JP2016091986A - 透明導電膜付き基材の製造方法および透明導電膜付き基材、ならびにタッチパネル - Google Patents

透明導電膜付き基材の製造方法および透明導電膜付き基材、ならびにタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】表面抵抗率の変化が少ないという効果を有するカーボンナノチューブを導電膜として用いた透明導電膜付き基材の製造方法、および透明導電膜、ならびに得られた透明導電膜付き基材を電極として用いたタッチパネルを提供するものである。【解決手段】カーボンナノチューブ含有層を透明フィルムの片面に有する透明導電膜付き基材の製造方法であって、透明フィルムの片面に紫外線照射処理を施す工程と、紫外線照射処理を施した透明フィルム面に、カーボンナノチューブおよび分散剤を含む水性分散液を塗布、乾燥させて透明導電膜を形成する工程と、透明導電膜から分散剤を除去する工程を含むことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブ(以下、CNTという場合がある)を導電膜に用いた透明導電膜付き基材の製造方法、および透明導電膜付き基材、ならびに得られた透明導電膜付き基材を電極として用いたタッチパネルに関し、詳しくは、高温高湿雰囲気下に暴露した場合に、暴露前後での表面抵抗値の変化が小さい透明導電膜付き基材やそれを用いたタッチパネルを提供するものである。
近年、スマートフォンやタブレットPCなどの普及によりタッチパネルの需要が拡大しており、それらデバイス内の主要電極として高透明性、かつ高導電性材料であるITO(酸化インジウムスズ)を透明導電膜として用いたフィルムが使用されている。一方、タッチパネルの最近の動向として、形態変化や用途拡大が急速に進んでおり、高屈曲性や低抵抗性、高透過性、さらに低コスト化などが市場から要求されている。
しかしながら、ITO膜は脆い物性を示すために、入力操作の繰返しによって微小な割れが生じやすいと共に、曲げにも弱いという問題があり、屈曲時に発生するクラックによって断線する恐れもある。また、レアアースであるインジウムで構成されるITOは、資源の枯渇問題のために安定供給に不安がある。さらに、ITO膜の形成には蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスが必要となるために、多大な設備投資が必要となってプロセスコストが高い製造方法であるというのが実情である。
また、入力端末としてのタッチパネルは、代表的には抵抗方式と静電容量方式があり、スマートフォンは静電容量方式が採用されている。近年では抵抗方式から静電容量方式への切り替えが進む傾向にあるが、抵抗方式は静電容量方式に比べて低コストでタッチパネルの入力システムを構成できるという利点があるので、抵抗方式は今後もスタンダードなタッチパネルとしての需要が見込めるものである。
このような実情に鑑みて、ITO膜に代わる次世代の透明導電膜材料として、CNTや銀ナノワイヤーなどのナノ材料や、それらの複合体、導電性ポリマーなどが提案されている。(特許文献1および特許文献2参照)
このような代替材料のうち、CNTはその特有の柔軟性や密着性によって、CNTにて形成した透明導電膜は、優れた耐屈曲性(折り曲げ可能性)や耐久性を有するものである。そこで、CNTを用いた透明導電膜の用途としては、タッチパネルデバイス用の電極のほか、有機EL照明用の電極などが挙げられる。一方、透明導電膜としての必要特性としては、導電性や透過性、環境安定性などが挙げられるが、CNTを用いた透明導電膜は高温高湿度下に曝されると、表面抵抗値が上昇するという課題を有するものである。特に、タッチパネル用途として用いる場合には、高温高湿度下での表面抵抗変化率(高温高湿雰囲気下暴露前の抵抗値により暴露後の抵抗値を割った値)が、高くなりすぎるとタッチパネルとしての性能が低下する傾向を示すが、未だ高温高湿度下で小さい表面抵抗変化率を満足できるようなCNT導電膜が得られていないのが実情である。
特開2008−251273号公報 特開2009−070660号公報
本発明の目的は、カーボンナノチューブを含む導電性材料で形成された導電層を有した透明導電膜付き基材であって、高温高湿度の雰囲気下に暴露した場合であっても、暴露前後での表面抵抗値の変化が極めて小さい透明導電膜付き基材や、それを用いたタッチパネルを提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、カーボンナノチューブを含有する透明導電膜を形成する前の透明フィルム面に紫外線照射処理を施すことによって、高温高湿度下に暴露しても表面抵抗値が変化しにくくなることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、カーボンナノチューブ含有層を透明フィルムの片面に有する透明導電膜付き基材の製造方法であって、透明フィルムの片面に紫外線照射処理を施す工程と、紫外線照射処理を施した透明フィルム面に、カーボンナノチューブおよび分散剤を含む水性分散液を塗布、乾燥させて透明導電膜を形成する工程と、透明導電膜から分散剤を除去する工程を含むことを特徴とする透明導電膜付き基材の製造方法を提供するものである。
また、好ましくは透明導電膜から分散剤を除去する工程の後、カーボンナノチューブ含有層側にオーバーコート層をさらに形成してなる透明導電膜付き基材の製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、上記製造方法によって得られてなる透明導電膜付き基材、好ましくは得られた透明導電膜付き基材のカーボンナノチューブ層側に粘着剤層を介してガラス基板もしくはプラスチック基板を積層してなる透明導電膜付き基材や、該透明導電膜付き基材を電極として用いたことを特徴とするタッチパネルを提供するものである。
本発明の製造方法によれば、高温高湿雰囲気下に暴露する前後で表面抵抗値の変化が小さい透明導電膜付き基材を得ることができ、耐屈曲性に優れたタッチパネルなどの入力デバイスに好適に用いることができるという効果を有するものである。
支持基材としての透明フィルムの表面に紫外線照射を施した時間(秒)と、60℃で95%相対湿度下に暴露した際の表面抵抗値の変化率を示すグラフである。
本発明の製造方法によって得られる透明導電膜付き基材は、基材としての透明フィルム上にCNT含有層を積層したものである。透明な支持基材としては、樹脂やガラスなどが挙げられ、その厚みについては特に制限はないが、充分な屈曲性を付与するためには支持基材として透明な樹脂フィルムを用いることが好ましい。透明な樹脂フィルムを用いる場合は、フィルム厚が1mm以下、さらには500μm以下のものを用いることが好ましい。
樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂のほか、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などを用いることができる。これらの樹脂フィルムの中でも、優れた光透過性や柔軟性、機械的特性、表面平滑性などの点から、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。また、屈曲性を必要としない場合などに用いられるガラスとしては、ソーダガラス、ホウ素を混合して軟化温度や硬度を高めたホウケイ酸ガラスなどの耐熱硬化ガラスを用いることができる。
また、本発明の製造方法によって得られる透明導電膜付き基材は、タッチパネルなどの入力デバイスとして用いるためには、上記透明支持基材の全光線透過率が50%以上、好ましくは80%以上のものを用いることが望ましい。このように透明性を重視する場合には、フィルム状の支持基材では透明性や屈曲性、取扱い性などの点を考慮すると、透明支持基材の厚みは、10〜500μm程度の範囲にすることが好ましい。
本発明においてカーボンナノチューブ含有層(導電層)を構成するカーボンナノチューブは、単層CNTや二層CNT、多層CNTのいずれであってもよい。また、その直径は0.3〜100nm、長さは0.1〜20μm程度のものを用いることが、優れた導電性や分散性などの点から好ましいものである。また、用いるCNTは、アモルファスカーボンや金属触媒などの不純物を含まないものが好ましく、使用するに当たって酸処理や紫外線照射処理、熱処理などによって事前に精製しておくことができる。
本発明の製造方法においては、上記CNTは分散剤と共に混合した水性分散液として用いることができる。この際に用いる分散剤はCNTを均一に分散させるためのものであって、CNTの吸着性や支持基材としての透明フィルムとの密着性、塗布性の点を勘案すると、CNTと吸着する官能基または構造を含み、かつ分散溶媒と相溶する性質を有する材料であることが好ましい。このような官能基を有する分散剤としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、スルホニル基、ヒドロキシ基などからなる材料であり、具体的には、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレン−ポリメタクリル酸、ポリスチレン−ポリイミド、各種糖類、各種脂肪酸エステル類などの高分子量の分散剤や、アルキル硫酸ナトリウム類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などを用いることができる。また、分散剤としての好ましい構造としては、共役結合を有する分散剤が良く、特に、環状共役結合などを有する材料を用いることが好ましい。具体的には、ピレン系誘導体、フラーレン系誘導体、ベンゼン環構造を分子内に多く有する分散剤を用いることが好ましい。これらの分散剤のうち、水溶性高分子を用いることが好ましく、その中でも優れた分散性や洗浄性、環境安全性などの点から、カルボキシメチルセルロースを分散剤として使用することが特に好ましいものである。
以下に、本発明の透明導電膜付き基材の製造方法の一例について、具体的に説明する。
〔透明フィルムの片面への紫外線照射処理工程〕
本発明の製造方法においては、まず透明フィルムの片面に紫外線照射処理を施す。使用する紫外線照射光源や照射する波長範囲などの照射条件は特に限定されるものはなく、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプ、LEDランプ、エキシマランプなどを用いることができ、その中でも優れた親水性や洗浄性などの点から、低圧水銀ランプを用いることが好ましい。また、これら紫外線照射を行う際の照射条件は、熱や光エネルギーによる基材の湾曲や収縮など、機械的特性に影響を及ぼさない範囲であれば特に問題はないが、照度1mW/cm以上、好ましくは1〜20mW/cm、照射時間10秒以上、好ましくは10〜900秒程度の条件で行うことが、本発明の効果を確実に達成できるので望ましい。
本発明では透明フィルムの表面に紫外線照射することによって、最終的に得られる透明導電膜付き基材を高温高湿雰囲気に暴露した場合でも、暴露前後での表面抵抗値の変化率が小さくなるのである。このメカニズムについては不明であるが、紫外線照射を行う時間を長くすることによって、表面抵抗の変化率が低下することから推定すると、紫外線照射による基材としての透明フィルム表面の親水性が向上することによって、後の工程で表面に接触するCNTまたは分散剤などの密着力が向上すると思われる。なお、本発明における表面抵抗値は、非接触式抵抗測定器(ナプソン社製の型式EC−80)を用いて渦電流方式で、サンプル中央部を測定した値である。
〔CNTおよび分散剤を含む水性分散液の塗布、乾燥工程〕
本発明では、上記のように紫外線照射処理を片面に施した透明フィルムの処理面側に、CNTおよび分散剤を含む水性分散液を塗布、乾燥して透明導電膜を形成する。水性分散液の塗布方法については、特に限定されるものではないが、例えば、ダイコート法やキスコート法、グラビアコート法、ブレードコート法、カレンダーコート法、スピンコート法、ディップコート法、バーコート法などの塗布方法を採用することができる。また、CNT分散液中のCNTや分散剤の濃度についても限定されるものでないが、透明フィルム上により導電性が安定した均一な導電膜を成膜するためには、採用する塗工方法に適した水性分散液の物性にすることが望ましい。本発明においては、上記水性分散液中のCNT濃度は、水中での安定分散の点から、0.01〜1重量%、分散剤濃度はCNT濃度以上の濃度にすることが好ましい。さらに、塗布したのちに水性分散液を乾燥させる際の乾燥温度についても、支持基材となる透明フィルムの材料特性に大きな影響を及ぼさない程度の温度範囲であれば、特に問題ない。
〔透明導電膜からの分散剤除去工程〕
本発明の製造方法においては、上記のようにして透明フィルム上に塗布、乾燥して得られた透明導電膜から分散剤を除去する必要がある。分散剤を除去する方法としては、極性溶剤による洗浄処理による方法が好ましく、より具体的には導電膜を極性溶媒に浸漬することによって、含有している分散剤を溶解、抽出して除去することができる。分散剤は前記したようにCNTを均一に分散させるために配合されているものであるが、導電膜中に分散剤が残存すると、導電材料としてのCNT同士が接触して導通する際の接触抵抗となって、導電特性に悪影響を及ぼすようになる。そのために本発明では分散剤を除去する必要があるが、導電特性に悪影響を及ぼさない範囲であれば残存しても良いことは云うまでもない。
分散剤を除去するための極性溶媒としては、水性分散液中の分散剤と相溶性のあるものであれば、特に限定されるものではなく、水溶性高分子を分散剤として使用している場合には、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール類や水が好ましい。極性溶媒に浸漬して分散剤を除去する際の浸漬時間としては、充分に分散剤が除去され、しかも表面抵抗値が小さくなるような浸漬時間であれば特に制限されるものではないが、通常、30秒以上、さらには1分以上の浸漬時間とすることが好ましい。
本発明における透明導電膜付き基材の製造方法は、上記のような工程を含むものであるが、CNTを含む透明導電膜を固定、保護する目的で、透明導電膜から分散剤を除去する工程の後、CNT含有層(導電層)側に、オーバーコート層をさらに形成することが好ましい。オーバーコート層を形成するための材料としては、有機系や無機系の高分子材料などで構成することが、優れた水蒸気バリア性やガスバリア性、柔軟性などの点から好ましい。具体的には有機系の高分子材料としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などを用いることができる。これらのうち、使用に際しては全光透過性やガラス転移温度、膜硬度などの点から、適宜選択することができる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ABS樹脂などを用いることができる。また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。さらに、セルロース樹脂としては、アセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどを用いることができる。一方、光硬化性樹脂としては、各種光硬化性オリゴマー、光硬化性モノマー、光重合開始剤などを含有する樹脂などを用いることができる。無機系の材料としては、シリカゾルやアルミナゾルなどを用いることができる。上記したオーバーコート層は、優れた水蒸気バリア性やガスバリア性などの点から、その厚みは10nm〜10μm、特に500〜1000nm以上が好ましい。
また、本発明の透明導電膜付き基材は、粘着剤層を介してガラス基板もしくはプラスチック基板を積層することによって、タッチパネルなどの入力デバイス用途に用いることができる。粘着剤層を構成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤など公知の粘着剤を用いることができるが、耐湿性や耐光性、光透過性などの点からはアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。形成する粘着剤層の厚みは、光透過性や投錨性などの点から1〜1000μm、好ましくは10〜100μm程度の厚みに設定することが望ましい。
粘着剤層を介して積層するガラス基板としては、光透過性や機械的強度などの観点から、その材質を通常のケイ酸ガラス以外に、ソーダガラス、ホウ素を混合して軟化温度や硬度を高めたホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いることができ、プラスチック基板としては、光透過性や機械的強度の観点から、その材質をアクリル樹脂やカーボネート樹脂などからなるプラスチック基板を用いることができる。これらのガラス基板やプラスチック基板の厚みは、通常0.01〜1mm程度のものを用いることが望ましい。
本発明においては、このようにして得られた透明導電膜付き基板を電極として用いることによって、タッチパネル用途に使用することができる。本発明の透明電極膜付き基板はITOを透明導電膜とした従来品と比べて、優れた耐屈曲性(折り曲げ可能性)や耐久性を有するという効果を発揮するものであり、タッチパネル用途以外にも有機EL照明用の電極などにも用いることができる。
以下、本発明の実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの例示によって何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で種々の応用ができるものである。
<実施例1>
本発明の製造方法に用いる材料および各工程における処理方法等について、以下に記載する。
(支持基材)
厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、登録商標ダイアホイル、品番T104E125)を透明導電膜付き基材における透明フィルムとして用いた。
(基材表面への紫外線照射処理)
上記支持基材の片面に、センエンジニアリング社製の製品名『PHOTO DRY CLEANER』(型番:PL7−200)内で、以下条件にて紫外線を照射して表面の改質処理を行った。
(紫外線照射条件)
・UVランプ:低圧水銀ランプ(最大波長250〜260nm)
・UV照度:1〜20mW/cm
・UV照射時間:0秒、10秒、60秒、300秒、900秒
(CNT含有水性分散液の塗布、乾燥)
KH Chemicals社製 W/S Gn2.2(CNT含有量0.1重量%)を、CNTおよび分散剤を含有する水性分散液として使用した。
上記CNTおよび分散剤を含有する水性分散液を紫外線照射処理した透明フィルムの処理面にバーコート法によって塗工、乾燥して、透明導電膜層を形成した。塗工条件及び乾燥条件は以下の通りである。
(塗工条件および乾燥条件)
・マイヤーバー(テスター産業社製):番手#18
・乾燥温度:110℃
・乾燥時間:1分間
(分散剤の除去)
上記のようにして得られた透明導電膜層には分散剤が含有しているので、蒸留水に浸漬して透明導電膜中から分散剤を除去、除去し、その後、常法によって乾燥した。 洗浄除去条件は、以下の通りである。
(洗浄条件)
・洗浄溶媒:蒸留水
・溶媒中への浸漬時間:1分間
・乾燥温度:80℃
・乾燥時間:10分間
上記のようにして得られた紫外線照射時間を変化させて作製した本発明の透明導電膜付き基材を、45×50mmのサイズにカッターにて裁断し、表面抵抗値測定用のサンプルとした。
得られた各サンプルを高温高湿度条件下に暴露して、暴露前後の表面抵抗値を以下の方法にて測定した。
(表面抵抗値測定)
上記サイズに裁断された各サンプルの表面抵抗値は、非接触式抵抗測定器(ナプソン社製、型式EC−80)を用いて渦電流方式によってサンプル中央部を測定した。(n=3)
(高温高湿暴露実験)
上記サイズに裁断したサンプルを、恒温恒湿器(espec社製、LHL−113)を用いて、以下の加温加湿条件下で実施した。
(加温加湿条件)
CNT含有透明導電膜付き基材(サンプル)を、23℃で60%R.H.雰囲気下に2時間放置し、表面抵抗値を測定した値(A)と、60℃で95%R.H.雰囲気下に250時間放置し、再度23℃で60%R.H.雰囲気下に2時間放置した後の透明導電膜の表面抵抗値を測定した値(B)を、下記式1を用いて表面抵抗変化率を算出した。
Figure 2016091986
<比較例1>
支持基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルムに紫外線照射処理を施さない以外は、実施例1と同様にして透明導電膜付き基材を得、表面抵抗値測定用のサンプルを作製した。
<比較例2>
実施例1における支持基材への紫外線照射処理に代えて、コロナ放電による表面処理を施した以外は実施例1と同様にして透明導電膜付き基材を得、水接触角および表面抵抗値測定用のサンプルを作製した。なお、コロナ放電処理の条件は以下の通りである。
(コロナ表面処理条件)
・コロナ親水化処理装置:PILLAR TECHNOLOGIES社製「500シリーズ」
・コロナ放電出力:30%、50%、70%、90%
・ライン速度:1m/分
上記実施例1および比較例1にて得られた各サンプルにおける透明フィルムへの紫外線照射時間と、加温加湿前後の表面抵抗値、ならびに表面抵抗変化率を表1に示した。また、紫外線照射時間(処理時間)の違いにおける60℃×95%R.H.の加温加湿前後の表面抵抗変化率を、図1に図示した。
さらに、紫外線照射処理に代えてコロナ放電処理を施した比較例2と、表面処理を施さなかった比較例1の加温加湿前後の表面抵抗値および表面抵抗変化率を、表2に示した。
Figure 2016091986

Figure 2016091986

表1および図1の結果から明らかなように、支持基材の表面に紫外線照射処理を施す時間が増加するに従って、加温加湿後の表面抵抗値が小さくなり、表面抵抗値の変化率が小さくなることが明らかである。特に、支持基材表面への紫外線照射時間が60秒以上になると、表面抵抗変化率が大幅に小さくなり、さらに、紫外線照射時間が300秒を超えると、表面抵抗変化率が1.5を下回るようになって、タッチパネルなどのデバイスとしても実用的なものになることが分かる。
一方、表2の結果に示すように、支持基材表面へコロナ放電処理を施しても表面抵抗変化率の低下は見られず、未処理品である比較例1と同等の特性しか得られなかった。つまり、一般的に基材表面の親水化処理手段として公知のコロナ放電処理を行っても、本発明の効果である加温加湿前後の表面抵抗変化率を小さくするという効果を発揮しないものであった。

Claims (10)

  1. カーボンナノチューブ含有層を透明フィルムの片面に有する透明導電膜付き基材の製造方法であって、透明フィルムの片面に紫外線照射処理を施す工程と、紫外線照射処理を施した透明フィルム面に、カーボンナノチューブおよび分散剤を含む水性分散液を塗布、乾燥させて透明導電膜を形成する工程と、透明導電膜から分散剤を除去する工程を含むことを特徴とする透明導電膜付き基材の製造方法。
  2. 透明フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1記載の透明導電膜付き基材の製造方法。
  3. 紫外線照射処理が、照度1mW/cm以上、照射時間が10秒以上である請求項1記載の透明導電膜付き基材の製造方法。
  4. 分散剤が、水溶性高分子である請求項1記載の透明導電膜付き基材の製造方法。
  5. 分散剤の除去が、極性溶剤による洗浄処理によって行われる請求項1または4記載の透明導電膜付き基材の製造方法。
  6. 請求項1における透明導電膜から分散剤を除去する工程の後、カーボンナノチューブ含有層側にオーバーコート層をさらに形成してなる透明導電膜付き基材の製造方法。
  7. 請求項1または請求項6記載の製造方法によって得られてなる透明導電膜付き基材。
  8. 透明導電膜付き基材の表面抵抗変化率が、1.50以下である請求項7記載の透明導電膜付き基材。
  9. 請求項7記載の透明導電膜付き基材のカーボンナノチューブ含有層側に粘着剤層を介してガラス基板もしくはプラスチック基板を積層してなる透明導電膜付き基材。
  10. 請求項7または請求項9記載の透明導電膜付き基材を電極として用いたことを特徴とするタッチパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113727845A (zh) * 2019-04-25 2021-11-30 丸爱株式会社 电子部件搬运托盘/载带用片材以及使用所述片材的电子部件搬运托盘/载带

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