JP2016082782A - ワイヤレス受電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】平滑キャパシタC2に生ずる電圧VRECTの変動を抑制する。【解決手段】ワイヤレス受電装置20は、ワイヤレス送電装置10から送出される電界、磁界、電磁界のいずれかを含む電力信号S1を受信する。受信アンテナ22は、等価的に直列接続される受信コイルL1および共振キャパシタC1を含む。第1ダイオードD1は、受信アンテナ22の両端間にループを形成するよう挿入される。スイッチM1は、第1ダイオードD1と並列に設けられる。モードコントローラ26は、スイッチM1のオン、オフを制御する。整流回路24は、スイッチM1のオン状態において、共振キャパシタC1の両端間の電圧VC1に応じた共振電圧VRESに応じて平滑キャパシタC2をチャージし、スイッチM1のオフ状態において、第1ダイオードD1に流れる電流IRXに応じて平滑キャパシタC2をチャージする。【選択図】図2
Description
本発明は、ワイヤレス給電技術に関する。
近年、携帯電話端末やノート型コンピュータなどの電子機器、あるいは電気自動車に対する給電技術として、ワイヤレス(非接触)電力伝送が着目されている。ワイヤレス電力伝送は、主に電磁誘導型、電波受信型、電場・磁場共鳴型、の3つに分類される。
電磁誘導型は短距離(数cm以内)において利用され、数百kHz以下の帯域で数百Wの電力を伝送することができる。電力の利用効率は60〜98%程度となっている。
数m以上の比較的長い距離に給電する場合、電波受信型が利用される。電波受信型では、中波〜マイクロ波の帯域で数W以下の電力を伝送することができるが、電力の利用効率は低い。数m程度の中距離を、比較的高い効率で給電する手法として、電場・磁場共鳴型が着目されている(非特許文献1参照)。
数m以上の比較的長い距離に給電する場合、電波受信型が利用される。電波受信型では、中波〜マイクロ波の帯域で数W以下の電力を伝送することができるが、電力の利用効率は低い。数m程度の中距離を、比較的高い効率で給電する手法として、電場・磁場共鳴型が着目されている(非特許文献1参照)。
A. Karalis, J.D. Joannopoulos, M. Soljacic、「Efficient wireless non-radiative mid-range energy transfer」、ANNALS of PHYSICS Vol. 323, pp.34-48, 2008, Jan.
磁界結合による電力伝送において、電磁誘導のコイル間結合係数kは、送信コイルと受信コイルの相対的な位置の変動に伴い時々刻々と変化する。これにより受電装置側のインピーダンス(負荷インピーダンス)が広範な範囲で変動することとなり、受電装置側の平滑キャパシタから取り出される電圧が大きく変動する。一般的には、この平滑キャパシタの電圧は、後段のDC/DCコンバータによりある電圧レベルに安定されるが、平滑キャパシタの電圧、言い換えればDC/DCコンバータの入力電圧が大きく変動すると、DC/DCコンバータを効率が低い領域で使用することとなり、あるいは、昇圧、降圧動作を切りかえる必要が生ずる。
また結合係数kが大きくなると受信コイルと鎖交する磁束密度が増大し、受信コイルに流れる共振電流が増大し、受信コイル、共振キャパシタに生ずる共振電圧が増大するため、受電装置を構成する素子を高耐圧とする必要がある。また受信コイルに流れる電流が大きくなると、受信コイルが発生する磁束が増大し、送電装置に影響を及ぼす。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、平滑キャパシタに生ずる電圧の変動を抑制可能なワイヤレス受電装置の提供にある。
本発明のある態様は、ワイヤレス送電装置から送出される電界、磁界、電磁界のいずれかを含む電力信号を受信するワイヤレス受電装置に関する。ワイヤレス受電装置は、等価的に直列接続される受信コイルおよび共振キャパシタを含む受信アンテナと、受信アンテナの両端間にループを形成するよう挿入される第1ダイオードと、第1ダイオードと並列に設けられたスイッチと、平滑キャパシタと、スイッチのオン、オフを制御するモードコントローラと、スイッチのオン状態において、共振キャパシタの両端間の電圧に応じた共振電圧に応じて平滑キャパシタをチャージし、スイッチのオフ状態において、第1ダイオードに流れる電流に応じて平滑キャパシタをチャージする整流回路と、を備える。
この態様によると、スイッチのオン、オフ状態に応じて、並列共振により電力を取り出すモードと、直列共振により電力を取り出すモードと、を切りかえることができ、1Ω以下から数百Ωの範囲にわたり、インピーダンスを制御することができる。これにより平滑キャパシタの両端間の整流電圧の変動を抑制できる。
整流回路は、共振キャパシタと並列に設けられた第2ダイオードと、アノードが第2ダイオードのカソードと接続され、カソードが平滑キャパシタと接続される第3ダイオードと、を含む第1整流部と、アノードが第1ダイオードのカソードと接続され、カソードが平滑キャパシタと接続される第4ダイオードを含む第2整流部と、を備えてもよい。
これにより、第1モードと第2モードで適切に電力を取り出すことができる。
これにより、第1モードと第2モードで適切に電力を取り出すことができる。
整流回路は、共振電圧を整流し、平滑キャパシタに出力する第1整流部と、第1整流部の出力と平滑キャパシタの間に設けられたインダクタと、第1ダイオードに流れる電流を整流し、平滑キャパシタに出力する第2整流部と、を備えてもよい。
インダクタを挿入することで、第2整流部が活性状態において、第1整流部を自動的に不活性状態とすることができる。
インダクタを挿入することで、第2整流部が活性状態において、第1整流部を自動的に不活性状態とすることができる。
モードコントローラは、平滑キャパシタの両端間の整流電圧に応じた検出電圧を所定の基準電圧と比較する電圧コンパレータを含み、検出電圧が基準電圧を超えるとスイッチをオフし、検出電圧が基準電圧を下回るとスイッチをオンしてもよい。
2つのモードを、平滑キャパシタの両端間の整流電圧にもとづいて切りかえることで、整流電圧の変動を直接的に抑制できる。
2つのモードを、平滑キャパシタの両端間の整流電圧にもとづいて切りかえることで、整流電圧の変動を直接的に抑制できる。
あるいはモードコントローラは、平滑キャパシタの両端間の整流電圧以外の情報にもとづいて、間接的に2つのモードを切りかえてもよい。
共振キャパシタは、等価的に直列接続された複数のキャパシタを含んでもよい。整流回路は、スイッチがオンの状態において、複数のキャパシタのうち少なくともひとつの両端間の電圧を共振電圧として、平滑キャパシタをチャージしてもよい。
この場合、複数のキャパシタそれぞれには、共振キャパシタの両端間の電圧を分圧した電圧が発生する。したがって平滑キャパシタをチャージするための回路に要求される耐圧を下げることができる。
この場合、複数のキャパシタそれぞれには、共振キャパシタの両端間の電圧を分圧した電圧が発生する。したがって平滑キャパシタをチャージするための回路に要求される耐圧を下げることができる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、受電装置のインピーダンスを制御することで、整流電圧の変動を抑制できる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施の形態に係るワイヤレス給電システム1の構成を示す回路図である。ワイヤレス給電システム1は、ワイヤレス送電装置10およびワイヤレス受電装置20を備える。はじめにワイヤレス送電装置10の構成を説明する。
ワイヤレス送電装置10は、ワイヤレス受電装置20に対して電力信号を送出する。MR(Magnetic Resonance)方式のワイヤレス給電システム1では、電力信号S1として電波になっていない電磁波の近傍界(電界、磁界、あるいは電磁界)が利用される。
ワイヤレス送電装置10は、送信アンテナ12および交流電源14を備える。交流電源14は、所定の周波数を有する、あるいは周波数変調された、もしくは位相変調、振幅変調などが施された駆動信号を発生し、それにより送信アンテナ12にコイル電流ITXを供給する。本実施の形態においては説明の簡潔化と理解の容易化のため、駆動信号が一定の周波数を有する交流信号である場合を説明する。たとえば駆動信号の周波数は、数百kHz〜数MHzの間で適宜選択される。
送信アンテナ12は、交流電源14が発生した駆動信号S2に応答して、電界、磁界、電磁界のいずれかを含む近傍界(電力信号)S1として空間に放射する。MR方式では、主として磁界により電力が伝送される。以上がワイヤレス送電装置10の構成である。続いてワイヤレス受電装置20の構成を説明する。
ワイヤレス受電装置20は、ワイヤレス送電装置10から送出される電力信号S1を受信する。ワイヤレス受電装置20は、受信アンテナ22、第1ダイオードD1、スイッチM1、整流回路24、平滑キャパシタC2、モードコントローラ26、インピーダンス調整回路28、電圧レギュレータ30、負荷32を備える。
受信アンテナ22は、送信アンテナ12からの電力信号S1を受信する。受信アンテナ22は、電気的に直列に接続された受信コイルL1および共振キャパシタC1を含む。受信アンテナ22の共振周波数は、電力信号S1の周波数に応じてチューニングされる。
受信コイルL1には、電力信号S1に応じて誘起されるコイル電流(共振電流)IRXが流れ、ワイヤレス受電装置20はこのコイル電流IRXから電力を取り出す。
第1ダイオードD1は、受信アンテナ22の両端E1、E2間に、ループを形成するよう挿入される。スイッチM1は、第1ダイオードD1と並列に設けられる。たとえばスイッチM1は、トランジスタ素子、より具体的には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)あるいはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で構成することができる。
モードコントローラ26は、スイッチM1のオン、オフを制御する。整流回路24は、スイッチM1のオン状態において、共振キャパシタC1の両端間の電圧VC1に応じた共振電圧VRESに応じて平滑キャパシタC2をチャージする。また整流回路24は、スイッチM1のオフ状態において、第1ダイオードD1に流れる電流ID1に応じて平滑キャパシタC2をチャージする。
詳しくは後述するように、第1ダイオードD1、スイッチM1、整流回路24、モードコントローラ26は、共振経路のインピーダンスを制御するインピーダンス調整回路28であるものと理解される。
電圧レギュレータ30は、平滑キャパシタC2に生ずる整流電圧VRECTを受け、所定レベルに安定化して負荷32に供給する。電圧レギュレータ30は、たとえばDC/DCコンバータであってもよいし、リニアレギュレータであってもよい。
以上がワイヤレス受電装置20の基本構成である。本発明は、図1の回路図あるいはブロック図として把握されるさまざまな回路に及ぶが、以下ではワイヤレス受電装置20の具体的な構成例を説明する。
図2は、ワイヤレス受電装置20の構成例を示す回路図である。
共振キャパシタC1は、等価的に直列に接続された複数(ここでは2個)のキャパシタC1a、C1bを含む。整流回路24は、スイッチM1がオンの状態において、複数のキャパシタC1a、C1bのうち少なくともひとつC1bの両端間の電圧VC1bを共振電圧VRESとして、平滑キャパシタC2をチャージする。
共振キャパシタC1は、等価的に直列に接続された複数(ここでは2個)のキャパシタC1a、C1bを含む。整流回路24は、スイッチM1がオンの状態において、複数のキャパシタC1a、C1bのうち少なくともひとつC1bの両端間の電圧VC1bを共振電圧VRESとして、平滑キャパシタC2をチャージする。
整流回路24は、第1整流部40、第2整流部42、インダクタL2を備える。第1整流部40は、共振電圧VRESを整流し、平滑キャパシタC2に出力する。たとえば第1整流部40は、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3を含む。第2ダイオードD2は、共振キャパシタC1の少なくとも一部と並列に設けられ、より具体的にはキャパシタC1bと並列に設けられる。第3ダイオードD3のアノードは第2ダイオードD2のカソードと接続され、第3ダイオードD3のカソードは平滑キャパシタC2と接続される。インダクタL2は、第1整流部40の出力44と平滑キャパシタC2の間に設けられる。
第2整流部42は、第4ダイオードD4を含む。第4ダイオードD4のアノードは第1ダイオードD1のカソードと接続され、第4ダイオードD4のカソードは平滑キャパシタC2と接続される。
モードコントローラ26は、平滑キャパシタC2の両端間の整流電圧VRECTに応じた検出電圧VSを所定の基準電圧VREFと比較する電圧コンパレータ46を含む。検出電圧VSは、整流電圧VRECTそのものであってもよいし、図2に示すように抵抗R11、R12を含む分圧回路によって整流電圧VRECTを分圧して生成されてもよい。電圧コンパレータ46は、ヒステリシスコンパレータであってもよい。
モードコントローラ26は、検出電圧VSが基準電圧VREFより高いときスイッチM1をオフし、検出電圧VSが基準電圧VREFより低いときスイッチM1をオンする。検出電圧VSの電圧レベルが基準電圧VREFの近傍にあるとき、スイッチM1は、時分割的にオンとオフが交互に切りかえられる。
以上がワイヤレス受電装置20の構成である。続いてその動作を、2つの状態にわけて説明する。
(1)低インピーダンス状態(並列共振モード)
ワイヤレス送電装置10とワイヤレス受電装置20の距離が大きく、結合係数kが小さい場合、整流電圧VRECTの電圧レベルが基準電圧VREFより低くなる。この場合、スイッチM1がオン状態となり、第1ダイオードD1がバイパスされ、受信アンテナ22およびスイッチM1を含む共振回路のインピーダンスが、スイッチM1がオフの場合に比べて相対的に低下する。スイッチM1がオンすると、第3ダイオードD3が順方向にバイアスされ導通状態となり、第3ダイオードD3およびインダクタL2を介して平滑キャパシタC2が充電される。このとき平滑キャパシタC2は整流回路24を介して、受信アンテナ22の共振キャパシタC1と並列に接続され、したがって並列共振回路が形成される。図3は、図2のワイヤレス受電装置20の並列共振モードにおけるシミュレーション波形図である。VD1は、第1ダイオードD1の両端間電圧を示す。
(1)低インピーダンス状態(並列共振モード)
ワイヤレス送電装置10とワイヤレス受電装置20の距離が大きく、結合係数kが小さい場合、整流電圧VRECTの電圧レベルが基準電圧VREFより低くなる。この場合、スイッチM1がオン状態となり、第1ダイオードD1がバイパスされ、受信アンテナ22およびスイッチM1を含む共振回路のインピーダンスが、スイッチM1がオフの場合に比べて相対的に低下する。スイッチM1がオンすると、第3ダイオードD3が順方向にバイアスされ導通状態となり、第3ダイオードD3およびインダクタL2を介して平滑キャパシタC2が充電される。このとき平滑キャパシタC2は整流回路24を介して、受信アンテナ22の共振キャパシタC1と並列に接続され、したがって並列共振回路が形成される。図3は、図2のワイヤレス受電装置20の並列共振モードにおけるシミュレーション波形図である。VD1は、第1ダイオードD1の両端間電圧を示す。
その結果、コイル電流IRXが相対的に大きくなり、共振キャパシタC1の両端間の共振電圧VRESが増大し、大きな共振電圧VRESを利用して平滑キャパシタC2をチャージすることで、整流電圧VRECTの電圧レベルが低くなりすぎるのを防止できる。
(2)高インピーダンス状態(直列共振モード)
ワイヤレス送電装置10とワイヤレス受電装置20の距離が近く、結合係数kが大きい場合、整流電圧VRECTの電圧レベルが基準電圧VREFより大きくなる。この場合、スイッチM1がオフ状態となり、共振回路に第1ダイオードD1が追加され、共振回路のインピーダンスが、スイッチM1がオンの場合に比べて相対的に増大し、コイル電流IRXが減少する。スイッチM1がオフすると、第4ダイオードD4が順方向にバイアスされ、第1ダイオードD1に流れる電流IRXが、第2整流部42を介して平滑キャパシタC2に供給される。第3ダイオードD3は、逆方向にバイアスされるため、非導通となる。このとき平滑キャパシタC2は、整流回路24を介して受信アンテナ22に対して直列に接続され、したがって直列共振回路が形成される。図4は、図2のワイヤレス受電装置20の直列共振モードにおけるシミュレーション波形図である。
ワイヤレス送電装置10とワイヤレス受電装置20の距離が近く、結合係数kが大きい場合、整流電圧VRECTの電圧レベルが基準電圧VREFより大きくなる。この場合、スイッチM1がオフ状態となり、共振回路に第1ダイオードD1が追加され、共振回路のインピーダンスが、スイッチM1がオンの場合に比べて相対的に増大し、コイル電流IRXが減少する。スイッチM1がオフすると、第4ダイオードD4が順方向にバイアスされ、第1ダイオードD1に流れる電流IRXが、第2整流部42を介して平滑キャパシタC2に供給される。第3ダイオードD3は、逆方向にバイアスされるため、非導通となる。このとき平滑キャパシタC2は、整流回路24を介して受信アンテナ22に対して直列に接続され、したがって直列共振回路が形成される。図4は、図2のワイヤレス受電装置20の直列共振モードにおけるシミュレーション波形図である。
直列共振モードでは、平滑キャパシタC2の充電電流が並列共振モードに比べて減少するため、整流電圧VRECTが増大しすぎるのを防止できる。
(3)中間インピーダンス状態(直並列共振切りかえモード)
結合係数kが中間的な場合、整流電圧VRECTが基準電圧VREFの近傍となる。この場合、スイッチM1が、オン、オフを交互に繰り返す動作モードとなり、整流電圧VRECTが基準電圧VREFの近傍に安定化される。図5は、図2のワイヤレス受電装置20の直並列共振切りかえモードにおけるシミュレーション波形図である。φ1は並列共振モードを、φ2は並列共振モードを示す。この波形図では、基準電圧VREFはヒステリシスを有しており、整流電圧VRECTは、上側の基準電圧VREFHと下側の基準電圧VREFLの間に安定化されている。
結合係数kが中間的な場合、整流電圧VRECTが基準電圧VREFの近傍となる。この場合、スイッチM1が、オン、オフを交互に繰り返す動作モードとなり、整流電圧VRECTが基準電圧VREFの近傍に安定化される。図5は、図2のワイヤレス受電装置20の直並列共振切りかえモードにおけるシミュレーション波形図である。φ1は並列共振モードを、φ2は並列共振モードを示す。この波形図では、基準電圧VREFはヒステリシスを有しており、整流電圧VRECTは、上側の基準電圧VREFHと下側の基準電圧VREFLの間に安定化されている。
以上がワイヤレス受電装置20の動作である。続いてその利点を説明する。
図2に示すように、実施の形態に係るワイヤレス受電装置20では、第1ダイオードD1およびスイッチM1を設け、スイッチM1のオン、オフ状態に応じて、並列共振により電力を取り出すモードと、直列共振により電力を取り出すモードと、を切りかえることが可能である。これにより、1Ω以下から数百Ωの範囲にわたり、共振回路のインピーダンス、ひいては共振電流IRXを制御でき、平滑キャパシタC2の両端間の整流電圧VRECTの変動を抑制できる。
図2に示すように、実施の形態に係るワイヤレス受電装置20では、第1ダイオードD1およびスイッチM1を設け、スイッチM1のオン、オフ状態に応じて、並列共振により電力を取り出すモードと、直列共振により電力を取り出すモードと、を切りかえることが可能である。これにより、1Ω以下から数百Ωの範囲にわたり、共振回路のインピーダンス、ひいては共振電流IRXを制御でき、平滑キャパシタC2の両端間の整流電圧VRECTの変動を抑制できる。
平滑キャパシタC2の後段には多くの場合、電圧レギュレータ30が設けられる。そして電圧レギュレータ30には適切な入力電圧範囲が存在する。インピーダンス調整回路28によって、2つのモードを切りかえることにより、整流電圧VRECTを、電圧レギュレータ30の適切な入力電圧範囲に治めることができる。
また実施の形態では、第1ダイオードD1が、直列共振モードにおいて共振回路のインピーダンスを低下させるためのインピーダンス素子としての機能と、直列共振モードにおいて、共振電流IRXを整流する整流回路を形成する素子としての機能を兼用している。これにより、回路面積の増大を抑制できる。
また図3の構成では、第1整流部40と平滑キャパシタC2の間に、インダクタL2が挿入されている。これにより、第2整流部42が活性状態において、第1整流部40を自動的に不活性状態とすることができる。つまり、整流回路24の出力を切りかえるために、トランジスタなどのスイッチ素子が不要であり、スイッチM1のオン、オフに応じて、整流回路24の動作を自動で切りかえることができる。
またモードコントローラ26は、平滑キャパシタC2の両端間の整流電圧VRECTにもとづいてモードを切りかえることとした。これにより、整流電圧VRECTの変動を直接的に抑制できる。
また図3の構成では、共振キャパシタC1を、等価的に直列接続された複数のキャパシタC1a、C1bで構成することとし、整流回路24は、スイッチM1がオンの状態において、複数のキャパシタC1a、C1bのうち少なくともひとつの両端間の電圧VC1bを共振電圧VRESとして、平滑キャパシタC2をチャージすることとした。
この場合、複数のキャパシタC1a、C1bそれぞれには、共振キャパシタC1全体の両端間の電圧VC1を分圧した電圧が発生する。したがって平滑キャパシタC2をチャージするための回路(つまり第1整流部40)に要求される素子耐圧を下げることができる。
この場合、複数のキャパシタC1a、C1bそれぞれには、共振キャパシタC1全体の両端間の電圧VC1を分圧した電圧が発生する。したがって平滑キャパシタC2をチャージするための回路(つまり第1整流部40)に要求される素子耐圧を下げることができる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(第1変形例)
モードコントローラ26は、平滑キャパシタC2の両端間の整流電圧VRECT以外の情報にもとづいて、間接的に2つのモードを切りかえてもよい。たとえばモードコントローラ26は、共振電流IRXを検出する電流センサを含み、共振電流IRXにもとづいてスイッチM1のオン、オフを切りかえてもよい。具体的には、検出した電流量が基準値より大きいとき、スイッチM1をオフして共振回路のインピーダンスを増大させ、検出した電流量が基準値より小さいとき、スイッチM2をオンして共振回路のインピーダンスを低下させてもよい。
モードコントローラ26は、平滑キャパシタC2の両端間の整流電圧VRECT以外の情報にもとづいて、間接的に2つのモードを切りかえてもよい。たとえばモードコントローラ26は、共振電流IRXを検出する電流センサを含み、共振電流IRXにもとづいてスイッチM1のオン、オフを切りかえてもよい。具体的には、検出した電流量が基準値より大きいとき、スイッチM1をオフして共振回路のインピーダンスを増大させ、検出した電流量が基準値より小さいとき、スイッチM2をオンして共振回路のインピーダンスを低下させてもよい。
(第2変形例)
整流回路24の構成は図2のそれには限定されない。当業者によれば第1整流部40、第2整流部42それぞれを、別の回路形式で構成しうることが理解される。たとえば第1整流部40、第2整流部42は、トランジスタを用いて構成してもよい。
整流回路24の構成は図2のそれには限定されない。当業者によれば第1整流部40、第2整流部42それぞれを、別の回路形式で構成しうることが理解される。たとえば第1整流部40、第2整流部42は、トランジスタを用いて構成してもよい。
(第3変形例)
実施の形態では、第1整流部40と平滑キャパシタC2の間にインダクタL2を挿入することで、第1整流部40の活性、不活性状態を自動的に切りかえたが、本発明はそれには限定されない。インダクタL2に代えて第2のスイッチ素子を設け、このスイッチ素子をスイッチM1と同様に、オン、オフ制御してもよい。
実施の形態では、第1整流部40と平滑キャパシタC2の間にインダクタL2を挿入することで、第1整流部40の活性、不活性状態を自動的に切りかえたが、本発明はそれには限定されない。インダクタL2に代えて第2のスイッチ素子を設け、このスイッチ素子をスイッチM1と同様に、オン、オフ制御してもよい。
(第4変形例)
受信コイルL1、共振キャパシタC1、第1ダイオードD1の接続順序は特に限定されず、入れ替えてもよい。また、共振キャパシタC1に生ずる共振電圧VRESがそれほど大きくないアプリケーションにおいては、共振キャパシタC1を単一のキャパシタで構成し、その両端間の電圧を、整流回路24に入力してもよい。
受信コイルL1、共振キャパシタC1、第1ダイオードD1の接続順序は特に限定されず、入れ替えてもよい。また、共振キャパシタC1に生ずる共振電圧VRESがそれほど大きくないアプリケーションにおいては、共振キャパシタC1を単一のキャパシタで構成し、その両端間の電圧を、整流回路24に入力してもよい。
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
1…ワイヤレス給電システム、10…ワイヤレス送電装置、12…送信アンテナ、14…交流電源、20…ワイヤレス受電装置、22…受信アンテナ、24…整流回路、26…モードコントローラ、28…インピーダンス調整回路、L1…受信コイル、C1…共振キャパシタ、D1…第1ダイオード、M1…スイッチ、C2…平滑キャパシタ、30…電圧レギュレータ、32…負荷、40…第1整流部、42…第2整流部、44…出力、46…電圧コンパレータ、L2…インダクタ、D2…第2ダイオード、D3…第3ダイオード、D4…第4ダイオード。
Claims (5)
- ワイヤレス送電装置から送出される電界、磁界、電磁界のいずれかを含む電力信号を受信するワイヤレス受電装置であって、
等価的に直列接続される受信コイルおよび共振キャパシタを含む受信アンテナと、
前記受信アンテナの両端間にループを形成するよう挿入される第1ダイオードと、
前記第1ダイオードと並列に設けられたスイッチと、
平滑キャパシタと、
前記スイッチのオン、オフを制御するモードコントローラと、
前記スイッチのオン状態において、前記共振キャパシタの両端間の電圧に応じた共振電圧に応じて前記平滑キャパシタをチャージし、前記スイッチのオフ状態において、前記第1ダイオードに流れる電流に応じて前記平滑キャパシタをチャージする整流回路と、
を備えることを特徴とするワイヤレス受電装置。 - 前記整流回路は、
前記共振キャパシタと並列に設けられた第2ダイオードと、アノードが前記第2ダイオードのカソードと接続され、カソードが前記平滑キャパシタと接続される第3ダイオードと、を含む第1整流部と、
アノードが前記第1ダイオードのカソードと接続され、カソードが前記平滑キャパシタと接続される第4ダイオードを含む第2整流部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス受電装置。 - 前記整流回路は、
前記共振電圧を整流し、前記平滑キャパシタに出力する第1整流部と、
前記第1整流部の出力と前記平滑キャパシタの間に設けられたインダクタと、
前記第1ダイオードに流れる電流を整流し、前記平滑キャパシタに出力する第2整流部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス受電装置。 - 前記モードコントローラは、前記平滑キャパシタの両端間の整流電圧に応じた検出電圧を所定の基準電圧と比較する電圧コンパレータを含み、前記検出電圧が前記基準電圧を超えると前記スイッチをオフし、前記検出電圧が前記基準電圧を下回ると前記スイッチをオンすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のワイヤレス受電装置。
- 前記共振キャパシタは、等価的に直列接続された複数のキャパシタを含み、
前記整流回路は、前記スイッチがオンの状態において、前記複数のキャパシタのうち少なくともひとつの両端間の電圧を前記共振電圧として、前記平滑キャパシタをチャージすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のワイヤレス受電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014213789A JP2016082782A (ja) | 2014-10-20 | 2014-10-20 | ワイヤレス受電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014213789A JP2016082782A (ja) | 2014-10-20 | 2014-10-20 | ワイヤレス受電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016082782A true JP2016082782A (ja) | 2016-05-16 |
Family
ID=55956613
Family Applications (1)
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JP2014213789A Pending JP2016082782A (ja) | 2014-10-20 | 2014-10-20 | ワイヤレス受電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016082782A (ja) |
-
2014
- 2014-10-20 JP JP2014213789A patent/JP2016082782A/ja active Pending
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