JP2016074857A - 発泡ブロー成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発泡成形性と耐衝撃性を両立することが可能で、使用済み樹脂材料を再利用することも可能な発泡ブロー成形品を提供する。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系エラストマーを含む発泡樹脂をブロー成形することにより形成される発泡ブロー成形品である。発泡樹脂は、酸化防止剤を含有する。酸化防止剤の含有量は、ポリエチレン系エラストマーに対して2000ppm以上である。ポリエチレン系エラストマーの含有率は5〜35質量%である。ポリプロピレン系樹脂は、長鎖分岐構造を有することが好ましい。車両用の空調ダクト等として用いられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡ブロー成形品に関するものであり、特に、樹脂材料としてポリエチレン系エラストマーを含むポリプロピレンを用いた発泡ブロー成形品に関するものである。
発泡ブロー成形品として、例えば自動車のインストルメントパネル内に取り付けられる各種空調ダクトが知られている。これら空調ダクトには、発泡した樹脂材料を成形した発泡ダクトが広く用いられている。発泡ダクトは、軽量であり、例えばポリオレフィン系樹脂等の樹脂材料に発泡剤を加えて溶融混練し、押出機のダイから押し出される発泡パリソンをブロー成形することにより容易に製造することができる。
発泡ブロー成形品に用いられる樹脂材料としては、ポリオレフィン系樹脂が広く用いられており、中でもポリプロピレン系樹脂が一般的である。近年では、より安価な材料構成とすること等を目的として、ポリエチレン系樹脂への置き換えも検討されている(特許文献1等を参照)。
特許文献1には、長鎖分岐構造を有し、比重0.95〜0.96、メルトフローレイト(MFR)3〜7g/10分、溶融張力100〜250mNの高密度ポリエチレンと、メルトフローレイト(MFR)0.3〜1.0g/10分の高密度ポリエチレンとを混合した混合樹脂に化学発泡剤を添加し、ブロー成形した自動車用ダクトが開示されている。
特開2011−194700号公報
ただし、ポリエチレン系樹脂を用いた発泡ブロー成形品に関しては、ポリプロピレン系樹脂と比較して樹脂組成や物性等に関して最適化が不十分であり、ポリプロピレンを用いた発泡ブロー成形品の方が実用特性において優位性を有しているのが実情である。
ところで、優れた物性を有するポリプロピレン発泡ブロー成形品であるが、耐衝撃性が不足するという問題を抱えている。例えば、発泡ブロー成形品がリアークーラーダクトである場合、カーテンシールドエアバッグに隣接して設置されるルーフサイドダクトは、カーテンシールドエアバッグが展開する際に飛散割れする可能性がある。
また、発泡ブロー成形品に用いた樹脂材料は、省資源の観点から、再利用可能であることが望まれるが、熱履歴による劣化は避けられず、繰り返し使用にも自ずと限度がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、発泡成形性と耐衝撃性を両立することが可能な発泡ブロー成形品を提供することを目的とし、さらには、使用済み樹脂材料を再利用することが可能な発泡ブロー成形品を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の発泡ブロー成形品は、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系エラストマーを含む発泡樹脂をブロー成形することにより形成される発泡ブロー成形品であって、前記発泡樹脂は、酸化防止剤を含有し、前記酸化防止剤の含有量が、ポリエチレン系エラストマーに対して2000ppm以上であることを特徴とする。
本発明の発泡ブロー成形品は、ポリプロピレン形樹脂を主体とするものであり、樹脂組成や物性等について、最適化が容易である。また、本発明の発泡ブロー成形品は、ポリエチレン系エラストマーを併用しているため、耐衝撃性が改善され、発泡成形性と耐衝撃性が両立される。さらに、ポリエチレン系エラストマーの併用は、熱履歴による劣化が問題となる可能性があるが、本発明の発泡ブロー成形品では、ポリエチレン系エラストマーに対して所定の添加量で酸化防止剤を含有しているため、この問題が回避される。
本発明によれば、発泡成形性に優れ、しかも耐衝撃性に優れ飛散割れ等のおそれのない発泡ブロー成形品を提供することが可能である。また、本発明によれば、熱履歴による劣化を抑制することで、使用済みの樹脂材料を再利用することが可能であり、樹脂材料の利用効率を大幅に向上することが可能である。
発泡ダクトの一例を示す概略斜視図である。 ダクトをブロー成形する際の態様を模式的に示す概略断面図である。
以下、本発明を適用した発泡ブロー成形品の実施形態について、発泡ダクトを例にして、図面を参照しながら詳細に説明する。
発泡ブロー成形品である発泡ダクト10は、エアコンユニット(図示は省略する。)より供給される空調エアを内部の流路により流通させ、所望の部位に通風されるように構成される。なお、発泡ダクト10の形状としては、図1に示すものに限定されず、用途や設置場所等に応じて任意の形状とすることができる。
本実施形態の発泡ダクト10は、押出機のダイから発泡樹脂を押し出すことによって形成した発泡パリソンを金型で挟んでブロー成形することにより得られる。なお、ブロー成形直後のダクトは、両端が閉じた状態となっており、ブロー成形後のトリミングによって両端が切断されて開口形状にされる。
本実施形態の発泡ダクト10は、管壁が発泡層によって構成される中空の発泡樹脂成形品からなる。発泡層が独立気泡構造を有する構成とすることにより、軽量で断熱性に優れたダクトとすることができる。独立気泡構造とは、複数の独立した気泡セルを有する構造であり、少なくとも独立気泡率が70%以上のものを意味する。こうした構成により、発泡ダクト10内に冷房の空気を流通させた場合であっても、結露が発生する可能性をほとんどなくすことができる。
本実施形態の発泡ダクト10は、基本的には発泡樹脂材料としてポリプロピレン系樹脂を用いたものである。ポリプロピレン系樹脂は、物性等の点において最適化が容易で、発泡成形性が良好であるという特徴を有する。
使用するポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、あるいはプロピレンと他のα−オレフィンとのランダムもしくはブロック共重合体等を挙げることができる。プロピレンと共重合される他のα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、メチルペンテン等である。プロピレンと共重合されるα−オレフィンの量は任意であるが、ポリプロピレンの優れた物性を維持するためには、例えば0.1〜20質量%程度とすることが好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂は、長鎖分岐構造を有することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は溶融時の溶融張力が小さく、発泡成形において成形加工性が劣るという欠点を有しているが、長鎖分岐構造を導入することで、溶融特性を改良することができ、前記欠点を解消することができる。
前述のように、本実施形態の発泡ダクト10においては、発泡樹脂材料としてポリプロピレン系樹脂を用いているので、発泡倍率を例えば2.5倍以上にできる等、発泡成形性に優れたものとすることができるが、ポリプロピレン系樹脂のみで成形すると、耐衝撃性が不足するおそれがある。ポリプロピレン系樹脂は、発泡成形性に優れる材料であるが、耐衝撃性が不十分であり、例えばエアバッグの展開の際に飛散割れという現象が発生するおそれがある。例えば、いわゆる1ボックスカーのリアクーラーダクト(天井ダクト)において、1つのルーフサイドダクトは、カーテンシールドエアバッグ隣接している。このような状態でカーテンシールドエアバッグが展開すると、ポリプロピレン製のルーフサイドダクトは飛散割れする可能性がある。
そこで、本実施形態の発泡ダクト10においては、ポリプロピレン系樹脂に加えて、ポリエチレン系エラストマーを併用することで、耐衝撃性を改善し、発泡成形性と耐衝撃性を両立させるようにしている。
ポリエチレン系エラストマーは、ポリエチレン系樹脂のマトリックス中にオレフィン系ゴムを微分散させたものであり、ポリプロピレン系樹脂との相溶性に優れ、樹脂材料にゴム弾性を付与して耐衝撃性を改善することができるという特徴を有する。
ポリエチレン系エラストマーの樹脂材料に占める割合は、耐衝撃性を改善するという目的からは、5質量%以上とすることが好ましい。ポリエチレン系エラストマーの割合が5質量%未満であると、発泡ダクト10の耐衝撃性が不十分になるおそれがある。ポリエチレン系エラストマーの割合が多ければ多いほど耐衝撃性改善には有利であるが、ポリエチレン系エラストマーの割合が多くなりすぎると、相対的にポリプロピレン系樹脂の割合が低下して、発泡成形性等、ポリプロピレン系樹脂が有する優れた物性を維持することが難しくなる。そのような観点から、ポリエチレン系エラストマーの割合は、35質量%以下とすることが好ましい。すなわち、ポリエチレン系エラストマーの割合は、5〜35質量%とすることが好ましい。
さらに、ポリエチレン系エラストマーに加えて、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)を3〜5質量%添加するのも、好ましい形態である。水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレンとブタジエンのブロックコポリマーの二重結合を水素添加したポリマーであり、耐候性や耐熱性に優れ、エラストマー特性にも優れるという特徴を有する。具体例としては、旭化成社製、商品名タフテックH1062等を挙げることができる。
前述のようにポリエチレン系エラストマーを併用した場合、熱履歴により樹脂材料が劣化するおそれが生じ、樹脂材料の再利用時の連続生産性を低下する要因となる可能性がある。そこで、本実施形態の発泡ダクト10では、ポリエチレン系エラストマーの量に応じて所定量の酸化防止剤を添加し、この問題を回避するようにしている。
酸化防止剤は、リン系の酸化防止剤とフェノール系の酸化防止剤を添加するのが好ましいが、これに限らず、リン系、フェノール系など、単一の酸化防止剤を添加しても効果はある。なお、リン系の酸化防止剤は、耐加水分解性、耐揮散性に優れ、酸素と結合した樹脂と反応し、連鎖反応で酸化劣化を防止するという機能を有する。フェノール系の酸化防止剤は、各種樹脂、エラストマーの耐熱性向上に効果を発揮する酸化防止剤であり、高分子量であるため、低抽出性、低揮散性であるという特徴を有する。
本願発明では、リン系の酸化防止剤とフェノール系の酸化防止剤の双方を添加することが好ましく、これらを併用することで、相乗的に効果が発揮され、ポリエチレン系エラストマーの架橋劣化が効果的に抑制される。
ここで、使用するリン系の酸化防止剤やフェノール系の酸化防止剤は、公知のものがいずれも使用可能である。例えば、リン系の酸化防止剤には、高分子量リン系酸化防止剤や低分子量リン系酸化防止剤があるが、いずれか一方を用いても良いし、これらを混合して用いても良い。
具体的化合物としては、高分子量リン系酸化防止剤の例として、トリス(2,4−分岐C3−8アルキル−ブチルフェニル)ホスファイト[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等]や、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイト等のテトラキス(2,4−ジ−分岐C3−8アルキルフェニル)−4,4’−C2−4アルキレンホスファイト等を挙げることができる。市販のものとしては、チバ・ジャパン社製、商品名「Irgafos168」等がある。
低分子量リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト;トリ−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、トリ−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−アニシルホスフィン、トリ−p−アニシルホスフィン等のホスフィン化合物等を挙げることができる。
フェノール系の酸化防止剤についても、高分子量フェノール系酸化防止剤や低分子量フェノール系酸化防止剤があるが、いずれか一方を用いても良いし、これらを混合して用いても良い。
高分子量フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等のトリス(2−アルキル−4−ヒドロキシ−5−分岐C3−8アルキルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のトリス(3,5−ジ−分岐C3−8アルキル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6,−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等の1,3,5−トリアルキル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−分岐C3−8アルキル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のテトラキス[アルキレン−3−(3,5−ジ−分岐C3−8アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]C1−4アルカン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−分岐C3−8アルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等である。市販のものとしては、チバ・ジャパン社製、商品名「Irganox1010」等がある。
低分子量フェノール系酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジ−ノニルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、スチレン化フェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等のモノフェノール系化合物、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等のビスフェノール系化合物、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジ−(第3アミル)ヒドロキノン等のヒドロキノン系化合物、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート等のヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。また、低分子量フェノール系酸化防止剤には、ヒンダードフェノール構造を有するヒドラジン化合物{N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン等}等の金属不活性剤等も含まれる。
酸化防止剤の添加量は、樹脂材料に含まれるポリエチレン系エラストマーの量に応じて調整することが好ましく、ポリエチレン系エラストマーに対して2000ppm以上となるように添加することが好ましい。酸化防止剤の添加量がポリエチレン系エラストマーに対して2000ppm未満であると、効果が不十分になるおそれがあり、架橋劣化を長期に亘り抑制することが難しくなる。
なお、酸化防止剤の添加量に特に上限はないが、樹脂材料全体に対する酸化防止剤の含有量が1000ppm以上になると、酸化防止剤の含有量が多くなり過ぎ、成形品(発泡ダクト10)からブリードアウトするおそれがあり、また成形品の物性を低下させる可能性が生ずることから、樹脂材料全体に対して1000ppm未満とすることが好ましい。
発泡ダクト10を製造するには、前述のポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系エラストマーに酸化防止を添加し、ブロー成形に供するが、ブロー成形に際しては、発泡剤を用いて発泡する。発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系発泡剤や、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系発泡剤等を使用することができる。これらの中で、発泡剤としては、空気、炭酸ガス、または窒素ガスを用いることが好ましい。これらを用いることで有機物の混入を防ぐことができ、耐久性等の低下を抑制することができる。
また、発泡方法としては、超臨界流体を用いることが好ましい。すなわち、炭酸ガスまたは窒素ガスを超臨界状態とし、樹脂材料を発泡させることが好ましい。超臨界流体を用いることで、均一且つ確実に発泡することができる。なお、超臨界流体が窒素ガスの場合の条件としては、臨界温度−149.1℃、臨界圧力3.4MPaとすればよく、超臨界流体が炭酸ガスの場合の条件としては、臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPaとすればよい。
こうして発泡処理された樹脂材料を公知の方法でブロー成形することにより、発泡ダクト10を成形する。図2は、発泡ダクト10をブロー成形する際の態様を示す図である。
ブロー成形に際しては、先ず、押出機内で成形に用いる樹脂材料を混練して基材樹脂を作製する。バージン樹脂のみを用いて成形する場合であれば、前述の樹脂材料のバージン樹脂に、必要に応じて改質材を加えて混練し、基材樹脂を作製する。回収樹脂材料を用いる場合には、粉砕された回収樹脂材料にバージン樹脂を所定割合加え、混練して基材樹脂を作製する。
こうした基材樹脂に発泡剤を添加し押出機内で混合した後、ダイ内アキュムレータ(図示せず)に貯留し、続いて、所定の樹脂量が貯留された後にリング状ピストン(図示せず)を水平方向に対して直交する方向(垂直方向)に押し下げる。そして、図2に示す環状ダイ21のダイスリットより、例えば押出速度700kg/時以上で、円筒状のパリソンPとして、型締装置30を構成する分割金型31,32の間に押し出す。その後、分割金型31,32を型締してパリソンPを挟み込み、さらにパリソンP内に0.05〜0.15MPaの圧力範囲でエアを吹き込み、発泡ダクト10を形成する。
成形後に、冷えて固化した樹脂材料における完成品以外の部分を粉砕して回収樹脂材料とし、この回収樹脂材料にバージン樹脂を所定割合加えた混合樹脂を用いて、再度同様のブロー成形を行う。こうした製造サイクルを繰り返すことにより、発泡ダクト10を大量生産することができる。
樹脂成形品を一般的なブロー成形により成形する際、溶融状態の樹脂材料を金型表面の形状に賦形し、冷えて固化した状態で金型から離型し、成形品の周囲等のバリや開口部をカッター等で切除することで完成品を得る。ブロー成形で大量生産する際の製造サイクルでは、省資源化および低コスト化の観点から、このように一度溶融状態とされた後で固化した樹脂材料における完成品以外の部分を、粉砕した回収樹脂材料とする。そして、この回収樹脂材料に、熱履歴を加えていないバージン樹脂を混合して混合樹脂とし、発泡剤を加えて再度ブロー成形を行う。
こうした大量生産における製造サイクルでは、成形に用いる樹脂材料中に占める回収樹脂材料の割合が、場合によっては70〜90%程度にもなる。例えば、ブロー成形を行った後、そのブロー成形による回収樹脂材料に、完成品である発泡成形品を取り出した分のバージン樹脂を、樹脂材料全体に対して10〜30%程度追加して混合樹脂とし、再度ブロー成形を行う場合、回収樹脂材料の占める割合は70〜90%となる。
このようにブロー成形を行い、そのブロー成形による回収樹脂材料にバージン樹脂を追加して混合樹脂とし、再度ブロー成形を行うという製造サイクルを繰り返していくと、連続成形が難しくなるという傾向にあるが、本実施形態の発泡ダクト10の成形においては、樹脂材料に含まれるポリエチレン系エラストマーの含有量に応じて酸化防止剤を添加しているので、連続成形が可能となり、連続成形性を維持することが可能である。
前述の通り、本発明の発泡ダクトでは、発泡成形性と耐衝撃性を両立することが可能であり、例えば発泡倍率2.5倍(2〜3倍)、平均肉厚2mm(1.5〜2.5mm)の発泡ダクトを成形することが可能である。また、成形される発泡ダクトは、十分な耐衝撃性を有し、飛散割れが生ずることもない。さらに、使用済みの樹脂材料を使用した場合にも劣化の問題を解消することができ、連続生産性を有するリサイクルシステムを確立することが可能である。
以上、本発明を適用した実施形態についてを説明してきたが、本発明が前述の実施形態に限られるものでないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
以下、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
発泡ダクトの作製
原料としてポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系エラストマー、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)、及び酸化防止剤(リン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤)を用い、表1に示す配合(ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系エラストマー、水添スチレン系熱可塑性エラストマーについては質量%、酸化防止剤についてはppm)で発泡ダクトをブロー成形した。使用した原料は下記の通りである。
・ポリプロピレン系樹脂A:ボレアレス社製、商品名WB140(長鎖分岐構造を有するポリプロピレン)
・ポリプロピレン系樹脂B:住友化学社製、商品名AH561
・水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS):旭化成社製、商品名H1062
・ポリエチレン系エラストマー:三井化学社製、商品名DF605
・リン系酸化防止剤:チバ・ジャパン社製、商品名Irgafos168
・フェノール系酸化防止剤:チバ・ジャパン社製、商品名Irganox1010
Figure 2016074857
評価
作製した発泡ダクトについて、耐衝撃性、発泡倍率、及び連続生産性を評価した。評価基準は下記の通りである。
・耐衝撃性:−10℃にて1kg球を落下させ、落下割れ高さが80〜120cmである場合を△、130〜160cmである場合を○、170〜200cmでも割れがない場合を◎とした。なお、80cm以下で割れが生じた場合が×である。
・発泡倍率:最大発泡倍率が2.5倍以上である場合を○とし、2.5倍未満である場合を×とした。
・連続生産性:粉砕材を90%配合し、粉砕材リターン回数5回にて、20ショット連続成形可能な場合を○、そうでない場合を×とした。
表1から明らかな通り、ポリエチレン系エラストマーを5〜35質量%配合することで、発泡成形性(発泡倍率)と耐衝撃性が両立されている。ただし、酸化防止剤を添加しないと連続生産性が基準を満たさず、酸化防止剤をポリエチレン系エラストマーに対して2000ppm以上添加することで、連続生産性が良好なものとなっている。また、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)を添加することで、耐衝撃性がさらに改善されている。
10 発泡ダクト
21 環状ダイ
30 型締装置
31,32 分割金型
P パリソン

Claims (6)

  1. ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系エラストマーを含む発泡樹脂をブロー成形することにより形成される発泡ブロー成形品であって、
    前記発泡樹脂は、酸化防止剤を含有し、
    前記酸化防止剤の含有量が、ポリエチレン系エラストマーに対して2000ppm以上であることを特徴とする発泡ブロー成形品。
  2. 前記ポリエチレン系エラストマーの含有率が5〜35質量%であることを特徴とする請求項1記載の発泡ブロー成形品。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂が長鎖分岐構造を有することを特徴とする請求項1または2記載の発泡ブロー成形品。
  4. 水添スチレン系熱可塑性エラストマーを3〜5質量%含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の発泡ブロー成形品。
  5. 前記酸化防止剤としてリン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の発泡ブロー成形品。
  6. 車両用の空調ダクトであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の発泡ブロー成形品。
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