JP2016053936A - 電子機器 - Google Patents

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Takeshi Yamaguchi
武 山口
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Abstract

【課題】タッチパネルの周辺に段差を備える電子機器の段差に水滴が溜まった場合でも、溜まった水滴をユーザの操作として誤検出する可能性を抑制する。
【解決手段】筐体140と、筐体内に配置され、所定の形状を有し、所定の情報を表示する表示部と、略所定の形状を有し、表示部の表示を透過するとともに、所定の導電性を有する指示体によって指示された二次元座標を判定する、静電容量方式のタッチパネルと、鉛直方向を検出可能な重力センサ104と、所定の形状の辺に沿って設けられ、所定の形状の内側が低く外側が高い段差D1、D2と、を備え、鉛直方向側の辺に沿って、二次元座標を無効にする無効領域I1を配置する。
【選択図】図28

Description

本発明は、タッチパネルを搭載した電子機器に関する。
スマートフォンやタブレットなど、タッチパネルを搭載した電子機器が普及しているが、このような電子機器には、静電容量方式のタッチパネルを備えるものがある。この静電容量方式のタッチパネルは、その表面に素手の指が直接接触して行われる「タッチ操作」だけでなく、タッチパネル表面に素手の指が接触することなくその表面から所定の高さにある指で行われる「ホバー操作」も受け付けることができる。これにより、ユーザは、素手だけでなく、手袋をはめた指でも操作を行うことができる。
「タッチ操作」を受け付けるタイプのタッチパネルとして、例えば特許文献1や特許文献2で開示されているものがある。また、鉛直方向に応じて、タッチパネルの感度を切り替える技術が、特許文献3に開示されているものがある。
特開2009−087311号公報 特開2006−323457号公報 特開2014−123288号公報
ところで、タッチパネルの周辺に段差を備える電子機器を雨の中等で、斜めに持って使用すると、タッチパネルに当たった雨滴がタッチパネルに沿って流れて、水滴となって段差付近に溜まる可能性がある。
特に、ホバー操作を受けつける為に感度を上げた静電容量方式のタッチパネルの場合、段差付近に溜まった水滴をユーザの操作として誤検出する可能性がある。
本発明の電子機器 は、筐体と、前記筐体内に配置され、所定の形状を有し、所定の情報を表示する表示部と、略前記所定の形状を有し、前記表示部の表示を透過するとともに、所定の導電性を有する指示体によって指示された二次元座標を判定する、静電容量方式のタッチパネルと、鉛直方向を検出可能な重力センサと、前記所定の形状の辺に沿って設けられ、前期所定の形状の内側が低く外側が高い段差と、を備え、前記辺に沿って、前記二次元座標を無効にする無効領域を配置可能な電子機器であって、前記鉛直方向側の前記辺に沿って前記無効領域を配置する。
この構成により、水滴が溜まりやすい鉛直方向側のタッチパネルの辺に沿って無効領域を配置することで、辺に沿って設けられた段差に水滴が溜まった場合でも、溜まった水滴をユーザの操作として誤検出する可能性を抑制することができる。
また、本発明の電子機器 は、前記筐体が回転され、筐体において鉛直方向が変化するに伴って、前記鉛直方向側の前記辺に沿って配置される前記無効領域の位置を変化させる。
また、本発明の電子機器 は、前記段差の高さは、前記所定の形状の前記辺に拠らず、実質的に一定である。
また、本発明の電子機器 は、前記無効領域は、前記辺に沿って所定の幅を有し、前記所定の幅は、前記鉛直方向に拠らず、実質的に一定である。 また、本発明の電子機器 は、前記表示部は、前記二次元座標を表示可能であり、前記表示部は、前記無効領域の前記二次元座標を表示しない。
また、本発明の電子機器 は、前記所定の形状は、四角形である。
また、本発明の電子機器 は、前記タッチパネルは、所定の距離離れた前記指示体について前記二次元座標を判定可能である。
また、本発明の電子機器 は、前記指示体は、人体の指であって、前記タッチパネルは、絶縁性を備える手袋を装着した前記指について前記二次元座標を判定可能である。
また、本発明の電子機器 は、前記タッチパネルに重ねて配置され、所定の透過性を有する透明部材を備え、前記タッチパネルは、前記透明部材と前記表示部の間に配置された。
また、本発明の電子機器 は、前記透明部材と前記タッチパネルは一体である。
また、本発明の電子機器 は、前記筐体は、前記タッチパネルの周囲の少なくとも一部に縁部を備え、前記段差は、前記縁部と前記透明部材の間で構成される。
また、本発明の電子機器 は、前記表示部は、前記無効領域に所定の表示を行う。
また、本発明の電子機器 は、前記所定の表示は、前期無効領域を所定の色で塗りつぶすことである。
また、本発明の電子機器 は、前記所定の色は、黒である。
また、本発明の電子機器 は、前記所定の色の塗りつぶしは、所定の透過性を有する。
本発明によれば、水滴が溜まりやすい鉛直方向側のタッチパネルの辺に沿って無効領域を配置することで、辺に沿って設けられた段差に水滴が溜まった場合でも、溜まった水滴をユーザの操作として誤検出する可能性を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る電子機器の概略構成を示すブロック図 実施の形態1に係る電子機器の外観を示す斜視図 実施の形態1に係る電子機器の押圧検出部、表示部、タッチパネル部及び透明部材を示す断面図 実施の形態1に係る電子機器の押圧検出部の概略構成を示す図 実施の形態1に係る電子機器で設定される歪み量閾値の具体例を示す図 実施の形態1に係る電子機器の押圧検出部の操作面上の位置関係を示すとともに、該位置関係において操作面のA−A線上を同程度の強さでタッチしたときに検出できる歪み量を示す図 実施の形態1に係る電子機器の制御部の動作を説明するためのフローチャート 本発明の実施の形態2に係る電子機器の概略構成を示すブロック図 二次元座標のサンプリング間隔が歪み量の変化時間に比べて長い場合の一例を示す図 実施の形態2に係る電子機器における判定用の歪み量取得処理を説明するための図 実施の形態2に係る電子機器の制御部の動作を説明するためのフローチャート 実施の形態2に係る電子機器の歪み量取得部の動作を説明するためのフローチャート 本発明の実施の形態3に係る電子機器の前提となる課題を説明するための図 実施の形態3に係る電子機器が「後にタッチを検出した方を選択する」機能を有した場合の当該機能を説明するための図 実施の形態3に係る電子機器が「閾値が大きい方を選択する」機能を有した場合の当該機能を説明するための図 実施の形態3に係る電子機器の概略構成を示すブロック図 実施の形態3に係る電子機器の制御部の動作を説明するためのフローチャート 実施の形態3に係る電子機器の歪み量安定化判定部の動作を説明するためのフローチャート 本発明の実施の形態4に係る電子機器の正面側の外観と、その一部の断面を拡大した図 実施の形態4に係る電子機器の歪み量閾値の一例を示す図 従来の課題を説明するための図 本発明の実施の形態5に係る電子機器の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態5等に係る静電容量方式のタッチパネルの概略構成を示す図 本発明の実施の形態5等に係るタッチパネルに指を徐々に近づけたときの検出状態を示す図 本発明の実施の形態5等に係る電子機器における検出領域を示す図 本発明の実施の形態5に係る電子機器の前面の外観の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態5に係る電子機器の縁部周辺の断面図 本発明の実施の形態5に係る電子機器を長手方向に立てた場合の外観図と断面図 本発明の実施の形態5に係る電子機器を短手方向に立てた場合の外観図と断面図 本発明の実施の形態5に係る電子機器の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態5等に係る電子機器のアイコン表示動作の一例を示す図
(実施の形態1〜4等に係る課題)
ここで、静電容量方式のタッチパネルにおいては、パネル表面に水などが付着したときに得られる二次元座標を有効にしてしまう場合がある。この課題は、タッチパネルに対する押圧の大きさを検出し、水などの付着による押圧を検知しないようにすることで、回避可能である。例えば、歪みセンサを用いて水などが付着したときの歪みを検出し、検出した歪み量が所定の閾値以下のときの二次元座標を有効にしないようにする。
しかしながら、歪みセンサを設けて誤反応を防止するようにしても、歪みセンサを配置する場所によって、操作面内で操作が有効となる歪み量にばらつきが生じてしまう。すなわち、歪みセンサは、その形状がタッチパネルより小さいため、タッチパネル上で歪みセンサから遠い所では歪み量が小さくなり、近い所では歪み量が大きくなる。例えば、歪みセンサをタッチパネルの中央部分に配置した場合、タッチパネルの中央部分では歪み量が大きく、タッチパネルの端の部分では歪み量は小さくなる。このように、タッチパネル上の場所によっては、タッチ操作が有効にならない場合がある。
また、操作性と誤検知はトレードオフの関係があり、有効とする歪み量を小さくすると、電気的なノイズや操作によらない振動も有効と判断してしまう等、誤検知が増加する。これに対し、有効とする歪み量を大きくするとパネル端における歪みを有効に検知できなくなる。
図21は、上記課題を図で示したものである。同図の(a)は、操作面100と歪みセンサ101を示す図である。同図の(a)に示すように、操作面100の中央よりやや下方に歪みセンサ101を配置し、歪みセンサ101の中央部分を通る操作面100のA−A線上を同程度の強さでタッチ操作する。同図の(b)は、このときの歪みセンサ101で検出される歪み量を示す図である。
操作面100上のタッチ位置Paは、操作面100の上端(図面に向かって上側の端を上端とする)のA−A線上の位置、タッチ位置Pbは、操作面100の歪みセンサ101のA−A線上の位置、タッチ位置Pcは、操作面100の下端(図面に向かって下側の端を下端とする)のA−A線上の位置である。タッチ位置Paは、歪みセンサ101から最も遠い位置であるので、検出される歪み量は、図21の(b)に示すように小さな値となる。タッチ位置Pbは、歪みセンサ101が配置された位置であるので、検出される歪み量は、図21の(b)に示すように大きな値となる。タッチ位置Pcは、歪みセンサ101からタッチ位置Paまでの距離の約半分の距離を隔てた位置であるので、タッチ位置Paにおける歪み量よりも大きく、タッチ位置Pbにおける歪み量よりも小さな値となる。
タッチ操作されたかどうかを判定するために操作有効閾値が設定される。タッチ位置Pbを含むその周囲110では、タッチ操作の歪みセンサ101に与える影響が大きいので、軽い力の操作でも検出できる歪み量が閾値を超える。すなわち、周辺と比べて軽い力での操作でも有効となる。タッチ位置Pcでは、タッチ位置Pbよりはタッチ操作の歪みセンサ101に与える影響が大きくはないものの、少しの力の操作で検出できる歪み量が閾値を超える。タッチ位置Paを含むその周囲111では、タッチ操作が歪みセンサ101に影響し難いため、検出できる歪み量が閾値を超えず、タッチ操作と判定できない。このように、歪みセンサ101を配置する場所によって、操作面100内で、タッチ操作が有効となる歪み量にばらつきが生じてしまう。なお、閾値を下げることでタッチ位置Paでもタッチ操作が歪みセンサ101に影響するようにできるが、閾値を下げることで、ノイズで誤反応してしまう。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、操作面のどの位置でタッチしても当該操作による二次元座標を有効とし、かつ操作面に水などが付着した場合には当該水による二次元座標を有効としない電子機器を提供することを目的とする。
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電子機器の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、図1の電子機器の外観を示す斜視図である。また、図3は、図1の電子機器の押圧検出部、表示部、タッチパネル部及び透明部材を示す断面図である。なお、本実施の形態に係る電子機器1は、例えばスマートフォンと呼ばれる携帯無線機に適用したものであり、図1のブロック図では、無線機として機能する部分を省略している。
図1において、本実施の形態に係る電子機器1は、タッチパネル部2、押圧検出部3、操作面内閾値判定部4、応用処理部5及び制御部6を有する。また、図2に示すように、本実施の形態に係る電子機器1は、長方形状の筐体10を有しており、この筐体10の前面側にタッチパネル部2及び表示部11が配置される。この場合、図3に示すように、タッチパネル部2、押圧検出部3、表示部11及び透明部材12は、表示部11の上面側にタッチパネル部2、透明部材12の順でこれらが積層配置され、表示部11の下面側に押圧検出部3が配置される。タッチパネル部2及び表示部11は、筐体10の前面の面積より僅かに小さい面積を有する面状で、かつ平面視において長方形状に形成されている。この場合、タッチパネル部2の面積は表示部11の面積より僅かに小さくなっている。なお、当然ながら、タッチパネル部2が表示部11の表示面側に重ねて配置されることから、表示部11の表示面と略平行となる。
図1において、タッチパネル部2は、その操作面に指示体(ユーザの指やペン等)が触れることなく所定の範囲の高さでの操作(これを“ホバー操作”と呼ぶ)も可能とした静電容量方式を採用したものである。タッチパネル部2は、表示部11の表示面側に重ねて配置され、表示部11の表示を透過するとともに、所定の導電性を有する前記指示体によって指示された二次元座標(以後、“タッチ座標”と呼ぶ)を判定し、判定したタッチ座標を出力する。タッチパネル部2は、指示体を検出することで、タッチパネル部2の操作面に沿った指示体の中心の座標(タッチ座標)を制御部6へ出力する。タッチパネル部2は、タッチ座標の出力において、タッチパネル部2の操作面から指示体までの垂直距離をタッチ座標に含める。すなわち、タッチパネル部2は、タッチ位置における二次元座標と、垂直距離を制御部6へ出力する。
図2及び図3において、表示部11は、長方形状を成し、電子機器1を操作するための表示や画像等の表示に使用される。表示部11には、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)又は電子ペーパー等の表示デバイスが用いられる。図3において、透明部材12は、タッチパネル部2の上面側に重ねて配置され、表示部11の表示を透過する。なお、透明部材12は、タッチパネル部2と一体であっても、別体であっても構わない。
図1及び図3において、押圧検出部3は、表示部11の下面側に重ねて配置され、透明部材12の歪みを検出する。押圧検出部3は、透明部材12より小さい面積の歪みセンサ(図示略)を有しており、該歪みセンサで検出した歪みを歪み量として出力する。押圧検出部3の歪みセンサには、例えば圧電素子や圧電フィルムが用いられる。ここで、圧電フィルムを用いた押圧検出部3の構成と圧電フィルムによる押圧力の検出原理について説明する。図4は、圧電フィルムを用いた押圧検出部3の概略構成を示す図である。同図において、押圧検出部3は、ベース板31と圧電フィルム32を有し、これらを積層した構造を成す。圧電フィルム32の両面には押圧力検知用電極パターン33、34が形成されている。ベース板31の微小な撓みにより圧電フィルム32に電荷が発生し、対向する押圧力検知用電極パターン33,34間に電圧が発生する。この電圧に基づき押圧力を検出することができる。なお、ベース板31の僅かな撓みでも圧電フィルム32に電荷が発生するので、僅かな押圧力でも検出することができる。なお、図4の押圧検出部3において、圧電フィルム32の両面には、押圧力検知用電極パターン33、34以外に所定のパターン35が配置されている。当該所定のパターン35は、押圧力検知用電極パターン33、34と同様に利用しても良いし、任意の信号を通すようにしても良い。
図1において、操作面内閾値判定部4は、タッチパネル部2から出力されるタッチ座標に応じた閾値を判定し、判定した閾値を歪み量の閾値(以下、“歪み量閾値(所定の閾値)”THと呼ぶ)として出力する。歪み量閾値THは、タッチパネル部2の操作面を所定の区画に分割して区画ごとに設定される。区画の形状としては、例えば四角形、三角形などが挙げられる。
図5は、歪み量閾値THの具体例を示す図である。この場合、図5の(a)に示すように、押圧検出部3は、タッチパネル部2の操作面40の中央よりやや下方に配置されている。歪み量閾値THは、タッチパネル部2の操作面40を横5×縦8の40区画に分割した区画ごとに設定される。この場合、図5の(b)に示すように、押圧検出部3の付近など、検出できる歪み量が物理的に大きい部分41には大きな値が設定され、操作面40の端など、検出できる歪み量が物理的に小さい部分42には小さな値が設定される。例えば、押圧検出部3が配置された部分41では、“50”、“70”、“50”、“40”、“50”、“40”の各歪み量閾値THが設定され、押圧検出部3が配置された部分から最も遠い部分42では、“1”、“2”、“3”、“2”、“1”の各歪み量閾値THが設定される。このように、歪み量閾値THは、タッチパネル部2の操作面40を複数に分割し、分割された所定の区画ごとに設定される。
図1において、操作面内閾値判定部4で判定された歪み量閾値THは、制御部6へ出力される。制御部6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びインタフェース回路で構成され、ROMにはCPUを制御するためのプログラムが記憶されており、RAMはCPUの動作において使用される。制御部6は、一定時間ごとにタッチパネル部2で判定されたタッチ座標を取得し、操作面内閾値判定部4へ出力する。また、制御部6は、押圧検出部3で検出された歪み量Dvを入力するとともに、操作面内閾値判定部4で判定された歪み量閾値THを入力して、これらの値を比較する。そして、押圧検出部3で検出された歪み量Dvが操作面内閾値判定部4で判定された歪み量閾値THより大きい場合、タッチパネル部2で判定されたタッチ座標を有効化し、有効化したタッチ座標を有効タッチ座標として応用処理部5へ出力する。応用処理部5は、有効タッチ座標に基づく各種処理を行う。なお、説明するまでもないが、制御部6で比較される歪み量Dvと歪み量閾値THは、同一タッチ座標より得られるものである。
図6は、タッチパネル部2の操作面40上の位置関係を示すとともに、該位置関係において操作面40のA−A線上を同程度の強さでタッチしたときに検出できる歪み量Dvを示す図である。同図の(a)に示すように、操作面40上のタッチ位置Paは、操作面40の上端(図面に向かって上側の端を上端とする)のA−A線上の位置、タッチ位置Pbは、操作面40の押圧検出部3のA−A線上の位置、タッチ位置Pcは、操作面40の下端(図面に向かって下側の端を下端とする)のA−A線上の位置である。
タッチ位置Paは、押圧検出部3から最も遠い位置であり、検出される歪み量Dvは、図6の(b)に示すように小さな値となる。タッチ位置Pbは、押圧検出部3が配置された位置であり、検出される歪み量Dvは、図6の(b)に示すように大きな値となる。タッチ位置Pcは、押圧検出部3からタッチ位置Paまでの距離の約半分の距離を隔てた位置であり、タッチ位置Paにおける歪み量Dvよりも大きく、タッチ位置Pbにおける歪み量Dvよりも小さな値となる。
タッチパネル部2の操作面40への操作の有効性を判定するために歪み量閾値THが設定される。歪み量閾値THは、上述したように複数に分割された操作面40の区画ごとに設定される。区画ごとに設定される歪み量閾値は、区画ごとにタッチしたときに押圧検出部3で検出される歪み量よりも小さな値となる。これにより、操作面40のどの位置をタッチしてもその操作によるタッチ座標が有効となる。但し、歪み量閾値THの最小値は、操作面40に水などが付着しても検出しない値、又は電気的なノイズの値よりも大きな値となっている。すなわち、操作面40に水などが付着したときに得られる歪み量よりは大きな値となっている。このように歪み量閾値THの値を決めることで、操作面40に水などが付着した場合でも当該水によるタッチ座標が有効となることがない。
図7は、実施の形態1に係る電子機器1の制御部6の動作を説明するためのフローチャートである。同図において、制御部6は、タッチパネル部2から出力されるタッチ座標を取得し(ステップS1)、それを操作面内閾値判定部4へ出力する。すなわち、ユーザがタッチパネル部2の操作面40をタッチすることでタッチパネル部2がタッチ位置に対応するタッチ座標を判定し、判定したタッチ座標を操作面内閾値判定部4へ出力する。
制御部6は、タッチ座標を操作面内閾値判定部4へ出力した後、取得したタッチ座標に基づき、有効操作のリリースを検知できたかどうか判定する(ステップS2)。本実施の形態に係る電子機器1では、タッチパネル部2の操作面40が指でタッチされてからリリースされるまでの間は、その操作が有効であるとするので、操作面40から指がリリースされれば、有効操作がリリースされたと判定する。すなわち、制御部6は、タッチ座標をトレースし、ある座標が変化しても同じ指での操作として認識する。また、制御部6は、一度有効と判定したタッチ座標を、タッチパネル部2の操作面40から指がリリースされたと判定するまで有効と判定する。
制御部6は、有効操作のリリースを検知したと判定した場合(ステップS2で「Yes」と判定した場合)、タッチ座標の有効状態をクリアする(ステップS3)。すなわち、タッチ座標を無効にする。タッチ座標の有効状態をクリアした後、タッチ座標をリリースし(ステップS4)、本処理を終える。
一方、上記ステップS2の判定において、有効操作のリリースを検知できないと判定した場合(ステップS2で「No」と判定した場合)、すなわち、指が操作面40から離れていないと判定した場合、タッチ座標が既に有効になっているかどうか判定する(ステップS5)。すなわち、タッチパネル部2の操作面40に指がタッチされた状態が継続しているかどうかを判定する。この判定において、タッチ座標が既に有効になっていると判定した場合(ステップS5で「Yes」と判定した場合)、すなわち、操作面40に指がタッチされた状態が継続していると判定した場合、タッチ座標を有効とし(ステップS6)、本処理を終える。
これに対して、タッチ座標が有効になっていないと判定した場合(ステップS5で「No」と判定した場合)、すなわち、タッチ座標を取得はしたが、未だ歪み量が所定の閾値より小さい場合、制御部6は、押圧検出部3で検出された歪み量Dvを取得する(ステップS7)。次いで、制御部6は、操作面内閾値判定部4からタッチ座標(特に、二次元座標)に応じた歪み量閾値THを取得する(ステップS8)。タッチ座標における歪み量Dvを取得し、さらにタッチ座標に応じた歪み量閾値THを取得した後、これらの値を比較する(ステップS9)。歪み量Dvが歪み量閾値THより大きいと判定した場合(ステップS9で「Yes」と判定した場合)、タッチ座標を有効とし(ステップS6)、本処理を終える。これに対して、歪み量Dvが歪み量閾値TH以下であると判定した場合(ステップS9で「No」と判定した場合)、タッチ座標を無効とし(ステップS10)、本処理を終える。以上の処理(ステップS1〜ステップS10)は、タッチ座標を取得する毎に実施される。
このように実施の形態1に係る電子機器1によれば、タッチパネル部2の操作面40を複数の所定の区画に分割し、分割した所定の区画ごとに、押圧検出部3からの距離に応じた歪み量閾値THを設定するようにしたので、タッチパネル部2の操作面40のどの位置をタッチしてもタッチ座標が有効となる。また、歪み量閾値THの最小値を、操作面40に水などが付着したときの歪み量Dvよりも大きな値、又は電気的なノイズの値よりも大きな値としたので、操作面40に水などが付着した場合に当該水によるタッチ座標が有効となることがない。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る電子機器の概略構成を示すブロック図である。なお、同図において前述した図1と共通する部分には同一の符号を付けてその説明を省略する。実施の形態2に係る電子機器50は、歪み量の変化時間がタッチ座標の取得間隔(サンプリング間隔)に比べて短い場合があっても、歪み量の変化を正確に取得できるものであり、これを可能とするための手段として歪み量取得部51を有している。
図9は、二次元座標のサンプリング間隔Taが歪み量の変化時間に比べて長い場合の一例を示す図である。同図に示すように、タッチ操作により得られる歪み量Dvの最大値Dvmaxが二次元座標のサンプリング間隔Ta内にあり、二次元座標の取得タイミングt1,t2,t3での各歪み量Dv1,Dv2,Dv3のいずれもが歪み量閾値THを下回っている。したがって、このときのタッチ操作による二次元座標は有効とならない。この例のように、歪み量の変化を正確に取得できなければ、タッチ操作があっても、このタッチ操作により得られる二次元座標が有効とならない。本来ならば、歪み量Dvが歪み量閾値THを超えた後のタッチ操作による二次元座標が有効となる必要がある。なお、水などの付着であれば、それにより得られる二次元座標が有効とならなくても良いが、指などの指示体によるタッチ操作であれば、それにより得られる二次元座標が有効となる必要がある。
図10は、実施の形態2に係る電子機器50における判定用の歪み量取得処理を説明するための図である。同図に示すように、歪み量取得部51は、歪み量Dvの変化よりも速い周期(以下で説明する“歪み量取得間隔Tb”)で歪み量Dvを取得し、その最大値を記憶するとともに、歪み量Dvの最大値を有効判定用歪み量Dveとして制御部6へ出力する。歪み量取得部51は、歪み量取得間隔Tbで歪み量Dvを取得するごとに、直前で取得した歪み量Dvと比較することで、歪み量Dvの最大値を得る。歪み量取得部51は、制御部6によりリセットされるまで有効判定用歪み量Dveを出力し続ける。
制御部6は、タッチパネル部2から出力されるタッチ座標を一定間隔(サンプリング間隔)Taで取得する。制御部6は、歪み量取得部51で取得された有効判定用歪み量Dveをタッチ座標に応じた歪み量閾値THと比較し、有効判定用歪み量Dveが歪み量閾値THよりも大きければ、現時点でのタッチ座標を有効とする。そして、有効としたタッチ座標を有効タッチ座標として応用処理部5へ出力する。
また、制御部6は、タッチパネル部2の出力から、指示体である指がタッチパネル部2の操作面40から垂直方向に所定の距離以上離れるまでタッチ座標(特に、二次元座標)を継続して有効とする。指示体である指がタッチパネル部2の操作面40から垂直方向に所定の距離以上離れると、有効タッチ座標に対する操作がリリースされたとして、有効タッチ座標の出力を停止するとともに、歪み量取得部51にリセットをかけて、歪み量取得部51に記憶されている歪み量Dvの最大値である有効判定用歪み量Dveを消去する。
指等の指示体をタッチパネル部2に接触させてタッチ座標を有効にして電子機器50を操作する場合、接触当初は大きな歪みが検出されるが、その後、接触を継続して操作を継続する場合、歪みは次第に小さくなる傾向がある。特に、フリック操作等でこの傾向は顕著である。本実施の形態では、歪みに基づきタッチ座標を有効にし、その後、指示体がタッチパネル部2から離れるまで有効にするので、歪みが極端に小さい水による誤検知を抑制しつつ、フリック等の実際の操作を誤って無効と判定することを抑制できる。
図11は、実施の形態2に係る電子機器50の制御部6の動作を説明するためのフローチャートである。なお、同図において、前述した図7における処理と共通する処理には同一の番号を付けて、詳細な説明は省略する。
図11において、制御部6は、タッチパネル部2から出力されるタッチ座標を取得し(ステップS1)、それを操作面内閾値判定部4へ出力する。制御部6は、タッチ座標を操作面内閾値判定部4へ出力した後、取得したタッチ座標に基づき、有効操作のリリースを検知できたかどうか判定する(ステップS2)。有効操作のリリースを検知できたと判定した場合(ステップS2で「Yes」と判定した場合)、歪み量取得部51に対して最大歪み量すなわち有効判定用歪み量Dveのリセット要求を出力する(ステップS11)。すなわち、歪み量取得部51が記憶している有効判定用歪み量Dveを消去するよう要求する。歪み量取得部51に有効判定用歪み量Dveのリセット要求を出力した後、タッチ座標の有効状態をクリアする(ステップS3)。その後、タッチ座標をリリースし(ステップS4)、本処理を終える。
一方、上記ステップS2の判定において、有効操作のリリースを検知できないと判定した場合(ステップS2で「No」と判定した場合)、タッチ座標が既に有効になっているかどうか判定する(ステップS5)。すなわち、操作面40に指がタッチされた状態が継続しているかどうか判定する。この判定において、タッチ座標が既に有効になっていると判定した場合(ステップS5で「Yes」と判定した場合)、すなわち、操作面40に指がタッチされた状態が継続していると判定した場合、タッチ座標を有効とし(ステップS6)、本処理を終える。
これに対して、タッチ座標が有効になっていないと判定した場合(ステップS5で「No」と判定した場合)、歪み量取得部51から有効判定用歪み量Dveを取得する(ステップS12)。次いで、制御部6は、操作面内閾値判定部4から、タッチ座標に応じた歪み量閾値THを取得する(ステップS8)。有効判定用歪み量Dveを取得し、さらにタッチ座標に応じた歪み量閾値THを取得した後、これらの値を比較する(ステップS9)。この比較において有効判定用歪み量Dveが歪み量閾値THより大きいと判定した場合(ステップS9で「Yes」と判定した場合)は、タッチ座標を有効とし(ステップS6)、本処理を終える。これに対して、有効判定用歪み量Dveが歪み量閾値TH以下であると判定した場合(ステップS9で「No」と判定した場合)は、タッチ座標を無効とし(ステップS10)、本処理を終える。以上の処理(ステップS1〜ステップS6、ステップS8〜ステップS12)は、タッチ座標を取得毎に実施される。
図12は、本実施の形態に係る電子機器50の歪み量取得部51の動作を説明するためのフローチャートである。同図において、歪み量取得部51は、押圧検出部3から出力される歪み量を取得する(ステップS20)。次いで、最大歪み量(有効判定用歪み量Dve)が有効かどうか判定する(ステップS21)。最大歪み量が有効であると判定した場合(ステップS21で「Yes」と判定した場合)、現在取得した歪み量が最大歪み量より大きいかどうか判定する(ステップS22)。この判定において、現在取得した歪み量が最大歪み量より大きいと判定した場合(ステップS22で「Yes」と判定した場合)、最大歪み量を更新する(ステップS23)。すなわち、現在取得した歪み量を最大歪み量に更新する。
一方、ステップS21の判定で、最大歪み量が有効でないと判定した場合(ステップS21で「No」と判定した場合)、最大歪み量を更新する(ステップS23)。最大歪み量を更新した後、制御部6からリセット要求があるかどうか判定する(ステップS24)。リセット要求があると判定した場合(ステップS24で「Yes」と判定した場合)、現在記憶している最大歪み量をクリアし(ステップS25)、本処理を終える。また、ステップS24の判定でリセット要求がないと判定した場合(ステップS24で「No」と判定した場合)は、何も処理をせず本処理を終える。以上の処理(ステップS20〜ステップS25)は、所定の時間間隔で実施される。
このように実施の形態2に係る電子機器50によれば、検出しようとする歪みの変化よりも速い周期で歪み量を取得し、その最大値を記憶する歪み量取得部51を有するので、短い変化の歪み量でもタッチ操作を有効とし、実際の操作を誤って無効と判定することを抑制することができる。すなわち、タッチ座標の取得を所定のサンプリング間隔で行った場合で、タッチ座標を取得したときの歪み量が歪み量閾値を超えない場合(すなわち、所定の条件を満たしていない場合)は、そのときのタッチ座標を有効としない。これにより、水などの付着によるタッチ座標の有効化を抑止できる。また、タッチ座標を取得するサンプリング間隔内でも、タッチ座標を取得したときの歪み量が歪み量閾値を超える場合(すなわち、所定の条件を満たす場合)は、そのときのタッチ座標を有効とする。これにより、指などの指示体によるタッチ操作により得られる二次元座標を有効化できる。また、一度タッチ座標を有効化すると、指などの指示体がタッチパネル部2の操作面40から垂直方向に所定の距離以上離れるまでは継続して有効とする。これにより、フリック操作等の大きな歪み量を保てない操作を行った場合に無効となることを抑制できる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る電子機器60は、タッチパネル部2がマルチタッチを検出しても、操作ではない方のタッチ座標を誤って有効と判断するのを抑制できる手段を有するものである。タッチパネル部2が複数のタッチ座標を同時に検出する場合とは、例えば、1つは指の操作によるタッチ座標、残りは水によるタッチ座標が挙げられる。ここで、図13の(a)に示すように、水90が操作面40の端付近にあり、指91で操作面40の中央付近を操作している場合、水90と指91が操作面40に触れるので、タッチパネル部2からは水90と指91それぞれに対応するタッチ座標が出力される。
指91は操作面40の中央部分にあり、水90は操作面40の端にあるので、歪み量閾値は水に対応する方が小さい値となる。すなわち、図13の(b)に示すように、水90に対する歪み量閾値TH1は小さな値で、指91に対する歪み量閾値TH2は大きな値となる。水90がある方で歪み量が歪み量閾値TH1を超えてしまうため、水90による誤検知が先に有効になってしまう。すなわち、タッチ座標取得時刻t2で水90によるタッチ座標を有効としてしまう。タッチ座標取得時刻t3で得られる指91によるタッチ座標を先に有効にしたい。
この課題を解決するための対策として以下に挙げる方法が考えられる。
・歪み量が増加中は操作途中として有効化判定は行わない。
・歪み量の変化が安定したと判定した後のタッチ座標について有効化判定を行う。
− タッチ操作に伴う歪み量の変化は、増加→停滞→減少で検出されるため、増加中は操作途中として有効化判定を行わない。
− 安定したと判定する方法案
・歪み量の増加が所定の閾値(歪み量の増加を判断する閾値)以下になった場合
・歪み量の増加が所定の閾値(歪み量の増加を判断する閾値)以下になる場合が所定回数連続した場合
・歪み量に変化が無くなったことを検知した場合又は歪み量の減少を初めて検知した場合
・歪み量に変化が無くなってから所定回数連続して増加しない場合又は歪み量の減少を検知してから所定回数連続して増加しない場合
・歪み量が所定の閾値(電気ノイズ等を無視するための閾値)を超えた後に、歪み量が所定時間、所定の範囲に収まっている場合
・判定のタイミングで複数の座標が同時に閾値を超えている場合の選択方法
− 後にタッチを検出した方を選択
− 閾値が大きい方を選択
・大きな歪みは端よりも中央の方が検出しやすいため
・各タッチ座標に対する閾値が同じであった場合は以下に示す案が挙げられる。
−全て有効
−後にタッチされた方を有効
−中央に近い方を有効
上記した「後にタッチを検出した方を選択」する場合について図面を用いて説明する。
図14は、実施の形態3に係る電子機器60が「後にタッチを検出した方を選択する」機能を有した場合の当該機能を説明するための図である。なお、この機能の説明において図13の図面も使用する。図14に示す例は、タッチパネル部2の操作面40を指91で操作する前に、操作面40に水90が付着した場合で、水90の後に入ってきた指91を選択する例である。なお、水90そのものを認識するようにはしていないので、操作面40に触れたのが水90かどうかは分からないが、この例では、水90が触れたものとする。
タッチパネル部2の操作面40に水90が付着することで、水90が付着した位置に対応するタッチ座標がタッチパネル部2から出力される。タッチパネル部2から出力されるタッチ座標は、タッチ座標取得タイミングで制御部6に取り込まれる。また、水90が付着したときに押圧検出部3で検出される歪み量は歪み量閾値THより小さな値であるので、歪み量閾値THを超えることはない。前述したように歪み量閾値THは、水90の付着でタッチ座標が有効とならないように、水90が付着したときに検出される歪み量より大きな値が設定される。
タッチパネル部2の操作面40に水90が付着した後、操作面40が指91でタッチされると、指91が触れた位置に対応するタッチ座標がタッチパネル部2から出力される。押圧検出部3から出力される歪み量Dvは徐々に増加して行くが、最大値になると、その変化が安定する。歪み量Dvの変化が安定したときから、タッチ座標について有効かどうかを判定する。歪み量Dvの変化が安定した後、タッチ座標取得タイミングt7で、歪み量閾値(指がタッチされた座標位置に対応する歪み量閾値)THと比較される。このとき、歪み量Dvが歪み量閾値THを超えていれば、指91が触れたタッチ座標が有効となる。このように、歪み量Dvの変化が安定していて、かつ歪み量閾値THを超えていれば、そのときのタッチ座標を有効とする。
図15は、実施の形態3に係る電子機器60が「閾値が大きい方を選択する」機能を有した場合の当該機能を説明するための図である。同図において、歪み量Dvが徐々に増加して行き、最大値になると、その変化が安定する。歪み量Dvの変化が安定したときから、タッチ座標について有効かどうか判定される。歪み量Dvの変化が安定した後、タッチ座標取得タイミングt4で、歪み量閾値TH1,TH2のうち、閾値の大きい方のタッチ座標が選択される。この場合、指91の方の歪み量閾値TH2が水90の方の歪み量閾値TH1より値が大きいので、指91が触れたタッチ座標が有効となる。このように、歪み量Dvの変化が安定した後に、歪み量閾値の大きい方のタッチ座標を選択し、そのタッチ座標を有効とする。
図16は、実施の形態3に係る電子機器60の概略構成を示すブロック図である。なお、同図において前述した図1と共通する部分には同一の符号を付けてその説明を省略する。実施の形態3に係る電子機器60は、前述したように、タッチパネル部2の操作面40において歪み量閾値が異なる部分でタッチパネル部2がマルチタッチを検出しても、操作ではないタッチ座標を誤って有効と判断するのを抑制できるものであり、これを可能とするための手段として歪み量安定化判定部61を有している。
歪み量安定化判定部61は、押圧検出部3から出力される歪み量の変化が安定化した後に、歪み量を有効判定用歪み量として制御部62へ出力する。操作面内閾値判定部4は、複数のタッチ座標それぞれに応じた歪み量閾値を制御部62へ出力する。例えば、水90のタッチ座標に応じた歪み量閾値と指91のタッチ座標に応じた歪み量閾値を制御部62へ出力する。制御部62は、「後にタッチを検出した方を選択」する機能を有する場合、指91のタッチ座標に応じた歪み量閾値を選択し、この歪み量閾値と歪み量安定化判定部61で取得された有効判定用歪み量を比較し、有効判定用歪み量が歪み量閾値より大きければ、指91によるタッチ座標を有効とし、当該タッチ座標を有効タッチ座標として応用処理部5へ出力する。
一方、制御部62が「閾値が大きい方を選択」する機能を有する場合、指91のタッチ座標に応じた歪み量閾値を選択し、この歪み量閾値と歪み量安定化判定部61で取得された有効判定用歪み量を比較し、有効判定用歪み量が歪み量閾値より大きければ、指91によるタッチ座標を有効とし、当該タッチ座標を有効タッチ座標として応用処理部5へ出力する。以後、操作が行われなくなるまで(すなわち、タッチパネル部2の操作面40から指がリリースされるまで)、タッチ座標の有効化が継続する。そして、操作が行われなくなると(すなわち、タッチパネル部2の操作面40から指がリリースされると)、制御部62は、歪み量安定化判定部61に対してリセットをかけるとともに、有効タッチ座標の出力を停止する。
図17は、実施の形態3に係る電子機器60の制御部62の動作を説明するためのフローチャートである。なお、同図において、前述した図7における処理と共通する処理には同一の番号を付けて、詳細な説明は省略する。
図17において、制御部62は、タッチパネル部2から出力されるタッチ座標を取得し(ステップS1)、それを操作面内閾値判定部4へ出力する。タッチ座標を操作面内閾値判定部4へ出力した後、取得したタッチ座標に基づき、有効操作のリリースを検知できたかどうか判定する(ステップS2)。有効操作のリリースを検知できたと判定した場合(ステップS2で「Yes」と判定した場合)、歪み量安定化判定部61に対して安定化判定リセット要求を出力する(ステップS13)。歪み量安定化判定部61にリセット要求を出力した後、タッチ座標の有効状態をクリアする(ステップS3)。その後、タッチ座標をリリースし(ステップS4)、本処理を終える。
一方、上記ステップS2の判定において、有効操作のリリースを検知できないと判定した場合(ステップS2で「No」と判定した場合)、タッチ座標が既に有効になっているかどうか判定する(ステップS5)。この判定において、タッチ座標が既に有効になっていると判定した場合(ステップS5で「Yes」と判定した場合)、タッチ座標を有効とし(ステップS6)、本処理を終える。ステップS6では、複数のタッチ座標が同時に閾値を超えていれば、選択を実施する。例えば、後にタッチを検出した方を選択または歪み量閾値の大きい方を選択する。
これに対して、タッチ座標が有効になっていないと判定した場合(ステップS5で「No」と判定した場合)、歪み量安定化判定部61から出力される有効判定用歪み補正量を取得する(ステップS14)。そして、有効判定用歪み量が有りかどうか判定し(ステップS15)、有効判定用歪み量が有りと判定した場合(ステップS15で「Yes」と判定した場合)、すなわち、歪み量の変化が安定していると判定した場合、制御部6は、操作面内閾値判定部4から、タッチ座標に応じた歪み量閾値を取得する(ステップS8)。
有効判定用歪み量を取得し、さらにタッチ座標に応じた歪み量閾値を取得した後、これらの値を比較する(ステップS9)。有効判定用歪み量が歪み量閾値より大きいと判定した場合(ステップS9で「Yes」と判定した場合)は、タッチ座標を有効とし(ステップS6)、本処理を終える。これに対して、有効判定用歪み量が歪み量閾値以下であると判定した場合(ステップS9で「No」と判定した場合)は、タッチ座標を無効とし(ステップS10)、本処理を終える。
上記ステップS15の判定において有効判定用歪み量が無いと判定した場合(ステップS15で「No」と判定した場合)、すなわち、歪み量が増加中とか、歪み量の変化が安定していないと判定した場合、タッチ座標を無効とし(ステップS10)、本処理を終える。以上の処理(ステップS1〜ステップS6、ステップS8〜ステップS10、ステップS13〜ステップS15)は、タッチ座標を取得する毎に実施される。
図18は、実施の形態3に係る電子機器60の歪み量安定化判定部61の動作を説明するためのフローチャートである。同図において、歪み量安定化判定部61は、歪み量の変化が無くなった場合又は歪み量の変化の減少を初めて検知した場合に安定と判定するものである。歪み量安定化判定部61は、押圧検出部3から出力される歪み量を取得する(ステップS30)。次いで、安定化リセット後の初回判定かどうか判定し(ステップS31)、安定化リセット後の初回判定であると判定した場合(ステップS31で「Yes」と判定した場合)、安定していないと判定する(ステップS32)。初回であるので、当然ながら安定していないので、安定していないと判定する。そして、現在の歪み量及び判定結果を記憶し(ステップS33)、本処理を終える。
一方、ステップS31の判定で、安定化リセット後の初回判定でないと判定した場合(ステップS31で「No」と判定した場合)、安定と判定済みかどうか判定し(ステップS34)、安定と判定済みと判定した場合(ステップS34で「Yes」と判定した場合)、安定したと判定する(ステップS37)。そして、現在の歪み量及び判定結果を記憶し(ステップS33)、本処理を終える。ステップS34の判定において、安定と判定済みでないと判定した場合(ステップS34で「No」と判定した場合)、記憶済みの歪み量との差分を計算する(ステップS35)。
当該差分を計算した後、歪み量の変化が0(ゼロ)以下かどうか判定する(ステップS36)。すなわち、歪み量に変化が無いか、または減少する方向に変化しているかどうか判定する。歪み量の変化が0(ゼロ)を超えると判定した場合(ステップS36で「No」と判定した場合)、すなわち、変化有りと判定した場合、ステップS32に進み、安定していないと判定する。これに対し、歪み量の変化が0(ゼロ)以下と判定した場合(ステップS36で「Yes」と判定した場合)、安定したと判定し(ステップS37)、有効判定用歪み量として制御部62へ出力する。その後、ステップS33で、現在の歪み量及び判定結果を記憶し(ステップS33)、本処理を終える。
このように実施の形態3に係る電子機器60によれば、歪み量の閾値が異なる部分でタッチパネル部2がマルチタッチを検出した場合に、操作ではないタッチ座標を誤って有効と判断することを抑制することができる。
(実施の形態4)
図19は、本発明の実施の形態4に係る電子機器70の正面側の外観と、その一部の断面を拡大した図である。実施の形態4に係る電子機器70のみならず他の電子機器にあっても、筐体の構造により、操作面内外の境界付近に段差があると、水が溜まりやすかったりする。操作面40に水が付着すると、それを常時検出してしまう可能性がある。実施の形態4に係る電子機器70では、筐体の構造はそのままにして、ベゼル45と操作面40の境界付近に水90が溜まっても誤検知しないようにしたものである。
実施の形態4に係る電子機器70では、歪み量閾値を、端の部分だけ通常操作では反応しない値に設定するようにしている。図20は、実施の形態4に係る電子機器70の歪み量閾値THの一例を示す図である。同図に示すように、周縁部分だけ大きな値(「500」)が設定されている。このように、大きな歪み量を検出できる押圧検出部3の設置位置付近の操作でも歪み閾値を超えないようにすることで、端に溜まった水90を有効と判断することがない。
なお、端とする部分の領域が広いと端の操作ができなくなるため、以下に示す方法で対応すると良い。
・領域の分割を細かくする。
・領域の分割を端だけ細かくする。
また、誤検知しやすい部分が下端に限定されるならば下端付近だけ閾値を変更してもよい。
また、区画を大幅に増やすことなく操作可能領域を増やすため、端の領域だけ分割を細かくしてもよい。
また、端末の向きに応じて動的に下端だけ閾値を変更してもよい。
なお、実施の形態1〜3それぞれのフローチャート(図7、図11、図12、図17、図18)で示す処理を記述したプログラムを制御部6,62のROMに記憶させることになるが、当該プログラムを、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体に格納して配布したり、インターネット等のネットワーク上のサーバ(図示略)に保存するようにして、電気通信回線を利用してダウンロードできるようにしたりすることも可能である。
また、実施の形態1〜4に係る電子機器1,50,60,70は、スマートフォンと呼ばれる携帯無線機に適用したものであったが、携帯無線機に限らず、電子レンジ等の家電や、自動車等のナビゲーション等の操作パネルでも適用可能である。
また、少なくとも実施の形態1〜4に係る電子機器1,50,60,70は、以下の様に捉えることも可能である。
電子機器1,50,60,70は、筐体と、前記筐体内に配置され、所定の情報を表示する表示部と、前記表示部の表示を透過するとともに、所定の導電性を有する指示体によって指示された二次元座標を判定する、静電容量方式のタッチパネル部と、前記タッチパネル部に重ねて配置され、前記表示部の表示を透過する透明部材と、前記透明部材の歪みを検出する押圧検出部と、を備え、前記押圧検出部が検出する歪みが所定の閾値より大きい場合、前記タッチパネル部が判定する二次元座標を有効化する電子機器であって、前記所定の閾値は、前記タッチパネル部における場所に応じて異なる。
上記構成によれば、操作を押圧検出部で検出するとともに、押圧検出部が検出する歪みと比較する所定の閾値をタッチパネル部における場所に応じて異なるようにしたので、タッチパネル部の操作面のどの位置でタッチしても当該操作による二次元座標を有効とする。また、所定の閾値の最小値を、タッチパネル部の操作面に水などが付着したときの歪み量よりも大きな値、又は電気的なノイズの値よりも大きな値とすることで、タッチパネル部の操作面に水などが付着した場合に当該水による二次元座標を有効としない。
上記構成において、前記所定の閾値は、前記押圧検出部より離れるに従って小さくなる。
上記構成によれば、タッチパネル部のどの位置にタッチしても当該操作による二次元座標を有効とする。
上記構成において、前記所定の閾値は、前記タッチパネル部の操作面を複数の所定の区画に分割し、分割された所定の区画ごとに設定されている。
上記構成によれば、タッチパネル部のどの位置にタッチしても当該操作による二次元座標を有効とする。
上記構成において、前記所定の区画の形状は、四角形である。
上記構成によれば、タッチパネル部のどの位置にタッチしても当該操作による二次元座標を有効とする。
上記構成において、前記押圧検出部は、前記透明部材より小さい歪みセンサを有している。
上記構成において、前記押圧検出部が検出する歪みの変化が安定した時点以降であり、かつ、前記歪みが前記所定の閾値より大きい場合、前記タッチパネル部が判定する二次元座標を有効化する。
上記構成によれば、タッチパネル部の操作面で閾値が異なる複数の区画でマルチタッチしても、操作である二次元座標のみを有効とする。
上記構成において、前記歪みの変化が無くなった場合、又は前記歪みの減少が初めて検知された場合、前記歪みの変化が安定したと判定する。
上記構成によれば、操作である二次元座標のみを有効とする。
上記構成において、前記タッチパネル部が判定する二次元座標が同時に複数存在している場合、前記指示体によって後から指示された二次元座標を有効化する。
上記構成によれば、操作である二次元座標のみを有効とする。
上記構成において、前記所定の閾値は、少なくとも前記タッチパネル下端側の前記区画において通常操作では前記タッチパネル部が判定する二次元座標を有効化しない値に設定されている。
上記構成によれば、タッチパネルの下端側に水が溜まるなど誤反応につながる事象が発生しても、操作でない二次元座標を有効としない。
上記構成において、前記透明部材は、前記タッチパネル部と一体である。
上記構成によれば、透明部材とタッチパネル部との一体化により、組立てが容易になる。
上記構成において、前記押圧検出部は、圧電フィルムを用いて構成されている。
上記構成によれば、タッチパネル部に対するタッチによる押圧を高精度で検出することができる。
(実施の形態5)
以下、本発明の第5の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図22は、本発明の実施の形態5に係る電子機器130の概略構成の一例を示すブロック図である。
図22に示す様に、電子機器130は、少なくともタッチパネル部2、表示部103、鉛直方向検出部104、無線通信部105、制御部106、アンテナ107、記憶部108、及びスイッチ部109を備える。電子機器130としては、例えば、スマートフォンまたはタブレットなどが挙げられる。
タッチパネル部2は、静電容量方式のタッチパネルであり、図23に示すように送信電極25と受信電極26を備え、これらが例えば板状の誘電体27の下面に離間して配置される。送信電極25には、送信信号に基づく駆動パルスが、増幅器28を経て印加される。送信電極25に駆動パルスが印加されることで送信電極25から電界が発生し、この電界中に導電性を有する指等が入った場合に、送信電極25と受信電極26の間の電気力線の数が減少し、その数の変化が受信電極26における電荷の変化として現れる。
そして、タッチパネル部2は、受信電極26における電荷の変化に応じた受信信号に基づいて、指等により指示された表示部103における二次元座標(x,y)を制御部106へ連続的に出力する。即ち、指等の移動に伴って二次元座標(x、y)が変化する場合でも、同じ指等に対応する二次元座標(x、y)として連続的に出力する。なお、ここで説明した動作は、タッチパネル部2に含まれるタッチパネル用制御部(図示せず)において行われる。
図24は、タッチパネル部2に指を徐々に近づけたときの検出状態を示す図である。図24において、(a)は、指が電界内に入っていない状態、すなわち、指が検出されていない状態である。(b)は、指が電界内に入っているがタッチパネル部2に触れていない状態、すなわち、ホバー操作が検出された状態である。(c)は、指が電界内に入ってタッチパネル部2に触れている状態、すなわち、タッチ操作が検出された状態である。なお、手袋をした指でタッチパネル部2に触れる操作の場合、指は直にタッチパネル部2に触れないため、図24における(b)の状態となる。
図25は、図24(b)のホバー操作が検出された状態を詳細に示す図である。図25に示すように、指91とタッチパネル部2との垂直距離(z)が所定の距離より小さくなった場合、ホバー操作が検出された状態となる。なお、当該所定の距離は、指91の向きや太さによって変化するものであるし、設計上必要に応じて変更することも可能な値である。また前述の通り、指91は、手袋92をした状態でも検出可能である。
タッチパネル部2は、指91によるホバー操作が検出される状態(垂直距離=0のタッチ状態も含む)になると、指91に対応する二次元座標(x、y)を出力する。以降前述の通り連続的に二次元座標(x、y)を出力し続け、指91がタッチパネル部2から離れホバー操作が検出されなくなるまで、二次元座標(x、y)を出力する。なお、この二次元座標は、面状のタッチパネル部2に沿った面における二次元座標である。
図22のブロック図の説明に戻る。表示部103は、制御部106によって指示される所定の情報を表示する。表示部103は、例えば液晶及びバックライト、或いは有機EL等で構成される。鉛直方向検出部104は、筐体140内部に配置されるとともに、重力センサによって構成され、電子機器130における鉛直方向を検出し、制御部106に通知する。記憶部108は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリを有し、ユーザが電子機器130に対して各種設定を行った際、その設定を記憶する。
制御部106は電子機器130の各部を制御するものである。制御部106は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびインタフェース回路で構成される。ROMにはCPUを制御するためのプログラムが記憶されており、RAMはCPUの動作時に演算領域として使用される。無線通信部105は、アンテナ107が接続されている。無線通信部105は、アンテナ107を介して外部との間で、無線送信と無線受信を行い、プログラム等のデータを送信したり、受信したりする。スイッチ部109は、ユーザの操作によって電子機器130の起動や、電子機器の動作中に初期状態に戻す操作に用いられる。
電子機器130は、図26に示すように直方体状の筐体140を有する。図26において、この筐体140の前面(正面)側には、透明部材であるガラス12およびタッチパネル部2が配置されている。ガラス12とタッチパネル部2は、平面視すると長方形状(矩形状)に形成されており、筐体140の前面の面積より小さい面積である。そして、ガラス12はタッチパネル部2より前面側になるように、タッチパネル部2に重ねて配置されている。
図26において、ガラス12とタッチパネル部2は長方形の場合について説明したが、長方形に限定されるものでは無い。例えば、三角形、正方形、多角形、円、楕円等の所定の形状を有していれば良い。
ここで、図26の左下に記されたx軸、y軸、z軸は各図面における方向と向きを統一的に示す模式的な図形である。x軸の矢印は、x軸に沿う方向で負から正への向きを示し、y軸の矢印は、同様にy軸に沿う方向で負から正への向きを示し、z軸の矢印は、同様にz軸に沿う方向で負から正への向きを示す。各軸の矢印は、以下の各図においても同様である。また、各軸における正/負については、単にこれだけで技術的な意義を有するものではない。単に向きを統一的に説明するために用いる概念である。このことは以下の各図においても同様である。
図27は、電子機器130について、図26におけるxz平面で切断した断面の一部を示す断面図である。
ここで、図27の右下に記されたy軸の円と円の中のバツ印(×)は、y軸が、紙面の垂直な方向に沿って紙面の手前から紙面の裏側に向かう向きであることを示す。なお、この場合y軸は紙面の手前が負で紙面の裏側が正である。各軸の円と円の中のバツ印(×)は、以下の各図においても同様である。
図27に示すように、ガラス12、タッチパネル部2、表示部103は、z軸に沿って正から負に向かって順に配置されている。図27において、ガラス12とタッチパネル部2は別体として示されているが、これらは、一体にするようにしても良い。また、筐体140はガラス12を基準に、x軸に沿って正側において、z軸に沿って負から正に向かって突出するように形成されており、突出した端部において縁部140aを備えるようになっている。この縁部140aとガラス12の間において段差Dが構成されるようになっている。また、段差Dは、図27に示す様に、縁部140aとガラス12の間である高さhDを備える。なお、図27における段差Dは、後述する図29における段差D4に対応するものである。
図28(A)は電子機器130を長手方向に立てた場合の外観図を示し、図28(B)は、図28(A)の電子機器130を一点鎖線で切断した断面図を示す。
ここで、図28(A)の右下に記された、z軸の円と円の中心の点は、z軸が紙面の垂直な方向に沿って、紙面の裏側から紙面の手前に向かう向きであることを示す。なお、この場合z軸は紙面の裏側が負で紙面の手前が正である。各軸の円と円の中心の点は、以下の各図においても同様である。
図28(A)において、下側に記された白抜きの矢印が鉛直方向を記す。即ち、図28での鉛直方向は、少なくともy軸における正から負の方向の成分を備える。図28(B)においても、下側に記された白抜きの矢印が図28(A)と同一の鉛直方向を記す。即ち、図28での鉛直方向は、少なくともz軸における正から負の方向の成分を備える。電子機器130は、図28(B)に示すように、y軸の正側において縁部140aとガラス12の間において段差D1が構成されるとともに、y軸の負側において縁部140aとガラス12の間において段差D2が構成されるようになっている。
段差D1と段差D2は、それぞれ図27に示す段差Dが高さhDを備えるのと同様に、高さhD1と高さhD2を備える(図28において図示せず)。電子機器130を、図28に示す鉛直方向になるように保持して、例えば雨等が降っている中で使用する場合、ガラス12に当たった雨が、ガラス12に沿って鉛直方向に流れ、段差D2付近に水95が溜まる場合がある。
なお、表示部103においては、図28(A)に示す様に短手方向(x軸方向)の幅がwxであり、長手方向(y軸方向)の幅がwyである。wxとwyとの関係は、wx:wy=3:4や、wx:wy=9:16等であって、原則的にwxは、wyより短い。
図29(A)は電子機器130を短手方向に立てた場合の外観図を示し、図29(B)は、図29(A)の電子機器130を一点鎖線で切断した断面図を示す。
図29(A)において、下側に記された白抜きの矢印が鉛直方向を記す。即ち、図29での鉛直方向は、少なくともx軸における正から負の方向の成分を備える。図29(B)においても、下側に記された白抜きの矢印が図29(A)と同一の鉛直方向を記す。即ち、図29での鉛直方向は、少なくともz軸における正から負の方向の成分を備える。電子機器130は、図29(B)に示すように、x軸の負側において縁部140aとガラス12の間において段差D3が構成されるとともに、x軸の正側において縁部140aとガラス12の間において段差D4が構成されるようになっている。
段差D3と段差D4は、それぞれ図27に示す段差Dが高さhDを備えるのと同様に、高さhD3と高さhD4を備える(図29において図示せず)。そして、高さhD1、hD2、hD3、hD4は実質的に同一である。ここで、高さが実質的に同一であるとは、例えば、hD1、hD2、hD3、hD4の中で最大値と最小値の差が、hD1、hD2、hD3、hD4の平均値の5%以下である、或は10%以下である、或は20%以下である、或は30%以下である、或は40%以下である、或は50%以下 であることを意味する。電子機器130を、図29に示す鉛直方向になるように保持して、例えば雨等が降っている中で使用する場合、ガラス12に当たった雨が、ガラス12に沿って鉛直方向に流れ、段差D4付近に水96が溜まる場合がある。
なお、図27、図28、図29において、段差D1〜4は、筐体の縁部140aとガラス12の間において構成される場合について説明したが、これに限らない、タッチパネル部2の辺に沿って配置された段差であれば良い。例えば、ガラス12自体が備える段差でも良い。
また、電子機器130は、図28、図29に示す様に、ガラス12の4辺にそれぞれ、段差D1〜4を備えるようにしたが、これに限らない。少なくとも1辺に段差があれば良い。
図30は、電子機器130の無効領域に関する動作を示すフローチャートである。ここで、電子機器130は、雨等の水滴に対応する水滴対応モードと、特に水滴に対応しない通常モードとを、少なくとも備える。水滴対応モードと通常モード等の動作モードの切り替えは、使用者によって設定することができるものであり、記憶部108に記憶される。
図30において、制御部106は、動作を開始すると記憶部108に記憶される動作モードの設定を確認する(ステップS41)。次に、制御部106は、水滴対応モードでない場合(ステップS42:NO)は、ステップS41に戻る。ステップS42において、制御部106は、水滴対応モードである場合(ステップS42:YES)、鉛直方向検出部104に鉛直方向を確認する(ステップS43)。次に、制御部106は、表示部103及びタッチパネル部2において、確認した鉛直方向側の辺に沿って無効領域を設定する(ステップS44)。その後、ステップS41に戻る。
鉛直方向側の辺に沿って設定される無効領域について、図28及び図29の場合について説明する。図28に示す様に、電子機器130を長手方向に立てた場合は、図28(A)において破線のハッチングで示す領域を無効領域I1とし、図29に示す様に、電子機器130を短手方向に立てた場合は、図29(A)において破線のハッチングで示す領域を無効領域I2とする。
無効領域I1は、図28(A)に示す様に、表示部103におけるy軸の負側の辺に沿って、第1の幅wI1を備えるとともに、無効領域I2は、図29(A)に示す様に、表示部103におけるx軸の正側の辺に沿って、第2の幅wI2を備える。第1の幅wI1と第2の幅wI2は実質的に同一である。ここで、第1の幅wI1と第2の幅wI2は実質的に同一であるとは、例えば、wI1とwI2の差の絶対値がwI1とwI2の平均値の、5%以下である、或は10%以下である、或は20%以下である、或は30%以下である、或は40%以下である、或は50%以下 であることを意味する。
ここで制御部106は、無効領域において、タッチパネル部2においてタッチ等で座標を検出したとしても、その座標を有効な座標としない。即ち制御部106は、無効領域においては、指等のタッチに限らず、水滴等の付着による座標も有効な座標としない。制御部106は、無効領域でない領域においては、タッチパネル部2において検出した座標を有効な座標とする。表示部103は、有効な座標を表示することが可能である。
有効な座標の例について図31を用いて説明する。図31の(A)に示すように二次元座標(x,y)が有効な座標の場合、例えば、図31の(B)に示すように表示部103にアイコン120が表示される。この場合も有効な二次元座標(x,y)が直接的に表示されるわけではないが、アイコン120が表示される形で当該二次元座標(x,y)が表示される、即ち表示可能と捕らえることも出来る。
なお、図31の(B)において、二次元座標(x,y)に対応してポインタ(図示せず)を表示させるようにしてもよい。この場合において、ポインタがアイコン120と重なるときは、アイコン120が選択可能状態となるようにしてもよい。このようなポインタやアイコン120の表示、および、アイコン120に対応する機能の起動は、制御部106の指示によって行われる。なお、図31で示す有効な座標の概念は、本実施の形態に限らず、実施の形態1〜4にも適応可能である。
図30のフロー図の説明に戻る。制御部106が、図30のフロー図に基づいて動作(ステップS41,ステップS42、ステップS43、ステップS44)を繰り返すことによって、電子機器130の鉛直方向が切り替わる度に、鉛直方向側の辺に沿って設定される無効領域が切り替わる。例えば、電子機器130が、図28に示す鉛直方向になるように保持された場合、図28(A)の様に無効領域を設定し、その後に図29に示す鉛直方向になるように保持された場合、図29(A)の様な無効領域に切り替わる。更にその後に、図28に示す鉛直方向になるように保持された場合は、図28(A)の様な無効領域に戻る。
以上の様に、電子機器130は、水滴が溜まりやすい鉛直方向側のタッチパネルの辺に沿って無効領域を配置することで、辺に沿って設けられた段差に水滴が溜まった場合でも、溜まった水滴をユーザの操作として誤検出する可能性を抑制することができる。
なお、無効領域I1、I2は、表示部103に表示するようにしても良いし、表示しなくとも良い。無効領域I1、I2を表示部103に表示する場合、例えば所定の色で破線のハッチング領域を塗りつぶすようにしても良い。その所定の色は例えば、黒等が考えられる。或いは、所定の色で塗りつぶす場合において、塗りつぶしにおいて所定の透過率を備え、塗りつぶしの下に表示部103が通常表示する画面を透かして確認できるようにしても良い。
或は、無効領域I1、I2においては、通常表示する画面を表示することはせず、無効領域I1、I2を除いた領域において通常表示する画面を縮小して表示するようにしても良い。又は、無効領域I1、I2を除いた領域において通常表示する画面を適宜スクロールするようにして表示するようにしても良い。
また、電子機器130は、表示部103の周囲の段差D1、D2、D3、D4の高さhD1、hD2、hD3、hD4について実質的に同一(実質的に一定)にするとともに、無効領域の第1の幅wI1と第2の幅wI2を実質的に同一にしている。これは、段差の高さが同一である為、段差付近に溜まる水滴の量も近いと考え、表示部103の縦横比に拠らず、無効領域の第1の幅wI1と第2の幅wI2を実質的に同一(一定)にしたものである。
前述の様に電子機器130では、段差の高さが一定である場合として、無効領域の幅を一定にしたが、これに限らない。段差の高さが高ければ、段差付近に溜まる水滴の量も多くなると考え、段差の高さに応じて、無効領域の幅を広くするようにしても良い。例えば、hD2>hD4の場合、wI1>wI2のようにしても良いし、hD2<hD4の場合、wI1<wI2のようにしても良い。
また、電子機器130では、指等によるタッチ操作をタッチパネル部2によって、検出するようにしているが、これに限らない。例えば、電子機器1、50、60、70のように、押圧検出部3等を利用してタッチ操作を判定するようにしてもよい。
本発明は、スマートフォン等の静電容量方式のタッチパネルを用いた電子機器への適用が可能である。
1,50,60,70,130 電子機器
2 タッチパネル部
3 押圧検出部
4 操作面内閾値判定部
5 応用処理部
6,62,106 制御部
10,140 筐体
11,103 表示部
12 透明部材(ガラス)
40,100 操作面
45 ベゼル
51 歪み量取得部
61 歪み量安定化判定部
90,95,96 水
91 指
92 手袋
104 鉛直方向検出部(重力センサ)
105 無線通信部
107 アンテナ
108 記憶部
109 スイッチ部
120 アイコン

Claims (15)

  1. 筐体と、
    前記筐体内に配置され、所定の形状を有し、所定の情報を表示する表示部と、
    略前記所定の形状を有し、前記表示部の表示を透過するとともに、所定の導電性を有する指示体によって指示された二次元座標を判定する、静電容量方式のタッチパネルと、
    鉛直方向を検出可能な重力センサと、
    前記所定の形状の辺に沿って設けられ、前期所定の形状の内側が低く外側が高い段差と、を備え、
    前記辺に沿って、前記二次元座標を無効にする無効領域を配置可能な電子機器であって、
    前記鉛直方向側の前記辺に沿って前記無効領域を配置する、
    電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記筐体が回転され、筐体において鉛直方向が変化するに伴って、前記鉛直方向側の前記辺に沿って配置される前記無効領域の位置を変化させる、
    電子機器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載に記載の電子機器であって、
    前記段差の高さは、前記所定の形状の前記辺に拠らず、実質的に一定である、
    電子機器。
  4. 請求項3に記載の電子機器であって、
    前記無効領域は、前記辺に沿って所定の幅を有し、
    前記所定の幅は、前記鉛直方向に拠らず、実質的に一定である、
    電子機器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載電子機器であって、
    前記表示部は、前記二次元座標を表示可能であり、
    前記表示部は、前記無効領域の前記二次元座標を表示しない、
    電子機器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子機器であって、
    前記所定の形状は、四角形である、
    電子機器。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器であって、
    前記タッチパネルは、所定の距離離れた前記指示体について前記二次元座標を判定可能である、
    電子機器。
  8. 請求項7に記載の電子機器であって、
    前記指示体は、人体の指であって、
    前記タッチパネルは、絶縁性を備える手袋を装着した前記指について前記二次元座標を判定可能である、
    電子機器。
  9. 請求項1から請求項8に記載の電子機器であって、
    前記タッチパネルに重ねて配置され、所定の透過性を有する透明部材を備え、
    前記タッチパネルは、前記透明部材と前記表示部の間に配置された
    電子機器。
  10. 請求項9に記載の電子機器であって、
    前記透明部材と前記タッチパネルは一体である、
    電子機器。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の電子機器であって、
    前記筐体は、前記タッチパネルの周囲の少なくとも一部に縁部を備え、
    前記段差は、前記縁部と前記透明部材の間で構成される、
    電子機器。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電子機器であって、
    前記表示部は、前記無効領域に所定の表示を行う、
    電子機器。
  13. 請求項12に記載の電子機器であって、
    前記所定の表示は、前期無効領域を所定の色で塗りつぶすことである、
    電子機器。
  14. 請求項13に記載の電子機器であって、
    前記所定の色は、黒である、
    電子機器。
  15. 請求項13又は請求項14に記載の電子機器であって、
    前記所定の色の塗りつぶしは、所定の透過性を有する
    電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018156590A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 富士ゼロックス株式会社 入力装置、画像形成装置及びプログラム

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