されているデータを新たに選択された制御パターンに更新することで、新たに選択した制御パターンにおける最初の励磁状態から励磁相の励磁状態を変化させる制御を実行する場合と、電断時に実行されていた制御パターンに基づいて電断時の励磁状態から制御を継続して実行する場合と、がある。
以下に、電断からの復帰時において、メイン制御部41が選択して実行する制御パターンについて、図39、図40〜図43に基づいて説明する。
図39に示すように、電断時において通常遊技に制御しており、順回転加速パターンによってリールの回転を制御していた場合は、電断からの復帰時に、電断時に選択していた順回転加速パターンを再選択する。そして、電断からの復帰時には、再選択した順回転加速パターンを最初から実行して、順回転加速パターンにおける最初の励磁状態から励磁相を励磁するようにリールモータの各励磁相の励磁状態を変化させる。これにより、図40(b)に示すように、電断からの復帰時には、加速の途中で電断により停止状態となったリールが、電断時に選択されていた順回転加速パターンを用いて再度最初から始動させて加速されることとなる。その後、メイン制御部41は、電断が生じない場合と同様に、定速パターン、停止パターンを順次選択して通常遊技の制御を行う。
また、電断時において通常遊技に制御しており、定速パターンによってリールの回転を制御していた場合は、電断からの復帰時に、電断時に選択していた定速パターンではなく新たに順回転加速パターンを選択する。そして、当該順回転加速パターンを最初から実行して、順回転加速パターンにおける最初の励磁状態から励磁相を励磁するようにリールモータの各励磁相の励磁状態を変化させる。これにより、図40(c)に示すように、電断からの復帰時には、定速で回転されていたが電断により停止状態となったリールが、順回転加速パターンを用いて再度最初から始動させて加速されることとなる。その後、メイン制御部41は、電断が生じない場合と同様に、定速パターン、停止パターンを順次選択して通常遊技の制御を行う。
また、電断時において通常遊技に制御しており、停止パターンによってリールを停止制御していた場合は、電断からの復帰時に、電断時の停止パターンを維持して、当該停止パターンを電断時の励磁状態の続きから実行する。すなわち、図40(d)に示すように、メイン制御部41は、電断からの復帰時には、電断時に実行していた停止パターンを続けて実行することで、電断時に実行していた停止パターンを、電断前に開始してから電断中の時間を除いて特定時間(本変形例では190ms)内に最後まで実行する。
図39に示すように、電断時において擬似遊技1に制御しており、順回転加速パターンによってリールを制御していた場合には、電断前からの擬似遊技に引き続き制御しつつ、通常遊技の場合と同様に、電断からの復帰時に、電断時に選択していた順回転加速パターンを再選択して、当該順回転加速パターンを最初から実行する。その後は、電断が生じない場合と同様に、定速パターン、停止パターン、微振動パターンを順次選択して擬似遊技の制御を行う。
また、電断時において擬似遊技1に制御しており、定速パターンによってリールを制御していた場合には、電断前からの擬似遊技に引き続き制御しつつ、通常遊技の場合と同様に、電断からの復帰時に、順回転加速パターンを選択して、当該順回転加速パターンを最初から実行する。その後は、電断が生じない場合と同様に、定速パターン、停止パターン、微振動パターンを順次選択して擬似遊技の制御を行う。
また、電断時において擬似遊技1に制御しており、停止パターンによってリールを停止制御していた場合は、電断前からの擬似遊技に引き続き制御しつつ、通常遊技の場合と同様に、電断からの復帰時に、電断時の停止パターンを維持して、当該停止パターンを電断時の励磁状態の続きから実行する。その後は、電断が生じない場合と同様に、微振動パターンを選択して擬似遊技の制御を行う。
また、電断時において擬似遊技1に制御しており、微振動パターンによってリールを微振動制御していた場合は、電断からの復帰時に、電断時の微振動パターンを維持して、図41(b)に示すように、当該微振動パターンを電断時の励磁状態の続きから実行する。これにより、電断前にリールモータの励磁状態が変化された後から電断中の期間を除いて所定の期間(本変形例では、500ms)未満に励磁状態を変化させることとなる。
微振動パターンの実行後には、電断が生じない場合と同様に、継続抽選にて非継続が当選するまで擬似遊技1の制御を繰り返し行う。
図39に示すように、電断時において擬似遊技2に制御しており、順回転加速パターンによってリールモータの回転を制御していた場合、及び定速パターンによってリールモータの回転を制御していた場合は、擬似遊技1の場合と同様に、電断からの復帰時に、順回転加速パターンを選択して、当該順回転加速パターンを最初から実行する。その後は、電断が生じない場合と同様に、定速パターン、停止パターン、微振動パターン、ランダム加速パターンを順次選択して擬似遊技の制御を行う。
また、電断時において擬似遊技2に制御しており、停止パターンによってリールを停止制御していた場合、及び微振動パターンによってリールを微振動制御していた場合は、擬似遊技1の場合と同様に、電断からの復帰時に、夫々電断前の制御パターンを維持して、当該制御パターンを電断時の励磁状態の続きから実行する。その後は、電断が生じない場合と同様に、擬似遊技の制御を行う。
また、電断時において擬似遊技2に制御しており、ランダム加速パターンによってリールモータを制御していた場合は、電断からの復帰時に、電断時に選択していたランダム加速パターンを再選択する。そして、図41(c)に示すように、電断からの復帰時には、再選択したランダム加速パターンを最初から実行する。これにより、電断時のランダム加速パターンの進行具合にかかわらず、復帰時に各リールを確実に各リールの相対的な位置関係をランダムな位置関係となるように始動させる。その後は、電断が生じない場合と同様に、フリーズ状態1を終了させて、順回転加速パターンを選択するとともに通常遊技に移行する。
図39に示すように、電断時においてリール演出1に制御しており、逆回転加速パターンによってリールを逆回転制御していた場合は、電断からの復帰時に、電断時の逆回転加速パターンを再選択して、逆回転加速パターンにおける最初の励磁状態から励磁相を励磁するようにリールモータの各励磁相の励磁状態を変化させる。これにより、図42(b)に示すように、電断からの復帰時には、逆方向に加速の途中で電断により停止状態となったリールが、電断時に選択されていた逆回転加速パターンを用いて再度最初から逆方向に始動させて加速されることとなる。その後、メイン制御部41は、電断が生じない場合と同様に、順回転加速パターン、定速パターンを順次選択して通常遊技に移行する。
また、電断時においてリール演出1に制御しており、順回転加速パターンによってリールモータを順回転方向に加速させる制御していた場合は、電断からの復帰時に、電断時の順回転加速パターンを維持して、当該順回転加速パターンにおける最初の励磁状態から励磁相を励磁するようにリールモータの各励磁相の励磁状態を変化させる。その後、メイン制御部41は、電断が生じない場合と同様に、定速パターンを選択して通常遊技に移行する。
図39に示すように、電断時においてリール演出2に制御しており、図柄変換(7揃い)パターンによってリールを制御していた場合は、電断からの復帰時に、ランダム加速パターンを選択して、ランダム加速パターンにおける最初の励磁状態から励磁相を励磁するように各励磁相の励磁状態を変化させる。これにより、図43(b)に示すように、電断からの復帰時には、電断時に実行されていた図柄変換は中止されて、ランダムなタイミングでリールが始動されることとなる。その後は、電断が生じない場合と同様に、定速パターンを選択して定速回転の制御を行うとともに、フリーズ状態を終了させて、通常遊技に移行する。すなわち、図柄変換(7揃い)パターンによりリールを制御していたときに電断が生じた場合は、電断からの復帰時に、メイン制御部41は、入賞ラインLN上に「黒7−黒7−黒7」の図柄の組合せを揃えることなく、リール演出2を終了させて通常遊技に移行する。
また、電断時においてリール演出2に制御しており、ランダム加速パターンによってリールを制御していた場合は、電断からの復帰時に、電断時に選択していたランダム加速パターンを再選択して最初から実行する。その後は、電断が生じない場合と同様に、定速パターンを選択して定速回転の制御を行うとともに、フリーズ状態を終了させて、通常遊技に移行する。
[上記実施形態の効果]
上記実施形態では、リール演出を実行する前の停止図柄に応じて、リール演出において特定図柄組み合わせを仮停止する際のリールの回転方向を異ならせる(本例では、図8のSc6〜Sc8及びSc17〜Sc19の処理を実行する部分や図23のSe6〜Se8及びSe17〜Se19の処理を実行する部分)。
よって、ストップスイッチの操作態様に応じてリール演出を実行する前の停止図柄が変化するとともに、リール演出を実行する前の停止図柄に応じてリール演出におけるリールの回転方向を異ならせるので、リール演出を効果的に実行することができる。
上記実施形態では、特定図柄組み合わせを仮停止する際の図柄の移動コマ数が小さくなるようにリールの回転方向を異ならせる(本例では、図8のSc6〜Sc8及びSc17〜Sc19の処理を実行する部分)。
よって、リール演出を実行開始してから特定図柄組み合わせを停止するまでの時間を短くすることが可能になり、スピーディーなリール演出を実行することができる。また、リールの駆動時間が短くなるのでリールの制御に伴う負担を軽減することができる。
上記実施形態では、特定図柄組み合わせを仮停止する際の図柄の移動コマ数が大きくなるようにリールの回転方向を異ならせる(本例では、図23のSe6〜Se8及びSe17〜Se19の処理を実行する部分)。
よって、リール演出を実行開始してから特定図柄組み合わせを表示するまでの時間を長くすることが可能になり、リール演出を十分に認識する時間を確保することができる。特に、リールの1周期の変動内で特定図柄組み合わせを停止するときにより効果的である。
上記実施形態では、リール演出を実行する前の停止図柄の組み合わせのうち、特定図柄組み合わせを構成する停止図柄を導出しているリールは回転せず、特定図柄組み合わせを構成しない停止図柄導出しているリールを回転することによって特定図柄組み合わせを仮停止する(本例では、図8のSc17〜Sc19の処理を実行する部分や図23のSe17〜Se19の処理を実行する部分)。
よって、リール演出を実行開始してから特定図柄組み合わせを停止するまでの時間を短くすることが可能になり、スピーディーなリール演出を実行することができる。また、駆動するリールの数が減少することがあるのでリールの制御に伴う負担を軽減することができる。
上記実施形態では、スタートスイッチ7が操作されたときにリール演出を開始する(本例では、図7のSd2の後にSd3の処理を行う部分)。
よって、遊技者の操作によってリール演出を開始するので、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施形態(変形例1)では、メイン制御部41から送信されたコマンドの受信に基づいて、該コマンドに対応する変動態様にリールモータ32L、32C、32Rを駆動するためのモータ駆動回路45bの出力を制御するための制御信号を生成し、モータ駆動回路45bにリールモータ32L、32C、32Rの位相信号を出力させる論理回路からなる制御ロジック回路45aが設けられており、メイン制御部41がコマンドを送信することで、制御ロジック回路45aが該コマンドに対応する変動態様にてリールモータ32L、32C、32Rを駆動するための位相信号を出力し、リールモータ32L、32C、32Rが駆動制御されるようになっている。
よって、メイン制御部41は、リールモータ32L、32C、32Rを駆動するための位相信号の生成、更新等の制御が不要となるため、メイン制御部41によるリール2L、2C、2Rの変動制御の負担を軽減することができる。また、制御ロジック回路45aは、論理回路からなるため、メイン制御部41から送信されたコマンドに基づいて、位相信号が出力されるまでのタイムラグを最小限に抑えることができる。
上記実施形態(変形例2)では、メイン制御部41は、制御パターンのうちリールを変動させるための所定の制御パターン(順回転加速パターン、定速パターン、逆回転加速パターン、ランダム加速パターン、図柄変換(7揃い)パターン)に従って励磁状態を変化させる制御を行っている状態で電断が生じた後、電断からの復帰時は、電断時の制御パターンにおける励磁状態の続きから励磁状態を変化させる制御を開始するのではなく、制御パターンのうちリールを始動させる制御パターン(加速パターン、逆回転加速パターン、順回転加速パターン、ランダム加速パターン)における最初の励磁状態から励磁状態を変化させる制御を開始する。
よって、電断からの復帰後もスムーズにリールの移動を開始させることができる。
[その他、上記実施形態の変形例について]
[リールの回転方向について]
(1)上記実施形態では、1種類のリール演出を設けるとともにリール演出では必ず停止図柄の種類(すなわち、コマ番号)に応じた方向にリールを回転させたが、複数種類にリール演出を設けるとともに、リール演出の種類に応じて停止図柄の種類に応じた方向にリールを回転させてもよい。
この場合には、例えば、擬似遊技を実行するリール演出と、擬似遊技を実行しないリール演出を実行する。そして、擬似遊技を伴うリール演出では全リールを一定の方向に回転させ、擬似遊技を伴わないリール演出では停止図柄に応じた方向にリールを回転させることが挙げられる。
(2)上記実施形態では、図柄の移動コマ数が最小となる回転方向にリールを回転させる形態と、図柄の移動コマ数が最大となる回転方向にリールを回転させる形態とをそれぞれ別個に挙げたが、両形態を組み合わせて実施してもよい。
この場合には、例えば、遊技の状況に応じてこれらの態様を切り替えることにより両態様を組み合わせて実施することが可能になる。具体的には、複数回のリール演出を連続して実行するときには図柄の移動コマ数が最小となる回転方向にリールを回転させるとともに、リール演出を1回のみ実行するときには図柄の移動コマ数が最大となる回転方向にリールを回転させることが挙げられる。
(3)上記実施形態では、特定図柄組み合わせを構成する図柄である「黒7」が1つ配列されたリールの回転方向を決定する例を挙げたが、特定図柄組み合わせを構成する図柄が複数配列されたリールの回転方向を決定してもよい。
この場合には、例えば、図柄の移動コマ数が最小となる回転方向にリールを回転させる場合には、複数の同一図柄のうち図柄の移動コマ数が最小となる図柄までリールを回転させることが挙げられる。また、例えば、図柄の移動コマ数が最大となる回転方向にリールを回転させる場合には、複数の同一図柄のうち図柄の移動コマ数が最大となる図柄までリールを回転させることが挙げられる。また、例えば、複数の同一図柄のうち、いずれの図柄を入賞ラインLN上に停止させるかを決定し、決定した図柄までの移動コマ数を算出してリールの回転方向を決定することが挙げられる。
(4)上記実施形態では、停止図柄に基づいてリールの回転方向を異ならせたが、回転方向を同一にするが、回転速度を異ならせてもよい。
[停止図柄について]
(1)上記実施形態では、通常遊技での停止図柄の種類に基づいてリールの回転方向を決定したが、通常遊技での停止図柄以外の停止図柄に基づいてリールの回転方向を決定してもよい。
この場合には、例えば、フリーズ状態中の擬似遊技における仮停止図柄に基づいてリールの回転方向を決定することが挙げられる。さらに、具体的には、例えば、擬似遊技において特定図柄の組み合わせが仮停止し続ける限り、擬似遊技が継続して実行されるものにおいて、擬似遊技におけるリールの回転方向を決定することが挙げられる。
(2)上記実施形態では、ストップスイッチの操作タイミングや押し順に応じて入賞ラインLN上の停止図柄が変化することにより表示結果が変化する例を挙げたが、同一停止図柄でもストップスイッチの操作態様に応じて図柄の停止する入賞ラインが変化することにより表示結果が変化する、あるいは、同一停止図柄でもストップスイッチの操作態様に応じて図柄番号が変化することにより表示結果が変化するなど、上記実施形態と異なる態様で変化する表示結果に基づいてリールの回転方向を決定してもよい。
[フリーズ状態について]
上記実施形態では、スタートスイッチ7を操作したときにフリーズ状態の制御が開始するようにしたが、スタートスイッチ7の操作以外の操作が行われたときにフリーズ状態の制御が開始するようにしてもよい。この場合には、例えば、MAXBETスイッチ6が操作されたときや、ストップスイッチが操作されたときにフリーズ状態に制御することが可能である。
[リール演出について]
上記実施形態では、リール演出を実行して「黒7」を揃えることによりATのゲーム数が上乗せされることを報知する例を挙げたが、リール演出を実行することにより異なる報知を行ってもよい。この場合には、例えば、特定当選役に当選したゲームで「黒7」を揃えることを可能にし、「黒7」が揃うと遊技者に有利な状態に制御する。そして、特定当選役に当選したゲームで「黒7」を揃えることを促す演出を実行する。このゲームで遊技者が「黒7」を揃えることができなかった場合(又は「黒7」が揃わないようにリールの停止制御を行って)にフリーズ状態に制御する。このときに、リール演出を実行して停止図柄に基づく回転方向にリールを回転させることにより「黒7」を揃えることにより本発明を実施することが可能になる。
[ATについて]
(1)上記実施形態では、ATに係る制御をサブ制御部91が実行するようにしたが、メイン制御部41が実行するようにしてもよい。
(2)具体的には、ATに係る制御としてAT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ナビ演出を実行する擬似ボーナスの当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれる。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間に例えば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。
(3)また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
(4)また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。また、メイン制御部41が内部抽選役を示すコマンドおよびAT中であるコマンド、あるいはストップスイッチの操作順序を示すコマンドをサブ制御部91に送信し、サブ制御部91がメイン制御部41から受信したコマンドに基づいてナビ演出を実行するようにしてもよい。
(5)なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。例えば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板や当該基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。また、メイン制御部41が実行するはずのAT抽選に係る処理を当該制御部が実行するようにすることが挙げられる。また、賭数設定や払い出しに係る処理などスロットマシンの機種に関わらず共通する処理を、当該制御部が実行することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
(6)また、サブ制御部91によるATの制御が行われなくてもメイン制御部41のみで遊技が進行可能となるように構成してもよい。具体的には、サブ制御部91によりナビ演出が行われなくても、メイン制御部41が制御する表示器にもとづいて押し順を判別可能にする(例えば、対応表を用いてメイン制御部の表示する表示パターンから押し順を判別可能にする)、あるいは、サブ制御部91によりナビ演出が行われなくても、メイン制御部41によりランプやLEDを制御して遊技者が判別しやすい態様で押し順を報知することが例として挙げられる。
[不正行為に対する対策について]
上記実施形態において、前面扉1bが開放されていることを示す開放信号と、セキュリティ信号(各種エラー信号、設定値の確認信号、設定値の変更信号など)を別端子から出力する構成としてもよい。
[設定値の確認、変更について]
上記実施形態において、設定値の確認、変更を行うときに、前面扉1bを閉じているときには設定値の確認、変更を行うことが不能になるような構成としてもよい。この場合、一旦、設定値の確認、変更を開始したときは、前面扉1bが開閉状態にかかわらず、終了条件が成立するまで、設定値の確認、変更を終了することができないように構成としてもよい。
[スロットマシンについて]
上記実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用してもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。