JP2016066219A - 検査通知提供装置、検査通知提供方法、検査通知提供プログラム、及び染色体検査システム - Google Patents
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Abstract
【課題】秘匿を希望する情報が確実に秘匿される検査通知提供装置、方法、プログラム、及び染色体検査システムを提供する。
【解決手段】検査通知提供装置(38A)は、検査結果を取得する検査結果取得部(164)と、性別通知希望情報を取得する希望情報取得部(166)と、検査通知を生成する検査通知生成部(169)と、検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理部(168)と、検査通知を出力する検査通知出力部(172)とを備え、胎児の性別の非通知を希望する場合に検査結果に含まれる性別情報が秘匿化され、性別情報が秘匿化された検査結果に基づいて検査通知が生成され、生成された検査通知が提供される。
【選択図】図12
【解決手段】検査通知提供装置(38A)は、検査結果を取得する検査結果取得部(164)と、性別通知希望情報を取得する希望情報取得部(166)と、検査通知を生成する検査通知生成部(169)と、検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理部(168)と、検査通知を出力する検査通知出力部(172)とを備え、胎児の性別の非通知を希望する場合に検査結果に含まれる性別情報が秘匿化され、性別情報が秘匿化された検査結果に基づいて検査通知が生成され、生成された検査通知が提供される。
【選択図】図12
Description
本発明は検査通知提供装置、検査通知提供方法、検査通知提供プログラム、及び染色体検査システムに係り、特に生体から得られた細胞を単離して行われる染色体検査の検査結果の提供技術に関する。
近年発達してきたDNAシーケンサの性能の向上により、高精度で利便性がよいDNAシーケンサを用いた遺伝子解析を行うことが可能となった。DNAは、deoxyribonucleic acidの略語である。
特許文献1は、妊娠中の胎児における染色体の倍数状態を決定する非侵襲的出生前倍数性呼び出しのための方法が記載されている。同文献に記載の方法は、胎児の母親由来のDNA及び胎児由来のDNAの両方を含むDNAの混合試料から測定された遺伝子型データから、及び必要に応じて、母親及び父親からの遺伝子型データから、妊娠中の胎児の倍数性状態を決定し、決定された倍数性状態を含む報告が作成される。報告は、産科医に電子的に送達すること、出力デバイスに表示すること、印刷した報告のハードコピーを産科医に送達することができる。
同文献における母親由来、混合試料、倍数性状態、及び印刷した報告のハードコピーは、本明細書における母体由来、血液検体、特定染色体の数的異常、検査通知に対応している。
特許文献2は、胎児データベースに登録された体重推定用基礎データに基づいて胎児の推定体重を算出するとともに、算出された胎児の推定体重の推移経過を、横軸を時間、縦軸を体重とした成長記録グラフとして表示する妊娠経過管理システムが記載されている。
同文献に記載の妊娠経過管理システムは、妊婦データベースに登録された妊婦の出産歴情報、及び胎児の性別情報に基づいて標準体重領域を調整して成長記録グラフとともに表示している。
非侵襲的出生前診断における染色体検査の検査結果には、胎児の性別など、胎児の母親や父親が秘匿を希望する情報が含まれている場合がある。しかし、検査結果に含まれるどの情報を秘匿すべきであるかは、検査対象者や検査結果の内容によってまちまちである。さらに、染色体検査の検査結果の一部の情報を秘匿してしまうと、医師が適切な確定診断を行うための検査結果として不十分になることがありうる。
特許文献1に記載の非侵襲的出生前倍数性呼び出しのための方法、及び特許文献2に記載の妊娠経過管理システムは、検査結果等に秘匿すべき情報が含まれていることについての記載はなく、検査結果等に秘匿すべき情報が含まれている場合に、秘匿すべき情報が母親や父親に提供されてしまうことが懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、非侵襲的出生前診断における染色体検査において、胎児の母親や父親が秘匿を希望する情報が確実に秘匿される検査通知提供装置、検査通知提供方法、検査通知提供プログラム、及び染色体検査システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1態様は、胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査する染色体検査から生成された検査通知を提供する検査通知提供装置であって、染色体検査の検査結果を取得する検査結果取得部と、胎児の性別の通知を希望するか否かの性別通知希望情報を取得する希望情報取得部と、検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理部と、取得された検査結果に基づいて検査通知を生成する検査通知生成部と、生成された検査通知を出力する検査通知出力部と、を備え、検査結果取得部は、男性固有の染色体データが含まれる一種類以上の第1検査結果、女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が正常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が異常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第3検査結果の少なくともいずれか一つの検査結果を取得し、秘匿化処理部は、胎児の性別の非通知を希望することを示す性別通知希望情報が取得された場合、第1検査結果が取得されると第1検査結果に対して男性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、第2検査結果又は第3検査結果が取得されると取得された第2検査結果又は第3検査結果に対して女性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、検査通知生成部は、取得された検査結果に性別情報秘匿化処理が施され、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データが秘匿化された検査通知を生成する検査通知提供装置を提供する。
第1態様によれば、検査結果について男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データが秘匿化されることで、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。また、注目している染色体のデータ値は、変更、又は消去等がされることがないので、注目している染色体における染色体異常の判定に、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データの秘匿化は影響を与えない。
第2態様は、第1態様に記載の検査通知提供装置において、秘匿化処理部は、第1検査結果が取得されると第1検査結果に対して男性固有の染色体データを非表示化する性別情報非表示化処理を施し、第2検査結果又は第3検査結果が取得されると取得された第2検査結果又は第3検査結果に対して女性固有の染色体データを非表示化する性別情報非表示化処理を施す。
第2態様によれば、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データを非表示化することで、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。
第3態様は、第2態様に記載の検査通知提供装置において、検査結果取得部は、男性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む第1検査結果、女性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む第3検査結果のいずれかを検査結果として取得し、秘匿化処理部は、第1検査結果が取得されると第1検査結果に対して性染色体におけるDNA定量値を非表示化する性別情報非表示化処理を施し、第2検査結果又は第3検査結果が取得されると取得された第2検査結果又は第3検査結果に対して性染色体におけるDNA定量値を非表示化する性別情報非表示化処理を施す。
第3態様によれば、性染色体におけるDNA定量値を非表示化することで、染色体データとしてDNA定量値が適用される場合に、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。
第4態様は、第1態様に記載の検査通知提供装置において、秘匿化処理部は、取得された検査結果に含まれる男性固有の染色体データ、又は女性固有の染色体データを、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データのいずれにも該当しない擬似性染色体データに変更する擬似性別情報変更処理を施す。
第4態様によれば、男性固有の染色体データ、又は女性固有の染色体データを擬似性染色体データに変更することで、検査通知から胎児の性別を推定することができず、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。
第5態様は、第4態様に記載の検査通知提供装置において、秘匿化処理部は、男性固有の染色体データを含む検査結果、又は女性固有の染色体データを含む検査結果のいずれが取得された場合にも、取得された検査結果に含まれる性染色体データを同一内容の染色体データに変更する擬似性別情報変更を施す。
第5態様によれば、男性固有の染色体データを含む検査結果が得られた場合、又は女性固有の染色体データを含む検査結果のいずれが取得された場合にも、検査結果に含まれる性染色体データが同一内容の染色体データに変更されるので、男女別の性染色体データが同一内容の染色体データに変更された擬似性別情報から胎児の性別を推定することができず、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれかに記載の検査通知提供装置において、秘匿化処理部は、検査結果取得部により一種類の第1検査結果が取得された場合に、取得された一種類の第1検査結果を複製して、第2検査結果が取得された場合の検査通知の種類数と同数とする同数化処理を施す。
第6態様によれば、第1検査結果が取得された場合には、検査通知の種類数を第2検査結果が取得された場合の検査通知の種類数に統一することで、検査通知の種類数から胎児の性別を推定することができず、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。
第7態様は、第1態様から第6態様のいずれかに記載の検査通知提供装置において、秘匿化処理部は、検査結果取得部により一種類の第3検査結果が取得された場合に、取得された一種類の第3検査結果を複製して、第2検査結果が取得された場合の検査通知の種類数と同数とする同数化処理を施す。
第7態様によれば、第3検査結果が取得された場合には、検査通知の種類数を第2検査結果が取得された場合の検査通知の種類数に統一することで、検査通知の種類数から胎児の性別を推定することができず、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。
第8態様は、第1態様から第5態様のいずれかに記載の検査通知提供装置において、秘匿化処理部は、二種類の第2検査結果が取得された場合に、二種類の第2検査結果のいずれか一方を選択する選択処理を施し、検査通知生成部は、選択された検査結果に基づいて検査通知を生成する。
第8態様によれば、いずれの検査結果が取得された場合でも検査通知の種類数を一種類に統一することで、検査通知の種類数から胎児の性別を推定することができず、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。
第9態様は、第8態様に記載の検査通知提供装置において、秘匿化処理部は、取得された二種類の第2検査結果のうち、注目している染色体のデータ値から正常範囲の基準値を減算した値の絶対値が大きい検査結果を選択する。
第9態様によれば、正常範囲を示す二種類の検査結果が得られた場合でも検査通知の種類数を一種類に統一することで、検査通知の種類数から胎児の性別を推定することができず、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。
また、リスクの高い方の検査結果に対応する検査通知を提供することで、検査結果の安全性の向上に寄与する。
第10態様は、胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査する染色体検査から生成された検査通知を提供する検査通知提供方法であって、染色体検査の検査結果を取得する検査結果取得工程と、胎児の性別の通知を希望するか否かの性別通知希望情報を取得する希望情報取得工程と、検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理工程と、取得された検査結果に基づいて検査通知を生成する検査通知生成工程と、生成された検査通知を出力する検査通知出力工程と、を含み、検査結果取得工程は、男性固有の染色体データが含まれる一種類以上の第1検査結果、女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が正常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が異常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第3検査結果の少なくともいずれか一つの検査結果を取得し、秘匿化処理工程は、胎児の性別の非通知を希望することを示す性別通知希望情報が取得された場合、第1検査結果が取得されると第1検査結果に対して男性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、第2検査結果又は第3検査結果が取得されると取得された第2検査結果又は第3検査結果に対して女性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、検査通知生成工程は、取得された検査結果に性別情報秘匿化処理が施され、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データが秘匿化された検査通知を生成する検査通知提供方法を提供する。
第10態様において、秘匿化処理として、性別情報非表示化処理、擬似性別情報変更処理、同数化処理、及び選択処理の少なくともいずれかを適用することができる。
第11態様は、第10態様に記載の検査通知提供方法において、検査通知出力工程は、検査通知を印刷する印刷工程が含まれる。
第11態様によれば、印刷物による検査通知の提供が可能である。
第12態様は、第10態様に記載の検査通知提供方法において、検査通知出力工程は、検査通知を表示させる表示工程が含まれる。
第12態様によれば、表示による検査通知の提供が可能である。
第13態様は、胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査する染色体検査から生成された検査通知を提供する検査通知提供プログラムであって、コンピュータを、染色体検査の検査結果を取得する検査結果取得手段と、胎児の性別の通知を希望するか否かの性別通知希望情報を取得する希望情報取得手段と、検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理手段と、取得された検査結果に基づいて検査通知を生成する検査通知生成手段と、生成された検査通知を出力する検査通知出力手段として機能させ、検査結果取得手段は、男性固有の染色体データが含まれる一種類以上の第1検査結果、女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が正常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が異常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第3検査結果の少なくともいずれか一つの検査結果を取得し、秘匿化処理手段は、胎児の性別の非通知を希望することを示す性別通知希望情報が取得された場合、第1検査結果が取得されると第1検査結果に対して男性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、第2検査結果又は第3検査結果が取得されると取得された第2検査結果又は第3検査結果に対して女性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、検査通知生成手段は、取得された検査結果に性別情報秘匿化処理が施され、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データが秘匿化された検査通知を生成する検査通知提供プログラムを提供する。
第13態様において、秘匿化処理手段は、第1検査結果が取得されると第1検査結果に対して男性固有の染色体データを非表示化する性別情報非表示化処理を施し、第2検査結果又は第3検査結果が取得されると取得された第2検査結果又は第3検査結果に対して女性固有の染色体データを非表示化する性別情報非表示化処理を施す態様が好ましい。
第13態様において、検査結果取得手段は、男性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む第1検査結果、女性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む第3検査結果のいずれかを検査結果として取得し、秘匿化処理手段は、第1検査結果が取得されると第1検査結果に対して性染色体におけるDNA定量値を非表示化する性別情報非表示化処理を施し、第2検査結果又は第3検査結果が取得されると取得された第2検査結果又は第3検査結果に対して性染色体におけるDNA定量値を非表示化する態様が好ましい。
第13態様において、秘匿化処理手段は、取得された検査結果に含まれる男性固有の染色体データ、又は女性固有の染色体データを、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データのいずれにも該当しない擬似性染色体データに変更する擬似性別情報変更処理を施す態様が好ましい。
第13態様において、秘匿化処理手段は、男性固有の染色体データを含む検査結果、又は女性固有の染色体データを含む検査結果のいずれが取得された場合にも、取得された検査結果に含まれる性染色体データを同一内容の染色体データに変更する擬似性別情報変更処理を施す態様が好ましい。
第13態様において、秘匿化処理手段は、検査結果取得手段により一種類の第1検査結果が取得された場合に、取得された一種類の第1検査結果を複製して、第2検査結果が取得された場合の検査通知の種類数と同数とする同数化処理を施す態様が好ましい。
第13態様において、秘匿化処理手段は、検査結果取得手段により一種類の第3検査結果が取得された場合に、取得された一種類の第3検査結果を複製して、第2検査結果が取得された場合の検査通知の種類数と同数とする同数化処理を施す態様が好ましい。
第13態様において、秘匿化処理手段は、二種類の第2検査結果が取得された場合に、二種類の第2検査結果のいずれか一方を選択する選択処理を施し、検査通知生成手段は、選択された検査結果に基づいて検査通知を生成する態様が好ましい。
第13態様において、秘匿化処理手段は、取得された二種類の第2検査結果のうち、注目している染色体のデータ値から正常範囲の基準値を減算した値の絶対値が大きい検査結果を選択する態様が好ましい。
第14態様は、胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査する染色体検査システムであって、母体より採取された血液を取得し、取得された血液から有核細胞を抽出し、抽出された有核細胞を用いて遺伝子解析を行う染色体検査を実施する検査部と、検査部において実施された染色体検査の検査結果を取得する検査結果取得部と、胎児の性別の通知を希望するか否かの性別通知希望情報を取得する希望情報取得部と、検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理部と、取得された検査結果に基づいて検査通知を生成する検査通知生成部と、生成された検査通知を出力する検査通知出力部と、を備え、検査結果取得部は、男性固有の染色体データが含まれる一種類以上の第1検査結果、女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が正常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が異常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第3検査結果の少なくともいずれか一つの検査結果を取得し、秘匿化処理部は、胎児の性別の非通知を希望することを示す性別通知希望情報が取得された場合、第1検査結果が取得されると第1検査結果に対して男性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、第2検査結果又は第3検査結果が取得されると取得された第2検査結果又は第3検査結果に対して女性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、検査通知生成部は、取得された検査結果に性別情報秘匿化処理が施され、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データが秘匿化された検査通知を生成する染色体検査システムを提供する。
本発明によれば、検査結果について男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データが秘匿化されることで、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。また、注目している染色体のデータ値は、変更、又は消去等がされることがないので、注目している染色体における染色体異常の判定に、男性固有の染色体データ及び女性固有の染色体データの秘匿化は影響を与えない。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔染色体検査の検査手順の概説〕
図1は染色体検査の検査手順を示したフローチャートである。以下に説明する染色体検査は、胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査するものである。以下の説明では、胎児由来細胞、及び有核細胞として胎児由来有核赤血球を例示する。細胞には検査の対象物となりうる細胞の一部、例えば、細胞片を適用してもよい。
図1は染色体検査の検査手順を示したフローチャートである。以下に説明する染色体検査は、胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査するものである。以下の説明では、胎児由来細胞、及び有核細胞として胎児由来有核赤血球を例示する。細胞には検査の対象物となりうる細胞の一部、例えば、細胞片を適用してもよい。
図1に検査手順を示す染色体検査は、採血工程S1、輸送工程S2、細胞単離工程S3、遺伝子解析工程S4、及び検査通知提供工程S5が含まれる。
採血工程S1は、母体から血液を採取する工程であり、血液検体を採取する検体採取工程として把握することができる。採血工程S1は、例えば、産婦人科の病院内において看護師等が母体から直接に採血を行う。
輸送工程S2は、病院で採取した血液検体を検査室に輸送する工程である。検査室という用語は、検体検査の業務を実施する場所、施設、機関、及び会社等の総称として用いる。検査室として、例えば、病院等の医療機関から業務委託を受けて検体検査の業務を専門に取り扱う検査機関、検査センター、検査会社、又は医療研究所などが想定される。また、検査室は病院内に併設されていてもよい。
輸送工程S2によって血液検体が検査室に到着すると、検査室において検査受付工程が実施される。検査受付工程において、検査通知に胎児の性別に関する情報を通知するか否かを表す性別通知希望情報を取得する。検査受付工程は、図4の検査室検査受付部32において実行される。
細胞単離工程S3は、血液検体から有核赤血球を単離し、遺伝子解析の対象となる有核赤血球を回収する工程である。本実施形態では、回収の用語は抽出の用語と同義として取り扱うこととする。
遺伝子解析工程S4は、単離回収した有核赤血球から特定の染色体の数的異常を分析する分析工程である。遺伝子解析工程S4では、特定の染色体の数的異常を検出する分析が行われる。特定の染色体の例として、13番染色体、18番染色体、又は21番染色体が挙げられる。特定の染色体の数的異常として、モノソミー、トリソミー、及びテトラソミーのうちの少なくとも1つの有無が確認される。
トリソミーは、通常は2本で対をなす染色体が3本ある核型である。出生前遺伝学的検査の対象として、現状では、13番染色体、18番染色体、21番染色体の3つの染色体が想定される。モノソミーは、通常は2本で対をなす染色体が1本の核型である。テトラソミーは、通常は2本で対をなす染色体が4本の核型である。
検査通知提供工程S5は、染色体検査の検査結果から検査通知を生成、生成された検査通知を提供する工程である。検査通知の生成例として、検査結果に含まれる情報の一部の秘匿を希望する場合に、その情報を秘匿化する秘匿化処理を施した検査通知が挙げられる。秘匿化処理の一例として、胎児の性別の判別に寄与しうる性別情報を秘匿する性別情報秘匿化処理が挙げられる。
検査通知は、特定染色体におけるDNA量の定量値、及び性染色体におけるDNA量の定量値が含まれる。特定染色体である13番染色体、18番染色体、又は21番染色体におけるDNA量の定量値に基づいて、13番染色体、18番染色体、又は21番染色体における染色体の数的異常の有無、すなわち、特定染色体におけるDNA量の定量値が、正常範囲の値であるか、異常範囲の値であるかを判定することができる。
特定染色体におけるDNA量の定量値は注目している染色体のデータ値の一態様である。性染色体におけるDNA量の定量値は、性染色体データに対応し、男性固有の染色体データの一態様、又は女性固有の染色体データの一態様である。男性固有の染色体データとは、X染色体におけるDNA量の定量値、及びY染色体におけるDNA量の定量値のペアである。女性固有の染色体データとは、X染色体におけるDNA量の定量値である。本明細書において、データの用語は情報の用語と同義の用語として取り扱うことがある。
検査通知の提供形態の例として、検査結果が電子データ化された形態、検査結果が印刷物に印刷された形態、検査結果が表示装置に表示された形態が挙げられる。
図2は細胞単離工程の手順を示すフローチャートである。図2に示した細胞単離工程は、図1に示した細胞単離工程S3に対応している。図2に示した細胞単離工程は、濃縮工程S32、標本作製工程S34、画像処理工程S36、及び単離抽出工程S38が含まれる。
濃縮工程S32は、血液検体中の有核赤血球を濃縮する工程である。濃縮方法としては、密度勾配遠心分離法や、白血球の磁気分離法による除去法などがある。
標本作製工程S34は、濃縮された血液検体の塗沫標本を作製する工程である。標本作製工程S34では、スライドガラス上に濃縮工程S32を経た血液検体を塗り広げて、乾燥、固定、及び染色等を行い、顕微鏡標本としての塗沫標本が作製される。
すなわち、標本作製工程S34は、さらに細かく工程分けすると、採取工程、塗沫工程、第1乾燥工程、染色工程、及び第2乾燥工程が含まれる。
採取工程は、濃縮工程を経た血液検体を採取する工程である。塗沫工程は、採取された血液検体をスライドガラス上に薄く均一に広げる工程である。第1乾燥工程は染色前にスライドガラスに塗沫された血液検体を乾燥させる工程である。染色工程は、第1乾燥工程によって乾燥させた血液検体の染色を行う工程である。染色方法として、ギムザ染色を用いることができる。第2乾燥工程は染色後の血液検体を乾燥させる工程である。
濃縮工程の後、採取工程、塗沫工程、第1乾燥工程、染色工程、及び第2乾燥工程を経て塗沫標本が得られる。なお、塗沫標本という用語は、スライド標本、又は単にスライドと呼ばれる場合がある。
画像処理工程S36は、スライドスキャナを用いて塗沫標本のスキャン画像を取得し、得られたスキャン画像を解析して有核赤血球を検出する工程である。有核赤血球の検出には、有核赤血球の形状を画像から検出する方法等が用いられる。
単離抽出工程S38は、スキャン画像の画像解析結果を基に、塗沫標本のスライドガラス上での有核赤血球の位置を検出して、位置が検出された有核赤血球を単離し、抽出する工程である。
図3は遺伝子解析工程の手順を示すフローチャートである。図3に示した遺伝子解析工程は、図1に示した遺伝子解析工程S4に対応している。図3に示すように、遺伝子解析工程は、全ゲノム増幅工程S42、目的DNA配列増幅工程S44、配列決定工程S46、及び数的異常判定工程S48が含まれる。
全ゲノム増幅工程S42は、単一細胞から全ゲノムを増幅する処理を行う工程である。細胞1個から数個程度では解析に不足のため、1万倍から数100万倍程度にDNA情報をコピーする。
目的DNA配列増幅工程S44は、ポリメラーゼ連鎖反応を利用して、増幅させたいDNAから特定の染色体情報だけを増幅する処理を行う。ポリメラーゼ連鎖反応は、PCRと呼ばれることがある。PCRは、polymerase chain reactionの略語である。
配列決定工程S46は、DNAシーケンサを用いて、染色体の帰属を特定し、母体の塩基配列と、胎児の塩基配列とを識別する工程である。すなわち、配列決定工程S46では、目的DNA配列増幅工程S44にて増幅されたDNAの定量と帰属の決定を行う。
数的異常判定工程S48は、特定の染色体が数的異常であるか否かの判定を行う工程である。本実施形態では、13番染色体に属するDNA量、18番染色体に属するDNA量、及び21番染色体に属するDNA量を定量し、正常な範囲の場合と比較することで、13番染色体、18番染色体及び21番染色体の数的異常の有無を判定する。
21番染色体のトリソミーであれば21番染色体におけるDNA量の定量値が正常な範囲の場合の1.5倍となり、21番染色体のモノソミーであれば21番染色体におけるDNA量の定量値が正常範囲の標準値である正常値の0.5倍となる。
なお、図1から図3で説明した工程の項目や工程の分類方法は一例であり、一連の検査プロセスにおける工程の区切り方、つまり各工程をそれぞれどのような内容として定義するかという工程の定義の仕方については任意性がある。また検査プロセス自体も他にも様々な方法が採用でき、検査プロセスに応じて工程の定義の仕方も同様に任意性がある。以下に示す染色体検査システムについても同様であり、各部の定義は任意性があり、各部の細分割、統合を適宜行うことができる。
〔染色体検査システムの構成〕
図4は本発明の実施形態に係る検査通知提供装置が適用される染色体検査システムの概略構成を示す全体構成図である。同図に示した染色体検査システム10は、病院20、及び検査室30を含んで構成される。
図4は本発明の実施形態に係る検査通知提供装置が適用される染色体検査システムの概略構成を示す全体構成図である。同図に示した染色体検査システム10は、病院20、及び検査室30を含んで構成される。
病院20は、病院20における検査の受付処理を行う病院検査受付部21、母体から血液検体を採取する採血部22、及び染色体検査の検査結果の提供先である検査通知取得部24を含んで構成される。採血部22において採取された母体の血液検体は、検査室30へ送られる。
病院20から検査室30へ送られる母体の血液検体は、病院20を特定する病院情報、及び血液検体を採取した母体を特定する母体情報が付与される。病院において、母体には個人を識別するための情報としてIDが付与される。病院情報及び母体情報はIDと関連付けして管理される。IDはidentificationの略語である。
病院情報の例として、病院名、採血の実施日時が挙げられる。母体情報の例として、氏名、年齢、採血時の妊娠週数、及び胎児の性別などが挙げられる。病院情報及び母体情報の形態の例として、記録紙に印刷された形態、電子データの形態が挙げられる。電子データの形態には、データ通信に適した形式に変換された形態、又記憶媒体に記憶された形態が含まれる。データ通信に適した形式に変換された形態にはデータ量が圧縮された形態が含まれる。
病院情報及び母体情報は、血液検体と関連付けされて、血液検体とは別に病院20から検査室30へ送られてもよい。図4に示した二点破線の矢印線は、血液検体とは別に病院情報及び母体情報が病院20から検査室30へ送られる態様を模式的に図示したものである。
病院検査受付部21において、後述する性別通知希望情報が取得された場合、性別通知希望情報は病院20から検査室30へ送られる。
採血部22から検査室30へ送られる母体の血液検体は、温度管理がされ、衝撃に対する保護がされて、迅速、かつ安全に輸送される。採血部22から検査室30への母体の血液検体の輸送は、図1の輸送工程S2が適用される。
図4に示した検査通知取得部24は、検査室30から送られる検査通知を取得する。取得された検査通知は、医師を介して検査対象者へ提供される。
検査室30は、検査室検査受付部32、細胞単離部34、遺伝子解析部36、及び検査通知提供部38を含んで構成される。検査室検査受付部32は、採血部22又は病院20から輸送された母体の血液検体を受け取り、受け取った血液検体に付与された病院情報及び母体情報を取得する。
また、検査室検査受付部32は、胎児の性別に関する情報の通知を希望するか否かを表す性別通知希望情報を取得する。性別通知希望情報を取得する形態として、血液検体に付与された性別通知希望情報を取得する形態、血液検体とは別に性別通知希望情報を取得する形態が挙げられる。
細胞単離部34は、図1の細胞単離工程S3を実施する。図4に示した遺伝子解析部36は、図1の遺伝子解析工程S4を実施する。図4に示した細胞単離部34及び遺伝子解析部36は、染色体検査を実施する検査部37として機能する。
図4に示した検査通知提供部38は、図1の検査通知提供工程S5を実施する。検査通知提供部38によって生成され、提供された検査結果は、病院20の検査通知取得部24へ送られる。検査通知提供部38は検査部37に属する形態、病院20に属する形態のいずれも可能である。
〔情報処理系の構成〕
図5は図4に示した検査室30における情報処理系の構成を示したブロック図である。図5に示すように、検査室30は、検査室検査受付装置32A、検査処理装置37A、検査通知提供装置38A、管理装置40、記憶装置42を備える。各装置は、管理装置40によって統括制御される。図5に示した管理装置40は、検査室30に配置されるサーバ装置として構成することができる。
図5は図4に示した検査室30における情報処理系の構成を示したブロック図である。図5に示すように、検査室30は、検査室検査受付装置32A、検査処理装置37A、検査通知提供装置38A、管理装置40、記憶装置42を備える。各装置は、管理装置40によって統括制御される。図5に示した管理装置40は、検査室30に配置されるサーバ装置として構成することができる。
検査室検査受付装置32Aは、検査の受付処理を実行する。検査の受付処理として、検査室30における検査の管理単位である検査ジョブの作成、検査対象の血液検体に付与される病院情報の取得、及び検査対象の血液検体に付与される母体情報の取得が挙げられる。
また、検査依頼の受付処理として性別通知希望情報の取得が挙げられる。取得された病院情報、母体情報、及び性別通知希望情報は、検査ジョブと関連付けされ、管理装置40を介して記憶装置42へ記憶される。
また、検査ジョブは、図4の病院20において管理される電子カルテと関連付けされる態様が好ましい。例えば、検査対象の血液検体を採取した母体の電子カルテにおける識別番号、又は識別記号を病院情報として取得してもよい。
図5に示した検査室検査受付装置32Aは、図4の検査室検査受付部32の端末装置が適用される。
病院情報、母体情報、及び性別通知希望情報を取得する具体例として、バーコード、RFID、ICタグなどの情報記憶体から記憶されている情報を読み取る態様、データ通信により情報を取得する態様、キーボード、スキャナ等の入力装置を用いて印刷物に印刷された情報を入力する態様などが挙げられる。データ通信は、無線でもよいし、有線でもよい。
ここで、RFIDはradio frequency identifierの略語であり、ICはintegrated circuitの略語である。
検査処理装置37Aは、図4の検査部37における情報処理を実行して検査結果を生成する。検査処理装置37Aは、図4に示した細胞単離部34に配置される端末装置、及び遺伝子解析部36に配置される端末装置が含まれる。
図5の検査処理装置37Aは、図1の細胞単離工程S3、及び遺伝子解析工程S4により得られた検査結果を、検査ジョブと関連付けして、管理装置40を介して記憶装置42へ記憶する。
検査通知提供装置38Aは、図1の検査通知提供工程S5を実行する。記憶装置42に記憶されている検査結果を取得し、取得された検査結果に基づいて検査通知を生成し、生成された検査通知を提供する。
記憶装置42は、検査ジョブごとの諸情報が記憶される。検査室検査受付装置32A、検査処理装置37A、又は検査通知提供装置38Aは、記憶装置42にアクセスして諸情報の記憶、読み出しを実行する。
検査室検査受付装置32A、検査処理装置37A、又は検査通知提供装置38Aの記憶装置42へのアクセスは管理装置40によって管理される。管理装置40は、検査室検査受付装置32A、検査処理装置37A、又は検査通知提供装置38Aにアクセス権限を設定して、装置ごとに決められた領域のみ、又は決められた情報のみにアクセスできるように構成してもよい。
図5に図示した検査室30の情報処理系の構成は一例であり、各装置の機能を適宜統合し、また分割することが可能である。例えば、検査通知提供装置38Aに検査処理装置37Aの一部の機能を持たせてもよい。また、検査室検査受付装置32A、検査処理装置37A、又は検査通知提供装置38Aのいずれかの装置を管理装置40と兼用してもよい。
図4に示した染色体検査システム10は、クライアントサーバ方式のコンピュータシステムとして構築してもよいし、サーバを用いないクライアントのシステムとして構成してもよい。
図6はクライアントサーバ方式のコンピュータシステムが適用された染色体検査システム10Aの構成図である。
図6に示した染色体検査システム10Aは、管理装置68、病院20Aに設置される病院端末装置62A、病院20Bに設置される病院端末装置62B、及び病院20Cに設置される病院端末装置62C、検査室30に設置される検査室端末装置66を含んで構成される。
図6の管理装置68は、図5の管理装置40の機能を備えている。図6の病院端末装置62A,62B,62Cは、図4の採血部22の端末装置、検査通知取得部24の端末装置として機能させることが可能である。
検査室端末装置66は、検査室30の各部に設置される検査室端末装置が含まれる。図6には検査室端末装置66として、工程Aに適用される検査室端末装置66A、工程Bに適用される検査室端末装置66B、工程Cに適用される検査室端末装置66Cが図示されている。
例えば、図6の検査室端末装置66A,66B,66Cのそれぞれを、図5の検査室検査受付装置32A、検査処理装置37A、検査通知提供装置38Aとして機能させることができる。
サーバ装置として機能する管理装置68は、電気通信回線を介して、クライアント装置として機能する病院端末装置62A,62B,62C、及び検査室端末装置66A,66B,66Cと通信可能に接続される。
電気通信回線70は、ローカルエリアネットワークであってもよいし、ワイドエリアネットワークであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。ローカルエリアネットワークは、英語表記のlocal area networkの頭文字を用いてLANと表現されることがある。ワイドエリアネットワークは、英語表記のwide area networkの頭文字を用いてWANと表現されることがある。
電気通信回線70は有線通信回線に限定されない。電気通信回線70は一部又は全部を無線通信回線とすることができる。本明細書における接続の用語は、信号の受け渡しが可能な機器同士の状態を表している。接続の形態には、有線接続、又は無線接続のいずれを適用してもよい。
図6では、病院Aに設置される病院端末装置62A、病院Bに設置される病院端末装置62B、及び病院Cに設置される病院端末装置62Cを示しているが、発明の実施に際して、病院端末の台数については特に制限はなく、1以上任意の数とすることができる。また、同じ病院内に複数台の病院端末を備える構成も可能である。
また図6では、検査室30が1つの場合を例示しているが、検査室30の数も特に制限はなく、1以上任意の数とすることができる。この場合、管理装置68は、複数の検査室30のそれぞれについて個別に管理する。
検査室端末装置66A,66B,66Cには、それぞれバーコードリーダー72A,72B,72Cが接続されている。図6には図示されていないが、血液検体を納める容器やスライドガラスには、検体を識別するための識別情報を含んだバーコードが付されており、各工程の作業や処理を開始する際に、又は工程の作業や処理が終了する際に、若しくは、開始と終了の両方のそれぞれのタイミングでバーコードリーダー72A,72B,72Cによってバーコードの読み取りを行う。
本実施形態では、検査対象の血液検体における病院情報及び母体情報が記憶された情報記憶体から病院情報及び母体情報を読み取る手段としてバーコードリーダーを例示したが、情報記憶体の構成に対応した病院情報及び母体情報の読取手段が具備される。
図6に示した染色体検査システム10Aは、クライアントサーバ方式のコンピュータシステムを適用した場合の一例であり、適宜、構成の追加、構成の変更、構成の削除が可能である。
〔遺伝子解析方法の説明〕
図7は遺伝子解析方法の手順を示すフローチャートである。図7に示した遺伝子解析方法は、図1に示した遺伝子解析工程S4、及び図3に示した各工程に対応している。以下の説明では、図1、図3及び必要な図面を適宜参照する。
図7は遺伝子解析方法の手順を示すフローチャートである。図7に示した遺伝子解析方法は、図1に示した遺伝子解析工程S4、及び図3に示した各工程に対応している。以下の説明では、図1、図3及び必要な図面を適宜参照する。
図7に示した遺伝子解析方法は、受付処理工程S72、個数決定工程S74、細胞抽出工程S76、遺伝子読取工程S78、標的判別工程S80、成否判定工程S82、繰り返し最大回数判定工程S84、数的異常判定工程S86、検査通知提供工程S88を含んで構成される。
受付処理工程S72は、検査の受付処理が実行される工程であり、検査に関する情報として、妊婦情報、病院情報、及び性別通知希望情報が取得される。受付処理工程S72は、図4に示した病院検査受付部21、及び検査室検査受付部32におけて実行される。
個数決定工程S74は、細胞抽出工程S76で抽出される有核赤血球の数を決定する工程であり、予め決められた手順に基づいて抽出される有核赤血球の数を決定する個数制御システムが適用される。
個数制御システムは、受付処理の際に取得される各情報、及び遺伝子解析工程の実行条件、その他の諸条件に基づいて、最適な有核赤血球の抽出数を導出する。また、遺伝子解析工程のコストなど各種コストを考慮して、最適な有核赤血球の抽出数が決められる。個数制御システムは、図4に示した検査部37の端末装置が適用される。
細胞抽出工程S76は、有核赤血球を単離し、抽出する工程である。図7に示した細胞抽出工程S76は、図1の細胞単離工程に対応し、図2の濃縮工程S32、標本作製工程S34、画像処理工程S36が前工程として含まれる。
遺伝子読取工程S78は、細胞抽出工程S76において抽出された有核赤血球をDNAシーケンサにかけて、特定の染色体のDNAの定量値など、遺伝子情報の読取を行う工程である。図1に示した遺伝子解析工程S4は、図7の遺伝子読取工程S78が含まれる。
標的判別工程S80は、遺伝子読取工程S78で読み取られた特定染色体のDNAの定量値が、標的である胎児由来であるか、非標的である母体由来であるかを判別する工程である。図7に示した標的判別工程S80は、図3の数的異常判定工程S48の一部である、DANの帰属を決める工程に対応する。
標的判別工程S80として、基準細胞を利用する方法、及び基準細胞を用いずに判別を行う方法が挙げられる。基準細胞を利用する方法では、予め母体から基準細胞となる細胞、例えば、母体の唾液、粘膜等を取得しておき、取得された細胞が基準細胞として利用される。
基準細胞は、DNAシーケンサにかけられ、遺伝子情報が取得される。基準細胞の遺伝子情報を基準情報として、検査対象の有核赤血球から得られた遺伝子情報と、基準情報とを比較して、母体のものとは異なる種類の遺伝子情報が得られた場合に、胎児由来有核赤血球における遺伝子情報が得られたと判別される。
標的判別は、遺伝子配列同士の血縁判定を行うことにより、妊婦や胎児以外の他人細胞からの判別も可能である。通常、試料中に他人細胞が混入する可能性は極めて低いが、複数の個体に由来する複数種類の遺伝子情報が得られた場合に、遺伝子配列同士の血縁判定を行うことにより、母子関係のない他人細胞が混入する、いわゆる、コンタミネーション等による誤判定を防止することできる。
基準細胞を用いずに標的判別を行う場合は、由来が異なる二種類の遺伝子情報が得られると、一方が胎児由来であり、他方が母体由来であり、胎児由来有核赤血球における遺伝子情報が得られたと判別される。
なお、基準細胞を用いずに標的判別を行う場合も、遺伝子配列同士の血縁判定を行うことにより、妊婦や胎児以外の他人細胞からの判別も可能である。複数種類の遺伝子情報が得られた場合に、遺伝子配列同士の血縁判定を行うことにより、母子関係のない他人細胞が混入される、いわゆる、コンタミネーション等による誤判定を防止することできる。
成否判定工程S82は、標的判別工程S80による判別結果から、胎児由来有核赤血球における遺伝子情報が得られたか否かを判定する工程である。胎児由来有核赤血球における遺伝子情報が得られなかった場合、成否判定工程S82はNo判定となり、繰り返し最大回数判定工程S84へ進む。
成否判定工程S82において、胎児由来有核赤血球における遺伝子情報が得られた場合、成否判定工程S82はYes判定となり、数的異常判定工程S86へ進む。
遺伝子読取工程S78により、胎児由来有核赤血球における遺伝子情報が得られなかった場合は、細胞抽出工程S76又は遺伝子読取工程S78に戻り、別の有核赤血球を抽出して、又はすでに抽出されている未使用の有核赤血球を用いて、同様の工程を繰り返すことになる。
その際に、繰り返しの回数の上限を規定する最大回数が予め定められている。試行の最大回数は適宜の値に設定することができる。解析可能な有核赤血球が抽出できる限り、特に回数の制約なく繰り返してもよい。この場合、最大回数として十分に大きな値を設定すれば、実質的に最大回数の制約がないものとして扱うことができる。
試行の実施回数がカウントされ、繰り返し最大回数判定工程S84において、試行の実施回数が規定の最大回数に達したか否かの判定が行われる。
試行の実施回数が最大回数に満たない場合には、繰り返し最大回数判定工程S84にてNo判定となり、細胞抽出工程S76又は遺伝子読取工程S78に戻る。細胞抽出工程S76で抽出した有核赤血球のすべてを、遺伝子読取工程S78の処理にかける場合は、繰り返し最大回数判定工程S84にてNo判定となると、細胞抽出工程S76に戻る。
細胞抽出工程S76で抽出した有核赤血球の一部を、遺伝子読取工程S78の処理にかける場合は、繰り返し最大回数判定工程S84にてNo判定となると、遺伝子読取工程S78に戻る。
数的異常判定工程S86は、21番染色体などの特定の染色体における数的異常の有無を判定する工程である。図7に示した数的異常判定工程S86は、図3に示した数的異常判定工程S48に対応している。数的異常判定工程S86の判定結果を含む検査結果が得られると、検査通知提供工程S88へ進む。
図7に示した個数決定工程S74から数的異常判定工程S86までの各工程は、図4の検査部37に配置される検査部端末装置が使用される。
検査通知提供工程S88は、検査結果に基づいて検査通知を生成し、生成された検査通知を提供する工程である。図7に示した検査通知提供工程S88は、図1に示した検査通知提供工程S5に対応する。検査通知提供工程S88は、図5に示した検査通知提供装置38Aにおいて実行される。
検査通知提供工程S88において生成され提供された検査通知は、図4に示した検査通知取得部24へ送られる。
図8は図7に示した遺伝子解析方法を模式的に示した説明図である。図8には、基準細胞を用いずに胎児由来有核赤血球が抽出されたか否かの標的判別を行う態様を示す。まず、図1に示した採血工程S1によって得られた血液検体100から塗沫標本102を作製し、塗沫標本102から有核赤血球104が抽出される。
符号S401は、一回目の遺伝子読取工程を示す。一回目の遺伝子読取工程S401は、抽出された有核赤血球104に対して、増幅等の前処理を施した三つの試料110A,110B,110CがDNAシーケンサ112にかけられる。
一回目の遺伝子読取工程S401において、二種類の遺伝子情報が得られなかった場合は、二回目の遺伝子読取工程S402が実行される。図8には、二回目の遺伝子読取工程S402において、二つの試料110D,110EがDNAシーケンサ112にかけられる場合を示す。
二回目の遺伝子読取工程S402においても、二種類の遺伝子情報が得られなかった場合は、三回目の遺伝子読取工程S403が実行される。図8には、三回目の遺伝子読取工程S403において、一つの試料110FがDNAシーケンサ112にかけられる場合を示す。
三回目の遺伝子読取工程S403においても、二種類の遺伝子情報が得られなかった場合は、繰り返し最大回数に到達するまで、遺伝子読取工程が繰り返し実行される。
一方、一回目の遺伝子読取工程S401、二回目の遺伝子読取工程S402、又は三回目の遺伝子読取工程S403において、二種類の遺伝子情報が得られた場合は、検査終了の処理が実行される。
図9は一回目の遺伝子読取工程S401において二種類の遺伝子情報が得られた場合の遺伝子情報を模式的に示す説明図である。図9に示すように、由来の異なる二種類の遺伝子情報A、及び遺伝子情報Bが得られている。遺伝子情報A又は遺伝子情報Bの一方は胎児由来有核赤血球から得られた胎児の遺伝子情報であり、他方は母体由来有核赤血球から得られた母体の遺伝子情報である。
図10は一回目の遺伝子読取工程S401において二種類の遺伝子情報が得られず、二回目の遺伝子読取工程S402において二種類の遺伝子情報が得られた場合の遺伝子情報を模式的に示す説明図である。
図10に示すように、一回目の遺伝子読取工程S401では、一種類の遺伝子情報Aのみが得られ、二回目の遺伝子読取工程S402において、二種類の遺伝子情報A、及び遺伝子情報Bが得られている。
このようにして取得された胎児由来有核赤血球から得られた胎児の遺伝子情報に含まれる21番染色体などの特定染色体におけるDNA定量値に基づいて、胎児における21番染色体などの特定染色体の数的異常の有無を判定することができる。
本実施形態に示す検査通知提供装置38Aは、特定染色体におけるDNA定量値が予め決められた基準範囲に入っているか否かによって、陽性の可能性、陰性の可能性を自動判定することができる。
自動判定の結果は検査通知に付与される。例えば、21番染色体におけるDNA定量値に対して、1.5を中心にプラスマイナス0.2の範囲を、異常の可能性が高い場合の判定基準範囲とすることができる。
〔一種類の遺伝子情報から標的判別をする方法の説明〕
次に、一種類の遺伝子情報から標的判別をする方法について説明する。遺伝子情報にY染色体におけるDNAの定量値が含まれている場合は、胎児の遺伝子情報と判別することができる。遺伝子情報にY染色体のDNAの定量値が含まれる場合、当該遺伝子情報は男性のものである。母体は女性であり、遺伝子情報にY染色体におけるDNAの定量値が含まれていることはあり得ないので、遺伝子情報にY染色体におけるDNAの定量値が含まれている場合は、胎児のものと判別することができる。
次に、一種類の遺伝子情報から標的判別をする方法について説明する。遺伝子情報にY染色体におけるDNAの定量値が含まれている場合は、胎児の遺伝子情報と判別することができる。遺伝子情報にY染色体のDNAの定量値が含まれる場合、当該遺伝子情報は男性のものである。母体は女性であり、遺伝子情報にY染色体におけるDNAの定量値が含まれていることはあり得ないので、遺伝子情報にY染色体におけるDNAの定量値が含まれている場合は、胎児のものと判別することができる。
また、21番染色体など特定染色体のDNAの定量値が、当該染色体の数的異常の範囲の値を表す場合は、胎児の遺伝子情報と判別することができる。特定染色体の数的異常について母体は正常であり、母体の遺伝子情報は数的異常の範囲の値を示す特定染色体のDNAの定量値が含まれていない。したがって、特定染色体の数的異常の範囲の値を示すDNAの定量値が含まれている場合は、その遺伝子情報は胎児のものと判別することができる。
すなわち、遺伝子情報としてY染色体におけるDNA定量値が含まれる場合、特定染色体の数的異常の範囲の値を示すDNA定量値が含まれる場合は、胎児の検査結果のみ、すなわち、一種類の検査結果を生成すればよい。
一方、特定染色体のDNAの定量値が正常範囲の値を表し、Y染色体におけるDNAの定量値を含まず、X染色体におけるDNAの定量値のみを含む場合は、二種類の遺伝子情報のうち、いずれが胎児のもので、いずれが母体のものであるかを判定することができない。少なくともこのような場合は、二種類の異なる遺伝子情報のそれぞれについて検査結果が生成される。
〔技術課題の説明〕
図11は技術課題の説明図である。図11(A)に示した検査通知204Aは、13番染色体におけるDNA定量値、18番染色体におけるDNA定量値、21番染色体におけるDNA定量値、性染色体におけるDNA定量値が含まれる。
図11は技術課題の説明図である。図11(A)に示した検査通知204Aは、13番染色体におけるDNA定量値、18番染色体におけるDNA定量値、21番染色体におけるDNA定量値、性染色体におけるDNA定量値が含まれる。
以下の説明における検査通知は、染色体の番号又は染色体の種類を横系列とし、DNA定量値を縦系列として、特定染色体におけるDNA定量値を棒グラフ形式で表示する態様を例示する。特定染色体におけるDNA定量値の表示形態は、他の種類のグラフ、表形式などを適用することができる。
同様に、図11(B)に示した検査通知204B,205B、及び図11(C)に示した検査通知204Cは、13番染色体におけるDNA定量値、18番染色体におけるDNA定量値、21番染色体におけるDNA定量値、性染色体におけるDNA定量値が含まれる。なお、図11(B)に示した検査通知205Bの内容は、検査通知204Bと実質的に同一であるので、図示の都合上、検査通知201Bの内容の図示は省略する。
図11(A)に示した検査通知204Aは、Y染色体のDNAの定量値が含まれていないこと、21番染色体の数的異常を示していることから、胎児が女性の場合の検査通知であると推定することができるものである。
図11(B)に示した検査通知204B,205Bは、二種類の検査通知が生成されていることから、特定染色体の数的異常がなく、胎児が女性の場合の検査通知であると推定することができるものであり、Y染色体のDNAの定量値が含まれていないことからも、女性の胎児の検査通知であると推定することができるものである。
図11(C)に示した検査通知204Cは、Y染色体のDNAの定量値が含まれていることから、特定染色体におけるDNA定量値によらず、胎児が男性の場合の検査通知であると推測することができるものである。
すなわち、図11(A)に示した検査通知204A、図11(B)に示した検査通知204B、205B、及び図11(C)に示した検査通知204Cは、胎児の性別が直接的に記載されていないものの、検査通知の内容から胎児の性別を推定することができてしまう。そうすると、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができない。
そこで、胎児の染色体異常の判定に用いられる遺伝子情報を提供でき、かつ、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる検査通知提供装置、方法、及びプログラムについて、以下に説明する。
〔検査通知提供装置の説明〕
図12は検査通知提供装置の概略構成を示すブロック図である。図12に示した検査通知提供装置38Aは、制御部162、検査結果取得部164、希望情報取得部166、秘匿化処理部168、検査通知生成部170、検査通知出力部172、記憶部174、及び操作部176を含んで構成される。図12に示した検査通知提供装置38Aは、図5に示した検査通知提供装置38Aに対応している。
図12は検査通知提供装置の概略構成を示すブロック図である。図12に示した検査通知提供装置38Aは、制御部162、検査結果取得部164、希望情報取得部166、秘匿化処理部168、検査通知生成部170、検査通知出力部172、記憶部174、及び操作部176を含んで構成される。図12に示した検査通知提供装置38Aは、図5に示した検査通知提供装置38Aに対応している。
制御部162は、検査通知提供装置38Aの各部を統括的に制御する。また、制御部162は記憶部174へのデータの書き込み、及び記憶部174からのデータの読み出しを制御するメモリコントローラとして機能する。
検査結果取得部164は、図4の検査部37から得られた染色体検査の検査結果であり、一種類以上の検査結果を取得する。取得された検査結果は記憶部174へ記憶される。
希望情報取得部166は、検査室検査受付部32において処理された胎児の性別の通知を希望するか否かを表す希望情報を取得する。取得された希望情報は、記憶部174へ記憶される。
検査結果取得部164、及び希望情報取得部166の情報取得態様の例として、図5の管理装置40を介して記憶装置42にアクセスして、記憶装置42から処理に必要な情報を読み出す態様が上げられる。検査結果取得部164及び希望情報取得部166を一体として情報取得部とする態様も可能である。
秘匿化処理部168は、取得された検査結果に対して一部の情報を秘匿化する秘匿化処理を施し、秘匿化処理後の検査結果を生成する。秘匿化処理の詳細は後述する。
検査通知生成部170は、取得された検査結果、又は秘匿化処理が施された検査結果に基づいて検査通知を生成する。胎児の性別の非通知を希望することを表す希望情報を取得した場合に、検査結果に対して胎児の性別の推定に寄与しうる情報を秘匿する性別情報秘匿化処理を施した検査通知を生成する。性別情報秘匿化処理が施された検査通知は、検査通知出力部172へ送られる。
胎児の性別の非通知を希望することを表す希望情報を取得しない場合は、性別情報秘匿化処理を施した検査通知を生成してもよいし、性別情報秘匿化処理が施されない検査通知を生成してもよい。
検査通知出力部172は、検査通知を出力する。検査通知出力部172から出力された検査結果は、図4に示した病院20の検査通知取得部24へ送られる。
記憶部174は、検査結果取得部164によって取得された検査結果、希望情報、及び検査通知などが記憶される。
操作部176は、オペレータのよって操作されることで、検査通知提供装置38Aの外部から検査通知提供装置38Aへ情報を入力する入力装置として機能する。操作部176は、ボタン、スイッチ、キーボード、マウス、ジョイスティックなどを適用することができる。また、表示装置と一体に構成されたタッチパネルを適用することができる。
検査結果は、図4の検査部37において実施された染色体検査によって得られたデータである。検査通知は、検査結果に対して被検査者への提供のための形式に、検査結果を加工処理したデータである。
図12に示した検査通知提供装置38Aにおける秘匿化処理部168や検査通知生成部170などの一部の構成を図4に示した病院20の端末装置に適用して、病院20の端末装置及び検査室30の端末装置よって検査通知提供装置38Aを構成する態様も可能である。
〔検査通知提供方法の説明〕
図13は図12に示した検査通知提供装置38Aに適用される検査結果処理方法の制御手順を示すフローチャートである。
図13は図12に示した検査通知提供装置38Aに適用される検査結果処理方法の制御手順を示すフローチャートである。
開始工程S100において検査結果処理が開始されると、検査結果取得工程S102において検査結果を取得し、希望情報取得工程S104において希望情報を取得し、性別通知希望判別工程S106へ進む。
性別通知希望判別工程S106では、取得された希望情報が性別の通知を希望するものであるか否かが判別される。胎児の性別の非通知を希望する場合は性別通知希望判別工程S106にてYes判定となり、検査通知生成工程S110へ進む。
胎児の性別の通知を希望する場合には、性別通知希望判別工程S106にてNo判定となり、秘匿化処理工程S108へ進み、検査結果に対して性別情報秘匿化処理が施され、検査通知生成工程S110へ進む。
検査通知出力工程S112は、性別情報秘匿化処理が施された検査通知、又は性別情報秘匿化処理が非処理の検査通知を生成する。検査通知が生成されると、検査通知出力工程S112へ進み検査通知が出力される。
検査通知生成工程S110、及び検査通知出力工程S112は、図1の検査通知提供工程S5、及び図7の検査通知提供工程S88に対応している。検査通知が出力されると、終了工程S114へ進み、検査結果処理方法は終了される。
図13に示したフローチャートにおいて、性別通知希望判別工程S106のYes判定の場合、又は秘匿化処理工程S108の後に、検査結果から検査通知を生成する検査通知生成工程、検査通知を印刷する印刷工程を含み、検査結果の内容を表す印刷物の形態の検査通知として出力する態様も可能である。
また、検査通知を表示装置へ表示させる表示工程を含み、表示装置の画面表示の形態の検査通知として出力する態様も可能である。
図12に示した検査通知提供装置38Aの各部の機能をコンピュータに実現させる検査結果処理プログラムを構成することが可能である。例えば、コンピュータを、検査結果を取得する検査結果取得手段と、胎児の性別の通知を希望するか否かを表す性別通知希望情報取得手段と、取得された性別通知希望情報に基づいて取得された検査結果に対して性別情報秘匿化処理を施す秘匿化処理手段と、性別情報秘匿化処理がされた検査結果を出力する検査結果出力手段として機能させる検査結果処理プログラムを構成することができる。
〔性別情報秘匿化処理の説明:第1実施形態〕
次に、図14から図16を用いて性別情報秘匿化処理の第1実施形態について説明する。第1実施形態には、性別情報秘匿化処理の一例として性別情報非表示化処理を示す。
次に、図14から図16を用いて性別情報秘匿化処理の第1実施形態について説明する。第1実施形態には、性別情報秘匿化処理の一例として性別情報非表示化処理を示す。
図14は検査結果に対して性別情報非表示化処理が施されて生成された検査通知の説明図である。以下に、図4に示した検査室30の検査通知提供部38における検査通知提供装置38Aによって検査結果に対する性別情報秘匿化処理が実行され、生成された検査通知が検査室30から病院へ提供され、提供された検査通知は病院において医師から被検査者へ提供される例について説明する。
図14に示した検査結果200Aは、図12に示した検査結果取得部164により取得された染色体検査の検査結果を模式的に図示したものであり、図12に示した検査結果200Aに対応している。図14に示した検査結果200Aは、胎児が女性であり、21番染色体が数的異常の場合の検査結果である。図14に示した検査結果200Aは第3検査結果に対応する。
性別情報秘匿化処理の一態様である性別情報非表示化処理を検査結果200Aに施して、検査通知202Aが生成される。図14において、非表示化された性染色体におけるDNA定量値を破線により図示する。図15から図17についても同様である。
検査通知204Aは、検査通知202Aに対して、13番染色体の数的異常の自動判定結果、18番染色体の数的異常の自動判定結果、及び21番染色体の数的異常の自動判定結果を表す判定情報240が付与されたものである。
検査通知202A、又は検査通知204Aは、図4の検査室30から病院20へ提供され、医師を介して被検査者へ提供される。
検査結果200Aは、13番染色体、18番染色体及び21番染色体におけるDNA定量値、及び性染色体におけるDNA定量値が含まれる。一方、検査通知202A、及び検査通知204Aは、胎児の性別に依存する情報である性染色体におけるDNA定量値が非表示化され秘匿化されているので、検査通知202A及び検査通知204Aの内容から胎児の性別を推定することができない。
すなわち、検査結果に対して性別情報非表示化処理を施すことで、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。また、注目している13番染色体、18番染色体及び21番染色体におけるDNA定量値は、変更、又は消去等がされることがないので、特定染色体の数的異常の判定に性別情報非表示化処理は影響を与えない。
図15から図17は性別情報非表示化処理が適用された検査通知の他の例を示す説明図である。図15に示した検査結果200Bは、胎児が女性であり、13番染色体、18番染色体及び21番染色体が数的異常でない正常範囲の場合である。図15に示した検査結果200Bは、第2検査結果に対応する。
検査結果200Bに対して性別情報非表示化処理が施されると、検査通知202B又は検査通知202Bに判定情報240が付与された検査通知204Bが生成される。
図16に示した検査結果200Cは、胎児が男性であり、21番染色体が数的異常の場合である。図16に示した検査結果200Cは第1検査結果に対応する。検査結果200Cに対して性別情報非表示化処理が施されると、検査通知202C又は検査通知202Cに対して判定情報240が付与された検査通知204Cが生成される。
図17に示した検査結果200Dは、胎児が男性であり、13番染色体、18番染色体及び21番染色体が数的異常でない正常範囲の場合である。図17に示した検査結果200Dは第1検査結果に対応する。検査結果200Dに対して性別情報非表示化処理が施されると、検査通知202D又は検査通知202Dに判定情報240が付与された検査通知204Dが生成される。
図15から図17に示した性別情報非表示化処理についても、図14に示した性別情報非表示化処理と同様の作用効果を得ることができる。
図4に示した検査室30から病院20へ提供される検査通知として、判定情報が付与されていない検査通知202A,202B,202C,202D、又は判定情報が付与された検査通知204A,204B,204C,204Dのいずれを適用してもよい。医師から被検査者へ提供される検査通知についても同様である。
検査通知の提供形態の例として、印刷物、画面表示、電子データなどが挙げられる。例えば、図4の検査室30の検査通知提供部38において、印刷装置を用いて検査通知の印刷物を生成し、検査通知の印刷物を提供してもよい。
また、検査室30から病院20へ検査通知の電子データを提供して、病院20において検査通知の印刷物を生成するか、検査通知をモニタ装置の画面に表示して、検査通知を提供してもよい。
医師による印刷指示の入力形態の一例として、モニタ装置に印刷指示画面を表示させ、印刷指示画面に設けられた選択ボタンの押下操作、又はクリック操作によって印刷指示を入力する態様が挙げられる。選択ボタンの例として、染色体検査の結果が陰性であることを表すボタン、及び染色体検査の結果が陽性であることを表すボタンが挙げられる。医師により操作されるボタン等は、図12に示した操作部176を適用することができる。
例えば、図14に示した検査結果200Aのように、染色体検査の自動判定結果が陽性である可能性が高い場合に対して、医師の印刷指示が染色体検査の結果が陰性であることを表す検査通知を印刷するものであるといった、医師の印刷指示と自動判定結果の内容が相違している場合には、ダイアログボックスなどの確認画面を表示装置に表示させ、医師に対して印刷指示の確認を促す態様が好ましい。
図18及び図19は検査通知の他の例を示す説明図である。図18及び図19において、図14から図17と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図18は図14に対応し、図19は図15に対応している。図18に示した検査通知206A、及び図19に示した検査通知206Bは、13番染色体、18番染色体、21番染色体、及び性染色体におけるDNA定量値を非表示化し、判定情報240のみを表示させている。
このように、被検査者に提供される検査通知において必要な情報のみを表示させることで、胎児の性別を秘匿してもよい。もちろん、図16及び図17に示した検査通知204C,204Dについても判定情報240のみを表示させることが可能である。
検査通知提供装置38Aにおいて、性染色体におけるDNA定量値を用いない場合には、胎児が男性の場合にY染色体におけるDNA定量値に基づき標的判別を行わずに、胎児が男性の場合と同様に、由来が異なる二種類の有核赤血球が抽出されるまで検査を行ってもよい。
図20は図4に示した病院20に検査結果取得部164、及び秘匿化処理部168の機能を有する端末装置が具備される場合の検査通知提供の説明図である。図20は図14に対応している。
病院20の端末装置は検査室30から提供される検査結果200Aを取得し、取得された検査結果200Aに基づいて検査通知204Aが生成される。検査通知204Aに代わり、図14に示した検査通知202Aを生成してもよい。図20には、検査通知204Aが生成された例を示す。図15から図17に示した場合についても適用可能である。
図21は検査通知提供装置38Aおいて性染色体におけるDNA定量値を用いない場合の検査通知の説明図である。検査通知提供装置38Aにおいて、性染色体におけるDNA定量値を用いない場合には、検査結果取得部164により取得される検査結果、例えば、図21に示すように、検査結果201Aとして、性染色体におけるDNA定量値が含まれない態様も可能である。
性別情報非表示化処理が適用される検査通知提供装置、方法、及びプログラムによれば、性染色体におけるDNA定量値を非表示化することで、検査結果に基づいて胎児の性別を推定することができず、胎児の性別を知りたくないというニーズに対応することができる。また、特定染色体におけるDNA定量値を含む検査通知が提供される場合には、当該検査通知に基づき特定染色体における数的異常の判定を行うことができる。
〔性別情報秘匿化処理の説明:第2実施形態〕
次に、図22及び図23を用いて性別情報秘匿化処理の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、性別情報秘匿化処理の一例として擬似性別情報変更処理を示す。図22及び図23において、図14から図19と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
次に、図22及び図23を用いて性別情報秘匿化処理の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、性別情報秘匿化処理の一例として擬似性別情報変更処理を示す。図22及び図23において、図14から図19と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図22及び図23は擬似性別情報変更処理が適用された検査結果、及び検査結果から生成される検査通知を示す説明図である。図22は、胎児が男性の場合であり、図16に対応している。図23は、胎児が女性であり、13番染色体、18番染色体及び21番染色体が数的異常でない正常範囲の場合である。図23は、図15に対応している。
本実施形態に示す擬似性別情報変更処理は、性染色体におけるDNA定量値を1.0又は0.5以外の任意の値を有する擬似性染色体データに変更して、性染色体におけるDNA定量値から性別の判定ができない検査結果を生成する処理である。
図22に示した、検査結果200Cに対して擬似性別情報変更処理が施された検査通知302C,304Cは、処理前の検査結果200CのX染色体におけるDNA定量値0.5が1.0に置き換えられ、Y染色体におけるDNA定量値0.5が1.0に置き換えられる。
そして、検査通知302Cの複製物である検査通知303C、又は検査通知304Cの複製物である検査通知306Cが生成される同数化処理が施され、一つの検査結果から二つ、又は二種類の検査通知が生成される。
図22に示した検査通知302C等は、男性のもの又は女性のもののいずれにも該当せず、染色体データが同一内容の染色体データに変更されているので、男性の検査通知であるか、女性の検査通知であるかを判別することができない。また、男性のデータ又は女性のデータであると誤解されることもない。
図23(A)及び図23(B)は、胎児が女性であり、13番染色体、18番染色体及び21番染色体が数的異常でない正常範囲の場合である。胎児が女性の場合の擬似性別情報変更処理は、図23(A),(B)に示した擬似性別情報変更処理前の検査結果200B,201Bに対して、Y染色体におけるDNA定量値が擬似性染色体データとして付加される変更がなされる。
図23(A),(B)に示した擬似性別情報変更処理後の検査通知302B,303B,304B,305Bは、Y染色体におけるDNA定量値として1.0が付加されている。
したがって、検査結果の内容から胎児の性別を推定することができない。また、擬似性別情報変更処理前の検査結果の内容によらず、同数化処理によって二種類の検査結果が生成されるので、検査結果の種類数から胎児の性別を推定することもできない。
本実施形態においても、一種類の検査結果が得られた場合に、被検査者に開示する検査通知を二枚、又は二種類生成すればよく、検査通知として判定情報240のみが表示された検査通知である、図18に示した検査通知206A、及び図19に示した検査通知206Bを適用してもよい。また、第1実施形態における処理は、適宜、第2実施形態においても適用される。
もちろん、胎児が女性、特定染色体が数的異常である場合、胎児が男性、特定染色体が数的異常でない場合にも、本実施形態に示す擬似性別情報変更処理を適用することができる。
〔性別情報秘匿化処理の説明:第3実施形態〕
次に、図24及び図25を用いて性別情報秘匿化処理の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、性別情報秘匿化処理の一例として選択処理を示す。
次に、図24及び図25を用いて性別情報秘匿化処理の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、性別情報秘匿化処理の一例として選択処理を示す。
胎児が女性であり、13番染色体、18番染色体及び21番染色体が数的異常でない正常範囲の場合は、二種類の検査結果が得られる。いずれの検査結果が胎児のものであるかを自動判定することはできないものの、リスクが高い方の検査結果を選択し、選択された検査結果のみを提供することで、検査結果の安全性を確保することができる。
図24(A)に示した検査結果210B、及び図24(B)に示した検査結果211Bは、いずれも13番染色体、18番染色体及び21番染色体の数的異常は認められない。ここで、図24(B)に示した検査結果211Bの21番染色体におけるDNA定量値は、図24(A)に示した検査結果210Bの21番染色体におけるDNA定量値よりも大きいので、検査結果211Bがよりリスクが高いものとして選択され、選択された検査結果211Bの性染色体におけるDNA定量値が非表示化されて検査通知213B,314Bが生成される。
図25は、モノソミー判定の場合であり、図25(B)に示した検査結果221Bの21番染色体におけるDNA定量値は、図25(A)に示した検査結果220Bの21番染色体におけるDNA定量値よりも小さいので、検査結果221Bがよりリスクが高いものとして選択され、選択された検査結果221Bの性染色体におけるDNA定量値が非表示化されて検査通知223B,324Bが生成される。
すなわち、選択処理は、二種類の検査結果のうち、21番染色体におけるDNA定量値から正常範囲の基準値である1.0を減算した値の絶対値が大きい検査結果を、リスクが高い方の検査結果として選択する。
本実施形態によれば、いずれの検査結果が得られた場合でも、検査結果の内容から胎児の性別を推定することができず、かつ、検査結果の数からも胎児の性別を推定することができない。また、正常を示す二種類の検査結果からリスクが高い方の検査結果が選択され、選択された検査結果から検査通知が生成されることで、検査結果の安全性の向上に寄与する。
以上説明した検査通知提供、方法、プログラムでは、非侵襲的出生前診断を例に挙げて、血液検体を用いた染色体検査について説明したが、本実施形態に係る検査通知提供装置等は、粘膜細胞などの血液検体以外の検体を用いた遺伝子検査にも適用可能である。
以上説明した検査通知提供装置、検査通知提供方法、検査通知提供プログラム、及び染色体検査システムは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更、追加、削除をすることが可能である。また、上述した各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
10,10A…染色体検査システム、21…病院検査受付部、22…採血部、24…検査通知取得部、32…検査室検査受付部、32A…検査室検査受付装置、37…検査部、37A…検査処理装置、38…検査通知提供部、38A…検査通知提供装置、40…管理装置、42…記憶装置、164…検査結果取得部、166…希望情報取得部、168…秘匿化処理部、170…検査通知生成部、172…検査通知出力部、174…記憶部、176…操作部、200A,200B,200C,200D,201A,201B,210B,211B,220B,221B…検査結果、202A,202B,202C,202D,204A,204B,204C,204D,206A,206B,212B,213B,222B,223B,302B,302C,303B,303C,304B,304C,305B,314B,324B…検査通知
Claims (14)
- 胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査する染色体検査から生成された検査通知を提供する検査通知提供装置であって、
染色体検査の検査結果を取得する検査結果取得部と、
胎児の性別の通知を希望するか否かの性別通知希望情報を取得する希望情報取得部と、
前記検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理部と、
前記取得された検査結果に基づいて検査通知を生成する検査通知生成部と、
前記生成された検査通知を出力する検査通知出力部と、
を備え、
前記検査結果取得部は、男性固有の染色体データが含まれる一種類以上の第1検査結果、女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が正常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が異常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第3検査結果の少なくともいずれか一つの検査結果を取得し、
前記秘匿化処理部は、胎児の性別の非通知を希望することを示す性別通知希望情報が取得された場合、前記第1検査結果が取得されると前記第1検査結果に対して男性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、前記第2検査結果又は前記第3検査結果が取得されると前記取得された第2検査結果又は前記第3検査結果に対して女性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、
前記検査通知生成部は、前記取得された検査結果に前記性別情報秘匿化処理が施され、前記男性固有の染色体データ及び前記女性固有の染色体データが秘匿化された検査通知を生成する検査通知提供装置。 - 前記秘匿化処理部は、前記第1検査結果が取得されると前記第1検査結果に対して男性固有の染色体データを非表示化する性別情報非表示化処理を施し、前記第2検査結果又は前記第3検査結果が取得されると前記取得された第2検査結果又は前記第3検査結果に対して女性固有の染色体データを非表示化する性別情報非表示化処理を施す請求項1に記載の検査通知提供装置。
- 前記検査結果取得部は、前記男性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む前記第1検査結果、前記女性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む前記第2検査結果、又は前記女性固有の染色体データとして性染色体におけるDNA定量値を含む前記第3検査結果のいずれかを検査結果として取得し、
前記秘匿化処理部は、前記第1検査結果が取得されると前記第1検査結果に対して前記性染色体におけるDNA定量値を非表示化する性別情報非表示化処理を施し、前記第2検査結果又は前記第3検査結果が取得されると前記取得された第2検査結果又は前記第3検査結果に対して前記性染色体におけるDNA定量値を非表示化する性別情報非表示化処理を施す請求項2に記載の検査通知提供装置。 - 前記秘匿化処理部は、前記取得された検査結果に含まれる前記男性固有の染色体データ、又は前記女性固有の染色体データを、前記男性固有の染色体データ及び前記女性固有の染色体データのいずれにも該当しない擬似性染色体データに変更する擬似性別情報変更処理を施す請求項1に記載の検査通知提供装置。
- 前記秘匿化処理部は、男性固有の染色体データを含む検査結果、又は女性固有の染色体データを含む検査結果のいずれが取得された場合にも、前記取得された検査結果に含まれる性染色体データを同一内容の染色体データに変更する擬似性別情報変更を施す請求項4に記載の検査通知提供装置。
- 前記秘匿化処理部は、前記検査結果取得部により一種類の前記第1検査結果が取得された場合に、前記取得された一種類の第1検査結果を複製して、前記第2検査結果が取得された場合の前記第2検査結果の検査通知の種類数と同数とする同数化処理を施す請求項1から5のいずれか一項に記載の検査通知提供装置。
- 前記秘匿化処理部は、前記検査結果取得部により一種類の前記第3検査結果が取得された場合に、前記取得された一種類の第3検査結果を複製して、前記第2検査結果が取得された場合における前記第2検査結果の検査通知の種類数と同数とする同数化処理を施す請求項1から6のいずれか一項に記載の検査通知提供装置。
- 前記秘匿化処理部は、二種類の前記第2検査結果が取得された場合に、前記二種類の第2検査結果のいずれか一方を選択する選択処理を施し、
前記検査通知生成部は、前記選択された検査結果に基づいて検査通知を生成する請求項1から5のいずれか一項に記載の検査通知提供装置。 - 前記秘匿化処理部は、前記取得された二種類の前記第2検査結果のうち、注目している染色体のデータ値から正常範囲の基準値を減算した値の絶対値が大きい検査結果を選択する請求項8に記載の検査通知提供装置。
- 胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査する染色体検査から生成された検査通知を提供する検査通知提供方法であって、
染色体検査の検査結果を取得する検査結果取得工程と、
胎児の性別の通知を希望するか否かの性別通知希望情報を取得する希望情報取得工程と、
前記検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理工程と、
前記取得された検査結果に基づいて検査通知を生成する検査通知生成工程と、
前記生成された検査通知を出力する検査通知出力工程と、
を含み、
前記検査結果取得工程は、男性固有の染色体データが含まれる一種類以上の第1検査結果、女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が正常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が異常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第3検査結果の少なくともいずれか一つの検査結果を取得し、
前記秘匿化処理工程は、胎児の性別の非通知を希望することを示す性別通知希望情報が取得された場合、前記第1検査結果が取得されると前記第1検査結果に対して男性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、前記第2検査結果又は前記第3検査結果が取得されると前記取得された第2検査結果又は前記第3検査結果に対して女性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、
前記検査通知生成工程は、前記取得された検査結果に前記性別情報秘匿化処理が施され、前記男性固有の染色体データ及び前記女性固有の染色体データが秘匿化された検査通知を生成する検査通知提供方法。 - 前記検査通知出力工程は、検査通知を印刷する印刷工程を含む請求項10に記載の検査通知提供方法。
- 前記検査通知出力工程は、検査通知を表示させる表示工程を含む請求項10に記載の検査通知提供方法。
- 胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査する染色体検査から生成された検査通知を提供する検査通知提供プログラムであって、
コンピュータを、染色体検査の検査結果を取得する検査結果取得手段と、
胎児の性別の通知を希望するか否かの性別通知希望情報を取得する希望情報取得手段と、
前記検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理手段と、
前記取得された検査結果に基づいて検査通知を生成する検査通知生成手段と、
前記生成された検査通知を出力する検査通知出力手段として機能させ、
前記検査結果取得手段は、男性固有の染色体データが含まれる一種類以上の第1検査結果、女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が正常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が異常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第3検査結果の少なくともいずれか一つの検査結果を取得し、
前記秘匿化処理手段は、胎児の性別の非通知を希望することを示す性別通知希望情報が取得された場合、前記第1検査結果が取得されると前記第1検査結果に対して男性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、前記第2検査結果又は前記第3検査結果が取得されると前記取得された第2検査結果又は前記第3検査結果に対して女性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、
前記検査通知生成手段は、前記取得された検査結果に前記性別情報秘匿化処理が施され、前記男性固有の染色体データ及び前記女性固有の染色体データが秘匿化された検査通知を生成する検査通知提供プログラム。 - 胎児由来細胞に含まれる染色体の異常を検査する染色体検査システムであって、
母体より採取された血液を取得し、前記取得された血液から有核細胞を抽出し、前記抽出された有核細胞を用いて遺伝子解析を行う染色体検査を実施する検査部と、
前記検査部において実施された染色体検査の検査結果を取得する検査結果取得部と、
胎児の性別の通知を希望するか否かの性別通知希望情報を取得する希望情報取得部と、
前記検査結果に含まれる一部の情報を秘匿化する秘匿化処理部と、
前記取得された検査結果に基づいて検査通知を生成する検査通知生成部と、
前記生成された検査通知を出力する検査通知出力部と、
を備え、
前記検査結果取得部は、男性固有の染色体データが含まれる一種類以上の第1検査結果、女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が正常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第2検査結果、又は女性固有の染色体データが含まれる検査結果であり、注目している染色体のデータ値が異常範囲の値を示す一種類以上の検査結果を含む第3検査結果の少なくともいずれか一つの検査結果を取得し、
前記秘匿化処理部は、胎児の性別の非通知を希望することを示す性別通知希望情報が取得された場合、前記第1検査結果が取得されると前記第1検査結果に対して男性固有の染色体データを秘匿化する性別情報秘匿化処理を施し、前記第2検査結果又は前記第3検査結果が取得されると前記取得された第2検査結果又は前記第3検査結果に対して女性固有の染色体データを性別情報秘匿化する秘匿化処理を施し、
前記検査通知生成部は、前記取得された検査結果に前記性別情報秘匿化処理が施され、前記男性固有の染色体データ及び前記女性固有の染色体データが秘匿化された検査通知を生成する染色体検査システム。
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CN113366553A (zh) * | 2019-02-01 | 2021-09-07 | 株式会社东芝 | 终端装置、数据处理方法及程序 |
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2014
- 2014-09-24 JP JP2014194331A patent/JP2016066219A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110211654A (zh) * | 2019-05-30 | 2019-09-06 | 湖南自兴智慧医疗科技有限公司 | 一种自动隐藏性别信息的核型检测系统及方法 |
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