実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成を説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられているが、遊技機は、1つの特別図柄表示器のみを備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄)の可変表示が行われる。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9の表示画面には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)になる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示が使用されるが、演出表示装置9で行われる演出は、演出図柄の変動表示に限られず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶数表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶に対応する保留表示であるか第2保留記憶に対応する保留表示であるかを区別することなく表示する場合を示しているが、第1保留記憶に対応する保留表示であるか第2保留記憶に対応する保留表示であるかを区別可能に表示するようにしてもよい。例えば、この実施の形態では、通常態様で保留表示を表示する場合、第1保留記憶に対応する保留表示であるか第2保留記憶に対応する保留表示であるかを区別することなく一律に白色の丸形表示を表示する場合を示しているが、第1保留記憶に対応する保留表示を白色の丸形表示で表示する一方で第2保留記憶に対応する保留表示を青色の丸形表示で表示することによって区別可能としてもよい。また、例えば、第1保留記憶に対応する保留表示と第2保留記憶に対応する保留表示とで保留表示の形状を異ならせてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、実行中の可変表示に対応する保留表示を可変表示対応保留表示として表示する保留ボックス(可変表示対応保留表示部)9Fの表示領域がある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。よって、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、同期して実行される。同期するとは、変更開始タイミングおよび変動終了タイミングが略同じであることを意味する。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ79の回転軸に取り付けられ、モータ79が回転すると移動する可動部材78が設けられている。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態:通常状態と比較して大当りとなる確率が高められた遊技状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8や演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる。)ように制御された遊技状態である高ベース状態(高頻度状態)に移行する。高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定の期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータは、遊技の進行状態を示すデータに相当する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新する乱数発生機能を有する。そして、読出される数値データが乱数値として使用される。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、可動部材78を動作させるためにモータ79を駆動する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定の期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作を説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り決定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り決定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り決定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、CPU56は、乱数を用いた変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り決定用乱数等の各決定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(決定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種類(確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別決定用)
(2)ランダム2:変動パターンの(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り決定用)
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(3)の普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが決定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り決定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り決定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り決定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または通常大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
「通常大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を非確変状態(低確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、特別図柄の可変表示(変動)が100回実行されるまで継続する。「確変大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、次に大当りが発生するまで継続する。
なお、この実施の形態では、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」があるが、他の大当り種別があってもよい。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図8に示す例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか大当りとするか、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様などの各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、リーチ演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する演出表示装置9において実行される。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、所定のリーチ態様を伴う変動パターンである。「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を伴う変動パターンであるが、「ノーマルリーチ」のリーチ態様に続いて「スーパーリーチ」のリーチ態様の演出が実行されるようになっていてもよい。なお、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様(速度や回転方向等)の変動が行われたりキャラクタ等が現れたりすることをいう。また、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」では、大当りになる場合と大当りにならない場合とがあるが、はずれでリーチになる場合(はずれリーチの場合)の「スーパーリーチ」の選択率[スーパーリーチの選択率/リーチ(スーパーリーチ+ノーマルリーチ)の選択率]に比べて、大当りになる場合の「スーパーリーチ」の選択率の方が高い。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果(始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図14参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14において始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて大当りとなるか否かを判定するとともに、その始動入賞にもとづく可変表示の変動パターンを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
図10は、入賞時判定結果指定コマンドの具体例を示す説明図である。コマンドC401(H)は(すなわち、XX=01(H)である場合)、入賞時判定結果が非リーチはずれであることを示す入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果1指定コマンド)である。コマンドC402(H)は(すなわち、XX=02(H)である場合)、入賞時判定結果がノーマルリーチはずれであることを示す入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果2指定コマンド)である。コマンドC403(H)は(すなわち、XX=03(H)である場合)、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであることを示す入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果3指定コマンド)である。コマンドC404(H)は(すなわち、XX=04(H)である場合)、入賞時判定結果が通常大当りであることを示す入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果4指定コマンド)である。コマンドC405(H)は(すなわち、XX=05(H)である場合)、入賞時判定結果が確変大当りであることを示す入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果5指定コマンド)である。
また、この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS1211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS1212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS1211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS1213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1215A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216A)。なお、ステップS1216Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動(可変表示)がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217A)。そして、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS1211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS1212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS1213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214B)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1215B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216B)。ステップS1216Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
また、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS1217B)。そして、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218B)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219B)。
図14は、ステップS1217A,S1217Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、ステップS1216A,S1216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS221)。
なお、この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否かを決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動が開始される前に、入賞時判定処理を実行する。入賞時判定処理における判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信することによって、演出図柄の変動が実行されるより前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)を実行する。
また、この実施の形態において、「保留予告演出(先読み予告演出)」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことであって、入賞時判定の判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特別態様(本例では、赤色の丸形表示)で表示または変化させる予告演出である。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1216A,S1216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り種別決定用乱数と大当り種別判定テーブルとを用いて、大当り種別を判定する(ステップS224)。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして大当り種別に対応するデータ(「04」または「05」:図10参照)を設定する(ステップS225)。そして、ステップS231に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、始動入賞にもとづいて開始される変動(可変表示)の開始時の遊技状態が確変状態になるか否か確認する(ステップS222)。確変状態にならない場合には、ステップS226に移行する。
ステップS222の処理で、CPU56は、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがセットされていれば)、保留記憶バッファにおいて通常大当りの判定値(図7(B)参照)と一致する大当り種別決定用乱数を有する保留記憶(現在判定中の保留記憶を除く。)がある場合には、遊技状態が確変状態にならないと判定する。また、CPU56は、現在の遊技状態が通常状態であって(確変フラグがセットされていない)、保留記憶バッファにおいて確変大当りの判定値(図7(B)参照)と一致する大当り種別決定用乱数を有する保留記憶(現在判定中の保留記憶を除く。)がない場合にも、遊技状態が確変状態にならないと判定する。
遊技状態が確変状態になる場合には、CPU56は、ステップS1216A,S1216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。一致する場合には、ステップS224に移行する。
一致しない場合には、CPU56は、ステップS1216A,S1216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された変動パターン決定用乱数と変動パターン決定テーブルとを用いて、変動パターンがリーチ演出を伴うリーチ変動パターンになるか否か判定する(ステップS226,S227)。なお、変動パターン決定テーブルについては後述する。なお、この実施の形態では、短縮変動を行わないように構成する場合を示しているが、例えば、合算保留記憶数が多い場合に平均的な変動時間を短縮するように遊技機を構成した場合には、変動パターン決定テーブルにおいて合算保留記憶数の多寡に関わらず特定のリーチ変動パターン(例えば、スーパーリーチ)には共通の判定値(変動パターン決定用乱数の値と比較される)が割り当てられている場合に、CPU56は、いずれの合算保留記憶数であっても、変動パターン決定用乱数の値が判定値と一致したときには特定のリーチ変動パターンになると判定できるようにしてもよい。
変動パターンがリーチ変動パターンになる場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、リーチの種類に応じたリーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンであるが、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「02」または「03」:図10参照)を設定する(ステップS228)。なお、ステップS226では、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、リーチ変動パターンとなると判定した場合には、そのリーチの種類がノーマルリーチとなるかスーパーリーチとなるかも判定する。そして、演出制御用CPU101は、ノーマルリーチとなると判定した場合にはステップS228において入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「02」を設定し、スーパーリーチとなると判定した場合にはステップS228において入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「03」を設定する。そして、ステップS231に移行する。
変動パターンがリーチ変動パターンにならない場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、非リーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンではなく、かつ、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「01」:図10参照)を設定する(ステップS229)。そして、ステップS231に移行する。
ステップS231では、CPU56は、ステップS225,S228,S229の処理でEXTデータが設定された入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図7(A)参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216AやステップS1216Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かは、確変フラグがセットされているか否かを確認することによって判定される。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定された後大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS74に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、CPU56は、大当り種別判定テーブル(図7(B)参照)を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS72)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS73)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS74)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定するが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS75)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされているときは、CPU56は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS92)。大当りフラグがセットされていなければ、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS93)。
大当り用変動パターン決定テーブルには、図8に示された大当りのときに選択される変動パターン(「02H」「04H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示されたはずれのときに選択される変動パターン(「00H」「01H」「03H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。なお、はずれ用変動パターン決定テーブルは、遊技状態が通常状態のときの変動パターン決定テーブルであって、遊技状態が確変状態のときは、別の変動パターン決定テーブルが用いられる。例えば、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示されたはずれのときに選択される変動パターン(「01H」「03H」「05H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、時短状態(確変状態ではないが時短状態であるとき)のときのはずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示されたはずれのときに選択される変動パターン(「01H」「03H」「06H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
なお、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルとして、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと同じテーブルを用いるようにしてもよい。
また、はずれ用変動パターン決定テーブルとして、合算保留記憶数に応じた複数のテーブルを用いてもよい。
CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて演出図柄の変動パターンを決定する(ステップS101)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが演出表示装置9で実行される演出図柄の変動パターンと決定される。なお、この実施の形態では、変動パターン決定用乱数は始動入賞発生時に抽出され乱数格納バッファに格納されているが、CPU56は、変動パターン決定用乱数を、特別図柄の変動開始時に抽出(例えば、変動パターン設定処理において抽出)し、抽出した乱数にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンド)を送信する制御を行い(ステップS103)、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS102)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS104)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する(ステップS105)。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、大当りであるか否かや、決定されている大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、ステップS113に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種類(種別)に応じて、表示結果2指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。大当り種別は、特別図柄通常処理のステップS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。
ステップS113では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS114)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS127)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、特別図柄の変動表示は、具体的には、特別図柄変動中処理となり特別図柄プロセスフラグの値が3となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)において、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることによって行われる。そして、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の変動表示が実行される。
また、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4(特別図柄停止処理を示す値)となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)において特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS65で決定された停止図柄)を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることによって行われる。そして、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。セットされている場合には、ステップS147に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。セットされていない場合には、時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS146)。
ステップS147では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りでない場合には、ステップS172に移行する。
確変大当りである場合には、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、ステップS174に移行する。
ステップS170,S171の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときに、遊技状態が確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。
なお、この実施の形態では、ステップS173の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS172では、CPU56は、時短回数(時短状態における変動可能回数)をカウントするための時短回数カウンタに所定数(例えば、100)をセットする(ステップS172)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS173)。そして、ステップS174に移行する。
ステップS174では、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。ステップS174の処理で、UCPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。時短フラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS175)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図22は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。さらに、演出図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9および図10参照)であるのか解析する。
図23は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、コマンド受信バッファへのコマンドの格納は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、まず1バイトのMODEデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファに格納される。次いで、演出制御INT信号がオフされた後、次の演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、1バイトのEXTデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファの次の領域に格納される。以上の処理によって、1つの演出制御コマンド(2バイトのコマンド)が取り込まれ、コマンド受信バッファに格納される。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS624)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS625)。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
図24は、入賞時判定結果記憶バッファの構成例を示す説明図である。図24に示すように、入賞時判定結果記憶バッファには、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。
各々の格納領域には、入賞時判定結果指定コマンドを格納する領域と、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を格納する領域と、合算保留記憶数指定コマンドを格納する領域とがある。
また、図24には、5個の入賞時判定結果指定コマンドが受信された例(保留記憶数が5である場合に相当)が示されている。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(ステップS662)。また、受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(ステップS666)。また、演出制御用CPU101は、RAMに設けられた合算保留記憶数保存領域に、合算保留記憶数指定コマンドで指定された合算保留記憶数を格納する(ステップS667)。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS671)。
図25は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図25に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、および保留予告演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
保留予告演出決定用乱数SR2は、先読み予告演出としての保留予告演出(メモリ予告)を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。
図26は、保留予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。図26(A1)に示す例では、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の可変表示の実行中であり、合算保留記憶数が0であるものとする。また、合算保留記憶数が0であることから合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つも表示されておらず、保留ボックス9Fには現在実行中の可変表示に対する保留表示が表示されているものとする。
次いで、図26(A1)に示す状態で新たな始動入賞が発生したことにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示を1つ増加させるとともに、保留予告演出を実行することに決定したものとする(図26(A2))。
ここで、図26(A2)に示す状態では保留記憶が1つしかないのであるから、現在実行中の可変表示が終了すると、保留予告演出の予告対象の保留記憶に対応する可変表示が直ちに開始されてしまうことになる。そこで、この実施の形態では、保留表示を通常態様から特別態様に変化させる態様で保留予告演出が実行されるのであるが、このような場合には、保留予告演出の予告対象の保留記憶に対応する可変表示が開始されるまでの期間が保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕があるか否かに応じて、保留予告演出の態様を異ならせている。
時間的余裕がある場合、図26(A3),(A4)に示すように、まず、モータ79を駆動させて可動部材78を可動させる態様で所定演出が実行される。この場合、図26(A3)に示すように、可動部材78が演出表示装置9の表示画面の下方まで可動して合算保留記憶表示部18cに被さるような態様で保留表示に何らかの作用をするかのような演出が実行された後、図26(A4)に示すように、可動部材78が逆方向に駆動されて元の初期位置まで戻るような態様の演出が実行される。
そして、可動部材78が元の初期位置まで戻って可動を終了すると、図26(A5)に示すように、保留予告演出の予告対象の保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)から特別態様(本例では、赤色の丸形表示)に変化させる。
一方、図26(B1),(B2)は、時間的余裕がない場合の保留予告演出の演出態様の具体例を示している。図26(B1)に示す例では、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の可変表示の実行中であり、合算保留記憶数が0であるものとする。また、合算保留記憶数が0であることから合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示が1つも表示されておらず、保留ボックス9Fには現在実行中の可変表示に対する保留表示が表示されているものとする。
次いで、図26(B1)に示す状態で新たな始動入賞が発生したことにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示を1つ増加させるとともに、保留予告演出を実行することに決定したものとする(図26(B2))。ここで、図26(B2)に示す例では、時間的余裕がないことから、可動部材78を可動させる所定演出は実行することなく、始動入賞と同時に直ちに特別態様(本例では、赤色の丸形表示)の保留表示を表示する態様で保留予告演出を実行する。
なお、この実施の形態では、例えば、可動部材78を可動させる所定演出を実行するために1.5秒必要であることから、現在実行中の可変表示の残りの可変表示時間が所定演出を実行するための1.5秒に多少マージンをもたせて2秒以上であるか否かを判定することにより、保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕があるか否かを判定している。また、図26に示す例では、新たな始動入賞が発生した時点で保留記憶が1つしかなく(図26(A2),(B2)参照))、現在実行中の可変表示が終了すると、保留予告演出の予告対象の保留記憶に対応する可変表示が直ちに開始されてしまう場合を示したが、新たな始動入賞が発生した時点で保留記憶が2以上あるのであれば、現在実行中の可変表示が終了しても、保留予告演出の予告対象の保留記憶に対応する可変表示が直ちに開始されるわけではないのであるから、時間的余裕があると判定できる。すなわち、この実施の形態では、最も変動時間が短い変動パターンであってもその変動時間が4秒なのであるから(図8参照)、保留記憶が2以上であれば4秒以上が経過しないと予告対象の保留記憶に対応する可変表示が開始されないのであるから、時間的余裕があると判定できる。この実施の形態では、このように新たな始動入賞が発生した時点で保留記憶が2以上ある場合にも時間的余裕があると判定して、図26(A1)〜(A5)と同様の態様で可動部材78を可動させる所定演出を実行した後に予告対象の保留表示の表示態様を変化させる態様で保留予告演出が実行される。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御されている場合であっても、保留予告演出を実行可能に構成する場合を示しているが、例えば、高ベース状態中に変動時間が短縮されるように(例えば、1秒)設定されている場合には、保留記憶が2以上であっても時間的余裕がなくなる可能性がある。そのため、そのような場合には、高ベース状態においては保留予告演出を実行しないようにし、高ベース状態でないとき(低ベース状態)のみ保留予告演出を実行するように構成してもよい。また、この場合、例えば、高ベース状態であるときと高ベース状態でないときとで保留予告演出を実行するための条件を異ならせてもよい。例えば、低ベース状態では無条件に保留予告演出を実行可能とするのに対して、高ベース状態中であれば保留記憶が3以上である場合にのみ保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
また、この実施の形態において、時間的余裕があるとは、単に保留表示を変化させる前の所定演出を実行するための時間があることを意味するに留まらず、保留表示の表示態様を変化させるために包括的に時間が確保されていることを意味する。例えば、保留表示が通常態様から特別態様に変化されても、予告対象の保留記憶に対応する可変表示が開始されるまでに0.1秒や0.2秒しかないなど殆ど時間がない場合には、特別態様の保留表示が直ぐに消去されてしまい保留予告演出の演出効果を十分に確保することができない。従って、この実施の形態では、時間的余裕があるとは、特別態様の保留表示が継続して表示される時間がある程度確保されていて保留予告演出の演出効果を期待するに十分な時間が確保されていることも含む。
すなわち、この実施の形態において、「時間的余裕がある」とは、以下の(1)〜(4)のいずれかの期間が予告対象の保留記憶に対応する可変表示が開始されるまでに確保されていることを含む概念である。
(1)所定演出の実行期間と同じ期間が確保されているもの。この概念は、後述する(a)保留表示の表示態様が変化する前に所定演出が終了する場合と、後述する(b)保留表示の表示態様が変化した後も所定演出が継続する場合との両方に当てはまる。すなわち、上記の(b)に当てはめて考えた場合であれば、所定演出の実行期間中(所定期間中)に保留表示の表示態様の変化が行われるのであるから、所定期間中に保留表示の表示態様が変化したことを遊技者が認識することができる。また、上記の(a)に当てはめて考えた場合であっても、所定演出の実行期間中(所定期間中)には保留表示の表示態様はまだ変化しないものの、所定演出が終了すれば(所定期間の直後に)保留表示の表示態様が変化することを遊技者が認識することができる。
(2)所定演出を開始してから、所定演出を終了した後の保留表示の表示態様の変化が完了するまでの期間が確保されているもの。
(3)保留表示の表示態様の変化が完了してからある程度の期間が経過するまでの期間が確保されているもの。すなわち、保留表示の表示態様の変化が完了してからある程度のマージンを見込んだ期間が確保されていてもよい。なお、この概念は、上記の(a)と(b)の両方の場合に当てはまり、所定演出の実行期間に関係なく、保留表示の表示態様の変化の完了タイミングを基準として適用される概念である。なお、この実施の形態では、この(3)の概念を適用して時間的余裕の有無が判定されている。すなわち、この実施の形態では、可動部材78の可動が完了して保留表示が特別態様に変化するまでの期間の1.5秒に対して0.5秒のマージンをもたせて2秒以上であるか否かを判定することにより、時間的余裕があるか否かを判定している(ステップS6007参照)。
(4)所定演出が終了する前であっても保留表示の表示態様が変化することを遊技者が認識することができるまでの期間が確保されているもの。この概念は、上記(a)の保留表示の表示態様が変化する前に所定演出が終了する場合と、上記(b)の保留表示の表示態様が変化した後も所定演出が継続する場合との両方に当てはまる。すなわち、上記の(a),(b)に当てはめて考えた場合、例えば、可動部材78の可動が完了し所定演出を終了して保留表示が特別態様に変化するまで1.5秒かかるのであるが、遊技者が可動部材78の可動が始まってから1.4秒の時点で特別態様の保留表示が表示されることを認識できるのであれば、1.4秒が確保されているものでもよい。また、特に上記の(b)に当てはめて考えた場合であって、例えば、保留表示の表示態様の変化を開始してから変化が完了するまでにある程度の期間(例えば、0.5秒)がかかるように構成した場合、その所定演出中の保留表示の表示態様の変化を開始した後変化が完了する前の期間(すなわち、保留表示の表示態様の変化の途中の期間。例えば、0.5秒)において、遊技者が保留表示の表示態様が変化することを認識できるのであれば、その保留表示の表示態様の変化を開始してから0.5秒を確保するものであってもよい。
さらに、「時間的余裕がある」の時間の概念には、具体的な時間そのものを意味するものに加えて、変動回数を意味するものも含まれる。すなわち、変動1回あたりの変動時間をある程度計算できる(例えば、一律に10秒)場合に、変動回数を数えることによって全体の時間を計算できる場合には、変動回数を判定することによって時間的余裕があるか否かを判定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、上述したように、現在実行中の可変表示の残りの可変表示時間が2秒以上であるか否かを判定することにより時間的余裕があるか否かを判定するのであるが、特別態様の保留表示の表示時間をより確保するために、残りの可変表示時間が5秒以上であるか否かを判定するなど、より長い時間以上であるか否かを判定するようにしてもよい。
図27は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、保留予告処理を実行した後(ステップS800A)、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図28は、保留予告処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留予告処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS6001)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを受信したか否かを判定するために、例えば、図23に示すステップS666の処理でコマンドを受信したことを示すフラグをセットする。そして、ステップS6001の処理で、当該フラグがセットされているか否かによって、合算保留記憶数指定コマンドを受信したか否か確認可能である。
なお、この実施の形態では、ステップS6001において合算保留記憶数指定コマンドを受信したか否かを確認する場合を示しているが、新たな始動入賞が発生した場合には入賞時判定結果指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの始動入賞時の3つのコマンドのセットが送信されるのであるから、合算保留記憶数指定コマンドに代えて、入賞時判定結果指定コマンドまたは始動入賞指定コマンドを受信したか否かを確認するようにしてもよい。
合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合には(この場合、入賞時判定結果指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの始動入賞時の3つのコマンドのセットを新たに受信したことになる)、演出制御用CPU101は、可動部材78を可動中であることを示す役物可動中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。役物可動中フラグがセットされていなければ(すなわち、可動部材78の可動中でなければ)、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を実行中であるか否かを確認する(ステップS6003)。なお、変動表示の実行中であるか否かは、具体的には、後述する演出図柄変動開始処理でセットされる変動時間タイマ(ステップS828参照)の値が0であるか否かを確認することにより判定できる。
演出図柄の変動表示の実行中であれば、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドにもとづいて保留予告演出の有無の決定を行う(ステップS6004)。なお、ステップS6004では、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドにもとづいて、保留予告演出の有無を決定するための保留予告演出決定テーブル(図示せず)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した保留予告演出決定テーブルを用いて、保留予告決定用乱数(SR2)にもとづく抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、例えば、入賞時判定結果が大当り(確変大当りまたは通常大当り)であった場合(入賞時判定結果4指定コマンドまたは入賞時判定結果5指定コマンドを受信した場合)に選択される大当り用の保留予告演出決定テーブルを用いる場合、80%と最も高い割合で保留予告演出を実行することに決定するものとする。また、例えば、入賞時判定結果がリーチはずれであった場合(入賞時判定結果2指定コマンドまたは入賞時判定結果3指定コマンドを受信した場合)に選択されるリーチはずれ用の保留予告演出決定テーブルを用いる場合、50%と大当りに次いで高い割合で保留予告演出を実行することに決定するものとする。また、例えば、入賞時判定結果が非リーチはずれであった場合(入賞時判定結果1指定コマンドを受信した場合)に選択される非リーチはずれ用の保留予告演出決定テーブルを用いる場合、10%と最も低い割合で保留予告演出を実行することに決定するものとする。
なお、上記に示した例では、入賞時判定結果がノーマルリーチである場合とスーパーリーチである場合とで共通のリーチはずれ用の保留予告演出決定テーブルを用いる場合を示しているが、さらにノーマルリーチである場合とスーパーリーチである場合とで異なる保留予告演出決定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合、大当りとなる場合が最も保留予告演出の実行割合が高く、大当りの次にスーパーリーチはずれとなる場合が保留予告演出の実行割合が高く、スーパーリーチはずれの次にノーマルリーチはずれとなる場合が保留予告演出の実行割合が高く、非リーチはずれとなる場合が最も保留予告演出の実行割合が低くなるようにしてもよい。また、例えば、非リーチはずれとなる場合には保留予告演出を全く実行しないようにしてもよい。そのようにすれば、保留予告演出が実行されれば少なくともリーチとなることを遊技者に認識させることができる。
また、この実施の形態では、ステップS6004において保留予告演出の有無のみを決定する場合を示しているが、例えば、保留予告演出の種類を複数設け(例えば、変化後の保留表示の表示態様の種類を複数設け)、ステップS6004において保留予告演出の有無を決定するとともにその種類も決定するようにしてもよい。
保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6005のY)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数が2以上であるか否かを確認する(ステップS6006)。なお、現在の合算保留記憶数は、具体的には、合算保留記憶数保存領域(ステップS667参照)に格納されている合算保留記憶数を確認すればよい。合算保留記憶数が2以上でなければ(すなわち、合算保留記憶数が1であり、今回実行中の変動表示が終了すると、直ちに保留予告演出の予告対象の保留記憶に対応する変動表示が開始されてしまう場合)、演出制御用CPU101は、現在実行中の変動表示の残りの変動時間が2秒以上であるか否かを確認する(ステップS6007)。なお、残りの変動時間が2秒以上であるか否かは、具体的には、後述する演出図柄変動開始処理でセットされる変動時間タイマ(ステップS828参照)の値が2秒以上に相当する値となっているか否かを判定すればよい。
残りの変動時間が2秒以上でなければ、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて特別態様(本例では、赤色の丸形表示)で保留表示を1つ増加させる(ステップS6008)。すなわち、この場合には、保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕がないと判断して、始動入賞と同時に直ちに特別態様(本例では、赤色の丸形表示)の保留表示を表示する態様で保留予告演出を実行する。
一方、合算保留記憶数が2以上であった場合(ステップS6006のY)または残りの変動時間が2秒以上であった場合(ステップS6007のY)には、時間的余裕があるものと判断して、演出制御用CPU101は、モータ79の順方向への駆動を開始して可動部材78の可動を開始することにより、所定演出の実行を開始する(ステップS6009)。また、演出制御用CPU101は、役物可動中フラグをセットする(ステップS6010)。
なお、この実施の形態では、保留予告演出を実行すると決定すると直ちにステップS6009を実行して可動部材78の可動を開始する場合を示しているが、ステップS6006,S6007でYと判定した後に、可動部材78の可動開始タイミングを抽選処理により決定するようにし、決定した開始タイミングとなってからステップS6009に移行して可動部材78の可動を開始するようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて通常態様(本例では、白色の丸形表示)で保留表示を1つ増加させる(ステップS6011)。
なお、演出図柄の変動表示の実行中でないときに合算保留記憶数指定コマンドを受信していた場合(ステップS6003でNと判定した場合)には、保留予告演出を実行する時間は全くないのであるから、そのままステップS6011に移行し、合算保留記憶表示部18cにおいて通常態様(本例では、白色の丸形表示)で保留表示が1つ増加されることになる。また、保留予告演出を実行しないことに決定した場合にも、そのままステップS6011に移行し、合算保留記憶表示部18cにおいて通常態様(本例では、白色の丸形表示)で保留表示が1つ増加されることになる。
ステップS6001で合算保留記憶数指定コマンドを受信していなければ(すなわち、新たな始動入賞が発生しておらず、始動入賞時のコマンドを受信していなければ)、演出制御用CPU101は、役物可動中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6012)。役物可動中フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。役物可動中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材78の可動中であり所定演出の実行中であれば)、ステップS6014に移行する。
ステップS6002で役物可動中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材78の可動中であり所定演出の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて通常態様(本例では、白色の丸形表示)で保留表示を1つ増加させる(ステップS6013)。そして、ステップS6014に移行する。
ステップS6014では、演出制御用CPU101は、可動部材78が初期位置まで可動したか否かを確認する(ステップS6014)。この実施の形態では、例えば、演出表示装置9の周囲の飾り部の左側の可動部材78の初期位置と、演出表示装置9の下方(可動部材78の最大可動位置(図26(A3)参照)とに、それぞれ位置センサ(例えば、フォトセンサ)が設けられている。この場合、ステップS6009で可動部材78の正方向への可動を開始した後、可動部材78が演出表示装置9の下方に達して位置センサで検出されると、演出制御用CPU101は、モータ79の駆動方向を逆方向に変更して可動部材78を逆方向に可動させる(図26(A4)参照)。そして、可動部材78が演出表示装置9の周囲の飾り部の左側の初期位置に達して位置センサで検出されると、ステップS6014において、可動部材78が初期位置まで可動したと判定される。
可動部材78が初期位置まで可動したと判定すると、演出制御用CPU101は、モータ79の駆動を停止して可動部材78の可動を停止させ、所定演出を終了する(ステップS6015)。また、演出制御用CPU101は、役物可動中フラグをリセットする(ステップS6016)。
そして、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)から特別態様(本例では、赤色の丸形表示)に変化させる(ステップS6017)。
なお、保留予告演出の処理フローは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、図28に示す保留予告演出では、まず合算保留記憶数指定コマンドを受信したか否かを確認する処理(ステップS6001参照)を実行した後に役物可動中フラグの有無を確認する処理(ステップS6002,S6012参照)を実行する場合を示したが、逆に、まず先に役物可動中フラグの有無を確認する処理を実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、役物可動中フラグがセットされていなければ、合算保留記憶数指定コマンドを受信したか否かを確認するようにし、合算保留記憶数指定コマンドを受信していなければ、そのまま処理を終了し、合算保留記憶数指定コマンドを受信していれば、ステップS6003に移行するようにすればよい。また、演出制御用CPU101は、役物可動中フラグがセットされていれば、合算保留記憶数指定コマンドを受信したか否かを確認するようにし、合算保留記憶数指定コマンドを受信していればステップS6013に移行し、合算保留記憶数指定コマンドを受信していなければステップS6014に移行するようにすればよい。
また、この実施の形態では、ステップS6002でYと判定したとき(既に可動部材78の可動中であった場合には)、そのままステップS6013に移行し、新たに発生した始動入賞に対しては重ねて保留予告演出の決定を行わない場合を示しているが、可動部材78の可動中であっても新たに発生した始動入賞に対して保留予告演出の決定を行うようにしてもよい。この場合、例えば、現在実行中の可動部材78の可動およびそれに対する保留予告演出を開始した後に、改めて可動部材78の可動を実行してから保留予告演出を開始してもよいし、現在実行中の可動部材78の可動を終了した後に同時に複数の保留表示の表示態様を変化させて保留予告演出を開始してもよい。
図29は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS813)。
図30は、図27に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を保留ボックス9Fに移動させるような表示制御を行う(ステップS820)。すなわち、保留ボックス9F内で保留表示を行い、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らす。
また、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの格納領域1(すなわち、1つ目の格納領域)に記憶されている入賞時判定結果指定コマンド等を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(ステップS821)。すなわち、格納領域n(n:2〜8)の内容を、格納領域(n−1)にシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS822)。
また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS823)。
図31は、演出図柄の停止図柄(最終停止図柄)の一例を示す説明図である。図31に示す例では、図31に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
大当り図柄を決定する際に、演出制御用CPU101は、ステップS822の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
また、演出制御用CPU101は、各種予告演出の決定を行う予告演出決定処理を実行する(ステップS824)。なお、予告演出決定処理では、例えば、ステップアップ予告演出や、ミニキャラ予告演出、ボタン予告演出、役物予告演出など各種予告演出の有無や演出態様が決定される。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS825)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。すなわち、各変動パターンや予告演出の態様等に応じて用意されている。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS828)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS829)。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840,S841)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS842)。タイムアウトしていない場合には、ステップS845に移行する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
その後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS845)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS847)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS846)、演出制御用CPU101は、ステップS847の処理を実行する。
図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、図柄確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS871)、ステップS823の処理で決定された停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS872)。また、演出制御用CPU101は、保留ボックス9F内に表示する保留表示を消去する(ステップS873)。
そして、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS875)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8312に移行する。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS876)。
大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS877)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、始動領域(本例では、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技球が通過したときに、保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)に記憶された保留記憶にもとづく可変表示の表示結果が特定表示結果(本例では、大当り)となるか否かを判定(入賞時判定)し、その判定結果に応じて、判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特別態様(本例では、赤色の丸形表示)で表示する保留予告演出を実行可能である。また、保留予告演出は、始動領域を遊技球が通過したあとに所定演出(本例では、可動部材78を可動させる演出)を行うとともに保留表示を特別態様で表示する第1保留予告演出(本例では、図26(A1)〜(A5)に示す態様の保留予告演出)と、始動領域を遊技球が通過したあとに所定演出を行わずに保留表示を特別態様で表示する第2保留予告演出(本例では、図26(B1)〜(B2)に示す態様の保留予告演出)とを含む。そして、始動領域を遊技球が通過したあと、当該始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間以上(本例では、合算保留記憶数が2以上、または現在実行中の変動表示の残り変動時間が2秒以上)であるときには、当該保留記憶について第1保留予告演出を実行可能であり、始動領域を遊技球が通過したあと、当該始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間未満であるときには、当該保留記憶について第1保留予告演出を実行せず第2保留予告演出を実行する。そのため、始動領域を遊技球が通過したあとに保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕がない場合であっても保留予告演出の実行を可能とし、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態において、「始動領域を遊技球が通過したあと、当該始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間」とは、始動入賞が発生した時点における現在実行中の変動表示の残り変動時間と次変動が開始されるまでのインターバル時間とをあわせた期間のことである。
また、第1保留予告演出に関して、「所定演出を行うとともに保留表示を特別態様で表示する」とは、この実施の形態で示したように(a)所定演出を実行した後に特別態様で保留表示を表示する場合(すなわち、保留表示の表示態様が変化する前に所定演出が終了するもの)にかぎらず、例えば、(b)所定演出の実行を開始してから終了するまでの間に(すなわち、所定演出の実行中に)特別態様で保留表示を表示するもの(すなわち、保留表示の表示態様が変化した後も所定演出が継続するもの)であってもよい。また、例えば、必ずしも特別態様で保留表示を表示する前に所定演出を実行している必要はなく、特別態様で保留表示を表示した直後のタイミングで所定演出を実行するようなものであってもよい。
また、この実施の形態では、具体的な判定方法として、合算保留記憶数が2以上であるか、または合算保留記憶数が2未満であっても現在実行中の変動表示の残り変動時間が2秒以上であれば、始動領域を遊技球が通過したあと、当該始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間以上であると判定する場合を示しているが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、所定演出の演出期間が長く(例えば、5秒)且つ短縮変動(例えば、2秒)が行われる場合には、所定演出が複数変動にわたって実行されることが考えられる。このような場合には、例えば、将来開始される変動表示の変動時間をあらかじめ先読み判定可能に構成し、予告対象の変動表示が開始される前の複数変動の変動時間の合計が所定期間以上であるか否かを判定して、保留予告演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態において、「所定期間」とは、以下の(1)〜(4)の期間を含む概念である。
(1)「所定期間」が所定演出の実行期間と同じ期間であるもの。この概念は、上記(a)の保留表示の表示態様が変化する前に所定演出が終了する場合と、上記(b)の保留表示の表示態様が変化した後も所定演出が継続する場合との両方に当てはまる。すなわち、上記の(b)に当てはめて考えた場合であれば、所定演出の実行期間中(所定期間中)に保留表示の表示態様の変化が行われるのであるから、所定期間中に保留表示の表示態様が変化したことを遊技者が認識することができる。また、上記の(a)に当てはめて考えた場合であっても、所定演出の実行期間中(所定期間中)には保留表示の表示態様はまだ変化しないものの、所定演出が終了すれば(所定期間の直後に)保留表示の表示態様が変化することを遊技者が認識することができる。
(2)「所定期間」が、所定演出を開始してから、所定演出を終了した後の保留表示の表示態様の変化が完了するまでの期間であるもの。
(3)「所定期間」が、保留表示の表示態様の変化が完了してからある程度の期間が経過するまでの期間であるもの。すなわち、「所定期間」は、保留表示の表示態様の変化が完了してからある程度のマージンを見込んだ期間であってもよい。なお、この概念は、上記の(a)と(b)の両方の場合に当てはまり、所定演出の実行期間に関係なく、保留表示の表示態様の変化の完了タイミングを基準として適用される概念である。なお、この実施の形態で示した所定期間は、この(3)の概念に相当する。すなわち、この実施の形態では、可動部材78の可動が完了して保留表示が特別態様に変化するまでの期間の1.5秒に対して0.5秒のマージンをもたせて2秒以上であるか否かを判定することにより、所定期間を判定している(ステップS6007参照)。
(4)「所定期間」が、所定演出が終了する前であっても保留表示の表示態様が変化することを遊技者が認識することができるまでの期間であるもの(すなわち、所定演出を終了する前に所定期間が終わるもの)。この概念は、上記(a)の保留表示の表示態様が変化する前に所定演出が終了する場合と、上記(b)の保留表示の表示態様が変化した後も所定演出が継続する場合との両方に当てはまる。すなわち、上記の(a),(b)に当てはめて考えた場合、例えば、可動部材78の可動が完了し所定演出を終了して保留表示が特別態様に変化するまで1.5秒かかるのであるが、遊技者が可動部材78の可動が始まってから1.4秒の時点で特別態様の保留表示が表示されることを認識できるのであれば、「所定期間」は、1.4秒である。また、特に上記の(b)に当てはめて考えた場合であって、例えば、保留表示の表示態様の変化を開始してから変化が完了するまでにある程度の期間(例えば、0.5秒)がかかるように構成した場合、その所定演出中の保留表示の表示態様の変化を開始した後変化が完了する前の期間(すなわち、保留表示の表示態様の変化の途中の期間。例えば、0.5秒)において、遊技者が保留表示の表示態様が変化することを認識できるのであれば、その保留表示の表示態様の変化を開始してから0.5秒としてもよい。
さらに、「所定期間」の概念には、具体的な時間そのものを意味するものに加えて、変動回数を意味するものも含まれる。すなわち、変動1回あたりの変動時間をある程度計算できる(例えば、一律に10秒)場合に、変動回数を数えることによって全体の時間を計算できる場合には、変動回数を判定することによって時間的余裕を判定するようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、所定演出として、遊技機に設けられた可動部材78を所定位置(本例では、演出表示装置9の周囲の飾り部の左側の初期位置)から特定位置(本例では、演出表示装置9の下方(可動部材78の最大可動位置))に可動させる演出(図26(A3)に示すように、可動部材78が合算保留記憶表示部18cに被さるような態様で保留表示に何らかの作用をするかのような演出)を実行する。そのため、可動部材の可動にともなって保留表示が特別態様で表示されるので、可動部材が可動することに対して期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、所定演出として、可動部材78を可動させる演出を実行する場合を示したが、このようなものにかぎられない。例えば、所定演出として、演出表示装置9の表示画面においてキャラクタが保留表示を指さすなどの態様で保留表示に何らかの作用を行うような態様の演出を実行してもよい。
また、所定演出は、保留表示に作用を行うような態様の演出を実行するものにかぎらず、例えば、保留表示から離れた位置に可動部材78を可動させたり、保留表示から離れた位置にキャラクタを表示したりするような演出であってもよい。また、そのような可動部材78を用いた演出や表示演出にかぎらず、所定演出として音や光を用いた演出(例えば、所定の期間にわたってスピーカ27から効果音を出力したりランプ・LEDを点灯・点滅させる演出)であってもよい。このように、「所定演出」とは、特別態様での保留表示の表示を行う前に開始される演出であって、ある程度の演出期間を要し、特別態様で保留表示が表示されることを遊技者に認識させることができる演出であればよい。なお、所定演出を保留表示に作用を行うような態様で実行すれば、所定演出と特別態様での保留表示の表示との対応関係を遊技者に認識させやすくできる点で望ましい。
また、この実施の形態では、可動部材78の可動を終了して所定演出の実行を終了した後に保留表示の表示態様を特別態様に変化させる場合を示したが、所定演出が実行される場合の保留表示の表示態様の変化タイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、可動部材78が演出表示装置9の下方(可動部材78の最大可動位置)まで可動したときに、合算保留記憶表示部18c全体が可動部材78により隠れるように構成し、合算保留記憶表示部18cが可動部材78により隠れているときに保留表示の表示態様を特別態様に変化させるようにしてもよい(この場合、再び可動部材78が逆方向に可動し始めると、変化後の保留表示が視認されることになる)。また、例えば、可動部材78が演出表示装置9の下方(可動部材78の最大可動位置)まで到達した後、可動部材78を逆方向に可動させて初期位置まで戻るまでの期間に保留表示の表示態様を特別態様に変化させるようにしてもよい。このように、所定演出の途中で保留表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕がある場合に必ず所定演出を実行してから保留表示の表示態様を変化させる場合を示したが、時間的余裕がある場合であっても所定演出を実行する場合と実行しない場合とがあるようにしてもよい。以下、時間的余裕がある場合であっても所定演出を実行する場合と実行しない場合とがあるように構成する第2の実施の形態について説明する。
なお、以下、主として、第1の実施の形態と異なる部分について説明を行い、第1の実施の形態と同様の構成および処理については説明を省略する。
図35は、第2の実施の形態における保留予告処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS6001〜S6008の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
合算保留記憶数が2以上であった場合(ステップS6006のY)または残りの変動時間が2秒以上であった場合(ステップS6007のY)には(すなわち、時間的余裕があるものと判断した場合には)、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドにもとづいて可動部材78の可動の有無の決定を行う(ステップS6008A)。ステップS6008Aでは、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドにもとづいて、可動部材78の可動の有無を決定するための役物可動決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した役物可動決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、可動部材78を可動させる所定演出を実行するか否かを決定する。
図36は、第2の実施の形態における役物可動決定テーブルの具体例を示す説明図である。この実施の形態では、入賞時判定結果が大当り(確変大当りまたは通常大当り)であった場合(入賞時判定結果4指定コマンドまたは入賞時判定結果5指定コマンドを受信した場合)には、図36(A)に示す大当り用の役物可動決定テーブルが選択される。また、入賞時判定結果がはずれであった場合(入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果3指定コマンドを受信した場合)には、図36(B)に示すはずれ用の役物可動決定テーブルが選択される。図36に示すように、この実施の形態では、入賞時判定で大当りとなると判定された場合には80%の高い割合で可動部材78を可動させる所定演出を実行すると決定されるのに対して、入賞時判定ではずれとなると判定された場合には20%の低い割合で可動部材78を可動させる所定演出を実行すると決定される。従って、この実施の形態では、保留予告演出が実行される場合、可動部材78の可動が行われて所定演出が実行された場合の方が、所定演出が実行されなかった場合と比較して、大当りとなることに対する期待度(信頼度)が高いといえる。
可動部材78を可動させないことに決定した場合(ステップS6008BのN)、すなわち所定演出を実行しないことに決定した場合、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて特別態様(本例では、赤色の丸形表示)で保留表示を1つ増加させる(ステップS6008C)。すなわち、この場合には、保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕がない場合と同様に、始動入賞と同時に直ちに特別態様(本例では、赤色の丸形表示)の保留表示を表示する態様で保留予告演出を実行する。
一方、可動部材78を可動させることに決定した場合(ステップS6008BのY)、すなわち所定演出を実行することに決定した場合には、ステップS6009に移行し、演出制御用CPU101は、モータ79の順方向への駆動を開始して可動部材78の可動を開始することにより、所定演出の実行を開始する。
なお、ステップS6009〜S6017の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、始動領域(本例では、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技球が通過したあと、当該始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間以上(本例では、合算保留記憶数が2以上、または現在実行中の変動表示の残り変動時間が2秒以上)であるときであっても、当該保留記憶について所定演出(本例では、可動部材78を可動させる演出)を行わずに保留表示を特別態様で表示する演出を実行可能である。そして、始動領域を遊技球が通過したあと、当該始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間以上であるときに、入賞時判定において特定表示結果(本例では、大当り)となると判定された場合には特定表示結果とならないと判定された場合と比較して、所定演出を行わずに保留表示を特別態様(本例では、赤色の丸形表示)で表示する演出よりも所定演出を行うとともに保留表示を特別態様で表示する演出を高い割合で実行する。そのため、所定演出が実行されるか否かに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、保留表示を通常態様から特別態様に変化させる場合に保留表示を1段階変化させる場合を示したが、保留表示を段階的に変化させることが可能に構成してもよい。以下、保留表示を段階的に変化させることが可能に構成する第3の実施の形態について説明する。
なお、以下、主として、第1の実施の形態と異なる部分について説明を行い、第1の実施の形態と同様の構成および処理については説明を省略する。
図37および図38は、第3の実施の形態における保留予告処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS6001〜S6007は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS6007で残りの変動時間が2秒以上でなければ(すなわち、時間的余裕がないと判断した場合には)、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドにもとづいて保留予告演出の演出パターンの決定を行う(ステップS6008α)。ステップS6008αでは、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドにもとづいて、保留予告演出の演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した演出パターン決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、保留予告演出の演出パターンを決定する。
図39は、第3の実施の形態における演出パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。図39に示すように、この実施の形態では、演出パターン決定テーブルには、保留予告演出の演出パターンとして、演出パターンA〜演出パターンCの3種類の演出パターンが割り振られている。演出パターンAは、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)に1段階のみ変化(または始動入賞と同時に直ちに表示)させる演出パターンである。また、演出パターンBは、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)に1段階のみ変化(または始動入賞と同時に直ちに表示)させる演出パターンである。また、演出パターンCは、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)に一旦変化させた後、第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)に2段階に変化させる演出パターンである。
ステップS6008αでは、入賞時判定結果が大当り(確変大当りまたは通常大当り)であった場合(入賞時判定結果4指定コマンドまたは入賞時判定結果5指定コマンドを受信した場合)には、図39(A)に示す大当り且つ合算保留記憶数3未満用の演出パターン決定テーブルが選択される。また、入賞時判定結果がはずれであった場合(入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果3指定コマンドを受信した場合)には、図39(B)に示すはずれ且つ合算保留記憶数3未満用の演出パターン決定テーブルが選択される。
なお、図39(A),(B)に示す演出パターン決定テーブルには、演出パターンCに対しては判定値が割り振られておらず、演出パターンAおよび演出パターンBにのみ判定値の割り振りがあることから、ステップS6008αでは、演出制御用CPU101は、保留予告演出の演出パターンを演出パターンAまたは演出パターンBのいずれかとすることに決定する。
そして、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、ステップS6008αで決定した演出パターンに応じた特別態様で保留表示を1つ増加させる(ステップS6008β)。この場合、演出パターンAを決定した場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)で保留表示を1つ増加させる。また、演出パターンBを決定した場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)で保留表示を1つ増加させる。
合算保留記憶数が2以上であった場合(ステップS6006のY)または残りの変動時間が2秒以上であった場合(ステップS6007のY)には、すなわち時間的余裕があると判断した場合には、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドおよび現在の合算保留記憶数にもとづいて保留予告演出の演出パターンの決定を行う(ステップS6008γ)。なお、現在の合算保留記憶数は、具体的には、合算保留記憶数保存領域(ステップS667参照)に格納されている合算保留記憶数を確認すればよい。ステップS6008γでは、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドおよび現在の合算保留記憶数にもとづいて、保留予告演出の演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した演出パターン決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、保留予告演出の演出パターンを決定する。
ステップS6008γでは、入賞時判定結果が大当り(確変大当りまたは通常大当り)であった場合(入賞時判定結果4指定コマンドまたは入賞時判定結果5指定コマンドを受信した場合)且つ現在の合算保留記憶数が3未満であった場合には、図39(A)に示す大当り且つ合算保留記憶数3未満用の演出パターン決定テーブルが選択される。また、入賞時判定結果がはずれであった場合(入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果3指定コマンドを受信した場合)且つ現在の合算保留記憶数が3未満であった場合には、図39(B)に示すはずれ且つ合算保留記憶数3未満用の演出パターン決定テーブルが選択される。また、入賞時判定結果が大当り(確変大当りまたは通常大当り)であった場合(入賞時判定結果4指定コマンドまたは入賞時判定結果5指定コマンドを受信した場合)且つ現在の合算保留記憶数が3以上であった場合には、図39(C)に示す大当り且つ合算保留記憶数3以上用の演出パターン決定テーブルが選択される。また、入賞時判定結果がはずれであった場合(入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果3指定コマンドを受信した場合)且つ現在の合算保留記憶数が3以上であった場合には、図39(D)に示すはずれ且つ合算保留記憶数3以上用の演出パターン決定テーブルが選択される。
なお、図39(A),(B)に示す演出パターン決定テーブルには、演出パターンCに対しては判定値が割り振られておらず、演出パターンAおよび演出パターンBにのみ判定値の割り振りがあることから、ステップS6008γでは、現在の合算保留記憶数が3未満であった場合には、演出制御用CPU101は、保留予告演出の演出パターンを演出パターンAまたは演出パターンBのいずれかとすることに決定する。一方、図39(C),(D)に示す演出パターン決定テーブルには、演出パターンA〜演出パターンCの全ての演出パターンに対して判定値の割り振りがあることから、ステップS6008γでは、現在の合算保留記憶数が3以上であった場合には、演出制御用CPU101は、保留予告演出の演出パターンを演出パターンA〜演出パターンCのいずれかとすることに決定する。すなわち、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合にのみ演出パターンCが決定されて保留表示の表示態様が2段階に変化される場合がある。これは、後述するように、この実施の形態では、1段階目の保留表示の表示態様の変化が行われた後、次の変動表示の開始タイミングで2段階目の保留表示の表示態様の変化が行われることから、少なくとも合算保留記憶数が3以上なければ(すなわち、現在実行中の変動表示が終了した後、少なくとも2回以上変動表示が確保されていなければ)、2段階目の保留表示の表示態様の変化タイミングが確保されないためである。
また、図39に示すように、この実施の形態では、入賞時判定結果が大当りとなると判定されている場合には、はずれと判定されている場合と比較して、演出パターンBを演出パターンAよりも高い割合で決定するように判定値の割り振りが行われている。従って、この実施の形態では、保留表示が第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)で表示された場合には、第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)で表示された場合と比較して、大当りとなることに対する期待度(信頼度)が高いといえる。さらに、図39に示すように、この実施の形態では、入賞時判定結果が大当りとなると判定されている場合には、はずれと判定されている場合と比較して、演出パターンCを演出パターンBよりもさらに高い割合で決定するように判定値の割り振りが行われている。従って、この実施の形態では、保留表示が第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)から第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)に2段階に変化された場合には、第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)に1段階に変化または表示された場合と比較して、大当りとなることに対する期待度(信頼度)が高いといえる。
なお、図39に示した演出パターンは一例であり、演出パターンA〜C以外の演出パターンを設けるようにしてもよい。例えば、保留表示を第1特別態様に1段階に変化させるものであっても、所定演出を実行した後に第1特別態様に変化させるもの(以下、演出パターンA1という)と、所定演出なしで始動入賞時に直ちに第1特別態様に変化させるもの(以下、演出パターンA2という)とを設けるとともに、保留表示を第2特別態様に1段階に変化させるものについても、所定演出を実行した後に第2特別態様に変化させるもの(以下、演出パターンB1という)と、所定演出なしで始動入賞時に直ちに第2特別態様に変化させるもの(以下、演出パターンB2という)とを設けるようにしてもよい。そして、ステップS6008αの処理では、所定演出なしで始動入賞時に直ちに保留表示を変化させる演出パターンA2または演出パターンB2のみを決定可能とする一方で、ステップS6008γの処理では、演出パターンA1や演出パターンB1、演出パターンCに加えて、所定演出なしで始動入賞時に直ちに保留表示を変化させる演出パターンA2または演出パターンB2も決定可能に構成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS6008γで決定した演出パターンをRAMに設けられた演出パターン記憶領域に記憶する(ステップS6008δ)。そして、ステップS6009に移行し、演出制御用CPU101は、モータ79の順方向への駆動を開始して可動部材78の可動を開始することにより、所定演出の実行を開始する。
なお、ステップS6009〜S6016の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS6016で役物可動中フラグをリセットすると、演出制御用CPU101は、ステップS6008γで決定した演出パターンが演出パターンCであるか否かを確認する(ステップS6017α)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS6008δで演出パターン記憶領域に記憶された演出パターンが演出パターンCであるか否かを確認する。
演出パターンCでなければ(すなわち、演出パターンAまたは演出パターンBであれば)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)からステップS6008γで決定した演出パターンに応じた特別態様に変化させる(ステップS6017β)。この場合、演出パターンAを決定した場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)から第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)に変化させる。また、演出パターンBを決定した場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)から第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)に変化させる。
一方、演出パターンCであれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)から第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)に変化させる(ステップS6017γ)。そして、演出パターンCの保留予告演出の実行中であって保留表示の表示態様の2段階目の変化を未実行であることを示す保留未最変化フラグをセットする(ステップS6017δ)。
図40は、第3の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、ステップS820において合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を保留ボックス9Fに移動させるような表示制御を行うと、保留未再変化フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS820α)。保留未再変化フラグがセットされていれば(すなわち、演出パターンCの保留予告演出の実行中であり、保留表示の表示態様の2段階目の変化を未実行であれば)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象の保留表示を第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)から第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)に変化させる(ステップS820β)。そして、演出制御用CPU101は、保留未再変化フラグをリセットする(ステップS820γ)。
なお、ステップS821〜S829の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、特別態様には、第1特別態様(本例では、赤色の丸形表示)と該第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様(本例では、桜柄の丸形表示)とがある。また、始動領域(本例では、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技球が通過したあと、当該始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間(本例では、合算保留記憶数が2以上、または現在実行中の変動表示の残り変動時間が2秒以上)よりも長い特定期間以上(本例では、合算保留記憶数が3以上)であるときには、当該保留記憶について保留表示を第1特別態様で表示したあとに第2特別態様に変化させて表示する演出(演出パターンCの保留予告演出)を実行可能であるとともに、始動領域を遊技球が通過したあと、当該始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が特定期間未満かつ所定期間以上であるときには、当該保留記憶について保留表示を第1特別態様で表示することなく直ちに第2特別態様で表示する演出(演出パターンBの保留予告演出)を実行する。そのため、保留表示の表示態様を段階的に変化させることによって期待感を段階的に高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、始動領域を遊技球が通過したあとに保留表示の表示態様を段階的に変化させるための時間的余裕がない場合であっても、期待度が高い第2特別態様で保留表示が表示される場合があるので、保留表示の表示態様を段階的に変化させるための時間的余裕がない場合の遊技に対する興趣が低下してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、特定期間以上であるか否かを判定する具体的な処理方法として、合算保留記憶数が3以上であるか否かを判定する場合を示したが、このような判定方法にかぎられない。例えば、将来開始される変動表示の変動時間をあらかじめ先読み判定可能に構成し、予告対象の変動表示が開始される前の複数変動の変動時間の合計が保留表示の表示態様を2段階に変化させるために十分な期間(例えば、30秒)以上あるか否かを判定することにより、特定期間以上であるか否かを判定するようにしてもよい。
また、この実施の形態において、「特定期間」とは、保留表示の表示態様を2段階に変化させるために十分な期間のことであり、この実施の形態では、具体的には、合算保留記憶数が3以上であるか否かを判定することにより、現在実行中の変動表示が終了した後、少なくとも2回以上変動表示が確保されていることを条件として特定期間以上であると判定している。このように、「特定期間」の概念には、具体的な時間そのものを意味するものに加えて、変動回数を意味するものも含まれる。すなわち、変動1回あたりの変動時間をある程度計算できる(例えば、一律に10秒)場合に、変動回数を数えることによって全体の時間を計算できる場合には、変動回数を判定することによって特定期間を判定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、時間的余裕がある場合に、所定演出を実行した後に保留表示を2段階に変化させたり、所定演出を実行した後に第1特別態様や第2特別態様に保留表示を1段階に変化させたりする場合を示したが、必ずしも所定演出を伴うものでなくてもよい。すなわち、時間的余裕がある場合であっても、所定演出なしで保留表示を2段階に変化させたり、所定演出なしで第1特別態様や第2特別態様に保留表示を1段階に変化させたりするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留表示を2段階に変化させる場合(演出パターンCの保留予告演出を実行する場合)、最初の1回目の保留表示の表示態様の変化時(第1特別態様に変化させるとき)のみ可動部材78を可動させて所定演出を実行する場合を示したが、2回目の保留表示の表示態様の変化時(第2特別態様に変化させるとき)にも可動部材78を可動させて所定演出を実行するように構成してもよい。ただし、この場合、可動部材78の可動などにある程度の時間を要することに変わりはないのであるから、2回目の保留表示の表示態様の変化時においても、保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕があるか否かを判定した上で所定演出の有無を決定するようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、1回目の保留表示の表示態様を変化させた後、次の変動表示を開始するタイミングで2回目の保留表示の表示態様を変化させる場合を示したが、保留表示の表示態様の変化タイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、1回目の保留表示の表示態様を変化させた後、2回目以降の変動表示を開始するタイミングで2回目の保留表示の表示態様を変化させてもよいし、変動表示を終了するタイミングで2回目の保留表示の表示態様を変化させてもよい。さらに、例えば、リーチ発生時など変動表示の途中で2回目の保留表示の表示態様を変化させてもよい。そのようにすれば、意外なタイミングで保留表示の表示態様が変化することにより、保留予告演出の演出に意外性をもたせることができ、演出効果を高めることができる。
なお、上記の第1の実施の形態〜第3の実施の形態で示した各構成のうち、いずれか2つの構成または全ての構成を適宜組み合わせて遊技機を構成することが可能である。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
なお、上記に示した各実施の形態では、以下の(1)〜(4)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技領域に設けられた始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技媒体(例えば、遊技球)が通過したあと開始条件が成立したこと(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄)の可変表示を行い、可変表示の表示結果としてあらかじめ定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない識別情報の可変表示について、所定の上限記憶数(例えば、4)の範囲内で数値データ(例えば、ランダムR(大当り判定用乱数)、変動パターン決定用乱数(ランダム2))を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)と、保留記憶手段に記憶されている保留記憶を保留表示として表示する保留表示手段(例えば、合算保留記憶表示部18c)と、開始条件が成立したときに、保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづいて可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否かを決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS61を実行する部分)と、始動領域を遊技媒体が通過したときに、保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく可変表示の表示結果が特定表示結果となるか否かを判定する特定判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS1217A,S1217Bを実行する部分)と、特定判定手段の判定結果に応じて、該特定判定手段の判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を通常態様(例えば、白色の丸形表示)とは異なる特別態様(例えば、赤色の丸形表示)で表示する保留予告演出(例えば、図26に示す態様の保留予告演出)を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS800Aを実行する部分)とを備え、保留予告演出は、始動領域を遊技媒体が通過したあとに所定演出(例えば、可動部材78を可動させる演出)を行うとともに保留表示を特別態様で表示する第1保留予告演出(例えば、図26(A1)〜(A5)に示す態様の保留予告演出)と、始動領域を遊技媒体が通過したあとに所定演出を行わずに保留表示を特別態様で表示する第2保留予告演出(例えば、図26(B1)〜(B2)に示す態様の保留予告演出)とを含み、演出実行手段は、始動領域を遊技媒体が通過したあと、当該始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間以上(例えば、合算保留記憶数が2以上、または現在実行中の変動表示の残り変動時間が2秒以上)であるときには、当該保留記憶について第1保留予告演出を実行可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS6006でYまたはステップS6007でYのときには、ステップS6009〜S6011,S6012〜S6017を実行する)、始動領域を遊技媒体が通過したあと、当該始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間未満であるときには、当該保留記憶について第1保留予告演出を実行せず第2保留予告演出を実行する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS6006およびステップS6007でNのときには、ステップS6008を実行する)ことを特徴とする遊技機。
そのような構成により、始動領域を遊技媒体が通過したあとに保留表示の表示態様を変化させるための時間的余裕がない場合であっても保留予告演出の実行を可能とし、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(2)演出実行手段は、所定演出として、遊技機に設けられた可動部材(例えば、可動部材78)を所定位置(例えば、演出表示装置9の周囲の飾り部の左側の初期位置)から特定位置(例えば、演出表示装置9の下方(可動部材78の最大可動位置))に可動させる演出を実行する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS6009,S6014,S6015を実行することにより、図26(A3),(A4)のような態様の演出を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、可動部材の可動にともなって保留表示が特別態様で表示されるので、可動部材が可動することに対して期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(3)特別態様には、第1特別態様(例えば、赤色の丸形表示)と該第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様(例えば、桜柄の丸形表示)とがあり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第3の実施の形態において、ステップS6008αやステップS6008γを実行するときに、図39に示すように、入賞時判定結果が大当りと判定されている場合には、はずれと判定されている場合と比較して高い割合で保留表示を第2特別態様(例えば、桜柄の丸形表示)に最終的に変化させる演出パターンBや演出パターンCを決定する)、演出実行手段は、始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したあと、当該始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間(例えば、合算保留記憶数が2以上、または現在実行中の変動表示の残り変動時間が2秒以上)よりも長い特定期間以上(例えば、合算保留記憶数が3以上)であるときには、当該保留記憶について保留表示を第1特別態様で表示したあとに第2特別態様に変化させて表示する演出を実行可能であるとともに(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS6008γで演出パターンCを決定し、ステップS6017γ,S6017δ,S820α〜S820γを実行することにより、予告対象の保留表示を2段階に変化させる)、始動領域を遊技媒体が通過したあと、当該始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が特定期間未満かつ所定期間以上であるときには、当該保留記憶について保留表示を第1特別態様で表示することなく直ちに第2特別態様で表示する演出を実行する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS6008γで演出パターンBを決定し、ステップS6017βを実行することにより、予告対象の保留表示を直ちに第2特別態様(例えば、桜柄の丸形表示)に変化させる)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、保留表示の表示態様を段階的に変化させることによって期待感を段階的に高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、始動領域を遊技媒体が通過したあとに保留表示の表示態様を段階的に変化させるための時間的余裕がない場合であっても、期待度が高い第2特別態様で保留表示が表示される場合があるので、保留表示の表示態様を段階的に変化させるための時間的余裕がない場合の遊技に対する興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(4)演出実行手段は、始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技媒体(例えば、遊技球)が通過したあと、当該始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間以上(例えば、合算保留記憶数が2以上、または現在実行中の変動表示の残り変動時間が2秒以上)であるときであっても、当該保留記憶について所定演出(例えば、可動部材78を可動させる演出)を行わずに保留表示を特別態様で表示する演出を実行可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2の実施の形態において、ステップS6006でYまたはステップS6007でYのときであっても、ステップS6008BでNのときにはステップS6008Cを実行する)、始動領域を遊技媒体が通過したあと、当該始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて保留記憶手段に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が実行されるまでの期間が所定期間以上であるときに、特定判定手段によって特定表示結果となると判定された場合には特定表示結果とならないと判定された場合と比較して、所定演出を行わずに保留表示を特別態様で表示する演出よりも所定演出を行うとともに保留表示を特別態様で表示する演出を高い割合で実行する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2の実施の形態において、ステップS6008Aを実行するときに、図36に示すように、入賞時判定結果が大当りと判定されている場合には、はずれと判定されている場合と比較して高い割合で可動部材78を可動させると決定する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、所定演出が実行されるか否かに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。