JP2016090249A - 慣性センサーの製造方法 - Google Patents

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照夫 瀧澤
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Abstract

【課題】可動体にアブレーションが発生することを抑制しつつ、スティッキングを解除することができる慣性センサーの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る慣性センサーの製造方法では、基体の第1面側に可動体を形成する工程(S1)と、基体の第1面に対向する第2面側から、可動体の基体に貼り付いている部分にレーザー光Lを照射して、可動体を基体から離間させる工程(S3)と、を含み、基体は、レーザー光を透過させる材質で形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、慣性センサーの製造方法に関する。
近年、シリコンMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて物理量を検出する慣性センサーが開発されている。特に、加速度を検出する加速度センサーや角速度を検出するジャイロセンサーは、例えば、デジタルスチルカメラ(DSC)の手振れ補正機能、自動車のナビゲーションシステム、ゲーム機のモーションセンシング機能などの用途が急速に広がりつつある。
上記のような慣性センサーでは、製造工程において、物理量によって可動する可動体が、基体に貼り付く現象(スティッキング)が発生する。例えば特許文献1では、可動体にレーザー光を照射することによって、スティッキングを解除することが記載されている。
特開2012−16802号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、レーザー光を、可動体の上方(基体とは反対側)から照射している。そのため、レーザー光が可動体で吸収され、レーザー光を、可動体と基体との接触面に照射することが難しく、スティッキングを解除することが困難な場合がある。そこで、特許文献1に記載の技術において、より確実にスティッキングを解除しようとしてレーザー光の強度を強くすると、可動体が溶解して蒸散する現象(アブレーション(Ablation)、融除ともいう)が発生してスティキングを解除できない場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、可動体にアブレーションが発生することを抑制しつつ、スティッキングを解除することができる慣性センサーの製造方法を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法は、
基体の第1面側に可動体を形成する工程と、
前記基体の前記第1面に対向する第2面側から、前記可動体の前記基体に貼り付いている部分にレーザー光を照射して、前記可動体を前記基体から離間させる工程と、
を含み、
前記基体は、前記レーザー光を透過させる材質で形成される。
このような慣性センサーの製造方法では、レーザー光を、基体を透過させて、可動体と基体との接触面(貼り付き部分)に照射することができる。したがって、このような慣性センサーの製造方法では、可動体にアブレーションが発生することを抑制しつつ、スティッキングを解除することができる。
[適用例2]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記基体と蓋体とを接合して、前記基体と前記蓋体とによって形成されるキャビティーに前記可動体を収容する工程を含み、
前記可動体を前記基体から離間させる工程は、前記可動体を収容する工程の後に行われてもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、基体は、レーザー光を透過させる材質で形成されるため、キャビティーに可動体を収容した後でも、スティッキングを解除することができる。
[適用例3]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記可動体を前記基体から離間させる工程では、
前記可動体が溶融する強度未満の前記レーザー光を照射してもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、可動体にアブレーションが発生することを抑制することができる。
[適用例4]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記可動体を前記基体から離間させる工程では、
前記可動体の前記基体に貼り付いている部分を、干渉縞によって視認してもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、例えば、基体の第2面側から、顕微鏡で慣性センサーを観察することにより、可動体と基体との貼り付き部分を容易に視認することができる。
[適用例5]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法は、
基体の第1面側に固定電極を形成し、前記固定電極と対向する可動体を形成する工程と、
前記基体の前記第1面に対向する第2面側から、前記可動体の前記固定電極に貼り付いている部分にレーザー光を照射して、前記可動体を前記固定電極から離間させる工程と、
を含み、
前記基体と前記固定電極は、前記レーザー光を透過させる材質で形成される。
このような慣性センサーの製造方法では、レーザー光を、基体および固定電極を透過させて、可動体と固定電極との接触面(貼り付き部分)に照射することができる。したがって、このような慣性センサーの製造方法では、可動体にアブレーションが発生することを抑制しつつ、スティッキングを解除することができる。
[適用例6]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記基体と蓋体とを接合して、前記基体と前記蓋体とによって形成されるキャビティーに前記可動体を収容する工程を含み、
前記可動体を前記固定電極から離間させる工程は、前記可動体を収容する工程の後に行われてもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、キャビティーに可動体を収容した後でも、スティッキングを解除することができる。
[適用例7]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記可動体を前記固定電極から離間させる工程では、
前記可動体が溶融する強度未満の前記レーザー光を照射してもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、可動体にアブレーションが発生することを抑制することができる。
[適用例8]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記可動体を前記固定電極から離間させる工程では、
前記可動体の前記固定電極に貼り付いている部分を、干渉縞によって視認してもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、例えば、基体の第2面側から、顕微鏡で慣性センサーを観察することにより、可動体と固定電極との貼り付き部分を容易に視認することができる。
[適用例9]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記基体の材質は、ガラスであってもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、基体は、レーザー光を透過させることができる。
[適用例10]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記可動体は、シリコンMEMSを構成してもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、基体の第2面側からレーザー光を照射するため、可動体の材質がレーザー光を透過しないシリコンであっても、スティッキングを解除することができる。
[適用例11]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記可動体は、ジャイロセンサーを構成してもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、角速度を検出することができる慣性センサーを製造することができる。
[適用例12]
本適用例に係る慣性センサーの製造方法において、
前記可動体は、加速度センサーを構成してもよい。
このような慣性センサーの製造方法では、加速度を検出することができる慣性センサーを製造することができる。
第1実施形態に係る慣性センサーを模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る慣性センサーを模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る慣性センサーの製造方法を説明するためのフローチャート。 第1本実施形態に係る慣性センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1本実施形態に係る慣性センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1本実施形態に係る慣性センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1本実施形態に係る慣性センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 慣性センサーの写真。 慣性センサーの写真。 慣性センサーの写真。 第1実施形態の変形例に係る慣性センサーの製造方法を説明するためのフローチャート。 第1本実施形態の変形例に係る慣性センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る慣性センサーを模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る慣性センサーを模式的に示す平面図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 慣性センサー
まず、第1実施形態に係る慣性センサーについて、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る慣性センサー100を模式的に示す断面図である。図2は、第1実施形態に係る慣性センサー100を模式的に示す平面図である。なお、図1は、図2のI−I線断面図である。また、図1および図2では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
慣性センサー100は、例えば、加速度センサーやジャイロセンサーである。以下では、慣性センサー100がZ軸方向の加速度を検出する加速度センサーである場合について説明する。
慣性センサー100は、図1および図2に示すように、基体10と、蓋体20と、機能素子102と、を含む。なお、便宜上、図2では、蓋体20を省略して図示している。
基体10は、レーザー光を透過させる材質で形成されている。基体10の材質は、例えば、ガラスである。具体的には、基体10の材質は、珪砂にソーダ灰等を加えたソーダガラスや、珪砂に硼砂、アルミナ等を加えた耐熱ガラスである。あるいは、基板10の材質は、水晶や石英ガラス等、可視光を透過する材料であれば何れの材料であってもよい。
基体10は、第1面12と、第1面12に対向する(第1面12と反対方向を向く)第2面14と、を有している。第1面12には、凹部16が形成されており、凹部16の上方に(+Z軸方向側に)機能素子102の可動体30が配置されている。凹部16は、キャビティー2を構成している。凹部16の底面(凹部16を規定する基体10の面)には、ポスト部18が設けられている。図示の例では、ポスト部18は、基体10と一体に設けられている。ポスト部18は、凹部16の底面よりも上方に突出している。ポスト部18は、機能素子102を支持している。図2に示す例では、ポスト部18は、4つ設けられているが、機能素子102を支持することができれば、その数は限定されない。
蓋体20は、基体10上に(+Z軸方向側に)設けられている。蓋体20は、レーザー光を吸収する材質で形成されている。蓋体20の材質は、例えば、シリコンである。蓋体20は、基体10の第1面12に接合されている。基体10と蓋体20とは、陽極接合によって接合されていてもよい。図示の例では、蓋体20に凹部が形成されており、該凹部は、キャビティー2を構成している。
なお、基体10と蓋体20との接合方法は、特に限定されず、例えば、低融点ガラス(ガラスペースト)による接合でもよい。または、基体10および蓋体20の各々の接合部分に金属薄膜(図示せず)を形成し、該金属薄膜同士を共晶接合させることにより、基体10と蓋体20とを接合させてもよい。
機能素子102は、基体10の第1面12側に設けられている。機能素子102は、例えば、陽極接合や直接接合によって、基体10に接合されている。機能素子102は、基体10と蓋体20とによって形成されるキャビティー2に収容されている。キャビティー2は、不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気で密閉されていてもよい。
機能素子102は、可動体30と、連結部40,42と、支持部50と、固定電極部60,62と、を有している。
可動体30は、凹部16の上方に設けられ、基体10と離間している。可動体30の厚さ(Z軸方向の大きさ)は、例えば、20μm以上35μm以下程度である。可動体30は、加速度センサー(慣性センサー100)を構成している。
可動体30は、支持軸Qまわりに変位可能である。具体的には、可動体30は、鉛直方向(Z軸方向)の加速度が加わると、連結部40,42によって決定される支持軸Qを回転軸(揺動軸)としてシーソー揺動する。このように、可動体30は、Z軸方向に変位可能であるため、スティキングが発生しやすい。
可動体30は、平面視において(Z軸方向からみて)、支持軸Qによって区画される第1シーソー片30aと第2シーソー片30bとを有している。機能素子102では、支持軸Qを、可動体30の中心(重心)から外れた位置に配置することによって、シーソー片30a,30bが互いに異なる質量を有している。図示の例では、支持軸Qから第1シーソー片30aの端面33までの距離は、支持軸Qから第2シーソー片30bの端面34までの距離よりも長い。そのため、第1シーソー片30aの質量は、第2シーソー片30bの質量よりも大きい。このように、シーソー片30a,30bが互いに異なる質量を有することにより、鉛直方向の加速度が加わったときに、第1シーソー片30aの回転モーメントと、第2シーソー片30bの回転モーメントと、を均衡させないことができる。したがって、鉛直方向の加速度が加わったときに、可動体30に所定の傾きを生じさせることができる。
可動体30は、第1シーソー片30aに設けられた第1可動電極部31と、第2シーソー片30bに設けられた第2可動電極部32と、を有している。第1可動電極部31は、可動体30のうち、平面視において第1固定電極部60と重なる部分である。第1可動電極部31は、第1固定電極部60との間に静電容量C1を形成する。第2可動電極部32は、可動体30のうち、平面視において第2固定電極部62と重なる部分である。第2可動電極部32は、第2固定電極部62との間に静電容量C2を形成する。平面視において、第1可動電極部31の面積と第2可動電極部32の面積とは、例えば、等しい。可動電極部31,32は、例えば、支持軸Qに関して対称である。
静電容量C1および静電容量C2は、例えば、図2に示す可動体30が水平な状態で、互いに等しくなるように構成されている。可動電極部31,32は、可動体30の動きに応じて位置が変化する。可動電極部31,32の位置に応じて、静電容量C1,C2が変化する。可動体30には、連結部40,42および支持部50を介して、所定の電位が与えられる。支持部50は、図示せぬ配線と接続されている。
可動体30には、可動体30を貫通する貫通孔35が設けられている。これにより、可動体30が揺動する際の空気の影響(空気の抵抗)を低減することができる。貫通孔35は、例えば、複数形成されている。図示の例では、可動体30には、平面形状(Z軸方向からみた形状)が長方形の貫通孔35と、平面形状が正方形の貫通孔35とが設けられている。
可動体30には、可動体30を貫通する開口部36が設けられている。開口部36は、平面視において、支持軸Q上に設けられている。開口部36には、連結部40,42および支持部50が設けられている。図示の例では、開口部36の平面形状は、長方形である。
連結部40,42は、可動体30と支持部50とを連結している。連結部40,42は、トーションバネ(捻りバネ)として機能する。これにより、連結部40,42は、可動体30がシーソー揺動することにより連結部40,42に生じるねじり変形に対して強い復元力を有することができる。
連結部40,42は、平面視において、支持軸Q上に配置されている。連結部40,42は、支持軸Qに沿って延出している。第1連結部40は、支持部50から+Y軸方向に延出している。第2連結部42は、支持部50から−Y軸方向に延出している。
支持部50は、平面視において、支持軸Q上に設けられている。支持部50の一部は、ポスト部18に接合(例えば陽極接合)されている。図示の例では、支持部50は、H字状(略H字状)の平面形状を有しているが、その形状は特に限定されない。
可動体30、連結部40,42、および支持部50は、一体に設けられている。可動体30、連結部40,42、および支持部50の材質は、例えば、リン、ボロン等の不純物がドープされることにより導電性が付与されたシリコンである。可動体30、連結部40,42、および支持部50は、シリコン基板を加工して形成されたシリコンMEMSを構成している。
固定電極部(固定電極)60,62は、凹部16の底面に設けられている。第1固定電極部60は、第1可動電極部31と離間し、第1可動電極部31に対向して設けられている。第2固定電極部62は、第2可動電極部32と離間し、第2可動電極部32に対向して設けられている。
固定電極部60,62の材質は、例えば、アルミニウム、金、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO(酸化亜鉛)である。固定電極部60,62としてITOやZnO等の透明電極材料を用いることにより、固定電極部60,62上に存在する異物等を、基体10の第2面14側から、容易に視認することができる。さらに、基体10の第2面14側から、可動体30の基体10に貼り付いている部分(スティキングが発生している部分)を、容易に視認することができる。固定電極部60,62は、例えば、レーザー光を透過させる材質で形成されている。
次に、慣性センサー100の動作について説明する。
慣性センサー100では、加速度に応じて、可動体30が支持軸Qまわりに揺動する。この可動体30の動きに伴って、第1可動電極部31と第1固定電極部60との間の距離、および第2可動電極部32と第2固定電極部62との間の距離が変化する。具体的には、例えば鉛直上向き(+Z軸方向)の加速度が慣性センサー100に加わると、可動体30は反時計回りに回転し、第1可動電極部31と第1固定電極部60との間の距離が小さくなり、第2可動電極部32と第2固定電極部62との間の距離が大きくなる。この結果、静電容量C1が大きくなり、静電容量C2が小さくなる。また、例えば鉛直下向き(−Z軸方向)の加速度が慣性センサー100に加わると、可動体30は時計回りに回転し、第1可動電極部31と第1固定電極部60との間の距離が大きくなり、第2可動電極部32と第2固定電極部62との間の距離が小さくなる。この結果、静電容量C1が小さくなり、静電容量C2が大きくなる。
慣性センサー100では、静電容量C1,C2を検出し、静電容量C1と静電容量C2との差に基づいて(いわゆる差動検出方式により)、加速度の向きや大きさ等の物理量を検出することができる。
なお、上記では、慣性センサー100がZ軸方向の加速度を検出する加速度センサーである場合について説明したが、本発明に係る慣性センサーは、X軸方向の加速度を検出する加速度センサーであってもよいし、Y軸方向の加速度を検出する加速度センサーであってもよい。
1.2. 慣性センサーの製造方法
次に、第1実施形態に係る慣性センサー100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る慣性センサー100の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4〜図7は、第1実施形態に係る慣性センサー100の製造工程を模式的に示す断面図である。
基体10の第1面12側に可動体30を形成する(S1)。具体的には、まず、図4に示すように、ガラス基板をパターニングして凹部16およびポスト部18を形成する。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングにより行われる。本工程により、凹部16およびポスト部18が設けられた基体10を得ることができる。
次に、凹部16の底面に(第1面12側に)、固定電極部60,62を形成する。固定電極部60,62、例えば、スパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法による成膜、およびパターニングにより形成される。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングにより行われる。
図5に示すように、基体10の第1面12に、シリコン基板4を接合する。基体10とシリコン基板4との接合は、例えば、陽極接合によって行われる。これにより、基体10とシリコン基板4とを強固に接合することができる。
図6に示すように、シリコン基板4を、例えば研削機によって研削して薄膜化した後、所定の形状にパターニングして、可動体30、連結部40,42、および支持部50を一体的に形成する。パターニングは、フォトリソグラフィーおよびエッチング(ドライエッチング)によって行われ、具体的なエッチングとして、ボッシュ(Bosch)法を用いることができる。
以上の工程により、基体10の第1面12側に、固定電極部60,62と対向する可動体30を形成することができる。
図1に示すように、基体10と蓋体20とを接合して、基体10と蓋体20とによって形成されるキャビティー2に、可動体30を(機能素子102を)収容する(S2)。基体10と蓋体20との接合は、例えば、陽極接合によって行われる。これにより、基体10と蓋体20とを強固に接合することができる。本工程を、不活性ガス雰囲気で行うことにより、キャビティー2に不活性ガスを充填することができる。
ここで、例えば基体10と蓋体20とを接合するまでの工程中で、図7に示すように、可動体30が基体10に貼り付き、スティッキングが発生する。これは工程処理中あるいは工程間中に、可動体30と基体10との間に電位差が生じて起こる現象である。特に、前述したドライエッチングとしてボッシュ法を用いると、チャンバー内の荷電粒子によりスティッキングする場合が多い。そこで、基体10の第2面14側から、可動体30の基体10に貼り付いている貼り付き部分3にレーザー光Lを照射して、可動体30を基体10から離間させる(S3)。貼り付き部分3は、例えば、可動体30と基体10との接触面である。なお、図7では、蓋体20を省略して図示している。
レーザー光Lは、基体10を透過して、可動体30の貼り付き部分3に照射される。貼り付き部分3に照射されたレーザー光Lは、可動体30に吸収され熱エネルギーEとなる。この熱エネルギーEによって、可動体30において局所的な超音波Uが生じる。そして、超音波Uが拡散することにより、可動体30を基体10から離間させる(スティッキングを解除する)ことができる。
図8に示すように、基体10の第2面14側から観察すると、可動体30が基体10に貼り付くことによって、基体10に干渉縞が生じる。可動体30を基体10から離間する工程(S3)は、例えば、貼り付き部分3を、干渉縞によって視認し(認識し)、貼り付き部分3にレーザー光Lを照射する。レーザー光Lの照射によってスティッキングが解除されると、図9に示すように、干渉縞は見えなくなる。なお、図8および図9とも基体10には透明材料を用いた固定電極部60,62がパターニングされている。
なお、図8および図9は、Z軸方向の加速度を検出する加速度センサーの機能素子を、基体(ガラス基板)の第2面側(機能素子が設けられた側と反対側)からみた写真である。図8および図9において、(b)は、(a)の破線で囲んだ領域の拡大図である。図8(a)および図9(a)では、2つの機能素子が確認される。
可動体30を基体10から離間する工程(S3)では、可動体30に溶融が発生する強度未満のレーザー光Lを照射する。レーザー光Lの強度が強いと、可動体における熱エネルギーが高くなり、図10の破線で囲んだ領域のように、可動体が溶融して蒸散して(アブレーションが発生して)しまう場合がある。
レーザー光Lの波長は、基体10を透過し可動体30において吸収されれば、特に限定されないが、レーザー光は、例えば可視光である。レーザー光Lの波長は、例えば1.11μm以下であり、好ましくは400nm以上800nm以下である。貼り付き部分3に照射されるレーザー光Lの形状(断面形状)および大きさは、特に限定されないが、1辺の長さが20μm以上30μm以下の四角形でもよいし、直径が20μm以上30μm以下の円形でもよい。
なお、上記の例では、可動体30を基体10から離間させる工程(S3)は、可動体を収容する工程(S2)の後に行われたが、工程(S3)は、可動体30を形成する工程(S1)の後であれば、その順序や回数は特に限定されず、スティッキングが発生する度に行われてもよい。例えば、シリコン基板4をパターニングして可動体30を形成する工程においてスティッキングが発生した場合は、シリコン基板4のパターニング後に工程(S3)を行ってもよい。また、例えば、可動体30を水で洗浄する場合は、表面張力によりスティッキングが発生しやすいが、洗浄工程においてスティッキングが発生した場合は、洗浄工程の後に工程(S3)を行ってもよい。
慣性センサー100の製造方法は、例えば、以下の特徴を有する。
慣性センサー100の製造方法では、基体10の第1面12側に可動体30を形成する工程(S1)と、基体10の第2面14側から、可動体30の基体10に貼り付いている貼り付き部分3にレーザー光Lを照射して、可動体30を基体10から離間させる工程(S3)と、を含み、基体10は、レーザー光Lを透過させる材質で形成される。そのため、慣性センサー100の製造方法では、レーザー光Lを、基体10を透過させて、可動体30と基体10との接触面(貼り付き部分3)に照射することができる。したがって、レーザー光を可動体の上方(基体とは反対側)から照射する場合に比べて、より確実にスティッキングを解除することができる。
ここで、レーザー光の照射によってシリコンからなる可動体に光吸収が起きる距離(深さ方向、厚さ方向の距離)は、例えば1μm以下である。そのため、レーザー光を可動体の上方から照射する場合、例えば20μm以上35μm以下の厚さを有する可動体では、レーザー光の照射によって生じる超音波が、可動体と基体との接触面まで到達できず、スティッキングを解除することができない場合がある。慣性センサー100の製造方法では、このような問題を解決することができ、スティッキングを解除することができる。
さらに、慣性センサー100の製造方法では、レーザー光の強度を強くしなくても、レーザー光Lは基体10を透過するため、可動体30が溶解して蒸散する現象(アブレーション)が発生することを抑制することができる。
以上のように、慣性センサー100の製造方法では、可動体30にアブレーションが発生することを抑制しつつ、スティッキングを解除することができる。
慣性センサー100の製造方法では、基体10の材質は、ガラスである。そのため、基体10は、レーザー光Lを透過させることができる。
慣性センサー100の製造方法では、基体10と蓋体20とを接合してキャビティー2に可動体30を収容する工程(S2)を含み、可動体30を基体10から離間させる工程(S1)は、可動体30を収容する工程(S2)の後に行われる。慣性センサー100の製造方法では、基体10は、レーザー光Lを透過させる材質で形成されるため、キャビティー2に可動体30を収容した後でも、スティッキングを解除することができる。
慣性センサー100の製造方法では、可動体30は、シリコンMEMSを構成する。慣性センサー100の製造方法では、基体10の第2面14側からレーザー光Lを照射するため、可動体30の材質がレーザー光Lを透過しないシリコンであっても、スティッキングを解除することができる。
慣性センサー100の製造方法では、可動体30は、加速度センサーを構成する。そのため、慣性センサー100の製造方法は、加速度を検出することができる加速度センサー(慣性センサー100)を製造することができる。
慣性センサー100の製造方法では、可動体30を基体10から離間させる工程(S3)では、可動体30が溶融する強度未満のレーザー光Lを照射する。そのため、慣性センサー100の製造方法では、可動体30にアブレーションが発生することを抑制することができる。
慣性センサー100の製造方法では、可動体30を基体10から離間させる工程(S3)では、貼り付き部分3を、干渉縞によって視認する。そのため、慣性センサー100の製造方法では、例えば、基体10の第2面14側から、顕微鏡で慣性センサー100を観察することにより、貼り付き部分3を容易に視認することができる。
1.3. 慣性センサーの製造方法の変形例
次に、第1実施形態の変形例に係る慣性センサー100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図11は、第1実施形態の変形例に係る慣性センサー100の製造方法を説明するためのフローチャートである。図12は、第1実施形態の変形例に係る慣性センサー100の製造工程を模式的に示す断面図である。
以下、第1実施形態の変形例に係る慣性センサー100の製造方法において、第1実施形態に係る慣性センサー100の製造方法と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
第1実施形態に係る慣性センサー100の製造方法では、可動体30を基体10から離間する工程(S3)の代わりに、可動体30を第1固定電極部60から離間する工程(S103)を含む。
例えば基体10と蓋体20とを接合するまでの工程中で、可動体30は第1固定電極部60に貼り付く場合がある。これは製造工程中で、可動体30に短絡されてない第1固定電極部60に貼り付く傾向にあるためである。このような場合では、第1固定電極部60としてITOやZnO等の透明電極材料を用いると、基体10の第2面14側から、可動体30の第1固体電極部60に貼り付いている貼り付き部分3を、容易に視認することができるので、スティッキング解除が容易となる。
可動体30を第1固定電極部60から離間する工程(S103)では、図12に示すように、基体10の第2面14側から、可動体30の第1固定電極部60に貼り付いている貼り付き部分3にレーザー光Lを照射して、可動体30を第1固体電極部60から離間させる。可動体30を第1固定電極部60から離間する工程(S103)では、可動体30を基板10から離間する工程(S3)と同様に、例えば、可動体30が溶融する強度未満のレーザー光Lを照射する。可動体30を第1固定電極部60から離間する工程(S103)では、可動体30を基板10から離間する工程(S3)と同様に、例えば、貼り付き部分3を干渉縞によって視認する。
第1実施形態の変形例に係る慣性センサー100の製造方法では、第1実施形態に係る慣性センサー100の製造方法と同様に、可動体30にアブレーションが発生することを抑制しつつ、スティッキングを解除することができる。
なお、可動体30は、第1固体電極部60の代わりに、第2固定電極部62に貼り付く場合もあるし、第1固体電極部60および第2固体電極部62の両方に貼り付く場合もある。これらの場合も、基体10の第2面14側から、可動体30の固定電極部に貼り付いている貼り付き部分にレーザー光Lを照射して、可動体30を固体電極部から離間させることができる。
2. 第2実施形態
2.1. 慣性センサー
次に、第2実施形態に係る慣性センサーについて、図面を参照しながら説明する。図13は、第2実施形態に係る慣性センサー200を模式的に示す断面図である。図14は、第2実施形態に係る慣性センサー200を模式的に示す平面図である。なお、図13は、図14のXIII−XIII線断面図である。また、便宜上、図13は、機能素子102を簡略化して図示している。また、図14では、機能素子102以外の部材の図示を省略している。また、図13および図14では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
以下、第2実施形態に係る慣性センサー200おいて、第1実施形態に係る慣性センサー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した慣性センサー100は、図1および図2に示すように、Z軸方向の加速度を検出する加速度センサーであった。これに対し、慣性センサー200は、図13および図14に示すように、Y軸まわりの角速度ωyを検出可能なジャイロセンサーである。
慣性センサー200では、図13に示すように、図1と同様にポスト部18が設けられている。
慣性センサー200では、キャビティー2は、減圧状態(より好ましくは真空状態)であることが望ましい。これにより、機能素子102の振動が空気粘性によって減衰することを抑制することができる。
慣性センサー200では、図14に示すように、機能素子102は、2つの構造体112(第1構造体112a、第2構造体112b)を有している。2つの構造体112は、Y軸に平行な軸αに関して対称となるように、X軸方向に並んで設けられている。
構造体112は、固定部130と、駆動バネ部132と、質量体(振動体)134と、可動駆動電極部136と、固定駆動電極部138,139と、可動体140と、梁部142と、可動検出電極部144と、固定検出電極部146と、を有している。駆動バネ部132、質量体134、可動駆動電極部136、可動体140、梁部142、および可動検出電極部144は、凹部16の上方に設けられ、基体10と離間している。
固定部130は、基体10に固定されている。固定部130は、例えば、陽極接合によって基体10の第1面12に接合されている。固定部130は、例えば、1つの構造体112に対して、4つ設けられている。図示の例では、構造体112a,112bは、第1構造体112aの+X軸方向側の固定部130と第2構造体112bの−X軸側の固定部130とを、共通の固定部としている。共通の固定部130は、例えば、ポスト部18上に設けられている。
駆動バネ部132は、固定部130と質量体134とを連結している。駆動バネ部132は、複数の梁部133によって構成されている。梁部133は、固定部130の数に対応して、複数設けられている。梁部133は、Y軸方向に往復しながらX軸方向に延出している。梁部133は(駆動バネ部132は)、質量体134の振動方向であるX軸方向に円滑に伸縮することができる。
質量体134は、例えば、平面視において、矩形の枠体である。質量体134のX軸方向の側面(X軸に平行な垂線を持つ側面)は、駆動バネ部132に接続されている。質量体134は、可動駆動電極部136および固定駆動電極部138,139によって、X軸方向に(X軸に沿って)振動することができる。
可動駆動電極部136は、質量体134に設けられている。図示の例では、可動駆動電極部136は、4つ設けられ、2つの可動駆動電極部136は、質量体134の+Y軸方向側に位置し、他の2つの可動駆動電極部136は、質量体134の−Y軸方向側に位置している。可動駆動電極部136は、図14に示すように、質量体134からY軸方向に延出している幹部と、該幹部からX軸方向に延出している複数の枝部と、を備えた櫛歯状の形状を有していてもよい。
固定駆動電極部138,139は、基体10に固定されている。固定駆動電極部138,139は、例えば、陽極接合によって基体10の第1面12に接合されている。固定駆動電極部138,139は、可動駆動電極部136と対向して設けられ、固定駆動電極部138,139間に可動駆動電極部136が配置されている。図14に示すように、可動駆動電極部136が櫛歯状の形状を有する場合、固定駆動電極部138,139は、可動駆動電極部136に対応した櫛歯状の形状を有していてもよい。
可動体140は、回転軸となる梁部142を介して、質量体134に支持されている。可動体140は、平面視において、枠状の質量体134の内側に設けられている。可動体140は、板状の形状を有している。可動体140の厚さは、例えば、20μm以上35μm以下程度である。可動体140は、ジャイロセンサー(慣性センサー200)を構成している。
梁部142は、可動体140の重心からずれた位置に設けられている。図示の例では、梁部142は、Y軸に沿って設けられている。梁部142は、ねじり変形することができ、このねじり変形により、可動体140をZ軸方向に変位させることができる。このように、可動体140は、Z軸方向に変位可能であるため、スティキングが発生しやすい。
可動検出電極部144は、可動体140に設けられている。可動検出電極部144は、可動体140のうち、平面視において固定検出電極部146と重なる部分である。可動検出電極部144は、固定検出電極部146との間に静電容量を形成することができる。
固定部130、駆動バネ部132、質量体134、可動駆動電極部136、可動体140、梁部142、および可動検出電極部144は、一体に設けられている。固定部130、駆動バネ部132、質量体134、可動駆動電極部136、固定駆動電極部138,139、可動体140、梁部142、および可動検出電極部144(以下、「可動体140等」ともいう)の材質は、例えば、リン、ボロン等の不純物がドープされることにより導電性が付与されたシリコンである。可動体140等は、シリコンMEMS(シリコン基板を加工して形成されたMEMS)を構成している。
固定検出電極部(固定電極)146は、基体10に固定され、可動検出電極部144と対向して設けられている。固定検出電極部146は、凹部16の底面に設けられている。図示の例では、固定検出電極部146の平面形状は、長方形である。
固定検出電極部146の材質は、例えば、アルミニウム、金、ITOである。固定検出電極部146としてITO等の透明電極材料を用いることにより、固定検出電極部146上に存在する異物等を、基体10の第2面14側から、容易に視認することができる。さらに、基体10の第2面14側から、可動体140の基体10に貼り付いている部分を、容易に視認することができる。固定検出電極部146は、例えば、レーザー光を透過させる材質で形成されている。固定検出電極部146は、例えば、スパッタ法やCVD法による成膜、およびパターニングにより形成される。
次に、慣性センサー200の動作について説明する。
可動駆動電極部136と固定駆動電極部138,139との間に、図示しない電源によって、電圧を印加すると、可動駆動電極部136と固定駆動電極部138,139との間に静電力を発生させることができる。これにより、駆動バネ部132をX軸方向に伸縮させつつ、質量体134をX軸方向に振動させることができる。
図14に示すように、第1構造体112aでは、固定駆動電極部138は、可動駆動電極部136の−X軸方向側に配置され、固定駆動電極部139は、可動駆動電極部136の+X軸方向側に配置されている。第2構造体112bでは、固定駆動電極部138は、可動駆動電極部136の+X軸方向側に配置され、固定駆動電極部139は、可動駆動電極部136の−X軸方向側に配置されている。そのため、可動駆動電極部136と固定駆動電極部138との間に第1交番電圧を印加し、可動駆動電極部136と固定駆動電極部139との間に第1交番電圧と位相が180度ずれた第2交番電圧を印加することにより、第1構造体112aの質量体134と、第2構造体112bの質量体134と、を互いに逆位相でかつ所定の周波数で、X軸方向に振動させる(音叉型振動させる)ことができる。
質量体134が上記の振動を行っている状態で、慣性センサー200にY軸まわりの角速度ωyが加わると、コリオリ力が働き、第1構造体112aの可動体140と、第2構造体112bの可動体140とは、Z軸方向に(Z軸に沿って)互いに反対方向に変位する。可動体140は、コリオリ力を受けている間、この動作を繰り返す。
可動体140がY軸方向に変位することにより、可動検出電極部144と固定検出電極部146との間の距離は、変化する。そのため、可動検出電極部144と固定検出電極部146との間の静電容量は、変化する。この電極部144,146間の静電容量の変化量を検出することにより、Y軸まわりの角速度ωyを求めることができる。
なお、上記では、静電力によって、質量体134を駆動させる形態(静電駆動方式)について説明したが、質量体134を駆動させる方法は、特に限定されず、圧電駆動方式や、磁場のローレンツ力を利用した電磁駆動方式等を適用することができる。
また、上記では、慣性センサー200がY軸まわりの角速度ωyを検出可能なジャイロセンサーである場合について説明したが、本発明に係る慣性センサーは、X軸まわりの角速度を検出可能なジャイロセンサーであってもよいし、Z軸まわりの角速度を検出可能なジャイロセンサーであってもよい。
また、上記では、1つの機能素子102を含む慣性センサーについて説明したが、本発明に係る慣性センサーは、複数の機能素子を含んでいてもよい。これにより、本発明に係る慣性センサーは、X軸、Y軸、およびZ軸の加速度を検出することができ、かつ、X軸、Y軸、およびZ軸まわりの角速度を検出することができてもよい。すなわち、本発明に係る慣性センサーは、加速度センサーとしての機能と、ジャイロセンサーとしての機能を備えていてもよい。
2.2. 慣性センサーの製造方法
次に、第2実施形態に係る慣性センサー200の製造方法について、図面を参照しながら説明する。第2実施形態に係る慣性センサー200の製造方法は、機能素子102が図14に示す形状となるようにシリコン基板4をパターニングすること以外は、第1実施形態に係る慣性センサー100の製造方法と、基本的に同じである。したがって、その詳細な説明を省略する。
慣性センサー200の製造方法では、第1実施形態に係る慣性センサー100の製造方法と同様に、基体10を透過させて、可動体140と基体10との接触面(貼り付き部分)に照射することができる。したがって、慣性センサー200の製造方法では、可動体140にアブレーションが発生することを抑制しつつ、スティッキングを解除することができる。
慣性センサー200の製造方法では、第1実施形態の変形例に係る慣性センサー100の製造方法と同様に、基体10および固定検出電極部146を透過させて、可動体140と固定検出電極部146との接触面(貼り付き部分)に照射することができる。したがって、慣性センサー200の製造方法では、可動体140にアブレーションが発生することを抑制しつつ、スティッキングを解除することができる。
慣性センサー200の製造方法では、可動体30は、ジャイロセンサーを構成する。そのため、慣性センサー200の製造方法は、角速度を検出することができるジャイロセンサー(慣性センサー200)を製造することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…キャビティー、3…貼り付き部分、4…シリコン基板、10…基体、12…第1面、14…第2面、16…凹部、18…ポスト部、20…蓋体、30…可動体、30a…第1シーソー片、30b…第2シーソー片、31…第1可動電極部、32…第2可動電極部、33,34…端面、35,36…開口部、40…第1連結部、42…第2連結部、50…支持部、60…第1固定電極部、62…第2固定電極部、100…慣性センサー、102…機能素子、112…構造体、112a…第1構造体、112b…第2構造体、130…固定部、132…駆動バネ部、133…梁部、134…質量体、136…可動駆動電極部、138…固定駆動電極部、139…固定駆動電極部、140…可動体、142…梁部、144…可動検出電極部、146…固定検出電極部、200…慣性センサー

Claims (12)

  1. 基体の第1面側に可動体を形成する工程と、
    前記基体の前記第1面に対向する第2面側から、前記可動体の前記基体に貼り付いている部分にレーザー光を照射して、前記可動体を前記基体から離間させる工程と、
    を含み、
    前記基体は、前記レーザー光を透過させる材質で形成される、慣性センサーの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記基体と蓋体とを接合して、前記基体と前記蓋体とによって形成されるキャビティーに前記可動体を収容する工程を含み、
    前記可動体を前記基体から離間させる工程は、前記可動体を収容する工程の後に行われる、慣性センサーの製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記可動体を前記基体から離間させる工程では、
    前記可動体が溶融する強度未満の前記レーザー光を照射する、慣性センサーの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記可動体を前記基体から離間させる工程では、
    前記可動体の前記基体に貼り付いている部分を、干渉縞によって視認する、慣性センサーの製造方法。
  5. 基体の第1面側に固定電極を形成し、前記固定電極と対向する可動体を形成する工程と、
    前記基体の前記第1面に対向する第2面側から、前記可動体の前記固定電極に貼り付いている部分にレーザー光を照射して、前記可動体を前記固定電極から離間させる工程と、
    を含み、
    前記基体と前記固定電極は、前記レーザー光を透過させる材質で形成される、慣性センサーの製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記基体と蓋体とを接合して、前記基体と前記蓋体とによって形成されるキャビティーに前記可動体を収容する工程を含み、
    前記可動体を前記固定電極から離間させる工程は、前記可動体を収容する工程の後に行われる、慣性センサーの製造方法。
  7. 請求項5または6において、
    前記可動体を前記固定電極から離間させる工程では、
    前記可動体が溶融する強度未満の前記レーザー光を照射する、慣性センサーの製造方法。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、
    前記可動体を前記固定電極から離間させる工程では、
    前記可動体の前記固定電極に貼り付いている部分を、干渉縞によって視認する、慣性センサーの製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、
    前記基体の材質は、ガラスである、慣性センサーの製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項において、
    前記可動体は、シリコンMEMSを構成する、慣性センサーの製造方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項において、
    前記可動体は、ジャイロセンサーを構成する、慣性センサーの製造方法。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項において、
    前記可動体は、加速度センサーを構成する、慣性センサーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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