JP2016096821A - 粒状ペットフード - Google Patents

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勝則 宮本
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一典 井上
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Abstract

【課題】粒状ペットフードの嗜好性を向上させることができる、ペットフードの提供。
【解決手段】耐熱性及びガスバリア性を有する包装材3に封入されている粒状ペットフード2を包装材3を開封せずに電子レンジで給餌直前に30℃以上70℃以下に加熱することで嗜好性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は粒状ペットフードに関する。
主に犬や猫をターゲットとするペットフードには、粒状のペットフードのほかに、液状またはゼリー状のスープを含有するペットフード(ウェットタイプのペットフードとも呼ばれる。)も上市されている。また粒状ペットフードにおいても、水分量の少ないドライタイプのペットフードと、比較的水分を多く含むセミモイストタイプのペットフードがある。
ペットフードにあっては、従来より、ペットに好んで食されるようにするために、すなわち嗜好性を向上させるために、様々な工夫がなされている。
例えば、下記特許文献1には、1回分のウェットタイプのキャットフードがレトルトパウチに収納されたものを、猫の嗜好が高まる温度(具体的には37℃)に温めて与えることで、食べ残しを減らす方法が記載されている。
特開2003−144059号公報
しかしながら、特許文献1には、粒状のペットフードの嗜好性を向上させる具体的な方法は記載されていない。
本発明は粒状ペットフードの嗜好性を向上させることができる、給餌方法、粒状ペットフード、ペットフード包装体の提供を目的とする。
従来の粒状ペットフードは、常温で保存でき、そのまま皿に取り出すだけで給餌できるという手軽さも魅力の一つであり、加熱して給餌することは考慮されていない。
しかしながら本発明者等は、粒状ペットフードを加熱することによって嗜好性を向上できることを見出し、本発明に至った。
本発明は以下のとおりである。
本発明は下記(4)である。その他は参考態様である。
(1)粒状ペットフードを30℃以上70℃以下に加熱してペットに与えることを特徴とする給餌方法。
(2)前記粒状ペットフードが、使い切り量で、耐熱性およびガスバリア性を有する包装材に封入されており、該包装材を開封せずに加熱する、(1)に記載の給餌方法。
(3)前記包装材が電子レンジ適性を有し、電子レンジで加熱する(2)に記載の給餌方法。
(4)給餌直前に30℃以上70℃以下に加熱される粒状ペットフード。
(5)前記粒状ペットフードが、粒の内部に、デンプンを酸化プロピレンでエーテル化して得られる加工デンプンおよび油脂を含有する、(4)に記載の粒状ペットフード。
(6)水分含有量が15〜30質量%であり、下記式(i)により算出される、加熱による破断応力の変化量(単位:%)の値が40%以上である、(4)または(5)に記載の粒状ペットフード。
加熱による破断応力の変化量[%]=(P1−P2)/P1×100 …式(i)
P1:常温(表面温度25℃)での破断応力[N]
P2:表面温度45℃となるように加熱した直後における破断応力[N]
(7)前記粒状ペットフードが、香料を含むコーティング層を有する、(4)〜(6)のいずれか一項に記載の粒状ペットフード。
(8)(4)〜(7)のいずれか一項に記載の粒状ペットフードが包装材に収容されており、該包装材に、給餌直前の加熱に関する表示がある、ペットフード包装体。
(9)前記包装材が耐熱性およびガスバリア性を有し、該包装材に前記粒状ペットフードが使い切り量で封入されており、開封せずに加熱可能とされている、(8)に記載のペットフード包装体。
(10)前記包装材が電子レンジ適性を有する、(9)に記載のペットフード包装体。
(11)前記包装材に破裂防止機構が設けられている、(10)に記載のペットフード包装体。
(12)前記包装材に電子レンジ適性を有する脱酸素剤が封入されている、(10)または(11)に記載のペットフード包装体。
(13)前記包装材内の気体が窒素ガスに置換されている、(9)〜(12)のいずれか一項に記載のペットフード包装体。
本発明の給餌方法によれば、粒状ペットフードの嗜好性を向上させることができる。
本発明の粒状ペットフードは、加熱して給餌する方法に用いることができ、加熱することで嗜好性を向上させることができる。
本発明のペットフード包装体は、加熱して給餌する方法に用いることができ、加熱することで嗜好性を向上させることができる。
本発明のペットフード包装体の一実施形態を示す斜視図である。
本明細書において、「ペット」とは人に飼育されている動物をいう。より狭義の意味では、ペットは飼い主に愛玩される動物である。また、「ペットフード」とは、ペット用の飼料をいう。本発明にかかるペットフードを「動物用飼料」又は「動物の餌」として販売することが可能である。
本明細書において、「コーティング」とは、外添剤を粒の表面に付与して、粒の表面に付着させることを意味する。付与した液の一部または全部が粒に浸み込む場合も含む。
本明細書において、水分含有量の値は以下の測定方法で得られる値である。
被測定物を粉砕機にかけて1mmの篩を通過するように粉砕し、これを分析試料とする。分析試料2〜5gを正確に量ってアルミニウム製秤量皿(あらかじめ乾燥して重さを正確に量っておいたもの)に入れ、135±2℃で2時間乾燥し、デシケーター中で放冷後、重さを正確に量って、乾燥前後の重量差から水分含有量を求める。
本明細書において、粒状ペットフードの水分含有量は、製造直後に包装材に収容して密閉して製造したペットフード包装体を、製造日から30日以内に開封した直後に測定した値、またはこれと同等の条件で測定した値とする。
一つの包装材に、水分含有量が互いに異なる2種類以上の粒の混合物が収容されている場合、該混合物を被測定物として測定した値を粒状ペットフードの水分含有量とする。
本明細書において、粒状ペットフードの水分活性(Aw)の値は、粒状ペットフードを粉砕した試料について、公知の水分活性測定装置を用い、測定温度25℃で測定して得られる値である。
例えば、DKSHジャパン社製の水分活性測定装置「Novasina IC−500 AW−LAB(製品名)」を使用して測定できる。
本明細書において、粒状ペットフード(2種類以上の粒の混合物でもよい)の水分活性(Aw)は、製造直後に包装材に収容して密閉して製造したペットフード包装体を、製造日から30日以内に開封した直後に測定した値、またはこれと同等の条件で測定した値とする。
本明細書において、粒状ペットフードの嵩密度の値は以下の測定方法で得られる値である。
ホッパー(漏斗状の容器)から落下する粒状ペットフードを容器に受け、容器から盛り上がった粒状ペットフードを金属板等ですり落として、容器一杯に粒状ペットフードが入った状態とする。容器内の粒状ペットフードの総質量M(単位:g)を容器の内容積V(単位:リットル)で除した値、すなわちM/Vの値を嵩密度(単位:g/L)とする。
本明細書において、嵩密度は、製造直後に包装材に収容して密閉して製造したペットフード包装体を、製造日から30日以内に開封した直後に測定した値、またはこれと同等の条件で測定した値とする。
一つの包装材に、嵩密度が互いに異なる2種類以上の粒の混合物が収容されている場合、該混合物を被測定物として測定した値を粒状ペットフードの嵩密度とする。
<ペットフード包装体>
本発明のペットフード包装体は、粒状ペットフードが包装材に収容されたものである。包装体は、粒状ペットフードが直接包装材(内装材ということもある。)に収容された包装体でもよく、粒状ペットフードが内装材に収容された包装体の複数個を、さらに包装材(外装材ということもある)に収容した包装体でもよい。
図1は本発明のペットフード包装体1の一実施形態を示す斜視図である。本実施形態のペットフード包装体1は、粒状ペットフード2が、使い切り量で、包装材(内装材)3に直接封入されている。また図示していないが、包装材3の表面に、給餌直前の加熱に関する表示が設けられている。符号4は脱酸素剤を示す。
本実施形態において包装材3内に収容されている粒状ペットフード2は、着色剤の種類を変えて製造した色調が異なる粒の混合物である。着色剤以外の成分の組成は互いに同じである。粒状ペットフード2については後述する。
使い切り量とは、1回の給餌で使い切ることができる量であり、1回の給餌量またはその一部を小分けした量である。1回の給餌量はペットフードの種類(総合栄養食、おやつ等)や、ペットの体重等によって異なるが、例えば10〜250gの範囲内が好ましく、20〜50gの範囲内がより好ましい。
小型犬の総合栄養食の場合、例えば1回の給餌量の設定値を25gとし、その全量を使い切り量として包装材3に収容してもよく、またはその半分の量を使い切り量として包装材3に収容してもよい。例えば半分の量に小分けされていると、1回の給餌で設定値の半分の量や、1.5倍の量を与える際に都合がよい。
包装材3の材質は、耐熱性およびガスバリア性を有するものであればよい。公知の材料を適宜用いることができる。包装材3のガスバリア性とは少なくとも水蒸気バリア性を有することを意味する。さらに酸素バリア性を有することが好ましい。耐熱温度は100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。例えば食品用包装材として公知の、耐熱性およびガスバリア性を有する材料を適宜用いることができる。
包装材3が耐熱性およびガスバリア性を有し、封入されている粒状ペットフード2が使い切り量であると、包装材3を開封せずに、例えば湯煎で粒状ペットフード2を加熱することができる。
包装材3は、さらに電子レンジ適性を有することが好ましい。電子レンジ適性を有するとは、電子レンジで加熱可能な材料で構成されていることを意味する。食品用包装材として公知の、電子レンジ対応の材料を適宜用いることができる。
包装材3が電子レンジ適性を有しており、封入されている粒状ペットフード2が使い切り量であると、包装材3を開封せずに、電子レンジで粒状ペットフード2を加熱することができる。
包装材3が電子レンジ適性を有する場合、破裂防止機構が設けられていることが好ましい。破裂防止機構として、例えば加熱しすぎた際に包装材3内の蒸気抜きが行われる蒸気排出部が設けられていることが好ましい。蒸気排出部は公知の構造を適宜用いることができる。
例えば、図1の包装材3は、耐熱性、ガスバリア性、電子レンジ適性、およびヒートシール性を有する包装用フィルムを、3方ヒートシールして袋状に成形されたものである。図中符号3a、3bは長さ方向両端のヒートシール部を示す。
ペットフード包装体1を開封せずに電子レンジで加熱したとき、加熱しすぎて袋内の圧力が上昇すると、袋が破裂する直前に一方のヒートシール部3aが開口して高温高圧蒸気を逃がすことができるようになっている。
本実施形態において、ペットフード包装体1内には粒状ペットフード2とともに脱酸素剤4が封入されている。これにより、粒状ペットフード2の経時的な変質を抑えることができる。具体的には、粒状ペットフード2の酸化を抑えることにより油脂の酸化臭など劣化臭の発生を抑制できる。
粒状ペットフード2は給餌直前に加熱されることにより匂いが強調されるため、劣化臭が発生していると嗜好性が低下しやすい。脱酸素剤4を用いると、粒状ペットフード2の変質を抑え劣化臭を抑えることができるため、粒状ペットフード2を給餌直前に加熱することによる嗜好性の向上に寄与する。
包装材3が電子レンジ適性を有する場合、脱酸素剤4は電子レンジ適性を有するものを用いる。電子レンジ適性を有するとは、電子レンジで加熱可能な材料で構成されていることを意味する。電子レンジ適性を有する脱酸素剤は市販品から入手できる。
包装材3がガスバリア性を有する場合は、包装材3内の気体を窒素ガスに置換することが好ましい。これにより、粒状ペットフード2の酸化等の変質を抑えて劣化臭を抑えることができるため、粒状ペットフード2を給餌直前に加熱することによる嗜好性の向上に寄与する。
包装材3内の気体を窒素ガスに置換するとともに、ペットフード包装体1内に脱酸素剤4を封入してもよい。
包装材3の表面に設けられる表示は、給餌直前の加熱に関する内容であればよく、特に限定されない。例えば「温めて与えることができます。」など給餌直前に加熱可能である旨の表示であってもよく、「温めるとより美味しくなります」、「温めて与えてください」など給餌直前に加熱することを推奨する旨の表示であってもよい。また粒状ペットフード2の温度が、予め設定された目的の温度(30℃以上70℃以下の範囲内)になるように設定された加熱方法や加熱条件の表示でもよい。具体的には、湯煎による加熱方法として沸騰したお湯に浸漬させる時間を表示してもよい。または電子レンジによる加熱方法として、定格高周波出力(ワット数)と加熱時間を表示してもよい。
給餌直前の加熱に関する表示は、2種以上の表示を併記してもよい。
なお、包装材3の形状は袋状に限定されない。例えば、ボウル(bowl)状の容器の開口部を包装用フィルムでヒートシールした形状でもよい。
また、包装材3に収容されている粒状ペットフード2が使い切り量でなくてもよく、その場合は、包装材3から適量を取り出して加熱すればよい。
また、包装材3が耐熱性またはガスバリア性を有していなくてもよく、その場合は、包装材3から取り出して加熱すればよい。
また、粒状ペットフード2が包装材(内装材)3に収容されたペットフード包装体1の複数個が、さらに包装材3とは別の包装材(外装材)に収容されていてもよい。外装材は、例えば包装材3よりも大きい袋体や箱体である。その場合、給餌直前の加熱に関する表示は、個々の包装材3と、外装材の少なくとも一方に設けられていればよく、両方に設けられていてもよい。少なくとも外装材に設けられていることが好ましい。
<給餌方法>
本発明の給餌方法は、粒状ペットフードを30℃以上70℃以下に加熱してペットに与える方法である。粒状ペットフードを30℃以上70℃以下に加熱してペットに与えるとは、給餌直前に、粒状ペットフードの表面温度が30℃以上70℃以下の範囲内となるように加熱することを意味する。
加熱終了時の粒状ペットフードの表面温度(以下、加熱温度ともいう。)を30℃以上70℃以下℃の範囲内にすることにより嗜好性が向上する。加熱温度は40℃以上50℃以下の範囲内が好ましい。
加熱方法は特に限定されない。包装材から粒状ペットフードら適量を取り出して加熱する方法でもよく、粒状ペットフードが、使い切り量で、加熱可能な包装材に封入されている場合は、包装材を開封せずに加熱する方法でもよい。加熱中の臭い発生を防止する点からは、包装材を開封せずに加熱する方法が好ましい。
加熱手段は特に限定されず、電子レンジで加熱する方法や、高温の液体(お湯等)または気体(熱風等)等の加熱媒体と直接または間接的に接触させる方法を用いることができる。
特に、包装材を開封せずに電子レンジで加熱する方法が、簡便であり、粒状ペットフードの臭いが電子レンジ内に漏れることもないため好ましい。
<粒状ペットフード>
本発明の粒状ペットフードは、給餌直前に30℃以上70℃以下に加熱される粒状ペットフードである。好ましくは給餌直前に40℃以上50℃以下に加熱される。
粒状ペットフードの水分含有量は特に限定されず、ドライタイプの粒状ペットフードでもよく、セミモイストタイプの粒状ペットフードであってもよい。
ドライタイプの粒状ペットフードの水分含有量は12質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。該水分含有量の下限値は特に限定されない。通常5質量%以上であり、7質量%以上がより好ましい。
ドライタイプの粒状ペットフードは膨化粒であってもよく、非膨化粒であってもよい。
「膨化粒」は原料混合物を粒状に成形した粒であって、原料混合物の内部で起泡させる膨化工程を経て得られる粒である。「膨化工程」は、加熱、発酵、化学反応または減圧などの手法により、原料混合物の内部で気体を発生させる工程をいう。「非膨化粒」は膨化工程を経ずに製造された粒である。
ドライタイプの粒状ペットフードの嵩密度は水分含有量にもよるが、膨化粒の嵩密度は、300〜460g/Lが好ましく、350〜450g/Lがより好ましく、380〜440g/Lがさらに好ましい。非膨化粒の嵩密度は、445〜500g/Lが好ましく、450〜485g/Lがより好ましい。
セミモイストタイプの粒状ペットフードの水分含有量は15〜30質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。またセミモイストタイプの粒状ペットフードの水分活性(Aw)は0.60〜0.87が好ましく、0.70〜0.80がより好ましい。
セミモイストタイプの粒状ペットフードは膨化粒であってもよく、非膨化粒であってもよい。
<原料>
粒状ペットフードの原料は特に限定されず、公知の原料を適宜用いることができる。
粒状ペットフードは、概略、粉体原料と液体原料を混合して原料混合物とし、これを造粒して製造される。造粒後に外添剤をコーティングしてもよい。原料混合物は粒を形成し、外添材はコーティング層を形成する。
特に、粒状ペットフードが粒の内部またはコーティング層の少なくとも一方が油脂を含むと、粒を30℃以上に加熱することで、該油脂が溶け出し、油脂の味を感じ易くなって、嗜好性がより向上する。
また、油脂に由来する脂肪酸が揮発するために香り立ちが良好となり、嗜好性の向上に寄与する。
[粉体原料]
粉体原料は、ペットフードの造粒工程において粉体状で用いられる公知の原料を適宜用いることができる。粉体原料は複数種を混合して用いられる。
例えば、穀類(トウモロコシ、小麦、米、大麦、燕麦、ライ麦等)、豆類(丸大豆等)、デンプン類(小麦デンプン、トウモロコシデンプン、米デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、甘藷デンプン、サゴデンプン等)、タンパク質類(コーングルテンミール、脱脂大豆、大豆タンパク等の植物性タンパク質源;鶏肉、牛肉、豚肉、鹿肉、ミール類(チキンミール、豚ミール、牛ミール、これらの混合ミール)、魚介類(魚肉、フィッシュミール)等の動物性タンパク質源)、野菜類、粉状の添加物(ビタミン類、無機塩類、アミノ酸、糖類、有機酸、フレーバー原料、繊維類、着色剤、保存料、乳化剤、嗜好性向上剤等)が挙げられる。
ミール類とは肉類または魚介類を圧縮させ細かく砕いた粉体を意味する。
嗜好性向上剤としては、畜肉、魚介等の動物原料エキス粉末や、植物原料エキス粉末等が挙げられる。
粉体原料の組成は、得ようとする粒状ペットフードの栄養組成に応じて設計することが好ましい。
[液体原料]
粉体原料に添加する液体原料として、必要に応じて水、油脂、液糖、保湿剤、乳化剤等、ペットフードの製造において公知の液体原料を用いることができる。液体原料は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。保湿剤、乳化剤は水溶液の状態で添加されることが多い。
ドライタイプまたはセミモイストタイプの粒状ペットフードにおいて油脂を用いることが好ましい。セミモイストタイプの粒状ペットフードにおいて、液糖、保湿剤、乳化剤を用いることが好ましい。
[油脂]
油脂は植物性油脂でもよく、動物性油脂でもよい。高い嗜好性が得られ易い点で動物性油脂を用いることが好ましい。動物性油脂としては、鶏油、豚脂(ラード)、牛脂(ヘット)、または乳性脂肪等が挙げられる。
[加工デンプン]
特に、粉体原料の一部として、デンプンを酸化プロピレンでエーテル化して得られる加工デンプン(以下、加工デンプンHという)を用いるとともに、液体原料として油脂を用いることが好ましい。これにより粒の内部(コーティング層は含まれない)に加工デンプンHおよび油脂を含有する粒状ペットフードが得られる。
加工デンプンHは、でん粉を酸化プロピレンでエーテル化することでヒドロキシプロピル基が導入・付加されたデンプンである。具体的には、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンが好ましい。これらは市販品から入手可能である。例えば、松谷化学社製のゆり8(製品名、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン)が好ましい。
後述の実施例に示されるように、粒状ペットフードの粒の内部に油脂を含有させると常温での粒の硬さが低下し、加熱するとさらに軟らかくなる。該油脂を増量するほど軟らかさが増す。
また粒状ペットフードの粒の内部に加工デンプンHを配合すると、これを配合しない場合に比べて、常温での粒の硬さが低下し、加熱するとさらに軟らかくなる。
特に、原料混合物に油脂を配合するとともに加工デンプンHを配合すると、粒の硬さ自体がさらに低下するうえ、加熱前後での粒の硬さの変化量(低下量)が大きくなるという相乗効果が得られる。また粒状ペットフードの保管中における硬さの増大が少なくなり、軟らかさが良好に維持されるという効果も得られる。
かかる相乗効果を得るために、粒状ペットフードは、粒の内部に加工デンプンHを含有するとともに、油脂を原料混合物に対して1.5質量%以上含有することが好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらに好ましい。該油脂の含有量の上限は膨化状態の点から15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
また加工デンプンHの添加量は、原料混合物に対して3.0質量%以上が好ましく、5.0質量%以上がより好ましい。該加工デンプンHの含有量の上限は、成型状態の点から30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
なお、原料混合物に配合された油脂は、該原料混合物を造粒して得られる粒中に均一に含まれているとみなすことができる。したがって、粒状ペットフードに油脂を含む外添剤がコーティングされている場合は、外添剤が粒の表面付近に浸み込んでいる可能性があるため、粒の中心部分のみにおける油脂の含有量を、粒の内部における油脂の含有量とする。
上記相乗効果により、粒状ペットフードの加熱前後での粒の硬さの変化量(低下量)を大きくできると、該粒状ペットフードが給餌直前に加熱する方法に適することが給餌者に伝わりやすく、製品の差別化を図りやすいという利点が得られる。また、特に軟らかい粒状ペットフードを好むペットに対する嗜好性がより向上する。
特に、セミモイストタイプの粒状ペットフードの内部に、加工デンプンHと油脂を含有させることが好ましい。これにより、ドライタイプの粒状ペットフードに比べて、もともと軟らかいセミモイストタイプの粒状ペットフードを、給餌直前に加熱することにより顕著に軟らかくできるため、これまでにない物性の粒状ペットフードを実現できる。
例えば、水分含有量が15〜30質量%であるセミモイストタイプの粒状ペットフードであって、後述の測定方法により求められる「加熱による破断応力の変化量」が40%以上である粒状ペットフードを得ることができる。
また好ましくは、「加熱による破断応力の変化量」が50%以上、より好ましくは60%以上の粒状ペットフードを得ることができる。
粒状ペットフードが2種類以上の粒の混合物である場合、「加熱による破断応力の変化量」が40%以上である粒状ペットフードとは、全種の粒のそれぞれの「加熱による破断応力の変化量」がいずれも40%以上であることを意味する。
[外添剤]
外添剤は公知のものを用いることができる。例えば、油脂、香料、嗜好性向上剤(動物原料エキス、植物原料エキス、酵母等)が用いられる。
本発明においては、粒状ペットフードを給餌直前に加熱することにより、粒状ペットフードの臭いが強調されるため、香料を適宜用いて臭いを調整することが好ましい。
後述の実施例に示されるように、香料は粒状ペットフードの嗜好性向上には寄与しないと考えられる。したがって、給餌者にとって好ましくない臭いをマスキングするのに好適で、嗜好性を低下させない香料を適宜選択して使用することが好ましい。
香料の使用量は特に限定されないが、嗜好性を低下させずに良好なマスキング効果が得られやすい点で、造粒に用いられる原料混合物100質量部(造粒物100質量部)に対して0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.3質量部がより好ましい。
<原料の配合>
原料の配合は特に限定されない。得ようとする粒状ペットフードの栄養組成を満たすとともに、良好な成形性が得られるように設定することが好ましい。
例えば、ドライタイプの粒状ペットフードの配合例(外添剤を含まない)として、原料混合物に対して、穀類、豆類、デンプン類の合計40〜70質量%、タンパク質類の合計5〜30質量%、残りはその他の成分、が挙げられる。
また、セミモイストタイプの粒状ペットフードの配合例(外添剤を含まない)として、原料混合物に対して、穀類、豆類、デンプン類の合計20〜60質量%、タンパク質類の合計5〜25質量%、残りはその他の成分、が挙げられる。
<粒状ペットフードの製造方法>
粒状ペットフードの製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造できる。
例えば、ドライタイプの粒状ペットフードは、粉体原料を混合し、さらに液体原料を混合して原料混合物を得、該原料混合物を造粒し、所定の水分量となるまで乾燥した後、必要に応じて外添剤をコーティングする方法で製造することができる。
例えば、セミモイストタイプの粒状ペットフードは、造粒まではドライタイプの粒状ペットフードと同様の手順で行い、乾燥工程を経ずに、必要に応じて外添剤をコーティングする方法で製造することができる。
造粒方法は、例えば、プレコンディショナーおよびエクストルーダーを備えた押出造粒機を用いて膨化粒を押出造粒する方法を用いることができる。
押出造粒機を用いて膨化粒を製造する方法は、例えば「Small Animal Clinical Nutrition 4th Edition」(Michael S. Hand、Craig D. Thatcher, Rebecca L. Remillard, Philip Roudebusg 編集、Mark Morris Associates 発行;2000年;p.157〜p.190)に記載されている方法等が適用できる。
プレコンディショナーおよびエクストルーダーにおける加熱処理条件は、原材料が過度に加熱されることなく、デンプンのアルファ化による消化性の向上効果が得られる範囲に設定することが好ましい。
粒状ペットフードの大きさおよび形状は、ペットが食するのに好適な大きさおよび形状であればよく、特に制限されない。
粒状ペットフードの形状は、例えば球状、多角体状、柱状、ドーナッツ状、板状、碁石状(circular, curved tablet)、ハート状、星状、魚状、車輪状等が挙げられる。
粒状ペットフードの大きさは、例えば最短径及び最長径が、共に3〜30mmの範囲内あることが好ましく、共に6〜16.5mmであることがより好ましく、共に8〜12mmであることがさらに好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
評価方法は以下の方法を用いた。
<嗜好性の評価方法>
ペットフードBとペットフードAの組み合わせで摂食量を比較する方法で嗜好性を評価した。所定数の犬をモニターとして2日間でテストを行った。
第1日は、ペットフードAおよびBのうち、一方を左から、他方を右から、犬1頭に対して所定の給餌量で同時に与え、犬がどちらか一方を完食した時点で又は1時間後に、犬が食べたペットフード量を測定した。
該犬1頭が第1日に食べた合計のペットフードの重量のうち、ペットフードBの摂食量とペットフードAの摂食量を百分率で求めた。モニターとした犬の数に基づいて、得られた百分率を平均して、第1日の結果とした。
第2日は、ペットフードAおよびBのうち、第1日とは反対に、一方を右から、他方を左から同時に与えた。犬1頭に対して第1日と同量の給餌量で与え、犬がどちらか一方を完食した時点で又は1時間後に、犬が食べたペットフード量を測定した。
第1日と同様の算出方法で第2日の結果を得た。
最後に、第1日と第2日の結果を平均して、最終結果であるペットフードA:ペットフードBの摂食量の比「数値A:数値B」(嗜好性)を求めた。この嗜好性の数値が高い程、モニターである犬が好んで摂食したことを示す。
<圧縮試験(破断応力の測定)>
圧縮試験機(テクスチャーアナライザー、型番:EZ−SX、島津製作所製)を用い、粒状ペットフードを一定の圧縮速度で圧縮したときの破断応力を下記の条件で測定した。
プランジャー:直径3mmの円柱状のプランジャー、プラットフォーム:平皿、圧縮速度:60mm/分、プランジャーの最下点:4mm(圧縮距離)、測定温度:25℃。
すなわち、平皿の上に、測定対象の粒状ペットフードを1粒置き、粒の真上から垂直にプランジャーを一定速度で押し付けながら応力を測定する。応力のピーク値(最大値)を破断応力の値として読み取る。10粒について測定を繰り返して平均値を求める。
上記圧縮試験機で測定される破断応力(単位:kgw)の数値に9.8を掛け算する(乗じる)ことによって、単位をニュートン(N)に変換する。
(製造例1:ドライタイプのペットフードD1)
表1に示す配合組成のうち外添剤を除いた残りの原料を混合し、水(原料組成に含めない)を加えてさらに混合した。得られた原料混合物をエクストルーダに投入し、混練しながら115℃±15℃で約2分間の加熱処理を施してデンプン成分をアルファ化し、エクストルーダの出口で粒状に押出造粒すると同時に膨化させた。エクストルーダの出口では、混練物を直径4.5mmの孔(円形)から柱状に押し出し、該柱状物を厚さが5.5mmとなるようにカッターで切断して造粒物とした。
得られた造粒物を乾燥機を用いて、約100℃で30〜40分間の乾燥処理を行った後、外添剤をコーティングしてドライタイプの膨化粒である粒状ペットフードD1を得た。
得られた粒状ペットフードD1の嵩密度および水分含有量を上記の方法により測定した。嵩密度は41.0g/L、水分含有量は9.0質量%であった。
本例において、原料混合物中の油脂の含有量は、原料混合物に対して約2.12質量%である。
粒状ペットフードD1の25gずつを、図1に示す包装材3に収容し、脱酸素剤4とともに密閉して、ドライタイプのペットフード包装体であるペットフードD1を得た。
Figure 2016096821
(製造例2:セミモイストタイプのペットフードS1)
表2に示す原料を用いた。加工デンプンHは松谷化学社製のゆり8(製品名)である。
本例において、原料混合物中の油脂の含有量は、原料混合物に対して約3.30質量%である。
保湿剤として濃度100質量%のプロピレングリコールと、濃度が85質量%のグリセリン水溶液を用いた。表1において、溶媒としての水は添加水に含まれる。
まず、粉体原料を混合し、さらに液体原料および添加水を加えてさらに混合して原料混合物とした。得られた原料混合物をエクストルーダに投入し、混練しながら115℃±15℃で約2分間の加熱処理を施してデンプン成分をアルファ化し、エクストルーダの出口で粒状に押出造粒すると同時に膨化させた。エクストルーダの出口では、混練物を直径5.3mmの孔(円形)から柱状に押し出し、該柱状物を厚さが6.0mmとなるようにカッターで切断して造粒物とした。
得られた造粒物を、乾燥工程を行わずに、外添剤をコーティングしてセミモイストタイプの膨化粒である粒状ペットフードS1を得た。
得られた粒状ペットフードS1の水分含有量および水分活性(Aw)を上記の方法により測定した。結果を表2に示す。
粒状ペットフードS1の25gずつを、図1に示す包装材3に収容し、脱酸素剤4とともに密閉して、セミモイストタイプのペットフード包装体であるペットフードS1を得た。
(製造例3〜5:セミモイストタイプのペットフードS2〜S4)
製造例2において配合を変更した他は、製造例2と同様の手順でセミモイストタイプの粒状ペットフードS2〜S4を製造した。
製造例3(S2)の配合が製造例2(S1)と大きく異なる点は、液体原料として用いる油脂を、原料混合物に対して約6.39質量%とした点である。
製造例4(S3)の配合が製造例2(S1)と大きく異なる点は、穀類の一部を加工デンプンHに置き換えた点である。
製造例5(S4)の配合が製造例2(S1)と大きく異なる点は、穀類の一部を加工デンプンHに置き換えた点、液体原料として用いる油脂を原料混合物に対して約6.39質量%に増量した点、および外添剤として香料を用いた点である。
製造例2と同様に、得られた粒状ペットフードS2〜S4のそれぞれについて、水分含有量および水分活性(Aw)を測定した。結果を表2に示す。
また各例において、製造例2と同様に粒状ペットフード25gずつを、図1に示す包装材3に収容し、脱酸素剤4とともに密閉してセミモイストタイプのペットフード包装体であるペットフードS2〜S4を得た。
Figure 2016096821
<試験例1、2:嗜好性評価>
製造例1で製造したペットフードD1について、上記嗜好性の評価方法により、加熱による嗜好性(食いつき)の変化を調べた。
常温のペットフードD1をペットフードAとし、給餌直前に加熱したペットフードD1をペットフードBとした。モニターの犬種はビーグル、1回の給餌量は250g、犬の数は12頭とした。
ペットフードは、包装材に収容され密閉された状態で電子レンジで加熱した。加熱時間は、開封直後のペットフードの表面温度が所定の目標温度に到達するのに必要な時間を予め調べて設定した(以下、同様。)。
試験例1ではペットフードD1を40℃以上50℃以下(目標温度45℃。以下、40〜50℃と記載することもある。)に加熱し、試験例2ではペットフードD1を50℃超60℃以下(目標温度55℃。以下、50〜60℃と記載することもある。)に加熱した。
嗜好性の評価結果を表3に示す。
<試験例3〜5:嗜好性評価>
製造例2で製造したペットフードS1について、上記嗜好性の評価方法により、加熱による嗜好性(食いつき)の変化を調べた。
常温のペットフードS1をペットフードAとし、給餌直前に加熱したペットフードS1をペットフードBとした。モニターの犬種はビーグル、1回の給餌量は250g、犬の数は12頭とした。
ペットフードS1の加熱温度は、試験例3では40℃以上50℃以下(目標温度45℃。)、試験例4では50℃超60℃以下(目標温度55℃。)、試験例5では60℃超70℃以下(目標温度65℃。以下、60〜70℃と記載することもある。)とした。
嗜好性の評価結果を表3に示す。
<試験例6:嗜好性評価>
製造例2で製造したペットフードS1について、上記嗜好性の評価方法により、加熱温度の違いによる嗜好性(食いつき)の変化を調べた。
給餌直前に40〜50℃に加熱したペットフードS1をペットフードAとし、給餌直前に50〜60℃に加熱したペットフードS1をペットフードBとした。モニターの犬種はビーグル、1回の給餌量は250g、犬の数は12頭とした。
嗜好性の評価結果を表3に示す。
<試験例7:嗜好性評価>
製造例5で製造したペットフードS4について、上記嗜好性の評価方法により、加熱したときの嗜好性を評価した。
常温のペットフードS1をペットフードAとし、給餌直前に40〜50℃に加熱したペットフードS4をペットフードBとした。モニターの犬種はビーグル、1回の給餌量は250g、犬の数は24頭とした。
嗜好性の評価結果を表3に示す。
Figure 2016096821
表3の結果に示されるように、ドライタイプのペットフードD1、またはセミモイストタイプのペットフードS1、S4のいずれにおいても、給餌直前に加熱することにより、従来の常温で給餌する方法に比べて嗜好性が向上することがわかる。
また試験例1、2、および試験例3〜6を比較すると、加熱温度が40〜50℃のときが、嗜好性が最も高くなることがわかる。
<試験例11〜16:嗜好性評価>
香料が犬の嗜好性に与える影響について試験を行った。
具体的に、表4に示す製造例2のペットフードS1の配合に、下記の香料を加えた配合としたほかは、製造例2と同様にしてセミモイストタイプのペットフードを製造した。
上記嗜好性の評価方法により、常温のペットフードS1をペットフードAとし、香料を加えた各ペットフード(常温)をペットフードBとして嗜好性の評価を行った。モニターの犬種はダックスフンド、ポメラニアン、トイプードル、ヨークシャーテリア、パピヨン等、1回の給餌量は125g、犬の数は10頭とした。嗜好性の評価結果を表4に示す。
試験例11:ミネストローネ系香料aを0.2質量部(原料混合物100質量部に対して約0.21質量部)。
試験例12:ミート系香料bを0.2質量部。
試験例13:ミルク系香料cを0.2質量部。
試験例14:クリームチーズ系香料dを0.2質量部。
試験例15:ミルク系香料eを0.1質量部(原料混合物100質量部に対して約0.1質量部)。
試験例16:ビーフ系香料fを0.1質量部。
Figure 2016096821
表4の結果に示されるように、セミモイストタイプのペットフードに香料を配合した場合、香料を配合しない場合と比べて、嗜好性は同等か、または香料の種類によっては嗜好性が劣る場合もある。これらのことから香料は犬の嗜好性向上には寄与しないと考えられる。
<試験例21〜24:硬さの評価>
製造例2〜5で製造したセミモイストタイプのペットフードS1〜S4について、常温(表面温度25℃)での粒状ペットフードの硬さと、表面温度45℃となるように加熱した直後における粒状ペットフードの硬さを測定した。具体的には上記の圧縮試験により粒状ペットフードの破断応力を測定した。下記式(i)により「加熱による変化量(単位:%)」の値を算出した。結果を表5に示す。
加熱による破断応力の変化量[%]=(P1−P2)/P1×100 …式(i)
P1:常温(表面温度25℃)での破断応力[N]
P2:表面温度45℃となるように加熱した直後における破断応力[N]
Figure 2016096821
表5の結果に示されるように、ペットフードS1よりも、粒状ペットフードの内部に含有させる油脂を増量したペットフードS2は、ペットフードS1に比べて常温での硬さが低下し、加熱後の硬さも低下した。このことから油脂の添加は硬さの低下に寄与することがわかる。
粒状ペットフードの内部に油脂を含有するペットフードS1の配合に加えて、さらに加工デンプンHを使用したペットフードS3は、ペットフードS1に比べて常温での硬さが低下し、加熱後の硬さも低下した。このことから加工デンプンHの添加は硬さの低下に寄与することがわかる。
また、ペットフードS1に対して油脂を増量したペットフードS2と、該ペットフードS2の配合にさらに加工デンプンHを使用したペットフードS4を比べると、ペットフードS4は特に加熱後の硬さが低く、加熱による硬さの変化量が大きい。
これらのことから、油脂を添加するとともに、加工デンプンHを添加することにより、加熱による硬さの変化量が大きくなることが認められる。
特に加熱による硬さの変化量については、ペットフードS2およびペットフードS3は、ペットフードS1よりも変化量が小さいが、ペットフードS4はペットフードS1よりも変化量が大きい。
このことから、油脂の増量、または加工デンプンHの使用のいずれか一方だけ行うよりも、油脂の増量と加工デンプンHの使用の両方を行うことによって、加熱による硬さの変化量を大きくしやすいことが認められる。
<試験例31〜32:硬さの経時変化の評価>
製造例2、5で製造したセミモイストタイプのペットフードS1、S4について、常温で1ケ月保管したときの、保管前後の粒状ペットフードの硬さを測定した。具体的には上記の圧縮試験により粒状ペットフードの破断応力を測定した。
測定結果と、下記式(ii)により算出される「経時変化率(単位:%)」の値を表6に示す。
経時変化率[%]=1ケ月保管後の破断応力/保管前の破断応力×100 …式(ii)
Figure 2016096821
表6の結果より、ペットフードS1に比べて、ペットフードS4は経時変化率が格段に小さい。すなわちペットフードS1よりも油脂の含有量が多く、加工デンプンHを含むペットフードS4は、保管中における破断応力の上昇が少なく、軟らかさが良好に維持された。
1 ペットフード包装体
2 粒状ペットフード
3 包装材
4 脱酸素剤

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  1. 給餌直前に30℃以上70℃以下に加熱される粒状ペットフード。
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