JP2016054597A - 鳥害防止用回転体支持用具 - Google Patents

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【課題】鉄塔等の建築物に簡単にして強固に取り付けることができる鳥害防止用回転体支持用具を提供する。【解決手段】外周縁に鳥害防止用回転体40が回転自在に支持されるレール部11,21が形成された一対の半円弧状部材10,20からなり、一方の半円弧状部材10の内周縁に開角度が90度のV字形受承部17を一体に成形し、他方の半円弧状部材20には凸形圧着部25を両側に該半円弧状部材の内周縁と連なる湾曲腕状の高弾性部26a,26bを設けることにより一体に成形し、この一対の半円弧状部材10,20を環状に合着することによりV字形受承部17と凸形圧着部25とにより横断面L字形のアングル材30を弾性的に挟着する。【選択図】図5

Description

本発明は、カラスやムクドリ、その他の野鳥が駐留するのを防ぐための鳥害防止用回転体を、鉄塔、その他の建築物を構成する横断面L字形のアングル材に支持するための用具に関するものである。
特許文献1および特許文献2は、電線等の架空線に回転自在に設けることにより、野鳥が架空線に駐留できないようにし、野鳥の糞や営巣等の鳥害を防止しようとする回転式鳥害防止器を示すものである。
また、特許文献3に示された鳥類の駐留防止器は、内側支持体の外周に外側支持体が回転自在に設けられ、該内側支持体の内周に多数の切目が放射状に形成された薄板状の弾性係合片を形成し、該弾性係合片を係合させることで、該内側支持体を架空線の短い部分や曲線状に張られた部分にも取り付けられるように構成したものである。
特公平4−77529号公報 特公平5−68125号公報 特許第4892325号公報
ところで、野鳥の糞、或いは営巣等の鳥害は、電線等の架空線にとどまらず、鉄塔、その他の建築物の場合も同じであるが、例えば鉄塔を構成する横断面L字形のアングル材に上記引用文献1,2等に示された従来の回転式鳥害防止器を取着したとすると、アングル材との摩擦抵抗が大きくなるので、野鳥が止まってもスムーズに回転しないという問題があるとともに、斜めに張られたようなアングル材では回転式鳥害防止器が自重によって下方にずれてしまうので、所要位置に固定できないという問題がある。
また、特許文献3に示された駐留防止器であっても、アングル材の表面に薄板状の弾性係合片が弾性で係合するだけであるので、該弾性係合片に対する負荷が大きく、該弾性係合片が短期間で変形し易いとともに、プラスチック材で成形された弾性係合片は紫外線によって短期間で弾性劣化することから、固定がルーズになり易いという問題がある。
また、鉄塔等を構成する横断面L字形のアングル材の幅寸法や厚さ等は一定ではないので、しっかり固定できるようにするために従来ではその幅寸法や厚さに合わせて個々に弾性係合片を設計する必要があり、このために製造コストが高くなるという問題がある。
そこで本発明は、横断面L字形のアングル材からなる鉄塔等の建築物に簡単にして強固に取り付けられる鳥害防止用回転体支持用具を提供しようとするものである。
そのために本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具は、外周縁に鳥害防止用回転体が回転自在に支持されるレール部が形成された一対の半円弧状部材からなり、一方の半円弧状部材の内周縁に開角度が90度のV字形受承部を一体に成形し、他方の半円弧状部材には前記V字形受承部と相対する凸形圧着部を両側に該半円弧状部材の両端部の内周縁と連なる湾曲腕状の高弾性部を設けることにより一体に成形し、この一対の半円弧状部材を環状に合着することにより前記V字形受承部と前記凸形圧着部とにより横断面L字形のアングル材が弾性的に挟着されるようにしたことを特徴とする。
本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具は、横断面L字形のアングル材からなる鉄塔等の建築物に簡単にして取り付けられ、長期に亘りずれないように固着できる。また、アングル材の幅寸法や厚さ等に多少の差異があっても問題なく取り付けられるので、コストが軽減される。
本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具の斜視図。 本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具の側面図。 図2のA−A線断面図。 本発明に係る鳥害防止用回転体の斜視図。 本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具の使用状態を示す斜視図。 図5の縦断面図。
本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具は、一対のプラスチック製の半円弧状部材10と半円弧状部材20とを、図2に2点鎖線で示したように、開閉自在に連結してなる。該半円弧状部材10および半円弧状部材20の外周縁には後述する鳥害防止用回転体40を回転自在に支持するための凹溝状のレール部11,21が一体に成形される。半円弧状部材10と半円弧状部材20の連結構造は、半円弧状部材10の一端部の両側面に連結片12を一体に成形し、該連結片12の先端部に透孔13を開設するとともに、半円弧状部材20の一端部の両側面に突起22を突設し、該突起22を前記透孔13に遊嵌し、半円弧状部材10と半円弧状部材20とを該突起22を支点として開閉可能に連結している。一方、半円弧状部材10の他端部の一側面に係合片14を成形し、該係合片14に係合孔15を形成し、半円弧状部材20の他端部の一側面に突起23を突設し、該突起23が前記係合孔15に遊嵌し得るようにするとともに、該半円弧状部材10の他端部の他側面に突設した支軸16にフック状摘子部材18を回転操作可能なるように設け、半円弧状部材20の他端部の一側面に突起24を突設し、該突起24に前記フック状摘子部材18を係合し得るようにしている。
また、一方の半円弧状部材10の内周縁に一対の斜片材17a,17bを隣接状に一体に成形することにより、図2における下方に向けての開角度αが90度なるようなV字形受承部17を一体に成形する。また、他方の半円弧状部材20に前記V字形受承部17と相対する斜面部25a,25bを有した凸形圧着部25を一体に成形する。なお、両斜面部25a,25bの間は平面部25cが形成される。該凸形圧着部25は両側に該半円弧状部材20の両端部の内周縁と連なる湾曲腕状の高弾性部26a,26bを設けることにより該半円弧状部材20に一体に成形される。なお、半円弧状部材10の内周面から前記V字形受承部17の背面に亘って一体に一連に補強リブ19が成形され、半円弧状部材20の内周面から前記凸形圧着部25および高弾性部26a,26bの背面に亘って一体に一連に補強リブ27が成形される。これらの補強リブ19,27を成形したことで、V字形受承部17および高弾性部26a,26bの剛性および強度を強くしている。
このように構成した半円弧状部材10と半円弧状部材20とは、前記係合孔15に突起23を係合し、フック状摘子部材18を突起24に係合することにより環状に合着される。そして、合着時に前記V字形受承部17と前記凸形圧着部25とにより、図5,図6に示し、図2に2点鎖線で示したように、鉄塔等の建築物を構成する横断面L字形のアングル材30を弾性的に挟着する。これによって本発明に係る支持用具はアングル材30に不動に固定される。
こうしてアングル材30に固定された支持用具の外周に、図4に示したような鳥害防止用回転体40が回転自在に設けられる。この鳥害防止用回転体40は、複数本の棒状体41の両端部に半円弧状の分割リング42,43が設けられ、該分割リング42,43は開閉可能なるように一端の連結部44にて連結され、一方の分割リング42の一端部に設けられたフック状摘子部材45を他端部に形成された突起46に係合し得るようにしている。該分割リング42,43は内周縁が前記レール部11,21に遊嵌し得るように内径寸法が設定され、図5,図6に示したように、一対の当該支持用具をアングル材30の長手方向に適宜間隔を離して固設し、そのレール部11,21に該分割リング42,43の内周縁を遊嵌させ、フック状摘子部材45を突起46に係合することにより該分割リング42,43をリング状に合着させる。これにより、該鳥害防止用回転体40が当該支持用具の外周に回転自在に支持され、前記棒状体41に野鳥が止まるとその重みによって該鳥害防止用回転体40が回転し、野鳥が駐留することが防止される。
なお、図4中、47は分割リング42,43の内周部の両面に形成された半球状突起で、該鳥害防止用回転体40が回転する際に該半球状突起47がレール部11,21の内面に摺接し得ることにより摩擦が軽減され、該鳥害防止用回転体40が野鳥の重みによって常に軽く回転し得るようにしている。
この実施形態では、半円弧状部材10と半円弧状部材20の外周に凹溝状のレール部11,21を形成したが、半円弧状部材10と半円弧状部材20の外周を凹溝状にしなくても単なる板状の外周縁からなるレール部とする一方、鳥害防止用回転体の内周縁を凹溝状に形成し、該半円弧状部材10,20の外周縁を鳥害防止用回転体の凹溝状内周縁に遊嵌させるようにしてもよい。
またこの実施形態では、棒状体41に野鳥を止まらせる構成の鳥害防止用回転体40を示したが、棒状体41に代えてワイヤを張設した鳥害防止用回転体であってもよい。即ち、適宜間隔を離して設けた一対のリング間にワイヤを張設し、該ワイヤに野鳥を止まらせるように構成した鳥害防止用回転体であってもよい。また、この実施形態ではアングル材30に所定間隔を離して一対の鳥害防止用回転体支持用具を固設した例を示したが、本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具は、一本のアングル材に対してさらに多数の鳥害防止用回転体支持用具を固設し、該鳥害防止用回転体を長手方向に連続的に設けることもできる。また、その反対に例えば前記特許文献3に示されたように一つの支持用具のみで鳥害防止用回転体を回転自在に支持させることもできる。要するに、本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具は、実施形態として示した鳥害防止用回転体だけでなく種々の形状の鳥害防止用回転体を支持できる。
このように本発明に係る鳥害防止用回転体支持用具は、開角度が90度のV字形受承部17と凸形圧着部25とにより横断面L字形のアングル材30を挟着し、該凸形圧着部25は両側の湾曲腕状の高弾性部26a,26bによって他方の半円弧状部材20の内周縁と連なっているので、半円弧状部材10と半円弧状部材20とを合着したとき、該凸形圧着部25は該高弾性部26a,26bの弾性によって強い力でしかも金属製の板バネのような優れた弾力性をもって該アングル材30を挟着し得る。このような作用は特に高弾性部26a,26bが湾曲腕状に形成されていることに起因する。このため、該アングル材30の厚さや幅などに若干の差異があったとしても該アングル材30を常に強固に挟着し、長期間に亘りずれたりすることなく固定し得る。例えば、アングル材を構成する鋼材の厚さには4mm〜6mmのものが一般に多用されているが、本発明に係る支持用具はこれらいずれのアングル材にも強固に固定し得る。また、鉄塔を構成するアングル材のように斜めに張られたアングル材に対し該支持用具を固定した場合でも自重等によりずれることなく長期間に亘って不動に固定され、鳥害を防止し得る。
10 半円弧状部材
11 レール部
17 V字形受承部
20 半円弧状部材
21 レール部
25 凸形圧着部
26a,26b 高弾性部
27 補強リブ
30 アングル材
40 鳥害防止用回転体
α 開角度

Claims (1)

  1. 外周縁に鳥害防止用回転体が回転自在に支持されるレール部が形成された一対の半円弧状部材からなり、一方の半円弧状部材の内周縁に開角度が90度のV字形受承部を一体に成形し、他方の半円弧状部材には前記V字形受承部と相対する凸形圧着部を両側に該半円弧状部材の両端部の内周縁と連なる湾曲腕状の高弾性部を設けることにより一体に成形し、この一対の半円弧状部材を環状に合着することにより前記V字形受承部と前記凸形圧着部とにより横断面L字形のアングル材が弾性的に挟着されるようにしたことを特徴とする鳥害防止用回転体支持用具。
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