JP2016066287A - 意思伝達支援方法及び意思伝達支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】被験者に疲労感を与える脳活動を安静化させたリラックスした状態の脳波を意思表示のために用いることなく、短時間で高い正答率で被験者の意思表示を外部に認識させることができる意思伝達支援方法及び意思伝達支援システムを提供する。
【解決手段】、聴覚刺激音を設定する工程と、聴覚刺激音と精神活動イメージとを対応付ける工程と、聴覚刺激音を聞いたときに精神活動イメージを想起させる工程と、脳波データを測定する工程と、脳波データから所定の周波数でフィルタリングされた、事象関連電位変化を含む第1の時間波形及び精神活動関連電位変化を含む第2の時間波形を生成し、第1の時間波形及び前記第2の時間波形に基づいて意思を判定する工程と、を備えることを特徴とする意思伝達支援方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、人の意思を、発話,書字,眼球や瞼の運動等によらずに、脳活動の変化のみにより伝達できる意思伝達支援方法及び意思伝達支援システムに関する。
言語機能や運動機能に障害を有することにより、意思表示が困難な人が存在する。このような意思表示が困難な人として、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者が知られている。ALSは、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患であり、症状が進行するにつれて徐々に運動性が低下する疾患である。
ALSの症状は四肢の運動機能が早期に低下するが、視覚に関する眼球運動や瞼の動きは比較的に緩やかに低下する。眼球や瞼が動くALS患者においては、眼球や瞼の運動を用いて介護者に意思を伝達する方法が知られている。具体的には、ALS患者が眼球や瞼の動きによる視線で、ディスプレイ上の文字,語句,または図等を指示することにより意思を伝達する方法が知られている。しかしながら、眼球や瞼の運動性が低下した患者は、このような方法を用いることができなかった。
人の脳波には、感覚刺激に意識を向けたときに刺激開始後の直後に選択反応関連電位とも称される事象関連電位が現れる。例えば、刺激開始後300msec程度に現れる陽性の電位であるP300や、刺激開始後100msec程度に現れる陰性の電位であるN100が知られている。事象関連電位は、人が感覚刺激に意識を向けたとき、その刺激を脳に記憶する際に正中頭頂部を中心に発現する。眼球や瞼の運動性が低下したALS患者が意思を伝達する方法として、視覚刺激により脳波に発生する事象関連電位を測定する方法が知られている。
例えば、下記特許文献1は、被験者に、視覚刺激として、予め設定した手順でディスプレイ上の文字、語句、または図(以下「刺激」という)を見せ、被験者の脳波にP300が発生しているか、否かを検出することにより意思伝達したい内容を選択する画像刺激−脳波意思伝達支援方法を開示する。
また、下記特許文献2は、コンピュータの表示手段等により文字や図形による視覚刺激を呈示する装置と、該装置による刺激呈示後の脳波を計測する脳波計からの脳波データを処理する処理装置とからなり、該処理装置は、該脳波データを解析して得た判別関数と成功率とに基づいて、特定の意思決定が脳内でなされたと判断する意思伝達支援装置を開示する。
しかしながら、瞼や眼球の運動性に加えて視覚も失ったALS患者には、視覚刺激によって事象関連電位が惹起されない。視覚刺激によって事象関連電位が惹起されないALS患者が意思を伝達する方法として、介護者からの「YES」か「NO」かの二者択一的な問いかけに対して、ALS患者の脳内の活動の結果として現れる脳血流量や脳波の変化により意思を伝達する方法が知られている。
例えば、下記非特許文献1は、患者がリラックス状態から意図的に頭脳を働かせると前頭葉の血液量は増え、意図的にリラックス状態を保つと血液量に変化が起こらなく現象を用い、介護者の問いかけ前後における、患者の前頭葉の血液量の変化を測定することにより、患者に「YES」または「NO」の意志伝達を行わせることを可能にした装置を開示する。このような装置においては、介護者からの問いかけに対する患者の回答が「YES」のときには、患者は「暗算等」によって脳を活性化させることにより脳血流量を増加させ、脳血流量の増加を頭蓋骨を通した検出光量の増加を介護者等に検知させることにより、介護者等に「YES」の意志を伝達できる。
また、例えば、下記非特許文献2は、患者の脳波の変化を測定することにより、患者の「YES」または「NO」の意志伝達を可能にした装置を開示する。この装置も、介護者からの問いかけに対して患者の回答が「YES」のときには、リラックス状態から「暗算等」によって脳を活性化した状態に意識を変化させることにより、脳波の変化から「YES」の意志を伝達させることができる。
また、視覚刺激による事象関連電位を用いる代わりに、自発的な運動イメージによって生じる自発脳波を計測することにより、人の意志表示を確認する方法も知られている。例えば、下記特許文献3は、頭皮表面上の複数箇所から検出された脳波データから、一次運動野,補足運動野,運動前野で生じる脳波変化を含む頭部脳波変化を、面分布情報として検出し、この面分布情報の時系列変化パターンと、予め人体四肢各部位の運動と関連づけて体系化された変化パターンとを比較し、人体四肢を動かそうとする意思および動かそうとしている部位を判断し、その判断結果に基づいて各種機器の制御するための制御信号を出力する意思伝達支援方法を開示する。
また、下記非特許文献3及び下記非特許文献4は、ALS患者の意思表示を読み取る方法の提案として、聴覚刺激として異なる周波数の刺激音を与えたときの脳波の変化を利用することを開示している。
特開2004−275619号公報 特開2012−53656号公報 特開平10−262943号公報
エクセル・オブ・メカトロニクス株式会社のウェブサイト「医療福祉機器 ALS患者と意志疎通をするための装置」:http://www.excel-mechatronics.com/medical.html 株式会社テクノスジャパンのウェブサイト「MCTOS Model WX」:http://technosjapan.jp/product/communication/2012/0820210400.html 国弘真生、他2名「聴覚BCIにおける刺激音の周波数と正答率に関する検討」、基礎・境界講演論文集、2013年 電子情報通信学会総合大会予稿集 P279、2013年3月5日発行 関真矢、他4名「聴覚BCIにおける刺激音の周波数に関する検討」、基礎・境界講演論文集、2013年 電子情報通信学会総合大会予稿集 P280、2013年3月5日発行
上述したような従来の、「YES」か「NO」かの二者択一的な問いかけに対してALS患者の脳内の活動の結果である脳血流量や脳波の変化により、患者に意思を伝達させる方法は、次の理由により患者にとって負担が大きかった。ALS患者は、与えられた問いに対して、「YES」の場合には「暗算等」によって脳活動を活性化させて脳波の高周波数成分を増加させ、「NO」の場合には何も考えないようにしてリラックスすることによって脳活動を安静化させる必要があった。視覚をはじめとする多くの感覚を失ったALS患者は、生活の大部分が安静状態かそれに近い状態にある。そのために、安静状態の脳波を意思表示のために用いる方法によれば、安静状態と脳活動が活性化した状態との区別をつけるような脳活動を患者に強いることにより、患者に疲労感を与えるという問題があった。
また、脳波は微弱な電気信号であり、また、脳活動は複雑である。そのために、刺激に応答する脳波の変化を、ノイズやその他の脳活動による脳波の変化と明確に区別することが困難であり、短時間で高い正答率で意思表示を判定することが困難であった。従って、脳波の変化を明確に区別するために、例えば、刺激に応答する脳波を100回以上計測し、得られた脳波を加算平均することにより無関係な脳活動による脳波の変化やノイズによる脳波の変化を低減させて目的とする脳波の変化を顕在化させる必要があった。
本発明は、上述した問題に鑑み、活性化させた脳活動による脳波や安静状態の脳波を意思表示のために用いることなく、視覚を失ったALS患者に短時間で高い正答率で意思を伝達させることができる意思伝達支援方法及び意思伝達支援システムを提供することを目的とする。
本発明の一局面は、被験者に互いに区別されうる、第1の聴覚刺激音と第2の聴覚刺激音とを設定する工程と、第1の聴覚刺激音と第1の精神活動イメージ、及び、第2の聴覚刺激音と第2の精神活動イメージ、とを対応付ける工程と、被験者に第1の聴覚刺激音と第2の聴覚刺激音とを一定時間ずつ聞かせながら、何れか一方の聴覚刺激音を聞いたときに対応付けられた精神活動イメージを被験者の意思に基づいて想起させる工程と、何れか一方の聴覚刺激音により引き起こされた事象関連電位変化と、精神活動イメージの想起により引き起こされる精神活動関連電位変化と、を含む被験者の脳波データを測定する工程と、脳波データから所定の周波数でフィルタリングされた、事象関連電位変化を含む第1の時間波形及び精神活動関連電位変化を含む第2の時間波形を生成し、第1の時間波形及び前記第2の時間波形に基づいて意思を判定する工程と、を備えることを特徴とする意思伝達支援方法である。
また、第1の聴覚刺激音が1000〜3000Hzの音であり、前記第2の聴覚刺激音が300〜800Hzの音であり、前記第1の聴覚刺激音と前記第2の聴覚刺激音との周波数の差が500Hz以上であることが、事象関連電位変化を強く発現させやすい点から好ましい。
また、被験者が示した意思を判定する工程が、事象関連電位変化及び精神活動関連電位変化の発生タイミング及び波形の変化を用いて判定することが、より正確に意思判定ができる点から好ましい。
また、被験者が示した意思を判定する工程が、精神活動関連電位変化の発生した脳領域の場所をさらに用いて判定することが、脳領域の場所に対応する脳波データを測定する電極の位置により被験者の意思を容易に特定できる点から好ましい。
また、精神活動イメージが被験者の運動イメージであることが、精神活動関連電位変化を引き起こすことが容易である点から好ましい。具体的には、例えば、第1の精神活動イメージとして右手を動かす運動イメージを選び、第2の精神活動イメージとして左手を動かす運動イメージを選んだ場合には、比較的イメージがしやすいために、精神活動関連電位変化を引き起こしやすくなる。また、このとき、第1の時間波形は、国際10−20法に基づく電極配置におけるCの位置の脳波データから生成され、第2の時間波形はC及びCの位置の脳波データからそれぞれ生成される2つの時間波形であることが好ましい。とくには、精神活動関連電位変化が、Cの位置の脳波データから抽出される時間波形とCの位置の脳波データから抽出される時間波形との差分に基づいて検知されることができる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、被験者の意志を外部に伝達することを支援するための意思伝達支援システムであって、被験者に互いに区別されうる、第1の聴覚刺激音及び第2の聴覚刺激音を一定時間ずつ発生させる刺激音発生手段と、被験者の脳波データを測定する脳波データ測定手段と、脳波データから所定の周波数でフィルタリングされた時間波形を生成させる演算処理手段と、時間波形に基づいて被験者が示した意思を判定する意思判定手段と、を備え、フィルタリングされた時間波形は、第1の聴覚刺激音及び第2の聴覚刺激音を聞いた被験者の脳波データに発生する事象関連電位変化と、被験者が想起した精神活動により発生する精神活動関連電位変化を含み、意思判定手段は、事象関連電位変化及び精神活動関連電位変化の発生タイミング及び波形変化に基づいて、被験者の脳内で示された意志を判定する意思伝達支援システムである。
本発明の意思伝達支援方法及び意思伝達支援システムによれば、被験者に疲労感を与えることなく、短時間で被験者の意思を外部に認識させることができる。
図1は、実施形態の意思伝達支援方法における各イベントのタイミングと時間波形の変化を模式的に示した説明図である。 図2は、国際10−20法に基づく電極配置において、本実施形態で選択した3電極(C,C,C)を示す。 図3は、本実施形態の意思伝達支援システム100の構成例を示す。 図4は、本実施形態の意思伝達支援方法の一連の流れを説明するフローチャートである。 図5は、事象関連電位変化を示す時間波形の一例である。
はじめに、本発明に係る意思伝達支援方法の概略を図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態の意思伝達支援方法における各イベントのタイミングと脳波の変化を模式的に示した説明図である。
本実施形態の意思伝達支援方法においては、被験者の脳波データを頭皮の電位変化として測定する。その際に、被験者と検査者とは脳波の測定に際して、後述する問いかけに対して被験者が採るべき精神活動イメージの方法を予め取り決めておく。具体的には、区別されうる第1の聴覚刺激音と第2の聴覚刺激音とを設定し、第1の聴覚刺激音に対応付ける第1の精神活動イメージ、及び、第2の聴覚刺激音に対応付ける第2の精神活動イメージ、とを取り決めておく。
ここで、区別されうる第1の聴覚刺激音と第2の聴覚刺激音としては、互いに周波数が異なることにより区別可能な音や、互いに音量が異なることにより区別可能な音等、被験者に区別可能な音の組み合わせであれば特に限定されない。これらの中では、第1の聴覚刺激音が1000〜3000Hzの音であり、第2の聴覚刺激音が300〜800Hzの音であり、周波数の差が500Hz以上、さらには1000Hz以上、とくには2000Hz以上である、周波数が互いに異なる音を選択することが、事象関連電位変化がより強くなるために正解率がより高くなる点から好ましい。本実施形態においては、一例として、第1の聴覚刺激音として「3000Hz」の音を、第2の聴覚刺激音として「500Hz」の音を選択した。
一方、精神活動イメージとしては、例えば、運動イメージ、思考イメージ等が挙げられる。運動イメージとしては、例えば、右手又は左手を動かすイメージ、右足又は左足を動かすイメージ、首を振るイメージ等、特に限定されず、被験者の脳波の特性に応じて、より区別しやすいものが適宜選ばれる。本実施形態においては、一例として、第1の聴覚刺激音に対応させる第1の精神活動イメージとして「右手を挙げるイメージ」を、第2の聴覚刺激音に対応させる第2の精神活動イメージとして「左手を挙げるイメージ」を選択した。
本実施形態においては、このようにして、被験者と検査者との間で、第1の聴覚刺激音(3000Hz)と「右手を挙げるイメージ」とを対応付け、第2の聴覚刺激音(500Hz)と「左手を挙げるイメージ」とを対応付けたものとする。そして、さらに、後述する問いかけに対する意思表示が、「YES」のときには「3000Hz」の音を聞いたときに「右手を挙げる」運動をイメージし、「NO」のときには「500Hz」の音を聞いたときに「左手を挙げる」運動をイメージすることを取り決める。
このような取り決めを設定した後、図1に示したような各イベントのタイミングと同期するように脳波データを測定する。
脳波データを測定するために、はじめに、被験者の頭皮に脳波計の複数の電極を装着する。複数の各電極は装着された領域及びその周辺の脳波データを採集する。本実施形態においては、一例として、図2に示すように、国際10−20法に基づく電極配置において、3電極(例えば、C,C,C)を選択した。
電極Cからは正中頭頂部及びその周辺領域の脳活動による脳波データが測定される。正中頭頂部及びその周辺領域の脳活動は、人が感覚刺激に意識を向けたときに刺激開始後の100msec付近に現れる陰性のN100や、刺激開始後の300msec付近に現れる陽性のP300と称される事象関連電位を発生させる。電極Cは「右手を挙げるイメージ」のような右半身の運動イメージによる脳活動の電位の変化を捉えやすい。また、電極Cは「左手を挙げるイメージ」のような左半身の運動イメージによる脳活動の電位の変化を捉えやすい。本実施形態においては、このような3つの電極を選択したが、電極の数は4つ以上であってもよく、また、電極配置も被験者の脳活動の特性や選択する精神活動イメージに応じて脳活動の反応がより捉えやすい適切な電極配置を適宜選択できる。
そして、図1を参照すれば、脳波データの測定を開始した時間をt=0(sec)として、例えば、1秒後(t=1(sec))に被験者に問いかけを行う。問いかけは、例えば、「寒いですか」、「暑いですか」ように、「YES」または「NO」の二者択一の回答が選択できるような問いかけを行う。
そして、被験者に問いかけた後、一定時間経過後(t=2(sec))に、第1の聴覚刺激音(3000Hz)と第2の聴覚刺激音(500Hz)をそれぞれ連続して被験者に聞かせる。図1を参照すれば、「3000Hz」の音をt=2〜6(sec)の範囲で「プッ、プッ、プッ」のように複数回発し、「500Hz」の音をt=6〜10(sec)の範囲で「ピッ、ピッ、ピッ」のように複数回発する。
被験者は、課題を問いかけられたとき、課題に対して「YES」か「NO」かのいずれかの意思を決定する。そして、「YES」と決定したときには「3000Hz」の音を聞いた直後に「右手を挙げるイメージ」を想起し、「NO」のときには「500Hz」の音を聞いた直後に「左手を挙げるイメージ」を想起する。
「3000Hz」の刺激音は、被験者が「YES」を意識したときに刺激開始後の100msec付近に現れる陰性のN100や、刺激開始後の300msec付近に現れる陽性のP300を強く惹起させるとともに、「YES」の運動イメージである「右手を挙げるイメージ」を想起させることを促す。同様に「500Hz」の刺激音は、被験者が「NO」を意識したときに刺激開始後の100msec付近にN100や、刺激開始後の300msec付近にP300を強く惹起させるとともに、「NO」の運動イメージである「左手を挙げるイメージ」を想起させることを促す。
一連の工程において、3電極(C,C,C)から脳活動の変化を示す脳波データを継続して測定する。そして、得られた各脳波データから目的とする周波数成分をフィルタリングして分離し、時間波形を生成する演算処理を行うことにより、図1に示すような時間波形が生成される。
分離抽出される周波数成分としては、例えば、電極Cから得られる脳波データの場合には、N100やP300による波形変化を発現させるために1〜8Hz付近の周波数成分が好ましい。また、電極Cまたは電極Cから得られる脳波データの場合には、「手を挙げるイメージ」による波形変化を発現させるためには9〜11Hz付近の周波数成分が好ましい。
被験者が「YES」の判断をしたときには、分離抽出された各周波数成分の時間波形から次のような波形変化が発現する。
図1を参照すれば、電極Cから採集された脳波データから抽出された、例えば1〜8Hz付近の周波数成分の時間波形に、N100及びP300等の事象関連電位に基づく波形変化(事象関連電位変化)が現れる。被験者が「YES」を意識して「3000Hz」の刺激音に能動的に意識を向けるために、「3000Hz」の刺激音を呈示してから50〜500msec付近に、N100及びP300による波形変化が強く現れる。一方、被験者は「NO」を意識しないために「500Hz」の刺激音には能動的に意識を向けない。そのために、「500Hz」の刺激音を呈示してもN100及びP300による波形変化は、現れないか、小さく現れるのみである。
一方、図1を参照すれば、電極C及びC4から採集された脳波データから抽出された、例えば9〜11Hz付近の周波数成分に、精神活動に基づく波形変化(精神活動関連電位変化)が現れる。被験者が「YES」の判断をしたときには、被験者が「3000Hz」の刺激音をきっかけとして「右手を挙げるイメージ」を想起する。それにより、図1のAで示した領域のように、大脳左半球の運動野の脳活動の変化により、電極Cから得られた9〜11Hz付近の周波数成分の振幅が「3000Hz」の刺激音の直後に小さくなる等の波形変化を現す。一方、被験者は「3000Hz」の刺激音の直後には「左手を挙げるイメージ」を想起しないために、電極C4から得られた9〜11Hz付近の周波数成分の振幅は大きく変化しない。さらに、被験者は「500Hz」の刺激音の直後には「手を挙げるイメージ」を想起しないために、「500Hz」の刺激音の直後には、電極C及びC4から得られる周波数成分の波形は大きく変化しない。
一方、被験者が「NO」の判断をしたときには、次のような波形変化が得られる。
図1を参照すれば、「NO」を意識して「500Hz」の刺激音により能動的に意識を向けるために、「500Hz」の刺激音を呈示してから50〜500msec付近に、N100及びP300による波形変化が強く現れる。一方、被験者は「YES」を意識しないために「3000Hz」の刺激音を呈示してもN100及びP300による波形変化は、現れないか、小さく現れるのみである。
一方、「NO」の判断をしたときには、被験者が「500Hz」の刺激音をきっかけとして「左手を挙げるイメージ」を想起することにより、図1のBで示した領域のように、大脳右半球の運動野の脳活動の変化により、電極C4から得られた9〜11Hz付近の周波数成分の振幅が「500Hz」の刺激音の直後に小さくなる等の波形変化を現す。
一方、被験者は「500Hz」の刺激音の直後には「右手を挙げるイメージ」を想起しないために、電極C3から得られた9〜11Hz付近の周波数成分の振幅は大きく変化しない。さらに、被験者は「3000Hz」の刺激音の直後には「手を挙げるイメージ」を想起しないために、「3000Hz」の刺激音の直後には、電極C及びC4から得られる周波数成分の波形は大きく変化しない。
上述のような波形変化によれば、被験者が「YES」または「NO」のいずれを選択したのかを特定することができる。すなわち、「3000Hz」の刺激音の呈示の直後に、電極Cから得られた1〜8Hz付近の周波数成分の時間波形からN100及びP300による強い波形変化が得られるとともに、電極Cから得られた9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形に「右手を挙げるイメージ」に反応した精神活動関連電位変化である振幅が小さくなる等の波形変化が得られた場合には、被験者が「YES」を選択したことが特定できる。一方、「500Hz」の刺激音の呈示の直後に、電極Cから得られた1〜8Hz付近の周波数成分の時間波形からN100及びP300による強い波形変化が得られるとともに、電極Cから得られた9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形に「左手を挙げるイメージ」に反応した精神活動関連電位変化である振幅が小さくなる等の波形変化が得られた場合には、被験者が「NO」を選択したことが特定できる。
このような手段によれば、特定の音刺激を選択したことに対する反応として生じるN100やP300による事象関連電位変化に基づく波形変化と、被験者による能動的な精神活動(運動イメージ)による精神活動関連電位変化に基づく波形変化と、それらが現れるタイミング情報とを用いることにより、被験者は安静状態と非安静状態とを選択肢として用いるような疲労を招く脳活動を用いることなく、意思を表示することができる。また、事象関連電位変化による波形変化と精神活動関連電位変化による波形変化とそれらが発現されるタイミングの情報とを組み合わせた、被験者の意思表示に関する複数の情報によれば、脳波を100回以上測定して無関係な脳活動による脳波の変化やノイズによる脳波の変化を低減させるような方法によらず、短時間で意思を特定することができる。
以下、本発明に係る意思伝達支援方法及び意思伝達支援システムの一実施形態について、さらに詳しく説明する。
図3は、本実施形態の意思伝達支援方法に用いられる意思伝達支援システム100の構成例を示す。図3中、10は脳波測定装置(脳波測定手段)である。脳波測定装置10は、被験者の頭部に装着されるN個の電極からなる電極群1(a1〜aN)、電極群1を接続するコネクタ2、電極群1により採集された複数の脳波データをそれぞれ増幅して出力する増幅器3、増幅器3から出力された増幅された複数の脳波データのそれぞれから所定の通過帯域の周波数成分のみ分離する周波数帯域フィルタ4、周波数帯域フィルタ4を通過した後の複数の脳波データのそれぞれをデジタルデータに変換するA/D変換器5を備える。脳波測定装置10はこれらを一体化して構成された脳波計や生体信号増幅器等として市販されているものを用いてもよい。また、20は脳波測定装置に接続されたコンピュータである。コンピュータ20には、刺激音を発するスピーカ6及び演算処理された脳波データを表示する液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等のモニタ7が接続されている。また、周波数帯域フィルタ4は、コンピュータ20に組み込んだソフトウェアにより処理されるデジタルフィルタであってもよい。
電極群1は脳波データを測定するために被験者の頭部表面に装着される複数の電極(a1〜aN)を備え、各電極は装着された脳領域の表面の脳波データを電位変化として採集する。被験者は、このような複数の電極の中から適切なものを選択して、頭部表面に装着する。
脳波データは、例えば、電気的に不活性とみなされる耳朶に基準電極を配置して基準電極との電位差を測定する方法や、基準電極を用いずに頭皮上の2つの電極間の電位差を測定する双極導出法等により測定される。そして、各電極で採集された微弱な電位変化は、増幅器3で高倍率に増幅される。増幅器3から出力された複数の脳波データのそれぞれを、周波数帯域フィルタ4を通過させることにより、複数の脳波データのそれぞれから所定の通過帯域の周波数成分のみが分離抽出される。
分離抽出された脳波データのそれぞれは、A/D変換器5により所定のサンプリング周期でサンプリングされてデジタルデータに変換される。そして、脳波データのそれぞれのデジタルデータは、A/D変換器5からコンピュータ20に出力される。
コンピュータ20としては、システムの各部を制御したり演算処理したりするためのCPUとメモリ(ROM及びRAM)とHDDやSSD等の記憶装置を備える例えば汎用のパーソナルコンピュータ(PC)が用いられる。また、コンピュータ20には、刺激音の呈示、測定された脳波データの演算処理、及び意思判定を行うためのプログラムがインストールされている。CPUはコンピュータ20の起動時に記憶装置からプログラムを読み出してメモリにロードすることにより、刺激音の呈示(刺激音発生手段)、測定された脳波データの演算処理(演算処理手段)、及び意思判定処理(意思判定手段)のプロセスを実行する。
刺激音の呈示は、コンピュータ20により処理される脳波データのタイミングと同期されて、被験者に互いに区別されうる、第1の聴覚刺激音と第2の聴覚刺激音とを予め定められたタイミングで一定時間ずつ発生させる。呈示される刺激音はコンピュータ20に組み込まれた音源によって合成されても、コンピュータ20とは独立して設けられたブザー装置等から発せられる音であってもよい。
測定された脳波データは、例えば公知の高速フーリエ変換およびその逆変換処理等により周波数成分毎の時間波形を求めるための演算処理が実行され、演算処理されて加工された周波数成分がモニタ7に経時的に波形として表示される。そして、聴覚刺激音により引き起こされた事象関連電位変化を含む周波数成分の波形、及び精神活動イメージにより引き起こされる精神活動関連電位変化を含む周波数成分の時間波形を抽出する。
意思の判定は、上述のように抽出された事象関連電位変化及び精神活動関連電位変化の発生状態に基づいて判定される。具体的には、例えば、図1に示した例を参照すれば、「3000Hz」の刺激音を呈示してから50〜500msec付近に、電極Cから測定された脳波データに含まれる1〜8Hz付近の周波数成分の時間波形に、P300やN100による強い事象関連電位変化が現れるとともに、「3000Hz」の刺激音を発した直後のt=2〜6secの間に、電極Cから測定された脳波データに含まれる9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形に、「右手を挙げるイメージ」に対応する精神活動関連電位変化が現れる。このように「3000Hz」の刺激音を呈示した直後に強い事象関連電位変化及び精神活動関連電位変化が現れている場合には、被験者は「YES」を表示したと判定できる。一方、「500Hz」の刺激音を呈示してから50〜500msec付近に、電極Cから測定された脳波データに含まれる1〜8Hz付近の周波数成分の時間波形に、P300やN100による強い事象関連電位変化が現れるとともに、「500Hz」の刺激音を発した直後のt=6〜10secの間に、電極C4から測定された脳波データに含まれる9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形に、「左手を挙げるイメージ」に対応する精神活動関連電位変化が現れる。このように「500Hz」の刺激音を呈示した直後に強い事象関連電位変化及び精神活動関連電位変化が現れていることから、被験者は「NO」を表示したと判定できる。
次に、意思伝達支援方法を実行する際の一連の流れについて図4を参照して詳しく説明する。図4は、本実施形態の意思伝達支援方法の一連の流れを説明するフローチャートである。
本実施形態の意思伝達支援方法においては、はじめに脳波測定装置による脳波データの測定を開始する(S1)。脳波データの採取は、被験者の頭部表面に装着された複数の電極から電極毎に脳波データを測定する。サンプリング間隔は特に限定されないが、例えば、2〜5ms程度で行われる。
そして、脳波データの測定を開始して所定の時間が経過した後、検査者が被験者に対して問いかけを行う(S2)。そして、被験者は検査者からの問いかけに対して意思が「YES」であるか「NO」であるかを決定する(S3)。なお、被験者に対しては、予め次のように採るべき脳内活動を取り決めておく。
被験者に対して、例えば「互いに周波数の異なる2種の音(本実施形態では3000Hzと500Hz)を連続的に聞かせます。意思決定が「YES」である場合には「3000Hz」の音を聞いたときに、「右手を挙げる」運動をイメージして下さい。また、意思決定が「NO」である場合には「500Hz」の音を聞いたときに、「左手を挙げる」運動をイメージして下さい。」と説明する。
被験者は、「YES」であるか「NO」であるかを決定し、上述した取り決めに則った脳内活動による反応を起こすように準備する。
そして、被験者に問いかけた後、一定時間経過後に1番目の刺激音(本実施形態においては3000Hz)を呈示する(S4)。刺激音は、例えば、80〜200ms程度の時間の連続音を、1回または複数回発するような方法が用いられる。
被験者は、「YES」と決定している場合には、1番目の刺激音をきっかけとして「右手を挙げるイメージ」を想起する(S5,S6)。また、「NO」と決定している場合には、1番目の刺激音が呈示されても「手を挙げるイメージ」を想起しない(S5,S7)。
そして、1番目の刺激音の呈示後、2番目の刺激音(本実施形態においては500Hz)を呈示する(S8)。そして、被験者は、2番目の刺激音をきっかけとして、「NO」と決定している場合には、「左手を挙げるイメージ」を想起する(S9,S10)。また、「YES」と決定している場合には、2番目の刺激音をきっかけとしては「手を挙げるイメージ」を想起しない(S9,S11)。
そして、上述した各工程中に測定された3つの電極(C,C,C)からの脳波データを解析する(S12)。測定された脳波データの解析は、上述のように、各脳波データの周波数成分毎の時間波形を求める演算処理が行われる。そして、図1に示すように、演算処理された周波数成分毎の時間波形がモニタに表示される。
モニタに表示された各周波数成分の時間波形には、被験者の問いかけに対する反応により、「YES」の場合と「NO」の場合に以下のような波形の違いが生じている。
「YES」の場合には、図1に示すように「3000Hz」の刺激音の呈示開始から、50〜500msec付近に、正中頭頂部の領域の脳活動の変化により電極Cから得られた1〜8Hz付近の周波数成分の時間波形に強い事象関連電位変化が現れる。また、「3000Hz」の刺激音の呈示開始から「500Hz」の刺激音を呈示するまでの間、具体的にはt=2〜6secの間に、電極Cから得られた9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形にその振幅が全体的に減少する精神活動関連電位変化が現れる。一方、「NO」の場合には、「3000Hz」の刺激音の呈示開始から50〜500msec付近には強い事象関連電位変化は現れず、また、「3000Hz」の刺激音の呈示開始から「500Hz」の刺激音を呈示するまでの間には、電極C及び電極Cから得られた9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形にはその振幅が全体的に減少するような精神活動関連電位変化は現れない。
「NO」の場合には、図1に示すように、「500Hz」の刺激音の呈示開始から、50〜500msec付近に、正中頭頂部の領域の脳活動の変化により電極Cから得られた1〜8Hz付近の周波数成分の時間波形に強い事象関連電位変化が現れる。また、「500Hz」の刺激音の呈示後、具体的にはt=6〜10secの間に、電極Cから得られた9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形にその振幅が全体的に減少する精神活動関連電位変化が現れる。一方、「YES」の場合には、「500Hz」の刺激音の呈示開始から50〜500msec付近には強い事象関連電位変化は現れず、また、「500Hz」の刺激音の呈示後には、電極C及び電極Cから得られた9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形にはその振幅が全体的に減少するような精神活動関連電位変化は現れない。
そして、3つの電極(C,C,C)からの脳波データに基づく各周波数成分の時間波形を解析し、被験者の意思が「YES」であったか、「NO」であったかを判定する(S13〜S16)。
時間波形の解析の方法は、特に限定されないが、例えば、次のような方法が挙げられる。
電極Cから得られた1〜8Hz付近の周波数成分の時間波形の波形変化は、N100の振幅、P300の振幅、または、N100の振幅とP300の振幅との合計の振幅が予め定めた規定値を超えたかどうかを演算することにより、それらが発現されたと判定する。具体的には、図5に示すように、N100の振幅、P300の振幅、または、N100の振幅とP300の振幅の合計が、予め定めた規定値を超えた場合には、事象関連電位変化が発現したと判定する。なお、図5の縦軸は相対電位を示している。
また、電極C,Cから得られた9〜11Hz付近の周波数成分の時間波形の波形変化は、電極Cの周波数成分の波形と電極Cの周波数成分の時間波形との差分を取ることにより、ノイズやその他の脳活動による脳波の変化を低減させることにより、「左手を挙げるイメージ」に対応する精神活動関連電位変化及び「右手を挙げるイメージ」に対応する精神活動関連電位変化をより明確に抽出することができる。従って、このような「左手を挙げるイメージ」及び「右手を挙げるイメージ」に基づく精神活動関連電位変化を互いの時間波形の差分から判定してもよい。
以上説明したような各工程により、瞼や眼球の運動性に加えて、視覚を失ったALS患者であっても意思伝達に安静時の脳内活動を用いずに脳内活動のみにより意思伝達をすることができるために、患者の負担を軽減できる。また、脳波は運動イメージによって短時間で変化し、その特徴を捉えやすいために、短時間で高い正答率で被験者の意思表示を外部に認識させることができる。
なお、上述した例は、本発明を具体的に説明するための一例であり、本発明の範囲を逸脱しない限り適宜改変して用いることができる。具体的には、例えば、上述した実施形態では、刺激音の数は2つであり、精神活動イメージとして2つの運動イメージを関連付けたが、刺激音及び運動イメージを3つ以上にすることにより、患者は3択形式の問いかけに対して意思を伝達することもできる。また、上述した実施形態では、精神活動として、運動イメージを採用したが、暗算等の思考イメージを用いてもよい。
また、上述した実施形態では、時間波形のフィルタリングされた周波数として、1〜8Hz付近の周波数成分及び9〜11Hz付近の周波数成分を選択したが、周波数は、事象関連電位変化及び精神活動関連電位変化がより明確になる周波数を適宜選択することができる。
また、上述した実施形態では、精神活動として、第1の精神活動イメージとして「左手を挙げるイメージ」、第2の精神活動イメージとして「右手を挙げるイメージ」を選択したが、第1の精神活動イメージとして「左手を挙げるイメージ」、第2の精神活動イメージとして「手を挙げないイメージ」のように一方を安静にするようなイメージであってもよい。
本発明によれば、介護者との意思疎通が容易になるために介護者の負担も軽減することができる。さらに、ALS患者だけではなく、交通事故等で意思伝達が困難になった患者や、健常者においても脳内活動のみにより意思伝達をすることができる。
1 電極群(a1〜aN)
2 コネクタ
3 増幅器
4 周波数帯域フィルタ
5 A/D変換器
6 スピーカ
7 モニタ
10 脳波測定装置
20 コンピュータ
100 意思伝達支援システム

Claims (9)

  1. 被験者に互いに区別されうる、第1の聴覚刺激音と第2の聴覚刺激音とを設定する工程と、
    前記第1の聴覚刺激音と第1の精神活動イメージ、及び、前記第2の聴覚刺激音と第2の精神活動イメージ、とを対応付ける工程と、
    前記被験者に前記第1の聴覚刺激音と前記第2の聴覚刺激音とを一定時間ずつ聞かせながら、何れか一方の前記聴覚刺激音を聞いたときに前記対応付けられた前記精神活動イメージを前記被験者の意思に基づいて想起させる工程と、
    前記何れか一方の聴覚刺激音により引き起こされた事象関連電位変化と、前記精神活動イメージの想起により引き起こされる精神活動関連電位変化と、を含む前記被験者の脳波データを測定する工程と、
    前記脳波データから所定の周波数でフィルタリングされた、前記事象関連電位変化を含む第1の時間波形及び前記精神活動関連電位変化を含む第2の時間波形を生成し、前記第1の時間波形及び前記第2の時間波形に基づいて前記意思を判定する工程と、を備えることを特徴とする意思伝達支援方法。
  2. 前記第1の聴覚刺激音が1000〜3000Hzの音であり、前記第2の聴覚刺激音が300〜800Hzの音であり、前記第1の聴覚刺激音と前記第2の聴覚刺激音との周波数の差が500Hz以上である請求項1に記載の意思伝達支援方法。
  3. 前記被験者が示した意思を判定する工程が、前記事象関連電位変化及び前記精神活動関連電位変化の発生タイミング及び波形の変化を用いて判定する請求項1または2に記載の意思伝達支援方法。
  4. 前記被験者が示した意思を判定する工程が、前記精神活動関連電位変化の発生した脳領域の場所をさらに用いて判定する請求項1〜3の何れか1項に記載の意思伝達支援方法。
  5. 前記精神活動イメージが前記被験者の運動イメージである請求項1〜4の何れか1項に記載の意思伝達支援方法。
  6. 前記第1の精神活動イメージが前記被験者の右半身または左半身の何れか一方の箇所を動かす運動イメージであり、前記第2の精神活動イメージが他の半身の何れかの箇所を動かす運動イメージまたは動かさない運動イメージである請求項5に記載の意思伝達支援方法。
  7. 前記第1の時間波形は、国際10−20法に基づく電極配置におけるCの位置の脳波データから生成され、前記第2の時間波形はC及びCの位置の脳波データからそれぞれ生成される2つの時間波形である請求項6に記載の意思伝達支援方法。
  8. 前記精神活動関連電位変化が、Cの位置の脳波データから抽出される時間波形とCの位置の脳波データから抽出される時間波形との差分に基づいて検知される、請求項7に記載の意思伝達支援方法。
  9. 被験者の意志を外部に伝達することを支援するための意思伝達支援システムであって、
    被験者に互いに区別されうる、第1の聴覚刺激音及び第2の聴覚刺激音を一定時間ずつ発生させる刺激音発生手段と、
    前記被験者の脳波データを測定する脳波データ測定手段と、
    前記脳波データから所定の周波数でフィルタリングされた時間波形を生成させる演算処理手段と、
    前記時間波形に基づいて前記被験者が示した意思を判定する意思判定手段と、を備え、
    前記フィルタリングされた時間波形は、前記第1の聴覚刺激音及び前記第2の聴覚刺激音を聞いた前記被験者の脳波データに発生する事象関連電位変化と、前記被験者が想起した精神活動により発生する精神活動関連電位変化を含み、
    前記意思判定手段は、前記事象関連電位変化及び前記精神活動関連電位変化の発生タイミング及び波形変化に基づいて、前記被験者の脳内で示された意志を判定する、ことを特徴とする意思伝達支援システム。
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