以下、携帯端末装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における情報処理システム1000のブロック図である。
図2は、本実施の形態における無線通信機が設置された小型移動体の一例を示す側面図(図2(a))、及び小型移動体のハンドル近傍を示す図(図2(b))である。
情報処理システム1000は、携帯端末装置1及び無線通信機2を備える。
携帯端末装置1は、受信部101、格納部102、ソフトウェア実行部103、及び出力部104を備える。
無線通信機2は、識別子格納部201、及び発信部202を備える。
無線通信機2は、例えば、図2(a)に示すように、小型移動体3に設置されている。小型移動体とは、例えば、自動二輪車、自動三輪車、超小型モビリティ等である。ここでの小型移動体は、例えば、乗用の小型移動体である。小型移動体は、例えば、一人乗り、または二人乗りの乗り物である。小型移動体は、例えば、原動機付きのものであってもよく、原動機の付いていない軽車両等であっても良い。また、小型移動体は、電動アシスト自転車であってもよい。ここでは、小型移動体3が自動二輪車である場合を例に挙げて示しているが、小型移動体3は、自動二輪車以外の小型移動体であってもよい。無線通信機2が、小型移動体3のどの部分に設置されているかは問わない。また、無線通信機2は、小型移動体3に対して着脱可能に設置されていても良い。
携帯端末装置1は、例えば、携帯型の情報処理端末装置である。携帯端末装置1は、例えば、携帯電話や、いわゆるスマートフォン等の多機能携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistant)や、タブレット型端末や、いわゆるウェアラブルコンピュータ等で実現可能である。
受信部101は、発信情報を受信する。発信情報は、小型移動体3に設置された無線通信機2が発信する情報である。発信情報は、例えば、この発信情報を送信する無線通信機2を示す通信機識別子を有していてもよい。例えば、受信部101は、小型移動体3に設置された無線通信機2が発信する発信情報であって、この無線通信機2を示す通信機識別子を有する発信情報を受信してもよい。発信情報については後述する。受信部101は、無線通信機2が、無線通信により発信する発信情報を受信する。
通信機識別子は、個々の無線通信機2毎に異なる無線通信機2固有の識別子であっても良く、一または二以上の無線通信機2で構成されるグループに対して割り当てられた識別子であっても良い。無線通信機2固有の識別子は、例えば、無線通信機2の製造番号等である。通信機識別子は、無線通信機2が設置される小型移動体の識別子であっても良い。例えば、無線通信機2の通信機識別子は、設置される小型移動体の車種や、商品コード等を示す識別子であっても良い。
例えば、受信部101は、無線通信機2が無線ネットワークや近距離無線通信により発信する発信情報を受信する。無線通信機2が発信情報を発信する際の送信範囲は、例えば、携帯端末装置1を有するユーザが、無線通信機2が取り付けられた小型移動体を利用するために小型移動体に近づいた場合に発信情報を受信できるよう、数メートル以内の近距離であることが好ましい。このため、携帯端末装置1と無線通信機2との通信は、近距離無線通信を用いることが好ましい。近距離無線通信としては、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)や、NFCを用いた近距離無線通信が利用可能である。無線通信機2が発信する発信情報を携帯端末装置1で受信する処理は、例えば、いわゆるiBeaconと呼ばれる通信方式で実現してもよい。
受信部101は、通常、無線の通信手段で実現される。受信部101は、通信デバイスを含むと考えても、含まないと考えても良い。
格納部102には、小型移動体に関連した一または二以上のソフトウェアが格納される。格納部102には、例えば、通信機識別子と対応づけられたソフトウェアであって、小型移動体に関連した一または二以上のソフトウェアが格納される。
ソフトウェアは、例えば、アプリケーションソフトウェアである。アプリケーションソフトウェアとは、予め指定された処理を行うためのソフトウェアである。アプリケーションソフトウェアは、例えば、コンピュータに、所望の処理を実行させるためのソフトウェアである。例えば、後述するソフトウェア実行部103で実行可能なソフトウェアである。ソフトウェアとはプログラムと考えてもよい。プログラムとは、コンピュータの行う処理(演算・動作・通信など)の手順を指示したもののことである。
小型移動体に関連したソフトウェアとは、例えば、小型移動体で利用可能なソフトウェアである。小型移動体に関連したソフトウェアは、例えば、小型移動体の利用時や、小型移動体を利用可能な状態とするために用いられるソフトウェアである。例えば、小型移動体に関連したソフトウェアは、小型移動体で移動中に利用するソフトウェアや、小型移動体やその一部、あるいは小型移動体の付属品等を動作させたり、制御するために利用されるソフトウェアである。
小型移動体に関連したソフトウェアは、例えば、ナビゲーションソフトウェアである。ナビゲーションソフトウェアとは、例えば、地図を表示したり、道案内のための画像や音声を出力するソフトウェアである。なお、ナビゲーションソフトウェアを実行する際に用いられる地図データ等の情報は、例えば、図示しない格納部等に予め蓄積しておくようにすればよい。なお、ナビゲーションソフトウェアについては、公知技術であるため、個々では詳細な説明は省略する。
また、小型移動体に関連したソフトウェアは、例えば、小型移動体の解錠を行うソフトウェアである。例えば、格納部102に格納された1または2以上のソフトウェアは、各ソフトウェアと対応づけられた通信機識別子が示す無線通信機が設置された小型移動体の解錠を行うソフトウェアである。例えば、施錠のための構成を有する小型移動体、あるいは小型移動体に設置された施錠を行う装置に、ユーザからの操作に応じた予め用意された解錠のための信号を送信するソフトウェアである。小型移動体の施錠は、例えば、タイヤやハンドルのロック等も含む概念である。なお、小型移動体に対して施錠を行う技術や、解錠を行うソフトウェアについては公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
また、小型移動体に関連したソフトウェアは、例えば、自動2輪車や、電動アシスト自転車等の小型移動体が有する情報を取得したり、小型移動体のセッティング等を変更する機能を実現するソフトウェア等であっても良い。例えば、小型移動体に関連したソフトウェアは、電動アシスト自転車が有するサイクルコンピュータ(図示せず)等と通信して走行に関するログや、ユーザの消費カロリー等の情報を取得するソフトウェアであっても良い。
通信機識別子と対応づけられた一以上のソフトウェアが、格納部102に格納されるということは、例えば、ソフトウェアと、通信機識別子との一以上の組が、格納部102に格納されることであってもよく、格納部102に格納されたソフトウェアを示す識別子であるソフトウェア識別子と、通信機識別子とを有する一以上のソフトウエア管理情報が、格納部102に格納されることであっても良い。また、ソフトウェア内にソフトウェア識別子が格納されていることであっても良い。ソフトウェア識別子は、例えば、ソフトウェア名やソフトウェアの実行ファイル名やソフトウェアに割り当てられたコード等である。
格納部102は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。かかることは、他の格納部についても同様である。
なお、通信機器識別子と、一以上のソフトウェアとの対応付けがどのように行われるかは問わない。例えば、通信機器識別子と、一以上のソフトウェアとは、予め対応づけられていても良く、ユーザ等の操作に応じて対応づけられても良い。例えば、対応付けの操作が行われた場合に、例えば、携帯端末装置1が上記のようなソフトウェア管理情報を格納部102に蓄積するようにしても良い。
ソフトウェア実行部103は、受信部101が発信情報を受信した場合に、格納部102に格納されたソフトウェアを起動する。例えば、ソフトウェア実行部103は、格納部102に格納されたソフトウェアであって、受信部101が受信した発信情報が有する通信機識別子と対応づけられたソフトウェアを起動する。例えば、ソフトウェア実行部103は、受信部101が発信情報を受信した場合に、受信した発信情報から通信機識別子を取得し、取得した通信機識別子と一致する通信機識別子と対応づけられたソフトウェアを格納部102から検索し、一致する通信機識別子と対応づけられた一以上のソフトウェアが検出された場合に、検出された一以上のソフトウェアを起動する。ここでの一致は、通常は、完全一致であるが、部分一致であっても良い。一致する通信機識別子と対応づけられたソフトウェアが、二以上検出された場合に、検出された二以上のソフトウェアを起動させてもよく、二以上のソフトウェアの内の一部だけを起動させても良い。また、検出された二以上のソフトウェアを、予め指定された順番、例えば、検出された順番等で起動させても良い。ここでの起動は、ソフトウェアのスリープ状態やサスペンド状態からの復帰も含む概念である。通常、起動中のソフトウェアについては、起動後のソフトウェアの実行時とは異なり、ソフトウェア本来の処理や、ユーザからの操作の受け付けや、データの処理等は行うことはできない。なお、ソフトウェアを起動する処理については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ソフトウェア実行部103が、発信情報を受信した場合に起動するソフトウェアは、例えば、上述したようなナビげーション用のソフトウェアである。また、ソフトウェア実行部103が、発信情報を受信した場合に起動するソフトウェアは、例えば、上述したような小型移動体の解錠を行うソフトウェアである。
また、ソフトウェア実行部103は、例えば、起動した一以上のソフトウェアを適宜実行する。例えば、ソフトウェア実行部103は、起動した一以上のソフトウェアを実行して、予め指定された処理を行う。例えば、ソフトウェア実行部103は、図示しない受付部等を介してユーザ等から受け付けた指示に応じて起動された一以上のソフトウェアを実行する。例えば、ソフトウェア実行部103は、上述したようなナビゲーションソフトウェアや、解錠を行うソフトウェアを実行してもよい。
ソフトウェア実行部103が、一以上のソフトウェアを起動するために必要なデータや、ソフトウェアを実行するために必要なデータは、例えば、図示しない格納部に予め格納しておくようにして、適宜読み出すようにしてもよい。また、例えば、図示しない通信部等を介して、図示しないサーバ装置等から取得しても良い。
出力部104は、例えば、ソフトウェア実行部103が起動した一以上のソフトウェアに関する情報を出力する。出力部104は、例えば、起動したソフトウェアの起動画面や、起動後の初期画面を、図示しないもモニタ等の表示デバイスに表示する。また、出力部104は、起動したことを示す音声や、起動後に出力される予め指定された音声を、例えば、図示しない音声出力デバイス等から出力してもよい。音声出力デバイスは、例えば、スピーカや、イヤホン等である。あるいは、出力部104は、ソフトウェアを起動したことを示す振動等を出力しても良く、起動したことを示す情報等を、他の装置等に送信してもよい。なお、複数のソフトウェアを起動した場合に、出力部104は、例えば、起動した複数のソフトウェアに関する画面を、起動順や、ランダム等の予め指定された順番に重ねて表示しても良い。また、起動した複数のソフトウェアのうちのいずれか一つのソフトウェアに関する画面だけを表示するようにしても良い。この場合、他のソフトウェアは、バックグラウンド等で起動しておくようにして、ユーザの操作等に応じて適宜にモニタ等に表示できるようにしてもよい。
また、出力部104は、例えば、ソフトウェア実行部103がソフトウェアを実行したことにより得られた実行結果等の情報を出力する。この実行結果等の情報の出力は、上記の起動したソフトウェアに関する情報の出力と同様の出力であり、ここでは、詳細な説明は省略する。
なお、ソフトウェア実行部103は、既に起動されているソフトウェアについては、再度起動しないようにしてよい。例えば、ソフトウェア実行部103は、発信情報の受信に応じて起動することとなったソフトウェアと同じソフトウェアが起動済であるか否かを判断し、起動済でなければこのソフトウェアを起動し、起動済であればこのソフトウェアを起動しないようにしても良い。ここでの一のソフトウェアが起動済であるか否かの判断は、この一のソフトウェアが動作中であるか否かの判断であってもよい。
ここでの出力とは、モニタへの表示、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。出力部104は、モニタやスピーカ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部104は、出力デバイスのドライバーソフト、または出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
無線通信機2は、無線通信が可能な通信機である。無線通信機2は、携帯端末装置1に対して発信情報を発信する。無線通信機2は、例えば、携帯端末装置1に対して、通信機識別子を有する発信情報を発信する。無線通信機2が発信する通信機識別子は、例えば、無線通信機2自身を示す通信機識別子である。無線通信機2は、小型移動体3に設置可能なものである。無線通信機2は、小型移動体3に着脱可能なものであっても良い。無線通信機2の小型移動体3に対する取り付け位置や、取り付け方法等は問わない。小型移動体3が有する図示しないケース等に無線通信機2が収容されている場合も、無線通信機2が小型移動体3に設置されていると考えても良い。無線通信機2は、小型移動体3の内部に設置されていても良い。無線通信機2は、小型であることが好ましい。本実施の形態においては、無線通信機2が、情報の発信のみを行う装置である場合を例に挙げて説明する。ただし、無線通信機2は、情報の受信を行うための受信部等を更に有していてもよい。
識別子格納部201には、無線通信機2の通信機識別子が格納されている。通信機識別子については、上述していることから、ここでは説明は省略する。
発信部202は、発信情報を発信する。発信情報は、例えば、識別子格納部201に格納された通信機識別子を有する情報である。発信情報は、例えば、少なくとも通信機識別子を有する情報であれば良く、例えば、発信情報が、通信機識別子そのものであっても良い。また、発信情報は、通信機識別子と、他の識別子や、図示しない時計等が取得した発信時刻等の組み合わせであっても良い。また、発信情報は、予め指定された周波数で発信される信号等であっても良い。
例えば、発信部202は、発信情報を、予め指定された一定の時間間隔や、不定の時間間隔で、繰り返し発信する。ただし、発信部202が、発信情報を発信する時やトリガー、繰り返しの有無や、繰り返し回数等は問わない。ここでの発信は、送信と考えてもよい。ここでの発信は、例えば、送信先を特定しない送信である。ただし、送信先を特定した送信であっても良い。
発信部202は、無線の通信手段や放送手段で実現される。発信部202は、通信デバイスを含むと考えても、含まないと考えても良い。
なお、小型移動体3には、携帯端末装置1を取り付けるためのホルダー30が設けられていても良い。例えば、図2(b)に示すように、小型移動体3のハンドルや計器類の近傍に、ホルダー30を設けるようにしても良い。このホルダー30の構造は、携帯端末装置1を小型移動体3に固定可能な構造であれば、どのような構造であっても良い。例えば、図2(b)に示すように、吸着用の吸盤やゲル等の吸着部材31aを備えた携帯端末装置1を配置するための台31と、携帯端末装置1の側面及び底面に設けられたガイド部材32とを備えたホルダー30等が利用可能である。
また、無線通信機2は、このホルダー30の近傍に設置するようにしても良い。例えば、ホルダー30の、携帯端末装置1が載置される台や、その背面等に無線通信機2を設置しても良い。これにより、無線通信機2は発信情報を発信する際の出力を小さくして、無線通信機2の電力消費を抑えることができる。また、例えば、無線通信機2が発信情報を発信する範囲をホルダー30の近傍に限定することで、主として、ホルダー30に取り付けた状態でしか利用しないソフトウェアについては、ユーザの操作がない限りは、ホルダー30に取り付けた際にだけ起動させるようにすることができ、ソフトウェアを利用しない状況においては、ソフトウェアが自動的に起動しないようにすることができる。
次に、情報処理システム1000の携帯端末装置1の動作の一例について図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)受信部101は、発信情報を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS102に進み、受信していない場合、ステップS107に進む。
(ステップS102)ソフトウェア実行部103は、受信部101が受信した発信情報から、通信機識別子を取得する。
(ステップS103)ソフトウェア実行部103は、格納部102に格納されているソフトウェアにおいて、ステップS102で取得した通信機識別子と対応づけられた一のソフトウェアを検索する。例えば、格納部102に格納されているソフトウェア管理情報において、ステップS102で取得した通信機識別子と一致する通信機識別子を有するソフトウェア管理情報を検索する。
(ステップS104)ソフトウェア実行部103は、一のソフトウェアが検出できたか否かを判断する。検出できた場合、ステップS105に進み、できなかった場合、ステップS101に戻る。例えば、ステップS103において、ステップS102で取得した通信機識別子と一致する通信機識別子を有する一のソフトウェア管理情報が検出できた場合、ソフトウェアが検出できたと判断する。この場合、この検出されたソフトウェア管理情報が有するソフトウェア識別子が示すソフトウェアが、検出されたソフトウェアである。
(ステップS105)ソフトウェア実行部103は、ステップS104で検出したソフトウェアを起動する。
(ステップS106)出力部104は、ステップS105で起動したソフトウェアに関する起動時や起動直後の出力を行う。そして、残りのソフトウェアについて、起動させるソフトウェアを検出するため、ステップS103に戻る。なお、起動時や直後の起動直後の出力が不要である場合、このステップS106の処理は省略して、ステップS103に戻るようにしても良い。また、一の通信機識別子と対応づけることが可能なソフトウェアが一つに限られる場合のように、一のソフトウェアのみを起動させる場合、ステップS101に戻るようにしても良い。
(ステップS107)ソフトウェア実行部103は、起動済の一以上のソフトウェアを実行させて処理を行うか否かを判断する。例えば、起動済の一以上のソフトウェアを実行させて、何らかの処理を行うタイミングとなったか否かを判断し、タイミングとなった場合、ソフトウェアを実行させて処理を行うことを判断する。また、例えば、ユーザや、他のソフトウェア等から、一のソフトウェアに対する指示を受け付けた場合や、何らかのトリガーを検出した場合に、ソフトウェアを実行させて、指示等に応じた処理を行うことを判断する。一のソフトウェアを実行させると判断した場合、ステップS108に進み、実行させないと判断した場合、ステップS101に戻る。
(ステップS108)ソフトウェア実行部103は、ステップS107で実行させると判断したソフトウェアを実行させて処理を行う。例えば、一のソフトウェアを実行させて、ユーザ等から受け付けた指示が示す処理を行う。そして、ステップS101に戻る。
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
以下、無線通信機2の動作について簡単に説明する。無線通信機2の発信部202は、識別子格納部201に格納されている通信機識別子を読出し、この通信機識別子を含む発信情報を、予め指定された時間間隔毎や、ランダムな時間間隔ごとに、発信する。
以下、本実施の形態における情報処理システム1000の具体的な動作について説明する。ここでは、携帯端末装置1が、いわゆるスマートフォンと呼ばれる多機能携帯電話である場合を一例に挙げて説明する。
図4は、ユーザAが携帯する携帯端末装置1の格納部102に格納されているソフトウェアと、通信機識別子との対応関係をを管理するソフトウェア管理情報を示す図である。ソフトウェア管理情報は、「アプリID」と、「通信機ID」という属性を有している。「アプリID」はソフトウェア識別子であり、ここでは、格納部102に格納されているアプリケーションソフトウェアのファイル名であるとする。「通信機ID」は、通信機識別子である。この通信機識別子は、ここでは、ユーザAが所有する複数の小型移動体3にそれぞれ設置された無線通信機2の通信機識別子であるとする。なお、ここでは、各レコード(行)がソフトウェア管理情報であるとする。
例えば、携帯端末装置1を携帯したユーザAが、ユーザAの所有する一の小型移動体3に乗るために、この小型移動体3に近づいたとする。この小型移動体3は、図2(a)に示すように、無線通信機2が取り付けられたオートバイであるとする。この無線通信機2の格納部102には、通信機識別子「b001」が格納されているものとする。
この無線通信機2の発信部202は、予め指定された時間間隔ごとに、格納部102に格納された通信機識別子「b001」を読み出して、読み出した通信機識別子を発信情報として、無線により外部に発信しているものとする。予め指定された時間間隔は、例えば、2秒であるとする。また、この発信情報の送信範囲が約2m程度となるよう、発信部202が発信情報を発信する際の出力が調整されているものとする。
図5は、小型移動体3のホルダー30に設置された携帯端末装置1が、解錠用のソフトウェアを表示している状態を示す図(図5(a))、及びナビゲーション用のソフトウェアを表示している状態を示す図(図5(b))である。なお、携帯端末装置1は、ここでは、表示デバイスとしてモニタ104aを備えているものとする。
ユーザAが小型移動体3から3m程度の範囲内に近づくと、携帯端末装置1の受信部101は、小型移動体3に設置された無線通信機2が発信する通信機識別子「b001」である発信情報を受信する。
携帯端末装置1のソフトウェア実行部103は、無線通信機2から受信した発信情報から通信機識別子「b001」を取得する。そして、図4に示したソフトウェア管理情報において、「通信機ID」が、取得した「b001」と一致する一番目のソフトウェア管理情報を検索する。ここでは、図4に示したソフトウェア管理情報において、上のレコードから下に向かって順次検索を行うものとすると、ソフトウェア実行部103は、一行目のレコードの「通信機ID」の属性値が、取得した「b001」と一致すると判断する。そして、このレコードの「アプリID」である「bikenavi」を取得する。そして、ソフトウェア実行部103は、ファイル名が、取得した「bikenavi」と一致するアプリケーションソフトウェアを起動する。このソフトウェアは、オートバイ用のナビゲーション用のアプリケーションソフトウェアであるとする。そして、出力部104は、例えば、起動後のナビゲーション画面を携帯端末装置1のモニタ104aに表示する。
ただし、例えば、出力部104は、これ以降に、対応する通信機識別子が一致する他のソフトウェアが検出されないことがわかるまでは、ここで一致すると判断したソフトウェア(例えば、、ナビゲーション用のソフトウェア)を表示せず、他のソフトウェアが検出されなかった場合にだけ、この一致すると判断したソフトウェアを表示するようにしても良い。また、ここで一致すると判断したソフトウェアは、起動は行うが、他のソフトウェアが検出された場合は、ここでは起動後の画面等は表示しないようにしてよい。かかることは、これ以降に一致するとして検出されるソフトウェアの表示に関しても同様である。
さらに、図4に示したソフトウェア管理情報のうちの検索されていない残りのレコードにおいて、「通信機ID」が、取得した「b001」と一致する二番目のソフトウェア管理情報を検索する。ここでは、ソフトウェア実行部103は、二行目のレコードの「通信機ID」の属性値が、取得した「b001」と一致すると判断する。そして、このレコードの「アプリID」である「unlock」を取得する。そして、ソフトウェア実行部103は、ファイル名が、取得した「bikenavi」と一致するアプリケーションソフトウェアを起動する。このソフトウェアは、ユーザAが所有するオートバイの解錠を行うアプリケーションソフトウェアであるとする。そして、出力部104は、起動後の解錠を行うアプリケーションソフトウェアの画面を携帯端末装置1のモニタ104aに表示する。この画面は、ここでは、解錠用のコードを入力する画面であるとする。ここでは、先に、表示されていたナビゲーション画面に変えて、解錠を行うアプリケーションソフトウェアの画面をもモニタ104aに表示する。
その後、残りのソフトウェア管理情報についても同様の処理を行うが、ここでは、「通信機ID」が一致するレコードが検出されず、さらなるアプリケーションソフトウェアの起動は行われなかったとする。
ユーザAが、更に小型移動体3に近づいて、携帯していた携帯端末装置1を図2(b)に示したような小型移動体3に設置されたホルダー30に取り付けたとする。このとき、既に、この小型移動体3の解錠を行うアプリケーションソフトウェアが起動しているため、例えば、ホルダー30に小型移動体3を取り付けた時点で、ユーザAが操作しなくても、図5(a)に示すように、解錠を行うアプリケーションソフトウェアの解錠用のコードを入力する画面が表示されている。
このため、ユーザAが、図示しないタッチパネル等を操作して、携帯端末装置1に解錠用のコードを入力すると、解錠用の信号が、小型移動体3に送信され、ロックが解除される。また、これにより、解錠用のアプリケーションソフトウェアは終了し、図5(b)に示すように、上記で起動済のファイル名が「bikenavi」であるナビゲーション用のアプリケーションソフトのナビゲーション画面が、モニタ104aに表示される。ここのようにして、ユーザAは、起動のための操作を行わなくても、携帯端末装置1を小型移動体3に設置された無線通信機2に近づけるだけで、小型移動体3に移動時のナビゲーション等を実行させることができる。このようにして、ユーザが小型移動体3を利用するために近づくだけで、ユーザが小型移動体3について利用するソフトウェアを、ユーザが操作しなくても起動させることができる。
以上、本実施の形態によれば、小型移動体に設置された無線通信機が発信する発信情報に応じて、ソフトウェアを起動させるようにしたことにより、小型移動体を利用する際に、小型移動体で利用可能なソフトウェアを適切に起動させることができる。
また、本実施の形態によれば、小型移動体に設置された無線通信機が発信する発信情報に応じて、発信情報が有する通信機識別子に対応するソフトウェアを起動させるようにしたことにより、小型移動体を利用する際に、この小型移動体に対応づけられたソフトウェアであって、この小型移動体で利用可能なソフトウェアを適切に起動させることができる。
また、小型移動体が、このような無線通信機を備えるようにしたことによって、携帯端末装置に、この小型移動体で利用可能なソフトウェアを適切に起動させることが可能となる。
なお、上記実施の形態において、ソフトウェア実行部103は、受信部101が受信した発信情報について、この発信情報を発信した無線通信機2との距離を示す情報を取得し、この距離を示す情報に応じたソフトウェアを起動するようにしてもよい。即ち、距離に応じて異なるソフトウェアを起動するようにしても良い。例えば、上述したBLE等の技術においては、携帯端末装置1と無線通信機2との距離を取得することが可能であることが知られている。このため、例えば、携帯端末装置1と無線通信機2との通信に、このような距離を取得可能な技術を用いることで、距離に応じたソフトウェアの起動を実現することができる。
以下に、一例について説明する。例えば、格納部102に、ソフトウェアが、通信機識別子と、携帯端末装置1から無線通信機までの距離の範囲を指定する情報(以下、範囲情報と称す)とに対応づけて格納されるようにする。例えば、小型移動体3のロックを解除するソフトウェアが、2mから5mまでの距離の範囲を示す情報と、第一の無線通信機2の通信機識別子と対応づけて格納部102に格納されており、ナビゲーション用ソフトウェアが、300mm未満の範囲を示す情報と、第一の無線通信機2の通信識別子と対応づけて格納部102に格納されていたとする。
そして、受信部101が、発信情報を受信した場合に、ソフトウェア実行部103が、この発信情報を発信した無線通信機2との距離を示す情報と、この発信情報が有する通信機識別子とを取得し、取得した通信機識別子と一致する通信機識別子と対応づけられており、かつ、発信情報について取得した無線通信機2との距離を含む範囲情報と対応づけられた一以上のソフトウェアを検索する。そして、このようなソフトウェアが検出された場合、ソフトウェア実行部103は、上記と同様に、検出された一以上のソフトウェアを起動する。
このようにすることで、例えば、携帯端末装置1が、小型移動体3に取り付けられた第一の無線通信機2からの距離が2mから5mの範囲に位置するようになった場合には、この距離の範囲と第一の無線通信機2の通信機識別子とに対応づけられて格納部102に格納された小型移動体3のロックを解錠するソフトウェアだけを選択的に起動し、携帯端末装置1が、小型移動体3に取り付けられた第一の無線通信機2からの距離が300mm未満の範囲に位置するようになった場合には、この距離の範囲と第一の無線通信機2の通信機識別子とに対応づけられて格納部102に格納されたナビゲーション用のソフトウェアを選択的に起動させることができる。これにより、小型移動体3に関連したソフトウェアであって、小型移動体3との距離によって使う必要となるソフトウェアや、距離によって使う必要がないソフトウェアを、小型移動体3と携帯端末装置一との距離に応じて、適切に選択的に起動することができる。これにより、携帯端末装置1の操作性を向上させることができる。
なお、この場合の範囲情報は、例えば、1m以上3m未満や、500mmから100mmだけ前後した範囲等の、距離の範囲の上限及び下限を特定可能な値であっても良く、1m以上や、300mm未満等の、距離の範囲の上限や、下限を特定可能な値であってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりする情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記各実施の形態では、携帯端末装置がスタンドアロンである場合について説明したが、携帯端末装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を出力したりすることになる。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
なお、上記各実施の形態における携帯端末装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、小型移動体に関連した1以上のソフトウェアが格納される格納部にアクセス可能なコンピュータを、小型移動体に設置された無線通信機が発信する情報である発信情報を受信する受信部と、前記受信部が発信情報を受信した場合に、前記格納部に格納されたソフトウェアを起動するソフトウェア実行部として機能させるためのプログラム。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
図6は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による携帯端末装置を実現するコンピュータシステム900の一例を示す図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図6において、コンピュータシステム900は、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムや、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータが記憶されるフラッシュメモリ等のROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、タッチパネル914と、無線通信モジュール915と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス916とを備える。なお、無線通信モジュール915に代えて、有線通信モジュールを備えていてもよい。また、タッチパネル914に代えて、ディスプレイと、マウスやキーボード等の入力デバイスとを備えていてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による携帯端末装置の機能を実行させるプログラムは、無線通信モジュール915を介してROM912に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、ネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータシステム900に、上記実施の形態による携帯端末装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。