JP2016068481A - 積層フィルムの製造方法、回路基板の製造方法、ロール体および離型フィルム - Google Patents

積層フィルムの製造方法、回路基板の製造方法、ロール体および離型フィルム Download PDF

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塚 健 祐 大
Kensuke Otsuka
塚 健 祐 大
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井 達 也 坪
川 健 一 小
Kenichi Ogawa
川 健 一 小
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Satoshi Honma
間 聡 本
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【課題】巻き取られた状態の積層フィルムを加熱する際に温度のばらつきが生じることを抑制することができる、積層フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】積層フィルムの製造方法は、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた透明導電膜と、を有する積層フィルムを準備する準備工程と、積層フィルムを巻き取る巻取工程と、巻き取られた状態の積層フィルムを加熱する加熱処理工程と、を備えている。巻取工程において、巻き取られることによって互いに積み重ねられる積層フィルムの間には、離型面を有する離型フィルムが挿入される。離型フィルムには、複数の熱伝導性フィラーが分散されている。【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電膜を有する積層フィルムを加熱して加熱処理済みの積層フィルムを製造する方法に関する。また本発明は、加熱処理済みの積層フィルムの透明導電膜をパターニングして回路基板を製造する方法に関する。また本発明は、巻き取られた積層フィルムを備えるロール体に関する。また本発明は、ロール体においてフィルム間に挿入される離型フィルムに関する。
近年、タッチパネル装置、有機EL表示装置、液晶表示装置や電子ペーパーなど、様々な薄型の電子デバイスが実用化されている。これら電子デバイスは、一般に、透明性を有する導電性パターンが設けられた回路基板を含んでいる。透明性を有する導電性パターンは、外部導体の接近や接触を検出する検出回路や、半導体などの電子素子を駆動するための駆動回路を形成するために利用される。
回路基板を作製する方法の1つとして、はじめに、基材フィルム上に透明導電膜が設けられた積層フィルムを準備し、次に、エッチング法やレーザーアブレーション法などによって透明導電膜をパターニングして導電性パターンを形成する、という方法が知られている。透明導電膜を基材フィルム上に設ける方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法などを用いて、インジウム錫酸化物などを含む透明導電膜を成膜する方法が知られている。
また近年、複数の導電性粒子によって構成された線状の導電性ワイヤを互いに絡み合わせて網の目状とすることによって、透明導電膜を構成することが提案されている。このような透明導電膜は、金属ナノワイヤとも称されるものである。例えば、導電性粒子として銀粒子を用いた銀ナノワイヤや、銅粒子を用いた銅ナノワイヤが知られている。また、導電性粒子として、インジウム錫酸化物などの導電性を有する金属酸化物の粒子を用いることも知られている。導電性ワイヤを有する透明導電膜は、塗布法を用いることによって成膜され得るので、真空蒸着法やスパッタリング法などの方法に比べて簡易な設備で安価に作製され得る。
塗布法を用いた製膜法として、例えば特許文献1において、導電性粒子を含む塗布液を基材フィルム上に塗布して透明導電膜を形成する工程と、透明導電膜を加熱する加熱処理工程と、を備えた、積層フィルムの製造方法が提案されている。加熱処理工程は、導電性粒子同士の接触を強化して透明導電膜の導電性を高めるために実施されるものである。なお真空蒸着法やスパッタリング法などの物理的な成膜法が用いられる場合にも、透明導電膜の導電性を高めるために加熱処理工程が実施されることがある。例えば、物理的な成膜法によって得られたインジウム錫酸化物などを含む透明導電膜において、インジウム錫酸化物などがアモルファス状である場合に、インジウム錫酸化物などの結晶化を促進するために加熱処理工程を実施することが知られている。
特開2011−86582号公報
特許文献1に記載の方法において、加熱処理工程は、搬送されている積層フィルムの透明導電膜を加熱することによって実施される。この場合、透明導電膜を長時間にわたって十分に均一に加熱するためには、透明導電膜を加熱するための設備を、積層フィルムの搬送路に沿って長距離にわたって設けるか、若しくは、積層フィルムの搬送速度を低くする必要がある。前者の場合、加熱処理工程のための設備の全長が大きくなるという不利益が生じ、また後者の場合、積層フィルムの生産性が低下するという不利益が生じてしまう。また、搬送のための張力を積層フィルムに加えた状態で加熱処理工程が実施されるので、基材フィルムのリタデーションの値に、位置によるばらつきが生じ、この結果、基材フィルムにおける光の透過性が劣化してしまうことも考えられる。
さらに、塗布液を基材フィルム上に塗布した直後に加熱処理工程を実施すると、加熱ムラが生じ、これによって、積層フィルムの光学特性に、位置によるばらつきがさらに生じてしまうことがある。このような課題を考慮すると、積層フィルムを一旦巻き取った後に再び積層フィルムを巻き出して加熱処理工程を実施する、という対応や、透明導電膜をゆっくりと徐々に加熱する、という対応が必要になることもある。この場合、加熱処理工程のための設備の全長がさらに長くなってしまう。
ところで、積層フィルムの透明導電膜を加熱する方法としては、搬送されている積層フィルムの透明導電膜を加熱するという方法だけでなく、巻き取られた状態の積層フィルムによって構成されるロール体を加熱するという方法も考えられる。しかしながら、ロール体を、例えばロール体の周囲雰囲気の温度を高めることによって加熱する場合、ロール体の表面近傍に位置する積層フィルムの温度と、ロール体の中心近傍に位置する積層フィルムの温度との間に大きな差が生じることが考えられる。この場合、基材フィルムの特性や透明導電層の特性に、位置によるばらつきが生じてしまう。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、巻き取られた状態の積層フィルムを加熱する際に温度のばらつきが生じることを抑制することができる、積層フィルムの製造方法、積層フィルムのロール体または離型フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、加熱処理済みの積層フィルムの製造方法であって、基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた透明導電膜と、を有する積層フィルムを準備する準備工程と、前記積層フィルムを巻き取る巻取工程と、巻き取られた状態の前記積層フィルムを加熱する加熱処理工程と、を備え、前記巻取工程において、巻き取られることによって互いに積み重ねられる積層フィルムの間には、離型面を有する離型フィルムが挿入され、前記離型フィルムには、複数の熱伝導性フィラーが分散されている、積層フィルムの製造方法である。
本発明による積層フィルムの製造方法において、前記離型フィルムの幅は、前記積層フィルムの幅よりも大きくなっていてもよい。
本発明による積層フィルムの製造方法において、前記離型フィルムは、複数の熱伝導性フィラーが分散されたベース層と、前記離型面を構成する離型層と、を有していてもよい。
本発明による積層フィルムの製造方法において、前記離型フィルムは、複数の熱伝導性フィラーが分散されたベース層を備え、前記熱伝導性フィラーの少なくとも一部は、前記離型フィルムの表面に少なくとも部分的に露出しており、前記熱伝導性フィラーが露出している前記表面が、前記離型面を構成していてもよい。
本発明による積層フィルムの製造方法において、前記積層フィルムの前記透明導電膜は、複数の導電性粒子によって構成された線状の導電性ワイヤを有していてもよい。
本発明は、上記記載の前記加熱処理済みの積層フィルムを準備する工程と、前記積層フィルムの前記透明導電膜をパターニングして導電性パターンを形成する工程と、を備える、回路基板の製造方法である。
本発明は、巻き取られた積層フィルムと、巻き取られることによって互いに積み重ねられた積層フィルムの間に挿入された、離型面を有する離型フィルムと、を備え、前記積層フィルムは、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた透明導電膜と、を有し、前記離型フィルムには、複数の熱伝導性フィラーが分散されている、ロール体である。
本発明は、巻き取られたフィルムを備えるロール体においてフィルム間に挿入される離型フィルムであって、前記離型フィルムには、複数の熱伝導性フィラーが分散されている、離型フィルムである。
本発明によれば、巻き取られた状態の積層フィルムを加熱する際に温度のばらつきが生じることを抑制することができる。
図1は、本発明の実施の形態における積層フィルム製造装置を示す図。 図2は、図1に示すロール体を拡大して示す図。 図3は、図2に示すロール体を線IIに沿って切断した場合を示す図。 図4は、積層フィルムの層構成の一例を示す図。 図5は、離型フィルムの層構成の一例を示す図。 図6は、離型フィルムの層構成の一例を示す図。
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態について説明する。はじめに、本実施の形態における製造方法によって製造される積層フィルム18について説明する。
積層フィルム
図4に示すように、積層フィルム18は、基材フィルム11と、基材フィルム11上に設けられた透明導電膜16と、を有している。基材フィルム11は、積層フィルム18を製造する際のベースとなるものであり、例えば合成樹脂を含んでいる。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどの、可撓性及び透明性を有する樹脂が用いられる。基材フィルム11の厚みは、例えば20μm〜200μmの範囲内となっている。
透明導電膜16は、透明性および導電性を有するよう構成された膜である。なお本実施の形態において、「透明」とは、基材フィルム11および透明導電膜16を含む積層フィルム18の、光波長380nm〜780nmの範囲内における全光線透過率が70%以上であることを意味している。「全光線透過率」とは、正反射率と拡散反射率の合計である。全光線反射率は、JIS K7375の全光線反射率測定法に準拠して求められ得る。具体的には、全光線反射率は、角度をつけて光を積層フィルム18に入射させた場合の反射率を、分光光度計と、積分球試験台とを用いて光波長380nm〜780nmにおいて10nm間隔で測定し、それらの平均値を算出することによって求められ得る。なお、全光線反射率は、硫酸バリウムを含む標準白色板の反射率を100%とした相対値として求められる。
透明導電膜16を構成する材料としては、例えば、インジウム錫酸化物やインジウム亜鉛酸化物などの、導電性を有する金属酸化物材料が用いられ得る。この場合、透明導電膜16の厚みは、例えば10nm〜300nmの範囲内となっている。
また透明導電膜16は、複数の導電性粒子によって構成された線状の導電性ワイヤを有するものであってもよい。この場合、導電性ワイヤを互いに絡み合わせて網の目状とすることによって、透明導電膜16における透明性および導電性が確保されている。導電性ワイヤの導電性粒子を構成する材料としては、銀や銅などの金属材料を用いることができる。例えば特開2014−63444号公報に、金属ナノワイヤの金属の例として記載されている材料を用いることができる。また導電性粒子を構成する材料として、インジウム錫酸化物やインジウム亜鉛酸化物などの金属酸化物材料を用いてもよい。導電性粒子が分散された塗布液を基材フィルム11上に塗布することによって透明導電膜16を成膜する場合、導電性粒子を分散させる溶媒として作用する液体としては、飽和炭化水素類や芳香族炭化水素類の、公知の溶媒を適宜用いることができる。例えば特開2014−63444号公報に、分散媒の例として記載されている材料を用いることができる。また塗布液には、導電性粒子および溶媒に加えて、必要に応じて樹脂が含まれていてもよい。
離型フィルム
後述するように、積層フィルム18は、巻き取られることによってロール体19を構成するようになる。また、積層フィルム18が巻き取られる際、巻き取られることによって互いに積み重ねられる各積層フィルム18の間には、離型面22aを有する離型フィルム22が挿入される。以下、図5を参照して離型フィルム22について説明する。
図5に示すように、離型フィルム22は、ベース層26と、ベース層26上に設けられた離型層27と、を有しており、離型層27が離型面22aを構成している。「離型面」とは、積層フィルム18から容易に剥離され得るように構成された面のことである。このような離型面22aを有する離型層27を構成する材料としては、公知の離型フィルムにおいて用いられる材料を適宜用いることができる。例えば、シロキサン系材料、フッ素系材料、ポリオレフィン系材料などを用いて離型層27を構成することができる。離型層27を適切に支持することができる限りにおいて、ベース層26を構成する材料が特に限られることはない。例えば、ポリオレフィン系材料、ポリエステル系材料などを用いてベース層26を構成することができる。
本実施の形態において、離型フィルム22は、後述する加熱処理工程において、加熱されたロール体19の積層フィルム18に、位置による温度のばらつきが生じることを抑制するように構成されている。例えば図5に示すように、ベース層26には複数の熱伝導性フィラー28が分散されている。離型フィルム22がこれら複数の熱伝導性フィラー28を含むことにより、離型フィルム22の熱伝導率を、従来の離型フィルムの熱伝導率よりも高くすることができる。例えば、離型フィルム22の熱伝導率は、少なくとも離型フィルム22の長手方向および幅方向において、100W/(m・K)以上になっている。これによって、後述するように、ロール体19の積層フィルム18をより均一に加熱することができるようになる。なお「長手方向」とは、積層フィルム18間に挿入された離型フィルム22が積層フィルム18とともに巻き取られる方向のことである。また「幅方向」とは、離型面22a内において長手方向に交差する方向、例えば直交する方向のことである。また以下の説明において、特に断らない限り、「離型フィルム22の熱伝導率」とは、23℃の環境下における離型フィルム22の熱伝導率を意味している。
少なくとも離型フィルム22の長手方向および幅方向において、離型フィルム22の熱伝導率を100W/(m・K)以上にすることができる限りにおいて、離型フィルム22、ベース層26、熱伝導性フィラー28の寸法や熱伝導性フィラー28を構成する材料などが特に限られることはない。例えば、熱伝導性フィラー28として、カーボンナノチューブ、グラフェン、銀、金、銅、アルミニウム、銀ナノワイヤ、金ナノワイヤ、銅ナノワイヤ、アルミナノワイヤ、シリカ、シリコンなどから構成された、1nm〜10μmの範囲内の粒子径を有するものを用いることができる。離型フィルム22の厚みは、例えば10μm〜200μmの範囲内になっており、またベース層26の厚みは、例えば5μm〜188μmの範囲内になっている。
図5に示すように離型フィルム22がベース層26および離型層27を有する場合、好ましくは、複数の熱伝導性フィラー28は、離型フィルム22における熱伝導率が方向に依らず均一になるようにベース層26に分散される。ここで「均一」とは、離型フィルム22の長手方向および幅方向における熱伝導率と、離型フィルム22の厚み方向における熱伝導率との差が10%以下であることを意味している。
離型フィルム22における熱伝導性フィラー28の重量%は、離型フィルム22に対して求められる熱伝導率に応じて適宜設定される。本件発明者が鋭意研究を行ったところ、後述する積層フィルムの製造方法を実施する上では、離型フィルム22における熱伝導性フィラー28の重量%が50%以上であること、より好ましくは60%以上であることが好適であるという知見を得た。具体的には、離型フィルム22におけるフィラー28の重量%が50%以上であると、ロールの巻き外と巻内での温度差が20%以内に入り、フィラー28の重量%が60%以上であると温度差が15%以下になるという結果が得られている。一方、熱伝導性フィラー28の重量%が大きくなりすぎると、離型フィルム22の離型性が損なわれること、すなわち離型フィルム22が積層フィルム18から剥離されにくくなることがあった。この離型性の観点からは、ベース層26における熱伝導性フィラー28の重量%が80%以下であること、より好ましくは70%以下であることが好適であるという知見を得た。具体的には、離型フィルム22におけるフィラー28の重量%が80%以下であると、テープ剥離力が1.00N/50mm以下、離型フィルム22におけるフィラー28の重量%が70%以下であると、テープ剥離力が0.6N/50mm以下になるという結果が得られている。なお、この知見を得た際の設定条件は以下のとおりである。
離型フィルム22に必要な熱伝導率:100W/(m・K)
ベース層26を構成する材料:エチレン・プロピレン共重合体
熱伝導性フィラー28を構成する材料:ナノ銀粒子
上記「テープ剥離力」に関して、ここでは、テープ幅が50mmの日東電工製31Bテープを離型フィルム22の離型層27側に、ゴムロールを2kgの荷重で1往復させることによって圧着した後、室温で1時間放置し、その後、温度23℃、速度300m/minで180°の方向にテープを離型フィルム22から引きはがす際に要する力を測定し、これを剥離力とした。
積層フィルムの製造方法
次に、図1に示す積層フィルム製造装置10を用いて加熱処理済みの積層フィルム18を製造する方法について説明する。
〔準備工程〕
はじめに、長尺状の基材フィルム11が巻きつけられた第1コア12を準備する。なお「長尺状」とは、基材フィルム11が搬送される方向における基材フィルム11の寸法が、基材フィルム11が搬送される方向に直交する方向における基材フィルム11の寸法の少なくとも5倍以上になっていることを意味している。
次に成膜装置15を用いて、基材フィルム11上に透明導電膜16を成膜する。例えば、はじめに、溶媒と、溶媒中に分散された複数の銀粒子などの導電性粒子とを含む塗布液を11上に塗布する。その後、必要に応じて塗布液を加熱することなどによって塗布液を乾燥させる。これによって、複数の導電性粒子によって構成された線状の導電性ワイヤを含む透明導電膜16を形成することができる。このようにして、基材フィルム11および透明導電膜16を有する積層フィルム18が得られる。塗布液を基材フィルム11に塗布する方法としては、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコートなど公知の方法が用いられる。
〔積層工程〕
次に、積層装置20を用いて離型フィルム22を積層フィルム18に積層させる積層工程を実施する。まず図1に示すように、長尺状の離型フィルム22が巻きつけられたコア21を準備する。次に、搬送されている積層フィルム18に向けて離型フィルム22を巻き出し、そして、離型面22aを積層フィルム18側に向けた状態で離型フィルム22を積層フィルム18に積層させる。この際、通常は、積層フィルム18の透明導電膜16が離型フィルム22の離型面22aに接するように積層フィルム18と離型フィルム22とが積層される。この時、積層ロール23を利用して離型フィルム22を積層フィルム18に向けて押し付けてもよい。
〔巻取工程〕
その後、図1に示すように、第2コア13を用いて積層フィルム18を巻き取る巻取工程を実施する。ここで上述のように、積層フィルム18上には離型フィルム22が積層されている。従って、巻取工程において、巻き取られることによって互いに積み重ねられる各積層フィルム18の間には、離型フィルム22が挿入されることになる。この結果、巻き取られた状態の積層フィルム18と、各積層フィルム18の間に挿入された離型フィルム22と、を備えるロール体19が得られる。図2は、図1に示すロール体19を拡大して示す図である。また図3は、図2に示すロール体19を線IIに沿って切断した場合を示す図である。
〔加熱処理工程〕
次に、加熱処理装置30を用いて、巻き取られた状態の積層フィルム18を含む上述のロール体19を加熱する加熱処理工程を実施する。これによって、透明導電膜16に含まれる複数の導電性粒子同士の接触を強化することができ、このことにより、透明導電膜16の導電性を高めることができる。加熱処理装置30としては、例えば、ロール体19の周囲雰囲気の温度を高めることによってロール体19を加熱するものが用いられ得る。
ここで本実施の形態によれば、各積層フィルム18間に挿入される離型フィルム22として、複数の熱伝導性フィラー28が分散されたものが用いられる。このため、離型フィルム22の熱伝導率は、少なくとも離型フィルム22の長手方向および幅方向において、従来の離型フィルムの熱伝導率よりも高くなっている。例えば、離型フィルム22の熱伝導率は、少なくとも離型フィルム22の長手方向および幅方向において、100W/(m・K)以上になっている。このため、ロール体19の表面近傍に位置する積層フィルム18の温度と、ロール体19の中心近傍すなわち第2コア13近傍に位置する積層フィルム18の温度との間に大きな差が生じてしまうことを抑制することができ、例えば温度差を10℃以下にすることができる。また、第2コア13の軸方向において第2コア13の端部近傍に位置する積層フィルム18の温度と、第2コア13の中央近傍に位置する積層フィルム18の温度との間に大きな差が生じてしまうことを抑制することができ、例えば温度差を10℃以下にすることができる。従って、ロール体19を加熱する際に、ロール体19における積層フィルム18の位置に応じて積層フィルム18の温度がばらついてしまうことを抑制することができ、これによって、基材フィルム11の特性や透明導電膜16の特性がばらついてしまうことを抑制することができる。
また本実施の形態によれば、張力が加えられて搬送されている状態の積層フィルム18が加熱される場合に比べて、基材フィルム11のリタデーションの値が位置に応じてばらつくことを抑制することができる。このため、積層フィルム18の光学特性のばらつきをさらに抑制することができる。また、設備の全長が大きくなってしまうことや、積層フィルム18の搬送速度が低くなってしまうことを回避することができる。
好ましくは、図3に示すように、離型フィルム22の幅W2は、積層フィルム18の幅W1よりも大きくなっている。この場合、図3に示すように、軸方向における第2コア13の端部近傍の空間において、積層フィルム18の積層体から離型フィルム22が外側へ突出するようになる。このことにより、離型フィルム22のうちロール体19の周囲雰囲気に接する部分の面積を増加させることができる。これによって、熱を周囲雰囲気から離型フィルム22へより効率的に伝導させることができる。従って、ロール体19における積層フィルム18の位置に応じて積層フィルム18の温度がばらついてしまうことをさらに抑制することができる。
また好ましくは、積層フィルム18の透明導電膜16としては、より高い熱伝導率を有するものが用いられる。例えば、透明導電膜16として、銀粒子を用いた銀ナノワイヤを含むものが用いられる。この場合、加熱処理工程において、周囲雰囲気からの熱は、離型フィルム22だけでなく透明導電膜16を通ってロール体19の中心側へ伝導する。このため、ロール体19における積層フィルム18の位置に応じて積層フィルム18の温度がばらついてしまうことをさらに抑制することができる。また、透明導電膜16が高い熱伝導率を有する場合、離型フィルム22に対して求められる熱伝導性が軽減されるので、離型フィルム22に添加される熱伝導性フィラー28の量を削減することができる。このため、離型フィルム22の剥離性をより確実に確保することができる。
ところで、上述のように加熱処理装置30としてロール体19の周囲雰囲気の温度を高めるタイプのものが用いられる場合、熱伝導性フィラー28が分散された離型フィルム22を用いたとしても、第2コア13近傍に位置する積層フィルム18の温度の方が、ロール体19の表面近傍に位置する積層フィルム18の温度よりも低くなってしまう。このような点を考慮し、ロール体19に含まれる離型フィルム22は、ロール体19の表面側から第2コア13側へ向かうにつれて少なくとも部分的に離型フィルム22の幅W2が大きくなるよう、構成されていてもよい。この場合、第2コア13側へ向かうにつれて、周囲雰囲気に接する離型フィルム22の面積が増加することになり、このため、第2コア13の近傍に位置する積層フィルム18をより効率的に加熱することができる。このことにより、ロール体19における積層フィルム18の位置に応じて積層フィルム18の温度がばらついてしまうことをさらに抑制することができる。
回路基板の製造方法
次に、本実施の形態による製造方法によって得られた加熱処理済みの積層フィルム18を用いて、回路基板を製造する方法について説明する。
はじめに、上述の加熱処理済みの積層フィルム18を準備する。次に、積層フィルム18の透明導電膜16をパターニングして導電性パターンを形成する。これによって、基材フィルム11と、基材フィルム11上に設けられた、透明性を有する導電性パターンと、を備える回路基板を得ることができる。透明導電膜16をパターニングする方法としては、導電性パターンに対応したパターンで透明導電膜16上に設けられた感光層をマスクとして透明導電膜16をエッチングする方法や、導電性パターンに対応したパターンで透明導電膜16にレーザーを照射するレーザーアブレーション法など、公知の方法が適宜用いられ得る。なお本実施の形態において、「パターン」とは、視覚的な効果を呈するための絵柄や、電気的な効果を呈するための配線など、所定の軌跡に沿って形成された、厚みを有する実在物を意味している。「所定の軌跡」は、規則的な軌跡だけでなく、無秩序に決定される軌跡をも含む概念である。
変形例
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(離型フィルムの変形例)
上述の本実施の形態においては、離型フィルム22が、ベース層26と、ベース層26上に設けられ、離型面22aを構成する離型層27を有する例を示した。しかしながら、積層フィルム18に対する離型性を離型フィルム22が有することができる限りにおいて、離型フィルム22が離型層27を有していなくてもよい。例えば図6に示すように、離型フィルム22は、ベース層26に分散された熱伝導性フィラー28の少なくとも一部が離型フィルム22の表面に部分的に露出するように構成されていてもよい。この場合、露出している熱伝導性フィラー28により、積層フィルム18と離型フィルム22との間の接触面積が少なくなるので、熱伝導性フィラー28が露出している離型フィルム22の表面が、離型面22aを構成することができる。
(加熱処理装置の変形例)
また上述の本実施の形態においては、加熱処理装置30として、ロール体19の周囲雰囲気の温度を高めるタイプのものが用いられる例を示した。しかしながら、ロール体19を加熱することができる限りにおいて、加熱処理装置30の具体的な構成が特に限られることはない。例えば、図示はしないが、加熱処理装置30は、積層フィルム18を巻き取る第2コア13の温度を高めるよう構成されたものであってもよい。例えば加熱処理装置30は、第2コア13の内部に設けられたヒーターを含んでいてもよい。この場合、加熱処理装置30は、ロール体19を中心側すなわち第2コア13側から加熱することができる。この結果、ロール体19の表面近傍に位置する積層フィルム18の温度が、第2コア13近傍に位置する積層フィルム18の温度よりも低くなる。この場合であっても、本実施の形態によれば、離型フィルム22が高い熱伝導性を有することにより、ロール体19の表面近傍に位置する積層フィルム18の温度と第2コア13近傍に位置する積層フィルム18の温度との差が大きくなってしまうことを抑制することができる。なお加熱処理装置30は、周囲雰囲気の温度および第2コア13の温度の両方を高めるよう構成されたものであってもよい。
(加熱処理装置の変形例)
また本実施の形態においては、積層フィルム製造装置10において、基材フィルム11上に透明導電膜16を成膜する成膜装置15と、積層フィルム18に離型フィルム22を積層させる積層装置20と、巻き取られた状態の積層フィルム18を加熱する加熱処理装置30とが一連のものとして設けられている例を示した。しかしながら、成膜装置15、積層装置20、加熱処理装置30の具体的な配置が特に限られることはない。例えば、成膜装置15、積層装置20および加熱処理装置30は、それぞれ別ラインの装置として構成されていてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
離型フィルム22の長手方向および幅方向における熱伝導率を様々に変化させて、ロール体19の表面における積層フィルム18の温度とロール体19の中心における積層フィルム18の温度との差を10℃以下にするために必要な熱伝導率の値を探索した。離型フィルム22としては、厚み25μmのものを仮定した。ロール体19としては、ロール体19の直径が570mmであり、積層フィルム18の厚みが100μmであるものを仮定した。結果、温度差を10℃以下にするためには、離型フィルム22の熱伝導率を200W/(m・K)以上にすることが必要であった。
(実施例2)
離型フィルム22の厚みを50μmに設定したこと以外は、実施例1の場合と同様にして、温度差を10℃以下にするために必要な熱伝導率の値を探索した。結果、温度差を10℃以下にするためには、離型フィルム22の熱伝導率を100W/(m・K)以上にすることが必要であった。
(実施例3)
離型フィルム22の厚みを100μmに設定したこと以外は、実施例1の場合と同様にして、温度差を10℃以下にするために必要な熱伝導率の値を探索した。結果、温度差を10℃以下にするためには、離型フィルム22の熱伝導率を100W/(m・K)以上にすることが必要であった。
10 積層フィルム製造装置
11 基材フィルム
12 第1コア
13 第2コア
15 成膜装置
16 透明導電膜
18 積層フィルム
19 ロール体
20 積層装置
21 コア
22 離型フィルム
22a 離型面
23 積層ロール
26 ベース層
27 離型層
28 熱伝導性フィラー
30 加熱処理装置

Claims (8)

  1. 加熱処理済みの積層フィルムの製造方法であって、
    基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた透明導電膜と、を有する積層フィルムを準備する準備工程と、
    前記積層フィルムを巻き取る巻取工程と、
    巻き取られた状態の前記積層フィルムを加熱する加熱処理工程と、を備え、
    前記巻取工程において、巻き取られることによって互いに積み重ねられる積層フィルムの間には、離型面を有する離型フィルムが挿入され、
    前記離型フィルムには、複数の熱伝導性フィラーが分散されている、積層フィルムの製造方法。
  2. 前記離型フィルムの幅は、前記積層フィルムの幅よりも大きくなっている、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
  3. 前記離型フィルムは、複数の熱伝導性フィラーが分散されたベース層と、前記離型面を構成する離型層と、を有する、請求項1または2に記載の積層フィルムの製造方法。
  4. 前記離型フィルムは、複数の熱伝導性フィラーが分散されたベース層を備え、
    前記熱伝導性フィラーの少なくとも一部は、前記離型フィルムの表面に少なくとも部分的に露出しており、前記熱伝導性フィラーが露出している前記表面が、前記離型面を構成する、請求項1または2に記載の積層フィルムの製造方法。
  5. 前記積層フィルムの前記透明導電膜は、複数の導電性粒子によって構成された線状の導電性ワイヤを有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層フィルムの製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の前記加熱処理済みの積層フィルムを準備する工程と、
    前記積層フィルムの前記透明導電膜をパターニングして導電性パターンを形成する工程と、を備える、回路基板の製造方法。
  7. 巻き取られた積層フィルムと、
    巻き取られることによって互いに積み重ねられた積層フィルムの間に挿入された、離型面を有する離型フィルムと、を備え、
    前記積層フィルムは、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた透明導電膜と、を有し、
    前記離型フィルムには、複数の熱伝導性フィラーが分散されている、ロール体。
  8. 巻き取られたフィルムを備えるロール体においてフィルム間に挿入される離型フィルムであって、
    前記離型フィルムには、複数の熱伝導性フィラーが分散されている、離型フィルム。
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