JP2016045423A - 積層体、および、被判定体 - Google Patents

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浩二 市川
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Yuki Kotegawa
雄樹 小手川
美保子 大川
Mihoko Okawa
美保子 大川
落合 英樹
Hideki Ochiai
英樹 落合
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Abstract

【課題】コバート機能を有する積層体の有する潜像を認識されにくくすることのできる積層体、および、被判定体を提供する。【解決手段】積層体10は、ハーフミラー層24と、光を透過する接着層21と、ハーフミラー層24と接着層21との間に位置する液晶層22であって、接着層21から液晶層22に入射し、かつ、液晶層22を透過した偏光によって潜像を可視化する液晶層22と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の層を備える積層体、および、積層体を偽造抑止体として備える被判定体に関する。
銀行券や商品券などの有価証券や、パスポートなどの認証媒体には、これらの偽造を抑えるために偽造の難しい積層体が貼り付けられている。こうした積層体は、例えば、目視による判定を可能にするオバート機能、または、検証器を用いた判定を可能にするコバート機能を有している。そして、有価証券や認証媒体の真贋を判定する判定者は、積層体のこれらの機能に基づいて、有価証券や認証媒体の真贋を判定している。
積層体のうち、例えば、コバート機能を有する積層体には、偏光技術を用いて形成された潜像を有する積層体が提案されている。こうした積層体は、例えば、潜像の形成された層を反射層よりも上の層として有している(例えば、特許文献1)。
特開2009−298075号公報
ところで、積層体の有する層のうち、潜像の形成された層は、反射層の上に位置しているため、積層体の観察者は、積層体に検証器をかざすことによって、積層体の有する潜像を確認することができる場合が多い。そのため、検証器の入手が可能であれば、本来は積層体が潜像を有していることを認識するべきではない者であっても、積層体が潜像を有することを認識することができる。結果として、積層体の有する潜像を認識した者が、積層体を偽造することが簡単になる。
なお、積層体の有する潜像が認識されにくいことは、コバート機能を有する有価証券や認証媒体に求められている。また、積層体の有する潜像が認識されにくいことは、上述した物品の偽造を抑えるために用いられる積層体に限らず、観察の対象となる積層体や、物品を装飾するための積層体などにおいても、共通に求められている。
本発明は、コバート機能を有する積層体の有する潜像を認識されにくくすることのできる積層体、および、被判定体を提供することを目的とする。
積層体の一態様は、ハーフミラー層と、光を透過する接着層と、前記ハーフミラー層と前記接着層との間に位置して所定の偏光を透過する潜像保持層であって、前記接着層から前記潜像保持層に入射し、かつ、前記潜像保持層を透過した偏光によって潜像を可視化される前記潜像保持層と、を備える。
被判定体の一態様は、偽造抑止体を備え、前記偽造抑止体によって真贋が判定される被判定体であって、前記偽造抑止体が、上記積層体である。
被判定体の一態様は、偽造抑止体を備え、前記偽造抑止体によって真贋が判定される被判定体であって、前記偽造抑止体が、上記積層体であり、前記積層体の前記基材が、前記被判定体の一部を構成している。
上記態様によれば、積層体が有する接着層は、樹脂製のカードや紙などの接着対象に貼り付けられ、積層体の有する潜像保持層は、接着対象とハーフミラー層とによって挟まれる。この際に、積層体の外部のなかで、潜像保持層よりもハーフミラー層側を観察側とし、潜像保持層よりも接着層側を照射側とする。そして、観察側における光の強度が、照射側における光の強度よりも低いとき、照射側の光の一部は、積層体を透過して観察側に射出され、観察側においては、潜像保持層の保持する潜像が可視化される。これに対して、観察側における光の強度が、照射側における光の強度よりも高いとき、照射側の光のなかで積層体を透過した光は、観察側における光の強度よりも十分に弱く、結果として、潜像保持層の保持する潜像が可視化されにくい。
加えて、上記態様によれば、潜像保持層に入射される光が所定の偏光であり、かつ、潜像保持層を透過した偏光が偏光フィルタを介して視認されたときのみ潜像が可視化されるため、ハーフミラー層の機能が認識されるのみでは、積層体の潜像保持層における潜像が可視化されない。そのため、積層体の有する潜像が、より認識されにくくなる。
積層体の他の態様において、前記接着層に対して、前記潜像保持層とは反対側に位置する基材であって、前記基材に入射した光を散乱させる前記基材をさらに備えることが好ましい。
上記積層体の他の態様によれば、光を散乱させる基材が、接着層に対する潜像保持層とは反対側に位置する。そのため、潜像保持層に対する基材側から積層体に入射した光は、潜像保持層を透過して、積層体から射出される前に、基材によって散乱される。それゆえに、積層体に対する基材側から積層体が視認されても、積層体の有する潜像が視認されにくくなる。結果として、積層体の有する潜像が認識されない状態が増える。
上記積層体の他の態様において、前記接着層に対する前記潜像保持層側に位置するホログラム形成層をさらに備えることが好ましい。
上記積層体の他の態様によれば、積層体は、ホログラム形成層からの再生像を表示することができるため、積層体に光学的な効果が付加される分、積層体の有する潜像が認識されにくくなる。
上記積層体の他の態様において、前記ホログラム形成層の1つの面は、前記ハーフミラー層における前記潜像保持層とは反対側の面と接し、前記ホログラム形成層は、前記1つの面に、前記ハーフミラー層とともに反射型ホログラムを構成する凹凸構造を有することが好ましい。
上記積層体の他の態様によれば、ハーフミラー層の第1面における光の強度と、第2面における光の強度とがほぼ等しいとき、ハーフミラー層の反射光としてホログラム形成層の再生像が形成される。そのため、積層体を視認した人は、積層体が、ホログラムの再生する機能の他に、可視化することのできる潜像を保持していることに気付きにくい。それゆえに、積層体の有する潜像が認識されにくくなる。
上記積層体の他の態様において、前記ホログラム形成層と前記ハーフミラー層との重なる方向が積層方向であり、前記ハーフミラー層は、前記ホログラム形成層の前記凹凸構造に倣うミラー凹凸構造を有し、前記ハーフミラー層と前記潜像保持層との間に、前記積層方向において、前記ミラー凹凸構造の高低差を緩和する緩和層をさらに備えることが好ましい。
上記積層体の他の態様によれば、緩和層によってハーフミラー層の高低差が緩和されるため、ホログラム形成層の有する凹凸構造によって、潜像保持層の保持する潜像が影響されにくくなる。
上記積層体の他の態様において、前記潜像保持層は、複屈折性を有する液晶材料を含む液晶層であることが好ましい。
上記積層体の他の態様によれば、潜像保持層を容易に実現することができる。
上記積層体の他の態様において、前記ハーフミラー層の形成材料は、アルミニウム、スズ、クロム、ニッケル、金、銀、および、銅から構成される群から選択される1つであることが好ましい。
上記積層体の他の態様において、前記基材の全光線透過率が、50%以上であることが好ましい。
上記積層体の他の態様によれば、積層体に入射した光は、潜像保持層の潜像が可視化される上で好ましい強度で積層体を透過する。
上記積層体の他の態様において、前記基材の形成材料が、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、および、PET−Gから選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明によれば、積層体の有する潜像を認識されにくくすることができる。
本発明の積層体、および、被判定体を具体化した1つの実施形態における積層体の斜視構造を示す斜視図である。 積層体の断面構造を示す断面図である。 配向層と液晶層との構成を説明するための図である。 ハーフミラー層の機能を説明するための図である。 ハーフミラー層の機能を説明するための図である。 積層体の作用を説明するための図である。 積層体の作用を説明するための図である。 積層体の作用を説明するための図である。 積層体の作用を説明するための図である。 積層体の作用を説明するための図である。 積層体の作用を説明するための図である。 積層体の作用を説明するための図である。 積層体の作用を説明するための図である。 従来の積層体における作用を説明するための作用図である。 従来の積層体における作用を説明するための作用図である。 被判定体の平面構造を示す平面図である。 積層ラベルの変形例における断面構造を示す断面図である。 積層ラベルの変形例における断面構造を示す断面図である。 積層ラベルの変形例における断面構造を示す断面図である。 積層ラベルの変形例における断面構造を示す断面図である。 積層ラベルの変形例における断面構造を示す断面図である。 積層ラベルの変形例における断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 積層ラベルの変形例における断面構造を示す断面図である。
図1から図16を参照して、積層体、および、被判定体を具体化した1つの実施形態を説明する。以下では、積層体の構成、積層体の作用、および、被判定体の構成を順番に説明する。
[積層体の構成]
図1から図5を参照して積層体の構成を説明する。なお、図1では、説明の便宜上、積層体の有する潜像が可視化されたときの画像が、積層体とともに示されている。
図1が示すように、積層体10は、散乱性基材11と積層ラベル20とを備え、積層ラベル20は、散乱性基材11と対向する面に接着性を有し、散乱性基材11に接着している。散乱性基材11は、例えば、矩形板形状を有しているが、円板形状などの他の形状を有してもよい。積層ラベル20は、例えば、矩形板形状を有しているが、散乱性基材11と同様、円板形状などの他の形状を有してもよい。
積層体10は潜像を保持し、積層体10に対して所定の条件を満たす光、例えば偏光が入射したとき、潜像が画像30として可視化される。画像30は、例えば、背景31と、文字や図形などから構成される情報32とを備え、本実施形態における画像30は、例えば、情報32として星形形状を有する図形を備えている。なお、図1では、画像30における背景31と情報32とを区別する便宜上、背景31にドットが付されている。
図2が示すように、積層体10は、散乱性基材11と積層ラベル20とを備えている。積層ラベル20は、散乱性基材11に近い側から順に、接着層21、液晶層22、配向層23、ハーフミラー層24、および、基材層25を備えている。
すなわち、積層体10は、ハーフミラー層24と、光を透過する接着層21と、ハーフミラー層24と接着層21との間に位置する液晶層22とを備えている。液晶層22は、液晶層22に入射し、かつ、液晶層22を透過した光によって潜像を可視化される。液晶層22は、所定の偏光を透過することで、液晶層22の保持している潜像が可視化される。液晶層22が、潜像保持層の一例である。また、積層体10は、接着層21に対して液晶層22とは反対側に位置する散乱性基材11を備え、散乱性基材11は、散乱性基材11に入射した光を散乱させる。
散乱性基材11は、積層ラベル20の備える接着層21が接着する被接着体であり、散乱性基材11は、接着層21と容易に接着できることが好ましい。散乱性基材11は、例えば、セロハン、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン(PO)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、および、PET−Gから構成されたフィルムなどである。
散乱性基材11は、上述した樹脂材料を主材料として含み、散乱性基材11に散乱性を与えるための副材料であるフィラーを形成材料としてさらに含んでいる。あるいは、散乱性基材11の主材料がフィラーを含む状態で延伸されることにより、主材料とフィラーとから構成されるフィルムの内部に空気を含ませることで、散乱性基材11に散乱性が与えられる。フィラーは、例えば、球形状を有してもよいし、不定形状でもよい、すなわち、複数種類の形状のフィラーから構成されてもよいし、中空形状を有してもよい。
散乱性基材11は、散乱性基材11を透過した光によって、積層ラベル20の保持する潜像を可視化することのできる程度の透過性を有していれば良い。散乱性基材11は、こうした条件を満たしていれば、上述した各材料から構成されるフィルムの少なくとも2つが積層された積層構造を有してもよいし、上述した材料のうち、少なくとも2つが複合された複合材料によって構成されたフィルムであってもよい。
あるいは、散乱性基材11の形成材料は紙であってもよい。散乱性基材11は、紙と上述したフィルムとが積層された積層構造を有してもよい。
なお、上述したように、積層ラベル20の保持する潜像を可視化する上では、散乱性基材11の全光線透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
接着層21の形成材料は、光を透過し、かつ、散乱性基材11に対する接着性を有していればよく、合成によって得られる材料であってもよいし、天然の材料であってもよい。
接着層21の形成材料が合成によって得られる材料であるとき、接着層21の形成材料は、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、シアノアクリレート、ポリビニルアセタール、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリアロマティック系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レジルシノール樹脂、エステル樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、熱可塑性エラストマー、ブチルゴム、シリコーン、変性シリコン、シリル化ウレタン、ウレタンゴム、ポリサルファイド、および、アクリルゴムなどである。
接着層21の形成材料が天然の材料であるとき、接着層21の形成材料は、例えば、デンプン、天然ゴム、にかわ、カゼイン、および、大豆蛋白などである。
基材層25は、可撓性を有することが好ましく、また、散乱性基材11を透過した光によって、積層ラベル20の保持する潜像を可視化することのできる程度の透過性を有していればよい。
基材層25は、押出加工やキャスト加工により製造された無延伸フィルム、および、延伸加工により製造された延伸フィルムなどである。基材層25が延伸フィルムであるとき、基材層25は、1軸延伸フィルムであってもよいし、2軸延伸フィルムであってもよい。
無延伸フィルム、および、延伸フィルムの形成材料は、例えば、セロハン、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン(PO)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、アクリル樹脂、および、トリアセチルセルロース(TAC)などである。
基材層25の上に形成される液晶層22の位相差値を乱されにくくするためには、基材層25は、無延伸フィルムであることが好ましい。ただし、延伸したフィルムのうち、延伸したPETフィルムは、積層体10の製造工程において用いられる溶剤に対して優れた耐性を有するなど、製造工程に対する適正を有することから、基材層25として用いられてもよい。
図3を参照して液晶層および配向層の構成を説明する。
配向層23の形成材料は感光性材料であり、例えば、アゾベンゼン誘導体の光異性化、桂皮酸エステル、クマリン、カルコン、および、ベンゾフェノンなどの誘導体における光二量化若しくは光架橋、または、ポリイミドなどの光分解のいずれかによって感光性を示す材料である。
配向層23が形成されるときには、まず、上述した材料のいずれかを含む塗膜が、例えば、グラビアコーティング法、および、マイクログラビアコーティング法などの方法によって形成される。次いで、塗膜に対して直線偏光が照射される、または、塗膜に対して所定の角度を有する自然光が照射される。これにより、塗膜に含まれる分子が異方的に再配列する、あるいは、塗膜に含まれる分子における化学反応が誘起されることで、配向規制力を有した配向層23が形成される。
液晶層22の形成材料である液晶材料は、複屈折性を有する材料である。なお、複屈折とは、物質の屈折率が光軸方向によって異なることであり、そのため、複屈折性を有した物質の内部を光が通過するとき、光の光軸方向によって光の速度が異なる。それゆえに、複屈折性を有する物質を通過した後の光では、光の光軸方向によって、複屈折性を有する物質を通過する速度の差の分だけ位相差が生じる。
液晶材料は、上述のように配向規制力を有した配向層23の上に塗布されると、液晶材料の含む液晶分子が、配向層23を構成する分子の異方的な配列などに対応して配向する。液晶層22の位相差値は、液晶層22の複屈折率と膜厚とによって決まる。
液晶層22の形成材料である液晶材料は、メソゲン基の両端にアクリレートが位置する光硬化型液晶モノマー、電子線(EB)若しくは紫外線(UV)で硬化する高分子液晶、ポリマー主鎖にメソゲン基を提げた高分子液晶、および、液晶分子の主鎖自体が配向する液晶性高分子などである。これらの液晶材料が、配向層23の上に塗布された後、液晶相から等方相への転移を起こす温度よりも所定の温度だけ低い温度で熱処理されることにより、液晶層22において配向層23に応じた配向が促進される。
図3が示すように、配向層23の配向規制力によって所定の配向を与えられた液晶層22に所定の偏光Pが入射し、かつ、液晶層22と配向層23とを透過した光に含まれる所定の偏光が偏光フィルタFによって取り出される。液晶層22は、例えば、液晶層22に入射する偏光Pの振動方向と、検証器としての偏光フィルタFによって取り出される偏光の振動方向とが平行であるとき、液晶層22の保持している潜像が可視化される。これにより、液晶層22によって保持された潜像が、背景31と情報32とから構成される画像30として可視化される。
図4および図5を参照してハーフミラー層の構成を説明する。
ハーフミラー層24の形成材料は、例えば、アルミニウム、スズ、クロム、ニッケル、金、銀、および、銅などの金属材料の単体、または、これら金属の化合物などである。ハーフミラー層24を形成する方法は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、および、CVD法などである。ハーフミラー層24は、例えば、数十nmから数百nm程度の厚さを有し、可視光を所定の透過率で透過することができる。ハーフミラー層24の透過率は、例えば、上述した散乱性基材11などの透過率と比べて十分に小さい。
図4が示すように、ハーフミラー層24は、例えば、第1面24aと、第1面24aとは反対側の第2面24bとを備えている。そして、ハーフミラー層24の第1面24aにおける光の強度と、第2面24bにおける光の強度とが相互にほぼ等しいとき、第2面24bから第1面24aに向けて透過した透過光Tの強度は、第1面24aにおける反射光Rの強度以下になる。
そのため、第1面24aにおける光の強度と、第2面24bにおける光の強度とが相互にほぼ等しいとき、ハーフミラー層24の第1面24a側において、第2面24bから第1面24aに向けた透過光Tが反射光Rによってかき消される。そのため、ハーフミラー層24の第1面24a側において、透過光Tは視認されない。
一方で、図5が示すように、ハーフミラー層24の第2面24bにおける光の強度が、第1面24aにおける光の強度よりも十分に大きいとき、第2面24bから第1面24aに向けた透過光Tの強度が、第1面24aにおける反射光Rの強度よりも十分に大きくなる。そのため、ハーフミラー層24の第1面24a側において、透過光Tが視認される。
なお、ハーフミラー層24の第1面24aから第2面24bに向けた透過光も、第2面24bから第1面24aに向けた透過光Tと同様、第1面24aにおける光の強度が、第2面24bにおける光の強度よりも十分に大きいときに、第2面24b側において視認される。
[積層体の作用]
図6から図15を参照して積層体の作用を説明する。
図6が示すように、例えば、積層体10の外部のなかで、液晶層22に対して散乱性基材11側に光源が位置するとき、液晶層22よりも散乱性基材11側が照射側であり、液晶層22よりもハーフミラー層24側が観察側であり、照射側の光の強度LI1が、観察側の光の強度LI2よりも十分に高い。そして、偏光フィルタFは、積層体10の基材層25と対向し、かつ、観察者Obは、偏光フィルタFを挟んで積層体10と対向している。
そのため、散乱性基材11に入射した光は、ハーフミラー層24を透過して、基材層25から積層体10の外部に射出される。射出された光は、基材層25と対向する観察者Obによって視認される。
このとき、散乱性基材11に入射する光が所定の偏光P1であれば、偏光P1が、液晶層22に入射し、液晶層22を透過した偏光P1が配向層23に入射して、配向層23を透過する。次いで、配向層23を透過した偏光P1は、ハーフミラー層24と基材層25とを透過して、基材層25から積層体10の外部に射出される。なお、積層ラベル20に入射する偏光P1は、偏光P1を射出する光源からの光であってもよいし、積層ラベル20に入射する前に、偏光フィルタによって非偏光から取り出された光であってもよい。
偏光P1のうち、液晶層22を透過する際に位相差シフトの影響を受けなかった偏光P1と同じ振動方向を有する偏光P2が、基材層25と対向する偏光フィルタFによって取り出される。
結果として、図7が示すように、積層体10の保持している潜像が、背景31と、星形形状の図形から構成される情報32とを備える画像30として可視化される。これにより、観察者Obは、画像30を視認することができる。
これに対して、図8が示すように、上述と同様、照射側の光の強度LI1が、観察側の光の強度LI2よりも十分に大きい一方で、散乱性基材11に入射する光は非偏光UPである。このとき、ハーフミラー層24を透過した非偏光UPが、液晶層22を透過し、基材層25から積層体10の外部に射出される。
積層体10の外部に射出された非偏光UPのうち、偏光フィルタFを通過した非偏光UPから偏光P1が取り出される。つまり、液晶層22を透過した光が偏光フィルタFに入射しても、偏光フィルタFに入射した光が非偏光UPであるため、偏光フィルタFによって、液晶層22の保持している潜像は可視化されない。
結果として、図9が示すように、積層体10の外部のうちで、観察側に位置する観察者Obは、積層体10のうち、液晶層22の保持する潜像を視認することができず、散乱性基材11を視認する。
なお、以下の場合であっても、観察者Obは、液晶層22を透過した光を視認することができる。すなわち、積層体10の外部のなかで、液晶層22に対して基材層25側に光源が位置するとき、液晶層22よりもハーフミラー層24側が照射側であり、液晶層22よりもハーフミラー層24側が観察側であり、照射側の光の強度LI2が、観察側の光の強度LI1よりも十分に高い。そして、偏光フィルタFが、散乱性基材11と対向し、かつ、観察者Obが、偏光フィルタFを挟んで積層体10と対向している。
この場合であっても、基材層25に入射する光が偏光P1であれば、偏光P1が液晶層22を透過する。しかしながら、液晶層22を透過した光は、積層体10から射出する前に、散乱性基材11によって散乱されるため、射出された光が偏光フィルタFを通って視認されても、潜像の可視化された像は視認されない。
図10が示すように、例えば、積層体10の外部のなかで、液晶層22よりも散乱性基材11側が非観察側であり、液晶層22よりもハーフミラー層24側が観察側であり、非観察側の光の強度LI1が、観察側の光の強度LI2とほぼ同じである。そして、偏光フィルタFは、積層体10の基材層25と対向し、かつ、観察者Obは、偏光フィルタFを挟んで積層体10と対向している。
このとき、散乱性基材11に入射した光Lの少なくとも一部は、ハーフミラー層24を透過する。ただし、散乱性基材11に入射した光Lのほとんどは、ハーフミラー層24を透過しないため、ハーフミラー層24を透過した光Lは、基材層25に入射して、かつ、ハーフミラー層24において反射された偏光P1によってかき消される。
一方で、偏光フィルタFを介して基材層25に入射した偏光P1のほとんどは、ハーフミラー層24における基材層25と接する面において反射されるため、基材層25に入射した偏光P1のほとんどは、潜像を保持している液晶層22には到達しない。そして、ハーフミラー層24において反射された偏光P1のうち、偏光フィルタFを通過した偏光P2が、観察者Obによって視認される。
結果として、図11が示すように、積層体10に入射する光が偏光であれ、非偏光であれ、観察者Obは、ハーフミラー層24を視認する。
図12が示すように、積層体10の外部のなかで、液晶層22に対する散乱性基材11側が観察側であり、液晶層22よりもハーフミラー層24側が非観察側であり、観察側における非偏光UPの強度LI1と、非観察側における非偏光UPの強度LI2とが、相互にほぼ等しい。そして、偏光フィルタFは、散乱性基材11と対向し、かつ、観察者Obは、偏光フィルタFを挟んで積層体10と対向している。
このとき、偏光フィルタFを通過して散乱性基材11に入射した偏光P1のほとんどは、液晶層22および配向層23を透過して、ハーフミラー層24のうち、配向層23と接する面において反射される。そして、ハーフミラー層24において反射された偏光P1は、配向層23および液晶層22を透過して、散乱性基材11から積層体10の外部に射出される。
このとき、液晶層22を透過した光は、積層体10から射出される前に散乱性基材11によって散乱される。これにより、偏光フィルタFを介して視認される光は、散乱性基材11によって散乱された光であるため、積層体10から射出された光が、偏光フィルタFを通して視認されても、潜像が可視化された像は視認されない。
図13が示すように、結果として、観察側に位置する観察者Obは、積層体10のうち、散乱性基材11を視認する。
図14が示すように、比較例の積層体40は、散乱性基材11と、散乱性基材11に貼り付いた積層ラベル50とを備えている。積層ラベル50は、散乱性基材11に近い側から順に、接着層21、基材層25、反射層51、配向層23、および、液晶層22を備えている。
比較例の積層体40において、偏光フィルタFが液晶層22と対向し、かつ、観察者Obが偏光フィルタFを挟んで積層体40と対向している。積層体40の外部のなかで、液晶層22よりも散乱性基材11側が非観察側であり、液晶層22よりも反射層51側が観察側であり、非観察側の光の強度LI1と、観察側の光の強度LI2とが相互にほぼ等しい。このとき、非偏光UPが偏光フィルタFを通過して、非偏光UPのうち、偏光P1が取り出される。
そして、偏光P1が液晶層22に入射し、液晶層22に入射した偏光P1は、反射層51における配向層23と接する面において反射され、液晶層22から積層体40の外部に射出される。液晶層22により、位相が変化しなかった偏光P1は偏光フィルタFを通過できるため、偏光P2として取り出される。
結果として、図15が示すように、観察者Obは、液晶層22の保持している潜像が可視化された画像30を視認することができる。
このように、比較例の積層体40では、積層体40の観察者Obは、偏光フィルタFを積層体40の液晶層22と対向させさえすれば、積層体40に入射させる光が、積層体40において強度の勾配を有しない非偏光UPによって、液晶層22の潜像が可視化される。
これに対して、本実施形態の積層体10によれば、以下の条件が満たされるときにのみ、液晶層22の保持している潜像が、観察者Obによって視認される。
すなわち、積層体10の外部のなかで、液晶層22よりも散乱性基材11側およびハーフミラー層24側の一方である照射側の光の強度が、他方である観察側の光の強度よりも高いことで、積層体10に入射した光がハーフミラー層24を透過することが満たされる必要がある。さらに、積層体10に入射する光が偏光であることが満たされる必要がある。
そのため、比較例の積層体40のように、観察者Obが積層体40に偏光フィルタFをかざすのみで潜像が視認される構成と比べて、上述の条件が満たされてはじめて潜像が視認される分、積層体10によれば、積層体10の有する潜像が認識されにくくなる。
また、積層体10は、潜像を保持した積層ラベル20と、散乱性基材11とが貼り合わされた構成であるため、積層体10を偽造するためには、積層ラベル20の積層構造と、散乱性基材11における散乱性との両方を積層体10と等しくする必要がある。それゆえに、積層ラベル20のみを有する構成と比べて、散乱性基材11を備える分、これらの組み合わせによって光学的な特性が複雑になる。結果として、積層体10における偽造に対する耐性が高まる。
[被判定体の構成]
図16を参照して、被判定体の構成を説明する。
図16が示すように、被判定体60は、基体61と、基体61に接着した積層ラベル20とを備えている。被判定体60は、例えば、クレジットカードやキャッシュカードなどの各種カードである。基体61は、例えば、上述した散乱性基材11であるが、被判定体60は、積層体10の散乱性基材11とは別の基体61を備えてもよい。また、被判定体60は、各種カードに限らず、例えば、銀行券や商品券などの有価証券や、パスポートなどの認証媒体であってもよい。
積層ラベル20、および、基体61としての散乱性基材11とが、被判定体60の偽造を抑えるための偽造抑止体の一例であり、積層ラベル20の備える液晶層22の保持している潜像が、被判定体60に対する真贋の判定に用いられる。被判定体60における真贋の判定において、積層ラベル20が潜像を有しているとき、被判定体60は本物であると判定される一方で、積層ラベル20が潜像を有していないとき、被判定体60は偽物であると判定される。
そのため、被判定体60の偽造を抑える、すなわち、本物の被判定体60に対して偽物の被判定体を高い精度で区別するためには、被判定体60における真贋の判定の基準となる積層体10の潜像が、被判定体60の真贋を判定する判定者のみに認識されていることが好ましい。
上述したように、積層体10によれば、積層体10の保持している潜像が認識されにくいことから、被判定体60を偽造しようとする偽造者が、積層体10の有する潜像を認識する可能性を低くすることができる。そのため、被判定体60が積層ラベル20を備えることで、被判定体60における偽造に対する耐性を高めることができる。
[実施例]
[実施例1]
無延伸のTACフィルムから構成される基材層25の上に、真空蒸着法を用いて50nmの厚さを有するアルミニウム膜をハーフミラー層24として形成した。次いで、ハーフミラー層24の上に、マイクログラビア法を用いて光配向剤IA−01(DIC(株)製)を0.1μmの厚さで塗布して、配向層23を形成した。
そして、偏光露光機を用いて配向層23に対して露光処理を行った。このとき、配向層23において画像30の情報32を構成する星形形状に対応する部位に、配向層23に対して0°方向に星形形状の開口を有するマスクを用いたパターン露光を行った。その後、配向層23に対して、星形形状にパターン露光を行ったときの露光方向から45°傾けた方向に全面露光を行った。これにより、配向層23をパターニングした。
そして、マイクログラビア法を用いてUVキュアラブル液晶UCL−008(DIC(株)製)を配向層23の上に塗工して、液晶層22を形成した。このとき、液晶層22の膜厚を、液晶層22の位相差値がλ/2となる厚さとした。次いで、窒素雰囲気下において液晶層22に紫外線を照射して、液晶層22を硬化させることにより、潜像を保持した液晶層22を形成した。その後、アクリル系樹脂から構成される接着剤を10μm程の厚さで塗布して接着層21を形成し、接着層21にセパレータを貼り合わせた。
その後、基材層25、ハーフミラー層24、配向層23、液晶層22、接着層21、および、セパレータの積層された積層体を所定の形状に型抜きし、セパレータを有する積層ラベル20を形成した。そして、積層ラベル20に貼り合わせられたセパレータを剥がし、全光線透過率が80%であり、かつ、矩形板形状を有する散乱性基材11に、積層ラベル20を貼り合わせた。なお、散乱性基材11の形成材料は、PET−Gを含む複合材料であった。
積層ラベル20を有する散乱性基材11を、平行ニコルの状態で配置された2つの偏光フィルタFで挟んだ状態で、2つの偏光フィルタFを回転させながら、積層ラベル20を観察した。このとき、積層体10の外部のなかで、散乱性基材11における光の強度を積層ラベル20の基材層25における光の強度よりも高くすることで、散乱性基材11に入射した光にハーフミラー層24を透過させ、ハーフミラー層24を透過した光を基材層25から射出させた。これにより、基材層25と対向する偏光フィルタFを通過した光を観察することで、背景31と情報32とを備える画像30を観察することができた。
以上説明したように、実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)積層体10が有する接着層21は、散乱性基材11に貼り付けられ、積層体10の有する液晶層22は、散乱性基材11とハーフミラー層24とによって挟まれる。この際に、積層体10の外部のなかで、液晶層22よりもハーフミラー層24側を観察側とし、液晶層22よりも接着層21側を照射側とする。そして、観察側における光の強度が、照射側における光の強度よりも低いとき、照射側の光の一部は、積層体10を透過して観察側に射出され、観察側においては、液晶層22の保持する潜像が可視化される。これに対して、観察側における光の強度が、照射側における光の強度よりも高いとき、照射側の光のなかで積層体10を透過した光は、観察側における光の強度よりも十分に弱く、結果として、液晶層22の保持する潜像が可視化されにくい。
(2)液晶層22に入射される光が偏光であり、かつ、液晶層22を透過した偏光が偏光フィルタFを介して視認されたときのみ潜像が可視化されるため、ハーフミラー層24の機能が認識されるのみでは、積層体10の液晶層22における潜像が可視化されない。そのため、積層体10の有する潜像が、より認識されにくくなる。
(3)積層体10において、光を散乱させる散乱性基材11が、接着層21に対する液晶層22とは反対側に位置する。そのため、液晶層22に対する散乱性基材11側から積層体10に入射した光は、液晶層22を透過して、積層体10から射出される前に、散乱性基材11によって散乱される。それゆえに、積層体10に対する散乱性基材11側から積層体10が視認されても、積層体10の有する潜像が視認されにくくなる。結果として、積層体10の有する潜像が認識されない状態が増える。
(4)散乱性基材11の全光線透過率が50%以上であるため、積層体10に入射した光は、液晶層22の潜像が可視化される上で好ましい強度で積層体10を透過する。
(5)潜像を保持する層が複屈折性を有する液晶材料を含む液晶層22であるため、潜像保持層を容易に実現することができる。
[積層ラベルの変形例]
上述した積層ラベル20は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・図17が示すように、積層ラベル20は、接着層21と液晶層22との間に位置する密着層71を備えてもよい。密着層71は、液晶層22と接着層21とが直接接する構成よりも、液晶層22と接着層21との間の密着性を高める機能と、積層ラベル20に入射した光に対する透過性とを有する。こうした構成であっても、接着層21とハーフミラー層24との間に液晶層22を備えるため、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・図18が示すように、積層ラベル20は、配向層23とハーフミラー層24との間に位置する密着層71を備えてもよい。密着層71は、配向層23とハーフミラー層24とが直接接する構成よりも、配向層23とハーフミラー層24との間の密着性を高める機能を有する。こうした構成であっても、接着層21とハーフミラー層24との間に液晶層22を備えるため、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・図19が示すように、積層ラベル20は、ハーフミラー層24と基材層25との間に位置する密着層71を備えてもよい。密着層71は、ハーフミラー層24と基材層25とが直接接する構成よりも、ハーフミラー層24と基材層25との間の密着性を高める機能を有する。こうした構成であっても、接着層21とハーフミラー層24との間に液晶層22を備えるため、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・図17から図19における密着層71は、積層ラベル20における機械的強度や、化学的な耐性を高める機能を有する耐性向上層であってもよい。あるいは、密着層71は、上述した密着性と耐性を向上させる機能との両方を有する層であってもよい。なお、配向層23の配向規制力によって液晶層22を構成する液晶分子を配列させる必要が有るため、密着層71は、配向層23と液晶層22との間に位置することはできないが、積層ラベル20における配向層23と液晶層22との間以外の部位には位置することが可能である。
・図20が示すように、積層ラベル20の耐候性を高める上では、積層ラベル20は、基材層25に対するハーフミラー層24とは反対側に位置する耐候性向上層72を備えていてもよい。耐候性向上層72は、例えば、紫外線吸収剤を含む層である。また、耐候性向上層72は、積層ラベル20に入射した光に対する透過性を有する。
・図20における耐候性向上層72は、サーマルリボンを用いた印字に対する適正を有した受像層であってもよい。受像層は、例えば、接着性を有する成分としてポリエステル樹脂を含む層で有ればよい。あるいは、耐候性向上層72は、上述した耐候性と、サーマルリボンを用いた印字に対する適正との両方を有した層であってもよい。
・図21が示すように、積層ラベル20は、反射型ホログラムを備えてもよい。この場合には、積層ラベル20は、基材層25とハーフミラー層24との間に位置するホログラム形成層73を備え、ホログラム形成層73は、ハーフミラー層24と接する面に、例えばエンボス加工によって形成された凹凸構造を有していればよい。そして、ハーフミラー層24が、凹凸構造に沿って形成されることで、ホログラム形成層73とハーフミラー層24とによって反射型ホログラムが構成される。
図22が示すように、積層ラベル20は、ハーフミラー層24と配向層23との間に位置する密着層71をさらに備えてもよい。ハーフミラー層24は、ホログラム形成層73におけるハーフミラー層24と接する面が凹凸構造73aを有するため、凹凸構造73aに倣うミラー凹凸構造24cを有する。
そのため、ハーフミラー層24と配向層23との間に密着層71が位置することにより、ミラー凹凸構造24cにおいて、ホログラム形成層73とハーフミラー層24とが重なる方向である積層方向での高低差が緩和される。それゆえに、配向層23におけるハーフミラー層24と向かい合う面が、配向層23とハーフミラー層24との間に密着層71が位置しない構成と比べて平坦化される。結果として、ホログラム形成層73の有する凹凸構造73aによって、配向層23における分子の配列、ひいては、液晶層22における分子の配向が影響されることを抑えることができる。密着層71は、緩和層の一例である。
なお、密着層71の位置には、上述したように、密着層71の代わりに耐性向上層が位置してもよいし、密着性と耐性を高める機能との両方を備える層が位置してもよい。
このように、積層ラベル20が、反射型ホログラムを有することで、積層ラベル20の意匠性が高まることに加えて、積層ラベル20を視認した人は、ホログラムに注意を引かれるため、積層ラベル20の保持している潜像に気付きにくくなる。それゆえに、積層ラベル20の有する潜像が、より認識されにくくなる。結果として、積層ラベル20が、被判定体の偽造抑止体として用いられた場合には、被判定体の偽造に対する耐性が高まる。
・積層ラベル20が、ホログラム形成層73とハーフミラー層24とによって構成される反射型ホログラムを備える構成では、積層ラベル20が、密着層71を備えていなくてもよい。
・図23が示すように、積層ラベル20は、転写箔として具体化することもできる。この場合には、積層ラベル20は、ハーフミラー層24と基材層25との間に位置する耐候性向上層72と離型層74とを備え、耐候性向上層72がハーフミラー層24に接する層であり、かつ、離型層74が基材層25に接する層で有ればよい。こうした構成であっても、接着層21とハーフミラー層24との間に液晶層22を備えるため、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。なお、積層ラベル20が転写箔として具体化された構成では、基材層25は透過性を有していなくてもよい。
・積層ラベル20は、複数の密着層71を備えてもよい。すなわち、積層ラベル20は、図17から図19で説明された構成のうち、2つ以上の構成を組み合わせた構成であってもよい。あるいは、積層ラベルは、上述した密着層71、耐候性向上層72、ホログラム形成層73、および、離型層74のうち、2つ以上を備える構成であってもよい。
[その他の変形例]
また、上述した実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・積層体10の貼り付けられる対象は、真贋判定の対象となる被判定体60でなくともよく、例えば、積層体10によって装飾される物品であってもよい。あるいは、積層体10は、物品に貼り付けられることによって物品を修飾するために用いられるだけでなく、積層体10そのものが観察の対象として用いられてもよい。
・積層ラベル20は、反射型ホログラムに限らず、透過型ホログラムを備えてもよい。こうした構成では、積層ラベル20のうち、接着層21に対する液晶層22側に透過型のホログラムが位置してもよい。こうした構成によっても、積層ラベル20には、ホログラムによる光学的な効果が付加されるため、液晶層22の保持する潜像が認識されにくくなる。例えば、透過型ホログラムが、非偏光の透過によって再生像を形成する透過型ホログラムであれば、積層ラベル20の観察者は、非偏光が積層ラベル20を透過することによって、再生像を視認する。これにより、観察者は、透過型ホログラムの再生像に注意を引かれるため、液晶層22の保持している潜像に気付きにくくなる。
・積層ラベル20は、散乱性基材11を備えていなくてもよい。こうした構成では、積層体としての積層ラベル20は、接着層21を有しているため、積層ラベル20が接着層21を介して樹脂製のカードや紙などに貼り付けられる。そのため、通常は、積層ラベル20のうちで、液晶層22に対してハーフミラー層24側が視認される。そして、積層ラベル20が、液晶層22に対するハーフミラー層24側を視認される以上は、液晶層22よりも接着層21側である照射側の光の強度が、液晶層22よりもハーフミラー層24側である観察側の光の強度よりも高く、かつ、接着層21に入射する光が偏光でなければ、液晶層22の潜像は視認されない。
10,40…積層体、11…散乱性基材、20,50…積層ラベル、21…接着層、22…液晶層、23…配向層、24…ハーフミラー層、24a…第1面、24b…第2面、24c…ミラー凹凸構造、25…基材層、30…画像、31…背景、32…情報、51…反射層、60…被判定体、61…基体、71…密着層、72…耐候性向上層、73…ホログラム形成層、73a…凹凸構造、74…離型層。

Claims (11)

  1. ハーフミラー層と、
    光を透過する接着層と、
    前記ハーフミラー層と前記接着層との間に位置して所定の偏光を透過する潜像保持層であって、前記接着層から前記潜像保持層に入射し、かつ、前記潜像保持層を透過した偏光によって潜像を可視化される前記潜像保持層と、を備える
    積層体。
  2. 前記接着層に対して、前記潜像保持層とは反対側に位置する基材であって、前記基材に入射した光を散乱させる前記基材をさらに備える
    請求項1に記載の積層体。
  3. 前記接着層に対する前記潜像保持層側に位置するホログラム形成層をさらに備える
    請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記ホログラム形成層の1つの面は、前記ハーフミラー層における前記潜像保持層とは反対側の面と接し、
    前記ホログラム形成層は、前記1つの面に、前記ハーフミラー層とともに反射型ホログラムを構成する凹凸構造を有する
    請求項3に記載の積層体。
  5. 前記ホログラム形成層と前記ハーフミラー層との重なる方向が積層方向であり、
    前記ハーフミラー層は、前記ホログラム形成層の前記凹凸構造に倣うミラー凹凸構造を有し、
    前記ハーフミラー層と前記潜像保持層との間に、前記積層方向において、前記ミラー凹凸構造の高低差を緩和する緩和層をさらに備える
    請求項4に記載の積層体。
  6. 前記潜像保持層は、
    複屈折性を有する液晶材料を含む液晶層である
    請求項1に記載の積層体。
  7. 前記ハーフミラー層の形成材料は、
    アルミニウム、スズ、クロム、ニッケル、金、銀、および、銅から構成される群から選択される1つである
    請求項1から6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記基材の全光線透過率が、50%以上である
    請求項2に記載の積層体。
  9. 前記基材の形成材料が、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、および、PET−Gから選択される少なくとも1つを含む
    請求項8に記載の積層体。
  10. 偽造抑止体を備え、前記偽造抑止体によって真贋が判定される被判定体であって、
    前記偽造抑止体が、請求項1から9のいずれか一項に記載の積層体である
    被判定体。
  11. 偽造抑止体を備え、前記偽造抑止体によって真贋が判定される被判定体であって、
    前記偽造抑止体が、請求項2に記載の積層体であり、
    前記積層体の前記基材が、前記被判定体の一部を構成している
    被判定体。
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