JP2016088779A - グラフェン積層体、グラフェンシート、グラフェン積層体の製造方法、およびグラフェンシートの製造方法 - Google Patents

グラフェン積層体、グラフェンシート、グラフェン積層体の製造方法、およびグラフェンシートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルムロール上にグラフェン膜を形成する工程において、フィルムの搬送速度を上げることができ、且つ、経時的に安定な導電性を有するグラフェン積層体、グラフェンシート、グラフェン積層体の製造方法、およびグラフェンシートの製造方法を提供する。【解決手段】グラフェンシートの少なくとも片側にハイドロゲル層を有するグラフェン積層体であり、該ハイドロゲル層が水とゲル化剤と還元剤とを含有することを特徴とするグラフェン積層体。【選択図】図5

Description

本発明は、グラフェン積層体、グラフェン積層体の製造方法、およびグラフェンシートの製造方法に関する。
グラフェンは、炭素原子がsp2結合で結合した2次元構造を有しており、これに起因して導電性、力学的強度、光吸収や発光特性、熱伝導特性等の優れた特性を有するため、様々な工業用途に応用されてきている。
近年では、リチウム二次電池及びリチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスの電極材料や、電気製品の導電回路等に使用されつつある。
グラファイトからグラフェンを剥離する方法としては、従来、一旦、酸化グラフェンを形成し、該酸化グラフェンを還元する方法が用いられている。酸化グラフェンは、黒鉛を濃硫酸中、硝酸ナトリウム共存下で過マンガン酸カリウム等の酸化剤を用いて酸化グラファイトとし、その後、酸化グラファイトを回収、洗浄、超音波印加や遠心分離を行なうことで酸化グラフェンを構成する炭素層を剥離し、酸化グラフェン懸濁液を形成する(modified Hummer’s Method、非特許文献1〜3)。
前記方法で得られた酸化グラフェン懸濁液を基板に塗布し、乾燥して酸化グラフェン膜を基板上に形成したのち、ヒドラジン等の還元剤を含む溶液または蒸気に曝すことよって前記酸化グラフェン膜を化学還元し、グラフェン膜を得ることができる(非特許文献4、5)。
W. S. Hummers and R. E. Offeman, J. Am. Chem. Soc., 80(1958)1339." Preparation of Graphitic Oxide" Y. Xu, H. Bai, G. Lu, C. Li and G. Shi, J. Am. Chem. Soc.(2008)130, 5856-5857." Flexible Graphene Films via the Filtration of Water-Soluble Noncovalent Functionalized Graphene Sheets" D. R. Dreyer, S. Park, C. W. Bielawski and R. S. Ruoff, Chem. Soc. Rev.(2010) 39, 228-240." The chemistry of graphene oxide" S. Stankovich, D. Dikin, R. D. Piner, K. A. Kohlhaas, A. Kleinhammes,Y. Jia, Y. Wu, S. T. Nguyen and R. S. Ruoff, Carbon, 45(2007)1558-1565." Synthesis of graphene-based nanosheets via chemical reduction of exfoliated graphite oxide" G. Eda ,G Fanchini and M Chhowalla, Nature Nanotechnology.3 270-274 (2008)." Large-area ultrathin films of reduced graphene oxide as a transparent and flexible electronic material"
前記背景技術に従い、フィルムロール上にグラフェン膜を積層する方法として、例えば、図1、図2に示すプロセスでグラフェン積層体を作成することができる。
先ず、リワインド部(111)より基板となるフィルムロール(112)を巻き出し、次に酸化グラフェン懸濁液を塗布部(121)でフィルムロール(112)上に、予め、公知の方法により作成し、調整された酸化グラフェン懸濁液を、所望の厚さで塗布を行う。次いで、第1の乾燥部(122)でフィルムロール基板(112)上に塗布された酸化グラフェン懸濁液の分散溶媒成分を蒸発気散させることにより、フィルム基板上に酸化グラフェン膜を形成する。次いで、還元液(134)で充たされた還元浴よりなる還元部(131)で酸化グラフェン膜を還元してグラフェン膜を形成する。次いで、洗浄液(135)で満たされた洗浄部(132)でグラフェン膜および基板に付着した還元工程由来の不純物を十分洗浄し、第2の乾燥部(133)でグラフェン膜およびフィルム基板に付着した洗浄液(135)を蒸発気散させ、ワインド部(141)で巻き取ることによりグラフェン膜を有するフィルムロール(142)を作成することができる。
また別の方法では、例えば、図3、図4に示すように、還元剤成分を含む蒸気(137)、および必要に応じて不活性ガス(138)で満たされた還元室(136)を通過させ、基板上に塗布された酸化グラフェン膜を還元処理する方法によりグラフェン膜を有するフィルムロール(142)を作成することができる。
しかし、酸化グラフェン膜を還元するプロセスにおいて、還元が不十分であると、得られたグラフェン膜中に残存する酸化グラフェンが、経時的に更に還元されることにより、導電性が変化してしまう問題が発生する。これを防ぐには、還元プロセスに長い時間を費やさなければならないため、フィルムロール上にグラフェン膜を形成する場合、フィルムの搬送速度を遅くし、還元部での処理時間を長くする、または、還元部の装置を大きくしなければならないという問題がある。また、別の方法として、還元プロセスにおける雰囲気温度を150℃以上、好ましくは、500℃以上に加熱する方法があるが、基材の耐熱性に制限が有り、特にプラスチックフィルムを基材として用いることができないという問題がある。
従って本発明の目的は、フィルムロール上にグラフェン膜を形成する工程において、生産装置のタクトを短くすることができ、且つ、経時的に安定な導電性を有するグラフェン積層体、グラフェンシート、グラフェン積層体の製造方法、およびグラフェンシートの製造方法を提供することである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のグラフェン積層体は、
グラフェンシートの少なくとも片側にハイドロゲル層を有するグラフェン積層体であって、該ハイドロゲル層が水とゲル化剤と還元剤とを含有することを特徴とする。
かかるグラフェン積層体の好ましい態様は以下のとおりである。
(i)ハイドロゲル層と接するグラフェンシート表面の、炭素原子数と酸素原子数との比(C/O比)が、3以上であることを特徴とする。
(グラフェンシート表面のC/O比)=(炭素の原子数)/(酸素の原子数)
(ii)酸化グラフェンシート上にハイドロゲル層を積層する工程と該酸化グラフェンシートを還元する工程とを少なくとも含むことを特徴とする(i)に記載のグラフェン積層体の製造方法。
(iii)前記ハイドロゲル層を除去する工程を含むことを特徴とする(ii)に記載のグラフェンシートの製造方法。
(iv)前記(ii)または(iii)に記載の製造方法により得られることを特徴とするグラフェンシート。
本発明によれば、フィルムロール上にグラフェン膜を形成する工程において、還元部(131、136)を使用せず、フィルムの搬送速度を上げることができ、且つ、経時的に安定な導電性を有するグラフェン膜を提供することが可能となる。
ロール状グラフェン積層体を製造する従来技術の一例である。 ロール状グラフェン積層体の製造プロセスの従来技術の一例である。 ロール状グラフェン積層体を製造する従来技術の一例である。 ロール状グラフェン積層体の製造プロセスの従来技術の一例である。 本発明のグラフェン積層体の断面図である。 本発明のグラフェン積層体の断面図である。
本発明のグラフェン積層体は、グラフェンシートの少なくとも片側にハイドロゲル層を有するグラフェン積層体であり、該ハイドロゲル層が水とゲル化剤と還元剤とを含有することを特徴とする。
図5を参照すると、グラフェン積層体(1)は、グラフェン層(2a)と基板(2b)よりなるグラフェンシート(2)のグラフェン層(2a)側にハイドロゲル層(3)が積層されたものである。
[グラフェン]
本発明のグラフェン(2a)は、シート状の酸化グラフェンを還元して得られたグラフェンよりなる。シート状の酸化グラフェンは、公知の方法で作製することが可能であり、特に限定するものではない。好ましい態様は、Hummer’s法等の公知の技術により、酸化グラフェンを水に分散した酸化グラフェン懸濁液を作成し、基板(2b)の少なくとも片面に、所望の厚さになるようスピンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、キスコート、ダイコート、スプレイコート、ディップコート等の公知の方法で流延塗布を行う。次いで、乾燥装置を用いて、酸化グラフェン塗布膜中の水溶媒を蒸発気散させることにより、基板(2b)上に積層された酸化グラフェン(2a)を作製する。さらに、前記酸化グラフェンシートを公知の方法、または、後述の、本発明の水とゲル化剤と還元剤とを少なくとも含有するハイドロゲル層(3)を積層し、還元することにより得られたグラフェン(2a)である。
前記Hummer’s法によるに酸化グラフェン懸濁液の作製方法について説明する。
先ず、溶媒中でグラファイトを、過マンガン酸カリウム等の酸化剤を用いて酸化させ、酸化グラファイトを含む混合液を形成する。次いで、混合液に過酸化水素及び水を加え、残留した酸化剤の除去を行なう。さらに、酸化グラファイトを回収し、回収した酸化グラファイトに残留又は付着している酸化剤を更に除去するため、酸性溶液を用いて酸化グラファイトを洗浄し、その後、水を用いて酸化グラファイトを洗浄する。この洗浄工程を繰り返し行い、次いで、多量の水で酸化グラファイトを希釈し、遠心分離し、酸化グラファイトから酸を分離し、酸化グラファイトを再び回収する。さらに、酸化グラファイトを含む混合液に超音波を印加することで、酸化グラファイトを構成する酸化された黒鉛層、すなわち、酸化グラフェンを剥離し、酸化グラフェン懸濁液を作製することができる。
本発明のグラフェンは、ハイドロゲル層と接するグラフェンシート表面の、炭素原子数と酸素原子数との比(C/O比)が、3以上であり、好ましくは、5以上30以下であり、より好ましくは、10以上25以下である。炭素原子数と酸素原子数との比(C/O比)は以下の式で求めることができる。
(グラフェンシート表面のC/O比)=(炭素の原子数)/(酸素の原子数)。
本発明における元素組成比はエックス線光電子分光法によって測定することができる。超高真空中においた試料表面に軟エックス線を照射し、表面から放出される光電子をアナライザーで検出する。ワイドスキャンで測定し、物質中の束縛電子の結合エネルギー値から物質の元素情報が得られる。さらに、ピーク面積比を用いて元素比を定量することができる。
C/O比が3より小さいとは、グラフェンシート表面に酸素原子数が多いことを示しており、すなわち、酸化グラフェン成分が多いことを示している。グラフェンシート中の酸化グラフェン成分が多いことより導電性が十分ではないため、蓄電デバイスの電極材料や、電気製品の導電回路等に使用することに不向きである場合がある。
C/O比が3以上30以下であると、生産性が良好であり、且つ、導電性が経時的に安定したグラフェンとなり得る。
[ハイドロゲル層]
本発明のハイドロゲル層(3)は、水とゲル化剤と還元剤を含有する。
前記ゲル化剤は、特に限定するものではなく、例えば、ゼラチンやカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、アルギン酸ナトリウム、デンプンなどの天然高分子あるいは天然高分子誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等の合成高分子など、「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)にゲル化剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
前記ゲル化剤の含有量は、水をゲル化することができれば、特に限定するものではなく、公知のものより適宜選択すればよい。好ましくは水100重量部に対して、0.5質量部以上、30質量部の範囲であり、より好ましくは、1質量部以上20質量部以下であり、さらに好ましくは、3質量部以上15質量部以下である。0.5質量部より少ないと、ゲル化しなくなってしまう場合がある。30質量部より多いと、ハイドロゲル層が脆くなってしまう場合がある。0.5質量部以上、30質量部の範囲であると、ハイドロゲル層がゲルの状態を保持することができるため好ましい。
必要に応じて、架橋剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、増粘剤を加えたり、紫外線、電子線等を照射することでハイドロゲル層を形成したりすることができる。
本発明の還元剤は、酸化グラフェンを還元可能であれば、特に限定されるものではない。例えば、有機還元剤としては、アルデヒド系還元剤、ヒドラジン誘導体還元剤、アルコール系還元剤等が挙げられ、有機還元剤の中でもアルコール系還元剤は比較的穏やかに還元することができるため、好適である。アルコール系還元剤として挙げられるものは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェノール、カテコール、エタノールアミン、ドーパミン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、などが挙げられ、特にベンジルアルコール、カテコール、ドーパミンが好適である。無機還元剤としては、亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウム、亜リン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジンなどが挙げられ、無機還元剤の中でも亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウムが好適に用いられる。
前記還元剤の含有量は、酸化グラフェンを十分に還元することができればよく、特に限定するものではない。好ましくは水100質量部に対して、0.5質量部以上、30質量部以下の範囲であり、より好ましくは、1質量部以上20質量部以下であり、さらに好ましくは、3質量部以上15質量部以下である。0.5質量部より少ない含有量であると、酸化グラフェンの還元に時間がかかったり、グラフェンの還元にバラツキが生じたりする場合がある。30質量部より多い含有量であると、ハイドロゲル層が脆くなったり、ハイドロゲル層を剥離後のグラフェンシートの表面にハイドロゲル層成分が残留したりする場合がある。0.5質量部以上、30質量部以下の範囲であると、酸化グラフェンの還元を短時間で行うことができ、還元バラツキを生じにくく、ハイドロゲル層を保持し、且つ、ハイドロゲル層を剥離後、グラフェンシートの表面にハイドロゲル層成分が残留することが少ないため好ましい。
本発明のハイドロゲル層(3)の厚さは、特に限定されるものではない。好ましくは0.5〜500μmであり、より好ましくは、1〜100μm、さらに好ましくは、3〜50μmである。0.5μmより小さいと、酸化グラフェンを還元するだけの十分な還元剤を含有せしめることができないため、結果として、酸化グラフェンを十分に還元することができなくなる場合がある。500μmより大きいと、ハンドリングが低下する場合がある。0.5〜500μmの範囲であれば、酸化グラフェンを還元するだけの十分な還元剤を含有させることができ、ハンドリング性が良好であるため好ましい。
本発明のハイドロゲル層(3)と接するグラフェン(2a)の表面の、炭素原子数と酸素原子数の比(C/O比)が、3以上30以下である。C/O比は、大きいほど、グラフェン層の中に酸化グラフェン部分が多く、導電性が低いことを示し、C/O比が小さいほどグラフェン層の中に酸化グラフェン部分が少なく、導電性が良好であることを示している。本発明の製造方法において、C/O比が3より小さい場合、還元時間が非常に大きくなり、生産効率が低下してしまう場合がある。C/O比が30よりも大きい場合、導電性が小さく、すなわち絶縁抵抗が大きくなってしまう場合がある。また、残存している酸化グラフェンが経時で還元反応が生じることにより導電性が安定しない場合がある。
ハイドロゲル層(3)は、公知の方法でグラフェンシート(2)に積層することができる。具体的には、例えば、溶剤とゲル化剤と還元剤とを少なくとも含有する塗布液を、所望の厚さになるようスピンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、キスコート、ダイコート、スプレイコート、ディップコート等の公知の方法で流延塗布を行う。次いで、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射、又は、熱を与えることにより塗布液をゲル化させることで得ることができる。
また別の方法としては、例えば、図6を参照すると、グラフェンシートと異なる基材(3a)を準備し、溶剤とゲル化剤と還元剤とを少なくとも含有する塗布液を所望の厚さになるようスピンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、キスコート、ダイコート、スプレイコート、ディップコート等の公知の方法で流延塗布を行う。次いで、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射、又は、熱を与えることにより塗布液をゲル化させ、ハイドロゲル層(3b)を積層したハイドロゲルシート(3)を作製する。次いで、グラフェンシート(2)と貼付することでグラフェン積層体(1)を得ることができる。
[用途]
本発明のグラフェン積層体およびグラフェンシートは導電回路や電極部材とし好適に用いることができる。また、本発明のグラフェン積層体の製造方法およびグラフェンシートの製造方法は生産性良くグラフェン積層体およびグラフェンシートを得ることができるため、グラフェン積層体およびグラフェンシートが用いられる汎用品〜高機能製品まで幅広く適用することができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明を行うが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
[グラフェン積層体の作製]
基板(2b)として、ロール状のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(登録商標)(タイプS10)100μm(東レ(株)製)、酸化グラフェン懸濁液として、Hummer’s法により作製されたRapGO (TQ−11)−1((株)仁科マテリアル製、濃度:1mg/mL)を用意した。
次に、マイクログラビアコーターを用いて、基板(2b)の片面に酸化グラフェン懸濁液を塗布し、120℃の熱風乾燥ゾーンを1分間通過させ、加熱乾燥を行い、酸化グラフェンの膜厚さが20nmの酸化グラフェンシートよりなるフィルムロール(a)を作製した。
次に、精製水100質量部、ゲル化剤として、ポリアエチレングリコールのアクリル酸エステル(東亜合成(株)製アロニックスM−260)12.5質量部、重合開始剤として、ジ−tert−ブチルパーオキシド0.7質量部、増粘剤としてポリエチレングリコール28.8質量部と、還元剤としてヒドラジン12.0質量部を加え、ハイドロゲル層塗布液を調整した。
次いで、前記ハイドロゲル層塗布液を、スリットダイコーターを用いて、前記酸化グラフェンシートよりなるフィルムロールの酸化グラフェン上に塗布し、60℃の熱風乾燥ゾーンを1分間通過させ、精製水の一部を乾燥し、10秒間の紫外線照射を行い架橋させ、厚さ20μmのハイドロゲル層を積層し、ロール状のグラフェン積層体(A)を作製した。
[グラフェン表層の表面抵抗値測定方法]
20℃、50%RHの雰囲気下でJIS−C−2151(2006年版)に基づいて、(株)ダイアインスツルメンツ製の表面抵抗計(ロレスタGP、型番:MCP−T600)およびプローブ(型番:TFP)を用いてグラフェン積層体のハイドロゲル層を除去し、グラフェンシート表面の抵抗値測定を行った。測定箇所を変え、n=50の測定を繰り返し、その平均値および変動係数の百分率を算出し、結果を表1に記した。
[グラフェン表層のC/O比測定方法]
エックス線光電子測定はQuantera SXM (PHI 社製))を使用して測定した。励起X 線は、monochromatic Al Kα1,2線(1486.6 eV)であり、X 線径は200μm、光電子脱出角度は45°である。
酸化グラフェンの炭素原子の酸素原子に対する割合は、ワイドスキャンの炭素原子のピーク面積と、酸素原子のピーク面積から求め、C/O比を算出し、表1に記した。
(実施例2〜4)
実施例1の酸化グラフェンの膜厚さをそれぞれ50nm、100nm、200nmに変更して酸化グラフェンシートよりなるフィルムロール(b)〜(d)を作製し、同法にてロール状のグラフェン積層体(B)〜(D)を作製し、同様の評価を行ない、表1に記した。
(実施例5)
実施例1の還元剤を亜ジチオン酸ナトリウム12.0質量部に変更し、実施例1と同法にてロール状のグラフェン積層体(A’)を作製し、同様の評価を行ない、表1に記した。
(実施例6)
ハイドロゲルシート用基板(3b)として、ロール状のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“ルミラー”(登録商標)(タイプS10)50μm(東レ(株)製)を用意した。次いで、実施例1に記載のハイドロゲル層塗布液を前記ハイドロゲルシート用基板(3b)に実施例1と同法にて積層を行い、30μmのハイドロゲルシートフィルム(E)を作製し、同様の評価を行なった。
次いで、実施例1で作製した酸化グラフェンシートよりなるフィルムロール(a)の酸化グラファイト表面にハイドロゲルシートフィルム(E)のハイドロゲル層が接するように貼付し、ロール状のグラフェン積層フィルム(F)を作製した。次いで、温度25℃、湿度55%RHの雰囲気に3日間保存した後、グラフェン積層フィルム(F)からハイドロゲルシートフィルム(E)を剥離してロール状のグラフェンシート(E’)を作製し、同様の評価を行ない、表1に記した。
(比較例1)
実施例1で作製した酸化グラフェンシートよりなるフィルムロール(a)を、精製水100質量部と、還元剤としてヒドラジン12質量部よりなる液温40℃の還元液(134)、精製水よりなる液温40℃の洗浄液(135)、および100℃の熱風乾燥ゾーンにそれぞれ順番に1分間通過させロール状のグラフェン積層体(F)を作製し、同様の評価を行ない、表1に記した。
(参考例1)
実施例1で作製した酸化グラフェンシートの表面抵抗値およびC/O比について、同様の評価を行ない、表1に記した。
(参考例2)
実施例1で作製した酸化グラフェンシートよりなるフィルムロール(a)から、100mm×100mmの枚葉シートを切り出した。次いで、比較例1に記載の還元液(134)および洗浄液(135)にそれぞれ、10時間および1分間浸漬し、100℃の熱風乾燥機で1分間の加熱乾燥を行い、枚葉のグラフェンシート(G)を作製し、同様の評価を行ない、表1に記した。
Figure 2016088779
表1から明らかなように実施例1〜6において、十分な導電性を有し、且つ、バラツキが小さいグラフェン導電層を有するグラフェン積層体を作成することができる。
本発明のグラフェン積層体、およびグラフェンシートは、リチウム二次電池及びリチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスの電極材料や、電気製品の導電回路等に使用することができる。
1、1’ グラフェン積層体
2 グラフェンシート
2a グラフェン層
2b 基材
3、3a ヒドロゲル層
3’ ハイドロゲルシート
3b ハイドロゲルシート基板
111 リワインド部
112 フィルムロール、フィルムロール基板
121 塗布部
122 第1の乾燥部
131 還元部
132 洗浄部
133 第2の乾燥部
134 還元液
135 洗浄液
136 還元室
137 還元剤成分を含む蒸気
138 不活性ガス
141 ワインド部
142 グラフェン膜を有するフィルムロール

Claims (5)

  1. グラフェンシートの少なくとも片側にハイドロゲル層を有するグラフェン積層体であって、該ハイドロゲル層が水とゲル化剤と還元剤とを含有することを特徴とするグラフェン積層体。
  2. ハイドロゲル層と接するグラフェンシート表面の、炭素原子数と酸素原子数との比(C/O比)が、3以上であることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン積層体。
    (グラフェンシート表面のC/O比)=(炭素の原子数)/(酸素の原子数)
  3. 酸化グラフェンシート上にハイドロゲル層を積層する工程と該酸化グラフェンシートを還元する工程とを少なくとも含むことを特徴とするグラフェン積層体の製造方法。
  4. 前記ハイドロゲル層を除去する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のグラフェンシートの製造方法。
  5. 前記請求項3または4に記載の製造方法により得られることを特徴とするグラフェンシート。
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