JP2016076769A - 通信システム、通信装置、および、通信システムの通信方法 - Google Patents

通信システム、通信装置、および、通信システムの通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの通信装置間で、電力線通信を行うときに、信頼性が高い通信を行う通信システム、通信装置及び通信方法を提供する。
【解決手段】第1通信装置(溶接電源装置1)と第2通信装置(ワイヤ送給装置2)との間で、電力線通信を行う通信システムであって、溶接電源装置1は、複数のスイッチング素子をオンオフ動作させ、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を含む溶接用電源部10と、各スイッチング素子をオンオフ動作させ、インバータ回路を制御するインバータ制御部および各スイッチング素子のオン状態とオフ状態から通信可能期間を特定する通信期間特定部を含む制御部15と、通信可能期間中にワイヤ送給装置2に通信信号を送信するPLC通信部16と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1通信装置と第2通信装置との間で電力線を伝送路とした電力線通信を行う通信システム、通信装置、および、通信システムの通信方法に関する。
従来、2つの通信装置間を、電力線を伝送路として電力線通信技術により、データ通信を行う通信システムが存在する。
例えば、消耗電極式の溶接システムは、通常、重量があるために移動させない溶接電源装置と、溶接個所の変更に伴って溶接作業者が持ち運びするワイヤ送給装置とに分離されており、この溶接電源装置とワイヤ送給装置との間で、電力線通信技術を利用してデータ通信を行っている(特許文献1)。
上記特許文献1のように、電力線通信技術を溶接装置に利用することで、溶接電源装置とワイヤ送給装置との間でデータ通信を行うための専用線を削減することができ、溶接作業者の負担を軽減させることが可能となっている。
特開2013−184184号 公報
特許文献1の溶接装置では、溶接電源装置およびワイヤ送給装置にPLC(Power Line Communications)通信部を備え、溶接電源装置からワイヤ送給装置を介して溶接トーチに電力を供給するパワーケーブルに制御信号を重畳させ、溶接電源装置とワイヤ送給装置との間で、制御信号の送受信を行っている。
しかしながら、パワーケーブルに重畳されたノイズの影響を受けることにより、通信信号の信頼性が低下してしまう場合がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて創作されたものであり、その目的は、2つの通信装置間で、電力線通信を行うときに、通信信号の信頼性が高い通信を行うことができる通信システム、通信装置、および、通信システムの通信方法を提供することにある。
本発明の第1の側面によって提供される通信システムは、第1通信装置と第2通信装置との間で電力線を伝送路とした電力線通信を行う通信システムであって、前記第1通信装置は、複数のスイッチング素子をオンオフ動作させることで直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、各スイッチング素子をオンオフ動作させ、前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段と、前記インバータ制御手段の動作に基づき、各スイッチング素子のオンとオフの状態を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき、各スイッチング素子のオンとオフが切り替わるタイミング以外の期間に、前記第2通信装置に通信信号を送信する第1通信手段と、を有する。
好ましくは、前記インバータ回路は、第1のスイッチング素子群と第2のスイッチング素子群からなる前記複数のスイッチング素子をオンオフ動作させ、前記インバータ制御手段は、前記第1のスイッチング素子群に第1の制御パルス信号を入力し、前記第2スイッチング素子群に第2の制御パルス信号を入力することで、前記各スイッチング素子のオンオフ動作を制御し、前記検出手段は、前記第1の制御パルス信号および前記第2の制御パルス信号に基づき、前記スイッチング素子のオンの状態とオフの状態とを検出する。
また、前記第1通信手段は、前記第1スイッチング素子群および前記第2スイッチング素子群が共にオフである期間中通信信号を送信する。
あるいは、前記第1通信手段は、前記第1スイッチング素子群または前記第2スイッチング素子群のいずれか一方がオンであり、他方がオフである期間中に通信信号を送信する。
好ましくは、前記第1通信手段は、前記第2通信装置に通信信号を送信するとき、所定の遅延時間を設け、前記検出手段によりオンの状態とオフの状態が切り替わったことを検出した後、前記遅延時間経過後に、通信信号の送信を行う。
また、前記第2通信装置は、前記第1通信手段から送信される通信信号を受信し、前記通信信号を受信したときに、前記第1通信装置に通信信号を送信する第2通信手段を、有する。
この前記第2通信手段は、前記第1通信手段から送信される通信信号を受信している期間中に、前記第1通信装置に通信信号を送信する。
あるいは、前記第2通信装置は、前記第1通信手段から送信される通信信号を受信し、前記通信信号を受信したときに内蔵するカウンタを動作させ、前記カウンタが所定のカウント値となった場合、前記第1通信装置に通信信号を送信する第2通信手段を、有する。
あるいは、前記第2通信装置は、前記第1通信手段から送信される通信信号を受信し、前記通信信号を受信したときに内蔵するカウンタを動作させ、前記カウンタが所定のカウント値となった場合、または、前記カウンタを動作させた後、前記第1通信手段から送信される通信信号を受信した場合のいずれかを検知したときに、前記第1通信装置に通信信号を送信する第2通信手段を、有する。
そして、前記第2通信手段は、前記カウンタが所定のカウント値となり、前記第1通信装置への通信信号の送信を開始したときに、前記カウンタのカウント値をリセットし、再度カウンタを動作させる。
さらに、前記第1通信装置は、前記インバータ回路から出力される交流電流を所望の電力特性に変換し、前記電力線を介して、出力する電力出力手段と、前記電力出力手段が出力する電流の変化量の絶対値を検出する電流変化量検出手段と、を有し、前記第1通信手段は、前記電流変化量検出手段により検出された前記変化量の絶対値が閾値以上である期間中、通信信号を送信しない。
好ましくは、前記第1通信手段は、前記変化量の絶対値が前記閾値以上になった後、前記閾値未満となった場合でも、前記閾値未満となる期間が所定期間継続しなかった場合、前記通信信号を送信しない。
さらに、前記第1通信装置は、前記インバータ回路から出力される交流電流を所望の電力特性に変換し、前記電力線を介して、出力する電力出力手段と、前記電力出力手段が出力する電流の変化量の絶対値を検出する電流変化量検出手段と、を有し、前記第1通信手段は、前記電流変化量検出手段により検出された前記変化量の絶対値が閾値未満の場合、第1通信方式により通信信号の送信を行い、前記変化量の絶対値が前記閾値以上の場合、第2通信方式により通信信号の送信を行う。
好ましくは、前記通信システムは、溶接電源装置と、ワイヤ送給装置と、溶接トーチと、で構成される溶接システムであり、前記第1通信装置は、前記溶接電源装置であり、前記第2通信装置は、前記ワイヤ送給装置であり、前記電力線通信は、前記溶接電源装置から前記ワイヤ送給装置に電力を供給するための電力線、または、前記溶接電源装置から前記ワイヤ送給装置を介して前記溶接トーチに電力を供給するための電力線の少なくともいずれか一方の電力線を介して行われる。
さらに、前記溶接電源装置および前記ワイヤ送給装置を介して、前記溶接トーチにシールドガスを供給するガス配管を有し、前記電力線通信は、前記ガス配管の内部に配置され、前記溶接電源装置から前記ワイヤ送給装置に電力を供給するための電力線、および、前記溶接電源装置から前記ワイヤ送給装置を介して前記溶接トーチに電力を供給する電力線の2本の電力線を介して行われる。
本発明の第2の側面によって提供される通信装置は、電力線を伝送路とした電力線通信を行う通信装置であって、複数のスイッチング素子をオンオフ動作させることで直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、各スイッチング素子をオンオフ動作させ、前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段と、前記インバータ制御手段の動作に基づき、各スイッチング素子のオンとオフの状態を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき、各スイッチング素子のオンとオフとが切り替わるタイミング以外の期間に、通信信号を送信する通信手段と、を有する。
本発明の第3の側面によって提供される通信方法は、第1通信装置と第2通信装置との間で電力線を伝送路とした電力線通信を行う通信システムの通信方法であって、前記第1通信装置は、複数のスイッチング素子をオンオフ動作させることで直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を、備え、各スイッチング素子をオンオフ動作させ、前記インバータ回路を制御する第1の工程と、前記第1の工程による前記インバータ回路の制御に基づき、各スイッチング素子のオンとオフの状態を検出する第2の工程と、前記第2の工程による検出結果に基づき、各スイッチング素子のオンとオフが切り替わるタイミング以外の期間に、前記第2通信装置に通信信号を送信する第3の工程と、を有する。
本発明によれば、第1通信装置の動作において発生するノイズを考慮して、ノイズの影響を受けない期間を特定し、その期間中に第1通信装置と第2通信装置とで電力線通信を行うようにしたことで、信頼性の高い通信を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る溶接システムの全体構成を説明するための図である。 溶接用電源部、送給装置用電源部、および、制御部の内部構成の一例である。 ガス配管の内部構造の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る、溶接電源装置とワイヤ送給装置との間で行われる電力線通信の通信動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る、溶接電源装置とワイヤ送給装置との間の電力線通信の具体例を示すタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る、溶接電源装置とワイヤ送給装置との間の電力線通信の具体例を示すタイムチャートである。 本発明の変形例における溶接システムの電力伝送線の配線例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本発明の通信システムは、第1通信装置から第2通信装置に電力線を介して電力の供給を行うとともに、当該電力線を利用して電力線通信を行うシステムに適用可能である。
例えば、母材と電極の間で放電現象を発生させ、発生した放電現象による熱で、母材および電極を溶解させて接合するアーク溶接や、2つの母材を圧着しつつ電流を流し、その抵抗熱で金属を溶かして接合する抵抗溶接などの溶接システムに適用可能である。また、アーク溶接や抵抗溶接などと同様の原理で、母材を切断する切断システムなどにも適用可能である。また、上述する溶接システムや切断システムは、トーチを手動で操作する半自動溶接法によるシステムであってもよいし、トーチをロボットが操作する自動溶接法によるシステムであってもよい。
以下の説明では、通信システムの一例として、溶接電源装置およびワイヤ送給装置間で電力線通信を行う半自動アーク溶接の溶接システムを例にとって説明する。
図1は、第1の実施形態に係る溶接システムA1の全体構成を説明するための図であり、図2は、溶接用電源部10、送給装置用電源部11、および、制御部15の内部構成の一例を示すものである。
図1に示すように、溶接システムA1は、溶接電源装置1と、ワイヤ送給装置2と、溶接トーチ6と、ガス配管8と、ガスボンベ9と、パワーケーブル41、42と、を備えている。溶接電源装置1の溶接電力用の一方の出力端子aは、パワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2に接続されている。ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチ6に送り出して、ワイヤ電極の先端を溶接トーチ6の先端から突出させる。溶接トーチ6の先端に配置されている図示しないコンタクトチップにおいて、パワーケーブル41とワイヤ電極とは電気的に接続されている。溶接電源装置1の溶接電力用の他方の出力端子bは、パワーケーブル42を介して、母材Wに接続される。溶接電源装置1は、溶接トーチ6の先端から突出するワイヤ電極の先端と、母材Wとの間にアークを発生させ、アーク電力を供給する。溶接システムA1は、当該アークの熱で母材Wの溶接を行う。ガス配管8は、シールドガスが充填されたガスボンベ9と溶接トーチ6とを接続するものであり、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2を介して、ガスボンベ9のシールドガスを溶接トーチ6の先端に供給する。
ワイヤ電極を送給するためのワイヤ送給モータ24(後述する)などを駆動するための電力は、電力伝送線51、52を介して、溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に供給される。電力伝送線51、52は、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2の内部に配線されている。
溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間では、電力伝送線51は、ガス配管8の内部に配線されている。図3は、そのガス配管8の内部構造の詳細を示した図である。図3に示すように、溶接電源装置1に設けられたガス配管用の接続金具1aおよびワイヤ送給装置2に設けられたガス配管用の接続金具2aをコネクタとして利用し、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、ガス配管8の内部に配線された電力伝送線51で接続される。また、電力伝送線52は、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2の内部でそれぞれパワーケーブル41に接続しており、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間では、パワーケーブル41が電力伝送線52を兼用している。
よって、ワイヤ送給装置2を駆動させるための電力は、溶接電源装置1の内部に配線される電力伝送線51、52からガス配管8の内部に配線される電力伝送線51およびパワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2の内部に配線される電力伝送線51、52に伝送され、ワイヤ送給装置2に供給される。
なお、溶接システムA1は、実際には、ワイヤ電極が巻回されたワイヤリールなどを備えているが、図への記載や説明は省略する。また、この溶接システムA1は一例である。
溶接電源装置1は、アーク溶接のための直流電力を溶接トーチ6に供給したり、ワイヤ送給装置2を駆動させる電力を供給したりするものである。溶接電源装置1は、溶接用電源部10と、送給装置用電源部11と、センサ13と、制御部15と、PLC通信部16と、を備えている。
溶接用電源部10は、外部電源Pから入力される三相交流電力をアーク溶接に適した直流電力に変換して出力するものである。溶接用電源部10は、図2(a)に示すように、外部電源Pから入力される三相交流電力を整流回路101によって直流電力に変換し、インバータ回路102によって交流電力に変換する。そして、トランス103によって降圧または昇圧し、整流回路104によって直流電力に変換して出力する。なお、溶接用電源部10の構成は、上述したものに限定されない。
インバータ回路102は、4個のスイッチング素子TR1〜TR4をブリッジ接続した、周知の電圧制御型インバータ回路で構成される。スイッチング素子としては、例えば、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、サイリスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子が用いられる。4個のスイッチング素子TR1〜TR4は、後述する制御部15から入力されるPWM信号によって、各スイッチング素子のオンとオフの切り替え制御が行われる。具体的には、制御部15からは、2つのPWM信号が入力され、1つ目のPWM信号(第1PWM信号)がスイッチング素子TR1とスイッチング素子TR4のベースに、2つ目のPWM信号(第2PWM信号)がスイッチング素子TR2とスイッチング素子TR3のベースにそれぞれ入力される。スイッチング素子TR1〜TR4は、入力されるPWM信号がハイレベル(オン電圧)のときにオン(ON)状態(導通状態)となり、ローレベル(オフ電圧)のときにオフ(OFF)状態(遮断状態)となる。なお、スイッチング素子TR1〜TR4にはそれぞれ、ダイオードが逆並列で接続されている。
このインバータ回路102では、一般的にスイッチング素子TR1〜TR4がオン状態からオフ状態またはオフ状態からオン状態に切り替わる瞬間に、大きなスイッチングノイズが発生する。そして、発生したスイッチングノイズは、パワーケーブル41、42に重畳される。
図1に戻り、送給装置用電源部11は、ワイヤ送給装置2を駆動するための電力を出力するものであり、外部電源Pから入力される単相交流電力を、ワイヤ送給装置2を駆動するために適した直流電力に変換して出力する。送給装置用電源部11は、いわゆるスイッチングレギュレータであって、図2(a)に示すように、送給装置用電源部11に入力される交流電力を、整流回路111によって直流電力に変換し、DC/DCコンバータ回路112によって降圧または昇圧して出力する。送給装置用電源部11は、電圧が例えば48Vに制御された直流電力を、電力伝送線51、52を介して、ワイヤ送給装置2に供給する。なお、送給装置用電源部11の構成は、上述したものに限定されない。例えば、溶接用電源部10と同様の構成であってもよいし、外部電源Pから入力される交流電力をトランスで降圧(または昇圧)してから、整流回路111で直流電力に変換して出力するようにしてもよい。
センサ13は、電流センサや電圧センサを含んで構成され、溶接用電源部10から溶接トーチ6に出力される電力の電流値(溶接電流)および電圧値(溶接電圧)を測定し、その測定結果を制御部15に出力する。電流センサは、パワーケーブル41に直列接続され、溶接用電源部10から出力される電力の電流値を測定する。電圧センサは、パワーケーブル41、42に接続され、接続された2点間の電位差に基づき、電圧を測定する。なお、このセンサ13は、溶接用電源部10の内部に構成してもよい。
制御部15は、溶接電源装置1の各種制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって、実現される。制御部15は、センサ13によって測定された溶接電圧や溶接電流が所定の設定電圧や設定電流になるように、溶接用電源部10を制御する。また、制御部15は、溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に供給される電圧が所定電圧になるように、送給装置用電源11を制御する。さらに、図示しない設定ボタンの操作に応じて、溶接条件パラメータの変更を行ったり、図示しない起動ボタンの操作に応じて、溶接用電源部10を起動させたり、センサ13によって測定された溶接電圧や溶接電流の測定値を図示しない表示部に表示させたり、異常が発生した場合に図示しない報知部に報知させたりする。
また、制御部15は、後述するPLC通信部16から入力される信号に基づいて、溶接条件パラメータの変更や溶接用電源部10の起動を行う。一方、制御部15は、センサ13により測定された溶接電圧または溶接電流の測定値や、異常発生を示す信号、ワイヤ送給装置2に対するワイヤ送給指令などの信号をPLC通信部16に出力する。
この制御部15は、図2(a)に示すように、インバータ制御部151、通信期間特定部152、コンバータ制御部153と、を含んで構成される。ただし、同図には、本発明の実施形態にかかる通信制御を実現するための機能ブロック図のみを示している。
インバータ制御部151は、インバータ回路102のスイッチング素子TR1〜TR4にPWM信号を入力することで、整流回路101から出力される直流電力を交流電力に変換させるインバータ制御を行う。インバータ制御部151は、2つのPWM信号を生成し、インバータ回路102を構成するスイッチング素子TR1およびスイッチング素子TR4に第1PWM信号を入力し、スイッチング素子TR2およびスイッチング素子TR3に第2PWM信号を入力する。そして、インバータ回路102のスイッチング素子TR1〜TR4は、入力されるPWM信号のオン電圧、オフ電圧に応じて、スイッチング動作(オンとオフとの切り替え動作)を行う。これにより、直流電力が交流電力に変換される。インバータ制御部151は、溶接トーチ6に供給される溶接電圧や溶接電流が所定の設定電圧や設定電流になるように、生成する第1PWM信号および第2PWM信号のパルス波のデューティ比等を変化させることにより、インバータ回路102から出力される交流電力の調整を行う。
通信期間特定部152は、好ましい態様では、インバータ制御部151が生成する第1PWM信号および第2PWM信号のオン電圧とオフ電圧の状態に基づき、第1PWM信号および第2PWM信号が共にオフ電圧であるデッドタイム期間を特定し、このデッドタイム期間を通信可能期間として、後述するPLC通信部16に出力する。
また、その他の態様として、通信期間特定部152は、インバータ制御部151が生成する第1PWM信号および第2PWM信号のオン電圧とオフ電圧の状態に基づき、第1PWM信号および第2PWM信号のいずれか一方がオン電圧であり、もう一方がオフ電圧である期間を特定し、当該期間を通信可能期間として、PLC通信部16に出力するようにしてもよい。または、その両方の期間を通信可能期間として、PLC通信部16に出力することも可能である。すなわち、通信期間特定部152は、インバータ制御部151が生成する第1PWM信号および第2PWM信号のオン電圧とオフ電圧の状態に基づき、そのオン電圧とオフ電圧が切り替わる瞬間以外の期間を通信可能期間としてPLC通信16に出力すればよい。
以下、本実施形態では、通信期間特定部152は、第1PWM信号および第2PWM信号が共にオフ電圧であるデッドタイム期間を通信可能期間として、PLC通信部16に出力する例を説明する。
通信期間特定部152は、通信可能期間をPLC通信部16に出力する際、通信可能期間をオン電圧、それ以外の期間(通信禁止期間)をオフ電圧とした矩形のパルス波形を生成し、PLC通信部16に出力する。または、通信可能期間をオン(通信可能)とオフ(通信禁止)の2値の信号として、PLC通信部16に出力する。その他、通信可能期間を、通信の開始のタイミングと、その期間情報をPLC通信部16に出力するようにしてもよい。
コンバータ制御部153は、送給装置用電源部11から出力される電圧が所定電圧になるように、送給装置用電源部11のDC/DCコンバータ回路112を制御する。具体的には、DC/DCコンバータ回路112の後段に、電圧を測定する図示しない電圧センサを設け、測定された電圧をフィードバックすることで、コンバータ制御部153は、出力電圧が所定電圧になるように制御を行う。
図1に戻り、PLC通信部16は、ワイヤ送給装置2との間で電力線通信を行うためのものである。具体的には、PLC通信部16は、結合回路を備えており、当該結合回路は、電力伝送線51、52に並列接続されたコイルとPLC通信部16内部の入出力端子に接続されたコイルとを磁気結合させた高周波トランスにより、電力伝送線51、52に通信信号を重畳させる送信制御と、電力伝送線51、52に重畳された通信信号を検出する受信制御を行う。上述したように、本実施形態では、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間の電力伝送線51は、ガス配管8の内部に配線され、電力伝送線52は、パワーケーブル41に兼用されている。
PLC通信部16は、電力伝送線51、52に重畳される通信信号を検出することで、ワイヤ送給装置2からの通信信号を受信し、受信した通信信号を復調して制御部15に出力する。ワイヤ送給装置2から受信する通信信号には、例えば、溶接条件パラメータを変更するための溶接条件設定信号や、溶接用電源部10の起動を指示する起動信号などがある。一方、PLC通信部16は、制御部15から入力される信号を変調して、電力伝送線51、52に重畳させることで、ワイヤ送給装置2に通信信号を送信する。ワイヤ送給装置2に送信する通信信号には、例えば、センサ13により測定された溶接電圧や溶接電流の測定値や、異常発生を示す異常信号、ワイヤ送給指令などの信号などがある。なお、ワイヤ送給装置2との間で送受信される通信信号は、上述したものに限定されない。
PLC通信部16は、上述する通信信号をワイヤ送給装置2に送信するとき、制御部15から出力される通信可能期間の情報に基づき、第1PWM信号および第2PWM信号が共にオフ電圧であるデッドタイム期間に、送信する。デッドタイム期間は、第1PWM信号および第2PWM信号のオン電圧とオフ電圧の状態に依存するが、デッドタイム期間が約1〜2μSec程度存在し、10Mbpsの通信速度での通信が可能なときには、1つのデッドタイム期間中に約1〜2byteの通信信号を送信することが可能である。
なお、本実施形態では、PLC通信部16は、制御部15から入力される通信可能時間の情報に基づき、ワイヤ送給装置2へ通信信号を送信する例を示すが、これに限らず、制御部15がインバータ回路102を制御するために生成する2つのPWM信号の情報をPLC通信部16に出力し、PLC通信部16が入力されたこれらのPWM信号からデッドタイム期間を特定し、特定したデッドタイム期間に通信信号を送信するようにしてもよい。つまり、制御部15の通信期間特定部152を、PLC通信部16が備える構成であってもよい。
また、PLC通信部16は、インバータ制御部151が複数のスイッチング素子のオンとオフを切り替える際に、スイッチングの遅延が発生することを考慮して、通信期間特定部152より入力される通信可能期間の情報から所定の遅延時間経過後に通信信号を送信するようにしてもよい。このようにすることで、よりスイッチングノイズを考慮した、信頼性の高い通信が可能となる。さらに、PLC通信部16は、ワイヤ送給装置2に送信する通信信号を1つのデッドタイム期間で全て送信できない場合、1つのデッドタイム期間に送信可能な通信量ごとに分割し、複数回に分けて送信する。
なお、好ましい態様では、PLC通信部16は、データ通信を行うとき、直接スペクトル拡散(Direct Sequence Spread Spectrum:DSSS)通信方式を用いる。直接スペクトル拡散通信方式では、送信側は、送信する信号に対して拡散符号による演算を行い、元の信号のスペクトルをより広い帯域に拡散して送信する。受信側は、受信した信号を共通する拡散符号を用いて逆拡散することで、元の信号に戻す。通信信号にノイズが重畳された場合でも、逆拡散によってノイズのスペクトルが拡散されるので、フィルタリングによって元の通信信号を抽出することができる。また、溶接システムA1ごとに異なる拡散符号を用いていれば、別の溶接システムA1で送受信される通信信号を誤って受信したとしても、当該通信信号は異なる拡散符号で逆拡散されて、ノイズとして除去される。したがって、さらに耐ノイズ性に優れ、信頼性の高い通信を行うことができる。
なお、PLC通信部16による通信方式は、直接スペクトル拡散通信方式に限られない。例えば、周波数ホッピング・スペクトル拡散通信方式など、耐ノイズを考慮した通信方式を用いて通信を行うようにしてもよい。また、上述する直接スペクトル拡散通信方式を用いると、それを用いないときと比べて通信速度が遅くなってしまうため、通信速度を早くしたいときには、直接スペクトル拡散通信方式を用いない通信方式により通信を行うようにしてもよい。
上述するPLC通信部16は、溶接用電源部10が溶接トーチ6に溶接電力を供給しているときに、上述する送信タイミングの制御を行い、溶接トーチ6に溶接電力を供給していないときには、上述する送信タイミングの制御は行わない。すなわち、溶接用電源部10が溶接トーチ6に溶接電力を供給していないときは、通信信号の送信が必要なタイミングで、通信信号の送信を行う。溶接トーチ6に溶接電力が供給されているか否かは、制御部15に入力される溶接用電源部10への起動信号やセンサ13からの測定値、インバータ制御部151のPWM信号の生成状態などにより判断することができる。
ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチ6に送り出すものである。ワイヤ送給装置2は、電源部21と、制御部22と、PLC通信部23と、ワイヤ送給モータ24と、を備えている。なお、ワイヤ送給装置2は、ガスボンベ9からガス配管8を介して供給されるシールドガスを溶接トーチ6に供給するためのガス電磁弁などを備えているが、図への記載や説明は省略する。
電源部21は、電力伝送線51、52を介して、溶接電源装置1から供給される電力を制御部22やワイヤ送給モータ24のそれぞれに適した電圧に変換し、制御部22やワイヤ送給モータ24に電力を供給するものである。具体的には、電源部21は、溶接電源装置1から供給される電力を蓄積するコンデンサ、コンデンサから電力伝送線51、52に電流が逆流するのを防ぐためのダイオード、制御部22およびワイヤ送給モータ24に出力する電圧を調節するためのDC/DCコンバータを備えている。なお、電源部21の構成は、上述するものに限定されない。
制御部22は、ワイヤ送給装置2の各種制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部22は、溶接トーチ6に設けられている図示しないトーチスイッチより入力される起動のための操作信号に応じて、溶接電源装置1の溶接用電源部10を起動するための起動信号を後述するPLC通信部23に出力する。さらに、制御部22は、図示しない操作部からの操作信号に応じて、溶接条件パラメータの変更するための溶接条件設定信号をPLC通信部23に出力する。また、制御部22は、PLC通信部23から受信するワイヤ送給指令に応じて、ワイヤ送給モータ24を制御し、図示しない送給ローラを回転させ、ワイヤ電極の送給を行わせる。また、制御部22は、PLC通信部23から受信する溶接電圧や溶接電流の測定値や、異常発生を示す異常信号、溶接条件パラメータなどを図示しない表示部に表示させたり、報知部に報知させたりする。
ここで、上述する操作部および表示部は、ワイヤ送給装置2に備えられていても、ワイヤ送給装置2と有線接続された別のデバイスに備えられていても、ワイヤ送給装置2と無線通信可能なワイヤレス通信デバイスに備えられていてもよい。なお、ワイヤレス通信デバイスの場合の無線通信は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、3G、赤外線通信等、周知の無線通信技術が用いられ、操作部での操作に応じた操作信号が操作部から送信され、制御部22がそれを受信し、操作信号に基づく制御を実行する。また、表示部に表示させるための必要な情報を制御部22により送信され、表示部はそれを受信し、表示する。
PLC通信部23は、溶接電源装置1との間で電力線通信を行うためのものである。具体的には、PLC通信部23は、PLC通信部16と同様に、結合回路を備えており、当該結合回路は、電力伝送線51、52に並列接続されたコイルとPLC通信部23内部の入出力端子に接続されたコイルとを磁気結合させた高周波トランスにより、電力伝送線51、52に通信信号を重畳させる送信制御と、電力伝送線51、52に重畳された通信信号を検出する受信制御を行う。
PLC通信部23は、電力伝送線51、52に重畳される通信信号を検出することで、溶接電源装置1からの通信信号を受信し、受信した通信信号を復調して制御部22に出力する。溶接電源装置1から受信する信号には、例えば、溶接電圧または溶接電流の測定値、異常発生を示す異常信号、および、ワイヤ送給指令などがある。一方、PLC通信部23は、制御部22から入力される信号を変調して、電力伝送線51、52に重畳させることで、溶接電源装置1に通信信号を送信する。溶接電源装置1に送信する通信信号には、溶接条件パラメータを変更するための溶接条件設定信号や、溶接用電源部10の起動を指示する起動信号などがある。なお、溶接電源装置1との間で送受信される通信信号は、上述したものに限定されない。
PLC通信部23は、溶接電源装置1から通信信号を受信すると、通信信号の受信を開始したタイミングで、内蔵される同期カウンタおよびクロック回路に基づき、同期カウンタを初期値(=0(ゼロ))から所定のステップにてカウントアップさせる。そして、PLC通信部23は、同期カウンタのカウント値が所定値になったときに、溶接電源装置1に通信信号を送信する。ここで、溶接電源装置1に送信するタイミングとなるカウント値(所定値)は、デッドタイム期間に基づき、次のデッドタイム期間になるまでの周期により、その値が決定される。また、PLC通信部23は、電力伝送線51、52に通信信号を重畳し、溶接電源装置1に通信信号を送信すると、その通信信号の送信を開始したタイミングで、同期カウンタのカウント値を初期化し、再び初期値(=0(ゼロ))からカウントを開始する。なお、同期カウンタは、所定値からカウントダウンし、0(ゼロ)となったときに、溶接電源装置1に通信信号を送信するようにしてもよい。
以下、PLC通信部23は、溶接電源装置1からの通信信号の受信が開始したタイミングで、同期カウンタを起動させ、所定のカウント値となったときに、溶接電源装置1に通信信号を送信する例を示すが、これに限られない。例えば、PLC通信部23は、溶接電源装置1からの通信信号の受信を開始したタイミングで、溶接電源装置1へ通信信号を送信するようにしてもよい。この場合、溶接電源装置1からの通信信号の受信が終了したタイミングで、溶接電源装置1への通信信号の送信を停止する。このようにすることで、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2のクロック回路のクロック周波数が異なる場合でも、適切なタイミング(デッドタイム期間)で通信信号の送受信が可能となる。さらに、PLC通信部23は、これらの2つの送信タイミングのいずれか一方を検出したとき、すなわち、同期カウンタのカウント値が所定値になるタイミング、あるいは、溶接電源装置1からの通信信号の受信を開始したタイミングのいずれか一方を検出したときに、溶接電源装置1へ通信信号を送信するようにしてもよい。また、その両方を検出したときに、溶接電源装置1へ通信信号を送信することも可能である。
なお、PLC通信部23は、溶接電源装置1に送信する通信信号を1つのデッドタイム期間に全て送信できない場合、1つのデッドタイム期間に送信可能な通信量ごとに分割し、複数回に分けて、送信する。
また、溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に送信する通信信号と、ワイヤ送給装置2から溶接電源装置1に送信する通信信号とでは、異なる周波数帯域を利用している。あるいは、送信タイミングをずらすようにしてもよい。例えば、第1PWM信号がオフになってから第2PWM信号がオンになるまでのデッドタイム期間では、溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に通信信号を送信し、第2PWM信号がオフになってから第1PWM信号がオンになるまでのデッドタイム期間では、ワイヤ送給装置2から溶接電源装置1に通信信号を送信するようにしてもよい。
上述するPLC通信部23は、溶接用電源部10が溶接トーチ6に溶接電力を供給しているときに、上述する送信タイミングの制御を行い、溶接トーチ6に溶接電力を供給していないときには、上述する送信タイミングの制御は行わない。すなわち、溶接用電源部10が溶接トーチ6に溶接電力を供給していないときは、通信信号の送信が必要なタイミングで、通信信号の送信を行う。溶接トーチ6に溶接電力が供給されているか否かは、溶接トーチ6のトーチスイッチより入力される起動のための操作信号やパワーケーブル41、42を流れる溶接電力の測定、PLC通信部16からの通信信号により判断することができる。
ワイヤ送給モータ24は、溶接トーチ6にワイヤ電極の送給を行うものである。ワイヤ送給モータ24は、制御部22からのワイヤ送給指令に基づいて、送給ローラを回転させて、ワイヤ電極を溶接トーチ6に送り出す。
次に、上記のように構成された溶接システムA1の溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間で行われる電力線通信の通信動作について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
溶接作業者が溶接システムA1を起動させ、さらに溶接トーチ6に設けられたトーチスイッチを操作すると、ワイヤ送給装置2の制御部22からPLC通信23およびPLC通信部16を介して、制御部15に起動信号が入力される(ステップS101)。起動信号は、溶接トーチ6のトーチスイッチが操作されている間、常に入力される。制御部15に起動信号が入力されると、制御部15のインバータ制御部151は、第1PWM信号および第2PWM信号を生成して(ステップS103)、各スイッチング素子に入力することで、溶接用電源部10から溶接トーチ6に溶接電力の供給が開始される。このとき、インバータ制御部151は、溶接条件パラメータを取得し、溶接電圧や溶接電流がこの溶接条件パラメータが示す設定電圧や設定電流になるように、第1PWM信号および第2PWM信号を生成することで、インバータ回路102を制御する。
続いて、通信期間特定部152は、インバータ制御部151が生成した第1PWM信号と第2PWM信号に基づき、2つのPWM信号がともにオフ電圧となるデッドタイム期間を特定する(ステップS105)。そして、通信期間特定部152は、特定したデッドタイム期間を通信可能期間として、PLC通信部16に出力する。PLC通信部16は、この通信可能期間の情報が入力されると(ステップS107)、通信可能期間中に、通信信号を電力伝送線51、52に重畳させ、パワーケーブル41やガス配管8の内部に配線される電力伝送線51を介して、ワイヤ送給装置2に送信する(ステップS109)。
ワイヤ送給装置2のPLC通信部23は、電力伝送線51、52に重畳された通信信号を検出することで、通信信号を受信すると(ステップS111)、受信した通信信号を復調し、制御部22に出力する。そして、制御部22は、入力される通信信号に基づき、ワイヤ送給装置2の各種制御を実行する。このとき、PLC通信部23は、溶接電源装置1から通信信号を受信すると、その通信信号の受信が開始したタイミングで、同期カウンタを起動させる(ステップS113)。同期カウンタは、PLC通信部23に内蔵されたクロック回路に基づき、カウントを始め、カウント値が所定値になると(ステップS115)、溶接電源装置1に通信信号を送信する(ステップS117)。そして、PLC通信部23は、溶接電源装置1への送信を開始したタイミングで、同期カウンタのカウント値を初期化し、再度カウントを開始する(ステップS119)。
溶接電源装置1のPLC通信部16は、PLC通信部23から通信信号を受信すると(ステップS121)、受信した通信信号を復調した後、制御部15に出力する。制御部15は、入力される通信信号に基づき、ワイヤ送給装置2の各種制御を実行する。
このような処理が繰り返されることで、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間で電力線通信が行われる。
次に、第1の実施形態に係る溶接システムA1の溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間の電力線通信の具体例を、図5に示すタイムチャートを用いて説明する。
図5(a)は、制御部15に入力される起動信号を示す出力波形である。図5(b)は、インバータ制御部151が生成する第1PWM信号の出力波形(パルス波形)であり、図5(c)は、インバータ制御部151が生成する第2PWM信号の出力波形(パルス波形)である。図5(d)は、PLC通信部16がワイヤ送給装置2に送信する通信信号の出力を示している。また、図5(e)は、PLC通信部23の同期カウンタの動作を示す図であり、図5(f)は、PLC通信部23が溶接電源装置1に送信する通信信号の出力を示している。
図5(a)に示すように、オン状態の起動信号が制御部15に入力されると、インバータ制御部151は、図5(b)に示す第1PWM信号と図5(c)に示す第2PWM信号を生成し、インバータ回路102に入力する。図5(b)および図5(c)において、オン電圧の期間にスイッチング素子のゲートに電圧が入力され、スイッチング素子が通電状態となる。一方、オフ電圧の期間はスイッチング素子のゲートに電圧が入力されず、スイッチング素子が遮断状態となる。通信期間特定部152は、インバータ制御部151が生成するこの2つのパルス波形に基づき、デッドタイム期間T1を特定し、このデッドタイム期間T1を通信可能期間としてPLC通信部16に出力する。
PLC通信部16は、通信期間特定部152からの通信可能期間の情報に基づき、図5(d)に示すように、デッドタイム期間T1中に、通信信号をワイヤ送給装置2に出力する。なお、図5(d)では、インバータ回路102でのスイッチングの遅延が発生する可能性を考慮して、例えば、第1PWM信号がオン電圧からオフ電圧に切り替わるタイミングJ1から所定の遅延時間経過後に通信信号を送信するようにしている。
PLC通信部16からワイヤ送給装置2に通信信号が送信され、ワイヤ送給装置2のPLC通信部23がそれを受信すると、PLC通信部23は、その通信信号の受信を開始したタイミング(K1)で、同期カウンタを動作させ、同期カウンタをカウントアップしていく。そして、同期カウンタのカウント値が所定値xになったタイミング(K2)で、図5(f)に示すように、PLC通信部23は、溶接電源装置1に通信信号を送信する。このとき、同期カウンタのカウント値は、図5(e)に示すように、PLC通信部23が通信信号の送信を開始したタイミング(K2)で、初期化され、再度カウントアップされる。
上記のように、本発明の第1の実施形態に係る通信システムは、スイッチングノイズが発生しないデッドタイム期間において、第1通信装置(溶接電源装置1)と第2通信装置(ワイヤ送給装置2)との間で、電力線通信を行うようにしたことで、ノイズの影響を受けず、信頼性の高い通信を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る溶接システムA2について、図を用いて説明する。なお、上記、第1の実施形態に係る溶接システムA1と同じ構成については、同じ符号番号を付してその説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係る溶接システムA2は、第1の実施形態に係る溶接システムA1の溶接電源装置1の制御部15に、図2(b)に示すように電流変化量算出部154が追加される。
電流変化量算出部154は、センサ13が測定した電流値に基づき、単位時間あたりの電流値の変化量の絶対値|di/dt|(以下、電流変化量と記載)を算出する。そして、電流変化量算出部154は、算出した電流変化量をPLC通信部16’に出力する。
PLC通信部16’は、第1の実施形態に係るPLC通信部16から置き換えられたものであり、PLC通信部16が行う送信タイミングの制御に加え、電流変化量算出部154が算出した電流変化量が閾値以上である場合には、上述するデッドタイム期間であっても、通信信号を送信しないように構成される。換言すれば、PLC通信部16’は、通信期間特定部152が特定したデッドタイム期間であり、かつ、電流変化量算出部154が算出した電流変化量が閾値未満のときに、通信信号を送信する。例えば、PLC通信部16’は、電流変化量算出部154が算出した電流変化量が、1A/μs以上になった場合に、通信信号の送信を停止する。この電流変化量の閾値は、一例であり、いかなる値にも変更可能であり、また溶接条件に応じて、動的に変化するようにしてもよい。
好ましい態様では、PLC通信部16’は、電流変化量算出部154が算出した電流変化量が一度閾値以上となった後、閾値未満となった場合でもすぐには通信信号を送信せず、閾値未満となる期間が所定期間継続した後に、通信信号を送信する。このようにすることで、電流変化量が突発的に閾値未満となっても、継続して通信信号の送信を行わず、電流変化量が安定した後に通信信号を送信させるようにすることができる。
PLC通信部23’は、第1の実施形態に係るPLC通信部23から置き換えられたものであり、電力伝送線51、52に重畳される通信信号を検出することで、溶接電源装置1から通信信号を受信する。そして、PLC通信部23’は、この通信信号を受信している間は通信が可能であると判断し、溶接電源装置1からの通信信号の受信を開始したときから、受信が終了するまでの間に、通信信号を電力伝送線51、52に重畳し、溶接電源装置1に送信する。
このように構成される第2の実施形態に係る溶接システムA2の溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間の電力線通信の具体例を、図6に示すタイムチャートを用いて説明する。
図6(a)は、制御部15に入力される起動信号を示す出力波形である。図6(b)は、インバータ制御部151が生成する第1PWM信号の出力波形(パルス波形)であり、図6(c)は、インバータ制御部151が生成する第2PWM信号の出力波形(パルス波形)である。図6(d)は、センサ13が測定した溶接電流から算出した電流変化量(単位時間あたりの電流値の変化量の絶対値|di/dt|)の変移を示した図である。図6(e)は、PLC通信部16’がワイヤ送給装置2に送信する通信信号の出力を示しており、図6(f)は、PLC通信部23’が溶接電源装置1に送信する通信信号の出力を示している。
図6(a)に示すように、オン状態の起動信号が制御部15に入力されると、インバータ制御部151は、図6(b)に示す第1PWM信号と図6(c)に示す第2PWM信号を生成し、インバータ回路102に入力する。図6(b)および図6(c)において、オン電圧の期間にスイッチング素子のゲートに電圧が入力され、スイッチング素子が通電状態となる。一方、オフ電圧の期間はスイッチング素子のゲートに電圧が入力されず、スイッチング素子が遮断状態となる。通信期間特定部152は、インバータ制御部151が生成するこの2つのパルス波形に基づき、デッドタイム期間(T2、T3、T4)を特定し、このデッドタイム期間を通信可能期間としてPLC通信部16’に出力する。
電流変化量算出部154は、センサ13が測定した電流値に基づき、電流変化量|di/dt|を算出し、算出した電流変化量をPLC通信部16’に出力する。
そして、PLC通信部16’は、通信期間特定部152からの通信可能期間の情報と、電流変化量算出部154からの電流変化量の情報に基づき、通信信号を電力伝送線51、52に重畳し、ワイヤ送給装置2に送信する。例えば、電流変化量算出部154が算出する電流変化量が図6(d)のような場合、その電流変化量が閾値z以上の期間NG1は、デッドタイム期間であったとしても、通信信号の送信を行わない。
具体的には、デッドタイム期間T2では、電流変化量が閾値z未満であるため、PLC通信部16’は、電力伝送線51、52に通信信号を重畳させ、ワイヤ送給装置2に送信する。その後、次のデッドタイム期間T3では、電流変化量が閾値z以上であるため、PLC通信部16’は、この期間は通信信号の送信を行わない。そして、次のデッドタイム期間T4では、電流変化量が閾値z未満であるため、PLC通信部16’は、ワイヤ送給装置2へ通信信号を送信する。
このように、PLC通信部16’は、通信期間特定部152からの通信可能期間の情報と、電流変化量算出部154からの電流変化量の情報に基づき、図6(e)に示すタイミングで通信信号を送信する。
一方、PLC通信部23’は、PLC通信部16’からワイヤ送給装置2に通信信号が送信されると、送信された通信信号を受信し、受信している期間中に、溶接電源装置1に通信信号を送信する。よって、溶接電源装置1から通信信号が送信される期間と同期して、ワイヤ送給装置2は溶接電源装置1に通信信号を送信するため、図6(f)に示すタイミングで通信信号が送信される。
なお、上述する第2の実施形態では、電流変化量が閾値以上の期間には通信信号の送信を行わない場合について説明したが、これに限られない。例えば、第2の実施形態の変形例として、電流変化量が閾値未満であって、電磁ノイズの発生が少ない時には、特にノイズを考慮しない耐ノイズ性の低い通信方式(例えば、直接スペクトラム拡散を行わない通信方式)を用い、電流変化量が閾値以上であって、電磁ノイズの発生が多い時にのみ、耐ノイズ性の高い通信方式(例えば、直接スペクトル拡散を行う通信方式)により通信を行うようにすることも可能である。このようにすることで、通常は早い通信速度で通信を行い、電磁ノイズの影響が大きくなった場合にのみ、耐ノイズ性を高めることができる。
上記のように、第2の実施形態に係る溶接システムA2は、本発明の第1実施形態と同様に、インバータ回路102のスイッチング時に発生するスイッチングノイズを考慮するとともに、溶接電源装置1の溶接用電源部10から出力された溶接電流が、急激に変化した際に発生する電磁ノイズの影響も考慮することができ、よりノイズの影響を受けず、信頼性の高い通信を行うことができる。
上記第1の実施形態および第2の実施形態においては、溶接用電源部10および送給装置用電源部11が、外部電源Pから入力される交流電力を、それぞれ直流電力に変換して出力する場合について説明したが、これに限られない。溶接用電源部10と送給装置用電源部11とで、構成の一部を共有するようにしてもよい、例えば、送給装置用電源部11に整流回路111を設けずに、溶接用電源部10の整流回路101の出力をDC/DCコンバータ回路112に入力してもよい。また、溶接用電源部10のトランス103の二次側に巻線を追加して電力を取り出し、整流して出力するようにしてもよいし、送給装置用電源部11を設けずに、溶接用電源部10の出力の一部を、電力伝送線51、52を介して、ワイヤ送給装置2に供給するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態においては、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間の電力伝送線51をガス配管8の内部に配線し、電力伝送線52をパワーケーブル41に接続して、兼用させるように構成された溶接システムを例に説明したが、これに限られない。例えば、図7(a)に示すように、電力伝送線51、52をそれぞれパワーケーブル41、42に兼用させる構造、すなわち、パワーケーブル41、42に通信信号を重畳させる通信を行う構造であってもよい。また、送給装置用電源部11とワイヤ送給装置2の電源部21とが電力伝送線51、52により直接接続されており、電力伝送線51、52で電力線通信を行う構造であってもよい。この場合、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間の電力伝送線51、52は、図7(b)に示すように、ガス配管8とは別に配線されていてもよいし、図7(c)に示すように、両方がガス配管8の内部に配線されていてもよい。
本発明に係る通信システム、通信装置、および、通信方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲を逸脱しなければ、各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1、A2 溶接システム
1 溶接電源装置(第1通信装置)
10 溶接用電源部(電力出力手段)
101、104 整流回路
102 インバータ回路
103 トランス
11 送給装置用電源部
111 整流回路
112 DC/DCコンバータ回路
13 センサ
15 制御部(インバータ制御手段)
151 インバータ制御部(インバータ制御手段)
152 通信期間特定部(検出手段)
153 コンバータ制御部
154 電流変化量算出部(電流変化量検出手段)
16、16’ PLC通信部(第1通信手段)
1a ガス配管用の接続金具
2 ワイヤ送給装置(第2通信装置)
21 電源部
22 制御部
23、23’ PLC通信部(第2通信手段)
24 ワイヤ送給モータ
2a ガス配管用の接続金具
6 溶接トーチ
8 ガス配管
9 ガスボンベ
41、42 パワーケーブル
51、52 電力伝送線
W 母材

Claims (17)

  1. 第1通信装置と第2通信装置との間で電力線を伝送路とした電力線通信を行う通信システムであって、
    前記第1通信装置は、
    複数のスイッチング素子をオンオフ動作させることで直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
    各スイッチング素子をオンオフ動作させ、前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段と、
    前記インバータ制御手段の動作に基づき、各スイッチング素子のオンとオフの状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づき、各スイッチング素子のオンとオフが切り替わるタイミング以外の期間に、前記第2通信装置に通信信号を送信する第1通信手段と、
    を有する通信システム。
  2. 前記インバータ回路は、第1のスイッチング素子群と第2のスイッチング素子群からなる前記複数のスイッチング素子をオンオフ動作させ、
    前記インバータ制御手段は、前記第1のスイッチング素子群に第1の制御パルス信号を入力し、前記第2スイッチング素子群に第2の制御パルス信号を入力することで、前記各スイッチング素子のオンオフ動作を制御し、
    前記検出手段は、前記第1の制御パルス信号および前記第2の制御パルス信号に基づき、前記スイッチング素子のオンの状態とオフの状態とを検出する、
    請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第1通信手段は、前記第1スイッチング素子群および前記第2スイッチング素子群が共にオフである期間中に通信信号を送信する、
    請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記第1通信手段は、前記第1スイッチング素子群または前記第2スイッチング素子群のいずれか一方がオンであり、他方がオフである期間中に通信信号を送信する、
    請求項2または請求項3のいずれかに記載の通信システム。
  5. 前記第1通信手段は、前記第2通信装置に通信信号を送信するとき、所定の遅延時間を設け、前記検出手段によりオンの状態とオフの状態が切り替わったことを検出した後、前記遅延時間経過後に、通信信号の送信を行う、
    請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の通信システム。
  6. 前記第2通信装置は、
    前記第1通信手段から送信される通信信号を受信し、前記通信信号を受信したときに、前記第1通信装置に通信信号を送信する第2通信手段を、有する、
    請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の通信システム。
  7. 前記第2通信手段は、前記第1通信手段から送信される通信信号を受信している期間中に、前記第1通信装置に通信信号を送信する、
    請求項6に記載の通信システム。
  8. 前記第2通信装置は、
    前記第1通信手段から送信される通信信号を受信し、前記通信信号を受信したときに内蔵するカウンタを動作させ、前記カウンタが所定のカウント値となった場合、前記第1通信装置に通信信号を送信する第2通信手段を、有する、
    請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の通信システム。
  9. 前記第2通信装置は、
    前記第1通信手段から送信される通信信号を受信し、前記通信信号を受信したときに内蔵するカウンタを動作させ、前記カウンタが所定のカウント値となった場合、または、前記カウンタを動作させた後、前記第1通信手段から送信される通信信号を受信した場合のいずれかを検知したときに、前記第1通信装置に通信信号を送信する第2通信手段を、有する、
    請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の通信システム。
  10. 前記第2通信手段は、前記カウンタが所定のカウント値となり、前記第1通信装置への通信信号の送信を開始したときに、前記カウンタのカウント値をリセットし、再度カウンタを動作させる、
    請求項8または請求項9のいずれかに記載の通信システム。
  11. 前記第1通信装置は、
    前記インバータ回路から出力される交流電流を所望の電力特性に変換し、前記電力線を介して、出力する電力出力手段と、
    前記電力出力手段が出力する電流の変化量の絶対値を検出する電流変化量検出手段と、
    をさらに有し、
    前記第1通信手段は、前記電流変化量検出手段により検出された前記変化量の絶対値が閾値以上である期間中、通信信号を送信しない、
    請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の通信システム。
  12. 前記第1通信手段は、前記変化量の絶対値が前記閾値以上になった後、前記閾値未満となった場合でも、前記閾値未満となる期間が所定期間継続しなかった場合、前記通信信号を送信しない、
    請求項11に記載の通信システム。
  13. 前記第1通信装置は、
    前記インバータ回路から出力される交流電流を所望の電力特性に変換し、前記電力線を介して、出力する電力出力手段と、
    前記電力出力手段が出力する電流の変化量の絶対値を検出する電流変化量検出手段と、
    をさらに有し、
    前記第1通信手段は、前記電流変化量検出手段により検出された前記変化量の絶対値が閾値未満の場合、第1通信方式により通信信号の送信を行い、前記変化量の絶対値が前記閾値以上の場合、第2通信方式により通信信号の送信を行う、
    請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の通信システム。
  14. 前記通信システムは、溶接電源装置と、ワイヤ送給装置と、溶接トーチと、で構成される溶接システムであり、
    前記第1通信装置は、前記溶接電源装置であり、
    前記第2通信装置は、前記ワイヤ送給装置であり、
    前記電力線通信は、前記溶接電源装置から前記ワイヤ送給装置に電力を供給するための電力線、または、前記溶接電源装置から前記ワイヤ送給装置を介して前記溶接トーチに電力を供給するための電力線の少なくともいずれか一方の電力線を介して行われる、
    請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の通信システム。
  15. 前記溶接電源装置および前記ワイヤ送給装置を介して、前記溶接トーチにシールドガスを供給するガス配管を、さらに有し、
    前記電力線通信は、前記ガス配管の内部に配置され、前記溶接電源装置から前記ワイヤ送給装置に電力を供給するための電力線、および、前記溶接電源装置から前記ワイヤ送給装置を介して前記溶接トーチに電力を供給する電力線の2本の電力線を介して行われる、
    請求項14に記載の通信システム。
  16. 電力線を伝送路とした電力線通信を行う通信装置であって、
    複数のスイッチング素子をオンオフ動作させることで直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
    各スイッチング素子をオンオフ動作させ、前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段と、
    前記インバータ制御手段の動作に基づき、各スイッチング素子のオンとオフの状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づき、各スイッチング素子のオンとオフとが切り替わるタイミング以外の期間に、通信信号を送信する通信手段と、
    を有する通信装置。
  17. 第1通信装置と第2通信装置との間で電力線を伝送路とした電力線通信を行う通信システムの通信方法であって、
    前記第1通信装置は、
    複数のスイッチング素子をオンオフ動作させることで直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を、備え、
    各スイッチング素子をオンオフ動作させ、前記インバータ回路を制御する第1の工程と、
    前記第1の工程による前記インバータ回路の制御に基づき、各スイッチング素子のオンとオフの状態を検出する第2の工程と、
    前記第2の工程による検出結果に基づき、各スイッチング素子のオンとオフが切り替わるタイミング以外の期間に、前記第2通信装置に通信信号を送信する第3の工程と、
    を有する通信システムの通信方法。
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