JP2016085910A - 電池 - Google Patents

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泰章 村司
Yasuaki Murashi
泰章 村司
信保 根岸
Nobuyasu Negishi
信保 根岸
達也 篠田
Tatsuya Shinoda
達也 篠田
竹下 功一
Koichi Takeshita
功一 竹下
川村 公一
Koichi Kawamura
公一 川村
橋本 達也
Tatsuya Hashimoto
達也 橋本
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Abstract

【課題】 高エネルギー密度な電池を提供する。【解決手段】実施形態によれば、外装部材と、複数の電極群2A,2Bとを含む電池が提供される。複数の電極群2A,2Bは、外装部材内に収納され、正極10及び負極11を含み、扁平に捲回された形状を有する。複数の電極群2A,2Bは、それぞれ、正極10または負極11からなる第1の電極が最外周又は最外周よりも1周内側に配置されている。複数の電極群2A,2Bは、互いに対向する電極群の間に、第1の電極とは反対極の第2の電極14が絶縁部材12を介して配置されることにより、並列接続されている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電池に関する。
エレクトロニクス機器の小型化技術の急速な発達により、種々の携帯電子機器が普及しつつある。近年では、電池は、自動車などの移動体の電源としても使用されており、長寿命であり安全性が高く、高エネルギー密度である電池が要求されている。
特開2013−134994号公報 特開2012−204334号公報 特開2000−12087号公報 特開2013−55006号公報
実施形態は、高エネルギー密度な電池を提供することを目的とする。
実施形態によれば、外装部材と、複数の電極群とを含む電池が提供される。複数の電極群は、外装部材内に収納され、正極及び負極を含み、扁平に捲回された形状を有する。複数の電極群は、それぞれ、正極または負極からなる第1の電極が最外周又は最外周よりも1周内側に配置されている。複数の電極群は、互いに対向する電極群の間に、第1の電極とは反対極の第2の電極が絶縁部材を介して配置されることにより、並列接続されている。
実施形態の電池の部分分解斜視図である。 図1に示す電池に含まれる電極群を示す斜視図である。 図2のA部の拡大断面図である。 電極群の最外周付近と第2の電極との配置を示す断面図である。 実施形態の電池に含まれる他の電極群を示す斜視図である。 電極群の最外周付近と第3の電極との配置を示す断面図である。 実施例及び比較例の電池の(b/a)比と容量との関係を示すグラフである。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付するものとし、重複する説明は省略する。また、各図は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる箇所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
実施形態によれば、外装部材と、複数の電極群とを含む電池が提供される。複数の電極群は、外装部材内に収納される。複数の電極群は、それぞれ、正極及び負極を含み、扁平に捲回された形状を有する。また、各電極群は、最外周又は最外周よりも1周内側に、正極または負極からなる第1の電極が配置されている。複数の電極群は、互いに対向する電極群の間に第1の電極とは反対極の第2の電極が絶縁部材を介して配置されることにより、並列接続されている。
電極群は、最外周がセパレータで、その1周内側に第1の電極が位置する構造か、最外周に第1の電極が位置する構造をとり得る。第1の電極は、内周面側に対向電極が存在するものの、外周面側に対向電極が存在しないため、外周面側を充放電反応に寄与させることができない。そこで、外装部材内に複数の電極群を収納し、互いに対向する電極群の間に、それぞれの電極群の第1の電極と絶縁部材を介して対向するように、第1の電極と反対極の第2の電極を配置することによって、第1の電極の外周面側を充放電反応に寄与させることができる。また、このように第2の電極を配置すると、複数の電極群間が並列に接続されるため、電圧を変えずに複数の電極群間に流れる電流を増加させることができる。その結果、設計容量を上回る電池容量を実現することができ、長寿命で安全性に優れ、高エネルギー密度である電池を提供することができる。
複数の電極群それぞれの最外周のうち、外装部材の内面と対向する部分に、第1の電極とは反対極の第3の電極を絶縁部材を介して配置することにより、第1の電極中の外装部材の内面と対向していたために充放電に寄与できなかった部分を、充放電反応に寄与させることができる。その結果、電池の容量をさらに向上することができる。
複数の電極群それぞれが下記(1)式を満たすことが望ましい。
b/a≦12 (1)
但し、aは各電極群の厚さ、bは各電極群の高さである。電極群の厚さaは、電極群の渦巻き形状が露出した端面の幅である。電極群に150〜200Nの荷重を掛けた時の電極群の厚みをノギスにより測定し、電極群の厚さaを得る。一方、電極群の高さbは、電極群の湾曲部間の距離である。電極群に150〜200Nの荷重を掛けた時の電極群の高さをノギスにより測定し、電極群の高さbを得る。(b/a)を12以下にすることにより、高容量を得ることができる。また、(b/a)の下限値は、6にすることが望ましい。
負極にリチウムチタン酸化物を含むことにより、負極の充放電に伴う体積膨張を抑えることができるため、負極の変形を抑制することができ、電極群と第2の電極との接触状態を長期間に亘って良好に保つことができる。また、第3の電極を用いる場合には、第3の電極と電極群との接触状態も長期間に亘って良好に保つことができる。
実施形態の電池を図1〜図5参照して説明する。図1に示すように、実施形態の電池は、外装缶1と、複数の電極群2A,2Bと、矩形板状の蓋3とを含む。
外装缶1は、有底角筒形状をなし、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属から形成された金属製容器である。矩形板状の蓋3は、外装缶1の開口部に例えばレーザでシーム溶接されている。蓋3は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属から形成される。蓋3と外装缶1は、同じ種類の金属から形成されることが望ましい。電解液の注液口(図示しない)は、蓋3に開口され、電解液の注液後に封止蓋(図示しない)で封止される。
図1及び図2に示すように、蓋3には、正極端子4と負極端子5が、たとえば絶縁体6を介してかしめ固定により設けられている。蓋3の外面には、正極端子4と負極端子5の間に、安全弁9が設けられている。安全弁9は、蓋3の外面に設けられた矩形状の凹部7と、凹部7内に設けられたX字状の溝部8とを有する。溝部8は、例えば、蓋3を板厚方向にプレス成型することにより形成される。溝部8の残肉部の厚みは蓋3の板厚よりも薄いため、電池内圧が上昇した場合、溝部8が破断することにより、電池内圧が開放され、電池の破裂を未然に防止することができる。
図2に示すように、偏平型の電極群2A,2Bは、正極10と負極11がその間にセパレータ12を介して偏平形状に捲回されたものである。図1〜4に示すように、正極10は、例えば金属箔からなる帯状の正極集電体10aと、正極集電体10aの長辺に平行な一端部からなる正極集電タブ10cと、少なくとも正極集電タブ10cの部分を除いて正極集電体に形成された正極活物質含有層(正極材料層)10bとを含む。一方、負極11は、例えば金属箔からなる帯状の負極集電体11aと、負極集電体11aの長辺に平行な一端部からなる負極集電タブ11cと、少なくとも負極集電タブ11cの部分を除いて負極集電体に形成された負極活物質含有層(負極材料層)11bとを含む。
このような正極10、セパレータ12及び負極11は、正極集電タブ10cが電極群の捲回軸方向にセパレータ12から突出し、かつ負極集電タブ11cがこれとは反対方向にセパレータ12から突出するよう、正極10及び負極11の位置をずらして捲回されている。このような捲回により、電極群2A,2Bは、図1及び図2に示すように、一方の端面から渦巻状に捲回された正極集電タブ10cが突出し、かつ他方の端面から渦巻状に捲回された負極集電タブ11cが突出している。電極群2A,2Bの最外周は、セパレータ12で、それよりも1周内側に負極11が位置している。最外周のセパレータ12の終端は、電極群2A,2Bの湾曲部に位置し、絶縁テープ(図示せず)により固定される。よって、電極群2A,2Bの平坦部に絶縁テープが存在しない。2つの電極群2A,2Bは、互いの最外周が向き合うように湾曲部を下にして配置されている。最外周のセパレータ12と接する負極11は、一部において、負極集電体11aの両面に負極活物質含有層11bが形成されており、外側に位置する負極活物質含有層11bは、絶縁部材としてのセパレータ12を介し、互いに対向している。負極11の残りの部分は、図3に示すように、負極集電体11aの片面に負極活物質含有層11bが形成されており、内側に位置する負極活物質含有層11bがセパレータ12を介して正極活物質含有層10bと対向している。
図2に示すように、第2の電極としての第2の正極14は、一方の電極群2Aの最外周と、他方の電極群2Bの最外周との間に挟まれている。電極群2A、第2の正極14及び電極群2Bは、絶縁テープ(図示しない)で固定される。図4に示すように、第2の正極14は、矩形板状の正極集電体14aと、正極集電体14aの一端部を除いて両面に形成された正極活物質含有層14bと、正極集電体14aの一端部からなる正極集電タブ14cとを含む。一方の正極活物質含有層14bは、セパレータ12を介して、一方の電極群2A中の外側に位置する負極活物質含有層11bと対向している。他方の正極活物質含有層14bは、セパレータ12を介して、他方の電極群2B中の外側に位置する負極活物質含有層11bと対向している。第2の正極14の正極集電タブ14cは、電極群2A、2Bの正極集電タブ10cの間に挟まれ、これらに溶接により一体化されて電気的に接続されている。また、電極群2A、2Bの負極集電タブ11cは、溶接により一体化されて電気的に接続されている。溶接方法は、特に限定されるものではないが、例えば、抵抗溶接、レーザ溶接、超音波溶接等を採用することができる。
電解液(図示しない)は、電極群2A,2Bに含浸されている。
蓋3の裏面には、内部絶縁体15が配置されている。正極リード16は、長方形状のプレート部(図示しない)と、プレート部から下方に延出した複数の集電部16bとを備える。正極リード16のプレート部は、内部絶縁体15内に配置され、かつ正極端子4にかしめ固定により電気的に接続されている。正極リード16の集電部16bは、正極集電タブ10cに電気的に接続されている。一方、負極リード17は、長方形状のプレート部(図示しない)と、プレート部から下方に延出した複数の集電部17bとを備える。負極リード17のプレート部は、内部絶縁体15内に配置され、かつ負極端子5にかしめ固定により電気的に接続されている。負極リード17の集電部17bは、負極集電タブ11cに電気的に接続されている。
二つの電極群2A,2Bは、その間に第2の正極14が配置された状態で、正極集電タブ10c及び負極集電タブ11cが絶縁カバー19で被覆されている。絶縁カバー19は、容器1の短辺側側壁に対応する長方形状の平板部19aと、平板部19aの両方の長辺に形成された側壁部19bと、平板部19aの短辺に形成された底部19cとを含む。絶縁カバー19の平板部19aは、正極集電タブ10c及び負極集電タブ11cそれぞれの端面と、容器1の短辺側側壁内面との間に配置されている。側壁部19bは、正極集電タブ10c及び負極集電タブ11cそれぞれの最外周と、容器1の長辺側側壁内面との間に配置されている。底部19cは、正極集電タブ10c及び負極集電タブ11cそれぞれの最外周と、容器1の底部内面との間に配置されている。絶縁カバー19は、第2の絶縁テープ18で電極群2に固定されている。
第1及び第2の絶縁テープの基材に使用可能な樹脂の種類は、例えば、ポリエステル(PET)、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリプロピレン等を挙げることができる。
絶縁カバーに使用可能な樹脂の種類は、例えば、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエステル(PET)等を挙げることができる。中でも、耐熱性、絶縁性とコストの観点から、ポリプロピレンが望ましい。
以上説明した図1〜図4に示す構造の電池によれば、複数の電極群2の互いに向かい合う面において最も外側に位置する活物質含有層(例えば負極活物質含有層11b)を充放電反応に寄与させることができる。また、複数の電極群が第2の電極によって並列に接続されるため、電圧を変えずに複数の電極群間に流れる電流を増加させることができる。その結果、設計容量を上回る電池容量を実現することができ、長寿命で安全性に優れ、高エネルギー密度である非水電解質電池を提供することができる。
なお、第1の電極と反対極の電極は、電極群の間だけではなく、電極群と容器の内面との間にも配置することができる(以下、第3の電極とする)。この例を図5に示す。図5に示すように、第3の電極としての第3の正極20は、電極群2A,2Bそれぞれの最外周における外装缶内面と対向する部分に接している。図6に示すように、第3の正極20は、矩形板状の正極集電体20aと、正極集電体20aの一端部を除いて片面に形成された正極活物質含有層20bと、正極集電体20aの一端部からなる正極集電タブ20cとを含む。複数の電極群2A,2Bそれぞれにおいて、最外周のセパレータ12と接する負極11は、負極集電体11aの両面に負極活物質含有層11bが形成されている。第3の正極20の正極活物質含有層20bは、絶縁部材としてのセパレータ12を介し、電極群2A,2Bの負極活物質含有層11bと対向している。第3の正極20の正極集電体20aは、外装缶1の長辺側側壁の内面と対向している。各電極群2A,2Bの正極集電タブ10cに第3の正極20の正極集電タブ20cが溶接により一体化されて電気的に接続されている。また、電極群2A、2Bの負極集電タブは、溶接により一体化されて電気的に接続されている。溶接方法は、特に限定されるものではないが、例えば、抵抗溶接、レーザ溶接、超音波溶接等を採用することができる。
以上説明した図5及び図6に示す構造の電極群を備えた電池によれば、複数の電極群2A,2Bそれぞれの最も外側に位置し、かつ外装缶1内面と対向する活物質含有層(例えば負極活物質含有層11b)を充放電反応に寄与させることができる。その結果、複数の電極群間のみに第2の電極を配置する場合よりも電池容量をさらに向上させることができるため、長寿命で安全性に優れ、高エネルギー密度である非水電解質電池を提供することができる。
なお、図1〜図6では、第1の電極に負極を用いたが、正極を用いることも可能である。
以下、非水電解質、正極、負極、セパレータ、外装部材について説明する。
1)非水電解質
非水電解質は、電解質を非水溶媒に溶解し調製される液状非水電解質、液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質等が挙げられる。
電解質は、例えば過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウム塩を挙げることができる。これらの電解質は、単独または2種類以上を混合しても良い。
電解質は、有機溶媒に対して0.5〜2.5mol/Lの範囲で溶解させることが好ましい。
非水溶媒は、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート;ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)などの環状エーテル;ジメトキシエタン(DME)などの鎖状エーテル;γ−ブチロラクトン(BL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
ゲル状非水電解質に用いる高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙げることが出来る。
2)正極
正極は、正極集電体と、正極集電体の少なくとも一方の面に担持され、正極活物質、正極導電剤及び結着剤を含む正極活物質含有層とを有する。
正極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が好ましく、平均結晶粒径は50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは5μm以下であることが望ましい。このような平均結晶粒径を有するアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔からなる集電体は、強度を飛躍的に増大させることができ、正極を高いプレス圧で高密度化することが可能になり、電池容量を増大させることができる。
平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、材料組成、不純物、加工条件、熱処理履歴ならび焼なましの加熱条件など多くの因子に複雑に影響され、結晶粒径(直径)は製造工程の中で、前記諸因子を組み合わせて調整される。
正極集電体の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99質量%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素、などの元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1質量%以下にすることが好ましい。
正極活物質は、マンガン含有複合酸化物(例えばLiMn)とコバルト含有複合酸化物(例えばLiCoO)を含むことが望ましい。これにより、高い電池電圧が得られる。なお、0≦x≦1.1、0≦y≦1.1の範囲であることが好ましい。また、電圧は低くなるが、高い容量を得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1−a−bCoMn)を用いる事もできる。なお、0.9≦z≦1.25、0<a≦0.3、0<b≦0.45、0≦c≦0.1である事が好ましく、MはMg,Al,Si,Ti,Zn,Zr,Ca及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも一つを含む。
結着剤は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド、ポリアミドなどを挙げることができる。
正極導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレン等を挙げることができる。
正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜18重量%、結着剤2〜17重量%にすることが好ましい。
正極は、例えば、正極活物質、正極導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁し作製したスラリーを、正極集電体に塗布し、乾燥し、正極活物質含有層を作製した後、プレスを施すことにより作製される。その他、正極活物質、正極導電剤及び結着剤をペレット状に形成し、正極活物質含有層として用いても良い。正極密度は、2.8g/cc以上にすることが好ましい。
正極の厚さは、80μm以上120μm以下の範囲にすることが望ましい。
3)負極
負極は、負極集電体と、負極集電体の少なくとも一方の面に担持され、負極活物質、負極導電剤および結着剤を含む負極活物質含有層とを有する。
0.4V(vs.Li/Li+)よりも卑な電位でリチウムを吸蔵する負極活物質(例えば黒鉛、リチウム金属など)では、大電流での入出力を繰り返すと負極表面上で金属リチウムが析出し、デンドライド状に成長する。このため、Li吸蔵電位が0.4V(vs.Li/Li+)以上のリチウムチタン酸化物、リチウムチタン酸化物の構成元素の一部を異種元素で置換したリチウムチタン複合酸化物を用いる事が好ましい。また、リチウムチタン酸化物は、充放電における体積膨張が少なく、電極群が拠れる事がなく、電極群の間の第2の電極板が折れ曲がる等の不具合が生じない。
リチウムチタン酸化物は、例えばスピネル構造を有するチタン酸リチウム(例えばLi4+xTi12(xは充放電により変化する値で、0≦x≦3))、ラムステライド型のチタン酸リチウム(例えばLi2+yTi(yは充放電により変化する値で、0≦y≦3)等を挙げることができる。一方、酸素のモル比についてはスピネル型LiTi12では12、ラムスデライト型LiTiでは7と形式的には示しているが、酸素ノンストイキメトリー等の影響によってこれらの値は変化しえる。
結着剤は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド、ポリアミドなどを挙げることができる。
負極導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレン等を挙げることができる。
負極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、負極活物質70〜96重量%、導電剤2〜28重量%および結着剤2〜28重量%にすることが好ましい。導電剤は、2重量%以上の割合で配合することにより高い集電性能による優れた大電流特性が得られる。また、結着剤量が2重量%未満であると、負極層と負極集電体の結着性が低下し、サイクル特性が低下する。一方、高容量化の観点から、負極導電剤及び結着剤は各々28重量%以下であることが好ましい。
集電体は、1.0Vよりも貴である電位範囲において電気化学的に安定であるアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔であることが好ましい。
負極は、例えば負極活物質、負極導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁し作製したスラリーを、負極集電体に塗布し、乾燥し、負極活物質含有層を作製した後、プレスを施すことにより作製される。その他、負極活物質、負極導電剤及び結着剤をペレット状に形成し、負極活物質含有層として用いても良い。負極密度は、2g/cc以上にすることが好ましい。
負極の厚さは、80μm以上120μm以下の範囲にすることが望ましい。
4)セパレータ
セパレータとしては、例えば、多孔質フィルム、合成樹脂製不織布等を挙げることができる。セパレータを構成する材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)が含まれる。構成材料の種類は1種類または2種類以上にすることができる。
5)外装部材
外装部材には、容器の開口部に蓋を取り付けたもの、ラミネートフィルムからなるもの等を使用することができる。
ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下が好ましい。ラミネートフィルムは、樹脂フィルム間に金属層を介在した多層フィルムが用いられる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂フィルムは、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装部材の形状に成形することができる。
容器及び蓋は金属から形成することが望ましい。板厚は0.5mm以下が好ましく、さらに好ましい範囲は0.2mm以下である。金属製容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等から作られる。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。アルミニウムまたはアルミニウム合金において、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属の含有量は100質量ppm以下にすることが高温環境下での長期信頼性、放熱性を飛躍的に向上させる上で好ましい。
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属製容器は、平均結晶粒径が50μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは5μm以下であることが望ましい。平均結晶粒径を50μm以下とすることによって、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属製容器の強度を飛躍的に増大させることができ、容器のより一層の薄肉化が可能になる。その結果、軽量かつ高出力で長期信頼性に優れた車載等に適切な非水電解質電池を実現することができる。
電池形状としては、扁平型、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型等が挙げられる。なお、無論、携帯用電子機器等に積載される小型電池の他、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池でも良い。なお、実施形態の非水電解質電池は、長寿命であり安全性に優れているため、特に車載用電池に適する。
以上説明した実施形態の電池によれば、最外周またはそれよりも1周内側に第1の電極として正極または負極を配置した複数の電極群において、互いに対向する電極群の間に第1の電極とは反対極の第2の電極を絶縁部材を介して配置する。その結果、第1の電極の外周面側を充放電反応に寄与させることができる。また、このように第2の電極を配置すると、複数の電極群間が並列に接続されるため、電圧を変えずに複数の電極群間に流れる電流を増加させることができる。その結果、設計容量を上回る電池容量を実現することができ、長寿命で安全性に優れ、高エネルギー密度である電池を提供することができる。
以下に実施例を説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
正極活物質として、リチウムマンガン酸化物(LiMn)粉末80重量%、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)粉末20重量%、アセチレンブラック2重量%、グラファイト2重量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)3重量%をN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μm、平均結晶粒子径30μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布した後、乾燥し、プレスすることにより、正極を作製した。正極の一方の長辺側端部には、正極活物質含有層を形成せずに正極集電タブを設けた。
負極活物質として、Li吸蔵電位が1.55V(vs.Li/Li+)であるスピネル構造のLiTi12で表されるチタン酸リチウムを用意した。この負極活物質91重量%、導電材としてグラファイト5重量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)4重量%をN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μm、平均結晶粒子径30μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布した後、乾燥し、プレスすることにより、負極を作製した。負極の一方の長辺側端部には、負極活物質含有層を形成せずに負極集電タブを設けた。
正極、厚さ20μmのセルロース製の多孔質フィルムからなるセパレータ、負極、セパレータの順に積層した後、最外周がセパレータとなるように渦巻き状に捲回した。セパレータの最終端が電極群の湾曲部となるようにし、絶縁テープにより巻き止めた。その際、絶縁テープは湾曲部から出ないようにした。
これを約120℃で加熱プレスすることにより、電極群を作製した。得られた電極群は、捲回軸と交差する一方の端面から渦巻き状の正極集電タブが突出し、他方の端面から渦巻き状の負極集電タブが突出していた。電極群の厚さa及び高さbを前述の方法で測定し、その結果を表1に示す。
第2の電極として、前述したのと同様な方法により、シート状の正極を作製した。第2の電極としての正極は、長方形状の正極集電体と、正極集電体の両面(一方の短辺を除く)に形成された正極活物質含有層とを有するものであった。正極集電体の正極活物質含有層が形成されていない短辺は、正極集電タブとして機能する。
プロピレンカーボネート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率PC:DECが30:70)に、電解質として、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/L、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)を0.5mol/L溶解することにより液状非水電解質を調製した。
電極群2個を互いの最外層が向き合うように配置し、2つの電極群の間に第2の正極を配置し、2つの電極群の負極集電タブを一体化し負極集電タブとし、2つの電極群の正極集電タブと第2の正極の正極集電タブを溶接により一体化し正極タブとした。これにより、第2の正極の正極活物質含有層が、セパレータを介して電極群の負極活物質含有層と対向した。その後、絶縁テープにより2つの電極群と第2の正極を固定した。第2の正極により並列接続された2つの電極群を、有底矩形筒状の金属製外装缶内に収納し、約95℃で8時間真空乾燥を施した。次いで、液状非水電解質を注入した後、外装缶の開口部を蓋で封止することにより、図1に示す構造を有する非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2)
電極群の厚さa、高さb及びb/aを下記表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
第3の電極として、前述したのと同様な方法でシート状の正極を2枚作製した。第3の電極は、長方形状の正極集電体と、正極集電体の片面(一方の短辺を除く)に形成された正極活物質含有層とを有するものであった。正極集電体の正極活物質含有層が形成されていない短辺は、正極集電タブとして機能する。
電極群2個を互いの最外層が向き合うように配置し、2つの電極群の間に第2の正極を配置し、2つの電極群それぞれの外側に第3の正極を配置した。2つの電極群の負極集電タブを一体化し負極集電タブとし、2つの電極群の正極集電タブと第2の正極の正極集電タブ、第3の正極の正極集電タブを溶接により一体化し正極タブとした。第2、第3の正極の正極活物質含有層は、セパレータを介して電極群の負極活物質含有層と対向した。その後、絶縁テープにより電極群を固定した。
第2の正極により並列接続された2つの電極群を、有底矩形筒状の金属製外装缶内に収納し、約95℃で8時間真空乾燥を施した。次いで、液状非水電解質を注入した後、外装缶の開口部を蓋で封止することにより、図1に示す構造を有する非水電解質二次電池を作製した。
(実施例4)
電極群の厚さa、高さb及びb/aを下記表1に示すように変更すること以外は、実施例3と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
2つの電極群の間に第2の電極を配置しないこと以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
電極群の厚さa、高さb及びb/aを下記表1に示すように変更すること以外は、比較例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例及び比較例の電池に対し、容量試験を行った。容量試験は、45℃環境下で1Cで2.8Vまで定電流定電圧充電をした後、同温度で1Cで1.8Vまで放電した際の放電容量を測定した。その結果を、電極群1個の場合の放電容量を1として、図7に示す。また、実施例A〜D及び比較例A,Bについての容量試験の結果を図7に併記する。なお、実施例A:b/aを12以上14以下にすること以外は実施例1と同様にして作製した非水電解質二次電池、実施例B:b/aを18以上20以下にすること以外は実施例1と同様にして作製した非水電解質二次電池、実施例C:b/aを12以上14以下にすること以外は実施例3と同様にして作製した非水電解質二次電池、実施例D:b/aを18以上20以下にすること以外は実施例3と同様にして作製した非水電解質二次電池、比較例A:b/aを12以上14以下にすること以外は比較例1と同様にして作製した非水電解質二次電池、比較例B:b/aを18以上20以下にすること以外は比較例1と同様にして作製した非水電解質二次電池である。
図7から明らかなように、b/aを一定にして比較した場合、いずれのb/a値においても、実施例の電池の容量が比較例の電池よりも高かった。また、第2の電極を用いた実施例1,2、A,Bでは、b/aが小さい方が高容量を得られやすいことがわかった。同様な傾向が、第2の電極及び第3の電極を用いた実施例3,4、C,Dにおいても見られた。さらに、実施例1〜4、A〜Dを比較すると、実施例3,4、C,Dの方が高容量を得られた。
以上説明した少なくとも一つの実施形態及び実施例の電池によれば、最外周またはそれよりも1周内側に第1の電極として正極または負極を配置した複数の電極群において、互いに対向する電極群の間に第1の電極とは反対極の第2の電極を絶縁部材を介して配置するため、長寿命で安全性に優れ、高エネルギー密度である電池を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…外装缶、2A,2B…電極群、3…蓋、4…正極端子、5…負極端子、6…絶縁体、9…安全弁、10…正極、10a…正極集電体、10b…正極活物質含有層、10c…正極集電タブ、11…負極、11a…負極集電体、11b…負極活物質含有層、11c…負極集電タブ、12…セパレータ、14…第2の正極、14a…正極集電体、14b…正極活物質含有層、14c…正極集電タブ、16…正極リード、17…負極リード、18…絶縁テープ、19…絶縁カバー、20…第3の正極、20a…正極集電体、20b…正極活物質含有層、20c…正極集電タブ。

Claims (4)

  1. 外装部材と、
    前記外装部材内に収納され、正極及び負極を含み、扁平に捲回された形状を有する複数の電極群と
    を含む電池であって、
    前記複数の電極群は、それぞれ、前記正極または前記負極からなる第1の電極が最外周又は前記最外周よりも1周内側に配置され、
    前記複数の電極群は、互いに対向する電極群の間に前記第1の電極とは反対極の第2の電極が絶縁部材を介して配置されることにより、並列接続されていることを特徴とする電池。
  2. 前記複数の電極群の前記外装部材の内面と対向する部分に、前記第1の電極とは反対極の第3の電極が絶縁部材を介して配置されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 前記複数の電極群が下記(1)式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の電池。
    b/a≦12 (1)
    但し、前記aは各電極群の厚さ、前記bは各電極群の高さである。
  4. 前記負極は、リチウムチタン酸化物を含むことを特徴とする請求項2に記載の電池。
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