JP2016075483A - 自動探傷装置 - Google Patents

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利英 福井
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Abstract

【課題】小型のクランクシャフトに取付可能な探傷手段を有すると共に、様々な方向を向いたクランクスロー部など様々な箇所の探傷を自動的に行うことが可能となる自動探傷装置を提供する。【解決手段】本発明の自動探傷装置1は、クランクスロー32に形成されたフィレット部35を探傷する探傷手段2と、探傷手段2を前記ピン部34の周方向に沿うように移動させる移動手段11と、を有し、探傷手段2と移動手段11は、別体に形成されており、探傷手段2は、ピン部34の周方向に沿った一方側面上に配備されると共に、移動手段11は、ピン部34の周方向に沿った他方側面上に配備され、探傷手段2は、移動手段11によって、ピン部34の周方向に沿って走行可能とされている。【選択図】図3

Description

本発明は、クランクシャフトに存在する疵等の欠陥を探傷する自動探傷装置に関するものであり、特にクランクスローに形成されているフィレット部などの幅狭な箇所にある曲率の小さい曲面下の探傷に関するものである。
クランクシャフト、クランクスローには、その表層や内部にクラックや疵等の欠陥が存在することがある。この欠陥に応力集中が起こると、欠陥を起点として亀裂やクラックが進展し、部品自体や構造物全体の疲労強度が低下する虞がある。
このような疲労強度の低下を防ぐために、クランクシャフト及びクランクスローの内部に存在する微小な欠陥まで検査する必要がある。従来、オペレータによる手動での超音波探傷が行われていたが、生産性の向上と、オペレータの熟練度による検査性能のバラつきを低減させるために、近年では自動で超音波探傷が行われるようになっている。
このような被検査材(クランクシャフト、クランクスローなど)の内部の欠陥を自動で超音波探傷をする装置としては、特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1は、探傷部と駆動部を一体に構成して自立走行型とした探傷手段を用いて、被検査材の内部の欠陥を自動で超音波探傷をする自動探傷装置である。この自動探傷装置は、一体型の探傷手段が2つ配備されていて、一方の探傷手段でクランクスローのピン部内部の探傷を行い、他方の探傷手段でクランクスローのピン部とアーム部とが切り替わる箇所に形成されるフィレット部の探傷を行っている。さらに、これら2つの探傷手段は、単体では重量が重いので、互いに自立走行が不能とならないように、バランサとしても機能も有している。
特許4160449号公報
従来より、組立型クランクシャフトに対して、クランクスローとジャーナルが一体で製造される一体型クランクシャフトが存在する。この一体型クランクシャフトは、組立型クランクシャフトに比べると小型のものである。
組立型クランクシャフトは、クランクスローとジャーナルとが個別であるため、探傷する箇所を定めやすく、且つ自動探傷装置の設置向きを毎回同じセッティングとすることが可能であるので、特許文献1の自動探傷装置を用いることが可能である。
一方で、一体型クランクシャフトは、シャフトの全体形状のまま探傷する必要があるので、特許文献1のような大型の自動探傷装置を用いて探傷するにあたっては、取り付け作業に大きくスペースをとるばかりか、探傷する箇所を定めることが困難な場合も発生する。また、一体型クランクシャフトのクランクスロー部は、様々な方向(角度)を向いているため、あらゆる角度に自動探傷装置を設置できることが必要となる。
したがって、特許文献1の自動探傷装置を用いて、一体型クランクシャフトを探傷する場合、例えば、クランクスローのピン部のように、一対のアーム部に挟まれた幅狭な箇所(狭隘部)の探傷や、ピン部とアーム部とが切り替わる箇所に形成されるR部(フィレット部)の探傷を行うことは極めて困難であった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、小型のクランクシャフトに取付可能な探傷手段を有すると共に、様々な方向を向いたクランクスロー部など様々な箇所の探傷を自動的に行うことが可能となる自動探傷装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明においては次の手段を講じた。
本発明にかかる自動探傷装置は、クランクスローに形成されたフィレット部を探傷する探傷手段と、前記探傷手段を前記ピン部の周方向に沿うように移動させる移動手段と、を
有する自動探傷装置において、前記探傷手段と前記移動手段は、別体に形成されており、前記探傷手段は、前記ピン部の周方向に沿った一方側面上に配備されると共に、前記移動手段は、前記ピン部の周方向に沿った他方側面上に配備され、前記探傷手段は、前記移動手段によって、前記ピン部の周方向に沿って走行可能とされていることを特徴とする。
好ましくは、前記移動手段は、前記ピン部を周回するように配備されていて一方端が前記探傷手段の一方側へ連結され且つ他方端が前記探傷手段の他方側へ連結されている索条体と、前記索条体を前記ピン部の周方向に沿って移動させることで、前記探傷手段を前記ピン部の周方向に沿って走行させる駆動部と、を有するとよい。
好ましくは、前記探傷手段は、探傷用のプローブを備えた探傷部と当該探傷部を支持する台車とを有し、前記探傷部は、前記台車上から水平方向に突出し、且つ水平方向及び上下方向に移動自在となっているとよい。
好ましくは、前記台車には、前記ピン部の周方向側面上を転動する車輪が備えられており、前記車輪の転動部には防塵機構が設けられているとよい。
好ましくは、前記探傷手段には、前記探傷部を前記ピン部の端部に直交するように設けられたアーム部の側面に沿わせる倣い機構が配備されているとよい。
本発明の自動探傷装置によれば、小型のクランクシャフトに取付可能な探傷手段を有すると共に、様々な方向を向いたクランクスロー部など様々な箇所の探傷を自動的に行うことが可能となる。
本発明の自動探傷装置が装着された一体型クランクシャフトを模式的に示した図である。 図1のA部拡大図である。 図2のB−B断面図である。 本実施形態の探傷手段の移動方向を示す図である。 1段フィレット部の探傷を模式的に示した側面図である。 2段フィレット部の探傷を模式的に示した側面図である。 自動探傷装置に倣い機構を備えていない場合の比較例を示す図である。
以下、本発明の自動探傷装置の実施形態を図に基づいて、説明する。
まず、本実施形態において被検査材とされるクランクシャフトについて説明する。
図1に示すように、本実施形態で用いられるクランクシャフトは、クランクスロー32とジャーナル31とが所定の間隔で交互に配備され、そのクランクスロー32とジャーナル31とが一体的に形成された一体型クランクシャフト30である。
図1〜図3に示す如く、被検査対象であるクランクスロー32は、一対配備されたアーム部33と、一対のアーム部33の先端側の間に立設された円柱状のピン部34(円柱部)と、を有している。一対のアーム部33間は、所定の間隔を有しており、その間隔はアーム部33上下方向の長さに比べて幅狭なものとされている。
図3に示す如く、一対のアーム部33は、正面視で略楕円形状の板片で形成されている。
図2、図3に示す如く、一対のアーム部33は、一方のアーム部33の楕円焦点近傍(先端側)の側面から中実又は中空のピン部34が立設し、他方のアーム部33の楕円焦点近傍(先端側)の側面に連結することで一体となっている。また、アーム部33のもう一つの楕円焦点近傍(基端側)であって、ピン部34が立設された側面とは反対側の側面には、クランクシャフトのジャーナル31が立設されている。なお、ピン部34の軸心が略水平状となるように、当該クランクスロー32は載置台36上に配置されている。
図5に示すように、アーム部33上で且つピン部34の端周り近傍には、応力集中を緩和するための凹部であるフィレット部35が形成されている。なお、フィレット部35は、例えば、図7に示されているように、2つのR部35が2段階に連接して形成されているものもある。
上記したピン部34の外周面には、本発明にかかる自動探傷装置1が配置され、この自動探傷装置1は、クランクスロー32のピン部34とアーム部33との間に形成されているフィレット部35などの幅狭な箇所にある曲率の小さい曲面下の探傷を自動で行う。
なお、本明細書での説明においては、図2の紙面の左側を自動探傷装置1の前側とし、紙面の右側を自動探傷装置1の後側とする。また、紙面の上側を自動探傷装置1の上側とし、紙面の下側を自動探傷装置1の下側とする。また、紙面の手前側を自動探傷装置1の右側とし、紙面の奥側を自動探傷装置1の左側とする。
図2をもとに定義した方向を図3に当てはめた場合、図3の紙面の左方向が自動探傷装置1の左方向であり、紙面の右方向が自動探傷装置1の右方向である。また、紙面の上方向が自動探傷装置1の上方向であり、紙面の下方向が自動探傷装置1の下方向となる。また、紙面の手前側が自動探傷装置1の前側であり、紙面の奥側が自動探傷装置1の後側である。
自動探傷装置1は、クランクスロー32のフィレット部35を探傷する探傷手段2と、探傷手段2をピン部34の周方向に沿うように移動させる移動手段11とを有し、探傷手段2と移動手段11は、別体に形成されている。
移動手段11は、ピン部34の周方向に沿った他方側面(下面側)上に配備されている。また、探傷手段2は、ピン部34の周方向に沿った一方側面(上面側)上に配備されていて、別に配備されている移動手段11によって、ピン部34の周方向に沿って走行可能とされている。
すなわち、図3に示すように、探傷手段2は、フィレット部35を探傷する領域(フィレット部探傷エリア)とされる範囲内に配備する。ピン部34の上下方向中心軸から左右にα(例えば、α=60°)がフィレット部探傷エリアとされる。移動手段11は、ピン部34の中心を挟んで、探傷手段2の略180°反対側に配備されている。とはいえ、必ずしも探傷手段2の180°反対側に配備される必要はなく、フィレット部探傷エリアとされる範囲外であれば、いかなる位置に配備してもかまわない。例えば、探傷手段2が配備されている位置の反対側であって、ピン部34の上下方向中心軸から左右に90°の範囲内に配備するとよい。
この探傷手段2は、幅狭のアーム部33間に位置する短尺のピン部34に取り付けられるものであるため、前後方向に幅狭の形状を有するものとなっている。
探傷手段2は、フィレット部探傷用のプローブ8を備えた探傷部7と、当該探傷部7を支持する台車3とを有していて、探傷部7が台車3上から水平方向に突出している。
図3〜図5に示すように、台車3は、中空とされた内部に探傷部7を格納可能とした筐体4と、筐体4の左下側及び右下側から水平方向外側に向かって伸びるように立設された板状の基部5とで構成されている。
この基部5には、ピン部34の周方向側面(外周面)上を転動する車輪6が左右対称に備えられており、左側の基部5aに1つ、右側の基部5bに1つそれぞれ配備されている。この車輪6の転動部には、防塵機構が設けられていて、本実施形態では車輪6として、ベアリング6(例えば、すべり軸受など)を採用している。なお、探傷手段2に備えられる車輪6は、防塵機構が設けられ、且つ走行面の摩耗量も少ないものを採用するとよい。
車輪6の転動部に防塵機構を設ける理由としては、従来はゴムなどで形成されたタイヤを用いることが多いが、このタイヤはピン部34の周方向側面上を走行すると、タイヤの走行面の摩耗量が大きく、頻繁に交換しなければならない。その故、探傷手段2を安定的に稼動させることが難しい。
一方で、車輪6に一般的なボールベアリングなどスムーズに転動するものを採用した場合、走行面の摩耗を抑えることが可能である。しかしながら、一般的なボールベアリングは、回転部が開放状とされており、探傷をする工場内の環境により発生した粉塵や切削後の切りくずなどの廃棄物が回転部に侵入して詰まってしまうことがある。
ボールベアリングがこのような状況下となると、回転部が回転しなくなるため、ピン部34の周方向側面に対して偏接触を起こし、走行面の特定箇所だけ摩耗量が多くなり、探傷手段2を安定的に稼動させることが難しくなる。
そこで、車輪6の転動部に防塵機構を設けることで、大気中に飛散している細かい粉塵や切り粉など廃棄物の侵入による転動部の目詰まりなど回転不良を起こること防ぎ、探傷手段2がピン部34の周方向側面上をスムーズに走行することができる。それ故、安定して探傷することが可能となる。
筐体4は、後側が開放状とされ、且つ上面の後側の一部が切り欠かれた内部が空洞の略矩形の容器である。筐体4は、内部が後述する探傷部7を覆うことができる空間とされている。その筐体4の後側には、後方向(アーム部33の前側面方向)に揺動自在とされた探傷部7が配備されている。
探傷部7は、フィレット部35の内部を探傷するフィレット部探傷用プローブ8(本実施形態においてはフィレット部探傷プローブのみ)を有している。フィレット部探傷用プローブ8には、水平方向及び上下方向に揺動自在とする首振り機構9が備えられている。また、探傷部7には、フィレット部探傷用プローブ8及び首振り機構9を筐体4からアーム部33側に突出させたり、筐体4内に格納させたりする出退機構(図示せず)も有している。この出退機構は、フィレット部探傷用プローブ8を前後に移動させたり上下に移動させるものであり、電動モータとラックアンドピニオンギア機構で実現されている。
本実施形態においては、フィレット部探傷用プローブ8には超音波探触子を採用しており、前述の如く、探触面8a(センサヘッド)とフィレット部35のR面35aとが密着状態であるため、センサヘッドから発信される超音波は非常に良好にフィレット部35に伝播するようになっている。なお、センサヘッドとR面35aとの間に、超音波の伝播を良好にする油等の接触媒体を自動又は手動で注入するようにしている。
探傷部7に備えられた首振り機構9は、フィレット部35全域を検査するため、周方向だけでなくフィレット部35の曲率方向にフィレット部探傷用プローブ8の角度を変えるための機構であって、電動モータとギア機構で実現されている。
探傷部7は、台車3の筐体4の後側に位置し、後方に向けて突出していて、上述の筐体4よりやや小型の矩形の部材で形成されている。探傷部7の後側面(アーム部33の側面方向)の下端には、フィレット部探傷用プローブ8(R部探触子)がフィレット部35のR面35a(R部35の表面)を向くように備えられている。
図4、図5に示すように、探傷部7は、フィレット部35のR面35aが1つのとき(図5参照)、出退機構により格納された位置から水平方向後側(アーム部33側)に向かって、フィレット部探傷用プローブ8の探触面8aがフィレット部35のR面35a(探傷面)に到達するまで移動する。フィレット部探傷用プローブ8がフィレット部35に到達すると、探傷部7は首振り機構9によりフィレット部35のR面35aの曲率方向に合わせてフィレット部探傷用プローブ8の角度を設定する。そして、探傷部7は、設定された角度のフィレット部探傷用プローブ8にて、フィレット部35を探傷する。
フィレット部35の探傷が終えれば、探傷部7は、首振り機構9によりフィレット部探傷用プローブ8を元の角度に戻すと共に、出退機構により上下前後へ移動しフィレット部35から筐体4に格納される。
また、図4、図6に示すように、探傷部7は、フィレット部35のR面35aが2つのとき(図6参照)、出退機構により格納された位置から水平方向後側(アーム部33側)に向かって、フィレット部探傷用プローブ8が1つ目のR面35a(図6中の下側のR面35a)に到達するまで移動する。フィレット部探傷用プローブ8が1つ目のR面35aに到達すると、探傷部7は首振り機構9により1つ目のR面35aの曲率方向に合わせてフィレット部探傷用プローブ8の角度を設定する。そして、探傷部7は、設定された角度のフィレット部探傷用プローブ8にて、1つ目のフィレット部35を探傷する。
1つ目のフィレット部35における全てのR面35aの探傷が終了した後、探傷部7は、首振り機構9によりフィレット部探傷用プローブ8を元の角度に戻すと共に、2つ目のR面35a(図6中の上側のR面35a)に到達するまで、出退機構により、フィレット部探傷用プローブ8を上下及び前後に移動する。フィレット部探傷用プローブ8が2つ目のR面35aに到達すると、探傷部7は首振り機構9により2つ目のR面35aの曲率方向に合わせてフィレット部探傷用プローブ8の角度を設定する。そして、探傷部7は、設定された角度のフィレット部探傷用プローブ8にて、2つ目のフィレット部35を探傷する。
全てのフィレット部35の探傷が終えれば、探傷部7は、首振り機構9によりフィレット部探傷用プローブ8を元の角度に戻すと共に、出退機構によりフィレット部35から筐体4に格納される。
以上の手法に従って全ての角度で探傷を繰り返すことで、フィレット部35直下の全域を探傷することができる。また、角度の調整はフィレット部探傷用プローブ8の半値幅によるが、数度ピッチごとに角度を変えることで、フィレット部35直下の全域をもれなく探傷することが可能になる。
このように、探傷部7は、首振り機構9により、水平方向及び上下方向にフィレット部探傷用プローブ8を揺動自在の動作させることにより、フィレット部探傷用プローブ8をフィレット部35の形状に沿うように揺動させることができ、フィレット部35のR面35aを隈無く探傷することができるようになっている。また、フィレット部探傷用プローブ8の揺動中心がR面35aの曲率半径と略一致するように設けてあるため、フィレット部探傷用プローブ8の探触面8aはR面35aから離れることなく、スライド移動するようになる。
また、探傷部7は、揺動自在の首振り機構9により、図7に示す2段に形成されたフィレット部35など複雑な形状においても、フィレット部探傷用プローブ8をその複雑な形状に沿わせることができるので、複雑なR面35aを隈無く探傷することが可能となる。
さらに、上述の探傷部7には、探傷部7をピン部34の端部に直交するように設けられたアーム部33の側面に沿わせる倣い機構10(詳細は後述)が配備されている。
移動手段11は、クランクスロー32のピン部34の外周を周回するように配備されていて、一方端が探傷手段2の一方側へ連結され且つ他方端が探傷手段2の他方側へ連結されている索条体12と、索条体12をピン部34の周方向に沿って移動させることで、探傷手段2をピン部34の周方向に沿って走行させる駆動部13と、を有する。
図3や図5に示すように、移動手段11は、探傷手段2に対して、180°反対側のピン部34の径方向側面上に配備されている。
なお、移動手段11は、必ずしも探傷手段2の180°反対側に配備される必要はなく、フィレット部探傷エリアとされる範囲外であれば、いかなる位置に配備してもかまわない。例えば、探傷手段2が配備されている反対側であって、ピン部34の上下方向中心軸から左右に90°の範囲内に配備するとよい。
索条体12は、ベルト状や、ワイヤ状の屈曲自在の長尺部材を環状に形成したものであって、例えば、ローラチェーンやプーリーベルトなどが挙げられる。なお、本実施形態では、索条体12としてローラチェーンを採用している。
ローラチェーン12は、ピン部34の周方向側面を沿うように巻回されていて、一方端が探傷手段2の台車3の一方側(右側の基部5b)に連結されていて、他方端が探傷手段2の台車3の他方側(左側の基部5a)に連結されている。なお、詳しくは、ローラチェーン12は、一方端が台車3の右側のベアリング6a(車輪)に連結されていて、他方端が台車3の左側のベアリング6bに連結されている。このローラチェーン12は、台車3に対して取り外し可能とされている。
また、ローラチェーン12は、駆動部13に設けられたスプロケット16に巻回されている。スプロケット16が回転することにより、ローラチェーン12がピン部34の周方向側面を沿う方向に移動すると共に、探傷手段2がフィレット部35近傍のピン部34の外周面上を走行する。
台車3から着脱可能とされ、且つピン部34の周方向側面を沿うように巻回可能な索条体12(ローラチェーンなど)を採用することで、本発明の自動探傷装置1をピン部34から着脱することが容易となる。また、ピン部34の外径が異なるクランクシャフトに簡便に着脱することができる。
移動手段11を構成する駆動部13は、ローラチェーン12をピン部34の周方向側面を沿う方向に移動させる駆動モータ14と、駆動モータ14からの回転駆動力をローラチェーン12に伝達するスプロケット16と、駆動モータ14を格納するケース体17と、を有している。
ケース体17は、内部が空洞とされたものであり、駆動モータ14の回転駆動軸15が前側であって且つ水平方向を向くように格納されている。このケース体17の前面には、孔が形成されていて、格納された駆動モータ14の回転駆動軸15がケース体17から外部へ突出状に挿通されている。ケース体17から外部へ突出した回転駆動軸15の先端には、ローラチェーン12に接続されたスプロケット16が取り付けられている。
スプロケット16は、回転駆動軸15が回転すると共に回転して、ローラチェーン12をピン部34の周方向側面上を沿うように移動させている。
ケース体17の左側及び右側の側壁には、駆動手段をピン部34の周方向側面に取り付けて支持する支持体18が左右対称に設けられている。この左右の支持体18には、永久磁石が内蔵されていて、駆動手段をピン部34の周方向側面に確実に固定することができるようになっている。
自動探傷装置1の移動手段11と探傷手段2を、ピン部34の周方向側面上に別々に配備することで、一体型クランクシャフト30の狭隘なクランクスロー32のピン部34に取り付けることが可能となり、その狭隘な部分に形成されるフィレット部35の探傷を行うことができる。
また、移動手段11と探傷手段2を上述した配備とすることで、自動探傷装置1が軽量化され、クランクスロー32の角度が一定ではない一体型クランクシャフト30にでも、それぞれの角度に合わせて取り付けが可能となる。
ところで、上述した自動探傷装置1においては、稀ではあるが、フィレット部35を正確に探傷することができないことがあった。
その理由として、探傷手段2がローラチェーン12(索条体)により引っ張られて駆動されていることが挙げられる。すなわち、探傷手段2は、ローラチェーン12によりピン部34の周方向には拘束されているが、ピン部34の軸心方向には非拘束乃至は弱い拘束状態となっている。
そのため、ローラチェーン12を引っ張ることで探傷手段2をピン部34の周方向に沿って移動させた場合、図7に示すように、探傷手段2が前後方向(ピン部34の軸心方向)に移動してしまい、フィレット部探傷用プローブ8の探触面8aがフィレット部35のR面35aから離れてしまう状況が発生し、正確な探傷が不可能になることがある。
そこで、本実施形態の場合、ピン部34の周方向側面上を走行する探傷部7を、ピン部34の周方向に沿って真っ直ぐに(ピン部34の軸心に垂直な方向に沿って)案内する、すなわちフィレット部35探傷用8の探触面8aをフィレット部35のR面35aからずれることなく沿わす倣い機構10を、探傷手段2に設けている。
本実施形態では倣い機構10として、アーム部33の側面に磁着可能とされた永久磁石を採用しており、探傷部7の後側面に1つ以上配備されている。永久磁石を採用する理由としては、磁力は吸着面(アーム部33の前側面)に対して垂直方向には強力であるが、せん断方向には弱いため後述の索条体12による移動には影響が少ない。
なお、本実施形態においては、被検査材が鋼材で製造された一体型クランクシャフト30であるので、倣い機構10に簡便な永久磁石を採用したが、アーム部33の側面に沿わせるものであれば、特に限定しない。例えば、ゴムなどで構成された吸盤部材を採用することもできる。探傷部7に上述の首振り機構9に加えて、その探傷部7をアーム部33の前側面に押し付ける押付機構を備えていてもよい。
図5に示すように、探傷部7に倣い機構10を備えることで、フィレット部探傷用プローブ8の探触面8aをR面35aから離すことなく追従させる、すなわち接触を保持することができる。
次に、本発明の自動探傷装置1を用いて、クランクスロー32に形成されたフィレット部35の自動探傷方法について、図を基に説明する。
図5に示すように、まず探傷手段2をフィレット部探傷エリアとされるピン部34の周方向側面に取り付ける。また、駆動手段を探傷手段2の180°反対側のピン部34の周方向側面に取り付けて、ローラチェーン12をピン部34の周方向側面に沿うように巻回する。
そして、フィレット部35のR面35aの曲率に合わせてフィレット部探傷用プローブ8の角度を設定する。その後、探傷部7の首振り機構9により、当該探傷部7をアーム部33の前側面方向(後方向)に移動させて、フィレット部探傷用プローブ8をフィレット部探傷エリア内のフィレット部35のR面35aに当接させる。
このように、探傷手段2を設置した後、駆動手段の駆動モータ14を駆動させて、ローラチェーン12をピン部34の周方向側面(外周面)上に設定されたフィレット部探傷エリアに移動させる。
図3に示すように、例えば、当初設置した位置から左側α(例えば、α=60°)のフィレット部探傷エリア内に、探傷手段2をローラチェーン12を介して移動させて、フィレット部35を探傷する。左側αのフィレット部探傷エリアの探傷を終えると、右側αのフィレット部探傷エリア内に、探傷手段2をローラチェーン12を介して移動させて、フィレット部35を探傷する。
左側αのフィレット部探傷エリアの探傷を終えると、探傷手段2を当初設置した位置に戻し、次に探傷するフィレット部35のR面35aの曲率に合わせてフィレット部探傷用プローブ8の角度を設定する。
フィレット部探傷用プローブ8の角度をフィレット部35を再設定した後、駆動手段の駆動モータ14を駆動させて、ローラチェーン12をピン部34の周方向側面(外周面)上に設定されたフィレット部探傷エリアに移動させる。上述したように、探傷手段2を当初設置した位置から左側αのフィレット部探傷エリア内に移動させてフィレット部35を探傷し、その後右側αのフィレット部探傷エリア内に移動させてフィレット部35を探傷する。
上述の自動探傷方法を繰り返して、フィレット部35直下の全域を探傷する。
全ての探傷を終えると、探傷手段2は当初設置した位置に戻る。そして、探傷手段2は、首振り機構9を動作させて、探傷部7を水平方向前側に移動させて筐体4の内部に格納する。
そして、探傷部7が筐体4の内部に格納され、始めのフィレット部35の探傷が終了した後、ローラチェーン12を取り外して次の探傷箇所とされるピン部34に取り付けて、次のフィレット部35の探傷を行う。
以上述べたように、本発明の自動探傷装置1によれば、小型の一体型クランクシャフト30に取付可能な探傷手段2を有すると共に、様々な方向を向いたクランクスロー32部など様々な箇所の探傷を自動的に行うことが可能となる。また、本発明の自動探傷装置1は、一体型クランクシャフト30の種類(大きさや形状)によりピン部34の外径が異なったものであっても、その外径に応じて取付の設定をしておくことで探傷手段2の移動範囲を変えることができ、異なる外径のピン部34とアーム部33との間に形成されたフィレット部35の必要検査範囲(フィレット部探傷エリア)内をもれなく探傷することが可能になる。
なお、今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、本実施形態では、被検査材として一体型クランクシャフト30を例示して説明したが、本発明の自動探傷装置1は組立型クランクシャフトにも適用可能である。また、本発明の自動探傷装置1は配管パイプ等の外周面が略円筒状の物も適用可能である。
また、本実施形態の超音波振動子(すなわち超音波センサ)は、超音波の発信部と受信部とを一体に備えたものを採用しているが、別々ものを採用し、適宜最適位置に配置するようにしてもよい。
また、探触子としては、超音波以外を利用したものであってもよい。例えば、渦電流探傷や漏洩磁束探傷により探傷を行う探触子を用いてもよい。
特に、今回開示された各実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 自動探傷装置
2 探傷手段
3 台車
4 筐体
5 基部
5a 右側の基部
5b 左側の基部
6 車輪(ベアリング)
6a 右側のベアリング
6b 左側のベアリング
7 探傷部
8 フィレット部探傷用プローブ
8a 探触面
9 首振り機構
10 倣い機構(永久磁石)
11 移動手段
12 索条体(ローラチェーン)
13 駆動部
14 駆動モータ
15 回転駆動軸
16 スプロケット
17 ケース体
18 支持体
30 一体型クランクシャフト
31 ジャーナル
32 クランクスロー
33 アーム部
34 ピン部
35 フィレット部(R部)
35a R面(探傷面)
36 載置台

Claims (5)

  1. クランクスローに形成されたフィレット部を探傷する探傷手段と、前記探傷手段を前記ピン部の周方向に沿うように移動させる移動手段と、を有する自動探傷装置において、
    前記探傷手段と前記移動手段は、別体に形成されており、
    前記探傷手段は、前記ピン部の周方向に沿った一方側面上に配備されると共に、前記移動手段は、前記ピン部の周方向に沿った他方側面上に配備され、
    前記探傷手段は、前記移動手段によって、前記ピン部の周方向に沿って走行可能とされている
    ことを特徴とする自動探傷装置。
  2. 前記移動手段は、前記ピン部を周回するように配備されていて一方端が前記探傷手段の一方側へ連結され且つ他方端が前記探傷手段の他方側へ連結されている索条体と、前記索条体を前記ピン部の周方向に沿って移動させることで、前記探傷手段を前記ピン部の周方向に沿って走行させる駆動部と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動探傷装置。
  3. 前記探傷手段は、探傷用のプローブを備えた探傷部と当該探傷部を支持する台車とを有し、
    前記探傷部は、前記台車上から水平方向に突出し、且つ水平方向及び上下方向に移動自在となっている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動探傷装置。
  4. 前記台車には、前記ピン部の周方向側面上を転動する車輪が備えられており、
    前記車輪の転動部には防塵機構が設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の自動探傷装置。
  5. 前記探傷手段には、前記探傷部を前記ピン部の端部に直交するように設けられたアーム部の側面に沿わせる倣い機構が配備されていることを特徴とする請求項3に記載の自動探傷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018013332A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 神鋼検査サービス株式会社 探触子移動装置および移動方法
CN112782284A (zh) * 2020-12-31 2021-05-11 上海源正科技有限责任公司 用于狭小空间的超声波检测辅助装置

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