以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
以下に示される複数の実施形態は、LTE及びSAE(System Architecture Evolution)を収容するEvolved Packet System(EPS)を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、EPSに限定されるものではなく、他のモバイル通信ネットワーク又はシステム、例えば3GPP UMTS、3GPP2 CDMA2000システム(1xRTT, HRPD (High Rate Packet Data))、global system for mobile communications(GSM)/ General packet radio service(GPRS)システム、及びWiMAXシステム等に適用されてもよい。
<第1の実施形態>
始めに、本実施形態を含む複数の実施形態が対象とする非ライセンス周波数(Unlicensed frequency band, Unlicensed spectrum)を利用するUnlicensed LTEのいくつかの例について説明する。ここで、Unlicensed LTEはLTE-UまたはU-LTEとも呼ばれ、以降ではLTE-Uと記載して説明する。また、非ライセンス周波数とは、例えばレーダーシステム及び無線LAN(WLAN。WiFiとも呼ばれる)にも使用される周波数で、特定のオペレータ(つまり、サービス事業者)のみに割り当てられたライセンス周波数以外の周波数を指す。非ライセンス周波数としては、例えば5 GHz帯が想定されるが、これには限定されない。更に、以下に説明される複数の実施形態は、複数のオペレータに共通に割り当てられた共用周波数(Shared frequency band, Shared spectrum)においても適用可能であることは言うまでもない。以降では、ライセンス周波数以外のこれらの周波数を総称して非ライセンス周波数と呼ぶ。
図1A及び図1Bは、本実施形態を含む複数の実施形態が対象とするLTE-Uの無線通信システムと他のシステムの構成例を示す図である。図1Aの例では、無線通信システムは、LTEの無線基地局(eNB)11と無線端末(UE)3を含む。eNB11とUE3は、ライセンス周波数(F1)で通常のLTEによる通信を行うよう構成され、非ライセンス周波数(F2)にてLTE-Uによる通信を行うよう構成されている。図1Bの例では、図1Aの例に加え、LTE eNB11がリモート基地局12(RRH又はRRE)を管理し、当該リモート基地局12によって非ライセンス周波数(F2)にてLTE-Uによる通信を行う。
図1Aと1Bの構成は、同じシステムに共存していてもよい。さらに、図1A及び図1Bは、想定する無線通信システムの一部分のみを示しており、実際にはeNB11、RRH/RRE12、及びUE3の周辺に複数のeNB及びRRH/RRE並びに複数のUEが存在し、複数のライセンス周波数のセルがこれら複数のeNB及びRRH/RREにより管理される。さらに、eNB11、RRH/RRE12、及びUE3の周辺に複数の無線LANアクセスポイント(WLAN AP)と複数の無線LAN端末(WLAN Terminal)が存在してもよい。以降の説明では、LTE-Uの機能を有するeNBを総称して無線基地局1又はLTE-U eNB1と呼ぶ。つまり、無線基地局1又はLTE-U eNB1は、図1Aの構成ではeNB11に相当し、図1Bの構成ではeNB11及びRRH/RRE12に相当する。説明の便宜上、図1Bの構成のRRH/RRE12に対応するノードのみを指して無線基地局1又はLTE-U eNB1と呼ぶこともある。
上述および以降の説明では、LTE-UがLAA(LA-LTEとも呼ばれる)で実現されることを想定する。既に述べたように、LAAでは、無線基地局(LTE-U eNB)1と無線端末(UE)3は、ライセンス周波数のセルと非ライセンス周波数のセルをキャリアグリゲーション(CA)し、ライセンス周波数のセルをプライマリセル(PCell)として使用すると共に、非ライセンス周波数のセルをセカンダリセル(SCell)として使用する。既に述べたように、LTE-Uは、非ライセンス周波数において実行される代わりに、複数のオペレータ(サービス事業者)に割り当てられた共用周波数(Shared frequency band、Shared spectrum)において実行されてもよい。この場合、LTE-Uは、上述のLAA又はこれと同様の方式で実現されてもよい。あるいは、LTE-U eNB1とUE3は、複数(例えば、F3とF4の2つ)の共用周波数を使用してCAを行い、片方の共用周波数(F3)をPCellとして通常のLTEを実行し、もう一方の共用周波数(F4)をSCellとしてLTE-Uを実行するようにしてもよい。既に述べたように、共用周波数におけるLTE-Uは特にLicensed Shared Access (LSA)とも呼ばれる。さらにまた、LTE-U eNB1とUE3は、複数のオペレータに割り当てられた共用周波数(例えばF3)と、いずれのオペレータにも割り当てられていない狭義の非ライセンス周波数(例えばF2、例えば5GHz帯)を使用してCAを行い、共用周波数(F3)をPCellとして通常のLTEを実行し、狭義の非ライセンス周波数(F2)をSCellとしてLTE-Uを実行するようにしてもよい。
図2は、異なるLTEオペレータによって提供される複数のセルが同じPCIを使用する状況の一例を示している。図2の例では、LTE-U eNB1は、オペレータAによって管理され、ライセンス周波数F1においてCell #1(UE3にとってはPCell)を運用し、非ライセンス周波数F2においてCell #2を運用している。Cell #2は、PCI #5を持つ。一方、LTE-U eNB2は、オペレータAとは異なる他のオペレータBによって管理され、非ライセンス周波数F2においてCell #3を運用している。図2の例では、Cell #2及びCell #3は互いに隣接しており且つ同じPCI #5を持つため、UE3においてPCI collisionが発生するおそれがある。なお、同じPCI #5を持つCell #2及びCell #3は、互いに隣接していないが、各々がCell #1に隣接するよう配置されてもよく、この場合にはLTE-U eNB1においてPCI confusionが発生するおそれがある。
図2に示されたUE3は、ライセンス周波数(F1)のサービングセル(Cell #1)においてLTE-U eNB1と通信するよう動作する。UE3は、さらに、非ライセンス周波数(F2)において少なくとも1つのセルを検出するよう動作する。図2の例では、UE3は、非ライセンス周波数(F2)において、Cell #2若しくはCell #3又はこれら両方を検出することができる。UE3は、さらにまた、非ライセンス周波数(F2)において検出された少なくとも1つのセルのタイミング情報およびセル識別子(e.g., PCI)をサービングセル(Cell #1)においてLTE-U eNB1に送信するよう動作する。ここで、タイミング情報は、非ライセンス周波数(F2)において検出された少なくとも1つのセルのフレームタイミングに関する情報、又は当該セルの検出タイミングに関する情報である。サービングセルは、PCellでもよいし、PCellと類似のセル(例えばDual ConnectivityのPSCell)でもよいし、所定のセルグループのサービングセルでもよいし、さらに当該無線端末の全てのサービングセルでもよい。なお、本実施形態及び他の実施形態におけるフレームタイミングとの用語は、無線端末(e.g., UE3)において無線フレーム又はサブフレームの先頭(フレーム境界)を受信したタイミング、又は無線基地局(e.g., eNB1)から無線フレーム又はサブフレームの先頭(フレーム境界)を送信するタイミングを意味してもよい。或いは、フレームタイミングとの用語は、無線端末において同期信号(e.g., PSS、SSS)を受信したタイミング、又は無線基地局が同期信号(e.g., PSS、SSS)を送信するタイミングを意味してもよい。ここで、
図3は、UE3によって行われる処理の一例(処理300)を示すフローチャートである。ブロック301では、UE3は、非ライセンス周波数(F2)においてセルの検出を試行する。ブロック302では、UE3は、ブロック301にて検出されたセル(E.G., Cell #3)のPCI及びタイミング情報をライセンス周波数(F1)のサービングセル(Cell #1)においてLTE-U eNB1に報告する。
以下では、UE3からLTE-U eNB1に送信されるタイミング情報のいくつかの例を示す。いくつかの実装(implementations)において、当該タイミング情報は、非ライセンス周波数(F2)において検出されたセルのフレームタイミングに関する情報を示してもよい。例えば、当該タイミング情報は、非ライセンス周波数(F2)において検出されたセル(e.g., Cell #2 又はCell #3)のフレームタイミングとサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの関係を示してもよい。フレームタイミングの関係は、一例において、UE3において受信された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2又はCell #3)の無線フレームとサービングセル(e.g., Cell #1)のそれとの間のフレームタイミング差(frame timing difference)であってもよい。この場合、同一のPCI(e.g., PCI #5)及び同一の周波数(e.g., F2)を使用するよう設定された複数のセル(e.g., Cell #2及びCell #3)は、サービングセルとの間で互いに異なるフレームタイミング差を持つことによって区別される。
フレームタイミング差は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセルの無線フレームの先頭位置(つまり、無線フレーム境界(frame boundary))とサービングセルのそれとの差として定義されてもよい。より具体的には、フレームタイミング差は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセルの無線フレームの先頭位置(つまり、無線フレーム境界(frame boundary))とサービングセルのそれとの時間差(e.g., Nナノ秒、Mマイクロ秒、又はX subframes)として定義されてもよい。これに代えて、フレームタイミング差は、同じ観測時刻にUE3において受信される非ライセンス周波数のセルのサブフレーム番号とサービングセルのそれとの差(e.g., Y subframes)として定義されてもよい。或いは、フレームタイミングの差は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセルの同期信号(e.g., PSS, SSS)が送信されるサブフレームと、サービングセルのそれとの時間差として定義されてもよい。
なお、サービングセルと非ライセンス周波数のセルでframe structure(つまり、duplex mode (FDD or TDD))が異なる場合、その違いを考慮してもよい。つまり、第1の同期信号(PSS)及び第2の同期信号(SSS)の両方が、1番目のサブフレーム(subframe #1)と6番目のサブフレーム(subframe #6)で送信される点はframe structureによらず同じだが、実際にPSS及びSSSが送信される無線リソースがframe structure間で若干異なる。例えば、frame structure type 1 (FDD)の場合、第1の同期信号(PSS)は、slot #0及びslot #10それぞれの最後のOFDMシンボルで送信されるが、frame structure type 2 (TDD)の場合、第1の同期信号(PSS)は、subframe #1及びsubframe #6それぞれの3番目のOFDMシンボルで送信される。これに対して、frame structure type 1 (FDD)の場合、第2の同期信号(SSS)は、slot #0及びslot #10で送信されるが、frame structure type 2 (TDD)の場合、第2の同期信号(SSS)は、slot #1及びslot #11で送信される。従って、タイミング情報(例えば上述のフレームタイミングの差)をサブフレーム(1ミリ秒)より細かい精度(例えば、マイクロ秒)で導出する場合には、当該frame structure間の違いを考慮してもよい。
図4は、サービングセルと他のセルの間のフレームタイミングの関係の一例を示している。図4の例では、UE3において受信されたCell #2の無線フレームの先頭位置は、サービングセル(Cell #1)のそれと実質的に揃っている。したがって、Cell #2とCell #1の間のフレームタイミング差は、実質的にゼロsubframesということができ、数マイクロ秒であるということもできる。一方、Cell #3の無線フレームの先頭位置は、サービングセル(Cell #1)のそれと揃っておらず、サービングセル(Cell #1)のそれから約4サブフレーム時間だけずれている。言い換えると、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)に受信されるCell #3とCell #1の間のサブフレーム番号の差が6である。したがって、Cell #3とCell #1の間のフレームタイミング差は、4subframes(又は6subframes)であるということができ、更に約4ミリ秒であるということもできる。なお、UE3は、当該フレームタイミング差を、サービングセル(Cell #1)を基準に、早い(進んでいる)及び遅い(遅れている)をプラス及びマイナスで表し、それらの情報もLTE-U eNB1に報告するようにしてもよい。
他の例において、フレームタイミングの関係は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2又はCell #3)の無線フレームの先頭位置(無線フレーム境界)がサービングセル(e.g., Cell #1)のそれと実質的に揃っている(aligned)か否かを示してもよい。2つのセルの無線フレームの先頭位置が“実質的に揃っている”ことは、これら2つのセルの無線フレームが実質的に同期していると言い換えることもできる。2つのセルの無線フレームの先頭位置が“実質的に揃っている”ことは、UE3において受信されるこれら2つセルの無線フレームの先頭位置の時間差が所定の閾値(e.g., 数十マイクロ〜数百マイクロ秒)以内であることにより判定されてもよい。これに代えて、“実質的に揃っている”ことは、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)にUE3において受信される2つのセルのサブフレーム番号が同一であることにより判定されてもよい。
タイミング情報としてUE3からLTE-U eNB1に通知されるフレームタイミングの関係は、非ライセンス周波数及びサービングセルの無線フレームの先頭位置が実質的に揃っている(無線フレームが同期している)ことに加えて、これら2つのセルのSystem Frame Number(SFN)が同一であるか否かを示してもよい。SFNは、無線フレームにシーケンシャルに付与された0 から1023の間の番号である。SFNは、その上位8 bitを、Master Information Block(MIB)を含むPhysical Broadcast Channel(PBCH)をデコードすることによりUE3にて得ることができる。さらに、下位4 bitを10 ミリ秒毎に繰り返し送信されるMIB(つまりPBCH)を受信して、当該繰り返しタイミングを認識することによりUE3にて得ることができる。この場合、同一のPCI(e.g., PCI #5)及び同一の周波数(e.g., F2)を使用するよう設定された複数のセル(e.g., Cell #2及びCell #3)は、互いに異なるSFNを持つことによって区別される。
いくつかの実装において、UE3からLTE-U eNB1に報告されるタイミング情報は、UE3において検出された非ライセンス周波数のセルの検出タイミングに関する情報を示してもよい。セルの検出タイミングに関する情報は、例えばUE3が検出した当該セルのON期間、つまり非ライセンス周波数(F2)において検出されたセルが運用されている(又は運用されていた)時刻又は期間に関する情報を示してもよい。すなわち、タイミング情報は、非ライセンス周波数(F2)において検出された少なくとも1つのセルが運用されている(又は運用されていた)時刻又は期間を示してもよい。UE3が、同じPCIのセルを複数回検出していた場合、UE3からeNB1に報告されるタイミング情報は、複数のON期間のリストを含んでもよい。なお、ON期間のリストは、PCI毎に報告されてもよい。又は、ON期間とPCIが対応づけられ、検出された順に時系列で報告されてもよい。タイミング情報がセルのON期間を示すこの例は、非ライセンス周波数のセル(Cell #2及びCell #3)の運用がダイナミックに切り替わる状況、つまりセルのON/OFFが周期的に又は非周期的に切り替わる状況において特に有効である。
一例において、タイミング情報に含まれるON期間は、非ライセンス周波数のセルがUE3において検出されたときの検出時刻又は検出期間を示してもよい。具体的に述べると、ON期間は、非ライセンス周波数のセルが検出されたときの絶対時刻を示してもよい。これに代えて、ON期間は、非ライセンス周波数のセルが検出されたときのサービングセルの無線フレーム番号(SFN)若しくはサブフレーム番号又はこれら両方を示してもよい。これに代えて、ON期間は、所定の基準時点(例えば、タイミング情報の報告時点)を基準として、非ライセンス周波数のセルの検出時刻又は検出期間を相対的に表現してもよい。ON期間は、例えば、基準時点から見た相対無線フレーム数(何フレーム前に検出したか)、又は相対サブフレーム番号(何サブフレーム前に検出したか)を示してもよい。
続いて以下では、LTE-U eNB1又はその他のコントロールノードの動作の例を説明する。いくつかの実装において、LTE-U eNB1は、UE3から受信したPCI及びタイミング情報を、PCIの競合(conflict)、つまりPCI collision又はPCI confusion、を検出するために使用してもよい。いくつかの実装において、この処理は、LTE-U eNB1とは異なる他のコントロールノード(e.g., Self-Organizing Network (SON) controller、Software-Defined Network (SDN)コントローラ、Operations Support System (OSS)、又はElement Management System (EMS))によって行われてもよい。
図5は、LTE-U eNB1の処理の一例(500)を示すフローチャートである。ブロック501では、LTE-U eNB1は、UE3により検出された非ライセンス周波数(F2)のセル(e.g., Cell #3)に関するPCI及びタイミング情報をサービングセル(Cell #1)においてUE3から受信する。ブロック502では、LTE-U eNB1は、受信したPCI及びタイミング情報に基づいて、UE3により検出された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #3)とオペレータAによって運用される非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2)の間のPCIの競合を検出する。
いくつかの実装において、タイミング情報が非ライセンス周波数のセルのフレームタイミングに関する情報を示す場合、LTE-U eNB1は、UE3から受信したタイミング情報及びPCIを、LTE-U eNB1又はこれを管理するオペレータAによってサービングセル(Cell #1)の近傍において運用されている非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2)のフレームタイミング及びPCIと比較してもよい。そして、LTE-U eNB1は、検出されたセル(e.g., Cell #3)のPCIがLTE-U eNB1またはこれを管理するオペレータAによって非ライセンス周波数において提供されるセル(e.g., Cell #2)のそれと合致しているが、これら2つのセルのフレームタイミングが揃っていない場合に、検出されたセル(e.g., Cell #3)とLTE-U eNB1又はそのオペレータAのセル(e.g., Cell #2)の間でPCIの競合(conflict)が生じていることを検出してもよい。
いくつかの実装において、タイミング情報が非ライセンス周波数のセルのフレームタイミングに関する情報を示す場合、LTE-U eNB1は、まず、UE3から受信したタイミング情報に基づいて、UE3によって検出された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #3)とサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングの関係が適切であるかを判定してもよい。例えば、LTE-U eNB1は、UE3によって検出された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #3)の無線フレームの先頭位置(無線フレーム境界)とサービングセル(Cell #1)のそれが揃っているかを判定してもよい。これに代えて、LTE-U eNB1は、UE3によって検出された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #3)の無線フレームの先頭位置がサービングセル(e.g., Cell #1)のそれに対して所定のオフセットだけずれているか否か、又は所定のオフセットに納まっているか否かを判定してもよい。次に、UE3によって検出された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #3)とサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングの関係が適切でない場合、LTE-U eNB1は、UE3によって検出されたセル(e.g., Cell #3)が他のオペレータ(e.g., オペレータB))によって運用されるセルであると推定してもよい。そして、LTE-U eNB1は、オペレータAによってサービングセル(Cell #1)の近傍において運用されている非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2)が他のオペレータのものと推定されたセル(e.g., Cell #3)と同一のPCIを使用している場合に、PCIの競合(conflict)が生じていることを検出してもよい。
いくつかの実装において、タイミング情報が非ライセンス周波数のセルのON期間に関する情報を示す場合、LTE-U eNB1は、UE3から受信したタイミング情報及びPCIを、LTE-U eNB1又はこれを管理するオペレータAによってサービングセル(Cell #1)の近傍において運用されている非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2)のON期間及びPCIと比較してもよい。そして、LTE-U eNB1は、検出されたセル(e.g., Cell #3)のPCIがLTE-U eNB1またはこれを管理するオペレータAによって非ライセンス周波数において提供されるセル(e.g., Cell #2)のそれと合致しているが、これら2つのセルのON期間が合致しない(揃っていない)場合に、検出されたセル(e.g., Cell #3)とLTE-U eNB1又はそのオペレータAのセル(e.g., Cell #2)の間でPCIの競合(conflict)が生じていることを検出してもよい。
LTE-U eNB1は、ブロック502においてPCIの競合を検出した場合に、ブロック503及び504に示す処理を行ってもよい。ブロック503では、LTE-U eNB1は、PCIの競合を解消又は回避するためにオペレータAのセルの設定(e.g., PCI、又はON期間)を変更する。一例として、LTE-U eNB1は、オペレータAのセル(e.g., Cell #2)のPCIを、UE3によって検出されたセル(e.g., Cell #3)と同一PCIから他のPCIに変更することによってPCIの競合を解消してもよい。他の例において、LTE-U eNB1は、オペレータAの非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2)のフレームタイミング又はON期間がUE3によって検出されたセル(e.g., Cell #3)のそれと重ならないように調整することで、同一PCI及び同一周波数を使用する2つのセル(e.g., Cell #2及びCell #3)をUE3において区別できるようにしてもよい。なお、オペレータAのセル(e.g., Cell #2)のフレームタイミング又はON期間がUE3によって検出された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #3)のそれと既に異なる場合、ブロック503の処理は省略されてもよい。
ブロック504では、LTE-U eNB1は、UE3による所定の処理の対象とされるべき非ライセンス周波数(F2)のセル(e.g., Cell #2又はCell #3)を特定するためのセル特定情報をサービングセル(Cell #1)においてUE3に送信する。
一例において、セル特定情報は、LTE-U eNB1又はそのオペレータAによって非ライセンス周波数において提供されるセルをUE3による処理対象として特定するために、以下に列挙するパラメータのうち少なくとも1つを指定してもよい:
・オペレータAが使用する非ライセンス周波数(e.g., F2)、
・オペレータAのセル(e.g., Cell #2)のセル識別子、
・オペレータAのセル(e.g., Cell #2)のフレームタイミング、及び
・オペレータAのセル(e.g., Cell #2)のON期間。
ここで、セル識別子は、PCIでもよいし、PCIとは異なる他のセル識別子でもよいし、それらの組み合わせでもよい。
他の例において、セル特定情報は、他のオペレータ(e.g., オペレータB)のセル(e.g., Cell #3)をUE3による処理対象として特定するために、以下に列挙するパラメータのうち少なくとも1つを指定してもよい:
・オペレータAのセルとは異なるセル識別子、
・オペレータAのセルとは異なるフレームタイミング、及び
・オペレータAのセルとは異なるON期間。
ここで言うオペレータAのセルとは、当該オペレータAの各eNB(LTE-U eNB1)が把握している限りのセル(例えば、自セル及び隣接セルリストのセル)であればよく、必ずしもオペレータAの全てのセルである必要はない。
さらに他の例において、セル特定情報は、他のオペレータBのセル(Cell #3)をUE3による処理対象として特定するために、オペレータAのセル(e.g., Cell #2)のPCI、フレームタイミング、又はON期間を指定してもよい。この場合、UE3は、セル特定情報において明示的に指定されていないPCI、フレームタイミング、又はON期間において、所定の処理を行えばよい。
セル特定情報は、複数のPCI、複数のフレームタイミング、又は複数のON期間を指定してもよい。セル特定情報は、複数のPCIを指定するために、PCIの範囲(e.g., 100 to 200)を指定してもよい。
セル特定情報は、例えば、サービングセル(Cell #1)においてRRC signaling(message)による個別制御情報としてUE3に送信されてもよい。RRC signaling(message)は、RRC Connection Reconfiguration messageであってもよく、eNB1は、端末測定に必要な設定情報(Measurement configuration: MeasConfig)としてセル特定情報を送信してもよい。これに代えて、セル特定情報は、サービングセル(Cell #1)の報知情報(System Information: SI, System Information Block: SIB)で送信されてもよい。
セル特定情報が、PCI、PCIのリスト、又はPCIの範囲の指定を含む場合、当該セル特定情報は、PCI情報(PCI information)と呼ぶことができる。
UE3によって行われる所定の処理は、以下に列挙する処理のうち少なくとも1つを含んでもよい。
・セルサーチ処理(cell search)
・セル選択処理(cell selection)
・セル再選択処理(cell reselection)
・セルへの近接の検出(proximity estimation)
・セルへの近接の報告(proximity indication)
・端末測定(RRM measurement)
・端末測定結果の報告(RRM measurement report)
・無線品質測定(CQI measurement)
・無線品質測定結果の報告(CQI report)
・通信路状態測定(CSI measurement)
・通信路状態測定結果の報告(CSI report)
・Sensing (CCA, energy detection)
あるセルをセルサーチ処理の対象とすることは、当該セルのPSS及びSSSの系列をcell search機能における検索の候補として選択することを意味する。セルサーチ処理は、以下の少なくとも1つを目的に当該セルが存在しているか否かを検索(探索)することであってもよい:
(a)サービングセル(e.g. SCell)として使用すること、
(b)他のオペレータのセルが存在するか否かを確認すること、
(c)他のオペレータのセルからの干渉測定(inter-operator measurement, inter-operator cell interference measurement, inter-network measurement, or inter-network interference measurement)を行うこと、及び
(d)sensing(e.g. CCA, energy detection)を行うこと。
セルへの近接の検出は、例えば上述の(a)〜(d)の少なくとも1つを目的に、対象セルが周辺(近く)に存在するか否かを、UE3が自律的に確認(推定)することであってもよい。セルへの近接(proximity)の検出は、セルへの近接の推定(proximity estimation)、セルの利用可能性(cell availability)の検出、又は単にセルの検出(cell discovery)と呼ぶこともできる。UE3による非ライセンス周波数における非帰属セル(non-serving cell)への近接(proximity)の検出は、例えば、当該非帰属セルにおいて無線基地局(LTE-U eNB)1から送信されるセル特定信号を検出することを含む。セル特定信号は、既知シンボル又は既知系列を包含する。セル特定信号は、例えば、同期信号(Synchronization Signal。LTEでは、PSS及びSSS)又は参照信号(Reference Signal: RS)でもよいし、当該セルにおいて報知される基本情報(Master Information Block: MIB)又はシステム情報(System Information Block: SIB。例えばSIB1若しくはSIB2、又はLTE-U用に規定されたSIBx)でもよい。この場合、UE3は、例えば当該セル特定信号(e.g., RS)の受信品質(e.g., RSRP, RSRQ, RSSI, SINR, 又はCQI)が所定の閾値以上か否か(または閾値より大きいか否か)に基づいて当該非帰属セルへの近接を検出してもよい。これに代えて、UE3は、当該非帰属セルにおいて報知される基本情報(MIB)又はシステム情報(SIB)を正しく受信したか否かに基づいて、当該非帰属セルへの近接を検出してもよい。なお、参照信号は、例えばセル固有参照信号(Cell Specific RS: CRS)、通信路状態情報(Channel State Information: CSI)の測定報告用の参照信号(CSI RS)、及びセル検出用の参照信号(Discovery RS: DRS)のうち少なくともいずれかを含んでもよい。DRSは、例えばPSS、SSS、CRS、及びCSI RSのうち2つ以上の組み合わせであってもよいし、セル検出のために新たに規定された参照信号であってもよい。
セルへの近接の報告は、上述のセルへの近接の検出の結果をライセンス周波数のサービングセル(e.g., PCell)でLTE-U eNB1へ報告することを含む。当該報告は、Radio Resource Control (RRC) messageとしてUE3からLTE-U eNB1に送信されてもよい。当該報告は、検出された非ライセンス周波数のセルを特定するために、セル識別子(e.g., PCI)に加えてタイミング情報を含んでもよい。当該タイミング情報は、無線端末における下りリンクの信号の受信に関するもので、検出されたセルのフレームタイミングとサービングセルのそれとの関係を示す。当該タイミング情報は、検出されたセルのフレームタイミングとサービングセルのそれとの差(e.g., 時間差、又はサブフレーム番号の差)を示してもよい。
図6は、UE3によって行われる処理の一例(処理600)を示すフローチャートである。処理600は、図5のブロック504に記載されたセル特定情報を受信したときのUE3の動作を示している。ブロック601では、UE3は、非ライセンス周波数(F2)のセルを特定するためのセル特定情報をサービングセル(Cell #1)においてLTE-U eNB1から受信する。ブロック602では、UE3は、セル特定情報に従って特定された非ライセンス周波数(F2)のセルを対象として所定の処理を行う。セル特定情報およびUE3により行われる所定の処理は、既に説明したとおりである。図5及び図6の手順によれば、PCIの競合を解消または回避し、非ライセンス周波数を使用する複数のセルのうちUE3によって行われる処理の対象とされるべきセルを適切に特定することができる。
以上の説明から理解されるように、本実施形態に係るUE3は、PCIの競合の検出に有用な情報(つまり、フレームタイミング又はON期間に関するタイミング情報)をネットワーク(e.g., eNB1又はその他のコントロールノード)に提供できる。したがって、本実施形態によれば、UE3は、ネットワークによるPCIの競合、つまりPCI collision又はPCI confusion、の検出を支援することができる。
<第2の実施形態>
上述の第1の実施形態では、ライセンス周波数と非ライセンス周波数でCAを行うLAA方式によるLTE-Uの例について説明した。本実施形態では、LTE-U eNB及びUEがDual Connectivity (DC)の機能を有するケースについて説明する。図7は、本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。無線基地局(eNB)4及び5並びに無線端末(UE)7は、Dual Connectivityの機能を有する。Dual Connectivityは、メイン基地局(マスター基地局、Master eNB: MeNB)4とサブ基地局(セカンダリ基地局、Secondary eNB: SeNB)5によって提供される(つまり、管理される)それぞれの無線リソース(つまり、セル又はキャリア)を同時に使用してUE7が通信を行う処理である。図7の例では、MeNB4とSeNB5がX2インターフェースを介して接続され、MeNB4がライセンス周波数F1のCell #1を管理し、SeNB5がライセンス周波数F2のCell #2と非ライセンス周波数F3のCell #3を管理する。MeNB4及びSeNB5は、DCを行わないUEにとっては通常のLTE eNBとして動作し、それぞれCell #1及びCell #2において独立してUEと通信が可能である。
DCをサポートするUE7は、MeNB4とSeNB5のそれぞれによって管理される周波数が異なる複数のセルを同時に帰属セル(serving cell)として使用するキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation: CA)を行うことができる。MeNB4が管理するserving cellの集合はMaster Cell Group (MCG)と呼ばれ、SeNB5が管理するserving cellの集合はSecondary Cell Group (SCG)と呼ばれる。MCGは、少なくともPrimary Cell (PCell)を含み、更に1つ以上のSecondary Cell (SCell)を含んでもよい。SCGは、少なくともPrimary SCell (pSCell又はPSCellと略記)を含み、更に1つ以上のSCellを含んでもよい。pSCellは、少なくとも上りリンクの物理制御チャネル(Physical Uplink Control CHannel: PUCCH)が割り当てられており、SCGの中でPCellのような役割を持つセルである。
以下では、Dual Connectivity(DC)に関して簡単に説明する。Dual Connectivityの詳細については、例えば、非特許文献5を参照されたい。MeNB4は、DCを実行するUE7に対するコアネットワーク(Evolved Packet Core: EPC)のモビリティ管理装置(Mobility Management Entity: MME)との接続(S1-MME)を保持する。その為、MeNB4はUE7のモビリティ管理ポイント(又はmobility anchor)と呼ぶことができる。従って、Control Plane (CP)の制御情報は、MCGにおいてMeNB4とUE7の間で送受信される。SeNB5のSCGに関連するCPの制御情報は、SeNB5とMeNB4の間(X2インターフェース)で送受信され、更にMCGにおいてMeNB4とUE7の間で送受信される。例えば、SCGのRadio Resource Configuration (e.g. RadioResoureConfigDedicated IE)は、SCG-Configurationと呼ばれるinter-node RRC messageでSeNB5からMeNB4へ送信され、RRC Connection Reconfiguration messageでMeNB4からUE7へ送信される。一方、UE7の端末能力情報(UE-EUTRA capabilities IE)、SCGのセキュリティ情報(e.g. S-KeNB)、MCGのRadio Resource Configuration (e.g. RadioResourceConfigDedicated IE)などは、SCG-ConfigInfoと呼ばれるinter-node RRC messageでMeNB4からSeNB5へ送信される。
DCでは、User Plane (UP)のベアラ設定の観点から3つの構成がサポートされている。1つ目はMCG bearerである。MCG bearerは、MeNB4のリソース(e.g. MCG)のみを使用する為に、無線プロトコルがMeNB4のみに配置されているベアラであり、DCを行わない通常のLTEと同様に、ゲートウェイ装置(Serving Gateway (S-GW)又はPacket Data Network Gateway (P-GW))とMeNB4の間で接続(S1-U)が保持される。2つ目はSCG bearerである。SCG bearerは、SeNB5のリソース(e.g. SCG)のみを使用する為に、無線プロトコルがSeNB5のみに配置されているベアラであり、ゲートウェイ装置(S-GW又はP-GW)とSeNB5の間で接続(S1-U)が保持される。3つ目はSplit bearerである。Split bearerは、MeNB4とSeNB5の両方のリソース(e.g. MCGとSCG)を使用する為に、無線プロトコルがMeNB4とSeNB5の両方に配置されているベアラである。Split bearerでは、ゲートウェイ装置(S-GW又はP-GW)とMeNB4の間で接続(S1-U)が保持され、例えばSCGで送信されるUP data(e.g. PDCP PDU)は、X2を介してMeNB4からSeNB5へ転送される。DCを実行中のSeNB5及びUE7においてLAAを行う場合、例えばSCGのPSCellと共に非ライセンス周波数のセルをSCellとして使用する。このとき、非ライセンス周波数のセルでは、SCG bearer又はSplit bearerに対応する無線ベアラ(Radio Bearer)が確立される。
図8は、異なるLTEオペレータによって提供される複数のセルが同じPCIを使用する状況の一例を示している。図8の例では、Dual Connectivity をサポートするMeNB4及びSeNB5は、オペレータAによって管理される。非ライセンス周波数(F3)のCell #3は、PCI #5を持つ。一方、LTE-U eNB6は、オペレータAと異なる他のオペレータBによって管理され、非ライセンス周波数F3においてCell #4を運用している。図8の例では、Cell #3及びCell #4は互いに隣接しており且つ同じPCI #5を持つため、PCI collisionが発生している。なお、同じPCI #5を持つCell #3及びCell #4は、互いに隣接していないが、各々がCell #2に隣接するよう配置されてもよく、この場合にはPCI confusionが発生する。
第1の実施形態で説明された、ネットワーク(e.g., eNB1又はその他のコントロールノード)によるPCIの競合の検出を支援するために、PCIの競合の検出に有用な情報(つまり、フレームタイミング又はセルの検出タイミングに関するタイミング情報)をUE3からネットワークに送信する技術は、図8に示されたDual Connectivityのケースにも適用できる。なお、上述のサービングセルは、MeNB4のセル(MCG。E.g., PCell)でもよいし、SeNB5のセル(SCG。E.g., PSCell)でもよい。ただし、MeNB4のMCGとSeNB5のSCGとの間でSFNが同期していてもよいし、同期していなくてもよい。SFNが同期していない場合で、かつ、タイミング情報の生成の基準とするサービングセルがMeNB4のセル(e.g., PCell)である場合、UE7はMCGとSCGのSFNの差を考慮してタイミング情報を生成してもよいし、基準となるMeNB4のセル(e.g., PCell)のSFNに対してタイミング情報を生成してもよい。後者の場合、UE7はSFNの差もMeNB4に報告するようにしてもよい。
また、UE7は、非ライセンス周波数(F3)において検出されたセルのタイミング情報をSCGにおいてSeNB5に送信してもよいし、MCGにおいてMeNB4に送信してもよい。後者の場合、MeNB4は、例えばSCG-ConfigInfoにて当該タイミング情報をSeNB5に転送してもよい。さらに、UE7は、所定の処理の対象とするべきセルを特定するためのセル特定情報をSeNB5のセル(SCG)において受信してもよいし、MeNB4のセル(MCG)において受信してもよい。また、セル特定情報は、SeNB5が生成してもよいし、MeNB4が生成してもよい。前者の場合、SeNB5は生成したセル特定情報を例えばSCG-ConfigurationにてMeNB4に転送し、MeNB4がUE7に送信してもよい。
最後に上述の実施形態に係る無線端末(UE3、UE7)及び無線基地局(LTE-U eNB1、MeNB4、SeNB5)の構成例について説明する。上述の実施形態で説明された無線端末(UE3、UE7)の各々は、無線基地局(LTE-U eNB1、MeNB4、SeNB5)と通信するためのトランシーバ、及び当該トランシーバに結合されたコントローラを含んでもよい。コントローラは、上述の実施形態で説明された無線端末(UE3、UE7)に関する処理(例えば、非ライセンス周波数のセルをそのフレームタイミングとサービングセルのフレームタイミングとの関係に基づいて区別する処理)を実行する。
上述の実施形態で説明された無線基地局(LTE-U eNB1、MeNB4、SeNB5)の各々は、無線端末(UE3、UE7)と通信するためのトランシーバ、及び当該トランシーバに結合されたコントローラを含んでもよい。コントローラは、上述の実施形態で説明された無線基地局(LTE-U eNB1、MeNB4、SeNB5)に関する処理(例えば、所定のオフセットの設定値のUE3又はUE7への送信、UE3又はUE7から受信したタイミング情報に基づくPCIの競合の検出)を実行する。
図9は、第1の実施形態に係る無線端末(UE)3の構成例を示すブロック図である。第2の実施形態に係る無線端末7も図9と同様の構成を有してもよい。図9を参照すると、UE3は、無線トランシーバ3001、プロセッサ3002、及びメモリ3003を含む。無線トランシーバ3001は、LTE-U eNB1と通信するよう構成されている。
プロセッサ3002は、メモリ3003からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態で説明された処理300又は600に関するUE3の処理を行う。プロセッサ3002は、例えば、マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU)、又はCentral Processing Unit(CPU)であってもよい。プロセッサ3002は、複数のプロセッサを含んでもよい。
メモリ3003は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、マスクRead Only Memory(MROM)、Programmable ROM(PROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。また、メモリ3003は、プロセッサ3002から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ3002は、図示されていないI/Oインターフェースを介してメモリ3003にアクセスしてもよい。
メモリ3003は、上述の実施形態で説明された処理300又は600に関するUE3の処理を実行するための命令群およびデータを含む1又は複数のソフトウェアモジュールを格納するために使用されてもよい。プロセッサ3002は、当該1又は複数のソフトウェアモジュールをメモリ3003から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたUE3の処理を行うことができる。
図10は、第1の実施形態に係る無線基地局(LTE-U eNB)1の構成例を示すブロック図である。第2の実施形態に係る無線基地局4及び5も図10と同様の構成を有してもよい。図10を参照すると、LTE-U eNB1は、無線トランシーバ1001、ネットワークインターフェース1002、プロセッサ1003、及びメモリ1004を含む。無線トランシーバ1001は、UE3と通信するよう構成されている。ネットワークインターフェース1002は、ネットワークノード(e.g., MME及びS-GW)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1002は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
プロセッサ1003は、メモリ1004からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態で説明された処理500に関するLTE-U eNB1の処理を行う。プロセッサ1003は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1003は、複数のプロセッサを含んでもよい。
メモリ1004は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。メモリ1004は、プロセッサ1003から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1003は、ネットワークインターフェース1002又は図示されていないI/Oインターフェースを介してメモリ1004にアクセスしてもよい。
メモリ1004は、上述の実施形態で説明された処理500に関するLTE-U eNB1の処理を実行するための命令群およびデータを含む1又は複数のソフトウェアモジュールを格納するために使用されてもよい。プロセッサ1003は、当該1又は複数のソフトウェアモジュールをメモリ1004から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたLTE-U eNB1の処理を行うことができる。
図9及び図10を用いて説明したように、上述の実施形態に係るUE3及び7並びにeNB1、4及び5が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行してもよい。これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
<その他の実施形態>
上述の複数の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
上述の実施形態では、説明の便宜のために、非ライセンス周波数のセルとして同一のPCIを使用する複数のセルのみが示されている図(図2、図7等)を用いて説明したが、これらの図は一例に過ぎない。すなわち、上述の実施形態では、PCIの競合が発生していない少なくとも1つのセルが非ライセンス周波数において運用されてもよく、UE3及び7は、これら少なくとも1つのセルに対して上述した処理300又は600等を行ってもよい。さらに、上述の実施形態では、非ライセンス周波数において複数の周波数(キャリア又はチャネル)が使用可能であってもよく、UE3及び7は、それら複数の周波数全て、又はLTE-U eNBによって指定された周波数を対象として処理300又は600等を行ってもよい。
例えば、図2に示されたCell #2(PCI #5)及びCell #3(PCI #5)に加えて、これらと異なるPCIを持つCell #4(PCI #6)が存在する場合に、UE3は、非ライセンス周波数(F2)において検出された、(i) Cell #2に対応するPCI #5及びそのフレームタイミング、(ii) Cell #3に対応するPCI #5及びそのフレームタイミング、並びに(iii) Cell #4に対応するPCI #6及びそのフレームタイミングを検出し、これらをLTE-U eNB1に報告してもよい。これに代えて、UE3は、(i) Cell #2に対応するPCI #5及びそのフレームタイミング及び(ii) Cell #3に対応するPCI #5及びそのフレームタイミングをLTE-U eNB1に報告せずに、(iii) Cell #4に対応するPCI #6及びそのフレームタイミングをLTE-U eNB1に報告してもよい。これらの例において、LTE-U eNB1は、UE3からの報告を受信し、PCIの競合が生じているおそれのあるCell #2よりも、PCIの競合が生じていないと推定されるCell #4を優先的にCAのセカンダリセル(SCel)として選択してもよい。
上述の実施形態において説明されたPCIは、セル識別子(物理的な識別子)の一例である。例えば、非ライセンス周波数のセルでは、PCIとは異なる他のセル識別子の競合が発生するかもしれない。いくつかの実装において、非ライセンス周波数のセルの識別子は、Virtual Cell IDであってもよい。Virtual Cell IDは、例えば当該非ライセンス周波数のセルにて参照信号(Reference Signal)の送信などに使用されるスクランブリング・コード識別子(e.g. Scrambling Identity、又は Scrambling Code ID)であってもよい。また、いくつかの実装において、非ライセンス周波数のセルの識別子は、非ライセンス周波数のセルに対して新たにセル番号又はセルインデックスを付与して定義されたPCIとは異なる識別子であってもよい。これらの識別子は、PCIに代えて又は組合せて使用されてもよい。
上述の実施形態では、LAAのケースについて説明した。すなわち、第1の実施形態では、無線基地局(LTE-U eNB)1及び無線端末(UE)3がライセンス周波数のセルをプライマリセル(PCell)として使用すると共に、非ライセンス周波数のセルをセカンダリセル(SCell)として使用するキャリアグリゲーション(CA)について主に説明した。第2の実施形態では、MeNB4及びSeNB5がライセンス周波数を使用し、SeNB5が更に非ライセンス周波数を使用するDual Connectivity (DC)について主に説明した。しかしながら、第1の実施形態では、無線基地局(LTE-U eNB)1は、ある共用周波数(例えばF3)をPCellとして使用し、狭義の非ライセンス周波数(例えばF2)又は他の共用周波数(例えばF4)をセカンダリセル(SCell)として使用するキャリアグリゲーション(CA)を行ってもよい。ここで、狭義の非ライセンス周波数は、いずれのオペレータにも割り当てられていない周波数(つまり、ライセンス周波数ではなく且つ共用周波数でもない周波数)を意味する。同様に、第2の実施形態では、Dual Connectivity (DC)のために、MeNB4が共用周波数を使用し、SeNB5が共用周波数又は狭義の非ライセンス周波数を使用してもよい。
さらに、PCIの競合(conflict)は、複数のLTEオペレータが非ライセンス周波数(またはライセンス共用周波数)をLAA又はLSAのために使用する状況だけでなく様々な状況で発生し得る。PCIの競合(conflict)、つまりPCI collision又はPCI confusionは、非ライセンス周波数、ライセンス共用周波数、及びライセンス周波数のいずれを使用する場合にも発生する可能性があり、複数オペレータ間及び1つのオペレータ内のいずれでも発生する可能性がある。上述の実施形態で説明された、検出されたセルのフレームタイミング又は検出タイミングに関するタイミング情報と当該セルのPCIとをUEからeNBに送信する技術は、PCIの競合が発生する様々なケースに適用することができる。
さらにまた、既に述べたように、PCI confusionは、複数のセルが異なる周波数を使用するが、これらが同一のPCIを使用している場合にも発生する可能性がある。上述の実施形態で説明された、検出されたセルのフレームタイミング又は検出タイミングに関するタイミング情報と当該セルのPCIとをUEからeNBに送信する技術は、異なる周波数を使用する複数のセルの間のPCI confusionが発生するケースに適用することができる。
また、上述の実施形態では、主にLTEシステムに関して説明を行った。しかしながら、既に述べたように、これらの実施形態は、LTEシステム以外の無線通信システム、例えば、3GPP UMTS、3GPP2 CDMA2000システム(1xRTT, HRPD)、GSM/GPRSシステム、又はWiMAXシステム等に適用されてもよい。尚、非ライセンス周波数におけるLTEの通信を行う機能を有する無線基地局(eNB)及びRRH/RREを無線基地局(LTE-U eNB)と呼んだ。他のシステムでも同様に、複数の周波数(例えば、ライセンス周波数および非ライセンス周波数)において通信を行うことが可能なネットワーク装置の導入が可能であり、それらを総称して無線局と呼ぶことができる。つまり、当該無線局は、LTEでは上述のように無線基地局(eNB)及びRRH/RREに相当し、UMTSでは基地局(NodeB: NB)及び基地局制御局(RNC)に相当し、更にCDMA2000システムでは基地局(BTS)及び基地局制御局(BSC)に相当する。さらに、特にDual Connectivity (DC)の例では、メイン基地局(LTEではMeNB)及びサブ基地局(LTEではSeNB)を含む基地局システムを無線局と呼ぶことができる。メイン基地局及びサブ基地局の各々は、無線通信ノードと呼ぶことができる。
LTE以外の無線通信システムでは、PCIとは異なる他のセル識別子が使用され(例えば、3GPP UMTSで使用されるPSC)、PCIの競合(conflict)と同様にこれらのセル識別子の競合も発生し得る。上述の実施形態で説明された、検出されたセルのフレームタイミング又は検出タイミングに関するタイミング情報と当該セルのPCIとをUEからeNBに送信する技術は、PSC等の他のセル識別子の競合が発生する様々なケースに適用することができる。
また、上述の実施形態において、サービングセル(例えば、図2のCell #1)と、互いに同一のセル識別子及び同一の周波数を使用するよう設定された複数のセル(例えば、図2のCell #2及びCell #3)は、互いに異なるRadio Access Technology (RAT)を使用してもよい。例えば、サービングセルはLTE(E-UTRAN)のセルであってもよく、サービングセルとは異なる複数のセルはUMTS(UTRAN)のセルであってもよい。
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。