JP2016088286A - 船尾構造 - Google Patents

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Akira Nishigaki
亮 西垣
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Abstract

【課題】船尾底面に水流偏向体を備えた船尾構造において、水流偏向体の側部後端(角部)で波高が増大するのを抑えることで、造波抵抗を低減する。【解決手段】船体と、船体と一体に設けられ、船体の後端側にて船舶の船底14の一部を構成する、後ろ下がりの傾斜面を有する水流偏向体16とを備え、水流偏向体の傾斜面の前縁及び後縁は、船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて、徐々に船体の後方へ変位している。【選択図】図1

Description

本開示は、特に高速船舶において、船尾波の形成により発生する造波抵抗を低減可能にした船尾構造に関する。
図5に示すように、船舶が高速で航行すると、船体100の後方に船尾波wが発生することで、造波抵抗が増大し、燃料消費量の増大をもたらす。造波抵抗は、船舶の航行時に船舶が波を作るために失われる航行エネルギと等価の抵抗である。

造波抵抗は、下記式(1)に示すフルード数Frの増加と共に増加し、フルード数Frが所定数(例えば、0.20)以上の高速船舶、例えば、RO−RO船(ロールオン−ロールオフ船)、フェリー、自動車運搬船、コンテナ船等において顕著に増加する。
Fr=V/(g・L)1/2 ・・・(1)
ここで、Vは船舶の航行速度、Lは船体の代表長さ、gは重力加速度である。
そこで、この造波抵抗を低減するために、図6に示すように、船尾端の底面に船体前後方向の断面が楔形状をしたウェッジ102を船体幅方向のほぼ全域に亘って取り付ける提案がなされている。このウェッジ102は、船底に沿って流れる水流をウェッジ102の後ろ下がりの傾斜面に沿って下方へ偏向させることで、船尾波の発生を抑制するようにしている。
特許文献1及び2には、このようなウェッジを船尾端の底面に形成した構成が開示されている。
特許文献1には、後端面が船尾後端面と連続的に連なり、後ろ下がりの傾斜面の船体前後方向の長さが船体幅方向でほぼ同一なウェッジが開示されている。
また、特許文献2の図12には、端面が船尾後端面と連続的に連なり、後ろ下がりの傾斜面の前縁が船体幅方向の中央部で船体前方に位置し、船体側方へ向かうにつれて船体後方へ後退したウェッジが開示されている。
特開平09−052591号公報 特開2001−219892号公報
前記ウェッジは簡単な構成で流動抵抗を抑制できるというメリットを有している。しかし、特許文献1に開示された形状のウェッジに対して、本発明者等が行った検証によれば、全体として船尾波を低減し造波抵抗を低減できるメリットはあるが、ウェッジ側部後端(角部)で部分的に波高が増大し、造波抵抗が増加することが判明した。以下、この現象を図7及び図8で具体的に説明する。
図7は、本発明者等が数値流体力学(CFD)により船体後部100の後方の流れを解析した図である。図7中、上半分がウェッジ無しの場合の上方から見た片弦側の造波状態を示し、下半分がウェッジ有りの場合の上方から見た片弦側の造波状態を示している。水流の色が濃いほど波高が大きいことを表している。色がない領域は波がほとんどない領域である。
図7から、ウェッジの存在により船体後方の造波が低減されていることがわかる。しかし、ウェッジ側部後端(角部)から斜め後方に延びる領域rで波高が増大している。
この理由を図8に基づいて説明する。図8は船体後部100の片舷(右舷)側の船底に沿う水流を上方から視た図である。図8において、船体後部100の船尾船底に船体前後方向の断面が楔形状をし、かつ後ろ下がりの傾斜面を有するウェッジ102が設けられている。ウェッジ102は船体幅方向に沿って延び、船体幅の略全域に設けられている。
図8に示すように、ウェッジ102の後端面は、船尾後端面100aの底辺に連なり、かつ船尾後端面100aと面一をなしている。図中、ラインLは船体に接した水面のラインを示している。
船体100の船尾底面に沿って後方へ流れる水流sは、ウェッジ102の前端102aで下方へ偏向されると共に、水流sの一部はウェッジ102に流れを抑えられ、ウェッジ102の側方外側へ偏向する。この偏向流がウェッジ側部後端(角部)に連なる領域rの波高を増大させていると考えられる。
なお、特許文献2に開示されたウェッジは、後ろ下がりの傾斜面の前縁が船体幅方向の中央部で船体前方に位置し、船体側方へ向かうにつれて船体後方へ弧状に後退している。このウェッジは前記形状の前縁を有することで、前記偏向流を減少させ得るとも考えられる。しかし、船体幅方向に向いた直線状の後縁を有しているので、ウェッジの舷側領域の船体前後方向の長さは縮小している。そのため、ウェッジの舷側領域では水流を下方へ偏向する作用が低下し、造波抵抗を増大させてしまう懸念がある。
本発明の少なくとも一実施形態は、かかる従来技術の課題に鑑み、船底の一部を構成するウェッジを備えた船尾構造において、簡易且つ低コストな手段にて流動抵抗の増加を招
かずに、ウェッジ側部後端(角部)周辺領域で波高が増大するのを抑え、造波抵抗を低減することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る船尾構造は、
船体と、
前記船体と一体に設けられ、前記船体の後端側にて船舶の船底の一部を構成する後ろ下がりの傾斜面を有する水流偏向体と、を備え、
前記水流偏向体の傾斜面の前縁及び後縁は、前記船体の幅方向にて中央から舷側へ向かうにつれて徐々に前記船体の後方へ変位している。
上記構成(1)によれば、水流偏向体の傾斜面の前縁及び後縁が、船体の中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位するので、傾斜面によって水流が下方に向けられる偏向位置が、船体の幅方向に応じて異なる。すなわち、船体の幅方向にて船底の中央に沿って流れる水流(以下、「中央の水流」とも称する。)の方が、船底の弦側に沿って流れる水流(以下、「弦側の水流」とも称する。)よりも上流側にて下方へ向けられる。下方へ向けられた中央の水流は、側方外側へ向かって逸れようとするが、弦側の水流がまだ真っ直ぐに流れることで障壁を形成し、中央の水流が側方外側へ流れるのを防止する。この結果、水流偏向体の側部後端(角部)周辺領域で波高の増加が抑えられ、造波抵抗を低減できる。
また、上記構成(1)によれば、傾斜面の後縁が、船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位していることで、船体の前後方向での傾斜面の長さを、船体の幅方向にて側方でも確保することができる。このため、傾斜面により、弦側の水流を効果的に下方に向かわせることができ、船舶の後方で波高が高くなるのを防止することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記水流偏向体の傾斜面の前縁及び後縁は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かって弧状に延びている。
上記構成(2)によれば、傾斜面の前縁及び後縁が弧状に延びているので、船体の中央と側方とで、傾斜面の前縁の位置を大きく異ならせることができる。そのため、弦側の水流がより真っ直ぐに流れるので、中央の水流が側方外側へ流れることをより確実に防止することができる。この結果、造波抵抗を効果的に低減できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記水流偏向体の傾斜面の前縁及び後縁は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かって直線状に延びている。
上記構成(3)によれば、水流偏向体の前縁及び後縁が直線状に延びているので、水流偏向体の製造工程及び船体への取付工程を簡素化でき、製造コストを削減できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記船体の前後方向での前記傾斜面の前記前縁と前記後縁との間の距離は、前記船体の幅方向にて一定である。
上記構成(4)によれば、船体の前後方向での傾斜面の前縁と後縁との間の距離は、前縁船体の幅方向にて一定であることで、船体の前後方向での傾斜面の長さを、船体の幅方向にて側方でも確保することができる。このため、傾斜面により、弦側の水流を効果的に下方に向かわせることができ、船舶の後方で波高が高くなるのを防止することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記構成(1)〜(4)の何れか1つにおいて、
前記水流偏向体は、前記傾斜面の後縁を含む後端面を有し、
前記水流偏向体の後端面は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位し、
前記船体の後端面は、前記水流偏向体の後端面に連続的に連なり、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位している。
上記構成(5)によれば、水流偏向体の後端面が船体の後端面に対し連続的に連なっているので、水流偏向体の後端面及び船体の後端面の周辺での水流の乱れを防止し、航行エネルギの消耗を抑制することができる。さらに、上部甲板の面積を最大限に広く確保できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記構成(1)〜(4)の何れか1つにおいて、
前記水流偏向体は、前記傾斜面の後縁を含む後端面を有し、
前記水流偏向体の後端面は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位し、
前記船体の後端面は、
前記ウェッジ側に位置して前記水流偏向体の後端面に連続的に連なり、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位する下方領域と、
前記下方領域よりも上方に位置する平坦な上方領域とを含んでいる。
上記構成(6)によれば、船体の後端面の下方領域は、水流偏向体の後端面に連続的に連なっており、船体の後端面の下方領域及び水流偏向体の後端面の周辺での水流の乱れを防止し、航行エネルギの消耗を抑制することができる。一方、構成(6)では、船体の後端面の上方領域は平坦であり、既存の例えばトランサムスターン型の船舶にウェッジを取り付ける場合に、船体に対する加工を低減でき、コスト削減を図ることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、簡易かつ低コストな手段で、流動抵抗増加を招かず、水流偏向体側部後端(角部)周辺領域で波高が増大するのを防止でき、造波抵抗を低減できる。
本発明の一実施形態に係る船尾構造を概略的に示す斜視図である。 図1の実施形態における船底水流の挙動を示す上方視説明図である。 本発明の別な一実施形態に係る船尾構造における船底水流の挙動を示す上方視説明図である。 本発明のさらに別な一実施形態に係る船尾構造を概略的に示す斜視図である。 高速船舶における船尾波の発生を説明する説明図である。 従来の水流偏向体を設けた船尾構造による船尾波の抑制を説明するための図である。 従来の水流偏向体の有無による造波抵抗の違いを示すための波高の解析図である。 従来の水流偏向体を設けたときの船底水流の挙動を概略的に示す上方視説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1は本発明が適用された高速船舶の船尾部10Aを示している。図1では、船体横断面上船体中心部で垂直方向に引かれた中心垂線Cより右舷側部位のみが図示され、左舷側部位は省略されている。
船尾部10Aは、例えば、RO−RO船(ロールオン−ロールオフ船)、フェリー、自動車運搬船、コンテナ船等の船尾部である。船尾部10Aの下部には推進器12が設けられている。図1中、18は船体の上甲板を示す。
図1において、破線aは、従来のトランサムスターン型の船尾形状を示している。この船尾形状は比較のため図示しており、船尾底面14に水流偏向体を設けておらず、船尾後端面は船体縦断面に対して直交した平面で構成されている。
二点鎖線bは、船尾底面14に、特許文献1に開示された従来の水流偏向体(ウェッジ)102を設けた船尾形状を示している。この船尾形状では、船尾後端面は船体の前後方向に対して直交した平面で構成され、ウェッジ102は、船尾底面14に対して隙間無く固定されると共に、船体の前後方向にて後ろに近づくほど下方に変位する、後ろ下がりの傾斜面を有し、くさび形状の縦断面形状を有している。この船尾形状も従来型のものであり、比較のために図示している。
実線cは、本実施形態に係る船尾形状を示している。本実施形態に係る船尾後端面10aは、中央垂線Cから船舷側へ移行するにつれて船体後方へ円弧状に曲折した曲面を有している。そのため、本実施形態に係る船尾後端面10aは、破線a又は二点鎖線bで示す従来型と比べて、徐々に後方へ突出しており、特に舷側端で後方への突出量が最大となっている。
本実施形態に係る船尾形状は、船尾底面14に水流偏向体16が設けられている。水流偏向体16は、船尾底面14に対して隙間無く水密に固定されると共に、船体前後方向で船尾底面に対して後ろ下がりの傾斜面を有し、くさび形状の断面を有している。
また、水流偏向体16は、船尾後端面10aと同一曲率で、船体中心垂線Cから舷側へ移行するにつれて船体後方へ円弧状に曲折している。即ち、水流偏向体16の前縁及び後縁は、船尾後端面10aと同一曲率の曲線で形成され、水流偏向体16の後端は、船尾後端面10aの底辺と一致している。
また、水流偏向体16の後端面16aは船尾後端面10aと同一曲率の円弧状曲面を形成し、両曲面は段差がない連続した曲面を形成している。さらに、水流偏向体16の前縁と後縁との間の長さは船体幅方向で同一となるように構成されている。
船舶の航行時に船尾底面14に沿って船体前方から後方へ向かう水流sが形成される。
次に、図2に基づいて、本実施形態に係る船尾構造のときの水流sの挙動を説明する。図2は、船体中心部位で船体縦断面に沿って引かれた船体中心軸線Cより片舷(右舷)側の部位で船尾底面14に沿い船体前方から後方へ向かう水流sを示している。
船尾部10Aは、船体と一体に設けられ、船体の後端側にて船舶の船底の一部を構成する後ろ下がりの傾斜面を有する水流偏向体16を備え、水流偏向体16の傾斜面の前縁及び後縁は、船体の幅方向にて中央から舷側へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位しているので、前記傾斜面によって水流sが下方に向けられる偏向位置が、船体の幅方向に応じて異なる。すなわち、船体の幅方向にて船底の中央に沿って流れる水流sの方が、船底の弦側に沿って流れる水流sよりも上流側にて下方へ向けられる。
下方へ向けられた中央の水流sは、側方外側へ向かって逸れようとするが、弦側の水流sがまだ真っ直ぐに流れることで障壁を形成し、中央の水流が側方外側へ流れるのを防止する。この結果、水流偏向体16の側部後端(角部)周辺領域で波高の増加が抑えられ、造波抵抗を低減できる。
また、前記傾斜面の後縁が、船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位していることで、船体の前後方向での傾斜面の長さを、船体の幅方向にて側方でも確保することができる。このため、前記傾斜面により、弦側の水流を効果的に下方に向かわせることができ、船舶の後方で波高が高くなるのを防止することができる。
また、水流偏向体16の傾斜面の前縁及び後縁は、船体の幅方向にて中央から側方へ向かって弧状に延びているので、船体の中央と側方とで、傾斜面の前縁の位置を大きく異ならせることができる。そのため、弦側の水流sがより真っ直ぐに流れるので、中央の水流sが側方外側へ流れることをより確実に防止することができる。この結果、造波抵抗を効果的に低減できる。
また、水流偏向体16の傾斜面の前縁及び後縁は、船体の幅方向にて中央から側方へ向かって直線状に延びているので、水流偏向体16の製造工程及び船体への取付工程を簡素化でき、製造コストを削減できる。
また、船体の前後方向での水流偏向体16の傾斜面の前縁と後縁との間の距離は、船体の幅方向にて一定であるので、船体の前後方向での前記傾斜面の長さを、船体の幅方向で側方でも確保することができる。このため、前記傾斜面により、弦側の水流sを効果的に下方に向かわせることができ、船舶の後方で波高が高くなるのを防止することができる。
さらに、水流偏向体16は、傾斜面の後縁を含む後端面16aを有し、該後端面16aは、船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位し、船体の後端面10aは、水流偏向体16の後端面16aに連続的に連なり、船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位しているので、水流偏向体16の後端面16a及び船体の後端面10aの周辺での水流sの乱れを防止し、航行エネルギの消耗を抑制することができる。さらに、上部甲板の面積を最大限に広く確保できる。
次に、本発明の別な実施形態を図3に基づいて説明する。図3は図2に対応する図である。
図3に示すように、本実施形態に係る船尾部10Bの船尾後端面10aは、船体中央部位から船舷側へ移行するにつれて船体後方へ直線状に傾斜した平面で構成されている。そして、水流偏向体16の前縁及び後縁も、船体中央部位から舷側へ向かうにつれて船体後方へ直線状に傾斜している。水流偏向体16の後端は船尾後端面10aの底辺、即ち、船尾底面14の後端と一致している。さらに、船尾後端面10aと水流偏向体16の後端面16aとは段差がない連続した平面を形成している。
かかる構成のため、水流偏向体16の側部後端(角部)で波高の増加を抑え、この領域の造波抵抗を低減できるなど、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
加えて、船尾後端面10a及び水流偏向体16の後端面16aが曲面のない平面形状で構成されているので、水流偏向体16の製造工程及び船体への取付工程を簡素化でき、製造コストを削減できる。
次に、本発明のさらに別な実施形態を図4に基づいて説明する。
本実施形態に係る船尾部10Cでは、図3に示す前記実施形態と比べて、船尾部10Cの上部部位20を従来の構成とし、水流偏向体16を含む下部部位30を図1に示す前記実施形態と同一の構成としたものである。
即ち、上部部位20の船尾後端面20aは、船体中心軸線Cに対して直角な平面を形成している。
一方、下部部位30の船尾後端面30a及び船尾底面14に形成された水流偏向体16は、図1に示す実施形態の下部部位と同一の構成を有している。
そのため、上部部位20と下部部位30との間に水平方向に水平な段差面32が形成されている。
本実施形態によれば、水流偏向体16の側部後端(角部)で波高の増加を抑え、この領域の造波抵抗を低減できるなど、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、船体の後端面10aは、水流偏向体16側に位置して水流偏向体16の後端面16aに連続的に連なっているので、下方部位30及び水流偏向体16の後端面の周辺での水流の乱れを防止し、航行エネルギの消耗を抑制することができる。
一方、船体の後端面10aの上方領域は平坦であり、既存の例えばトランサムスターン型の船舶にウェッジを取り付ける場合に、船体に対する加工を低減でき、コスト削減を図ることができる。
なお、前記実施形態はいずれも水流偏向体16の後端と船尾後端面10a、30の底辺との位置を一致させたものであるが、本発明では、必ずしもこの構成に限定する必要はない。即ち、水流偏向体16を船尾底面の後端より前方位置に配置し、水流偏向体16の後端を船尾後端面の底辺より前方に位置させてもよい。
かかる構成とすることで、従来のように、船尾後端面を船体中心軸線Cに対し直交する平面で構成でき、船尾部の製造コストを低減できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、簡易かつ低コストな手段で、船尾底面に設けられた水流偏向体の側部後端(角部)に発生する造波抵抗を低減できる。そのため、コンテナ船、旅客船、RO−RO船、フェリー、自動車運搬船等の高速船舶で特に顕著な効果を得ることができる。
10A、10B、10C 船尾部
10a、20a、30a、100a 船尾後端面
12 推進器
14 船尾底面
16 水流偏向体
16a 後端面
18 上甲板
20 上部部位
20a 船尾後端面
30 下部部位
30a 船尾後端面
32 段差面
100 船体
102 ウェッジ
102a 前縁
船体中心垂線
船体中心軸線
L 水面
s 水流

Claims (6)

  1. 船体と、
    前記船体と一体に設けられ、前記船体の後端側にて船舶の船底の一部を構成する後ろ下がりの傾斜面を有する水流偏向体と、を備え、
    前記水流偏向体の傾斜面の前縁及び後縁は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に前記船体の後方へ変位していることを特徴とする船尾構造。
  2. 前記水流偏向体の傾斜面の前縁及び後縁は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かって弧状に延びている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の船尾構造。
  3. 前記水流偏向体の傾斜面の前縁及び後縁は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かって直線状に延びている
    いることを特徴とする請求項1に記載の船尾構造。
  4. 前記船体の前後方向での前記傾斜面の前記前縁と前記後縁との間の距離は、前記船体の幅方向にて一定であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の船尾構造。
  5. 前記水流偏向体は、前記傾斜面の後縁を含む後端面を有し、
    前記水流偏向体の後端面は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位し、
    前記船体の後端面は、前記水流偏向体の後端面に連続的に連なり、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位している
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の船尾構造。
  6. 前記水流偏向体は、前記傾斜面の後縁を含む後端面を有し、
    前記水流偏向体の後端面は、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位し、
    前記船体の後端面は、
    前記水流偏向体側に位置して前記ウェッジの後端面に連続的に連なり、前記船体の幅方向にて中央から側方へ向かうにつれて徐々に船体の後方へ変位する下方領域と、
    前記下方領域よりも上方に位置する平坦な上方領域とを含む
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の船尾構造。
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