JP2016041420A - ポリベンズイミダゾール系高分子膜を支持体とするパラジウムメッキ分離膜及びその成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素透過度または選択度を向上することができる新規なパラジウムメッキ分離膜を提供する。
【解決手段】ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜を支持体とし、当該支持体にパラジウムが電解メッキされてなるパラジウムメッキ分離膜及びその成膜方法が提供される。これによって、水素選択度、水素/二酸化炭素または水素/窒素選択度に優れる分離膜を提供することができる。また、パラジウムメッキ膜においてディフェクトを低減することができ、且つパラジウム粒子が凝集体を生じることなく均一に分布されるようにすることができ、その結果、水素透過性能などに優れたものにすることができる。
【選択図】図3B
【解決手段】ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜を支持体とし、当該支持体にパラジウムが電解メッキされてなるパラジウムメッキ分離膜及びその成膜方法が提供される。これによって、水素選択度、水素/二酸化炭素または水素/窒素選択度に優れる分離膜を提供することができる。また、パラジウムメッキ膜においてディフェクトを低減することができ、且つパラジウム粒子が凝集体を生じることなく均一に分布されるようにすることができ、その結果、水素透過性能などに優れたものにすることができる。
【選択図】図3B
Description
本明細書は、ポリベンズイミダゾール系高分子膜を支持体とするパラジウムメッキ分離膜及びその成膜方法に関する。
近年、化石燃料による各種の環境的問題点を緩和し、且つ解決するための代替エネルギー手段として水素が注目されている。水素分離のために採用される種々の技術としては、溶媒吸着(solvent adsorption)、圧力スイング吸着法(pressure swing adsorption)、極低温回収(cryogenic recovery)、膜分離(membrane separation)などがある。
中でも膜分離技術は、他の方式に比べて、運転コストを節減し且つユニット運転(unit operation)を最小化し、エネルギー消費を削減することから、経済的な面で潜在性が大きいとされている。また、高純度の水素に対する要求が増加するに伴い、効果的な水素分離膜の開発に関して学界及び産業界において相当な関心を持っている。
パラジウム膜(palladium membrane)は、広い温度範囲に亘ってバルク状態でより高い水素溶解度を持つことから、金属を介しての水素移動能力に優れており、水素分離膜に使用され得る可能性がある。
現在までのところ、耐久性や水素脆化(hydrogen embrittlement)、炭化水素または硫化物による汚染、パラジウムの高コストなどの各種の問題点を解決すべく多くの研究が行われてきており、その結果、パラジウム膜の産業的応用が徐々に大きくなってきていた。
しかしながら、長期間の熱的及び化学的安定性を有する、薄くて欠陥のないパラジウム層を有しながらもより高い透過度や水素選択度(hydrogen selectivity)を有するパラジウム系の膜を成膜することは依然として挑戦課題である。
一方、パラジウム膜を成膜する種々の方法が知られている。
最も多用される方法としては、無電解メッキ[electroless plating(ELP)]、化学気相蒸着[chemical vapor deposition(CVD)]、物理気相蒸着[physical vapor deposition(PVD)]、電解メッキ[electrodeposition(EDP)]である。
これらの中でも無電解メッキがパラジウム膜の成膜のために最も多く用いられる。無電解メッキ方法は、どのような形態を有する物質の場合であってもコートし易く、低廉であり、且つ極めて単純な装置を使用するという長所を持つ。しかし、無電解メッキは、所望の金属の最終メッキが施される前に活性化(activation)や感作化(sensitization)といった一連の前処理段階が必要となるため、複雑であり且つ手間がかかるという短所がある。
金属層と基板との接着性を増大させ且つパラジウム複合膜の熱的耐久性を向上するために、ヴェルマグループ(Varma’s group)では浸透(osmosis)による無電解メッキを用いてパラジウム複合膜を成膜していた(非特許文献1、2)。また、メッキ過程中において多孔性支持体の裏面から除去(evacuation)する方式にて行われるサクション補助方式の無電解メッキ(suction−assisted electoless deposition)を用いてパラジウム複合膜を成膜したりすることもあった(非特許文献3、4)。
このようなサクションや浸透圧の勾配によって、パラジウム層と支持体との間での良好な接着が得られ、且つ膜の耐久性を向上することができる。
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本発明の例示的な態様では、一側面において、水素透過度または選択度を向上することができる新規なパラジウムメッキ分離膜を提供することを目的とする。他の一側面において、水素/二酸化炭素または水素/窒素選択度に優れる新規なパラジウムメッキ分離膜を提供することを目的とする。
また、本発明の例示的な態様では、他の一側面において、前記パラジウムメッキ分離膜においてディフェクトを低減することができ、且つパラジウム粒子が凝集体を生じることなく均一に分布されるようにすることができ、その結果、水素透過性能などに優れる新規なパラジウムメッキ分離膜の成膜方法を提供することを目的とする。
本発明の例示的な一態様では、ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜を支持体とし、当該支持体にパラジウムが無電解メッキされてなるパラジウムメッキ分離膜を提供する。
本発明の例示的な一態様では、ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜を支持体とし、当該支持体にパラジウムを無電解メッキすることを特徴とするパラジウムメッキ分離膜の成膜方法を提供する。
本発明の例示的な態様によれば、一側面において、水素透過度または選択度に優れる新規なパラジウムメッキ分離膜を提供することができる。また、他の一側面において、水素/二酸化炭素または水素/窒素選択度に優れる新規なパラジウムメッキ分離膜を提供することができる。さらに、他の一側面において、前記パラジウムメッキ分離膜でディフェクトを低減することができ、且つパラジウム粒子が凝集体を生じることなく均一に分布されるようにすることができ、その結果、水素透過性能などに優れたものにすることができる。
以下、本発明の例示的な態様について詳しく説明する。
本明細書において一般無電解メッキとは、浸透圧や真空のような外部の圧力差を用いることなく、単に2Pd2++N2H4+4OH-→2Pd0+N2+4H2Oの反応によってPdを蒸着することを意味する。
本明細書において真空無電解メッキとは、真空を利用して前記反応で生成されるN2ガスをPBI−HFA表面から効率よく除去することで前記反応の進行を促進させることができることを意味する。
本発明の例示的な一態様では、ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜を支持体とし、当該支持体にパラジウムを無電解メッキして、パラジウムメッキが施されたポリベンズイミダゾール系分離膜を提供する。このようにパラジウムメッキが施されたポリベンズイミダゾール系高分子分離膜は、ガス気密性を有し(gas−tight)且つ水素選択度、H2/CO2やH2/N2ガス選択度が高い。また既存の技術と同様、多孔性の基板を使用してパラジウムを無電解メッキした場合、パラジウム膜の厚さが数十μmであるのに対し、本発明の一態様に従ってポリベンズイミダゾール系高分子膜を基板として使用してパラジウムを無電解メッキした場合、パラジウム膜の厚さが1μm以下でも十分な水素選択度、H2/CO2やH2/N2ガス選択度を得ることができる。
一態様において、前記ポリベンズイミダゾール系高分子は特に制限されないが、ポリベンズイミダゾールの繰り返し単位の中にヘキサフルオロイソプロピレンが結合されたものであってよい。
具体的に、前記ポリベンズイミダゾール系高分子は、次の一般式1を有するものであってよい。
前記式中、Arは下記式を示し、
Rは、水素、メチル基、ネオペンチル基、及びベンジル基から選択されたいずれか一つを示すものであってよい。
また、一態様において、前記ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜の表面は、過酸化水素(H2O2)で表面処理されたものであることが好ましい。
ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜の表面は、疎水性(hydrophobic)(例えば、接触角85°)を呈することから、これを表面処理することで表面処理の前よりも接触角(水滴接触角)を低減することができる。その結果、パラジウムメッキ層の粒子サイズを低減し且つピンホールを低減することができるなどの効果がある(後述する実施例参照)。
一態様において、ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜の表面の水滴接触角は、20〜85°であってよく、好ましくは、70°以下であってよい。
一態様において、過酸化水素による表面処理では、過酸化水素の濃度は0.1〜30wt%であり、過酸化水素による表面処理時間は1秒〜2時間であることが好ましく、過酸化水素の濃度は10wt%であり、1分間処理するのがより好ましい。
また一態様において、前記パラジウム無電解メッキでは、真空無電解メッキを用いることが好ましい。
真空無電解メッキ(VELP)を用いた場合、パラジウム凝集粒子(agglomerated Pd particles)が生じることなくパラジウム粒子がパッキングされた均一な微細構造を得ることができる。また、このような微細構造を有するパラジウム層が支持体であるポリベンジイミダゾール系高分子とより強固にアンカリング及びボンディングできるため、一般無電解メッキで発現する層間剥離(delamination)などの現象がない(後述する実施例参照)。
また、一態様において、前記パラジウム無電解メッキは、過酸化水素で表面処理を施した後に真空無電解メッキを施す(H−VELP)ことがより好ましい。その結果、ピンホールのないより緻密な微細構造を有するパラジウム層を得ることができる(後述する実施例参照)。
参考として、一実施例に従い成膜されたパラジウムメッキメッキ分離膜は、パラジウムメッキ層の厚さが略250nmであり、且つ、有効透過面積が8.3cm2である。
一態様において、高分子分離膜の表面処理後であって無電解メッキの前に、ポリベンズイミダゾール系高分子分離膜に感作化(sensitization)及び活性化の少なくとも一方を行っていてよい。前記感作化及び活性化を行なう場合、感作化の後に活性化を行うことができるが、必ずしもこれに制限されることではない。
感作化とは、高分子分離膜を敏感にさせる過程であって、前記方法を含むことでメッキ効率が向上し、且つ選択度が向上され得る。
前記感作化は、例えばSnCl2溶液を用いて行っていてよく、例えば、前記高分子分離膜をSnCl2溶液及び酸を含む溶液、例えば前記高分子分離膜をSnCl2及びHClを含む溶液に浸漬して行っていてよい。前記感作化に用いる溶液のpHは、4〜5であってよく、且つ浸漬時間は、1〜20分、例えば3〜6分であってよい。
前記感作化処理の前に高分子分離膜をHCl溶液に1〜30秒浸漬した後に洗浄することを含んでいてよい。
活性化(activation)とは、高分子分離膜の表面にパラジウム核(seed)を形成してパラジウムメッキを活性化させることであって、これを含むことでメッキの効率が向上して工程の速度を増大させることができ、且つ選択度が向上され得る。
前記活性化は、例えばPdCl2溶液を用いて行っていてよく、例えば、前記高分子分離膜をPdCl2溶液及び酸を含む溶液、例えばPdCl2及びHClを含む溶液に浸漬して行っていてよい。前記活性化に用いる溶液のpHは4〜5であってよく、且つ浸漬時間は、1〜20分、例えば3〜6分であってよい。
前記感作化及び活性化は、1回以上、2回以上、例えば2回〜3回、好ましくは2回繰り返して行っていてよい。前記感作化及び活性化を繰り返して行うことで選択度を向上することができ、さらには、水素選択度、具体的に水素/二酸化炭素選択度、水素/窒素選択度、特に中温(100℃〜200℃)での水素/二酸化炭素選択度を向上することができる。
本発明の例示的な態様に係るパラジウムメッキ分離膜は、気体分離膜として有効に用いることができ、特に水素を選択的に分離することができる水素分離膜として有効に用いることができる。
以下、本発明の態様に係る具体的な実施例についてより詳細に説明する。なお、本発明が下記の実施例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で種々の形態の実施例が具現でき、下記の実施例は、単に本発明の開示を完全にさせると共に当業界における通常の知識を有する者に発明の実施を容易にするためのものであることが理解できるであろう。
[実施例:パラジウムメッキ分離膜の成膜及び特性の分析]
(1)膜の成膜
(1)膜の成膜
先ず、PBI−HFA膜を、次のようにして成膜した。
4,4’−(ヘキサフロオロ−イソプロピリデン)ビス(安息香酸)[4,4’−(hexafluoro−isopropylidene)bis(benzoic acid)](HFA、21.96g)及び3,3’−ジアミノベンジジン(3,3’−diaminobenzidine)(DAB、12g)を、真空下、60℃で3〜4日間乾燥した。
乾燥されたHFA及びDAB混合物は、不活性雰囲気下、100℃で40分間の間丸底フラスコ内で機械的撹拌機を利用して撹拌し、次いで、ポリリン酸(polyphosporic acid)(600g)を添加した。
得られた混合物は、最初、150℃で12時間の間撹拌しながら加熱し、5時間の間連続して撹拌しながら温度を220℃まで徐々に昇温させて、非常に高い粘度の黄色を呈する茶色の重合体混合物を得た。反応混合物を水に注いだ後、繊維状のポリマーを得た。沈殿されたポリマーを60℃で蒸留水にて洗浄してからフィルタリングをした。当該ポリマー精製過程は複数回繰り返し行った。残留するリン酸を除去するために、さらに水酸化カリウム(1M)洗浄を60℃で2時間の間行い、複数回蒸留水にて連続洗浄しながらフィルターリングをした。次いで、洗浄されたポリマーを100℃に予熱された真空オーブンにて乾燥し、PBI−HFA膜を収得した。
パラジウムメッキの前、PBI−HFA膜支持体の表面を感作化及び活性化溶液(SnCl2及びPdCl2)にて連続浸漬することで活性化を行った。
各浸漬を5分間行い、その後、脱イオン水で洗浄した。
次いで、支持体を80℃で2時間の間乾燥した。表面活性化の目的は、表面にパラジウム核(palladium nuclei)をシードとして成長させるためである。これは、PBI−HFA膜表面上の準安定パラジウム塩錯体(metastable palladium salt complex)還元の自己触媒作用(autocatalytic process)を開始する。感作化及び活性化組成物は、表1に表すとおりである。
一方、表面処理のために、活性化過程の前、PBI−HFA膜表面を10wt% H2O2溶液に1分間浸した。
無電解メッキは60℃で活性化されたPBI−HFA膜支持体をパラジウム電解浴(palladium plating bath)に浸して行った。前記パラジウム電解浴は安定化剤(stabilizing agent)として、硝酸テトラアミンパラジウム(II)(tetraaminepalladium(II))溶液、エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩(ethylenediaminetetraacetic acid disodium salt)(EDTAジナトリウム塩)を用い、還元剤(reducing agent)としてヒドラジン(hydrazine)を用いた。
参考として、典型的な電解浴の組成を表2に表した。
図1は、本発明の一実施例で用いられた真空無電解メッキ方法を示す概略図である。
図1に示されたように、無電解メッキ浴(Pd bath)でパラジウムメッキを行う間、PBI−HFA膜の両側を真空引き(Vacuum)した。前記無電解メッキ浴は二重ボイラー(Double boiler)内に位置し、加熱源(heating source)によって加熱される。次いで、メッキが施されたパラジウム複合膜(as−deposited Pd composite membrane)を、60℃を維持する脱イオン水で完全に洗浄し、80℃で一晩中乾燥してからその重さを測定した。成膜された膜のガス気密性を測定するために、窒素透過実験(permeation experiment)を室温及び4 barまでの圧力差(pressure differences)で行った。
図2は、本発明の一実施例で用いられた高温ガス透過装置(high temperature gas permeation setup)を示す概略図である。
図2を参考して具体的に説明すると、図2に示されたような高温ガス透過装置(permeation cell、temperature control chamber)を使用して透過実験を行った。具体的に、ニードルバルブで調節される単一ガスをポリマー膜に注入し、透過して出るガスフラックスをバブルフローメータ(bubble flow meter)(またはflow indicator、FI)を使用して決定した。供給ガスの圧力は背圧レギュレータ(back pressure regulator)(P)によって調節された。純粋ガスの透過フラックスは、35〜200℃範囲内での複数の温度でH2、N2、CO2、及びCO(99.9%純度)の順に測定された。すべての透過テストにおいて4〜8 barの作動圧力が背圧力レギュレータ(back pressure regulator)(P)を使用して調節された。
以上のように、PBI−HFA支持体上へのパラジウムメッキ分離膜の成膜が膜無電解メッキ方法にて正常に行われた。また、パラジウムメッキの成膜から1時間後、35℃及び4 barまでの圧力差(pressure differences)でのパラジウムメッキ分離膜を介しての窒素の流れは検出されなかった。これは成膜されたパラジウムメッキ分離膜にディフェクトがないことを意味する。
パラジウムメッキ層の厚さは質量増加(weight gain)から測定した結果、略250nmであった。成膜された膜の有効透過面積(effective permeating area)は8.3cm2であった。
(2)膜微細構造(Membrane microstructure)確認方法
一方、パラジウムメッキ分離膜の表面モルフォロジー及び断面構造はSEMにて調査した(SEM;XL30 ESEM、Philips、Netherlands)。
一方、パラジウムメッキ分離膜の表面モルフォロジー及び断面構造はSEMにて調査した(SEM;XL30 ESEM、Philips、Netherlands)。
(3)真空無電解メッキにて成膜されたパラジウムメッキ分離膜に対する真空効果の検討
パラジウムの無電解メッキは、自己触媒反応メカニズム(autocatalytic reaction mechanism)で行われる。これは、PBI−HFA基板の活性化した表面上にシートされたパラジウム核によって開示される。この反応は、界面を介しての電子伝達反応と酸化−還元反応を伴うようになる。参考として、自己触媒反応(autocatalytic reaction)は次のように表され得る。
パラジウムの無電解メッキは、自己触媒反応メカニズム(autocatalytic reaction mechanism)で行われる。これは、PBI−HFA基板の活性化した表面上にシートされたパラジウム核によって開示される。この反応は、界面を介しての電子伝達反応と酸化−還元反応を伴うようになる。参考として、自己触媒反応(autocatalytic reaction)は次のように表され得る。
すなわち、パラジウム金属が核上にメッキされて成長するようになる。メッキ速度(deposition rate)はパラジウムサイト(Pd sites)の数に応じて増減し自己触媒挙動(autocatalytic behavior)を示す。メッキが施される間、窒素ガスがバブル状に発生した。
図3は、本発明の一実施例に従い成膜されたパラジウムメッキ分離膜のSEMイメージを示す図である。
図3Aは、1時間にわたって一般無電解メッキ方法を用いて無電解メッキを施したものを示し[electroless plating(ELP)]、図3Bは、1時間にわたって真空無電解メッキを用いて無電解メッキを施したものを示す[vacuum electroless plating(VELP)]。
図3は、各膜のマイクロ構造が異なることを示す。すなわち、図3Aでは膜には目立つディフェクトが見られ且つ荒い表面モルフォロジーを有する。これらのディフェクトは、PBI−HFA膜(23×10-6K-1)とパラジウム層(11.8×10-6K-1)の熱膨張係数の差によるものである。メッキし乾燥する温度と室温との温度差によってパラジウム層に圧縮残留応力(compressive residual stress)が生じるようになり、この圧縮残留応力はパラジウム層の座屈(buckling)や層間剥離(delamination)を引き起こすようになる。パラジウム層の厚さは質量増加からの測定結果が略232.5nmで、メッキ速度は2.37nm/minであった。
一方、真空無電解メッキ(VELP)を用いて成膜されたパラジウムメッキ分離膜の場合には、より均一な微細構造(uniform microstructure)を示し、図3Aに示すような層間剥離や座屈は見られなかった(図3B参照)。
平均粒径0.2μmの均一なパラジウム粒子が堅固にパッキングされ、緻密なパラジウム膜を形成した。さらに、パラジウム層の厚さは261nmで、真空無電解メッキ(VELP)速度(deposition rate)は5.67nm/minで一般無電解メッキ(ELP)よりも2.4倍速かった。それにも関わらず、パラジウム層にはいくつかの小さいピンホールが見られ、何らかの改善がなされなければならない必要がある。そこで、本発明の一態様では、H2O2による表面処理にてこれらのピンホールを低減できるようにさらなる改善を加えた。
表3は、150℃及び8kgf/cm2でのH2、N2、CO2及びCOに対するパラジウムメッキPBI−HFA膜の理想選択度(ideal selectivity)と単一ガス透過特性(single−gas permeability)を要約して表す。
表3に表されたように、同一条件で真空無電解メッキ(VELP)を用いて成膜されたパラジウムメッキ分離膜のガス選択度は、一般無電解メッキ(CELP)を用いて成膜されたパラジウムメッキ分離膜と比較して、確かに高かった。そして、すべてのパラジウムメッキ分離膜では一酸化炭素が透過しなかった。また、H2O2で表面処理を施した後に真空無電解メッキ(H−VELP)を用いて成膜されたパラジウムメッキ分離膜では、一酸化炭素だけではなく、窒素も透過しなかった。
水素透過性能の差は、成膜方法の差によるパラジウムメッキ分離膜のマイクロ構造(microstructure)と連関がある。
真空は、メッキ過程が施される間に生成された窒素ガス(該窒素ガスはパラジウムメッキ分離膜のディフェクトを引き起こす)が膜の表面から除去されるようにするのに有効であり、その結果、パラジウムメッキ分離膜のディフェクトを低減することができるようになる。さらに、真空は、パラジウムのメッキ速度(deposition rate)を増加させることができ、且つパラジウム層とPBIとの間の接着性を向上することができる。
関連して、無電解メッキ過程は物質伝達(mass transfer)によって制限されるので、真空引きした場合、物質伝達を向上するさらなる推進力(driving force)を提供することができる。また、パラジウム層とPBI−HFAとの間の接着力は機械的ボンディング(mechanical bonding)及びアンカリング効果(anchoring effect)に依存するが、真空引きすると、緻密なパラジウム層がPBI−HFAとより強固にアンカリングされ得る。
図4は、本発明の実施例に係る、パラジウムメッキ分離膜のマイクロ構造に対するヒドラジン量の効果を示すSEMイメージである。参考として、ヒドラジンは、パラジウム無電解メッキの際に還元剤(reducing agent)の役割をする。
ヒドラジンの量が減少するほど、ナノワイヤ状に成長する傾向が減少した。また、パラジウム無電解メッキフィルムは還元剤(ヒドラジン)の量が減少するほど、ピンホールのないより緻密な構造を有することが分かる。ヒドラジンの量が減少するほどメッキ速度が減少するようになり、より緻密なマイクロ構造が生成されることと考えられる。
(4)PBI−HFA膜の表面処理効果の検討
何らの処理も施していないPBI−HFA膜表面の接触角は85°である。10wt% H2O2で表面処理を施した場合に、PBI−HFA膜表面接触角が70°に減少し、親水性(hydrophilicity)も増加していた。H2O2溶液においてPBI−HFA膜表面はヒドロキシルラジカル(hydroxyl radical)によって攻撃を受けて不安定になり、活性化し、分極される。その結果、水分子及び H2O2処理された表面の相互間の力(mutual interaction strength)は処理前よりも遥かに強くなる。
何らの処理も施していないPBI−HFA膜表面の接触角は85°である。10wt% H2O2で表面処理を施した場合に、PBI−HFA膜表面接触角が70°に減少し、親水性(hydrophilicity)も増加していた。H2O2溶液においてPBI−HFA膜表面はヒドロキシルラジカル(hydroxyl radical)によって攻撃を受けて不安定になり、活性化し、分極される。その結果、水分子及び H2O2処理された表面の相互間の力(mutual interaction strength)は処理前よりも遥かに強くなる。
一方、図5は、本発明の実施例に係る、H2O2表面処理の有無による活性化後のPBI−HFA膜のSEMイメージであって、図5Aは、H2O2表面処理を施していないPBI−HFA膜を活性化処理したものを示し、図5Bは、表面処理を施したPBI−HFA膜を活性化処理したものを示す。
無電解メッキを施す前は、シードされたPBI−HFA表面は小さいパラジウム核(palladium nuclei)から構成されていた。PBI−HFA表面に対してH2O2表面処理を施した後は、これらの核がPBIの表面により均一に分布されていることが分かる。
図6は、本発明一実施例に係る、PBI−HFA膜の表面処理効果を示すSEMイメージであって、図6Aは、PBI−HFA膜上における真空無電解メッキ(VELP)にて成膜されたパラジウムメッキ分離膜のマイクロ構造を示す。図3Bと同じ条件のパラジウムメッキ分離膜であり、先に説明したように、パラジウム層には幾つかの小さいピンホールが存在する。
本発明の非制限的な実施例では。連続したメッキ過程を行い、パラジウムメッキ分離膜の成膜費用を低減するために、O2プラズマの代わりにH2O2表面処理を行った。
図6Bは、パラジウムメッキ分離膜の微細構造が10wt% H2O2にて1分間処理したPBI−HFA膜上で真空無電解メッキ(VELP)によって得られたことを示している。パラジウムメッキ分離膜の平均粒径は略0.19μmであって、当該パラジウムメッキ分離膜は、H2O2表面処理を施していない場合に比べて、より緻密な微細構造を示した。また、当該パラジウムメッキPBI−HFA膜(図6B)は、より高い光沢(luster)と優れた接着性を示した。また、N2漏れテストを行った結果もまた、当該パラジウムメッキ分離膜が緻密でピンホールがないことを示した。
(5)パラジウムメッキ分離膜を介しての水素透過性能の検討
本実施例の緻密なパラジウムメッキ分離膜を介しての水素透過は従来の拡散メカニズムとは異なるメカニズムに従う。このような透過メカニズムは、溶液−拡散メカニズム(solution−diffusion mechanism)と知られており、次の段階を経るようになる。
本実施例の緻密なパラジウムメッキ分離膜を介しての水素透過は従来の拡散メカニズムとは異なるメカニズムに従う。このような透過メカニズムは、溶液−拡散メカニズム(solution−diffusion mechanism)と知られており、次の段階を経るようになる。
(i)ガス状態の水素分子の高水素圧側膜表面への吸着(adsorption of gaseous hydrogen molecules on the membrane surface in the high hydrogen pressure side);
(ii)水素原子への分解(dissociation to atomic hydrogen);
(iii)バルク金属における水素原子の溶解(dissolution of atomic hydrogen in the bulk metal);
(iv)バルク金属における水素原子の拡散(diffusion of atomic hydrogen through the bulk metal);
(v)低水素圧側膜表面からの水素分子の改質及び放出(reformation and release of hydrogen molecule from the low hydrogen pressure membrane surface)。
(ii)水素原子への分解(dissociation to atomic hydrogen);
(iii)バルク金属における水素原子の溶解(dissolution of atomic hydrogen in the bulk metal);
(iv)バルク金属における水素原子の拡散(diffusion of atomic hydrogen through the bulk metal);
(v)低水素圧側膜表面からの水素分子の改質及び放出(reformation and release of hydrogen molecule from the low hydrogen pressure membrane surface)。
前記段階は各膜を介しての水素移動の間のレート制限(rate−limiting)の要素になり得るが、相対的に厚いパラジウムメッキ分離膜(>25mm)に対してはバルク原子の拡散がレート制限(rate−limiting)の要素になる。一方、それよりさらに薄い膜及び低温の場合には表面処理段階(surface steps)が著しい影響を及ぼすようになる。表面反応(surface reaction)または物質伝達(mass transport)がレート決定段階(rate−controlling step)であるときは、パラジウムメッキ分離膜を介しての水素透過フラックス(hydrogen permeation flux)は次のヘンリーの法則(Henry’s law)で表すことができる。
(ここで、JH2及びQH2は、それぞれ水素透過フラックス(hydrogen permeation flux)及び水素透過性(hydrogen permeance)を示す。Ph及びPlはそれぞれ高水素圧及び低水素圧を示す。表面へのまたは表面からの物質伝達または解離吸着(dissociative adsorption)または結合脱着(associative desorption)が速度決定の要素になる場合に、当該過程は水素分子の濃度に比例するため、圧力指数(pressure exponent)の予想値は1である。
一方、水素透過フラックスは、水素単一ガスを利用して室温で200℃までの圧力差の関数として測定される。水素透過フラックスはバブルフローメータから得られた。
図7は、本発明の一実施例に係る、一般無電解メッキ(CELP)方法にて成膜されたパラジウムメッキ分離膜を介しての水素透過の変化(図7A)及び一般無電解メッキ(CELP)、真空無電解メッキ(VELP)、及びH2O2処理されたPBI−HFA膜上に真空無電解メッキ(H−VELP)方法にて成膜されたパラジウムメッキ分離膜を介しての水素透過の変化(図7B)を示すグラフである。図7Aと図7Bにおいて、X軸は圧力差(単位:kgf/cm2)で、Y軸は水素透過(単位:cc/min)である。
図7Aは、本発明の一実施例に係る、一般無電解メッキ(CELP)方法にて成膜されたパラジウムメッキ分離膜を介しての水素透過変化を圧力差の関数として示すグラフである。
図7Aを参照すると、予想したとおり、高い水素透過フラックスがより高い圧力で得られた。水素透過フラックスは水素圧力差と線状関係(linear relationship)を示した。これは、当該パラジウムメッキ分離膜における水素透過の速度決定段階が表面上への水素原子の結合過程または表面からまたは表面への水素分子の拡散過程であることを示す。
図7Bは、前述したように、一般無電解メッキ(CELP)、真空無電解メッキ(VELP)、及びH2O2処理されたPBI−HFA膜上に真空無電解メッキ(H−VELP)にて成膜されたパラジウムメッキ分離膜の水素透過の変化を圧力差の関数で示すグラフである。H−VELPで成膜したパラジウムメンブレインの場合、他の2つの場合に比べて、より高い値の水素透過を示した。水素透過性能の差はそれぞれ異なる方法にて成膜されたパラジウムメッキ分離膜の微細構造と関連があり、格子欠陥(lattice defect)、粒界(grain boundary)、及び微細気孔(microvoids)などは、水素トラップ(trap)として作用するようになることで水素透過を遅らせて、拡散に対する活性化エネルギーを増加させるようになる。図6Aで示された幾つかの小さいピンホールは水素トラップとして作用することがある。このように、本発明の一態様では、水素トラップを低減することでパラジウムメッキ分離膜の水素透過を向上するようになる。
(6)選択度係数(Selectivity Coefficient)の検討
膜の分離性能を示すために、多く使用される指標は選択度係数[selectivity coefficient、α]である。前記選択度係数は、膜を介しての純粋ガスの透過フラックスの比率で定義される。したがって、二酸化炭素(CO2)に対する水素(H2)の選択度は次のとおりである。
膜の分離性能を示すために、多く使用される指標は選択度係数[selectivity coefficient、α]である。前記選択度係数は、膜を介しての純粋ガスの透過フラックスの比率で定義される。したがって、二酸化炭素(CO2)に対する水素(H2)の選択度は次のとおりである。
α(H2/CO2)=JH2/JCO2
選択度係数は単一ガス透過から誘導された理想的な分離性能を示し、Barrer単位に換算されたガスの透過度(permeability)の比率である。
図8Aは、本発明の一実施例に係る、一般無電解メッキ(CELP)、真空無電解メッキ(VELP)、及びH2O2処理されたPBI−HFA膜上に真空無電解メッキ(H−VELP)方法にて成膜されたパラジウムメッキ分離膜を介しての二酸化炭素透過の変化を圧力差の関数で示すグラフである。図8Bは、本発明の一実施例に係る、ガス透過実験から得られる選択度係数を圧力差の関数として示すグラフである。
H−VELPで成膜したパラジウムメッキ分離膜の場合、他の2つの膜に比べて、二酸化炭素の透過量が確かに低かった。結果的に最も優れたH2/CO2ガス分離性能を示した(図8B)。
図9は、本発明の実施例で実施されたH−VELP方法にて成膜したパラジウムメッキ分離膜のガス透過実験から得られるH2/CO2選択度係数を水素透過(単位:Barrer)の関数として示すグラフである(図9の赤色にて表示されたものが実施例のパラジウムメッキ分離膜で、黒色はパラジウムメッキ前の膜である)。
関連して、パラジウムメッキ分離膜に対するH2/CO2ガス分離性能に対する既存の発表はなかった。本実施例の場合パラジウムメッキ分離膜は、大半の温度でRobesonの上限線を超えるガス分離性能を示した。また、前記H−VELP方法にて成膜したパラジウムメッキ分離膜では窒素が透過しなかったので、H2/N2ガス分離特性は言うまでもなくRobesonの上限線を超えるようになる。
(7)活性化(activartion)繰り返し処理
4,4’−(ヘキサフロオロ−イソプロピリデン)ビス(安息香酸)[4,4’−(hexafluoro−isopropylidene)bis(benzoic acid)](HFA、21.96g)、及び3,3’−ジアミノベンジジン(3,3’−diaminobenzidine)(DAB、12g)を、真空下、60℃で3〜4日間乾燥した。
4,4’−(ヘキサフロオロ−イソプロピリデン)ビス(安息香酸)[4,4’−(hexafluoro−isopropylidene)bis(benzoic acid)](HFA、21.96g)、及び3,3’−ジアミノベンジジン(3,3’−diaminobenzidine)(DAB、12g)を、真空下、60℃で3〜4日間乾燥した。
乾燥されたHFA及びDAB混合物を不活性雰囲気下、100℃で40分間丸底フラスコ内で機械的撹拌機を利用して撹拌し、次いで、ポリリン酸(polyphosporic acid)(600g)を添加した。
得られた混合物は、最初は150℃で12時間の間撹拌しながら加熱し、5時間の間連続的に撹拌しながら温度を220℃まで徐々に昇温させて、非常に高い粘度の黄色を呈する茶色の重合体混合物を得た。反応混合物を水に注いだ後、繊維状のポリマーを得た。沈澱されたポリマーを60℃で蒸留水にて洗浄してからフィルタリングをした。当該ポリマー精製過程は複数回繰り返し行った。残留するリン酸を除去するために、さらに水酸化カリウム(1M)洗浄を60℃で2時間の間行い、複数回蒸留水にて連続洗浄しながらフィルターリングをした。次いで、洗浄されたポリマーを100℃に予熱された真空オーブンにて乾燥し、ポリベンズイミダゾール系高分子膜(PBI−HFA膜)を収得した。
収得されたPBI−HFA膜に対して、該膜の表面を10wt% H2O2溶液に1分間浸漬して表面処理を施した。
表面処理された膜をSnCl2 1g/l及び10MのHCl 1ml/l溶液に5分間浸漬して感作化した。蒸留水に5分間洗浄した後、PdCl2 0.1g/l及び10MのHCl 1ml/l溶液に5分間浸漬して活性化した。前記感作化及び活性化は2回(実施例4)または3回(実施例5)繰り返して行った。
前記表1に表す組成のパラジウムメッキのためのパラジウム電解浴を60℃に加熱して維持した後、活性化されたPBI−HFA膜を浸漬し、即時、ヒドラジン12.5ml/lを添加した後、パラジウムメッキを施す間、PBI−HFA膜の両側を真空(Vacuum)引きして、真空度0.45でメッキ(plating)を施した。パラジウムメッキを施す間、PBI−HFA膜の両側を真空(Vacuum)引きした。前記パラジウム電解浴は二重ボイラー(Double boiler)内に位置し、加熱源(heating source)によって加熱される。次いで、メッキが施されたパラジウム複合膜(as−deposited Pd composite membrane)を、60℃を維持する脱イオン水で完全に洗浄し、80℃で一晩中(overnight)乾燥して、実施例4及び5のパラジウムメッキ分離膜を成膜した。
(8)ガス透過度及び選択度の検討
前記(7)で成膜したパラジウムメッキ分離膜に対し、前記(1)及び(3)と同様にガス透過性能を実験して、単一ガス透過性能及び選択度を測定し、その結果を下記の表4に表した。
前記(7)で成膜したパラジウムメッキ分離膜に対し、前記(1)及び(3)と同様にガス透過性能を実験して、単一ガス透過性能及び選択度を測定し、その結果を下記の表4に表した。
− 気体透過実験:図2に示されたような高温ガス透過装置(permeation cell、temperature control chamber)を使用して透過実験を行った。具体的に、パラジウムメッキの成膜から1時間後、35℃〜200℃及び4〜8barまでの圧力差(pressure differences)で、気体透過度を測定した。ニードルバルブで調節される単一ガスを分離膜に注入し、透過して出るガスフラックスをバブルフローメータ(bubble flow meter)(またはflow indicator、FI)を使用して測定した。供給ガスの圧力は背圧レギュレータ(back pressure regulator)(P)によって調節された。純粋ガスの透過フラックスは、35〜200℃範囲内での複数温度でH2、N2、CO2、及びCO(99.9%純度)の順に測定された。すべての透過テストで4〜8barの作動圧力が背圧力レギュレータ(back pressure regulator)(P)を使用して調節された。パラジウムメッキ層の厚さは質量増加(weight gain)から測定した結果、略250nmであった。成膜された膜の有効透過面積(effective permeating area)は8.3cm2であった。
− ガス透過度: 気体透過実験の結果からガス透過度(gas permeability)を下記の式によって算出し、150℃、8kgf/cm2で測定したパラジウムメッキ分離膜に対する水素、窒素、及び二酸化炭素の単一ガス透過度を、表4に表した。
前記式中、ガス透過度の単位はBarrer(1 Barrer=1×10-10cm3(STP)cm cm-2s-1 cmHg-1)であり、Qはガスの体積流量(volumetric flow rate、cm3(STP)/s)を示し、Lは膜厚さ(cm)を示し、Aは膜の有効面積(cm2)を示し、Tは作動温度(K)を示し、ΔPは膜の両端の圧力差(cmHg)を示す。
− 選択度: 前記ガス透過度から水素/窒素、水素/二酸化炭素、水素/一酸化炭素、二酸化炭素/窒素選択度を下記の式によって算出して、下記の表4に表した。
α(A/B)=(Aのガス透過度)/(Bのガス透過度)
前記表4の結果から、活性化を2回以上繰り返す場合、1回の活性化を行った場合に比べて水素選択度が著しく上昇することを確認することができる。特に、活性化を2回行った場合、水素/二酸化炭素選択度が非常に著しく優れている。
Claims (19)
- ポリベンズイミダゾール系高分子膜を支持体とし、
当該支持体にパラジウムを無電解メッキすることを特徴とするパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。 - 前記ポリベンズイミダゾール系高分子は、ポリベンズイミダゾールの繰り返し単位の中にヘキサフルオロイソプロピレンが結合されたことを特徴とする請求項1に記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
- 前記ポリベンズイミダゾール系高分子は、次の一般式1で表されるものであることを特徴とする請求項2に記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
[前記式中、Arは下記式を示し、
Rは、水素、メチル基、ネオペンチル基、及びベンジル基から選択されたいずれか一つを示す。] - 前記ポリベンズイミダゾール系高分子膜の表面に対して、過酸化水素(H2O2)で表面処理した後にメッキを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
- 前記過酸化水素の濃度は0.1〜30wt%であり、過酸化水素による表面処理時間は1秒〜2時間であることを特徴とする請求項4に記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
- 前記パラジウム無電解メッキは真空無電解メッキであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
- 前記ポリベンズイミダゾール系高分子膜の表面に対して、過酸化水素(H2O2)で表面処理した後にメッキを行い、
前記パラジウム無電解メッキは真空無電解メッキであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。 - 前記表面処理の後であって無電解メッキの前に前記支持体に対して、感作化(sensitization)及び活性化(activation)の少なくとも一方の処理を行うことを含む請求項7に記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
- 前記感作化は、前記支持体をSnCl2及び酸を含む溶液に浸漬することを含む請求項8に記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
- 前記活性化は、前記支持体をPdCl2及び酸を含む溶液に浸漬することを含む請求項8に記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
- 前記活性化は2回以上行う、請求項8に記載のパラジウムメッキ分離膜の成膜方法。
- ポリベンズイミダゾール系高分子膜を支持体とし
当該支持体にパラジウムが無電解メッキされてなるパラジウムメッキ層を有し、
前記パラジウムメッキ層は、パラジウム粒子がパッキングされた(packed)微細構造(microstructure)を有することを特徴とするパラジウムメッキ分離膜。 - 前記ポリベンズイミダゾール系高分子は、ポリベンズイミダゾールの繰り返し単位の中にヘキサフルオロイソプロピレンが結合されたことを特徴とする請求項12に記載のパラジウムメッキ分離膜。
- 前記ポリベンズイミダゾール系高分子は、次の一般式1を有するものであることを特徴とする請求項12に記載のパラジウムメッキ分離膜。
[前記式中、Arは下記式を示し、
Rは、水素、メチル基、ネオペンチル基、及びベンジル基から選択されたいずれか一つを示す。] - ポリベンズイミダゾール系高分子膜は表面処理されたものであり、且つ水滴接触角が20〜70°であることを特徴とする請求項12に記載のパラジウムメッキ分離膜。
- 前記ポリベンズイミダゾール系高分子膜の表面に対して、過酸化水素(H2O2)で表面処理した後にメッキが行われたことを特徴とする請求項12に記載のパラジウムメッキ分離膜。
- 前記ポリベンズイミダゾール系高分子膜は、表面処理の前に感作化及び活性化の少なくとも一方の処理が施されたものである請求項16に記載のパラジウムメッキ分離膜。
- 前記ポリベンズイミダゾール系高分子膜は、その表面にパラジウム核(seed)が形成されたものである請求項17に記載のパラジウムメッキ分離膜。
- ポリベンズイミダゾール系高分子膜とパラジウムメッキ層とはアンカリングされることを特徴とする請求項12〜18のいずれか1項に記載のパラジウムメッキ分離膜。
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