JP2016089235A - 冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016089235A
JP2016089235A JP2014226536A JP2014226536A JP2016089235A JP 2016089235 A JP2016089235 A JP 2016089235A JP 2014226536 A JP2014226536 A JP 2014226536A JP 2014226536 A JP2014226536 A JP 2014226536A JP 2016089235 A JP2016089235 A JP 2016089235A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot
steel sheet
rolled steel
less
cold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014226536A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6265108B2 (ja
Inventor
松田 広志
Hiroshi Matsuda
広志 松田
由康 川崎
Yoshiyasu Kawasaki
由康 川崎
芳恵 椎森
Yoshie Shiimori
芳恵 椎森
横田 毅
Takeshi Yokota
毅 横田
瀬戸 一洋
Kazuhiro Seto
一洋 瀬戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2014226536A priority Critical patent/JP6265108B2/ja
Publication of JP2016089235A publication Critical patent/JP2016089235A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6265108B2 publication Critical patent/JP6265108B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

【課題】加工性に優れた高強度冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板を、冷間圧延後に1回の連続熱処理で製造することを可能とする高強度冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき用熱延鋼板を提供する。
【解決手段】質量%でC:0.05%以上0.51%以下、Si:3.0%以下、Mn:0.5%以上6.0%以下を含有し、板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織を、面積率で25%以上有し、その他の組織として、ポリゴナルフェライトを面積率で75%以下、マルテンサイトを面積率で50%以下、ベイナイトを面積率で50%以下を含むことを特徴とする冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱延鋼板およびその製造方法に関し、特に自動車、電気等の産業分野で使用される加工性に優れた高強度冷延鋼板用や溶融亜鉛めっき鋼板用として好適な、冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、地球環境保全の見地から、自動車の燃費向上が重要な課題となっている。このため、車体材料の高強度化により車体部品の薄肉化を図り、車体そのものを軽量化しようとする動きが活発である。
一般に、鋼板の高強度化を図るためには、鋼板の組織全体に対してマルテンサイトやベイナイトなどの硬質相の割合を増加させる必要がある。しかしながら、硬質相の割合を増加させることによる鋼板の高強度化は加工性の低下を招くことから、高強度と優れた加工性を併せ持つ鋼板の開発が望まれている。これまでに、フェライト−マルテンサイト二相鋼(DP鋼)や残留オーステナイトの変態誘起塑性を利用したTRIP鋼など、種々の複合組織鋼板が開発されてきた。
複合組織鋼板において硬質相の割合を増加させた場合、鋼板の加工性は硬質相の加工性の影響を強く受けるようになる。これは、硬質相の割合が少なく軟質なポリゴナルフェライトが多い場合には、ポリゴナルフェライトの変形能が鋼板の加工性に対して支配的であり、硬質相の加工性が十分でない場合においても延性等の加工性は確保されるが、硬質相の割合が多い場合には、ポリゴナルフェライトの変形ではなく硬質相の変形能自体が鋼板の成形性に直接影響するようになり、硬質相自体の加工性が十分でないと、鋼板の加工性の劣化が著しくなるためである。
このような背景から、これまでに硬質相を制御することにより、様々な加工性を高めた高強度鋼板が開発されてきた。例えば、特許文献1には、合金成分を規定し、鋼組織を、残留オーステナイトを有する微細で均一なベイナイトとすることにより、曲げ加工性および衝撃特性に優れる高張力鋼板が提案されている。特許文献2には、所定の合金成分を規定し、鋼組織を、残留オーステナイトを有するベイナイトを主相とし、前記ベイナイト中の残留オーステナイト量を1%以上15%以下とし、かつベイナイトの硬度(HV)を規定することにより、耐衝撃性に優れた複合組織鋼板が提案されている。また、特許文献3、4には、フェライト相、ベイニティックフェライト相、焼戻しマルテンサイト相および残留オーステナイト相などのサイズや組織分率を制御することによる、加工性に優れた高強度鋼板が提案されている。
特開平4−235253号公報 特開平11−256273号公報 特開2012−237042号公報 特開2012−237044号公報
しかしながら、上述した鋼板には以下に述べる課題がある。
特許文献1に記載される成分組成では、鋼板に歪みを付与した際に、高歪域でのTRIP効果を発現する安定した残留オーステナイトの量を確保することが困難であり、曲げ性は得られるものの、塑性不安定が生じるまでの延性が低く、張り出し性などの加工性が劣る。特許文献2に記載の鋼板は、耐衝撃性を向上させることを主目的としており、硬さがHV250以下のベイナイトを主相とし、具体的にはこれを90%超で含む組織であるため、引張強さ(TS)を980MPa以上とすることは難しい。特許文献3、4に記載される技術では、所望の特性は得られるものの、焼鈍工程を2回以上繰り返す必要があるため、製造コストの大幅な増加を引き起こす。
本発明は、上記の課題を有利に解決するもので、これまで冷間圧延後に2回以上のバッチ焼鈍もしくは連続焼鈍が必要であった加工性に優れた高強度冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板を、冷間圧延後に1回の連続焼鈍で製造することを可能とする高強度冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき用熱延鋼板を、その有利な製造方法と共に提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく、鋼板の成分組成およびミクロ組織について鋭意検討を重ねた。その結果、冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板の製造に用いる熱延鋼板の鋼組織を、板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイトもしくは残留オーステナイトとが隣接した組織とすることにより、冷間圧延後に1回の連続焼鈍を施すことのみで、所望の特性が得られることを見出した。本発明は、上記の知見に立脚するものであり、その要旨構成は次のとおりである。
[1]質量%で
C:0.05%以上0.51%以下、
Si:3.0%以下、
Mn:0.5%以上6.0%以下、
P:0.1%以下、
S:0.07%以下、
Al:3.0%以下および
N:0.010%以下
を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、
熱延鋼板組織が、
板状または針状のフェライトを含み、
さらに、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上を含み、
前記板状または針状のフェライトと、前記炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織を、面積率で25%以上(100%を含む)有し、
その他の組織として、
ポリゴナルフェライトを面積率で75%以下(0%を含む)、
マルテンサイトを面積率で50%以下(0%を含む)、
ベイナイトを面積率で50%以下(0%を含む)
を含むことを特徴とする冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
[2]さらに、前記板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織中の、板状または針状のフェライトの平均アスペクト比が4以上であることを特徴とする前記[1]に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
[3]さらに、前記板状または針状のフェライトと、前記炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織における、
板状または針状のフェライト中の平均Mn含有量MnX(質量%)と、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイト中の平均Mn含有量MnY(質量%)が下記(1)式を満たすことを特徴とする前記[1]または[2]のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
MnY/MnX≧1.1・・・・・(1)
[4]前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
Cr:0.05%以上5.0%以下、
V:0.005%以上1.0%以下および
Mo:0.005%以上0.5%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
[5]前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
Ti:0.01%以上0.1%以下および
Nb:0.01%以上0.1%以下
のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする前記[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
[6]前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
B:0.0003%以上0.0050%以下
を含有することを特徴とする前記[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
[7]前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
Ni:0.05%以上2.0%以下および
Cu:0.05%以上2.0%以下
のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする前記[1]乃至[6]のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
[8]前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
Ca:0.001%以上0.005%以下および
REM:0.001%以上0.005%以下
のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする前記[1]乃至[7]のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
[9]前記[1]乃至[8]のいずれか1項に記載の成分組成を有する鋼スラブを、
仕上げ圧延出側温度820℃以上で熱間圧延し、
仕上げ圧延出側温度から730℃までの温度域を平均冷却速度15℃/s以上で冷却し、
その後、730℃から巻取り温度までを平均冷却速度1〜50℃/sで冷却し、
巻取り温度を500℃以上として巻き取ることを特徴とする冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、加工性に優れた高強度冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板を製造するために用いる熱延鋼板を、その有利な製造方法とともに提供することができ、自動車、電気等の産業分野での利用価値は非常に大きく、特に自動車車体の軽量化に対して極めて有用である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において、鋼板組織を上記のように限定した理由について述べる。以下、面積率は、特に断りのない限り鋼板組織全体に対する面積率とする。
板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織の面積率:25%以上(100%を含む)
本発明の熱延鋼板を用いて製造される冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板の特性を所望の特性とする上で、本発明の熱延鋼板が有する、板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織は、最も重要な組織である。本発明の熱延鋼板を用いて製造される高強度冷延鋼板または高強度溶融亜鉛めっき鋼板において、優れた加工性を得るには、このような高強度冷延鋼板や高強度溶融亜鉛めっき鋼板の組織が、板状または針状のフェライトと、残留オーステナイトを含む硬質組織が層状に配置された組織であること、該残留オーステナイト中にMnが濃化していることが好ましい。なお、ここで硬質組織とは、残留オーステナイト、マルテンサイト、炭化物、パーライトのことである。この組織を冷間圧延後に1回の連続焼鈍で得るためには、冷間圧延に供する素材である熱延鋼板の鋼組織において、板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した状態であることが必要である。冷間圧延に供する熱延鋼板を、このような鋼組織を有する熱延鋼板とすることで、冷間圧延後にフェライトの間に層状に炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上からなる組織が存在した状態を実現でき、その後、1回の連続焼鈍で、所望の組織、すなわち、フェライトの間に層状に残留オーステナイトを含む硬質組織が存在した状態を実現できる。
したがって、本発明の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板は、板状または針状のフェライトを含み、さらに、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上を含み、前記板状または針状のフェライトと、前記炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した鋼組織を有するものとする。
冷延後の連続焼鈍において所望の組織を生成させて、目的の特性を得るためには、冷間圧延に供する熱延鋼板の鋼組織において、前記の板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織の面積率を25%以上とする必要がある。好ましくは、該面積率は35%以上である。また、本発明の熱延鋼板を用いて製造される冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板の強度を高めたい場合には、該面積率は50%以上とすることがさらに好ましい。
なお、ここで、板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織の面積率とは、このような組織を構成している板状または針状のフェライトおよび炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、残留オーステナイトの面積率の合計の面積率である。
また、板状または針状のフェライトとは、結晶粒のアスペクト比が3以上である、ウィドマンステッテンフェライトやベイニティックフェライト等のポリゴナルフェライト以外のフェライトである。島状マルテンサイトとは、不安定オーステナイトと混在したマルテンサイト(以下、MAとも記す)である。炭化物は、鉄系炭化物のことであり、鋼の成分組成にTi等を含有する場合は、それらの炭化物を含む。
さらに、本発明の熱延鋼板の組織中において、前記した板状または針状のフェライトの結晶粒の平均アスペクト比が4以上である場合に、本発明の熱延鋼板を用いて製造される冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板の加工性がより向上する。なお、ここでのアスペクト比は熱延鋼板の圧延方向に平行な板厚断面のミクロ組織を光学顕微鏡もしくはSEMで観察したときの長辺/短辺のことである。よって、板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織中の、板状または針状のフェライトの平均アスペクト比を4以上とすることが好ましい。なお、そのメカニズムは明確ではないが、熱延鋼板の段階で、板状または針状のフェライトの平均アスペクト比が4以上を確保された場合、冷間圧延ならびに最終焼鈍後に形成するフェライトと、残留オーステナイトを含む硬質組織が交互に存在する組織において、加工時におけるTRIP効果の発現とフェライトの加工硬化が最適化されて、高歪域での加工硬化能が維持されるためと考えられる。
また、熱延時にその硬質組織中にMnを濃化させておくことが有効であり、さらには、板状または針状のフェライト中の平均Mn含有量:MnX(質量%)に対する、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイト中の平均Mn含有量:MnY(質量%)の比(MnY/MnX)が1.1以上を満足する場合に、該熱延鋼板を用いて製造される高強度冷延鋼板または高強度溶融亜鉛めっき鋼板を、より優れた特性を得るものとすることが可能である。
このため、前記板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織において、板状または針状のフェライト中の平均Mn含有量MnX(質量%)と、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイト中の平均Mn含有量MnY(質量%)が下記(1)式を満たすようにすることが好ましい。
MnY/MnX≧1.1・・・・・(1)
次に、上記した板状または針状のフェライトと、前記炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した鋼組織以外の組織について、説明する。
ポリゴナルフェライトの面積率が75%以下(0%を含む)、
ポリゴナルフェライトの面積率が75%を超えると、熱延鋼板を用いて製造される冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板において、十分な強度を確保することが困難となる。このため、ポリゴナルフェライトの面積率は75%以下とする。なお、冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板において980MPa以上の引張強度が必要な場合には、ポリゴナルフェライトの面積率は50%以下であることが好ましい。なお、ポリゴナルフェライトの面積率は0%であってもよい。なお、本発明におけるポリゴナルフェライトとは、結晶粒のアスペクト比が3未満のフェライトのことである。
マルテンサイトの面積率が50%以下(0%を含む)
マルテンサイトは最も硬質な組織であり、鋼板を高強度化するためには有効な組織であるが、前記した板状または針状のフェライトと隣接する島状マルテンサイト以外のマルテンサイトは、後の冷間圧延後の焼鈍時に、フェライトの間に層状に硬質な組織が存在した状態を実現できない。このため、前記した島状マルテンサイトを除くマルテンサイトの量が多すぎると、冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板の加工性の向上が制限される。従って、前記した島状マルテンサイト以外のマルテンサイトの面積率は、50%以下とする。好ましくは、前記した島状マルテンサイト以外のマルテンサイトの面積率は35%以下、さらに好ましくは15%以下であり、0%であってもよい。
ベイナイトの面積率が50%以下(0%を含む)
ベイナイトもマルテンサイトと同様に鋼板を高強度化するためには有効な組織であるが、後の冷間圧延後の焼鈍時に、フェライトの間に層状に硬質な組織が存在した状態を実現できないため、その量が多すぎると冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板の加工性の向上が制限される。従って、ベイナイトの面積率は、50%以下とする。なお、好ましくはベイナイトの面積率は35%以下、さらに好ましくは15%以下であり、0%であってもよい。
次に、本発明において、鋼板の成分組成を上記のように限定した理由について述べる。なお、以下の成分組成を表す%は質量%を意味するものとする。
C:0.05%以上0.51%以下
Cは鋼板の高強度化ならびに加工性を向上させるための板状または針状のフェライトと炭化物、パーライト、島状マルテンサイトもしくは残留オーステナイトが隣接した組織を得るために必要不可欠な元素である。C量が0.05%未満では、本発明の熱延鋼板を用いて製造される冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板の強度と加工性を確保することが難しい。一方、C量が0.51%を超えると、溶接部および熱影響部の硬化が著しく溶接性が劣化する。従って、C量は0.05%以上0.51%以下の範囲とする。好ましくは、0.10%を超え0.48%以下の範囲であり、さらに好ましくは0.35%以下である。
Si:3.0%以下
Siは、固溶強化により鋼の強度向上に寄与する有用な元素である。しかしながら、Si量が3.0%を超えると、ポリゴナルフェライト中への固溶量の増加による加工性、靭性の劣化を招き、また、赤スケール等の発生による表面性状の劣化や、冷間圧延後に溶融亜鉛めっきを施す場合には、めっき付着性および密着性の劣化を引き起こす。従って、Si量は3.0%以下とする。好ましくは2.6%以下である。さらに好ましくは、2.2%以下である。また、Siは、炭化物の生成を抑制し、残留オーステナイトの生成を促進するのに有用な元素であることから、Si量は0.5%以上とすることが好ましいが、炭化物の生成をAlのみで抑制する場合には、Siは添加する必要はなく、Si量は0%であっても良い。
Mn:0.5%以上6.0%以下
Mnは、鋼の強化に有効な元素である。Mn量が0.5%未満では、焼鈍後の冷却中にベイナイトやマルテンサイトが生成する温度よりも高い温度域で炭化物が析出するため、冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板において、鋼の強化に寄与する硬質相の量を確保することができない。このため、Mn量は0.5%以上とし、より好ましくは1.5%以上とする。一方、Mn量が6.0%を超えると、鋳造性の劣化などを引き起こす。このため、Mn量は6.0%以下とする。好ましくはMn量は5.2%以下であり、より好ましくは4.7%以下である。従って、Mn量は0.5%以上6.0%以下の範囲とする。好ましくは1.5%以上5.2%以下の範囲とする。
P:0.1%以下
Pは、鋼の強化に有用な元素であるが、P量が0.1%を超えると、粒界偏析により脆化することにより耐衝撃性を劣化させ、鋼板に合金化溶融亜鉛めっきを施す場合には、合金化速度を大幅に遅延させる。従って、P量は0.1%以下とする。好ましくは0.05%以下である。なお、P量は、低減することが好ましいが、0.005%未満とするには大幅なコスト増加を引き起こすため、その下限は0.005%程度とすることが好ましい。
S:0.07%以下
Sは、MnSを生成して介在物となり、耐衝撃性の劣化や溶接部のメタルフローに沿った割れの原因となるため、S量を極力低減することが好ましい。しかしながら、S量を過度に低減することは、製造コストの増加を招くため、S量は0.07%以下とする。好ましくは0.05%以下であり、より好ましくは0.02%以下である。なお、Sは0.0005%未満とするには大きな製造コストの増加を伴うため、製造コストの点からはその下限は0.0005%程度である。
Al:3.0%以下
Alは、鋼の強化に有用な元素であるとともに、製鋼工程で脱酸剤として添加される有用な元素である。Al量が3.0%を超えると、鋼板中の介在物が多くなり延性を劣化させる。従って、Al量は3.0%以下とする。好ましくは、2.0%以下である。また、Alは、炭化物の生成を抑制し、残留オーステナイトの生成を促進するのに有用な元素であり、また、脱酸効果を得るために、Al量は0.001%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.005%以上である。なお、本発明におけるAl量は、脱酸後に鋼板中に含有するAl量とする。
N:0.010%以下
Nは、鋼の耐時効性を最も大きく劣化させる元素であり、極力低減することが好ましい。N量が0.010%を超えると耐時効性の劣化が顕著となるため、N量は0.010%以下とする。なお、Nを0.001%未満とするには大きな製造コストの増加を招くため、製造コストの点からは、その下限は0.001%程度である。
また、本発明では上記した基本成分の他、以下に述べる成分を適宜含有させることができる。
Cr:0.05%以上5.0%以下、V:0.005%以上1.0%以下、Mo:0.005%以上0.5%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
Cr、VおよびMoは焼鈍温度からの冷却時にパーライトの生成を抑制する作用を有する元素である。その効果は、Cr:0.05%以上、V:0.005%以上およびMo:0.005%以上で得られる。一方、Cr:5.0%、V:1.0%およびMo:0.5%を超えると、硬質なマルテンサイトの量が過大となり、必要以上に高強度となり、加工性が低下する。従って、Cr、VおよびMoを含有させる場合には、Cr:0.05%以上5.0%以下、V:0.005%以上1.0%以下およびMo:0.005%以上0.5%以下の範囲とする。
Ti:0.01%以上0.1%以下、Nb:0.01%以上0.1%以下のうちから選ばれる1種または2種
TiおよびNbは鋼の析出強化に有用で、その効果は、それぞれの含有量が0.01%以上で得られる。一方、それぞれの含有量が0.1%を超えると、加工性が低下する。従って、Ti、Nbを含有させる場合は、Ti:0.01%以上0.1%以下、Nb:0.01%以上0.1%以下の範囲とする。
B:0.0003%以上0.0050%以下
Bはオーステナイト粒界からフェライトが生成・成長することを抑制するのに有用な元素である。その効果は0.0003%以上の含有で得られる。一方、含有量が0.0050%を超えると、加工性が低下する。従って、Bを含有させる場合は、B:0.0003%以上0.0050%以下の範囲とする。
Ni:0.05%以上2.0%以下およびCu:0.05%以上2.0%以下のうちから選ばれる1種または2種
NiおよびCuは鋼の強化に有効な元素である。また、鋼板に溶融亜鉛めっきまたは合金化溶融亜鉛めっきを施す場合には、鋼板表層部の内部酸化を促進してめっき密着性を向上させる。これらの効果は、それぞれの含有量が0.05%以上で得られる。一方、それぞれの含有量が2.0%を超えると、鋼板の加工性を低下させる。従って、Ni、Cuを含有させる場合には、Ni:0.05%以上2.0%以下、Cu:0.05%以上2.0%以下の範囲とする。
Ca:0.001%以上0.005%以下およびREM:0.001%以上0.005%以下のうちから選ばれる1種または2種
CaおよびREMは、硫化物の形状を球状化し、伸びフランジ性への硫化物の悪影響を改善するために有用である。その効果は、それぞれの含有量が0.001%以上で得られる。一方、それぞれの含有量が0.005%を超えると、介在物等の増加を招き、表面欠陥および内部欠陥などを引き起こす。従って、CaおよびREMを含有させる場合には、Ca:0.001%以上0.005%以下およびREM:0.001%以上0.005%以下の範囲とする。
本発明の熱延鋼板において、上記以外の成分は、Feおよび不可避不純物である。ただし、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではない。
次に、本発明の熱延鋼板の製造方法の一実施形態について説明する。
本発明の熱延鋼板である冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板は、上述した成分組成を有する鋼スラブを、仕上げ圧延出側温度820℃以上で熱間圧延し、仕上げ圧延出側温度から730℃までの温度域を平均冷却速度15℃/s以上で冷却し、その後、730℃から巻取り温度までを平均冷却速度1〜50℃/sで冷却し、巻取り温度を500℃以上として巻き取ることにより製造することができる。
以下詳細に説明する。
上記の成分組成を有する鋼は、公知の方法により溶製した後、分塊圧延または連続鋳造を経てスラブとし、熱間圧延を施して熱延鋼板とする。スラブの加熱については、特に条件を限定しないが、加熱温度は1100〜1300℃が好ましい。
熱間圧延の条件について、以下に説明する。
仕上げ圧延出側温度820℃以上
熱間圧延の仕上げ圧延出側温度が820℃未満になると、熱延鋼板組織において、フェライトが圧延方向に伸張した組織となり、焼鈍後の鋼板(以下、焼鈍板ともいう)の延性および材質安定性が低下する場合がある。そのため、熱間圧延の仕上げ圧延出側温度は820℃以上とする。好ましくは、850℃以上である。
仕上げ圧延出側温度から730℃までの温度域を平均冷却速度15℃/s以上で冷却(一次冷却)
仕上げ圧延出側温度から730℃までの平均冷却速度が15℃/s未満になると、ポリゴナルフェライト変態が過剰に進行し、所望の板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織の面積率が得られず、焼鈍板の特性確保が困難となる。したがって、仕上げ圧延出側温度から730℃までの平均冷却速度は15℃/s以上とする。なお、上限は特にないが、急冷を精度よく行うためには特別な設備が必要であるため、仕上げ圧延出側温度から730℃までの平均冷却速度は200℃/s以下とすることが好ましい。
730℃から巻取り温度までを平均冷却速度1〜50℃/s(二次冷却)
上記一次冷却後、730℃から巻取り温度までの平均冷却速度が1℃/s未満になると、ポリゴナルフェライト変態が過剰に進行し、所望の板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織(第二相組織)の面積率が得られず、焼鈍板の特性確保が困難となる。また、上記一次冷却後、巻取り温度までの平均冷却速度が50℃/sを超える場合、この温度域での第二相組織内での変態が十分に進まず、所望の第二相組織(板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトが隣接した組織)の面積率が得られない。このため、730℃から巻取り温度までの平均冷却速度は1〜50℃/sとする。好ましい平均冷却速度は1〜30℃/sである。
巻取り温度500℃以上
巻取り温度が500℃未満になると、この温度域での第二相組織内での変態が十分に進まず、所望の第二相組織(板状または針状のフェライトと炭化物、パーライト、島状マルテンサイトもしくは残留オーステナイトが隣接した組織)の面積率が得られない場合や、所望の第二相組織内でのMnの分配が十分に進まない場合がある。このため、巻取り温度は500℃以上とする。好ましくは600℃以上である。なお、表面品質の劣化を抑制するため、巻取り温度は720℃以下とすることが好ましい。
以上の工程を経ることにより、本発明の熱延鋼板を製造することができる。このような熱延鋼板を、通常公知の方法で酸洗し、必要に応じて脱脂等の予備処理を施した後、冷間圧延を行い、焼鈍処理を施すことで冷延鋼板を製造する。また、焼鈍処理の後、溶融亜鉛めっき処理を施し、またはさらに合金化処理を施すことで、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。また、酸洗後、冷間圧延を施すことなく、焼鈍処理、溶融亜鉛めっき処理を施し、またはさらに合金化処理を施すことによって、溶融亜鉛めっき鋼板を製造することも可能である。
なお、ここで示した製造方法における一連の熱処理に関しては、鋼板は如何なる設備で熱処理を施されてもかまわない。
冷間圧延の条件については、特に限定はないが、圧下率が80%を越えると圧延荷重の極端な増加を招くため、圧下率は80%以下が好ましく、さらに好ましくは75%以下である。
連続焼鈍の条件についても、特に限定はないが、Ac1点以上1000℃以下の温度で、1500s以下保持することが好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨構成の範囲内で構成を変更することは、本発明の範囲に含まれるものとする。
表1に示す成分組成を有し、残部がFeおよび不可避不純物よりなる鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造法にてスラブとした。得られたスラブを1200℃に加熱後、表2に示す仕上げ圧延出側温度で2.3〜4.5mmの板厚まで熱間圧延を行い、表2に示す条件で冷却し、巻き取った。ついで、得られた熱延鋼板を酸洗し、冷間圧延した後、800℃で焼鈍して得た鋼板(冷延焼鈍板)について、機械的特性を調査した。また、上記のようにして得られた熱延鋼板から試料を採取し、鋼組織、所定組織中の平均Mn含有量を調査した。熱延鋼板の鋼組織の調査方法、平均Mn含有量の調査方法、機械的特性の調査方法について、以下に示す。
(1)熱延鋼板の鋼組織
熱延鋼板の圧延方向に平行な板厚断面を研磨後、3vol.%ナイタールで腐食し、板厚1/4位置(鋼板表面から深さ方向で板厚の1/4に相当する位置)について、SEM(走査電子顕微鏡)を用いて2000倍もしくは3000倍の倍率で10視野観察し、得られた組織画像から各構成組織の分率を求めて、その平均値を各組織の面積率とした。
なお、板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織の分率は、板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、残留オーステナイトのいずれかが混在した組織について求めたものである。
また、板状またはフェライトのアスペクト比は、板厚断面のミクロ組織写真(画像)の長径/短径で測定した。
(2)平均Mn含有量
熱延鋼板から試料を採取し、板状または針状のフェライト中の平均Mn含有量MnX(質量%)と、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイト中の平均Mn含有量MnY(質量%)を調査した。調査は、EPMAの定量点分析によりおこなった。
(3)機械的特性
焼鈍後の鋼板(冷延焼鈍板)の機械的特性は引張試験で評価した。引張試験は、引張方向が鋼板の圧延方向と直角方向になるようにサンプルを採取したJIS5号試験片を用いて、JIS Z2241(2010年)に準拠して行い、TS(引張り強さ)、El(全伸び)を測定した。延性は、TS×ELの値で評価し、本発明では、TS×EL≧21000MPa・%の場合を良好とした。
上記のようにして得た結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明の熱延鋼板を用いて製造した冷延鋼板(冷延焼鈍板)は、いずれも、引張強さが980MPa以上、かつTS×T.Elの値が21000MPa・%以上を満足する。このことから、本発明の熱延鋼板を用いることで、冷間圧延後に1回の連続焼鈍で高強度と優れた加工性を兼ね備えた冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板を得られることが確認できた。
Figure 2016089235
Figure 2016089235
Figure 2016089235

Claims (9)

  1. 質量%で
    C:0.05%以上0.51%以下、
    Si:3.0%以下、
    Mn:0.5%以上6.0%以下、
    P:0.1%以下、
    S:0.07%以下、
    Al:3.0%以下および
    N:0.010%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、
    熱延鋼板組織が、
    板状または針状のフェライトを含み、
    さらに、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上を含み、
    前記板状または針状のフェライトと、前記炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織を、面積率で25%以上(100%を含む)有し、
    その他の組織として、
    ポリゴナルフェライトを面積率で75%以下(0%を含む)、
    マルテンサイトを面積率で50%以下(0%を含む)、
    ベイナイトを面積率で50%以下(0%を含む)
    を含むことを特徴とする冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
  2. さらに、前記板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織中の板状または針状のフェライトの平均アスペクト比が4以上であることを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
  3. さらに、前記板状または針状のフェライトと、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの内から選ばれた1種または2種以上が隣接した組織における、
    板状または針状のフェライト中の平均Mn含有量MnX(質量%)と、炭化物、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイト中の平均Mn含有量MnY(質量%)が下記(1)式を満たすことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
    MnY/MnX≧1.1・・・・・(1)
  4. 前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
    Cr:0.05%以上5.0%以下、
    V:0.005%以上1.0%以下および
    Mo:0.005%以上0.5%以下
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
  5. 前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
    Ti:0.01%以上0.1%以下および
    Nb:0.01%以上0.1%以下
    のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
  6. 前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
    B:0.0003%以上0.0050%以下
    を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
  7. 前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
    Ni:0.05%以上2.0%以下および
    Cu:0.05%以上2.0%以下
    のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
  8. 前記熱延鋼板が、さらに、質量%で、
    Ca:0.001%以上0.005%以下および
    REM:0.001%以上0.005%以下
    のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の成分組成を有する鋼スラブを、
    仕上げ圧延出側温度820℃以上で熱間圧延し、
    仕上げ圧延出側温度から730℃までの温度域を平均冷却速度15℃/s以上で冷却し、
    その後、730℃から巻取り温度までを平均冷却速度1〜50℃/sで冷却し、
    巻取り温度を500℃以上として巻き取ることを特徴とする冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板の製造方法。
JP2014226536A 2014-11-07 2014-11-07 冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法 Active JP6265108B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014226536A JP6265108B2 (ja) 2014-11-07 2014-11-07 冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014226536A JP6265108B2 (ja) 2014-11-07 2014-11-07 冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016089235A true JP2016089235A (ja) 2016-05-23
JP6265108B2 JP6265108B2 (ja) 2018-01-24

Family

ID=56015940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014226536A Active JP6265108B2 (ja) 2014-11-07 2014-11-07 冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6265108B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101787275B1 (ko) * 2016-07-22 2017-10-19 현대제철 주식회사 열연 코일 제조방법 및 열연 코일의 형상 교정 방법
KR20190128654A (ko) * 2017-03-10 2019-11-18 타타 스틸 리미티드 초고강도 최소 1100 MPa 및 우수한 연신율 21%을 갖는 열간압연강 물품
CN111448329A (zh) * 2017-12-19 2020-07-24 安赛乐米塔尔公司 经冷轧和涂覆的钢板及其制造方法
CN111593258A (zh) * 2019-12-16 2020-08-28 北京特冶工贸有限责任公司 一种曲线用高耐磨高强韧贝马复相组织钢轨及其制造方法
CN112195402A (zh) * 2020-09-28 2021-01-08 首钢集团有限公司 一种析出强化型高强韧中锰钢板及其制备方法
KR20210024709A (ko) * 2019-08-26 2021-03-08 현대제철 주식회사 고장력 강판 및 그 제조방법
CN115074612A (zh) * 2022-03-04 2022-09-20 中原内配集团股份有限公司 一种铁素体合金铸铁、铸铁缸套及铸铁缸套制作方法
WO2024203605A1 (ja) * 2023-03-30 2024-10-03 株式会社神戸製鋼所 めっき鋼板およびその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002047517A (ja) * 2000-07-31 2002-02-15 Nippon Steel Corp 加工性に優れた高強度熱延鋼板の安定製造方法
JP2008156712A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Jfe Steel Kk 高炭素熱延鋼板およびその製造方法
JP2011168876A (ja) * 2010-01-22 2011-09-01 Jfe Steel Corp 加工性および耐衝撃特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
WO2013031105A1 (ja) * 2011-08-31 2013-03-07 Jfeスチール株式会社 冷延鋼板用熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法
WO2013046697A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法
WO2013046693A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002047517A (ja) * 2000-07-31 2002-02-15 Nippon Steel Corp 加工性に優れた高強度熱延鋼板の安定製造方法
JP2008156712A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Jfe Steel Kk 高炭素熱延鋼板およびその製造方法
JP2011168876A (ja) * 2010-01-22 2011-09-01 Jfe Steel Corp 加工性および耐衝撃特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
WO2013031105A1 (ja) * 2011-08-31 2013-03-07 Jfeスチール株式会社 冷延鋼板用熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法
WO2013046697A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法
WO2013046693A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109477192B (zh) * 2016-07-22 2021-03-16 现代制铁株式会社 用于制造热轧卷的方法和用于热轧卷的形状修正的方法
WO2018016908A1 (ko) * 2016-07-22 2018-01-25 현대제철 주식회사 열연 코일 제조방법 및 열연 코일의 형상 교정 방법
CN109477192A (zh) * 2016-07-22 2019-03-15 现代制铁株式会社 用于制造热轧卷的方法和用于热轧卷的形状修正的方法
KR101787275B1 (ko) * 2016-07-22 2017-10-19 현대제철 주식회사 열연 코일 제조방법 및 열연 코일의 형상 교정 방법
KR20190128654A (ko) * 2017-03-10 2019-11-18 타타 스틸 리미티드 초고강도 최소 1100 MPa 및 우수한 연신율 21%을 갖는 열간압연강 물품
KR102436498B1 (ko) * 2017-03-10 2022-08-26 타타 스틸 리미티드 초고강도 최소 1100 MPa 및 우수한 연신율 21%을 갖는 열간압연강 물품
CN111448329A (zh) * 2017-12-19 2020-07-24 安赛乐米塔尔公司 经冷轧和涂覆的钢板及其制造方法
KR102237628B1 (ko) 2019-08-26 2021-04-07 현대제철 주식회사 고장력 강판 및 그 제조방법
KR20210024709A (ko) * 2019-08-26 2021-03-08 현대제철 주식회사 고장력 강판 및 그 제조방법
CN111593258A (zh) * 2019-12-16 2020-08-28 北京特冶工贸有限责任公司 一种曲线用高耐磨高强韧贝马复相组织钢轨及其制造方法
CN112195402A (zh) * 2020-09-28 2021-01-08 首钢集团有限公司 一种析出强化型高强韧中锰钢板及其制备方法
CN115074612A (zh) * 2022-03-04 2022-09-20 中原内配集团股份有限公司 一种铁素体合金铸铁、铸铁缸套及铸铁缸套制作方法
WO2024203605A1 (ja) * 2023-03-30 2024-10-03 株式会社神戸製鋼所 めっき鋼板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6265108B2 (ja) 2018-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5418047B2 (ja) 高強度鋼板およびその製造方法
JP5454745B2 (ja) 高強度鋼板およびその製造方法
JP5365112B2 (ja) 高強度鋼板およびその製造方法
JP6179461B2 (ja) 高強度鋼板の製造方法
KR101758003B1 (ko) 열연 강판
JP5365216B2 (ja) 高強度鋼板とその製造方法
JP6265108B2 (ja) 冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法
JP5018934B2 (ja) 加工性に優れた高強度鋼板およびその製造方法
JP5971434B2 (ja) 伸びフランジ性、伸びフランジ性の面内安定性および曲げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板ならびにその製造方法
JP5018935B2 (ja) 加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP4998756B2 (ja) 加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
CA2767439C (en) High-strength steel sheet and method for manufacturing the same
JP2010065272A (ja) 高強度鋼板およびその製造方法
JP2010275627A (ja) 加工性に優れた高強度鋼板および高強度溶融亜鉛めっき鋼板並びにそれらの製造方法
KR20120023804A (ko) 가공성 및 내피로 특성이 우수한 고강도 합금화 용융 아연 도금 강판 및 그 제조 방법
KR101445465B1 (ko) 가공성과 스폿 용접성이 우수한 고강도 용융 아연 도금 강판 및 그 제조 방법
KR20120099505A (ko) 가공성 및 내충격 특성이 우수한 고강도 용융 아연 도금 강판 및 그 제조 방법
JP5397437B2 (ja) 加工性と材質安定性に優れた冷延鋼板用熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板およびその製造方法
JP5867278B2 (ja) 常中温域での成形性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP2015113504A (ja) 加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
WO2017168957A1 (ja) 薄鋼板およびめっき鋼板、並びに、熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、薄鋼板の製造方法およびめっき鋼板の製造方法
WO2011090180A1 (ja) 材質安定性と加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2013044022A (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2013139591A (ja) 加工性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法
WO2015194572A1 (ja) 衝突特性に優れる超高強度鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170502

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6265108

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250