JP2016087022A - 断層画像撮像装置、その制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 固視微動の影響が含まれる断層画像は不鮮明な断層画像になる可能性があるため、効率良く判定する必要がある。【解決手段】 被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する手段と、前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する手段と、前記第二の断層画像の撮像位置と対応する撮像位置の前記第一の断層画像を選択する手段と、前記選択された前記第一の断層画像と前記第二の断層画像とから、当該第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断手段を備える。【選択図】 図8
Description
本発明は、断層画像撮像装置、その制御方法、およびプログラムに関する。
現在、多波長光波干渉を利用した光コヒーレンストモグラフィ(OCT:Optical Coherence Tomography)による光干渉断層画像撮像装置が知られている。光干渉断層画像撮像装置は、例えば、内視鏡での内臓の情報や、眼科装置での網膜の情報を得るために用いられ、人体に対する適用分野を広げつつある。眼に適用した光干渉断層画像撮像装置は眼科用機器として網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。
このような光干渉断層画像撮像装置とは、低コヒーレント光である測定光を、被測定物に照射し、その被測定物からの後方散乱光を、干渉系を用いることで測定することを可能にした装置である。測定光を被測定物上の一点に照射した場合、その被測定物上の一点における深さ方向の画像情報を得ることができる。さらに測定光を被測定物上で走査しながら測定を行うことで、被測定物の断層画像を得ることも可能である。そして、眼底に適用した場合には、測定光を被検眼の眼底上で走査することにより被検眼の眼底の断層画像を高解像度で撮像することが可能であることから、網膜の眼科診断等において広く利用されている。
光干渉断層画像撮像装置では、測定対象である眼底を水平方向、または垂直方向に反復走査することによって複数の断層画像を得る撮像方法が一般的である。例えば、眼底上の同じ場所を複数回走査することによって同一部位の複数の断層画像を取得し、それらを加算平均処理することによって高画質な一枚の断層画像を得ることができる。また、走査位置を平行に移動させながら複数回走査することによって、眼底の3次元画像を得ることも可能である。
しかしながら、このような複数回の走査を行う場合、撮像を完了するためにはある程度の時間を要するため、その間に被検眼が動いてしまう可能性がある。
これに対して、被検眼の動きに応じた走査位置の補正(眼底トラッキング)と被検眼と装置本体との位置関係を一定に保つことが重要である。また、眼底トラッキングは、OCT内に併設された走査型レーザー検眼鏡(SLO:Scanning Laser Ophthalmoscope)を利用していることが多い。この構成のOCTは比較的高価なことが知られ、SLOを省いた廉価なOCTが近年普及しつつある。SLOを省いたOCTは、複数の断層画像から眼底画像を生成し、アライメント等に利用している。一例として、SLOで撮像した眼底画像の表示フレームレイトは26Hz(38ミリ秒/フレーム)に対して、OCTにおいて複数の断層画像から生成した眼底画像の表示フレームレイトは、2Hz(500ミリ秒/フレーム)と遅く、OCTのBスキャン速度は数マイクロ秒なので、Bスキャン断層画像取得の合間に眼底トラッキングが出来ない。
これに対して、Bスキャン断層画像取得の合間に隣り合うBスキャン断層画像間の類似度で固視微動量を検出することで、固視微動の少ないBスキャン画像群を取得することが特許文献1に開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、被検眼のBスキャン断層画像取得時にBスキャン断層画像間の画像の類似度を評価する必要がある。したがって、多量の画像処理を必要とし、CPU負荷が高い。被検眼のBスキャン断層画像取得の合間にBスキャン断層画像間の画像を評価しないSLO付きOCTでは、50枚のBスキャン画像群を取得するのに通常2秒程度必要である。したがって、同じCPUのSLOを省略したOCTで被検眼のBスキャン断層画像取得時にBスキャン断層画像間の画像を評価すると、SLO付きOCTの処理秒数以上の処理時間が必要になる。健常な被検眼で眼を開けられる通常の時間は2〜4秒程度なので、被検眼の負荷が大きくなる可能性がある。
また、隣り合うBスキャン断層画像間の類似度を求めているため、Bスキャン断層画像取得の最後になるに従って、隣り合うBスキャン断層画像間の類似度の誤差が蓄積される。その結果、断層画像から生成される眼底画像が歪む可能性がある。この蓄積誤差による眼底画像の歪みについては、図2を用いて説明する。図2の(a)は、固視微動の無い状態で取得したBスキャン断層画像のスキャン位置を示している。図2の(b)は、固視微動のある場合の例を示している。図2の(b)で隣り合うBスキャン断層画像間の類似度の誤差をΔLと定義すると、Bスキャン断層画像取得の進行と連動して、誤差が蓄積し、最終的にLの誤差になる。緻密にスキャンする程、Bスキャン断層画像間の類似度の誤差が蓄積されて、眼底画像が歪んでしまう可能性がある。
以上のような断層画像上の歪みは、医師による画像診断の妨げになるだけでなく、断層画像の歪みを誤って病変部と認識してしまい、結果として診断精度が低くなる可能性がある。また、断層画像上の歪みは多くの光干渉断層画像撮像装置が持つ網膜層境界の自動認識機能にも悪影響を及ぼす可能性がある。そして誤った網膜層境界の認識が行われた場合、その誤った認識結果に基づく網膜層厚の計測値等が表示されることになり、結果として診断精度の低さに繋がる可能性がある。
また、近年は、多数の断層画像を重ね合わせることでスペックルノイズを低減する技術が発達しつつある。その際に、断層画像に固視微動ノイズが入った断層画像を重ね合わせると、断層画像がシングルの断層画像(重ね合わせを行っていない断層画像)よりもボケてしまう可能性がある。
上記の課題に鑑み、本発明は、固視微動等の動きの影響を含んだ断層画像を効率良く判定することを目的とする。
また、本発明は、被検眼の動きに応じて自動アライメントや眼底トラッキング出来ない場合であっても、歪みの少ない断層画像を取得することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る断層画像撮像装置は、
被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する手段と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する手段と、
前記第二の断層画像の撮像位置と対応する撮像位置の前記第一の断層画像を選択する手段と、
前記選択された前記第一の断層画像と前記第二の断層画像とから、当該第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断手段を備えることを特徴とする。
被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する手段と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する手段と、
前記第二の断層画像の撮像位置と対応する撮像位置の前記第一の断層画像を選択する手段と、
前記選択された前記第一の断層画像と前記第二の断層画像とから、当該第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断手段を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る断層画像撮像装置は、
被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する手段と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する手段と、
前記複数の第一の断層画像から2次元の画像を生成する手段と、
前記生成された複数の2次元の画像を比較することにより、前記第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断手段を備えたことを特徴とする。
被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する手段と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する手段と、
前記複数の第一の断層画像から2次元の画像を生成する手段と、
前記生成された複数の2次元の画像を比較することにより、前記第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断手段を備えたことを特徴とする。
更に、本発明に係る断層画像撮像装置の制御方法は、
被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する工程と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する工程と、
前記第二の断層画像の撮像位置と対応する撮像位置の前記第一の断層画像を選択する工程と、
前記選択された前記第一の断層画像と前記第二の断層画像とから、当該第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断工程を備えたことを特徴とする。
被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する工程と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する工程と、
前記第二の断層画像の撮像位置と対応する撮像位置の前記第一の断層画像を選択する工程と、
前記選択された前記第一の断層画像と前記第二の断層画像とから、当該第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断工程を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、固視微動等の動きの影響を含んだ断層画像を効率良く判定することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
(第1実施形態)
<光干渉断層画像撮像装置の構成>
図1を参照して、第1実施形態に係る光干渉断層画像撮像装置の構成を説明する。光干渉断層画像撮像装置は、走査部を介して測定光が照射された被測定物である被検眼からの戻り光と、測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、被検眼の断層画像を取得する。光干渉断層画像撮像装置は、光学ヘッド部100と、分光器200と、制御部300とを備える。以下、光学ヘッド部100、分光器200、および制御部300の構成を順に説明する。
<光干渉断層画像撮像装置の構成>
図1を参照して、第1実施形態に係る光干渉断層画像撮像装置の構成を説明する。光干渉断層画像撮像装置は、走査部を介して測定光が照射された被測定物である被検眼からの戻り光と、測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、被検眼の断層画像を取得する。光干渉断層画像撮像装置は、光学ヘッド部100と、分光器200と、制御部300とを備える。以下、光学ヘッド部100、分光器200、および制御部300の構成を順に説明する。
<光学ヘッド部100および分光器200の構成>
光学ヘッド部100は、被測定物としての被検眼Eの前眼Eaや、被検眼Eの眼底Erの2次元像および断層画像を撮像するための測定光学系で構成されている。被検眼Eに対向して対物レンズ101−1が設置されており、その光軸上に設けられた、光路分離部として機能する第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103によって光路が分離される。すなわち、OCT光学系の測定光路L1、固視灯光路L2、および前眼観察光路L3に波長帯域ごとに分岐される。
光学ヘッド部100は、被測定物としての被検眼Eの前眼Eaや、被検眼Eの眼底Erの2次元像および断層画像を撮像するための測定光学系で構成されている。被検眼Eに対向して対物レンズ101−1が設置されており、その光軸上に設けられた、光路分離部として機能する第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103によって光路が分離される。すなわち、OCT光学系の測定光路L1、固視灯光路L2、および前眼観察光路L3に波長帯域ごとに分岐される。
光路L2は、固視灯パネル116への光路になっている。ここで101−2、111はレンズである。レンズ111は、固視灯パネル116の合焦調整のため不図示のモータによって駆動される。固視灯パネル116は、有機ELで構成されており、パネルの任意の箇所に可視光を点灯させて被検者の固視を促す。
光路L3には、レンズ141と、前眼観察用の赤外線CCD142とが配置されている。赤外線CCD142は、不図示の前眼観察用照明光の波長、具体的には970nm付近に感度を持つ。
光路L1は、OCT光学系の測定光路を成しており被検眼Eの眼底Erの断層画像を撮像するために使用される。より具体的には断層画像を形成するための干渉信号を得るために使用される。
光路L1には、レンズ101−3と、ミラー121と、光を被検眼Eの眼底Er上で走査するために、走査部として機能するXスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2とが配置されている。これらのスキャナは、不図示のロータリーエンコーダが内蔵されており、位置情報(撮像位置に相当する情報)を検出できる機能を持っている。Xスキャナ122−1、Yスキャナ122−2の回転の中心位置付近が、レンズ101−3の焦点位置となるようにXスキャナ122−1、Yスキャナ122−2が配置されている。さらに、Xスキャナ122−1、Yスキャナ122−2の中心位置付近と、被検眼Eの瞳の位置とは光学的な共役関係となっている。この構成により、走査部を物点とした光路が、レンズ101−1とレンズ101−3の間で略平行となる。それによりXスキャナ122−1、Yスキャナ122−2により測定光が撮像領域のスキャンを行っても、第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103に入射する角度を同じにすることが可能となる。
また、測定光源130は、測定光を測定光路に入射させるための光源となる。123、124はレンズであり、レンズ123は合焦調整をするために不図示のモータによって駆動される。合焦調整は、ファイバー端126から出射される測定光源130からの測定光を眼底Er上に結像するように行われる。合焦調整部として機能するレンズ123は、ファイバー端126と、走査部として機能するXスキャナ122−1およびYスキャナ122−2と、の間に配置されている。これにより、より大きなレンズ101−3や、また光ファイバー125−2を動かす必要がなくなる。
この合焦調整によって、被検眼Eの眼底Erに測定光を結像させることができ、また被検眼Eの眼底Erからの戻り光を、光ファイバー125−2に効率良く戻すことができる。
なお図1において、Xスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2との間の光路は紙面内に平行に構成されているが、実際は紙面に対して垂直方向に構成されている。光学ヘッド部100は、さらに、ヘッド制御部140を備えている。ヘッド制御部140は、ヘッド部100内の各部を制御したり、不図示の3つのモータから構成されたヘッド駆動部を制御することにより、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元(X、Y、Z)方向に移動可能となるように構成されている。これにより、被検眼Eに対する光学ヘッド部100のアライメントが可能となっている。
次に、測定光源130からの光路と参照光学系、分光器200の構成について説明する。測定光源130、光カプラー125、光ファイバー125−1〜4、レンズ151、分散補償用ガラス152、ミラー153、および分光器200によってマイケルソン干渉系が構成されている。光ファイバー125−1〜4は、光カプラー125に接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバーである。
測定光源130から出射された光は光ファイバー125−1を通じ、光カプラー125を介して光ファイバー125−2側の測定光と、光ファイバー125−3側の参照光とに分割される。測定光は前述のOCT光学系の測定光路L1を通じ、観察対象である被検眼Eの眼底Erに照射され、網膜による反射や散乱により同じ光路を通じて光カプラー125に到達する。
一方、参照光は光ファイバー125−3、レンズ151、測定光と参照光との分散を合わせるために挿入された分散補償用ガラス152を介してミラー153に到達し反射される。そして同じ光路を戻り光カプラー125に到達する。光カプラー125によって、測定光と参照光とが合波され干渉光となる。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長とがほぼ同一となったときに干渉を生じる。ミラー153は不図示のモータおよび駆動機構によって光軸方向に位置を調整可能に保持され、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に参照光の光路長を合わせることが可能である。干渉光は光ファイバー125−4を介して分光器200に導かれる。
分光器200は、レンズ201と、回折格子202と、レンズ203と、ラインセンサ204とを備えている。光ファイバー125−4から出射された干渉光はレンズ201を介して略平行光となった後、回折格子202で分光され、レンズ203によってラインセンサ204に結像される。
次に、測定光源130について説明する。測定光源130は代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。中心波長は855nm、波長バンド幅は約100nmである。ここで、バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメータである。また、光源の種類は、ここではSLDを選択したが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。中心波長は眼を測定することを鑑みると、近赤外光が適切である。また、中心波長は得られる断層画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましい。以上の理由から中心波長を855nmとした。
なお本実施形態では干渉計としてマイケルソン干渉計を用いているが、マッハツェンダー干渉計を用いてもよい。測定光と参照光との光量差に応じて光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉計を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉計を用いることが望ましい。
<制御部300の構成>
制御部300は、光学ヘッド部100および分光器200の各部と接続されている。具体的には制御部300は、光学ヘッド部100内の赤外線CCD142と接続されており、被検眼Eの前眼部Eaの観察画像を生成可能に構成されている。また、制御部300は、光学ヘッド部100内のヘッド制御部140とも接続されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元的に駆動可能に構成されている。
制御部300は、光学ヘッド部100および分光器200の各部と接続されている。具体的には制御部300は、光学ヘッド部100内の赤外線CCD142と接続されており、被検眼Eの前眼部Eaの観察画像を生成可能に構成されている。また、制御部300は、光学ヘッド部100内のヘッド制御部140とも接続されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元的に駆動可能に構成されている。
一方、制御部300は、分光器200のラインセンサ204とも接続されている。これにより分光器200によって波長分解された測定信号を取得可能であり、さらに測定信号に基づいて被検眼Eの断層画像を生成することができる。
図3は、本実施形態に係る光干渉断層画像撮像装置での診断用の断層画像(3次元画像)のスキャン位置を示している。この3次元画像は、1024個のBスキャン断層画像から構成されている。一つのBスキャン断層画像取得に要する時間は14.3マイクロ秒である。従って、一つの3次元画像データを得るために1024×14.3マイクロ秒=14.6ミリ秒である。
3次元画像から眼底画像(二次元観察画像)を生成すると眼底画像のレフームレイトが、4Hzとなり遅く、またプログレッシブな走査のために、眼底画像の動きが非常にカクカクした表示しかできなくなる。そのために、本実施形態での眼底Erの二次元観察画像の生成に使う3次元画像データは、Bスキャン断層画像取得の数を通常の半分の512に減じている。そして、奇数列と偶数列を交互にBスキャンし、半分だけ画像を更新する。このようなインターレース方式の眼底観察画像の表示にすると、眼底Erの二次元観察画像の表示フレームレイトが8Hzに上がり、比較的滑らかな動きの眼底観察画像(動画)の表示が可能になる。この際の3次元画像データは、512×14.3マイクロ秒=7.3ミリ秒で取得できる。このBスキャンで得られた断層画像群は、1024枚のBスキャン断層画像群よりも固視微動の影響が少ない画像である。図4は、奇数列のみをBスキャンする図である。図5は、偶数列のみをBスキャンする図である。また、この際の3次元画像データには、Xスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2から送られてくる位置情報(撮像位置に相当する情報)が紐付けられている。断層画像の取得が開始されると、断層画像の取得開始直前の眼底Erの二次元観察画像の生成に使っていた512個の3次元画像データで構成される位置情報付きのデータを不図示の記憶部へ記憶し、眼底Erの二次元観察画像の更新は停止する構成になっている。
以上の処理を図6、図7に示したフローチャートを用いて説明する。ステップS2101は、眼底画像の表示開始である。ステップS2102では、整数の変数jに1を代入する。ステップS2103は結合子Bである。
ステップS2104は、断層画像の撮像開始の指示の有無を判断している。操作者による断層画像の撮像開始の指示が有った場合は、ステップS2105へ進み、眼底画像の更新を止める。断層画像の撮像開始の指示が無い場合は、ステップS2123へ進む。ステップS2123は、変数iに1を代入する。ステップS2124は、Bスキャンした際のBスキャン断層画像データとその位置を記憶するための変数X(i)(1)を初期化する。ステップS2125は、変数iに1を加える。
ステップS2126は、変数iが1024(取得するBスキャン断層画像の数)より大きいか否かを判断する。変数iが1024より大きい場合は、ステップS2106へ進む。変数iが1024より小さい場合は、ステップS2124へ戻る。ステップS2106では、変数jが偶数か奇数かを判断する。jは整数なので、jを2で除して余りが0ならば奇数、余りが1ならば偶数になる。ここでは、jを2で除して1になるか否かを判断している。jを2で除して1で無い場合は、ステップS2107に進む。jを2で除して1の場合は、ステップS2109に進む。ステップS2107では、変数iに1を代入する。そして、ステップS2108に進む。
ステップS2108は、結合子Aである。ここからステップS2111の結合子Aにジャンプする。ステップS2109では、iに2を代入して、ステップS2110へ進む。ステップS2110は、結合子Aである。ここからステップS2111の結合子Aにジャンプする。S2111は結合子Aである。ここからステップS2112へ進む。ステップS2112では、i番目のBスキャンを開始する。そして次のステップへ進む。
ステップS2113は、前記のBスキャンが終わったか否かを判断する。Bスキャンが終わっていない場合は、ステップS2113を巡回する。Bスキャンが終わった場合は、ステップS2114に進む。ステップS2114では、X(i)(1)へBスキャンの断層画像データを記憶させる。ステップS2115では、X(i)(2)へXスキャナのエンコーダ位置を記憶させる。ステップS2116では、変数iに2を加える。これは、Bスキャンを一つ飛ばしで実行するためである。ステップS2117では、最終のBスキャン数を超えたか否かを判断する。最終のBスキャン数を超えない場合は、ステップS2112へ戻る。最終のBスキャン数を超えた場合は、ステップS2118へ進む。
ステップS2118は、奇数又は偶数のBスキャン断層画像群から眼底画像を生成し、眼底画像の表示を更新する。ステップS2119では、変数jに1を加える。ステップS2120では、jが3か否かを判断する。j=3の場合は、ステップS2121に進む。ステップS2121では、jに1を代入する。j≠3の場合は、ステップS2122に進む。ステップS2122は、結合子Bである。ここのステップに到達するとステップS2103にジャンプする。
以上のように、本実施形態に係る眼底画像は、診断用の眼底画像とは密度違いのBスキャン断層画像データから生成している。
生成された被検眼Eの眼底画像は、制御部300に接続されたモニタ301に表示される。
<診断用の断層画像の取得時の眼底移動量の判定>
次に、診断用の断層画像(3次元画像)を取得する際の眼底移動量の算出について説明する。図8の(b)は、診断用の断層画像であり、Bスキャンを1024本測定する。図8の(a)は、眼底観察用のBスキャン断層画像であり、図8の(b)の診断用のBスキャンをする直前に取得した眼底観察用のBスキャン断層画像データでBスキャンを512本測定し、図6、図7を用いて説明したとおり、それらの位置情報も記憶されている。
次に、診断用の断層画像(3次元画像)を取得する際の眼底移動量の算出について説明する。図8の(b)は、診断用の断層画像であり、Bスキャンを1024本測定する。図8の(a)は、眼底観察用のBスキャン断層画像であり、図8の(b)の診断用のBスキャンをする直前に取得した眼底観察用のBスキャン断層画像データでBスキャンを512本測定し、図6、図7を用いて説明したとおり、それらの位置情報も記憶されている。
診断用の断層画像を撮像する際の眼底の移動量を決めるためのフローチャートを図9に示す。
図9において、ステップS2201は診断用の断層画像の撮像の開始である。ステップS2202は図8の(b)の診断用のBスキャン断層画像を撮像する直前の観察用のBスキャン断層画像データが、奇数列か偶数列かを判断する。X(1)(1)は第一番目のBスキャン断層画像データなのでこれが0だと、偶数列のBスキャン断層画像データがあることになる。したがって、ステップS2203へ進む。X(1)(1)≠0の場合は、奇数列のBスキャン断層画像データになる。したがって、ステップS2204へ進む。ステップS2204では、変数jに1を代入する。ステップS2203では、変数jに2を代入する。ステップS2203およびS2204ともに処理が終わるとステップS2205へ進む。ステップS2205は、変数iに1を代入する。ステップS2206では、診断用の断層画像のi番目のBスキャン断層画像データをY(i)(1)に記憶する。次のステップS2207に進む。
ステップS2207では、変数iが奇数か偶数かを判別する。iを2で除して余りが0ならば偶数なので、ステップS2208へ進む。前記の余りが0出ない場合は奇数なので、ステップS2210へ進む。ステップS2208では、j=2か否かを判別する。j≠2の場合は、対応する眼底観察時に取得したBスキャン断層画像データが無いので、ステップS2213へ進む。j=2の場合は、ステップS2209へ進む。ステップS2210では、j=1か否かを判別する。j≠1の場合は、眼底観察用に取得したBスキャン断層画像データが無いので、ステップS2213へ進む。j=1の場合は、ステップS2211へ進む。ステップS2209、S2211ともに、結合子AAである。結合子AAは、ステップS2216の結合子AAへジャンプする。そして、ステップS2217で眼底観察用に取得したi番目のBスキャン断層画像データと診断用の断層画像のi番目のBスキャン断層画像データの類似度を算出する。そして、その値をY(i)(2)へ記憶する。類似度の算出方法は、公知の手法、たとえば、特許文献1に記載された手法を用いれば良いため、その説明は省略する。
次のステップS2218は、結合子BBである。この結合子BBからステップS2212で示した結合子BBまで、ジャンプする。その次のステップS2213は、変数iに1を加える。次のステップS2214は、i=1024か否かを判断する。i≠1024の場合は、ステップS2205へ戻る。i=1024の場合は、次のステップS2215へ進む。ステップS2215は、診断用の断層画像の撮像の終了端子である。
<診断用の断層画像の取得時の眼底移動量の判定値の利用方法>
本実施形態の診断用の断層画像の取得時の眼底移動量の判定値の利用について図10を用いて説明する。図10のフローチャートは、図9のフローチャートと比べるとステップS2216とステップS2218間が異なるだけである。したがって、異なるステップ間のみ説明する。ステップS2216は結合子AAである。次のステップS2217で眼底観察用に取得したi番目のBスキャン断層画像データと診断用の断層画像のi番目のBスキャン断層画像データの類似度を算出する。そして、その値をY(i)(2)へ記憶する。ステップS2219では、ステップS2217で取得した類似度Y(i)(2)が、例えば0.99以下か否かを判別している。0.99以上の場合は、ステップS2218に進む。そして、ステップS2218へ進む。0.99未満の場合は、ステップS2220に進む。ステップS2220は、眼底のズレ量が大きいので、“再撮像して下さい”の旨を表示部に表示して、診断用の断層画像の撮像の中止を操作者に知らせる。そして次のステップS2215に進む。
本実施形態の診断用の断層画像の取得時の眼底移動量の判定値の利用について図10を用いて説明する。図10のフローチャートは、図9のフローチャートと比べるとステップS2216とステップS2218間が異なるだけである。したがって、異なるステップ間のみ説明する。ステップS2216は結合子AAである。次のステップS2217で眼底観察用に取得したi番目のBスキャン断層画像データと診断用の断層画像のi番目のBスキャン断層画像データの類似度を算出する。そして、その値をY(i)(2)へ記憶する。ステップS2219では、ステップS2217で取得した類似度Y(i)(2)が、例えば0.99以下か否かを判別している。0.99以上の場合は、ステップS2218に進む。そして、ステップS2218へ進む。0.99未満の場合は、ステップS2220に進む。ステップS2220は、眼底のズレ量が大きいので、“再撮像して下さい”の旨を表示部に表示して、診断用の断層画像の撮像の中止を操作者に知らせる。そして次のステップS2215に進む。
以上のように、診断用の断層画像の撮像中に固視が安定せずに断層画像データが使えない場合の判定に使用することもできる。この警告で断層画像を画像処理する前に再撮像できるので、測定の効率が良くなる。また、歪みの少ない断層画像を取得することができる。そして、診断用の断層画像から眼底画像を生成した場合に比べて約半分の時間で撮像が可能になる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、診断用の断層画像撮像の直前と直後の眼底観察用の複数のBスキャン断層画像データを記憶しておき、診断用の断層画像撮像の直前と直後の眼底観察用の複数のBスキャン断層画像データから生成した眼底画像を比較して、眼の移動量を特定する方法を、図10〜図13のフローチャートを用いて説明する。
第2実施形態では、診断用の断層画像撮像の直前と直後の眼底観察用の複数のBスキャン断層画像データを記憶しておき、診断用の断層画像撮像の直前と直後の眼底観察用の複数のBスキャン断層画像データから生成した眼底画像を比較して、眼の移動量を特定する方法を、図10〜図13のフローチャートを用いて説明する。
図10において、ステップS2301は、フローの開始である。次のステップS2302は、図6に示したフローチャートの実行を開始する。このステップS2302は、診断用の断層画像撮像が開始されると次のステップに進む。ステップS2303は、変数iに1を代入する。ステップS2304では、ステップS2302で取得した、i番目の眼底観察用のBスキャン断層画像データをBX(i)(1)として記憶する。ステップS2305は変数iに1を加える。ステップS2306は、変数iが1024か否かを判断する。i=1024ならば、ステップS2307へ進む。i≠1024ならばステップS2304へ戻る。ステップS2307は、診断用の断層画像撮像が終了したか否かを判断する。ステップS2308では、結合子AAAにジャンプする。ジャンプ先は、ステップS2322で、このステップからステップS2323の間のフローは、図6のフローからS2105とS2104を取り除いたものであるため、詳細な説明は省略する。処理内容の概要は、診断用の断層画像撮像が終了した直後の眼底観察用のBスキャン断層画像データを取得している。ステップS2309では、変数iに1を代入している。ステップS2310は、診断用の断層画像撮像が終了した直後のi番目の眼底観察用のBスキャン断層画像データX(i)(1)をBX(i)(2)として記憶している。ステップS2311は、変数iに1を加える。ステップS2312は、変数iが1024か否かを判断する。i≠1024の場合は、ステップS2310に戻る。i=1024の場合は、ステップS2313に進む。ステップS2313は結合子SAで、ステップS2314の結合子SAへジャンプする。ステップS2315では、B(i)(1)とB(i)(2)の眼底観察用の2次元の眼底画像データを生成する。ステップS2316では、B(i)(1)とB(i)(2)の眼底観察用の2次元の眼底画像データの特徴点等の位置を比較しズレ量を定量化する。ズレ量の算出については公知の手法、例えば特開2008−29467公報に記載されている手法を用いればよいため、その説明は省略する。次のステップS2317は、ズレ量を判断する。ズレ量が診断画像に影響しないと判断した際には、ステップS2319に進む。また、ズレ量が大きく診断画像に影響すると判断した場合は、ステップS2318に進む。ステップS2319では、断層撮像データを保存する。ここで、判断の基準として、Bスキャン間隔の数倍の距離を超えたか否か、解像度の数倍の距離を超えたか否か等であり、予め設定されている。ステップS2318では、再撮影を促すメッセージを表示する。ステップS2318およびステップS2319の次のステップは、ステップS2320であり、フローの終了である。
以上のように、診断用の断層画像撮像直後に、撮像した断層画像データが診断に適さないか否かの判定に使用することが出来る。この警告等で断層画像を画像処理する前に再撮像できるので、測定の効率が良くなる。また、歪みの少ない断層画像を取得することができる。
(他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (6)
- 被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する手段と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する手段と、
前記第二の断層画像の撮像位置と対応する撮像位置の前記第一の断層画像を選択する手段と、
前記選択された前記第一の断層画像と前記第二の断層画像とから、当該第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断手段を備えたことを特徴とする断層画像撮像装置。 - 前記複数の第一の断層画像から2次元の画像を生成する手段を更に有し、
前記判断手段が、複数の前記2次元の画像を比較することにより前記動きによる影響を判断する請求項1に記載の断層画像撮像装置。 - 前記第二の断層画像を撮像中の撮像位置を取得する手段を更に有し、
前記選択手段は、前記取得した撮像位置に基づき前記第一の断層画像を選択する請求項1に記載の断層画像撮像装置。 - 被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する手段と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する手段と、
前記複数の第一の断層画像から2次元の画像を生成する手段と、
前記生成された複数の2次元の画像を比較することにより、前記第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断手段を備えたことを特徴とする断層画像撮像装置。 - 被測定物の撮像領域において、第一の間隔で複数の第一の断層画像を取得する工程と、
前記撮像領域において、前記第一の間隔よりも狭い第二の間隔で複数の第二の断層画像を取得する工程と、
前記第二の断層画像の撮像位置と対応する撮像位置の前記第一の断層画像を選択する工程と、
前記選択された前記第一の断層画像と前記第二の断層画像とから、当該第二の断層画像に含まれる前記被測定物の動きを判断する判断工程を備えたことを特徴とする断層画像撮像装置の制御方法。 - 請求項5に記載の断層画像撮像装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014223578A JP2016087022A (ja) | 2014-10-31 | 2014-10-31 | 断層画像撮像装置、その制御方法、およびプログラム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018019897A (ja) * | 2016-08-03 | 2018-02-08 | キヤノン株式会社 | 検査装置、検査装置の制御方法、およびプログラム |
JP2018126257A (ja) * | 2017-02-07 | 2018-08-16 | 株式会社トプコン | 眼科装置 |
JP2018126256A (ja) * | 2017-02-07 | 2018-08-16 | 株式会社トプコン | 眼科装置 |
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