JP2016045134A - 摩擦特性測定装置および摩擦特性測定方法 - Google Patents

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順昭 小俣
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Abstract

【課題】機能部品用のエラストマーの開発を効率的に行うことを可能とする摩擦特性測定装置および摩擦特性測定方法を提供する。
【解決手段】この摩擦特性測定装置は、印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラ1と、ローラ1の外周面を試料部材2に押付けると共にその押付力を調整する押付力調整装置と、ローラ1を回転駆動することにより試料部材2を所定方向に移動させるローラ駆動装置60と、試料部材2の前記所定方向への移動量を測定する移動量測定装置70とを有し、移動量測定装置70の移動力とローラ1の外周面の移動量とを用いて摩擦特性を導出するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ローラ、タイヤ等の摩擦力を用いた機能部品に用いられるエラストマーで特には電場や磁場により粘弾性特性が変化するものにおける開発指標となる摩擦特性を測定する摩擦特性測定装置および摩擦特性測定方法に関する。
ローラ、タイヤ等の摩擦力を用いた機能部品の外周面には例えばエラストマーが用いられ、そのエラストマーと相手側部材との間の摩擦力によりローラによる搬送力やタイヤのグリップ力が発生する。この搬送力やグリップ力にエラストマーの特性が大きな影響を与える。また、機能部品の使用条件や用途に応じてエラストマーに求められる特性、耐久性等が変化し、機能部品の種類や用途、機能部品に求められる性能も日々進化するため、それに応じて機能部品用のエラストマーが日々開発されており、その性能は徐々に向上している。
機能部品用のエラストマーを開発する際、機能部品の機能に応じて、材料単体での特性、例えば硬度、粘弾性特性等の特性の狙いを決め、狙いの特性を有する材料を開発する。そして、開発した材料の評価を行うために、先ずは機能部品とは異なる形状の試験片を作成し、その試験片を用いて評価が行われることが多い。例えば、開発した材料をシート状に成形し、そのシートに所定の接触荷重でプローブを接触させるとともにプローブをシート上で移動させ、その移動に要した力と接触荷重に基づき100%すべりの摩擦係数が測定される。
一方、開発したエラストマーの真の特性は、その開発対象である機能部品を実際に作成し実機に装着しないと評価できないのが実情である。このため、機能部品の実機における性能と試験片の評価結果とを関連付けできる試験片の評価が求められており、このように試験片を評価する試験装置も開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3215579号公報
最近の研究動向から、電場や磁場によってエラストマーの寸法や容積が可変の材料が研究開発されている。これらの中には粘弾性が変化するものもあり、摩擦特性、特にはヒステリシス摩擦への関与が予見される。しかしながら、この様な新規素材の摩擦を実機構造や条件に則して定量的に試験できる装置や方法はなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電場や磁場によって粘弾性や摩擦特性が変化する機能部品用のエラストマーの開発を効率的に行うことを可能とする摩擦特性測定装置および摩擦特性測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様に係る摩擦特性測定装置は、印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラと、前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、前記ローラの外周面を試料部材に押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を所定方向に移動させるローラ駆動手段と、前記試料部材の前記所定方向への移動量を測定する移動量測定手段と、前記ローラ駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に移動させると共に、該移動時の移動量を前記移動量測定手段から受信し、受信した移動量と、前記ローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、前記移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と関連づけられるように、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える。
上記第1の態様では、印加される電界又は磁界を変化させてローラの外周面のエラストマーの特性を変化させながら摩擦特性を導出することにより、当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化のために、摩擦特性測定を効率よく実施できる。
また、試料部材の移動量とローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、押付力と関連付けられるように摩擦特性が導出されるので、例えば、走行面との間で若干のすべりを生じながら摩擦力を発生するタイヤ等の機能部品が実機で発現する摩擦特性や、被搬送部材との間で若干のすべりを生じながら摩擦力を発生する紙送りローラ等の機能部品が実機で発現するものと近い摩擦特性を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
本発明の第2の態様に係る摩擦特性測定装置は、印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラと、前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、前記ローラの外周面を試料部材に押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、前記ローラを回転駆動することにより又は前記試料部材に直接力を加えることにより前記試料部材を前記ローラの外周面に対し所定方向に相対的に移動させる駆動手段と、前記駆動手段で前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させる際に前記試料部材に前記所定方向に加わる力を測定する力測定手段と、前記駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させ、該移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と、前記移動時に前記力測定手段により測定される力とを少なくとも用いて、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える。
上記第2の態様では、印加される電界又は磁界を変化させてローラの外周面のエラストマーの特性を変化させながら摩擦特性を導出することにより、当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化のために、摩擦特性測定を効率よく実施できる。
また、力測定手段により測定される力と押付力とを少なくとも用いて摩擦特性が導出されるので、例えば、走行面との間ですべりを生じながら制動するタイヤ等の機能部品が実機で発現するものと近い摩擦特性を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
本発明の第3の態様に係る摩擦特性測定装置は、外周面に所定の大きさの凹凸を有するローラと、印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより接触面が形成された試料部材を支持する試料部材支持手段と、前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、前記試料部材の接触面に前記ローラの外周面を押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を所定方向に移動させるローラ駆動手段と、前記試料部材の前記所定方向への移動量を測定する移動量測定手段と、前記ローラ駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に移動させると共に、該移動時の移動量を前記移動量測定手段から受信し、受信した移動量と、前記ローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、前記移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と関連づけられるように、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える。
上記第3の態様では、印加される電界又は磁界を変化させて試料部材の接触面のエラストマーの特性を変化させながら摩擦特性を導出することにより、当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化のために、摩擦特性測定を効率よく実施できる。
また、試料部材の移動量とローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、押付力と関連付けられるように摩擦特性が導出されるので、例えば、走行面との間で若干のすべりを生じながら摩擦力を発生するタイヤ等の機能部品が実機で発現する摩擦特性と近い摩擦特性を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
本発明の第4の態様に係る摩擦特性測定装置は、外周面に所定の大きさの凹凸を有するローラと、印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより接触面が形成された試料部材を支持する試料部材支持手段と、前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、前記試料部材の接触面に前記ローラの外周面を押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を前記ローラの外周面に対し所定方向に相対的に移動させる駆動手段と、前記駆動手段で前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させる際に前記試料部材に前記所定方向に加わる力を測定する力測定手段と、前記駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させ、該移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と、前記移動時に前記力測定手段により測定される力とを少なくとも用いて、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える。
上記第4の態様では、印加される電界又は磁界を変化させて試料部材の接触面のエラストマーの特性を変化させながら摩擦特性を導出することにより、当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化のために、摩擦特性測定を効率よく実施できる。
また、押付力と力測定手段により測定される力とを少なくとも用いて摩擦特性が導出されるので、例えば、走行面との間ですべりを生じながら制動するタイヤ等の機能部品が実機で発現するものと近い摩擦特性を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
本発明の第5の態様に係る摩擦特性測定装置は、印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラと、前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、前記ローラの外周面を試料部材に押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を所定方向に移動させるローラ駆動手段と、前記ローラ駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に移動させ、該移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と、前記駆動手段で前記試料部材を前記所定方向に移動させる際に前記ローラを回転駆動するトルクとを少なくとも用いて、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える。
上記第5の態様では、印加される電界又は磁界を変化させてローラの外周面のエラストマーの特性を変化させながら摩擦特性を導出することにより、当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化のために、摩擦特性測定を効率よく実施できる。
また、押付力とローラを回転駆動するトルクとを少なくとも用いて摩擦特性が導出されるので、例えば、タイヤの外周面の各位置がタイヤが1回転する度に走行面と接触して生じる摩擦抵抗(転がり抵抗に影響する)を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
本発明の第6の態様に係る摩擦特性測定装置は、前記印加手段によって印加する電界又は磁界の条件と前記ローラの外周面を形成する前記エラストマーの粘弾性特性とを対応付けて格納している記憶手段をさらに備え、前記測定制御手段が、前記導出された摩擦特性を、その導出の際の前記外場の条件に応じた前記エラストマーの粘弾性特性と対応付けて、出力および/又は記憶手段への格納を行う。
上記第6の態様では、摩擦特性がエラストマーの粘弾性特性と対応付けて出力又は記憶手段への格納が行われるので、エラストマーの粘弾性特性と摩擦特性との関係が蓄積され、また、エラストマーの粘弾性特性と摩擦特性との関係を時間や労力をかけることなく得ることができる。
本発明の第7の態様に係る摩擦特性測定装置は、前記測定制御手段が、前記印加手段によって印加する電界又は磁界の条件を変化させながら、前記摩擦特性の導出を複数回行う。
この第7の態様では、電界又は磁界の条件と摩擦特性との関係が得られるので、電界又は磁界の条件と摩擦特性との間にあらわれる傾向を見出すことができる。
本発明の第8の態様に係る摩擦特性測定装置は、前記試料部材に前記所定方向と反対方向の抵抗力を加えると共に、その抵抗力を調整する抵抗力調整手段をさらに備え、前記制御手段が、前記受信した移動量と前記ローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、前記移動時の前記抵抗力調整手段による前記抵抗力と前記押付力とに少なくとも関連づけられるように、前記試料ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する。
上記第8の態様では、試料部材に加わる押付力だけではなく、試料部材に加わる抵抗力に対する摩擦特性の変化を得ることができ、さらに、印加する電界又は磁界の条件に対する摩擦特性の変化も得られるので、例えば、車両の加速度の大小を抵抗力の大小で対応させ、車両の重量を押付力で対応させ、タイヤのトレッドゴムの粘弾性特性を電界又は磁界の条件で対応させることにより、実機で発現する摩擦特性を疑似的に測定することが可能である。また、例えば、紙送りローラで送られる紙に紙面に沿う方向に加わる力を抵抗力に大小で対応させ、紙のニップ力を押付力で対応させ、紙送りローラの外周面のエラストマーの粘弾性特性を電界又は磁界の条件で対応させることにより、実機で発現する摩擦特性を疑似的に測定することが可能である。
本発明の第9の態様に係る摩擦特性測定装置は、前記ローラの外周面のうちローラ軸方向の一部が電界又は磁界の印加により粘弾性特性が変化するエラストマーによって形成されている。
上記第9の態様では、ローラ外周面の軸方向の一部の特性だけが電界又は磁界の印加により変化するので、特性が変化した軸方向位置と特性が変化していない軸方向位置とではローラ外周面の特性(弾性率等)が異なる状態となる。例えば、ローラの軸方向一方にだけが電界又は磁界の印加により弾性率が高くなると、押付力による軸方向一方のローラの潰れ量が軸方向他方に比べ小さくなり、試料部材を搬送する際に試料部材がローラの軸方向他方側に徐々に移動する。また、ローラの軸方向中央にだけ電界又は磁界の印加により弾性率が高くなる場合、試料部材を搬送する際に試料部材がローラの軸方向一方および他方に向かって引っ張られる。このため、試料部材が薄い紙等であり、幅方向中央にしわがある場合でも、上記のように引っ張られることによりしわが延ばされる。
本発明の第10の態様に係る摩擦特性測定装置は、前記ローラの外周面が、互いに軸方向に並ぶように設けられた複数のローラ部材の外周面から形成され、該複数のローラ部材のうち一部のローラ部材の外周面が外場の印加により粘弾性特性が変化するエラストマーによって形成されている。
上記第10の態様では、一部のローラ部材の外周面の特性だけが電界又は磁界の印加により変化するので、特性が変化したローラ部材の軸方向位置と特性が変化していないローラ部材の軸方向位置とではローラ外周面の特性(弾性率等)が異なる状態になり、上記のように、例えば試料部材のローラ軸方向への移動やしわ延ばしを行うことが可能となる。
本発明の第11の態様に係る摩擦特性測定装置は、前記印加手段が、前記ローラの外周面のうちローラ軸方向の一部に他の部分よりも強い電界又は磁界を加えるように構成されている。また、電界や磁界の電源は非接触給電システムによってもよい。あるいは回転による発電や一時的に電界を保持しておくための蓄電素子回路を有していてもよい。
上記第11の態様では、ローラ外周面の軸方向の一部が軸方向の他の部分と比べ弾性率等が異なる状態となるので、上記のように、例えば試料部材のローラ軸方向への移動やしわ延ばしを行うことが可能となる。
本発明によれば、ローラや試料部材のエラストマーの貼換えや、ローラや試料部材自体の交換を行わなくとも、実機で発現する摩擦特性とエラストマーの材料単体での特性との関係や、開発するエラストマーの材料単体での狙いの特性を得ることができるので、機能部品用のエラストマーの開発を効率的に行うことが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る摩擦特性測定装置の正面図である。 前記第1の実施形態の摩擦特性測定装置の平面図である。 前記第1の実施形態の摩擦特性測定装置のローラの正面図および側面図である。 前記第1の実施形態の摩擦特性測定装置の測定結果例である。 前記第1の実施形態の摩擦特性測定装置の測定結果例である。 前記第1の実施形態の摩擦特性測定装置の測定結果例である。 本発明の第2の実施形態に係る摩擦特性測定装置の正面図である。 前記第2の実施形態の摩擦特性測定装置の測定結果例である。 本発明の第3の実施形態に係る摩擦特性測定装置の正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る摩擦特性測定装置の試料部材の斜視図である。 前記第3の実施形態の摩擦特性測定装置の測定結果例である。 本発明の第4の実施形態に係る摩擦特性測定装置の正面図である。 前記第4の実施形態の摩擦特性測定装置の測定結果例である。 前記第5の実施形態の摩擦特性測定装置の測定結果例である。
本発明の第1の実施形態に係る摩擦特性測定装置について図1〜図6を参照しながら以下に説明する。
この摩擦特性測定装置は、図1に示すように、フレーム10と、フレーム10に設けられてローラ1を回転可能に支持するローラ支持部20と、ローラ支持部20に支持されたローラ1の外周面の回転量、回転速度および回転加速度を例えばレーザードップラー式速度計を用いて求める回転計21と、ローラ支持部20に支持されたローラ1とその径方向に対向するように配置され、ローラ1との間に試料部材2を挟むフリーローラ30と、一端がフレーム10に回動可能に連結され、フリーローラ30を回転可能に支持する傾動フレーム40と、傾動フレーム40の他端を支持する支持機構50と、フレーム10に取付けられ、ローラ支持部20に支持されたローラ1を回転駆動することによりローラ1とフリーローラ30との間に挟まれた試料部材2を図1および図2に示されたX1方向に移動させるローラ駆動装置60と、フレーム10に取付けられ、試料部材2のX1やX2方向への移動量を測定する移動量測定装置70と、試料部材2に図1および図2に示されたX2方向の抵抗力を加えると共にその抵抗力を調整する抵抗力調整装置80と、電源装置90と、回転計21、支持機構50、ローラ駆動装置60、移動量測定装置70、抵抗力調整装置80、および電源装置90に接続された測定制御手段としての制御装置100とを備えている。
ローラ1は、図3に示すように、その軸方向両端に設けられてローラ支持部20によって回転可能に支持される一対のシャフト1aと、両シャフト1aの間に設けられた円筒部1bと、円筒部の外周面に接着剤等で貼付けられたエラストマー部1cと、エラストマー部1c内に螺旋状に埋設された電極1d,1eとを有する。電極1dの両端はそれぞれ円筒部1bの両端に設けられた円盤状のコネクタ部1fに接続され、電極1eの両端はそれぞれ両シャフト1aに接続されている。両シャフト1aとコネクタ部1fとは絶縁されている。
エラストマー部1cは、電界や磁界を印加することにより粘弾性特性が変化するエラストマーにより成る。このようなエラストマーは、公知のものを用いることができ、例えば、特開2005−111245号公報に開示されているポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレン等を用いることも可能であり、特開平7−240544号公報に開示されているポリウレタンを用いることも可能であり、特公平6−41530号公報に開示されているシリコンゴムを用いることも可能であり、特開2010−155918号公報に開示されているように導電性高分子と、カチオン成分およびアニオン成分からなる親水性イオン液体とを含む導電性高分子構造体を用いることも可能であり、特開2009−191117号公報に開示がある液晶エラストマーを用いることも可能であり、ポリマー中に強磁性体ファイバや粒子や補強材が分散しており磁界によりファイバや粒子が配向する高分子材料を用いることも可能であり、その他電界や磁界により内部に分散しているファイバや粒子や補強材が配向する高分子を用いることも可能である。
支持機構50は、フレーム10から上方に延びるように設けられたレール51と、モータ等により駆動されてレール51上を上下方向に移動するスライダ52と、上端がスライダ52によって支持されると共に下端が傾動フレーム40の他端に取付けられ、該他端を支持するコイルスプリング等の弾性部材53とを有する。フリーローラ30は傾動フレーム40の一端と他端との間に回転可能に支持されているので、支持機構50によって傾動フレーム40の他端を上方に移動させることにより、フリーローラ30も上方に移動する。
ローラ駆動装置60は、例えばサーボモータ、油圧モータ等のモータから成る。当該モータは、ロータを回転駆動する回転駆動部と、回転駆動部とモータ出力軸との間に配置されて回転駆動部の回転力のモータ出力軸への伝達および非伝達を切替えるクラッチとを有する。また、当該モータはロータリーエンコーダを有し、ロータリーエンコーダの出力に基づき、モータ出力軸の回転速度や回転数をモニターすることができる。
移動量測定装置70としては、公知のレーザードップラー式速度計を用いて試料部材2のX1方向およびX2方向の移動量を計測可能な装置を用いることも可能であり、その他試料部材2のX1方向およびX2方向の移動量を計測可能な公知の装置を用いることも可能である。
抵抗力調整装置80は、フレーム10から上方に延びるように設けられたレール81と、モータ等により駆動されてレール81上を上下方向に移動するスライダ82と、上端がスライダ82に連結されたシャフト83と、シャフト83の下端の下方に配置され、試料部材2の一方の面(図1において上面)に接触する接触部材84と、接触部材84と対向して配置されて試料部材2の他方の面(図1において下面)に接触する受け台85とを有する。
抵抗力調整装置80は、スライダ82を下方に動かすことによりシャフト83の下端が接触部材84に上方から接触すると共に接触部材84を下方に押し、接触部材84の下面と受け台85の上面との間で試料部材2が挟まれる。これにより、X1又はX2方向に移動する試料部材2に摩擦抵抗力が加えられる。接触部材84の下面や受け台85の上面は、試料部材2に対して、静摩擦係数と動摩擦係数との差が極力小さい、又は無い材料から形成されていることが好ましい。このような材料として、例えば、クラスターテクノロジー社製のポリアセタール複合材料(エポクラスターT COM41等)を用いることが可能である。
抵抗力調整装置80はさらに、連結部材としての傾動リンク86と、ベース10上に固定されたロードセル87とを有し、傾動リンク86の一端が接触部材84に上下方向に回動可能に連結され、傾動リンク86の他端がロードセル87に上下方向に回動可能に連結されている。傾動リンク86にX1方向の力が加わると、そのX1方向の力がロードセル87により測定される。この抵抗力調整装置80はスライダ82およびロードセル87が制御装置100に接続されている。
電源装置90は、ローラ支持部20に支持されたローラ1の両シャフト1aに電気的に接続される第1の電極91と、ローラ1の両コネクタ部1fに電気的に接続される第2の電極92とを有する。電極91,92は、ローラ1をローラ支持部20に支持すると両シャフト1aおよび両コネクタ部1fとの前記電気的な接続が行われ、ローラ1が回転しても前記電気的な接続が維持されるように構成されている。
制御装置100は周知のコンピュータから成り、この装置を動作させて摩擦特性測定を行う測定プログラムを格納している記憶部101と、入力部102と、表示装置103と、プリンター104とを備えている。測定プログラムにより制御装置100が支持機構50、ローラ駆動装置60、抵抗力調整装置80、および電源装置90を制御して、この装置により摩擦特性測定が行われるように構成されている。以下、この装置により摩擦特性測定を行う方法の一例について説明する。
先ず、ローラ1の準備を行う。ローラ1の両端のシャフト1aをローラ支持部20により支持することにより、ローラ1をローラ支持部20により回転可能に支持し(ステップ1)、これにより、ローラ1のシャフト1aおよびコネクタ部1fと電源装置90の電極91,92との電気的な接続が行われる。また、ローラ1の一方のシャフト1aがローラ駆動装置60のモータ出力軸に連結される。
続いて、試料部材2をフリーローラ30、抵抗力調整装置80の受け台85、および図1においてフリーローラ30の右側に設けられた補助台11の上に載置し(ステップ2)、図1において二点鎖線の位置から実線の位置まで傾動リンク86の一端側を下方に傾動させると共にシャフト83を下方に移動させて接触部材84の下面と受け台85の上面との間で試料部材2を挟む(ステップ3)。試料部材2は試験の目的に応じて変更することができ、紙送りローラの開発において摩擦特性を測定する場合は、その紙送りローラで用いられる紙を試料部材2とすることができ、タイヤのトレッドゴムの開発において摩擦特性を測定する場合は、路面相当の摩擦特性を有するシート状部材を試料部材2とすることができる。
続いて、スライダ82により接触部材84を受け台85側に押付ける(ステップ4)。なお、スライダ82は前記押付ける力を測定するロードセルを有し、摩擦特性の測定中に試料部材2の凹凸等により接触部材84と受け台85との間隔が変化しても押付ける力がばらつかないように、スライダ82とシャフト83との間にはスプリングが設けられている。制御装置100は前記ロードセルの検出結果をモニターしながらスライダ82による前記押付力を制御するので、接触部材84を受け台85側に押付ける押付力を正確に調整することができる。
続いて、支持機構50のスライダ52を上方に移動させることによりローラ1の外周面をフリーローラ30上に載置された試料部材2に押付ける(ステップ5)。制御装置100は押付力測定装置41の測定結果をモニターしながらスライダ52による前記押付力を制御し、また、スライダ52は弾性部材53を介して傾動フレーム40の他端に接続されているので、ローラ1の試料部材2への押付力を正確に調整することができる。弾性部材53を有するので、摩擦特性の測定中にローラ1や試料部材2に凹凸等がありローラ1とフリーローラ30との間隔が若干変化しても、ローラ1の試料部材2への押付力が大きく変化することが防止される。
次に、試料部材2にX2方向の抵抗力を加えながらローラ1の外周面の特性を変化させて行う摩擦特性測定の一例について説明する。以下では、測定プログラムによる制御装置100の動作について説明する。先ず、この測定を行う場合、支持機構50によりローラ1の外周面を試料部材2に押付ける押付力をある一定の値にする(測定ステップ1−1)。また、抵抗力調整装置80によりスライダ82の押す力を一定の値にして一定の抵抗力を加える(測定ステップ1−2)。なお、当該押付力や抵抗力を変化させながら以下を行っても良い。また、電源装置90により各電極91,92にそれぞれ電位を与え、ローラ1の電極1d,1e間に一定の電位差を設ける。
続いて、ローラ駆動装置60の前記モータの前記クラッチを非伝達状態にしながら前記回転駆動部をある回転数で回転させた状態で、前記クラッチを所定時間だけ伝達状態にする(測定ステップ1−3)。これにより、ローラ1が瞬時に前記ある回転数で回転し始め、所定時間だけ回転を継続する。ローラ駆動装置60の前記モータの回転駆動部の回転方向の慣性質量がローラ1よりも十分に大きければ、ローラ1の回転速度は非伝達状態の回転駆動部の回転速度とすぐに一致し安定する。このローラ1の回転駆動により、試料部材2がX1方向に移動し、その移動量が移動力測定装置70により測定される。
続いて、移動量測定装置70から前記所定時間における試料部材2の移動量を受信し(測定ステップ1−4)、また、上記所定時間のうちある一定の期間(所定時間の最初の0.数秒、所定時間において数秒経過後から数秒、所定時間の全期間等)の移動量を少なくとも用いて、当該一定の期間における支持機構50による前記押付力と、当該一定の期間における抵抗力調整装置80による抵抗力と、電極1d,1e間の電位差とに関連付けて、当該測定から摩擦特性を導出する(測定ステップ1−5)。
ここで、制御装置100は、抵抗力調整装置80のロードセル87から傾動リンク86に加わるX1方向の力を受信し、受信したX1方向の力に基づき、抵抗力調整装置80が試料部材2に加えた抵抗力を導出する。例えば、本実施形態の場合は接触部材84の下面と受け台85の上面とが同一の材料から成り、また、シャフト83の下端に固定されたベアリング83aを介してシャフト83の下端が接触部材84に接触し、ベアリング83aはX1およびX2方向に回動自在であり、シャフト83の下端と接触部材84とのX1方向の接触抵抗は無視できるほど小さいので、ロードセル87から受信したX1方向の力を2倍したものを前記抵抗力とすることができる。
そして、各電極1d,1e間に設ける電位差を変更しながら前記測定ステップ1−3〜1−5を1回以上繰り返す(測定ステップ1−6)。さらに、測定ステップ1−1〜1−6を押付力の条件、抵抗力の条件、ローラ3の回転速度等を変更しながら1回以上繰り返す(測定ステップ1−7)。
例えば、測定ステップ1−7で抵抗力の条件(スライダ82で接触部材84を受け台85に押付ける力)を変更しながら行うことにより、図4のような結果が得られる。
図4の縦軸はすべり率SL(SL=(L0−L)/L0であり、L0は回転計21から受信する前記一定の期間における回転角度とローラ直径と円周率を乗じて計算される理想的なローラ1の外周面の移動量、Lは試料部材2の前記一定の期間の移動量である。)をあらわし、横軸は各電極1d,1e間の電位差をあらわす。図4の各測定ポイントでは、試料部材2の移動量とローラ1の外周面の移動量とに基づき、押付力と、抵抗力と、各電極1d,1e間の電位差とに関連付けて、すべり率が求められている。例えば測定結果が図4のようになるとすると、電位差が大きくなるにつれてすべり率が大きくなることがわかる。なお、測定結果は図4や、下記図5、図6、図8、図11、図13、図14のようになるとは限らず、エラストマー部1cの材質や試料部材2の材質や測定条件により様々である。すべり率は試料部材2の移動量とローラ1の外周面の移動量とを用いて導出する摩擦特性の一例であり、他に試料部材2の移動量とローラ1の外周面の移動量と押付力と抵抗力とを用いて摩擦特性の係数を求めることも可能であり、さらに試料部材2の幅寸法を用いた摩擦特性の係数を求めることも可能であり、試料部材2の移動量とローラ1の外周面の移動量とを用いて他の摩擦特性の係数を求めることも可能である。
ここで、制御装置100の記憶部101は、電源装置90により各電極1d,1e間に設ける電位差と、ローラ1のエラストマー部1cを形成するエラストマーの粘弾性特性とを対応付けたテーブルを格納している。例えば、電位差に応じた貯蔵弾性率、損失弾性率、損失正接等を格納している。制御装置100は、前記テーブルを参照して、図4の結果を図5および図6のように変換する。このようにすると、エラストマーの粘弾性特性と摩擦特性との関係を時間や労力をかけることなく得ることができる。
続いて、測定プログラムにより制御装置100は表示装置103に上記図4〜図6の測定結果を表示させると共に、図4〜図6の測定結果をプリンター104に出力し、さらに、図4〜図6の測定結果を記憶部101に格納する。出力する先はプリンター104でなく他のコンピュータであっても良い。このように、制御装置100は、押付力および抵抗力と関連付けて、そして、各電極1d,1e間の電位差又はローラ1の外周面のエラストマーの粘弾性特性と関連付けて、摩擦特性(すべり率等)を表示装置103に表示させ、出力し、格納する。
ここで、上記のすべり率SLの値が1(100%)になる状態は、ローラ1と試料部材2とが完全に滑っている状態であるから、この状態の抵抗力と押圧力の比は通常の摩擦係数と同じ又は近いものとなる。一方、上記測定は、上記すべり率が0%を超え100%未満の範囲、例えば5%近傍、10%近傍、30%近傍、50%近傍の範囲等を、押付力や抵抗力を調整することにより測定することができるが、若干のすべりが発生している条件というのは、紙送りローラやタイヤ等が実機で使用される状況と近似しているか、同一である。
また、本実施形態では、電界の印加によりローラ1の外周面のエラストマーの特性を変化させながら摩擦特性が導出される。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。また、場合によっては他の用途での活用も可能であり、例えば、ローラ1の外周面のエラストマーの貼換えやローラ1自体の交換を行わなくとも、実機で発現する摩擦特性とエラストマーの材料単体での特性との関係や、開発するエラストマーの材料単体での狙いの特性(硬度、粘弾性特性等)を得ることが可能となる。下記他の実施形態でも同様である。
また、本実施形態では、試料部材2に加わる押付力だけではなく、試料部材2に加わる抵抗力に対する摩擦特性の変化を得ることができ、さらに、印加する電界の条件に対する摩擦特性の変化も得られるので、例えば、車両の加速度の大小を抵抗力の大小で対応させ、車両の重量を押付力で対応させ、タイヤのトレッドゴムの粘弾性特性を電界の条件で対応させることにより、実機で発現する摩擦特性を疑似的に測定することが可能である。また、例えば、紙送りローラで送られる紙に紙面に沿う方向に加わる力を抵抗力の大小で対応させ、紙のニップ力を押付力で対応させ、紙送りローラの外周面のエラストマーの粘弾性特性を電界の条件で対応させることにより、実機で発現する摩擦特性を疑似的に測定することが可能である。
また、制御装置100が、印加する電界の条件を変化させながら、摩擦特性の導出を複数回行うので、電界の条件と摩擦特性との関係が得られ、電界の条件と摩擦特性との間にあらわれる傾向を見出すことができる。
なお、ローラ1において電極1dを配置していた位置に一方の磁極部材を配置し、電極1eを配置していた位置に他方の磁極部材を配置し、ローラ1のエラストマー部1cに電界ではなく磁界を印加することも可能である。この場合でも、ローラ1の外周面を形成するエラストマーの粘弾性特性を変化させながら摩擦特性の測定を行うことが可能である。
また、前記実施形態では抵抗力を付与しながら摩擦特性の測定を行っているが、抵抗力を付与せずに例えばすべり率SL等の摩擦特性の測定を行うことも可能であり、この場合、押付力だけが加わる状態で試料部材2上をローラ1が転がる際に生ずる搬送距離の精度を確認することができる。
本発明の第2の実施形態に係る摩擦特性測定装置について図7および図8を参照しながら以下に説明する。
この実施形態の装置は、図7に示すように、第1の実施形態の装置に対して、抵抗力調整装置80を負荷装置180に変更し、ローラ1と試料部材2とが完全に滑っている状態で摩擦特性を測定する点で異なるが、その他の構成は同様である。以下では第1の実施形態と異なる点のみ説明する。
負荷装置180は、ローラ1とフリーローラ30とによって挟まれた試料部材2の長さ方向の一端に固定されるクリップ181と、クリップ181に紐等の可撓性部材を介して連結されたロードセル182と、ベース10上に試料部材2の長さ方向に延びるように設けられたレール183と、モータ等により駆動されてレール183上で試料部材2の長さ方向に移動するスライダ184とを有する。負荷装置180のロードセル182およびスライダ184は制御装置100に接続されている。なお、第1の実施形態の装置は抵抗力調整装置80と負荷装置180を選択して取付け可能である。
以下、この装置により、ローラ1と試料部材2とが完全に滑っている状態においてローラ1の外周面の特性を変化させて行う摩擦特性測定の一例について説明する。以下は第1の実施形態のステップ1、2、および5が完了した状態で行われる。また、以下では測定プログラムによる制御装置100の動作について説明する。
先ず、この測定を行う場合、支持機構50によりローラ1の外周面を試料部材2に押付ける押付力をある一定の値にする(測定ステップ2−1)。なお、当該押付力を変化させながら以下を行っても良い。また、電源装置90により各電極91,92にそれぞれ電位を与え、ローラ1の電極1d,1e間に一定の電位差を設ける。
続いて、ローラ駆動装置60によってモータ出力軸を固定することにより、ローラ1を回転方向に固定する(測定ステップ2−2)。ローラ1のシャフト1aを他の専用治具でフレーム10に固定してローラ1を回転方向に固定しても良い。この状態で、負荷装置180のスライダ184を所定の速度又は所定の速度プロファイルでX2方向に所定時間だけ移動させ(測定ステップ2−3)、その移動時に試料部材2にX2方向に加わる力がロードセル182により測定される。
続いて、ロードセル182から前記所定時間におけるX2方向の力を受信し(測定ステップ2−4)、また、上記所定時間のうちある一定の期間(所定時間の最初の0.数秒、所定時間において数秒経過後から数秒、所定時間の全期間等)の力と、その際のローラ1の外周面を試料部材2に押付ける押付力とを少なくとも用いて、押付力や電極1d,1e間の電位差に関連付けて、当該測定から摩擦特性を導出する(測定ステップ2−5)。
そして、各電極1d,1e間に設ける電位差を変更しながら前記測定ステップ2−3〜2−5を1回以上繰り返す(測定ステップ2−6)。さらに、測定ステップ2−1〜2−6を押付力の条件を変更しながら1回以上繰り返す(測定ステップ2−7)。このような測定を行うことにより、例えば、図8のような結果を得ることができる。
図8の縦軸は摩擦係数μ(μ=ロードセル182の測定値/押付力)をあらわし、横軸は各電極1d,1e間の電位差をあらわす。図8では、ロードセル182の測定値と押付力とに基づき、電極1d,1e間の電位差および押付力に関連付けて、摩擦係数が求められている。例えば測定結果が図8のようになるとすると、電位差が大きくなるにつれて摩擦係数が小さくなることがわかる。摩擦係数はロードセル182の測定値と押付力とを用いて導出する摩擦特性の一例であり、さらにローラ1と試料部材2との接触面積も用いることも可能であり、ロードセル182の測定値と押付力とを用いて他の摩擦特性の係数を求めることも可能である。
そして、第1の実施形態と同様に、記憶部101に格納されたテーブルを参照して、図8の結果を第1の実施形態の図5および図6と同様に貯蔵弾性率、損失正接等に関連付けた結果とすることも可能である。このようにすると、エラストマーの粘弾性特性と摩擦特性との関係を時間や労力をかけることなく得ることができる。
本実施形態では、ロードセル182により測定される力と押付力とを少なくとも用いて摩擦特性が導出されるので、例えば、走行面との間ですべりを生じながら制動するタイヤ等の機能部品が実機で発現するものと近い摩擦特性を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
印加する電界の条件、押付力等を変化させながら摩擦特性を測定することによる作用効果は第1の実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、ローラ1を回転方向に固定した状態で試料部材2をX2方向に移動させたが、スライダ184を固定すると共にローラ1を強制的に回転させ、これにより、ローラ1の外周面に対して試料部材2にX2方向の摩擦力を作用させ、この時のロードセル182の測定値と押し付け力に基づき摩擦係数を求めても良い。
本発明の第3の実施形態に係る摩擦特性測定装置について図9〜図11を参照しながら以下に説明する。
この実施形態の装置は、図9に示すように、第1の実施形態の装置に対して、ローラ1をローラ3に変更し、試料部材2を試料部材4に変更し、電源装置90によってローラではなく試料部材4の各電極に所定の電位を付与するようにし、試料部材4の各電極間の電位差を変化させながら摩擦特性を行う点で異なるが、その他の構成は同様である。以下では第1の実施形態と異なる点のみ説明する。
ローラ3は、ローラ支持部20によって回転可能に支持される一対のシャフトを有し、ローラ3の外周面は金属製の網から成る。当該網は縦方向と横方向にそれぞれ複数のワイヤを並べ互いに編み込んだものである。これにより、縦方向のワイヤと横方向のワイヤが公差する部分がローラ3外周面から径方向外側に突出する突起として作用する。これにより、ローラ3の外周面において、複数の突起がローラ3の軸方向および周方向に規則正しく並ぶことになる。網を用いずに、ローラの外周面を金属製の円筒から形成し、円筒の表面に所定の大きさの複数の突起を設け、当該複数の突起がローラの軸方向および周方向に規則正しく並ぶようにしても良い。
試料部材4は、図10に示すように、硬質プラスチックから成る可撓性のベースシート4aと、ベースシート4aの上面に貼付けられたエラストマー部4bと、エラストマー部4bに埋設された複数の電極4c,4dとを有する。各電極4cは電源装置90の電極91と接続され、各電極4dは電極92と接続されている。
以下、この装置により、試料部材2にX2方向の抵抗力を加えながら試料部材2のエラストマー部4bの特性を変化させて行う摩擦特性測定の一例について説明する。以下は第1の実施形態のステップ1でローラ3をローラ支持部20に支持し、ステップ2および3で試料部材4をエラストマー部4bが上方を向くようにセットし、ステップ4および5が完了した状態で行われる。また、以下では測定プログラムによる制御装置100の動作について説明する。
先ず、支持機構50によりローラ3の外周面を試料部材4に押付ける押付力をある一定の値にする(測定ステップ3−1)。また、抵抗力調整装置80によりスライダ82の押す力を一定の値にして一定の抵抗力を加える(測定ステップ3−2)。なお、当該押付力や抵抗力を変化させながら以下を行っても良い。また、電源装置90により各電極91,92にそれぞれ電位を与え、試料部材4の電極4c,4d間に一定の電位差を設ける。
続いて、ローラ駆動装置60の前記モータの前記クラッチを非伝達状態にしながら前記回転駆動部をある回転数で回転させた状態で、前記クラッチを所定時間だけ伝達状態にする(測定ステップ3−3)。これにより、ローラ3が瞬時に前記ある回転数で回転し始め、所定時間だけ回転を継続する。このローラ3の回転駆動により、試料部材4がX1方向に移動し、その移動量が移動力測定装置70により測定される。
続いて、移動量測定装置70から前記所定時間における試料部材4の移動量を受信し(測定ステップ3−4)、また、上記所定時間のうちある一定の期間(所定時間の最初の0.数秒、所定時間において数秒経過後から数秒、所定時間の全期間等)の移動量を少なくとも用いて、当該一定の期間における支持機構50による前記押付力と、当該一定の期間における抵抗力調整装置80による抵抗力と、電極4c,4d間の電位差と、下記周波数とに関連付けて、当該測定から摩擦特性を導出する(測定ステップ3−5)。
そして、各電極4c,4d間に設ける電位差を変更しながら前記測定ステップ3−3〜3−5を1回以上繰り返す(測定ステップ3−6)。さらに、測定ステップ3−1〜3−6を押付力の条件、抵抗力の条件、ローラ1の回転速度等を変更しながら1回以上繰り返す(測定ステップ3−7)。
例えば、測定ステップ3−7で抵抗力の条件(スライダ82で接触部材84を受け台85に押付ける力)を変更しながら行うことにより、第1の実施形態の図4と同様の図11の結果が得られる。
例えば測定結果が図11のようになるとすると、電位差が大きくなるにつれてすべり率が大きくなることがわかる。なお、図11において、周波数とは、前記複数の突起がローラ3の外表面の周方向に並んでいる個数と、ローラ3の回転速度とに基づいており、ローラ3と試料部材4との間で生ずる振動の周波数をあらわす。この周波数は、例えば前記突起の周方向の個数とローラ3の回転数を掛けることにより算出することができる。また、制御装置100は、第1の実施形態と同様に、試料部材4のエラストマー部4bを形成するエラストマーの粘弾性特性と、電源装置90により各電極4c,4c間に設ける電位差とを対応付けたテーブルを格納しており、当該テーブルを参照して図11の結果を図5や図6のように変換する。
このように、制御装置100は、試料部材4の移動量とローラ3の外周面の移動量とを少なくとも用いて、押付力や、抵抗力や、ローラ3と試料部材4との間で生ずる振動の周波数とに関連付けて摩擦特性を導出し、その結果を表示装置103に表示させ、出力し、格納する。
上記のように、試料部材4の移動量とローラ3の外周面の移動量とを少なくとも用いて、押付力や、抵抗力や、ローラ3と試料部材4との間で生ずる振動の周波数とに関連付けられた摩擦特性が導出されるので、例えば、アスファルト路面等の走行面との間で若干のすべりを生じながら摩擦力を発生するタイヤ等の機能部品が実機で発現する摩擦特性と近い摩擦特性を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
印加する電界の条件、押付力等を変化させながら摩擦特性を測定することによる作用効果は第1の実施形態と同様である。
本発明の第4の実施形態に係る摩擦特性測定装置について図12および図13を参照しながら以下に説明する。
この実施形態の装置は、図12に示すように、第2の実施形態の装置に対して、ローラ1をローラ3に変更し、試料部材2を試料部材4に変更し、電源装置90によってローラではなく試料部材4の各電極に所定の電位を付与するようにし、試料部材4の各電極間の電位差を変化させながら摩擦特性を行う点で異なるが、その他の構成は同様である。以下では第2の実施形態と異なる点のみ説明する。なお、ローラ3および試料部材4は第3の実施形態のものと同様である。
以下、この装置により、ローラ3と試料部材4とが完全に滑っている状態において試料部材4のエラストマー部4bの特性を変化させて行う摩擦特性測定の一例について説明する。以下は前記ステップ1、2、および5が完了した状態で行われる。また、以下では測定プログラムによる制御装置100の動作について説明する。
先ず、この測定を行う場合、支持機構50によりローラ3の外周面を試料部材4に押付ける押付力をある一定の値にする(測定ステップ4−1)。なお、当該押付力を変化させながら以下を行っても良い。また、電源装置90により各電極91,92にそれぞれ電位を与え、試料部材の電極4c,4d間に一定の電位差を設ける。
続いて、ローラ駆動装置60によって、試料部材4をX1方向に移動させる方向に、所定時間だけローラ3を強制的に駆動する(ステップ4−2)。これにより、ローラ3の外周面に対し試料部材4がX2方向に相対的に移動したことになり、その際に加わる力がロードセル182により測定される。
続いて、ロードセル182から前記所定時間に加わる力を受信し(測定ステップ4−3)、また、上記所定時間のうちある一定の期間(所定時間の最初の0.数秒、所定時間において数秒経過後から数秒、所定時間の全期間等)の力と、その際のローラ3の外周面を試料部材4に押付ける押付力とを少なくとも用いて、押付力と、電極4c,4d間の電位差と、下記周波数とに関連付けて、当該測定から摩擦特性を導出する(測定ステップ4−4)。
そして、各電極4c,4d間に設ける電位差を変更しながら前記測定ステップ4−2〜4−4を1回以上繰り返す(測定ステップ4−5)。さらに、測定ステップ4−1〜4−5を押付力の条件やローラ3の回転速度を変更しながら1回以上繰り返す(測定ステップ4−6)。このような測定を行うことにより、例えば、図13のような結果を得ることができる。
例えば測定結果が図13のようになるとすると、ローラ3の回転速度により、ローラ3と試料部材4との間に生ずる振動の周波数を変化させると、摩擦係数が変化することがわかる。
そして、第1の実施形態と同様に、記憶部101に格納されたテーブルを参照して、図13の結果を第1の実施形態の図5および図6と同様に貯蔵弾性率、損失正接等に関連付けた結果とすることも可能である。このようにすると、エラストマーの粘弾性特性と摩擦特性との関係を時間や労力をかけることなく得ることができる。
本実施形態では、ロードセル182の測定値と押付力とを少なくとも用いて摩擦特性が導出されるので、例えば、走行面との間ですべりを生じながら制動するタイヤ等の機能部品が実機で発現するものと近い摩擦特性を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
印加する電界の条件、押付力等を変化させながら摩擦特性を測定することによる作用効果は第1の実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、スライダ184を固定すると共にローラ3を強制的に回転させ、これにより、ローラ3の外周面に対して試料部材4に摩擦力を発生させたが、ローラ3を回転方向に固定した状態で試料部材4をX2方向に移動させ、この時のロードセル182の測定値に基づき摩擦係数を求めても良い。
本発明の第5の実施形態に係る摩擦特性測定装置について以下に説明する。
この実施形態では、第1の実施形態の装置を用いて、抵抗力をかけずに摩擦特性測定を行う。また、ローラ駆動装置60はローラ1を駆動する駆動トルクを検出可能に構成されている。以下、第1の実施形態の装置により、試料部材2にX2方向の抵抗力を加えずに試料部材2のエラストマー部4bの特性を変化させながらローラ1の外周面の特性を変化させて行う摩擦特性測定の一例について説明する。以下では、測定プログラムによる制御装置100の動作について説明する。
この測定は、前記ステップ1、2、および5が完了しており、接触部材84と受け台85とが離間した状態で行う。
先ず、支持機構50によりローラ1の外周面を試料部材2に押付ける押付力をある一定の値にする(測定ステップ5−1)。なお、当該押付力を変化させながら以下を行っても良い。また、電源装置90により各電極91,92にそれぞれ電位を与え、ローラ1の電極1d,1e間に一定の電位差を設ける。
続いて、ローラ駆動装置60の前記モータの前記クラッチを非伝達状態にしながら前記回転駆動部をある回転数で回転させた状態で、前記クラッチを所定時間だけ伝達状態にする(測定ステップ5−2)。これにより、ローラ1が瞬時に前記ある回転数で回転し始め、所定時間だけ回転を継続する。このローラ1の回転駆動により、試料部材2がX1方向に移動し、その際にローラ1の回転駆動トルクがローラ駆動装置60によって測定される。
続いて、ローラ駆動装置60から前記所定時間におけるローラ1の回転駆動トルクを受信し(測定ステップ5−3)、また、上記所定時間のうちある一定の期間(所定時間の最初の0.数秒、所定時間において数秒経過後から数秒、所定時間の全期間等)の回転駆動トルクを少なくとも用いて、当該一定の期間における支持機構50による前記押付力と、電極1d,1e間の電位差とに関連付けて、当該測定から摩擦特性を導出する(測定ステップ5−4)。
そして、各電極1d,1e間に設ける電位差を変更しながら前記測定ステップ5−2〜5−4を1回以上繰り返す(測定ステップ5−5)。さらに、測定ステップ5−1〜5−5を押付力の条件を変更しながら1回以上繰り返し(測定ステップ5−6)、これにより、例えば図14のような結果を得ることができる。
図14の縦軸は転がり抵抗に関する係数R(R=回転駆動トルク/押付力)をあらわし、横軸は各電極1d,1e間の電位差をあらわす。
例えば測定結果が図14のようになるとすると、電位差が大きくなるにつれて、転がり抵抗に関する係数Rが小さくなることがわかる。制御装置100は図14の結果を図5や図6のように変換する。このようにすると、エラストマーの粘弾性特性と摩擦特性との関係を時間や労力をかけることなく得ることができる。
このように、本実施形態では、回転駆動トルクと押付力とを少なくとも用いて摩擦特性が導出されるので、例えば、タイヤが1回転する度にタイヤの外周面の各位置が走行面と接触して生じる摩擦抵抗(転がり抵抗に影響する)を得ることが可能である。このため、実機に則した使用条件での当該エラストマーの電界や磁界制御パラメタの把握検討や最適化ができる。
印加する電界の条件、押付力等を変化させながら摩擦特性を測定することによる作用効果は第1の実施形態と同様である。
なお、上記第1、第2、および第5の実施形態において、ローラ1の外周面のうちローラ軸方向の一部のみを電界又は磁界の印加により粘弾性特性が変化するエラストマーによって形成することも可能である。ローラ1の外周面の軸方向の一部の特性だけ電界又は磁界の印加により変化させると、特性が変化した軸方向位置と特性が変化していない軸方向位置とではローラ1の外周面の特性(弾性率等)が異なる状態となる。例えば、ローラ1の軸方向一方にだけが電界又は磁界の印加により弾性率が高くなると、押付力による軸方向一方のローラ1の潰れ量が軸方向他方に比べ小さくなり、試料部材2を搬送する際に試料部材2がローラの軸方向他方側に徐々に移動する。
また、ローラ1の軸方向中央にだけ電界又は磁界の印加により弾性率が高くなる場合、試料部材2を搬送する際に試料部材2がローラの軸方向一方および他方に向かって引っ張られる。このため、試料部材2が薄い紙等であり、幅方向中央にしわがある場合でも、上記のように引っ張られることによりしわが延ばされる。
また、ローラ1の外周面を、互いに軸方向に並ぶように設けられた複数のローラ部材の外周面から形成し、該複数のローラ部材のうち一部のローラ部材の外周面を外場の印加により粘弾性特性が変化するエラストマーによって形成することも可能である。
このようにすると、一部のローラ部材の外周面の特性だけが電界又は磁界の印加により変化するので、特性が変化したローラ部材の軸方向位置と特性が変化していないローラ部材の軸方向位置とではローラ外周面の特性(弾性率等)が異なる状態になり、上記のように、試料部材2のローラ軸方向への移動やしわ延ばしを行うことが可能となる。
また、電源装置90の構成や各電極1d,1eの配置を、ローラ1の外周面のうちローラ軸方向の一部に他の部分よりも強い電界又は磁界を加えるように構成しても良い。この場合でも、ローラ外周面の軸方向の一部が軸方向の他の部分と比べ弾性率等が異なる状態となるので、上記のように、試料部材2のローラ軸方向への移動やしわ延ばしを行うことが可能となる。
なお、上記各実施形態において、フリーローラ30の代わりに台を設け、台の上面に試料部材が載置され、ローラ1,3によって試料部材が台に押付けられる構造としても良い。この場合、台と試料部材との間に働く摩擦力により試料部材にX2方向の抵抗力を付与しても良い。
また、第1および第3の実施形態では、ロードセル87の測定値に基づき抵抗力をリアルタイムに計測するものを示したが、摩擦特性測定の前に、スライダ82により接触部材84を受け台85側に押付ける力と抵抗力との関係テーブルを作成して記憶部101に格納しておき、摩擦特性測定時にこのテーブルと前記押付ける力とに基づき抵抗力を求めても良く、その他の方法で抵抗力を求めても良い。
また、抵抗力調整装置80を他の構成の抵抗力調整装置にすることも可能であり、例えば特許第3215579号公報に開示のあるパウダークラッチを有する抵抗力調整装置として用いることも可能であるが、上記実施形態の方が試料部材2の移動に伴う慣性力が小さく測定精度が高いので好ましい。
また、上記実施形態では、外周面にエラストマー部1cを装着したローラ1を用いている。これに対し、ローラ1を、数分の1サイズで形成されたタイヤ又は疑似タイヤと、当該タイヤのビード部が装着されるホイール部材とから構成することも可能である。この場合、タイヤの中に空気を充填しても良い。さらに、上記実施形態でローラ1の外周面にトレッドパターン相当の溝やブロックが形成されたエラストマー部1cを貼付けることも可能である。
また、上記実施形態では、制御装置100が支持機構50、ローラ駆動装置60、抵抗力調整装置80、押付力加振装置90、電源装置100、および負荷装置180を制御しつつ、摩擦特性の導出も行っているが、制御装置100とは別に摩擦特性の導出を行う摩擦特性測定部(周知のコンピュータから成る)を設けても良い。
1 ローラ
2 試料部材
3 ローラ
4 試料部材
10 フレーム
20 ローラ支持部
21 回転計
30 フリーローラ
40 傾動フレーム
41 押付力測定装置
50 支持機構
60 ローラ駆動装置
70 移動量測定装置
80 抵抗力調整装置
90 電源装置
100 制御装置
180 負荷装置

Claims (13)

  1. 印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラと、
    前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、
    前記ローラの外周面を試料部材に押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、
    前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を所定方向に移動させるローラ駆動手段と、
    前記試料部材の前記所定方向への移動量を測定する移動量測定手段と、
    前記ローラ駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に移動させると共に、該移動時の移動量を前記移動量測定手段から受信し、受信した移動量と、前記ローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、前記移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と関連づけられるように、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える摩擦特性測定装置。
  2. 印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラと、
    前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、
    前記ローラの外周面を試料部材に押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、
    前記ローラを回転駆動することにより該ローラ外周面に対し前記試料部材を所定方向に相対的に移動させ、又は、前記試料部材を前記ローラに対し前記所定方向に移動させることにより、前記試料部材の前記ローラの外周面に対する100%すべりを発生させる駆動手段と、
    前記駆動手段で前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させる際に前記試料部材に前記所定方向に加わる力を測定する力測定手段と、
    前記駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させ、該移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と、前記移動時に前記力測定手段により測定される力とを少なくとも用いて、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える摩擦特性測定装置。
  3. 外周面に所定の大きさの凹凸を有するローラと、
    印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより接触面が形成された試料部材を支持する試料部材支持手段と、
    前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、
    前記試料部材の接触面に前記ローラの外周面を押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、
    前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を所定方向に移動させるローラ駆動手段と、
    前記試料部材の前記所定方向への移動量を測定する移動量測定手段と、
    前記ローラ駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に移動させると共に、該移動時の移動量を前記移動量測定手段から受信し、受信した移動量と、前記ローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、前記移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と関連づけられるように、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える摩擦特性測定装置。
  4. 外周面に所定の大きさの凹凸を有するローラと、
    印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより接触面が形成された試料部材を支持する試料部材支持手段と、
    前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、
    前記試料部材の接触面に前記ローラの外周面を押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、
    前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を前記ローラの外周面に対し所定方向に相対的に移動させる駆動手段と、
    前記駆動手段で前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させる際に前記試料部材に前記所定方向に加わる力を測定する力測定手段と、
    前記駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させ、該移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と、前記移動時に前記力測定手段により測定される力とを少なくとも用いて、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える摩擦特性測定装置。
  5. 印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラと、
    前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加手段と、
    前記ローラの外周面を試料部材に押付けると共に、その押付力を調整する押付力調整手段と、
    前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を所定方向に移動させるローラ駆動手段と、
    前記ローラ駆動手段を制御して前記試料部材を前記所定方向に移動させ、該移動時における前記押付力調整手段による前記押付力と、前記駆動手段で前記試料部材を前記所定方向に移動させる際に前記ローラを回転駆動するトルクとを少なくとも用いて、前記ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する測定制御手段とを備える摩擦特性測定装置。
  6. 前記印加手段によって印加する電界又は磁界の条件と前記ローラの外周面を形成する前記エラストマーの粘弾性特性とを対応付けて格納している記憶手段をさらに備え、
    前記測定制御手段が、前記導出された摩擦特性を、その導出の際の前記電界又は磁界の条件に応じた前記エラストマーの粘弾性特性と対応付けて、出力および/又は記憶手段への格納を行う請求項1、2又は5に記載の摩擦特性測定装置。
  7. 前記測定制御手段が、前記印加手段によって印加する電界又は磁界の条件を変化させながら、前記摩擦特性の導出を複数回行う請求項1〜5の何れかに記載の摩擦特性測定装置。
  8. 前記試料部材に前記所定方向と反対方向の抵抗力を加えると共に、その抵抗力を調整する抵抗力調整手段をさらに備え、
    前記制御手段が、前記受信した移動量と前記ローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、前記移動時の前記抵抗力調整手段による前記抵抗力と前記押付力とに少なくとも関連づけられるように、前記試料ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する請求項1又は3に記載の摩擦特性測定装置。
  9. 前記ローラの外周面のうちローラ軸方向の一部が電界又は磁界の印加により粘弾性特性が変化するエラストマーによって形成されている請求項1、2又は5に記載の摩擦特性測定装置。
  10. 前記ローラの外周面が、互いに軸方向に並ぶように設けられた複数のローラ部材の外周面から形成され、該複数のローラ部材のうち一部のローラ部材の外周面が電界又は磁界の印加により粘弾性特性が変化するエラストマーによって形成されている請求項1、2又は5に記載の摩擦特性測定装置。
  11. 前記印加手段が、前記ローラの外周面のうちローラ軸方向の一部に他の部分よりも強い電界又は磁界を加えるように構成されている請求項1、2又は5に記載の摩擦特性測定装置。
  12. 印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラの外周面が押付けられように試料部材を支持する支持ステップと、
    前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加ステップと、
    前記ローラを回転駆動することにより前記試料部材を所定方向に移動させる回転駆動ステップと、
    前記回転駆動ステップによる移動時の前記試料部材の移動量を測定する移動量測定ステップと、
    前記移動量測定ステップで測定される移動量と、前記ローラの外周面の移動量とを少なくとも用いて、前記移動時に前記ローラを前記試料部材に押付ける押付力に関連づけられるように、前記試料ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する摩擦特性導出ステップとを有する摩擦特性測定方法。
  13. 印加される電界又は磁界によって粘弾性特性が変化するエラストマーにより外周面が形成されたローラの外周面が押付けられように試料部材を支持する支持ステップと、
    前記エラストマーに電界又は磁界を印加する印加ステップと、
    前記ローラを回転駆動することにより該ローラ外周面に対し前記試料部材を所定方向に相対的に移動させ、又は、前記試料部材を前記ローラに対し前記所定方向に移動させることにより、前記試料部材の前記ローラの外周面に対する100%すべりを発生させる駆動ステップと、
    前記駆動ステップで前記試料部材を前記所定方向に相対的に移動させる際に前記試料部材に前記所定方向に加わる力を測定する力測定手段と、
    前記移動時に前記力測定手段で測定される前記力と、前記移動時に前記ローラを前記試料部材に押付ける押付力とを少なくとも用いて、前記試料ローラと前記試料部材との摩擦特性を導出する摩擦特性導出ステップとを有する摩擦特性測定方法。
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