JP2016085064A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易にノイズモデルを作成して断層画像のフィルタ処理をすることができる装置および方法を提供する。
【解決手段】画像処理装置20は、ノイズモデル作成部21およびフィルタ処理部22を備える。ノイズモデル作成部21は、放射線断層撮影装置10を用いて所定条件によりデータ取得され再構成された参照用の断層画像中の互いに異なる画素値の複数の部分領域それぞれにおいて画素値およびノイズの標準偏差を求めて、画素値とノイズの標準偏差との関係を表すノイズモデルを作成する。フィルタ処理部22は、放射線断層撮影装置10を用いて前記所定条件と同一の条件によりデータ取得され再構成された処理対象の断層画像の各画素について、ノイズモデルを用いて画素値に対応するノイズの標準偏差を求め、そのノイズの標準偏差に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をする。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線断層撮影装置により取得された断層画像を処理する装置および方法に関するものである。
被検体(生体)の断層画像を取得することができる放射線断層撮影装置として、PET(PositronEmission Tomography)装置およびSPECT(Single Photon Emission ComputedTomography)装置が挙げられる。
PET装置は、陽電子放出アイソトープ(RI線源)が投入された被検体内における電子・陽電子の対消滅に伴って発生し互いに逆方向に飛行する光子対を同時計数法により検出することにより、その被検体内の極微量物質の挙動を画像化した断層画像を再構成することができる。
PET装置は、被検体が置かれる測定空間の周囲に配列された多数の小型の放射線検出器を有する検出部を備えている。PET装置は、電子・陽電子の対消滅に伴って発生するエネルギ511keVの光子対を検出部により同時計数法で検出し、この同時計数情報を蓄積する。そして、PET装置は、この蓄積した多数の同時計数情報に基づいて、測定空間における光子対の発生頻度の空間分布を表す断層画像を再構成する。このPET装置は核医学分野等で重要な役割を果たしており、これを用いて例えば生体機能や脳の高次機能の研究を行うことができる。
このような放射線断層撮影装置により再構成された断層画像は、画像フィルタによりノイズが除去される。ノイズ除去の為に用いられる画像フィルタとしては、ガウシアン・フィルタ(Gaussian Filter)、ノンローカル・ミーンズ・フィルタ(Non-LocalMeans Filter)、ガイディド・イメージ・フィルタ(Guided Image Filter)が挙げられる。
従来からガウシアン・フィルタが用いられている。これに対して、ノンローカル・ミーンズ・フィルタおよびガイディド・イメージ・フィルタは、近年になって開発されたものであって、ガウシアン・フィルタと比べると画像中の濃淡の境界をよく保存することができるという特徴がある。
ノンローカル・ミーンズ・フィルタおよびガイディド・イメージ・フィルタは、一般に、断層画像に含まれるノイズが平均値0で標準偏差σの正規分布で表されると仮定して、その標準偏差σの二乗の定数倍を平滑化パラメータとし、この平滑化パラメータを用いてフィルタ処理をする。
平滑化パラメータは、ノイズ除去の効果の大きさを決めるパラメータである。平滑化パラメータの値が大きいほどノイズ除去の効果が大きく、平滑化パラメータの値が小さいほどノイズ除去の効果が小さい。平滑化パラメータは、ノンローカル・ミーンズ・フィルタではsmoothing parameter と呼ばれる場合があり、ガイディド・イメージ・フィルタではregularization parameter と呼ばれる場合がある。
しかし、ノイズの標準偏差σが一定であると仮定し平滑化パラメータを一定としてフィルタ処理をすると、断層画像によってはノイズ除去を適切に行なうことができない場合があり、また、断層画像中の領域によってはノイズ除去を適切に行なうことができない場合がある。
特表2008−543412号公報
特許文献1には、放射断層撮像のためのノイズモデル選択方法及び装置の発明が開示されている。この発明は、任意の断層画像に対して最適なノイズモデルを選択することを意図している。すなわち、この発明は、様々なデータ取得条件や再構成処理条件に応じた複数のノイズモデルを含むデータベースを予め用意しておき、対象の断層画像のデータ取得条件や再構成処理条件に対応するノイズモデルをデータベースから選択して、その選択したノイズモデルを対象の断層画像のノイズモデルとする。
しかし、特許文献1には、ノイズモデルについて詳細な記載がなく、ノイズモデルを作成する方法についても記載がなく、また、そのノイズモデルを用いて何等かの処理をすることについても記載がない。
特許文献1に開示された発明は明確ではないものの、データ取得および再構成処理の各条件において多数の断層画像を取得して、これら多数の断層画像について統計的処理をして、ノイズモデルを作成することが考えられる。そして、このノイズモデルを用いて平滑化パラメータを適切に設定してフィルタ処理をすることが考えられる。しかし、このような方法は、ノイズモデル作成の為に膨大なデータおよび時間を必要とし、容易ではない。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、容易にノイズモデルを作成して断層画像のフィルタ処理をすることができる装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、(1) 放射線断層撮影装置を用いて所定条件によりデータ取得され再構成された参照用の断層画像中の互いに異なる画素値の複数の部分領域それぞれにおいて画素値およびノイズの標準偏差を求めて、画素値とノイズの標準偏差との関係を表すノイズモデルを作成するノイズモデル作成部と、(2) 放射線断層撮影装置を用いて前記所定条件と同一の条件によりデータ取得され再構成された処理対象の断層画像の各画素について、ノイズモデルを用いて画素値に対応するノイズの標準偏差を求め、そのノイズの標準偏差に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をするフィルタ処理部と、を備える。
本発明の画像処理装置では、ノイズモデル作成部が、画素値とノイズの標準偏差との関係を関数で表現したものをノイズモデルとして作成するのが好適である。また、ノイズモデル作成部が、処理対象の断層画像を参照用の断層画像として用いるのが好適である。
本発明の放射線断層撮影システムは、被検体の断層画像を再構成する放射線断層撮影装置と、放射線断層撮影装置により再構成された断層画像を処理する上記の本発明の画像処理装置と、を備える。
本発明の画像処理方法は、(1) 放射線断層撮影装置を用いて所定条件によりデータ取得され再構成された参照用の断層画像中の互いに異なる画素値の複数の部分領域それぞれにおいて画素値およびノイズの標準偏差を求めて、画素値とノイズの標準偏差との関係を表すノイズモデルを作成するノイズモデル作成ステップと、(2) 放射線断層撮影装置を用いて前記所定条件と同一の条件によりデータ取得され再構成された処理対象の断層画像の各画素について、ノイズモデルを用いて画素値に対応するノイズの標準偏差を求め、そのノイズの標準偏差に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をするフィルタ処理ステップと、を備える。
本発明の画像処理方法は、ノイズモデル作成ステップにおいて、画素値とノイズの標準偏差との関係を関数で表現したものをノイズモデルとして作成するのが好適である。ノイズモデル作成ステップにおいて、処理対象の断層画像を参照用の断層画像として用いるのが好適である。ノイズモデル作成ステップにおいて、参照用の断層画像中の複数の部分領域が肺,肝臓または膀胱の領域を含むのが好適である。また、ノイズモデル作成ステップにおいて、参照用の断層画像中の複数の部分領域が脳室,白質または小脳の領域を含むのも好適である。
本発明によれば、容易にノイズモデルを作成して断層画像のフィルタ処理をすることができる。
本実施形態の放射線断層撮影システム1の構成を示す図である。 逐次近似的画像再構成法により再構成された頭部の断層画像を示す図である。 逐次近似的画像再構成法により再構成された頭部の脳室(脳髄液),白質および小脳(灰白質)の各領域の断層画像を示す図である。 逐次近似的画像再構成法により再構成された肺,肝臓および膀胱の各領域の断層画像を示す図である。 画素値の平均値とノイズの標準偏差σとの関係を示すグラフである。 ノンローカル・ミーンズ・フィルタについて説明する図である。 ガイディド・イメージ・フィルタについて説明する図である。 比較例1のガウシアン・フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。 ノイズの標準偏差σを一定値500とした比較例2のガイディド・イメージ・フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。 ノイズの標準偏差σを一定値1000とした比較例3のガイディド・イメージ・フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。 実施例のガイディド・イメージ・フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。 断層画像における関心領域の位置を示す図である。 図12中の関心領域である腹部における比較例1〜3および実施例それぞれでの画素値の平均値(Mean)、標準偏差(StdDev)、変動係数(COV)、比較例1の変動係数との比率を纏めた表である。 断層画像における関心領域の位置を示す図である。 図14中の関心領域である肝臓における比較例1〜3および実施例それぞれでの画素値の平均値(Mean)、標準偏差(StdDev)、変動係数(COV)、比較例1の変動係数との比率を纏めた表である。 腹部および肝臓における比較例2,3および実施例それぞれでの変動係数を比較例1での変動係数と比較して示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の放射線断層撮影システム1の構成を示す図である。放射線断層撮影システム1は、放射線断層撮影装置10および画像処理装置20を備える。画像処理装置20は、ノイズモデル作成部21,フィルタ処理部22および記憶部23を含む。
放射線断層撮影装置10は、被検体の断層画像を再構成する装置である。放射線断層撮影装置10として、PET装置およびSPECT装置が挙げられる。以下では、放射線断層撮影装置10がPET装置であるとして説明をする。
放射線断層撮影装置10は、被検体が置かれる測定空間の周囲に配列された多数の小型の放射線検出器を有する検出部を備えている。放射線断層撮影装置10は、陽電子放出アイソトープ(RI線源)が投入された被検体内における電子・陽電子の対消滅に伴って発生するエネルギ511keVの光子対を検出部により同時計数法で検出し、この同時計数情報を蓄積する。そして、放射線断層撮影装置10は、この蓄積した多数の同時計数情報に基づいて、測定空間における光子対の発生頻度の空間分布を表す断層画像を再構成する。
放射線断層撮影装置10において断層画像を再構成する技術としては、ML-EM(maximum likelihood expectation maximization)法や、これを改良したブロック反復法による逐次近似的画像再構成技術が知られている。また、ブロック反復法による逐次近似的画像再構成技術としては、OSEM(ordered subset ML-EM)法、RAMLA(row-action maximum likelihood algorithm)法およびDRAMA(dynamic RAMLA)法などが知られている。
これらの技術により再構成された断層画像では、一般に、画素値が大きい領域ではノイズの標準偏差σが大きく、画素値が小さい領域ではノイズの標準偏差σが小さい。したがって、画像フィルタ(ノンローカル・ミーンズ・フィルタ、ガイディド・イメージ・フィルタ)を用いて、断層画像の全体に亘ってノイズの標準偏差σが一定であると仮定して平滑化パラメータを一定としてフィルタ処理をすると、画素値が大きい領域ではノイズ除去の効果が小さく、画素値が小さい領域ではノイズ除去の効果が大きくなって、フィルタ処理の結果は好ましくない。
画像処理装置20は、放射線断層撮影装置10により再構成された断層画像を処理する装置である。画像処理装置20は、平滑化パラメータを適切に設定して断層画像に対してフィルタ処理をする。
画像処理装置20のノイズモデル作成部21は、放射線断層撮影装置10を用いて所定条件によりデータ取得され再構成された参照用の断層画像を入力する。ここで、条件とは、データ取得の際の条件だけでなく、再構成処理の際の条件をも含む。そして、ノイズモデル作成部21は、その参照用の断層画像中の互いに異なる画素値の複数の部分領域それぞれにおいて画素値およびノイズの標準偏差σを求めて、画素値とノイズの標準偏差σとの関係を表すノイズモデルを作成する。
フィルタ処理部22は、同じ放射線断層撮影装置10を用いて前記所定条件と同一の条件によりデータ取得され再構成された処理対象の断層画像を入力する。フィルタ処理部22は、ノイズモデル作成部21により作成されたノイズモデルを用いて、処理対象の断層画像の各画素について画素値に対応するノイズの標準偏差σを求める。そして、フィルタ処理部22は、そのノイズの標準偏差σに基づいて局所的な平滑化パラメータを設定して、その平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をする。
記憶部23は、放射線断層撮影装置10から入力した断層画像を記憶し、ノイズモデル作成部21により作成されたノイズモデルを記憶し、また、フィルタ処理部22によるフィルタ処理の後の断層画像を記憶する。
本実施形態の画像処理方法は、ノイズモデル作成部21が行うノイズモデル作成ステップと、フィルタ処理部22が行うフィルタ処理ステップとを備える。ノイズモデル作成ステップでは、放射線断層撮影装置10を用いて所定条件によりデータ取得され再構成された参照用の断層画像中の互いに異なる画素値の複数の部分領域それぞれにおいて画素値およびノイズの標準偏差σを求めて、画素値とノイズの標準偏差σとの関係を表すノイズモデルを作成する。フィルタ処理ステップでは、同じ放射線断層撮影装置を用いて前記所定条件と同一の条件によりデータ取得され再構成された処理対象の断層画像の各画素について、ノイズモデルを用いて画素値に対応するノイズの標準偏差σを求め、そのノイズの標準偏差σに基づいて局所的に設定した平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をする。
ノイズモデル作成ステップにおいて、ノイズモデル作成部21は、画素値とノイズの標準偏差σとの関係を関数式で近似して表現したものをノイズモデルとして作成するのが好適である。画素値を変数xとしてノイズの標準偏差σを求める近似関数は、任意であり、1次関数(σ=ax+b)であってもよいし、べき乗関数(σ=ax)であってもよい。記憶部23は、ノイズモデルを表す関数をルックアップテーブルとして記憶してもよいし、関数の係数a,bの値を記憶してもよい。
ノイズモデル作成ステップにおいて、ノイズモデル作成部21は、データ取得および再構成処理の各条件でのノイズモデル作成の為の参照用の断層画像として、複数の被検体それぞれについての断層画像を用いてもよいし、1つの被検体についての複数の断層画像を用いてもよいし、1つの被検体についての1つの断層画像を用いてもよい。また、ノイズモデル作成部21は参照用の断層画像として処理対象の断層画像を用いることもでき、この場合には処理対象の断層画像とは別に参照用の断層画像を取得する必要がない。
ノイズモデル作成ステップにおいて、ノイズモデル作成部21が参照用の断層画像中において画素値およびノイズの標準偏差σを求める複数の部分領域は、画素値が略均一である領域であって、画素値が互いに異なる領域である。被検体の全身の断層画像の場合には、これら複数の部分領域は好適には肺,肝臓または膀胱の領域であり、これらのうちでは、肺の領域の画素値が最も小さく、膀胱の領域の画素値が最も大きく、肝臓の領域の画素値が中程度である。被検体の頭部の断層画像の場合には、これら複数の部分領域は好適には脳室(脳髄液),白質または小脳(灰白質)の領域であり、これらのうちでは、脳室の領域の画素値が最も小さく、小脳の領域の画素値が最も大きく、白質の領域の画素値が中程度である。
図2は、逐次近似的画像再構成法により再構成された頭部の断層画像を示す図である。被検体に投入したRI線源は 18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)である。同図(a)は画素値の分布を示し、同図(b)はノイズの標準偏差σの分布を示す。同図に示されるように、一般に、画素値が大きい領域ではノイズの標準偏差σが大きく、画素値が小さい領域ではノイズの標準偏差σが小さい。したがって、断層画像の各画素について画素値からノイズの標準偏差σを推定するノイズモデルを用意しておくことができ、このノイズモデルを用いることで局所的な平滑化パラメータを適切に設定して、処理対象の断層画像に対するフィルタ処理の結果を良好なものとすることができる。
図3は、逐次近似的画像再構成法により再構成された頭部の脳室(脳髄液),白質および小脳(灰白質)の各領域の断層画像を示す図である。被検体に投入したRI線源は18F-FDGである。同図(a)の中央の白い領域(円で囲った領域の周辺)が脳室である。同図(b)の中央より右側のグレーの領域(円で囲った領域の周辺)が白質である。同図(c)の黒い領域(円で囲った領域の周辺)が小脳である。同図に示されるように、脳室,白質および小脳の各領域において画素値が略均一である。また、脳室の領域の画素値が最も小さく、小脳の領域の画素値が最も大きく、白質の領域の画素値が中程度である。
図4は、逐次近似的画像再構成法により再構成された肺,肝臓および膀胱の各領域の断層画像を示す図である。被検体に投入したRI線源は18F-FDGである。同図(a)の白い領域(閉曲線で囲った領域の周辺)が肺である。同図(b)のグレーの領域(閉曲線で囲った領域の周辺)が肝臓である。同図(c)の黒い領域(円で囲った領域の周辺)が膀胱である。同図に示されるように、肺,肝臓および膀胱の各領域において画素値が略均一である。また、肺の領域の画素値が最も小さく、膀胱の領域の画素値が最も大きく、肝臓の領域の画素値が中程度である。
図5は、画素値の平均値とノイズの標準偏差σとの関係を示すグラフである。ここでは、図4に示された肺,肝臓および膀胱の各領域において画素値の平均値xおよびノイズの標準偏差σのデータペアを、複数の再構成された断層画像から求めた。図5の横軸は画素値の平均値xであり、縦軸はノイズの標準偏差σである。また、同図中の曲線は、画素値の平均値xとノイズの標準偏差σとの関係をべき乗関数(σ=ax)で近似したときの当該関数を表している。
ノイズモデル作成部21は、このような関数式で表したノイズモデルを作成する。そして、フィルタ処理部22は、処理対象の断層画像の各画素について、このノイズモデルを用いて画素値に対応するノイズの標準偏差σを求め、そのノイズの標準偏差σに基づいて設定した平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をする。このフィルタ処理に際して、ノンローカル・ミーンズ・フィルタまたはガイディド・イメージ・フィルタが用いられる。
図6は、ノンローカル・ミーンズ・フィルタについて説明する図である。この画像フィルタは3次元画像に適用することができるが、便宜上、同図は2次元画像を示している。
同図中で、各正方形は画素を表している。太い実線の正方形で示された画素がノイズ除去したい画素であるとし、これを以下では「注目画素」と呼ぶ。注目画素を中心とする3×3×3個の画素(実線)からなる領域をテンプレートとする。注目画素を中心とする7×7×7個の画素(点線)からなる領域を探索領域とする。探索領域内においてテンプレートをラスタースキャンしテンプレートマッチングを行なって類似度を求め、この類似度を重みとして探索領域内の画素値を重み付け平均し、その結果を注目画素のフィルタ処理後の画素値とする。なお、テンプレートおよび探索領域それぞれの大きさは任意である。
ノンローカル・ミーンズ・フィルタについて数式を用いて説明すると以下のとおりである。フィルタ処理前の断層画像(入力画像)をpとし、フィルタ処理後の断層画像(出力画像)をqとする。注目画素を符号iで表し、注目画素iを中心とする探索領域をSと表し、探索領域S内の各画素を符号jで表す。出力画像qのうちの注目画素の画素値qは、入力画像pのうちの画素値pおよび重みwijを用いて、下記(1)式で表される。
重みwijは、画素jを中心とする領域とテンプレートとの類似度であり、下記(2)式で表される。Bは、テンプレートの大きさであり、上記の例では27(=3x3x3)である。bは、テンプレートの中心の画素からの各画素のオフセットである。hは、平滑化パラメータである。
断層画像の全体に亘ってノイズの標準偏差σが一定であるとする場合には、平滑化パラメータhは下記(3)式で表される。αは定数である。
本実施形態では、ノイズモデルを用いて画素毎にノイズの標準偏差を設定するので、平滑化パラメータhijは下記(4)式で表される。この平滑化パラメータhijが上記(2)式中のhとして用いられる。<σ>は、注目画素iを中心とする3×3×3個の画素のノイズの標準偏差の平均値であり、下記(5)式で表される。<σ>は、注目画素jを中心とする3×3×3個の画素のノイズの標準偏差の平均値である。
図7は、ガイディド・イメージ・フィルタについて説明する図である。この画像フィルタも3次元画像に適用することができるが、便宜上、同図は2次元画像を示している。
同図中で、各正方形は画素を表している。実線の正方形で示された3×3×3個の画素からなる領域を処理単位の小領域とする。ガイド画像は入力画像であってもよい。入力画像およびガイド画像をラスタースキャンして所定の演算を行うことで出力画像を得る。
ガイディド・イメージ・フィルタについて数式を用いて説明すると以下のとおりである。入力画像において画素kを中心とする3×3×3個の画素からなる小領域ωを設定する。小領域ω内の入力画像の画素値の平均値をmとする。小領域ω内のガイド画像内の各画素値をIとする。小領域ω内のガイド画像の画素値の平均値をμとする。小領域ω内のガイド画像の画素値の分散をvarとする。小領域ω内の入力画像とガイド画像との画素値の共分散をcovarとする。小領域ω内の画素の数を|ω|とする。出力画像qのうちの注目画素の画素値qは、ガイド画像Iのうちの注目画素の画素値Iおよび平滑化パラメータεを用いて、下記(6)〜(8)式で表される。
断層画像の全体に亘ってノイズの標準偏差σが一定であるとする場合には、平滑化パラメータεは下記(9)式で表される。αは定数である。
本実施形態では、ノイズモデルを用いて画素毎にノイズの標準偏差を設定するので、平滑化パラメータεは下記(10)式で表される。この平滑化パラメータεが上記(7)式中のεとして用いられる。<σ>は、小領域ω内の各画素のノイズの標準偏差の平均値であり、下記(11)式で表される。
図8〜図11は、フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。このような差分画像からフィルタ処理の効果を評価することができる。図8は、半値幅を4mmとしたガウシアン・フィルタ処理(比較例1)をして、当該フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す。図9および図10は、ノイズの標準偏差σを一定値としα=0.5としたガイディド・イメージ・フィルタ処理(比較例2,3)をして、当該フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す。図11は、上述したノイズモデルを用いα=0.5としたガイディド・イメージ・フィルタ処理(実施例)をして、当該フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す。
図8は、比較例1のガウシアン・フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。この比較例1では、脳や膀胱のエッジや腸管などの細い構造物が空間的に平滑化されて、フィルタ処理後の画像とフィルタ処理前の原画像との差が大きくなっている。
図9は、ノイズの標準偏差σを一定値500とした比較例2のガイディド・イメージ・フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。この比較例2では、ノイズの標準偏差σを比較的小さい一定値500としたことから、脳、膀胱および腸管等においてフィルタ処理の前後の画像の差が少なく、フィルタ処理後においてもエッジが保存されている。一方、肝臓など画素値の高い一様な領域において、この比較例2では、比較例1と比較して平滑化が不足している。
図10は、ノイズの標準偏差σを一定値1000とした比較例3のガイディド・イメージ・フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。この比較例3では、ノイズの標準偏差σを比較的大きい一定値1000としたことから、肝臓など画素値の高い一様な領域において、比較例1と同程度の平滑化がかかっている。一方、腹部など画素値の低い一様な領域において、この比較例3では、比較例1と比較して平滑化が過剰になっている。
図11は、実施例のガイディド・イメージ・フィルタ処理後の断層画像からフィルタ処理前の断層画像を差し引いた差分画像を示す図である。本実施例のガイディド・イメージ・フィルタ処理では、比較例1と比較して、各臓器への平滑化の強さが大きく変化することなく、脳、膀胱のエッジや腸管などが比較的よく保存されている。
図12は、断層画像における関心領域(ROI: Region of Interest)の位置を示す図である。ここでは、関心領域を腹部とする。図13は、図12中の関心領域である腹部における比較例1〜3および実施例それぞれでの画素値の平均値(Mean)、標準偏差(StdDev)、変動係数(COV)、比較例1の変動係数との比率を纏めた表である。なお、COV=StdDev/Mean×100%である。比較例1に比べて、比較例3では、変動係数が73%に低下しており、画素値の低い領域において平滑化が過剰になっている。
図14は、断層画像における関心領域の位置を示す図である。ここでは、関心領域を肝臓とする。図15は、図14中の関心領域である肝臓における比較例1〜3および実施例それぞれでの画素値の平均値(Mean)、標準偏差(StdDev)、変動係数(COV)、比較例1の変動係数との比率を纏めた表である。比較例1に比べて、比較例2では、変動係数が128%に上昇しており、画素値の高い領域において平滑化が不足している。
図16は、腹部および肝臓における比較例2,3および実施例それぞれでの変動係数を比較例1での変動係数と比較して示す図である。本実施例では、腹部(画素値の低い領域)および肝臓(画素値の高い領域)の何れにおいても比較例1との変動係数の比率が91〜98%に収まっており、画素値の高い領域および低い領域の何れでも平滑化の効きの違いが緩和されているのが分かる。
このように、本実施形態では、容易にノイズモデルを作成して断層画像のフィルタ処理をすることができ、画素値の高い領域および低い領域の何れでも適切に平滑化処理をすることができる。
1…放射線断層撮影システム、10…放射線断層撮影装置、20…画像処理装置、21…ノイズモデル作成部、22…フィルタ処理部、23…記憶部。

Claims (9)

  1. 放射線断層撮影装置を用いて所定条件によりデータ取得され再構成された参照用の断層画像中の互いに異なる画素値の複数の部分領域それぞれにおいて画素値およびノイズの標準偏差を求めて、画素値とノイズの標準偏差との関係を表すノイズモデルを作成するノイズモデル作成部と、
    前記放射線断層撮影装置を用いて前記所定条件と同一の条件によりデータ取得され再構成された処理対象の断層画像の各画素について、前記ノイズモデルを用いて画素値に対応するノイズの標準偏差を求め、そのノイズの標準偏差に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて前記処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をするフィルタ処理部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記ノイズモデル作成部が、画素値とノイズの標準偏差との関係を関数で表現したものを前記ノイズモデルとして作成する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ノイズモデル作成部が、前記処理対象の断層画像を前記参照用の断層画像として用いる、
    請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 被検体の断層画像を再構成する放射線断層撮影装置と、
    前記放射線断層撮影装置により再構成された断層画像を処理する請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理装置と、
    を備える放射線断層撮影システム。
  5. 放射線断層撮影装置を用いて所定条件によりデータ取得され再構成された参照用の断層画像中の互いに異なる画素値の複数の部分領域それぞれにおいて画素値およびノイズの標準偏差を求めて、画素値とノイズの標準偏差との関係を表すノイズモデルを作成するノイズモデル作成ステップと、
    前記放射線断層撮影装置を用いて前記所定条件と同一の条件によりデータ取得され再構成された処理対象の断層画像の各画素について、前記ノイズモデルを用いて画素値に対応するノイズの標準偏差を求め、そのノイズの標準偏差に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて前記処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をするフィルタ処理ステップと、
    を備える画像処理方法。
  6. 前記ノイズモデル作成ステップにおいて、画素値とノイズの標準偏差との関係を関数で表現したものを前記ノイズモデルとして作成する、
    請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 前記ノイズモデル作成ステップにおいて、前記処理対象の断層画像を前記参照用の断層画像として用いる、
    請求項5または6に記載の画像処理方法。
  8. 前記ノイズモデル作成ステップにおいて、前記参照用の断層画像中の前記複数の部分領域が肺,肝臓または膀胱の領域を含む、
    請求項5〜7の何れか1項に記載の画像処理方法。
  9. 前記ノイズモデル作成ステップにおいて、前記参照用の断層画像中の前記複数の部分領域が脳室,白質または小脳の領域を含む、
    請求項5〜7の何れか1項に記載の画像処理方法。
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