JP2016072207A - 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
前記無機固体電解質体が、M2+ 1−xM3+ x(OH)2An− x/n・mH2O(式中、M2+は2価の陽イオンであり、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオンであり、nは1以上の整数であり、xは0.1〜0.4である)の基本組成を有する層状複水酸化物からなり、
M2+及び/又はM3+に対応する金属元素を含む金属化合物が前記電解液に溶解され、それにより前記層状複水酸化物の前記電解液による浸食が抑制されるように構成されてなる、二次電池が提供される。
前記電解液が、前記正極が浸漬される正極電解液と、前記負極が浸漬される負極電解液から構成され、
前記二次電池が、前記正極、前記正極電解液、前記負極、及び前記負極電解液を収容する容器を備え、
前記セラミックスセパレータが、前記容器内に、前記正極及び前記正極電解液を収容する正極室と、前記負極及び前記負極電解液を収容する負極室とを区画するように設けられ、それにより該電池がニッケル亜鉛二次電池とされうる。
前記負極が前記電解液に浸漬され、
前記二次電池が、前記負極及び前記電解液を収容する容器を備え、該容器が開口部を有してなり、
前記セラミックスセパレータが、前記開口部を前記電解液と接触可能に塞いで前記容器と負極側密閉空間を形成し、それにより前記空気極と前記電解液を水酸化物イオン伝導可能に隔離し、それにより該電池が亜鉛空気二次電池とされうる。
本発明の二次電池は、水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いたものである。本発明の二次電池は、ニッケル亜鉛二次電池、酸化銀亜鉛二次電池、酸化マンガン亜鉛二次電池、亜鉛空気二次電池、及びその他各種のアルカリ亜鉛二次電池、並びにリチウム空気二次電池等、水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを適用可能な各種二次電池であることができる。特に、ニッケル亜鉛二次電池及び亜鉛空気二次電池が好ましい。したがって、以下の一般的説明において、ニッケル亜鉛二次電池に関する図1及び亜鉛空気二次電池に関する図3A及び3Bに言及することがあるが、本発明の二次電池はニッケル亜鉛二次電池及び亜鉛空気二次電池に限定されるべきではなく、水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを採用可能な上述の各種二次電池を概念的に包含するものである。
本発明の好ましい態様によれば、ニッケル亜鉛二次電池が提供される。図1に、本態様によるニッケル亜鉛電池の一例を模式的に示す。図1に示されるニッケル亜鉛電池は充電が行われる前の初期状態を示しており、放電末状態に相当する。もっとも、本態様のニッケル亜鉛電池は満充電状態で構成されてもよいのはいうまでもない。図1に示されるように、本態様によるニッケル亜鉛電池10は、正極12、正極電解液14、負極16、負極電解液18、及びセラミックスセパレータ20を容器22内に備えてなる。正極12は、水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含んでなる。正極電解液14はアルカリ金属水酸化物を含んでなるアルカリ電解液であり、正極12が浸漬される。負極16は亜鉛及び/又は酸化亜鉛を含んでなる。負極電解液18はアルカリ金属水酸化物を含んでなるアルカリ電解液であり、負極16が浸漬される。容器22は、正極12、正極電解液14、負極16、及び負極電解液18を収容する。正極12及び正極電解液14は必ずしも分離している必要はなく、正極12と正極電解液14が混合された正極合材として構成されてもよい。同様に、負極16及び負極電解液18は必ずしも分離している必要はなく、負極16と負極電解液18が混合された負極合材として構成されてもよい。所望により、正極集電体13が正極12に接触して設けられる。また、所望により、負極集電体17が負極16に接触して設けられる。
‐ 正極: Ni(OH)2+OH−→NiOOH+H2O+e−
‐ 負極: ZnO+H2O+2e−→Zn+2OH−
‐ ZnOの溶解反応: ZnO+H2O+2OH−→Zn(OH)4 2−
‐ Znの析出反応: Zn(OH)4 2−+2e−→Zn+4OH−
本発明の別の好ましい態様によれば、亜鉛空気二次電池が提供される。図3A及び3Bに、本態様による亜鉛空気二次電池の一例を模式的に示す。図3A及び3Bに示されるように、本態様による亜鉛空気二次電池30は、空気極32、負極34、アルカリ電解液36、セラミックスセパレータ40、容器46、及び所望により第三電極38を備えてなる。空気極32は正極として機能する。負極34は亜鉛、亜鉛合金及び/又は亜鉛化合物を含んでなる。電解液36は、負極34が浸漬される水系電解液である。容器46は、開口部46aを有し、負極34、電解液36及び第三電極38を収容する。セパレータ40は開口部46aを電解液36と接触可能に塞いで容器46と負極側密閉空間を形成し、それにより空気極32と電解液36を水酸化物イオン伝導可能に隔離する。所望により、正極集電体42が空気極32に接触して設けられてよい。また、所望により、負極集電体44が負極34に接触して設けられてよく、その場合、負極集電体44も容器46内に収容されうる。
第三電極: H2+2OH−→2H2O+2e−
正極放電: O2+2H2O+4e−→4OH−
により水に戻すことができる。別の表現をすれば、負極34で発生した水素ガスが第三電極38で吸収され自己放電をすることになる。これにより、水素ガスの発生による負極側密閉空間における内圧の上昇及びそれに伴う不具合を抑制又は回避できるとともに、(放電反応に伴い上記反応式に従い減少することになる)水を発生させて負極側密閉空間内での水不足を抑制又は回避することができる。すなわち、負極から発生した水素ガスを負極側密閉空間内で水に戻して再利用することができる。その結果、亜鉛デンドライトによる短絡及び二酸化炭素の混入の両方を防止するのに極めて効果的な構成を有しながら、水素ガス発生の問題にも対処可能な、信頼性の高い亜鉛空気二次電池を提供することができる。
前述のとおり、本発明においてセパレータを構成する無機固体電解質体は膜状又は層状の形態であることができる。この場合、膜状又は層状の無機固体電解質体が多孔質基材上又はその中に形成されてなる、多孔質基材付きセパレータとするのが好ましい。特に好ましい多孔質基材付きセパレータは、多孔質基材と、この多孔質基材上及び/又は多孔質基材中に形成されるセパレータ層とを備えてなり、セパレータ層が前述したような層状複水酸化物(LDH)を含んでなるものである。セパレータ層は透水性及び通気性を有しないのが好ましい。すなわち、多孔質材料は孔の存在により透水性及び通気性を有しうるが、セパレータ層は透水性及び通気性を有しない程にまでLDHで緻密化されているのが好ましい。セパレータ層は多孔質基材上に形成されるのが好ましい。例えば、図4に示されるように、多孔質基材28上にセパレータ層20がLDH緻密膜として形成されるのが好ましい。この場合、多孔質基材28の性質上、図4に示されるように多孔質基材28の表面及びその近傍の孔内にもLDHが形成されてよいのはいうまでもない。あるいは、図5に示されるように、多孔質基材28中(例えば多孔質基材28の表面及びその近傍の孔内)にLDHが緻密に形成され、それにより多孔質基材28の少なくとも一部がセパレータ層20’を構成するものであってもよい。この点、図5に示される態様は図4に示される態様のセパレータ層20における膜相当部分を除去した構成となっているが、これに限定されず、多孔質基材28の表面と平行にセパレータ層が存在していればよい。いずれにしても、セパレータ層は透水性及び通気性を有しない程にまでLDHで緻密化されているため、水酸化物イオン伝導性を有するが透水性及び通気性を有しない(すなわち基本的に水酸化物イオンのみを通す)という特有の機能を有することができる。
多孔質基材は、前述したとおりであり、セラミックス材料、金属材料、及び高分子材料からなる群から選択される少なくとも1種で構成されるのが好ましい。多孔質基材は、セラミックス材料で構成されるのがより好ましい。この場合、セラミックス材料の好ましい例としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、スピネル、カルシア、コージライト、ゼオライト、ムライト、フェライト、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、及びそれらの任意の組合せが挙げられ、より好ましくは、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びそれらの任意の組合せであり、特に好ましくはアルミナ及びジルコニアであり、最も好ましくはアルミナである。これらの多孔質セラミックスを用いるとLDH含有セパレータ層の緻密性を向上しやすい傾向がある。セラミックス材料製の多孔質基材を用いる場合、超音波洗浄、イオン交換水での洗浄等を多孔質基材に施すのが好ましい。
次に、多孔質基材を原料水溶液に所望の向きで(例えば水平又は垂直に)浸漬させる。多孔質基材を水平に保持する場合は、吊るす、浮かせる、容器の底に接するように多孔質基材を配置すればよく、例えば、容器の底から原料水溶液中に浮かせた状態で多孔質基材を固定としてもよい。多孔質基材を垂直に保持する場合は、容器の底に多孔質基材を垂直に設置できるような冶具を置けばよい。いずれにしても、多孔質基材にLDHを略垂直方向又はそれに近い方向(すなわちLDH板状粒子がそれらの板面が多孔質基材の表面(基材面)と略垂直に又は斜めに交差するような向きに)に成長させる構成ないし配置とするのが好ましい。原料水溶液は、マグネシウムイオン(Mg2+)及びアルミニウムイオン(Al3+)を所定の合計濃度で含み、かつ、尿素を含んでなる。尿素が存在することで尿素の加水分解を利用してアンモニアが溶液中に発生することによりpH値が上昇し、共存する金属イオンが水酸化物を形成することによりLDHを得ることができる。また、加水分解に二酸化炭素の発生を伴うため、陰イオンが炭酸イオン型のLDHを得ることができる。原料水溶液に含まれるマグネシウムイオン及びアルミニウムイオンの合計濃度(Mg2++Al3+)は0.20〜0.40mol/Lが好ましく、より好ましくは0.22〜0.38mol/Lであり、さらに好ましくは0.24〜0.36mol/L、特に好ましくは0.26〜0.34mol/Lである。このような範囲内の濃度であると核生成と結晶成長をバランスよく進行させることができ、配向性のみならず緻密性にも優れたLDH含有セパレータ層を得ることが可能となる。すなわち、マグネシウムイオン及びアルミニウムイオンの合計濃度が低いと核生成に比べて結晶成長が支配的となり、粒子数が減少して粒子サイズが増大する一方、この合計濃度が高いと結晶成長に比べて核生成が支配的となり、粒子数が増大して粒子サイズが減少するものと考えられる。
そして、原料水溶液中で多孔質基材を水熱処理して、LDHを含んでなるセパレータ層を多孔質基材上及び/又は多孔質基材中に形成させる。この水熱処理は密閉容器中、60〜150℃で行われるのが好ましく、より好ましくは65〜120℃であり、さらに好ましくは65〜100℃であり、特に好ましくは70〜90℃である。水熱処理の上限温度は多孔質基材(例えば高分子基材)が熱で変形しない程度の温度を選択すればよい。水熱処理時の昇温速度は特に限定されず、例えば10〜200℃/hであってよいが、好ましくは100〜200℃/hである、より好ましくは100〜150℃/hである。水熱処理の時間はLDH含有セパレータ層の目的とする密度と厚さに応じて適宜決定すればよい。
板状の無機固体電解質の好ましい形態として、層状複水酸化物(LDH)緻密体が挙げられる。LDH緻密体はあらゆる方法によって作製されたものであってもよいが、以下に好ましい製造方法の一態様を説明する。この製造方法は、ハイドロタルサイトに代表されるLDHの原料粉末を成形及び焼成して酸化物焼成体とし、これを層状複水酸化物へ再生した後、余剰の水分を除去することにより行われる。この方法によれば、88%以上の相対密度を有する高品位な層状複水酸化物緻密体を簡便に且つ安定的に提供及び製造することができる。
原料粉末として、一般式:M2+ 1−xM3+ x(OH)2An− x/n・mH2O(式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1〜0.4である)で表される層状複水酸化物の粉末を用意する。上記一般式において、M2+は任意の2価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはMg2+、Ca2+及びZn2+が挙げられ、より好ましくはMg2+である。M3+は任意の3価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはAl3+又はCr3+が挙げられ、より好ましくはAl3+である。An−は任意の陰イオンでありうるが、好ましい例としてはOH−及びCO3 2−が挙げられる。したがって、上記一般式は、少なくともM2+がMg2+を、M3+がAl3+を含み、An−がOH−及び/又はCO3 2−を含むのが好ましい。nは1以上の整数であるが、好ましくは1又は2である。xは0.1〜0.4であるが、好ましくは0.2〜0.35である。このような原料粉末は市販の層状複水酸化物製品であってもよいし、硝酸塩や塩化物を用いた液相合成法等の公知の方法にて作製した原料であってもよい。原料粉末の粒径は、所望の層状複水酸化物緻密体が得られる限り限定されないが、体積基準D50平均粒径が0.1〜1.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.3〜0.8μmである。原料粉末の粒径が細かすぎると粉末が凝集しやすく、成形時に気孔が残留する可能性が高く、大きすぎると成形性が悪くなるためである。
原料粉末を成形して成形体を得る。この成形は、成形後且つ焼成前の成形体(以下、成形体という)が、43〜65%、より好ましくは45〜60%であり、さらに好ましくは47%〜58%の相対密度を有するように、例えば加圧成形により行われるのが好ましい。成形体の相対密度は、成形体の寸法及び重量から密度を算出し、理論密度で除して求められるが、成形体の重量は吸着水分の影響を受けるため、一義的な値を得るために、室温、相対湿度20%以下のデシケータ内で24時間以上保管した原料粉末を用いた成形体か、もしくは成形体を前記条件下で保管した後に相対密度を測定するのが好ましい。ただし、原料粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、成形体の相対密度が26〜40%であるのが好ましく、より好ましくは29〜36%である。なお、酸化物粉末を用いる場合の相対密度は、層状複水酸化物を構成する各金属元素が仮焼により各々酸化物に変化したと仮定し、各酸化物の混合物として求めた換算密度を分母として求めた。一例に挙げた加圧成形は、金型一軸プレスにより行ってもよいし、冷間等方圧加圧(CIP)により行ってもよい。冷間等方圧加圧(CIP)を用いる場合は原料粉末をゴム製容器中に入れて真空封じするか、あるいは予備成形したものを用いるのが好ましい。その他、スリップキャストや押出成形など、公知の方法で成形してもよく、成形方法については特に限定されない。ただし、原料粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、乾式成形法に限られる。これらの成形体の相対密度は、得られる緻密体の強度だけではなく、通常板状形状を有する層状複水酸化物の配向度への影響もあることから、その用途等を考慮して成形時の相対密度を上記の範囲で適宜設定するのが好ましい。
上記工程で得られた成形体を焼成して酸化物焼成体を得る。この焼成は、酸化物焼成体が、成形体の重量の57〜65%の重量となり、且つ/又は、成形体の体積の70〜76%以下の体積となるように行われるのが好ましい。成形体の重量の57%以上であると、後工程の層状複水酸化物への再生時に再生できない異相が生成しにくくなり、65%以下であると焼成が十分に行われて後工程で十分に緻密化する。また、成形体の体積の70%以上であると、後工程の層状複水酸化物への再生時に異相が生成にくくなるとともに、クラックも生じにくくなり、76%以下であると、焼成が十分に行われて後工程で十分に緻密化する。原料粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、成形体の重量の85〜95%、及び/又は成形体の体積の90%以上の酸化物焼成体を得るのが好ましい。原料粉末が仮焼されるか否かに関わらず、焼成は、酸化物焼成体が、酸化物換算で20〜40%の相対密度を有するように行われるのが好ましく、より好ましくは20〜35%であり、さらに好ましくは20〜30%である。ここで、酸化物換算での相対密度とは、層状複水酸化物を構成する各金属元素が焼成により各々酸化物に変化したと仮定し、各酸化物の混合物として求めた換算密度を分母として求めた相対密度である。酸化物焼成体を得るための好ましい焼成温度は400〜850℃であり、より好ましくは700〜800℃である。この範囲内の焼成温度で1時間以上保持されるのが好ましく、より好ましい保持時間は3〜10時間である。また、急激な昇温により水分や二酸化炭素が放出して成形体が割れるのを防ぐため、上記焼成温度に到達させるための昇温は100℃/h以下の速度で行われるのが好ましく、より好ましくは5〜75℃/hであり、さらに好ましくは10〜50℃/hである。したがって、昇温から降温(100℃以下)に至るまでの全焼成時間は20時間以上確保するのが好ましく、より好ましくは30〜70時間、さらに好ましくは35〜65時間である。
上記工程で得られた酸化物焼成体を上述したn価の陰イオン(An−)を含む水溶液中又はその直上に保持して層状複水酸化物へと再生し、それにより水分に富む層状複水酸化物固化体を得る。すなわち、この製法により得られる層状複水酸化物固化体は必然的に余分な水分を含んでいる。なお、水溶液中に含まれる陰イオンは原料粉末中に含まれる陰イオンと同種の陰イオンとしてよいし、異なる種類の陰イオンとしてもよい。酸化物焼成体の水溶液中又は水溶液直上での保持は密閉容器内で水熱合成の手法により行われるのが好ましく、そのような密閉容器の例としてはテフロン(登録商標)製の密閉容器が挙げられ、より好ましくはその外側にステンレス製等のジャケットを備えた密閉容器である。層状複水酸化物化は、酸化物焼成体を20℃以上200℃未満で、少なくとも酸化物焼成体の一面が水溶液に接する状態に保持することにより行われるのが好ましく、より好ましい温度は50〜180℃であり、さらに好ましい温度は100〜150℃である。このような層状複水酸化物化温度で酸化物焼結体が1時間以上保持されるのが好ましく、より好ましくは2〜50時間であり、さらに好ましくは5〜20時間である。このような保持時間であると十分に層状複水酸化物への再生を進行させて異相が残るのを回避又は低減できる。なお、この保持時間は、長すぎても特に問題はないが、効率性を重視して適時設定すればよい。
上記工程で得られた水分に富む層状複水酸化物固化体から余剰の水分を除去する。こうして本発明の層状複水酸化物緻密体が得られる。この余剰の水分を除去する工程は、300℃以下、除去工程の最高温度での推定相対湿度25%以上の環境下で行われるのが好ましい。層状複水酸化物固化体からの急激な水分の蒸発を防ぐため、室温より高い温度で脱水する場合は層状複水酸化物への再生工程で使用した密閉容器中に再び封入して行うことが好ましい。その場合の好ましい温度は50〜250℃であり、さらに好ましくは100〜200℃である。また、脱水時のより好ましい相対湿度は25〜70%であり、さらに好ましくは40〜60%である。脱水を室温で行ってもよく、その場合の相対湿度は通常の室内環境における40〜70%の範囲内であれば問題はない。
(1)LDH緻密体の作製
原料粉末として、市販の層状複水酸化物であるハイドロタルサイト粉末(DHT−4H、協和化学工業株式会社製)粉末を用意した。この原料粉末の組成はMg2+ 0.68Al3+ 0.32(OH)2CO3 2− 0.16・mH2Oであった。原料粉末を直径16mmの金型に充填して500kgf・cm2の成形圧で一軸プレス成形して、相対密度53%、厚さ約2mmの成形体を得た。なお、この相対密度の測定は、室温、相対湿度20%以下で24時間保管した成形体について行った。得られた成形体をアルミナ鞘中で焼成した。この焼成は、急激な昇温により水分や二酸化炭素が放出して成形体が割れるのを防ぐため、100℃/h以下の速度で昇温を行い、750℃の最高温度に達した時点で5時間保持した後、冷却することにより行った。この昇温から降温(100℃以下)に至るまでの全焼成時間は62時間であり、得られた焼結体の重量、体積及び相対密度はそれぞれ59重量%、72体積%、23%であった。なお、上記「重量」及び「体積」は焼成前の成形体を100%とした算出された相対値(%)であり、「相対密度」はハイドロタルサイトの構成金属元素であるMg及びAlを酸化物として算出した理論密度を用いて得た、酸化物換算での相対密度である。こうして得られた焼成体を、外側にステンレス製ジャケットを備えたテフロン(登録商標)製の密閉容器に大気中でイオン交換水と共に封入し、100℃で5時間保持する再生条件(温度及びその温度での保持時間)で水熱処理を施して、試料を得た。室温まで冷めた試料は余分な水分を含んでいるため、ろ紙等で軽く表面の水分を拭き取った。こうして得られた試料を25℃、相対湿度が50%程度の室内で自然脱水(乾燥)してLDH緻密体試料を得た。
LDH緻密体試料の寸法及び重量から密度を算出し、この密度を理論密度で除することにより決定したところ、91%であった。なお、理論密度の算出にあたり、Mg/Al=2のハイドロタルサイトの理論密度としてJCPDSカードNo.70−2151に記載される2.09g/cm3とを用いた。
LDH緻密体試料を目視にて観察したところ、クラックは観察されなかった。
X線回折装置(D8 ADVANCE、Bulker AXS社製)により、電圧:40kV、電流値:40mA、測定範囲:5〜70°の測定条件で、LDH緻密体試料の結晶相を測定し、JCPDSカードNO.35−0965に記載されるハイドロタルサイトの回折ピークを用いて同定した。その結果、ハイドロタルサイトに起因するピークのみが観察された。
LDH緻密体を各種Al濃度の電解液(KOH水溶液)に浸漬して耐アルカリ性(特にAl溶出の有無及びその程度)を以下のようにして調べた。なお、電解液への浸漬に先立ち、例1で作製されたLDH緻密体試料の表面微構造を走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6610LV、JEOL社製)を用いて10〜20kVの加速電圧で観察した。得られたLDH緻密体試料の表面微構造のSEM画像は図7に示されるとおりであった。また、電解液への浸漬に先立ち、例1で作製されたLDH緻密体試料の組成をエネルギー分散型X線分析にて分析したところ、表1に示されるAl/Mg比が得られた。
(1)多孔質基材の作製
ベーマイト(サソール社製、DISPAL 18N4−80)、メチルセルロース、及びイオン交換水を、(ベーマイト):(メチルセルロース):(イオン交換水)の質量比が10:1:5となるように秤量した後、混練した。得られた混練物を、ハンドプレスを用いた押出成形に付し、5cm×8cmを十分に超える大きさで且つ厚さ0.5cmの板状に成形した。得られた成形体を80℃で12時間乾燥した後、1150℃で3時間焼成して、アルミナ製多孔質基材を得た。こうして得られた多孔質基材を5cm×8cmの大きさに切断加工した。
得られた多孔質基材をアセトン中で5分間超音波洗浄し、エタノール中で2分間超音波洗浄、その後、イオン交換水中で1分間超音波洗浄した。
原料として、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO3)2・6H2O、関東化学株式会社製)、硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO3)3・9H2O、関東化学株式会社製)、及び尿素((NH2)2CO、シグマアルドリッチ製)を用意した。カチオン比(Mg2+/Al3+)が2となり且つ全金属イオンモル濃度(Mg2++Al3+)が0.320mol/Lとなるように、硝酸マグネシウム六水和物と硝酸アルミニウム九水和物を秤量してビーカーに入れ、そこにイオン交換水を加えて全量を600mlとした。得られた溶液を攪拌した後、溶液中に尿素/NO3 −=4の割合で秤量した尿素を加え、更に攪拌して原料水溶液を得た。
テフロン(登録商標)製密閉容器(内容量800ml、外側がステンレス製ジャケット)に上記(3)で作製した原料水溶液と上記(2)で洗浄した多孔質基材を共に封入した。このとき、基材はテフロン(登録商標)製密閉容器の底から浮かせて固定し、基材両面に溶液が接するように水平に設置した。その後、水熱温度70℃で168時間(7日間)水熱処理を施すことにより基材表面に層状複水酸化物配向膜(セパレータ層)の形成を行った。所定時間の経過後、基材を密閉容器から取り出し、イオン交換水で洗浄し、70℃で10時間乾燥させて、層状複水酸化物(以下、LDHという)の緻密膜(以下、膜試料という)を基材上に得た。得られた膜試料の厚さは約1.5μmであった。こうして、層状複水酸化物含有複合材料試料(以下、複合材料試料という)を得た。なお、LDH膜は多孔質基材の両面に形成されていたが、セパレータとして形態を複合材料に付与するため、多孔質基材の片面のLDH膜を機械的に削り取った。
(5a)膜試料の同定
X線回折装置(リガク社製 RINT TTR III)にて、電圧:50kV、電流値:300mA、測定範囲:10〜70°の測定条件で、膜試料の結晶相を測定したところ、図12に示されるXRDプロファイルが得られた。得られたXRDプロファイルについて、JCPDSカードNO.35−0964に記載される層状複水酸化物(ハイドロタルサイト類化合物)の回折ピークを用いて同定した。その結果、膜試料は層状複水酸化物(LDH、ハイドロタルサイト類化合物)であることが確認された。なお、図12に示されるXRDプロファイルにおいては、膜試料が形成されている多孔質基材を構成するアルミナに起因するピーク(図中で○印が付されたピーク)も併せて観察されている。
膜試料の表面微構造を走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6610LV、JEOL社製)を用いて10〜20kVの加速電圧で観察した。得られた膜試料の表面微構造のSEM画像(二次電子像)を図13に示す。
膜試料について、画像処理を用いた手法により、膜の表面の気孔率を測定した。この気孔率の測定は、1)表面微構造を走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6610LV、JEOL社製)を用いて10〜20kVの加速電圧で観察して膜の表面の電子顕微鏡(SEM)画像(倍率10000倍以上)を取得し、2)Photoshop(Adobe社製)等の画像解析ソフトを用いてグレースケールのSEM画像を読み込み、3)[イメージ]→[色調補正]→[2階調化]の手順でヒストグラムのしきい値を調整して白黒の2値画像を作成し、4)黒い部分が占めるピクセル数を画像の全ピクセル数で割った値を気孔率(%)とすることにより行った。この気孔率の測定は配向膜表面の6μm×6μmの領域について行われた。その結果、膜の表面の気孔率は19.0%であった。また、この膜表面の気孔率を用いて、膜表面から見たときの密度D(以下、表面膜密度という)をD=100%−(膜表面の気孔率)により算出したところ、81.0%であった。
膜試料が透水性を有しない程の緻密性を有することを確認すべく、緻密性判定試験を以下のとおり行った。まず、図15Aに示されるように、上記(1)において得られた複合材料試料120(1cm×1cm平方に切り出されたもの)の膜試料側に、中央に0.5cm×0.5cm平方の開口部122aを備えたシリコンゴム122を接着し、得られた積層物を2つのアクリル製容器124,126で挟んで接着した。シリコンゴム122側に配置されるアクリル製容器124は底が抜けており、それによりシリコンゴム122はその開口部122aが開放された状態でアクリル製容器124と接着される。一方、複合材料試料120の多孔質基材側に配置されるアクリル製容器126は底を有しており、その容器126内にはイオン交換水128が入っている。すなわち、組み立て後に上下逆さにすることで、複合材料試料120の多孔質基材側にイオン交換水128が接するように各構成部材が配置されてなる。これらの構成部材等を組み立て後、総重量を測定した。なお、容器126には閉栓された通気穴(図示せず)が形成されており、上下逆さにした後に開栓されることはいうまでもない。図15Bに示されるように組み立て体を上下逆さに配置して25℃で1週間保持した後、総重量を再度測定した。このとき、アクリル製容器124の内側側面に水滴が付着している場合には、その水滴を拭き取った。そして、試験前後の総重量の差を算出することにより緻密度を判定した。その結果、25℃で1週間保持した後においても、イオン交換水の重量に変化は見られなかった。このことから、膜試料(すなわち機能膜)は透水性を有しない程に高い緻密性を有することが確認された。
膜試料が通気性を有しない程の緻密性を有することを確認すべく、緻密性判定試験を以下のとおり行った。まず、図16A及び16Bに示されるように、蓋の無いアクリル容器130と、このアクリル容器130の蓋として機能しうる形状及びサイズのアルミナ治具132とを用意した。アクリル容器130にはその中にガスを供給するためのガス供給口130aが形成されている。また、アルミナ治具132には直径5mmの開口部132aが形成されており、この開口部132aの外周に沿って膜試料載置用の窪み132bが形成されてなる。アルミナ治具132の窪み132bにエポキシ接着剤134を塗布し、この窪み132bに複合材料試料136の膜試料136b側を載置してアルミナ治具132に気密かつ液密に接着させた。そして、複合材料試料136が接合されたアルミナ治具132を、アクリル容器130の開放部を完全に塞ぐようにシリコーン接着剤138を用いて気密かつ液密にアクリル容器130の上端に接着させて、測定用密閉容器140を得た。この測定用密閉容器140を水槽142に入れ、アクリル容器130のガス供給口130aを圧力計144及び流量計146に接続して、ヘリウムガスをアクリル容器130内に供給可能に構成した。水槽142に水143を入れて測定用密閉容器140を完全に水没させた。このとき、測定用密閉容器140の内部は気密性及び液密性が十分に確保されており、複合材料試料136の膜試料136b側が測定用密閉容器140の内部空間に露出する一方、複合材料試料136の多孔質基材136a側が水槽142内の水に接触している。この状態で、アクリル容器130内にガス供給口130aを介してヘリウムガスを測定用密閉容器140内に導入した。圧力計144及び流量計146を制御して膜試料136a内外の差圧が0.5atmとなる(すなわちヘリウムガスに接する側に加わる圧力が反対側に加わる水圧よりも0.5atm高くなる)ようにして、複合材料試料136から水中にヘリウムガスの泡が発生するか否かを観察した。その結果、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。よって、膜試料136bは通気性を有しない程に高い緻密性を有することが確認された。
(1)多孔質基材付きセパレータの用意
例1と同様の手順により、多孔質基材付きセパレータとして、アルミナ基材上ハイドロタルサイト膜(サイズ:5cm×8cm)を用意した。
亜鉛及びコバルトを固溶体となるように添加した水酸化ニッケル粒子を用意した。この水酸化ニッケル粒子を水酸化コバルトで被覆して正極活物質を得た。得られた正極活物質と、カルボキシメチルセルロースの2%水溶液とを混合してペーストを調製した。正極活物質の多孔度が50%となるように、多孔度が約95%のニッケル金属多孔質基板からなる集電体に上記得られたペーストを均一に塗布して乾燥し、活物質部分が5cm×5cmの領域にわたって塗工された正極板を得た。このとき、4Ah相当の水酸化ニッケル粒子が活物質中に含まれるように塗工量を調整した。
銅パンチングメタルからなる集電体上に、酸化亜鉛粉末80重量部、亜鉛粉末20重量部及びポリテトラフルオロエチレン粒子3重量部からなる混合物を塗布して、多孔度約50%で、活物質部分が5cm×5cmの領域にわたって塗工された負極板を得た。このとき、正極板容量の4Ah相当の酸化亜鉛粉末が活物質中に含まれるように塗工量を調整した。
上記得られた正極板、負極板、及び多孔質基材付きセパレータを用いて、図1に示されるようなニッケル亜鉛電池を以下のような手順で組み立てた。
作製したニッケル亜鉛電池に対して、設計容量4Ahの0.1C相当の0.4mAの電流で10時間定電流充電を実施した。充電後、ケースの変形や電解液の漏れは観察されなかった。充電後の電解液量を観察したところ、正極室の電解液の液面高さはケース底より約7.5cm、負極室の電解液の液面高さはケース底より約5.2cmであった。充電により、正極室電解液が増加し、負極室電解液が減少したものの、負極活物質塗工部分には十分な電解液があり、充放電を通して、塗工した正極活物質及び負極活物質が、十分な充放電反応を起こす電解液をケース内に保持できていた。
(1)多孔質基材付きセパレータの用意
例1と同様の手順により、多孔質基材付きセパレータ(以下、単にセパレータという)として、アルミナ基材上ハイドロタルサイト膜を用意した。
空気極触媒としてのα−MnO2粒子を次のようにして作製した。まず、Mn(SO4)・5H2O及びKMnO4を5:13のモル比で脱イオン水に溶かして混合した。得られた混合液をテフロン(登録商標)が内貼りされたステンレス製密閉容器に入れ、140℃で水熱合成を2時間行う。水熱合成により得られた沈殿物をろ過し、蒸留水で洗浄した後、80℃で6時間乾燥した。こうしてα−MnO2の粉末を得た。
アニオン交換膜(アストム社、ネオセプタAHA)を1MのNaOH水溶液に一晩浸漬させた。このアニオン交換膜をセパレータのハイドロタルサイト膜上に中間層として積層して、セパレータ/中間層積層体を得る。中間層の厚さは30μmである。得られたセパレータ/中間層積層体に、先に作製した空気極層/集電体の積層シートを、空気極層側が中間層と接するように圧着して、セパレータ付き空気極試料を得る。
銅パンチングメタルからなる集電体上に、酸化亜鉛粉末80重量部、亜鉛粉末20重量部及びポリテトラフルオロエチレン粒子3重量部からなる混合物を塗布して、多孔度約50%で活物質部分が塗工された負極板を得る。
ニッケルメッシュからなる集電体上に白金ペーストを塗布して、第三電極を得る。
上記得られたセパレータ付き空気極、負極板、及び第三電極を用いて、図3Aに示されるような横型構造の亜鉛空気二次電池を以下のような手順で作製する。まず、ABS樹脂製で直方体形状を有する蓋の無い容器(以下、樹脂容器という)を用意する。この樹脂容器の底に負極板を、負極活物質が塗工された側が上を向くように載置する。このとき、負極集電体が樹脂容器の底部に接しており、負極集電体の端部が樹脂容器側面に貫通して設けられる外部端子と接続する。次に、樹脂容器内壁の負極板の上面よりも高い位置に(すなわち負極板と接触せず充放電反応に関与しない位置)に第三電極を設け、不織布セパレータを第三電極と接触するように配置する。樹脂容器の開口部をセパレータ付き空気極で空気極側が外側になるように塞ぎ、その際、開口部の外周部分に市販の接着剤を塗工して気密性及び液密性を与えるように封止して接着する。樹脂容器の上端近傍に設けられた小さな注入口を介して樹脂容器内に6mol/LのKOH水溶液を電解液として注入する。こうして、セパレータが電解液と接触するとともに、不織布セパレータの保液性により電解液の増減に関わらず電解液が第三電極に常時接触可能な状態とされる。このとき、注入する電解液の量は、放電末状態で電池を作製すべく、樹脂容器内で負極活物質塗工部分が十分に隠れるだけでなく、充電時に減少することが見込まれる水分量を考慮した過剰量とする。したがって、樹脂容器は上記過剰量の電解液を収容できるように設計されている。最後に、樹脂容器の注入口を封止する。こうして樹脂容器及びセパレータで区画された内部空間は気密且つ液密に密閉されている。最後に第三電極と空気極の集電層とを外部回路を介して接続する。こうして亜鉛空気二次電池を得る。
12 正極
13 正極集電体
14 正極電解液
16 負極
17 負極集電体
18 負極電解液
20 セラミックスセパレータ
22 容器
24 正極室
25 正極側余剰空間
26 負極室
27 負極側余剰空間
28 多孔質基材
30 亜鉛空気二次電池
32 空気極
34 負極
36 電解液
38 第三電極
40 セラミックスセパレータ
42 正極集電体
44 負極集電体
46 容器
46a 開口部
48 多孔質基材
Claims (17)
- 水酸化物イオン伝導性セラミックスセパレータを用いた二次電池であって、該二次電池が、正極と、負極と、アルカリ金属水酸化物水溶液である電解液と、該電解液と接触し、かつ、前記正極と前記負極を隔離する、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質体からなるセラミックスセパレータとを備えてなり、
前記無機固体電解質体が、M2+ 1−xM3+ x(OH)2An− x/n・mH2O(式中、M2+は2価の陽イオンであり、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオンであり、nは1以上の整数であり、xは0.1〜0.4である)の基本組成を有する層状複水酸化物からなり、
M2+及び/又はM3+に対応する金属元素を含む金属化合物が前記電解液に溶解され、それにより前記層状複水酸化物の前記電解液による浸食が抑制されるように構成されてなる、二次電池。 - 前記アルカリ金属水酸化物水溶液が水酸化カリウム水溶液である、請求項1に記載の二次電池。
- 前記金属元素が、金属イオン、水酸化物及び/又はヒドロキシ錯体の形態で前記電解液に溶解されてなる、請求項1又は2に記載の二次電池。
- 前記金属化合物が前記電解液に予め溶解されてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記一般式において、M2+がMg2+を含み、M3+がAl3+を含み、An−がOH−及び/又はCO3 2−を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記金属化合物がM3+に対応する金属元素を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記金属化合物がAlを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記金属化合物が、水酸化アルミニウム及び/又はγアルミナである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記電解液におけるAlの濃度が0.1mol/L以上である、請求項7又は8に記載の二次電池。
- 前記電解液におけるAlの濃度が2.0mol/L以上である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記無機固体電解質体が90%以上の相対密度を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記無機固体電解質体が、板状、膜状又は層状の形態を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記セラミックスセパレータの片面又は両面に多孔質基材をさらに備えた、請求項1〜12のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記多孔質基材がアルミナ製又はジルコニア製である、請求項13に記載の二次電池。
- 前記無機固体電解質体が膜状又は層状の形態であり、該膜状又は層状の無機固体電解質体が前記多孔質基材上又はその中に形成されたものである、請求項13又は14に記載の二次電池。
- 前記無機固体電解質体が透水性及び通気性を有しない程に緻密化されたものである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記無機固体電解質体が水熱処理によって緻密化されたものである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の二次電池。
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