JP2016067855A - 視覚障害者用歩行案内装置 - Google Patents

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達鋭 橋本
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Abstract

【課題】 本発明は、視覚障害者が歩行する場合、白杖による触覚情報や盲導犬による案内だけでなく、携帯電話のカメラ機能で障害物を判別する機能を備えた案内補助装置を身につけてあるくことで、今まで以上に歩行先の情報を得ることができるので、一人でより安全で安心な歩行を可能とする。
【解決手段】 本発明のシステムは、カメラ機能つき携帯電話に双眼レンズを装着し、3次元的に画像データを得て、その画像の特徴により、歩行者前方の障害状況を逐次使用者に知らせるアプリケーションと組合せることで、視覚障害者が安全に歩行できる利点がある。
【選択図】図1

Description

本発明は、視覚障害者が安全に歩行するための案内装置に関するものである。
視覚障害者が歩行する場合、白杖で前方を触り、安全を確かめながら歩いたり、盲導犬を連れて、障害物を避けながら歩行する。あるいは健康者に手をとってもらい案内してもらいながらでなければ、歩けなかった。
しかし、白杖での歩行は相当訓練が必要であると共に、毎日同じ経路であれば、覚えているので、歩くことができても、新しい場所では自由に歩けない。また盲導犬の場合も相当訓練が必要であるし、盲導犬の供給が追い付いていないのも現実である。また、他の動物や人にたよらなければならないという欠点があった。いずれにしても自分の目に代わるセンサー手段が必要とされている。
そのために、サーバーとクライアント端末とプログラムで支援する特許があるが、これは膨大な設備とデータが必要で、現実的ではないし、通信が途絶えると機能しなくなる等の欠点がある。
また、ステレオカメラ画像をベクトル演算アルゴリズムで算出される値で障害物として警告するものもあるが、障害物が何であるかがわからない。
一方、危険個所における視覚障害者の危険を回避して安全に通行できるようにするために、階段の上に設置された監視カメラにより撮影された画像を制御装置により処理し、制御装置が歩行支援の対象者である視覚障害者の存在を認識すると、危険個所があることの警告、安全な通過の方法、迂回路等の経路誘導等の案内の音声をスピーカから出力する。等が提案されているが、特定の場所の設備に限られている。
特許公開2014−137752
特許公開2013−34490
特許公開2001−351190
解決しようとする問題点は、視覚障害者が自由に身につけて歩け、形や位置等、歩行先の障害物を判別することのできる目の代わりになる手段がなかった点である。
本発明の視覚障害者用歩行案内装置は、スマートフォンで歩行先の視野の画像を3次元で撮り、スマートフォンに取り込んだアプリケーションソフトで、歩行先の障害物の形状を判別して、使用者に具体的な障害物を音声で知らせたり、障害物の無い迂回路を知らせたりすることを最も主要な特徴とする。
本発明の視覚障害者用歩行案内装置は、使用者が装備して本人だけで使えるので、公共の設備は必要でなく、盲導犬や他の人の手助け無しで、歩行が可能になるという利点がある。
使用者が装着した正面図を示す。 使用者が装着した側面図を示す。 操作手順一覧を示す。
本発明は、アプリケーションソフトを取込んで実行できる、コンピューター機能をもつスマートフォンと呼ばれる携帯電話に、使用者前方の視野を3次元化した画像データで取込み、障害物を判別して、使用者に音声で案内するソフトウエアとを組み合わせることで、使用者が装備して歩ける案内装置を実現した。
図1は使用者が本発明を装着した実施例での正面から見た図である。図2は側面から見た図である。この図1、図2において、1は視覚障害のある使用者で、11は使用者のつま先を示す。2はスマートフォンで、3は双眼レンズユニットである。双眼レンズユニット3はマートフォン2のカメラのレンズ全面に装着できて、上は赤色フィルター付きで下は青色フィルター付きの2つのレンズで結像する光線をスマートフォン2のカメラの接眼部へ導く。
視野範囲は正面から見ると、使用者1の肩幅より若干広い範囲の1.5m程度を,側面から見ると、つま先11が見える範囲から前方2.5m程度としている。そうすることで、距離感が明確になる。実施例では双眼レンズユニット3のレンズ配置は上下である。この方が、段差、奥行き等の特徴がはっきりしやすいが、左右の配置であってもかまわない。
4は装着ベルトで、スマートフォン2を使用者1の身体に密着してブラブラ動かないように装着できるようになっている。5はイヤフォンで、判定結果に基づき、使用者に音声で案内する伝達手段である。
次にスマートフォン2に組込むアプリケーションソフトの作用について説明する。カメラから取込んだ画像データは上下のレンズから結像し、重なった画像であるが、各色毎のデータをピクセル単位で分割して別々の画像としてメモリーに取込む。その後エッジ処理をして特徴を抽出後、比較データと比較し、一致度が最も高い比較データの名称のものが障害物として存在することを音声案内する。
エッジ処理した赤色と青色データを比較し、ずれ量より距離や高さや深さ等を求めてその値を音声案内に加えると、より分かりやすい案内が可能となる。特に、平面にかかれたコントラストの高い道路のラインや、日差しの強い場合の道路平面のストライプ状の影と、立体的な階段等はエッジ処理だけでは判別が難しい場合もあるが、3次元データにすることで、明確に判別が可能となる。
このように、一般的にはエッジ処理して比較判定するが、2値化処理することで、特徴抽出して比較する方法でもよい。視野の対象物により、特徴の抽出方法を選択してもよい。あるいは、カメラの顔認識方法に使われているような、特徴量データへ変換したデータを,機械学習と呼ばれるアプローチを用いてコンピューターに学習させ、機械学習で抽出された判定ルールに基づいて,そのデータが何を表しているかを判定する方法であってもよい。
図3に操作手順一覧を示す。実際の操作は操作手順一覧に従って装置を操作することで、障害物を判別しながら、安全な歩行が可能となる。
使用者への案内を伝達する手段として、この実施例では音声案内を行ったが、聴覚障害も有る使用者には、スマートフォンのバイブレーション機能で、障害物があることを知らせるようにしてもよい。あるいは、例えば5指の各部に密着させるような手袋状の振動体を身につけておき、振動する位置で、障害物の種類を知らせるような工夫をしてもよい。
実施例では3次元データをもとに判定したが、搭載された2次元カメラ画像でデータ処理してもある程度は判定可能である。
また、アプリケーションの一部や比較データの一部をクラウドサーバーに保存してあり、必要な時に通信して、判定手段に用いるような形態であってもよい。
撮影用カメラはスマートフォン又はコンピューター、これはタブレット型コンピューターやポケットPCと呼ばれるパーソナルデータアシスタント(PDA)やウェアラブルコンピューターのことを言うが、これらとは別体で、お互いを有線又はワイファイ等の無線で通信して歩行案内機能を持たせてもよい。このような形態にすると、装着ベルトは撮影用カメラのみを保持すればよいので、見かけ上小型軽量になり、ブローチやタイピンやボタン等にカメラ機能を持たせることで、一見装着していないように見えるようにすることも可能である。
撮影している画像はドライブレコーダーと同様に、一定量のメモリーに常時記録しておき、メモリーが一杯になったら、また初めから書込むようにしておけば、事故にあった時、記録画像により、事故の起きたときの状況を確認できる。メモリーはスマートフォン本体や外付けのメモリーでも良いが、最近の技術であるクラウドサーバーに常時あるいは一定時間毎に、書込みを行うようにしておけば、スマートフォンが事故で壊れても、その直前の画像データは観ることが可能となる。
図1、図2ではレンズ視野として、左右約1.5m、前方約2.5mと記載したが、ドライブレコーダーと同様に、周囲で何が起きていたかを検証する機能も付加するために、撮影しているレンズは広角の双眼レンズユニットとし、その画像の一部を画像処理する範囲として左右約1.5m、前方約2.5mとしてもよい。このように特徴を検出する範囲をより最適化して狭めると、判定処理時間を高速化できると同時に、ドライブレコーダーの機能も持つことができる。
画像処理のスピードや、比較データの種類や数が多くなれば、より明確な障害物を素早く判別できて、詳しい内容案内も可能となり、視覚障害者の歩行がより安全にできる。さらにはマラソン等で走ることも可能になる。
1 使用者
11 使用者のつま先
2 スマートフォン
3 双眼レンズユニット
4 装着ベルト
5 イヤフォン

Claims (4)

  1. アプリケーションソフトを取込んで実行できる、カメラ機能付き携帯電話又はスマートフォン又はタブレット型コンピューターと、カメラ機能を使って3次元で画像データを取得する手段と、取得した画像データから特徴を抽出して比較データと比べ、カメラに映ったものが何かを判定するアルゴリズムをもつアプリケーションソフトと、その判定結果を使用者に伝達する手段からなることを特徴とする、視覚障害者用歩行案内装置。
  2. アプリケーションソフトを取込んで実行できる、カメラ機能付き携帯電話又はスマートフォン又はタブレット型コンピューターと、カメラ機能で取得した画像データから特徴を抽出して比較データと比べ、カメラに映ったものが何かを判定するアルゴリズムをもつアプリケーションソフトと、その判定結果を使用者に伝達する手段からなることを特徴とする、視覚障害者用歩行案内装置。
  3. カメラと、アプリケーションソフトを取込んで実行できる、携帯電話又はスマートフォン又はタブレット型コンピューターのような携帯可能なコンピューターと、該カメラで取得した画像データから特徴を抽出して比較データと比べ、該カメラに映ったものが何かを判定するアルゴリズムをもつアプリケーションソフトと、その判定結果を使用者に伝達する手段からなることを特徴とする、視覚障害者用歩行案内装置。
  4. 特許請求1又は特許請求2又は特許請求3の装置に、カメラで撮影した画像を別途記録する機能を備えたことを特徴とする、視覚障害者用歩行案内装置。
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