JP2016063593A - 回転電機のステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルエンド部の接合部間の絶縁を確保しつつ、コイルエンド部の効率的な冷却を行う。
【解決手段】各絶縁紙30は、外周側端部がステータ周方向に隣接する最外周の接合部32−1間を通り、外周側端部から内周側端部にかけて、ステータ径方向に隣接する接合部間であってステータ径方向位置が互いに異なる複数箇所の接合部間(接合部32−1,32−2間及び接合部32−2,32−3間)を外周側から内周側へ順次一方向側の隣接周に向かって通り、内周側端部がステータ周方向に隣接する最内周の接合部32−3間を通る。ステータ周方向に隣接する絶縁紙30間に冷媒通路40が形成され、冷却油のステータ径方向の流れが絶縁紙30により妨げられることなく、コイルエンド部の温度ばらつきを抑制して効率的な冷却を行うことができる。
【選択図】図2
【解決手段】各絶縁紙30は、外周側端部がステータ周方向に隣接する最外周の接合部32−1間を通り、外周側端部から内周側端部にかけて、ステータ径方向に隣接する接合部間であってステータ径方向位置が互いに異なる複数箇所の接合部間(接合部32−1,32−2間及び接合部32−2,32−3間)を外周側から内周側へ順次一方向側の隣接周に向かって通り、内周側端部がステータ周方向に隣接する最内周の接合部32−3間を通る。ステータ周方向に隣接する絶縁紙30間に冷媒通路40が形成され、冷却油のステータ径方向の流れが絶縁紙30により妨げられることなく、コイルエンド部の温度ばらつきを抑制して効率的な冷却を行うことができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、回転電機のステータに関し、特に、ステータコアにコイルが巻装されたステータに関する。
下記特許文献1の回転電機のステータでは、コイルは、ステータコアより軸方向外側に張り出したコイルエンド部に、コイル線同士の接合部を複数有し、径方向に隣接する接合部間の絶縁を行うために、円周状の絶縁紙を配置している。
特許文献1では、コイルエンド部に冷媒を供給して冷却を行う際に、冷媒の径方向の流れが円周状の絶縁紙により妨げられる。その結果、コイルエンド部の効率的な冷却を行うことが困難である。
本発明に係る回転電機のステータは、コイルエンド部の接合部間の絶縁を確保しつつ、コイルエンド部の効率的な冷却を行うことを目的とする。
本発明に係る回転電機のステータは、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る回転電機のステータは、ステータコアにコイルが巻装された回転電機のステータであって、コイルは、ステータコアより軸方向外側に張り出したコイルエンド部に、コイル線同士の接合部を複数有し、複数の接合部が周方向及び径方向に互いに間隔をおいて配列され、複数の絶縁紙が周方向に互いに間隔をおいて配置され、各絶縁紙は、外周側端部が周方向に隣接する最外周の接合部間を通り、外周側端部から内周側端部にかけて、径方向に隣接する接合部間であって径方向位置が互いに異なる複数箇所の接合部間を外周側から内周側へ順次一方向側の隣接周に向かって通り、内周側端部が周方向に隣接する最内周の接合部間を通り、周方向に隣接する絶縁紙間に冷媒通路を形成することを要旨とする。
本発明によれば、コイルエンド部の接合部間の絶縁を絶縁紙により確保しつつ、冷媒の径方向の流れが絶縁紙により妨げられることなく、コイルエンド部の効率的な冷却を行うことができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1〜3は、本発明の実施形態に係る回転電機のステータの概略構成を示す図である。図1はステータ軸方向から見た構成例を示し、図2は図1のA部の拡大図を示し、図3はステータコア21及びセグメントコイル22の構成例を示す。ステータは、ステータコア21と、ステータコア21に巻装されたセグメントコイル22とを含んで構成される。ステータコア21は、ステータ周方向に沿って延びる環状のヨーク23と、ヨーク23の内周面よりステータ径方向内側(図示しないロータ側)へ突出する複数のティース24とを含む。複数のティース24はステータ周方向に互いに間隔をおいて(等間隔で)配置されている。ステータ周方向に隣接するティース24間にスロット25が形成され、複数のスロット25がステータ周方向に互いに間隔をおいて(等間隔で)配置されている。各ティース24及び各スロット25は、ステータ軸方向に沿って延びている。
セグメントコイル22は、ステータコア21のスロット25を通って各ティース24に装着されている。セグメントコイル22は、ステータコア21(ティース24及びヨーク23)よりステータ軸方向一方側(軸方向外側)に張り出したコイルエンド部に、コイル線同士の溶接による接合部32を複数有し、複数の接合部32がステータ周方向及び径方向に互いに間隔をおいて配列されている。図1,2の例では、ステータ径方向において3個の接合部32が配列され、ステータ周方向において24個の接合部32が配列されている。ただし、ステータ径方向に配列される接合部32の数は、図1,2の例に限られるものではなく、例えば4個以上であってもよい。同様に、ステータ周方向に配列される接合部32の数も、図1,2の例に限られるものではない。以下の説明において、ステータ径方向に配列された3個の接合部32を区別する必要がある場合は、図2に示すように、外周側から内周側へ順に、32−1,32−2,32−3の符号を用いて説明する。
セグメントコイル22のコイルエンド部の冷却を行うために、コイルエンド部の外周側には、圧送パイプ12がステータ周方向に沿って設けられており、液体冷媒としての冷却油が圧送パイプ12内に供給される。圧送パイプ12には、コイルエンド部と対向する複数の冷媒吐出口12aがステータ周方向に互いに間隔をおいて形成されており、図1,2の矢印aに示すように、各冷媒吐出口12aから吐出した冷却油がコイルエンド部に供給されることで、コイルエンド部の冷却が行われる。さらに、ステータの内周側に配置されロータとともに回転するロータシャフト16の内部に形成された空間17にも冷却油が供給される。ロータシャフト16にも、コイルエンド部と対向する複数の冷媒吐出口16aがステータ周方向に互いに間隔をおいて形成されており、図1,2の矢印bに示すように、ロータ回転時の遠心力により各冷媒吐出口16aから吐出した冷却油がコイルエンド部に供給されることによっても、コイルエンド部の冷却が行われる。ただし、コイルエンド部の冷却を行う際には、ロータシャフト16から冷却油を供給することなく圧送パイプ12だけから冷却油を供給してもよいし、圧送パイプ12を省略してロータシャフト16だけから冷却油を供給してもよい。
コイルエンド部の接合部32間の電気的絶縁を行うために、複数の絶縁紙30がコイルエンド部に設けられている。各絶縁紙30は、絶縁シートを曲げ加工して形成される。絶縁シートには、例えば樹脂製のシートやフィルムが好適に用いられるが、電気的絶縁性を確保でき、曲げ加工が容易な可撓性を有していれば、例えば不織布等の他の薄い材料が用いられてもよい。また、絶縁シートは、一層構造であってもよいし、例えば基材層上に接着層等が積層された複数層構造であってもよい。
複数の絶縁紙30はステータ周方向に互いに間隔をおいて放射状に配置されている。図1,2の例では、ステータ周方向に配列された接合部32の数と同数である24枚の絶縁紙30がステータ周方向に等間隔で配置されている。各絶縁紙30はコイルエンド部に例えば接着等により固定される。各絶縁紙30は、外周側端部がステータ周方向に隣接する最外周の接合部32−1間を通り、内周側端部がステータ周方向に隣接する最内周の接合部32−3間を通り、外周側端部と内周側端部間においてステータ周方向に隣接する接合部32−2間を通る。これによって、ステータ周方向に隣接する接合部32間の絶縁を行う。
さらに、ステータ径方向に配列された接合部32の数をn(nは3以上の整数)とすると、各絶縁紙30は、外周側端部から内周側端部にかけて、ステータ径方向に隣接する接合部32間であってステータ径方向位置が互いに異なる(n−1)箇所の接合部32間を外周側から内周側へ順次一方向側の隣接周に向かって通る。n=3である図1,2の例では、各絶縁紙30は、外周側端部から内周側端部にかけて、ステータ径方向に隣接する接合部32−1,32−2間、及びステータ径方向に隣接する接合部32−2,32−3間を順に通る。これによって、各絶縁紙30は、ステータ径方向に隣接する接合部32間の絶縁を(n−1)箇所(図1,2の例では2箇所)のステータ径方向位置にて行う。図1,2の例では、各絶縁紙30は、ステータ周方向に隣接する接合部32−1間、ステータ径方向に隣接する接合部32−1,32−2間、ステータ周方向に隣接する接合部32−2間、ステータ径方向に隣接する接合部32−2,32−3間、及びステータ周方向に隣接する接合部32−3間を順に通る。このように、各絶縁紙30は、ステータ周方向に隣接する接合部32間と、ステータ径方向に隣接する接合部32間を交互に通る。
ここで、ステータ径方向に隣接する接合部32間の絶縁を行うために、例えば図4に示すように絶縁紙30−1,30−2を円周状に配置した従来の場合を考えると、図4の矢印cに示すように圧送パイプ12からの冷却油の流れが外周側の絶縁紙30−1により妨げられ、図4の矢印dに示すようにロータシャフト16からの冷却油の流れが内周側の絶縁紙30−2により妨げられる。そのため、絶縁紙30−1,30−2間の領域には冷却油が十分に供給されずに、コイルエンド部の温度にステータ径方向のばらつきが生じる。その結果、コイルエンド部の効率的な冷却を行うことが困難となる。
これに対して本実施形態では、ステータ周方向に隣接する絶縁紙30間に冷媒通路40が形成され、この冷媒通路40は、ステータ径方向に関して、最外周接合部32−1の位置から接合部32−2の位置を介して最内周接合部32−3の位置まで繋がる。そのため、圧送パイプ12やロータシャフト16から冷却油を冷媒通路40内に供給してコイルエンド部の冷却を行う際には、冷却油のステータ径方向の流れが絶縁紙30により妨げられることなく、図2の矢印aや矢印bに示すように、ステータ径方向の全領域に渡ってコイルエンド部に冷却油を供給することができる。その結果、コイルエンド部の温度ばらつきを抑制して効率的な冷却を行うことができる。
さらに、本実施形態では、絶縁紙30によって、ステータ径方向に隣接する接合部32間の絶縁だけでなく、ステータ周方向に隣接する接合部32間の絶縁も行うことができる。その結果、金属異物等による相間絶縁信頼性を向上させることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
12 圧送パイプ、12a,16a 冷媒吐出口、16 ロータシャフト、21 ステータコア、22 セグメントコイル、23 ヨーク、24 ティース、25 スロット、30 絶縁紙、32(32−1〜32−3) 接合部、40 冷媒通路。
Claims (1)
- ステータコアにコイルが巻装された回転電機のステータであって、
コイルは、ステータコアより軸方向外側に張り出したコイルエンド部に、コイル線同士の接合部を複数有し、複数の接合部が周方向及び径方向に互いに間隔をおいて配列され、
複数の絶縁紙が周方向に互いに間隔をおいて配置され、
各絶縁紙は、
外周側端部が周方向に隣接する最外周の接合部間を通り、
外周側端部から内周側端部にかけて、径方向に隣接する接合部間であって径方向位置が互いに異なる複数箇所の接合部間を外周側から内周側へ順次一方向側の隣接周に向かって通り、
内周側端部が周方向に隣接する最内周の接合部間を通り、
周方向に隣接する絶縁紙間に冷媒通路を形成する、回転電機のステータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014188779A JP2016063593A (ja) | 2014-09-17 | 2014-09-17 | 回転電機のステータ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016063593A true JP2016063593A (ja) | 2016-04-25 |
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Family Applications (1)
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JP2014188779A Pending JP2016063593A (ja) | 2014-09-17 | 2014-09-17 | 回転電機のステータ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112994304A (zh) * | 2019-12-13 | 2021-06-18 | 三菱电机株式会社 | 旋转电机 |
-
2014
- 2014-09-17 JP JP2014188779A patent/JP2016063593A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN112994304B (zh) * | 2019-12-13 | 2024-06-04 | 三菱电机株式会社 | 旋转电机 |
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