JP2016077887A - 歯列矯正具の製造方法 - Google Patents

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【課題】レーザー照射による熱変形を防止して、正確な形状の歯列矯正具を複数同時に製造することができる方法を提供する。【解決手段】これは、3Dプリンターを用いて歯列矯正具としての歯列矯正ブラケット1を製造する方法であって、テーブルに載せたプレート12上に粉末素材11を敷き詰める第一工程と、この粉末素材の表面に歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータに基づいてレーザーを走査して、該レーザーが照射された部分のみを硬化させることにより、プレート12上に1層分の断面形状を形成する第二工程とを備え、テーブルを1層ずつ降下させて、前記第一工程と第二工程を繰り返すことにより、サポート付きの歯列矯正ブラケット1を複数同時に製造しうることを特徴とするものである【選択図】図4

Description

本発明は、歯列矯正具の製造方法に関し、詳しくは3Dプリンターを用いた歯列矯正具の製造方法に係るものである。
歯列矯正とは、矯正歯科においてブラケットという装置を動かしたい歯の表面に装着し、おのおののブラケットにアーチワイヤーで連結して、3次元的に歯の移動を行い、歯列を整える方法である。以前は金属製ブラケット(メタルブラケット)が多く使用されていたが、美観や金属アレルギーの問題により、最近では合成樹脂性の透明なブラケット(クリアブラケット)が多く使用されている。
その製作方法として、ロストワックス法と、メタルインジェクションモールディング(MIM)法とが知られている。ロストワックス法とは、ロウで制作した型にコーティングを施し、その後ロウを溶かすことによって得られた鋳型を用いて鋳造するものであり、形状・材質が自由自在な加工方法である。MIM法とは、金属粉末をバインダーと混練し、金型に射出成形した後バインダーを加熱除去して、金属単体に焼結させるもので、複雑形状品が大量生産出来る加工方法である。
しかしながら、いずれも金型などを使用するので、その加工対象などに限界があった。そこで、金型などを一切使用せず、直接加工できる3Dプリンターが、近年では脚光を浴びるに至った。例えば、特許文献1では、選択的レーザー溶融(SLM)法を使用してカスタマイズされた舌側の歯列矯正ブラケットを直接制作する方法が開発された。ここでは、患者の歯のプロファイルの歯生状態データを測定し、その歯生状態データに基づいて、患者の歯の三次元コンピュータ支援設計(3D−CAD)モデルを作成し、3D−CADモデルをコンピュータに保存し、単一の舌側ブラケット構造のための3D−CADモデルを設計し、3D−CADブラケット構造モデルをSLM機械へインポートしてブラケットを直接制作し、そのブラケット表面を臨床上の要求に基づいて処理する。
ところで、3Dプリンターには種々の方式のものがある。一般の光造形(Stereo Lighography Apparatus:SLA)法では、立体モデルの断面データに基づいて、レーザーを液状の光硬化性樹脂の表面に走査する。レーザーが照射された部分のみが硬化し、テーブル上に1層分の断面形状が形成される。テーブルを1層ごと降下させて、この工程を繰り返しながら、モデルを形成していく。この方法では、形成中のモデルを支持するサポートを必要とする。
一方、粉末焼結積層造形(Selective Laser Sintering:SLS,Selective Laser Melting:SLM)法とは、立体モデルの断面データに基づいて、レーザーを粉末素材の表面に走査する。レーザーが照射された部分のみが硬化し、テーブル上に1層分の断面形状が形成される。テーブルを1層ごと降下させて、この工程を繰り返しながら、モデルを形成していく。この方法では、焼結された造形物の周りに未焼結粉末が充填された状態となっているので、SLA法のようなサポートを必要としない。
しかしながら、特許文献1の技術では、レーザー照射による熱変形のために、正確な形状の歯列矯正ブラケットの製造が困難となることが懸念される。また、特許文献1の技術では、一度のレーザー照射で歯列矯正ブラケットを複数同時に製造することまでは開示されていない。
本発明は、上記事情に鑑みたものであり、その目的とするところは、常に正確な形状の歯列矯正具を複数同時に製造することのできる方法を提供することである。
本発明は、3Dプリンターを用いて歯列矯正具を製造する方法であって、テーブルに載せたプレート上に粉末素材を敷き詰める第一工程と、この粉末素材の表面に歯列矯正具の3D−CADデータに基づいてレーザーを走査して、該レーザーが照射された部分のみを硬化させることにより、プレート上に1層分の断面形状を形成する第二工程とを備え、テーブルを1層ずつ降下させて、前記第一工程と第二工程を繰り返すことにより、サポート付きの歯列矯正具を複数同時に製造しうることを特徴とするものである。
本発明によれば、テーブルに載せたプレート上に粉末素材を敷き詰める第一工程と、この粉末素材の表面に歯列矯正具の3D−CADデータに基づいてレーザーを走査して、該レーザーが照射された部分のみを硬化させることにより、プレート上に1層分の断面形状を形成する第二工程とを備え、テーブルを1層ずつ降下させて、前記第一工程と第二工程を繰り返すことにより、サポート付きの歯列矯正具を複数同時に製造しうるので、金型なしに微細かつ複雑な形状の歯列矯正具を大量生産することができる。また、レーザー照射による熱変形を防止して、歯列矯正具を高寸法精度で製造することができる。
ところで、3Dプリンターだけで製造した歯列矯正具では、本体部分の加工精度がでにくい。また、サポート部分は太くなりがちであるが、その後の処理を考慮すると、できるだけ細長くなるように加工しておきたい。ここで、近年開発された、3Dプリンターとマシニングセンターとの複合機を利用する。たとえば請求項2記載の発明のように、前記サポート付き歯列矯正具の製造中に、本体部分とサポート部分との少なくとも一方を切削加工することが好ましい。
本発明によれば、前記サポート付き歯列矯正具の製造中に、本体部分とサポート部分との少なくとも一方を切削加工するので、3Dプリンターで本体部分を粗く製造しておき、マシニングセンターで精度よく仕上げるか、あるいは、3Dプリンターでサポート部分を太めに製造しておき、マシニングセンターで細長くなるように加工することができる。
請求項3記載の発明のように、前記サポート付きの歯列矯正具のサポート部分をプレートからワイヤーカットし、該ワイヤーカットした歯列矯正具にブラストをかけることにより、該歯列矯正具に残ったサポート部分を除去することが好ましい。
本発明によれば、前記サポート付きの歯列矯正具のサポート部分をプレートからワイヤーカットし、該ワイヤーカットした歯列矯正具にブラストをかけることにより、該歯列矯正具に残ったサポート部分を除去するので、バリなどを完全に除去して、歯列矯正具の良好な仕上げをすることができる。
本発明によれば、テーブルに載せたプレート上に粉末素材を敷き詰める第一工程と、この粉末素材の表面に歯列矯正具の3D−CADデータに基づいてレーザーを走査して、該レーザーが照射された部分のみを硬化させることにより、プレート上に1層分の断面形状を形成する第二工程とを備え、テーブルを1層ずつ降下させて、前記第一工程と第二工程を繰り返すことにより、サポート付きの歯列矯正具を複数同時に製造しうるので、金型なしに微細かつ複雑な形状の歯列矯正具を大量生産することができる。また、レーザー照射による熱変形を防止して、歯列矯正具を高寸法精度で製造することができる。
本発明の実施形態1に係る歯列矯正ブラケットの概略構成を示す斜視図である。 実施形態1に係る歯列矯正ブラケットの製造装置を模式的に示す説明図である。 実施形態1に係る歯列矯正ブラケットの製造工程を示すフローチャートである。 実施形態1に係る歯列矯正ブラケットの製造中の様子を示す説明図である。 実施形態2に係る歯列矯正ブラケットの製造装置を模式的に示す説明図である。 実施形態2に係る歯列矯正ブラケットの製造工程を示すフローチャートである。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る歯列矯正ブラケット1の概略構成を示す分解斜視図である。実施形態1に係る歯列矯正ブラケット(歯列矯正具の一例である。)1は、ステンレス鋼やチタンなどの金属製あるいはセラミックス製の非常に小さなものであり、図1に示すように、ベース2と、タイウイング3と、スロット4とを備えている。なお、以下では、特に断らないかぎり、歯列矯正ブラケット1の製造時を基準として上下前後左右を示しているから、使用時のそれとは異なっている(他図についても同様である)。
歯列矯正ブラケット1のベース2は、患者の歯に接着する部分であって、歯列弓に沿うように左右方向に湾曲した小型の四角形をなしている。タイウイング3は、ベース2の上面に並設されて、それぞれ前後方向で外向に突出した鉤形をなしている。スロット4は、図示しないアーチワイヤーの挿通部分であって、タイウイング3を前後振り分けで左右方向に延びる矩形溝をなしている。
図2は実施形態1に係る歯列矯正ブラケット1の製造装置を模式的に示す説明図である。以下、歯列矯正ブラケット1の製造装置について説明する。図2に示すように、この製造装置は、主たる要素として、3Dプリンター20と、ブラスト装置30と、制御装置25とを備えている。
3Dプリンター20は、例えば粉末焼結積層造形(SLS)法により、中間製品としてのサポート付き歯列矯正ブラケット1を製造するために、チタン製のプレート12を載せて昇降するテーブル21と、プレート12上に図示しないホッパーから供給される金属などの粉末素材11を敷き詰めるローラー22と、この敷き詰めた粉末素材11に対して前後左右に走査してレーザー光を照射するレーザー装置23とを備えている。レーザー装置23から照射されるレーザー光がレーザーに相当する。また、プレート12の寸法は、歯列矯正ブラケット1のそれよりも非常に大きいので、歯列矯正ブラケット1を複数同時に製造することが好ましいが、ここでいう同時とは、1層ずつ積層造形されるタイミングが同じであることを意味する。
制御装置25は、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータや各種プログラムや各種設定値などを記憶する記憶部251と、この記憶部251にあらかじめ記憶しておいた歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータに基づく、サポートデータの自動構築のための各種演算や各種判断などを行う演算部252と、記憶部251にあらかじめ記憶しておいた歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータと、この演算部252で自動構築されたサポートデータや各種判断などに基づいて3Dプリンター20のテーブル21とローラー22とレーザー装置23との各動作を制御する制御部253とを備えている。
ここで、歯列矯正ブラケット1のサポート部分13は、光造形(SLA)法のそれとは異なり、歯列矯正ブラケット1のベース2、タイウイング3及びスロット4からなる本体部分の下方に延びる同一素材の櫛歯状をなしている(後述する図4(c)など参照)。したがって、歯列矯正ブラケット1のサポート部分13は、容易にワイヤーカット14し、さらに、ショットブラストをかけることにより、歯列矯正ブラケット1の本体部分と容易に分離することができる。
ブラスト装置30は、3Dプリンター20で造形した歯列矯正ブラケット1のサポート部分13を、ワイヤーカット14して、プレート12から切り離した上で、その歯列矯正ブラケット1を、例えばバレル(不図示。)内に入れて、研磨材とともに搖動させることにより、いわゆるショットブラストをかけて、残りのサポート部分13を除去するものである。このブラスト装置30の動作についても、制御装置25の制御部253で制御することとしている。ただし、別個の制御装置を設けてもよい。
図3は実施形態1に係る歯列矯正ブラケット1の製造工程を示すフローチャート、図4はその製造中の歯列矯正ブラケット1の様子を示す説明図である。引き続き、歯列矯正ブラケット1の製造方法について説明する。この製造方法は、歯列矯正ブラケット1の製造装置の動作で具現化されるが、初期状態では、テーブル21は最も上昇した位置にあって、ローラー22とレーザー装置23とはそれぞれの待機位置(ホームポジション)にあるものとする。
図2〜図4に示すように、まず、3Dプリンター20は、SLS法により3Dプリンティング(サポート付造形)する。ここでは、テーブル21の所定位置にプレート12を置いて、図示しない電源を投入すると(ステップS1)、制御装置25の記憶部251にあらかじめ記憶しておいた各種プログラムや各種設定値が読みだされて、演算部252及び制御部253がそれぞれ構築される。
演算部252は、これも記憶部251にあらかじめ記憶しておいた歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータに基づいて、歯列矯正ブラケット1のサポートデータを自動構築する。制御部253は、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータと、歯列矯正ブラケット1のサポートデータとに基づいて、テーブル21とローラー22とレーザー装置23とを駆動するための指令信号をつくり、テーブル21とローラー22とレーザー装置23の各ドライバ(不図示。)に向けてそれぞれ発する。
すると、ローラー22がプレート12に沿って移動し、図4(a)に示すように、プレート12上に金属などの粉末素材11を敷き詰める(ステップS2)。次いで、図4(b)に示すように、粉末素材11の表面にレーザー装置23からのレーザー光を走査して、このレーザー光が照射された部分のみを硬化させることにより、テーブル21上に1層分の断面形状を形成(造形)する(ステップS3)。次いで、テーブル21が1層だけ降下する(ステップS4)。そして、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータと、歯列矯正ブラケット1のサポートデータとを参照して、造形物が所定形状となったか否かを判断し(ステップS5)、造形物が所定形状となるまで、ステップS2〜S4を繰り返すことにより、サポート付きの歯列矯正ブラケット1を複数同時に製造する。すなわち、ステップS2,S3が第一工程、ステップS4が第二工程に相当する。
しかる後、サポート除去を行う。ここでは、図4(c)に示すように、歯列矯正ブラケット1のサポート部分13を、ワイヤーカット14して、プレート21から切り離す(ステップS6)。次いで、図4(d)に示すように、ワイヤーカット14した歯列矯正ブラケット1を、ブラスト装置30のバレルに入れる。このとき、制御部253は、ブラスト装置30を駆動するための指令信号をつくり、そのドライバに向けて発する。すると、ブラスト装置30が駆動され、そのバレル内に入れた歯列矯正ブラケット1にショットブラストをかけて、図4(e)に示すように、歯列矯正ブラケット1に残ったサポート部分13を完全に除去する(ステップS7)。そして、電源をカットし、所定の検査をしてから、歯列矯正ブラケット1の製品(図1参照。)として出荷する。
以上説明したように、実施形態1の歯列矯正ブラケット1の製造方法によれば、3Dプリンター20のテーブル21に載せたプレート12上に粉末素材11を敷き詰める第一工程と、この粉末素材11の表面に歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータに基づいてレーザー装置23からのレーザー光を走査して、このレーザー光が照射された部分のみを硬化させることにより、テーブル21上に1層分の断面形状を形成する第二工程とを備え、テーブル21を1層ずつ降下させて、前記第一工程と第二工程を繰り返すことにより、サポート付きの歯列矯正ブラケット1を複数同時に製造しうるので、金型なしに微細な超複雑形状品を大量生産できる。また、レーザー照射による熱変形を防止して、歯列矯正ブラケット1を高寸法精度で製造することができる。
そして、サポート付きの歯列矯正ブラケット1のサポート部分13をプレート21からワイヤーカット14し、このワイヤーカット14した歯列矯正ブラケット1にブラスト装置30のバレル内でショットブラストをかけることにより、その歯列矯正ブラケット1に残ったサポート部分13を除去するので、バリなどを完全に除去して、歯列矯正ブラケット1の良好な仕上げをすることができる。
(実施形態2)
ところで、実施形態1のように、3Dプリンター20だけで製造した歯列矯正ブラケット1では、本体部分2〜4の加工精度がでにくい。また、サポート部分13は太くなりがちであるが、その後の処理を考慮すると、できるだけ細長くなるように加工しておきたい。そこで、実施形態2では、3Dプリンターとマシニングセンターとの複合機を利用することとした。かかる複合機としては、金属向け積層造形技術である「パウダーベッド方式」のものと、金属紛体を供給してレーザーで溶融して結合させる「指向性エネルギー堆積方式」のものとが知られているが、以下では、前者を例示する。なお、本発明の実施形態2に係る歯列矯正ブラケット(歯列矯正具の一例である。)1は、実施形態1に係るものと同様であるので、その詳細説明は省略する。
図5は実施形態2に係る歯列矯正ブラケット1の製造装置を模式的に示す説明図である。以下、歯列矯正ブラケット1の製造装置について説明する。図5に示すように、この製造装置は、主たる要素として、3Dプリンター20と、マシニングセンター40と、ブラスト装置30と、制御装置25とを備えているが、実施形態1と共通する要素についての重複説明は省略する。
マシニングセンター40は、3Dプリンター20で造形中の歯列矯正ブラケット1の本体部分2〜4とサポート部分13との少なくとも一方を、複数段階でミリング等の切削加工を行えるものである。このマシニングセンター40の動作についても、制御装置25の制御部253で制御することとしている。ただし、別個の制御装置を設けてもよい。
図6は実施形態2に係る歯列矯正ブラケット1の製造工程を示すフローチャートであって、その製造中の歯列矯正ブラケット1の様子は図4に示すとおりである。引き続き、歯列矯正ブラケット1の製造方法について説明する。この製造方法は、歯列矯正ブラケット1の製造装置の動作で具現化されるが、初期状態では、テーブル21は最も上昇した位置にあって、ローラー22とレーザー装置23とマシニングセンター40とはそれぞれの待機位置(ホームポジション)にあるものとする。
図4〜図6に示すように、まず、3Dプリンター20は、SLS法により3Dプリンティング(サポート付造形)する。ここでは、テーブル21の所定位置にプレート12を置いて、図示しない電源を投入すると(ステップS1)、制御装置25の記憶部251にあらかじめ記憶しておいた各種プログラムや各種設定値が読みだされて、演算部252及び制御部253がそれぞれ構築される。
演算部252は、これも記憶部251にあらかじめ記憶しておいた歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータに基づいて、歯列矯正ブラケット1のサポートデータを自動構築する。制御部253は、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータと、歯列矯正ブラケット1のサポートデータとに基づいて、テーブル21とローラー22とレーザー装置23とマシニングセンター40とを駆動するための指令信号をつくり、テーブル21とローラー22とレーザー装置23とマシニングセンター40の各ドライバ(不図示。)に向けてそれぞれ発する。
すると、ローラー22がプレート12に沿って移動し、図4(a)に示すように、プレート12上に金属などの粉末素材11を敷き詰める(ステップS2)。次いで、図4(b)に示すように、粉末素材11の表面にレーザー装置23からのレーザー光を走査して、このレーザー光が照射された部分のみを硬化させることにより、テーブル21上に1層分の断面形状を形成(造形)する(ステップS3)。次いで、テーブル21が1層だけ降下する(ステップS4)。
ついで、テーブル21の降下が所定段(例えば10層分)になったか否かを判断し(ステップS4a)、10層分になったと判断すると(ステップS4aでYES)、マシニングセンター40で切削加工を行ってから(ステップS4b)、ステップS2に戻る。
一方、10層分になっていないと判断すると(ステップS4aでNO)、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータと、歯列矯正ブラケット1のサポートデータとを参照して、造形物が所定形状となったか否かを判断し(ステップS5)、造形物が所定形状となるまで、ステップS2〜S4bを繰り返すことにより、サポート付きの歯列矯正ブラケット1を複数同時に製造する。すなわち、ステップS2,S3が第一工程、ステップS4が第二工程に相当する。
しかる後、サポート除去を行う。ここでは、図4(c)に示すように、歯列矯正ブラケット1のサポート部分13を、ワイヤーカット14して、プレート21から切り離す(ステップS6)。次いで、図4(d)に示すように、ワイヤーカット14した歯列矯正ブラケット1を、ブラスト装置30のバレルに入れる。このとき、制御部253は、ブラスト装置30を駆動するための指令信号をつくり、そのドライバに向けて発する。すると、ブラスト装置30が駆動され、そのバレル内に入れた歯列矯正ブラケット1にショットブラストをかけて、図4(e)に示すように、歯列矯正ブラケット1に残ったサポート部分13を完全に除去する(ステップS7)。そして、電源をカットし、所定の検査をしてから、歯列矯正ブラケット1の製品(図1参照。)として出荷する。
以上説明したように、実施形態2の歯列矯正ブラケット1の製造方法によれば、実施形態1と同様の作用効果に加え、サポート付き歯列矯正ブラケット1の製造中に、本体部分2〜4とサポート部分13との少なくとも一方を切削加工するので、3Dプリンター20で本体部分2〜4を粗く製造しておき、マシニングセンター40で精度よく仕上げるか、あるいは、3Dプリンター20でサポート部分13を太めに製造しておき、マシニングセンター40で細長くなるように加工することができる。
なお、上記実施形態1,2では、歯列矯正具として、歯列矯正ブラケット1を例示したが、バッカルチューブなどであってもよい。バッカルチューブとは、歯列矯正ブラケット1を、アーチワイヤーなどを介して臼歯で支持するためのものである。
また、上記実施形態1,2では、粉末素材として、金属あるいはセラミックスを使用しているが、さらには、ゴムあるいはプラスチックをも使用することができる。
また、上記実施形態1,2では、3Dプリンター20は、SLS法により、サポート付き歯列矯正ブラケット1を造形しているが、SLM法により、サポート付き歯列矯正ブラケット1を造形してもよい。
また、上記実施形態1,2では、3Dプリンター20の制御装置25では、その記憶部251にあらかじめ歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータを記憶しているが、図示しない入力装置を用いて、オンライン又はオフラインで、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータを取り込むこととしてもよい。
また、上記実施形態1,2では、3Dプリンター20の制御装置25では、その演算部252が、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータに基づいて、サポートデータの自動構築を行うこととしているが、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータとともに、あるいは、歯列矯正ブラケット1の3D−CADデータに含むデータとして、サポートデータを外部から取り込むこととしてもよい。
また、上記実施形態1,2では、ブラスト装置30では、ワイヤーカット14したサポート付き歯列矯正ブラケット1を、バレル内に入れて、研磨材とともに搖動させることにより、ショットブラストをかけているが、他の種類のブラスト装置を用いて、ワイヤーカット14したサポート付き歯列矯正ブラケット1にブラストをかけてもよい。
また、上記実施形態1,2では、歯列矯正ブラケット1のサポート部分13の形状を、本体部分の下方に延びる同一素材の櫛歯状としているが、その除去が容易であれば、他の形状のものであってもよい。さらには、歯列矯正ブラケット1のサポート部分13を、歯列矯正ブラケット1の本体部分とは異なる材料からなるものとして、材料コストの大幅低減を図ることもありうる。
また、上記実施形態2では、3Dプリンター20とマシニングセンター40との複合機として、パウダーベッド方式のものを例示したが、場合によっては、指向性エネルギー堆積方式のものを採用してもよい。
また、上記実施形態2では、マシニングセンター40による切削加工は、テーブル21の降下が所定段(例えば10層分)となるごとに行っているが、この所定段は必ずしも一定値でなくてもよく、例えば歯列矯正ブラケット1の本体部分2〜4では5層分、サポート部分13では15層分としてもよい。また、本体部分2〜4ではまったく切削加工を行わず、サポート部分13だけを切削加工してもよいし、その逆であってもよい。さらに、テーブル21の降下前(造形直後)に切削加工を行ってもよい。
1 歯列矯正ブラケット(歯列矯正具の一例である。)
2 ベース
3 タイウイング
4 スロット
11 粉末素材
12 プレート
13 サポート部分
14 ワイヤーカット
20 3Dプリンター
21 テーブル
22 ローラー
23 レーザー装置
25 制御装置
30 ブラスト装置
40 マシニングセンター
米国公開特許2010/0324715明細書

Claims (3)

  1. 3Dプリンターを用いて歯列矯正具を製造する方法であって、
    テーブルに載せたプレート上に粉末素材を敷き詰める第一工程と、この粉末素材の表面に歯列矯正具の3D−CADデータに基づいてレーザーを走査して、該レーザーが照射された部分のみを硬化させることにより、プレート上に1層分の断面形状を形成する第二工程とを備え、
    テーブルを1層ずつ降下させて、前記第一工程と第二工程を繰り返すことにより、サポート付きの歯列矯正具を複数同時に製造しうることを特徴とする歯列矯正具の製造方法。
  2. 前記サポート付き歯列矯正具の製造中に、本体部分とサポート部分との少なくとも一方を切削加工することを特徴とする請求項1記載の歯列矯正具の製造方法。
  3. 前記サポート付きの歯列矯正具のサポート部分をプレートからワイヤーカットし、該ワイヤーカットした歯列矯正具にブラストをかけることにより、該歯列矯正具に残ったサポート部分を除去することを特徴とする請求項1又は2記載の歯列矯正具の製造方法。
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