JP2016084406A - 消去性筆記具用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクの経時安定性に優れると共に、耐擦過性と描線消去性とを高度に両立した消去性筆記具用インク組成物を提供する。
【解決手段】平均粒子径が2〜20μmである着色樹脂粒子と、メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子とを少なくとも含むことを特徴とする消去性筆記具用インク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクの経時安定性に優れると共に、耐擦過性と描線消去性とを高度に両立した消去性筆記具用インク組成物に関する。
従来より、紙に筆記して得られる筆跡が消しゴムなどで容易に消去することができる消去性筆記具用インク組成物は良く知られている。
例えば、1)粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる顔料と粘着性樹脂からなる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インク組成物(例えば、特許文献1参照)、2)平均粒子径2〜20μmであり、かつ、非熱可塑性である着色樹脂粒子をインキ組成物全量に対して5〜30重量%と、ガラス転移点が0℃未満である非着色粒子とを少なくとも含有することを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物(例えば、特許文献2参照)、3)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂から選ばれる平均粒子径0.10〜10μmの範囲内の無色樹脂粒子が、インキ全量に対して3〜30重量%と、平均粒子径が2μm以上の着色剤が、インキ全量に対して1〜40重量%と、剪断減粘性付与剤が、インキ全量に対して0.01〜4重量%と、水溶性有機溶剤と、水とを含有し、前記無色樹脂粒子が、前記着色剤より小さい平均粒子径を有し、前記無色樹脂粒子が前記着色剤より含有量が多いことを特徴とする消去性インク組成物(例えば、特許文献3参照)、4)結着樹脂と顔料とからなる、3〜20μmの体積平均粒径(Dv)を有し、体積平均粒径と個数平均粒径(Dp)との比(Dv/Dp)が1.0〜1.5である、消しゴム消去性インク用樹脂粒子を含有する消しゴム消去性水性インク組成物(例えば、特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、上記文献1〜4の各消去性筆記具用インク組成物にあっては、確実な消去性を確保しようとすると、耐擦過性に劣ることがあり、一方、確実な耐擦過性を確保しようとすると、消去性に劣ることがあり、描線の痕跡が僅かに残るなどの課題が未だあるのが現状である。また、筆記した描線を一定期間室温以上の温度下で放置した場合に、消去性が劣るなどの課題がある。
特開2001−19888号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−155433号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2003−306631号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2004−204036号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、
インクの経時安定性に優れると共に、耐擦過性と描線消去性とを高度に両立すると共に、その両立が経時的にも維持できる消去性筆記具用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、平均粒子径が2〜20μmである着色樹脂粒子と、特定の粒子とを少なくとも含有せしめることにより、上記目的の消去性筆記具用インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。
(1) 平均粒子径が2〜20μmである着色樹脂粒子と、メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子とを少なくとも含有することを特徴とする消去性筆記具用インク組成物。
(2) 前記メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子のグラフト化の割合が15〜40%であることを特徴とする上記(1)に記載の消去性筆記具用インク組成物。
(3) 水溶性有機溶剤をインク組成物全量に対して5質量%以下含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の消去性筆記具用インク組成物。
(4) 老化防止剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の消去性筆記具用インク組成物。
本発明によれば、インクの経時安定性に優れると共に、耐擦過性と描線消去性とを高度に両立すると共に、その両立が経時的にも維持できる消去性筆記具用インク組成物が提供される。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の消去性筆記具用インク組成物は、平均粒子径が2〜20μmである着色樹脂粒子と、メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子とを少なくとも含有することを特徴とするものである。
本発明に用いる着色樹脂粒子は、平均粒子径が2〜20μmとなるものである。
用いることができる着色樹脂粒子は、当該着色樹脂粒子が上記平均粒子径を充足するものであれば、特に限定されるものでなく、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂粒子中に顔料からなる着色剤が分散された着色樹脂粒子、上記樹脂粒子の表面が顔料からなる着色剤で被覆された着色樹脂粒子、上記樹脂粒子に染料からなる着色剤が染着された着色樹脂粒子などが挙げられる。
また、その構造・形状も、特に限定されるものでなく、例えば、中空構造であっても、中空構造なし(密実)であっても良く、また、その形状も球状、多角形状、扁平状等が挙げられる。
なお、本発明(実施例等含む)で規定する「平均粒子径」とは、粒度分析計〔マイクロトラックHRA9320−X100(日機装社製)〕にて測定したメディアン径である。
用いる着色樹脂粒子の平均粒子径は、2〜20μmであり、好ましくは、描線消去性の点、耐擦過性の点、インクの経時安定性の点から、3〜10μmとなるものが望ましい。
この着色樹脂粒子の平均粒子径が2μm未満であると、紙繊維の空隙に入り込みやすくなり消去性が低下してしまうこととなり、一方、20μmを越えるものであると、消去性は向上することとなるが、インクとしての濃度が薄くなること、着色樹脂粒子が沈殿しやすくなり、経時的安定性が損なわれること、耐擦過性が低下すること、筆記時の感触が悪くなることなどの不具合が生じることとなり、好ましくない。
本発明に用いることができる上記平均粒子径の着色樹脂粒子としては、種々の市販品を用いることができ、例えば、根上工業社製のアートパールシリーズ、例えば、アートパールC−800、アートパールC−400など、大日精化工業社製のラブコロールシリーズ、例えば、ラブコロール220(M)ブラックなど、日本触媒社製のエポカラーシリーズ、例えば、エポカラーFP112、エポカラーFP−117などを挙げることができる。
これらの着色樹脂粒子の含有量は、インク組成物全量に対して、5〜30質量%、好ましくは、8〜20質量%とすることが望ましい。
この着色樹脂粒子の含有量が5質量%未満であると、好ましい濃度の描線が得られなくなり、一方、30質量%を越えると、筆記感が重くなったり、描線にカスレが生じやすくなり、好ましくない。
本発明に用いるメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子は、消去性と耐擦過性との両方の特性を高度に両立させると共に、その両立を経時的にも維持せしめるために含有するものである。
用いるメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子は、非着色粒子であり、これ以外の非着色粒子、例えば、従来、消去性インク組成物において非着色粒子として含有されている変性又は非変性のスチレンブタジエン粒子、変性又は非変性のアクリル粒子、変性又は非変性のアクリロニトリルブタジエン粒子などの非着色粒子では本発明の効果を発揮できないものである。
用いるメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子は、イソプレンゴムとメチルメタクリレート(MMA)、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、ラジカル発生剤等と必要に応じて溶剤、分散媒等を用いて加熱してラジカルグラフト重合等を行う方法などにより製造することができ、例えば、天然ゴムラテックスなどを基材として、メチルメタクリレート(MMA)をグラフト重合することにより得られるものである。
得られるメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子は、グラフト化の割合(グラフト率)により、消去性と耐擦過性との両方の特性を、更に、高度に両立させることができる点等から、好ましくは、10〜70%、更に好ましくは、15〜40%となるものが望ましい。
本発明において、「グラフト化の割合(グラフト率)」は、上記ゴム質重合体、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などの種類や量、さらに重合時間、重合温度などを変えることにより容易に調整することができる。
本発明(後述する実施例等を含む)における、グラフト率(%)は、グラフト共重合体成分中のゴム成分をx(g)、グラフト共重合体成分中のアセトン不溶分をy(g)とすると、下記の計算式により求められた値である。
グラフト率(%)=〔(y−x)/x〕×100
用いるメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子の平均粒子径は、好ましくは、インクの経時安定性の点、ペン先からの流出性の点から、0.1〜2.0μmとなるものが望ましい。
このメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、インクの経時安定性が損なわれる場合があり、一方、2.0μmを越えるものであると、ペン先からの流出性が悪くなり、好ましくない。
これらの特性を有するメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子は、上記製造法により得たものを使用することができことができ、また、レヂテックス社よりレヂテックスMGシリーズとして市販されているメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子水分散体、例えば、平均粒子径が上記0.3〜1.0μmの範囲となるMG−10S(MMAグラフト率10%、固形分濃度55%)、MG−25(MMAグラフト率25%、固形分濃度51%)、MG−40S(MMAグラフト率40%、固形分濃度53%)、MG−67(MMAグラフト率67%、固形分濃度50%)などを用いることができる。
これらのメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子の含有量(固形分濃度)は、インク組成物全量に対して、好ましくは、5〜25質量%、更に好ましくは、10〜20質量%とすることが望ましい。
このメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子の含有量が5質量%未満であると、描線消去性が悪くなり、一方、25質量%を越えると、ペン先での耐乾燥性が悪くなり、好ましくない。
本発明の消去性筆記具用インク組成物は、水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)を主溶剤として用いるが、更に、溶剤として、保水性の付与、筆記感の向上の点から、水に相溶性のある極性基を有する水溶性有機溶剤を使用することができる。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ピロリドン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
この水溶性有機溶剤の含有量は、インクの凍結防止の点、ペン先の保湿の点、および描線消去性の点から、インク組成物全量に対して、好ましくは、10質量%以下、更に好ましくは、5質量%以下、特に、3〜5質量%とすることが望ましい。この水溶性有機溶剤の含有量が10質量%を超えると描線消去性が悪くなる。また、3質量%未満では、インクの凍結が起こりやすくなったり、ペン先でインクが乾きやすくなる。
本発明の消去性筆記具用インク組成物は、上記以外の成分として、含有する着色樹脂粒子やメタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子の酸化、熱による老化、また、紫外線等の光による老化(老化した場合、描線の消去性が低下すること)を防止するために、老化防止剤を含有せしめることが好ましい。
老化防止剤としては、例えば、イオウ系、ヒンダートアミン系、リン系、フェノール系の老化防止剤等が好適に用いられる。
上記イオウ系の老化防止剤としては、例えば、ジドデシルチオジプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)等が挙げられる。
ヒンダートアミン系の老化防止剤としては、例えば、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]フェニル−s−トリアジン等が挙げられる。
リン系の老化防止剤としては、ホスファイト骨格、ホスホナイト骨格、ホスフェート骨格及びホスフィネート骨格からなる群より選択される少なくとも1種の骨格を有するものが挙げられ、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントロリン−10−オキシド等が挙げられる。
フェノール系の老化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)酪酸]エチレン等が挙げられる。
好ましくは、水中への分散安定性、老化防止の性能の点から、フェノール系の老化防止剤の使用が望ましい。
これらの老化防止剤の含有量(固形分濃度)は、メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子との重量比の点からインク組成物全量に対して、好ましくは、0.2〜5質量%、更に好ましくは、0.5〜2質量%とすることが望ましい。
この老化防止剤の含有量が0.2質量%未満では十分な効果が得られず、一方、5質量%を超えると効果が変わらないがコスト高などとなる。
本発明の消去性筆記具用インク組成物は、上記以外の成分として、更に本発明の効果を損なわない範囲で、水性ボールペン用インクなどの筆記具用インク組成物に汎用されている添加剤(任意成分)を用いることができる。添加剤としては、pH調整剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、防腐剤もしくは防微剤として、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルスルフォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなど、安息香酸やソルビタン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。また、防錆剤としてベンゾトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリルトリアゾール、サポニン類、潤滑剤としてポリオキシエチレンラクリルエーテルなどのポリアルキレングリコール誘導体、脂肪酸アルカリ塩、ノニオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルエーテルリン酸エステルなどのフッ素系界面活性剤、ジメチレンポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物などのポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
本発明の消去性筆記具用インク組成物には、更に、水溶性の粘度調整剤を添加することにより、更なる安定性のあるインク組成物を得ることができる。粘度調整剤としては、例えば、合成高分子、セルロースおよび多糖類からなる群から選ばれた少なくとも一種を使用することができる。合成高分子としては、例えば、ポリアクリル酸類、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリルアマイドなどを、セルロースとしては、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどを、多糖類としては、キサンタンガム、サクシノグリカン、グアーガム、カゼイン、アラビアガム、ゼラチン、カラギーナン、アルギン酸、トラガカントガム、ローカストビーンガムなどが挙げられる。
本発明の消去性筆記具用インク組成物は、上記特性の着色樹脂粒子、メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子、水(及び水溶性溶剤)、添加剤等を公知の筆記具用インク組成物の製法と同様にして調製することにより製造することができる。
本発明の消去性筆記具用インク組成物は、金属チップ、樹脂チップなどのペン先部を備えたボールペン、ノック式ボールペン(単色、多色)、並びに、繊維芯又はプラスチック芯を有するマーキングペン、フェルトペンなどのサインペンなどの筆記具に好適に用いることができる。
本発明において、上記組成の消去性筆記具用インク組成物を充填した上記各筆記具により形成される筆記描線は、市販のプラスチック消しゴム(JIS S 6050:2008に準拠するプラスチック消しゴム)の他、好ましくは、更なる消去性の点から、プラスチック消しゴムより硬度があるショアA硬度が70〜90の消し具により消去することができる。このショアA硬度が70〜90の消し具により消去する方が上記プラスチック消しゴムによる消去性よりも良好となるのは、適度な硬度によって描線を剥ぎ取りやすくなるからである。
なお、本発明(後述する実施例等を含む)において、ショアA硬度はJIS K 6253−3:2012に準拠して測定した値である。
このショアA硬度が70〜90の消し具としては、上記硬度範囲に含まれる樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴムなどを好適に選択して成形加工等するにより形成することができ、例えば、ポリプロピレン(PP)〔市販品ではプライムポリマー社製のプライムポリプロ〕、高密度ポリエチレン(HDPE)〔市販品ではプライムポリマー社製のハイゼックス〕、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBS、SIS、SEBE、SEPS)〔市販品ではアロン社製のエラストマーAR、リケン社製のアクティーマー、三菱化学社製のラバロン〕、オレフィン系熱可塑性エラストマー〔市販品では東洋紡社製のサーリンク、三菱化学社製のサーモラン〕、ポリエステル系熱可塑性エラストマー〔市販品では三菱化学社製のプリマロイ〕、塩ビ系熱可塑性エラストマー〔市販品では東洋紡社製のサーリンク〕、ウレタン系熱可塑性エラストマー〔市販品では日ポリ社製のミラクトラン、BASF社製のエラストラン、Lubrizol社製のテコフレックス〕、塩素化ポリエチレン〔市販品では昭和電工社製のエラスレン〕、PE−α−オレフィン系コポリマー〔市販品では三井化学社製のタフマー〕、PE−α−オレフィン系コポリマー〔市販品では三井化学社製のタフマー〕、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、シリコーンゴムから選ばれる樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム等を用いて形成することができる。
消し具の形状としては、従来のプラスチック消しゴムと同様に、例えば、棒状、直方体状、円柱状、角柱状、三角錐状、四角錐状などを挙げることができ、更に、ノック式のホルダーで使用したりすることができる。
また、上記消し具をボールペン、ノック式の単色又は多色ボールペン、繊維芯又はプラスチック芯を有するマーキングペン、フェルトペンなどの各筆記具(又はキャップ)の後端部等に、一体に具備したものであっても良い。
このように構成される本発明の消去性筆記具用インク組成物は、紙面と筆記描線との固着性を十分なものとし、指等による擦過によっても全く剥がれることがなく、しかも、インクの経時安定性に優れると共に、プラスチック消しゴムや上記消し具によって簡単に消去することができ、従来の消去性筆記具用インク組成物に較べ、何故、消去性と筆記描線の耐擦過性とが高度に両立するなどの理由としては、以下のように推察される。
本発明では、着色剤として用いる着色樹脂粒子の粒子径を2〜20μmの範囲に特定したため、インク組成物中では経時的安定性、筆記時の感触を損なうことがなく、かつ、紙の繊維の深部まで入り込むことなく表面付近に留まるので、プラスチック消しゴムや上記消し具によって容易に除去することができ、しかも、メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子が紙に対して適度な接着性を有するため良好な耐擦過を発現するので消去性が低下することはなく、且つインク自身の経時安定性にも優れたものとなる。従って、本発明の消去性筆記具用インク組成物では、インクの経時安定性に優れると共に、耐擦過性と描線消去性とを高度に両立すると共に、その両立が経時的にも維持できるものとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜7及び比較例1〜2〕
下記表1に示される配合組成により各消去性筆記具用インク組成物を調製した。
得られた各実施例及び比較例の消去性筆記具用インク組成物を下記構成の水性ボールペン体(三菱鉛筆社製、uni−ball Signo)のインク収容管に充填した。
インク収容管:形状:円筒状、内径4.0mm、ポリプロピレン製、長さ115mmボール径:0.7mm、ボール材質:超硬
得られた各水性ボールペンについて、下記各評価方法により、消去性、耐擦過性、インクの経時安定性、40℃、1カ月後の描線消去性、耐候性について評価した。これらの結果を下記表1に示す。
(消去性の評価方法)
各ペン体をISO規格に準拠した筆記用紙に、直径約2cmの円を螺旋状に筆記し、1分経過後に、その描線を消し具〔SEBS系エラストマー AR−781(アロン化成社製)により成形、ショアA硬度:80、以下同様〕にて消去した。この試験は、25℃、60%RHの環境下で行い、下記の基準で評価した。
評価基準:
◎:筆記した描線が綺麗に消去される。
○:上記◎に較べ描線が僅かに残る部分がある。
△:上記◎に較べ描線が残る部分がある。
×:描線の痕跡が認識できる程度に残る。
(耐擦過性の評価方法)
各ペン体をISO規格に準拠した筆記用紙に、直径約2cmの円を螺旋状に20個筆記し、1分経過後に、その描線上にキムワイプ(日本製紙クレシア社製)を載せ、更に500gの分銅を載せた状態で5回擦過した。この試験は、25℃、60%RHの環境下で行い、下記の基準で評価した。
評価基準:
◎:擦過前と変化がない。
○:上記◎と比較して、描線が薄くなった部分が僅かに認められる。
△:上記◎と比較して、描線が薄くなった部分が認められる。
×:描線全体にわたって描線が薄くなっている。
(インクの経時安定性の評価方法)
得られた各インキを15mlのガラス製蓋付き瓶に充填し、密封した後に、50℃の条件下で1ヶ月保存した。また、夫々のインクについて、分離の状態を目視で確認し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:分離、凝集は発生していない。
△:僅かに分離が認められる。
×:分離又は凝集。
(40℃、1ヵ月経過後の描線消去製の評価方法)
各ペン体をISO規格に準拠した筆記用紙に、直径約2cmの円を螺旋状に20個筆記し、得られた描線を40℃、55%RHの条件化に保存し、1ヵ月経過後、その描線を消し具にて消去し、下記の基準で評価した。
評価基準:
◎:筆記した描線が綺麗に消去される。
○:上記◎に較べ描線が僅かに残る部分がある。
△:上記◎に較べ描線が残る部分がある。
×:描線の痕跡が認識できる程度に残る。
(耐候性の評価方法)
各ペン体をISO規格に準拠した筆記用紙に、直径約2cmの円を螺旋状に20個筆記し、得られた描線をキセノンフェドメーターX25F(FLR40SW/M/36、スガ試験機株式会社製)50時間照射後、その描線を消し具にて消去し、下記の基準で評価した。
評価基準:
◎:筆記した描線が綺麗に消去される。
○:上記◎に較べ描線が僅かに残る部分がある。
△:上記◎に較べ描線が残る部分がある。
×:描線の痕跡が認識できる程度に残る。
Figure 2016084406
上記表1の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜7の各消去性筆記具用インク組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜2の各消去性筆記具用インク組成物に較べて、インクの経時安定性に優れ、耐擦過性と消去性とが高度に両立した消去性筆記具用インク組成物であることが判明した。また、老化防止剤を含有した実施例1〜6の各消去性筆記具用インク組成物は、更に耐候性にも優れていることが確認できた。
水性のボールペンなどに好適な消去性筆記具用インク組成物が得られる。

Claims (4)

  1. 平均粒子径が2〜20μmである着色樹脂粒子と、メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子とを少なくとも含有することを特徴とする消去性筆記具用インク組成物。
  2. 前記メタクリル酸メチルグラフト化イソプレン粒子のグラフト化の割合が15〜40%であることを特徴とする請求項1に記載の消去性筆記具用インク組成物。
  3. 水溶性有機溶剤をインク組成物全量に対して5質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2記載の消去性筆記具用インク組成物。
  4. 老化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の消去性筆記具用インク組成物。
JP2014217367A 2014-10-24 2014-10-24 消去性筆記具用インク組成物 Pending JP2016084406A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019011403A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用インキ組成物およびそれを用いた筆記具

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