JP2016083284A - 遊技機 - Google Patents

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禎幸 新宅
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Toshiyuki Usami
敏幸 宇佐見
隼人 太田
Hayato Ota
隼人 太田
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Yuji Noma
勇志 野間
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Kazuki Tanaka
一樹 田中
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Abstract

【課題】遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】回転軸713と、回転軸713の一端側で回転軸713を回転駆動させる回転機構と、回転軸713に沿って移動可能でありかつ回転軸713とともに回転することを制限して設けられるスライド部715と、回転軸713の他端側に設けられ、スライド部715とともに回転軸713に沿って移動可能でありかつ回転軸713とともに回転する装飾片711と、装飾片711側に固定される一端と、回転機構側に固定される他端と、スライド部715に対して固定される第1固定部771Cとを有する第1ケーブル771と、を備える。
【選択図】図38

Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
例えば、特許文献1には、直線駆動手段によって演出表示装置の前方を左右方向へスライド可能であると共に、回転駆動手段によってスライド方向と直交する軸線Y周りに自転可能な第1可動役物と、この第1可動役物内の第2の回路基板と外部の中継基板とを接続するフラットケーブルとを備える遊技機が開示されている。
特開2012−110433号公報
本発明は、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、回転軸(例えば、回転軸713)と、前記回転軸(例えば、回転軸713)の一端側で当該回転軸(例えば、回転軸713)を回転駆動させる駆動部(例えば、回転機構733)と、前記回転軸(例えば、回転軸713)に沿って移動可能でありかつ当該回転軸(例えば、回転軸713)とともに回転することを制限して設けられる移動体(例えば、スライド部715)と、前記回転軸(例えば、回転軸713)の他端側に設けられ、前記移動体(例えば、スライド部715)とともに当該回転軸(例えば、回転軸713)に沿って移動可能でありかつ当該回転軸(例えば、回転軸713)とともに回転する回転体(例えば、装飾片711)と、前記回転体(例えば、装飾片711)側に固定される一端と、前記駆動部(例えば、回転機構733)側に固定される他端と、当該一端と当該他端との間の中間位置で前記移動体(例えば、スライド部715)に対して固定される被固定部(例えば、第1固定部771C)とを有するフラットケーブル(例えば、第1ケーブル771)と、を備えることを特徴とすることができる。
ここで、前記フラットケーブル(例えば、第1ケーブル771)は、自身の前記他端と前記被固定部(例えば、第1固定部771C)との間において前記回転軸(例えば、回転軸713)に沿って設けられるとともに、当該回転軸(例えば、回転軸713)から離間する向きに突出するように撓む第1撓み部(例えば、第1撓み部771A)と、自身の前記一端と前記被固定部(例えば、第1固定部771C)との間において前記回転軸(例えば、回転軸713)の外周に沿って設けられるとともに、当該回転軸(例えば、回転軸713)から離間する向きに突出するように撓む第2撓み部(例えば、第2撓み部771E)と、を備えることを特徴とすることができる。
また、前記回転体(例えば、装飾片711)は、前記第2撓み部(例えば、第2撓み部771E)よりも前記回転軸(例えば、回転軸713)の径方向外側を通過しながら回転することを特徴とすることができる。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 遊技制御部による基本処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部の主制御処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図であり、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。 コマンドの構成を示す図であり、(a)はコマンドのデータ構造を示す図であり、(b)はコマンドのビット列としての構造を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図20の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図20の当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は保留記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は事前判定処理での大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)は事前判定処理でのリーチ乱数の構成例を示す図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。 タイトルロゴ部を説明するための図である。 演出体を説明するための図である。 第1反転動作部を説明するための図である。 装飾片およびスライド部の構成を説明するための図である。 装飾片およびスライド部の構成を説明するための図である。 第1ケーブルおよび第2ケーブルの構成を説明するための図である。 第1ケーブルの動作を説明するための図である。 第1ケーブルの動作を説明するための図である。 磁石の構成を説明するための図である。 反転駆動部の概念構成を説明するためのブロック図である。 反転駆動部を説明するための図である。 回転機構を説明するための図である。 揺動ギアの動作を説明するための図である。 伸縮機構を説明するための図である。 伸縮用回転円盤の動作を説明するための図である。 伸縮機構を説明するための図である。 反転動作部の動作を説明するための図である。 反転動作部の動作を説明するための図である。 反転動作部の動作を説明するための図である。 反転動作部の動作を説明するための図である。 支持体を説明するための図である。 支持体を説明するための図である。 付勢部を説明するための図である。 移動支持部を説明するための図である。 移動支持部の分解斜視図である。 移動支持部の分解斜視図である。 移動支持部の動作を説明するための図である。 第3ケーブルを説明するための図である。 ケーブルカバーを説明するための図である。 ケーブルカバーを説明するための図である。 第3ケーブルにおける第2撓み部周辺の動作を説明するための図である。 タイトルロゴ部の動作を説明するための図である。 タイトルロゴ部の動作を説明するための図である。 タイトルロゴ部の動作を説明するための図である。 タイトルロゴ部の第1の変形例を説明するための図である。 タイトルロゴ部の第2の変形例を説明するための図である。 タイトルロゴ部の第3の変形例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
なお、以下の説明において、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面上側と紙面下側との方向を上下方向と称し、紙面左側と紙面右側との方向を左右方向と呼ぶ。さらに、図1に示すパチンコ遊技機100に対して遊技者が遊技をする側を前側と呼び、その逆側を後側と呼ぶ。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
そして、本実施の形態の可動役物115は、図1に示すように、造形可動体4、車型ロボット部5およびタイトルロゴ部7を有している。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、一枚の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。なお、電動チューリップ123は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉するように構成しても良い。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件において低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125および第2大入賞口127と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機100は、図1に示すように、第2大入賞口127を備えている。この第2大入賞口127の制御は、大入賞口125と基本的に同じである。例えば、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、第2大入賞口127が開状態となる開放パターンを制御する。そして、本実施の形態では、第2大入賞口127に球技球が入球した場合には、大当たり遊技の終了後に所定の遊技状態に移行するように構成している。具体的には、第2大入賞口127に遊技球が入球した場合、本実施の形態では、高確率状態に移行するように設定している。なお、第2大入賞口127に入賞した場合に、大当たり遊技の終了後に移行させる所定の遊技状態としては、高確率状態に限らず、例えば時短状態に設定しても構わない。また、第2大入賞口127の内側に、さらに特別な入賞口を設けて、特別な入賞口に遊技球が入球した場合に、大当たり遊技の終了後に所定の遊技状態に移行するように構成しても良い。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図5−1は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)101)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S102)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S102でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S103)。
バックアップフラグがONである場合(S103でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S104)。
チェックサムが正常である場合(S104でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S105)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の内部状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S102でYes)、バックアップフラグがOFF(S103でNo)、チェックサムが異常(S104でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S106)、RAM203の作業領域を設定する(S107)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S108)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、313、323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S105参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S108参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S109)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S110)、割り込み禁止(S111)、図柄乱数制御処理(S112)、初期値乱数更新処理(S113)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S114)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S110)および割り込み禁止(S111)は、このループ処理(S110〜S114)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S112)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S113)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S114でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S110〜S114)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S114でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図5−2は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S115)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S116)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S117)、RAM203へのアクセスを禁止して(S118)、無限ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図5−3は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5−1に示すループ処理の中で割り込みが許可(S110参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図7に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S501〜S506)。
乱数更新処理(S501)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S505)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S506)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S502からS504までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S505の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S502〜S505の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330へ出力する。
本実施の形態では、図5−3に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS502〜S505の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5−1乃至図5−3に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、電源投入時に行われる初期動作等の特別処理であり、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力するためである。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5−3のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちS605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。S605の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S611)。この事前判定処理の内容は、上記のS605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。S611の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
S704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、S703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(S801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S802)。特別図柄変動中でない場合(S802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(S803〜S806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S803)。保留数U2が1以上である場合(S803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S804)。一方、保留数U2=0である場合は(S803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S805)。保留数U1が1以上である場合(S805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S806)。一方、保留数U1=0である場合は(S805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S816)。
S804またはS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S811)。S811でセットされた変動開始コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S802で特別図柄変動中と判断された場合(S802でYes)、またはS811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S812)。すなわち、S810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S815)。停止中処理の内容については後述する。S814でセットされた変動停止コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のS604またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
S901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のS604またはS610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S904)。
S901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S902でNo、S905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S906)。
S901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S902、S905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のS902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1001)。そして、大当たりだった場合(S1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1002)。
一方、大当たりしなかった場合(S1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のS604またはS610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1005)。また、リーチ演出を行わない場合(S1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のS604またはS610で取得した変動パターン乱数値およびS1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1008)。S1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1101でNo)またはS1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(S1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1107)。そして、抽選回数X=0であれば(S1107でYes)、確変フラグをOFFにする(S1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1105でNo)またはS1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(S1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1109)。そして、大当たりだった場合(S1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1111またはS1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1113)。また、遊技制御部200は、S1101において時短フラグがONであって、S1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1114)。同様に、S1105において確変フラグがONであって、S1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(S1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1115)。小当たりでなかった場合は(S1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
S1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1117)。ここで、オープニング動作の内容は、S1111、S1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1202)、客待ちフラグをONにする(S1203)。S1202でセットされた客待ちコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1301でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1302)。普通図柄変動中でない場合(S1302でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(S1303)。保留数G=0である場合は(S1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1303でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算し(S1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1305)。当選したか否かは、図7のS704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1307)。この変動時間は、図11におけるS1104、S1114、後述の図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1308)。
S1308で普通図柄の変動を開始した後、またはS1302で普通図柄変動中と判断された場合(S1302でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1309)。すなわち、S1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1309でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1310)。そして、普通図柄変動制御部236は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1311)。当選したならば(S1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1312)。一方、抽選にはずれたならば(S1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1402でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1403でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1405)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1407)。
S1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1408でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1409でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1410)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1411でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1417でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1402でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1415)。そして、エンディング中であるならば(S1415でYes)、上記S1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1415でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1416)。そして、作動中でないならば(S1416でNo)、上記S1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1416でYes)、上記S1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、1502でYes、S1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502でNo、S1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502、S1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1602でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるS1104、S1114、図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
S1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1602でYes)、またはS1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1605でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5−3に示す乱数更新処理(S501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば図17(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1001でYesの場合)の変動パターンとして、3種類の変動パターンA〜Cが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1001でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、6種類の変動パターンD〜Iが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、変動パターンDが60秒、変動パターンEが30秒、変動パターンFが15秒、変動パターンGが13秒、変動パターンHが7秒、変動パターンIが3秒にそれぞれ設定されている。すなわち、特別図柄の変動パターンは、特別図柄抽選における判定結果および特別図柄の変動時間を定める。
また、変動パターンD〜Fは、リーチ演出が行われる場合(図10のS1004でYesの場合)に選択される変動パターンであり、変動パターンG〜Iは、リーチ演出が行われない場合(図10のS1004でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されている。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように構成しているため、変動パターンA〜Cが選択される場合においてリーチ演出の有無は参照されない。
さらに、変動パターンG〜Iのうち、変動パターンGは保留数が0個であるとき、変動パターンHは保留数が1個または2個であるとき、変動パターンIは保留数が3個または4個であるときにそれぞれ選択される変動パターンとして設定されている。すなわち、特別図柄抽選における判定の保留数が多いほど、特別図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている。
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図6のS604、S610参照)と、図18の設定例に示す判定結果、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
なお、図示はしていないが、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA〜Cのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンBが選択され、最も低い割合で変動パターンCが選択されるように設定することができる。
また、図18に示した例では、遊技球が第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とを区別していないが、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞したかに応じて変動パターンの設定を異ならせることもできる。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図19−1は、コマンドの構成を示す図である。図19−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、図19−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図19−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図19−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
図19−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、図19−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19−2は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19−2(a)に示すメイン処理と、図19−2(b)に示す割り込み処理とからなる。図19−2(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S1902で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図19−2(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S1911)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S1912)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S1913)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図20は、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(S2001)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S612)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(S2001でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(S2002)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(S2003)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(S2001でNo)、またはS2003の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2004)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S811)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2004でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2005)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(S2001およびS2004でNo)、またはS2005の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2006)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S814)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2006でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2007)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2001、S2004およびS2006でNo)、またはS2007の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2008)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(S1118)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2008でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(S2009)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006およびS2008でNo)、またはS2009の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2010)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(S1413)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2010でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2011)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006、S2008およびS2010でNo)、またはS2011のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2012)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図21は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図22は、図20の演出選択処理(S2005)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(S2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2202)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2203)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(S2204)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(S2205)。
詳述しないが、S2204における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図19−2のS1903において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図23は、図20の変動演出終了中処理(S2007)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(S2303)。何らかの当たりである場合は(S2303でYes)、その当たりの種類に応じて、図21に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(S2303でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2305)。モードフラグが0でない場合(S2305でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(S2306)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2307)。Mの値が0になったならば(S2307でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(S2308)。
S2305でモードフラグが0であった場合(S2305でYes)、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合(S2307でNo)、またはS2308でモードフラグを0に設定した後、あるいはS2304でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2309)。ここで、図21を参照すると、S2304でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2305でモードフラグが0であった場合およびS2308でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図24は、図20の当たり演出選択処理(S2009)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(S2403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図25は、図20のエンディング演出選択処理(S2011)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S2503)。
図26は、図20の客待ちコマンド受信処理(S2012)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S2604でYesまたはS2603でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(S2605)。タイムアップしていない場合(S2605でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S2605でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S2606)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S2607)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図27は、演出ボタン処理(図19−2(b)のS1912)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S2701でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S2702)。
この後、演出制御部300は、図19−2(b)のコマンド送信処理(S1913)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212(図3参照)がONとなった場合に、図柄変動時の抽選による判定(図8のS808、S809参照)に先立って、特別図柄抽選の抽選結果の事前判定(先読み)を行う(図6のS605、S611参照)。
また、本実施の形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に示唆する予告演出(示唆演出)を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図6参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図28(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図28(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、大当たりに当選した際の変動回数Nが記憶される領域と、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、を有する。また、記憶部204a〜204hの各々は、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数およびリーチ乱数が記憶される。また、記憶部204a〜204hの各々は、事前判定情報が記憶される領域を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のS605、S611参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったことを示すための情報である。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hのいずれにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図29は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図29(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図29(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図29(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して後述する先読み結果の報知コマンドの有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図6のS605、S611および後述の図30参照)が行われ、3番目の保留球に対して報知コマンドがセットされた場合、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において保留球に関して、事前判定の結果を含む情報(保留球情報)を記憶する保留球情報記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、大当たり抽選を行う抽選手段であり、事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するための予告演出を行う演出制御手段である。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図6のS605、S611参照)について詳細に説明する。
まず、事前判定処理での乱数による判定の手法について説明する。
図30は、本実施の形態における事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。図30(a)には事前判定処理での大当たり乱数の構成例、図30(b)には事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例、図30(c)には事前判定処理でのリーチ乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図30(a)を参照すると、事前判定処理での大当たり乱数は、図17(a)に示した大当たり判定処理における大当たり乱数と同様の構成となっている。すなわち、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類が設定されている。乱数の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。事前判定における当選確率は、低確率状態では1/300であり、高確率状態では10/300(=1/30)である。
また、特別図柄抽選ではずれのときに行われる小当たりか否かの判定についても、図17(a)に示した乱数と同様の構成となっている。すなわち、小当たりの当選確率は、低確率状態か高確率状態かに関わらず、3/300(=1/100)である。
図30(b)を参照すると、事前判定処理での大当たり図柄乱数は、図17(b)に示した大当たり判定処理における大当たり図柄乱数と同様の構成となっている。すなわち、第1始動口121に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たり、潜確図柄の大当たりの5種類が用意されている。また、第2始動口122に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たりの4種類が用意されている。
乱数値の範囲は、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞した場合も0〜249の250個である。また、高確率図柄Aおよび高確率図柄Bについては、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とで異なる当選値が設定されており、当選確率が異なっている。
図30(c)を参照すると、事前判定処理でのリーチ乱数は、図17(c)に示した変動パターン選択処理におけるリーチ乱数と同様の構成となっている。すなわち、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。したがって、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、事前判定により、8.8/100(=22/250)の確率でリーチ演出が行われると判定される。
〔遊技制御部による事前判定処理〕
図31は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S611)の内容を示すフローチャートである。
図31に示すフローチャートでは、遊技制御部200は、内部状態が高確率状態か否かを判断し(S3101)、高確率状態であると判断すると(S3101でYes)、始動口スイッチ処理(図6参照)において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。
すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態となる大当たり(図30(b)に示す例では、高確率図柄Aの大当たりおよび高確率図柄Bの大当たり)の当選が確定すると、大当たりに当選した際の変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(特別図柄の変動表示)によって、高確率図柄Aの大当たりに当選した場合には、RAM203に「200」というデータが記憶され、それに伴って、内部状態が高確率時短遊技状態となる。したがって、電源をONしてから、201回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、1回目の大当たりの抽選に相当し、同様に、210回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、10回目の大当たりの抽選に相当することとなる。このように、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たりの抽選の権利が、高確率時短遊技状態に移行してから何回目の大当たりの抽選に相当するのかを演算する。具体的には、遊技制御部200が変動回数Nから基準回数Mを減算することによって演算値Zを取得する(S3102)。
そして、遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であるか否かを判断する(S3103)。ここでいう所定回数Xというのは、高確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。
ここで、例えば、大当たり遊技後の遊技状態が高確率時短遊技状態となる大当たりに当選すると、以後、100回を上限として、大当たり乱数の判定が高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて行われる場合を考える。この場合、所定回数Xは100と設定されることとなり、演算値Zが100以下であるか否かを判断することとなる。
すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たり乱数が、高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのか、それとも、高確率時短遊技状態が終了して低確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(変動回数N=200)によって高確率図柄Aの大当たり(高確率時短遊技状態となる長当たり)に当選したとする。その後、高確率時短率遊技状態になってから98回の大当たりの抽選が行われ、いまだ大当たりに当選していない状況で、変動回数N=299の保留A、変動回数N=300の保留B、変動回数N=301の保留Cが、RAM203に記憶されたとする。このとき、基準回数M=200と設定されているため、保留Aは演算値Z=99となり、保留Bは演算値Z=100となり、保留Cは演算値Z=101となる。したがって、保留Aおよび保留BはS3103で「YES」と判断され、保留CはS3103で「NO」と判断される。
このように、S3102およびS3103の処理によって、現在の内部状態ではなく、あくまでも特別図柄処理時の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な判定結果を導き出すことができる。
遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であると判断すると(S3103でYes)、次に、大当たり遊技後の内部状態を低確率状態に変更する「大当たり」に係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3104)。なぜなら、このような保留球が先に保留されているとなれば、始動口スイッチ処理(図6参照)において保留された保留球を消化するときに、遊技状態が低確率状態になってしまうからである。
したがって、S3104でNoと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3106)、S3104でYesと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3107)。
一方、現在の遊技状態が低確率状態である場合(S3101でNo)や、現在の遊技状態が高確率状態であっても演算値Zが所定回数Xを超えていると判断した場合(S3103でNo)には、次のような処理を行う。すなわち、遊技制御部200は、RAM203の記憶領域204(図28参照)に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3105)。例えば、始動口スイッチ処理(図6参照)のS605において、記憶領域204の第6記憶部204f(図28参照)に乱数を記憶した場合には、第1記憶部204a〜第5記憶部204e(図28参照)に高確率状態となる大当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判断する。すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)において今回生じた保留球よりも先に消化される保留球に、内部状態を高確率状態に変更するものがあるかを判断する。なぜなら、このような保留球が先に存在するとなれば、始動口スイッチ処理において今回生じた保留球を消化するときに、内部状態が高確率状態になってしまうからである。
したがって、S3105でNoと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3107)、Yesと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3106)。
なお、詳しくは図示しないが、S3104およびS3105において、仮に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりと、大当たり遊技後の遊技状態を低確率状態に変更する大当たりとが記憶領域204(図28参照)に記憶されている場合には、遊技制御部200は、これら2つの大当たりのうち、後に消化される保留球に係る事前判定情報に基づいて上記の判断(S3104、S3105)を行う。
このように、S3104およびS3105の処理によって、特別図柄処理の際の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと内部状態が変化する場合や、低確率状態から高確率状態へと内部状態が変化する場合にも、正確な事前判定の結果を導き出すことができる。
この後、遊技制御部200は、選択した判定用テーブルに基づいて各乱数の判定を行い(S3108)、その判定結果を事前判定情報として記憶領域204(図28参照)に記憶する(S3109)。そして、その判定結果が大当たりまたは小当たりであったか否かを判断し(S3110)、大当たりまたは小当たりであった場合には(S3110でYes)、先読み結果の報知コマンド(図では単に報知コマンドと記載)をセットし(S3111)、また、ハズレであった場合(S3110でNo)には、通常コマンドをセットして(S3112)、事前判定処理が終了する。通常コマンドとは、後述の保留表示演出において事前判定(先読み)の結果を報知せず保留数の表示のみを行わせるためのコマンドである。セットされたこれらのコマンドは、保留数増加コマンド(図6のS606、S612参照)に含まれ、出力処理(図5−3のS506参照)において演出制御部300に送信される。
なお、事前判定処理において、図31に図示されていない制御を採用することも考えられる。例えば、ハズレであった場合(S3110でNo)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定し、リーチ演出が行われると判定したときはリーチコマンドをセットする。また、大当たりであると事前判定された場合には(S3110でYes)、大当たりの種類が事前判定される。
〔演出制御部による予告演出〕
パチンコ遊技機100では、特別図柄の変動中にさらに始動口へ遊技球が入賞して保留球が発生した場合に、表示器130(図1、2(a)参照)の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219により保留数に応じた表示が行われる。また、この表示器130による表示に加えて、演出表示の一部として、画像表示部114に保留球に関する情報(有無、保留数等)を表示する演出(保留表示演出)を行うパチンコ遊技機100がある。さらに、上記のように保留球に関して事前判定を行った場合、判定結果を報知または示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出を行うために、演出制御部300により上記の報知コマンドの受け付け処理が行われる。
上述したように、報知コマンドおよび通常コマンドは、保留数増加コマンドに含まれて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。したがって、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911および図20参照)において、保留数増加コマンドを受信した場合に、演出制御部300は、保留数の加算および保留数コマンドをセット(S2001〜S2003参照)するだけでなく、保留数増加コマンドから報知コマンドまたは通常コマンドを抽出し、RAM303に格納する。
〔報知コマンドの受け付け処理〕
図32は、演出制御部300による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。
上記の保留数増加コマンドの受信時の処理の後、演出制御部300は、保留数増加コマンドから抽出された報知コマンドがRAM303に記憶されているか否かを判断する(S3201)。報知コマンドが記憶されていると判断すると(S3201でYes)、演出制御部300は、RAM303における今回の保留球に対応する記憶領域(第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれか)において、保留フラグおよび報知フラグをONにする。保留数増加コマンドから報知コマンドではなく通常コマンドが抽出された場合は、保留フラグのみをONにする(S3202)。なお、報知コマンドが記憶されていない場合(S3201でNo)には、報知コマンド受け付け処理を終了する。
次に、演出制御部300は、RAM303の第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれかにおいて、報知フラグがONとなっているか否かを判断する(S3203)。記憶部305a〜305d、306a〜306dのいずれかにおいて報知フラグがONとなっていると判断した場合(S3203でYes)、次に演出制御部300は、変動時間Tが所定値Kよりも大きいか否かを判断する(S3204)。そして、変動時間Tが所定値Kよりも大きいと判断した場合には(S3204でYes)には、予告演出(報知演出)を行うための報知演出コマンドをセットし(S3205)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
一方、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいても報知フラグがONとなっていないと判断した場合(S3203でNo)および変動時間Tが所定値K以下であると判断した場合(S3204でNo)、演出制御部300は、先読み結果を報知しない通常演出を行うための通常演出コマンドをセットし(S3206)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
なお、これらのコマンドは、演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、保留球ごとの個別情報(第1始動口121および第2始動口122のいずれ係る保留球か、各始動口における何番目の保留球か等)を有している。また、報知演出コマンドには、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっているのかという情報も含まれている。
より詳しくは、ここにいう変動時間Tとは、大当たり判定処理(図9参照)による特別図柄が変動する時間であり、当該変動に係る変動時間ということもできる。また、所定値Kは、予告演出を行うのに必要な時間(尺)よりも大きな値である。例えば、実行しようとする予告演出の尺が3秒である場合、所定値Kとして4秒の値を採用することが考えられる。これは、変動時間Tが実行しようとする予告演出の尺よりも長くなければ、図柄変動中に予告演出を行うことができないためである。したがって、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっている場合であっても、変動時間Tが所定値K以下である場合には、報知演出コマンドではなく通常演出コマンドがセットされる(S3203、S3204、S3206参照)。
なお、変動時間Tは、必ずしも、1回の特別図柄の変動時間(1個の入賞球(保留球)に係る特別図柄の変動が行われる時間)に限定しない。すなわち、変動時間Tとして、複数回(保留数の上限が4個である場合は2回または3回)の図柄変動が行われる時間を設定することができる。言い換えれば、複数回の変動時間を加算した時間がHの値となる。この場合、演出は、複数回の図柄変動にまたがって行われる予告演出(いわゆる連続予告)として行われる。
予告演出が複数回の図柄変動にまたがる場合は、図31のS3104に示したように全体の変動時間Tの下限値を保証するだけでなく、予告演出(連続予告)の尺に対して全体の変動時間Tの長さが余り過ぎないように、予告演出の対象となる図柄変動における変動時間を制限する必要がある。
〔可動役物115〕
次に、上述した可動役物115(図1参照)について説明する。
この可動役物115は、パチンコ遊技機100(図1参照)が行う演出のうち、動きの演出(動き演出)および光による演出(光演出)を担うように構成されており、パチンコ遊技機100の平面視で画像表示部114よりも前側に位置する。
なお、遊技盤110の一部を構成する遊技盤本体は、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、いわゆる透明遊技板である。このため、遊技盤110の後側にある可動役物115の部分も、遊技者が視認可能である。
付言すると、遊技盤本体は、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるポリカーボネート(PC)製である。また、遊技盤本体を、素材としてのアクリル製の板材を切削加工により凹凸形状や切欠き形状を形成する場合に適用することも考えられる。
次に、可動役物115が備えるタイトルロゴ部7について説明する。
<タイトルロゴ部7>
図33は、タイトルロゴ部7を説明するための図である。
図33に示すように、タイトルロゴ部7は、所定の演出を実行する演出体70と、演出体70を支持する支持体80とを備える。
以下、演出体70および支持体80について、各々詳細に説明する。
<演出体70>
図34は、演出体70を説明するための図である。
図34に示すように、演出体70は、所定の演出において反転動作を行う反転動作部71と、反転動作部71を支持するとともに反転動作部71に駆動力を供給する反転駆動部73とを備える。
反転動作部71は、第1反転動作部71Aと、第2反転動作部71Bと、第3反転動作部71Cと、第4反転動作部71Dとを備える。これらの第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、集合して略直方体状の形状(所定形状)を形成する(図33参照)。ここで、所定形状とは、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71D全体としてまとまりのある形状(集合体)をいう。さらに説明をすると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが互いに関連する1つの集合体であることを想起させる形状をいう。
なお、以下の説明においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのいずれかを区別しない場合には、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々を、単に反転動作部71ということがある。
反転駆動部73は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dに囲まれる位置に設けられる略円盤状の本体部73Aと、本体部73Aから左右方向の右側に延びる略直方体状の支持部73Bとを備える。
<第1反転動作部71A>
図35は、第1反転動作部71Aを説明するための図である。
図35に示すように、第1反転動作部71Aは、装飾片711と、回転軸713と、スライド部715と、伸縮腕717とを備える。なお、ここでは第1反転動作部71Aを図示して説明をするが、第2反転動作部71B、第3反転動作部71C、および第4反転動作部71Dも、装飾片711の形状(模様)が異なる点を除き、第1反転動作部71Aと同様に構成される(図34参照)。
装飾片711は、反転動作を行う小片である。また、装飾片711は、回転軸713が内部を貫通する貫通孔(不図示)を備える。また、図示の例における装飾片711は、互いに略平行に設けられた第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cを備え、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cそれぞれの外周側の面には、互いに異なる模様、具体的には、互いに異なる文字(文字列)が形成されている。
回転軸713は、装飾片711の内部を貫通して設けられる軸状部材である。なお、図示の例における回転軸713は、外周面に形成された平坦面(Dカット)713Aを備え、装飾片711内で回転軸713が回転することを抑制する。
スライド部715は、回転軸713が内部を貫通する略円筒状の部材である。
伸縮腕717は、スライド部715に一端が接続される長尺状の部材である。
さて、装飾片711およびスライド部715は、互いに連結して設けられ、かつ回転軸713に沿ってスライド可能に設けられる。
また、装飾片711は、回転軸713に対する周方向の位置が固定される。一方、スライド部715は、回転軸713に対する周方向の位置は固定されない。このことにより、回転軸713は、装飾片711とともに回転しつつ、スライド部715の内部で回転することが可能となる。
この装飾片711は反転動作を行う。より具体的には、装飾片711は、回転軸713周りに回転する回転運動(矢印A2参照)と、回転軸713に沿って移動する伸縮運動(矢印A4参照)とを行うことにより、反転動作を行う。
ここで、装飾片711は、回転軸713が正方向および逆方向に回転する(矢印A1参照)ことにともない、正方向および逆方向に回転運動(矢印A2参照)を行う。また、伸縮腕717が移動する(矢印A3参照)ことにともない、装飾片711は、回転軸713に沿って伸縮運動(スライド移動、矢印A4参照)を行う。
なお、スライド部715は、回転軸713が回転しても(矢印A1参照)、回転軸713とともに回転する動作を行わない。ここで、スライド部715は、回転軸713を回転可能に支持する支持部として捉えることができる。
<装飾片711およびスライド部715>
図36および図37は、装飾片711およびスライド部715の構成を説明するための図である。さらに説明をすると、図36は装飾片711およびスライド部715の斜視図を示す。また、図37は、図36における矢印V1から装飾片711およびスライド部715をみた図である。なお、図37においては第1装飾板711Aの記載を省略しているとともに、例えばスライド部715などの一部の構成を簡略化している。
まず、図36および図37を参照しながら、装飾片711の構成を説明する。
図36および図37に示すように、装飾片711は、表面に所定の文字(文字列)が形成された第1装飾板711Aと、第1装飾板711Aに固定されたブロック部711Bと、ブロック部711Bを挟んで第1装飾板711Aとは反対側(裏面側)に固定され表面に所定の文字(文字列)が形成された第2装飾板711Cとを備える。
また、装飾片711は、LED(Light Emitting Diode)などの発光体により形成される発光部711Dと、第2装飾板711Cに設けられる第1端子711Eおよび第2端子711Fと、第1装飾板711Aに設けられる第3端子711Gとを備える。なお、図示の例においては、第1端子711E乃至第3端子711Gは、ブロック部711Bよりも回転軸713の根元側(図36における右下側)に配置されている。
さらに、装飾片711は、ブロック部711Bを貫通する貫通孔(不図示)に挿入して固定された貫通管711Jと、この貫通管711Jにおけるブロック部711Bから回転軸713の根元側に突出する部分の外周に設けられたフランジ711Kとを備える。
次に、図37を参照しながら、スライド部715の構成を説明する。
スライド部715は、後側の面(図37における紙面裏側の面)から突出し伸縮腕717の一端717Aが固定される第2固定ピン715Aと、回転軸713が内部に挿入される貫通孔715Bと、貫通孔715Bの内周面に設けられる環状溝715Cとを備える。なお、図示の例における環状溝715Cは、回転軸713に沿って各々別部材として設けられる第1固定部材715Dおよび第2固定部材715Eが挟む領域に形成される。
ここで、図37に示すように、スライド部715の環状溝715Cには、装飾片711のフランジ711Kが配置される。このことにより、装飾片711は、スライド部715に対して、回転軸713の周方向には回転可能としつつ、回転軸713の軸方向には移動が制限された状態となる。
次に、図37を参照しながら、装飾片711およびスライド部715の動作について説明をする。
まず、装飾片711は、回転軸713が回転する(矢印A1参照)にともない、回転軸713とともに回転運動を行う(矢印A2参照)。なお、このときスライド部715および伸縮腕717は、回転軸713とともに回転しない。
また、スライド部715は、伸縮腕717が移動する(矢印A3参照)ことにともない、回転軸713に沿って移動する(矢印A4参照)。このとき、スライド部715の環状溝715Cとその内部に配置されたフランジ711Kとが掛り合うことにより、装飾片711に駆動力が伝達される。その結果、装飾片711は、スライド部715とともに回転軸713の軸方向に移動し(矢印A4参照)、伸縮運動を行う。
<第1ケーブル771および第2ケーブル772>
図38は、第1ケーブル771および第2ケーブル772の構成を説明するための図である。なお、上述した図36および図37と、図38とでは、明瞭化のため、回転軸713に対する装飾片711およびスライド部715の角度を変更している。
図39および図40は、第1ケーブル771の動作を説明するための図である。さらに説明をすると、図39は図38における矢印V2から第1ケーブル771周辺をみた図である。また、図40は図38における矢印V3から第1ケーブル771周辺をみた図である。
さて、上記では説明を省略したが、図38に示すように、反転動作部71は、反転駆動部73と、装飾片711に設けられた第1端子711Eとを電気的に接続する第1ケーブル771を備える。また、反転動作部71は、第1装飾板711Aの第2端子711F(図39参照)と、第2装飾板711Cの第3端子711Gとを電気的に接続する第2ケーブル772を備える。これらの第1ケーブル771および第2ケーブル772は、所謂ハーネスであり、例えばフレキシブル・フラットケーブル(FFC;Flexible Flat Cable)により構成される。さらに説明をすると、第1ケーブル771および第2ケーブル772は、それぞれ平行に並べた複数本の導線を内包する帯状の配線材である。この第1ケーブル771および第2ケーブル772は、装飾片711に設けられた、発光部711Dを含む電子部品に電力を供給する。
第1ケーブル771は、一端が反転駆動部73に固定され反転駆動部73およびスライド部715の間で回転軸713に沿って延伸し回転軸713から離間する向きに膨らむ(突出する)ように撓む第1撓み部771Aと、第1撓み部771Aのスライド部715側の一端で折り返される第1折返部771Bと、第1折返部771Bから回転軸713の周方向に沿って延伸しスライド部715に対して固定される第1固定部771Cと、第1固定部771Cの第1折返部771Bとは反対側の一端にて略U字状に反転する反転部771Dと、反転部771Dから回転軸713の周方向に沿って延伸し回転軸713から離間する向きに膨らむ(突出する)ように撓むとともに一端が第1端子711Eに接続(固定)される第2撓み部771Eとを備える。
なお、スライド部715に対して固定される第1折返部771Bは、回転軸713とともに回転しない。さらに説明をすると、第1撓み部771A、第1折返部771Bおよび第1固定部771Cは、回転軸713とともに回転しない。一方、一端が第1端子711Eに対して固定される第2撓み部771Eは、回転軸713とともに回転する。
また、第1ケーブル771における第1撓み部771Aは、側面を前側に向けて配置される。すなわち、第1撓み部771Aは、遊技者からみた第1撓み部771Aの投影面積が抑制される向きに配置される。このことにより、遊技者からみた第1撓み部771Aの存在が目立たなくなる。
さて、図39(a)に示すように、第2ケーブル772は、一端が第2端子711Fに接続された略直線状に延伸する第1延伸部772Aと、第1延伸部772Aの第2端子711Fとは反対側の一端で畳まれた第1畳み部772Bと、一端が第1畳み部772Bに接続された略直線状に延伸する第2延伸部772Cと、第2延伸部772Cの第1畳み部772Bとは反対側の一端で畳まれた第2畳み部772Dと、一端が第2畳み部772Dに接続され第2畳み部772Dとは反対側の一端が第3端子711Gに接続されるとともに略直線状に延伸する第3延伸部772Eとを備える。
なお、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cに対して固定される第2ケーブル772は、回転軸713とともに回転する。
次に、図39(a)および(b)を参照しながら、第1撓み部771Aの動作について説明をする。
まず、図39(a)に示すように、反転動作部71が伸長状態、すなわち、装飾片711が回転軸713の先端側に配置されている状態においては、第1撓み部771Aの撓み量、言い替えると回転軸713から第1撓み部771Aが最も離れる部分までの距離(矢印L11参照)は小さい。
一方、図39(b)に示すように、反転動作部71が収縮状態、すなわち、装飾片711が回転軸713の根元側に配置されている状態においては、第1撓み部771Aの撓み量(矢印L12参照)は、図39(a)に示された第1撓み部771Aの撓み量(矢印L11参照)よりも大きい。
ここで、第1撓み部771Aは、図39(b)に示すように、第1撓み部771Aの撓み量が最も大きくなる状態においても、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cと接触しない。さらに説明をすると、回転運動および伸縮運動を行う第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cの通過領域の径方向内側に位置する寸法で、第1撓み部771Aが形成される。このことにより、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cが、第1撓み部771Aよりも回転軸713の径方向外側を通過するため、第1撓み部771Aが第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cの動作を阻害することが抑制される。
次に、図40を参照しながら、第2撓み部771Eの動作について説明をする。
まず、上述のように、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cは、回転軸713を中心に回転する向きにおいて正逆回転(往復運動)をする。このとき、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cは、図40(a)に示すように第1装飾板711Aが前側に配置される状態から、一方向に回転(矢印A21参照)し、図40(b)乃至(d)に示す状態を順に経て、図40(e)に示すように第2装飾板711Cが前側に配置される状態となる。また、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cは、図40(e)に示すように第2装飾板711Cが前側に配置される状態から、他方向(矢印A21とは反対方向)に回転することにより、図40(d)、図40(c)、図40(b)の状態を順に経て、図40(a)に示すように第1装飾板711Aが前側に再び配置される状態となる。
ここで、図40(a)乃至(e)に示すように、第1ケーブル771は、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cがいずれの角度であっても、反転部771Dと第1端子711Eとの間に第2撓み部771Eが維持される。言い換えると、第1ケーブル771における反転部771Dと第1端子711Eとの間の部分が直線状にならない。このことにより、第1ケーブル771は、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cの回転動作を妨げることなく、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cの間における電気的な接続を可能とする。
また、図40(a)乃至(e)に示すように、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cが一方向に回転する(矢印A21参照)ことにともない、第2撓み部771Eの撓み量、言い替えると、回転軸713から第2撓み部771Eの最も離れる部分までの距離が大きくなる(図中矢印L21乃至L25参照)。
ここで、第2撓み部771Eは、図40(e)に示すように、第2撓み部771Eの撓み量(矢印L25参照)が最も大きくなる状態においても、遊技者からみて第2装飾板711Cの背後に第2撓み部771Eが配置され、第2撓み部771Eの存在が目立たなくなる。なお、図示の例のように、第2撓み部771Eにおける回転軸713から最も離れる部分が第2装飾板711Cの後側に配置され、第2撓み部771E全体が第2装飾板711Cに覆われる構成であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
<磁石775>
図41は、磁石775の構成を説明するための図である。
ここで、上記では説明を省略したが、図41に示すように、反転動作部71は、磁石775を備える。以下、この磁石775について説明をする。
まず、図示の例においては、磁石775は、第1磁石775A乃至第6磁石775Fを備える。そして、第1磁石775A乃至第6磁石775Fの各々は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dに設けられる。
さらに説明をすると、第1反転動作部71Aは、第3反転動作部71Cと対峙する領域に設けられた第1磁石775Aと、第2反転動作部71Bと対峙する領域に設けられた第2磁石775Bとを備える。第2反転動作部71Bは、第1反転動作部71Aと対峙する領域で第2磁石775Bと引き合うように設けられた第3磁石775Cを備える。第3反転動作部71Cは、第1反転動作部71Aと対峙する領域で第1磁石775Aと引き合うように設けられた第4磁石775Dと、第4反転動作部71Dと対峙する領域に設けられた第5磁石775Eとを備える。第4反転動作部71Dは、第3反転動作部71Cと対峙する領域で第5磁石775Eと引き合うように設けられた第6磁石775Fを備える。
また、第1磁石775A乃至第6磁石775Fの各々は、対峙するものどうしが反対の極となるように配置されている。したがって、これらの第1磁石775A乃至第6磁石775Fは、対峙するものどうしが磁力により引き合うことにより、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうち互いに隣り合うものどうしの近接状態を維持する。さらに説明をすると、磁石775は、磁力により、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが集合した際の位置を、安定して再現する。
なお、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの全ての位置が定まればよく、図示の例においては、反転動作部71は第2反転動作部71Bと第4反転動作部71Dとが対峙する領域には磁石775を備えない。しかしながら、第1反転動作部71Aと第2反転動作部71Bとの位置関係、第1反転動作部71Aと第3反転動作部71Cとの位置関係、第3反転動作部71Cと第4反転動作部71Dとの位置関係が、各々磁石775により定まることで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの全ての位置が定まる。付言すると、第1磁石775Aおよび第4磁石775Dを1組の磁石対、第2磁石775Bおよび第3磁石775Cを1組の磁石対、第5磁石775Eおよび第6磁石775Fを1組の磁石対とすると、反転動作部71は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの数(4つ)よりも1つ少ない数の磁石対(3つ)を備える構成として捉えることができる。
ここで、図示の例とは異なり、第2反転動作部71Bと第4反転動作部71Dとが対峙する領域にも互いに引き合う磁石775を設ける構成であってもよい。また、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの少なくとも1つが、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの隣接する他の1つと、磁力により引き合う構成であればよく、例えば、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちのいずれか1つが磁石775を備える構成であってもよい。
また、図41に示す状態から第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが反転動作を行い、第2装飾板711Cが前後方向における前側に配置される状態においても、磁石775の各々が互いに引き合う位置に設けられるとよい。さらに説明をすると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々に設けられる磁石775は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dにおいて、回転軸713の根元から回転軸713に沿って予め定めた距離であって、回転軸713から回転軸713の径方向に予め定めた距離離れた位置に各々設けられるとよい。
このことにより、反転動作を行う前後において、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dどうしの近接状態が維持される。
<反転駆動部73>
図42は、反転駆動部73の概念構成を説明するためのブロック図である。
次に、反転駆動部73について説明をする。
ここではまず、図42を参照しながら、反転駆動部73の概念構成を説明する。
図42に示すように、反転駆動部73は、駆動力を供給する駆動機構731と、この駆動機構731にそれぞれ連結される回転機構733および伸縮機構735とを備える。
この回転機構733は、駆動機構731からの駆動を受けて回転軸713を回転させる。そして、回転機構733が回転軸713を回転させることにともない、反転動作部71(装飾片711)が回転動作を実行する。
また、伸縮機構735は、駆動機構731からの駆動を受けて伸縮腕717を移動させる。そして、伸縮機構735が伸縮腕717を移動させることにともない、反転動作部71(装飾片711)が伸縮動作を実行する。
図43は、反転駆動部73を説明するための図である。
次に、図43を参照しながら、反転駆動部73の構成を具体的に説明する。なお、ここでは、駆動機構731、回転機構733および伸縮機構735の順で、それぞれの機構について説明をする。また、詳細な説明は省略するが、図示の反転駆動部73においては、これら駆動機構731、回転機構733、および伸縮機構735は、カバー736により覆われて設けられる。
駆動機構731は、第1モータ737と、第1駆動軸739と、駆動歯車体741とを備える。
第1モータ737は、駆動機構731の駆動モータにより構成され、正方向および逆方向に回転する。
第1駆動軸739は、第1モータ737により回転する軸状部材であり、左右方向に沿って延伸する。また、第1駆動軸739は、第1モータ737とは反対側の一端に第1傘歯車739Aを備える。なお、第1駆動軸739は、反転動作部71の回転軸713および伸縮腕717と同一面内に配置される。
駆動歯車体741は、第1駆動軸739の第1傘歯車739Aから駆動を受けて回転するギア群である。具体的には、駆動歯車体741は、第1駆動軸739の第1傘歯車739Aと噛み合う第2傘歯車741Aと、第2傘歯車741Aの回転軸である第2駆動軸741Bと、第2駆動軸741Bの前側の一端に設けられ、回転機構733に駆動力を伝達する第1駆動ギア741Cと、第2駆動軸741Bの後側の一端に設けられ、伸縮機構735に駆動力を伝達する第2駆動ギア741Dとを備える。
ここで、反転駆動部73の動作を説明する。
駆動機構731の第1モータ737の駆動を受け、第1駆動軸739が回転(矢印B1参照)することにともない、第1駆動ギア741Cおよび第2駆動ギア741Dが回転する(矢印B2、矢印B3参照)。このことにより、回転機構733および伸縮機構735に駆動力が伝達される。
<回転機構733>
図44は、回転機構733を説明するための図である。
図44に示すように、回転機構733は、前後方向に沿って延伸する回転支持軸750と、回転支持軸750の周囲を回転する第1回転体751と、第1回転体751の回転にともない揺動する揺動ギア753と、揺動ギア753と噛み合い揺動ギア753を案内する固定ギア755と、揺動ギア753の回転軸となる軸片757と、揺動ギア753の揺動にともない回転支持軸750の周囲を回転する第2回転体759と、第2回転体759と噛み合い回転する従動傘歯車761とを備える。
第1回転体751は、本体となる円盤部751Aと、円盤部751Aの外周に沿って形成され第1駆動ギア741Cと噛み合う第1ギア部751Bと、第1ギア部751Bと回転中心を挟んで対向する位置で円盤部751Aから径方向外側に突出する第1揺動腕751Cと、第1揺動腕751Cの先端に設けられる軸受孔751Dとを備える。
揺動ギア753は、平歯車を構成し本体となるギア体753Aと、ギア体753Aにおける偏心した位置で揺動ギア753の回転軸(軸片757)に沿って設けられる偏心ピン753Bと、ギア体753Aの回転中心に形成された軸受孔753Cとを備える。
固定ギア755は、本体となる円環部755Aと、円環部755Aの外周面に沿って形成され揺動ギア753と噛み合う第2ギア部755Bとを備える。この固定ギア755は、その位置が固定されており、第1モータ737からの駆動を受けても回転せず、その位置は固定されたままである。
軸片757は、揺動ギア753の軸受孔753Cおよび第1回転体751の軸受孔751D内に挿入され、揺動ギア753を回転可能に支持する支持軸757Aを備える。
第2回転体759は、本体となる円盤部759Aと、円盤部759Aから径方向外側に突出する第2揺動腕759Bと、第2揺動腕759Bに沿って形成され揺動ギア753の偏心ピン753Bが内部を移動するピン溝759Cと、第2揺動腕759Bにおいて幅方向に拡がる部分であり揺動ギア753を支持する支持部759Dと、円盤部759Aの後側の面に設けられる駆動傘歯車759Eとを備える。
従動傘歯車761は、各々第2回転体759の駆動傘歯車759Eと噛み合う第1従動傘歯車761A、第2従動傘歯車761B、第3従動傘歯車761Cおよび第4従動傘歯車761Dを備える。第1従動傘歯車761A乃至第4従動傘歯車761Dは、各々反転動作部71の回転軸713が固定接続される。また、図示の例の第1従動傘歯車761A乃至第4従動傘歯車761Dは、第1従動傘歯車761Aと第4従動傘歯車761Dとが対峙し、第2従動傘歯車761Bと第3従動傘歯車761Cとが対峙する位置にそれぞれ配置されている。なお、以下の説明においては、第1従動傘歯車761A乃至第4従動傘歯車761Dのいずれかを区別しない場合には、第1従動傘歯車761A乃至第4従動傘歯車761Dの各々を、単に従動傘歯車761ということがある。
ここで、回転機構733の動作を説明する。
まず、第1ギア部751Bは、上述のように、第1モータ737の駆動を受け正方向および逆方向に回転する(矢印B2参照)第1駆動ギア741Cと噛み合う。この第1駆動ギア741Cの回転中心の位置は固定されているため、第1ギア部751Bは、第1駆動ギア741Cの駆動を受けながら回転支持軸750の周方向に沿って移動する(矢印C1参照)。このことにより、第1回転体751が回転し、第1揺動腕751Cが回転支持軸750の周方向に沿って移動(揺動)する(矢印C2参照)。
そして、第1揺動腕751Cの揺動にともない、第1揺動腕751Cに対して回転可能に固定された揺動ギア753が、第2ギア部755Bに沿って移動(揺動)する(矢印C3参照)。また、揺動ギア753は、第2ギア部755Bと噛み合いながら軸片757を中心に回転する(矢印C4参照)。このことにともない、揺動ギア753に設けられた偏心ピン753Bも移動する。
そして、この偏心ピン753Bの移動にともない、この偏心ピン753Bとピン溝759Cを介して掛かり合う第2回転体759は、回転支持軸750の周方向に沿って移動(回転)する(矢印C5参照)。この第2回転体759の回転(矢印C5参照)にともない、第2回転体759の駆動傘歯車759Eと噛み合う従動傘歯車761が回転する(矢印C6参照)。そして、従動傘歯車761に設けられた回転軸713が回転し、反転動作部71が回転動作を実行する(矢印A1参照)。
なお、図示の例においては、揺動ギア753において偏心した位置に設けられる偏心ピン753Bが、ピン溝759Cの内部において移動することにより、第1回転体751における第1揺動腕751Cの揺動(矢印C2参照)と、第2回転体759における第2揺動腕759Bの揺動(矢印C5参照)との動作タイミングがずれる。
さらに説明をすると、回転機構733においては、揺動ギア753が設けられていることにより、第1モータ737の回転と、回転軸713の回転(矢印A1参照)との間で、動作タイミング(位相)がずれる。そこで、揺動ギア753を、第1モータ737および回転軸713の動作タイミングをずらす、ずらし機構として捉えることができる。このずらし機構により、例えば回転軸713(反転動作部71)が回転運動(矢印A1参照)を開始する際の回転速度が抑制される(詳細は後述)。
<揺動ギア753の動作>
図45は、揺動ギア753の動作を説明するための図である。
次に、図44および図45を参照しながら、揺動ギア753の動作について詳細に説明をする。なお、ここでは、図45(a)乃至(e)の順で、揺動ギア753が回転することを説明する。
図45(a)乃至(e)に示すように、揺動ギア753は、第1揺動腕751Cの揺動にともない第2ギア部755Bに沿って移動し(矢印C6参照)、かつ回転する(矢印C4参照)。そして、この揺動ギア753の回転にともない、偏心ピン753Bがピン溝759Cの内部で移動する。
ここで、偏心ピン753Bのピン溝759C内における位置(位相)の変化によって、第1回転体751における第1揺動腕751Cの揺動(矢印C2参照)と、第2回転体759における第2揺動腕759Bの揺動(矢印C6参照)との動作タイミングがずれる。
例えば、図45(a)、(e)に示すように偏心ピン753Bが第2ギア部755Bに最も接近する位置、あるいは図45(c)に示すように偏心ピン753Bが第2ギア部755Bから最も離間する位置においては、第1揺動腕751Cと第2揺動腕759Bとの移動速度の差が最も大きくなる。
一方、図45(b)、(d)に示すように、偏心ピン753Bが第2ギア部755Bからの距離が軸片757と等しい位置においては、第1揺動腕751Cと第2揺動腕759Bとの移動速度は一致する。
さらに説明をすると、図45(a)から図45(b)まで、または図45(d)から図45(e)までのように、偏心ピン753Bが、軸片757の中心よりも第2ギア部755Bに近い位置にある状態では、揺動ギア753における偏心ピン753Bの位置が、第2ギア部755Bの移動方向にて揺動ギア753の進行方向とは反対向きに移動する。このことにより、第1揺動腕751Cよりも、第2揺動腕759Bの速度が遅くなる。
また、図45(b)から図45(d)までのように、偏心ピン753Bが軸片757の中心よりも第2ギア部755Bから遠い位置にある状態では、揺動ギア753における偏心ピン753Bの位置が、第2ギア部755Bの移動方向にて揺動ギア753の進行方向と一致する向きに移動する。このことにより、第1揺動腕751Cよりも、第2揺動腕759Bの速度が速くなる。
このように、図45(a)乃至(e)の各々に示す状態を切り替えながら、揺動ギア753は、第1回転体751における第1揺動腕751Cの揺動(矢印C2参照)と、第2回転体759における第2揺動腕759Bの揺動(矢印C5参照)との動作タイミングをずらす。
<伸縮機構735>
図46は、伸縮機構735を説明するための図である。
伸縮機構735は、回転支持軸750の周囲を回転する伸縮用回転円盤765と、伸縮用回転円盤765の後側にて伸縮用回転円盤765に沿って設けられ回転支持軸750の一端を支持する覆い盤766とを備える。
ここで、伸縮用回転円盤765は、本体となる円盤部765Aと、円盤部765Aの後側の面における径方向外側の位置に設けられる第1固定ピン765Bと、円盤部765Aの周方向に沿って形成され第2駆動ギア741Dと噛み合う第3ギア部765Cとを備える。ここで、伸縮用回転円盤765は、複数(4つ)の第1固定ピン765Bを備え、各々の第1固定ピン765Bには反転動作部71の伸縮腕717が接続される(後述)。また、第1固定ピン765Bに接続された伸縮腕717は、前後方向において伸縮用回転円盤765および覆い盤766により挟まれて配置される。
このように構成された伸縮機構735は、その位置が固定された第2駆動ギア741Dが正逆回転する(矢印B3参照)と、第2駆動ギア741Dと噛み合う第3ギア部765Cが移動し、結果として伸縮用回転円盤765が回転(矢印D1参照)する。この伸縮用回転円盤765の回転にともない、第1固定ピン765Bに接続された伸縮腕717が駆動され、反転動作部71が伸縮動作を実行する。
<伸縮用回転円盤765の動作>
図47は、伸縮用回転円盤765の動作を説明するための図である。
次に、図47を参照しながら、伸縮用回転円盤765の動作について説明をする。
図47に示すように、伸縮用回転円盤765の第1固定ピン765Bに伸縮腕717の他端717Bが回転可能に固定される。また、伸縮腕717の一端717Aは、スライド部715の第2固定ピン715Aに回転可能に固定される。さらに、このスライド部715は、回転軸713に沿って移動可能に設けられている。
このように構成された伸縮用回転円盤765が回転する(矢印D1参照)と、第1固定ピン765Bに接続された伸縮腕717の他端717Bが、伸縮用回転円盤765の周方向に沿って移動する。このとき、伸縮腕717の一端717Aは、回転軸713に沿って移動する。その結果、伸縮用回転円盤765が回転する(矢印D1参照)ことにともない、スライド部715が回転軸713に沿って移動する(矢印A4参照)。
<回転機構733および伸縮機構735の位置関係>
図48は、回転機構733および伸縮機構735の位置関係を説明するための図である。
次に、図48を参照しながら、回転機構733および伸縮機構735の位置関係について説明をする。
まず、回転機構733および伸縮機構735は、前後方向に沿って延伸する回転支持軸750を共通の回転中心とする。すなわち、回転機構733および伸縮機構735は、同軸に設けられている。さらに説明をすると、回転機構733を構成する第1回転体751と、伸縮機構735を構成する伸縮用回転円盤765とは、ともに回転支持軸750の周囲を回転するように設けられている。
また、図48に示すように、回転機構733および伸縮機構735は、各々略平面状に構成され、互いの面に沿って設けられる。すなわち、回転機構733および伸縮機構735は、層状に重ねられて設けられる。
さらに説明をすると、回転機構733および伸縮機構735は前後方向で並ぶとともに、回転機構733が前側に設けられ、伸縮機構735が後側に設けられる。なお、図示の例においては、回転機構733および伸縮機構735は、前後方向において第1駆動軸739を挟む位置に設けられている。
このように、回転機構733および伸縮機構735を層状に重ねることにより、伸縮および回転を行う反転駆動部73の厚み(前後方向の長さ)が抑制される。また、回転機構733が前側に設けられ、伸縮機構735が後側に設けられることにより、回転機構733に接続される回転軸713の後側に、伸縮機構735に接続される伸縮腕717が配置される。その結果、遊技者からみた伸縮腕717の存在が目立たなくなる。
なお、回転機構733および伸縮機構735を層状に重なる位置関係であれば、回転機構733および伸縮機構735の配置は図示の例に限定されるものではない。例えば、伸縮機構735が前側に設けられ回転機構733が後側に設けられる構成であってもよい。あるいは、回転機構733および伸縮機構735の間に回転機構733および伸縮機構735以外の部材を挟む構成であってもよい。
また、回転機構733および伸縮機構735が、前後方向に沿って延伸する回転支持軸750を共通の回転中心として説明をしたが、これに限定されない。
例えば、回転機構733および伸縮機構735が層状に重なる位置関係であれば、回転支持軸750が他の方向に沿って延伸してもよい。
また、回転機構733および伸縮機構735が層状に重なる位置関係であれば、回転機構733および伸縮機構735が、それぞれ別々の回転支持軸を回転中心として回転してもよい。この別々の回転支持軸は、互いに平行な位置関係であってもよいし、互いに平行でない位置関係(例えば捩れた位置関係)であってもよい。
また、第1回転体751および伸縮用回転円盤765は、円盤状であることを説明したが、概形が板状部材であればよく、板面が楕円形や長方形などの多角形などの他の形状であってもよい。また、板状部材の板面に凹凸を備える構成であってもよい。
なお、上記構成における回転軸713は、回転支持軸750と交差する方向に延びる軸として捉えることができる。
<反転動作部71の動作>
図49乃至図52は、反転動作部71の動作を説明するための図である。
次に、図49乃至図52を参照しながら、反転動作部71の動作を説明する。
まず、図49(a)に示すように、反転動作部71が反転動作を開始する前は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは各々が集合した位置(集合位置)に配置される。
また、この集合位置においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dがそれぞれ備える第1装飾板711Aは前側を向き、第1装飾板711Aが遊技者から見える状態である。また、これらの4つの第1装飾板711Aは互いの辺どうしが突き当てられ、互いに接触して配置される。また、これらの4つの第1装飾板711Aは、1つの面である表示部71Eを形成し、この面には「BIG CHANGE」の文字列が形成される。なお、この文字列は、パチンコ遊技機100の機種を示す文字列、所謂タイトルロゴである。
さらに、この集合位置においては、4つの第1装飾板711Aが、反転駆動部73における回転機構733および伸縮機構735が収容される本体部73A(図49(b)参照)を遊技者からみて覆う状態となる。さらに説明をすると、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cが、前後方向において本体部73Aを挟む状態となる。
そして、図49(b)に示すように、反転動作部71が反転駆動部73からの駆動を受けて反転動作を開始すると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、互いに離間する。すなわち、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、集合位置を起点として、各々放射状に拡がる(矢印A41参照)。なお、放射状とは、中央の1点から外側に向けて放出した形のものをいう。また、図示の例においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、放射方向に一斉(同時)に拡がる。また、図49(b)に示す状態においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71D各々の回転軸713を中心とした回転は、開始されていないか、あるいは開始されていたとしても第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが放射状に拡がる動き(矢印A41参照)よりも、移動量が小さい。
そして、図50(c)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、拡がりながら各々回転軸713を中心として回転する。言い替えると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々は、放射方向に沿って拡がる向きに、すなわち移動方向に対してらせん動作(スパイラル動作)を行う(矢印A42参照)。さらに言い替えると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々は、回転軸713周りで捩じられながら移動する。このとき、第1反転動作部71Aおよび第4反転動作部71D、第2反転動作部71Bおよび第3反転動作部71Cは、それぞれ反対向きにらせん動作を行う。すなわち、第1反転動作部71Aおよび第4反転動作部71D、第2反転動作部71Bおよび第3反転動作部71Cは、互いに離間する向きに伸縮運動を行い、かつ互いに反対向きに回転運動を行う。
そして、図50(d)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々の装飾片711が、回転軸713の最も先端側に配置された状態となる。
次に、図51(e)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、互いに接近(集合)しながら各々回転軸713を中心として回転する。言い替えると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々は、放射方向に沿って互いが集まる向きにらせん動作を行う(矢印A43参照)。なお、このとき、第1反転動作部71Aおよび第4反転動作部71D、第2反転動作部71Bおよび第3反転動作部71Cは、それぞれ反対向きにらせん動作を行う。すなわち、第1反転動作部71Aおよび第4反転動作部71D、第2反転動作部71Bおよび第3反転動作部71Cは、互いに接近する向きに伸縮運動を行い、かつ互いに反対向きに回転運動を行う。
そして、図51(f)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dがそれぞれ備える第2装飾板711Cが前側に配置され、第2装飾板711Cが遊技者から見える状態で、さらに接近する(矢印A44参照)。
そして、図52(g)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、再び集合位置に配置される。このとき、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが備える4つの第2装飾板711Cは、互いの辺どうしが突き当てられ、互いに接触して配置される。また、これらの4つの第2装飾板711Cは、1つの面である表示部71Eを形成し、第2の面として「GREAT」の文字列を形成する。このとき、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、図49(a)に示すときとは反対側の面(裏面)が遊技者にみえる状態となる。また、4つの第2装飾板711Cは、遊技者からみて、反転駆動部73における本体部73A(図49(b)参照)を覆う位置となる。
その後、反転動作部71は、反転駆動部73からの駆動を受けて、図49(a)に示す状態へと戻る。すなわち、反転動作部71は、反転駆動部73から上記とは反対向きの駆動力を受けながら、図52(g)、図51(f)、図51(e)、図50(d)、図50(c)、図49(b)の状態を順に経て、再び図49(a)に示す状態へと戻る。
ここで、図52(h)は、図52(g)に示す反転動作部71の裏面側、すなわち後側から反転動作部71をみた図である。図52(h)に示すように、反転動作を行い後側に向けて配置された第1装飾板711Aは、図49(a)に示すような「BIG CHANGE」の文字列を構成しておらず、各々がずれた向きに配置される。付言すると、図示は省略するが、上述の図49(a)に示す状態において後側に向けて配置された第2装飾板711Cも、図52(g)に示すような「GREAT」の文字列を構成しておらず、各々がずれた向きに配置される。
さて、上記のように反転動作部71が回転動作および伸縮動作をともに行い、らせん動作を実行することで、例えば伸縮動作をした後に回転動作を行う構成と比較して、素早い変形が可能となる。
また、上記のように反転動作部71が分離および集合する変形を行い遊技者の注意を引いた後に、第1面および第2面の間で形成面が切り替わることにより、例えば反転動作部71が集合した状態を維持したまま第1面および第2面の形成面が変わる構成と比較して、より大きなインパクトを遊技者に与えることができる。
<演出体70の変形例>
さて、上記の演出体70の変形例について説明をする。
まず、上記の説明においては、反転動作部71の第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが共通の駆動源(第1モータ737)により駆動を受けることを説明したが、これに限定されない。例えば、演出体70が、回転動作の駆動力を供給する回転モータ(不図示)と、伸縮動作の駆動力を供給する伸縮モータ(不図示)とを備える構成であってもよい。この構成により、回転動作と伸縮動作を実行するタイミングをずらすことが可能となる。
具体的に説明をすると、例えば、回転モータ(不図示)を駆動させつつ伸縮モータ(不図示)を停止させることで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dに回転動作のみを実行させる状態とすることができる。あるいは、回転モータを停止させつつ伸縮モータを駆動させることで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dに伸縮動作のみを実行させる状態とすることができる。
また、回転モータ(不図示)および伸縮モータ(不図示)を駆動させるタイミングを切り替えることにより、伸縮動作のみを行った後にらせん動作を行うことも可能となる。また、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが互いに離間した位置において、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが回転動作あるいは伸縮動作のいずれかを繰り返すことで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dを揺動させることが可能となる。
さらに、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが拡がる動作および集まる動作を行う際に、いずれか一方でらせん動作を行い、他方で回転動作を行わず伸縮動作のみを行うことが可能となる。すなわち、拡がる過程と集まる過程とで、回転動作をともなうか否かを切り替えることができる。
また、例えば、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々が、回転モータ(不図示)および伸縮モータ(不図示)を備える構成であってもよい。このように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが各々別個の駆動源を備えることで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71D各々が反転動作を実行するタイミングをずらすことが可能となる。
さらに説明をすると、例えば、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの順で反転動作を開始させることができる。あるいは、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの一部が反転動作を行い、それ以外は反転動作を行わない構成であってもよい。なお、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの一部のみが反転動作を行う構成により、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが形成する形成面を切り替えてもよい。
また、上記の説明においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが反転動作を行うことにより、第1の面「BIG CHANGE」から第2の面「GREAT」に変化することを説明した。しかしながら、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが一方向に回転した後に、再び同じ面を見せて停止してもよい。具体的には、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71D各々を、第1の面「BIG CHANGE」を形成した状態から、離間および再集合するまでの間に、回転軸713周りに360度回転させることにより、再集合した状態において再び同一の面である第1の面「BIG CHANGE」を形成してもよい。
また、上記の説明においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが反転動作を行う際に、一方向に回転しながら、第1の面「BIG CHANGE」から第2の面「GREAT」に変化し、その後に反対方向に回転しながら、第2の面「GREAT」から第1の面「BIG CHANGE」に戻ることを説明した。しかしながら、第2の面「GREAT」から第1の面「BIG CHANGE」に変化する際に、第1の面「BIG CHANGE」から第2の面「GREAT」に変化する反転動作と同じ向き、すなわち一方向に回転してもよい。
また、上記説明では、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが放射方向に移動することを説明したが、これに限定されない。第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのいずれかが、他から離間するように移動する構成であればよい。したがって、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが、それぞれ上下方向や左右方向に移動することで互いに離間する構成であってもよい。あるいは、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの1つは移動せずに、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの他の3つが移動するなど、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの一部のみが移動することにより、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが互いに放射方向で離間した状態とする構成であってもよい。
さらに、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが4つ設けられることを説明したが、複数設けられる構成であれば、2つ、3つ、あるいは5つ以上であってももちろんよい。
また、上記では、第1の面「BIG CHANGE」と第2の面「GREAT」との間で文字列が変化することを説明したが、これに限定されない。第1の面と第2の面とで遊技者に与える印象が異なる構成であればよく、例えば第1の面と第2の面とで色が異なる構成や、材質が異なる構成、あるいは模様が異なる構成であってもよい。さらに説明をすると、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711CにLEDや液晶ディスプレイなどの表示手段を備え、この表示手段により互いに異なる色や模様を表示する構成であってもよい。なお、第1の面と第2の面とで遊技者に与える印象が一致する構成を排除するものではない。具体的には、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cの面に形成される模様(文字列)が、互いに一致する構成であってもよい。
また、第1の面と第2の面を形成する第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cとは、各々平面状の部材である必要はなく、それぞれが例えば球面など凹凸を備える面であってももちろんよい。また、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dがそれぞれ第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cに替えて、球状の装飾部材(不図示)を備え、この球状の装飾部材を回転軸713周りで回転させかつ回転軸713に沿って移動させてもよい。
また、反転動作にともない回転軸713周りに回転させる角度は特に限定されずに、上述のように180度回転させることや、360度回転させること以外にも、例えば90度回転させる、720度回転させるなどの構成であってもよい。
<支持体80>
図53および図54は、支持体80を説明するための図である。さらに説明をすると、図53は左側から右側の向きで支持体80をみた図であり、図54は右側から左側の向きで支持体80をみた図である。
図53および図54に示すように、支持体80は、基部81と、基部81に沿って移動可能に設けられた移動支持部83とを備える。
<基部81>
基部81は、長手方向が上下方向に沿って設けられた長尺状の部材である。この基部81は、第2モータ811と、それぞれ移動支持部83を案内する第1案内溝813、第2案内溝815、および第3案内溝817と、移動支持部83に付勢力を加える付勢部818と、第2モータ811からの駆動を受けて回転する駆動歯車群819と、移動支持部83に対して固定されるとともに駆動歯車群819から駆動を受けて移動するラックギア821とを備える。
第2モータ811は、移動支持部83を駆動する駆動力を供給する。この第2モータ811は、第2モータ歯車811A(図54参照)を備える。
第1案内溝813および第3案内溝817は、図53に示すように、基部81の第1面81Aに形成されるとともに、上下方向に延びる略直線状の溝である。
第2案内溝815は、上下方向に延びる略直線状の直線部815Aと、直線部815Aの下側の端部と連続し、下側に進むに従い後側に進む向きに傾斜する傾斜部815Bとを備える。なお、直線部815Aと傾斜部815Bとは、屈曲部815Cを介して接続されている。この第2案内溝815は、前後方向において、第1案内溝813および第3案内溝817によって挟まれる位置に設けられる。さらに説明をすると、図示の例においては、前後方向の後側から前側に向かう向きにおいて、第1案内溝813、第2案内溝815、第3案内溝817の順に形成されている。
駆動歯車群819は、第1連結ギア819A乃至第8連結ギア819Hを備える。第1連結ギア819Aは第2モータ歯車811Aと噛み合う。また、第1連結ギア819A乃至第8連結ギア819Hは隣り合うものどうしが噛み合う。
ラックギア821は、長手方向が上下方向に沿って設けられた長尺状の部材である本体821Aと、本体821Aの後側の側面に設けられ第8連結ギア819Hと噛み合うラックギア部821Bと、本体821Aに複数設けられるボルト孔821Cとを備える。なお、このラックギア821は、ボルト孔821Cに挿入されるボルト(不図示)を介して、移動支持部83に固定される。
このように構成される基部81においては、第2モータ歯車811Aが正方向および逆方向に回転(矢印H1参照)することにより、駆動歯車群819が回転する。この駆動歯車群819の回転にともない、ラックギア821が上下方向に沿って移動する(矢印H2参照)。その結果、ラックギア821に固定された移動支持部83が上下方向に沿って移動する(矢印H2参照)。
<付勢部818>
図55は、付勢部818を説明するための図である。
次に、図55を参照しながら、付勢部818について説明をする。
図55に示すように、付勢部818は、上下方向に沿って設けられるスプリング818Aと、スプリング818Aにおける下側の一端に接続され第3案内溝817に沿って移動する移動片818Bと、移動片818Bから突出する部分であり移動支持部83に設けられた押圧片848の移動経路内に配置される突起818Cと、スプリング818Aにおける上側の一端を固定する固定ピン818Dとを備える。
ここで、図55(a)に示すように、上下方向に移動する移動支持部83が上側に配置されている状態においては、移動支持部83の押圧片848は、移動片818Bから離間しており、スプリング818Aに対して移動支持部83からの力が加わっていない状態である。このとき、移動片818Bの突起818Cは、第2案内溝815の屈曲部815Cよりも上側に配置される。
次に、図55(a)の状態から、移動支持部83が下側に移動する。そして、下側に移動する移動支持部83の押圧片848は、移動片818Bの突起818Cに接触する(図55(b)参照)。
さらに、図55(b)に示す状態から、移動支持部83が下側に移動する。このことにともない、移動片818Bが下側に移動し、スプリング818Aが伸びる(伸長状態となる)。このことにともない、スプリング818Aの弾性力により、移動支持部83の押圧片848を上側に移動させる付勢力(矢印K1参照)が加えられる。その結果、付勢部818は、第2案内溝815に沿って移動する移動支持部83が、屈曲部815Cを通過して後側に移動する際に、移動支持部83の上下方向における速度を減速させる。
なお、図55(c)、図55(b)および図55(a)の順で、移動支持部83が上側に移動する際には、付勢部818は、スプリング818Aの弾性力により、移動支持部83の上側への移動を補助する。
<移動支持部83>
図56は、移動支持部83を説明するための図である。
図57および図58は、移動支持部83の分解斜視図である。さらに説明をすると、図57は、移動支持部83を左側から右側にみた分解斜視図であり、図58は、移動支持部83を右側から左側にみた分解斜視図である。
図56に示すように、移動支持部83は、演出体70の反転駆動部73を支持し、所謂台座として機能する。また、移動支持部83は、基部81からの駆動力を受けて、反転駆動部73を上下方向および前後方向へ移動させる。
図57および図58に示すように、移動支持部83は、第1案内溝813に沿って移動する第1案内部831と、第2案内溝815に沿って移動する第2案内部833と、第1案内部831およびラックギア821に対して固定されるベース835と、第2案内部833に対して固定されるとともに反転駆動部73を支持するスライド部837と、第1案内部831、ベース835およびスライド部837によって支持されながら基部81と反転駆動部73とを電気的に接続する第3ケーブル841とを備える。
第1案内部831は、板状の部材であり、ボルト孔831Aと、上側に突出する突出する突出部831Bと、第3ケーブル841が内部を通る第1ケーブル開口831Cとを備える。この第1案内部831は、第1案内溝813内に配置され、長手方向が第1案内溝813に沿った状態で、第1案内溝813内を移動する。
第2案内部833は、板状の部材であり、基部81側の面から突出する第1案内ピン833Aと、反転駆動部73側の面から突出する固定脚833Bとを備える。この第2案内部833は、第1案内ピン833Aが第2案内溝815に配置された状態で、第2案内溝815に沿って移動する。
ベース835は、板状の部材であり、ボルト孔835Aと、長手方向が前後方向に沿う梁状の部分であるディスク支持部835Bと、長手方向が前後方向に沿う第1長孔835Cと、反転駆動部73側の面で第1長孔835Cよりも上側に形成され長手方向が前後方向に沿う第1凹部835Dと、第1凹部835Dよりも上側に形成され長手方向が前後方向に沿う第2長孔835Eおよび第3長孔835Fと、反転駆動部73側の面で上下方向において第2長孔835Eおよび第3長孔835Fの間に形成され長手方向が前後方向に沿う第2凹部835Gと、第2凹部835Gの後側の一端に設けられ第3ケーブル841が内部を通る第2ケーブル開口835Hと、基部81側の面から突出する固定脚835Jとを備える。
このベース835は、第1案内部831のボルト孔831Aに挿入されるボルト(不図示)が、ボルト孔835Aを貫通して固定されることにより、第1案内部831に対して固定される。また、ベース835の固定脚835Jは、第3案内溝817内に配置される。このことにより、第1案内部831が第1案内溝813内を移動し、かつ固定脚835Jが第3案内溝817内を移動することにより、ベース835が上下方向に沿って移動する。
また、ベース835の第2長孔835Eおよび第3長孔835F内には、第2案内部833の固定脚833Bが配置される。このことにより、ベース835に対する第2案内部833の移動は、上下方向では制限され、前後方向では許容される状態となる。
スライド部837は、板状の部材であり、反転駆動部73側の面に形成され反転駆動部73の端部を受ける第3凹部837Aと、第3ケーブル841が内部を通る第3ケーブル開口837Bと、回転軸が上下方向に沿うディスク837Cと、基部81側の面から突出する第2案内ピン837D〜第8案内ピン837Kと、基部81側の面に形成され長手方向が前後方向に沿う第4凹部837Lとを備える。
このスライド部837においては、第2案内ピン837Dおよび第3案内ピン837Eがベース835の第3長孔835F内に配置され、第4案内ピン837Fおよび第5案内ピン837Gがベース835の第2長孔835E内に配置される。また、第6案内ピン837Hが第1凹部835D内に配置され、第7案内ピン837Jおよび第8案内ピン837Kが第1長孔835C内に配置される。また、ディスク837Cは前後方向に延伸するディスク支持部835Bによって支持される。
このことにより、ベース835に対するスライド部837の移動は、上下方向では制限され、かつ前後方向では許容される状態となる。
さらに、スライド部837においては、第2案内ピン837D乃至第5案内ピン837Gが、第2長孔835Eおよび第3長孔835F内に配置された第2案内部833の固定脚833Bに対して固定される。例えば、図示の例においては、固定脚833Bの内部に第2案内ピン837D乃至第5案内ピン837Gが挿入されることにより固定される。このことにより、スライド部837は第2案内部833に対して固定され、第2案内部833とともに移動する。さらに説明をすると、スライド部837は、第2案内部833とともに、第2案内溝815に沿って移動する。
<移動支持部83の動作>
図59は、移動支持部83の動作を説明するための図である。
次に、図59を参照しながら、本実施の形態の移動支持部83の動作を説明する。なお、ここでは、移動支持部83が上側から下側に移動する場合を説明する。
まず、図59(a)に示すように、スライド部837は、ベース835に対して前後方向においてスライド移動可能である(矢印J2参照)。また、スライド部837に対して、第2案内部833が固定される。そして、この第2案内部833が備える第1案内ピン833Aは、第2案内溝815に配置された状態である。また、ベース835に対して固定される第1案内部831は、第1案内溝813に配置され、ベース835の固定脚835Jは、第3案内溝817内に配置される。
この状態において、移動支持部83は、駆動を受けると、第1案内部831、第1案内ピン833Aおよび固定脚835Jが、それぞれ第1案内溝813乃至第3案内溝817内を移動しながら、下側へと移動する(矢印L1参照)。
そして、さらに移動支持部83が下側に移動すると、図59(b)に示すように、第2案内部833の第1案内ピン833Aが、第2案内溝815に案内されることにより後側に移動する。このことにより、ベース835に対して、スライド部837が後側に移動する(矢印L2参照)。その結果、スライド部837に固定された反転駆動部73(演出体70)が後側に移動する(矢印L2参照)。
<第3ケーブル841>
図60は、第3ケーブル841を説明するための図である。
図60に示すように、第3ケーブル841は、所謂ハーネスであり、例えばフレキシブル・フラットケーブルにより構成される。さらに説明をすると、第3ケーブル841は、平行に並べた複数本の導線を内包する帯状の配線材である。この第3ケーブル841は、基部81に設けられた第4端子843と、反転駆動部73に設けられた第5端子845とを電気的に接続する。
さらに説明をすると、第3ケーブル841は、一端が第4端子843に接続され左右方向に沿って延伸する第1延伸部841Aと、第1延伸部841Aの第4端子843とは反対側の一端で折られた第1折部841Bと、第1折部841Bから上下方向に沿って延伸する第2延伸部841Cと、第2延伸部841Cの第1折部841Bとは反対側の一端で畳まれた第1畳み部841D、第2畳み部841E、および第3畳み部841Fとを備える。
また、第3ケーブル841は、第3畳み部841Fから上下方向に沿って下側に延びる第3延伸部841Gと、第3延伸部841Gの第3畳み部841Fとは反対側の一端に設けられ下側に膨らむように撓む第1撓み部841Hと、第1撓み部841Hから上下方向に沿って上側に延びる第4延伸部841Iと、第4延伸部841Iの第1撓み部841Hとは反対側の一端で折られた第2折部841Jと、第2折部841Jから上下方向に沿って下側に延びる第5延伸部841Kと、第5延伸部841Kを前後方向に折り返す第1折返部841Lとを備える。
また、第3ケーブル841は、第1折返部841Lから前後方向に沿って前側に延びる第6延伸部841Mと、第6延伸部841Mの第1折返部841Lとは反対側の一端で折られた第3折部841Nと、第3折部841Nから前後方向に沿って前側に延びる第7延伸部841Pと、第7延伸部841Pの第3折部841Nとは反対側の一端に設けられ前側に膨らむように撓む第2撓み部841Qと、第2撓み部841Qから前後方向に沿って後側に延びる第8延伸部841Rと、第8延伸部841Rの第2撓み部841Qとは反対側の一端で折られた第4折部841Sと、第4折部841Sから左右方向に沿って左側に延び第4折部841Sとは反対側の一端が第5端子845に接続される第9延伸部841Tとを備える。
なお、第3ケーブル841における第1延伸部841Aから第3畳み部841Fまでは基部81に対して固定され、第3延伸部841G、第1撓み部841H、および第4延伸部841Iは、第1案内溝813内に配置される。また、第2折部841Jは第1案内部831の第1ケーブル開口831C内を貫通するとともに、第1折返部841Lは第1案内部831に対して固定される。
また、第3折部841Nは、ベース835の第2ケーブル開口835Hを貫通するとともに、ベース835に対して固定される。また、第7延伸部841P、第2撓み部841Q、第8延伸部841Rは、ベース835の第2凹部835Gと、スライド部837の第4凹部837Lとにより形成される空間内に配置される。
また、第4折部841Sは、スライド部837の第3ケーブル開口837B内を貫通するとともに、スライド部837に対して固定される。また、第9延伸部841Tは、反転駆動部73に対して固定される。
また、第1案内部831が上下方向に移動することにともない、第1案内溝813内における第1撓み部841Hの位置は変化する(破線で示す第1撓み部841H参照)。
また、スライド部837が前後方向に移動することにともない、ベース835の第2凹部835Gと、スライド部837の第4凹部837Lとにより形成される空間内における第2撓み部841Qの位置は変化する(破線で示す第2撓み部841Q参照)。
なお、第1撓み部841Hおよび第2撓み部841Qは、第3ケーブル841の厚み方向において略U字状に反転した反転部として捉えることができる。
なお、第1案内溝813と、第2凹部835G(第4凹部837L)とは、互いに交差する方向に延びる溝として捉えることができる。なお、第1案内溝813と、第2凹部835G(第4凹部837L)とが交差する角度としては、90度(直交)であってもよいし、90度以外の角度であってもよい。
また、上記では、第3折部841Nが、ベース835に対して固定されることを説明したが、第3ケーブル841における第1撓み部841Hおよび第2撓み部841Qの間の中間位置が、ベース835に対して固定される構成であればよく、例えば第3折部841Nに替えて、第6延伸部841Mや第1折返部841Lが、ベース835に対して固定されてもよい。
また、図示の例とは異なり、第3ケーブル841において、第1撓み部841Hおよび第2撓み部841Qの間に、第4延伸部841I乃至第7延伸部841Pを設けることを説明したが、これに限定されない。例えば、図示の例とは異なり、第2折部841J、第5延伸部841K、第6延伸部841M、第3折部841Nを備えずに、第1撓み部841Hおよび第2撓み部841Qが、第4延伸部841I、第1折返部841Lおよび第7延伸部841Pを介して連続する構成であってもよい。
また、図示の例においては、第1撓み部841Hおよび第2撓み部841Qが90度異なる向きに配置される、言い替えると、第4延伸部841Iおよび第7延伸部841Pが90度で交差することを説明したがこれに限定されない。第4延伸部841Iおよび第7延伸部841Pが、45度や60度など、90度以外の角度で交差する構成であってもよい。
<ケーブルカバー847>
図61および図62は、ケーブルカバー847を説明するための図である。より詳細には、図61は、本実施の形態のケーブルカバー847の斜視図であり、図62(a)は図61の矢印V4からみたケーブルカバー847を示し、図62(b)は図61の矢印V5からみたケーブルカバー847を示し、図62(c)は図61の矢印V6からみたケーブルカバー847の断面図を示す。
次に、図61および図62を参照しながら、本実施の形態のケーブルカバー847について説明をする。
上記では説明を省略したが、図61に示すように、第3ケーブル841は、第1案内溝813内に設けられ第3ケーブル841を覆うケーブルカバー847を備える。
このケーブルカバー847は、第3ケーブル841に沿って延びる帯状の部材である。このケーブルカバー847は、ケーブルカバー847によって覆われている領域が視認可能である程度に透明な樹脂により形成される。また、ケーブルカバー847は、第3ケーブル841の第3延伸部841G、第1撓み部841H、第4延伸部841Iを覆う。このケーブルカバー847は、厚み方向において略U字状に曲げられた部材として捉えることができる。
図62(a)に示すように、ケーブルカバー847は、第3ケーブル841の第4延伸部841I側を覆う領域であり幅方向の長さ(前後方向の長さ)が長い幅広部847Aと、第3ケーブル841の第3延伸部841G側を覆う領域であり幅広部847Aよりも幅方向の長さが短い幅狭部847Bとを備える。
ここで、図62(a)に示すように、幅広部847Aおよび幅狭部847Bは第3ケーブル841よりも幅方向の長さが長い。なお、幅狭部847Bは、第3ケーブル841の幅以下の幅であってもよい。
また、図62(b)に示すように、ケーブルカバー847の一端847Cは、第1案内部831(ベース835)に対して固定されており、ケーブルカバー847の他端847Dは、第1案内溝813の底に固定されている。このことにより、ケーブルカバー847は、ベース835が上下方向に移動すると、第3ケーブル841の第3延伸部841G、第1撓み部841H、第4延伸部841Iとともに第1案内溝813内で移動および変形する(図62(b)に破線で示す第3ケーブル841およびケーブルカバー847参照)。
また、上記では説明を省略したが、第1案内溝813は、第1案内溝813の内周面であって第1案内溝813の長手方向に沿う側面から第1案内溝813の内側に向けて突出する第1突出部813Aおよび第2突出部813Bを備える(図61参照)。
図示の例においては、第1突出部813Aは、第1案内溝813の長さ方向全体にわたって延伸する。
また、図62(c)に示すように、第2突出部813Bは、第1案内溝813における上側の領域に延伸する。この第2突出部813Bは、第1突出部813Aよりも第1案内溝813の底側(右側)に設けられる。
ここで、図62(c)に示すように、前後方向における第1突出部813Aどうしの間隙(幅)は、ケーブルカバー847(幅広部847A)の幅よりも狭い。また、前後方向における第2突出部813Bどうしの間隙(幅)は、ケーブルカバー847(幅広部847A)の幅よりも狭い。
また、図62(c)に示すように、ケーブルカバー847の幅広部847Aは、左右方向(図中上下方向、深さ方向)において、第1突出部813Aおよび第2突出部813Bに挟まれて設けられる。このことにより、ケーブルカバー847が左右方向に移動することが制限される。その結果、ケーブルカバー847は、ケーブルカバー847よりも第1案内溝813の底側に配置される第3ケーブル841が、第1案内溝813から外へ突出することを抑制する。特に、移動支持部83が上下方向に移動する際に、第3ケーブル841の第3延伸部841G、第1撓み部841H、第4延伸部841Iが第1案内溝813から左側に飛び出し、損傷を受けることが抑制される。
また、ケーブルカバー847の幅狭部847Bは、第1案内溝813の内周面から離間して設けられることにより、移動支持部83が上下方向に移動する際に、幅狭部847Bと第1案内溝813の内周面との間で生じる摩擦力が抑制される。
なお、第1突出部813Aおよび第2突出部813Bは、ケーブルカバー847の左右方向の移動を制限する制限部として捉えることができる。また、第1突出部813Aおよび第2突出部813Bのいずれか一方が設けられる構成であってもよい。あるいは、第1突出部813Aおよび第2突出部813Bを設けない構成であってもよい。第1突出部813Aおよび第2突出部813Bを設けない構成においては、例えばケーブルカバー847の幅広部847Aと、第1案内溝813の内周面との間の摩擦により、ケーブルカバー847の左右方向の移動が制限される。
また、ここでは第1案内溝813の内部に第1突出部813Aおよび第2突出部813Bを設けることを説明したが、ケーブルカバー847の左右方向の移動が制限される構成であればこれに限定されない。例えば、第1突出部813Aおよび第2突出部813Bを設けずに、第1案内溝813の内周面と幅広部847Aの側面との摩擦により、ケーブルカバー847の位置を制限する構成であってもよい。
また、ここではケーブルカバー847が、一端側に幅広部847Aを備え、他端側に幅狭部847Bを備えることを説明したが、ケーブルカバー847を覆うことができれば、これに限定されない。例えば、第3ケーブル841が第3ケーブル841の幅よりも長い一定の幅により形成されてもよい。あるいは、ケーブルカバー847の長手方向の中央部側に幅広部847Aを備え、両端側に幅狭部847Bを備える構成としてもよい。
また、ケーブルカバー847は、第1案内溝813内に設けられた第3ケーブル841の少なくとも一部を覆う構成であればよい。また、図示の例とは異なり、第1案内溝813内で撓まずに、第1案内溝813内で一方向に沿って配置される第3ケーブル841をケーブルカバー847が覆う構成であってもよい。
また、ここではケーブルカバー847を備える構成として説明をしたが、ケーブルカバー847を備えない構成であってもよい。例えば、第3ケーブル841の幅を、前後方向における第1突出部813Aどうし、あるいは第2突出部813Bどうしの間隙(幅)よりも大きくする構成であってもよい。この構成においては、第3ケーブル841は、左右方向(深さ方向)において、第1突出部813Aおよび第2突出部813Bに挟まれて設けられる。このことにより、第3ケーブル841が左右方向に移動することが制限される。なお、第3ケーブル841が、上記幅広部847Aのように、第3ケーブル841における他の部分よりも幅が広い部分を備え、この部分における幅を、第1突出部813Aどうし、あるいは第2突出部813Bどうしの間隙よりも大きくする構成であってもよい。
<第2撓み部841Q周辺の動作>
図63は、第3ケーブル841における第2撓み部841Q周辺の動作を説明するための図である。
次に、図63を参照しながら、第3ケーブル841における第2撓み部841Q周辺の動作を説明する。
まず、図63(a)に示すように、第3ケーブル841の第7延伸部841P、第2撓み部841Q、および第8延伸部841Rは、ベース835の第2凹部835Gと、スライド部837の第4凹部837Lとにより形成される空間内に配置される。そして、第3折部841Nはベース835に対して固定され、第4折部841Sはスライド部837に対して固定される。
この構成において、スライド部837が、ベース835に対して、前後方向にスライド移動する(矢印J2参照)。このことにともない、第3ケーブル841の長手方向における、第7延伸部841P、第2撓み部841Q、および第8延伸部841Rの長さの総和は維持されたまま、第7延伸部841Pおよび第8延伸部841Rの長さが変化する。このとき、第2撓み部841Qの前後方向における頂部の位置が変化する。
ここで、図63(a)に示すように、スライド部837が後側に配置されている状態においても、あるいは図63(b)に示すように、スライド部837が前側に配置されている状態においても、第7延伸部841P、第2撓み部841Q、および第8延伸部841Rは、ベース835およびスライド部837に挟まれた状態が維持される。さらに説明をすると、スライド部837の前後方向における位置に関わらず、第7延伸部841P、第2撓み部841Q、および第8延伸部841Rは、ベース835の第2凹部835Gと、スライド部837の第4凹部837Lとにより形成される空間内に配置された状態となる。
このことにより、第7延伸部841P、第2撓み部841Q、および第8延伸部841Rが、スライド部837の前後方向に移動する動作(矢印J2参照)にともない損傷を受けることが抑制される。あるいは、第7延伸部841P、第2撓み部841Q、および第8延伸部841Rが、スライド部837の前後方向に移動する動作(矢印J2参照)を妨げることが抑制される。
なお、このベース835の第2凹部835Gと、スライド部837の第4凹部837Lとにより形成される空間は、図55および図56に示すように、上下方向において、ベース835の第2長孔835Eおよび第3長孔835Fの間に挟まれる領域に形成される。そして、この第2長孔835Eおよび第3長孔835Fには、スライド部837の第2案内ピン837D乃至第5案内ピン837Gが配置され、第2案内部833に対して固定される。つまり、ベース835の第2凹部835Gとスライド部837の第4凹部837Lとにより形成される空間を跨ぐ位置で、スライド部837および第2案内部833が互いに固定される状態となる。このことにより、スライド部837の前後方向に移動する動作(矢印J2参照)にともない、ベース835の第2凹部835Gとスライド部837の第4凹部837Lの空間が変形し、この空間内に配置された第3ケーブル841が損傷を受けることが抑制される。
なお、ベース835と、ベース835に対してスライド移動するスライド部837との間において、第7延伸部841P、第2撓み部841Q、および第8延伸部841Rを収容する空間が形成されればよい。例えば、図示の例とは異なり、ベース835の第2凹部835G、あるいはスライド部837の第4凹部837Lのいずれか一方を備える構成において、このいずれか一方の内部の空間に、第7延伸部841P、第2撓み部841Q、および第8延伸部841Rが収容される構成であってもよい。
<タイトルロゴ部7の動作>
図64乃至図66は、タイトルロゴ部7の動作を説明する図である。さらに説明をすると、図64は非演出位置に配置されたタイトルロゴ部7を示し、図65は演出位置に配置されたタイトルロゴ部7を示し、図66は演出位置に配置されかつ反転動作を行うタイトルロゴ部7を示す。
次に、図64乃至図66を参照しながら、タイトルロゴ部7の動作を説明する。
図64(a)および(b)に示すように、非演出時には、タイトルロゴ部7の演出体70は、遊技盤110の外周部に配置された非演出位置に配置される。さらに説明をすると、タイトルロゴ部7の演出体70は、非演出時には、上下方向においては遊技盤110の上側に配置され、かつ前後方向においては透明板90と造形可動体4の右位置部4bとの間に配置され、左右方向においては造形可動体4の頭部と装飾部89(後述)との間に配置される。
ここで、図64(b)に示すように、非演出時の演出体70は、遊技者側からみて造形可動体4の右位置部4bにおける左肩と重なる位置に配置される。
また、非演出位置の演出体70は、遊技盤110に対して固定して設けられる装飾部89と左右方向に並ぶ。ここで、図示の例においては、装飾部89には、「R!!」の文字列が形成されている。そして、この装飾部89と、「BIG CHANGE」の文字列が形成された演出体70とが左右方向に並ぶことにより、文字列「BIG CHANGER!!」が形成される。なお、このとき、上下2段になって形成される「BIG CHANGE」の文字列のうち下側の段に位置する「CHANGE」の文字列と、装飾部89には、「R!!」の文字列とが左右方向に並ぶ。
また、演出体70においては、反転動作部71が、遊技盤110の側方(右側)において上下方向に配置された支持体80から、左右方向(左側)に沿って遊技盤110の中央側に延びる反転駆動部73によって支持される。また、非演出位置の演出体70の反転駆動部73は、反転動作部71および装飾部89に覆われた状態である。
次に、図65(a)および(b)に示すように、非演出位置から演出体70が下側に移動する(矢印L1参照)。このとき、演出体70は、上下方向において装飾部89から離間する。その結果、装飾部89とともに形成される文字列「BIG CHANGER!!」から、演出体70に形成された文字列「BIG CHANGE」へと、文字列が変化する。
また、演出体70は、上述のように下側に移動する(矢印L1参照)ことにともない、後側にも移動する(矢印L2参照)。さらに、演出体70は、上述のように下側に移動する(矢印L1参照)ことにともない、付勢部818が付勢力を加えることにより、演出体70が下側に移動する速度が低下する。
そして、下側に移動する(矢印L1参照)演出体70が、遊技盤110の中央側(画像表示部114の前側)の位置に配置された演出位置に配置される。さらに説明をすると、演出体70は、上下方向においては遊技盤110の中央部に配置され、かつ前後方向においては透明板90と画像表示部114との間に配置される。なお、この演出位置は、演出体70が、画像表示部114を覆う位置として捉えることができる。
次に、図66(a)および(b)に示すように、演出体70は、演出位置にて反転動作を行う(矢印A2参照)。このとき、前後方向において透明板90と画像表示部114に挟まれる演出体70は、透明板90あるいは画像表示部114と接触せずに反転動作を行う。
さて、この演出体70は、非演出時および演出時の間で、前後方向における位置を変更可能、言い替えると、透明板90からの距離(図65(a)の矢印N1参照)、あるいは画像表示部114からの距離(図65(a)の矢印N2参照)を変更可能である。このように、演出体70の前後方向における位置を変更することにより、例えば、透明板90および画像表示部114との間において、演出体70が反転動作を行うための空間が確保される。なお、演出体70の演出位置は、反転動作を実行中の演出体70が、透明板90および画像表示部114と接触せずに離間する位置に定められる。また、この演出体70は、透明板90の面に沿う方向(上下方向)に移動しながら、同時に、透明板90に対して進退する方向(前後方向)に移動を行う。このことにより、図示の例とは異なる構成、すなわち透明板90の面に沿う方向に移動が完了した後に、透明板90に対して進退する方向に移動する構成と比較して、スムーズな移動あるいは迅速な移動が可能となる。
また、タイトルロゴ部7の演出は、例えばパチンコ遊技機100の遊技状態を報知するために実行される。このことにより、遊技者は、タイトルロゴ部7の演出をみることにより、パチンコ遊技機100の遊技状態を把握あるいは推測することができる。具体的には、例えば、抽選の結果、遊技状態が、高確率状態となった際、あるいは時短状態となった際などに、タイトルロゴ部7が演出を実行する、すなわち演出体70が反転動作をする。このことにより、遊技者は遊技状態を知ることができる。さらに説明をすると、例えば、画像表示部114において遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄91が表示された後に、演出体70が非演出位置から演出位置へ移動し、反転動作を実行する。また、タイトルロゴ部7が反転動作を行い、遊技者に「GREAT」の文字を見せることにより、ユーザは高確率状態となったことを推測することができる。
なお、タイトルロゴ部7を動作させるタイミングは、抽選結果を報知するための装飾図柄91が表示された後に限定されない。例えば、装飾図柄91の変動開始から変動停止までの変動演出が行われる際であってもよい。また、特定の遊技状態に移行する前や、特定の遊技状態に移行した後の所定のタイミングでもよい。さらに、図1に示すように、第2大入賞口127に遊技球が入賞し、例えば高確率状態に移行する際や時短状態に移行する際に、タイトルロゴ部7を動作させるようにしても良い。
ここで、タイトルロゴ部7の演出は、必ずしも演出体70が反転動作を伴わなくともよい。例えば、演出体70が非演出位置から所定の距離だけ移動(下降)し、再び非演出位置へと戻る(上昇する)動作を繰り返す(揺動する)ことで、タイトルロゴ部7による演出を実行してもよい。また、演出体70が非演出位置から演出位置まで移動した後に、反転動作を行うことなく非演出位置へと戻ってもよい。あるいは、演出体70が非演出位置から演出位置まで移動した上で、回転動作を行わず伸縮動作のみを行う、すなわち反転動作部71が回転動作を行わずに分離および集合する動作のみを行った後に、再び非演出位置へと戻ってもよい。これらの演出を行うことにより、タイトルロゴ部7の反転動作に対する遊技者の期待感を煽ることが可能となる。
<演出位置/非演出位置の変形例>
さて、演出位置および非演出位置の間の移動は、演出体70が透明板90に対して進退する動作を実行するものであれば、上記の説明に限定されるものではない。
例えば、支持体80が、演出体70を上下方向に移動させる上下移動モータ(不図示)と、左右方向に移動させる左右移動モータ(不図示)とを備え、上下方向と左右方向とで異なる駆動源を備えてもよい。そして、この構成において、演出体70が、透明板90に沿って移動した後に前後方向に沿う移動を開始してもよい。また、遊技盤110の外周部の位置で、前後方向に沿って移動した後に、透明板90に沿う移動を開始してもよい。
また、上記の説明においては、演出体70が透明板90に沿って移動することの例として上下方向の移動を説明した。しかしながら、左右方向の移動、あるいは上下方向と交差する方向の移動など、他の方向に移動してももちろんよい。
さらに説明をすると、透明板90が上下方向に対して傾斜して設けられ、演出体70が傾斜した透明板90に沿って移動し、かつ透明板90に対して進退する構成であってもよい。また、上記の説明においては、透明板90を基準として遊技者とは反対側(透明板90よりもパチンコ遊技機100の内側)に演出体70を設けることを説明したが、透明板90を基準として遊技者とは同じ側(透明板90よりもパチンコ遊技機100の外側)に演出体70を設ける構成であってもよい。また、演出体70は、透明板90の内周面(あるいは外周面)に沿って移動し、かつ透明板90に対して進退する構成であってもよい。なお、透明板90は、内周面と外周面が略平行、言い替えると厚みが略均一である部材(板状部材)に限らず、内周面および外周面の一方または両方に凹凸や湾曲面を備える構成であってもよい。
また、上記では、演出体70が非演出位置から演出位置まで移動した後に、反転動作を行うことを説明したが、これに限定されない。演出体70が、遊技盤に対する位置を変化させず(移動せず)に、反転動作を行う構成であってももちろんよい。あるいは、演出体70が、非演出位置から他の位置に移動しながら反転動作を実行してもよい。あるいは、演出位置が複数あり、そのいずれでも反転動作を可能としてもよい。
<他の変形例>
図67は、タイトルロゴ部7の第1の変形例を説明するための図である。さらに説明をすると、図67(a)は、タイトルロゴ部800の概略構成図を示す図であり、図67(b)は、タイトルロゴ部800の動作を説明する図である。
さて、上記の説明においては、反転動作を行うタイトルロゴ部7を説明したが、上記構成に限定されるものではない。
例えば、図67(a)および(b)に示すタイトルロゴ部800のように構成してもよい。このタイトルロゴ部800は、上記の演出体70(図34参照)と同様に、所定の演出において回転動作を行う回転動作部810と、回転動作部810に駆動力を供給する回転駆動部830を備える。
ここで、回転動作部810は、回転軸812aを中心として回転動作を行う所定形状(星型)の小片である装飾片812と、装飾片812を回転させるための駆動力を伝達する回転軸816と、装飾片812を移動させる伸縮腕814とを備える。
また、回転駆動部830は、それぞれ駆動機構731(図42参照)からの駆動を受けて回転支持軸850の周囲を回転する板状部材である第1回転体851および伸縮用回転円盤865を備える。この第1回転体851は、回転軸816と連結され回転軸816および回転軸812aを介して装飾片812に回転駆動力を伝達する。また、伸縮用回転円盤865は、伸縮腕814と連結され、伸縮腕814を介して装飾片812の位置を移動させる(伸縮させる)。
このタイトルロゴ部800は、例えば以下のように動作する。
まず、図67(b−1)に示すように、例えばタイトルロゴ部800の回転動作部810と回転駆動部830とが、遊技盤110の上側(右上側)に配置されさている。なお、この位置を原点位置(非演出位置)とする。
そして、図67(b−2)に示すように、この原点位置から、所定のタイミングで回転動作部810と回転駆動部830とが一体となって下側に移動する(矢印L3参照)。そして、回転動作部810と回転駆動部830とは、上下方向における遊技盤110の中央部に配置される。
次に、図67(b−3)に示すように、駆動力を受けた伸縮用回転円盤865が回転することにより、伸縮腕814を介して装飾片812が左側に移動する(矢印L4参照)。いわば、回転動作部810が左側に延びる。
そして、図67(b−4)に示すように、駆動力を受けた第1回転体851が回転することにより、回転軸816を介して装飾片812が回転する(矢印L5参照)。
上記のように、図67に示すタイトルロゴ部800においては、1つの装飾片812が設けられる。そして、遊技者からみて表面と裏面とが入れ替わる反転動作を行う上記の演出体70(図34参照)とは異なり、タイトルロゴ部800は、前後方向に延びる回転軸812aを中心とした回転動作を行う。なお、図67(a)に示すタイトルロゴ部800の構成は一例であって、他の構成により、図67(b)に示すタイトルロゴ部800の動作を実行してももちろんよい。
図68は、タイトルロゴ部7の第2の変形例を説明するための図である。さらに説明をすると、図68(a)は、タイトルロゴ部900Aの概略構成図を示す図であり、図68(b)は、タイトルロゴ部900Aの動作を説明する図である。
図68を参照しながら、他の変形例について説明をする。
例えば、図68(a)および(b)に示すタイトルロゴ部900Aのように構成してもよい。このタイトルロゴ部900Aは、上記の演出体70(図34参照)と同様に、所定の演出において回転動作を行う回転動作部910と、回転動作部910に駆動力を供給する回転駆動部930を備える。
ここで、回転動作部910は、回転軸912aを中心として回転動作を行う所定形状(星型)の小片である装飾片912と、装飾片912を回転させるための駆動力を伝達する回転軸916とを備える。この例においては、装飾片912および回転軸916が複数組(2組)設けられており、前後方向において並べて設けられている。
また、回転駆動部930は、それぞれ駆動機構731(図42参照)からの駆動を受けて回転支持軸950の周囲を回転する板状部材である第1回転体951および伸縮用回転円盤965と、伸縮用回転円盤965と一方の第1回転体951(前側の第1回転体951)とを連結する第1連結機構966と、伸縮用回転円盤965と他方の第1回転体951(後側の第1回転体951)とを連結する第2連結機構967とを備える。この例においては、2つの第1回転体951と1つの伸縮用回転円盤965とを備え、第1回転体951が前後方向において伸縮用回転円盤965を挟むように設けられている。
ここで、第1回転体951は、それぞれ回転軸916と連結され、回転軸916および回転軸912aを介して、装飾片912に回転駆動力を伝達する。
また、伸縮用回転円盤965は、回転支持軸950を中心として一方向に回転することにより、第1連結機構966を介して一方の第1回転体951を一方向に回転させ、第2連結機構967を介して他方の第1回転体951を一方向とは反対方向(他方向)に回転させる回転駆動力を伝達する。
このタイトルロゴ部900Aは、例えば以下のように動作する。
まず、図68(b−1)に示すように、例えばタイトルロゴ部900Aの回転動作部910と回転駆動部930とが、遊技盤110の上側(中央上側)に配置されさている。なお、この位置を原点位置(非演出位置)とする。この位置において、2つの装飾片912は前後方向で並んで配置されており、後側の装飾片912は、遊技者からみて前側の装飾片912の背後に位置する。
そして、図68(b−2)に示すように、この原点位置から、所定のタイミングで回転動作部910と回転駆動部930とが一体となって下側に移動する(矢印L6参照)。そして、回転動作部910と回転駆動部930とは、上下方向における遊技盤110の中央部に配置される。
次に、図68(b−3)に示すように、駆動力を受けた伸縮用回転円盤965が回転することにより、2つの第1回転体951をそれぞれ反対方向に回転させる。このことにともない、各々の伸縮用回転円盤965に回転軸916を介して連結された装飾片912がそれぞれ反対向きに移動する(矢印L7、L8参照)。
そして、図68(b−4)に示すように、駆動力を受けた第1回転体951が回転することにより、回転軸916を介して装飾片912が回転する(矢印L9、L10参照)。
上記のように、図68に示すタイトルロゴ部900Aにおいては、上記の演出体70(図34参照)とは異なり、タイトルロゴ部900Aは、前後方向に延びる回転軸912aを中心とした回転動作を行う。また、図68(a)に示すタイトルロゴ部900Aの構成は一例であって、他の構成により、図68(b)に示すタイトルロゴ部900Aの動作を実行してももちろんよい。
図69は、タイトルロゴ部7の第3の変形例を説明するための図である。さらに説明をすると、図69は、タイトルロゴ部7が設けられたスロットマシン900の概略側面図である。
さて、上記の説明においては、タイトルロゴ部7がパチンコ遊技機100に設けられることを詳細に説明したが、パチンコ遊技機100以外の遊技機に設けられてもよい。
例えば、図69に示すように、スロットマシン900にタイトルロゴ部7が設けられてもよい。
さらに説明をすると、図69に示すスロットマシン900は、回転しながら複数種類の図柄を例えば上から下へと循環させるように表示するリール901と、メダルが投入されるメダル投入口903と、リール901の回転を開始させるために操作される操作レバー905と、リール901の回転を停止させるために操作されるストップボタン907と、メダルが払い出されるメダル払出口909と、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う液晶ディスプレイ911と、液晶ディスプレイ911の前面を覆う透明板913とを備える。
また、このスロットマシン900は、液晶ディスプレイ911と透明板913との間の前後方向における空間にタイトルロゴ部7を備える。そして、このタイトルロゴ部7は、上記のように、上下方向に移動するとともに、透明板913に対して進退する動作を行いながら、演出位置と非演出位置との間で移動する。また、タイトルロゴ部7は、演出位置にて、上記のような反転動作を実行する。
さて、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、集合して所定形状をなす複数の装飾部(例えば、反転動作部71)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を互いに離間する位置で回転させる回転手段(例えば、反転駆動部73)と、を備えることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
ここで、前記回転手段(例えば、反転駆動部73)は、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)を回転させる際、当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々が互いに離間する方向に当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)を移動させ、当該回転の後に当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)を集合させることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、複数の装飾部(例えば、反転動作部71)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を回転させる回転手段(例えば、回転機構733)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々が集合する位置と互いに離間する位置との間を移動する際に当該移動する方向に対してらせん状に移動させる移動手段(例えば、伸縮機構735)と、を備えることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
ここで、前記移動手段(例えば、伸縮機構735)は、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を前記集合する位置から放射状に移動させることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、互いに集合する位置にて所定の表示を行う表示部(例えば、表示部71E)を形成する面(例えば、第1装飾板711A)を各々が持つ複数の装飾部(例えば、反転動作部71)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々が前記集合する位置と互いに離間する位置との間で当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)を移動させる移動手段(例えば、反転駆動部73)と、を備え、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々が前記移動手段(例えば、反転駆動部73)により前記集合する位置から前記離間する位置を経て当該集合する位置に戻ると、当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々による前記表示部(例えば、表示部71E)による表示が当該移動手段(例えば、反転駆動部73)による移動の前とは異なるものとなることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、回転体(例えば、反転動作部71)と、前記回転体(例えば、反転動作部71)を遊技者と遊技盤(例えば、遊技盤110)との間に介在する透明板(例えば、透明板90)に沿って移動させる第1移動手段(例えば、ベース835)と、前記回転体(例えば、反転動作部71)を前記透明板(例えば、透明板90)に対して進退する方向に移動させる第2移動手段(例えば、スライド部837)と、を備えることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
ここで、前記第2移動手段(例えば、スライド部837)は、前記回転体(例えば、反転動作部71)が前記第1移動手段(例えば、ベース835)によって前記透明板(例えば、透明板90)に沿って移動を開始した後に、当該回転体(例えば、反転動作部71)を前記透明板(例えば、透明板90)に対して進退する方向に移動させることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、所定の形状をなす装飾部(例えば、反転動作部71)と、前記装飾部(例えば、反転動作部71)を駆動する駆動部(例えば、反転駆動部73)と、を備え、前記駆動部(例えば、反転駆動部73)は、回転軸(例えば、回転支持軸750)の周りを回転する板状部材(伸縮用回転円盤765)を介して前記装飾部(例えば、反転動作部71)を移動させるための移動機構(例えば、伸縮機構735)と、前記回転軸(例えば、回転支持軸750)の周りを回転するよう前記板状部材(伸縮用回転円盤765)と同軸に設けられる他の板状部材(例えば、第1回転体751)を介して前記装飾部(例えば、反転動作部71)を、当該回転軸(例えば、回転支持軸750)とは異なる軸の周りで回転させるための回転機構(例えば、回転機構733)と、を有することを特徴とすることができる。
また、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、集合して所定形状をなす複数の装飾部(例えば、反転動作部71)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を駆動する駆動部(例えば、反転駆動部73)と、を備え、前記駆動部(例えば、反転駆動部73)は、回転軸(例えば、回転支持軸750)の周りを回転する板状部材(伸縮用回転円盤765)を介して前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を、集合する状態から互いに離間する状態に移行するための移行機構(例えば、伸縮機構735)と、回転軸(例えば、回転支持軸750)の周りを回転する他の板状部材(例えば、第1回転体751)を介して前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を、当該回転軸(例えば、回転支持軸750)と交差する方向に延びる軸の周りで回転させるための回転機構(例えば、回転機構733)と、を有することを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、案内溝(例えば、第1案内溝813)が形成された基部(例えば、基部81)と、前記案内溝(例えば、第1案内溝813)に沿って移動可能に設けられた移動部(例えば、演出体70)と、前記案内溝(例えば、第1案内溝813)内に設けられるとともに、一端が前記基部(例えば、基部81)に対して固定され他端が前記移動部(例えば、演出体70)に対して固定されるフラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)と、前記フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)とは別体で前記案内溝(例えば、第1案内溝813)内にて当該フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)に沿って設けられ、当該フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)を覆うケーブルカバー(例えば、ケーブルカバー847)と、を備えることを特徴とすることができる。
ここで、前記ケーブルカバー(例えば、ケーブルカバー847)は、前記フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)よりも幅が広い幅広部(例えば、幅広部847A)を備え、前記基部(例えば、基部81)は、前記案内溝(例えば、第1案内溝813)の内周面に、当該案内溝(例えば、第1案内溝813)の深さ方向における前記ケーブルカバー(例えば、ケーブルカバー847)の前記幅広部(例えば、幅広部847A)と掛かり合い当該ケーブルカバー(例えば、ケーブルカバー847)の移動を制限する制限機構(例えば、第1突出部813A)を備えることを特徴とすることができる。
また、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、案内溝(例えば、第1案内溝813)が形成された基部(例えば、基部81)と、前記案内溝(例えば、第1案内溝813)に沿って移動可能に設けられた移動部(例えば、演出体70)と、前記案内溝(例えば、第1案内溝813)内に設けられるとともに、一端が前記基部(例えば、基部81)に対して固定され他端が前記移動部(例えば、演出体70)に対して固定されるフラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)と、前記案内溝(例えば、第1案内溝813)の内周面に設けられ、当該案内溝(例えば、第1案内溝813)の深さ方向における前記フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)と掛かり合い当該フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)の移動を制限する制限機構(例えば、第1突出部813A)と、を備えることを特徴とすることができる。
また、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、案内溝(例えば、第1案内溝813)が形成された基部(例えば、基部81)と、前記案内溝(例えば、第1案内溝813)に沿って移動可能に設けられた移動部(例えば、演出体70)と、前記案内溝(例えば、第1案内溝813)内に設けられるとともに、一端が前記基部(例えば、基部81)に対して固定され他端が前記移動部(例えば、演出体70)に対して固定されるフラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)と、前記フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)とは別体で前記案内溝(例えば、第1案内溝813)内にて当該フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)に沿って設けられ、当該フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)を覆うとともに、当該フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)よりも幅が広い幅広部を備えるケーブルカバー(例えば、ケーブルカバー847)と、を備えることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1方向に延びる第1溝(例えば、第1案内溝813)が形成された基部(例えば、基部81)と、前記第1溝(例えば、第1案内溝813)に沿って移動するとともに、第1方向と交差する第2方向に延びる第2溝(例えば、第2凹部835G)が形成された第1移動部(例えば、ベース835)と、前記第2溝(例えば、第2凹部835G)に沿って移動する第2移動部(例えば、スライド部837)と、前記基部(例えば、基部81)側と前記第2移動部(例えば、スライド部837)側とを電気的に接続するフラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)と、を備え、前記フラットケーブル(例えば、第3ケーブル841)は、前記第1溝(例えば、第1案内溝813)内で折り返して設けられ、前記基部(例えば、基部81)と前記第1移動部(例えば、ベース835)との相対位置が変化することにともない当該第1溝(例えば、第1案内溝813)内での位置が移動する第1撓み部(例えば、第1撓み部841H)と、前記第2溝(例えば、第2凹部835G)内で折り返して設けられ、前記第1移動部(例えば、ベース835)と前記第2移動部(例えば、スライド部837)との相対位置が変化することにともない当該第2溝(例えば、第2凹部835G)内での位置が移動する第2撓み部(例えば、第2撓み部841Q)と、前記第1撓み部(例えば、第1撓み部841H)と前記第2撓み部(例えば、第2撓み部841Q)との間の中間位置に設けられ、前記第1移動部(例えば、ベース835)に対して固定される被固定部(例えば、第3折部841N)と、を備えることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、回転軸(例えば、回転軸713)と、前記回転軸(例えば、回転軸713)の一端側で当該回転軸(例えば、回転軸713)を回転駆動させる駆動部(例えば、回転機構733)と、前記回転軸(例えば、回転軸713)に沿って移動可能でありかつ当該回転軸(例えば、回転軸713)とともに回転することを制限して設けられる移動体(例えば、スライド部715)と、前記回転軸(例えば、回転軸713)の他端側に設けられ、前記移動体(例えば、スライド部715)とともに当該回転軸(例えば、回転軸713)に沿って移動可能でありかつ当該回転軸(例えば、回転軸713)とともに回転する回転体(例えば、装飾片711)と、前記回転体(例えば、装飾片711)側に固定される一端と、前記駆動部(例えば、回転機構733)側に固定される他端と、当該一端と当該他端との間の中間位置で前記移動体(例えば、スライド部715)に対して固定される被固定部(例えば、第1固定部771C)とを有するフラットケーブル(例えば、第1ケーブル771)と、を備えることを特徴とすることができる。
ここで、前記フラットケーブル(例えば、第1ケーブル771)は、自身の前記他端と前記被固定部(例えば、第1固定部771C)との間において前記回転軸(例えば、回転軸713)に沿って設けられるとともに、当該回転軸(例えば、回転軸713)から離間する向きに突出するように撓む第1撓み部(例えば、第1撓み部771A)と、自身の前記一端と前記被固定部(例えば、第1固定部771C)との間において前記回転軸(例えば、回転軸713)の外周に沿って設けられるとともに、当該回転軸(例えば、回転軸713)から離間する向きに突出するように撓む第2撓み部(例えば、第2撓み部771E)と、を備えることを特徴とすることができる。
また、前記回転体(例えば、装飾片711)は、前記第2撓み部(例えば、第2撓み部771E)よりも前記回転軸(例えば、回転軸713)の径方向外側を通過しながら回転することを特徴とすることができる。
以上、本書にて可動役物115における種々の構造や制御等について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かかる変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200の主制御処理において、主制御処理の各処理で生成されたコマンドを最後にまとめて演出制御部300へ出力する動作について説明した(図5−3参照)。
また、本実施の形態では、電源復帰時に、遊技制御部200により初期的に実行される基本処理において、設定の初期化を指示するコマンド等を演出制御部300へ出力するために、主制御処理で用いられる出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出して実行することについて説明した(図5−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドを「コード部」と「データ部」とで構成し、各々の先頭ビットに識別用のフラグを設けることについて説明した(図19−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドの「コード部」の一部を、データ値を記述するために用いる構成について説明した。
〔本実施の形態の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、遊技制御手段の動作を制御する制御命令の増加を削減するため、遊技制御部200により所定の時間間隔で繰り返し実行される主制御処理において、1サイクルの主制御処理の最後に、その1サイクルの実行で生成されたコマンドをまとめて、演出制御部300へ出力することとした。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
一連の前記主制御処理を1サイクル実行する度に、当該1サイクルの実行により生成された前記データを、当該1サイクルの実行における最後のデータの生成が行われた後に出力する出力手段(例えば、出力制御部240)と、
前記出力手段(例えば、出力制御部240)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、
を備える。
このようにすれば、生成されたデータごとに出力処理を行う必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。また、データが生成される度に出力処理を行う必要がないため、出力処理全体に要する時間を短縮することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、
前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)は、前記主制御処理において生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させ、
前記出力手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力する。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、上記の目的を達成する他の遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理とは異なる条件にしたがって当該主制御処理とは異なる特別処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、前記データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記主制御処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、
遊技の進行に基づく処理を行うと共に、当該処理を実行して得られた情報を含むデータを生成する1または複数の第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)を呼び出して実行する部分と、
前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)の実行により生成されたデータを前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して実行する部分と、を含み、
前記特別処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、
遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)の設定を行う設定処理を実行する部分と、
前記設定処理において生成されたデータを、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して、前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する部分と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、特別処理で生成されたデータの出力処理を行うために個別の制御命令を用意する必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、
前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、
前記主制御処理における前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)は、処理の実行により生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に順次記憶させ、
前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力し、
前記特別処理における前記設定処理では、前記設定処理において生成されたデータを、前記記憶手段(例えば、RAM203)における所定の前記記憶領域に記憶させる。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、本実施の形態では、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させるため、第1データ部である「コード」の所定のビットと、第2データ部である「データ」の所定のビットを、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグとして用いた。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、先頭の1ビットの値を認識することにより、第1データ部と第2データ部とを明確に区別することができるため、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させることができることができる。
また、より好ましくは、上記の遊技機において、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データの前記第2データ部(例えば、「データ」)は、先頭からaビットごとに、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このようにすれば、第2データ部のサイズが大きい場合でも、特定のサイズごとに切り分けて、各々が第2データ部であることを識別することが容易となる。
◆また、本実施の形態では、実行対象の変動パターンを特定するコマンドを送信する場合のように、大きなサイズのデータを送る必要がある場合にも、遊技制御手段から演出制御手段へ送られるデータ全体のサイズの増大を抑制するため、第1データ部である「コード」の所定のビットをデータ値を記述するために用い、「コード」の一部と第2データ部である「データ」とでデータ値を記述する手法を提案した。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、
前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成する所定のビットと、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータが記録され、当該第1データ部(例えば、「コード」)における当該所定のビットを除く残りのビットを用いて、当該所定の種類のデータとは異なる他の種類のデータが記録される構成とすることができる。
また、上記の目的を達成する他の本発明による遊技機は、
遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、
遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、
前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、
aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、
aビットのサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、
前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)と、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するaビットとを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータが記録される構成とすることができる。
上記のような構成とすれば、第1データ部および第2データ部の合計サイズを変えることなく、第2データ部に記録されるべきデータのサイズを、より大きくすることが可能となるため、遊技制御手段から演出制御手段へ大きなサイズのデータを送る場合に、伝送されるデータ全体のサイズの増大を抑制することができる。
なお、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。遊技制御部200(図3参照)は遊技制御手段の一例である。演出制御部300(図3参照)は演出制御手段の一例である。出力制御部240(図4参照)は出力手段の一例である。RAM203(図3参照)は記憶手段の一例である。コマンド格納領域は記憶領域の一例である。
100…パチンコ遊技機
711…装飾片(回転体の一例)
713…回転軸(回転軸の一例)
715…スライド部(移動体の一例)
733…回転機構(駆動部の一例)
771…第1ケーブル(フラットケーブルの一例)
771A…第1撓み部(第1撓み部の一例)
771C…第1固定部(被固定部の一例)
771E…第2撓み部(第2撓み部の一例)

Claims (3)

  1. 所定の演出を行う遊技機であって、
    回転軸と、
    前記回転軸の一端側で当該回転軸を回転駆動させる駆動部と、
    前記回転軸に沿って移動可能でありかつ当該回転軸とともに回転することを制限して設けられる移動体と、
    前記回転軸の他端側に設けられ、前記移動体とともに当該回転軸に沿って移動可能でありかつ当該回転軸とともに回転する回転体と、
    前記回転体側に固定される一端と、前記駆動部側に固定される他端と、当該一端と当該他端との間の中間位置で前記移動体に対して固定される被固定部とを有するフラットケーブルと、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記フラットケーブルは、
    自身の前記他端と前記被固定部との間において前記回転軸に沿って設けられるとともに、当該回転軸から離間する向きに突出するように撓む第1撓み部と、
    自身の前記一端と前記被固定部との間において前記回転軸の外周に沿って設けられるとともに、当該回転軸から離間する向きに突出するように撓む第2撓み部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記回転体は、前記第2撓み部よりも前記回転軸の径方向外側を通過しながら回転することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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