JP2016080405A - 超音波探傷システム及び超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷システム及び超音波探傷装置 Download PDF

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浩 竹本
植松 充良
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Abstract

【課題】検査精度の高い超音波探傷システム及び超音波探傷装置を提供すること。
【解決手段】超音波探傷システム(1)は、局部水浸方式の超音波探傷装置(2)と、被検査対象である複合材(4)を保持する保持装置(3)とを備える。超音波探傷装置は、探傷ヘッド(20)と、探傷ヘッド支持部(21)とを備える。探傷ヘッドは、貯水槽(201)と、貯水槽に水を供給するための流入口(202)と、開口部(203)とを備える。開口部は、水槽の水が複合材の被検査面(41)に向けて湧き出るように構成されている。探傷ヘッド支持部は、開口部が鉛直方向に対して上方を向くように、探傷ヘッドを支持する。保持装置は、複合材(4)の被検査面(41)が鉛直方向に対して下方を向き、かつ複合材の被検査面が探傷ヘッドの開口部と向き合うように、複合材を保持する。
【選択図】図2A

Description

本発明は、超音波探傷システム及び超音波探傷装置に関する。
例えば、航空機の翼は、種々の複合材で形成されている。複合材は、基本的には、製造段階で、超音波探傷検査される。従来、超音波探傷検査には、水浸方式が用いられていた。水浸方式は、安定な超音波エコーが得られるという利点を持つ。
しかしながら、水浸方式の超音波探傷装置を用いて被検査対象(ワーク)である複合材が検査される場合、次のような技術的な課題があった。一般的に、複合材は、水に対して撥水性がある。そのため、被検査対象である複合材が水中に沈められたとき、複合材の表面に気泡が付着しやすい。この状態で超音波探傷検査が実行されると、気泡に起因したノイズが発生しやすい。このノイズにより、測定された超音波エコーの波形が本来得られるべき波形と異なってしまう。このことは、検査精度に悪影響をもたらす。
上述の課題を解決する一案として、水噴射方式が考えられる。水噴射方式は、水を被検査対象の表面に向けて噴射しながら、超音波を被検査対象の表面に照射するという方式である。その関連技術として、特許文献1は、水噴射方式の超音波探傷装置を用いて航空機の複合材を検査する方法を開示している。
特許第3378367号
しかしながら、水噴射方式の超音波探傷装置には、次の課題がある。それは、被検査対象である複合材の表面に向けて水が噴射されたとき、複合材の表面及び複合材の端面で水が跳ね返りやすいことである。その跳ね返りによっても、ノイズが発生しやすい。このことは、検査精度に悪影響をもたらす。
以上の観点から、気泡の発生を抑制しつつ、検査精度の高い超音波探傷システム及び超音波探傷装置が望まれている。
以下に、「発明を実施するための形態」で使用される符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、「特許請求の範囲」の記載と「発明を実施するための形態」との対応関係を明確にするために付加されたものである。ただし、これらの符号は、「特許請求の範囲」に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いられるものではない。
本発明の第1の観点の超音波探傷システム(1、1A、1B、1C)は、
局部水浸方式の超音波探傷装置(2)と、
被検査対象である複合材(4)を保持する保持装置(3)と
を備える。
超音波探傷装置は、
探傷ヘッド(20)と、
探傷ヘッド支持部(21)と
を備える。
探傷ヘッドは、
貯水槽(201)と、
貯水槽に水を供給するための流入口(202)と、
貯水槽の水が複合材の被検査面(41)に向けて湧き出るように構成された開口部(203)と
を備える。
探傷ヘッド支持部は、開口部が鉛直方向に対して上方を向くように、探傷ヘッドを支持する。保持装置は、複合材の被検査面が鉛直方向に対して下方を向き、かつ複合材の被検査面が探傷ヘッドの開口部と向き合うように、複合材を保持する。
保持装置は、複合材を床面から離間した位置に吊り下げ支持する吊り下げ支持機構(3、31、32)を備えていてもよい。
吊り下げ支持機構は
第1ベース部(32L)と、
第2ベース部(32M)と、
前記第1ベース部に接続され、前記複合材の第1部分(42)を吊り下げ支持する第1線状部材(31)と、
前記第2ベース部に接続され、前記複合材の第2部分(42)を吊り下げ支持する第2線状部材(31)と
を備えていてもよい。
探傷ヘッド支持部は、探傷ヘッドが床面(5)に対して水平移動するように構成された水平移動機構(21H)を備えていてもよい。
水平移動機構は、
床面に平行な第1方向(X軸)に探傷ヘッドを直線移動させるように構成された第1方向移動機構(211、211、212、212)と、
床面に平行かつ第1方向に垂直な第2方向(Y軸)に探傷ヘッドを直線移動させるように構成された第2方向移動機構(213、214)と
を備えていてもよい。
探傷ヘッド支持部は、探傷ヘッドを床面(5)に対して鉛直方向(Z軸)に直線移動させるように構成された鉛直移動機構(21V)を更に備えていてもよい。
探傷ヘッド支持部は、探傷ヘッドを複合材の被検査面に向けて付勢する付勢機構(22)を更に備えていてもよい。
探傷ヘッドの開口部の形状は、長方形であってもよい。
本発明の第2の観点の超音波探傷装置は、探傷ヘッド(20)と、探傷ヘッド支持部(21)とを備える局部水浸方式の超音波探傷装置である。
探傷ヘッドは、
貯水槽(201)と、
貯水槽に水を供給するための流入口(202)と、
貯水槽の水が複合材(4)の被検査面(41)に向けて湧き出るように構成された開口部(203)と
を備える。
探傷ヘッド支持部は、開口部が鉛直方向に対して上方を向くように、探傷ヘッドを支持する。
本発明によれば、気泡の発生を抑制しつつ、検査精度の高い超音波探傷システム及び超音波探傷装置を提供することができる。
図1は、水噴射方式を用いた超音波探傷システムAの構成例を示す側面図である。 図2Aは、超音波探傷システム1の構成例を示す側面図である。 図2Bは、図2Aに示す超音波探傷システム1を上方から見た平面図である。 図2Cは、超音波探傷システム1の動作例を示す説明図である。 図2Dは、超音波探傷システム1の効果の説明図である。 図3Aは、超音波探傷システム1の構成例を示す側面図である。 図3Bは、図3Aに示す超音波探傷システム1を上方から見た平面図である。 図4Aは、上方から見た探傷ヘッド20の構成例を示す平面図である。 図4Bは、図4AのX1−X1点における探傷ヘッド20の断面図である。 図5は、超音波探傷システム1の制御系の構成例を示すブロック図である。 図6は、超音波探傷システム1Aの構成例を示す側面図である。 図7は、超音波探傷システム1Bの構成例を示す斜視図である。 図8は、超音波探傷システム1Cの構成例を示す側面図である。 図9は、超音波探傷システム1Dの構成例を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に関連づけて説明する。以下の実施の形態において、同一の部材には原則として同一の符号が付され、その繰り返しの説明は省略される。符号の添え字は、同種の部材を区別するためのものである。その区別が不要の場合、その添え字は、適宜省略される。
1.用語の定義
1)本願明細書では、X軸、Y軸及びZ軸を持つ直交座標が使用される。X軸、Y軸及びZ軸は、説明の便宜を図るため、次のように設定されている。X軸、Y軸及びZ軸の原点は、図2Aに示すように、床面(5)にある。X軸は、図2Aに示すように、床面に沿っている。Y軸は、図2Bに示すように、床面に沿うと共にX軸に垂直である。Z軸は、X軸及びY軸の双方に対して垂直である。
2)本願明細書で想定されている「被検査対象」は、例えば、航空機の翼を構成する複合材である。「被検査対象」は、複合材であれば特に限定されるものではない(例えば、風車の翼)。
3)「被検査面」は、「複合材」の表面の一部であって、図4Bに示すように、プローブ204からの超音波が照射される部分である。
4)「水」は、純水であってもよいし、不純物(例えば、防腐剤)を含んでいてもよい。
5)「超音波探傷検査」は、単に「検査」とも呼ばれる。
2.本願発明者によって認識された課題
初めに、一般的な水噴射方式の概要について説明する。図1は、水噴射方式を用いた超音波探傷システムAの構成例を示す側面図である。
図1に示すように、超音波探傷システムAは、水噴射方式の超音波探傷装置Bと、保持装置Cとを備える。水噴射方式は、水浸方式と比べて、被検査対象の表面に気泡が発生しにくいという利点を持つ。水噴射方式が用いられる場合、一般的に、被検査対象である複合材4は、複合材4の表面が概ね鉛直方向に沿うように配置される。そのため、保持装置Cは、床面5の上方から複合材4が吊り下げられるように、床面5から離間した位置で複合材4を保持している。この場合、複合材4の一端は、床面5の上方にある固定具C1で固定されている。その状態で、超音波探傷装置Bは、複合材4の被検査面41を走査して検査する。このとき、超音波探傷装置Bは、水を被検査面41に向けて噴射させながら、超音波を被検査面41に照射する。
本願発明者は、水噴射方式を用いた超音波探傷システムAが次の課題を抱えていることに気が付いた。1つ目は、複合材4の被検査面41に向けて水が噴射されたとき、被検査面41及び側部44で水が跳ね返りやすいことである。このことにより、ノイズが発生しやすい。このノイズは、測定された超音波エコーの波形を本来得られるべき波形から変えてしまう。
2つ目は、複合材4の孔部(例えば、ドリルホール)に水が入りやすいことである。複合材4には、複数の孔部が設けられていることが多い。例えば、図1に示す孔部43の周辺が検査されるとき、水Wが孔部43を流れる。水Wは、被検査面41と反対側の面45に付着しやすい。このことも、ノイズの原因の一つとなる。
本願発明者は、上述の課題に着目し、気泡の発生を抑制しつつ、検査精度の高い超音波探傷システム及び超音波探傷装置を発明した。
3.第1の実施の形態
3.1.構成の概要
第1の実施の形態の概要を図2A、図2B及び図2Cを参照して説明する。図2Aは、超音波探傷システム1の構成例を示す側面図である。図2Bは、図2Aに示す超音波探傷システム1を上方から見た平面図である。
図2A及び図2Bに示すように、超音波探傷システム1は、局部水浸方式の超音波探傷装置2と、保持装置3とを備える。複合材4は、超音波探傷装置2の被検査対象である。
超音波探傷装置2は、探傷ヘッド20と、探傷ヘッド支持部21とを備える。探傷ヘッド20は、複合材4の被検査面41を走査して検査する。その詳細は、次の通りである。探傷ヘッド20は、貯水槽201と、流入口202と、開口部203とを備える。開口部203は、貯水槽201の水が開口部203から湧き出るように(言い換えれば、あふれ出るように)、つまり、貯水槽201の水が複合材4の被検査面41に向けて湧き出るように構成されている。流入口202は、貯水槽201に水を供給するための流入口である。探傷ヘッド支持部21は、開口部203が鉛直方向に対して常に上方(Z軸の正方向)を向くように、探傷ヘッド20を支持している。探傷ヘッド支持部21は、X軸、Y軸及びZ軸の各々に沿って探傷ヘッド20を移動させる。つまり、探傷ヘッド20は、床面5と被検査面41との間の空間内の任意の位置に移動する。
保持装置3は、複合材4を床面5から離間した位置で保持するように構成されている。具体的には、保持装置3は、複合材4の被検査面41が鉛直方向に対して下方(Z軸の負方向)を向き、かつ複合材4の被検査面41が探傷ヘッド20の開口部203と向き合うように、複合材4を保持する。つまり、複合材4は、床面5の上方で横向きに配置される。複合材4を保持するため、保持装置3は、例えば、複合材4を床面5から離間した位置に吊り下げ支持する吊り下げ支持機構を備える。
吊り下げ支持機構は、第1ベルト31と、第2ベルト31とを備える。第1ベルト31は、第1線状部材の一例である。第2ベルト31は、第2線状部材の一例である。第1ベルト31及び第2ベルト31の双方は、床面5から所定高さhの位置で複合材4が保持されるように、概ねY軸方向に沿って張られている。第1ベルト31は、第2ベルト31からX軸方向に離間している。
複合材4の形状は、任意である。例えば、本実施の形態では、複合材4は、上方(Z軸の正方向から負方向)から見て、航空機の翼の形状を持つ。側面(X軸の負方向から正方向)から見て、複合材4は、湾曲している。つまり、複合材4は、曲面を持つ。複合材4は、複数の孔部を備えていてもよい。更に、本実施の形態では、複合材4は、第1突出部42(第1部分とも呼ばれる)と、第2突出部42(第2部分とも呼ばれる)とを備える。第1突出部42及び第2突出部42の各々は、複合材4の一部から延伸した部分であって、製造工程で複合材4を保持するための取手としての役割を持つ。最終的な工程で、第1突出部42及び第2突出部42は、取り除かれる。第1突出部42は、第1ベルト31の上に配置されている。もう一方の第2突出部42は、第2ベルト31の上に配置されている。当然ながら、複合材4が第1ベルト31及び第2ベルト31と接触していない部分は、露出している。
なお、第1突出部42及び第2突出部42は、必ず設けられている訳ではない。両者が設けられていない場合は、複合材4の一端(つまり、第1部分)が第1ベルト31の上に置かれ、複合材4の他端(つまり、第2部分)が第2ベルト31の上に置かれる。
3.2.動作の概要
図2Cは、超音波探傷システム1の動作例を示す説明図である。ここでは、説明を簡単にするため、複合材4の所定箇所POが検査される場合を例に挙げる。なお、図2Cでは、探傷ヘッド支持部21及び保持装置3の図示が省略されている。
第1ステップ(複合材4の保持):
初めに、クレーン(例示)又は人手によって、複合材4が第1ベルト31及び第2ベルト31の上に配置される。つまり、保持装置3が床面5から離間した位置で複合材4を保持する。
第2ステップ(探傷ヘッド20の移動):
探傷ヘッド支持部21が探傷ヘッド20を複合材4の所定箇所POの直下まで移動させる。所定箇所POは、被検査面41の一部である。具体的には、例えば、所定箇所POの下方にある水平位置POに接近した位置まで、探傷ヘッド支持部21が探傷ヘッド20を床面5に対して水平移動させる。そして、水平位置POからその上方にある所定箇所POに向けて、探傷ヘッド支持部21が探傷ヘッド20を鉛直上向き(Z軸の負方向から正方向)に移動させる。このことにより、所定箇所POに対して、開口部203の周囲が接触する。このとき、開口部203を含む探傷ヘッド20の上面と被検査面41との間の少なくとも一部には、水が漏れ出る微小な隙間GPがある。なお、図2Cでは、微小な隙間GPは、誇張して描かれている。
一方、第2ステップの段階で、貯水槽201は、流入口202から流入してくる水Wを貯水している。貯水槽201には、水Wが供給され続けている。そのため、その水Wは、被検査面41に向けて開口部203から湧き出し続けている(点線の矢印を参照)。つまり、その水Wは、開口部203を含む探傷ヘッド20の上面を流れ続けている。したがって、探傷ヘッド20の開口部203と複合材4の被検査面41との間は、水Wで満たされている。
第3ステップ(検査):
開口部203と複合材4の被検査面41との間が水Wで満たされている状態で、探傷ヘッド20は、被検査面41を検査する。つまり、超音波探傷装置2は、複合材4の下側から検査する。
3.3.効果
図2Dは、超音波探傷システム1の効果の説明図である。なお、図2Dでは、微小な隙間GPが誇張して描かれている。超音波探傷システム1では、局部水浸方式の超音波探傷装置2が採用されている。超音波探傷システム1によれば、水浸方式の一種である局部水浸方式が用いられるのにも関わらず、気泡の発生を抑制しつつ、上述の課題を克服することができる。それは、以下の理由による。
第1に、超音波探傷装置2が複合材4の下側から検査する。このことを実現するため、探傷ヘッド20は、貯水槽201と、流入口202と、貯水槽201の水が複合材4の被検査面41に向けて湧き出るように構成された開口部203とを備えている。保持装置3は、複合材4を床面5から離間した位置で保持するように構成されている。もし、被検査面41に気泡が付着したとしても、微小な隙間GPから排出される水の流れによって、気泡は、消滅するか、開口部203と被検査面41との間の空間から押し流される。その上、水が被検査面41に向けて勢いよく噴射されないので、被検査面41及び側部(端部)で水が跳ね返りにくい。これらのことは、ノイズの低減につながる。
第2に、複合材4が複数の孔部43を備えていても、その複数の孔部43の各々に水が入りにくいことである。これは、図2Dに示すように、水が複合材4の被検査面41に向けて湧き出るのに過ぎないためである。また、複数の孔部43の各々に水が入ったとしても、重力の作用により、被検査面41と反対側の面45に水が達することが抑制される。そのため、水が被検査面41と反対側の面45に付着しにくい。
3.4.超音波探傷システム1の詳細
超音波探傷システム1を詳細に説明する。図3Aは、超音波探傷システム1の構成例を示す側面図である。図3Bは、図3Aに示す超音波探傷システム1を上方から見た平面図である。図3A及び図3Bに示すように、探傷ヘッド支持部21は、水平移動機構21Hと、鉛直移動機構21Vとを備える。
3.4.1.探傷ヘッド支持部(水平移動機構)
水平移動機構21Hは、探傷ヘッド20を床面5に対して水平移動させるように構成されている。詳細には、水平移動機構21Hは、X軸方向(第1方向)移動機構と、Y軸方向(第2方向)移動機構とを備える。
X軸方向移動機構は、X軸方向に探傷ヘッド20を直線移動させるように構成されている。具体的には、X軸方向移動機構は、直線状の第1走行レール211と、第1走行レール211に沿って自在にスライドする第1ブロック212と、直線状の第2走行レール211と、第2走行レール211に沿って自在にスライドする第2ブロック212とを備える。第1走行レール211及び第2走行レール211は、互いが平行となるように、X軸方向に沿って床面5の上に敷設されている。第1走行レール211と第2走行レール211との間の距離は、複合材の大きさに合わせて、好適に変更することができる。第1走行レール211及び第2走行レール211の長さも、複合材の大きさに合わせて、好適に変更することができる。
X軸方向移動機構の動作は、次の通りである。第1ブロック212は、第1走行レール211に沿って、X軸の負方向からX軸の正方向へ、又はその逆方向へ移動する。これと共に、第2ブロック212は、第2走行レール211に沿って、X軸の負方向からX軸の正方向へ、又はその逆方向へ移動する。つまり、第1ブロック212及び第2ブロック212は、同じ速さで同時に動く。
Y軸方向移動機構は、Y軸方向に探傷ヘッド20を直線移動させるように構成されている。具体的には、Y軸方向移動機構は、横行レール213と、横行レール213に沿って自在にスライドする第3ブロック214とを備える。横行レール213の長さは、第1走行レール211と第2走行レール211との間の距離よりも若干長い。横行レール213は、第1ブロック212及び第2ブロック212の双方の上に配置されている。
Y軸方向移動機構の動作は、次の通りである。第3ブロック214は、横行レール213に沿って、Y軸の負方向からY軸の正方向へ、又はその逆方向へ移動する。
3.4.2.探傷ヘッド支持部(鉛直移動機構)
図3Aに示すように、鉛直移動機構21Vは、探傷ヘッド20を床面5に対して鉛直方向(Z軸方向)に直線運動させるように構成されている。具体的には、鉛直移動機構21Vは、直線状の鉛直レール215と、鉛直レール215に沿って自在にスライドする第4ブロック216とを備える。鉛直レール215は、その長手方向が床面5に対して垂直となるように、第3ブロック214の上に配置されている。探傷ヘッド20は、第4ブロック216の上に配置されている。
鉛直移動機構21Vの動作は、次の通りである。第4ブロック216は、鉛直レール215に沿って、Z軸の負方向からZ軸の正方向へ、又はその逆方向へ移動する。
3.4.3.保持装置(吊り下げ支持機構)
保持装置3は、次のように構成されている。保持装置3の吊り下げ支持機構は、第1ベルト31及び第2ベルト31に加え、第1ベース部32Lと、第2ベース部32Mとを備える。
第1ベース部32Lは、複合材4の第1突出部42(図2B参照)を吊り下げ支持する。具体的には、第1ベース部32Lは、第1支柱32及び第2支柱32に加え、第1固定部33と、第2固定部33とを含む。
第2ベース部32Mは、複合材4の第2突出部42(図2B参照)を吊り下げ支持する。具体的には、第2ベース部32Mは、第3支柱32及び第4支柱32に加え、第3固定部33と、第4固定部33とを含む。
図3Bに示すように、第1支柱32乃至第4支柱32は、複合材4が吊り下げ支持されるように、水平移動機構の周囲にそれぞれ配置されている。具体的には、第1支柱32乃至第4支柱32の各々は、長手方向が床面5に対して垂直(鉛直)になるように、床面5に設置されている。第2支柱32は、第1支柱32からY軸の正方向に離間している。第3支柱32は、第1支柱32からX軸の正方向に離間している。第4支柱32は、第3支柱32からY軸の正方向に離間している。
第1固定部33及び第2固定部33は、第1ベルト31の2つの端部を固定するように構成されている。第1固定部33は、床面5から高さhの位置で第1支柱32に取り付けられている。第2固定部33は、床面5から高さhの位置で第2支柱32に取り付けられている。一方、第3固定部33及び第4固定部33は、第2ベルト31の2つの端部を固定するように構成されている。第3固定部33は、床面5から高さhの位置で第3支柱32に取り付けられている。第4固定部33は、床面5から高さhの位置で第4支柱32に取り付けられている。
第1ベルト31は、第1端部31‐aと、第2端部31‐bとを持つ。第1端部31‐aは、第1固定部33に固定されている。第2端部31‐bは、第2固定部33に固定されている。つまり、第1ベルト31は、第1ベース部32Lに接続され、第1突出部42(図2Bを参照)を吊り下げ支持する。同様に、第2ベルト31は、第1端部31‐aと、第2端部31‐bとを持つ。第1端部31‐aは、第3固定部33に固定されている。第2端部31‐bは、第4固定部33に固定されている。つまり、第2ベルト31は、第2ベース部32Mに接続され、第2突出部42(図2Bを参照)を吊り下げ支持する。
第1ベルト31及び第2ベルト31の双方は、配置された複合材4のモールドライン(複合材の外側の形状)が変形することを防ぐため、柔軟性または伸縮性を持つ素材(例えば、ゴム)で形成されている。それに加え、複合材4が第1ベルト31及び第2ベルト31の上に配置されたとき、複合材4が落下しないように、第1ベルト31及び第2ベルト31の双方は、滑りにくい性質を持つ素材で形成されていることが望ましい。第1ベルト31及び第2ベルト31の長さは、複合材4が配置されたときに、複合材4が床面5から高さhの位置に吊り下げ支持されるように、第1支柱32と第2支柱32との間の距離よりも若干長く設定されている。そのため、図3Aに示すように、側方から見て、第1支柱32と第2支柱32との間の中央付近で、第1ベルト31は、下垂している。同様に、第3支柱32と第4支柱32との間の中央付近で、第2ベルト31は、下垂している。なお、高さhは、第1固定部33から第4固定部33の各々が取り付けられている高さhよりも若干低い。
ここで、図1を参照して保持装置3の効果について述べる。1つ目は、複合材4のモールドラインが変形しにくいことにある。図1に示す保持装置Cでは、複合材4が吊り下げられたとき、複合材4の湾曲を伸ばす方向に自重がかかる。このことにより、モールドラインが変形する恐れがある。もし、モールドラインが変形した場合、次の不利益がある。基本的に、探傷ヘッド20は、被検査面41に沿うように、予め定められた走査ルートに沿って走査しながら複合材4を検査する。そのため、もし、モールドラインが変形した場合、探傷ヘッド20の走査ルートが被検査面41に沿わなくなる恐れがある。その結果、複合材4の検査が適切に行われない恐れがある。したがって、モールドラインの変形をできるだけ防ぐ必要がある。
これに対し、本実施の形態では、2本のベルト31によって複合材4が吊り下げ支持される。換言すれば、柔軟性または伸縮性のある第1ベルト31及び第2ベルト31の上に複合材4が配置される。したがって、複合材4の自重に起因してモールドラインが変形することが抑制される。
2つ目は、保持装置3の構造が簡単であることにある。図1に示すように、複合材4が床面5の上方から吊り下げられる場合、一般的に言って、その吊り下げる治具(例えば、固定具C1)が大掛かりになりやすい。図1に示す保持装置Cと比べると、保持装置3では、2本のベルト31が使われるので、保持装置3の構造が簡単になる。
3.5.探傷ヘッドの詳細
探傷ヘッド20を詳細に説明する。図4Aは、上方から見た探傷ヘッド20の構成例を示す平面図である。図4Bは、図4AのX1−X1点における探傷ヘッド20の断面図である。探傷ヘッド20は、貯水槽201と、第1流入口202と、第2流入口202と、開口部203とに加え、プローブ204と、枠部205とを備える。超音波探傷装置2は、給水ポンプ6と、第1給水管61と、第2給水管61とを更に備える。
3.5.1.貯水槽
貯水槽201は、開口部203に対向する底面206と、側面207とを備え、直方体の形状をしている。貯水槽201は、水を十分に貯水することができる容量を持っている。また、貯水槽201は、第1孔部202a及び第2孔部202aを側面207にそれぞれ備えている。第1孔部202aは、枠部205の内部を通じて第1流入口202に繋がっている。同様に、第2孔部202aは、枠部205の内部を通じて第2流入口202に繋がっている。第1孔部202a及び第2孔部202aは、互いが向き合うように、貯水槽201の側面207に設けられている。これは、開口部203から湧き出る水の流れをできるだけ均一にするためである。なお、第1孔部202a及び第2孔部202aの各々が側面207に設けられた場合、第1孔部202a及び第2孔部202aの各々が底面206に設けられる場合よりも、開口部203から湧き出る水の流れが均一化される。
3.5.2.開口部
開口部203は、上方から見て(Z軸の正方向から負方向)、長方形の形状をしている。開口部203の形状は、できるだけ細長い方が望ましい。それは、超音波(超音波エコー)のS/N比をできるだけ上げるためである。
3.5.3.プローブ
プローブ204は、貯水槽201の底面206の直下(Z軸の負方向)に配置されている。プローブ204は、大別して、次の2つの機能を持つ。1つ目は、超音波を開口部203へ向けて出力することである。2つ目は、複合材4からの超音波エコーを受信することである。プローブ204は、この2つの機能を後述の端末8の制御に基づいて実行する。なお、超音波を出力する送信用プローブと、超音波エコーを受信する受信用プローブとを別々に設けてもよい。
3.5.4.枠部
枠部205は、上方(Z軸の正方向から負方向)から見て、貯水槽201の周囲を囲んでいる部分である。枠部205の表面2051は、検査時に、複合材4の被検査面41に接触する。複合材4の形状に追従することができるように、表面2051の面積(接触面積という)は、できるだけ小さい方が望ましい。
3.5.5.給水ポンプ・給水管
第1給水管61の一端は、給水ポンプ6に接続されている。第1給水管61の他端は、第1流入口202に接続されている。同様に、第2給水管61の一端は、給水ポンプ6に接続されている。第2給水管61の他端は、第2流入口202に接続されている。給水ポンプ6は、第1給水管61及び第2給水管61を通じて水を貯水槽201に供給する。水の供給量は、開口部203から一定量の水が湧き出る範囲内であればよい。水の供給量が多すぎると、開口部203から水が勢いよく噴出されるため、気泡が発生しやすいことに留意されたい。給水ポンプ6は、開口部203から一定量の水が湧き出る範囲内であれば、水の供給を断続的に行ってもよいし、連続的に行ってもよい。
本実施の形態では、2つの流入口202が設けられている場合を例に挙げた。流入口202の個数は、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。その場合は、流入口202の個数に応じて、給水管61などを好適に設ければよい。
3.6.制御系
図5は、超音波探傷システム1の制御系の構成例を示すブロック図である。超音波探傷装置2は、第1駆動部71と、第2駆動部72と、第3駆動部73と、端末8とを備える。
第1駆動部71から第3駆動部73の各々は、例えば、モータで構成され、端末8の指示に基づいて、次の動作を実行する。第1駆動部71は、X軸方向移動機構の第1ブロック212及び第2ブロック212の双方を同時に駆動する。第2駆動部72は、Y軸方向移動機構の第3ブロック214を駆動する。第3駆動部73は、Z軸方向移動機構の第4ブロック216を駆動する。
端末8は、例えば、CPU(中央演算処理装置)と、記憶部(例えば、メモリ、ハードディスク)と、操作部(例えば、キーボード、マウス)と、ディスプレイと、I/O(Input/Output)とを備える。端末8は、第1駆動部71と、第2駆動部72と、第3駆動部73と、プローブ204と、給水ポンプ6とにそれぞれ電気的に接続されている。端末8は、大別して、次の制御を実行する。1つ目は、第1駆動部71、第2駆動部72及び第3駆動部73の各々の制御である。2つ目は、プローブ204の制御である。3つ目は、給水ポンプ6の制御である。4つ目は、プローブ204から得られた超音波エコーの解析である。
3.7.制御系の動作
制御系の動作例について説明する。ここでも、説明を簡単にするため、複合材4の所定箇所PO(図2Cを参照)が検査される場合を例に挙げる。
第1ステップ(探傷ヘッド20の移動):
端末8は、探傷ヘッド支持部21が探傷ヘッド20を複合材4の所定箇所(例えば、図2Cに示すPO)の直下へ移動させるように、第1駆動部71から第3駆動部73の各々を制御する。
第2ステップ(水の供給):
端末8は、給水ポンプ6が水を貯水槽201に供給するように、給水ポンプ6を制御する。このことにより、第1給水管61及び第2給水管61を通じて水が貯水槽201に供給される。そして、貯水槽201が満水になったとき、開口部203から水が湧き出し始める。なお、第2ステップは、第1ステップの前に実行されてもよい。
第3ステップ(プローブ204の制御):
端末8は、プローブ204が超音波を開口部203へ向けて出力するように、プローブ204を制御する。その後、プローブ204から出力された超音波は、被検査面41に照射され、被検査面41から複合材4の内部へ伝搬される。超音波が複合材4の内部にある欠陥、又は被検査面41と反対の面に到達すると、超音波エコーが発生する。端末8は、プローブ204が超音波エコーを受信するように、プローブ204を制御する。プローブ204は、受信した超音波エコーを端末8に送信する。
第4ステップ(解析):
端末8は、プローブ204から超音波エコーを入力し、これを基に複合材4の欠陥等を解析する。そして、端末8は、例えば、解析結果をディスプレイに表示する。
以上、超音波探傷システム1について説明した。本実施の形態により、気泡の発生を極力抑制しつつ、検査精度の高い超音波探傷システム及び超音波探傷装置が提供される。
4.第2の実施の形態
第2の実施の形態を説明する。図6は、超音波探傷システム1Aの構成例を示す側面図である。図6に示すように、鉛直移動機構21Vの構成が第1の実施の形態のものと異なる。具体的には、探傷ヘッド支持部21は、探傷ヘッド20を複合材4の被検査面41に向けて付勢する付勢機構22を更に備える。付勢機構22は、例えば、複数の圧縮バネ22Sを備える。複数の圧縮バネ22Sの各々は、鉛直レール215の周囲を取り巻くように、第3ブロック214と第4ブロック216との間に設けられている。各圧縮バネ22Sの伸縮方向は、概ね鉛直方向である。
付勢機構22は、次のように動作する。探傷ヘッド20が複合材4の被検査面41に接触しているとき、探傷ヘッド20は、各圧縮バネ22Sの弾性力によって、被検査面41に向けて付勢される。
そのため、第1の実施の形態と同様の効果に加え、複合材4の形状が複雑であっても、より確実に、探傷ヘッド20が被検査面41に接触するという利点がある。
5.第3の実施の形態
第3の実施の形態を説明する。例えば大型航空機の翼のように、被検査対象である複合材が大型である場合、複合材のモールドラインの変形を防ぐために、保持装置3を次のように構成することができる。
図7は、超音波探傷システム1Bの構成例を示す斜視図である。図7に示すように、保持装置3の吊り下げ支持機構は、第3ベルト31乃至第6ベルト31と、第3ベース部32Nとを更に備える。なお、図7では、超音波探傷装置2の図示が省略されている。
第1ベース部32Lは、第1梁34を更に備える。第1梁34は、第1支柱32と第2支柱32との間を接続している。第1固定部33及び第2固定部33は、互いに離間し、第1梁34の下面に設けられている。第1ベルト31の両端は、第1固定部33に固定されている。第2ベルト31の両端は、第2固定部33に固定されている。
第2ベース部32Mは、第2梁34を更に備える。第2梁34は、第3支柱32と第4支柱32との間を接続している。第3固定部33及び第4固定部33は、互いに離間し、第2梁34の下面に設けられている。第3ベルト31の両端は、第3固定部33に固定されている。第4ベルト31の両端は、第4固定部33に固定されている。
第3ベース部32Nは、第5支柱32と、第6支柱32と、第5固定部33と、第6固定部33と、第3梁34とを含む。第3梁34は、第5支柱32と第6支柱32との間を接続している。第5固定部33及び第6固定部33は、互いに離間し、第3梁34の下面に設けられている。第5ベルト31の両端は、第5固定部33に固定されている。第6ベルト31の両端は、第6固定部33に固定されている。
複合材4は、第1突出部42及び第2突出部42に加え、第3突出部42乃至第6突出部42を備える。図7の例では、第1突出部42、第3突出部42及び第5突出部42は、複合材4の第1側部46に沿って、それぞれ設けられている。第2突出部42、第4突出部42及び第6突出部42は、複合材4の第2側部47に沿って、それぞれ設けられている。
第1突出部42は、第1ベルト31によって形成された輪の内側に配置されている。同様に、第2突出部42は、第2ベルト31によって形成された輪の内側に配置されている。第3突出部42は、第3ベルト31によって形成された輪の内側に配置されている。第4突出部42は、第4ベルト31によって形成された輪の内側に配置されている。第5突出部42は、第5ベルト31によって形成された輪の内側に配置されている。第6突出部42は、第6ベルト31によって形成された輪の内側に配置されている。
なお、線状部材は、例えば、ロープ又はワイヤーであってもよい。例えば、線状部材としてロープが用いられる場合は、第1突出部42乃至第6突出部42の各々がロープで結ばれていてもよい。複合材4の形状に合わせて、3つ以上のベース部が設けられていてもよい。
本実施の形態では、第1突出部42乃至第6突出部42の各々が対応するベルト31によって吊り下げ支持されている。つまり、第1の実施の形態と比較した場合、本実施の形態では、複合材4がより多くのベルト31で吊り下げ支持されている。したがって、複合材4にかかる自重が分散される。例えば大型航空機の翼のように、複合材が大型である場合、複合材のモールドラインの変形をより効果的に防ぐことができる。その上、より確実に複合材4の位置を床面5の上方で固定することができる。
6.第4の実施の形態
第4の実施の形態を説明する。図8は、超音波探傷システム1Cの構成例を示す側面図である。図8に示すように、保持装置3の構造が第1の実施の形態のものと異なる。具体的には、梁34aに第1支柱32a及び第2支柱32aがそれぞれ接続されている。梁34aは、例えば、天井に近い位置にある。第1支柱32から第4支柱32の各々は、その長手方向が床面5に対して垂直である。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
7.第5の実施の形態
第5の実施の形態を説明する。図9は、超音波探傷システム1Dの構成例を示す側面図である。図9に示すように、水平移動機構21Hの構成が第1の実施の形態のものと異なる。具体的には、X軸方向移動機構が1本の走行レール211と、第1ブロック212とで構成されている。
例えば、複合材4が小型である場合は、横行レール213の長さが短くて済む。その場合は、必ずしも2本の走行レール211を設ける必要がない。本実施の形態は、そのような場合に有益である。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、本発明に種々の変更を加えることができる。例えば、超音波探傷にかかる時間を短縮するため、複数の探傷ヘッド20が設けられていてもよい。また、以上の実施の形態では、保持装置3によって複合材4の位置が固定され、探傷ヘッド20が移動する例を説明した。これとは逆に、探傷ヘッド20の位置を固定し、複合材4を移動させる構成を採用してもよい。
技術的な矛盾が生じない範囲内で、全ての実施の形態を好適に組む合わせることができる。例えば、第2の実施の形態と第3の実施の形態とを組み合わせることができる。
1、1A、1B、1C、1D…超音波探傷システム、2…超音波探傷装置、20…探傷ヘッド、21…探傷ヘッド支持部、201…貯水槽、202…第1流入口、202…第2流入口、202a…第1孔部、202a…第2孔部、203…開口部、204…プローブ、205…枠部、206…底面、207…側面、21H…水平移動機構、21V…鉛直移動機構、211…第1走行レール、211…第2走行レール、212…第1ブロック、212…第2ブロック、213…横行レール、214…第3ブロック、215…鉛直レール、22…付勢機構、22S…圧縮バネ、3…保持装置、31…第1ベルト、31…第2ベルト、31…第3ベルト、31…第4ベルト、31…第5ベルト、31…第6ベルト、32L…第1ベース部、32M…第2ベース部、32N…第3ベース部、32…第1支柱、32…第2支柱、32…第3支柱、32…第4支柱、32…第5支柱、32…第6支柱、33…第1固定部、33…第2固定部、33…第3固定部、33…第4固定部、33…第5固定部、33…第6固定部、34…梁、4…複合材、41…被検査面、42…第1突出部42…第2突出部、5…床面、6…給水ポンプ、61…第1給水管、61…第2給水管、71…第1駆動部、72…第2駆動部、73…第3駆動部、8…端末

Claims (9)

  1. 局部水浸方式の超音波探傷装置と、
    被検査対象である複合材を保持する保持装置と
    を備え、
    前記超音波探傷装置は、
    探傷ヘッドと、
    探傷ヘッド支持部と
    を備え、
    前記探傷ヘッドは、
    貯水槽と、
    前記貯水槽に水を供給するための流入口と、
    前記貯水槽の水が前記複合材の被検査面に向けて湧き出るように構成された開口部と
    を備え、
    前記探傷ヘッド支持部は、前記開口部が鉛直方向に対して上方を向くように、前記探傷ヘッドを支持し、
    前記保持装置は、前記複合材の前記被検査面が鉛直方向に対して下方を向き、かつ前記複合材の前記被検査面が前記探傷ヘッドの前記開口部と向き合うように、前記複合材を保持する
    超音波探傷システム。
  2. 前記保持装置は、前記複合材を床面から離間した位置に吊り下げ支持する吊り下げ支持機構を備える
    請求項1に記載の超音波探傷システム。
  3. 前記吊り下げ支持機構は、
    第1ベース部と、
    第2ベース部と、
    前記第1ベース部に接続され、前記複合材の第1部分を吊り下げ支持する第1線状部材と、
    前記第2ベース部に接続され、前記複合材の第2部分を吊り下げ支持する第2線状部材と
    を備える
    請求項2に記載の超音波探傷システム。
  4. 前記探傷ヘッド支持部は、前記探傷ヘッドが床面に対して水平移動するように構成された水平移動機構を備える
    請求項1に記載の超音波探傷システム。
  5. 前記水平移動機構は、
    前記床面に平行な第1方向に前記探傷ヘッドを直線移動させるように構成された第1方向移動機構と、
    前記床面に平行かつ前記第1方向に垂直な第2方向に前記探傷ヘッドを直線移動させるように構成された第2方向移動機構と
    を備える
    請求項4に記載の超音波探傷システム。
  6. 前記探傷ヘッド支持部は、前記探傷ヘッドを床面に対して鉛直方向に直線移動させるように構成された鉛直移動機構を更に備える
    請求項4または5に記載の超音波探傷システム。
  7. 前記探傷ヘッド支持部は、前記探傷ヘッドを前記複合材の前記被検査面に向けて付勢する付勢機構を更に備える
    請求項4から6のいずれか一項に記載の超音波探傷システム。
  8. 前記探傷ヘッドの開口部の形状は、長方形である
    請求項1に記載の超音波探傷システム。
  9. 探傷ヘッドと、探傷ヘッド支持部とを備える局部水浸方式の超音波探傷装置であって、
    前記探傷ヘッドは、
    貯水槽と、
    前記貯水槽に水を供給するための流入口と、
    前記貯水槽の水が前記複合材の被検査面に向けて湧き出るように構成された開口部と
    を備え、
    前記探傷ヘッド支持部は、前記開口部が鉛直方向に対して上方を向くように、前記探傷ヘッドを支持する
    超音波探傷装置。
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