以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する(つまり、特図の可変表示を実行する)。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)を導出表示(単に導出ともいう。)する。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示や第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示に対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(可変表示)(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。この飾り図柄の可変表示及び表示結果の導出も、可変表示ゲームに含まれる。
なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、特図ゲーム(特図の可変表示でもある。)の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームの保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲーム(可変表示ゲーム)を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく特図ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する特図ゲームの保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている特図ゲームと同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印、四角印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの特図ゲームに対応している。なお、後述するように、特図ゲームが保留されている(保留表示図柄が表示されている)ということは、始動入賞時に抽出された保留データが第1又は第2特図保留記憶部に格納されているということでもあり、このため、保留表示図柄は、始動入賞時に抽出され第1又は第2特図保留記憶部に格納されている保留データに対応して表示されるものでもある。保留されている特図ゲームや保留データのことは、保留記憶ともいう。第1特図ゲームの保留記憶は、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域(第1保留表示領域5Ha)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図ゲームの保留記憶は、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域(第2保留表示領域5Hb)に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域及び第2保留表示領域のうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
また、画像表示装置5の画面上には、第1特図又は第2特図が可変表示されていることを遊技者に分かり易く報知するための第4図柄の表示も行われる。この実施の形態では、第1特図の可変表示に対応して表示される第1特図用の第4図柄と、第2特図の可変表示に対応して表示される第2特図用の第4図柄と、が用意されている。第1特図用の第4図柄は、画像表示装置5の左上の領域5Fに表示され、第2特図用の第4図柄は、画像表示装置5の左上の領域5Gに表示される。例えば、領域5F及び領域5Gは、第4図柄の非表示時には、中が塗り潰されていない円で表され、第4図柄の表示時に、その円の中が塗り潰されることで、領域5F又は領域5Gに第4図柄が表示される(当該塗り潰された円の図形が第4図柄である)。
第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示が実行されているときには、第1特図用の第4図柄が表示される(領域5Fが塗り潰される。)。第1特図用の第4図柄は、第1特図の可変表示期間中ずっと表示(点滅表示であっても、常時表示であってもよい。)される。第1特図ゲームでの可変表示の終了時(表示結果の導出時)に第4図柄の表示は終了する。第4図柄の表示が終了してから所定期間(第1特図ゲームでの表示結果の導出タイミングから一定期間)は、領域5Fの円が第1特図ゲームの可変表示結果に応じた色で塗り潰される(例えば、ハズレであれば「黒」、大当りであれば「赤」など)。この実施の形態では、このようにして、第1特図用の第4図柄の表示の終了時(ここでは、特に終了時から所定期間)に、第1特図用の第4図柄の表示の表示結果として、第1特図ゲームの可変表示結果を示す図柄(例えば、黒で塗り潰された円の図形(ハズレ時)、赤で塗り潰された円の図形(大当り時))が表示(導出表示あるいは導出ともいう。)される。
第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示が実行されているときには、第2特図用の第4図柄が表示される(領域5Gが塗り潰される。)。第2特図用の第4図柄は、第2特図の可変表示期間中ずっと表示(点滅表示であっても、常時表示であってもよい。)される。第2特図ゲームでの可変表示の終了時(表示結果の導出時)に第4図柄の表示は終了する。第4図柄の表示が終了してから所定期間(第2特図ゲームでの表示結果の導出タイミングから一定期間)は、領域5Gの円が第2特図ゲームの可変表示結果に応じた色で塗り潰される(例えば、ハズレであれば「黒」、大当りであれば「赤」など)。この実施の形態では、このようにして、第2特図用の第4図柄の表示の終了時(ここでは、特に終了時から所定期間)に、第2特図用の第4図柄の表示の表示結果として、第2特図ゲームの可変表示結果を示す図柄(例えば、黒で塗り潰された円の図形(ハズレ時)、赤で塗り潰された円の図形(大当り時))が表示(導出表示あるいは導出ともいう。)される。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となってもよい。この場合の通常開放状態は、第2始動入賞口に遊技球が進入できるが、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくい状態である。このように、普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)は、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)し、表示結果を導出表示する。このような普通図柄の可変表示及び表示結果の導出は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図ゲームや第2特図ゲームを制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普図ゲームを制御することといった、所定の表示図柄の可変表示や表示結果の導出を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100となる1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が不測の停電などで一時停止しても(所謂、電断があっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電して電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(後述の、特図プロセスフラグ、大当りフラグ、時短フラグ、確変フラグなどの各種フラグの状態や、特図保留記憶数、変動特図指定バッファ値などの各種の値や、可変表示結果などの各種データや、遊技制御プロセスタイマなどの各種タイマのタイマ値などの、遊技制御に必要なデータなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップされて保存される。バックアップされたデータを適宜バックアップデータという。このバックアップデータによって、電断後の電力供給の再開時に、電断の発生時(電力停止時)の状態での復旧がなされる(例えば、電力供給の再開によって、電力停止時に停止された遊技制御が再開される)。なお、電断後の電力供給の再開時に使用されるデータは全てバックアップデータとしてRAM102に保存される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(電断があった場合など)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御に基づいて(例えば、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき)、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。例えば、演出制御用CPU120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像を指定する表示制御指令を表示制御部123に送信する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従って、CGROMなど(記憶部)に格納されているデータに基づいて、当該表示制御指令によって指定される演出画像を表示するための映像信号を出力する。これによって、演出制御用CPU120の制御(演出制御パターンなどに基づく制御)に従った演出画像の映像信号が出力されたことになり、そして、画像表示装置5に当該演出画像が表示されることになる。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される制御信号(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される制御信号(電飾信号)などが出力される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。演出制御用CPU120の制御に基づいて表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示されることになる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出(リーチ演出、飾り図柄の可変表示、第4図柄の表示、表示結果の導出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
また、遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過し、図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動(可変表示)を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特図ゲームが開始されるときや、第2特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄の可変表示のパターンなどを指定するもの)の決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、当該表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示や第4図柄の表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、当該導出表示のタイミングに同期して、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が終了し、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。また、第4図柄の表示も終了し、当該第4図柄の表示の表示結果も導出表示される。なお、第4図柄については、詳しくは後述するが、例えば、図68に示すように第4図柄が表示されて表示結果が導出表示される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまで(確定飾り図柄が導出される前)の期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せ(詳しくは後述するが、大当り時に導出される確定飾り図柄(飾り図柄の組合せ))の一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、及び、スーパーリーチBが用意されている(図16参照、詳しくは後述する)。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知(又は示唆)するための可変表示演出が実行されることがある。当該可変表示演出も可変表示中演出に含まれる。この実施の形態では、当該可変表示演出は、可変表示態様をリーチ態様とする演出とは異なるものとする。この実施の形態では、「擬似連」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
「擬似連」の可変表示演出では、第1特ゲーム又は第2特図ゲームの開始に対応して飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。「擬似連」の可変表示演出では、例えば、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されている。遊技者は、擬似連チャンス目が仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識できる。また、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜2回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば3回、4回、5回などとしてもよい。また、仮停止表示される飾り図柄は、その前に可変表示されていた飾り図柄とは異なるものであってもよい。つまり、「擬似連」では、飾り図柄の可変表示において仮停止表示がされればよく、仮停止表示される飾り図柄は、その前に可変表示されていた飾り図柄又は仮停止専用の飾り図柄などとなる。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するようにしてもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を行って最変動演出を実行してもよい。
なお、可変表示演出として「滑り」が行われてもよい。「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄(「擬似連」と同様に、変動させていた飾り図柄とは異なる飾り図柄であってもよい。)を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示(仮停止表示であってもよい。)させることで、停止表示(仮停止表示であってもよい。)する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
また、この実施の形態では、可変表示中演出の演出モードとして、背景、登場キャラクター(例えば、同じリーチ演出に登場するキャラクター)、飾り図柄などのうちのいずれか少なくとも1つが異なる複数の演出モードが用意されている。ここでは、演出モードとして、通常モードと、確変モードとが用意されている。確変モードは、遊技状態が確変状態になっているときの演出モードである。通常モードは、遊技状態が確変状態でないときの演出モードである。通常モードと、確変モードとでは、例えば、背景が異なったり、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBのうちの少なくともいずれかにおける登場キャラクターが異なったり(例えば、ノーマルリーチに登場するキャラクターを通常モードではキャラクターAとし確変モードではキャラクターBとするなど)、飾り図柄が異なったり(例えば、一方ではアラビア数字の飾り図柄を使用し、他方では漢数字の飾り図柄を使用するなど)、すればよい(この実施の形態では、特に背景が異なる。)。なお、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を異ならせることによって、複数の演出モードを用意してもよい。
また、この実施の形態では、可変表示中演出において、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を予告する予告演出が実行される。この実施の形態では、予告する大当り期待度が異なる複数の予告演出が用意されている。予告演出も可変表中演出に含まれる。予告演出では、所定の画像が表示されることで、その画像に応じた大当り期待度(可変表示結果が「大当り」となる可能性)を予告する(図62、63など、詳しくは後述する)。予告演出は、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作によって実行してもよい。
また、後で詳述するが、この実施の形態では、保留表示図柄の表示態様として、通常態様、特殊態様、予告態様が用意されている。通常態様は、通常のときの表示態様である。特殊態様は、通常態様とは異なり、所定のときの表示態様である。予告態様は、大当り期待度を予告する態様である。この実施の形態では、保留表示図柄の表示色によって、互いに異なる表示態様が表現される(図30参照)。詳しくは後述するが、通常態様では、保留表示図柄の色が青色になる。特殊態様では、保留表示図柄の色が白色又は灰色になる。予告態様では、保留表示図柄の色が、黄色、緑色、赤色、虹色のうちのいずれかになる。なお、保留表示図柄の形状は、演出モードに応じて異なるようになっている。後述のように、保留表示図柄は、通常モードのときに丸印であり、確変モードのときに四角印である(図29参照、詳しくは後述する)。
また、後で詳述するが、この実施の形態では、第1保留表示領域5Ha又は第2保留表示領域5Hbに表示していた保留表示図柄Hであって、現在実行中の可変表示に対応する保留表示図柄Hを表示エリア5Hにおける中央の今回表示領域5Hcに表示する(図61など参照)。
また、後で後述するが、この実施の形態では、表示エリア5H(第1保留表示領域5Ha、第2保留表示領域5Hb、今回表示領域5Hc)に表示されている保留表示図柄の表示態様(ここでは、表示色)を現在の表示態様から他の表示態様に変化させることができる。なお、保留表示図柄の表示態様は、特殊態様よりも通常態様の方が、他の予告態様、特に、予告態様に変化しやすくなっている。
保留表示図柄の表示態様を所定の表示態様にして当該所定の表示態様のまま維持することも演出の一種である。例えば、第1保留表示領域5Ha、第2保留表示領域5Hbに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして当該予告態様のまま所定タイミングまで(例えば、表示態様を他の態様に変化させるまで、又は、保留表示図柄が消去されるまで)維持することも演出の一種である。第1保留表示領域5Ha、第2保留表示領域5Hbに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして当該予告態様のまま所定タイミングまで維持する演出を先読み予告ということがある。例えば、今回表示領域5Hcに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして当該予告態様のまま所定タイミングまで(例えば、表示態様を他の態様に変化させるまで、又は、保留表示図柄が消去されるまで)維持することも演出の一種である。今回表示領域5Hcに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして当該予告態様のまま所定タイミングまで(維持する演出を今回保留予告ということがある。
また、後で後述するが、この実施の形態では、保留表示図柄の表示態様を変化させるときに、演出の結果として表示態様を変化させる作用演出が実行されることがある(図64、65など)。この実施の形態では、態様の異なる複数の作用演出が用意されている。作用演出が実行されると、作用演出の結果として、保留表示図柄の表示態様が変化する。なお、作用演出は、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を含んでもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されてもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであってもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。主基板11は、遊技の進行を制御する。そして、主基板11は、遊技の進行に応じて演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する。演出制御基板12は、主基板11から送信される演出制御コマンドに基づいて画像表示装置5などを制御する演出制御を実行することで各種演出を行う。このようなことによって、主基板11によって実行される遊技と、演出制御基板12によって実行される各種演出との同期が取られることになる。以下、図3及び図4を参照して、演出制御コマンドを説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特図の可変表示を開始するのか第2特図の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。変動開始指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定(通知)する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。当該コマンドの「XX」には、変動パターン(図16参照、詳しくは後述する。)に対応する数値が設定される。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号が「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあってもよい。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、当該コマンド中の「XX」には、表示結果に対応する数値が設定される。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。表示結果指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F01(H)は、第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示(変動)の終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド)である。コマンド8F02(H)は、第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示(変動)の終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド)である。第1図柄確定指定コマンドと第2図柄確定指定コマンドとを図柄確定指定コマンドと総称することがある。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)や第4図柄の表示を終了して表示結果(停止図柄など)を導出表示することを指定するものでもある。図柄確定指定コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンド95XX(H)は、画像表示装置5に表示される演出画像の背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。この実施の形態では、演出モードに応じて背景が変更されるので、当該背景指定コマンドは、演出モードを指定するものでもある。また、演出モードは、遊技状態に応じて変化するので(確変状態であれば確変モード、非確変状態であれば通常モード)、当該背景指定コマンドは、パチンコ遊技機1の状態(特に遊技状態)を指定するものでもある。当該コマンド中の「XX」には、背景(演出モード)に対応する数値が設定される。例えば、各背景(演出モード)には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「通常モード」なら「00」、「確変モード」なら「01」など)。背景指定コマンドは、遊技状態(つまり、背景(演出モード))が変更され得るタイミングなど(大当り終了時、可変表示結果導出時など)に送信される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定(通知)する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信設定される。
コマンドA1XX(H)は、大入賞口の開放を指定(通知)する演出制御コマンド(大入賞口開放指定コマンド)である。この実施の形態では、当該コマンド中の「XX」には、当該コマンドで通知する大入賞口の開放が1回の大当り遊技状態における何回目の開放(何ラウンド目のラウンド遊技)であるかを示す値が設定される(例えば、1ラウンド目の開放であれば「01」・・・13ラウンド目の開放であれば「13」など)。大入賞口開放指定コマンドは、大入賞口の開放時に送信される。
コマンドA2XX(H)は、大入賞口の閉鎖を指定(通知)する演出制御コマンド(大入賞口閉鎖指定コマンド)である。この実施の形態では、当該コマンド中の「XX」には、当該コマンドで通知する大入賞口の閉鎖が1回の大当り遊技状態における何回目の閉鎖(何ラウンド目のラウンド遊技の終了)であるかを示す値が設定される(例えば、1ラウンド目の閉鎖であれば「01」・・・13ラウンド目の閉鎖であれば「13」など)。大入賞口閉鎖指定コマンドは、大入賞口の閉鎖時に送信される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定(通知)する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定(通知)する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定(通知)する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。始動口入賞指定コマンドは、始動入賞発生時に送信される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定(通知)する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定(通知)する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得るタイミング(始動入賞発生時、特図ゲーム開始時など)に送信される。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果(図柄)の判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(図柄判定結果指定コマンド)である。コマンドC5XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち変動カテゴリの判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(変動カテゴリ判定結果指定コマンド)である。詳しくは後述するが、第1始動入賞又は第2始動入賞が発生したときに、大当りにするか否か、大当り種別、変動カテゴリ(変動パターンのカテゴリ)を決定するために使用される乱数値MR1〜MR3が抽出される。この実施の形態では、当該抽出された乱数値MR1〜MR3に対応する特図ゲームについて、当該特図ゲームの開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜MR3のうちの乱数値MR1及びMR3に基づいて、当該特図ゲームの可変表示結果が「大当り」になるか否か及び当該特図ゲームの変動パターンの変動カテゴリ(図16)を判定する。始動入賞時の判定は、この判定のことをいい、当該判定は、後述のステップS211の入賞時乱数値判定処理にて行われる。なお、所定の場合には、この判定が行われないことがある。表示結果についての判定結果(判定無しも含む)には、一意の番号が振られ、その番号が図柄判定結果指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定無し」なら「00」、「ハズレ」なら「01」、「大当り」なら「02」など)。変動カテゴリについての判定結果(判定無しも含む)には、一意の番号が振られ、その番号が変動カテゴリ判定結果指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定無し」なら「00」、「PA1」なら「11」、「PA2」なら「12」、「PA3」なら「13」など)。これらコマンドは、始動入賞時に送信される。
コマンドD100(H)は、主基板11側が初期化されたことを指定(通知)する演出制御コマンド(初期化指定コマンド)である。初期化指定コマンドは、初期化時に送信される。
コマンドD200(H)は、電源復旧がなされたこと(電断後の電力供給が再開し、RAM102のバックアップデータによって電断発生時の状態の復旧がなされたこと)を指定(通知)する演出制御コマンド(電源復旧指定コマンド)である。電源復旧指定コマンドは、電源復旧時(電断発生時の状態の復旧時)に送信される。
コマンドD3XX(H)は、電源復旧後(電源復旧時ともいう。)のパチンコ遊技機1の状態(ここでは、つまり、RAM102のバックアップデータによって復旧された電断発生時のパチンコ遊技の内部状態)を指定(通知)する演出制御コマンド(復旧状態指定コマンド)である。当該コマンドの「XX」には、電源復旧後のパチンコ遊技機1の状態(電断発生時の状態でもあり、復旧された状態)に対応する数値が設定される。図4に示すように、電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの実行中であれば(電源復旧によって第1特図ゲームの実行が再開されれば)、「XX」には「01」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの実行中であれば(電源復旧によって第2特図ゲームの実行が再開されれば)、「XX」には「02」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であれば(電源復旧によって当該大当り遊技状態が再開されれば)、「XX」には「03」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であれば(電源復旧によって当該大当り遊技状態が再開されれば)、「XX」には「04」が設定される。電源復旧後(電断発生時)のパチンコ遊技機1の状態が上記以外のその他の状態であれば、「XX」には「05」が設定される。復旧状態指定コマンドは、電源復旧時(電断発生時の状態の復旧時)に送信される。
コマンドE100(H)は、デモ表示(特図ゲームや大当り遊技状態に制御されていないときなどに表示されるデモ画面の表示)の開始を指定する演出制御コマンド(デモ表示開始指定コマンド)である。デモ表示開始指定コマンドは、デモ表示の開始時に送信される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始(電断後の再開も含む。)されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって例えば図5の遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後(ステップS11)、必要な初期設定を行う(ステップS12)。初期設定では、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)やRAM102をアクセス可能状態に設定することなどが行われる。
次いで、CPU103は、図示しないクリアスイッチ(例えば、図示しない電源基板に搭載されている。)が押されてオンされているかを判定する(ステップS13)。オンされているかの判定は、例えば、クリアスイッチから出力されるオン信号(クリアスイッチがオンとなったときに出力される信号)がI/O105の入力ポートを介して入力されているかなどによって行われる。
CPU103は、オン信号が入力されているなどして、クリアスイッチがオンされている場合(ステップS13;Yes)、パチンコ遊技機1の状態はクリアされるので、CPU103は、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を行う。
CPU103は、クリアスイッチがオフの場合(クリアスイッチが押されていない場合)(ステップS13;No)、CPU103は、データ保護処理が実行されているかを判定する(ステップS14)。データ保護処理は、遊技機への電力供給が停止したときにCPU103によって実行される処理であって、電断等が発生したときにRAM102が記憶するデータを保護するための処理である。データ保護処理は、この実施の形態では、パリティデータ(パリティビット)の付加等の電力供給停止時処理を含む。データ保護処理が実行されたかは、電力供給停止時処理などにおいてRAM102に設定されるバックアップフラグの状態(これもバックアップされている)によって判定すればよい。クリアスイッチが押されず(ステップS13;No)、データ保護処理が実行された場合(ステップS14;Yes)、電断による電力供給の停止及び再開があった可能性があるため、ステップS15以下の処理を実行する。一方、データ保護処理が実行されていない場合(ステップS14;No)、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、CPU103は、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を行う。
ステップS15において、CPU103は、RAM102のデータチェックを行って、正常であるかを判定する(ステップS15)。この実施の形態では、データチェックとして電力供給停止時処理で付加されたパリティデータ(パリティビット)を用いたパリティチェックを行う。なお、電力供給停止処理においてRAM102のデータについてチェックサムを算出してRAM102に格納しておき、ステップS15にてRAM102のデータについて電力供給停止時処理と同一の処理によってチェックサムを算出し、ステップS15で両チェックサムを比較することで、データチェックを行ってもよい。
不測の停電等の電力供給停止(電断)が生じた後に電力供給が再開した場合には、RAM102のデータはバックアップされているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップデータが、電力供給の停止時(電断時)のデータとは異なっていることになる。データチェックが異常(不一致)の場合(ステップS15;No)、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、通常の電源投入時(復旧時でない電源投入時)に実行されるステップS18以降の処理を実行する。
チェック結果が正常(一致)であれば(ステップS15;Yes)、電断による電力供給の停止及び再開があったと判定できるので、CPU103は、パチンコ遊技機1の状態を電力供給停止時(電断発生時)の状態に復旧するための復旧処理を行う(ステップS16)。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルを参照して、バックアップ時設定テーブルの内容をRAM102に設定する。当該RAM102はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、RAM102の記憶内容のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。バックアップ時設定テーブルの内容をRAM102に設定することで、RAM102のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容(バックアップのデータ)がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止時(電断開始時)の遊技状態を示すデータ(後述の、特図プロセスフラグ、大当りフラグ、時短フラグ、確変フラグなどの各種フラグの状態や、特図保留記憶数、変動特図指定バッファ値などの各種の値や、可変表示結果などの各種データや、遊技制御プロセスタイマなどの各種タイマのタイマ値などの、遊技制御に必要なデータなど)、I/O105の出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
なお、バックアップされる可変表示結果は、特図ゲームが実行中であれば、実行中の特図ゲームの可変表示結果を示し、特図ゲームが実行されていない状態であれば、直近の特図ゲームの可変表示結果を示す(下記の特別図柄プロセス処理などでは、次の特図ゲームが開始されるまで、可変表示結果がRAM102に記憶され保持される)。なお、直近の特図ゲームがない場合には、可変表示結果は、ハズレを示すものであってもよい。
この実施の形態では、電源復旧した場合には、ステップS16の処理のあとに実行される後述の特別図柄プロセスや普通図柄プロセス処理などにて、バックアップデータ(電力供給停止時(電断開始時)の遊技状態を示すデータ)が用いられ(通常時と同様にそのまま用いられることになる)、遊技制御が実行(再開)されるので、電断後の電力供給の再開時に、電断の発生時(電力停止時)の状態での処理が再開され、電力停止時に停止された状態からの遊技制御が再開される。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータチェックとの双方を用いてRAM102のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとデータチェックとのいずれかを、ステップS16の処理を実行するための契機としてもよい。
ステップS16の処理あと、CPU103は、復旧処理によって復旧された復旧後のパチンコ遊技機1の状態(復旧された内部状態)に応じて、電源復旧時コマンドを送信する(ステップS17)(図6参照)。なお、図6において「○」が送信されるコマンドを示す。「×」のコマンドは送信されない。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの実行中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「2」で、変動特図指定バッファ値が「1」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよい)と、復旧状態指定コマンド(第1特図ゲーム実行中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、第2図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの実行中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「2」で、変動特図指定バッファ値が「2」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよい)と、復旧状態指定コマンド(第2特図ゲーム実行中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、第1図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」で、変動特図指定バッファ値が「1」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンドであるが、ここでは「大当り」なので、バックアップデータによらず「大当り」のコマンドとしてもよい。)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよいが、大当り遊技状態中は通常状態になるので、バックアップデータによらず通常モードの背景を指定するコマンドとしてもよい。)と、復旧状態指定コマンド(第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、第1図柄確定指定コマンドと、第2図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」で、変動特図指定バッファ値が「2」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンドであるが、ここでは「大当り」なので、バックアップデータによらず「大当り」のコマンドとしてもよい。)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよいが、大当り遊技状態中は通常状態になるので、バックアップデータによらず通常モードの背景を指定するコマンドとしてもよい。)と、復旧状態指定コマンド(第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、第1図柄確定指定コマンドと、第2図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
復旧後のパチンコ遊技機1の状態が上記以外のその他の状態である場合には(バックアップされている特図プロセスフラグの値が「0」、「1」、「3」のときなど)、電源復旧時コマンドとして、電源復旧指定コマンドと、表示結果指定コマンド(バックアップされている直近の特図ゲームの可変表示結果を示すコマンド)と、背景指定コマンド(バックアップされている確変フラグ(確変状態のときにオン状態となるフラグ)の状態に応じて背景を特定すればよい。)と、復旧状態指定コマンド(その他を指定するコマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(バックアップされている第1特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数指定コマンド及び第2特図保留記憶数を指定する第2特図保留記憶数指定コマンド)と、第1図柄確定指定コマンドと、第2図柄確定指定コマンドと、を送信する処理を行う。
上記のように、復旧時には、特図ゲームのうち実行されていない方に対応する図柄確定指定コマンドが送信される。具体的には、第1特図ゲームが実行されていない場合には、第1図柄確定指定コマンドが送信され、第2特図ゲームが実行されていない場合には、第2図柄確定指定コマンドが送信される。一方、実行中の特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンドは送信されない。具体的には、第1特図ゲームが実行されている場合には、第1図柄確定指定コマンドは送信されず、第2特図ゲームが実行されている場合には、第2図柄確定指定コマンドは送信されない。
ステップS17の処理によって、復旧後(復旧時)の復旧された状態を演出制御基板12に通知できる。
ステップS17のあとは、ステップS21の処理が実行される。
ステップS18では、CPU103は、初期化処理を行う。例えば、RAM102のクリア処理を行う。当該クリア処理によって、所定のデータは0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルを参照し、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM102に設定する。このようにして、各種フラグの状態、各種タイマの値、各種データなどが初期化される。
その後、CPU103は、初期化指定コマンドを送信する(ステップS19)。例えば、演出制御基板12側では、初期化指定コマンドを受信すると、画像表示装置50において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行うようにしてもよい。
ステップS21では、CPU103は、乱数回路104の初期設定(動作設定を含む)を行う(なお、その他、遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられた各種回路の初期設定を行ってもよい。)。
その後、タイマ割り込みの設定を行う(ステップS22)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行い、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103が定期的に後述の遊技制御用タイマ割込処理を実行することができるようにする。
ステップS22のあとは、ループ処理に入り、タイマ割込を禁止したあとに(ステップS23)、乱数回路104などにおける乱数を更新する処理を行って(ステップS24)、タイマ割込を許可する設定を行い(ステップS25)、再度ステップS23の処理を行うようにする。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、例えば、図7に示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理(ステップS51)、メイン側エラー処理(ステップS52)、情報出力処理(ステップS53)、遊技用乱数更新処理(ステップS54)、特別図柄プロセス処理(ステップS55)、普通図柄プロセス処理(ステップS56)、コマンド制御処理(ステップS57)といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と、変動パターン決定用の乱数値MR4と、が含まれていればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
変動カテゴリ決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンのカテゴリ(変動パターンをその内容ごとにカテゴライズしたもの。後で詳述する)を、予め用意された複数のカテゴリのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「900」のいずれかの値を取り得る。
変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターン(乱数値MR3に基づいて決定された変動カテゴリに属する変動パターン)のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「900」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる(図5でのコマンド送信についても同様)。
コマンド制御処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理を終了するが、CPU103は、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図8は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図9は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図10(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図10(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図10(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第1特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される。)とは、基本的に対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示領域5Haの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、表示エリア5Hにおける向かって第1保留表示領域5Haの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図10(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第2特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される。)とは、基本的に対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示領域5Hbの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示領域5Hbの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を行う(ステップS211)。入賞時乱数値判定処理は、上述のように、始動入賞時の判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1及びMR3に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か及び当該可変表示の変動カテゴリ(図16)を判定する処理である。入賞時乱数値判定処理は、後で詳述する。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図11(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図9のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図8のステップS110)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図8のステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動カテゴリや変動パターンの決定などが行われる。入賞時乱数値判定処理では、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、当該タイミングで抽出された乱数値(ステップS209で抽出された乱数値)の実行対象の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になるか否かの判定)や、飾り図柄の可変表示の変動カテゴリがどれになるかの判定などを行う(所謂「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前(特図ゲームの開始条件成立前)に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)(つまり、特図ゲームにおける可変表示の態様(可変表示結果がどうなるかを含む))を予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示図柄の表示態様などを決定することができる。
図11(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。また、ステップS401では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定する。例えば、特図プロセスフラグの値が、「4」〜「7」である場合には、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であると特定すればよい。
CPU103は、こうして特定された状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には(ステップS402;No)、さらに時短中であるか否か(時短フラグがオン状態となっているか否か)を判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて時短中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述の特図表示結果決定テーブル(図13参照)のうち、ステップS401で特定した現在の遊技状態に対応して特図表示結果の「大当り」に割り当てられた決定値の範囲を、大当り決定範囲として設定する。例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがオン状態であれば)、「8000」〜「9899」が大当り決定範囲として設定され、現在の遊技状態が非確変状態(確変状態でない状態)であれば(確変フラグがオフ状態であれば)、「8000」〜「8189」が大当り決定範囲として設定される(図13参照)。
その後、ステップS209で抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。そして、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS407)。
なお、ステップS406では、例えば、ステップS210で特図保留記憶部に格納した乱数値MR1を読み出し、読み出した乱数値MR1を使用して前記判定を行えばよい。また、ステップS210とは別に乱数値MR1をRAM102の所定領域(特図保留記憶部以外の領域)やCPU103の記憶領域などに保持しておき、CPU103は保持した乱数値に基づいて前記判定を行ってもよい。これは、後述の乱数値MR3についても同様である。このように、入賞時乱数値判定処理で使用される乱数値は、特図保留記憶部に格納される乱数値(又は同じ値の乱数値)であればよく、実際に特図保留記憶部に格納された乱数値でなくてもよい。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述の大当り用変動カテゴリ決定テーブル(図17参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS409)。詳しくは後述するが、大当り用変動カテゴリ決定テーブルは、可変表示結果が「大当り」になる可変表示の変動パターンのカテゴリである変動カテゴリを決定するためのテーブルであり、各変動カテゴリに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
図17では、決定値の範囲の代わりに決定割合が記載されている。実際のテーブルでは、図17の決定割合に応じた範囲の決定値が各変動カテゴリに対して割り当てられていればよい。決定割合は、乱数値MR3が取り得る値の全範囲(1〜900)を100とした割合である。例えば、図17であれば、変動カテゴリPB3の決定割合は20で、変動カテゴリPB4の決定割合は40で、変動カテゴリPB5の決定割合は50なので、変動カテゴリPB3には乱数値MR3と比較される決定値1〜180(20%の範囲)が割り当てられ、変動カテゴリPB4には乱数値MR3と比較される決定値181〜540(40%の範囲)が割り当てられ、変動カテゴリPB5には乱数値MR3と比較される決定値541〜900(40%の範囲)が割り当てられる。このようなことは、決定割合を記載した他のテーブルについても同様である。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内でないと判定されたときには(ステップS407;No)、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述のハズレ用変動カテゴリ決定テーブル(図18参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS408)。具体的には、ステップS401で特定した現在の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)である場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図18(A)のハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを使用テーブルに設定し、ステップS401で特定した現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(時短フラグがオン状態のとき)には、図18(B)のハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを使用テーブルに設定する。詳しくは後述するが、ハズレ用変動カテゴリ決定テーブルは、可変表示結果が「ハズレ」になる可変表示の変動パターンのカテゴリである変動カテゴリを決定するためのテーブルであり、各変動カテゴリに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
その後、ステップS408のあと又はステップS409のあと、CPU103は、ステップS209で抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定されている大当り用変動カテゴリ決定テーブル又はハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照し、乱数値MR3と合致する決定値に割り当てられている変動カテゴリを判定する(ステップS416)。
ステップS416のあと、又は、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」でないと判定されたとき(ステップS404;No)には、CPU103は、ステップS407やステップS416の判定結果に応じた内容の始動入賞時コマンドの送信設定を行い(ステップS417)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
始動入賞時コマンドは、図11(B)に示すように、始動口入賞指定コマンド(始動口バッファ値が「1」のときは第1始動口入賞指定コマンド、始動口バッファ値が「2」のときは第2始動口入賞指定コマンド)と、特図保留記憶数指定コマンド(始動口バッファ値が「1」のときは第1特図保留記憶数指定コマンド、始動口バッファ値が「2」のときは第2特図保留記憶数指定コマンド)と、図柄判定結果指定コマンドと、変動カテゴリ判定結果指定コマンドと、から構成される。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理にて送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。送信設定する図柄判定結果指定コマンドは、ステップS407の判定結果が大当り決定範囲内(ステップS407;Yes)であるときには、可変表示結果の判定結果が「大当り」であることを指定するコマンド(「大当り」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS407の判定結果が大当り決定範囲外(ステップS407;No)であるときには、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを指定するコマンド(「ハズレ」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS404の判定結果が始動口バッファ値=1(ステップS404;No)であるときには、始動入賞時の判定を行っていない「判定無し」であることを指定するコマンド(「判定無し」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。送信設定する変動カテゴリ判定結果指定コマンドは、ステップS416で変動カテゴリを判定した場合には判定結果となる変動カテゴリを指定するコマンド(判定結果である変動カテゴリに対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS404の判定結果が始動口バッファ値=1(ステップS404;No)であるときには始動入賞時の判定を行っていない「判定無し」であることを指定するコマンド(「判定無し」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。
入賞時乱数値判定処理では、上記のようにして、今回ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示(特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」になるか否か及び当該可変表示の変動カテゴリ(図16)が判定される。つまり、所謂先読みが行われる。なお、この処理では現在の遊技状態に基づいて判定を行い、可変表示が実際に実行されるときの遊技状態に基づいて判定を行っていないため、当該判定は必ずしも正確なものでないがある程度の精度で可変表示結果や変動カテゴリを予測できる。また、入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405などの処理を実行せずにステップS416の処理に進み、始動入賞時の判定を行わない。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、本実施の形態のように、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読みが実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図8に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。また、可変表示結果(「ハズレ」、「確変」の「大当り」、「非確変」の「大当り」)もRAM102の所定領域に格納される。当該可変表示結果は、次の特図ゲームが実行されるまで、RAM102の所定領域に保持される(バックアップデータとしても保持される)。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図12は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図13に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図13に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグがオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図13に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図8に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図14に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図14に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。また、このとき、決定した今回の可変表示結果(「ハズレ」、「確変」の「大当り」、「非確変」の「大当り」のいずれか)もRAM102の所定領域に格納される。当該可変表示結果は、次の特図ゲームが実行されるまで、RAM102の所定領域に保持される(バックアップデータとしても保持され、電源復旧時コマンドの送信時などで使用される。)。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)の開始を指定する演出制御コマンド(デモ表示開始指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示開始指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、デモ表示開始指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図8のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図15(A)は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動カテゴリを決定する(ステップS262)。ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動カテゴリを決定する(ステップS263)。ステップS262のあと、又は、ステップS263のあとは、決定した変動カテゴリに基づいて、変動パターンを決定する(ステップS265)。このように、この実施の形態では、まず、変動カテゴリを決定することで、大まかな変動パターンの種類を決定し、その後に詳細な変動パターンを決定する。
図16は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。
変動カテゴリPA1は、短縮・非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA1には、変動パターンPA1−1が属している。変動パターンPA1−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定し、かつ、特図変動時間が通常よりも短い時短用の非リーチ変動パターンである。変動カテゴリPA1は、ハズレ時かつ時短時に選択される非リーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPA2は、非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA2には、変動パターンPA2−1、PA2−2が属している。変動パターンPA2−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定し、かつ、特図変動時間が通常の長さの非リーチ変動パターンである。変動パターンPA2−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及び非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定する非リーチ変動パターンである。変動カテゴリPA2は、ハズレ時かつ非時短時に選択される非リーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPA3は、ノーマルリーチ(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA3には、変動パターンPA3−1、PA3−2が属している。変動パターンPA3−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPA3は、ハズレ時に選択され、かつ、ノーマルリーチを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPA4は、スーパーリーチA(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA4には、変動パターンPA4−1〜PA4−3が属している。変動パターンPA4−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、スーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA4−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びスーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA4−3は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連2回の実行及びスーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPA4は、ハズレ時に選択され、かつ、スーパーリーチAを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPA5は、スーパーリーチB(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA5には、変動パターンPA5−1〜PA5−3が属している。変動パターンPA5−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、スーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA5−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びスーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA5−3は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連2回の実行及びスーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPA5は、ハズレ時に選択され、かつ、スーパーリーチBを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPB3は、ノーマルリーチ(大当り)の変動カテゴリである。変動カテゴリPB3には、変動パターンPB3−1、PB3−2が属している。変動パターンPB3−1は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−2は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPB3は、大当り時に選択され、かつ、ノーマルリーチを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPB4は、スーパーリーチA(大当り)の変動カテゴリである。変動カテゴリPB4には、変動パターンPB4−1〜PB4−3が属している。変動パターンPB4−1は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、スーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB4−2は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びスーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB4−3は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連2回の実行及びスーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPB4は、大当り時に選択され、かつ、スーパーリーチAを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPB5は、スーパーリーチB(大当り)の変動カテゴリである。変動カテゴリPB5には、変動パターンPB5−1〜PB5−3が属している。変動パターンPB5−1は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、スーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB5−2は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びスーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB5−3は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連2回の実行及びスーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPB5は、大当り時に選択され、かつ、スーパーリーチBを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
図15に示すステップS262の処理では、例えば図17に示す大当り用変動カテゴリ決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を用いて、大当り時の変動カテゴリが決定される。一例として、大当り用変動カテゴリ決定テーブルでは、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動カテゴリの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り用変動カテゴリ決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動カテゴリを今回の変動カテゴリとして決定(選択)すればよい。なお、図17では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。
図15に示すステップS263の処理では、例えば図18に示すハズレ用変動カテゴリ決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を用いて、ハズレ時の変動カテゴリが決定される。遊技状態が非時短状態(時短フラグがオフ)であるときには、CPU103は、図18(A)に示すハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照する。遊技状態が時短状態(時短フラグがオン)であるときには、CPU103は、図18(B)に示すハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照する。一例として、各ハズレ用変動カテゴリ決定テーブルでは、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動カテゴリの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動カテゴリを今回の変動カテゴリとして決定(選択)すればよい。なお、図18では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。
図18に示すハズレ用変動カテゴリ決定テーブルでは、時短状態のときに特図変動時間の短い変動カテゴリPA1が選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
図17及び図18を参照すると、大当り時には、スーパーリーチBを実行する変動カテゴリPB5の決定割合が最も高くなっており、スーパーリーチAの変動カテゴリPB4、ノーマルリーチの変動カテゴリPB3の順に決定割合が徐々に低くなっている。ハズレ時には、非リーチの変動カテゴリPA1又はPA2を実行する変動カテゴリの決定割合が最も高くなっており、ノーマルリーチの変動カテゴリPA3、スーパーリーチAの変動カテゴリPA4、スーパーリーチBの変動カテゴリPA5の順に決定割合が徐々に低くなっている。このようなことから、スーパーリーチBが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
図15(A)に示すステップS265の処理では、ステップS262又はS263で決定した変動カテゴリに応じて、図19(A)〜(H)に示す変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)のいずれかを用いて、変動パターンが決定される。変動カテゴリがPA1であれば、図19(A)の変動パターン決定テーブルを参照する。変動カテゴリがPA2であれば、図19(B)の変動パターン決定テーブルを参照する。変動カテゴリがPA3であれば、図19(C)の変動パターン決定テーブルを参照する。変動カテゴリがPA4であれば、図19(D)の変動パターン決定テーブルを参照する。変動カテゴリがPA5であれば、図19(E)の変動パターン決定テーブルを参照する。変動カテゴリがPB3であれば、図19(F)の変動パターン決定テーブルを参照する。変動カテゴリがPB4であれば、図19(G)の変動パターン決定テーブルを参照する。変動カテゴリがPB5であれば、図19(H)の変動パターン決定テーブルを参照する。
一例として、各変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値MR4を示す数値データに基づいて、変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR4に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。なお、図19では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。
図19に示すように、この実施の形態では、大当り時におけるスーパーリーチA又はBの実行時には、擬似連2回の変動パターンの決定割合が高く、擬似連1回の変動パターンの決定割合が次に高く、擬似連0回の変動パターンの決定割合が最も低くなっている。一方で、ハズレ時は、その逆になっている。また、大当り時におけるノーマルリーチの実行時には、擬似連1回の変動パターンの決定割合が高く、擬似連0回の変動パターンの決定割合が最も低くなっている。一方で、ハズレ時は、その逆になっている。また、ハズレ時における非リーチ時(変動カテゴリPA2の場合)には、擬似連1回の変動パターンの決定割合が低くなっている。このようなことから、擬似連が実行される方が大当り期待度は高く、また、擬似連の回数が多い方が大当り期待度は高い。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される(可変表示終了時)までの所要時間である。特図変動時間は、図16に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図ゲームを開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図ゲームを開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、図15(B)に示すように、変動特図指定バッファ値が「1」である場合、第1特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、第1特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS265で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、背景指定コマンド(確変フラグの状態に応じた演出モード(背景)を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合、第2特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、第2特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS265で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、背景指定コマンド(確変フラグの状態に応じた演出モード(背景)を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図8のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。図20は、特別図柄変動処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、ステップS111で設定した特図変動時間が経過したか否か(特図表示結果を導出するタイミングであるか否か)を判定する(ステップS301)。ステップS310では、例えば、ステップS111で設定したで初期値を設定した遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、減算したタイマ値が「0」になったか否かを判定することで、特図変動時間が経過したか否かを判定すればよい。遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので(ステップS301;No)、特図ゲームにおける特図の可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い(ステップS302)、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには(ステップS301;Yes)、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)(ステップS303)、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い(変動特図指定バッファ値が「1」であれば第1図柄確定指定コマンドを送信設定し、変動特図指定バッファ値が「2」であれば第2図柄確定指定コマンドを送信設定する。)(ステップS304)、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する(ステップS305)。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。なお、第1特図と第2特図とのうちのどちらを変動させるか及びどちらに特図表示結果を表示するかは、変動特図指定バッファ値などで特定すればよい。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にリセットする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の背景(演出モード)を指定する背景指定コマンド(ここでは通常モードを指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、この実施の形態の大当り遊技状態での演出画面の背景は演出モードに依らないので、ここで背景指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、確変フラグの状態に基づいて背景指定コマンド(ここでは確変モードを指定するコマンド)を送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、背景指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、大入賞口開放指定コマンド(第1ラウンドを指定するコマンド)の送信設定などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、大入賞口閉鎖指定コマンド(ラウンド数カウンタのカウント値に応じたラウンド数を指定するコマンド)の送信設定、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理、大入賞口開放指定コマンド(ラウンド数カウンタのカウント値に応じたラウンド数を指定するコマンド)の送信設定などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、例えば、図21に例示する所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリア(RAM122はバックアップRAMではないので、クリアが行われる。)や各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、第4図柄の表示するための第4図柄制御処理(詳しくは後述する。)を実行し(ステップS76)、演出用乱数更新処理(ステップS77)を実行する。演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定(ステップS72)が再度実行される。
図22は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動カテゴリ判定結果指定コマンド)の受信があったかを判定する(ステップS681)。
始動入賞時コマンドを受信したときには(ステップS681;Yes)、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS682)。始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドや第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンドを第1始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)に格納する。始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンドを第2始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)に格納する。
図23(A)は、第1始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動カテゴリ判定結果指定コマンドを順番に記憶させる。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの始動入賞時コマンドを対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した始動入賞時コマンドを、各コマンドの受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図23(B)は、第2始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動カテゴリ判定結果指定コマンドを順番に記憶させる。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの始動入賞時コマンドを対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した始動入賞時コマンドを、各コマンドの受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図23における図柄判定結果指定コマンドの「C400(H)」及び変動カテゴリ判定結果指定コマンド「C500(H)」は、始動入賞時の「判定無し」を示す。また、例えば、第1特図保留記憶数指定コマンドの「C101(H)」は、当該始動入賞後の第1特図保留記憶数が1つであることを示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C202(H)」は、当該始動入賞後の第2特図保留記憶数が2つであることを示す。図柄判定結果指定コマンドの「C401(H)」は、始動入賞時の表示結果についての判定結果が「ハズレ」であることを示す。図柄判定結果指定コマンドの「C402(H)」は、始動入賞時の表示結果についての判定結果が「大当り」であることを示す。変動カテゴリ判定結果指定コマンドの「C511(H)」、「C525(H)」は、EXTデータに対応する所定の変動カテゴリを示す。図23では、第2特図ゲームの3つ目の保留記憶に対応する可変表示(第2特図ゲーム)の表示結果が「大当り」になると判定されている。また、第1特図ゲームの保留記憶については始動入賞時の判定が行われていない。このため、図23は、時短状態時における第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの内容を例示するものである。
なお、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。具体的には、保留表示番号と保留表示図柄の表示位置とが対応しており、これによって、始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。保留表示番号は、第1及び第2特図保留記憶部の保留番号とも基本的に対応する。
例えば、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、第1保留表示領域5Haの左から1番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、第1保留表示領域5Haの左から2番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」は、第1保留表示領域5Haの左から3番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」は、第1保留表示領域5Haの左から4番目の表示位置に対応する。
例えば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、第2保留表示領域5Hbの左から1番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、第2保留表示領域5Hbの左から2番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」は、第2保留表示領域5Hbの左から3番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」は、第2保留表示領域5Hbの左から4番目の表示位置に対応する。
例えば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に始動入賞時コマンドが格納されると、第2保留表示領域5Hbの左から4番目の表示位置に保留表示図柄が表示される。このとき、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「3」にも始動入賞時コマンドが格納されているはずなので、第2保留表示領域5Hbの左から1番目〜3番目の表示位置にも保留表示図柄が表示されている。
なお、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファには、ターゲットフラグが各保留表示番号に対応して設けられている。詳しくは後述するが、ターゲットフラグは、保留表示番号とともに当該フラグに対応する始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄がターゲットとして特殊態様や予告態様で表示されるときにオン状態になる。
図23の例では、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」に対応する始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄がターゲットになっており、このターゲットの保留表示図柄の表示態様が現在又は将来的に特殊態様又は予告態様になる。
この実施の形態では、主基板11側で、ステップS110(第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数−1)、ステップS101(第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数+1、及び、始動入賞時コマンド送信)、ステップS111(変動開始時コマンド送信)の順で処理が行われる可能性があり、このような場合には、演出制御基板12側では、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドが5つになってしまう可能性がある。このため、この実施の形態では、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに、保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域を設けているが、保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域や保留表示番号「1」〜「6」以上に対応する格納領域を設けてもよい。
ステップS682のあと、又は、始動入賞時コマンドを受信していないときには(ステップS681;No)、電源復旧指定コマンドの受信があったかを判定し(ステップS683)、受信有りの場合(ステップS683;Yes)、電源復旧画面の表示開始設定を行い(ステップS684)、電源復旧フラグをオン状態とする(ステップS685)。電源復旧画面は、電源復旧(電力供給の再開)があったこと(電断時の状態から遊技制御が再開されること)を報知する画面で、例えば、回りが暗く、「電源復旧」の文字を表示した画面である(図69などを参照)。ステップS684では、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、画像表示装置5に電源復旧画面を表示させることを開始させる。電源復旧フラグは、電源復旧画面を表示しているときにオン状態となるフラグであって、RAM122の所定領域に設けられる。
電源復旧指定コマンドの受信が無い場合(ステップS683;No)、又は、ステップS685のあと、復旧状態指定コマンドを受信したかを判定し(ステップS686)、受信有りの場合(ステップS686;Yes)、復旧状態指定コマンドの内容に応じた画面復旧条件(電源復旧画面から通常の演出画面に復帰されるときの条件)を設定する(ステップS687)。
演出制御用CPU120は、ステップS687において、例えば、図24に示すような画面復旧条件を設定する。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)が第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行中であれば、背景指定コマンドと、第1図柄確定指定コマンドと、第2図柄確定指定コマンドとの全ての受信を当該条件(以下、第1復旧条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第1画面復旧条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS689(下記の判定の前のタイミング)又はステップS693において、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドを受信しているときに、当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS689(前記受信確認フラグの制御後のタイミング)において、第1画面復旧条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグが全てオフ状態となっているかを判定し、全てオフ状態となっている場合に、第1復旧条件が成立したと判定する。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)が大当り遊技状態中であれば、大入賞口開放指定コマンドと、大入賞口閉鎖指定コマンドと、当り終了指定コマンドと、変動開始時コマンド(第1変動開始指定コマンド、第2変動開始指定コマンド、又は、変動パターン指定コマンドなど、変動開始時コマンドのうちのいずれかのコマンドのみとしてもよい。)と、デモ表示開始指定コマンドとのいずれかの受信を当該条件(以下、第2復旧条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第2画面復旧条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS689(下記の判定の前のタイミング)又はステップS693において、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドを受信しているときに、当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS689(前記受信確認フラグの制御後のタイミング)において、第2画面復旧条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグのいずれかがオフ状態となっているかを判定し、いずれかがオフ状態となっている場合に、第2復旧条件が成立したと判定する。
復旧状態指定コマンドが指定する内部状態(コマンドの内容)がその他の状態(上記状態とは異なる状態)であれば、変動開始時コマンド(第1変動開始指定コマンド、第2変動開始指定コマンド、又は、変動パターン指定コマンドなど、変動開始時コマンドのうちのいずれかのコマンドのみとしてもよい。)と、デモ表示開始指定コマンドとのいずれかの受信を当該条件(以下、第3復旧条件ともいう。)に設定する。この場合、例えば、RAM122の所定領域に設けた第3画面復旧条件フラグをオン状態とするとともに、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグそれぞれ(RAM122の所定領域に設けられる)をオン状態とする。そして、ステップS689(下記の判定の前のタイミング)又はステップS693において、オン状態となっている受信確認フラグに対応するコマンドを受信しているときに、当該受信コマンドに対応する受信確認フラグをオフ状態とする。演出制御用CPU120は、ステップS689(前記受信確認フラグの制御後のタイミング)において、第3画面復旧条件フラグがオン状態となっている場合には、前記各コマンドにそれぞれ対応する受信確認フラグのいずれかがオフ状態となっているかを判定し、いずれかがオフ状態となっている場合に、第3復旧条件が成立したと判定する。
復旧状態指定コマンドの受信が無い場合(ステップS686;No)、又は、ステップS685のあと、電源復旧フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS688)、オンの場合(ステップS688;Yes)、ステップS687で設定した画面復旧条件が成立したか否かを判定し(ステップS689)、成立している場合(ステップS689;Yes)、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、画像表示装置5における電源復旧画面の表示を終了させる(ステップS690)。ステップS689についての説明は、上述した通りである。
ステップS690のあと、画面復旧条件の成立させる受信コマンドに応じて演出制御プロセスフラグの値などの設定を行う(ステップS691)。ステップS691では、例えば、図25に示すような設定を行う。
背景指定コマンド、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンドの全てを受信して画面復旧条件(第1復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「0」に設定する。大入賞口開放指定コマンド又は大入賞口閉鎖指定コマンドを受信して画面復旧条件(第2復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「4」に設定するとともに、受信コマンドに応じて大当り遊技状態の演出(開放時と閉鎖時とで演出が変化する)を途中(大入賞口開放時又は閉鎖時)から再開する演出制御パターンを設定する(ラウンド数を報知する場合には、受信コマンドが示すラウンド数の報知を再開する演出制御パターンを設定してもよい。)。当り終了指定コマンドを受信して画面復旧条件(第2復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「5」に設定する。変動開始時コマンドを受信して画面復旧条件(第2復旧条件又は第3復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「1」に設定する(なお、変動開始時コマンドについては、変動開始時コマンドの各コマンドにそれぞれ対応して受信確認フラグを設け、各受信確認フラグが全てオフ状態となったときに変動開始時コマンドの受信による画面復旧条件が成立したと扱うようにしてもよい。)。デモ表示開始指定コマンドを受信して画面復旧条件(第3復旧条件)を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「0」に設定する。このような設定によって、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える。
ステップS692のあとは、電源復旧フラグをオフ状態とする(ステップS692)。
電源復旧フラグがオフ状態であったり(ステップS688;No)、画面復旧条件が成立していなかったり(ステップS689;No)、ステップS692のあと、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を行い(ステップS693)、コマンド解析処理を終了する。
図26は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。処理内容中のステップ番号は、上述で説明した同じステップ番号における処理が行われることを示す。他の処理内容は、例えば、ステップS693で行われる処理である。なお、電源復旧時コマンドとして受信したコマンドも表の処理が行われる。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。
演出制御用CPU120は、背景指定コマンドを受信しているときには、受信した背景指定コマンドの内容に基づいて、確変モードフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。確変モードフラグは、例えば、RAM122の所定領域に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。確変モードフラグがオン状態のときには、演出モードが確変モードになり、確変モードフラグがオフ状態のときには、演出モードが通常モードになる。なお、演出制御用CPU120は、確変モードフラグをオン状態にしたとき(つまり、演出モードが確変モードに変化したとき)又は確変モードフラグをオフ状態にしたとき(つまり、演出モードが通常モードに変化したとき)には、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、現在表示中の保留表示図柄を演出モードに対応した形状(四角印又は丸印)に変更する。
初期化指定コマンドの受信したときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、画像表示装置50において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
デモ表示開始指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、デモ表示を開始する制御を行うが、背景指定コマンドが指定する背景(又は確変モードフラグの状態に応じた背景)でのデモ表示を行うようにしてもよい。また、デモ表示は、演出モードによらず(背景指定コマンドによらず)、共通のデモ表示としてもよい。このような設定によって、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰をスムーズに行える。
図27は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、電源復旧フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS161)、オン状態のときには(ステップS161;Yes)、演出制御プロセス処理を終了する。これによって、電源復旧画面の表示中(電源復旧して間もない期間中)は、演出制御を制限できる。電源復旧フラグがオフ状態のときは(ステップS161;No)、保留表示設定処理を実行する(ステップS162)。
図28は、保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す保留表示設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファをチェックし(ステップS501)、新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)が保留表示番号「1」〜「4」のいずれかに対応する格納領域に格納されているかを判定する(ステップS502)。新たな受信コマンドが格納されていない場合には(ステップS502;No)、保留表示設定処理を終了する。
新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)が保留表示番号「1」〜「4」のいずれかに対応する格納領域に格納されている場合には(ステップS502;Yes)、当該受信コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンド及び変動カテゴリ判定結果指定コマンドが始動入賞時の「判定無し」を指定するものであるかを判定する(ステップS503)。
「判定無し」を指定するものでない場合(ステップS503;No)、通常態様以外の表示態様で保留表示図柄が現在表示されているか、通常態様以外の表示態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されているかを判定する(ステップS504)。この判定は、例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの全てのターゲットフラグの状態をチェックして行えばよい。ターゲットフラグは、保留表示図柄の表示態様を現在又は将来的に通常態様以外の表示態様にする場合にオン状態になるものであるので、オン状態のターゲットフラグがあると、通常態様以外の表示態様で保留表示図柄が現在表示されている、又は、通常態様以外の表示態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていると判定できる。
ターゲットフラグが全てオフ状態であるなどして、通常態様以外の表示態様で保留表示図柄が現在表示されていない、かつ、通常態様以外の表示態様に変化させる予定の保留表示図柄が現在表示されていない場合(ステップS504;No)、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファのうちの新たな受信コマンドが格納されているバッファに始動入賞時コマンドが3つ以上格納されているか(保留記憶数が3つ以上であるか)を判定する(ステップS505)。
始動入賞時コマンドが3つ以上格納されている場合(ステップS505;Yes)、保留表示パターンを決定する(ステップS506)。
ここで、保留表示図柄について説明する。保留表示図柄は、図29に示すように、演出モードに応じて態様(形状)が異なって継続表示される。ここでは、通常モードのときに、保留表示図柄は丸印となり(図29(A))、確変モードのときに、保留表示図柄は四角印となる(図29(B))。
また、保留表示図柄の表示態様(ここでは表示色)として、通常態様(青色)、特殊態様(白色及び灰色)、予告態様(黄色、緑色、赤色、及び、虹色)とがある(図30参照)。予告態様のうち、黄色は、大当り期待度が低く設定されている。例えば、保留表示図柄が最後に黄色だった場合には、大当り期待度は低い。予告態様のうち、緑色は、大当り期待度が中程に設定されている。例えば、保留表示図柄が最後に緑色だった場合には、大当り期待度は中程度になる。予告態様のうち、赤色は、大当り期待度が高く設定されている。例えば、保留表示図柄が最後に赤色だった場合には、大当り期待度は高い。予告態様のうち、虹色は、大当り確定に設定されている。例えば、保留表示図柄が最後に虹色だった場合には、ターゲットの特図ゲームの表示結果は「大当り」確定となる。
また、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に3つ以上の始動入賞時コマンドが格納されているとき(第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が3以上のとき)、保留表示図柄(ターゲット)の表示態様は変化することがある。当該表示態様の変化は、複数回の飾り図柄の可変表示に渡って行われる。
具体的には、図31(A)のように、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に3つ目の始動入賞時コマンドが格納されたとき(つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)、発生時に実行されている飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもよい。)の次の可変表示(次変動)及び次の次の可変表示(次次変動)において、前記3つ目の始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄(ターゲットであり、可変表示の実行ごとに表示位置が左にずれていく。)の表示態様を変化させることができる。また、この実施の形態では、ターゲットに対応する可変表示が実行されるときに、今回表示領域5Hc(図61など参照)に表示した保留表示図柄(ターゲット)の表示態様も変化させることができる。
具体的には、図31(B)のように、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に4つ目の始動入賞時コマンドが格納されたとき(つまり、第1特図又は第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)、発生時に実行されている飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもよい。)の次の可変表示(次変動)、次の次の可変表示(次次変動)、及び、次の次の次の可変表示(次次次変動)において、前記4つ目の始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄(ターゲットであり、可変表示の実行ごとに表示位置が左にずれていく。)の表示態様を変化させることができる。また、この実施の形態では、ターゲットに対応する識別情報の可変表示が実行されるときに、今回表示領域5Hc(図61など参照)に表示した保留表示図柄(ターゲット)の表示態様も変化させることができる。
ステップS506では、ターゲットの表示開始時(当該保留発生時)、次変動、次次変動、次次次変動における保留表示図柄(ターゲット)の表示態様のパターン(保留表示パターン)を決定する。ステップS506では、演出モード、保留発生時の保留記憶数、変動カテゴリに応じて、図32から図51のいずれかの保留表示パターン決定テーブルを参照して、保留表示パターンを決定する。
演出モードが通常モードであり、当該ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)である場合、変動カテゴリが変動カテゴリPA1又はPA2であるときには、図32の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA3であるときには、図33の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA4又はPA5であるときには、図34の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB3であるときには、図35の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB4又はPB5であるときには、図36の保留表示パターン決定テーブルを参照する。
演出モードが確変モードであり、当該ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)である場合、変動カテゴリが変動カテゴリPA1又はPA2であるときには、図37の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA3であるときには、図38の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA4又はPA5であるときには、図39の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB3であるときには、図40の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB4又はPB5であるときには、図41の保留表示パターン決定テーブルを参照する。
演出モードが通常モードであり、当該ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図又は第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)である場合、変動カテゴリが変動カテゴリPA1又はPA2であるときには、図42の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA3であるときには、図43の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA4又はPA5であるときには、図44の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB3であるときには、図45の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB4又はPB5であるときには、図46の保留表示パターン決定テーブルを参照する。
演出モードが確変モードであり、当該ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図又は第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)である場合、変動カテゴリが変動カテゴリPA1又はPA2であるときには、図47の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA3であるときには、図48の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPA4又はPA5であるときには、図49の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB3であるときには、図50の保留表示パターン決定テーブルを参照し、変動カテゴリが変動カテゴリPB4又はPB5であるときには、図51の保留表示パターン決定テーブルを参照する。
各保留表示パターン決定テーブルは、ROM121に予め記憶されて用意される。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示パターン決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する。保留表示パターン決定テーブルには、決定結果となる各保留表示パターンに、乱数値SR1と比較される決定値が割り当てられている。演出制御用CPU120は、図32〜図51の保留表示パターン決定テーブルのいずれかを参照し、保留表示パターン決定用の乱数値SR1に合致する決定値に割り当てられている保留表示パターンを今回の保留表示パターンとして決定(選択)する。なお、各図では、各保留表示パターンに割り当てられる決定値の代わりに各保留表示パターンの決定割合が記載されている。
図32〜図51における保留発生時の欄に記載された色は、当該ターゲットの保留表示図柄の表示開始時(当該ターゲットの保留記憶発生時)における保留表示図柄の表示色である。次変動の欄に記載された色は、次変動における保留表示図柄の表示色である。次次変動の欄に記載された色は、次次変動における保留表示図柄の表示色である。次次次変動の欄に記載された色は、次次次変動における保留表示図柄の表示色である。なお、矢印が含まれる欄は、表示色が変化することを示す。例えば、H3−7では、次変動において保留表示図柄の表示色が青色から白色に変化することになる。1つの色しか記載されていない場合には、表示色は変化しないことも示す。
図32〜図51を参照して分かるように、この実施の形態では、通常態様である青色が保留発生時から変化しない保留表示パターン(H3−1、H3−4など)がある。この保留表示パターンが選択されたときは、ターゲットの保留表示図柄の表示態様は、通常態様のままで、当該ターゲットに対応する可変表示の実行時まで変化しないことになる。
各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は任意に設定可能である。但し、各保留表示パターンにおける最後の変動の欄の保留表示図柄の表示色(変化する場合には変化後の表示色)が黄色、緑色、赤色である保留表示パターンについては、大当り期待度が、黄色が最も低く、緑色が次に低く、赤色が最も高くなるように、前記決定割合が設定される。例えば、変動カテゴリPA4、PA5、PB4、PB5のとき(変動カテゴリPB4、PB5のときのみであってもよい。)に、最後の変動の欄の保留表示図柄の表示色が、赤色となる保留表示パターン、緑色となる保留表示パターン、黄色となる保留表示パターンの順で選択されやすいよう決定割合を設定し、それ以外のとき(ハズレの変動カテゴリのとき)に、最後の変動の欄の保留表示図柄の表示色が、黄色となる保留表示パターン、緑色となる保留表示パターン、赤色となる保留表示パターンの順で選択されやすいよう決定割合を設定すればよい。最後の変動は、当該ターゲットが保留記憶3つ目である場合には次次変動であり、4つ目である場合には次次次変動である。最後の変動の欄の保留表示図柄の表示色(変化する場合には変化後の表示色)を、以下では最終色という。最終色は、第1保留表示領域5Ha又は第2保留表示領域5Hbに表示される保留表示図柄の最後の色でもある。なお、変動カテゴリPA4、PA5、PB4、PB5のときに参照される保留表示パターン決定テーブルでは、最終色が赤色又は緑色となる保留表示パターンが比較的多くなっており、最終色が黄色となる保留表示パターンが比較的少ないので、基本的には、赤色や緑色の大当り期待度が高くなる。また、変動カテゴリPA4、PA5、PB4、PB5のときのみ、最終色が赤色になり得るので、赤色の大当り期待度は、黄色や緑色よりも大当り期待度が高くなる(変動カテゴリPA4、PA5、PB4、PB5が選択されたときの大当り期待度は、他の変動カテゴリが選択されたときの大当り期待度よりも高いため)。
なお、最終色が虹色になる保留表示パターン(J3−48など)は、ターゲットの可変表示の表示結果が大当りとなるときにのみ(つまり、変動カテゴリが、変動カテゴリPB4及びPB5のときにのみ)、選択され得る。このため、最終色が虹色になった場合には、そのターゲットは大当り確定になる。
各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は、青色から予告態様の表示色(黄色、緑色、赤色、虹色)に変化するパターンを含む保留表示パターン(H3−2、H3−5、H3−7など)よりも、白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターン(H3−7、H3−9など)の方が高く設定される。例えば、各保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターンの決定割合(合計値又は平均値、以下適宜同じ)よりも、白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターンの決定割合の方が高くなるようにする。また、各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターン(H3−2、H3−5、H3−7など)よりも、灰色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターン(H3−11、H3−12など)の方が選択されやすいように設定される。例えば、各保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターンの決定割合よりも、灰色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターンの決定割合の方が高くなるようにする。これによって、保留表示図柄が特殊態様のときには、通常態様に比べて、予告態様に変化し易くなる。
図32〜図51を参照して分かるように、この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと白色で変化しない保留表示パターン(H3−3など)はあるが、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと灰色で変化しない保留表示パターンはない。このため、同じ特殊態様であっても、表示色が白色であるときと灰色であるときとで、他の表示色に変化する割合が異なることになる。
図32〜図51を参照して分かるように、この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が灰色から赤色や虹色に変化する保留表示パターン(H3−19,H3−20、J3−48など)はあるが、白色から赤色や虹色に変化する保留表示パターンはない。このため、同じ特殊態様であっても、表示色が白色であるときと灰色であるときとで、他の表示色のいずれに変化するかの選択割合が異なることになる。
図32〜図51を参照して分かるように、この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が黄色から灰色に変化したあと、変化後の灰色から緑色、赤色、又は虹色に変化する保留表示パターン(H3−40、H3−47、H3−48など)がある。また、保留表示図柄の表示色が緑色から灰色に変化したあと、変化後の灰色から緑色、赤色、又は虹色に変化する保留表示パターン(K3−41、K3−42、K3−51など)がある。このため、保留表示図柄の表示態様は、特殊態様から変化し得る表示態様から特殊態様に変化し、さらに、特殊態様から他の表示態様に変化することがある。そして、特に、特殊態様から変化した後の予告態様は、変化前の予告態様に比べて大当り期待度が同じであるか高くなる予告態様になる。
図32〜図51を参照して分かるように、この実施の形態では、当該ターゲットが保留記憶4つ目である場合において、次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色又は灰色に変化するときには、最終表示色が緑色にのみなるが(K3−7、K3−11、K3−19など)、次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色に変化するときには、最終表示色が緑色の他、赤色や虹色にもなる(K3−13、K3−14、K3−15、K3−22、K3−23など)。このため、保留表示図柄の表示態様が特殊態様になるタイミングに応じて大当り期待度が異なることになる。
図32〜図51を参照して分かるように、この実施の形態では、当該ターゲットが保留記憶4つ目である場合において、次次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色又は灰色から変化するときには、最終表示色が赤色、虹色に変化できるが(K3−42、K3−49〜51など)、次次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色から変化するときには、最終表示色が赤色や虹色にはならない(K3−9、K3−18、K3−20など)。このため、保留表示図柄の表示態様が特殊態様から変化するタイミングに応じて大当り期待度が異なることになる。
各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は、当該ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)である場合と、当該ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図又は第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)である場合とで、保留表示図柄の表示態様が特殊態様になる保留表示パターンの決定割合(当該保留表示パターンの決定割合の平均値又は合計値)が異なるように設定してもよい。これによって、保留記憶に応じて特殊態様の出現率を変えることができる。
図32〜図51を参照して分かるように、この実施の形態では、演出モードが通常モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがあるが(H3−3、H3−5など)、演出モードが確変モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがない。このように、演出モードに応じて保留表示図柄の表示態様を特殊態様(ここでは、白色)にする割合を変化させる。
図32〜図51を参照して分かるように、この実施の形態では、保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から白色にして変化させない保留表示パターン(H3−3など)は、ハズレ時に選択される変動カテゴリPA1及びPA2のときのみ選択される。一方で、最終色が青色になる保留表示パターン(H3−1、H3−4など)は、大当り時に選択される変動カテゴリPB3のときに選択されることがある。このため、保留表示図柄の表示態様を最初から特殊態様にしたまま変化させないときの大当り期待度は、保留表示図柄の最終色を通常態様にしたときよりも低くなる(大当り期待度=0)。特に、保留表示図柄の表示色を表示開始時から白色にして変化させない保留表示パターンを選択した場合には、当該ターゲットの可変表示はリーチ態様にならない。
ステップS506のあと、演出制御用CPU120は、ステップS506で決定した保留表示パターンが保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から青色(通常態様)にして変化させないパターン(H3−1など)であるかを判定する(ステップS507)。
保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から青色(通常態様)にして変化させないパターンでない場合(ステップS507;No)、決定した保留表示パターンに応じた設定をターゲットフラグ、予告バッファに対して行う(ステップS508)。具体的には、新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)に対応するターゲットフラグをオン状態とするとともに(これによって、対応する保留表示図柄の表示態様が通常態様以外になりうる。)、選択した保留表示パターンの内容を、RAM122の所定領域に設けられた予告バッファに格納する。予告バッファは、図52のように、保留表示パターンの内容を変動毎に格納する。格納される保留表示パターンの内容は、表示色や、変化前及び変化後の表示色などであればよい。なお、ある変動において表示色を変化させないときには、当該変動に対応する格納領域をブランク(空)としてもよい。予告バッファを見れば、保留表示パターンの内容が分かるように予告バッファの設定を行えばよい。
ステップS508のあと、現在の演出モードが確変モードであるかを判定する(ステップS509)。確変モードであるか否かは、確変モードフラグがオン状態になっているか否かによって判定すればよい。確変モードフラグがオフ状態のときには現在の演出モードは通常モードなので(ステップS509;No)、演出制御用CPU120は、決定した保留表示パターンのうちの保留発生時の欄の表示色(表示開始時の表示色)、かつ、通常モード用の形状(丸印の形状)で、保留表示図柄の表示を開始する(ステップS510)。演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示することを開始する。
確変モードフラグがオン状態のときには現在の演出モードが確変モードなので(ステップS509;Yes)、演出制御用CPU120は、決定した保留表示パターンのうちの保留発生時の欄の表示色(表示開始時の表示色)、かつ、確変モード用の形状(四角印の形状)で、保留表示図柄の表示を開始する(ステップS511)。演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示することを開始する。
図柄判定結果指定コマンド及び変動カテゴリ判定結果指定コマンドが「判定無し」を指定するものである場合(ステップS503;Yes)、ターゲットフラグがオン状態のものがあるなどして、現在表示中の保留表示図柄のうちのいずれかの表示態様が通常態様以外の表示態様になっている又は通常態様以外の表示態様になる予定がある場合(ステップS504;Yes)、始動入賞時コマンドが3つ以上格納されていない場合(ステップS505;No)、保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から青色(通常態様)にして変化させないパターンである場合(ステップS507;Yes)、保留表示図柄の表示態様を通常態様以外のものにしないようにするため、演出制御用CPU120は、青色(通常態様)の表示色で、保留表示図柄の表示を開始する(ステップS512)。このとき、現在が確変モード中であれば確変モード用の形状(四角印の形状)で保留表示図柄を表示する。現在が通常モード中であれば通常モード用の形状(丸印の形状)で保留表示図柄を表示する。演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示することを開始する。
現在表示中の保留表示図柄のうちのいずれかの表示態様が通常態様以外の表示態様になっている又は通常態様以外の表示態様になる予定がある場合(ステップS504;Yes)は、保留表示図柄が予告態様になっている又はなる予定である場合を含む。このように、今回ターゲットとなる保留表示図柄以外の保留表示図柄についての先読み予告の実行期間中(先読み予告の実行を決定してから先読み予告が実行されるまでの期間を含む)には、それ以外の場合に比べて保留表示図柄の表示態様を特殊態様や予告態様にする割合が異なるようになっている。
図27に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS162のあと、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出制御プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出制御プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図53は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA2−1、PA2−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を実行する(ステップS530)。図54は、演出制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御パターン設定処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファから始動入賞時コマンドを読み出す(ステップS701)。演出制御用CPU120は、第1図柄変動開始指定コマンドが伝送されている場合には、第1始動入賞時コマンドバッファのうちの保留表示番号のうち最上位の「1」に対応する始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態を読み出す。演出制御用CPU120は、第2図柄変動開始指定コマンドが伝送されている場合には、第2始動入賞時コマンドバッファのうちの保留表示番号のうち最上位の「1」に対応する始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態を読み出す。
次に、予告バッファから、次変動に対応して格納された保留表示パターンの内容のデータを読み出す(ブランクの場合、予告バッファに内容が記憶されていない場合には何も読み出さない)(ステップS702)。
次に、ステップS702に続いて、演出制御用CPU120は、ステップS703において、始動入賞時コマンドを読み出した方の始動入賞時コマンドバッファの記憶内容を1つずつ上位にシフトさせる。具体的には、保留表示番号「2」〜「5」に対応して記憶された始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態をそれぞれ、保留表示番号「1」〜「4」にシフトさせる。また、演出制御用CPU120は、ステップS703において、予告バッファの次次変動、次次次変動に対応する内容のデータを、次変動、次次変動にそれぞれ対応させて格納させる。なお、予告バッファに保留表示パターンの内容のデータが格納されていない場合には、当該シフトを行わなくてもよい。
演出制御用CPU120は、ステップS703のあとに、予告演出の実行の有無などを決定する(ステップS704)。ステップS704では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出実行決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて予告演出実行決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、予告演出の実行の有無、実行する場合の予告演出の種類を決定する。演出制御用CPU120は、特図表示結果が「ハズレ」のときには、図55(A)の予告演出実行決定テーブルを参照する。特図表示結果が「大当り」のときには、図55(B)の予告演出実行決定テーブルを参照する。予告演出実行決定テーブルは、実行無しと、予告演出Aと、予告演出Bと、の決定結果それぞれに、乱数値SR2と比較される決定値が割り当てられている。演出制御用CPU120は、乱数値SR2に合致する決定値が「実行無し」に割り当てられていた場合には予告演出を実行しないと決定し、乱数値SR2に合致する決定値が「予告演出A」に割り当てられていた場合には予告演出Aを実行すると決定し、乱数値SR2に合致する決定値が「予告演出B」に割り当てられていた場合には予告演出Bを実行すると決定する。なお、図55では、決定値の代わりに決定割合で記載がされている。
図55のように、特図表示結果が「大当り」のときには、予告演出Bの決定割合が高く、予告演出Aの決定割合が次に高く、実行無しの決定割合が最も低い。特図表示結果が「ハズレ」のときはその逆になっている。このため、予告演出Bを実行したときは、大当り期待度が高く、予告演出Aを実行したときは予告演出を実行しないときよりも大当り期待度が高くなる。
ステップS704のあと、ステップS702で予告バッファから読み出した内容のデータが保留表示図柄の表示態様を変化させる内容((変化前と変化後の表示色)のデータであるかを判定する(ステップS705)。変化させる内容のデータである場合には(ステップS705;Yes)、予告演出を実行するかを判定する(ステップS706)。予告演出を実行する場合(ステップS706;Yes)、作用演出無しで保留表示図柄の表示態様を変化させることを決定する(ステップS707)。
予告演出を実行しない場合(ステップS706;No)、作用演出の実行の有無を決定する(ステップS708)。演出制御用CPU120は、ステップS708において、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される作用演出実行決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて作用演出実行決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、作用演出の実行の有無、実行する場合の作用演出の種類を決定する。演出制御用CPU120は、特図表示結果が「ハズレ」のときには、図56(A)の作用演出実行決定テーブルを参照する。特図表示結果が「大当り」のときには、図56(B)の作用演出実行決定テーブルを参照する。作用演出実行決定テーブルは、実行無しと、作用演出Aと、作用演出Bと、の決定結果それぞれに、乱数値SR3と比較される決定値が割り当てられている。演出制御用CPU120は、乱数値SR3に合致する決定値が「実行無し」に割り当てられていた場合には作用演出を実行しないと決定し、乱数値SR3に合致する決定値が「作用演出A」に割り当てられていた場合には作用演出Aを実行すると決定し、乱数値SR2に合致する決定値が「作用演出B」に割り当てられていた場合には作用演出Bを実行すると決定する。なお、図56では、決定値の代わりに決定割合で記載がされている。
図56のように、特図表示結果が「大当り」のときには、作用演出Bの決定割合が高く、作用演出Aの決定割合が次に高く、実行無しの決定割合が最も低い。特図表示結果が「ハズレ」のときはその逆になっている。このため、作用演出Bを実行したときは、大当り期待度が高く、作用演出Aを実行したときは作用演出を実行しないときよりも大当り期待度が高くなる。つまり、作用演出の種類によって、大当り期待度が異なるようになっている。
ステップS702で予告バッファから読み出した内容のデータが保留表示図柄の表示態様を変化させる内容((変化前と変化後の表示色)のデータでない場合(予告バッファにデータが格納されていない場合も含む。)(ステップS705;No)は、ステップS701で読み出したターゲットフラグの状態がオン状態であるかを判定し(ステップS709)、オン状態の場合には(ステップS710;Yes)、今回実行される可変表示に対応して今回保留領域5Hcに表示される保留表示図柄について、今回保留予告の実行の有無などを決定する(ステップS710)。
ステップS710では、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンと、今回の消化対象の保留データに対応する始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄(第1保留表示領域5Ha(第1特図ゲームの実行の場合)又は第2保留表示領域5Hb(第2特図ゲームの実行の場合)のうちの一番左の表示位置に表示されている保留表示図柄)の表示態様(現在の保留表示図柄の色であり、以下、現在色ともいう。)と、に基づいて今回保留予告の実行の有無などを決定する。具体的には、図57に示すような対応表(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を用いて、変動パターンと現在色とに対応する参照テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を特定し、特定した参照テーブルを参照して今回保留予告の実行の有無などを決定する。
図57では、行を変動パターンとし、列を現在色としている。図50において、今回の変動パターンに対応する行と、今回の現在色に対応する列とが交差する欄に記載されたテーブル名の参照テーブルを、今回参照する参照テーブルとする。例えば、今回の変動パターンがPB5−3で、今回の現在色が赤色であれば、参照テーブルTA7が今回参照する参照テーブルとして特定(選択)される。なお、図57の「−」は、当該欄になる、今回の変動パターンと今回の現在色との組合せがないことを示す。
各参照テーブルは、図58に示される。各テーブルは、変化無しと、変化させたあとの各表示色と、の決定結果それぞれに、今回保留予告実行決定用の乱数値SR4と比較される決定値が割り当てられている。演出制御用CPU120は、参照する参照テーブルを特定すると、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値SR4を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、前記で特定した参照テーブルを参照して、今回保留予告の実行の有無などを決定する。演出制御用CPU120は、前記で特定した参照テーブルを参照して、乱数値SR4に合致する決定値が「変化無し」に割り当てられていた場合には今回表示領域5Hcに表示される保留表示図柄の表示色を変更しない(つまり、今回保留予告を実行しない)と決定し、乱数値SR4に合致する決定値が「緑色」などの各表示色に割り当てられていた場合には割り当てられた表示色に、今回表示領域5Hcに表示される保留表示図柄(現在色の保留表示図柄)の表示色を変化させる(つまり、前記割り当てられた表示色に変化させる保留表示予告を実行する)と決定する。なお、図51では、決定値の代わりに決定割合で記載がされている。
図57や図58を参照すると、変動パターンが大当り期待度の高いもの(例えば、スーパーリーチや擬似連2回などを指定するもの)であるにも関わらず、現在色が大当り期待度の低いものである場合(例えば、PB5−3と赤色との組合せの場合など)には、保留表示図柄の表示色を大当り期待度の高い色に変化させる決定割合が高い参照テーブル(例えば、参照テーブルTA−4など)が参照されることになる。このように、この実施の形態では、今回の変動パターンが大当り期待度の高いものである場合には、今回の現在色が大当り期待度の低ければ、今回保留予告が実行され、保留表示図柄の表示色を大当り期待度の高い色に変更しやすくしている。
また、この実施の形態では、今回の現在色が白色である場合には、参照テーブルTA−1が参照される。参照テーブルTAー1は、その決定値が全て「変化無し」に割り当てられているので、このような場合には、今回保留予告が実行されない。つまり、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbに表示された保留表示図柄が特殊態様のときには他の表示態様に変化することがあるが(保留表示パターン参照)、今回表示領域5Hcに表示された保留表示図柄が特殊態様のときには他の表示態様に変化しない。このように、この実施の形態では、特殊態様の保留表示図柄が、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbに表示されているときと、今回表示領域5Hcに表示されているときとで、異なる割合で他の表示態様に変化する(ここでは、一方の割合が「0」)。
ステップS708のあと、ステップS707のあと、ステップS710のあと、又は、ステップS709でターゲットフラグがオフと判定した場合(ステップS709;No)には、演出制御用CPU120は、上記で決定した決定内容に応じた演出制御パターンを今回使用する使用パターンとして設定する(ステップS711)。ここでは、たとえば、作用演出、保留表示図柄の表示色の変更、可変表示中演出(リーチ演出や可変表示演出や予告演出)ごとに演出制御パターンが用意され、これら演出制御パターンがステップS711で適宜組み合わされて1つの演出制御パターンとして設定される。
ステップS711では、例えば、作用演出A又はBを実行すると決定した場合には、作用演出A又はBを実行し、また、作用演出の実行後に、ステップS702で予告バッファから読み出した内容で保留表示図柄の表示態様を変化させる演出制御パターンを設定する。例えば、予告演出A又はBを実行すると決定した場合には、予告演出A又はBを実行する演出制御パターンを設定する。今回保留予告を実行すると決定した場合には、決定した表示色に変更する今回保留予告を実行する演出制御パターンを設定する。作用演出無しで保留表示図柄の表示色を変更すると決定した場合には、決定した表示色に保留表示図柄を変更する演出制御パターンを設定する。
設定される演出制御パターンは、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンで飾り図柄の可変表示を実行する演出制御パターンであり、また、演出モードに応じた内容(背景)の可変表示中演出を実行する演出制御パターンでもある。
また、設定される演出制御パターンは、第1保留表示領域5Ha(第1変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態などであることによって第1変動開始指定コマンドを受信している場合)又は第2保留表示領域5Hb(第2変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態などであることによって第2変動開始指定コマンドを受信している場合)に表示させている保留表示図柄のうち最も左側の表示位置に表示していた保留表示図柄を今回表示領域5Hcに移動表示させ、かつ、同じ保留表示領域のその他の表示位置に保留表示図柄が表示されている場合には当該保留表示図柄を1つ左の表示位置に移動表示させるパターンでもある。この移動表示は、飾り図柄の可変表示の開始時に行われる。なお、保留表示図柄の移動表示の際には、その表示態様が維持されるが、ステップS702で予告バッファから読み出した内容が保留表示図柄の表示態様を変化させるものである場合(作用演出無しの場合)には、その内容に従って、移動表示させる際に保留表示図柄の表示色を、その内容が示す変化後の表示色に変化させるようにする。
図53に戻り、ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。このとき、保留表示図柄の移動表示なども開始される。その後、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS536)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図59は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、設定されている演出制御パターンに従った演出動作制御を行う(ステップS560)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、予告演出、今回保留予告、作用演出、リーチ演出、保留表示図柄の表示色の変更、飾り図柄の可変表示動作、保留表示予告の移動表示などの実行が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。そして、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出制御プロセスフラグの値を“4”に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の当り中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。なお、大入賞口開放指定コマンドの受信や大入賞口閉鎖指定コマンドの受信があったとき(各コマンド格納領域にコマンドが新たに格納されたとき)には、各コマンドが示すラウンド数に応じた演出(例えば、大入賞口の開放又は閉鎖やラウンド数などを報知する演出)を実行するように、演出制御パターンを設定する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して当り中処理を終了する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
次に、図60を参照して、第4図柄制御処理を説明する。第4図柄制御処理において、演出制御用CPU120は、変動開始時コマンドの受信があるかを判定し(ステップS901)、受信有りの場合に(ステップS901;Yes)、変動開始する特図に対応する第4図柄の表示開始の制御を行う(ステップS902)。変動開始時コマンドに第1変動開始指定コマンドが含まれている場合には、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、領域5F(図61など)に第4図柄を表示させる(領域5Fの円が塗り潰される)。変動開始時コマンドに第2変動開始指定コマンドが含まれている場合には、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、領域5G(図61など)に第4図柄を表示させる(領域5Gの円が塗り潰される)。
変動開始時コマンドの受信が無い場合(ステップS901;No)、ステップS902のあと、第1図柄確定指定コマンドの受信があるかを判定し(ステップS903)、受信有りの場合(ステップS903;Yes)、第1特図ゲームに対応する第4図柄の表示終了制御を行う(ステップS904)。受信無しの場合(ステップS903;No)、ステップS908に進む。ステップS904では、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、領域5F(図61など)における第4図柄の表示を終了させる(領域5Fの円の塗り潰しを解除する)。その後、復旧状態指定コマンドの受信があるかを判定し(ステップS905)、受信有りの場合(ステップS905;Yes)、当該コマンドが示す状態(EXTデータが示す状態)が第2特図ゲーム実行中又は第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であるかを判定し(ステップS906)、第2特図ゲーム実行中又は第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(ステップS906;Yes)、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がないので、ステップS908に進む(この場合、表示結果は表示されない)。復旧状態指定コマンドの受信が無い場合(ステップS905;No)、通常の第1特図ゲームの終了であり、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がある。また、当該コマンドが示す状態(EXTデータが示す状態)が第2特図ゲーム実行中と第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中とのいずれでもない場合(ステップS906;No)も第2特図ゲームが実行されてなく、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がある。これらの場合、表示結果指定コマンド(電源復旧時は、電源復旧時コマンドとして送信されたコマンドであり、それ以外は変動開始時コマンドとして送信されたコマンドである)が示す可変表示結果に応じた表示結果を表示する制御を行う(例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、可変表示結果に応じた色で領域5Fの円を塗り潰す)(ステップS907)。ステップS907のあとは、ステップS908に進む。
ステップS908では、第2図柄確定指定コマンドの受信があるかを判定し(ステップS908)、受信有りの場合(ステップS908;Yes)、第2特図ゲームに対応する第4図柄の表示終了制御を行う(ステップS909)。受信無しの場合(ステップS908;No)、ステップS913に進む。ステップS909では、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、領域5G(図61など)における第4図柄の表示を終了させる(領域5Gの円の塗り潰しを解除する)。その後、復旧状態指定コマンドの受信があるかを判定し(ステップS910)、受信有りの場合(ステップS910;Yes)、当該コマンドが示す状態(EXTデータが示す状態)が第1特図ゲーム実行中又は第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中であるかを判定し(ステップS911)、第1特図ゲーム実行中又は第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中である場合には(ステップS911;Yes)、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がないので、ステップS913に進む(この場合表示結果は表示されない。)。復旧状態指定コマンドの受信が無い場合(ステップS913;No)、通常の第2特図ゲームの終了であり、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がある。当該コマンドが示す状態(EXTデータが示す状態)が第1特図ゲーム実行中と第1特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態中とのいずれでもない場合(ステップS911;No)も第2特図ゲームが実行されてなく、第4図柄の表示の表示結果を表示する必要がある。これらの場合、表示結果指定コマンド(電源復旧時は、電源復旧時コマンドとして送信されたコマンドであり、それ以外は変動開始時コマンドとして送信されたコマンドである)が示す可変表示結果に応じた表示結果を表示する制御を行う(例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、可変表示結果に応じた色で領域5Gの円を塗り潰す)(ステップ912)。ステップS912のあとは、ステップS913に進む。
なお、ステップS907又はステップS912で表示された表示結果は所定時間(又は次の特図ゲームが実行されるまで)、表示するようにすればよい。
ステップS913では、電源復旧指定コマンドの受信があったかを判定し、電源復旧指定コマンドの受信があった場合には(ステップS913;Yes)、2つの第4図柄の表示を開始する制御を行う(ステップS914)。例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させて、可変表示結果に応じた色で領域5F及び5Gの円を塗り潰して、第4図柄を表示させる。
なお、上記処理によって、第1特図ゲームの実行に対応して、領域5Fに第4図柄が表示され、第1特図ゲームの終了時(可変表示結果導出時)に第4図柄の表示の表示結果(可変表示結果に対応した表示結果)が表示(導出)される。第2特図ゲームの実行に対応して、領域5Gに第4図柄が表示され、第2特図ゲームの終了時(可変表示結果導出時)に第4図柄の表示の表示結果(可変表示結果に対応した表示結果)が表示(導出)される。第4図柄の表示の終了は、図柄確定指定コマンドの受信を契機としている。また、特図ゲームが実行されていないときなどには、直近の特図ゲームの可変表示結果に対応する表示結果が、第4図柄の表示の表示結果として表示されることがある。また、電源復旧後には、一旦2つの第4図柄が両方表示される。そして、その後、復旧時に実行されていない特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンドが送信されてくることによって、対応する第4図柄の表示が終了する。電源復旧時、第1特図ゲームが実行されていないときには、第1図柄確定指定コマンドが送信され、領域5Fの第1特図ゲームに対応する第4図柄の表示が終了する。電源復旧時、第2特図ゲームが実行されていないときには、第2図柄確定指定コマンドが送信され、領域5Gの第2特図ゲームに対応する第4図柄の表示が終了する。電源復旧時、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームが実行されていないときには、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドが送信され、領域5F及び5Gの各第4図柄の表示が終了する。なお、第1特図ゲームも第2特図ゲームも実行されていないときには、直近の特図ゲームの可変表示の表示結果に対応する表示結果が第4図柄の表示終了時に表示される。例えば、大当り遊技状態中では、領域5F及び5Gのいずれか(大当り遊技状態の契機となる大当りが第1特図ゲームであれば領域5F、第2特図ゲームであれば領域5G)で、大当りに対応する表示結果が表示される。デモ中では、領域5F及び5Gのいずれかにおいても、直近の特図ゲームの可変表示結果に対応する表示結果が表示される(本実施の形態では、直近の特図ゲームが第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかわからないため)。
次に、上記一連の処理によって表示される演出画像を説明する。図61のように、飾り図柄の可変表示中において、第1保留表示領域5Haには、第1特図ゲームについて保留されている可変表示などに対応する保留表示図柄Hが表示され、第2保留表示領域5Hbには、第2特図ゲームについて保留されている可変表示などに対応する保留表示図柄Hが表示され、これら保留表示図柄Hのうち、今回実行される可変表示に対応する保留表示図柄Hが今回表示領域5Hcに表示される。今回表示領域5Hcに表示されている保留表示図柄Hは、可変表示の終了とともに消去される。また、第4図柄の表示も領域5F又は5Gで行われる。なお、図61では、次回の可変表示の実行時に、第2保留表示領域5Hbの一番左の表示位置に表示された保留表示図柄Hを今回表示領域5Hcに移動させて表示する(表示色は維持される。)。また、第2保留表示領域5Hbの他の保留表示図柄Hは1つ左の表示領域に移動する。第2特図ゲームについて保留が無い場合には、次回の可変表示の実行時に、第1保留表示領域5Haの一番左の表示位置に表示された保留表示図柄Hを今回表示領域5Hcに移動させて表示する(表示色は維持される。)。また、第1保留表示領域5Haの他の保留表示図柄Hは1つ左の表示領域に移動する。なお、図61において、矢印は飾り図柄が可変表示されている状態を示す(他の図でも同じ)。
図62のように、予告演出Aの実行時には、例えば、キャラクターC1が登場することで予告演出Aが実行される。図63のように、予告演出Bの実行時には、例えば、戦車C2が登場することで予告演出Bが実行される。
図64のように、作用演出Aの実行時には、例えば、ブーメランS1がターゲットに向かって移動し、ブーメランS1がターゲットの保留表示図柄H(第2保留表示領域5Hbの一番右の図柄)にぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化する。なお、作用演出が実行されても、保留表示図柄Hの表示色が変化しない場合があってもよく、この場合には、例えば、ブーメランS1が途中で消える(図64の二段目右側の画像)。
図65のように、作用演出Bの実行時には、例えば、星S2がターゲットに向かって移動し、星S2がターゲットの保留表示図柄H(第2保留表示領域5Hbの一番右の図柄)にぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化する。なお、作用演出が実行されても、保留表示図柄Hの表示色が変化しない場合があってもよく、この場合には、例えば、星S2が途中で消える(図65の二段目右側の画像)。
図66のように、今回保留予告の実行時には、今回表示領域5Hcに表示された保留表示図柄Hの表示色が変更される。表示色は、切り替わるように変更されてもよいし、徐々に表示色を変化させて変更されてもよい。また、作用演出などの演出を実行してから表示色を変更してもよい。今回保留予告は、リーチ成立前の所定タイミングや、リーチ成立後の可変表示結果導出前の所定タイミングで行われてもよい。
図67のように、第4図柄は、第2特図用の第4図柄(第2特図ゲームに対応した第4図柄)は、画像表示装置5の左上の領域5Gに表示される。領域5Gは、第4図柄の非表示時には、中が塗り潰されていない円で表され、第4図柄の表示時に、その円の中が塗り潰されることで、領域5Gに第4図柄が表示される(当該塗り潰された円の図形が第4図柄である)(図67(A))。第2特図ゲームの終了時(飾り図柄の可変表示終了時)には、第4図柄の表示も終了し、表示結果が表示(導出)される(この実施の形態では、第2図柄確定指定コマンドの受信を契機として表示結果(表示結果指定コマンドで指定される。)が表示される)。表示結果は、飾り図柄の可変表示結果(第2特図ゲームの表示結果)に対応している。例えば、可変表示結果がハズレ(図67では「787」)の場合には、領域5Gの円が黒で塗り潰された表示結果が表示され(図67(C))、可変表示結果が大当り(図67では「777」)の場合には、領域5Gの円が赤で塗り潰された表示結果が表示される(図67(B))。第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示が実行されているときには、第1特図用の第4図柄が表示される(領域5Fが塗り潰される。)。第1特図用の第4図柄及び表示結果は、第2特図用の第4図柄及び表示結果と同様のものであり、領域5Fに表示される。
また、図68のように、電源復旧したときには、電源復旧がなされたことを示す電源復旧画面が表示されるとともに、一旦2つの第4図柄が両方表示される(電源復旧指定コマンドに基づいて表示される)(図68(A))。そして、電源復旧後の状態が特図ゲームの実行中であれば(ここでは、第1特図ゲームが実行中)、その後、復旧時に実行されていない(電断時に実行されていなかった)特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンド(ここでは、第2図柄確定指定コマンド)が送信されてくることによって、対応する第4図柄(ここでは、領域5Gに表示した第4図柄)の表示が終了する(なお、表示の終了は、第4図柄の表示からすぐに行われることになり、遊技者が認識できないこともある。)(図68(B))。復旧時に実行されている(電断時に実行されていた)特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンドは送信されないので、実行されている特図ゲームに対応する第4図柄の表示(ここでは、領域5Fの第1特図用の第4図柄の表示)は継続される(図68(B))。このような第4図柄の表示によって、遊技者は、どちらの特図ゲームが実行されているかを容易に認識できる。その後、実行されている特図ゲーム(ここでは、第1特図ゲーム)の終了時(図柄確定指定コマンドの送信時)に、第4図柄の表示(ここでは、領域5F)も終了して表示結果を表示(導出)する(表示結果は特図ゲーム(ここでは、第1特図ゲーム)の表示結果(表示結果指定コマンドで指定される。)に対応したものとなる。)(図68(C))。電源復旧後の状態が第2特図ゲームの実行中である場合には、第2特図用の第4図柄及び表示結果は、第1特図用の第4図柄及び表示結果と同様のものであり、領域5Gに表示される(この場合、領域5Gの第2特図用の第4図柄の表示はすぐに終了する)。
また、図69のように、電源復旧後の状態が大当り遊技状態(ここでは、第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態)中の場合には、一旦、領域5F及び5Gにおいて第4図柄が表示されるが(図69(A))、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームが実行されていないので、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドが送信されてくることによって、各第4図柄の表示が終了する(なお、表示の終了は、第4図柄の表示からすぐに行われることになり、遊技者が認識できないこともある。)(図69(B))。そして、当該大当り遊技状態は、第2特図ゲームの大当りに基づく大当り遊技状態なので、領域5Gに表示結果(大当りの表示結果)が、直近(最も最近)に実行された特図ゲームの表示結果に対応する表示結果として表示される。
また、図70のように、電源復旧後の状態がデモ中の場合には、一旦、領域5F及び5Gにおいて第4図柄が表示されるが(図70(A))、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームが実行されていないので、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドが送信されてくることによって、各第4図柄の表示が終了する(なお、表示の終了は、第4図柄の表示からすぐに行われることになり、遊技者が認識できないこともある。)(図70(B))。そして、直近の特図ゲームの表示結果に対応する表示結果が領域5F及び領域5Gに表示される(表示結果は、表示結果指定コマンドによって指定されるが、どちらの特図ゲームの表示結果かを特定できないため、領域5F及び領域5Gそれぞれに表示結果を表示する)。
次に電源復旧画面から通常の演出画面に復帰するタイミングについて説明する。
図71(A)のように、第1特図ゲームの実行中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンド(第1図柄確指定コマンドを含まない)を受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後に、第1特図ゲームの終了があると(第1図柄確定指定コマンドの受信があると)画像表示装置5の演出画面は、電源復旧画面から通常の演出画面に復帰する(大当り遊技状態の演出、可変表示中演出、デモ画面表示などが行われる。)。
図71(B)のように、第2特図ゲームの実行中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンド(第2図柄確指定コマンドを含まない)を受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後に、第2特図ゲームの終了があると(第2図柄確定指定コマンドの受信があると)画像表示装置5の演出画面は、電源復旧画面から通常の演出画面に復帰する(大当り遊技状態の演出、可変表示中演出、デモ画面表示などが行われる。)。
図71(C)のように、大当り遊技状態(エンディング前の期間)中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後、大当り遊技状態中の次の処理(大入賞口開放、大入賞口閉鎖、エンディング開始のいずれか)が実行されてコマンド(大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれか)が送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(当該処理に対応する演出画面の表示が開始される)。
図71(D)のように、大当り遊技状態(エンディング時)中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。その後、デモ表示開始指定コマンド又は変動開始時コマンドが送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(デモ表示又は特図ゲームの実行に対応した演出などが行われる。)。
図71(E)のように、デモ中に電断があり、電源復旧されたときには、演出制御基板12は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して電源復旧画面の表示を開始する。デモ表示開始指定コマンド(電源復旧時コマンドとして送信されるかその後に送信される)又は変動開始時コマンドが送信されてきたときに、電源復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(デモ表示又は特図ゲームの実行に対応した演出などが行われる。)。
この実施の形態では、電源復旧時には、一旦、第1特図に対応する第4図柄と第2特図に対応する第4図柄との両者を表示させ、その後に、第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドを送信することで、電断時に可変表示が実行されていなかった方の特図に対応する第4図柄の表示を終了させることができるので、電源供給が再開されたあとに第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうちのどちらが実行されているかを分かりやすくすることができる。さらに、図柄確定指定コマンドという通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給が再開されたあとの遊技機の状態(第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうちのどちらが実行されているか)を分かりやすくすることができる。
さらに、この実施の形態では、電源復旧時コマンドとして送信される表示結果コマンドによって電断があっても第4図柄の表示の表示結果を正確に導出できる。また、電源復旧時コマンドとして送信される表示結果コマンドによって電断があっても直近に実行された特図ゲームの表示結果に対応する表示結果を第4図柄の表示の表示結果として正確に表示できる。
さらに、この実施の形態では、上記画面復旧条件(図24参照)を満たしたときに画像表示装置5の画面を電源復旧画面から通常の演出画面に復帰させるので、うまく通常の演出画面を表示できない期間に電源復旧画面の表示を終了させることを防止でき、通常の演出画面への復帰タイミングを最適化できる。
この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと白色で変化しない保留表示パターン(H3−3など)はあるが、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと灰色で変化しない保留表示パターンはない(図32〜図51)。このため、同じ特殊態様であっても、表示色が白色であるときと灰色であるときとで、他の表示色に変化する割合が異なることになる。これによって、遊技者は特殊態様がいずれであるかを注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が灰色から赤色や虹色に変化する保留表示パターン(H3−19,H3−20、J3−48など)はあるが、白色から赤色や虹色に変化する保留表示パターンはない(図32〜図51)。このため、同じ特殊態様であっても、表示色が白色であるときと灰色であるときとで、他の表示色のいずれに変化するかの選択割合が異なることになる。これによって、遊技者は特殊態様がいずれであるかを注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、保留表示図柄の表示色が灰色から緑色、赤色、又は虹色に変化する保留表示パターン(H3−40、H3−47、H3−48など)がある。また、保留表示図柄の表示色が緑色から灰色に変化したあと、変化後の灰色から緑色、赤色、又は虹色に変化する保留表示パターン(K3−41、K3−42、K3−51など)がある(図32〜図51)。このため、保留表示図柄の表示態様は、特殊態様から変化し得る表示態様から特殊態様に変化し、さらに、特殊態様から他の表示態様に変化することがある。これによって、保留表示の変化パターンを態様化でき、遊技の興趣が向上する。そして、特に、特殊態様から変化した後の予告態様は、変化前の予告態様に比べて大当り期待度が同じであるか高くなる予告態様になる。これによって、遊技者の落胆を防止できる。
この実施の形態では、今回の現在色が白色である場合には、参照テーブルTA−1が参照される(図57、図58)。参照テーブルTAー1は、その決定値が全て「変化無し」に割り当てられているので、このような場合には、今回保留予告が実行されない。つまり、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbに表示された保留表示図柄が特殊態様のときには他の表示態様に変化することがあるが(保留表示パターン参照)、今回表示領域5Hcに表示された保留表示図柄が特殊態様のときには他の表示態様に変化しない。このように、この実施の形態では、特殊態様の保留表示図柄が、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbに表示されているときと、今回表示領域5Hcに表示されているときとで、異なる割合で他の表示態様に変化する(ここでは、一方の割合が「0」)。これによって、遊技者は特殊態様の保留表示図柄の表示領域とともに特殊態様に注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、当該ターゲットが保留記憶4つ目である場合において、次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色又は灰色に変化するときには、最終表示色が緑色にのみなるが(K3−7、K3−11、K3−19など)、次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色に変化するときには、最終表示色が緑色の他、赤色や虹色にもなる(K3−13、K3−14、K3−15、K3−22、K3−23など)(図32〜図51)。このため、保留表示図柄の表示態様が特殊態様になるタイミングに応じて大当り期待度が異なることになる。これによって、遊技者は特殊態様になるタイミングとともに特殊態様に注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、当該ターゲットが保留記憶4つ目である場合において、次次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色又は灰色から変化するときには、最終表示色が赤色、虹色に変化できるが(K3−42、K3−49〜51など)、次次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色から変化するときには、最終表示色が赤色や虹色にはならない(K3−9、K3−18、K3−20など)(図32〜図51)。このため、保留表示図柄の表示態様が特殊態様から変化するタイミングに応じて大当り期待度が異なることになる。これによって、遊技者は特殊態様からの変化タイミングに注目し、遊技の興趣が向上する。
各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合は、当該ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)である場合と、当該ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図又は第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)である場合とで、保留表示図柄の表示態様が特殊態様になる保留表示パターンの決定割合(当該保留表示パターンの平均決定割合)が異なるように設定してもよい。これによって、保留記憶数に応じて特殊態様の出現率を変えることができる。これによって、遊技者はターゲットの保留表示の発生時の保留記憶数とともに当該ターゲットの特殊態様に注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」のときには、作用演出Bの決定割合が高く、作用演出Aの決定割合が次に高く、実行無しの決定割合が最も低い。特図表示結果が「ハズレ」のときはその逆になっている。このため、作用演出Bを実行したときは、大当り期待度が高く、作用演出Aを実行したときは作用演出を実行しないときよりも大当り期待度が高くなる。つまり、作用演出の種類によって、大当り期待度が異なるようになっている。これによって、遊技者は特殊態様から変化する作用演出とともに特殊態様に注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、演出モードが通常モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがあるが(H3−3、H3−5など)、演出モードが確変モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがない(図32〜図51)。このように、演出モードに応じて保留表示図柄の表示態様を特殊態様(ここでは、白色)にする割合を変化させる。これによって、遊技者は演出モードとともに特殊態様に注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、今回ターゲットとなる保留表示図柄以外の保留表示図柄についての先読み予告の実行期間中(先読み予告の実行を決定してから先読み予告が実行されるまでの期間を含む)には、それ以外の場合に比べて保留表示図柄の表示態様を特殊態様や予告態様にする割合が異なるようになっている。これによって、遊技者は特殊態様に集中して注目することができ、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から白色にして変化させない保留表示パターン(H3−3など)は、ハズレ時に選択される変動カテゴリPA1及びPA2のときのみ選択される。一方で、最終色が青色になる保留表示パターン(H3−1、H3−4など)は、大当り時に選択される変動カテゴリPB3のときに選択されることがある(図32〜図51)。このため、保留表示図柄の表示態様を最初から特殊態様にしたまま変化させないときの大当り期待度は、保留表示図柄の最終色を通常態様にしたときよりも低くなる(大当り期待度=0)。特に、保留表示図柄の表示色を表示開始時から白色にして変化させない保留表示パターンを選択した場合には、当該ターゲットの可変表示はリーチ態様にならない。これによって、遊技者は特殊態様に注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、上記の構成によって、第1識別情報(例えば、第1特図など)の可変表示を実行して表示結果を導出する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置4Aなど)と、第2識別情報(例えば、第2特図など)の可変表示を実行して表示結果を導出する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置4Bなど)と、のいずれかにおいて特定表示結果(例えば、大当り図柄など)が導出されたときに特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)となる遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、遊技の進行を制御し、当該遊技の進行に応じてコマンドを送信する遊技制御手段(例えば、遊技制御を行う主基板11など)と、前記遊技制御手段から送信されるコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御を行う演出制御基板12など)と、を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)が構成されている。特に、遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示や第2識別情報の可変表示の実行を制御する。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記遊技制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに特定コマンド(例えば、電源復旧指定コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS17で電源復旧指定コマンドを送信する部分など)、前記演出制御手段は、前記特定コマンドに基づいて第1特定表示(例えば、第1特図に対応した第4図柄など)と第2特定表示(例えば、第1特図に対応した第4図柄など)とを共に表示する(例えば、ステップS76の処理を実行して電源復旧指定コマンドを受信したときに領域5F及び5G両者に第4図柄を表示する部分など)、ことになる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記遊技制御手段は、前記遊技機への電力供給の停止時に第1識別情報の可変表示が実行されておらず第2識別情報の可変表示が実行されていた場合には、前記遊技機への電力供給が再開されたときに第1終了コマンドを送信し(例えば、電断時に第2特図ゲームが実行されている場合にステップS17で第1図柄確定指定コマンドを送信する部分など)、前記遊技機への電力供給の停止時に第2識別情報の可変表示が実行されておらず第1識別情報の可変表示が実行されていた場合には、前記遊技機への電力供給が再開されたときに第2終了コマンドを送信する(例えば、電断時に第1特図ゲームが実行されている場合にステップS17で第2図柄確定指定コマンドを送信する部分など)、ことになる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記演出制御手段は、前記特定コマンドに基づいて前記第1特定表示と前記第2特定表示とを共に表示したときにおいて、前記第1終了コマンドに基づいて前記第1特定表示の表示を終了し、前記第2終了コマンドに基づいて前記第2特定表示の表示を終了する(例えば、ステップS76の処理を実行して、第1図柄確定指定コマンドを受信したときに領域5Fの第4図柄の表示を終了し、第2図柄確定指定コマンドを受信したときに領域5Gの第4図柄の表示を終了する部分など)、ことになる。
第1特定表示及び第2特定表示は、この実施の形態では、画像表示装置5に表示された円形の画像(第4図柄)であるが、他の形状の画像であってもよい。また、第1特定表示及び第2特定表示は、LEDなどの発光手段による発光によって表示されるものであってもよい。
第1特定表示や第2特定表示の表示は、この実施の形態では、画像表示装置5に表示された円形の画像(第4図柄)の表示(点滅表示であっても、点滅させない常時表示であってもよい。)で行われるが、複数の図形(識別情報)などの変動表示(可変表示)で行われてもよい。例えば、第1特図ゲームに対応して「○」と「×」とを可変表示することを、第1特定表示を表示するとしてもよい。例えば、第2特図ゲームに対応して「○」と「×」とを可変表示することを、第2特定表示を表示するとしてもよい。
この実施の形態では、上記第1特定表示や第2特定表示(総称して特定表示ということがある。)の表示は、表示結果の表示前(表示結果の表示時と捉えてもよい)までを言う。第1特定表示や第2特定表示の表示結果は表示(導出)されなくてもよい。
上記第1終了コマンドや第2終了コマンドとして、この実施の形態では、通常時(パチンコ遊技機1が異常無く正常に動作しているとき)においても第1特定表示の表示(及び飾り図柄の可変表示)を終了させる第1図柄確定指定コマンド及び第2特定表示の表示(及び飾り図柄の可変表示)を終了させる第2図柄確定指定コマンドを用いているが、第1終了コマンドや第2終了コマンドは、電源復旧時に実行されていない特図ゲームを特定する専用のコマンドとしてもよい。
この実施の形態では、上記のような構成によって、例えば、電源供給が再開されたあとの遊技機の状態(第1識別情報の可変表示と第2識別情報の可変表示とのうちのいずれが実行されているかなど)を分かりやすくすることができる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記演出制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該電力供給の再開を表す再開画面(例えば、電源復旧画面など)を表示装置(例えば、画像表示装置5など)に表示し、所定条件(例えば、画面復旧条件など)が成立したときに当該表示装置の画面を当該再開画面から通常時の演出画面に復帰させる表示画面制御手段(例えば、ステップS689〜692などの処理を行って画面復旧条件が成立したと判定したときに電源復旧画面の表示を終了させ、ステップS75を実行して演出画面を表示する部分など)を備える、ことになる。これによって、例えば、電源供給が再開されたあとの画面復旧のタイミングを適切にできる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示が開始されるときに第1開始コマンド(例えば、第1特図ゲームの開始時に送信される変動開始時コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS268で変動開始時コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、第1識別情報の可変表示が終了するときに前記第1終了コマンド(例えば、第1図柄確定指定コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS304で第1図柄確定指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、第2識別情報の可変表示が開始されるときに第2開始コマンド(例えば、第2特図ゲームの開始時に送信される変動開始時コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS268で変動開始時コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、第2識別情報の可変表示が終了するときに前記第2終了コマンド(例えば、第2図柄確定指定コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS304で第2図柄確定指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、前記演出制御手段は、前記第1開始コマンドに基づいて第1特定表示の表示を開始し、前記第1終了コマンドに基づいて当該第1特定表示の表示を終了し(例えば、ステップS76の処理を実行して、第1特図の可変表示に対応して領域5Fに第4図柄の表示する部分など)、前記第2開始コマンドに基づいて第2特定表示の表示を開始し、前記第2終了コマンドに基づいて当該第2特定表示の表示を終了する(例えば、ステップS76の処理を実行して、第2特図の可変表示に対応して領域5Gに第4図柄の表示する部分など)、ことになる。
なお、主基板11における、第1開始コマンドと第2開始コマンドとを送信する部分を開始コマンド送信手段とし、主基板11における、通常時及び電源復旧時に第1終了コマンドと第2終了コマンドとを送信する部分を終了コマンド送信手段としてもよい。
上記第1終了コマンドや第2終了コマンドとして、この実施の形態では、通常時においても第1特定表示の表示(及び飾り図柄の可変表示)を終了させる第1図柄確定指定コマンド及び第2特定表示の表示を終了させる第2図柄確定指定コマンドを用いているが、これらコマンドは、確認のために送信されてもよい。例えば、演出制御基板12は、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンに基づいて、その表示開始時(変動開始時)において、表示時間(ここでは特図変動時間でもある)などを設定し、当該表示時間の経過まで第4図柄を表示(又は飾り図柄の可変表示を実行)してもよい(このとき、表示結果指定コマンドが指定する表示結果に基づいて、表示時間設定時や電源復旧時などに、第4図柄の表示の表示結果及び可変表示結果を設定してもよい)。このような場合、設定された表示時間経過前に、第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドを演出制御基板12側で受信したときには、第4図柄の表示や飾り図柄の可変表示を強制的に終了するようにする。これによって、コマンドの誤認識などによって、本来の第4図柄の表示時間(又は飾り図柄の可変表示の実行時間)よりも長い時間が第4図柄の表示時間(又は飾り図柄の可変表示の実行時間)として設定されてしまったときであっても、確認用の第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドによって、第4図柄の表示や飾り図柄の可変表示を特図ゲームに同期させることができる(第4図柄の表示などの終了時期を適切なものとすることができる)。なお、このような場合(第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドを可変表示終了の確認のために送信する場合)であっても、結局第1図柄確定指定コマンド又は第2図柄確定指定コマンドに基づいて飾り図柄の可変表示や第4図柄の表示は終了する。第1終了コマンドに基づいて第1特定表示の表示(又は飾り図柄の可変表示)を終了することや、第2終了コマンドに基づいて第2特定表示の表示(又は飾り図柄の可変表示)を終了することは、例えば、上記実施の形態のように通常時であっても第1終了コマンドや第2終了コマンドによって第1特定表示の表示や第2特定表示の表示(又は飾り図柄の可変表示)を終了させることのほか、前記のように、コマンドの誤認識など正常でないときに第1終了コマンドや第2終了コマンドによって第1特定表示の表示や第2特定表示の表示(又は飾り図柄の可変表示)を終了させること(正常のときは終了させない)も含む。
上記構成のように、上記第1終了コマンド及び第2終了コマンドとして、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドなどの通常時において特定表示を終了するときに送信されるコマンドを用いることで、コマンド数を増やすことなく、通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給が再開されたあとの遊技機の状態(第1識別情報の可変表示と第2識別情報の可変表示とのうちのいずれが実行されているかなど)を分かりやすくすることができる。また、上記実施の形態の第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドなどのように、特定表示の終了を通常時及び電源復旧時両者において第1終了コマンド及び第2終了コマンドに基づいて行う場合(つまり、特定表示の終了を正常のときも第1終了コマンドや第2終了コマンドで行う場合)、通常時及び電源復旧時両者で同じコマンドが用いられることで、通常時と同様の処理内容で電源復旧時に第1特定表示又は第2特定表示のうち実行されていない識別情報の可変表示に対応する特定表示の表示を終了させることができる。
さらに、上記第1終了コマンド及び第2終了コマンドとして、第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドなどの通常時(パチンコ遊技機1が異常無く正常に動作しているとき)において特定表示を終了するときに送信されるコマンドを用いることで、電力供給の再開後において他のコマンドを用いるときよりも簡単に第1特定表示又は第2特定表示の終了を実現できる(変動パターン指定コマンドなどを用いると、どちらの特定表示を終了させるか否かの判定などが必要になってしまったり、演出制御基板12側で特図ゲームが始まったと認識されたりすることがあり、不都合がある)。
第1開始コマンドや第2開始コマンドは、第1識別情報の可変表示や第2識別情報の可変表示が開始されるタイミングで送信されるコマンドであればよい(第1識別情報の可変表示や第2識別情報の可変表示の開始を特定可能なコマンドであればよい)。第1開始コマンドは、例えば、第1変動開始指定コマンド、第1特図保留減算指定コマンド(第1特図ゲームが実行されるときに保留記憶数が1減算されたことを示すコマンドで、変動開始時に送信される。)、変動パターン指定コマンド(第1特図ゲームの実行か第2特図ゲームの実行かを特定可能なコマンドとするとよい。)、表示結果指定コマンド(第1特図ゲームの実行か第2特図ゲームの実行かを特定可能なコマンドとするとよい。)などのいずれかであってもよく、演出制御基板12側では、これらいずれかのコマンドに基づいて第1特定表示の表示を開始してもよい。第2開始コマンドは、例えば、第2変動開始指定コマンド、第2特図保留減算指定コマンド(第2特図ゲームが実行されるときに保留記憶数が1減算されたことを示すコマンドで、変動開始時に送信される。)、変動パターン指定コマンド(第1特図ゲームの実行か第2特図ゲームの実行かを特定可能なコマンドとするとよい。)、表示結果指定コマンド(第1特図ゲームの実行か第2特図ゲームの実行かを特定可能なコマンドとするとよい。)などのいずれかであってもよく、演出制御基板12側では、これらいずれかのコマンドに基づいて第2特定表示の表示を開始してもよい。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記第1特定表示は、第1識別情報の可変表示に対応して表示され、前記第2特定表示は、第2識別情報の可変表示に対応して表示され(例えば、領域5Fや5Gに表示される第4図柄を参照)、前記遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示又は第2識別情報の可変表示の表示結果を特定可能な表示結果コマンド(例えば、表示結果指定コマンドなど)を送信する表示結果コマンド送信手段(例えば、ステップS304で第1又は第2図柄確定指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)を備え、前記演出制御手段は、前記表示結果コマンドに基づいて前記第1特定表示又は前記第2特定表示の表示終了時に表示結果を表示可能であり(例えば、ステップS76の処理を実行して、表示結果指定コマンドに応じて第4図柄の表示の表示結果を導出する部分など)、前記表示結果コマンド送信手段は、前記遊技機への電力供給の停止時に第1識別情報の可変表示又は第2識別情報の可変表示が実行されていた場合には、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該実行していた可変表示の表示結果を特定可能な前記表示結果コマンドを送信し(例えば、ステップS17の処理で電断復旧時コマンドとして表示結果指定コマンドを送信する部分など)、前記演出制御手段は、前記特定コマンドに基づいて前記第1特定表示と前記第2特定表示とを共に表示するときにおいて、前記第1終了コマンドを受信していないときには前記第1特定表示の表示を継続し、前記第2終了コマンドを受信していないときには前記第2特定表示の表示を継続し(例えば、ステップS76の処理を実行して、第1図柄確定指定コマンドを受信していないときに領域5Fの第4図柄の表示を継続し、第2図柄確定指定コマンドを受信していないときに領域5Gの第4図柄の表示を継続する部分など)、継続する前記第1特定表示又は前記第2特定表示の表示終了時に、前記遊技機への電力供給が再開されたときに前記表示結果コマンド送信手段から送信される前記表示結果コマンドに基づいて、表示結果を表示する(例えば、ステップS76の処理を実行して、表示結果指定コマンドに応じて第4図柄の表示の表示結果を導出する部分など)、ことになる。
この実施の形態では、上記のような構成によって、例えば、通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給が再開されたあとに表示が継続される第1特定表示又は第2特定表示の表示終了時の表示結果を正確にすることができる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記遊技制御手段は、前記遊技機への電力供給の停止時に第1識別情報の可変表示及び第2識別情報の可変表示が実行されていない場合に、前記遊技機への電力供給が再開されたときにおいて、前記再開前最後に実行された第1識別情報の可変表示又は第2識別情報の可変表示の表示結果を特定可能な前記表示結果コマンド(例えば、表示結果指定コマンドなど)を送信する表示結果コマンド送信手段(例えば、ステップS17の処理で電断復旧時コマンドとして表示結果指定コマンドを送信する部分など)をさらに備え、前記演出制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに前記表示結果コマンド送信手段から送信される前記表示結果コマンドに基づいて、前記第1終了コマンド及び前記第2終了コマンドに基づく前記第1特定表示及び前記第2特定表示の表示終了時に表示結果を表示する(例えば、ステップS76の処理を実行して、表示結果指定コマンドに応じて第4図柄の表示の表示結果を導出する部分など)、ことになる。
この実施の形態では、上記のような構成によって、例えば、通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給再開前の状態(直近の表示結果)を電源供給再開後に分かりやすく報知することができる。
なお、上記の構成は、例えば、以下のような構成を含む。例えば、この実施の形態では、上記表示結果は所定期間だけ表示されているが、第1特定表示についての表示結果は、次の第1識別情報の可変表示が実行されるまでずっと表示し、第2特定表示についての表示結果は、次の第2識別情報の可変表示が実行されるまでずっと表示するようにしてもよい。例えば、領域5Fに表示した第4図柄の表示結果は、次回の第1特図ゲームの実行まで表示が継続するように演出制御用CPU120によって表示制御され、領域5Gに表示した第4図柄の表示結果は、次回の第2特図ゲームの実行まで表示が継続するように演出制御用CPU120によって表示制御されるようにしてもよい。
また、例えば、第1特図ゲームの表示結果を、次回の第1特図ゲームの実行まで、第1特図ゲームの表示結果であることを特定可能にRAM122に保存し、第2特図ゲームの表示結果を、次回の第2特図ゲームの実行まで、第2特図ゲームの表示結果であることを特定可能にRAM122にバックアップデータとして保存するようにしてもよい(例えば、第1特図ゲーム用と第2特図ゲーム用とで可変表示結果の格納領域を別にするなど)。電源供給再開時(電源復旧時)には、上記バックアップデータに基づいて、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームそれぞれの可変表示結果(実行中の場合には、実行中の特図ゲームの可変表示結果、実行中でない場合には、直近に実行された特図ゲームの可変表示結果)を特定するコマンドを電源復旧時コマンドの表示結果指定コマンド(例えば、表示結果指定コマンドを第1特図用と第2特図用として2種類用意するか、EXTデータの内容で第1特図ゲーム及び第2特図ゲームのいずれの可変表示結果であるかを特定してもよい。又は第1特図ゲームの表示結果と第2特図ゲームの表示結果の組合せに応じたEXTデータを設定してもよい。)として送信してもよい(例えば、第1特図用と第2特図用で2つコマンドを送信する)。そして、演出制御基板12では、実行されていない特図ゲームに対応する特定表示の表示を終了する際(両方の特定表示の表示を終了してもよい。)に、表示結果指定コマンドに基づいて各表示結果を表示するようにしてもよい。電源復旧時に、領域5Fの第1特図に対応する第4図柄の表示を終了する場合には、第1特図用の表示結果指定コマンドに基づいて表示結果を表示し、電源復旧時に、領域5Gの第2特図に対応する第4図柄の表示を終了する場合には、第2特図用の表示結果指定コマンドに基づいて表示結果を表示するようにする。このようにすることで、例えば、図70の演出画面では、領域5F及び領域5Gそれぞれに、直近に実行された第1特図ゲームの可変表示結果を示す表示結果及び直近に実行された第2特図ゲームの可変表示結果を示す表示結果それぞれを表示することができる。また、図68の演出画面では、領域5Gに、直近に実行された第2特図ゲームの可変表示結果を示す表示結果を示す表示結果を表示することができる。このように、電源復旧時において表示を終了させる第4図柄(電断時に実行されていない特図ゲームに対応する第4図柄)に対応する特図ゲームであって、直近で実行された特図ゲームの表示結果を電源復旧時において演出制御基板12側が特定できるようにし、特定した表示結果に対応する第4図柄の表示の表示結果を表示することで、電源復旧時(特に、電源復旧画面を表示しているときなど)において表示遊技者は、電源復旧前に実行され終了した直近の特図ゲームの表示結果を確認できる。なお、このような構成は、特に、第1特定表示についての表示結果は、次の第1識別情報の可変表示が実行されるまでずっと表示し、第2特定表示についての表示結果は、次の第2識別情報の可変表示が実行されるまでずっと表示するときにおいて有用であり、このような構成によって、電源復旧時の表示結果の表示を通常時と同様に行える。
また、例えば、電源復旧時などにおいて、直近の特図ゲームがどちらの特図ゲームであったかを演出制御基板12側で特定可能にし(例えば、第1特図用と第2特図用で2つコマンドを送信するようにしてもよいし、直近の特図ゲームがどちらの特図ゲームのものであるかを示す情報を主基板11側で記憶しておき、電源復旧時に当該情報(バックアップされている。)に対応するコマンドを送信するようにしてもよい。)、電源復旧時においてどちらの特図ゲームも実行されていない場合(第1図柄確定指定コマンド及び第2図柄確定指定コマンドを受信したとき)に、表示結果指定コマンドや直近の特図ゲームがどちらかであったかなどに基づいて、直近の特図ゲームの表示結果に対応する表示結果を当該直近の特図ゲームに対応する第4図柄の表示結果のみとして表示してもよい。例えば、図70などにおいて、直近の特図ゲームが第1特図ゲームであった場合(電断前最後に実行された特図ゲームが第1特図ゲームであった場合)、領域5Fに当該直近の第1特図ゲームの表示結果に対応する表示結果を表示する。直近の特図ゲームが第2特図ゲームであった場合(電断前最後に実行された特図ゲームが第2特図ゲームであった場合)、領域5Fに当該直近の第2特図ゲームの表示結果に対応する表示結果を表示する。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出制御手段は、前記遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示が終了するときに前記第1終了コマンドを送信し、第2識別情報の可変表示が終了するときに前記第2終了コマンドを送信し(例えば、ステップS304で第1又は第2図柄確定指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)、前記演出制御手段は、前記第1終了コマンドに基づいて当該第1特定表示の表示を終了し、前記第2終了コマンドに基づいて当該第2特定表示の表示を終了し(例えば、ステップS76の処理を実行して、領域5F又は5Gに表示した第4図柄の表示を終了する部分など)、前記演出制御手段は、表示装置(例えば、画像表示装置5など)に演出画面を表示させる制御を行う表示画面制御手段(例えば、画像表示装置5に演出画面を表示させる部分など)を備え、前記遊技制御手段は、前記遊技機の状態を特定可能な状態コマンド(例えば、背景指定コマンドなど)を送信する状態コマンド送信手段(例えば、ステップS268で背景指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)を備え、前記状態コマンド送信手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに前記状態コマンドを送信し、前記表示画面制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該電力供給の再開を表す再開画面(例えば、電源復旧画面など)を前記表示装置に表示し、前記状態コマンドと前記第1終了コマンドと前記第2終了コマンドとが前記遊技制御手段から送信されたときに当該表示装置の画面を当該再開画面から通常時の演出画面に復帰させる(例えば、ステップS689〜692などの処理を行って画面復旧条件のうちの第1復旧条件が成立したと判定したときに電源復旧画面の表示を終了させ、ステップS75を実行して演出画面を表示する部分など)、ことになる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出制御手段は、表示装置(例えば、画像表示装置5など)に演出画面を表示させる制御を行う表示画面制御手段(例えば、画像表示装置5に演出画面を表示させる部分など)をさらに備え、前記遊技制御手段は、遊技の進行状況を特定可能な進行状況コマンド(例えば、復旧状態指定コマンド、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドなど)を遊技の進行に応じて送信する進行状況コマンド送信手段(例えば、ステップS17で電源復旧時コマンドとして復旧状態指定コマンドを送信する部分や、ステップS115、S116などで大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドを送信設定してステップS57のコマンド制御処理にて送信する部分など)をさらに備え、前記進行状況コマンドには、現在の遊技の進行状況が前記特定遊技状態中であることを特定可能な第1コマンド(例えば、復旧状態指定コマンドなど)と、前記特定遊技状態における複数タイミング(例えば、大入賞口の開放タイミング又は閉鎖タイミング)それぞれに応じて用意され、現在の遊技の進行状況が前記複数のタイミングのいずれかに達したことをそれぞれが特定可能な複数の第2コマンド(例えば、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドなど)と、が含まれ、前記進行状況コマンド送信手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該再開時の遊技の進行状況を特定可能な前記進行状況コマンド(例えば、復旧状態指定コマンドなど)を送信し(例えば、ステップS17で電源復旧時コマンドとして復旧状態指定コマンドを送信する部分など)、前記表示画面制御手段は、前記遊技機への電力供給が再開されたときに当該電力供給の再開を表す再開画面を前記表示装置に表示するとともに、前記遊技機への電力供給が再開されたときに前記進行状況コマンド送信手段から送信された前記進行状況コマンドが前記第1コマンドであるときには、当該第1コマンドの受信後に前記第2コマンドを受信したときに当該表示装置の画面を当該再開画面から通常時の演出画面に復帰させる(例えば、ステップS689〜692などの処理を行って画面復旧条件のうちの第2復旧条件(特に、大入賞口開放指定コマンド、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信する条件)が成立したと判定したときに電源復旧画面の表示を終了させ、ステップS75を実行して演出画面を表示する部分など)、ことになる。
この実施の形態では、上記のような各構成によって、例えば、電源供給が再開されたあとの画面復旧のタイミングを適切にできる。なお、再開画面は電力供給の再開を直接的にメッセージで表してもよいし、再開の旨を他の表現で間接的に表してもよい。再開画面はどのような画面であってもよい。また、再開画面から通常時の演出画面に復帰するとは、再開画面の表示終了直後から演出画面が表示される場合の他、再開画面の表示終了時から所定時間経過後に通常の演出画面を表示することも含む(例えば、復旧の処理の都合上、一時何も表示されない期間があってもよい。)。
再開画面(例えば、電源復旧画面など)は、電源供給再開時に表示開始されるもので、上記実施形態では、電源復旧指定コマンドによって表示が開始されているが、当該再開画面の表示は、電源復旧時コマンドとして送信される他のコマンドを受信したときに開始してもよい。また、再開画面の表示開始の契機となるコマンドは、電源復旧のときに主基板11から送信されるコマンドであればどのようなコマンド(1又は複数のコマンド)であってもよい。
特定表示の表示開始や表示終了、通常の演出画面への復帰など、各種の演出開始(通常の演出画面への復帰も含む。)又は終了の契機となる上記各種コマンドなど(第1開始コマンド、第2開始コマンド、第1終了コマンド、第2終了コマンド、特定コマンド、表示結果コマンド、状態コマンド、進行状況コマンドなど)は、複数のコマンドから構成されるものであってもよい。
電源復旧時コマンドとして第1図柄確定指定コマンドと第2図柄確定指定コマンドとのうちのどちら(又は両方)を送信するかは、電源復旧時(電源復旧時コマンド送信時)に決定してもよいし、電断時に決定してもよい。電源復旧時に決定する場合は、例えば、上記実施の形態のように、電断時に実行していない特図ゲーム(再開する特図ゲームでない特図ゲーム)を電源復旧時において特定し、特定した特図ゲームに対応する図柄確定指定コマンド(第1特図ゲームなら第1図柄確定指定コマンド、第2特図ゲームなら第2図柄確定指定コマンド、両者なら両方のコマンド)を送信すると決定する。電断時に決定する場合には、電断時に実行していない特図ゲーム(復旧後に再開する特図ゲーム)に対応する図柄確定指定コマンドの種類を特定可能なデータ(コマンドを直接特定するデータ、実行中又は実行していない特図ゲームを特定するデータなど)をバックアップデータとしてRAM102に保存しておき、電源復旧時に当該バックアップデータに基づいて当該バックアップデータに対応した図柄確定指定コマンドを送信すると決定する(第1特図ゲームが実行されていない場合には第1図柄確定指定コマンドを送信すると決定し、第2特図ゲームが実行されていない場合には第2図柄確定指定コマンドを送信すると決定し、両者が実行されていない場合には両コマンドを送信すると決定する)。
また、可変表示結果として、「大当り」とは異なる「小当り」(特別表示結果)を用意してもよい。この場合には、乱数値MR1と比較される決定値の所定範囲が「小当り」に割り当てられていればよい。また、このような場合、変動開始時には、乱数値MR1と、表示結果の決定結果としての「大当り」に割り当てられた決定値の範囲(大当り範囲)と、の比較(大当り判定)を実行し、乱数値MR1が大当り範囲内でなければ、当該乱数値MR1と、表示結果の決定結果としての「小当り」に割り当てられた決定値の範囲(小当り範囲)と、の比較(小当り判定)を実行するようにしてもよい。一方で先読み判定時は、小当り判定を行ってから大当り判定を行うようにしてもよい。このように、先読み時と変動開始時とで判定順序を変えてもよい。変動開始時に小当り判定を先にやるとノイズなどで本来大当りであるのに、小当りと判定してしまうことがある。一方で、先読み判定時に大当り判定を先にやると、本当は「小当り」と判定すべきなのに「大当り」と判定として先読み予告をしてしまい問題がある。変動開始時は大当り判定を行ってから小当り判定を行い、先読み判定時は小当り判定を行ってから大当り判定を行うことで、この問題を解消できる。
また、大当り終了からの特図ゲームの実行回数に応じた実行回数コマンドを変動開始時又は終了時に送信するようにしてもよい。例えば、大当り終了から4回(一方の特図の保留記憶の上限値に対応している。)実行される特図ゲームの実行回数をカウントするように、最初の特図ゲームの開始時又は終了時にあと3回を示す実行回数コマンドを送信し、2回目の特図ゲームの開始時又は終了時にあと2回を示す実行回数コマンドを送信し、3回目の特図ゲームの開始時又は終了時にあと1回を示す実行回数コマンドを送信し、4回目以降の特図ゲームの開始時又は終了時には、当該実行回数コマンドを送信しないようにしてもよい。また、電源復旧時は、残り0回を示す実行回数コマンドを送信するようにしてもよい。このようにすることで、残り0回を示す実行回数コマンドを電源復旧時の専用コマンドとして利用できる。
また、主基板11は、大当り種別(大当りの種類)を決定して記憶するときに、決定された大当りの種類を示す数値に現在の遊技状態に応じた数値を演算(例えば加算)して記憶するようにしてもよい。例えば、大当り種別が「確変」のときの値を「1」、「非確変」のときの値を「10」として、低ベースを「1」、高ベースを「5」とする。そして、高ベース時の「確変」の大当りのときは、「1」+「5」で「6」を記憶し、低ベース時の「非確変」の大当りのときは、「1」+「10」で「11」を記憶する。これによって、後の処理において、記憶している値を見るだけで、遊技状態と大当り種別との両者を特定できる。
また、ラウンド数の異なる大当り遊技状態を複数用意した場合において、大当り遊技状態中の最後のラウンド遊技を特定可能なコマンドを用意してもよい。例えば、実際のラウンド数に係わらず最終ラウンドを示す値をEXTデータに設定した大入賞口開放指定コマンドを用意して、最終ラウンドの大入賞口の開放時には、当該大入賞口開放指定コマンドを送信するようにしてもよい。これによって、演出制御基板12側で最終ラウンドを容易に認識でき、最終ラウンドの表示なども容易にできる。
また、大当り遊技状態中と、それ以外のときとで、遊技球を打ち分けるようにしてもよく(例えば、大当り中は右打ちで、それ以外は左打ちなど)、この場合に、電力供給再開時において、復旧状態指定コマンドが大当たり中であることを示す場合に、電源復旧画面にて遊技球の打ち方(右打ちなど)を表示するようにしてもよい。
第4図柄や表示結果、領域5Fや5Gの円などを表示するレイヤーと他の演出画像を表示するレイヤーとを別とし、第4図柄などを表示するレイヤー(領域5Fや5Gの円や塗り潰された部分以外の部分を透明とするレイヤー)を他の演出画像を表示するレイヤーの上に重畳表示するようにしてもよい。復旧時の第4図柄は、特図ゲームが実行されていることなどを分かりやすく知らせるために、大きくしたり、色を変えたりして目立つようにしてもよい。また、第4図柄や表示結果を表示していないときの領域5Fや5Gに、何も表示しないようにしてもよく(上記レイヤーを透明とする。)、このような場合などでは、電源復旧時にどちらの特図に対応する第4図柄が表示されているか分からないことがあるので、第4図柄を表示するときにどちらの特図に対応した第4図柄であるかの情報を表示してもよい。例えば、第4図柄の色を異ならせたり、「1」又は「2」を第4図柄とともに表示したりする。特に電源復旧画面の背景が真っ暗のときには、どっちの特図に対応する第4図柄が表示されているか分からないことがあるので、上記表示が有用である。
この実施の形態では、クリアスイッチが押されたときなど、RAM102のデータがクリア(初期化)されるときには、電源復旧時コマンドの送信がないので、上記再開画面(電源復旧画面)は表示されないことになる。
また、通常、図柄確定指定コマンドを送信した場合、主基板11は、特図ゲームが1回実行されたことを示す情報を外部(ホールコンピュータなど)に出力するが、図柄確定指定コマンドを電源復旧時コマンドとして送信するとき、主基板11は、特図ゲームが1回実行されたことを示す情報を外部に出力しないようにする。これによって、特図ゲームの実行回数を正確に外部に出力できる(特図ゲームの実際の実行回数に対応した回数分、図柄確定指定コマンドを送信できる)。
復旧状態指定コマンドは、例えば、背景指定コマンドなどの遊技機の状態を示すコマンドで代用するようにしてもよい。
背景指定コマンド(状態コマンド)は、遊技状態、演出モード、背景などが切り替わるとき(例えば、切り替えタイミング時)に送信されるものであってもよい。
演出制御基板12側では、デモ表示開始指定コマンドを受信した直後からデモ表示を開始するのではなく、所定時間経過後にデモ表示を開始してもよい(タイマ割り込みごとにタイマ値を更新して所定のタイマ値になったらデモ表示を開始するなど)。
電源復旧フラグについての判定(ステップS161)は、演出制御プロセス処理(ステップS75)内で行うのではなく、電源復旧フラグがオン状態のときには、そもそもステップS75の処理を行わないようしてもよい。
電源復旧フラグがオンであっても(ステップS161;Noなど)、ステップS162の処理を実行するようにしてもよい(例えば、ステップS161とステップS162との順序を逆にするなど)。なお、この場合、電源復旧画面を表示している場合であっても、保留表示図柄が表示されることになる。このとき、電源復旧後に送信された特図保留記憶数指定コマンドに基づいて、当該コマンドに応じた数の保留表示図柄を表示すればよい。また、電源復旧時コマンドとして送信された背景指定コマンド(又は、確変モードフラグの状態など)に応じた保留表示図柄(演出モードに応じた図柄)を表示するようにしてもよい。また、保留表示図柄の表示態様(表示色)を変更することを、例えば、電源復旧画面表示を表示している期間(例えば、電源復旧フラグがオン状態のとき)中は制限するか、電源復旧後所定期間(例えば、一方の特図ゲームの保留記憶数の上限(例えば4)又は両方の特図ゲームの保留記憶数の上限の合計(例えば8)の回数分の特図ゲームが実行されるまで(例えば実行終了するまでの)の期間など)中は制限するようにしてもよい。なお、電源復旧画面を表示している期間中に保留表示図柄を変更するようにしてもよく、このような場合には、作用演出などは実行せずに、保留表示図柄の表示態様のみを、例えば特図ゲーム開始時などに変更するようにするとよい。
ステップS905、ステップS906、ステップS910、ステップS911などの処理を実行せずに、図柄確定指定コマンドを受信したときには、復旧状態指定コマンドの受信の有無や当該コマンドの内容によらず(つまり、パチンコ遊技機1の状態によらず)、表示結果指定コマンドに基づいて表示結果を表示するようにしてもよい。例えば、ステップS904(又はS909)のあと、ステップS907(又はS912)の処理を実行するようにする。
パチンコ遊技機1は、例えば、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口など)に遊技媒体(例えば、遊技球など)が進入した後に識別情報(例えば、特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を開始することを許容する開始条件が成立したことに基づいて識別情報の可変表示を実行して表示結果を導出し、当該表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄となる特別図柄や大当り組合せの確定飾り図柄など)を導出したときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)になる遊技機であればよく、この具体的構成は、上記実施の形態の構成に限られない。
また、パチンコ遊技機1は、例えば、未だ開始されていない識別情報の可変表示(始動領域に遊技媒体が進入したが前記開始条件が未だ成立していない識別情報の可変表示)について保留情報を記憶する保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部など)と、前記保留情報に基づいて識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(例えば、ステップS112、S113の処理を行うCPU103やステップS171、S172の処理を行う演出制御用CPU120など)と、を備えるものであればよく、各手段の具体的構成は、上記実施の形態の構成に限られない。
また、パチンコ遊技機1は、例えば、前記保留記憶手段が記憶する前記保留情報に対応して保留表示領域(例えば、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbなど)に所定表示(例えば、保留表示図柄など)を表示する保留表示手段(例えば、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbに保留表示図柄を表示する画像表示装置5など)と、実行中の識別情報の可変表示に対応して今回表示領域(例えば、今回表示領域5Hcなど)に前記所定表示を表示する今回表示手段(例えば、保留表示領域5Hcに保留表示図柄を表示する画像表示装置5など)と、を備えるものであればよく(いずれか一方を備えなくてもよい。)、各手段の具体的構成は、上記実施の形態の構成に限られない。
今回表示領域や保留表示領域に表示される所定表示は、上記の実施の形態では、保留表示図柄という画像として構成されている。しかし、所定表示は、LEDなどの光源の点灯によって表現されてもよい(この場合、保留表示手段や今回表示手段は、保留表示領域や今回表示領域となる所定領域に設けられた光源になる。)。所定表示は、キャラクターなどの他の画像であってもよい。また、所定表示は、動画、静止画いずれであってもよい。
また、パチンコ遊技機1は、例えば、前記所定表示の表示態様を制御する表示態様制御手段(例えば、保留表示パターンや図51の各テーブルを参照することなどによって保留表示図柄の表示色を決定し、決定した表示色で保留表示図柄を表示したり、変化させたりする制御を行う演出制御用CPU120など)を備えるものであればよく、この手段の具体的構成は、上記実施の形態の構成に限られない。例えば、保留表示パターンや図57の内容、図58の各テーブルの内容などは以下で説明する各構成などの条件を満たすように適宜変更可能である。なお、表示態様制御手段の制御対象となる所定表示は、保留表示手段によって保留表示領域に表示される所定表示のみであってもよいし、保留表示手段によって保留表示領域に表示される所定表示と今回表示手段によって今回表示領域に表示される所定表示とであってもよい。なお、上記実施の形態は、両方の所定表示が対象となっている。
また、前記表示態様制御手段は、例えば、前記所定表示の表示態様を現在の表示態様から他の表示態様に変化させることが可能であればよく(例えば、保留表示図柄の表示色を変化させるなど)、この具体的構成は、上記実施の形態の構成に限られない。
また、前記所定表示の表示態様には、例えば、通常態様(例えば、青色など)と、前記通常態様とは異なる特殊態様(例えば、白色及び灰色など)と、前記通常態様及び前記特殊態様とは異なる態様であって、前記特定遊技状態になる割合を予告する予告態様(特定遊技状態になる可能性を示唆するものでもある)(例えば、黄色、緑色、赤色、及び、虹色など)と、が含まれればよい。表示態様は、上記実施の形態では表示色であるが、例えば、形状、大きさなどであってもよい。例えば、通常態様と特殊態様と予告態様とで、異なる形状にしたり、異なる大きさにしたりしてもよい。また、表示態様を変更するとは、所定表示の中に文字などを入れることも含む。例えば、ターゲットが、擬似連が行われる可変表示である場合(例えば、変動カテゴリで擬似連のグループを設け、演出制御基板側に通知すればよい。)には「擬」の文字を表示させ、スーパーリーチが行われる可変表示である場合には「SP」の文字を表示させ、キャラクターが戦うバトル演出が行われる可変表示である場合(例えば、スーパーリーチBがバトル演出である場合など)には「B」の文字を表示させるようにしてもよい。このような文字による表示態様の変更は、今回保留領域に表示された所定表示にのみ行ってもよい。
例えば、所定表示の表示態様として、他の態様があってもよい。また、特殊態様や予告態様は、1つの種類のみであってもよい。逆に通常態様は、複数種類あってもよい。また、表示態様としての表示色は、上記実施形態で使用されている色に限られない。なお、LEDなどの光源によって所定表示を表示する場合には、例えば、当該光源を複数の発光色で発光可能なものとし、発光色を変更することで表示色を変更すればよい。
なお、他の表示態様に変化させるとは、同じグループに属する他の表示態様に変化することを含んでもよい。例えば、白色から灰色に変化させたり、黄色から緑色に変化させたりすることを含んでもよい。
また、前記表示態様制御手段は、例えば、前記所定表示の表示態様が前記通常態様であるときよりも前記特殊態様であるときの方が当該所定表示の表示態様を前記予告態様に変化させる割合が高くなるように、前記所定表示の表示態様を前記予告態様に変化させればよく、この具体的構成は、上記実施の形態の構成に限られない。
なお、前記の割合が高くなるように前記所定表示の表示態様を前記予告態様に変化させる対象は、保留表示手段によって保留表示領域に表示される所定表示のみであってもよいし、保留表示手段によって保留表示領域に表示される所定表示と今回表示手段によって今回表示領域に表示される所定表示とであってもよい。当該対象を、保留表示領域に表示された所定表示のみとする場合には、上記実施の形態のように、保留表示パターンの決定割合を調整するなどして、上記条件を満たすようにすればよい。例えば、図32〜図51の各保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターンの決定割合よりも、灰色又は白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターンの決定割合(合計値又は平均値)それぞれの方が高くなるようにする。当該対象を、保留表示手段によって保留表示領域に表示される所定表示と今回表示手段によって今回表示領域に表示される所定表示とにする場合には、保留表示パターンの決定割合や、図58の参照テーブルの決定割合及び参照テーブルで決定され得る決定結果の内容などを調整するなどして、上記条件を満たすようにすればよい。例えば、図32〜図51の各保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターンの決定割合よりも、灰色又は白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターンの決定割合それぞれの方が高くなるようにするとともに、白色からも予告態様に変化する参照テーブルを設け、白色から予告態様に変化する決定割合を高くする(例えば、100%)などすればよい。
また、変化させる所定表示が、今回表示領域に表示された所定表示も対象とする場合には、図72に示すような、今回保留領域の保留表示図柄の表示色(今回保留の欄)も指定する保留表示パターン(以下、全期間保留表示パターンともいう。)を用意して、ステップS506にて、当該全期間保留表示パターンを選択するための全期間保留表示パターン決定テーブル(例えば、図32〜図51それぞれのテーブルの保留表示パターンを今回保留領域の保留表示図柄の表示色(今回保留の欄)も含む全期間保留表示パターンに置き換えたもの)を参照し、保留表示領域及び今回表示領域に表示していく所定表示の表示態様の変遷を一括して決定してもよい。なお、図72は一例であり、全期間保留表示パターンの内容などは目的に合わせて当然変更され、また、図72以外の全期間保留表示パターンが設定されることも当然ある。このような場合には、ステップS709、S710などを省略すればよい。このような場合には、変化させる所定表示が、保留表示領域に表示された所定表示のみを対象とする場合と同様に全期間保留表示パターン決定テーブルの内容(全期間保留表示パターンの内容や決定割合など)を設定して上記条件を満たすようにすればよい。例えば、各全期間保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む全期間保留表示パターンの決定割合(合計値又は平均値)よりも、灰色又は白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む全期間保留表示パターンの決定割合それぞれの方が高くなるようにするとよい。なお、このようなことは、下記の他の条件に対しても適用できる。つまり、以下で説明する所定表示の表示態様などについて、今回表示領域に表示された所定表示も対象とする場合、全期間保留表示パターンを用意して、保留表示領域に表示された所定表示のみを対象とする場合と同様の考え方で、全期間保留表示パターン決定テーブルの内容を設定すればよい。全期間保留表示パターン決定テーブルを用いる場合、予告バッファには、今回保留表示に所定表示が表示されたときの変動の欄(今回変動の欄)が設けられるとともに、今回保留表示に所定表示が表示されたときの、所定表示の表示態様を変化させるかの内容(全期間保留表示パターンの内容)なども格納され、この内容に基づいて、今回保留表示に所定表示を表示したときの表示態様の変化に応じた演出制御パターンを設定する。
なお、上記の実施の形態のように、パチンコ遊技機1は、識別情報の可変表示を開始するとき(識別情報の可変表示の開始条件が成立したときなど)に当該識別情報の可変表示に対応する前記保留情報に基づいて当該識別情報の可変表示の表示結果(表示結果を特定表示結果とするか否か、特定遊技状態にするか否かなど)を当該表示結果を導出する前に決定する事前決定手段(例えば、ステップS239を実行するCPU103など)と、前記事前決定手段よりも前に前記保留情報(始動領域に遊技媒体(例えば、遊技球など)が進入したときに抽出した保留情報であればよく、保留記憶手段に一旦記憶された保留情報であってもよいし、保留記憶手段とは別に保持されている保留表示であってもよい。)に基づいて当該保留情報に対応する当該識別情報の可変表示の表示結果(表示結果を特定表示結果とするか否か、特定遊技状態にするか否かなど)を判定する判定手段(例えば、ステップS211を実行するCPU103など)と、を備えるようにしてもよい(各手段の具体的構成は、上記の実施形態に限らない。)。なお、判定手段は、識別情報の可変表示を特定態様(特定表示結果を導出することも含む)にするかなど、識別情報の可変表示についての判定を行うものであってもよい。
上記の可変表示実行手段は、上記の実施の形態のように、事前決定手段の決定結果に基づいて、識別情報の可変表示を実行すればよい(ステップS111、S112の処理などを実行するCPU103や主基板11からの演出制御コマンドに基づいてステップS171やステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120など)。
上記の実施の形態では、表示態様制御手段は、保留表示領域に表示される所定表示については、判定手段の判定結果に基づいて、保留表示パターンを決定している(大当りか否かに基づいて決定される変動カテゴリ(変動カテゴリ判定結果指定コマンド)に基づいて保留表示パターン(つまり、所定表示の表示態様をどのように制御するかなど)を決定している演出制御用CPU120など)。つまり、表示態様制御手段は、判定手段の判定結果に基づいて、保留表示領域に表示される所定表示を、制御している。しかし、例えば、所定表示の表示態様を通常態様と特殊態様とのいずれかにするかは、判定結果に基づかないテーブルと乱数値とで決定し(例えば、1対1)、通常態様にすると決定したときよりも特殊態様にすると決定したときの方が予告態様に変化させると決定しやすいように設定されたテーブルを参照し、判定手段の判定結果に基づいて予告態様にするか否かや予告態様の種類などをテーブルと乱数値とで決定してもよい。
また、表示態様制御手段は、今回表示領域に表示される所定表示については、事前決定手段の決定結果に基づいて、所定表示を変化させるか否かなどを決定しているが(大当りか否かに基づいて決定される変動パターン(変動パターン指定コマンド)に基づいて保留表示予告の有無などを決定している演出制御用CPU120など)、上記のように全期間保留表示パターンにて今回表示領域に表示される所定表示の表示態様の変化も含めて所定表示の表示態様の変遷を一括で決定する場合などには、表示態様制御手段は、判定手段の判定結果に基づいて、所定表示の表示態様の変遷などを決定してもよい。このように、表示態様制御手段は、判定手段の判定結果又は事前決定手段の決定結果に基づいて(又は両者に基づいてでもよい。)、今回表示領域に表示される所定表示を、制御するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、変動カテゴリや変動パターン(変動カテゴリ判定結果指定コマンドや変動パターン指定コマンドなど)に基づいて所定表示の表示態様の変遷を決定しているが(このような決定も上記決定結果や判定結果に基づく決定である。)、大当りか否か(図柄判定結果指定コマンドや表示結果指定コマンド)にもとづいて参照するテーブルを決定して、直接所定表示の表示態様の変遷を決定してもよい。なお、変動カテゴリや変動パターンと、大当りか否かとの両者によって、参照するテーブルを決定して、所定表示の表示態様の変遷を決定してもよい。また、大当り種別などに応じて参照するテーブルを決定して所定表示の表示態様の変遷を決定してもよい。例えば、同じ変動カテゴリなどであっても、大当りか否か(大当り種別)に応じて保留表示パターンの内容や決定割合を異ならせることで、演出を多様化できる。なお、大当りとして、15Rの大当り遊技状態と2Rの大当り遊技状態などを用意し、それぞれを特定する大当り種別を用意してもよい。
パチンコ遊技機1は、さらに、以下のような構成を有するようにする。なお、以下の構成は適宜組合せてもよい。なお、以下の構成を含む本明細書において、「割合が異なる」(一方の割合を他方の割合よりも大きく(高く)する又は小さく(低く)することなども含む、また割合が異なるとは、3者以上の割合が異なることでもよい。)とは、例えば、一方を10割とし、他方を10割未満(0割含む。以下同じ)とするか、両者を10割未満とするかのいずれであってもよい。同様に、一方の割合を他方の割合より大きくする場合には、一方を10割、他方を0割とする他、一方を10割、他方を10割未満(他方が複数の場合には、そのうちの1以上が0割でもよい。)としたり、両者を10割未満とすることも含む。前記割合は、各種決定テーブル(例えば保留表示パターンや全期間保留表示パターンなどを決定するテーブル)における決定割合や決定結果(例えば保留表示パターンや全期間保留表示パターンなど)の内容などを調整することによって、調整すればよい。
(構成1)
前記特殊態様には、第1の特殊態様(例えば、白色など)と、前記第1の特殊態様とは異なる第2の特殊態様(例えば、灰色など)と、が含まれ、前記表示態様制御手段は、前記所定表示の表示態様が前記第1の特殊態様であるときと前記第2の特殊態様であるときとで当該所定表示の表示態様を他の表示態様に変化させる割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を他の表示態様に変化させる。
上記の実施の形態では、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと白色で変化しない保留表示パターン(H3−3など)(白色になったあとに変化しない保留表示パターンとしてもよい。)はあるが、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと灰色で変化しない保留表示パターン(灰色になったあとに変化しない保留表示パターンとしてもよい。)はない(図32〜図51)ことでこの構成が実現される。
なお、上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、例えば、上記保留表示パターンと同様の考え方で全期間保留表示パターン決定テーブル(例えば、図32〜図51それぞれのテーブルの保留表示パターンを全期間保留表示パターンに置き換えたもの。以下、適宜同じ)などを用意すればよい。例えば、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと白色で変化しない全期間保留表示パターン(白色になったあとに変化しない全期間保留表示パターンとしてもよい。)はあるが、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと灰色で変化しない全期間保留表示パターン(灰色になったあとに変化しない全期間保留表示パターンとしてもよい。)はないようにすればよい。
なお、保留表示図柄の表示色が保留発生時からずっと灰色で変化しない保留表示パターンを用意し、全期間保留表示パターン決定テーブルや、保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合や各パターンの内容などを調整することによって、上記条件を満たすようなパチンコ遊技機を構成してもよい。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特殊態様(特に特殊態様がいずれであるか)により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成2)
前記特殊態様には、第1の特殊態様(例えば、白色など)と、前記第1の特殊態様とは異なる第2の特殊態様(例えば、灰色など)と、が含まれ、前記表示態様制御手段は、前記所定表示の表示態様が前記第1の特殊態様であるときと前記第2の特殊態様であるときとで当該所定表示の表示態様を他の表示態様のいずれに変化させるかの選択割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を他の表示態様に変化させる。
上記の実施の形態では、保留表示図柄の表示色が灰色から赤色や虹色に変化する保留表示パターン(H3−19,H3−20、J3−48など)はあるが、白色から赤色や虹色に変化する保留表示パターンはない(図32〜図51)ことでこの構成が実現される。
なお、上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、例えば、上記保留表示パターンと同様の考え方で全期間保留表示パターン決定テーブルなどを用意すればよい。例えば、保留表示図柄の表示色が灰色から赤色や虹色に変化する全期間保留表示パターンはあるが、白色から赤色や虹色に変化する全期間保留表示パターンはないようにすればよい。今回保留予告についての参照テーブル(図57及び58)の内容を調整して、上記構成を満たすようにしてもよい。なお、選択割合が異なるとは、変化し得る他の表示態様は第1の特殊態様と第2の特殊態様で共通であるが、変化後の他の表示態様をいずれにするかの割合が異なるほか、変化し得る他の表示態様が第1の特殊態様と第2の特殊態様とで異なる又は一部のみ共通する場合も含む。例えば、第1の特殊態様では、他の表示態様Aに10割で変化し(つまり、変化する場合には、他の表示態様Aにのみ変化する)、第2の特殊態様では、他の表示態様Bに5割、他の表示態様Cに5割で変化するようにしてもよい。表示態様A〜Cは全て異なるものとする。また、第1の特殊態様では、他の表示態様Aに10割で変化し(つまり、変化する場合には、他の表示態様Aにのみ変化する)、第2の特殊態様では、他の表示態様Aに5割、他の表示態様Bに5割で変化するようにしてもよい。また、第1の特殊態様では、他の表示態様Aに5割、他の表示態様Bに5割で変化し(つまり、変化する場合には、他の表示態様Aにのみ変化する)、第2の特殊態様では、他の表示態様Aに7割、他の表示態様Bに3割で変化するようにしてもよい。このようなことは、他の選択割合についても同様である。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特殊態様(特に特殊態様がいずれであるか)により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成3)
前記表示態様制御手段は、前記所定表示の表示態様が前記特殊態様から変化させ得る表示態様のうちの所定の表示態様であるとき(最初から所定の表示態様であるときと、途中で所定の表示態様になるときと、の両者を含む)に、当該所定表示の表示態様を前記特殊態様に変化させる。
上記実施の形態では、保留表示図柄の表示色が灰色から緑色、赤色、又は虹色に変化する保留表示パターン(H3−40、H3−47、H3−48など)があり、保留表示図柄の表示色が緑色から灰色に変化したあと、変化後の灰色から緑色、赤色、又は虹色に変化する保留表示パターン(K3−41、K3−42、K3−51など)がある(図32〜図51)ことによって、この構成が実現される。
同様に、上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、例えば、全期間保留表示パターン決定テーブルにおいて、灰色から緑色、赤色、又は虹色に変化する全期間保留表示パターンがあり、保留表示図柄の表示色が緑色から灰色に変化したあと、変化後の灰色から緑色、赤色、又は虹色に変化する全期間保留表示パターンがあるようにすればよい。
上記の構成によれば、例えば、所定表示の変化パターンを多様化でき、遊技の興趣が向上する。なお、前記所定の表示態様は、前記特殊態様から変化させ得る表示態様の全てであってもよいし、一部の特殊態様であってもよい。
(構成4)
前記予告態様には、予告する前記特定遊技状態になる割合の異なる複数の予告態様が含まれ、前記表示態様制御手段は、前記所定表示の表示態様が前記特殊態様であるときと、前記今回表示手段が表示する前記所定表示の表示態様が前記特殊態様であるときとで、当該所定表示の表示態様を、前記複数の予告態様のうちの予告する前記特定遊技状態になる割合が所定の閾値よりも高い特定予告態様に変化させる割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を前記特定予告態様に変化させる。
上記実施の形態では、今回の現在色が白色である場合には、参照テーブルTA−1が参照される(図57、図58)。参照テーブルTAー1は、その決定値が全て「変化無し」に割り当てられているので、このような場合には、今回保留予告が実行されない。つまり、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbに表示された保留表示図柄が特殊態様のときには他の表示態様に変化することがあるが(保留表示パターン参照)、今回表示領域5Hcに表示された保留表示図柄が特殊態様のときには他の表示態様に変化しないことによって、この構成が実現されている。
なお、全期間保留表示パターン決定テーブルを用いて、所定表示の表示態様の変化の変遷を一括して決める場合には、例えば、保留表示領域に所定表示が表示されているうちに特殊態様から赤色及び虹色に変化させる第1の全期間保留表示パターンを用意せず、今回表示領域に所定表示が表示されているときに特殊態様から赤色及び虹色に変化させる第2の全期間保留表示パターンを用意することによって、上記構成を実現してもよい。また、第1の全期間保留表示パターン及び第2の全期間保留表示パターンを両方用意して、決定割合によって、上記条件を満たすようにしてもよい。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特殊態様(特に特殊態様の所定表示が今回保留領域に表示されるか保留表示領域に表示されるか)により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成5)
前記表示態様制御手段は、前記所定表示の表示態様を複数タイミングのうちのいずれかで前記特殊態様にし、当該所定表示の表示態様を前記複数タイミングのうちの第1のタイミングで前記特殊態様にするときと前記第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで前記特殊態様に変化させるときとで前記特定遊技状態になる割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を制御する。
上記実施の形態では、ターゲットが保留記憶4つ目である場合の保留表示パターンにおいて、次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色又は灰色に変化するときには、最終表示色が緑色にのみなるが(K3−7、K3−11、K3−19など)、次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色に変化するときには、最終表示色が緑色の他、赤色や虹色にもなる(K3−13、K3−14、K3−15、K3−22、K3−23など)(図32〜図51)ことによって、保留表示図柄の予告態様の大当り期待度が異なるようになるので、上記の構成が実現される。
同様に、上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、例えば、全期間保留表示パターン決定テーブルにおける、ターゲットが保留記憶4つ目である場合の保留表示パターンにおいて、次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色又は灰色に変化するときには、最終表示色(ここでは、今回表示領域における最終的な色(今回保留予告によって変化したあとの色を含む。))が緑色にのみなるが、次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色に変化するときには、最終表示色が緑色の他、赤色や虹色にもなるようにする。
ターゲットが保留記憶4つ目である場合以外であっても、構成5の上記条件が満たされるように、保留表示パターン決定テーブルや全期間保留表示パターン決定テーブルを設定してもよい(以下の構成でも同様)。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特殊態様(特に特殊態様になるタイミング)により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成6)
前記表示態様制御手段は、前記所定表示の表示態様を複数タイミングのうちのいずれかで前記特殊態様から他の表示態様に変化させ、当該所定表示の表示態様を前記複数タイミングのうちの第1のタイミングで前記特殊態様から他の表示態様に変化させるときと前記第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで前記特殊態様から他の表示態様に変化させるときとで前記特定遊技状態になる割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を他の表示態様に変化させる。
上記実施の形態では、ターゲットが保留記憶4つ目である場合において、次次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色又は灰色から変化するときには、最終表示色が赤色、虹色に変化できるが(K3−42、K3−49〜51など)、次次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色から変化するときには、最終表示色が赤色や虹色にはならない(K3−9、K3−18、K3−20など)(図32〜図51)ことによって、上記の構成が実現される。
同様に、上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、例えば、全期間保留表示パターン決定テーブルにおける、ターゲットが保留記憶4つ目である場合において、次次次変動において保留表示図柄の表示態様が白色又は灰色から変化するときには、最終表示色が赤色、虹色に変化できるが、次次変動において保留表示図柄の表示態様が灰色から変化するときには、最終表示色が赤色や虹色にはならないように全期間保留表示パターンを設定する。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特定態様により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成7)
前記表示態様制御手段は、前記保留記憶手段が前記保留情報を新たな保留情報として記憶した際に前記保留記憶手段が記憶している前記保留情報の記憶数(例えば、当該新たな保留情報は記憶数に含めないものとする。)が第1の数であるときと前記第1の数とは異なる第2の数であるときとで、当該新たな保留情報に対応して前記所定表示の表示態様を前記特殊態様にする割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を制御する。
上記実施の形態では、各保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合を、ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したときであり、前記保留記憶手段が記憶している前記保留情報の記憶数=2)である場合と、ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図又は第2特図における4つ目の保留記憶が発生したときであり、前記保留記憶手段が記憶している前記保留情報の記憶数=3)である場合とで、保留表示図柄の表示態様がいずれかのタイミングで特殊態様になる保留表示パターンの決定割合(当該保留表示パターンの決定割合の平均又は合計値)が異なるように設定すること(必要に応じて保留表示パターンの内容を変更してもよい。)で、この構成が実現される。例えば、4つ目の方が特殊態様になる割合が高くなるように、決定割合などを調整する。
同様に、上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、各全期間保留表示パターン決定テーブルにおける決定割合やパターンの内容を、ターゲットが保留記憶3つ目(つまり、第1特図又は第2特図における3つ目の保留記憶が発生したとき)である場合と、ターゲットが保留記憶4つ目(つまり、第1特図又は第2特図における4つ目の保留記憶が発生したとき)である場合とで、保留表示図柄の表示態様がいずれかのタイミングで特殊態様になる全期間保留表示パターンの決定割合(当該保留表示パターンの決定割合の平均又は合計値)が異なるように設定することで、この構成が実現される。例えば、4つ目の方が特殊態様になる割合が高くなるように、決定割合などを調整する。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は保留記憶手段が記憶する保留情報の数に注目することで特殊態様にもより注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成8)
前記表示態様制御手段は、前記所定表示の表示態様を前記特殊態様に変化させるときに、演出の結果として当該表示態様を変化させる複数種類の作用演出のうちのいずれかを実行し、前記複数種類の作用演出のうちの第1の作用演出を実行するときと前記第1の作用演出とは異なる第2の作用演出を実行するときとで、前記特定遊技状態になる割合が異なるように、前記作用演出を実行する。
上記実施形態では、特図表示結果が「大当り」のときには、作用演出Bの決定割合が高く、作用演出Aの決定割合が次に高く、実行無しの決定割合が最も低い。特図表示結果が「ハズレ」のときはその逆になっていることによって、この構成が実現されている。なお、作用演出の実行割合や種類の決定割合は、所定表示の表示態様をどの色に変化させるかで、異ならせても良い。例えば、赤色に変化させたり、虹色に変化させたりするときには、作用演出Bが実行されやすく、他の場合には作用演出Aが実行されやすいようにする。また、変化前と変化後とで大当り期待度が大きくなるとき(所定の閾値以上であるとき)に作用演出を実行しやすくしてもよい。
上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、今回保留予告でも前記作用演出A又はBを実行可能にするようにすればよい。このとき、保留表示領域における作用演出と同様の決定割合などで作用演出を実行するようにすればよい。
上記の構成によれば、例えば、遊技者はどの作用演出によって特殊態様に変化したかを注目することで特殊態様にもより注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成9)
前記遊技機は、前記可変表示実行手段が実行する識別情報の可変表示に対応して複数の演出モードのいずれかで演出を実行する演出実行手段を備え、前記表示態様制御手段は、前記演出実行手段が実行する演出の演出モードが前記複数の演出モードのうちの第1の演出モードであるときと前記第1の演出モードとは異なる第2の演出モードであるときとで、前記所定表示の表示態様を前記特殊態様にする割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を制御する。演出モードは、上記実施の形態では、確変状態と非確変状態とで異なるモードとしているが、例えば、低確高ベース又は高確高ベースのときと、それ以外のときと、で異なる演出モード(確変潜伏モードと、その他のモード)を用意してもよい。また、変動パターンテーブルや変動カテゴリテーブルをモードに応じて複数種類持っておき、どのテーブルを参照するかで(演出制御コマンドでCPU103から演出制御用CPU120に通知する。)、演出モードを異ならせても良い。先読み予告演出の実行で演出モードが異なってもよい。また、CPU103からの通知に基づかないで、演出制御用CPU120側で独自に演出モードを切り替えるようにしてもよい。
上記実施の形態では、保留表示パターン決定テーブルにおいて、演出モードが通常モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがあるが(H3−3、H3−5など)、演出モードが確変モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがない(図32〜図51)。このように、演出モードに応じて保留表示図柄の表示態様を特殊態様(ここでは、白色)にする割合を変化させることで(0割と10割だけでなく、2割と8割などであってもよい。)、この構成が実現される。なお、白色及び灰色にする割合を演出モードに応じて異ならせても良い(決定割合などで調整する)。
同様に、上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、例えば、全期間保留表示パターン決定テーブルにおける全期間保留表示パターンの内容、決定割合などを調整することによって、上記条件を満たすようにすればよい。例えば、全期間保留表示パターン決定テーブルにおいて、演出モードが通常モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがあるが(H3−3、H3−5など)、演出モードが確変モードのときには保留表示図柄の表示色を白色にすることがない(図32〜図51)。このように、演出モードに応じて保留表示図柄の表示態様を特殊態様(ここでは、白色)にする割合を変化させることで(0割と10割だけでなく、2割と8割などであってもよい。)、この構成が実現される。なお、白色及び灰色にする割合を演出モードに応じて異ならせても良い(決定割合などで調整する)。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特殊態様により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成10)
前記表示態様制御手段は、前記所定表示の表示態様を前記予告態様にする特定演出を実行し、前記保留表示手段が表示する前記所定表示の表示態様が前記通常態様であるときよりも前記特殊態様であるときの方が当該所定表示の表示態様を前記予告態様に変化させる割合が高くなるように、前記特定演出を実行し、前記特定演出の実行期間と当該実行期間以外の期間とで、前記保留表示手段又は今回表示手段が表示する、当該特定演出の対象でない他の前記所定表示の表示態様を前記特殊態様にする割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を制御する。なお、ここでの特定演出の実行期間とは、所定表示の表示態様を予告態様に変化させる期間と予告態様の所定表示を表示する期間とのうちの少なくとも何れかを含む期間であればよい。
上記実施の形態では、今回ターゲットとなる保留表示図柄以外の保留表示図柄についての先読み予告(保留表示図柄を予告態様としている演出)の実行期間中には、今回ターゲットにおいて保留表示図柄の表示態様を通常態様以外のもの(特殊態様も含む)にすることが禁止されている。なお、この禁止の対象に、今回表示領域に表示された所定表示が含まれてもよいし、含まないものとしてもよい(上記実施の形態では対象になっている)。これによって、この構成が実現される。なお、今回ターゲットとなる保留表示図柄以外の保留表示図柄についての先読み予告(保留表示図柄を予告態様としている演出)の実行期間中には、それ以外の期間に比べて、保留表示図柄の表示態様を通常態様以外のものにする割合を低くするか、逆に高くするようにしてもよい。また、今回ターゲットとなる保留表示図柄以外の保留表示図柄についての今回保留予告の実行期間中には、今回ターゲットにおいて保留表示図柄の表示態様を通常態様以外のものにすることを禁止する割合を低く又は高くしてもよい。また、特殊態様にすることのみについて禁止又は割合を低くしてもよい。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特殊態様により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成11)
前記遊技機は、前記所定表示について前記特定遊技状態になる割合を予告する特定演出を実行する特定演出実行手段を備え、前記表示態様制御手段は、前記特定演出の実行期間と当該実行期間以外の期間とで前記所定表示の表示態様を前記特殊態様にする割合が異なるように、前記所定表示の表示態様を制御する。
例えば、保留表示図柄の表示態様を予告態様にする以外の先読み予告演出(例えば、画像表示装置5における表示画像の背景を変更する演出等)を保留表示領域に表示された保留表示図柄について実行するものとし、演出制御用CPU120は、今回ターゲットとなる保留表示図柄以外の保留表示図柄についての先読み予告演出の実行期間中には、今回ターゲットにおいて保留表示図柄の表示態様を通常態様以外のもの(特殊態様も含む)にすることを禁止する。なお、この禁止の対象に、今回表示領域に表示された所定表示が含まれてもよい。なお、今回ターゲットとなる保留表示図柄以外の保留表示図柄についての先読み予告演出の実行期間中には、それ以外の期間に比べて、保留表示図柄の表示態様を通常態様以外のものにする割合を低くするか、逆に高くするようにしてもよい。また、特殊態様にすることのみについて禁止又は割合を低くしてもよい。先読み予告演出は、演出制御パターンにて規定されていればよい。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特殊態様により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(構成12)
前記表示態様制御手段は、前記保留表示手段が表示する前記所定表示の表示態様を前記特殊態様にしてから(最初から特殊態様にする場合のほか他、途中から特殊態様に変化させた場合も含む。)当該所定表示に対応する識別情報の可変表示が実行されるまで当該特殊態様を他の表示態様に変化させないときの方が、前記保留表示手段が表示する前記所定表示の表示態様が最後に前記通常状態になっているときよりも、前記特定遊技状態になる割合が低くなるように、前記所定表示の表示態様を制御する。または、前記表示態様制御手段は、前記保留表示手段及び前記今回表示手段が表示する前記所定表示の表示態様を前記特殊態様にしてから(最初から特殊態様にする場合のほか他、途中から特殊態様に変化させた場合も含む。)当該所定表示に対応する識別情報の可変表示の実行期間における所定タイミング(例えば、所定表示の表示期間の最後まででもよい)まで当該特殊態様を他の表示態様に変化させないときの方が、前記保留表示手段及び前記今回表示手段が表示する前記所定表示の表示態様が最後に前記通常状態になっているときよりも、前記特定遊技状態になる割合が低くなるように、前記所定表示の表示態様を制御する。
上記実施の形態では、保留表示パターン決定テーブルにおいて、保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から白色にして変化させない保留表示パターン(H3−3など)は、ハズレ時に選択される変動カテゴリPA1及びPA2のときのみ選択される。なお、途中から白色に変化させて最後まで白色のままの保留表示パターンを用意し、当該保留表示パターンをハズレ時に選択される変動カテゴリPA1及びPA2のときのみに選択するようにしてもよい。一方で、最終色が青色になる保留表示パターン(H3−1、H3−4など)は、大当り時に選択される変動カテゴリPB3のときに選択されることがある(図32〜図51)。これによって、この構成が実現される。保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から白色(灰色でもよい。)にして変化させない保留表示パターンが大当り時にも選択されるようにして、決定割合で、前記特定遊技状態になる割合を変化させてもよい。つまり、一方の割合は、「0」でなくてもよい(以下、同様)。
上記構成の対象となる所定表示が、保留表示領域に表示される所定表示及び今回表示領域に表示される所定表示である場合、例えば、全期間保留表示パターン決定テーブルにおける全期間保留表示パターンの内容、決定割合などを調整することによって、上記条件を満たすようにすればよい。例えば、全期間保留表示パターン決定テーブルにおいて、保留表示図柄の表示色を表示開始時(保留発生時)から白色にして変化させない全期間保留表示パターンは、ハズレ時に選択される変動カテゴリPA1及びPA2のときのみ選択され、一方で、最終色が青色になる保留表示パターンは、大当り時に選択される変動カテゴリPB3のときに選択されることがあるようにすればよい。識別情報の可変表示の実行期間における所定タイミングとは、リーチ開始前、リーチ開始後、可変表示結果の導出前等、適宜のタイミングであればよい。なお、途中から白色に変化させて最後まで白色のままの全期間保留表示パターンを用意し、当該全期間保留表示パターンをハズレ時に選択される変動カテゴリPA1及びPA2のときのみに選択するようにしてもよい。
上記の構成によれば、例えば、遊技者は特殊態様により注目するので、遊技の興趣が向上する。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
なお、保留表示領域に表示された所定表示の表示態様の変化は、変動毎に決定してもよい。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに格納されたコマンドを参照して所定表示の表示態様の変化を決定してもよい。
図32〜図51の各保留表示パターン決定テーブルの保留表示パターンの決定割合及び図58の各テーブルの決定割合を調整するなどして、上記各構成を満たすようにすればよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板120の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。