JP2016048822A - 無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常のある無線通信装置による外部への無線信号の送信を抑制する。【解決手段】所定の単一の伝送チャネルを共用して通信を行う、高度道路交通システムに用いられる無線通信装置であって、無線信号を送信する無線部22と、無線部22に通常モードとテストモードとによる動作を選択的に行わせる制御部21とを備え、無線部22は、通常モードにおいて信号を外部に送信するためのアンテナ32と、テストモードにおいてテスト用に信号が伝送されるダミーロード34と、信号の伝送経路をアンテナ32とダミーロード34とのいずれかに切り替える切替部33と、無線部22の異常を検出する検出部35とを備え、制御部21は、テストモードによる動作で検出部35が異常を検出しないとき、伝送経路をアンテナ32に切り替え、通常モードによる動作を無線部22に行わせる。【選択図】図2
Description
本発明は、高度道路交通システムに用いられる無線通信装置に関する。
近年、路車間通信、車車間通信による高度道路交通システム(ITS)が検討されている。路車間通信とは、路側通信機(基地局)と車載通信機(移動局)との間の通信であり、車車間通信とは、車載通信機(移動局)間の通信である(特許文献1参照)。
このような高度道路交通システムのための通信方式については、標準規格及びガイドラインが制定されている(非特許文献1,2参照)。
また、最近では、路車間通信及び車車間通信だけでなく、路側通信機同士が無線により通信を行う「路路間通信」についても検討され(例えば、特許文献2参照)、実験用のガイドラインも制定されている(非特許文献3参照)。
このような高度道路交通システムのための通信方式については、標準規格及びガイドラインが制定されている(非特許文献1,2参照)。
また、最近では、路車間通信及び車車間通信だけでなく、路側通信機同士が無線により通信を行う「路路間通信」についても検討され(例えば、特許文献2参照)、実験用のガイドラインも制定されている(非特許文献3参照)。
一般社団法人電波産業会、"700MHz帯高度道路交通システム ARIB−STD T109 1.2版",[online]、インターネット<http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html>
ITS情報通信システム推進会議、"700MHz帯高度道路交通システム拡張機能ガイドライン ITS FORUM RC−010 1.0版",[online]、インターネット<http://www.itsforum.gr.jp/>
"700MHz帯高度道路交通システム 実験用路路間通信ガイドライン ITS FORUM RC−012 1.0版",[online]、インターネット<http://www.itsforum.gr.jp/Public/J7Database/p47/ITS_FORUM_RC-012_v10.pdf>
路側通信機や車載通信機等の無線通信装置は、送信電力の異常や周波数のずれ(PLLロック外れ)等の異常が生じた場合、再起動による復旧作業を行う場合がある。しかし、再起動を行ってもなお異常が改善しない場合、異常が残ったまま無線信号を送信し続ける可能性がある。
非特許文献1〜3に規定されている高度道路交通システムは、700MHz帯の単一の伝送チャネルを複数の無線通信装置で共用しているため、異常のある無線通信装置が無線信号を送信すると、周辺の無線通信装置の多くがその無線信号を受信してしまう。特に、無線信号の送信電力が異常に高くなった場合には、離れた無線通信装置までもがその無線信号を受信する可能性も生じる。このような無線信号の受信は、正常な無線信号の受信を妨げたり、有限な無線リソースを無駄に消費したりする原因となるため、好ましくない。
非特許文献1〜3に規定されている高度道路交通システムは、700MHz帯の単一の伝送チャネルを複数の無線通信装置で共用しているため、異常のある無線通信装置が無線信号を送信すると、周辺の無線通信装置の多くがその無線信号を受信してしまう。特に、無線信号の送信電力が異常に高くなった場合には、離れた無線通信装置までもがその無線信号を受信する可能性も生じる。このような無線信号の受信は、正常な無線信号の受信を妨げたり、有限な無線リソースを無駄に消費したりする原因となるため、好ましくない。
本発明は、異常のある無線通信装置による外部への無線信号の送信を抑制することを目的とする。
ある観点からみた無線通信装置は、
所定の単一の伝送チャネルを共用して通信を行う、高度道路交通システムに用いられる無線通信装置であって、
無線信号を送信する無線部と、
前記無線部に通常モードとテストモードとによる動作を選択的に行わせる制御部とを備え、
前記無線部は、
前記通常モードにおいて信号を外部に送信するためのアンテナと、
前記テストモードにおいてテスト用に信号が伝送されるダミーロードと、
前記信号の伝送経路を前記アンテナと前記ダミーロードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記無線部の異常を検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、前記テストモードによる動作で前記検出部が異常を検出しないとき、前記伝送経路を前記アンテナに切り替え、前記通常モードによる動作を前記無線部に行わせるものである。
所定の単一の伝送チャネルを共用して通信を行う、高度道路交通システムに用いられる無線通信装置であって、
無線信号を送信する無線部と、
前記無線部に通常モードとテストモードとによる動作を選択的に行わせる制御部とを備え、
前記無線部は、
前記通常モードにおいて信号を外部に送信するためのアンテナと、
前記テストモードにおいてテスト用に信号が伝送されるダミーロードと、
前記信号の伝送経路を前記アンテナと前記ダミーロードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記無線部の異常を検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、前記テストモードによる動作で前記検出部が異常を検出しないとき、前記伝送経路を前記アンテナに切り替え、前記通常モードによる動作を前記無線部に行わせるものである。
なお、本発明は、以上のような無線通信装置として実現することができるだけでなく、例えば、路側通信機、車載通信機、又はこれらを備えた通信システムとして実現したり、その通信システムの処理をステップとする通信方法として実現したり、通信システムの一部又は全部の装置を実現する半導体集積回路として実現したりすることができる。また、本発明は、無線通信装置の機能をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。また、そのコンピュータプログラムは、フラッシュメモリー、CD−ROM、又はDVD−ROM等の記憶媒体に記憶させることもできる。
本発明によれば、異常のある無線通信装置による外部への無線信号の送信を抑制することができる。
[本発明の実施形態の要旨]
最初に本発明の実施形態の要旨を列記して説明する。なお、以下に記載する各実施形態は、その一部を任意に組み合わせることも可能である。
最初に本発明の実施形態の要旨を列記して説明する。なお、以下に記載する各実施形態は、その一部を任意に組み合わせることも可能である。
(1)一実施形態に係る無線通信装置は、
所定の単一の伝送チャネルを共用して通信を行う、高度道路交通システムに用いられる無線通信装置であって、
無線信号を送信する無線部と、
前記無線部に通常モードとテストモードとによる動作を選択的に行わせる制御部とを備え、
前記無線部は、
前記通常モードにおいて信号を外部に送信するためのアンテナと、
前記テストモードにおいてテスト用に信号が伝送されるダミーロードと、
前記信号の伝送経路を前記アンテナと前記ダミーロードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記無線部の異常を検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、前記テストモードによる動作で前記検出部が異常を検出しないとき、前記伝送経路を前記アンテナに切り替え、前記通常モードによる動作を前記無線部に行わせるものである。
所定の単一の伝送チャネルを共用して通信を行う、高度道路交通システムに用いられる無線通信装置であって、
無線信号を送信する無線部と、
前記無線部に通常モードとテストモードとによる動作を選択的に行わせる制御部とを備え、
前記無線部は、
前記通常モードにおいて信号を外部に送信するためのアンテナと、
前記テストモードにおいてテスト用に信号が伝送されるダミーロードと、
前記信号の伝送経路を前記アンテナと前記ダミーロードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記無線部の異常を検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、前記テストモードによる動作で前記検出部が異常を検出しないとき、前記伝送経路を前記アンテナに切り替え、前記通常モードによる動作を前記無線部に行わせるものである。
この実施形態の無線通信装置は、テストモードによる動作で検出部が無線部の異常を検出しない場合、制御部が通常モードの動作に切り替える。言い換えると、テストモードによる動作で検出部が無線部の異常を検出した場合には、通常モードの動作には切り替わらず、アンテナを介して外部への無線信号の送信も行われない。したがって、異常のある無線通信装置が外部に無線信号を送信するのを抑制することができる。
(2)上記構成において、当該無線通信装置が起動したとき、前記制御部は、前記伝送経路を前記ダミーロードにして前記無線部に前記テストモードによる動作を行わせることが好ましい。
この構成によれば、無線通信装置を起動した後は、必ずテストモードによる動作が行われ、異常がないことを確認してから通常モードによる動作に移行することができる。
この構成によれば、無線通信装置を起動した後は、必ずテストモードによる動作が行われ、異常がないことを確認してから通常モードによる動作に移行することができる。
(3)前記制御部は、前記通常モードによる動作で前記検出部が異常を検出したとき、前記伝送経路を前記ダミーロードに切り替えて前記テストモードによる動作を前記無線部に行わせることが好ましい。
このような構成によって、通常モードによる動作中に無線部に異常が生じたとしても、その後、アンテナを介して外部に無線信号が送信されるのを防止することができる。
このような構成によって、通常モードによる動作中に無線部に異常が生じたとしても、その後、アンテナを介して外部に無線信号が送信されるのを防止することができる。
(4)前記制御部は、前記検出部が異常を検出したときに当該無線通信装置を再起動させることが好ましい。
このような構成によって、再起動による無線部の復旧を試みることができる。
このような構成によって、再起動による無線部の復旧を試みることができる。
(5)前記無線部は、前記テストモードにおいては、前記通常モードとは異なるテスト用の信号を伝送することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の好ましい実施形態の詳細について図面を参照しながら説明する。
[通信システムの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る高度道路交通システムの全体構成図である。
高度道路交通システム10は、非特許文献1〜3に準拠するものであり、700MHz帯の単一の伝送チャネルを共用して複数の無線通信装置(無線機)2,3が通信を行うものである。
以下、本発明の好ましい実施形態の詳細について図面を参照しながら説明する。
[通信システムの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る高度道路交通システムの全体構成図である。
高度道路交通システム10は、非特許文献1〜3に準拠するものであり、700MHz帯の単一の伝送チャネルを共用して複数の無線通信装置(無線機)2,3が通信を行うものである。
高度道路交通システム10は、中央装置12と、中央装置12によって管理(制御)される複数の交通用端末6と、を備えている。
中央装置12には、ネットワーク網13を介して、1又は複数のルータ14が接続されている。ルータ14には、交通信号制御機などの交通用端末6が、有線通信路8を介して、又は無線通信路を含む通信路を介して接続されている。
中央装置12には、ネットワーク網13を介して、1又は複数のルータ14が接続されている。ルータ14には、交通信号制御機などの交通用端末6が、有線通信路8を介して、又は無線通信路を含む通信路を介して接続されている。
高度道路交通システム10は、ルータ14と端末6との間に無線通信路を形成するための複数の無線機(路側通信機)2(2A,2B)を備えている。
複数の無線機2には、ルータ14に接続された無線機2A、及び端末6に接続された無線機2Bが含まれている。なお、無線機2Bと端末6との間には、さらにルータ14が介在していてもよい。
複数の無線機2には、ルータ14に接続された無線機2A、及び端末6に接続された無線機2Bが含まれている。なお、無線機2Bと端末6との間には、さらにルータ14が介在していてもよい。
これらの無線機2は、非特許文献1、2の基地局として要求される機能を具備している。つまり、基地局としての無線機2は、基地局2と移動局(車載通信機)3との間の通信機能(路車間通信機能)などを有しており、車載通信機などの移動局3に対して通信パケット(無線パケット)をブロードキャスト送信することができる。
基地局2から送信される通信パケットはブロードキャスト送信されるため、通信パケットを受信できるのは、移動局3に限られるわけではなく、通信パケットを送信した基地局以外の他の基地局2も、通信パケットを受信することができる。つまり、非特許文献3の規格で規定されるように、基地局である無線機2間の通信(路路間通信;基地局間通信)が可能である。
交通信号制御機などの端末6は、交差点近傍又は交差点以外の道路R近傍に設置される。各端末6には、通信線9を介して無線機2が接続されている。無線機2は、端末6の近傍に設置されている。複数の端末6のうち、特定の端末6(比較的大きな交差点付近に設置された端末)には、通信線(有線通信路)8を介して、ルータ14が接続されている。
ネットワーク網13を介して中央装置12に接続されたルータ14は中央装置12から送信された情報を、ルータ14に接続された端末6に配信することができる。また、ルータ14は、中央装置12から送信された情報を、ルータ14に接続された無線機2Aに与えることができる。ルータ14に接続された無線機2Aは、中央装置12から送信された情報を、通信パケットに含めて、他の無線機2Bに送信(ブロードキャスト送信)し、他の無線機2Bに接続された端末6が、無線送信された情報を取得することができる。
無線機2Bは、無線機2Aから送信された情報を、さらに他の無線機2Bに転送することができる。また、ルータ14は、無線機2Bに接続された端末6から送信された情報を、無線通信を介して取得し、中央装置12へ送信することができる。
基地局としての無線機2は、移動局としての無線機3へも情報を送信することができる。
このように、有線の通信線によってルータ14と接続されていない端末6であっても、無線機2同士による無線通信(路路間通信)を利用して、ルータ14及び中央装置12と通信することができる。
基地局としての無線機2は、移動局としての無線機3へも情報を送信することができる。
このように、有線の通信線によってルータ14と接続されていない端末6であっても、無線機2同士による無線通信(路路間通信)を利用して、ルータ14及び中央装置12と通信することができる。
本実施形態では、ルータ14の設置場所から比較的離れた(数十〜数百メートル程度離れた)場所に設置された端末6とルータ14との間に、長い通信線を敷設する必要がないため、コスト低減が可能である。
[無線機の構成]
図2は、無線機(路側通信機、車載通信機)2,3の構成を概略的に示す図である。
無線機2,3は、制御部21と無線部22とを備えている。制御部21は、無線部22を制御する機能を有している。また、制御部21は、他の無線機2,3に送信するためのデータを生成する機能を有している。
一方、無線部22は、制御部21が生成したデータを無線により送信可能な通信パケットの形態に変換する通信処理部31と、通信パケットを外部に送信するためのアンテナ32とを備えている。したがって、通信処理部31によって生成された通信パケットは、無線信号としてアンテナ32から外部に送信される。
図2は、無線機(路側通信機、車載通信機)2,3の構成を概略的に示す図である。
無線機2,3は、制御部21と無線部22とを備えている。制御部21は、無線部22を制御する機能を有している。また、制御部21は、他の無線機2,3に送信するためのデータを生成する機能を有している。
一方、無線部22は、制御部21が生成したデータを無線により送信可能な通信パケットの形態に変換する通信処理部31と、通信パケットを外部に送信するためのアンテナ32とを備えている。したがって、通信処理部31によって生成された通信パケットは、無線信号としてアンテナ32から外部に送信される。
また、無線部22は、上記の他に、切替スイッチ(切替部)33と、ダミーロード34とを備えている。
切替スイッチ33は、通信処理部31により生成された通信パケット(後述するテストパケットを含む)の伝送経路をアンテナ32とダミーロード34とのいずれかに切り替えるものである。具体的に、切替スイッチ33は、SPDTスイッチにより構成され、通信処理部31の出力部31aとアンテナ32とを接続する態様(スイッチ(I))と、通信処理部31の出力部31aとダミーロード34とを接続する態様(スイッチ(II))とに切り替える。
切替スイッチ33は、通信処理部31により生成された通信パケット(後述するテストパケットを含む)の伝送経路をアンテナ32とダミーロード34とのいずれかに切り替えるものである。具体的に、切替スイッチ33は、SPDTスイッチにより構成され、通信処理部31の出力部31aとアンテナ32とを接続する態様(スイッチ(I))と、通信処理部31の出力部31aとダミーロード34とを接続する態様(スイッチ(II))とに切り替える。
ダミーロード34は、アンテナ32と同様の抵抗値(インピーダンス)を有する擬似的な負荷抵抗である。ダミーロード34の一端は、切替スイッチ33に接続され、他端はグランドに接続されている。
通信処理部31は、無線部22の異常を検出する異常検出部35を備えている。異常検出部35は、例えば通信パケットの送信電力異常や出力周波数のずれ(PLLロック外れ)等を検出することができる。そして、異常検出部35は、検出した結果を制御部21に出力することができる。
一方、制御部21は、異常検出部35の検出結果を受信すると、その検出結果の内容に応じて切替スイッチ33を制御する。
一方、制御部21は、異常検出部35の検出結果を受信すると、その検出結果の内容に応じて切替スイッチ33を制御する。
[無線機の動作]
図3は、切替スイッチの動作と無線機の通信の態様との関係を示すタイムチャートである。
切替スイッチ33は、図3に示すように、制御部21から入力される電圧等の電気信号(操作信号)の高低によりスイッチ(I)とスイッチ(II)とを切り替えるように構成されている。例えば、高い電気信号が入力されたときにはスイッチ(I)に切り替わり、低い電気信号が入力されたときにはスイッチ(II)に切り替わる。
図3は、切替スイッチの動作と無線機の通信の態様との関係を示すタイムチャートである。
切替スイッチ33は、図3に示すように、制御部21から入力される電圧等の電気信号(操作信号)の高低によりスイッチ(I)とスイッチ(II)とを切り替えるように構成されている。例えば、高い電気信号が入力されたときにはスイッチ(I)に切り替わり、低い電気信号が入力されたときにはスイッチ(II)に切り替わる。
本実施形態の無線機2,3は、アンテナ32を介して他の無線機2,3に通信パケットを送信する「通常モード」と、外部に通信パケットを送信せず、内部のダミーロード34に通信パケットに相当するテスト信号(テストパケット)を流す「テストモード」との2つの動作を選択的に行うことが可能となっている。したがって、制御部21は、通常モードによる動作を行う場合には切替スイッチ33をスイッチ(I)に切り替え、テストモードによる動作を行う場合には切替スイッチ33をスイッチ(II)に切り替える。
図3に示すように、無線機2,3は、起動した当初はテストモードによる動作を行うように構成されている。すなわち、切替スイッチ33は起動時にスイッチ(II)に切り替わった状態になっている。
そして、制御部21は、テスト信号を生成して無線部22に送信し、無線部22から出力されたテスト信号をダミーロード34に流す。
そして、制御部21は、テスト信号を生成して無線部22に送信し、無線部22から出力されたテスト信号をダミーロード34に流す。
異常検出部35は、テスト信号がダミーロード34を流れたときの異常の有無を検出する。制御部21は、異常検出部35の検出結果の入力を受け、異常がない場合には、切替スイッチ33をスイッチ(I)に切り替えるように切替スイッチ33を制御する。これにより、テストモードから通常モードによる動作に切り替わり、アンテナ32を介して外部に通信パケットを送信することができる。
したがって、本実施形態の無線機2,3は、起動後、外部に通信パケットを送信する前にダミーロード34にテスト信号を伝送することによって無線部22の異常の有無を検出し、異常がない場合に初めてアンテナ32を介して通信パケットを外部に送信する。そのため、当該無線機2,3は、出力に異常がある通信パケットを外部へ送信してしまうことがなく、その通信パケットを周囲の他の無線機2,3が受信してしまうこともない。
図3に示すように、無線機2,3が通常モードで動作しているとき、異常検出部35によって無線部22の異常が検出されると、制御部21は、無線機2,3を再起動する。無線部22に異常が発生した場合、再起動によって復旧される場合があるからである。そして、再起動後、無線機2,3は再びテストモードで動作し、制御部21は、テスト信号を送信する。このテスト信号の送信によって無線部22に異常がないことが確認されると、制御部21は、切替スイッチ33をスイッチ(I)に切り替え、無線部22を通常モードによる動作に移行させる。したがって、無線部22は、正常な場合だけ外部に通信パケットを送信することになり、他の無線機2,3は、出力に異常がある通信パケットを受信することがなくなる。
なお、テスト信号は、必ずしもパケットの形態でなくてもよい。また、テスト信号として、通信パケットと同一の信号をダミーロード34に伝送してもよい。
以上の動作手順を図4のフローチャートを用いてより詳細に説明する。
図4に示す動作手順は、無線機2,3を起動させたところから開始する。無線機2,3を起動すると、まず初期化が行われる(ステップS1)。この初期化には、整数型の変数nを0にリセットする動作が含まれる。この変数nは、異常検出部35により異常が検出された回数を示す。
次いで、ステップS2において、切替スイッチ33がスイッチ(II)に切り替えられる。したがって、通信処理部31の出力部31aがダミーロード34に接続される。
図4に示す動作手順は、無線機2,3を起動させたところから開始する。無線機2,3を起動すると、まず初期化が行われる(ステップS1)。この初期化には、整数型の変数nを0にリセットする動作が含まれる。この変数nは、異常検出部35により異常が検出された回数を示す。
次いで、ステップS2において、切替スイッチ33がスイッチ(II)に切り替えられる。したがって、通信処理部31の出力部31aがダミーロード34に接続される。
次いで、ステップS3において、通信処理部31からダミーロード34にテスト信号が伝送される。
次いで、ステップS4において、異常検出部35が異常を検出したか否かが判断される。異常検出部35が異常を検出しない場合は、変数nが0にリセットされ(ステップS5)、切替スイッチ33がスイッチ(I)に切り替えられる(ステップS6)。すなわち、テストモードから通常モードに切り替えられる。
そして、ステップS7において、通信処理部31からアンテナ32を介して通常の通信パケットが外部に送信される。
次いで、ステップS4において、異常検出部35が異常を検出したか否かが判断される。異常検出部35が異常を検出しない場合は、変数nが0にリセットされ(ステップS5)、切替スイッチ33がスイッチ(I)に切り替えられる(ステップS6)。すなわち、テストモードから通常モードに切り替えられる。
そして、ステップS7において、通信処理部31からアンテナ32を介して通常の通信パケットが外部に送信される。
ステップS4において、異常検出部35が異常を検出した場合、ステップS8において、変数nがインクリメントされる。そして、ステップS9において変数nが所定の閾値A以上か否かが判断される。変数nが所定の閾値Aよりも小さい場合、ステップS11において無線機2,3が再起動され、ステップS2に処理が戻される。
ステップS9において変数nが所定の閾値よりも大きい場合、すなわち、ステップS4において異常が所定回数A以上連続して検出された場合、再起動による復旧は不可能であると判断することができるので、ステップS10において無線機2,3による無線送信が完全に停止される。
ステップS9において変数nが所定の閾値よりも大きい場合、すなわち、ステップS4において異常が所定回数A以上連続して検出された場合、再起動による復旧は不可能であると判断することができるので、ステップS10において無線機2,3による無線送信が完全に停止される。
本実施形態の高度道路交通システム10は、所定の周波数帯(700MHz帯)の単一の伝送チャネルを複数の無線機2,3で共用しているので、異常のある無線機2,3が送信した通信パケットを、周辺の多くの無線機2,3が受信してしまう可能性がある。また、通信パケットの送信電力が異常に高い場合には、通常は受信できないほど離れた無線機2,3までもがその通信パケットを受信する可能性も生じる。このような通信パケットの受信は、正常な通信パケットの受信を妨げるとともに、有限な無線リソースを無駄に消費してしまう原因となる。
本実施形態の無線機2,3は、無線部22に異常が生じた場合にはテストモードにより動作することによって外部に通信パケットを送信せず、無線部22に異常がないことが確認された場合のみ外部に通信パケットを送信するので、他の無線機2,3による正常な通信パケットの受信を妨げたり、無線リソースの無駄に消費したりすることを防止することができる。
[付記]
上記実施形態及び変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態及び変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 :無線機(基地局)
2A :無線機(基地局)
2B :無線機(基地局)
3 :無線機(移動局)
6 :交通用端末
8 :有線通信路
9 :通信線
10 :高度道路交通システム
12 :中央装置
13 :ネットワーク網
14 :ルータ
21 :制御部
22 :無線部
31 :通信処理部
31a :出力部
32 :アンテナ
33 :切替スイッチ
34 :ダミーロード
35 :異常検出部
A :閾値
R :道路
n :変数
2A :無線機(基地局)
2B :無線機(基地局)
3 :無線機(移動局)
6 :交通用端末
8 :有線通信路
9 :通信線
10 :高度道路交通システム
12 :中央装置
13 :ネットワーク網
14 :ルータ
21 :制御部
22 :無線部
31 :通信処理部
31a :出力部
32 :アンテナ
33 :切替スイッチ
34 :ダミーロード
35 :異常検出部
A :閾値
R :道路
n :変数
Claims (5)
- 所定の単一の伝送チャネルを共用して通信を行う、高度道路交通システムに用いられる無線通信装置であって、
無線信号を送信する無線部と、
前記無線部に通常モードとテストモードとによる動作を選択的に行わせる制御部とを備え、
前記無線部は、
前記通常モードにおいて信号を外部に送信するためのアンテナと、
前記テストモードにおいてテスト用に信号が伝送されるダミーロードと、
前記信号の伝送経路を前記アンテナと前記ダミーロードとのいずれかに切り替える切替部と、
前記無線部の異常を検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、前記テストモードによる動作で前記検出部が異常を検出しないとき、前記伝送経路を前記アンテナに切り替え、前記通常モードによる動作を前記無線部に行わせる、無線通信装置。 - 当該無線通信装置が起動したとき、前記制御部は、前記伝送経路を前記ダミーロードにして前記無線部に前記テストモードによる動作を行わせる、請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記制御部は、前記通常モードによる動作で前記検出部が異常を検出したとき、前記伝送経路を前記ダミーロードに切り替え、前記テストモードによる動作を前記無線部に行わせる、請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置。
- 前記制御部は、前記検出部が異常を検出したときに当該無線通信装置を再起動させる、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
- 前記無線部は、前記テストモードにおいて前記通常モードとは異なるテスト用の信号を前記ダミーロードに伝送する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
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